説明

除電方法及び除電装置

【課題】樹脂成型品の立体面に残留している帯電模様を残らず除去できるようにする。
【解決手段】正イオン生成モード又は負イオン生成モードの一方のモードにして一方の極性のイオンのみを除電対象物に照射することにより、他方の極性の電荷を除去して一方の極性の帯電電位が優勢な第1の帯電状態とする第1の強制帯電過程と、他方の極性のイオン生成モードにして他方の極性のイオンのみを除電対象物に照射することにより、一方の極性の電荷を除去して他方の極性の帯電電位が優勢な第2の帯電状態とする第2の強制帯電過程とを周期的に繰り返した後、正負イオン同時生成モードにして除電対象物に正負のイオンを同時に照射して正負の電荷が消滅する中和除電状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成型品等の表面に残留する帯電模様を除去するのに好適な除電方法及び除電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、特許文献1(特許第2651476号公報)に記載されているように、走行するフィルム等に残留する帯電模様まで除去できる除電方法及び除電装置を既に提供している。これは、帯電物体の走行方向及び直交する方向に拡がる面を有するイオン吸引電極を、正負イオン生成用除電電極に対して帯電物体を挟んで対向配置し、正負イオン生成用除電電極に正負の高電圧を交互に印加して正負のイオンを交互に生成すると同時に、イオン吸引電極に、正負イオン生成用除電電極へ印加される高電圧と同期してそれと正負が逆極性になる高電圧を交互に印加し、正負イオン生成用除電電極で発生した正負のイオンをイオン吸引電極で吸引して帯電物体に強制的に照射する。
【0003】
この除電方法及び除電装置は、正負の帯電部分が複雑に混在した模様となっている帯電模様まで高密度に除電できることから、プラスチックフィルムの表面処理分野等で品質向上に大いに貢献し、好評を博している。
【0004】
しかし、これは、フィルム等の薄板状のものを除電対象物とし、それを走行させながらその平面を除電する場合しか適用できない。また、除電対象物の走行方向及び直交する方向に拡がる面を有するイオン吸引電極を必要とする。
【特許文献1】特許第2651476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、立体的な面を有する樹脂成型品に対してもフィルム等と同様に高密度に除電できないか、との顧客のニーズに応えるために、鋭意研究をした結果、立体的な面を有する樹脂成型品に対しても、フィルム等と同様に、帯電模様を残らず除去できる本発明に到達したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る本発明の除電方法は、正イオンを生成する正イオン生成モードと、負イオンを生成する負イオン生成モードと、正負イオンを同時に生成する正負イオン同時生成モードとを切り替えることができる正負イオン生成装置を用い、この正負イオン生成装置を正イオン生成モード又は負イオン生成モードの一方のモードにして一方の極性のイオンのみを除電対象物に照射することにより、他方の極性の電荷を除去して一方の極性の帯電電位が優勢な第1の帯電状態とする第1の強制帯電過程と、正負イオン生成装置を他方の極性のイオン生成モードにして他方の極性のイオンのみを除電対象物に照射することにより、一方の極性の電荷を除去して他方の極性の帯電電位が優勢な第2の帯電状態とする第2の強制帯電過程とを周期的に繰り返した後、正負イオン生成装置を正負イオン同時生成モードにして除電対象物に正負のイオンを同時に照射して正負の電荷が消滅する中和除電状態とすることを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する請求項2に係る発明は、正イオン生成モード及び負イオン生成モードのそれぞれにおいて、イオンを送風により除電対象物に照射することを特徴とする。
【0008】
同じく請求項3に係る発明は、第1の強制帯電過程と第2の強制帯電過程との交互繰り返し周波数を、除電対象物までの距離に応じて変えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る本発明の除電装置は、次のような回路を備えたことを特徴とする。
正電極に正の高電圧を印加する正高電圧発生回路。
負電極に負の高電圧を印加する負高電圧発生回路。
正高電圧発生回路を動作させて正イオンを生成する正イオン生成モードと、負高電圧発生回路を動作させて負イオンを生成する負イオン生成モードと、正高電圧発生回路及び負高電圧発生回路を同時に動作させて正負イオンを同時に生成する正負イオン同時生成モードとを切り替える正負高圧切替回路。
除電対象物を一方の極性の帯電電位が優勢な第1の帯電状態と、他方の極性の帯電電位が優勢な第2の帯電状態とに周期的に交互に強制帯電させるため、正負高圧切替回路を周期的に制御して正イオン生成モードと負イオン生成モードとを交互に周期的に反転させる正負周期反転回路。
正負高圧切替回路を制御し、正負周期反転回路による正イオン生成モードと負イオン生成モードとの交互切替の持続時間である帯電時間と、その帯電時間後に正負イオン同時生成モードにして除電対象物に正負のイオンを同時に照射して正負の電荷が消滅する中和除電状態とするための除電時間とを設定する帯電時間/除電時間設定回路。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る本発明では、正イオン生成モードと負イオン生成モードと正負イオン同時生成モードとの3つのモードに切り替えることができる正負イオン生成装置のみを用い、正イオン生成モードと負イオン生成モードとを交互に周期的に繰り返すことにより、除電対象物を正負交互に強制的に帯電させる。正負交互に強制帯電させることにより、当初は正の電位に強く帯電していた部分は、負への強制帯電過程で弱められ、逆に負の電位に強く帯電していた部分は正への強制帯電過程で弱められ、これが正負交互に繰り返されることにより、帯電模様は正負両方とも薄れていく。薄れた帯電模様は、正負イオン生成装置を正負イオン同時生成モードとして除電対象物に正負のイオンを同時に照射することにより、正負いずれか一方に偏ることなく、正負の電荷が両方とも消滅する中和除電状態となる。すなわち、帯電模様が消滅する。
従って、樹脂成型品の立体面に残留している帯電模様であっても、残らず除去できる。
【0011】
請求項2に係る発明は、正イオン生成モード及び負イオン生成モードのそれぞれにおいて、イオンを送風により除電対象物に照射するので、それぞれの極性の帯電電位を高めることができるとともに、除電対象物の凹凸面に対しても平均的に強制帯電させて、正負混在した帯電模様を薄くできる。
【0012】
請求項3に係る発明は、第1の強制帯電過程と第2の強制帯電過程との交互繰り返し周波数を、除電対象物までの距離に応じて変えるので、第1の強制帯電過程と第2の強制帯電過程のそれぞれにおいて、生成したイオンが途中で中和することなく、除電対象物まで充分に到達させることができる。
【0013】
請求項4に係る本発明の除電装置によれば、上記のような除電方法を、正高電圧発生回路と負高電圧発生回路と正負高圧切替回路と正負周期反転回路と帯電時間/除電時間設定回路とから除電装置によって自動的に実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
図1に本発明による除電装置の全体構成を示す。この除電装置は、複数の正電極1と同数の負電極2とによる放電により、正負のイオンを時間的に前後して正負別々に生成できるとともに、同時にも生成できる正負イオン生成装置でもある。正電極1及び負電極2は、例えば本発明者の発明に係る特許第2525720号公報に記載されているように、リング状の電極ホルダに配設され、これらの後段には、同公報に記載されているような関係でファン3が配置されており、それぞれの電極1・2の放電により生じた正負のイオンは、ファン3からの送風により前方へ飛ばされる。
【0016】
正電極1には、正高圧発振回路4の発振出力を正倍電圧整流回路5で倍電圧整流した正の高電圧が印加され、負電極2には、負高圧発振回路6の発振出力を負倍電圧整流回路7で倍電圧整流した負の高電圧が印加される。この部分の具体的構成は、例えば本発明者の発明に係る特許第3941872号公報に開示されているので、詳細は省略する。
【0017】
正高圧発振回路4及び負高圧発振回路6は、正負高圧切替回路8により、交互に周期的に切り替えて動作させることができるようになっているとともに、両方を同時に動作させることができるようにもなっている。交互に周期的に動作させるときの周波数は、周波数設定回路9により多段階に設定できる。すなわち、これにて設定した周波数にて発振回路10を発振させて正負高電圧制御信号発生回路11からその周波数に応じた二値信号を出力すると、正負高圧切替回路8が、正高圧発振回路4と負高圧発振回路6とを周波数設定回路9で設定した周期で交互に動作させる。
【0018】
正高圧発振回路4が動作したときには、正電極1に正の高電圧が印加されるので、本除電装置は正のイオンが生成される正イオン生成モードとなる。逆に、負高圧発振回路6が動作したときには、負電極2に負の高電圧が印加されるので、本除電装置は負のイオンが生成される負イオン生成モードとなる。そして、正イオン生成モードと負イオン生成モードとが、周波数設定回路9に設定した周波数で交互に繰り返されることになる。
【0019】
一方、正高圧発振回路4と負高圧発振回路6とを同時に動作させたときには、本除電装置は正負イオンを同時に生成する正負イオン同時生成モードとなる。
【0020】
本発明では、正イオン生成モードと負イオン生成モードとを交互の周期的に繰り返すときには、除電対象物を除電するのではなく、正イオン生成モード時には、除電対象物に正のイオンのみをファン3から送風しながら照射して、正の極性の帯電電位が優勢となるように強制帯電させ、負イオン生成モード時には、除電対象物に負のイオンのみをファン3から送風しながら照射して、負の極性の帯電電位が優勢となるように強制帯電させ、これを周期的に交互に反転する。
【0021】
このような正負交互の周期的な強制帯電を所要時間(以下、この時間を「帯電時間」と言う。)だけ継続した後、次に、正負イオン同時生成モードとして、正負のイオンをファン3から送風しながら除電対象物に同時に照射して正負両極性を除電し、これを所要時間(以下、この時間を「除電時間」と言う。)だけ継続する。
【0022】
正イオン生成モードと負イオン生成モードとを交互の周期的に繰り返して正負交互の強制帯電を行うか、正負イオン同時生成モードとして正負両極性を除電するかは、外部からの切替指令に従い、帯電・除電時間設定回路12からの二値信号によって正負高圧切替回路8が制御されることで切り替えられ(例えば、この二値信号が「H」の時は帯電、「L」の時は除電)、また、前者の帯電時間と後者の除電時間とは、その二値信号の時間幅で決まるようになっている。
【0023】
また、正高電圧発振回路4から正電極1までの間、及び、負高電圧発振回路6から負電極2までの間で異常が生じたときは、正高電圧発振回路4と負高電圧発振回路6のそれぞれにおいて、電圧又は電流が急変するなどの異常が生ずるので、これを高圧異常検出回路13で検出して警報器14を動作させるようになっている。
【0024】
<実験例1>
本発明者は、正負の電極1・2と除電対象物との距離を300mm、500mmと2段階に変え、それぞれの距離の場合について、正イオン生成モードと負イオン生成モードとの交互の切り替え周波数を、周波数設定回路9で0.25Hzから5Hzの範囲で変化させ、また、ファン3からの送風を行った場合と、行わなかった場合のそれぞれについて、除電対象物の帯電電位を2回ずつ測定した。図2はその実験結果を示すグラフで、横軸は周波数(Hz)、縦軸は帯電電位(V)を示す。
【0025】
この実験結果から、正イオン生成モードと負イオン生成モードとの交互の切り替え周波数が1Hzを越えて高くなると、除電対象物の帯電電圧が低下し、1Hzより低くなるに従い帯電電圧が高くなることが分かった。また、ファン3にて送風すると帯電電位が高くなること、さらに、交互の切り替え周波数を除電対象物までの距離に応じて可変することにより、生成したイオンが途中で中和することなく、除電対象物まで充分に到達させることができることも分かった。
【0026】
<実験例2>
正負の電極1・2と除電対象物との距離を、実験例1と同様に、300mm、500mmと2段階に変え、それぞれの距離の場合について、ファン3からの送風を行ったまま、正イオン生成モードと負イオン生成モードとの交互の切り替え周波数を、周波数設定回路9で0.25Hzから5Hzの範囲で変化させ、除電対象物が所定の電位まで除電される除電時間の変化を測定した。図3はその実験結果を示すグラフで、横軸は周波数(Hz)、縦軸は除電所要時間(sec)を示す。
【0027】
この実験結果から、距離が300mmでは、除電対象物へ到達する正負のイオン到達率が高いので、周波数が0.25Hzから5Hzの範囲で変化しても、除電時間はほとんど変わらなかったが、距離が500mmの場合には、周波数が高くなるに従い除電時間が長くなり、周波数が0.5Hzを越えると除電時間の上昇率が急に高くなり、除電効率が悪くなることが分かった。
【0028】
<実験例3>
厚さ16μmのポリエチレンテレフタラートフィルム(以下、「PETフィルム」と記す。)を除電対象物のサンプルとして用い、正イオン生成モードにして未処理のPETフィルムに正イオンのみを照射した場合と、その正イオン照射後に負イオン生成モードにして負イオンのみを照射した場合と、その負イオン照射後に正負イオン同時生成モードにして正負イオンを同時に照射した場合と、未処理のPETフィルムに正負イオンを同時に照射した場合のそれぞれについて、PETフィルム表面に青トナーと赤トナーとを塗布し、静電気で付着したトナーによる帯電模様を写真撮影した。
【0029】
図4は、本除電装置で処理する前の未処理のPETフィルム表面の帯電模様を示し、正帯電部分には青トナーが付着し、負帯電部分には赤トナーが付着した現物を写真撮影し、それを画像処理して濃淡(黒色と灰色)の二値化画像として表したもので、濃部分が正帯電部分、淡部分(ハーフトーン)が負帯電部分である。
【0030】
図5は、本除電装置を正イオン生成モードにして未処理のPETフィルムに正イオンのみを照射した場合の帯電模様で、正負の電極1・2との距離は300mm、正電極1に印加した電圧は+5kV、正イオンの照射時間は5秒である。
【0031】
図6は、本除電装置を負イオン生成モードにして、正イオン照射後のPETフィルムに負イオンのみを照射した場合の帯電模様で、正負の電極1・2との距離は300mm、負電極2に印加した電圧は−5kV、負イオンの照射時間は5秒である。
【0032】
図7は、本除電装置を正負イオン同時生成モードにして、負イオン照射後のPETフィルムに正負イオンを同時に照射した場合の帯電模様で、正負の電極1・2との距離は300mm、正電極1に印加した電圧は+6kV、負電極2に印加した電圧は−5kV、正負イオンの照射時間は5秒である。
【0033】
図8は、本除電装置を正負イオン同時生成モードにして、未処理のPETフィルムに正負イオンを同時に照射した場合の帯電模様で、正負の電極1・2との距離は300mm、正電極1に印加した電圧は+6kV、負電極2に印加した電圧は−5kV、正負イオンの照射時間は15秒である。
【0034】
これらの図を比較すれば分かるように、図4の未処理のときは、正帯電部分を示す濃部分と負帯電部分を示す淡部分とが、明確に識別できる濃度差と大きさと輪郭をもって混在しているが、図5に示すように、正イオンのみを照射した後は、正帯電部分を示す濃部分が増大するどころか若干減少し、負帯電部分を示す淡部分は面積が図4の場合に比べて減少し、全体として帯電模様が微細化している。図6に示すように、さらに負イオンのみを照射した後は、今度は、正帯電部分を示す濃部分の面積が減少し、全体として帯電模様がさらに微細化している。図7に示すように、続いて正負イオンを同時に照射すると、正帯電部分を示す濃部分も、負帯電部分を示す淡部分もほとんど消滅し、帯電模様が無くなっている。
【0035】
図8は、比較のために、正負のイオンを別々に照射せずに、未処理のPETフィルムに正負イオンを同時に照射した場合であるが、この場合には、正帯電した濃部分と負帯電した淡部分とが若干薄くなっているものの、帯電模様がまだ残っている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による除電装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同除電装置の実験結果で、正イオン生成モードと負イオン生成モードとの交互の切り替え周波数を変化させて除電対象物の帯電電位を測定したグラフである。
【図3】同じく除電対象物が所定の電位まで除電される除電時間の変化を測定したグラフである。
【図4】未処理のPETフィルム表面の帯電模様を示す図である。
【図5】未処理のPETフィルムに正イオンのみを5秒間照射した場合の帯電模様を示す図である。
【図6】正イオン照射後のPETフィルムに負イオンのみを5秒間照射した場合の帯電模様を示す図である。
【図7】負イオン照射後のPETフィルムに正負イオンを同時に5秒間照射して、帯電模様が無くなったことを示す図である。
【図8】比較のために、正負のイオンを別々に照射する過程を省略して、未処理のPETフィルムに正負イオンを同時に15秒間照射した場合の帯電模様を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 正電極
2 負電極
3 ファン
4 正高圧発振回路
5 正倍電圧整流回路
6 負高圧発振回路
7 負倍電圧整流回路
8 正負高圧切替回路
9 周波数設定回路
10 発振回路
11 正負高電圧制御信号発生回路
13 高圧異常検出回路
14 警報器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正イオンを生成する正イオン生成モードと、負イオンを生成する負イオン生成モードと、正負イオンを同時に生成する正負イオン同時生成モードとを切り替えることができる正負イオン生成装置を用い、この正負イオン生成装置を正イオン生成モード又は負イオン生成モードの一方のモードにして一方の極性のイオンのみを除電対象物に照射することにより、他方の極性の電荷を除去して一方の極性の帯電電位が優勢な第1の帯電状態とする第1の強制帯電過程と、正負イオン生成装置を他方の極性のイオン生成モードにして他方の極性のイオンのみを除電対象物に照射することにより、一方の極性の電荷を除去して他方の極性の帯電電位が優勢な第2の帯電状態とする第2の強制帯電過程とを周期的に繰り返した後、正負イオン生成装置を正負イオン同時生成モードにして除電対象物に正負のイオンを同時に照射して正負の電荷が消滅する中和除電状態とすることを特徴とする除電方法。
【請求項2】
正イオン生成モード及び負イオン生成モードのそれぞれにおいて、イオンを送風により除電対象物に照射することを特徴とする請求項1に記載の除電方法。
【請求項3】
第1の強制帯電過程と第2の強制帯電過程との交互繰り返し周波数を、除電対象物までの距離に応じて変えることを特徴とする請求項1又は2に記載の除電方法。
【請求項4】
正電極に正の高電圧を印加する正高電圧発生回路と、
負電極に負の高電圧を印加する負高電圧発生回路と、
前記正高電圧発生回路を動作させて正イオンを生成する正イオン生成モードと、前記負高電圧発生回路を動作させて負イオンを生成する負イオン生成モードと、正高電圧発生回路及び負高電圧発生回路を同時に動作させて正負イオンを同時に生成する正負イオン同時生成モードとを切り替える正負高圧切替回路と、
除電対象物を一方の極性の帯電電位が優勢な第1の帯電状態と、他方の極性の帯電電位が優勢な第2の帯電状態とに周期的に交互に強制帯電させるため、前記正負高圧切替回路を周期的に制御して前記正イオン生成モードと前記負イオン生成モードとを交互に周期的に反転させる正負周期反転回路と、
前記正負高圧切替回路を制御し、前記正負周期反転回路による正イオン生成モードと負イオン生成モードとの交互切替の持続時間である帯電時間と、その帯電時間後に前記正負イオン同時生成モードにして除電対象物に正負のイオンを同時に照射して正負の電荷が消滅する中和除電状態とするための除電時間とを設定する帯電時間/除電時間設定回路と
を備えたことを特徴とする除電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−146676(P2009−146676A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321739(P2007−321739)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000183738)春日電機株式会社 (54)
【Fターム(参考)】