説明

除塵装置

【課題】空気中に含まれる粉塵、塵埃、又は粒子状汚染物質の捕集効率が高く、更にそれらの捕集量を高めて交換サイクルの長い濾材として不燃性又は難燃性の繊維、或いはそのように処理された織布又は不織布からなる濾材を用いた複数の濾過ユニットを備える小型の除塵装置を提供する。
【解決手段】空気中の粒子状汚染物質や粉塵などを捕集して清浄化する除塵装置10は、ケーシング11の内部に近接して配置された複数の濾過ユニット20を備えている。この除塵装置10では、隣接する各濾過ユニット20の間に通気可能なスペーサ18が取り付けられ、隣接する各濾過ユニット20の濾材30どうしが強制的に離されて相互の接触が防止され、濾材30における全外表面での通気を確保することで、高い除塵性能を備えながらも小型化を達成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除塵装置に関し、さらに詳細には、例えば、粒子状汚染物質を含む排気ガスが放出される車検場や整備工場内、粉塵が発生する各種の工場内、或いは塵埃の多い室内の空気を外部に排出する際に空気中に含まれる粒子状汚染物質、粉塵、又は塵埃を捕集して清浄化するのに最適な除塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車の車検場や整備工場などでは、検査車両から出る排気ガス中の窒素酸化物の濃度検査や、消音器の消音効果検査、或いはアイドリング調整などを含むエンジン整備を行っている。このような検査や整備は、自動車のエンジンを駆動させた状態で行われるため、車検場や整備工場内の空気は排気ガスで汚染される。また、トンネルの掘削現場、建設中の建造物内、又は鉄工所や製材所などでも大量の粉塵や塵埃が発生し、それが密閉された作業現場内に漂うことから該作業現場内の環境を悪化させる。
【0003】
かかる車検場、整備工場、又は作業現場(以下、単に粉塵等発生施設、という)内の環境改善対策として、これらの粉塵発生施設の多くでは、空気清浄化システムが導入されており、このシステムにより該粉塵発生施設内の空気は除塵装置などを介して大気に放出され、これにより粉塵発生施設内の環境改善が図られると共に粒子状汚染物質、粉塵、又は塵埃の大気中への放出も防止している。このような空気浄化システムで使用される除塵装置には濾材が組み込まれ、この濾材で空気中に含まれる粒子状汚染物質、粉塵、又は塵埃が捕集されている。
【0004】
一般に、この種の除塵装置は、濾材で捕集した粉塵、塵埃、又は粒子状汚染物質を該除塵装置内で濾材から取り除くことができる払い落とし機構を備えるタイプと、定期的に濾材を交換するタイプとがある。これらのうち、定期的に濾材を交換するタイプの除塵装置では、粉塵、塵埃、又は粒子状汚染物質の保持量(捕集量)が大きく、しかも耐久性の高い濾材の使用が求められる。従来、作業環境改善のために使用される除塵装置には、ジグザグ状に折り畳んだフィルタ(特許文献1及び特許文献2)の使用が一般的である。特許文献1及び特許文献2に記載されているフィルタのようにこれをジグザグ状に折り畳む理由は、フィルタを比較的に小さなスペースに納め、かつ多量の風量を処理するためそれに比例した濾過面積を得るためである。
【特許文献1】特開2003−024732号公報
【特許文献2】特開2006−043669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の濾材では、上述したようにフィルタをジグザグ状に折り畳んでケースなどに納めるため、ほとんどのフィルタは薄く形成されている。その結果、従来のこの種のフィルタは、粉塵、塵埃、又は粒子状物質などの捕集量が低いことからフィルタの交換サイクルが短く、しかも捕集効率も低いため、粉塵発生施設内の環境改善や大気への放出空気の清浄化度があまりよくない、という問題があった。
【0006】
そこで、従来のフィルタに代え、粉塵、塵埃、又は粒子状物質などの捕集量が大きく、かつ捕集効率も高い不燃性又は難燃性の繊維により形成されたフィルタ(濾材)を開発したが、このような濾材はマット状を呈し、従来のフィルタに比べて非常に厚い。従って、この濾材を用いた複数の濾過ユニットをケーシングに納めて除塵装置を構成する場合、非常に大きな容積のケーシングが必要となることから除塵装置が大型になる。その理由は、除塵装置の大型化を避けようとして、比較的に小さな容積のケーシングに複数の濾過ユニットを納めると、隣接する濾過ユニットの濾材どうしが接触してその通気面の大部分を塞いでしまうことから、処理風量が少なくなり、結果、除塵能力が著しく低下するからである。このようなことから、捕集量が大きく、かつ捕集効率の高い上述した濾材を用いる濾過ユニットを用いた除塵性能の高い除塵装置を如何にして小型化するか、という点が大きな課題であった。
【0007】
この発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、空気中に含まれる粉塵、塵埃、又は粒子状汚染物質の捕集効率が高く、更にそれらの捕集量を高めて交換サイクルの長い濾材として不燃性又は難燃性の繊維、或いはそのように処理された織布又は不織布からなる濾材を用いた複数の濾過ユニットを備える小型の除塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した技術的課題を解決するために本発明は以下のように構成されている。すなわち、本発明は、空気中に含まれる粒子状汚染物質、粉塵、及び塵埃を捕集して清浄化する除塵装置であり、その特徴とするところは、内部が第1室と第2室とに仕切られたケーシングと、該ケーシングの前記第1室内に、相互に隣接して配置された複数の濾過ユニットと、少なくとも隣接する前記各濾過ユニットどうしの間に設置されたスペーサと備え、前記各濾過ユニットが、少なくとも通気可能で、かつ剛性の壁面部を有し、この壁面部で囲まれた内部に空間部を有する箱形の支持枠体と、該支持枠体の前記壁面部に取り付けられた濾材とから構成され、前記各濾過ユニットの前記内部空間部が、前記支持枠体に形成された開口部を介して前記第2室に連通し、前記濾材が、不燃性又は難燃性の繊維で形成され、25.0mm〜85.0mmの厚さを有するマット状を呈し、前記スペーサが、前記ケーシングの前記第1室に配置された1つの前記濾過ユニットにおける前記濾材と隣接する他の前記濾過ユニットにおける前記濾材との間に配置されると共に、通気可能な構造で形成されていることにある。
【0009】
本発明の除塵装置は、前述した必須の構成要素からなるが、その構成要素が具体的に以下のような場合であってもよい。その具体的構成とは、前記スペーサが、前記第1室内において前記ケーシングの内壁に隣接して配置された前記濾過ユニットの前記濾材と前記ケーシングの前記内壁との接触を避けるべくその間にも配置されている。
【0010】
また、本発明の除塵装置では、前記各濾過ユニットの前記濾材が、第1濾材層と、この第1濾材層の表面に積層された第2濾材層とから構成され、前記第1濾材層が、20.0mm〜60.0mmの厚さを有し、かつ前記第2濾材層が、5.0mm〜25.0mmの厚さを有し、前記第2濾材層が前記第1濾材層より密な構造で形成されている。
【0011】
また、本発明の除塵装置では、前記第1濾材層及び前記第2濾材層が、ガラス繊維、ロックウール、及び不燃性処理又は難燃性処理をした織布若しくは不織布のいずれかで構成されている。さらに、本発明の除塵装置では、前記第1濾材層は、目付けが15kg/m〜30kg/mの範囲であり、前記第2濾材層は、目付けが40kg/m〜90kg/mの範囲であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の除塵装置によると、ケーシング内に設置された複数の濾過ユニットを構成している濾材が、粉塵等の捕集効率に優れたマット状の厚さを有し、不燃性又は難燃性の繊維、若しくは不燃性又は難燃性処理が施された織布或いは不織布からなる素材を使用した場合でも、隣接する濾過ユニットの間にメッシュ状のスペーサを配置したことにより、各濾過ユニットにおける濾材の通気面を塞ぐことがなく、これにより十分な処理風量を確保することができ、その結果、高い捕集量と集塵効率を得ることができると同時に除塵装置の小型化を図ることができる。
【0013】
また、本発明の除塵装置によると、各濾過ユニットの濾材が、不燃性又は難燃性の繊維で形成されるか、或いは処理不燃性処理又は難燃性処理をした織布又は不織布のいずれかで構成されているので、耐火性能及び耐熱性能も非常に高く、そのため自動車の排気ガス、溶接又は溶断作業における溶接又は溶断ヒューム(溶接作業などで発生した金属蒸気が凝集して微細な粒子となったもの)など高温の空気に含まれる粒子状汚染物質や粉塵などの捕集もでき、このような空気の清浄化にも利用することができる。
【0014】
本発明の除塵装置によると、スペーサが、第1室内においてケーシングの内壁に隣接して配置された濾過ユニットの濾材とケーシングの内壁との間にも配置されているので、ケーシングに隣接する濾過ユニットの濾材についても濾材の通気面が塞がれることが無く、その結果、除塵装置における捕集量及び集塵効率をさらに向上できる。
【0015】
本発明の除塵装置によると、隣接する各濾過ユニットの濾材どうしの接触がメッシュ状のスペーサで防止されているので、20.0mm〜60.0mmの厚さを有する第1濾材層と、この第1濾材層の表面に積層され、5.0mm〜25.0mmの厚さを有する第2濾材層とから構成された濾材の特徴を十分に発揮させることができるため、小型でありながらも極めて高い捕集量と高い捕集効率を有する除塵装置を得ることができる。また、このような除塵装置の効果は、(請求項4)第1濾材層及び第2濾材層をガラス繊維、ロックウール、及び不燃性処理又は難燃性処理をした織布若しくは不織布のいずれかで構成することにより顕著に発揮することができる。さらに、除塵装置の上述した効果は、第1濾材層の目付けを15kg/m〜30kg/mの範囲とし、第2濾材層の目付けを40kg/m〜90kg/mの範囲とすることにより、より一層発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る除塵装置を添付の図に示された好適な実施形態についてさらに詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る除塵装置10を示す断面図、図2は、除塵装置10のケーシング11内に設置される濾過ユニット20を示す斜視図、図3は、濾過ユニット20を構成する濾材30の一部を拡大して示す部分的な断面図である。この実施形態に係る除塵装置10では、4つの濾過ユニット20が、ケーシング11内にセットされている。このケーシング11は、図4に示されるような上部開放のケーシング本体11aと、この開放部に緊密に被せて密閉するカバー11b(図1参照)とから構成されている。ケーシング本体11aは、底壁12及び4つの側壁13からなり、隣接する側壁13どうし、及び底壁12と各側壁13とがそれぞれ直交する箱形を呈している。ケーシング本体11aの内部には、所定広さの収容室14が形成されている。
【0017】
この収容室14には、その平面形状に整合する形状の棚板15がその各端縁部をケーシング本体11aの各側壁13内面に溶接などにより固定されて設置され、これにより収納室14内は、棚板15より下部の第1室14aと棚板15より上部の第2室14bとに区分されている。ケーシング11におけるケーシング本体11aの底壁12には第1室14aに連通する接続用の管路部16が形成され、また、カバー11bにも、第2室14bに連通する接続用の管路部17が形成されている。棚板15には、後述する濾過ユニット20を取り付けるための開口15aが形成されている。開口15aの数は、ケーシング11の内部に配置される濾過ユニット20の数に対応し、この実施形態では、4つの濾過ユニット20を備える除塵装置10を例としているので、棚板15には、4つの開口15aが並んで形成されている。これらの開口15aの形状や大きさについては後述する。
【0018】
次に、濾過ユニット20の構造について図2を参照して説明をする。濾過ユニット20は、支持枠本体21に懸架板22を取り付けてなる支持枠体23と、この支持枠体23の支持枠本体21に装着された濾材30とから構成されている。支持枠本体21は、上部に長方形状の開口部24を形成し、この開口部24の開口面に平行な任意の切断面における形状も開口部24とほぼ同じ大きさの長方形状をした箱形であり、従って、この支持枠本体21は、周方向に4つの平坦な壁面25a,25b,25c,25dを備えると共に、開口部24に対向する底部にも平坦な壁面(底壁)25eを備えている。支持枠本体21は、図2から明らかなように相対向する一対の壁面25a,25bの面積が、他の相対向する一対の壁面25c,25dのそれより大きく、開口部24と底壁25eとの間隔が長い縦長の直方体である。
【0019】
懸架板22は、所定の厚みと剛性を備える板状の基板で形成されている。この懸架板22は、支持枠本体21における開口部24の形状に相似し、かつ開口部24より大きな長方形状を呈している。この懸架板22は、その中央部に開口22aを備え、この開口22aは、支持枠本体21の開口部24と同じ形状と大きさで形成されている。また、懸架板22は、その下面に形成されたフランジ状の上部囲い枠22bを備えている。この上部囲い枠22bは、開口22aの内縁部から所定の間隔を開けた外側に、開口22aを囲むように形成されている。懸架板22は、その開口22aが支持枠本体21の開口部24に整合するように懸架板22の裏面を支持枠本体21における開口部24の端面に当接させ、溶接などの手段により該支持枠本体21に固定されている。
【0020】
懸架板22の下面に形成された上部囲い枠22bは、該懸架板22が支持枠本体21に固着されたとき、後述する支持枠本体21の固定部26にほぼ対面する垂下長さで形成されている。懸架板22には、その表面にコ字型をした2つのハンドル22cが設けられ、これら2つのハンドル22cは、懸架板22を形成する基板の長手方向両端側近傍に並行に取り付けられている。さらに、懸架板22は、その表面に形成された複数のビス穴22dを備え、これらビス穴22dは、懸架板22を形成する基板の長手方向に延びる側縁22e,22fに沿い、かつ相互に間隔をあけている。
【0021】
ところで、支持枠本体21における周囲壁面25a〜25dは、該支持枠本体21の上部である開口部24近傍の周囲壁面部を平坦な表面の鋼板で形成した濾材保持用の固定部26と、この固定部26を除いた部分を比較的に剛性のある金網などで形成した通気壁面部27の一部とによって形成されている。濾材保持用の固定部26は、後述する濾材30の口部30aを文字通り固定する部分である。また、通気壁面部27は、支持枠本体21の内部空間部21aから外部へ向かって、或いはその逆方向に空気が通り抜ける空気通過部である。なお、この実施形態に係る濾過ユニット20における通気壁面部27とは、前述したように周囲壁面25a〜25dにおいて固定部26を除いた部分と、底壁25eとで構成されている。このように支持枠本体21の底壁25eも金網のようなメッシュ状素材で形成することにより通気壁面部27に含ませることができるが、底壁25eを後述するように平坦な表面の鋼板で形成する場合もあるので、通気壁面部27の構成要素に含まないこともある。なお、底壁25eを鋼板で形成すると、周囲壁面25a〜25dにおける金網などメッシュ状素材で形成された通気壁面部27の剛性をより一層高めることができる。この通気壁面部27は、金網の他、細い鋼棒で形成した格子体でもよく、また、鋼板に無数の穴を形成したポーラス板で形成することもできる。
【0022】
支持枠本体21に取り付けられる濾材30は、図3にその一部が拡大されて示されているように、金属繊維、ガラス繊維、或いはロックウールなどの不燃性繊維、又は不燃性処理或いは難燃性処理をした織布又は不織布などで形成された第1濾材層31と、同様にガラス繊維やロックウールなどの不燃性繊維、又は不燃性処理或いは難燃性処理をした織布又は不織布などで形成され、第1濾材層31の表面に積層された第2濾材層32とから構成されている。第1濾材層31は、その厚さが20.0mm〜60.0mmの範囲である。第1濾材層31の厚さが20.0mm以下であると汚染粒子などの捕集量が低下し、また60.0mmを越えると捕集量は向上しても第1濾材層31に及ぼされる面圧が高くなり過ぎて処理風量が低下すると共に濾材30の全体厚さも厚くなり過ぎ、大型化する。そのため、第1濾材層31の厚さは、好ましくは40mm前後が最適である。また、第2濾材層32は、その厚みが5.0mm〜25.0mmの範囲である。第2濾材層32の厚さが5.0mm以下であると汚染粒子などの捕集量が低下し、また25.0mmを越えると捕集量は向上しても第2濾材層32に及ぼされる面圧が高くなり過ぎて処理風量が低下すると共に濾材30の全体厚さも厚くなり過ぎ、大型化する。そのため、第2濾材層32の厚さは、好ましくは15mm前後が最適である。
【0023】
第2濾材層32は、第1濾材層31に比較して密な構造に形成されている。具体的には、第1濾材層31の目付けは、15kg/m〜30kg/mの範囲である。第1濾材層31の目付が15kg/m以下であると汚染粒子などの捕集量が低下し、また30kg/mを越えると捕集量は向上しても第1濾材層31に及ぼされる面圧が高くなり過ぎて処理風量が低下する。また、第2濾材層32の目付けは、40kg/m〜90kg/mの範囲である。第2濾材層32の目付が40kg/m以下であると汚染粒子などの捕集量が低下し、また90kg/mを越えると捕集量は向上しても第2濾材層32に及ぼされる面圧が高くなり過ぎて処理風量が低下する。これらのことから、第1濾材層31の目付は、24kg/m前後が好ましく、また、第2濾材層32の目付は、80kg/m前後が好ましい。
【0024】
このように第1濾材層31の表面に重なる第2濾材層32は、第1濾材層31に比べて密な構造で形成されている。このような濾材30は、図5に示されるようにそれぞれ第1濾材層31と第2濾材層32とを独立して形成し、それぞれを重ね合わせるか、或いは図6に示されるように第1濾材層31を基材としてその表面に金属繊維、ガラス繊維、或いはロックウールなどの不燃性繊維を吹き付け、第2濾材層32を堆積させる方法により作ることができる。
【0025】
このような濾材30は、支持枠本体21に取り付けて使用される。その取り付け方法の一例として、濾材30は、図2から明らかなように第1濾材層31が内層に、また第2濾材層32が外層になるように袋状に形成され、その口部30aからその内部に前述した支持枠本体21の底部側を挿入するようにして支持枠体23における支持枠本体21を包囲する。袋状濾材30の支持枠体23への固定手段としては、図1に示されるように袋状濾材30が、前述したようにして支持枠本体21に被せられるとき、濾材30の口部30aは、上部囲い枠22bと固定板26との間の間隔部に押し込まれる。次いで、袋状濾材30の口部30aにおける外周面に沿って楔状押さえ部材28を間隔部に圧入し、これにより袋状濾材30の口部30aは楔状押さえ部材28により支持枠本体21の固定部26に圧接されて取り付けられる。
【0026】
図7(a)には、袋状濾材30を支持枠体23に固定する別な手段が示されている。袋状濾材30を支持枠体23に固定する別な手段では、支持枠体23を構成する部材として、上部囲い枠のない懸架板122を用いた支持枠体23に袋状濾材30が取り付けられる。具体的には、袋状濾材30の内部に支持枠本体21をその底部側から相対的に挿入して支持枠本体21の周囲壁面15a〜15dを覆い、濾材30の口部30a近傍が支持枠本体21の固定部26に位置決めされる。次いで、この固定部26の表面に対向する袋状濾材30の口部30a外側から帯状の押さえ板123を当て、この押さえ板123をビス124で固定部26の鋼板に止める。これにより、袋状濾材30の口部30a付近は、その全周に亘って押さえ板123と固定部26とに強圧され、その結果、濾材30は、固定部26の外周面に対して密着した状態で支持枠本体21に取り付けることができる。
【0027】
前述した濾材30は、これを袋状に形成し、その口部30aからその内部に支持枠本体21を相対的に挿入して支持枠体23に取り付けるようにしたものであったが、この発明では、濾材30を袋状にする必要はなく、1枚のシート状に形成してこれを支持枠本体21の周囲壁面25a〜25dに巻き付けるようにして取り付けてもよい。図7(b)には、このようなシート状の濾材30を支持枠本体21に取り付けた状態が示されている。図7(b)に示される支持枠本体21は、図1に示されたように懸架板22の下面にフランジ状の上部囲い枠22bを立設すると同時にこの支持枠本体21の底部側にも下部囲い枠29を設けた構成とされている。更に詳細に説明すると、濾材30がシート状である場合、袋状に形成された濾材30のように支持枠本体21の底壁25eを覆うことはできないので、該底壁25eは鋼板などで空気の流通が不能なように閉め切られる。その際、鋼板などから形成された底壁25eの周縁部は、周囲壁面25a〜25dの縁部を越えて外側に突出し、その端部には下部囲い枠29が上部囲い枠22bと同じように立設される。
【0028】
そして、シート状の濾材30は、第1濾材層31が内側に位置するように通気壁面部27を含んだ支持枠本体21の周囲壁面25a〜25dに巻き付けられる。周囲壁面15a〜15dに巻き付けられた濾材30の上端部30bは、上部囲い枠22bと固定板26との間の間隔部に押し込まれ、また、下端部30cは下部囲い枠29と周囲壁面25a〜25dとの間の間隔部に押し込まれる。次いで、濾材30の上下端部30b,30cにおける外周面に沿って楔状押さえ部材28をそれぞれの間隔部に圧入し、これにより濾材30の上下端部30b,30cは楔状押さえ部材28により支持枠本体21の固定部26及び周囲壁面25a〜25dに圧接されて取り付けられる。なお、シート状の濾材30を支持枠本体21の周囲壁面25a〜25dに巻き付けたとき、周方向の両端部どうしは隙間を形成しないように密着して合わせられ、適宜の手段で接続される。
【0029】
次に、上述した濾過ユニット20をケーシング11内に取り付けるときの取り付け方法とその構造について説明する。棚板15には、前述したように濾過ユニット20を取り付けるために4つの開口15aが形成されており、これらの開口15aは、濾過ユニット20の支持枠本体21を挿入できる大きさと形状とされている。各濾過ユニット20は、懸架板22の上部に取り付けられているハンドル22cを持って支持枠本体21を棚板15の各開口15aから挿入し、懸架板22の周辺部を棚板15の上に乗せて該棚板15に懸架される。これにより、濾過ユニット20の大部分はケーシング11内の第1室14a内に位置する。懸架板22は、それに形成されているビス穴22dを利用して棚板15にビス止めされ、濾過ユニット20が棚板15にしっかり固定される。なお、懸架板22を棚板15に乗せて固定するとき、それらの間に環状のパッキングなどを介在させて懸架板22と棚板15との合わせ面間に隙間ができないようにすることも好ましい。
【0030】
濾過ユニット20の支持枠本体21に取り付けられた濾材30は、前述したように金属繊維、ガラス繊維、或いはロックウールなどの不燃性繊維、又は不燃性処理或いは難燃性処理をした織布又は不織布などで形成された第1濾材層31と、同様にガラス繊維やロックウールなどの不燃性繊維、又は不燃性処理或いは難燃性処理をした織布又は不織布などで形成され、第1濾材層31の表面に積層された第2濾材層32とから構成されており、第1濾材層31は、その厚さが20.0mm〜60.0mmの範囲にあり、第2濾材層32は、その厚みが5.0mm〜25.0mmの範囲にある。したがって、濾材30全体の厚みは、25.0〜85.0mmの範囲にある。そのため、複数の濾過ユニット20を棚板15に懸架するとき、隣接する濾過ユニット20の濾材30が接触すると、その接触面の部分では通気が阻害され、所定の通風量を確保することができず、結果として除塵効率の低下を招く。しかしながら、隣接する濾過ユニット20の濾材30どうし接触しないように濾過ユニット20どうしの間隔をあけると、前述したように濾材30の厚さが厚いため除塵装置10自体が大型化する。また、仮に、隣接する濾過ユニット20の濾材30どうしが、該濾過ユニット20の設置時に接触しない程度の間隔をあけたとしても、除塵装置10のケーシング内に吸い込まれた空気が支持枠本体21の内側から外側に向かって流れると、濾材30の内側に面圧が掛かり濾材30が外側に膨らんで隣接する濾材30と接触し、通気面の低下を招くことも考えられる。
【0031】
そこで、この実施形態の除塵装置10では、金網などのようなメッシュ状素材で形成されたスペーサ18が濾過ユニット20の間に配置される。このスペーサ18は、支持枠本体21の通気面、即ち通気壁面部27と同じように、金網の他、細い鋼棒で形成した格子体でもよく、また、鋼板に無数の穴を形成したポーラス板で形成することもできる。また、このスペーサ18は、支持枠本体21と同様に、4つの周囲壁面と底面とを備える上部が開放した直方体、即ち箱形を呈している。このような箱形のスペーサ18は、その上部開放端が棚板15の開口15a間における桟部分15bの下面にネジ又は溶接などで固着されることにより、棚板15から吊り下げられるように取り付けられている。また、スペーサ18は、棚板15に形成された最外側の開口15aと、該開口15aの配列方向におけるケーシング本体11の壁面13との間の桟部分15bにもその下面に取り付けられている。
【0032】
これにより、前述したように各濾過ユニット20が、その支持枠本体21を棚板15の各開口15aから挿入し、懸架板22の周辺部を棚板15の上に乗せて棚板15に懸架されると、隣接する濾過ユニット20の濾材30どうしは、通気可能なスペーサ18により強制的に離されるので、相互の接触が防止される。同様に、棚板15における最外側の開口15aに支持枠本体21が挿入されて棚板15に懸架された濾過ユニット20の濾材30も、通気可能なスペーサ18によりケーシング11の内壁面から強制的に離されるので、ケーシング11の内壁面との接触が防止される。この結果、棚板15に取り付けられた複数の濾過ユニット20における濾材30は、スペーサ18がメッシュ状素材などの通気可能な構造であることから該スペーサ18に接触している部分も通気が可能となる。
【0033】
また、空気が支持枠本体21の内側から外側に向かって流れる場合、濾材30が面圧により外側に膨らもうとするが、この膨らみもスペーサ18で阻止されることから隣接する濾過ユニット20の濾材30に接触することがなく、また外側の濾過ユニット21では濾材30がケーシング11の内壁に接触することがないので十分な通気面を確保することができる。このように、この除塵装置10では、ケーシング11内に複数の濾過ユニット20を相互に近接して取り付けても、濾材30の全ての外表面での通気を確保することができるので、除塵装置10を小型に構成することができると同時に処理風量も高めることができる。なお、この実施形態では、スペーサ18が、金網などのようなメッシュ状素材で箱形に形成されたものであったが、これは、濾材30による押圧を受けても変形し難いように所定の剛性を得るためである。従って、この発明の除塵装置10では、スペーサ18が箱形である必要はなく、例えば、無数の穴が形成された剛性のある2枚の板状体を使用し、これらが所定の間隔をあけるように棚板15の桟部分15bに固定して吊り上げてもよいし、或いは多数の細い棒状体を一列に並べてそれらの上端を棚板15の桟部分15bに固定して吊り下げることによりよしず状に構成しても同様な効果を奏することは容易に理解されるところである。
【0034】
このようにして各濾過ユニット20がケーシング本体11aの収容室14にセットされると、ケーシング本体11aの第1室14aと第2室14bとは、支持枠本体21に装着された袋状濾材30を介してのみ連通する。ケーシング本体11a内に濾過ユニット20がセットされると、ケーシング本体11aの開放部にはカバー11bが被せられ、これよりケーシング11の第2室14bが密閉される。
【0035】
この実施形態に係る除塵装置10によると、粒子状汚染物質を含む自動車などの排気ガス、粉塵や塵埃を含む空気(以下、単に汚染空気、と称する)は、図1に矢印40で示されるように管路部17からケーシング11の第2室14bに導入される。ケーシング11の第2室14bに導入された汚染空気は、各濾過ユニット20の懸架板22における開口22a及び支持枠本体21の開口部24からその内部空間部21aに入り濾材30を通過して第1室14aに流れる。そのとき、汚染空気中の粒子状汚染物質、粉塵、又は塵埃は、濾材30を形成している内側の第1濾材層31及び外側の第2濾材層32で順次捕集されるので、第1室14aにはこれら粒子状汚染物質、粉塵、又は塵埃が除去された清浄な空気が入る。次いで、清浄化された空気は、第1室14aから矢印41で示されるように管路部16を通って大気に放出される。ケーシング11の内部への汚染空気の導入は、管路部16,17のいずれかに送気ポンプ(図示せず)を接続することで行うことができる。
【0036】
この除塵装置10は、前述したように自動車車検場、自動車整備工場、製材所、或いは鉄工所などに設置し、作業空間全体の換気システムにおける一要素として用いることができる。しかし、この除塵装置10の使用方法としては、図8に示されるように自動車車検場や自動車整備工場などにおいて、車両の排気管から出る排気ガスを直接吸引して浄化する排気ガス浄化システム50としても構成することができる。すなわち、排気ガス浄化システム50は、汚染空気を吸引すべく一端(先端部)にラッパ状の捕集受け口51を取り付けた吸引ホース52の他端を除塵装置10のカバー11bに形成された管路部17に接続し、他方、清浄化された空気を適所に導く送給ホース53の一端をケーシング本体11aに形成された管路部16に接続して構成される。
【0037】
そして、自動車の排気ガスを検査し、又は自動車のエンジン整備を行うときに、吸引ホース52の先端に位置する捕集受け口51を検査又は整備車両54における排気管55の出口に位置決めし、排気管55から出る排気ガスを吸引ホース52で直接吸引して除塵装置10に取り込み、粒子状汚染物質を濾材30で捕集し、清浄化された空気を送給ホース53から場内に放出する。なお、図8に示される排気ガス浄化システム50では、検査又は整備車両54の排気管55から排出される排気ガスを除塵装置10に吸引し、それを浄化して放出するための送給ポンプを省略して図示されているが、実際には除塵装置10における2つの管路部16,17のいずれかと吸引ホース52又は送給ホース53との間に送給ポンプが配置されている。このように検査又は整備車両ごとに排気管から出る排気ガスを除塵装置10で浄化すれば、場内に汚染空気が漂うことはまったく無く、場内における作業環境の悪化をより一層防止することができる。
【実施例1】
【0038】
除塵装置10は、図1に示す構造のものを用いた。すなわち、ケーシング11の内部に濾過ユニット20を4列並べて設置した。濾材30は、4つの全表面積が2mで、空気の面速が2m/sである。
濾材30における第1濾材層31はグラスウールで形成され、厚さが25mm、目付が32Kg/mである。また、濾材30における第2濾材層32は、ロックウールで形成され、厚さが25.0mm、目付が40Kg/mである。
除塵装置10を構成する濾過ユニット20は、図2に示されるように箱形の支持枠本体21におけるメッシュ状の周囲壁面25a〜25d及びメッシュ状の底壁25eに袋状の濾材30を被せ、その口部30aを支持枠本体11の固定部16に楔状の押さえ部材28により固定した。使用した除塵装置10では、汚染空気が図1に示す除塵装置10と同様にケーシング11のカバー11bにおける管路部17からケーシング11内部に導入され、支持枠本体21の内部から濾材30を通過して浄化され、清浄化された空気がケーシング本体11aの管路部16から外部に放出するようにした。従って、支持枠本体21に取り付けられる袋状の濾材30は、第1濾材層31が内側に、第2濾材層32が外側に位置するように形成されている。
【0039】
排気ガス浄化装置を備えていない2トンディーゼルトラックからの排気ガスを周辺の作業場空気と共に上述の除塵装置10に導入して浄化能力を調べたところ、排気ガス中の黒煙を95%以上の効率で捕集することができた。また、自動車車検場においてこの除塵装置10を使用したところ、濾材30の交換が必要となるまでに、約700回以上の車検を行うことができた。
【0040】
前述した実施形態の除塵装置10では、支持枠本体21の通気壁面部27に濾材30を取り付け、汚染空気を支持枠本体21の内部空間部21aから外側に通過させて汚染空気中に含まれる粉塵、塵埃、或いは粒子状汚染物質を捕集するようにしたものであったが、汚染空気を管路部16から除塵装置10へ導入し、支持枠本体21の外側から通気壁面部27を介して内部空間部21aに通過させて濾材30で汚染空気中に含まれる粉塵、塵埃、或いは粒子状汚染物質を捕集するようにしてもよい。その場合、濾材30は、汚染空気の上流側に第1濾材層31が位置するように構成される。しかし、前述した実施形態の除塵装置10のように汚染空気を支持枠本体21の内部空間部21aから通気壁面部27を介してその外側に通過させ、濾材30で汚染空気中に含まれる粉塵、塵埃、或いは粒子状汚染物質を捕集すれば、濾材30の内側に位置する第1濾材層31での捕集量が大きいことから、所定期間経過後に濾材30を交換する際、捕集された粉塵、塵埃、或いは粒子状汚染物質が周辺に飛散し難い、という利点がある。
【0041】
以上説明したように、本発明の除塵装置によれば、ケーシング内に設置された複数の濾過ユニットを構成している濾材が、粉塵等の捕集効率に優れたマット状の厚さを有し、不燃性又は難燃性の繊維、若しくは不燃性又は難燃性処理が施された織布或いは不織布からなる素材を使用していても、隣接する濾過ユニットの間に通気可能なスペーサを配置したことにより、各濾過ユニットにおける濾材の通気面を塞ぐことがなく、これにより十分な処理風量を確保することができ、その結果、高い捕集量と集塵効率を得ることができると同時に除塵装置の小型化を図ることができる。
【0042】
また、本発明の除塵装置によれば、該除塵装置が小型化されているにも拘わらず、濾材に不燃性又は難燃性の繊維、若しくは不燃性又は難燃性処理が施された織布或いは不織布からなり、粉塵等の捕集効率に優れたマット状の濾材を使用できることから、0.3ミクロン粒子の捕集性能を有し、その結果、空気中の粉塵、花粉等を含む塵埃、又は粒子状汚染物質を含む排気ガスの黒煙などを効率よく捕集でき、しかもそれらの捕集量も大きい。さらに、本発明の除塵装置では、濾材による空気中の粉塵、花粉等を含む塵埃、又は粒子状汚染物質を含む排気ガスの黒煙などの捕集量が大きいことから濾材の頻繁な交換作業や管理の必要がなく、交換作業や管理に要する労力を従来の濾過ユニットに比べて格段に軽減することができる。加えて、濾材が耐火性及び耐熱性であるため、この濾過ユニットを、例えば、自動車の排気管出口に耐熱性のホースで接続し、排気管から出る温度の高い排気ガスを濾過ユニットに引き込んで直接浄化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係る除塵装置を概略的に示す断面図。
【図2】図1の除塵装置を構成する1つの濾過ユニットを概略的に示す斜視図。
【図3】濾過ユニットを構成する濾材を部分的に拡大して示す断面図。
【図4】除塵装置を構成するケーシングのケーシング本体を部分的に示す斜視図。
【図5】濾材の形成方法の一例を部分的に示す斜視図。
【図6】濾材の形成方法の別な例を部分的に示す斜視図。
【図7】袋状の濾材とシート状の濾材とをそれぞれ支持枠本体に取り付けた状態の濾過ユニットを示す断面図。
【図8】検査又は整備車両から出る排気ガスを直接吸引して場内の環境悪化を防ぐ排気ガス浄化システムの概略構成説明図。
【符号の説明】
【0044】
10 除塵装置
11 ケーシング
14 収容室
14a 第1室
14b 第2室
15 棚板
15a 開口
18 スペーサ
20 濾過ユニット
21 支持枠本体
22 懸架板
23 支持枠体
24 開口
25a〜25d 周囲壁面
25e 底部の壁面
26 固定部
27 通気壁面部
30 濾材
31 第1濾材層
32 第2濾材層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中に含まれる粒子状汚染物質、粉塵、及び塵埃を捕集して清浄化する除塵装置において、
内部が第1室と第2室とに仕切られたケーシングと、該ケーシングの前記第1室内に、相互に隣接して配置された複数の濾過ユニットと、少なくとも隣接する前記各濾過ユニットどうしの間に設置されたスペーサと備え、
前記各濾過ユニットが、少なくとも通気可能で、かつ剛性のある構造の壁面部を有し、この壁面部で囲まれた内部に空間部を有する箱形の支持枠体と、該支持枠体の前記壁面部に取り付けられた濾材とから構成され、
前記各濾過ユニットの前記内部空間部が、前記支持枠体に形成された開口部を介して前記第2室に連通し、
前記濾材が、不燃性又は難燃性の繊維で形成され、25.0mm〜85.0mmの厚さを有するマット状を呈し、
前記スペーサが、前記ケーシングの前記第1室に配置された1つの前記濾過ユニットにおける前記濾材と隣接する他の前記濾過ユニットにおける前記濾材との間に配置されると共に、通気可能な構造で形成されていることを特徴とする除塵装置。
【請求項2】
前記スペーサが、前記第1室内において前記ケーシングの内壁に隣接して配置された前記濾過ユニットの前記濾材と前記ケーシングの前記内壁との接触を避けるべくその間にも配置されている請求項1に記載の除塵装置。
【請求項3】
前記各濾過ユニットの前記濾材が、第1濾材層と、この第1濾材層の表面に積層された第2濾材層とから構成され、前記第1濾材層が、20.0mm〜60.0mmの厚さを有し、かつ前記第2濾材層が、5.0mm〜25.0mmの厚さを有し、前記第2濾材層が前記第1濾材層より密な構造で形成されている請求項1又は2に記載の除塵装置。
【請求項4】
前記第1濾材層及び前記第2濾材層が、ガラス繊維、ロックウール、及び不燃性処理又は難燃性処理をした織布若しくは不織布のいずれかで構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の除塵装置。
【請求項5】
前記第1濾材層は、目付けが15kg/m〜30kg/mの範囲であり、前記第2濾材層は、目付けが40kg/m〜90kg/mの範囲である請求項3又は4に記載の除塵装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−226243(P2009−226243A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−71216(P2008−71216)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000153100)株式会社日本環境調査研究所 (30)
【Fターム(参考)】