説明

降車信号通信装置及びそれが設置された車両

【課題】どの押しボタンユニット30からの信号かが判定可能で、バス10により工程を低減して搭載する。
【解決手段】押しボタンスイッチが押圧されると、押しボタンユニット30に備えられた無線通信部から識別情報及び降車信号が制御ユニット40に備えられた中央通信部に無線通信で伝達される。こうすることにより、押しボタンユニット30と制御ユニット40とを通信用の配線で接続しなくてよいため、押しボタンユニット30を設置する工程をより低減することが可能になる。加えて、車内灯60に情報表示部を備えているため、情報表示部を新たに設ける必要がない。したがって、別途情報表示部を設ける場合と比較して、より工程を低減することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降車信号通信装置及びそれが設置された車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バス等の乗客が降車する際に降車ボタンを押すことで、運転手に降車の意志を伝える降車信号通信装置が知られていた。例えば、特許文献1には、車両の天井に備えられた照明装置に降車ボタンから発信された降車の意志を示す無線信号を受信する受信装置を設けることにより、受信装置が運転手そばにある場合と比較して、降車ボタンと受信装置との距離を短縮することができる。こうすることにより、弱い無線波であっても受信装置で受信できるため、強い無線波を発信する必要がない。すなわち、無線波の発信に必要な電力を低減し、電源交換の労力を低減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−90669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした降車信号通信装置では、複数の降車ボタンいずれからも近距離に受信装置を設置する必要があり、複数の受信装置を設置する手間がかかるという課題がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、いずれの降車ボタンから降車信号が発信されたかを判別することが可能であり、かつ、バス等の車両に設置する際に手間を軽減させることができる降車信号通信装置及びそれが設置された車両を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の降車信号通信装置は、
押しボタンと、降車信号及びボタン識別信号を含む降車に関する信号を送信可能な無線送信手段と、を有する複数の押しボタンユニットと、
前記降車に関する信号を受信可能な無線受信手段と、前記降車信号に基づく降車表示信号及び前記ボタン識別信号に基づくボタン識別表示信号を送信する送信手段と、を有する通信ユニットと、
前記降車表示信号に基づいて情報を表示する降車意志表示手段と、光源と、を有する照明ユニットと、
前記ボタン識別表示信号に基づいて情報を表示するボタン識別表示ユニットと、
を備えたものである。
【0008】
この降車信号通信装置では、複数の押しボタンユニットから降車に関する情報を無線通信で通信ユニットに送信することにより、複数の押しボタンユニットそれぞれから有線通信で通信ユニットに送信する場合と比較して、有線の通信回線を取り付ける工程を低減させることができる。また、照明ユニットに降車意志表示手段を有することで、照明ユニットと降車意志表示手段とを別々に設置する場合と比較して、降車意志表示手段を車両に設置する工程を低減させることができる。
【0009】
本発明の降車信号通信装置において、前記押しボタンユニットは、内部に電力供給源を更に有し、前記無線送信手段は、前記押しボタンが押圧された際に、前記電力供給源から電力が供給され、前記降車に関する信号を送信するものであってもよい。こうすれば、押しボタンユニットに外部から電力を供給する必要がなくなるため、電力供給手段(例えば、配線)を設ける手間を軽減することを可能にしつつ、押しボタンが押圧された際にのみ押しボタンユニットに電力が供給されるため、常に押しボタンユニットに電力が供給されている場合と比較して、電力供給源(例えば、ボタン電池)を交換する手間を軽減することができる。
【0010】
本発明の降車信号通信装置において、前記照明ユニットは、複数設けられていてもよい。この照明ユニットは情報表示部によって押しボタンスイッチが押圧されたことを報知することができるため、報知箇所が1カ所の場合と比較して、より広範囲に報知することが可能となる。
【0011】
本発明の車両は、上述したいずれかに記載の降車信号通信装置を備えたものである。本発明の降車信号通信装置を備えた車両は、本発明の降車信号通信装置を用いているために降車信号通信装置の取り付け工程における手間を軽減することができるものであるから、これを備えた車両も同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】バス10に搭載した降車通信装置20の構成の概略を示す概略図である。
【図2】押しボタンユニット30の構成の概略を示す概略図である。
【図3】押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。
【図4】制御ユニット40の構成の概略を示すブロック図である。
【図5】車内灯60の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図6】車内灯60の構成を示す六面図である。
【図7】操作パネル70の構成の概略を示す正面図である。
【図8】車内灯60の他の実施の形態(1)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図9】車内灯60の他の実施の形態(1)の構成の概略を示す六面図である。
【図10】車内灯60の他の実施の形態(2)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図11】車内灯60の他の実施の形態(2)の構成の概略を示す六面図である。
【図12】車内灯60の他の実施の形態(3)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図13】車内灯60の他の実施の形態(3)の構成の概略を示す六面図である。
【図14】車内灯60の他の実施の形態(4)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図15】車内灯60の他の実施の形態(4)の構成の概略を示す六面図である。
【図16】車内灯60の他の実施の形態(5)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図17】車内灯60の他の実施の形態(5)の構成の概略を示す六面図である。
【図18】車内灯60の他の実施の形態(6)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図19】車内灯60の他の実施の形態(6)の構成の概略を示す六面図である。
【図20】車内灯60の他の実施の形態(7)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図21】車内灯60の他の実施の形態(7)の構成の概略を示す六面図である。
【図22】押しボタンユニット30の他の実施の形態(1)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図23】押しボタンユニット30の他の実施の形態(1)の構成の概略を示す六面図である。
【図24】押しボタンユニット30の他の実施の形態(2)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図25】押しボタンユニット30の他の実施の形態(2)の構成の概略を示す六面図である。
【図26】押しボタンユニット30の他の実施の形態(3)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図27】押しボタンユニット30の他の実施の形態(3)の構成の概略を示す六面図である。
【図28】押しボタンユニット30の他の実施の形態(4)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図29】押しボタンユニット30の他の実施の形態(4)の構成の概略を示す六面図である。
【図30】押しボタンユニット30の他の実施の形態(5)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図31】押しボタンユニット30の他の実施の形態(5)の構成の概略を示す六面図である。
【図32】押しボタンユニット30の他の実施の形態(6)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図33】押しボタンユニット30の他の実施の形態(6)の構成の概略を示す六面図である。
【図34】押しボタンユニット30の他の実施の形態(7)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図35】押しボタンユニット30の他の実施の形態(7)の構成の概略を示す六面図である。
【図36】押しボタンユニット30の他の実施の形態(8)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図37】押しボタンユニット30の他の実施の形態(8)の構成の概略を示す六面図である。
【図38】押しボタンユニット30の他の実施の形態(9)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図39】押しボタンユニット30の他の実施の形態(9)の構成の概略を示す六面図である。
【図40】押しボタンユニット30の他の実施の形態(10)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図41】押しボタンユニット30の他の実施の形態(10)の構成の概略を示す六面図である。
【図42】押しボタンユニット30の他の実施の形態(11)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図43】押しボタンユニット30の他の実施の形態(11)の構成の概略を示す六面図である。
【図44】押しボタンユニット30の他の実施の形態(12)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図45】押しボタンユニット30の他の実施の形態(12)の構成の概略を示す六面図である。
【図46】押しボタンユニット30の他の実施の形態(13)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図47】押しボタンユニット30の他の実施の形態(13)の構成の概略を示す六面図である。
【図48】押しボタンユニット30の他の実施の形態(14)の構成の概略を示す参考斜視図である。
【図49】押しボタンユニット30の他の実施の形態(14)の構成の概略を示す六面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、上記簡単に説明した図面に基づいて本発明を実施するための形態を説明するにあたり、本実施の形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の押しボタンスイッチ32が押しボタンに相当し、無線通信部34が無線送信手段に相当し、押しボタンユニット30が押しボタンユニットに相当し、中央通信部56が無線受信手段及び送信手段に相当し、制御ユニット40が通信ユニットに相当し、情報表示部62aが降車意志表示手段に相当し、蛍光灯64が光源に相当し、車内灯60が照明ユニットに相当し、操作パネル70がボタン識別表示ユニットに相当し、電源供給部36が電力供給源に相当し、降車信号通信装置20が降車信号通信装置に相当し、バス10が車両に相当する。なお、降車信号通信装置20の動作を説明することにより本発明の降車信号通信装置20の操作方法の一例も明らかにしている。
【0014】
次に、図1を用いて、降車信号通信装置20の構成を詳しく説明する。ここで、図1は、バス10に搭載した降車通信装置20の構成の概略を示す概略図である。
【0015】
本実施形態のバス10は、図1に示すように、バス10の車内各所の椅子の背もたれやバス内壁表面等に設けられた複数の押しボタンユニット30と、複数の押しボタンユニット30からの無線通信を受信し、降車情報の報知を制御する制御ユニット40と、車内に設けられた複数の車内灯60と、運転手への降車情報の表示及び運転手による降車情報の消去操作を行うための操作パネル70と、を備えている。なお、以下の説明において、降車信号通信装置20とは、複数の押しボタンユニット30と、制御ユニット40と、複数の車内灯60と、操作パネル70と、を含むものである。
【0016】
押しボタンユニット30は、図2に示すように、押しボタンスイッチ32と、制御ユニット40と無線通信を行う無線通信部34と、リチウム電池式の電力供給部36と、を備えている。この押しボタンスイッチ32は、図2に示すように、押しボタンユニット30の表面位置よりも内部方向に凹んだ状態で設置されている。こうすることにより、バス10の揺れ等によって乗客が押しボタンユニット30の表面に手などをついてしまった際に、誤って押しボタンスイッチ32が押圧される可能性を未然に低減させることができる。無線通信部34は、通信制御部位(不図示)と矩形状に降り曲がったループ状の通信アンテナ部位(不図示)とが矩形状のカードの上に敷設されている。また、押しボタンスイッチ32と無線通信部34と電力供給部36とは電気的に接続されており、押しボタンスイッチ32によって接続と切断とが切り替えられる。なお、図2は、押しボタンユニット30の構成の概略を示す説明図であり、(A)は押しボタンユニット30の参考斜視図及び正面図を、(B)は押しボタンユニット30が押圧されていないときにA−A断面で切断したときの部分断面図を、(C)は押しボタンユニット30が押圧されているときにA−A断面で切断したときの部分断面図を、それぞれ表す。なお、図3は、押しボタンユニット30の構成を表す六面図及び断面図である。
【0017】
この押しボタンユニット30は、図2(B)に示すように、押しボタンスイッチ32が押圧されていない際には、押しボタンスイッチ32によって、スイッチ端33a及びスイッチ端33bは接続されない。一方、押しボタンスイッチ32が押圧されると、図2(C)に示すように、押しボタンスイッチ32によってスイッチ端33a及びスイッチ端33bが接続される。スイッチ端33a及びスイッチ端33bが接続されると、電力供給部36から無線通信部34が動作し、識別情報及び降車信号が制御ユニット50に送信される。こうすることにより、無線通信部34が通信する際にのみ通電することになるため、電源供給部36の電力消費を低減することができる。言い換えると、電源供給部36を交換する間隔を長期間にすることができるため、電源供給部36を交換する手間を軽減することができる。
【0018】
制御ユニット40は、図4に示すように、CPU42を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラム(後述する押しボタン検出ルーチン等)や各種データ(料金表や広告等)、各種テーブルなどを記憶したROM44と、一時的にデータを記憶するRAM46と、各種報知手段(表示灯52及びスピーカ54等)や各種通信を行う中央通信部56と通信を可能にするインタフェース48と、を備え、これらはバス50を介してお互いに信号のやりとりが可能なように接続されている。この制御ユニット40は、図示しないバッテリユニットから電力が供給されている。なお、図4は制御ユニット40の電気的接続を説明するためのブロック図である。
【0019】
表示灯52は、例えば、液晶式表示装置やLED式表示器装置など、公知の表示板であり、バス10の車内前方や壁面等の乗客から視認しやすい位置に設けられている。この表示灯52は、制御ユニット40と電気的に接続されており、ROM44にあらかじめ記憶されたデータに基づいて、「次、止まります」等の情報、料金表及び広告等を表示することで、車内に様々な情報を報知することができる。
【0020】
スピーカ54は、公知のスピーカであり、制御ユニット40と電気的に接続されている。このスピーカ54は、ROM44にあらかじめ記憶されたデータに基づいて「ピンポン」や「次、止まります」等の音や音声を流すことで、車内に情報を報知する。
【0021】
車内灯60は、バス10の天井部に設けられており、図5に示すように、箱状の筐体62で一面側が覆われている。筐体62は、長手方向両端部付近の情報表示部62aと中心部の照明部62bに分けられており、筐体62の内部であって情報表示部62aの裏面領域には図示しないLEDが、筐体62の内部であって照明部62bの裏面領域には蛍光灯64が、それぞれ備えられている。この車内灯60は、制御ユニット40からの信号によって点灯及び消灯が行われ、蛍光灯64及び図示しないLEDの両方又はいずれか一方を点灯及び消灯することができる。また、情報表示部62aは、半透明の有色(例えば、紫色)のカバーであり、「止まります」等の文字列がカバー表面に記載されていてもよい。また、照明部62bは、半透明の無色のカバーである。こうすることにより、バス10の車内の明るさに応じて照明部62bを発光させ、押しボタンユニット30からの信号に応じて情報表示部62aを発光させることができる。なお、ここで図5は車内灯60の構成の概略を示す参考斜視図であり、図6は、車内灯60の構成の概略を示す六面図である。
【0022】
操作パネル70は、運転手から視認可能な位置に設けられており、図7に示すように、押しボタンスイッチ32が押された座席の番号を表示する座席番号表示部72と、車椅子利用者用の座席付近の押しボタンスイッチ32が押圧されたときに点灯する車椅子用座席降車表示部74a及び車椅子利用者用座席付近以外の押しボタンスイッチ32が押圧されたときに点灯する通常位置降車表示部74b(以下、「降車表示部74」とも言う)と、車椅子用座席降車表示部74aの表示を消去する車椅子用リセットスイッチ76a並びに通常位置降車表示部74b及び座席番号表示部72の表示を消去する通常リセットスイッチ76b(以下、「リセットスイッチ76」とも言う)と、を備えている。こうすることにより、運転手は、車椅子利用者が降車の意志を有していることを知ることができ、降車補助等を行うことで、車椅子利用者に便宜を図ることができる。また、リセットスイッチ76を有しているため、誤って押しボタンスイッチ32が押圧された際には、運転手は座席番号表示部72及び降車表示部74の表示を消去することができる。なお、ここで図7は、操作パネル70の構成の概略を示す正面図である。
【0023】
次に、こうして構成された本実施の形態の降車信号通信装置20の制御方法について説明する。
【0024】
まず、乗客がバス10から降車しようとする場合には、バス10の内部に複数備えられている押しボタンスイッチ32を押圧する。押しボタンスイッチ32が押圧されると、図2(B)に示すように、押しボタンスイッチ32によってスイッチ端33aとスイッチ端33bとが接続される。スイッチ端33aとスイッチ端33bとが接続されると、無線通信部34に電力供給部36より電力が供給され、ボタン識別信号及び降車信号が中央通信部56に送信される。
【0025】
中央通信部56がボタン識別信号を受信すると、CPU42は、ボタン識別信号に対応する座席番号を座席番号表示部72に表示し、通常位置降車表示部74bを点灯する。一方、中央通信部56が降車信号を受信すると、CPU42は、ROM44にあらかじめ記憶されている文字列である「次、止まります」という情報を表示灯52に表示すると共に、ROM44にあらかじめ記憶されている音声データを再生し、スピーカ54より「次、止まります」という音声を流す。同時に、CPU42は、車内灯60に備えられている図示しないLEDを点灯し、情報表示部62aを点灯することで、押しボタンスイッチ32が既に押圧されたことを車内に報知する。こうすることにより、表示灯52のみで報知する場合と比べて、車内灯60が車内に複数あるため、例えば、バス10の車内が混雑している場合等であっても、より多くの乗客に情報を報知することができる。
【0026】
一方、押しボタンスイッチ32が何らかの理由で誤って押圧され、通常位置降車表示部74bが誤って点灯した場合には、運転手は操作パネル70に備えられている通常リセットスイッチ76bを押圧することで、解除することができる。なお、車椅子用座席降車表示部74aが誤って点灯した場合には、同様に車椅子用リセットスイッチ76aを押圧することで、同様の効果が得られる。
【0027】
以上詳述した本実施の形態の降車信号通信装置20によれば、押しボタンスイッチ32が押圧されると、押しボタンユニット30に備えられた無線通信部34から識別情報及び降車信号が制御ユニット40に備えられた中央通信部56に無線通信で伝達される。こうすることにより、押しボタンユニット30に通信配線を接続しなくてもよい。したがって、押しボタンユニット30をバス10に取り付ける際の工程を低減することが可能となる。加えて、車内灯60に情報表示部62aを備えているため、情報表示部62aを新たに設ける必要がない。したがって、別途情報表示部62aを設ける場合と比較して、より工程を低減することが可能となる。
【0028】
また、中央通信部56に伝達された識別情報及び降車信号に基づいて、操作パネル70に備えられた座席番号表示部72及び降車表示部74が表示されるため、運転手はどの場所に設置された押しボタンスイッチ32が押圧されたかを容易に知ることができる。したがって、例えば、車椅子利用者用座席付近に設置された押しボタンスイッチ32が押圧された場合には、車椅子利用者の降車補助を行うなど、乗客毎に異なるサービスを提供することができる。加えて、操作パネル70にはリセットボタン76が備えられているため、誤って押しボタンスイッチ32が押圧された場合には、座席番号表示部72及び降車表示部74の表示を消去することができる。
【0029】
更に、押しボタンユニット30は、電力供給部36を備えており、押しボタンスイッチ32が押圧された際にのみ無線通信部34に電力が供給されるため、常時無線通信部34に電力が供給されている場合と比較して、電力の消費量を低減させることができる。言い換えると、電力供給部36の交換頻度を低減させることができる。
【0030】
更にまた、情報表示部62aを有する車内灯60は、バス10の車内に複数設けられているため、車内灯60が一つの場合と比較して、乗客が情報表示部62aを視認しやすい。
【0031】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0032】
例えば、上述した実施の形態では、図5及び図6に示すように、車内灯60の長手方向両端部付近に情報表示部62aを有するものとしたが、図8及び図9に示すように、情報表示部62aに「止まります」の文字はなくてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図8は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す参考斜視図であり、図9は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す六面図であり、表示部62bは透明又は半透明である。
【0033】
例えば、上述した実施の形態では、図5及び図6に示すように、車内灯60の長手方向両端部付近に情報表示部62aを有するものとしたが、図10及び図11に示すように、箱状の筐体62の周囲を囲む位置に情報表示部62aを有していてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図10は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す参考斜視図であり、図11は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す六面図であり、表示部62bは透明又は半透明である。
【0034】
上述した実施の形態では、図5及び図6に示すように、長手方向両端部付近の情報表示部62aを有するものとしたが、図12及び図13に示すように、長手方向両端部付近に加え、略中央部にも情報表示部62aを有していてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図12は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す参考斜視図であり、図13は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す六面図であり、表示部62bは透明又は半透明である。
【0035】
上述した実施の形態では、図5及び図6に示すように、長手方向両端部付近の情報表示部62aを有するものとしたが、図14及び図15に示すように、筐体62の長辺に沿って情報表示部62aを有していてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図14は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す参考斜視図であり、図15は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す六面図であり、表示部62bは透明又は半透明である。
【0036】
上述した実施の形態では、図5及び図6に示すように、長手方向両端部付近の情報表示部62aを有するものとしたが、図16及び図17に示すように、筐体62の中央部に略円形状の情報表示部62aを有していてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図16は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す参考斜視図であり、図17は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す六面図であり、表示部62bは透明又は半透明である。
【0037】
上述した実施の形態では、図5及び図6に示すように、長手方向両端部付近の情報表示部62aを有するものとしたが、図18及び図19に示すように、筐体62の側部を除いた前面に情報表示部62aを有していてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図18は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す参考斜視図であり、図19は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す六面図であり、表示部62bは透明又は半透明である。
【0038】
上述した実施の形態では、図5及び図6に示すように、長手方向両端部付近の情報表示部62aを有するものとしたが、図20及び図21に示すように、筐体62の全面にわたって情報表示部62aを有していてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図20は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す参考斜視図であり、図21は、他の実施の形態における車内灯60の構成の概略を示す六面図であり、表示部62bは透明又は半透明である。
【0039】
上述した実施の形態では、図2及び図3に示すように、押しボタンスイッチ32に「止まります」の文字を有するものとしたが、図22及び図23に示すように、「止まります」の文字列は無くてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図22は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図23は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。
【0040】
上述した実施の形態では、押しボタンユニット30の背面は略平面状であるものとしたが、図24及び図25に示すように、背面を曲線状にしてもよい。こうすれば、上述した実施の形態と同様の効果が得られながら、例えば、手すり等の円柱状の部位に取り付ける場合に安定性を高めて設置することができるという効果も得られる。なお、ここで図24は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図25は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。この態様を採用した場合において、図26及び図27に示すように、押しボタンスイッチ32表面の模様は無くてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図24は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図25は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。
【0041】
上述した実施の形態では、押しボタンスイッチ32の表面は略平面状であるものとしたが、図28及び図29に示すように、押しボタンスイッチ32の中央部に略円形状の凹部があってもよい。この場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図28は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図29は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。この態様を採用した場合において、図30及び図31に示すように、押しボタンスイッチ32表面の模様は無くてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図30は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図31は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。
【0042】
上述した実施の形態では、押しボタンスイッチ32は上下非対称の形であるとしたが、
図32及び図33に示すように、押しボタンスイッチ32は上下略対象であってもよい。こうすれば、上述した実施の形態と同様の効果が得られながら、横方向又は縦方向にボタンを取り付ける場合であっても、90度回転又は180度回転させた絵柄の押しボタンスイッチ32を新たに準備する必要がない。なお、ここで図32は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図33は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。この態様を採用した場合において、図34及び図35に示すように、押しボタンスイッチ32表面の模様は無くてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図34は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図35は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。
【0043】
上述した実施の形態では、押しボタンスイッチ32に押しボタンスイッチであることを示す文字をいれるものとしたが、図36及び図37に示すように、文字の代わりに複数の絵柄を用いてもよし、図38及び図39に示すように、一つの絵柄を用いてもよい。こうすれば、上述した実施の形態と同様の効果が得られながら、日本語の学習が十分ではない子供や他国人であっても、押しボタンスイッチ32の役割を伝えることができるという効果が得られる。なお、ここで図36及び図38は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図37及び図39は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。この態様を採用した場合において、図40及び図41に示すように、押しボタンスイッチ32表面の模様は無くてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図40は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図41は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。
【0044】
上述した実施の形態では、押しボタンスイッチ32に押しボタンスイッチであることを示す文字をいれるものとしたが、図42及び図43に示すように、文字の代わりに鳥の絵柄を用いてもよい。こうすれば、上述した実施の形態と同様の効果が得られながら、日本語の学習が十分ではない子供や他国人であっても、押しボタンスイッチ32の役割を伝えることができるという効果が得られる。なお、ここで図42は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図43は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。この態様を採用した場合において、図44及び図45に示すように、押しボタンスイッチ32表面の模様は無くてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図44は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図45は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。
【0045】
上述した実施の形態では、押しボタンスイッチ32に押しボタンスイッチであることを示す文字をいれるものとしたが、図46及び図47に示すように、文字と鳥の絵柄の両方を用いてもよい。こうすれば、上述した実施の形態と同様の効果が得られながら、押しボタンスイッチ32の役割をより明確に伝えることができるという効果が得られる。なお、ここで図46は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図47は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。この態様を採用した場合において、図48及び図49に示すように、押しボタンスイッチ32表面の模様は無くてもよい。この場合も上述した実施の形態と同様の効果が得られる。なお、ここで図48は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す参考斜視図であり、図中の細い線は形状を表す補助的な線を表している。また、図49は、他の実施の形態における押しボタンユニット30の構成の概略を示す六面図及び断面図である。
【0046】
上述した実施の形態では、降車信号通信装置20をバス10に搭載するものとしたが、降車信号通信装置20を搭載する車両をバスに限定する趣旨ではなく、路線バスや観光バス等の大型バスの他、マイクロバスや自動車、列車や電車等の複数の人間を輸送する車両のいずれに搭載してもよい。
【0047】
上述した実施の形態では、通常位置に設けられた押しボタンスイッチ32が押圧されるものとしたが、車椅子利用者用座席付近の押しボタンスイッチ32が押圧されてもよい。この場合には、CPU42は、通常位置降車表示部74bの代わりに車椅子降車表示部74aを点灯する。こうすることにより、運転手は降車の意志を有する物が車椅子を使用していることが分かり、必要に応じて降車補助等のサービスを提供することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 バス、20 降車信号通信装置、30 押しボタンユニット、32 押しボタンスイッチ、33a スイッチ端、33b スイッチ端、34 無線通信部、36 電力供給部、40 制御ユニット、42 CPU、44 ROM、46 RAM、48 インタフェース、50 バス、52 表示灯、54 スピーカ、56 中央通信部、60 車内灯、62 筐体、62a 情報表示部、62b 表示部、64 蛍光灯、70 操作パネル、72 座席番号表示部、74a 車椅子用座席降車表示部、74b 通常位置降車表示部、76a 車椅子用リセットスイッチ、76b 通常リセットスイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押しボタンと、降車信号及びボタン識別信号を含む降車に関する信号を送信可能な無線送信手段と、を有する複数の押しボタンユニットと、
前記降車に関する信号を受信可能な無線受信手段と、前記降車信号に基づく降車表示信号及び前記ボタン識別信号に基づくボタン識別表示信号を送信する送信手段と、を有する通信ユニットと、
前記降車表示信号に基づいて情報を表示する降車意志表示手段と、光源と、を有する照明ユニットと、
前記ボタン識別表示信号に基づいて情報を表示するボタン識別表示ユニットと、
を備えた、
降車信号通信装置。
【請求項2】
前記押しボタンユニットは、内部に電力供給源を更に有し、
前記無線送信手段は、前記押しボタンが押圧された際に、前記電力供給源から電力が供給され、前記降車に関する信号を送信する、
請求項1に記載の降車信号送信装置。
【請求項3】
前記照明ユニットは、複数設けられている、
請求項1又は2に記載の降車信号通信装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の降車信号通信装置を含む、
車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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