除染システム
【課題】汚染物質で汚染された人体を容易に除染することができる除染システムを提供することを課題とする。
【解決手段】オゾン水散布装置60からオゾン水を散布してこれを掛けることによって汚染物質(例えば、NBC(nuclear、biological、chemical)物質)で汚染された人体を除染するように構成される、除染システム1であって、オゾン水散布装置60は、散布口から散布される直前の圧力と散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるようにオゾン水を散布可能に構成されるものである。
【解決手段】オゾン水散布装置60からオゾン水を散布してこれを掛けることによって汚染物質(例えば、NBC(nuclear、biological、chemical)物質)で汚染された人体を除染するように構成される、除染システム1であって、オゾン水散布装置60は、散布口から散布される直前の圧力と散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるようにオゾン水を散布可能に構成されるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の汚染物質で汚染された人体を除染する除染システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の汚染物質で汚染された人体を除染する除染システムに関する技術は公知となっている。前記種々の汚染物質には、例えば、NBC(nuclear、biological、chemical)物質がある。N(nuclear)物質による汚染には、核兵器や原発事故等による放射能汚染がある。B(biological)物質による汚染には、生物兵器による天然痘ウイルスや炭素菌等の汚染がある。C(chemical)物質による汚染には、化学器によるサリンやマスタードガス等の汚染がある。
このような除染システムには、テント内に配置されたシャワーから吐出される水を掛けることによって汚染物質で汚染された人体を除染するものがある(特許文献1参照)。つまり、このような除染システムでは、水の水流によって汚染物質を人体から剥離するように洗い流して除染する。
【0003】
また、オゾン水を散布するオゾン水散布装置に関する技術は種々知られている。
ここで、このようなオゾン水散布装置に関する技術では、その散布口から散布される直前の圧力から大きく減圧されて当該散布口からオゾン水が散布されると、オゾン水から気散するオゾンが多くなり、オゾン水のオゾン濃度が大きく低下することが知られている。
そして、オゾン水を加圧してノズルの先端部に移送する加圧手段を備え、前記ノズル先端部に前記ノズルの径より小さく直線状に延出する延出部が設けられ、目標到達までに急激な減圧を回避して、オゾン水のオゾン濃度の低下を抑制するオゾン水散布装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−250793号公報
【特許文献2】特開2007−125502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す除染システムでは、汚染物質で汚染された人体を確実に除染するためには、長時間に亙って水を人体に掛け続けることを要する。
また、特許文献2に示すオゾン散布装置は、加圧された細い水流のオゾン水を噴射するようにして散布する構成であるため、広い範囲を除染することには向かず、手や野菜等の対象が小さいものを洗浄する用途に用いられる。つまり、特許文献2に示すオゾン水散布装置では、人体のような対象が大きいものを確実に除染するためには、除染作業に長時間を要し、また、除染作業が煩わしいものとなる。
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、汚染物質で汚染された人体を容易に除染することができる除染システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、オゾン水散布装置からオゾン水を散布して前記オゾン水を掛けることによって汚染物質で汚染された人体を除染するように構成される、除染システムであって、前記オゾン水散布装置は、散布口から散布される直前の圧力と前記散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるように前記オゾン水を散布可能に構成されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記オゾン水散布装置は、前記オゾン水を貯留する貯留槽と、前記貯留槽の下方に配置されるシャワーヘッドと、を有し、前記貯留槽に貯留されたオゾン水が、重力に従って、前記シャワーヘッドに供給されて、前記シャワーヘッドから散布されるように構成されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記オゾン水散布装置は、前記散布口を有するシャワーヘッドと、前記シャワーヘッドから散布される直前の前記オゾン水の圧力と前記シャワーヘッドから散布された後の前記オゾン水の圧力との差が小さくなるように前記シャワーヘッドに供給する前記オゾン水の圧力を調節する供給圧調節装置と、を有して構成されるものである。
【0011】
請求項4においては、前記オゾン水散布装置は、前記シャワーヘッドからスクリーン状に前記オゾン水を散布するように構成されるものである。
【0012】
請求項5においては、前記オゾン水散布装置は、門型のシャワー配管における上部および側部の複数箇所から前記オゾン水を散布するように構成されるものである。
【0013】
請求項6においては、前記オゾン水散布装置は、前記複数箇所から前記オゾン水をそれぞれ均一に散布するように構成されるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
即ち、本発明によれば、汚染物質(B物質またC物質で汚染された人体)で汚染された人体をより容易に除染することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る除染システムの全体的な構成を示したブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係る除染システムの除染部を示した斜視図。
【図3】本発明の実施形態に係る除染システムの除染部のオゾン水生成装置を示した正面図。
【図4】本発明の実施形態に係る除染システムの全体的な構成を示したブロック図。
【図5】本発明の実施形態に係る除染システムの除染部におけるオゾン散布装置のシャワーヘッドを示した底面図。
【図6】本発明の実施形態に係る除染システムの除染部を示した斜視図。
【図7】同じく側面図。
【図8】同じく斜視図。
【図9】同じく斜視図。
【図10】本発明の実施形態に係る除染システムの再生部を示したブロック図。
【図11】除染される人を示した斜視図。
【図12】同じく斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、発明の実施形態に係る除染システム1を図1から図12を用いて説明する。
除染システム1は、種々の汚染物質で汚染された人体を除染するものである。前記種々の汚染物質には、NBC(nuclear、biological、chemical)物質がある。
除染システム1は、図1に示すように、タンク2と、オゾン水生成装置3と、除染部4と、を備える。
【0018】
除染システム1のタンク2は、原料水(水)が溜められるものである。タンク2に溜められた原料水は、オゾン水生成装置3に供給される。
除染システム1のオゾン水生成装置3は、配管を介してタンク2に接続される。オゾン水生成装置3は、タンク2から配管を介して供給される原料水からオゾン水を生成するものである。ここで、オゾン水とは、水にオゾン(O3)が溶解されてなるものである。
オゾン水生成装置3によって生成されたオゾン水は、温度調節装置によって、当該オゾン水を掛けられた人(除染される人)が冷た過ぎるまたは熱すぎる等と感じないような所定の温度に温度調節(例えば、26度〜40度に昇温また降温)されて、除染部4に供給される。
【0019】
除染システム1の除染部4では、汚染物質で汚染された人体の除染がおこなわれる。除染部4は、図1または図2に示すように、テント41と、オゾン水散布装置60と、水受43と、すのこ44と、を有する。
【0020】
除染システム1における除染部4のテント41は、当該テント41内で立った状態で、汚染物質で汚染された人体の除染をおこなうことができるように構成される。
除染部4のテント41は、短時間で設営可能に構成される。除染部4のテント41は、例えば、エアーを吹込むことにより数分間内にドーム状の立体構造とすることができ、また、エアーを抜くことにより折畳むことができるようなエアーテントで構成される。
【0021】
除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、そのオゾン水の散布口からオゾン水を散布して汚染物質に除染された人体にこれを掛けるものである。除染部4のオゾン水散布装置60は、配管を介してオゾン水生成装置3に接続されて、温度調節装置によって温度が調節されたオゾン水を散布可能に構成される。
除染部4のオゾン水散布装置60は、そのテント41内に配置される。除染部4のオゾン水散布装置60は、除染対象である汚染物質で汚染された人体に向かって上方からオゾン水を散布するように構成される。
除染部4のオゾン水散布装置60は、そのオゾン水の散布口から散布される直前の圧力とオゾン水の散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるように、オゾン水を散布可能に構成される。
【0022】
除染システム1における除染部4の水受43は、テント41内に配置される。除染部4の水受43は、オゾン水散布装置60から散布されたオゾン水を受けて、当該オゾン水(除染に用いたオゾン水)を水受43の排水孔43aから排水するように構成される。
除染システム1における除染部4のすのこ44は、水受43の上に配置される。
除染システム1では、汚染物質で汚染された人は、除染部4のテント41内においてすのこ44の上に立った状態で、オゾン水散布装から散布されるオゾン水が掛けられる。
以上のようにして、除染システム1は、オゾン水を散布してこれを掛けることによって汚染物質で汚染された人体を除染するように構成される。
【0023】
そして、除染システム1では、人体を汚染する汚染物質がB(biological)物質の場合には、B物質は、前記掛けられたオゾン水によって殺菌されることとなる。人体を汚染する汚染物質がC(chemical)物質の場合には、C物質は、前記掛けられたオゾン水によって分解されることとなる。
このように、B物質が殺菌され、また、C物質が分解されるので、除染システム1によれば、水によって除染するものに比べて、より短時間で且つより確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
【0024】
また、除染システム1では、オゾン水散布装置60がオゾン水の散布口から散布される直前の圧力とオゾン水の散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるようにオゾン水を散布可能に構成されるため、オゾン水の散布口から散布されたオゾン水が汚染物質に汚染された人体に到達するまでに、オゾン水のオゾン濃度が減少することを抑制されることとなる。
このように、オゾン水の散布口から散布されたオゾン水が汚染物質に汚染された人体に到達するまでに、オゾン水のオゾン濃度が減少することが抑制されるため、除染システム1によれば、より短時間で且つより確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
また、除染システム1では、オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口からオゾン水が散布されるので、人体の広い範囲に一度にオゾン水を掛けることができる。
したがって、除染システム1によれば、汚染物質で汚染された人体をより容易に除染することができる。
【0025】
また、除染システム1では、人体を汚染する汚染物質がN(nuclear)物質の場合には、N物質は、オゾン水におけるコロイドを凝集する作用によって人体から剥離した後に凝集されることとなる。このため、除染システム1では、除染に用いたオゾン水の排水をろ過する際に、目の細かいフィルタを用いることなく、当該凝集されたN物質を容易に捕集することができ、当該排水からN物質を取除く処理をより容易におこなうことができる。
除染システム1では、人体を汚染する汚染物質が抵抗性の弱いB物質の場合には、B物質は消毒されて無害化されるので、前記排水に含まれるB物質の消毒処理が不要となる。人体を汚染する汚染物質が抵抗性の強いB物質の場合には、オゾン水が掛けられてから排水されていく過程においてB物質の消毒が進行するので、前記排水に含まれるB物質のその後の消毒処理を容易におこなうことができる。
除染システム1では、人体を汚染する汚染物質が易分解性のC物質の場合は、C物質は分解されて無害化されるので、前記排水に含まれるC物質の分解処理が不要となる。人体を汚染する汚染物質が難分解性のC物質の場合には、オゾン水が掛けられてから排水される過程においてC物質の分解が進行するので、前記排水に含まれるC物質のその後の分解処理を容易におこなうことができる。
したがって、除染システム1によれば、N物質が凝集され、B物質が消毒され、また、C物質が分解されるので、水によって除染するものに比べて、前記排水の処理を容易におこなうことができる。
なお、オゾンは短時間で酸素に戻るため、除染システム1では、前記排水に対するオゾンの中和処理は不要である。
【0026】
除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、図3に示すように、貯留槽61とシャワーヘッド62とを有して構成される。
除染部4におけるオゾン水散布装置60の貯留槽61は、配管を介してオゾン水生成装置3に接続されて、オゾン水生成装置3から供給されるオゾン水を貯留するものである。
除染部4におけるオゾン水散布装置60のシャワーヘッド62は、配管63を介して貯留槽61の下方に配置される。除染部4におけるオゾン水散布装置60のシャワーヘッド62は、オゾン水の散布口を有し、貯留槽61に貯留されたオゾン水を汚染物質で汚染された人体に向かって散布するものである。オゾン水散布装置60のシャワーヘッド62(におけるオゾン水の散布口)は、オゾン水を吐出する複数個の開口が放射状に配置されて構成され、オゾン水散布装置60におけるオゾン水の散布口として構成される。
除染部4におけるオゾン水散布装置60は、貯留槽61に貯留されたオゾン水は、重力に従って、その配管63を介してシャワーヘッド62に供給されて、当該シャワーヘッド62から散布されるように構成される。
【0027】
除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口(オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口)から散布される直前の圧力と、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるように、オゾン水を散布可能に構成される。
また、除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口(オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口)から散布される直前の圧力が高くならないようにして、オゾン水を散布するように構成される。
例えば、除染部4のオゾン水散布装置60は、貯留槽61に貯留されたオゾン水の水面とシャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口との距離Xが、0.5mとなるように構成される(図3参照)。このとき、オゾン水散布装置60の貯留槽61に貯留されたオゾン水の水面とシャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口とにおける圧力差は、0.005MPaとなる。
【0028】
以上のようにして、除染システム1では、除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口から散布される直前の圧力と、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるように、オゾン水を散布可能に構成される。また、除染システム1では、除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口(オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口)から散布される直前の圧力が高くならないようにして、オゾン水を散布するように構成される。
【0029】
また、除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、図4に示すように、供給圧調節装置69とシャワーヘッド62とを有する構成としてもよい。
除染部4におけるオゾン水散布装置60の供給圧調節装置69は、配管を介してオゾン水生成装置3に接続される。除染部4におけるオゾン水散布装置60の供給圧調節装置69は、シャワーヘッド62から散布される直前のオゾン水の圧力とシャワーヘッド62から散布された後のオゾン水の圧力との差が小さくなるように、シャワーヘッド62に供給するオゾン水の圧力を調節する(例えば、オゾン水生成装置3から供給されるオゾン水の圧力を低くする)ものである。
除染部4におけるオゾン水散布装置60の供給圧調節装置69は、例えば、オゾン水生成装置3から供給されるオゾン水の圧力を調節可能な(オゾン水の圧力を低くする)減圧弁で構成される。また、除染部4におけるオゾン水散布装置60の供給圧調節装置69は、オゾン水生成装置3から供給されるオゾン水の圧力を低くするオリフィスを配管内に形成して構成される。除染部4におけるオゾン水散布装置60の供給圧調節装置69がオリフィスを形成して構成される場合には、その大きさを変更することによりオゾン水の圧力の低下度合を調節することもできる。
除染部4におけるオゾン水散布装置60のシャワーヘッド62は、供給圧調節装置69から圧力が調節されたオゾン水が配管を介して供給されるように構成される。
【0030】
このようにして、除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口(オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口)から散布される直前の圧力と、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるように、オゾン水を散布可能に構成される。
また、除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口(オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口)から散布される直前の圧力が高くならないようにして、オゾン水を散布するように構成される。
【0031】
なお、除染システム1の除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62における前記オゾン水を吐出する各開口は、オゾン水の散布口から一度に散布されるオゾン水の量が同じであれば、前記各開口の開口面積を小さくするとともに前記各開口数を増やして、オゾン水の散布範囲が広くなるよに構成してもよい(図5参照)。
【0032】
また、除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、図6に示すように、シャワーヘッド64がそのオゾン水の散布口のオゾン水を吐出する複数個の開口が直線状に配置されて構成されて、シャワーヘッド64からスクリーン状にオゾン水を散布するように構成してもよい。
このとき、除染部4のシャワーヘッド64は、その長手方向の幅(スクリーン状に散布されるオゾン水の長手方向の幅)が、汚染物質に汚染された人体の横方向の幅よりも、大きくなるように構成される。
このように構成することにより、汚染物質に汚染された人体のより広い範囲にオゾン水を一度に掛けることができるため、より短時間で且つより確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
【0033】
さらに、除染システム1は、図7に示すように、前記除染部4におけるスクリーン状にオゾン水を散布するシャワーヘッド64を有するオゾン水散布装置60を複数台並べて配置して構成してもよい。
このように構成することにより、汚染物質に汚染された人体のさらにより広い範囲にオゾン水を一度に掛けることができるため、より短時間で且つより確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
【0034】
除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、図8に示すように、門型のシャワー配管65をテント41内に配置し、当該門型のシャワー配管65の上部および側部に、それぞれ複数のシャワーヘッド66・66・・・を配置する構成としてもよい。
除染部4のオゾン水散布装置60は、門型のシャワー配管65は、配管を介してオゾン水生成装置3に接続されて、オゾン水生成装置3から供給されるオゾン水を各シャワーヘッド66・66・・・から(門型のシャワー配管における上部および側部の複数箇所から)散布するように構成される。
このように構成することにより、上方および側方の複数箇所からオゾン水を散布して汚染物質に汚染された人体のより広い範囲にオゾン水を一度に掛けることができるため、より短時間で且つより確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
【0035】
このとき、除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、各シャワーヘッド66・66・・・におけるオゾン水の散布口から散布される直前の圧力と、各シャワーヘッド66・66・・・におけるオゾン水の散布口から散布された後の圧力と、の差がそれぞれ小さくなるように(例えば、当該圧力差が0.005MPaとなるように)、オゾン水を散布するように構成される。
また、除染部4のオゾン水散布装置60は、各シャワーヘッド66・66・・・におけるオゾン水の散布口から散布される直前の圧力が高くならないようにして、オゾン水を散布するように構成される。
【0036】
このため、除染システム1では、オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口から散布されたオゾン水が汚染物質に汚染された人体に到達するまでに、オゾン水のオゾン濃度が減少することを抑制することができる。
したがって、除染システム1によれば、より短時間で且つより確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
【0037】
さらに、除染部4のオゾン水散布装置60は、各シャワーヘッド66・66・・・(門型のシャワー配管65における上部および側部の複数箇所)からオゾン水をそれぞれ均一に散布するように構成される。例えば、除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド66・66・・・が配置される間隔が下流側にいくにしがたって広くなるよう構成して、各シャワーヘッド66・66・・・からオゾン水をそれぞれ均一に散布するように構成する。また例えば、除染部4のオゾン水散布装置60は、下流側に配置されるものほど、シャワーヘッド66・66・・・における前記オゾン水を吐出する複数個の開口の開口数を増やす、若しくは、当該開口の開口の面積を大きくして構成し、各シャワーヘッド66・66・・・からオゾン水をそれぞれ均一に散布するように構成する。
このように構成することにより、汚染物質で汚染された人体のうち上方と下方とによってむらがないようにこれに均一にオゾン水を散布することとができ、より確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
【0038】
除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、図9に示すように、門型のシャワー配管67をテント41内に配置し、当該門型のシャワー配管67の上部および側部に形成される複数個の貫通孔68・68・・・をオゾン水の吐出口とし、当該貫通孔68・68・・・(オゾン水の吐出口)からオゾン水を吐出してこれを散布する構成としてもよい。
【0039】
除染システム1の除染部4は、まず、オゾン散布装置からエアーまたは水を散布して汚染物質で汚染された人にこれを掛けて予備除染をおこない、次いで、オゾン散布装置からオゾン水による除染をおこなうように構成してもよい。
除染部4のテント41は、柱で天幕を支持する構成であってもよい。
除染システム1は、オゾン水生成装置3によって生成されたオゾン水の温度を温度調節装置によって温度調節するのではなく、原料水の温度を温度調節装置によって温度調節する構成としてよもよい。
除染システム1は、車両に組込まれて移動可能に構成してもよい。
【0040】
除染システム1は、除染部4のテント41内の気体をテント41外に排気可能に構成される。除染システム1は、除染部4のテント41内において下方向の気流が発生するように構成される。
除染部4のテント41は、図1または図2に示すように、その天井部に給気孔41a・41aが形成されるとともに、その側面の下部に排気孔41b・41bが形成されて構成される。除染部4のテント41の排気孔41b・41bには、それぞれ排気ファン47・47が設けられる。
そして、除染システム1では、排気ファン47・47を動作させることによって、テント41の給気孔41a・41aから空気を給気するとともに、前記テント41内の気体を排気孔41b・41bからテント41外に排気する。
このようにして、除染システム1では、排気ファン47・47を動作させることによって、テント41内において下方向の気流を発生させて、前記テント41内の気体をテント41外に排気する。
このため、除染システム1では、通常はオゾン水からはオゾンガスが気散しないが、仮に除染部4のテント41内においてオゾン水からオゾンガスが気散した場合においても、テント41内の人が当該オゾンガスを吸引する等して影響を受けないうように、テント41内で下方向の気流を発生させるともに、テント41内のオゾンガスをテント41外に排気することができる。
【0041】
除染システム1における除染部4のテント41の排気孔41b・41b(排気ファン47・47)には、それぞれオゾン分解触媒48・48が設けられる。除染部4のオゾン分解触媒48は、前記除染部4のテント41の排気孔41bから排気されるオゾンガスを酸素に戻すことができるように構成される。
このように構成されることにより、除染システム1では、前記テント41内のオゾンガスをテント41外に排気する際に、当該オゾンガスが酸素に戻されることとなる。
また、除染システム1における除染部4のテント41の給気口と排気口とに、それぞれヘパフィルターを配置してもよい。
【0042】
除染システム1は、図1に示すように、再生部5を備える。
除染システム1の再生部5では、前記排水(除染に用いたオゾン水の排水)が原料水に再生される。再生部5は、図10に示すように、粗フィルタ51と、活性炭吸着フィルタ52と、逆浸透膜浄化装置53と、汚れセンサ54と、を有する。
除染システム1における再生部5の粗フィルタ51は、前記排水から粒径の大きい不純物(ゴミ、および、前記凝集されたN物質等)を取除くものである。
【0043】
再生部5の活性炭吸着フィルタ52は、粗フィルタ51の下流側に配置される。再生部5の活性炭吸着フィルタ52は、前記粗フィルタ51で取除けなかった粒径の小さい不純物を前記排水から取除くものである。
再生部5の逆浸透膜浄化装置53は、活性炭吸着フィルタ52の下流側に配置される。再生部5の逆浸透膜浄化装置53は、前記活性炭吸着フィルタ52で不純物が取除かれた排水を、原料水として再利用できるような水質に浄化する。
再生部5の汚れセンサ54は、前記逆浸透膜浄化装置53によって浄化された排水の浄化度合(汚れ度合)を検知するものである。
【0044】
このようにして、除染システム1の再生部5では、再生部5の粗フィルタ51および活性炭吸着フィルタ52によって前記排水から不純物が取除かれ、再生部5の逆浸透膜浄化装置53によって前記不純物が取除かれた排水が浄化され、再生部5の汚れセンサ54によって前記浄化された排水の浄化度合(汚れ度合)が検知される。
そして、再生部5の汚れセンサ54によって検知された排水の浄化度合が所定の基準値を満たしている場合には、当該排水は、タンク2に供給されて原料水として再利用される。
【0045】
以上のようにして、除染システム1では、前記排水が、再生部5において原料水に再生されて、タンク2に供給されて再利用される。
このため、除染システム1では、多量の原料水を確保することを要さずに、汚染物質で汚染された人体の除染を多量におこなうことができる。
したがって、除染システム1によれば、原料水を確保(補給)することが困難な状態でも、汚染物質で汚染された多量の人体の除染をおこなうことができる。
【0046】
また、除染システム1では、N物質が凝集され、B物質が消毒され、また、C物質が分解されるので、水によって除染するものに比べて、再生部5における前記排水の原料水への再生を容易におこなうことができる。
【0047】
なお、除染システム1における再生部5の汚れセンサ54によって検知された排水の浄化度合が所定の基準値を満たしていない場合には、当該排水は、廃水として廃水槽6に供給される。
そして、前記廃水槽6に供給された廃水は、その下流側の廃水処理装置7で廃水処理(凝集されたN物質を取除く処理、B物質の消毒処理、または、C物質の分解処理)がおこなわれて、廃棄されることとなる。
【0048】
汚染物質で汚染された人に、ゴーグル9と口マスク10とをそれぞれ装着させた状態で、除染システム1の除染部4で汚染物質の除染をおこなうようにしてもよい(図11参照)。
また、汚染物質で汚染された人に、顔面を覆うようなガスマスク11を装着させた状態で、除染システム1の除染部4で汚染物質の除染をおこなうようにしてもよい(図12参照)。
このようにすることにより、通常はオゾン水からはオゾンガスが気散しないが、仮に除染部4のテント41内においてオゾン水からオゾンガスが気散した場合においても、汚染物質で汚染された人がオゾンガスを吸引する等によって影響を受けることなく、汚染物質の除染をおこなうことができる。
【符号の説明】
【0049】
1 除染システム
2 タンク
3 オゾン水生成装置
4 除染部
5 再生部
41 テント
60 オゾン水散布装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の汚染物質で汚染された人体を除染する除染システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の汚染物質で汚染された人体を除染する除染システムに関する技術は公知となっている。前記種々の汚染物質には、例えば、NBC(nuclear、biological、chemical)物質がある。N(nuclear)物質による汚染には、核兵器や原発事故等による放射能汚染がある。B(biological)物質による汚染には、生物兵器による天然痘ウイルスや炭素菌等の汚染がある。C(chemical)物質による汚染には、化学器によるサリンやマスタードガス等の汚染がある。
このような除染システムには、テント内に配置されたシャワーから吐出される水を掛けることによって汚染物質で汚染された人体を除染するものがある(特許文献1参照)。つまり、このような除染システムでは、水の水流によって汚染物質を人体から剥離するように洗い流して除染する。
【0003】
また、オゾン水を散布するオゾン水散布装置に関する技術は種々知られている。
ここで、このようなオゾン水散布装置に関する技術では、その散布口から散布される直前の圧力から大きく減圧されて当該散布口からオゾン水が散布されると、オゾン水から気散するオゾンが多くなり、オゾン水のオゾン濃度が大きく低下することが知られている。
そして、オゾン水を加圧してノズルの先端部に移送する加圧手段を備え、前記ノズル先端部に前記ノズルの径より小さく直線状に延出する延出部が設けられ、目標到達までに急激な減圧を回避して、オゾン水のオゾン濃度の低下を抑制するオゾン水散布装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−250793号公報
【特許文献2】特開2007−125502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す除染システムでは、汚染物質で汚染された人体を確実に除染するためには、長時間に亙って水を人体に掛け続けることを要する。
また、特許文献2に示すオゾン散布装置は、加圧された細い水流のオゾン水を噴射するようにして散布する構成であるため、広い範囲を除染することには向かず、手や野菜等の対象が小さいものを洗浄する用途に用いられる。つまり、特許文献2に示すオゾン水散布装置では、人体のような対象が大きいものを確実に除染するためには、除染作業に長時間を要し、また、除染作業が煩わしいものとなる。
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、汚染物質で汚染された人体を容易に除染することができる除染システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、オゾン水散布装置からオゾン水を散布して前記オゾン水を掛けることによって汚染物質で汚染された人体を除染するように構成される、除染システムであって、前記オゾン水散布装置は、散布口から散布される直前の圧力と前記散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるように前記オゾン水を散布可能に構成されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記オゾン水散布装置は、前記オゾン水を貯留する貯留槽と、前記貯留槽の下方に配置されるシャワーヘッドと、を有し、前記貯留槽に貯留されたオゾン水が、重力に従って、前記シャワーヘッドに供給されて、前記シャワーヘッドから散布されるように構成されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記オゾン水散布装置は、前記散布口を有するシャワーヘッドと、前記シャワーヘッドから散布される直前の前記オゾン水の圧力と前記シャワーヘッドから散布された後の前記オゾン水の圧力との差が小さくなるように前記シャワーヘッドに供給する前記オゾン水の圧力を調節する供給圧調節装置と、を有して構成されるものである。
【0011】
請求項4においては、前記オゾン水散布装置は、前記シャワーヘッドからスクリーン状に前記オゾン水を散布するように構成されるものである。
【0012】
請求項5においては、前記オゾン水散布装置は、門型のシャワー配管における上部および側部の複数箇所から前記オゾン水を散布するように構成されるものである。
【0013】
請求項6においては、前記オゾン水散布装置は、前記複数箇所から前記オゾン水をそれぞれ均一に散布するように構成されるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
即ち、本発明によれば、汚染物質(B物質またC物質で汚染された人体)で汚染された人体をより容易に除染することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る除染システムの全体的な構成を示したブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係る除染システムの除染部を示した斜視図。
【図3】本発明の実施形態に係る除染システムの除染部のオゾン水生成装置を示した正面図。
【図4】本発明の実施形態に係る除染システムの全体的な構成を示したブロック図。
【図5】本発明の実施形態に係る除染システムの除染部におけるオゾン散布装置のシャワーヘッドを示した底面図。
【図6】本発明の実施形態に係る除染システムの除染部を示した斜視図。
【図7】同じく側面図。
【図8】同じく斜視図。
【図9】同じく斜視図。
【図10】本発明の実施形態に係る除染システムの再生部を示したブロック図。
【図11】除染される人を示した斜視図。
【図12】同じく斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、発明の実施形態に係る除染システム1を図1から図12を用いて説明する。
除染システム1は、種々の汚染物質で汚染された人体を除染するものである。前記種々の汚染物質には、NBC(nuclear、biological、chemical)物質がある。
除染システム1は、図1に示すように、タンク2と、オゾン水生成装置3と、除染部4と、を備える。
【0018】
除染システム1のタンク2は、原料水(水)が溜められるものである。タンク2に溜められた原料水は、オゾン水生成装置3に供給される。
除染システム1のオゾン水生成装置3は、配管を介してタンク2に接続される。オゾン水生成装置3は、タンク2から配管を介して供給される原料水からオゾン水を生成するものである。ここで、オゾン水とは、水にオゾン(O3)が溶解されてなるものである。
オゾン水生成装置3によって生成されたオゾン水は、温度調節装置によって、当該オゾン水を掛けられた人(除染される人)が冷た過ぎるまたは熱すぎる等と感じないような所定の温度に温度調節(例えば、26度〜40度に昇温また降温)されて、除染部4に供給される。
【0019】
除染システム1の除染部4では、汚染物質で汚染された人体の除染がおこなわれる。除染部4は、図1または図2に示すように、テント41と、オゾン水散布装置60と、水受43と、すのこ44と、を有する。
【0020】
除染システム1における除染部4のテント41は、当該テント41内で立った状態で、汚染物質で汚染された人体の除染をおこなうことができるように構成される。
除染部4のテント41は、短時間で設営可能に構成される。除染部4のテント41は、例えば、エアーを吹込むことにより数分間内にドーム状の立体構造とすることができ、また、エアーを抜くことにより折畳むことができるようなエアーテントで構成される。
【0021】
除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、そのオゾン水の散布口からオゾン水を散布して汚染物質に除染された人体にこれを掛けるものである。除染部4のオゾン水散布装置60は、配管を介してオゾン水生成装置3に接続されて、温度調節装置によって温度が調節されたオゾン水を散布可能に構成される。
除染部4のオゾン水散布装置60は、そのテント41内に配置される。除染部4のオゾン水散布装置60は、除染対象である汚染物質で汚染された人体に向かって上方からオゾン水を散布するように構成される。
除染部4のオゾン水散布装置60は、そのオゾン水の散布口から散布される直前の圧力とオゾン水の散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるように、オゾン水を散布可能に構成される。
【0022】
除染システム1における除染部4の水受43は、テント41内に配置される。除染部4の水受43は、オゾン水散布装置60から散布されたオゾン水を受けて、当該オゾン水(除染に用いたオゾン水)を水受43の排水孔43aから排水するように構成される。
除染システム1における除染部4のすのこ44は、水受43の上に配置される。
除染システム1では、汚染物質で汚染された人は、除染部4のテント41内においてすのこ44の上に立った状態で、オゾン水散布装から散布されるオゾン水が掛けられる。
以上のようにして、除染システム1は、オゾン水を散布してこれを掛けることによって汚染物質で汚染された人体を除染するように構成される。
【0023】
そして、除染システム1では、人体を汚染する汚染物質がB(biological)物質の場合には、B物質は、前記掛けられたオゾン水によって殺菌されることとなる。人体を汚染する汚染物質がC(chemical)物質の場合には、C物質は、前記掛けられたオゾン水によって分解されることとなる。
このように、B物質が殺菌され、また、C物質が分解されるので、除染システム1によれば、水によって除染するものに比べて、より短時間で且つより確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
【0024】
また、除染システム1では、オゾン水散布装置60がオゾン水の散布口から散布される直前の圧力とオゾン水の散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるようにオゾン水を散布可能に構成されるため、オゾン水の散布口から散布されたオゾン水が汚染物質に汚染された人体に到達するまでに、オゾン水のオゾン濃度が減少することを抑制されることとなる。
このように、オゾン水の散布口から散布されたオゾン水が汚染物質に汚染された人体に到達するまでに、オゾン水のオゾン濃度が減少することが抑制されるため、除染システム1によれば、より短時間で且つより確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
また、除染システム1では、オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口からオゾン水が散布されるので、人体の広い範囲に一度にオゾン水を掛けることができる。
したがって、除染システム1によれば、汚染物質で汚染された人体をより容易に除染することができる。
【0025】
また、除染システム1では、人体を汚染する汚染物質がN(nuclear)物質の場合には、N物質は、オゾン水におけるコロイドを凝集する作用によって人体から剥離した後に凝集されることとなる。このため、除染システム1では、除染に用いたオゾン水の排水をろ過する際に、目の細かいフィルタを用いることなく、当該凝集されたN物質を容易に捕集することができ、当該排水からN物質を取除く処理をより容易におこなうことができる。
除染システム1では、人体を汚染する汚染物質が抵抗性の弱いB物質の場合には、B物質は消毒されて無害化されるので、前記排水に含まれるB物質の消毒処理が不要となる。人体を汚染する汚染物質が抵抗性の強いB物質の場合には、オゾン水が掛けられてから排水されていく過程においてB物質の消毒が進行するので、前記排水に含まれるB物質のその後の消毒処理を容易におこなうことができる。
除染システム1では、人体を汚染する汚染物質が易分解性のC物質の場合は、C物質は分解されて無害化されるので、前記排水に含まれるC物質の分解処理が不要となる。人体を汚染する汚染物質が難分解性のC物質の場合には、オゾン水が掛けられてから排水される過程においてC物質の分解が進行するので、前記排水に含まれるC物質のその後の分解処理を容易におこなうことができる。
したがって、除染システム1によれば、N物質が凝集され、B物質が消毒され、また、C物質が分解されるので、水によって除染するものに比べて、前記排水の処理を容易におこなうことができる。
なお、オゾンは短時間で酸素に戻るため、除染システム1では、前記排水に対するオゾンの中和処理は不要である。
【0026】
除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、図3に示すように、貯留槽61とシャワーヘッド62とを有して構成される。
除染部4におけるオゾン水散布装置60の貯留槽61は、配管を介してオゾン水生成装置3に接続されて、オゾン水生成装置3から供給されるオゾン水を貯留するものである。
除染部4におけるオゾン水散布装置60のシャワーヘッド62は、配管63を介して貯留槽61の下方に配置される。除染部4におけるオゾン水散布装置60のシャワーヘッド62は、オゾン水の散布口を有し、貯留槽61に貯留されたオゾン水を汚染物質で汚染された人体に向かって散布するものである。オゾン水散布装置60のシャワーヘッド62(におけるオゾン水の散布口)は、オゾン水を吐出する複数個の開口が放射状に配置されて構成され、オゾン水散布装置60におけるオゾン水の散布口として構成される。
除染部4におけるオゾン水散布装置60は、貯留槽61に貯留されたオゾン水は、重力に従って、その配管63を介してシャワーヘッド62に供給されて、当該シャワーヘッド62から散布されるように構成される。
【0027】
除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口(オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口)から散布される直前の圧力と、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるように、オゾン水を散布可能に構成される。
また、除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口(オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口)から散布される直前の圧力が高くならないようにして、オゾン水を散布するように構成される。
例えば、除染部4のオゾン水散布装置60は、貯留槽61に貯留されたオゾン水の水面とシャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口との距離Xが、0.5mとなるように構成される(図3参照)。このとき、オゾン水散布装置60の貯留槽61に貯留されたオゾン水の水面とシャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口とにおける圧力差は、0.005MPaとなる。
【0028】
以上のようにして、除染システム1では、除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口から散布される直前の圧力と、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるように、オゾン水を散布可能に構成される。また、除染システム1では、除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口(オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口)から散布される直前の圧力が高くならないようにして、オゾン水を散布するように構成される。
【0029】
また、除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、図4に示すように、供給圧調節装置69とシャワーヘッド62とを有する構成としてもよい。
除染部4におけるオゾン水散布装置60の供給圧調節装置69は、配管を介してオゾン水生成装置3に接続される。除染部4におけるオゾン水散布装置60の供給圧調節装置69は、シャワーヘッド62から散布される直前のオゾン水の圧力とシャワーヘッド62から散布された後のオゾン水の圧力との差が小さくなるように、シャワーヘッド62に供給するオゾン水の圧力を調節する(例えば、オゾン水生成装置3から供給されるオゾン水の圧力を低くする)ものである。
除染部4におけるオゾン水散布装置60の供給圧調節装置69は、例えば、オゾン水生成装置3から供給されるオゾン水の圧力を調節可能な(オゾン水の圧力を低くする)減圧弁で構成される。また、除染部4におけるオゾン水散布装置60の供給圧調節装置69は、オゾン水生成装置3から供給されるオゾン水の圧力を低くするオリフィスを配管内に形成して構成される。除染部4におけるオゾン水散布装置60の供給圧調節装置69がオリフィスを形成して構成される場合には、その大きさを変更することによりオゾン水の圧力の低下度合を調節することもできる。
除染部4におけるオゾン水散布装置60のシャワーヘッド62は、供給圧調節装置69から圧力が調節されたオゾン水が配管を介して供給されるように構成される。
【0030】
このようにして、除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口(オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口)から散布される直前の圧力と、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるように、オゾン水を散布可能に構成される。
また、除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62におけるオゾン水の散布口(オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口)から散布される直前の圧力が高くならないようにして、オゾン水を散布するように構成される。
【0031】
なお、除染システム1の除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド62における前記オゾン水を吐出する各開口は、オゾン水の散布口から一度に散布されるオゾン水の量が同じであれば、前記各開口の開口面積を小さくするとともに前記各開口数を増やして、オゾン水の散布範囲が広くなるよに構成してもよい(図5参照)。
【0032】
また、除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、図6に示すように、シャワーヘッド64がそのオゾン水の散布口のオゾン水を吐出する複数個の開口が直線状に配置されて構成されて、シャワーヘッド64からスクリーン状にオゾン水を散布するように構成してもよい。
このとき、除染部4のシャワーヘッド64は、その長手方向の幅(スクリーン状に散布されるオゾン水の長手方向の幅)が、汚染物質に汚染された人体の横方向の幅よりも、大きくなるように構成される。
このように構成することにより、汚染物質に汚染された人体のより広い範囲にオゾン水を一度に掛けることができるため、より短時間で且つより確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
【0033】
さらに、除染システム1は、図7に示すように、前記除染部4におけるスクリーン状にオゾン水を散布するシャワーヘッド64を有するオゾン水散布装置60を複数台並べて配置して構成してもよい。
このように構成することにより、汚染物質に汚染された人体のさらにより広い範囲にオゾン水を一度に掛けることができるため、より短時間で且つより確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
【0034】
除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、図8に示すように、門型のシャワー配管65をテント41内に配置し、当該門型のシャワー配管65の上部および側部に、それぞれ複数のシャワーヘッド66・66・・・を配置する構成としてもよい。
除染部4のオゾン水散布装置60は、門型のシャワー配管65は、配管を介してオゾン水生成装置3に接続されて、オゾン水生成装置3から供給されるオゾン水を各シャワーヘッド66・66・・・から(門型のシャワー配管における上部および側部の複数箇所から)散布するように構成される。
このように構成することにより、上方および側方の複数箇所からオゾン水を散布して汚染物質に汚染された人体のより広い範囲にオゾン水を一度に掛けることができるため、より短時間で且つより確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
【0035】
このとき、除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、各シャワーヘッド66・66・・・におけるオゾン水の散布口から散布される直前の圧力と、各シャワーヘッド66・66・・・におけるオゾン水の散布口から散布された後の圧力と、の差がそれぞれ小さくなるように(例えば、当該圧力差が0.005MPaとなるように)、オゾン水を散布するように構成される。
また、除染部4のオゾン水散布装置60は、各シャワーヘッド66・66・・・におけるオゾン水の散布口から散布される直前の圧力が高くならないようにして、オゾン水を散布するように構成される。
【0036】
このため、除染システム1では、オゾン水散布装置60のオゾン水の散布口から散布されたオゾン水が汚染物質に汚染された人体に到達するまでに、オゾン水のオゾン濃度が減少することを抑制することができる。
したがって、除染システム1によれば、より短時間で且つより確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
【0037】
さらに、除染部4のオゾン水散布装置60は、各シャワーヘッド66・66・・・(門型のシャワー配管65における上部および側部の複数箇所)からオゾン水をそれぞれ均一に散布するように構成される。例えば、除染部4のオゾン水散布装置60は、シャワーヘッド66・66・・・が配置される間隔が下流側にいくにしがたって広くなるよう構成して、各シャワーヘッド66・66・・・からオゾン水をそれぞれ均一に散布するように構成する。また例えば、除染部4のオゾン水散布装置60は、下流側に配置されるものほど、シャワーヘッド66・66・・・における前記オゾン水を吐出する複数個の開口の開口数を増やす、若しくは、当該開口の開口の面積を大きくして構成し、各シャワーヘッド66・66・・・からオゾン水をそれぞれ均一に散布するように構成する。
このように構成することにより、汚染物質で汚染された人体のうち上方と下方とによってむらがないようにこれに均一にオゾン水を散布することとができ、より確実に、B物質またはC物質で汚染された人体を除染することができる。
【0038】
除染システム1における除染部4のオゾン水散布装置60は、図9に示すように、門型のシャワー配管67をテント41内に配置し、当該門型のシャワー配管67の上部および側部に形成される複数個の貫通孔68・68・・・をオゾン水の吐出口とし、当該貫通孔68・68・・・(オゾン水の吐出口)からオゾン水を吐出してこれを散布する構成としてもよい。
【0039】
除染システム1の除染部4は、まず、オゾン散布装置からエアーまたは水を散布して汚染物質で汚染された人にこれを掛けて予備除染をおこない、次いで、オゾン散布装置からオゾン水による除染をおこなうように構成してもよい。
除染部4のテント41は、柱で天幕を支持する構成であってもよい。
除染システム1は、オゾン水生成装置3によって生成されたオゾン水の温度を温度調節装置によって温度調節するのではなく、原料水の温度を温度調節装置によって温度調節する構成としてよもよい。
除染システム1は、車両に組込まれて移動可能に構成してもよい。
【0040】
除染システム1は、除染部4のテント41内の気体をテント41外に排気可能に構成される。除染システム1は、除染部4のテント41内において下方向の気流が発生するように構成される。
除染部4のテント41は、図1または図2に示すように、その天井部に給気孔41a・41aが形成されるとともに、その側面の下部に排気孔41b・41bが形成されて構成される。除染部4のテント41の排気孔41b・41bには、それぞれ排気ファン47・47が設けられる。
そして、除染システム1では、排気ファン47・47を動作させることによって、テント41の給気孔41a・41aから空気を給気するとともに、前記テント41内の気体を排気孔41b・41bからテント41外に排気する。
このようにして、除染システム1では、排気ファン47・47を動作させることによって、テント41内において下方向の気流を発生させて、前記テント41内の気体をテント41外に排気する。
このため、除染システム1では、通常はオゾン水からはオゾンガスが気散しないが、仮に除染部4のテント41内においてオゾン水からオゾンガスが気散した場合においても、テント41内の人が当該オゾンガスを吸引する等して影響を受けないうように、テント41内で下方向の気流を発生させるともに、テント41内のオゾンガスをテント41外に排気することができる。
【0041】
除染システム1における除染部4のテント41の排気孔41b・41b(排気ファン47・47)には、それぞれオゾン分解触媒48・48が設けられる。除染部4のオゾン分解触媒48は、前記除染部4のテント41の排気孔41bから排気されるオゾンガスを酸素に戻すことができるように構成される。
このように構成されることにより、除染システム1では、前記テント41内のオゾンガスをテント41外に排気する際に、当該オゾンガスが酸素に戻されることとなる。
また、除染システム1における除染部4のテント41の給気口と排気口とに、それぞれヘパフィルターを配置してもよい。
【0042】
除染システム1は、図1に示すように、再生部5を備える。
除染システム1の再生部5では、前記排水(除染に用いたオゾン水の排水)が原料水に再生される。再生部5は、図10に示すように、粗フィルタ51と、活性炭吸着フィルタ52と、逆浸透膜浄化装置53と、汚れセンサ54と、を有する。
除染システム1における再生部5の粗フィルタ51は、前記排水から粒径の大きい不純物(ゴミ、および、前記凝集されたN物質等)を取除くものである。
【0043】
再生部5の活性炭吸着フィルタ52は、粗フィルタ51の下流側に配置される。再生部5の活性炭吸着フィルタ52は、前記粗フィルタ51で取除けなかった粒径の小さい不純物を前記排水から取除くものである。
再生部5の逆浸透膜浄化装置53は、活性炭吸着フィルタ52の下流側に配置される。再生部5の逆浸透膜浄化装置53は、前記活性炭吸着フィルタ52で不純物が取除かれた排水を、原料水として再利用できるような水質に浄化する。
再生部5の汚れセンサ54は、前記逆浸透膜浄化装置53によって浄化された排水の浄化度合(汚れ度合)を検知するものである。
【0044】
このようにして、除染システム1の再生部5では、再生部5の粗フィルタ51および活性炭吸着フィルタ52によって前記排水から不純物が取除かれ、再生部5の逆浸透膜浄化装置53によって前記不純物が取除かれた排水が浄化され、再生部5の汚れセンサ54によって前記浄化された排水の浄化度合(汚れ度合)が検知される。
そして、再生部5の汚れセンサ54によって検知された排水の浄化度合が所定の基準値を満たしている場合には、当該排水は、タンク2に供給されて原料水として再利用される。
【0045】
以上のようにして、除染システム1では、前記排水が、再生部5において原料水に再生されて、タンク2に供給されて再利用される。
このため、除染システム1では、多量の原料水を確保することを要さずに、汚染物質で汚染された人体の除染を多量におこなうことができる。
したがって、除染システム1によれば、原料水を確保(補給)することが困難な状態でも、汚染物質で汚染された多量の人体の除染をおこなうことができる。
【0046】
また、除染システム1では、N物質が凝集され、B物質が消毒され、また、C物質が分解されるので、水によって除染するものに比べて、再生部5における前記排水の原料水への再生を容易におこなうことができる。
【0047】
なお、除染システム1における再生部5の汚れセンサ54によって検知された排水の浄化度合が所定の基準値を満たしていない場合には、当該排水は、廃水として廃水槽6に供給される。
そして、前記廃水槽6に供給された廃水は、その下流側の廃水処理装置7で廃水処理(凝集されたN物質を取除く処理、B物質の消毒処理、または、C物質の分解処理)がおこなわれて、廃棄されることとなる。
【0048】
汚染物質で汚染された人に、ゴーグル9と口マスク10とをそれぞれ装着させた状態で、除染システム1の除染部4で汚染物質の除染をおこなうようにしてもよい(図11参照)。
また、汚染物質で汚染された人に、顔面を覆うようなガスマスク11を装着させた状態で、除染システム1の除染部4で汚染物質の除染をおこなうようにしてもよい(図12参照)。
このようにすることにより、通常はオゾン水からはオゾンガスが気散しないが、仮に除染部4のテント41内においてオゾン水からオゾンガスが気散した場合においても、汚染物質で汚染された人がオゾンガスを吸引する等によって影響を受けることなく、汚染物質の除染をおこなうことができる。
【符号の説明】
【0049】
1 除染システム
2 タンク
3 オゾン水生成装置
4 除染部
5 再生部
41 テント
60 オゾン水散布装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾン水散布装置からオゾン水を散布して前記オゾン水を掛けることによって汚染物質で汚染された人体を除染するように構成される、除染システムであって、
前記オゾン水散布装置は、散布口から散布される直前の圧力と前記散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるように前記オゾン水を散布可能に構成される、
除染システム。
【請求項2】
前記オゾン水散布装置は、前記オゾン水を貯留する貯留槽と、前記散布口を有するともに前記貯留槽の下方に配置されるシャワーヘッドと、を有し、前記貯留槽に貯留されたオゾン水が、重力に従って、前記シャワーヘッドに供給されて、前記シャワーヘッドから散布されるように構成される、
請求項1に記載の除染システム。
【請求項3】
前記オゾン水散布装置は、前記散布口を有するシャワーヘッドと、前記シャワーヘッドから散布される直前の前記オゾン水の圧力と前記シャワーヘッドから散布された後の前記オゾン水の圧力との差が小さくなるように前記シャワーヘッドに供給する前記オゾン水の圧力を調節する供給圧調節装置と、を有して構成される、
請求項1に記載の除染システム。
【請求項4】
前記オゾン水散布装置は、前記シャワーヘッドからスクリーン状に前記オゾン水を散布するように構成される、
請求項2または請求項3に記載の除染システム。
【請求項5】
前記オゾン水散布装置は、門型のシャワー配管における上部および側部の複数箇所から前記オゾン水を散布するように構成される、
請求項2または請求項3に記載の除染システム。
【請求項6】
前記オゾン水散布装置は、前記複数箇所から前記オゾン水をそれぞれ均一に散布するように構成される、
請求項5に記載の除染システム。
【請求項1】
オゾン水散布装置からオゾン水を散布して前記オゾン水を掛けることによって汚染物質で汚染された人体を除染するように構成される、除染システムであって、
前記オゾン水散布装置は、散布口から散布される直前の圧力と前記散布口から散布された後の圧力との差が小さくなるように前記オゾン水を散布可能に構成される、
除染システム。
【請求項2】
前記オゾン水散布装置は、前記オゾン水を貯留する貯留槽と、前記散布口を有するともに前記貯留槽の下方に配置されるシャワーヘッドと、を有し、前記貯留槽に貯留されたオゾン水が、重力に従って、前記シャワーヘッドに供給されて、前記シャワーヘッドから散布されるように構成される、
請求項1に記載の除染システム。
【請求項3】
前記オゾン水散布装置は、前記散布口を有するシャワーヘッドと、前記シャワーヘッドから散布される直前の前記オゾン水の圧力と前記シャワーヘッドから散布された後の前記オゾン水の圧力との差が小さくなるように前記シャワーヘッドに供給する前記オゾン水の圧力を調節する供給圧調節装置と、を有して構成される、
請求項1に記載の除染システム。
【請求項4】
前記オゾン水散布装置は、前記シャワーヘッドからスクリーン状に前記オゾン水を散布するように構成される、
請求項2または請求項3に記載の除染システム。
【請求項5】
前記オゾン水散布装置は、門型のシャワー配管における上部および側部の複数箇所から前記オゾン水を散布するように構成される、
請求項2または請求項3に記載の除染システム。
【請求項6】
前記オゾン水散布装置は、前記複数箇所から前記オゾン水をそれぞれ均一に散布するように構成される、
請求項5に記載の除染システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−34629(P2013−34629A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172425(P2011−172425)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000198330)株式会社IHIシバウラ (74)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000198330)株式会社IHIシバウラ (74)
【Fターム(参考)】
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