除湿装置
【課題】 水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制された除湿装置を提供することを課題としている。
【解決手段】 水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えてなり、該吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより吸着した水分を前記吸着剤から脱離させる加熱部とを有する除湿装置であって、前記筒本体が、外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管であることを特徴とする除湿装置を提供する。
【解決手段】 水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えてなり、該吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより吸着した水分を前記吸着剤から脱離させる加熱部とを有する除湿装置であって、前記筒本体が、外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管であることを特徴とする除湿装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分を含む被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えた除湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えた除湿装置としては、様々なものが知られており、例えば、吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより吸着した水分を脱離させる加熱部とを有しているものが知られている(特許文献1)。
【0003】
斯かる除湿装置は、複数の吸着筒を備え、具体的には、2本の吸着筒が、それぞれ交互に被処理ガスの水分を吸着できるように構成されている。即ち、1本の吸着筒にて被処理ガスの水分を吸着している間に、もう1本の吸着筒にて、吸着剤から水分が脱離され該吸着剤が再生されるように構成されている。より具体的には、1本の吸着筒にて、被処理ガスの水分を吸着させつつ、もう1本の吸着筒にて、水分を吸着した吸着剤を加熱部によって加熱することにより吸着剤から水分を脱離させ、さらに吸着剤を冷却できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−149890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、水素−酸素発生装置によって水を電気分解して水素と酸素とを発生させ、得られた水素ガスや酸素ガスをボンベに詰めて利用することが行われている。
水を電気分解して得られるガスには水分が含まれているために、ボンベ詰めを行う前に前記除湿装置を用いて水分を除去することが行われている。
また、ボンベ詰めを行わない場合でも、ガスに水分が含まれているとドレンを生じる問題がある点、及び、ガスにおいて不純物となる水分を除去するという点で、除湿装置を用いてガスの水分を除去することが行われている。
近年、例えば、自動車などの移動体に積載して水素ガスや酸素ガスの消費地まで水素−酸素発生装置を搬送し、該消費地においてこれらのガスを発生させることが要望されるようになってきている。
このようなことから水素−酸素発生装置のみならず前記除湿装置にはコンパクト化が要求されるようになってきているが、これまで据置利用することを想定されてきたこれらの装置をコンパクト化させることは殆ど検討されておらず、その解決策も十分に確立されていない。
従って、上記要望を満足させることが困難な状況になっている。
【0006】
なお、除湿装置は、単純にサイズダウンすると吸着筒の水分吸着能力が比較的早期に低下されてしまうおそれがあり、吸着剤を再生するためにその機能を頻繁に停止させる必要が生じるおそれがある。
【0007】
従って、吸着筒は、水分の除去効率の観点からは、細長い形状にして吸着剤の収容量を確保しつつ該吸着剤の加熱冷却効率を向上させることが望ましい。しかしながら、吸着筒を長大なものにすると、除湿装置の設置スペースに制約が生じ、コンパクト化の要望を十分満足させることが困難となる。
【0008】
本発明は、上記の観点等に鑑み、水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制された除湿装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明に係る除湿装置は、水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えてなり、該吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより、吸着した水分を前記吸着剤から脱離させる加熱部とを有する除湿装置であって、前記筒本体が、外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管であることを特徴とする。
【0010】
上記構成からなる除湿装置においては、前記筒本体が、外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管であることから、前記筒本体の外表面積が広くなり、加熱により水分が脱離された吸着剤が効率良く冷却されるという利点がある。また、外表面に凹部及び凸部を有していない管である筒本体に比して、筒本体の外表面積が同じであるならば、冷却効率を同等に保ちつつ、筒本体の長さを短くできるという利点がある。
従って、前記除湿装置は、水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制されうる。
【0011】
また、本発明に係る除湿装置においては、好ましくは、前記管が、前記被処理ガスの流通方向に沿って外表面に凹凸が繰り返されているコルゲート管である。
【0012】
さらに、本発明に係る除湿装置においては、好ましくは、前記管が屈折部を有する。
【0013】
また、本発明に係る除湿装置においては、好ましくは、前記管の外表面に接するフィンを更に備えている。
【0014】
さらに、本発明に係る除湿装置においては、好ましくは、前記吸着筒を収容し且つ該吸着筒を冷却する気体が流通するダクトが備えられ、該ダクトが、該ダクト内を流通する気体の流路がジグザクとなるように形成されている。
【0015】
また、本発明に係る除湿装置においては、好ましくは、前記加熱部が、棒状に形成されており、前記吸着筒は、前記筒本体内に配され且つ前記加熱部を前記筒本体の中心軸に沿って支持できるように構成された支持部材を更に備えている。
【発明の効果】
【0016】
上述の通り、本発明の除湿装置は、水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態の除湿装置の概略図(吸着筒の軸の断面を概略的に表した図)。
【図2】本実施形態の除湿装置に備えられた吸着筒を、被処理ガスの流通方向及び該方向に垂直な方向に沿って切断したそれぞれの断面を模式的に表した模式図。
【図3】本実施形態の除湿装置における吸着ユニットの斜視図(カバーなし。)。
【図4】本実施形態の除湿装置における吸着ユニットの斜視図(カバーあり。)。
【図5】本実施形態の除湿装置におけるカバーの斜視図。
【図6】本実施形態の除湿装置における第1吸着ユニット及び第2吸着ユニットが重なりあった状態の除湿装置の側面概略図。
【図7】他実施形態の除湿装置の概略図(吸着筒の軸の断面を概略的に表した図)。
【図8】支持部材の変形例を表した図。
【図9】支持部材の変形例を表した図。
【図10】他実施形態の除湿装置の第1吸着ユニットの概略図。
【図11】他実施形態の除湿装置の吸着ユニットの概略図。
【図12】他実施形態の除湿装置の吸着ユニットの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る除湿装置の実施形態について説明する。
本実施形態の除湿装置は、水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えている。該吸着筒は、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより、吸着した水分を前記吸着剤から脱離させる加熱部とを有する。前記筒本体は、外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管である。
【0019】
具体例として、被処理ガスの水分を除去する前記吸着筒を有する吸着ユニットを2組備えた除湿装置を挙げて、本実施形態について図面を参照しつつさらに詳しく説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の除湿装置1において水分が除去される被処理ガスAは、水を電気分解して生成されるものであり、水素及び酸素の少なくとも何れか一方である。
前記被処理ガスAは、水を電気分解することにより生成されるため、通常、水分を含んでいる。また、前記被処理ガスAは、前記除湿装置1によって水分が除去されて様々な用途で利用され得る。
本実施形態の除湿装置1と組み合わせて用いられる前記被処理ガスAを生成する装置、即ち、水を電気分解して水素及び酸素を生成するための装置としては、従来公知の一般的な装置を用いることができる。
本実施形態においては、吸着剤を備えた吸着筒21内を被処理ガスAが流通できるように、大気圧を超える圧力をかけた前記被処理ガスAが前記除湿装置1に供給される場合を例にして、当該除湿装置1を説明する。
【0021】
本実施形態の除湿装置1には、図1に示すように、被処理ガスAから水分を除去するための吸着ユニットが2組(71,72)備えられており、この2組の吸着ユニットの内の一方(以下「第1吸着ユニット(71)」ともいう)と、他方(以下「第2吸着ユニット(72)」ともいう)とは、同じ構成となっている。
【0022】
前記除湿装置1は、例えば、図1に示すように、前記第1吸着ユニット71又は前記第2吸着ユニット72へ前記被処理ガスAを供給するように構成された供給配管10と、該供給配管10に取り付けられた供給弁11と、前記第1吸着ユニット71又は前記第2吸着ユニット72にて水分が除去された被処理ガスA(以下「乾燥ガス」ともいう)を除湿装置1外へ排出する排出配管12と、該排出配管12に取り付けられた排出弁13とを備えている。
【0023】
前記供給配管10は、第1吸着ユニット71及び第2吸着ユニット72をつなぐように配されている。また、前記供給配管10の途中に前記供給弁11が取り付けられている。前記供給配管10は、前記供給弁11より第1吸着ユニット71側が第1供給配管10aとなっており、前記供給弁11より第2吸着ユニット72側が第2供給配管10bとなっている。
前記供給弁11は、除湿装置1外から供給された被処理ガスAを第1供給配管10a又は第2供給配管10bのいずれかに送るように構成されている。
前記第1供給配管10aは、一端側に取り付けられた供給弁11から被処理ガスAを第1吸着ユニット71に供給できるように構成されている。
前記第2供給配管10bは、一端側に取り付けられた供給弁11から被処理ガスAを第2吸着ユニット72に供給できるように構成されている。
斯かる構成により、除湿装置1外から供給された被処理ガスAは、供給弁11を経て、第1供給配管10a又は第2供給配管10bのいずれかに供給される。
【0024】
前記排出配管12は、第1吸着ユニット71及び第2吸着ユニット72をつなぐように配されている。また、前記排出配管12の途中に前記排出弁13が取り付けられている。前記排出配管12は、前記排出弁13より第1吸着ユニット71側が第1排出配管12aとなっており、前記排出弁13より第2吸着ユニット72側が第2排出配管12bとなっている。
前記排出弁13は、第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれかにおいて生じ且つ第1排出配管12a又は第2排出配管12bを経て送られてきた乾燥ガスを、除湿装置1外へ排出するように構成されている。
前記第1排出配管12aは、第1吸着ユニット71において生じた乾燥ガスを第1吸着ユニット71から排出し、前記排出弁13に送るように構成されている。
前記第2排出配管12bは、第2吸着ユニット72において生じた乾燥ガスを第2吸着ユニット72から排出し、前記排出弁13に送るように構成されている。
斯かる構成により、第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72において生じた乾燥ガスが、排出弁13を経て、除湿装置1外へ排出される。
【0025】
即ち、前記除湿装置1は、供給弁11によって被処理ガスAの供給先を第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方へ変更し、被処理ガスAがいずれかの供給配管(10a,10b)を経て第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方へ供給できるように構成されている。また、乾燥ガスが、排出弁13によって第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方から排出配管12を経て、除湿装置1外へ排出されるように構成されている。
前記除湿装置1は、上記のごとく構成されていることから、前記第1吸着ユニット71内にて、吸着筒21が前記被処理ガスAの水分を吸着している間、前記第2吸着ユニット72内にて、吸着筒21に収容され既に水分を吸着した吸着剤が、加熱により水分を脱離し、加熱再生され得る。
【0026】
前記吸着剤としては、従来公知の一般的なものが挙げられ、具体的には、例えば、粒状の合成ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ等が挙げられる。
【0027】
また、前記除湿装置1は、第1供給配管10aと第2供給配管10bとにそれぞれ取り付けられた第1放出弁14a及び第2放出弁14bを備えており、前記第1吸着ユニット71で被処理ガスAの水分除去を行いつつ第2吸着ユニット72の吸着剤を加熱再生させた際に、前記排出弁13を通じて一部の乾燥ガスをパージ用ガスとして第2吸着ユニット72に逆流させ、前記加熱再生によって第2吸着ユニット72内に発生した水蒸気及び熱を第2供給配管10bに取り付けられた前記第2放出弁14bを通じて系外に放出できるように構成されている。
また、前記除湿装置1は、前記第2吸着ユニット72で被処理ガスAの水分除去を行いつつ第1吸着ユニット71の吸着剤を加熱再生させた際には、逆に、排出弁13を通じて一部の乾燥ガスをパージ用ガスとして第1吸着ユニット71に逆流させ、前記加熱再生によって第1吸着ユニット71内に発生した水蒸気及び熱を第1供給配管10aに取り付けられた前記第1放出弁14aを通じて系外に放出できるように構成されている。
前記除湿装置1は、斯かる構成を有することにより、吸着ユニット71、72内で発生した水蒸気及び熱を除去することができる。
【0028】
前記筒本体41は、図2に示すように、例えば円筒状に形成され、前記被処理ガスAに含まれる水分を吸着する吸着剤を収容するための収容領域41aとして、前記筒本体41の内部の空洞部分を利用しうるように形成されている。
また、前記筒本体41には、被処理ガスAの流通方向の両端側にそれぞれ通気孔(図示せず)が形成されており、筒本体41は、一端側の通気孔(図示せず)から供給された被処理ガスAが、他端側の通気孔(図示せず)から排出されるように構成されている。
【0029】
前記筒本体41は、外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管41である。
前記筒本体41が斯かる構成を有することにより、本実施形態の除湿装置1は、前記筒本体41の外表面積が広くなり、加熱により水分が脱離された吸着剤が効率良く冷却されるという利点がある。また、外表面に凹部及び凸部を有していない管である筒本体に比して、筒本体41の外表面積が同じであるならば、冷却効率を同等に保ちつつ、筒本体41の長さを短くできるという利点がある。
また、冷却効率が高まることによって、前記除湿装置1は、吸着剤を加熱し水分が離脱された時から吸着剤が十分に冷却されるまでの時間を短縮することができるという利点を有する。
ところで、従来の除湿装置は、前記除湿装置1と同様に、2つの吸着筒を備えてなる。そして、従来の除湿装置は、一の吸着筒の吸着剤を加熱し冷却する間に、他の吸着筒の吸着剤で被処理ガスから水分を除去するように構成されている。よって、従来の除湿装置は、一の吸着筒の吸着剤を加熱し冷却する時間がかかればかかるほど、他の吸着筒で処理すべき被処理ガスの量も増加する。従って、大量の被処理ガスを処理するために他の吸着筒が備えるべき吸着剤の量が多くなり、結果的に除湿装置自体が大型化してしまうという問題がある。
これに対して、本実施形態の除湿装置1は、吸着筒21の筒本体41が外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管であることから、筒本体41の外表面積が大きくなるため、筒本体41が冷却されやすく、該筒本体41内に設けられる吸着剤を冷却する時間を短縮できるという利点がある。さらに、本実施形態の除湿装置1は、筒本体41内に加熱部51が設けられた構成となっていることから、筒本体の外周に加熱部が設けられた従来の除湿装置に比して、筒本体41が冷却されやすく、該筒本体41内に設けられる吸着剤を冷却する時間を短縮できるという利点がある。従って、本実施形態の除湿装置1は、コンパクト化が図りやすく、設置スペースに制約が生じるおそれが抑制される。
従って、本実施形態の除湿装置1は、水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制されうるという利点を有する。
さらに、本実施形態の除湿装置1は、上述したように、筒本体41が冷却されやすいことから、該筒本体41を冷却するために、パージ用ガスとして乾燥ガスを使用する量も抑制することができるという利点も有する。
【0030】
前記外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管41は、図3に示すように、前記被処理ガスAの流通方向に沿って外表面に凹凸が繰り返されているコルゲート管であることが好ましい。
該管41の材質としては、例えば、ステンレス鋼、チタン等が挙げられ、その他には、ニッケルを主成分とした合金等も挙げられる。該合金は、ニッケルを40質量%以上含有する。該合金に含まれる、ニッケル以外の成分としては、モリブデン、クロム、鉄等が挙げられる。
【0031】
また、前記管41は、図3に示すように、屈折部41bを有してもよい。
前記管41が斯かる構成を有することにより、屈折部がない管を筒本体として備えた従来の除湿装置に比して、本実施形態の除湿装置1は、一方向に長大となることが抑制されるため、水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制されうる。
前記屈折部41bの空洞部分にも、吸着剤及び加熱部51が設けられていてもよい。本実施形態の除湿装置1は、斯かる構成を有することにより、屈折部41bでも被処理ガスAから水分を除去することができ、また、吸着剤に吸着した水分も効率良く系外に排出することができるという利点がある。
【0032】
さらに、前記管41が屈折部41bを有する場合には、被処理ガスAが一の方向に前記管41内を流通し、更に、該一の方向に前記管41内を流通した被処理ガスAが、該一の方向と逆向きの方向に、前記管41内を流通するように、前管41が形成されていてもよい。更に、該逆向きの方向に前記管41内を流通した被処理ガスAが、前記一の方向に、前記管41内を流通するように、前管41が形成されていてもよい。
【0033】
また、本実施形態の除湿装置1は、前記管41の外表面に接するフィン(図示せず)を更に備えていてもよい。
前記管41の外表面にフィン(図示せず)が設けられていることにより、本実施形態の除湿装置1は、前記管である筒本体41の外表面積がより一層広くなり、加熱により水分が脱離された吸着剤が効率良く冷却されるという利点がある。また、前記管41の外表面にフィン(図示せず)が設けられてない場合に比して、筒本体41からの冷却効率を同等に保ちつつ、筒本体41の長さを短くできるという利点がある。
従って、斯かる構成を有することにより、本実施形態の除湿装置1は、水分の除去効率が低下することがより一層抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれがより一層抑制されうる。
前記フィンは(図示せず)、前記管41の周方向に沿って延在してもよい。
【0034】
前記加熱部51は、図2に示すように、例えば棒状に形成され、筒本体41の延在方向に沿って前記筒本体41内に配され、前記吸着筒21に備えられている。
また、該加熱部51は、円筒状の筒本体41の中心軸を通るように配されている。
さらに、該加熱部51は、例えば、棒状の電気ヒータを備え、該電気ヒータにより筒本体41に収容された吸着剤を加熱できるように構成されている。
なお、従来の除湿装置は、加熱部である電気ヒータが筒本体の外周に巻き付けられた構成となっており、電気ヒータから発生した熱の一部が、筒本体41内の吸着剤を加熱せずにそのまま系外に放出されてしまうという問題がある。斯かる問題から、従来の除湿装置としては、電気ヒータ及び筒本体をくるむシート状の保温材を備えた構成の装置も知られている。しかし、該保温材を有する除湿装置は、加熱された吸着剤が冷却され難くなるという問題がある。
これに対し、電気ヒータが筒本体の外周に巻き付けられた従来の除湿装置に比して、筒本体41内に前記加熱部51が配されていることにより、本実施形態の除湿装置1は、効率良く吸着剤を加熱することができるという利点があり、さらに、効率良く吸着筒21を冷却することができる利点を有する。
【0035】
前記加熱部51と前記筒本体41との間の領域は、図2に示すように、前記吸着剤を収容する収容領域41aとなる。前記吸着剤は、前記収容領域41aのほぼ全てを占めるように前記吸着筒21に備えられ得る。
【0036】
なお、前記吸着筒21は、図2に示すように、前記筒本体41内に配され加熱部51を支持できるように構成された支持部材61を備え、該支持部材61によって前記加熱部51が該吸着筒21の中心軸に沿って支持されていてもよい。
具体的には、前記支持部材61としては、例えば図2に示すように、加熱部51の外周に線材が巻回されてなる巻回部61aと、該巻回部61aから外方側へ筒本体41の内側面に向けて線材が放射状に延びてなる複数の脚部61bと、該脚部61bの外方側端部を折り曲げることにより筒本体41の内側面に沿って線材が配され、且つ折り曲げられた線材の反発弾性力により筒本体41の内側面を押圧するように構成された複数の押圧部61cとを備えたものを用いることができる。斯かる支持部材61は、複数の押圧部61cの反発弾性力により筒本体41内における移動が規制されている。即ち、筒本体41内において、巻回部61aの位置が固定されている。これにより、支持部材61は、巻回部61aを介して棒状の加熱部51の移動を規制しており、加熱部51を支持することができる。
また、前記支持部材61としては、例えば、円筒状の空間を形成させるように金属線材を螺旋状に巻回し、螺旋状に巻回した後に筒本体41の内側面に当接するまで金属線材を放射状に延ばし、さらに金属線材を折り曲げて筒本体41の内側面に沿うように延ばし、その後放射方向と反対方向へ金属線材を折り返して形成された、図2に示すような支持部材61を用いることができる。
【0037】
前記吸着ユニット71、72は、図4に示すように、前記吸着筒21を収容し且つ該吸着筒21を冷却する気体が流通するダクト80を備えてなる。該ダクト80は、該ダクト80内を流通する気体の流路がジグザクとなるように形成されている。
前記ダクト80は、図3に示すような、前記吸着筒21を固定する固定台81と、図5に示すような、前記筒本体21を覆うカバー82とを備えてもよい。そして、前記ダクト80は、図4に示すように、前記固定台81と前記カバー82との間に前記吸着筒21を収容するように構成されてもよい。
さらに、前記ダクト80は、図4に示すように、加熱された吸着剤を冷却するために、吸着剤を収容した吸着筒21の外側から前記固定台81と前記カバー82との間に風を送る送風機83を備えてもよい。
【0038】
前記固定台81は、図3に示すように、金属板が折り曲げられてなる壁板81aと、該壁板81aの上面側に固定され且つ前記吸着筒21を固定するための固定部材81bとを有している。
前記壁板81aは、長方形の金属板に織り目が幅方向に延在するように山折りと谷折りとが繰り返されることにより側面視階段状となるように形成されており、具体的には、山/谷/山/谷/山の5つの折り曲げ箇所を備えている。
【0039】
前記カバー82は、図5に示すように、前記固定台81の壁板81aと略同形状を有する天井壁82aと、該天井壁82aの両側縁から垂下する側壁82bとを有している。
前記側壁82bは、その下端縁が前記壁板81aと同じく側面視階段状となるように形成されている。
即ち、前記カバー82は、側壁82bの下端部を壁板81aの側縁部に固定することにより前記固定台81との間に断面形状が横長矩形となる気体の流路を形成させ得るようになっており、気体の流通方向に向けてジグザグとなる流路を形成させ得るようになっている。
【0040】
前記吸着筒41は、図3に示すように、前記壁板81aの幅方向に延在するように前記固定台81に取り付けられており、具体的には、前記壁板81aの幅の7倍程度の長さを有する吸着筒41が6箇所において180°折り返され、6つの屈折部41bと7つの直線部41cとを形成させる形で固定台81に取り付けられている。
【0041】
このことについてより詳しく説明すると、前記吸着筒41は、ダクト80の入口部分において前記固定台81の幅方向に延在するように第一番目の直線部41c1を配し、前記側壁82bに近い位置に第一番目の屈折部41b1を配して第二番目の直線部41c2を壁板81aの第一番目の山折箇所に沿って延在させている。続けて、前記第一番目の屈折部41bとは反対側の側壁82bに近い位置において第二番目の屈折部41b2を配し、第三番目の直線部41c3を壁板81aの第一番目の谷折箇所に沿って延在させている。同様にして出口付近までダクト80内に吸着筒41が配されている。
【0042】
この図3に示した態様においては、気流の流路がジグザグとなるダクト80に吸着筒41を収容させているために、当該ダクト80内に吸着筒41を冷却するための冷却風を流通させた際に該冷却風の流れが大きく乱されることになり、吸着筒41をより効率よく冷却させることができる。
【0043】
なお、図3に示した態様において、より冷却効率を向上させるべく、除湿装置1が前記フィン(図示せず)を備える場合は、気流の流通方向と平行となるように設けることが好ましく、前記直線部41cと直交するように配置することが好ましい。
【0044】
例えば、吸着筒41の直径と略同じ幅の切欠を設けた金属板を複数枚用意し、この切欠に吸着筒41を挿入させるようにして吸着筒41の外側に金属板を固定し冷却効果を促進させるためのフィン(図示せず)を形成させることができる。
【0045】
この図3に示した態様においては、ダクト80において断面矩形の気体流路を画定している4つの壁の内、対向する2つの壁81a、82aがともに図4に示すように側面視階段状に形成されて気体の流路がジグザグとなっているために、ダクト80の入口から出口までの直線距離に比べて気体流路の長さを長く確保させることができる。
しかも、ダクト80の幅よりも長い吸着筒41に複数の屈折部41bを形成させる形で吸着筒41をダクト80の内部に収容させており、図3に示した態様においては、コンパクトで吸着筒41の冷却効率に優れた吸着ユニット71、72が形成されている。
【0046】
また、図3に示した態様においては、対向する2つの壁81a、82aがともに図4に示すように側面視階段状に形成されているために、図6に示すように2つの吸着ユニット71、72を重ね合わせるのに際してこれらの間に隙間が形成されることを抑制させることができる。
【0047】
即ち、第1吸着ユニット71と第2吸着ユニット72とをともに図3に示すような構成にすれば本実施形態に係る除湿装置1を車載用途などに、より適したものとすることができる。
【0048】
また、本実施形態の除湿装置の製造方法について説明する。
本実施形態の除湿装置の製造方法では、前記筒本体41を形成するための直状の管内を、内部に前記棒状のヒータが配され且つ前記吸着剤が充填された状態にした後、該管を屈折させて、前記筒本体41が屈折部41bを有する管で形成された除湿装置1を製造する。
【0049】
具体的には、筒本体41を形成するための直状の管と、該管よりも僅かに短い棒状の電気ヒータとを用意し、該電気ヒータを前記巻回部61aに挿通させるようにして支持部材61を電気ヒータに所定間隔を設けて取り付け、この支持部材61の取り付けられた電気ヒータを前記管の一方の開口部から収容させた後に、この管内部に吸着剤をさらに収容させ所定の位置で前記管を曲げて屈折部41bを形成させることができる。
このようにすることで管を曲げた後にヒータや吸着剤を充填させる方法に比べて棒状の電気ヒータを前記コルゲート管の中心軸を通るように配することが容易に実施できる。
【0050】
なお、前記管として一般的な金属管などを採用する場合には、パイプベンダーなどを用いて屈折部41bを形成させることができる。
この時、内部に吸着剤がすでに充填されていることから、管の座屈が防止されるとともに管を曲げることによってヒータに局所的な応力が加わることを抑制させることができ、より曲率半径の小さな屈折部41bを形成させることができる。
【0051】
なお、本実施形態の除湿装置の製造方法では、コルゲート管を用いることにより、該管を屈折させた際に、該管の屈折部の一部に応力が集中するのをさらに抑制できる。よって、さらに小さい曲率半径で屈折させることができ、該管をコンパクトに屈折させることができる。従って、除湿装置の設置スペースに制約が生じるおそれが抑制される。
【0052】
前記コルゲート管は、外径の最大径部分が、0.7cm以上4cm以下が好ましく、1cm以上2cm以下がより好ましい。外径の最大径部分が0.7cm以上4cm以下である管を用いることによって、該コルゲート管の曲げ半径を小さく該コルゲート管を屈折させることが可能となることから、除湿装置自体をコンパクト化させやすいという利点があり、更には、該コルゲート管を屈折させやすいという利点もある。
さらに、前記コルゲート管は、外表面の凸部の高さと凹部の高さとの差(管の中心軸から凸部の外方側先端までの距離と、管の中心軸から凹部の内方側基端までの距離との差の絶対値)が、例えば2mm〜4mmの範囲内であることが好ましい。この差が、2mm以上であることにより、該コルゲート管の表面積が大きくなるという利点がある。また、この差が、4mm以下であることにより、該コルゲート管を屈折させた際に屈折部の曲げ半径が小さくなりやすいという利点がある。
また、前記コルゲート管は、該管の軸方向に隣接する凸部の外方側先端どうしの距離が、3〜5mmの範囲内であることが好ましい。この距離が3〜5mmの範囲内であることにより、前記コルゲート管の表面積が大きくなるという利点があり、更に、該コルゲート管を屈折させやすいという利点がある。
即ち、これらのコルゲート管を用いて筒本体41を形成させることで、コンパクトな除湿装置1をより一層簡便に作製することができる。
前記コルゲート管としては、凸部と凹部とが環状に独立し、該凹部と凸部とが被処理ガスAの流通方向に沿って交互に繰り返されているタイプ(以下「環状コルゲート管」ともいう)のものと凹部と凸部とが螺旋状に設けられて被処理ガスAの流通方向に沿って凹部と凸部とが交互に繰り返されているタイプ(以下「螺旋状コルゲート管」ともいう)とが一般に用いられているが、同じ材質で、同じ肉厚のコルゲート管であれば屈折部41bの曲げ半径を小さくする上においては環状コルゲート管の方が有利である。
一方で、コルゲート管は、凸部に相当する部分が内面側において溝のような状態になっているために、環状コルゲート管では一度に多量の吸着剤を収容させようとした際に溝内に隙間が形成されやすい。
これに対し螺旋状コルゲート管では、溝が管の一方から他方まで螺旋状に連続しているために隙間が形成され難いという利点を有する。
また、螺旋状コルゲート管では、例えば、前記ヒータを収容させるのに際して支持部材61の脚部61bの先端をこの螺旋状の溝に収容させて管とヒータとを軸周りに相対回転させることでこの溝に沿って支持部材61を管内に進行させることができ、ヒータを自動的に管内に引き込ませることができる。
さらに、螺旋状コルゲート管は、管自体の製作が容易であるという利点を有する。
即ち、これらのコルゲート管を用いて筒本体41を形成させることで、コンパクトな除湿装置1をより一層簡便に作製することができる。
【0053】
さらに、前記除湿装置1の使用方法について説明する。
前記除湿装置1においては、被処理ガスAが、吸着剤を備えた複数の吸着筒21を流通することにより、被処理ガスAに含まれる水分を吸着剤に吸着させ、被処理ガスAに含まれる水分を除去することができる。
また、前記除湿装置1においては、上述したように、例えば図1に示す供給弁11を操作することにより、水分を含む被処理ガスAを第1吸着ユニット71へ供給し、第1吸着ユニット71にて被処理ガスAの水分を吸着剤に吸着させることができる。一方、第1ユニットにて被処理ガスAの水分を吸着剤に吸着させている間、第2吸着ユニット72にて、加熱部51を加熱することにより既に水分を吸着した吸着剤から水分を脱離させ、吸着剤を加熱再生させることができる。水分を脱離した吸着剤は、加熱部51の加熱を止め、例えば放置することにより冷却することができる。
また、前記除湿装置1においては、所定の時間間隔をあけて、上述したように水分を含む被処理ガスAの供給先を第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方へ変えることにより、被処理ガスAの除湿を一端止めることなく、連続的に行うことができる。
【0054】
前記除湿装置1においては、加熱部51により加熱された吸着剤を冷却するために、乾燥した冷却用のガスを吸着筒21に流通させることができる。
【0055】
本実施形態の除湿装置は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の除湿装置に限定されるものではない。
また、一般の除湿装置において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
【0056】
例えば、本実施形態の除湿装置1は、前記吸着ユニットを2つ備えてなるが、本発明の除湿装置は、前記吸着ユニットを一つのみ備えてもよく、また、前記吸着ユニットを3つ以上備えてもよい。
【0057】
また、本実施形態の除湿装置1は、前記固定台81の壁板81a、及び前記カバー82の天井壁82aが、側面視階段状となっているが、本発明の除湿装置1は、該壁板81a及び該天井壁82aが側面視平面状となっていてもよい。具体的には、ダクト80の外形が、直方体となるように形成されてもよい。斯かる除湿装置1は、前記ダクト80内に、前記吸着筒21を冷却する気体が流通方向に向けてジグザグに通過するための流路が別に設けられてもよく、該ダクト80が、前記吸着筒21を冷却する気体が流通方向に向けてジグザクに通過するように形成されてなくてもよい。
【0058】
さらに、本発明の除湿装置1は、前記吸着筒21を冷却するための構成についても特に限定されない。
例えば、本実施形態の除湿装置1は、前記吸着ユニット71、72の何れか一方で生成された乾燥ガスを、パージ用ガスとして他方の吸着ユニット71、72に供給して、該他方の吸着ユニット71、72内に発生した水蒸気及び熱を系外に放出するように構成されてなるが、本発明の除湿装置1は、図7に示すように、前記一方の吸着ユニット71、72で生成された乾燥ガスの代わりに、別途用意した乾燥ガスBをパージ用ガスとして前記他方の吸着ユニット71、72に供給して、該他方の吸着ユニット71、72内に発生した水蒸気及び熱を系外に放出するように構成されてもよい。
【0059】
また、本発明の除湿装置1は、前記吸着筒21を収容する外管を備え、該外管と前記吸着筒21との間の隙間領域に冷媒(水、不凍液(エチレングリコール、アルコール等)等)を流通させて該吸着筒21を冷却するように構成されてもよい。また、本発明の除湿装置1は、前記吸着筒21よりも細く且つ該吸着筒21の外周に巻き付けられた管を備え、該管内に冷媒を流通させて該吸着筒21を冷却するように構成されてもよい。斯かる構成を有する除湿装置1は、効率良く加熱された吸着剤を冷却することが可能となる。
また、本発明の除湿装置1は、前記ファンからの冷風、前記パージ用ガス、及び前記冷媒からなる群より選ばれた1以上の媒体によって、前記吸着筒21が冷却されるように構成されてもよい。
【0060】
また、本発明の除湿装置1は、前記加熱部51が、前記筒本体41の延在方向の全域にわたって該筒本体41内に配されていることが好ましい。また、本発明の除湿装置1は、上述したように、前記加熱部51が、前記屈折部41b内に配されていることが好ましい。なお、前記加熱部51が棒状の電気ヒータを備えている場合には、本発明の除湿装置1は、前記加熱部51が円筒状の筒本体41の中心軸を通るように配されていることが好ましいが、前記加熱部51が該中心軸から多少ずれた箇所を通るように配されても構わない。
また、本発明の除湿装置1は前記屈折部を2以上有することが好ましい。2以上の複数の屈折部を有する構造にすることで、全長が同じ長さとなり且つ屈曲部を1つしか有しない吸着筒に比して、除湿装置が一方向に長くなるのを抑制でき、除湿装置をコンパクトにすることが可能となる。
また、本実施形態では屈折部と直線部を有する吸着筒について説明したが、これに限定されず、直線部を備えず、屈折部からなる吸着筒としても良い。具体的には、本発明の除湿装置1は、バネ状(コイル状)となるように吸着筒を連続的に屈折させて構成させてもよい。このように構成した場合、吸着筒のバネ状に巻かれた部分に囲まれた領域に冷却のための冷却配管を設置して冷却時に当該冷却配管内に冷媒を流通させるようにしても良く、また、該領域に該冷却配管を設置せずに単に吸着筒の外周付近に空気を流通するようにしても良い。
【0061】
さらに、前記支持部材61の変形例を図8に示す。図8(a)は、加熱部51の延在方向に垂直な面で切断した斯かる変形例の断面図であり、図8(b)は、斯かる変形例の斜視図である。
前記支持部材61の斯かる変形例は、図8に示すように、丸棒状の加熱部51を覆うように3つの三割管体が組み合わされてなる管状部61pと、前記三割管体の両端からそれぞれ外方に延びる矩形板状のフランジ部61qとを有し、前記三割管体の両端から延びる合計6枚のフランジ部61qは、隣り合うもの同士が2枚重ね合わされて前記管状部61pの中心から3方に放射状に延びる板状支持脚を形成しており、該板状支持脚の先端を筒本体41の内面に当接させて前記管状部61pに挿通させた棒状の加熱部51を前記筒本体41の中心部において支持し得るように形成されている。
斯かる支持部材61は、例えば、一枚の短冊状の金属板を折り曲げ加工したものが3つ組み合わされて形成されており、具体的には、フランジ部61qが重ね合わされて前記板状支持脚が形成され、フランジ部61qが前記金属板の両端部によって形成されている。また、重ね合わされているフランジ部61qにおいては、先端部よりも管状部61p寄りの位置においてスポット溶接Zされて接合がなされている。
なお、斯かる支持部材61においては、管状部61pの中心から前記板状支持脚の先端に延びる仮想線間の角度が120°となるように、前記板状支持脚が配されている。
金属は、吸着剤よりも熱伝導性が高いため、フランジ部61q又は脚部61bが備えられている金属製の支持部材61を用いることにより、斯かる支持部材61を用いない態様に比して、加熱部51による加熱時に、加熱部51から離れた位置に存在する吸着剤まで、フランジ部61q又は脚部61bにより加熱部51からの熱を伝えやすくなり、吸着剤全体を効率よく加熱することができるという利点がある。
また、前記支持部材61が金属板で形成され且つフランジ部61qを有することにより、前記支持部材61が金属線材で形成されている場合に比して、加熱部51と支持部材61との接触効率が高まりやすく、更に支持部材61と吸着剤との接触面積も大きくなりやすいため、加熱部51から離れた位置に存在する吸着剤まで、フランジ部61qにより加熱部51からの熱を伝えやすくなり、吸着剤全体を効率よく加熱することができるという利点がある。
さらに、前記支持部材61を金属板で形成することにより、前記支持部材61を金属線材で形成する場合に比して、支持部材61の制作が容易であるため、コストを抑えやすいという利点がある。
【0062】
また、前記支持部材61のさらなる変形例を図9に示す。図9(a)は、加熱部51の延在方向に垂直な面で切断した斯かる変形例の断面図であり、図9(b)は、斯かる変形例の斜視図である。
前記支持部材61の変形例は、図9に示すように、一対の半割管体が組み合わされてなる管体部61xと、前記半割管体の両端からそれぞれ外方に延びるフランジ部61yとを有し、該フランジ部61yが前記半割管体の一端側で重ね合わされて接合されているとともに、他端側では互いに離間する方向に延びて前記管体部61xの中心から3方に放射状に延びる板状支持脚を形成しており、該板状支持脚の先端を筒本体41の内面に当接させて前記管体部61xに挿通させた棒状の加熱部51を前記筒本体41の中心部において支持し得るように形成されたものである。
前記管体部61xは、フランジ部61y同士が接合されている側において半割管体同士の相対位置が略固定された状態となっているものの他方においては半割管体同士を離間させ得るように形成されており、その径をある程度の範囲において拡縮自在に変化させ得るように形成されている。
斯かる支持部材61は、例えば、一枚の短冊状の金属板を折り曲げ加工して形成されており、重ね合わされているフランジ部61yを除く2つのフランジ部61yは、前記金属板の両端部によって形成されている。一方で、重ね合わされているフランジ部61yは、前記金属板の折り目となる先端部において互いに接合されており、該先端部よりも管体部61x寄りの位置においてスポット溶接Zされてさらなる接合がなされている。
なお、斯かる支持部材61においては、管体部61xの中心から前記板状支持脚の先端に延びる仮想線間の角度が120°となるように、前記板状支持脚が配されている。しかも、管状部61pの中心から前記板状支持脚の先端に延びる仮想線に沿って3つの板状支持脚が配された支持部材(図8で示した変形例)と異なり、半割管体の他端側から延びる2つの板状支持脚は、前記仮想線に沿うように配されていない。
【0063】
また、除湿装置1の変形例を図10を参照しつつ説明する。図10(a)は、該除湿装置1の第1吸着ユニット71の正面図であり、図10(b)は、該第1吸着ユニット71の側面図であり、図10(c)は、該第1吸着ユニット71の背面図であり、図10(d)は、図10(c)のA−A断面矢視図である。
この除湿装置1は、吸着筒21の管41がU字管となっている。該管41は、半円状に屈曲した屈曲部41bと、該屈曲部41bの両端から互いに平行して延びる2つの直線部41cとを備えている。図10においては、前記屈曲部41bは正面視下側に配され、対となる前記直線部41cは前記屈曲部41bの両端から鉛直方向に延び左右に離間するように配されている。
該除湿装置1には、前記屈曲部41bと対の前記直線部41cとを全て覆うことができる板が2枚備えられており、前記吸着筒21は、2枚の前記板に正面(前面)側及び背面(後面)側から挟まれて除湿装置1に備えられている。該板は、左右の幅が、屈曲部41bの直径よりもわずかに長く、鉛直方向の長さが、屈曲部41bの半径と、直線部41cの長さとの合計の長さよりもわずかに長くなっている。このように、2枚の板で前記吸着筒21が前後から挟まれて、該除湿装置1には、左右と下方の3方が吸着筒21によって包囲され且つ前後が前記板で包囲された内部空間が形成されている。また、該除湿装置1は、前記内部空間の上側を封止する封止部を有し、前記内部空間から上側への気体の流通が抑制されているが、前記吸着筒21の管41がコルゲート管で形成されて、前記管41と前記板との間には、該コルゲート管の凹部により隙間が形成され、該隙間により前記内部空間と系外とが前記封止部以外で連通している。背面側の前記板は、中央部に開口部を有し、該開口部には、系外から前記内部空間に気体を供給する送風機83が2つ設けられている。該除湿装置1は、前記送風機83によって前記内部空間に気体を供給することにより、該気体が前記隙間を通じて系外に排出されるように構成されている。該除湿装置1は、前記気体が前記隙間を流通することで、前記吸着筒21が冷却されるように構成されている。
上記のような構成を有するものを1ユニットとし2以上のユニットを組み合わせて吸着ユニット70としても良い。その場合に、例えば、2つのユニットを組み合わせるのであれば、図11(図11(a)は、吸着ユニット70の正面図であり、図11(b)は、該吸着ユニット70の側面図であり、図11(c)は、該吸着ユニット70の背面図であり、図11(d)は、図11(c)のA−A断面矢視図である。)に示すように、第1ユニットの背面側に設けられている送風機83を取り除くとともに、第2ユニットの正面側の板を取り除いて該第2ユニットの正面側に前記第1ユニットを取り付けるようにしても良い。即ち、第1ユニットの背面側の開口を有する板を介して、第1ユニットの内部空間と第2ユニットの内部空間とを連通させて、第2ユニットの送風機83で第1ユニットの内部空間に気体を供給させるようにしても良い。
また、図12(図12(a)は、吸着ユニット70の正面図であり、図12(b)は、該吸着ユニット70の側面図であり、図12(c)は、該吸着ユニット70の背面図であり、図12(d)は、図12(c)のB−B断面矢視図であり、図12(e)は、図12(b)のA−A断面矢視図である。)のように、直線部41cが図11の直線部41cよりも短い態様である場合には、前記送風機83が1つであってもよい。
なお、実際の使用態様では、上記方向での使用を要しない。
【0064】
また、図10〜12の除湿装置1は、前記送風機83から内部空間に気体を供給することにより、前記隙間を通じて系外に該気体が排出されるように構成されているが、本発明の該除湿装置は、送風機83で内部空間から系外に気体を排出することにより、前記隙間を通じて内部空間に気体が供給されるように構成されてもよい。この場合、図10〜12に記載の気体の流れが逆方向となる。
【0065】
また、図11、12の吸着ユニット70は、送風機83で内部空間に気体を供給することにより、2つの吸着筒21の周囲に気体が供給されるように構成されているが、これら2つの吸着筒21に別々に気体を供給するようにして図1に於いて示した第1吸着ユニット71と第2吸着ユニット72との両方の機能を発揮させることができる。その場合には、図11(a)の正面視手前側の一吸着筒21と背面側の他吸着筒21とに送風機83からの気体を振り分け得るように選択機構を備えさせることができる。
該選択機構としては、例えば、前記内部空間内を前後に移動可能なシャッターと、該シャッターを前後に移動させるための駆動装置とを備えたものが挙げられ、具体的には、吸着筒21の太さと同じ幅を有する板を吸着筒21よりも一回り小さいU字状に曲げられてなるシャッターを吸着筒21の内側に沿わせて配し、該シャッターを手前側に配したときに一吸着筒21(以下、「第1吸着筒21」ともいう。)への気流を遮らせるとともに他吸着筒21(以下、「第2吸着筒21」ともいう。)のみに気流を供給し、該シャッターを前記駆動装置で奥側に移動させたときに前記第2吸着筒21への気流を遮らせるとともに、前記第1吸着筒21のみに気流を供給させるように構成されたものが挙げられる。
この吸着ユニット70を使っての運転方法を説明すると、まずシャッターを手前側に位置させ、手前側の前記第1吸着筒21を内部空間から隔離した状態にしつつ、該第1吸着筒21内に被処理ガスを流通させつつ、該第1吸着筒21内の吸着剤に被処理ガスに含まれる水分を吸着させる。次いで、この第1吸着筒21の吸着性能が低下した段階で被処理ガスの流路を奥側の前記第2吸着筒21側に切り替え、前記第1吸着筒21は加熱部による加熱再生を行う。このとき、シャッターがあることで前記第1吸着筒21からの放熱が抑制され、第2吸着筒21が加熱されることも防止できる。その後、第1吸着筒21の吸着剤が再生された段階で、シャッターを前記駆動装置で奥側に移動させ、送風機83による送風を開始する。そして、前記第1吸着筒21に前記送風機83による風を当てて前記第1吸着筒21を冷却させる。その後、第2吸着筒21の吸着性能が低下した段階で、この十分に冷却された第1吸着筒21に被処理ガスの流路を切り替え、先に示したのと同様に、第2吸着筒21の再生を実施する。このように、一つの吸着ユニット70を使って図1に示した第1吸着ユニット71と第2吸着ユニット72との両方の機能を発揮させることができる。
【0066】
また、前記管41がコルゲート管である場合には、該コルゲート管の形状を保持する補強部材でコルゲート管が保持されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1:除湿装置、10:供給配管、10a:第1供給配管、10b:第2供給配管、11:供給弁、12:排出配管、12a:第1排出配管、12b:第2排出配管、13:排出弁、14a:第1放出弁、14b:第2放出弁、21:吸着筒、41:筒本体(管)、41a:収容領域、41b:屈折部、41c:直線部、51:加熱部、61:支持部材、61a:巻回部、61b:脚部、61c:押圧部、61p:管状部、61q:フランジ部、61x:管体部、61y:フランジ部、70:吸着ユニット、71:第1吸着ユニット、72:第2吸着ユニット、80:ダクト、81:固定台、81a:壁板、81b:固定部材、82:カバー、82a:天井壁、82b:側壁、83:送風機、A:被処理ガス、B:乾燥ガス
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分を含む被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えた除湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えた除湿装置としては、様々なものが知られており、例えば、吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより吸着した水分を脱離させる加熱部とを有しているものが知られている(特許文献1)。
【0003】
斯かる除湿装置は、複数の吸着筒を備え、具体的には、2本の吸着筒が、それぞれ交互に被処理ガスの水分を吸着できるように構成されている。即ち、1本の吸着筒にて被処理ガスの水分を吸着している間に、もう1本の吸着筒にて、吸着剤から水分が脱離され該吸着剤が再生されるように構成されている。より具体的には、1本の吸着筒にて、被処理ガスの水分を吸着させつつ、もう1本の吸着筒にて、水分を吸着した吸着剤を加熱部によって加熱することにより吸着剤から水分を脱離させ、さらに吸着剤を冷却できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−149890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、水素−酸素発生装置によって水を電気分解して水素と酸素とを発生させ、得られた水素ガスや酸素ガスをボンベに詰めて利用することが行われている。
水を電気分解して得られるガスには水分が含まれているために、ボンベ詰めを行う前に前記除湿装置を用いて水分を除去することが行われている。
また、ボンベ詰めを行わない場合でも、ガスに水分が含まれているとドレンを生じる問題がある点、及び、ガスにおいて不純物となる水分を除去するという点で、除湿装置を用いてガスの水分を除去することが行われている。
近年、例えば、自動車などの移動体に積載して水素ガスや酸素ガスの消費地まで水素−酸素発生装置を搬送し、該消費地においてこれらのガスを発生させることが要望されるようになってきている。
このようなことから水素−酸素発生装置のみならず前記除湿装置にはコンパクト化が要求されるようになってきているが、これまで据置利用することを想定されてきたこれらの装置をコンパクト化させることは殆ど検討されておらず、その解決策も十分に確立されていない。
従って、上記要望を満足させることが困難な状況になっている。
【0006】
なお、除湿装置は、単純にサイズダウンすると吸着筒の水分吸着能力が比較的早期に低下されてしまうおそれがあり、吸着剤を再生するためにその機能を頻繁に停止させる必要が生じるおそれがある。
【0007】
従って、吸着筒は、水分の除去効率の観点からは、細長い形状にして吸着剤の収容量を確保しつつ該吸着剤の加熱冷却効率を向上させることが望ましい。しかしながら、吸着筒を長大なものにすると、除湿装置の設置スペースに制約が生じ、コンパクト化の要望を十分満足させることが困難となる。
【0008】
本発明は、上記の観点等に鑑み、水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制された除湿装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明に係る除湿装置は、水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えてなり、該吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより、吸着した水分を前記吸着剤から脱離させる加熱部とを有する除湿装置であって、前記筒本体が、外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管であることを特徴とする。
【0010】
上記構成からなる除湿装置においては、前記筒本体が、外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管であることから、前記筒本体の外表面積が広くなり、加熱により水分が脱離された吸着剤が効率良く冷却されるという利点がある。また、外表面に凹部及び凸部を有していない管である筒本体に比して、筒本体の外表面積が同じであるならば、冷却効率を同等に保ちつつ、筒本体の長さを短くできるという利点がある。
従って、前記除湿装置は、水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制されうる。
【0011】
また、本発明に係る除湿装置においては、好ましくは、前記管が、前記被処理ガスの流通方向に沿って外表面に凹凸が繰り返されているコルゲート管である。
【0012】
さらに、本発明に係る除湿装置においては、好ましくは、前記管が屈折部を有する。
【0013】
また、本発明に係る除湿装置においては、好ましくは、前記管の外表面に接するフィンを更に備えている。
【0014】
さらに、本発明に係る除湿装置においては、好ましくは、前記吸着筒を収容し且つ該吸着筒を冷却する気体が流通するダクトが備えられ、該ダクトが、該ダクト内を流通する気体の流路がジグザクとなるように形成されている。
【0015】
また、本発明に係る除湿装置においては、好ましくは、前記加熱部が、棒状に形成されており、前記吸着筒は、前記筒本体内に配され且つ前記加熱部を前記筒本体の中心軸に沿って支持できるように構成された支持部材を更に備えている。
【発明の効果】
【0016】
上述の通り、本発明の除湿装置は、水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態の除湿装置の概略図(吸着筒の軸の断面を概略的に表した図)。
【図2】本実施形態の除湿装置に備えられた吸着筒を、被処理ガスの流通方向及び該方向に垂直な方向に沿って切断したそれぞれの断面を模式的に表した模式図。
【図3】本実施形態の除湿装置における吸着ユニットの斜視図(カバーなし。)。
【図4】本実施形態の除湿装置における吸着ユニットの斜視図(カバーあり。)。
【図5】本実施形態の除湿装置におけるカバーの斜視図。
【図6】本実施形態の除湿装置における第1吸着ユニット及び第2吸着ユニットが重なりあった状態の除湿装置の側面概略図。
【図7】他実施形態の除湿装置の概略図(吸着筒の軸の断面を概略的に表した図)。
【図8】支持部材の変形例を表した図。
【図9】支持部材の変形例を表した図。
【図10】他実施形態の除湿装置の第1吸着ユニットの概略図。
【図11】他実施形態の除湿装置の吸着ユニットの概略図。
【図12】他実施形態の除湿装置の吸着ユニットの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る除湿装置の実施形態について説明する。
本実施形態の除湿装置は、水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えている。該吸着筒は、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより、吸着した水分を前記吸着剤から脱離させる加熱部とを有する。前記筒本体は、外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管である。
【0019】
具体例として、被処理ガスの水分を除去する前記吸着筒を有する吸着ユニットを2組備えた除湿装置を挙げて、本実施形態について図面を参照しつつさらに詳しく説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の除湿装置1において水分が除去される被処理ガスAは、水を電気分解して生成されるものであり、水素及び酸素の少なくとも何れか一方である。
前記被処理ガスAは、水を電気分解することにより生成されるため、通常、水分を含んでいる。また、前記被処理ガスAは、前記除湿装置1によって水分が除去されて様々な用途で利用され得る。
本実施形態の除湿装置1と組み合わせて用いられる前記被処理ガスAを生成する装置、即ち、水を電気分解して水素及び酸素を生成するための装置としては、従来公知の一般的な装置を用いることができる。
本実施形態においては、吸着剤を備えた吸着筒21内を被処理ガスAが流通できるように、大気圧を超える圧力をかけた前記被処理ガスAが前記除湿装置1に供給される場合を例にして、当該除湿装置1を説明する。
【0021】
本実施形態の除湿装置1には、図1に示すように、被処理ガスAから水分を除去するための吸着ユニットが2組(71,72)備えられており、この2組の吸着ユニットの内の一方(以下「第1吸着ユニット(71)」ともいう)と、他方(以下「第2吸着ユニット(72)」ともいう)とは、同じ構成となっている。
【0022】
前記除湿装置1は、例えば、図1に示すように、前記第1吸着ユニット71又は前記第2吸着ユニット72へ前記被処理ガスAを供給するように構成された供給配管10と、該供給配管10に取り付けられた供給弁11と、前記第1吸着ユニット71又は前記第2吸着ユニット72にて水分が除去された被処理ガスA(以下「乾燥ガス」ともいう)を除湿装置1外へ排出する排出配管12と、該排出配管12に取り付けられた排出弁13とを備えている。
【0023】
前記供給配管10は、第1吸着ユニット71及び第2吸着ユニット72をつなぐように配されている。また、前記供給配管10の途中に前記供給弁11が取り付けられている。前記供給配管10は、前記供給弁11より第1吸着ユニット71側が第1供給配管10aとなっており、前記供給弁11より第2吸着ユニット72側が第2供給配管10bとなっている。
前記供給弁11は、除湿装置1外から供給された被処理ガスAを第1供給配管10a又は第2供給配管10bのいずれかに送るように構成されている。
前記第1供給配管10aは、一端側に取り付けられた供給弁11から被処理ガスAを第1吸着ユニット71に供給できるように構成されている。
前記第2供給配管10bは、一端側に取り付けられた供給弁11から被処理ガスAを第2吸着ユニット72に供給できるように構成されている。
斯かる構成により、除湿装置1外から供給された被処理ガスAは、供給弁11を経て、第1供給配管10a又は第2供給配管10bのいずれかに供給される。
【0024】
前記排出配管12は、第1吸着ユニット71及び第2吸着ユニット72をつなぐように配されている。また、前記排出配管12の途中に前記排出弁13が取り付けられている。前記排出配管12は、前記排出弁13より第1吸着ユニット71側が第1排出配管12aとなっており、前記排出弁13より第2吸着ユニット72側が第2排出配管12bとなっている。
前記排出弁13は、第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれかにおいて生じ且つ第1排出配管12a又は第2排出配管12bを経て送られてきた乾燥ガスを、除湿装置1外へ排出するように構成されている。
前記第1排出配管12aは、第1吸着ユニット71において生じた乾燥ガスを第1吸着ユニット71から排出し、前記排出弁13に送るように構成されている。
前記第2排出配管12bは、第2吸着ユニット72において生じた乾燥ガスを第2吸着ユニット72から排出し、前記排出弁13に送るように構成されている。
斯かる構成により、第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72において生じた乾燥ガスが、排出弁13を経て、除湿装置1外へ排出される。
【0025】
即ち、前記除湿装置1は、供給弁11によって被処理ガスAの供給先を第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方へ変更し、被処理ガスAがいずれかの供給配管(10a,10b)を経て第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方へ供給できるように構成されている。また、乾燥ガスが、排出弁13によって第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方から排出配管12を経て、除湿装置1外へ排出されるように構成されている。
前記除湿装置1は、上記のごとく構成されていることから、前記第1吸着ユニット71内にて、吸着筒21が前記被処理ガスAの水分を吸着している間、前記第2吸着ユニット72内にて、吸着筒21に収容され既に水分を吸着した吸着剤が、加熱により水分を脱離し、加熱再生され得る。
【0026】
前記吸着剤としては、従来公知の一般的なものが挙げられ、具体的には、例えば、粒状の合成ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ等が挙げられる。
【0027】
また、前記除湿装置1は、第1供給配管10aと第2供給配管10bとにそれぞれ取り付けられた第1放出弁14a及び第2放出弁14bを備えており、前記第1吸着ユニット71で被処理ガスAの水分除去を行いつつ第2吸着ユニット72の吸着剤を加熱再生させた際に、前記排出弁13を通じて一部の乾燥ガスをパージ用ガスとして第2吸着ユニット72に逆流させ、前記加熱再生によって第2吸着ユニット72内に発生した水蒸気及び熱を第2供給配管10bに取り付けられた前記第2放出弁14bを通じて系外に放出できるように構成されている。
また、前記除湿装置1は、前記第2吸着ユニット72で被処理ガスAの水分除去を行いつつ第1吸着ユニット71の吸着剤を加熱再生させた際には、逆に、排出弁13を通じて一部の乾燥ガスをパージ用ガスとして第1吸着ユニット71に逆流させ、前記加熱再生によって第1吸着ユニット71内に発生した水蒸気及び熱を第1供給配管10aに取り付けられた前記第1放出弁14aを通じて系外に放出できるように構成されている。
前記除湿装置1は、斯かる構成を有することにより、吸着ユニット71、72内で発生した水蒸気及び熱を除去することができる。
【0028】
前記筒本体41は、図2に示すように、例えば円筒状に形成され、前記被処理ガスAに含まれる水分を吸着する吸着剤を収容するための収容領域41aとして、前記筒本体41の内部の空洞部分を利用しうるように形成されている。
また、前記筒本体41には、被処理ガスAの流通方向の両端側にそれぞれ通気孔(図示せず)が形成されており、筒本体41は、一端側の通気孔(図示せず)から供給された被処理ガスAが、他端側の通気孔(図示せず)から排出されるように構成されている。
【0029】
前記筒本体41は、外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管41である。
前記筒本体41が斯かる構成を有することにより、本実施形態の除湿装置1は、前記筒本体41の外表面積が広くなり、加熱により水分が脱離された吸着剤が効率良く冷却されるという利点がある。また、外表面に凹部及び凸部を有していない管である筒本体に比して、筒本体41の外表面積が同じであるならば、冷却効率を同等に保ちつつ、筒本体41の長さを短くできるという利点がある。
また、冷却効率が高まることによって、前記除湿装置1は、吸着剤を加熱し水分が離脱された時から吸着剤が十分に冷却されるまでの時間を短縮することができるという利点を有する。
ところで、従来の除湿装置は、前記除湿装置1と同様に、2つの吸着筒を備えてなる。そして、従来の除湿装置は、一の吸着筒の吸着剤を加熱し冷却する間に、他の吸着筒の吸着剤で被処理ガスから水分を除去するように構成されている。よって、従来の除湿装置は、一の吸着筒の吸着剤を加熱し冷却する時間がかかればかかるほど、他の吸着筒で処理すべき被処理ガスの量も増加する。従って、大量の被処理ガスを処理するために他の吸着筒が備えるべき吸着剤の量が多くなり、結果的に除湿装置自体が大型化してしまうという問題がある。
これに対して、本実施形態の除湿装置1は、吸着筒21の筒本体41が外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管であることから、筒本体41の外表面積が大きくなるため、筒本体41が冷却されやすく、該筒本体41内に設けられる吸着剤を冷却する時間を短縮できるという利点がある。さらに、本実施形態の除湿装置1は、筒本体41内に加熱部51が設けられた構成となっていることから、筒本体の外周に加熱部が設けられた従来の除湿装置に比して、筒本体41が冷却されやすく、該筒本体41内に設けられる吸着剤を冷却する時間を短縮できるという利点がある。従って、本実施形態の除湿装置1は、コンパクト化が図りやすく、設置スペースに制約が生じるおそれが抑制される。
従って、本実施形態の除湿装置1は、水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制されうるという利点を有する。
さらに、本実施形態の除湿装置1は、上述したように、筒本体41が冷却されやすいことから、該筒本体41を冷却するために、パージ用ガスとして乾燥ガスを使用する量も抑制することができるという利点も有する。
【0030】
前記外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管41は、図3に示すように、前記被処理ガスAの流通方向に沿って外表面に凹凸が繰り返されているコルゲート管であることが好ましい。
該管41の材質としては、例えば、ステンレス鋼、チタン等が挙げられ、その他には、ニッケルを主成分とした合金等も挙げられる。該合金は、ニッケルを40質量%以上含有する。該合金に含まれる、ニッケル以外の成分としては、モリブデン、クロム、鉄等が挙げられる。
【0031】
また、前記管41は、図3に示すように、屈折部41bを有してもよい。
前記管41が斯かる構成を有することにより、屈折部がない管を筒本体として備えた従来の除湿装置に比して、本実施形態の除湿装置1は、一方向に長大となることが抑制されるため、水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制されうる。
前記屈折部41bの空洞部分にも、吸着剤及び加熱部51が設けられていてもよい。本実施形態の除湿装置1は、斯かる構成を有することにより、屈折部41bでも被処理ガスAから水分を除去することができ、また、吸着剤に吸着した水分も効率良く系外に排出することができるという利点がある。
【0032】
さらに、前記管41が屈折部41bを有する場合には、被処理ガスAが一の方向に前記管41内を流通し、更に、該一の方向に前記管41内を流通した被処理ガスAが、該一の方向と逆向きの方向に、前記管41内を流通するように、前管41が形成されていてもよい。更に、該逆向きの方向に前記管41内を流通した被処理ガスAが、前記一の方向に、前記管41内を流通するように、前管41が形成されていてもよい。
【0033】
また、本実施形態の除湿装置1は、前記管41の外表面に接するフィン(図示せず)を更に備えていてもよい。
前記管41の外表面にフィン(図示せず)が設けられていることにより、本実施形態の除湿装置1は、前記管である筒本体41の外表面積がより一層広くなり、加熱により水分が脱離された吸着剤が効率良く冷却されるという利点がある。また、前記管41の外表面にフィン(図示せず)が設けられてない場合に比して、筒本体41からの冷却効率を同等に保ちつつ、筒本体41の長さを短くできるという利点がある。
従って、斯かる構成を有することにより、本実施形態の除湿装置1は、水分の除去効率が低下することがより一層抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれがより一層抑制されうる。
前記フィンは(図示せず)、前記管41の周方向に沿って延在してもよい。
【0034】
前記加熱部51は、図2に示すように、例えば棒状に形成され、筒本体41の延在方向に沿って前記筒本体41内に配され、前記吸着筒21に備えられている。
また、該加熱部51は、円筒状の筒本体41の中心軸を通るように配されている。
さらに、該加熱部51は、例えば、棒状の電気ヒータを備え、該電気ヒータにより筒本体41に収容された吸着剤を加熱できるように構成されている。
なお、従来の除湿装置は、加熱部である電気ヒータが筒本体の外周に巻き付けられた構成となっており、電気ヒータから発生した熱の一部が、筒本体41内の吸着剤を加熱せずにそのまま系外に放出されてしまうという問題がある。斯かる問題から、従来の除湿装置としては、電気ヒータ及び筒本体をくるむシート状の保温材を備えた構成の装置も知られている。しかし、該保温材を有する除湿装置は、加熱された吸着剤が冷却され難くなるという問題がある。
これに対し、電気ヒータが筒本体の外周に巻き付けられた従来の除湿装置に比して、筒本体41内に前記加熱部51が配されていることにより、本実施形態の除湿装置1は、効率良く吸着剤を加熱することができるという利点があり、さらに、効率良く吸着筒21を冷却することができる利点を有する。
【0035】
前記加熱部51と前記筒本体41との間の領域は、図2に示すように、前記吸着剤を収容する収容領域41aとなる。前記吸着剤は、前記収容領域41aのほぼ全てを占めるように前記吸着筒21に備えられ得る。
【0036】
なお、前記吸着筒21は、図2に示すように、前記筒本体41内に配され加熱部51を支持できるように構成された支持部材61を備え、該支持部材61によって前記加熱部51が該吸着筒21の中心軸に沿って支持されていてもよい。
具体的には、前記支持部材61としては、例えば図2に示すように、加熱部51の外周に線材が巻回されてなる巻回部61aと、該巻回部61aから外方側へ筒本体41の内側面に向けて線材が放射状に延びてなる複数の脚部61bと、該脚部61bの外方側端部を折り曲げることにより筒本体41の内側面に沿って線材が配され、且つ折り曲げられた線材の反発弾性力により筒本体41の内側面を押圧するように構成された複数の押圧部61cとを備えたものを用いることができる。斯かる支持部材61は、複数の押圧部61cの反発弾性力により筒本体41内における移動が規制されている。即ち、筒本体41内において、巻回部61aの位置が固定されている。これにより、支持部材61は、巻回部61aを介して棒状の加熱部51の移動を規制しており、加熱部51を支持することができる。
また、前記支持部材61としては、例えば、円筒状の空間を形成させるように金属線材を螺旋状に巻回し、螺旋状に巻回した後に筒本体41の内側面に当接するまで金属線材を放射状に延ばし、さらに金属線材を折り曲げて筒本体41の内側面に沿うように延ばし、その後放射方向と反対方向へ金属線材を折り返して形成された、図2に示すような支持部材61を用いることができる。
【0037】
前記吸着ユニット71、72は、図4に示すように、前記吸着筒21を収容し且つ該吸着筒21を冷却する気体が流通するダクト80を備えてなる。該ダクト80は、該ダクト80内を流通する気体の流路がジグザクとなるように形成されている。
前記ダクト80は、図3に示すような、前記吸着筒21を固定する固定台81と、図5に示すような、前記筒本体21を覆うカバー82とを備えてもよい。そして、前記ダクト80は、図4に示すように、前記固定台81と前記カバー82との間に前記吸着筒21を収容するように構成されてもよい。
さらに、前記ダクト80は、図4に示すように、加熱された吸着剤を冷却するために、吸着剤を収容した吸着筒21の外側から前記固定台81と前記カバー82との間に風を送る送風機83を備えてもよい。
【0038】
前記固定台81は、図3に示すように、金属板が折り曲げられてなる壁板81aと、該壁板81aの上面側に固定され且つ前記吸着筒21を固定するための固定部材81bとを有している。
前記壁板81aは、長方形の金属板に織り目が幅方向に延在するように山折りと谷折りとが繰り返されることにより側面視階段状となるように形成されており、具体的には、山/谷/山/谷/山の5つの折り曲げ箇所を備えている。
【0039】
前記カバー82は、図5に示すように、前記固定台81の壁板81aと略同形状を有する天井壁82aと、該天井壁82aの両側縁から垂下する側壁82bとを有している。
前記側壁82bは、その下端縁が前記壁板81aと同じく側面視階段状となるように形成されている。
即ち、前記カバー82は、側壁82bの下端部を壁板81aの側縁部に固定することにより前記固定台81との間に断面形状が横長矩形となる気体の流路を形成させ得るようになっており、気体の流通方向に向けてジグザグとなる流路を形成させ得るようになっている。
【0040】
前記吸着筒41は、図3に示すように、前記壁板81aの幅方向に延在するように前記固定台81に取り付けられており、具体的には、前記壁板81aの幅の7倍程度の長さを有する吸着筒41が6箇所において180°折り返され、6つの屈折部41bと7つの直線部41cとを形成させる形で固定台81に取り付けられている。
【0041】
このことについてより詳しく説明すると、前記吸着筒41は、ダクト80の入口部分において前記固定台81の幅方向に延在するように第一番目の直線部41c1を配し、前記側壁82bに近い位置に第一番目の屈折部41b1を配して第二番目の直線部41c2を壁板81aの第一番目の山折箇所に沿って延在させている。続けて、前記第一番目の屈折部41bとは反対側の側壁82bに近い位置において第二番目の屈折部41b2を配し、第三番目の直線部41c3を壁板81aの第一番目の谷折箇所に沿って延在させている。同様にして出口付近までダクト80内に吸着筒41が配されている。
【0042】
この図3に示した態様においては、気流の流路がジグザグとなるダクト80に吸着筒41を収容させているために、当該ダクト80内に吸着筒41を冷却するための冷却風を流通させた際に該冷却風の流れが大きく乱されることになり、吸着筒41をより効率よく冷却させることができる。
【0043】
なお、図3に示した態様において、より冷却効率を向上させるべく、除湿装置1が前記フィン(図示せず)を備える場合は、気流の流通方向と平行となるように設けることが好ましく、前記直線部41cと直交するように配置することが好ましい。
【0044】
例えば、吸着筒41の直径と略同じ幅の切欠を設けた金属板を複数枚用意し、この切欠に吸着筒41を挿入させるようにして吸着筒41の外側に金属板を固定し冷却効果を促進させるためのフィン(図示せず)を形成させることができる。
【0045】
この図3に示した態様においては、ダクト80において断面矩形の気体流路を画定している4つの壁の内、対向する2つの壁81a、82aがともに図4に示すように側面視階段状に形成されて気体の流路がジグザグとなっているために、ダクト80の入口から出口までの直線距離に比べて気体流路の長さを長く確保させることができる。
しかも、ダクト80の幅よりも長い吸着筒41に複数の屈折部41bを形成させる形で吸着筒41をダクト80の内部に収容させており、図3に示した態様においては、コンパクトで吸着筒41の冷却効率に優れた吸着ユニット71、72が形成されている。
【0046】
また、図3に示した態様においては、対向する2つの壁81a、82aがともに図4に示すように側面視階段状に形成されているために、図6に示すように2つの吸着ユニット71、72を重ね合わせるのに際してこれらの間に隙間が形成されることを抑制させることができる。
【0047】
即ち、第1吸着ユニット71と第2吸着ユニット72とをともに図3に示すような構成にすれば本実施形態に係る除湿装置1を車載用途などに、より適したものとすることができる。
【0048】
また、本実施形態の除湿装置の製造方法について説明する。
本実施形態の除湿装置の製造方法では、前記筒本体41を形成するための直状の管内を、内部に前記棒状のヒータが配され且つ前記吸着剤が充填された状態にした後、該管を屈折させて、前記筒本体41が屈折部41bを有する管で形成された除湿装置1を製造する。
【0049】
具体的には、筒本体41を形成するための直状の管と、該管よりも僅かに短い棒状の電気ヒータとを用意し、該電気ヒータを前記巻回部61aに挿通させるようにして支持部材61を電気ヒータに所定間隔を設けて取り付け、この支持部材61の取り付けられた電気ヒータを前記管の一方の開口部から収容させた後に、この管内部に吸着剤をさらに収容させ所定の位置で前記管を曲げて屈折部41bを形成させることができる。
このようにすることで管を曲げた後にヒータや吸着剤を充填させる方法に比べて棒状の電気ヒータを前記コルゲート管の中心軸を通るように配することが容易に実施できる。
【0050】
なお、前記管として一般的な金属管などを採用する場合には、パイプベンダーなどを用いて屈折部41bを形成させることができる。
この時、内部に吸着剤がすでに充填されていることから、管の座屈が防止されるとともに管を曲げることによってヒータに局所的な応力が加わることを抑制させることができ、より曲率半径の小さな屈折部41bを形成させることができる。
【0051】
なお、本実施形態の除湿装置の製造方法では、コルゲート管を用いることにより、該管を屈折させた際に、該管の屈折部の一部に応力が集中するのをさらに抑制できる。よって、さらに小さい曲率半径で屈折させることができ、該管をコンパクトに屈折させることができる。従って、除湿装置の設置スペースに制約が生じるおそれが抑制される。
【0052】
前記コルゲート管は、外径の最大径部分が、0.7cm以上4cm以下が好ましく、1cm以上2cm以下がより好ましい。外径の最大径部分が0.7cm以上4cm以下である管を用いることによって、該コルゲート管の曲げ半径を小さく該コルゲート管を屈折させることが可能となることから、除湿装置自体をコンパクト化させやすいという利点があり、更には、該コルゲート管を屈折させやすいという利点もある。
さらに、前記コルゲート管は、外表面の凸部の高さと凹部の高さとの差(管の中心軸から凸部の外方側先端までの距離と、管の中心軸から凹部の内方側基端までの距離との差の絶対値)が、例えば2mm〜4mmの範囲内であることが好ましい。この差が、2mm以上であることにより、該コルゲート管の表面積が大きくなるという利点がある。また、この差が、4mm以下であることにより、該コルゲート管を屈折させた際に屈折部の曲げ半径が小さくなりやすいという利点がある。
また、前記コルゲート管は、該管の軸方向に隣接する凸部の外方側先端どうしの距離が、3〜5mmの範囲内であることが好ましい。この距離が3〜5mmの範囲内であることにより、前記コルゲート管の表面積が大きくなるという利点があり、更に、該コルゲート管を屈折させやすいという利点がある。
即ち、これらのコルゲート管を用いて筒本体41を形成させることで、コンパクトな除湿装置1をより一層簡便に作製することができる。
前記コルゲート管としては、凸部と凹部とが環状に独立し、該凹部と凸部とが被処理ガスAの流通方向に沿って交互に繰り返されているタイプ(以下「環状コルゲート管」ともいう)のものと凹部と凸部とが螺旋状に設けられて被処理ガスAの流通方向に沿って凹部と凸部とが交互に繰り返されているタイプ(以下「螺旋状コルゲート管」ともいう)とが一般に用いられているが、同じ材質で、同じ肉厚のコルゲート管であれば屈折部41bの曲げ半径を小さくする上においては環状コルゲート管の方が有利である。
一方で、コルゲート管は、凸部に相当する部分が内面側において溝のような状態になっているために、環状コルゲート管では一度に多量の吸着剤を収容させようとした際に溝内に隙間が形成されやすい。
これに対し螺旋状コルゲート管では、溝が管の一方から他方まで螺旋状に連続しているために隙間が形成され難いという利点を有する。
また、螺旋状コルゲート管では、例えば、前記ヒータを収容させるのに際して支持部材61の脚部61bの先端をこの螺旋状の溝に収容させて管とヒータとを軸周りに相対回転させることでこの溝に沿って支持部材61を管内に進行させることができ、ヒータを自動的に管内に引き込ませることができる。
さらに、螺旋状コルゲート管は、管自体の製作が容易であるという利点を有する。
即ち、これらのコルゲート管を用いて筒本体41を形成させることで、コンパクトな除湿装置1をより一層簡便に作製することができる。
【0053】
さらに、前記除湿装置1の使用方法について説明する。
前記除湿装置1においては、被処理ガスAが、吸着剤を備えた複数の吸着筒21を流通することにより、被処理ガスAに含まれる水分を吸着剤に吸着させ、被処理ガスAに含まれる水分を除去することができる。
また、前記除湿装置1においては、上述したように、例えば図1に示す供給弁11を操作することにより、水分を含む被処理ガスAを第1吸着ユニット71へ供給し、第1吸着ユニット71にて被処理ガスAの水分を吸着剤に吸着させることができる。一方、第1ユニットにて被処理ガスAの水分を吸着剤に吸着させている間、第2吸着ユニット72にて、加熱部51を加熱することにより既に水分を吸着した吸着剤から水分を脱離させ、吸着剤を加熱再生させることができる。水分を脱離した吸着剤は、加熱部51の加熱を止め、例えば放置することにより冷却することができる。
また、前記除湿装置1においては、所定の時間間隔をあけて、上述したように水分を含む被処理ガスAの供給先を第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方へ変えることにより、被処理ガスAの除湿を一端止めることなく、連続的に行うことができる。
【0054】
前記除湿装置1においては、加熱部51により加熱された吸着剤を冷却するために、乾燥した冷却用のガスを吸着筒21に流通させることができる。
【0055】
本実施形態の除湿装置は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の除湿装置に限定されるものではない。
また、一般の除湿装置において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
【0056】
例えば、本実施形態の除湿装置1は、前記吸着ユニットを2つ備えてなるが、本発明の除湿装置は、前記吸着ユニットを一つのみ備えてもよく、また、前記吸着ユニットを3つ以上備えてもよい。
【0057】
また、本実施形態の除湿装置1は、前記固定台81の壁板81a、及び前記カバー82の天井壁82aが、側面視階段状となっているが、本発明の除湿装置1は、該壁板81a及び該天井壁82aが側面視平面状となっていてもよい。具体的には、ダクト80の外形が、直方体となるように形成されてもよい。斯かる除湿装置1は、前記ダクト80内に、前記吸着筒21を冷却する気体が流通方向に向けてジグザグに通過するための流路が別に設けられてもよく、該ダクト80が、前記吸着筒21を冷却する気体が流通方向に向けてジグザクに通過するように形成されてなくてもよい。
【0058】
さらに、本発明の除湿装置1は、前記吸着筒21を冷却するための構成についても特に限定されない。
例えば、本実施形態の除湿装置1は、前記吸着ユニット71、72の何れか一方で生成された乾燥ガスを、パージ用ガスとして他方の吸着ユニット71、72に供給して、該他方の吸着ユニット71、72内に発生した水蒸気及び熱を系外に放出するように構成されてなるが、本発明の除湿装置1は、図7に示すように、前記一方の吸着ユニット71、72で生成された乾燥ガスの代わりに、別途用意した乾燥ガスBをパージ用ガスとして前記他方の吸着ユニット71、72に供給して、該他方の吸着ユニット71、72内に発生した水蒸気及び熱を系外に放出するように構成されてもよい。
【0059】
また、本発明の除湿装置1は、前記吸着筒21を収容する外管を備え、該外管と前記吸着筒21との間の隙間領域に冷媒(水、不凍液(エチレングリコール、アルコール等)等)を流通させて該吸着筒21を冷却するように構成されてもよい。また、本発明の除湿装置1は、前記吸着筒21よりも細く且つ該吸着筒21の外周に巻き付けられた管を備え、該管内に冷媒を流通させて該吸着筒21を冷却するように構成されてもよい。斯かる構成を有する除湿装置1は、効率良く加熱された吸着剤を冷却することが可能となる。
また、本発明の除湿装置1は、前記ファンからの冷風、前記パージ用ガス、及び前記冷媒からなる群より選ばれた1以上の媒体によって、前記吸着筒21が冷却されるように構成されてもよい。
【0060】
また、本発明の除湿装置1は、前記加熱部51が、前記筒本体41の延在方向の全域にわたって該筒本体41内に配されていることが好ましい。また、本発明の除湿装置1は、上述したように、前記加熱部51が、前記屈折部41b内に配されていることが好ましい。なお、前記加熱部51が棒状の電気ヒータを備えている場合には、本発明の除湿装置1は、前記加熱部51が円筒状の筒本体41の中心軸を通るように配されていることが好ましいが、前記加熱部51が該中心軸から多少ずれた箇所を通るように配されても構わない。
また、本発明の除湿装置1は前記屈折部を2以上有することが好ましい。2以上の複数の屈折部を有する構造にすることで、全長が同じ長さとなり且つ屈曲部を1つしか有しない吸着筒に比して、除湿装置が一方向に長くなるのを抑制でき、除湿装置をコンパクトにすることが可能となる。
また、本実施形態では屈折部と直線部を有する吸着筒について説明したが、これに限定されず、直線部を備えず、屈折部からなる吸着筒としても良い。具体的には、本発明の除湿装置1は、バネ状(コイル状)となるように吸着筒を連続的に屈折させて構成させてもよい。このように構成した場合、吸着筒のバネ状に巻かれた部分に囲まれた領域に冷却のための冷却配管を設置して冷却時に当該冷却配管内に冷媒を流通させるようにしても良く、また、該領域に該冷却配管を設置せずに単に吸着筒の外周付近に空気を流通するようにしても良い。
【0061】
さらに、前記支持部材61の変形例を図8に示す。図8(a)は、加熱部51の延在方向に垂直な面で切断した斯かる変形例の断面図であり、図8(b)は、斯かる変形例の斜視図である。
前記支持部材61の斯かる変形例は、図8に示すように、丸棒状の加熱部51を覆うように3つの三割管体が組み合わされてなる管状部61pと、前記三割管体の両端からそれぞれ外方に延びる矩形板状のフランジ部61qとを有し、前記三割管体の両端から延びる合計6枚のフランジ部61qは、隣り合うもの同士が2枚重ね合わされて前記管状部61pの中心から3方に放射状に延びる板状支持脚を形成しており、該板状支持脚の先端を筒本体41の内面に当接させて前記管状部61pに挿通させた棒状の加熱部51を前記筒本体41の中心部において支持し得るように形成されている。
斯かる支持部材61は、例えば、一枚の短冊状の金属板を折り曲げ加工したものが3つ組み合わされて形成されており、具体的には、フランジ部61qが重ね合わされて前記板状支持脚が形成され、フランジ部61qが前記金属板の両端部によって形成されている。また、重ね合わされているフランジ部61qにおいては、先端部よりも管状部61p寄りの位置においてスポット溶接Zされて接合がなされている。
なお、斯かる支持部材61においては、管状部61pの中心から前記板状支持脚の先端に延びる仮想線間の角度が120°となるように、前記板状支持脚が配されている。
金属は、吸着剤よりも熱伝導性が高いため、フランジ部61q又は脚部61bが備えられている金属製の支持部材61を用いることにより、斯かる支持部材61を用いない態様に比して、加熱部51による加熱時に、加熱部51から離れた位置に存在する吸着剤まで、フランジ部61q又は脚部61bにより加熱部51からの熱を伝えやすくなり、吸着剤全体を効率よく加熱することができるという利点がある。
また、前記支持部材61が金属板で形成され且つフランジ部61qを有することにより、前記支持部材61が金属線材で形成されている場合に比して、加熱部51と支持部材61との接触効率が高まりやすく、更に支持部材61と吸着剤との接触面積も大きくなりやすいため、加熱部51から離れた位置に存在する吸着剤まで、フランジ部61qにより加熱部51からの熱を伝えやすくなり、吸着剤全体を効率よく加熱することができるという利点がある。
さらに、前記支持部材61を金属板で形成することにより、前記支持部材61を金属線材で形成する場合に比して、支持部材61の制作が容易であるため、コストを抑えやすいという利点がある。
【0062】
また、前記支持部材61のさらなる変形例を図9に示す。図9(a)は、加熱部51の延在方向に垂直な面で切断した斯かる変形例の断面図であり、図9(b)は、斯かる変形例の斜視図である。
前記支持部材61の変形例は、図9に示すように、一対の半割管体が組み合わされてなる管体部61xと、前記半割管体の両端からそれぞれ外方に延びるフランジ部61yとを有し、該フランジ部61yが前記半割管体の一端側で重ね合わされて接合されているとともに、他端側では互いに離間する方向に延びて前記管体部61xの中心から3方に放射状に延びる板状支持脚を形成しており、該板状支持脚の先端を筒本体41の内面に当接させて前記管体部61xに挿通させた棒状の加熱部51を前記筒本体41の中心部において支持し得るように形成されたものである。
前記管体部61xは、フランジ部61y同士が接合されている側において半割管体同士の相対位置が略固定された状態となっているものの他方においては半割管体同士を離間させ得るように形成されており、その径をある程度の範囲において拡縮自在に変化させ得るように形成されている。
斯かる支持部材61は、例えば、一枚の短冊状の金属板を折り曲げ加工して形成されており、重ね合わされているフランジ部61yを除く2つのフランジ部61yは、前記金属板の両端部によって形成されている。一方で、重ね合わされているフランジ部61yは、前記金属板の折り目となる先端部において互いに接合されており、該先端部よりも管体部61x寄りの位置においてスポット溶接Zされてさらなる接合がなされている。
なお、斯かる支持部材61においては、管体部61xの中心から前記板状支持脚の先端に延びる仮想線間の角度が120°となるように、前記板状支持脚が配されている。しかも、管状部61pの中心から前記板状支持脚の先端に延びる仮想線に沿って3つの板状支持脚が配された支持部材(図8で示した変形例)と異なり、半割管体の他端側から延びる2つの板状支持脚は、前記仮想線に沿うように配されていない。
【0063】
また、除湿装置1の変形例を図10を参照しつつ説明する。図10(a)は、該除湿装置1の第1吸着ユニット71の正面図であり、図10(b)は、該第1吸着ユニット71の側面図であり、図10(c)は、該第1吸着ユニット71の背面図であり、図10(d)は、図10(c)のA−A断面矢視図である。
この除湿装置1は、吸着筒21の管41がU字管となっている。該管41は、半円状に屈曲した屈曲部41bと、該屈曲部41bの両端から互いに平行して延びる2つの直線部41cとを備えている。図10においては、前記屈曲部41bは正面視下側に配され、対となる前記直線部41cは前記屈曲部41bの両端から鉛直方向に延び左右に離間するように配されている。
該除湿装置1には、前記屈曲部41bと対の前記直線部41cとを全て覆うことができる板が2枚備えられており、前記吸着筒21は、2枚の前記板に正面(前面)側及び背面(後面)側から挟まれて除湿装置1に備えられている。該板は、左右の幅が、屈曲部41bの直径よりもわずかに長く、鉛直方向の長さが、屈曲部41bの半径と、直線部41cの長さとの合計の長さよりもわずかに長くなっている。このように、2枚の板で前記吸着筒21が前後から挟まれて、該除湿装置1には、左右と下方の3方が吸着筒21によって包囲され且つ前後が前記板で包囲された内部空間が形成されている。また、該除湿装置1は、前記内部空間の上側を封止する封止部を有し、前記内部空間から上側への気体の流通が抑制されているが、前記吸着筒21の管41がコルゲート管で形成されて、前記管41と前記板との間には、該コルゲート管の凹部により隙間が形成され、該隙間により前記内部空間と系外とが前記封止部以外で連通している。背面側の前記板は、中央部に開口部を有し、該開口部には、系外から前記内部空間に気体を供給する送風機83が2つ設けられている。該除湿装置1は、前記送風機83によって前記内部空間に気体を供給することにより、該気体が前記隙間を通じて系外に排出されるように構成されている。該除湿装置1は、前記気体が前記隙間を流通することで、前記吸着筒21が冷却されるように構成されている。
上記のような構成を有するものを1ユニットとし2以上のユニットを組み合わせて吸着ユニット70としても良い。その場合に、例えば、2つのユニットを組み合わせるのであれば、図11(図11(a)は、吸着ユニット70の正面図であり、図11(b)は、該吸着ユニット70の側面図であり、図11(c)は、該吸着ユニット70の背面図であり、図11(d)は、図11(c)のA−A断面矢視図である。)に示すように、第1ユニットの背面側に設けられている送風機83を取り除くとともに、第2ユニットの正面側の板を取り除いて該第2ユニットの正面側に前記第1ユニットを取り付けるようにしても良い。即ち、第1ユニットの背面側の開口を有する板を介して、第1ユニットの内部空間と第2ユニットの内部空間とを連通させて、第2ユニットの送風機83で第1ユニットの内部空間に気体を供給させるようにしても良い。
また、図12(図12(a)は、吸着ユニット70の正面図であり、図12(b)は、該吸着ユニット70の側面図であり、図12(c)は、該吸着ユニット70の背面図であり、図12(d)は、図12(c)のB−B断面矢視図であり、図12(e)は、図12(b)のA−A断面矢視図である。)のように、直線部41cが図11の直線部41cよりも短い態様である場合には、前記送風機83が1つであってもよい。
なお、実際の使用態様では、上記方向での使用を要しない。
【0064】
また、図10〜12の除湿装置1は、前記送風機83から内部空間に気体を供給することにより、前記隙間を通じて系外に該気体が排出されるように構成されているが、本発明の該除湿装置は、送風機83で内部空間から系外に気体を排出することにより、前記隙間を通じて内部空間に気体が供給されるように構成されてもよい。この場合、図10〜12に記載の気体の流れが逆方向となる。
【0065】
また、図11、12の吸着ユニット70は、送風機83で内部空間に気体を供給することにより、2つの吸着筒21の周囲に気体が供給されるように構成されているが、これら2つの吸着筒21に別々に気体を供給するようにして図1に於いて示した第1吸着ユニット71と第2吸着ユニット72との両方の機能を発揮させることができる。その場合には、図11(a)の正面視手前側の一吸着筒21と背面側の他吸着筒21とに送風機83からの気体を振り分け得るように選択機構を備えさせることができる。
該選択機構としては、例えば、前記内部空間内を前後に移動可能なシャッターと、該シャッターを前後に移動させるための駆動装置とを備えたものが挙げられ、具体的には、吸着筒21の太さと同じ幅を有する板を吸着筒21よりも一回り小さいU字状に曲げられてなるシャッターを吸着筒21の内側に沿わせて配し、該シャッターを手前側に配したときに一吸着筒21(以下、「第1吸着筒21」ともいう。)への気流を遮らせるとともに他吸着筒21(以下、「第2吸着筒21」ともいう。)のみに気流を供給し、該シャッターを前記駆動装置で奥側に移動させたときに前記第2吸着筒21への気流を遮らせるとともに、前記第1吸着筒21のみに気流を供給させるように構成されたものが挙げられる。
この吸着ユニット70を使っての運転方法を説明すると、まずシャッターを手前側に位置させ、手前側の前記第1吸着筒21を内部空間から隔離した状態にしつつ、該第1吸着筒21内に被処理ガスを流通させつつ、該第1吸着筒21内の吸着剤に被処理ガスに含まれる水分を吸着させる。次いで、この第1吸着筒21の吸着性能が低下した段階で被処理ガスの流路を奥側の前記第2吸着筒21側に切り替え、前記第1吸着筒21は加熱部による加熱再生を行う。このとき、シャッターがあることで前記第1吸着筒21からの放熱が抑制され、第2吸着筒21が加熱されることも防止できる。その後、第1吸着筒21の吸着剤が再生された段階で、シャッターを前記駆動装置で奥側に移動させ、送風機83による送風を開始する。そして、前記第1吸着筒21に前記送風機83による風を当てて前記第1吸着筒21を冷却させる。その後、第2吸着筒21の吸着性能が低下した段階で、この十分に冷却された第1吸着筒21に被処理ガスの流路を切り替え、先に示したのと同様に、第2吸着筒21の再生を実施する。このように、一つの吸着ユニット70を使って図1に示した第1吸着ユニット71と第2吸着ユニット72との両方の機能を発揮させることができる。
【0066】
また、前記管41がコルゲート管である場合には、該コルゲート管の形状を保持する補強部材でコルゲート管が保持されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1:除湿装置、10:供給配管、10a:第1供給配管、10b:第2供給配管、11:供給弁、12:排出配管、12a:第1排出配管、12b:第2排出配管、13:排出弁、14a:第1放出弁、14b:第2放出弁、21:吸着筒、41:筒本体(管)、41a:収容領域、41b:屈折部、41c:直線部、51:加熱部、61:支持部材、61a:巻回部、61b:脚部、61c:押圧部、61p:管状部、61q:フランジ部、61x:管体部、61y:フランジ部、70:吸着ユニット、71:第1吸着ユニット、72:第2吸着ユニット、80:ダクト、81:固定台、81a:壁板、81b:固定部材、82:カバー、82a:天井壁、82b:側壁、83:送風機、A:被処理ガス、B:乾燥ガス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えてなり、該吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより、吸着した水分を前記吸着剤から脱離させる加熱部とを有する除湿装置であって、
前記筒本体は、外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管であることを特徴とする除湿装置。
【請求項2】
前記管は、前記被処理ガスの流通方向に沿って外表面に凹凸が繰り返されているコルゲート管である請求項1記載の除湿装置。
【請求項3】
前記管が屈折部を有する請求項1又は2記載の除湿装置。
【請求項4】
前記管の外表面に接するフィンを更に備えている請求項1〜3の何れかに記載の除湿装置。
【請求項5】
前記吸着筒を収容し且つ該吸着筒を冷却する気体が流通するダクトが備えられ、該ダクトは、該ダクト内を流通する気体の流路がジグザクとなるように形成されている請求項1〜4の何れかに記載の除湿装置。
【請求項6】
前記加熱部が、棒状に形成されており、前記吸着筒は、前記筒本体内に配され且つ前記加熱部を前記筒本体の中心軸に沿って支持できるように構成された支持部材を更に備えている請求項1〜5の何れかに記載の除湿装置。
【請求項1】
水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えてなり、該吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより、吸着した水分を前記吸着剤から脱離させる加熱部とを有する除湿装置であって、
前記筒本体は、外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有する管であることを特徴とする除湿装置。
【請求項2】
前記管は、前記被処理ガスの流通方向に沿って外表面に凹凸が繰り返されているコルゲート管である請求項1記載の除湿装置。
【請求項3】
前記管が屈折部を有する請求項1又は2記載の除湿装置。
【請求項4】
前記管の外表面に接するフィンを更に備えている請求項1〜3の何れかに記載の除湿装置。
【請求項5】
前記吸着筒を収容し且つ該吸着筒を冷却する気体が流通するダクトが備えられ、該ダクトは、該ダクト内を流通する気体の流路がジグザクとなるように形成されている請求項1〜4の何れかに記載の除湿装置。
【請求項6】
前記加熱部が、棒状に形成されており、前記吸着筒は、前記筒本体内に配され且つ前記加熱部を前記筒本体の中心軸に沿って支持できるように構成された支持部材を更に備えている請求項1〜5の何れかに記載の除湿装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−43129(P2013−43129A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182856(P2011−182856)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】
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