除草作業機
【課題】本発明の課題は、ロータ軸への草巻付防止用カバー体の表面に草が絡み付き、また、付着しても、これの除去作業が簡単、容易に行える除草作業機を具現せんとするものである。
【解決手段】本発明は、伝動ケース7を挟む左右両側に畝間に沿って接地転回させながら除草する除草ロータ10,10を回転駆動可能に軸架させて設け、前記伝動ケース7と除草ロータ10との間にロータ軸11への草の巻き付きを防止する径大の円筒形カバー体14を設け、この円筒形カバー体14の外周適所には外周壁の一部を切除する切欠部15を設ける構成とする。
【解決手段】本発明は、伝動ケース7を挟む左右両側に畝間に沿って接地転回させながら除草する除草ロータ10,10を回転駆動可能に軸架させて設け、前記伝動ケース7と除草ロータ10との間にロータ軸11への草の巻き付きを防止する径大の円筒形カバー体14を設け、この円筒形カバー体14の外周適所には外周壁の一部を切除する切欠部15を設ける構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、畝間に沿って接地転回させながら雑草を掘削除草する除草ロータを備えた除草作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場の畝間を除草する除草作業機には、特許文献1に示されるように、除草ロータを接地転回させることによって畝上に植えられた左右作物間の表土を掘削しながら畝間に生えている雑草を除草するものが知られている。また、この従来例に示されているように、除草ロータとチエンケースとの間に雑草が入り込むのを防止する草侵入防止具を備えた技術も知られている。
【特許文献1】特開2006−271310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来例のように、除草ロータとチエンケースとの間に雑草が入り込むのを防止する草侵入防止具を設けたものでも、雑草の侵入は容易には阻止できず、ロータ軸に巻き付いて作業を不能にする問題があった。そこで、このロータ軸への巻き付きを防止するため、ロータ軸の外周を覆う円筒形のカバー体を設けるようにしているが、このカバー体にも草が絡み付き、長時間の使用によってカバー体表面に付着してしまうとこれの除去が極めて困難であった。
【0004】
本発明の課題は、上記のカバー体の表面に草が絡み付き、また、付着しても、これの除去作業が簡単、容易に行える除草作業機を具現せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、伝動ケース(7)を挟む左右両側に畝間に沿って接地転回させながら除草する除草ロータ(10),(10)を回転駆動可能に軸架させて設け、前記伝動ケース(7)と除草ロータ(10)との間にロータ軸(11)への草の巻き付きを防止する径大の円筒形カバー体(14)を設け、この円筒形カバー体(14)の外周適所には外周壁の一部を切除する切欠部(15)を設けてあることを特徴とする。
【0006】
伝動ケース(7)内の伝動装置を経て回転駆動される除草ロータ(10)を畝Uと畝Uとの間の畝間に沿って転回移動させると、除草ロータ(10)の外周部が畝間の表土に接地して転がり回転し、ロータ外周部の除草ブレード(13)により掘削しながら除草する。除草ロータ(10)と伝動ケース(7)間におけるロータ軸への草の巻き付きは円筒形カバー体(14)によって阻止される。
【0007】
円筒形カバー体(14)の外周に草が絡み付いても、このカバー体の外周適所に切欠部(15)を設けているので、この切欠部(15)を通じて手指を入れ込んで取り除いたり、刃物等で切り込んで取り除くことが容易にでき、除去作業が簡単に行える。
【0008】
請求項2記載の本発明は、請求項1において、前記除草ロータ(10)と円筒形カバー体(14)との間には、除草ロータ(10)側に設けられた支持プレート(12)から突設し前記円筒形カバー体(14)の内周壁面に沿って摺接旋回する草侵入阻止体(16)を設けてあることを特徴とする。
【0009】
草侵入阻止体(16)は、除草ロータ(10)と共に回転する円盤状の支持プレート(12)から突設し、円筒形カバー体(14)の内周壁面に沿って摺接旋回するので、除草ロータ(10)により持ち上げられる雑草が円筒形カバー体内へ侵入するのを阻止することができる。このように円筒形カバー体(14)内への草の侵入阻止によって除草ロータ(10)の回転負荷を軽減することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上要するに、請求項1の本発明によれば、除草ロータ(10)と伝動ケース(7)間のロータ軸(11)への草の巻き付きは、径大の円筒形カバー体(14)によって防止できるものでありながら、円筒形カバー体(14)の外周に草が絡み付いても、このカバー体(14)の外周適所には切欠部(15)が設けられているので、この切欠部(15)を通じて手指を入れ込んで取り除いたり、刃物等で切り込んで取り除くことが容易にでき、草の除去作業を簡単に行うことができる。
【0011】
また、請求項2の本発明によれば、除草ロータ(10)と共に回転する草侵入阻止体(16)が円筒形カバー体(14)の内周壁面に沿って摺接旋回するので、円筒形カバー体(14)内への草の侵入を確実に阻止でき、これによって除草ロータ(10)の回転負荷を大幅に軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、トラクタ等の乗用管理機を示すものであり、この車体1の前後に左右の前輪2,2及び後輪3,3を備えている。車体前部のボンネット4内にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケ−ス内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前輪2と後輪3とに伝えるようにしている。
【0013】
後輪3,3間の稍前側上部に運転席5が設置され、運転席5の前方には前輪2,2を操向操舵するステアリングハンドル6が設けられている。
車体1の後部には左右作物間の畝間に沿って移動させながら除草作業を行う除草ロータ10を備えた除草作業機Rが昇降可能に装備されている。除草ロータ10は、伝動ケース7に回転駆動可能に軸架されたロ−タ軸11と、ロータ軸11に軸受保持された左右の円盤状支持プレート12,12と、左右の支持プレート12,12間にわたって横方向に連結された除草ブレード13等からなり、3基の除草ロータ10,10,10によって車体の走行に伴い各畝U,U,U間の畝間溝部に沿わせて転回移動させながらロータ外周の除草ブレード13によって掘削し除草する構成としている。前記ロータ軸11は中央の駆動スプロケット8に券回する伝動チエン9を介してエンジンEからの回転動力が伝達されるようになっている。
【0014】
除草ロータ10と伝動ケース7との間には、ロータ軸11の外周を被覆して該ロータ軸への草の巻き付きを防止する径大の円筒形カバー体14が設けられ、伝動ケース7側に固着支持されている。円筒形カバー体14の外周部には外周壁の一部を切除した切欠部15が数箇所設けられ、外周に絡み付いた草を切欠部15から除去できるように構成されている。
【0015】
また、一方、除草ロータ10側には、該ロータと一体回転する円盤状支持プレート12から円筒形カバー体14側に向けて突設され、且つ、カバー体の内周壁面に沿って摺接旋回する円筒形又は円柱形の草侵入阻止体(図3及び図4参照)16,16…が円周方向所定間隔おきに設けられ、この草侵入阻止体16の作用によって円筒形カバー体内への草の侵入を防止する構成としている。
【0016】
なお、草侵入阻止体16は、図5及び図6に示すような帯状のプレート16aによって構成するものであってもよく、また、この帯状プレート16aと円筒形カバー体14との配置関係においては、回転方向前部側のL1と回転方向後方側のL2の関係がL1>L2となるよう配置することによって草の巻き込みを防ぐようにしている。
【0017】
上記の各除草ロータ10,10は、畝の形状に合わせてブレード幅を変更できるようにしている。つまり、前記ブレード13の中間部位における重合部13a,13b位置での連結ボルトを廃止して横幅方向に伸縮スライド自在とし、また、図11に示すように、ロータ軸11に嵌合固着するロータ軸筒11a,11bを左右横幅方向に伸縮スライド自在とし、ロータ軸筒11b側のピン孔18に差し込むピン軸17を、ロータ軸筒11a側に設けられた複数のピン孔19,19のいづれかに差し替えることによってブレード13の横幅を拡縮変更できる構成としている。また、ブレード13の重合部13a,13bを、図10に示すように、前後方向に位置をずらせた状態に構成しておくと、掘削除草性能が向上する。
【0018】
除草ロータ10の後側部には、ロータの上下の位置を一定に保つゲージ輪20が設けられている。図9に示すように、除草ロータで除草された草が回転方向に流れ、ロータ・ドラムに絡み付こうとする。そのため、除草ロータ10とゲージ輪20との前後の配置関係において、ゲージ輪20の最前面とロータ・ドラム(ブレードの回転圏)の最後面との距離Aが100mm以下となるようにし、草がロータ・ドラムに絡み付かない最適位置に設定することで、ロータ・ドラムへの草の巻き込みを防止するようにしている。また、両者の上下の関係位置においても、ゲージ輪20の最下面をロータ・ドラムの最下面と略同一にし、草がロータ・ドラムに絡み付かない最適位置に設定している。なお、ゲージ輪20は上下に昇降調整可能に構成している。
【0019】
また、図12、図13に示すように、ゲージ輪20の前側には、除草された長い草が回転方向に持ち回されてブレードに巻き付くのを防止する巻付防止バー21が設けられている。巻付防止バー21に絡み付いた草は、旋回時に除草作業機Rを持ち上げると下方に落下するようになっている。
【0020】
図14、図15に示す実施例について説明すると、除草作業中、除草ロータ10の回転に伴う泥跳ねを抑制するため、ロータ10の上部と側部とに上部カバー22及びサイドカバー23を設けている。左右のサイドカバー23,23は、背面視ハの字形態で左右外側方下方に向けて傾斜する構成とすることで、作物(大豆)の鞘との干渉を防止し、且つ泥跳ねによる豆の品質低下を防ぐようにしている。また、このサイドカバー23は、作物の作付け条件に合致するように、ロータの外端より内側に設定した前後方向の支軸24回りに角度変更調整可能に構成している。
【0021】
図7に示すように、除草作業機Rの各除草ロータ10,10…を装着支持するメインフレーム25の外端部には、作物に対する接触抵抗を緩和する緩衝部材26を設けてあり、作付け条件等により畝間が狭くなると、除草ロータの移動調整によってメインフレームの外端部と作物との距離が近くなり、大豆作物に干渉して脱粒させる場合がある。このような時、緩衝部材26の存在によって衝撃が緩和され脱粒を防止することができる。
【0022】
除草ロータ10の前方には、伝動ケース7を挟む左右の除草ロータ10,10間への雑草の侵入を防ぐ分草体27を設置している。また、分草体27の前面に鋭利な刃部27aを設けておくと、長い草の場合には引きずりながら切断処理することができる。
【0023】
図16に示す実施例について説明すると、除草ロータ10への駆動軸30から駆動プーリ31、駆動ベルト32、従動プーリ33を介してゲージ輪20を反時計方向に駆動回転させ、引きずっている草を後方へ強制的に掻き出し排除する構成としている。
【0024】
除草作業中には、分草体27による草の引きずりや、ロータ上方からの草の引きずりなどがあり、馬力ロスや除草精度の低下を招く問題があるが、ゲージ輪の強制駆動回転によって引きずっている草を強制的に後方へ自動排出することができ、上記問題点を解消することができる。
【0025】
また、ゲージ輪の周速を機体の作業速度より速くしておくと、草の排出が効果的に行なえ、自動排出性能をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】除草作業機を備えた乗用管理機の側面図
【図2】除草作業機の要部の背面図
【図3】除草ロータ要部の背面図
【図4】同上要部の側面図
【図5】除草ロータの要部の背面図
【図6】同上要部の側面図
【図7】除草作業機を備えた乗用管理機の背面図
【図8】同上一部の平面図
【図9】除草作業機の側面図
【図10】ブレード重合部の側面図
【図11】ロータ軸の要部の斜視図
【図12】除草作業機の側面図
【図13】除草作業機の要部の側面図
【図14】除草作業機の側面図
【図15】同上要部の背面図
【図16】除草作業機を備えた乗用管理機要部の側面図
【符号の説明】
【0027】
R 除草作業機 7 伝動ケース
10 除草ロータ 11 ロータ軸
12 支持プレート 13 除草ブレード
14 円筒形カバー体 15 切欠部
16 草侵入阻止体
【技術分野】
【0001】
この発明は、畝間に沿って接地転回させながら雑草を掘削除草する除草ロータを備えた除草作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場の畝間を除草する除草作業機には、特許文献1に示されるように、除草ロータを接地転回させることによって畝上に植えられた左右作物間の表土を掘削しながら畝間に生えている雑草を除草するものが知られている。また、この従来例に示されているように、除草ロータとチエンケースとの間に雑草が入り込むのを防止する草侵入防止具を備えた技術も知られている。
【特許文献1】特開2006−271310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来例のように、除草ロータとチエンケースとの間に雑草が入り込むのを防止する草侵入防止具を設けたものでも、雑草の侵入は容易には阻止できず、ロータ軸に巻き付いて作業を不能にする問題があった。そこで、このロータ軸への巻き付きを防止するため、ロータ軸の外周を覆う円筒形のカバー体を設けるようにしているが、このカバー体にも草が絡み付き、長時間の使用によってカバー体表面に付着してしまうとこれの除去が極めて困難であった。
【0004】
本発明の課題は、上記のカバー体の表面に草が絡み付き、また、付着しても、これの除去作業が簡単、容易に行える除草作業機を具現せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、伝動ケース(7)を挟む左右両側に畝間に沿って接地転回させながら除草する除草ロータ(10),(10)を回転駆動可能に軸架させて設け、前記伝動ケース(7)と除草ロータ(10)との間にロータ軸(11)への草の巻き付きを防止する径大の円筒形カバー体(14)を設け、この円筒形カバー体(14)の外周適所には外周壁の一部を切除する切欠部(15)を設けてあることを特徴とする。
【0006】
伝動ケース(7)内の伝動装置を経て回転駆動される除草ロータ(10)を畝Uと畝Uとの間の畝間に沿って転回移動させると、除草ロータ(10)の外周部が畝間の表土に接地して転がり回転し、ロータ外周部の除草ブレード(13)により掘削しながら除草する。除草ロータ(10)と伝動ケース(7)間におけるロータ軸への草の巻き付きは円筒形カバー体(14)によって阻止される。
【0007】
円筒形カバー体(14)の外周に草が絡み付いても、このカバー体の外周適所に切欠部(15)を設けているので、この切欠部(15)を通じて手指を入れ込んで取り除いたり、刃物等で切り込んで取り除くことが容易にでき、除去作業が簡単に行える。
【0008】
請求項2記載の本発明は、請求項1において、前記除草ロータ(10)と円筒形カバー体(14)との間には、除草ロータ(10)側に設けられた支持プレート(12)から突設し前記円筒形カバー体(14)の内周壁面に沿って摺接旋回する草侵入阻止体(16)を設けてあることを特徴とする。
【0009】
草侵入阻止体(16)は、除草ロータ(10)と共に回転する円盤状の支持プレート(12)から突設し、円筒形カバー体(14)の内周壁面に沿って摺接旋回するので、除草ロータ(10)により持ち上げられる雑草が円筒形カバー体内へ侵入するのを阻止することができる。このように円筒形カバー体(14)内への草の侵入阻止によって除草ロータ(10)の回転負荷を軽減することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上要するに、請求項1の本発明によれば、除草ロータ(10)と伝動ケース(7)間のロータ軸(11)への草の巻き付きは、径大の円筒形カバー体(14)によって防止できるものでありながら、円筒形カバー体(14)の外周に草が絡み付いても、このカバー体(14)の外周適所には切欠部(15)が設けられているので、この切欠部(15)を通じて手指を入れ込んで取り除いたり、刃物等で切り込んで取り除くことが容易にでき、草の除去作業を簡単に行うことができる。
【0011】
また、請求項2の本発明によれば、除草ロータ(10)と共に回転する草侵入阻止体(16)が円筒形カバー体(14)の内周壁面に沿って摺接旋回するので、円筒形カバー体(14)内への草の侵入を確実に阻止でき、これによって除草ロータ(10)の回転負荷を大幅に軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、トラクタ等の乗用管理機を示すものであり、この車体1の前後に左右の前輪2,2及び後輪3,3を備えている。車体前部のボンネット4内にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケ−ス内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前輪2と後輪3とに伝えるようにしている。
【0013】
後輪3,3間の稍前側上部に運転席5が設置され、運転席5の前方には前輪2,2を操向操舵するステアリングハンドル6が設けられている。
車体1の後部には左右作物間の畝間に沿って移動させながら除草作業を行う除草ロータ10を備えた除草作業機Rが昇降可能に装備されている。除草ロータ10は、伝動ケース7に回転駆動可能に軸架されたロ−タ軸11と、ロータ軸11に軸受保持された左右の円盤状支持プレート12,12と、左右の支持プレート12,12間にわたって横方向に連結された除草ブレード13等からなり、3基の除草ロータ10,10,10によって車体の走行に伴い各畝U,U,U間の畝間溝部に沿わせて転回移動させながらロータ外周の除草ブレード13によって掘削し除草する構成としている。前記ロータ軸11は中央の駆動スプロケット8に券回する伝動チエン9を介してエンジンEからの回転動力が伝達されるようになっている。
【0014】
除草ロータ10と伝動ケース7との間には、ロータ軸11の外周を被覆して該ロータ軸への草の巻き付きを防止する径大の円筒形カバー体14が設けられ、伝動ケース7側に固着支持されている。円筒形カバー体14の外周部には外周壁の一部を切除した切欠部15が数箇所設けられ、外周に絡み付いた草を切欠部15から除去できるように構成されている。
【0015】
また、一方、除草ロータ10側には、該ロータと一体回転する円盤状支持プレート12から円筒形カバー体14側に向けて突設され、且つ、カバー体の内周壁面に沿って摺接旋回する円筒形又は円柱形の草侵入阻止体(図3及び図4参照)16,16…が円周方向所定間隔おきに設けられ、この草侵入阻止体16の作用によって円筒形カバー体内への草の侵入を防止する構成としている。
【0016】
なお、草侵入阻止体16は、図5及び図6に示すような帯状のプレート16aによって構成するものであってもよく、また、この帯状プレート16aと円筒形カバー体14との配置関係においては、回転方向前部側のL1と回転方向後方側のL2の関係がL1>L2となるよう配置することによって草の巻き込みを防ぐようにしている。
【0017】
上記の各除草ロータ10,10は、畝の形状に合わせてブレード幅を変更できるようにしている。つまり、前記ブレード13の中間部位における重合部13a,13b位置での連結ボルトを廃止して横幅方向に伸縮スライド自在とし、また、図11に示すように、ロータ軸11に嵌合固着するロータ軸筒11a,11bを左右横幅方向に伸縮スライド自在とし、ロータ軸筒11b側のピン孔18に差し込むピン軸17を、ロータ軸筒11a側に設けられた複数のピン孔19,19のいづれかに差し替えることによってブレード13の横幅を拡縮変更できる構成としている。また、ブレード13の重合部13a,13bを、図10に示すように、前後方向に位置をずらせた状態に構成しておくと、掘削除草性能が向上する。
【0018】
除草ロータ10の後側部には、ロータの上下の位置を一定に保つゲージ輪20が設けられている。図9に示すように、除草ロータで除草された草が回転方向に流れ、ロータ・ドラムに絡み付こうとする。そのため、除草ロータ10とゲージ輪20との前後の配置関係において、ゲージ輪20の最前面とロータ・ドラム(ブレードの回転圏)の最後面との距離Aが100mm以下となるようにし、草がロータ・ドラムに絡み付かない最適位置に設定することで、ロータ・ドラムへの草の巻き込みを防止するようにしている。また、両者の上下の関係位置においても、ゲージ輪20の最下面をロータ・ドラムの最下面と略同一にし、草がロータ・ドラムに絡み付かない最適位置に設定している。なお、ゲージ輪20は上下に昇降調整可能に構成している。
【0019】
また、図12、図13に示すように、ゲージ輪20の前側には、除草された長い草が回転方向に持ち回されてブレードに巻き付くのを防止する巻付防止バー21が設けられている。巻付防止バー21に絡み付いた草は、旋回時に除草作業機Rを持ち上げると下方に落下するようになっている。
【0020】
図14、図15に示す実施例について説明すると、除草作業中、除草ロータ10の回転に伴う泥跳ねを抑制するため、ロータ10の上部と側部とに上部カバー22及びサイドカバー23を設けている。左右のサイドカバー23,23は、背面視ハの字形態で左右外側方下方に向けて傾斜する構成とすることで、作物(大豆)の鞘との干渉を防止し、且つ泥跳ねによる豆の品質低下を防ぐようにしている。また、このサイドカバー23は、作物の作付け条件に合致するように、ロータの外端より内側に設定した前後方向の支軸24回りに角度変更調整可能に構成している。
【0021】
図7に示すように、除草作業機Rの各除草ロータ10,10…を装着支持するメインフレーム25の外端部には、作物に対する接触抵抗を緩和する緩衝部材26を設けてあり、作付け条件等により畝間が狭くなると、除草ロータの移動調整によってメインフレームの外端部と作物との距離が近くなり、大豆作物に干渉して脱粒させる場合がある。このような時、緩衝部材26の存在によって衝撃が緩和され脱粒を防止することができる。
【0022】
除草ロータ10の前方には、伝動ケース7を挟む左右の除草ロータ10,10間への雑草の侵入を防ぐ分草体27を設置している。また、分草体27の前面に鋭利な刃部27aを設けておくと、長い草の場合には引きずりながら切断処理することができる。
【0023】
図16に示す実施例について説明すると、除草ロータ10への駆動軸30から駆動プーリ31、駆動ベルト32、従動プーリ33を介してゲージ輪20を反時計方向に駆動回転させ、引きずっている草を後方へ強制的に掻き出し排除する構成としている。
【0024】
除草作業中には、分草体27による草の引きずりや、ロータ上方からの草の引きずりなどがあり、馬力ロスや除草精度の低下を招く問題があるが、ゲージ輪の強制駆動回転によって引きずっている草を強制的に後方へ自動排出することができ、上記問題点を解消することができる。
【0025】
また、ゲージ輪の周速を機体の作業速度より速くしておくと、草の排出が効果的に行なえ、自動排出性能をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】除草作業機を備えた乗用管理機の側面図
【図2】除草作業機の要部の背面図
【図3】除草ロータ要部の背面図
【図4】同上要部の側面図
【図5】除草ロータの要部の背面図
【図6】同上要部の側面図
【図7】除草作業機を備えた乗用管理機の背面図
【図8】同上一部の平面図
【図9】除草作業機の側面図
【図10】ブレード重合部の側面図
【図11】ロータ軸の要部の斜視図
【図12】除草作業機の側面図
【図13】除草作業機の要部の側面図
【図14】除草作業機の側面図
【図15】同上要部の背面図
【図16】除草作業機を備えた乗用管理機要部の側面図
【符号の説明】
【0027】
R 除草作業機 7 伝動ケース
10 除草ロータ 11 ロータ軸
12 支持プレート 13 除草ブレード
14 円筒形カバー体 15 切欠部
16 草侵入阻止体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝動ケース(7)を挟む左右両側に畝間に沿って接地転回させながら除草する除草ロータ(10),(10)を回転駆動可能に軸架させて設け、前記伝動ケース(7)と除草ロータ(10)との間にロータ軸(11)への草の巻き付きを防止する径大の円筒形カバー体(14)を設け、この円筒形カバー体(14)の外周適所には外周壁の一部を切除する切欠部(15)を設けてあることを特徴とする除草作業機。
【請求項2】
前記除草ロータ(10)と円筒形カバー体(14)との間には、除草ロータ(10)側に設けられた支持プレート(12)から突設し前記円筒形カバー体(14)の内周壁面に沿って摺接旋回する草侵入阻止体(16)を設けてあることを特徴とする請求項1記載の除草作業機。
【請求項1】
伝動ケース(7)を挟む左右両側に畝間に沿って接地転回させながら除草する除草ロータ(10),(10)を回転駆動可能に軸架させて設け、前記伝動ケース(7)と除草ロータ(10)との間にロータ軸(11)への草の巻き付きを防止する径大の円筒形カバー体(14)を設け、この円筒形カバー体(14)の外周適所には外周壁の一部を切除する切欠部(15)を設けてあることを特徴とする除草作業機。
【請求項2】
前記除草ロータ(10)と円筒形カバー体(14)との間には、除草ロータ(10)側に設けられた支持プレート(12)から突設し前記円筒形カバー体(14)の内周壁面に沿って摺接旋回する草侵入阻止体(16)を設けてあることを特徴とする請求項1記載の除草作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−182988(P2008−182988A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−21257(P2007−21257)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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