陳列棚の照明装置
【課題】 ブラケットに対して簡単に取り付けることができるとともに、複数のスパンに跨った場合においても見栄えの良い照明装置を提供する。
【解決手段】
この発明は、左右一対のブラケットに照明装置1を係止する陳列棚の照明装置において、照明装置1は、両立壁部と、底部と、底部の立壁部間に形成される開口部とは逆の面に設けられた一対の矩形孔部11、12とを有するベース10と、ベース10の立壁部間に取り付けられる発光ダイオードを有するLED照明部材と、1つの矩形孔部に差し込まれる差し込み片22とブラケットに嵌め込まれる係止部21とを有するフラットホルダー2と、を備え、ベース両端面に、どちらか一方の矩形孔部11、12にフラットホルダー2の差し込み片22を差し込み、それぞれフラットホルダー2を取り付け、フラットホルダー2の係止部21をブラケットに嵌め込み、ベース10をブラケット110に取り付ける。
【解決手段】
この発明は、左右一対のブラケットに照明装置1を係止する陳列棚の照明装置において、照明装置1は、両立壁部と、底部と、底部の立壁部間に形成される開口部とは逆の面に設けられた一対の矩形孔部11、12とを有するベース10と、ベース10の立壁部間に取り付けられる発光ダイオードを有するLED照明部材と、1つの矩形孔部に差し込まれる差し込み片22とブラケットに嵌め込まれる係止部21とを有するフラットホルダー2と、を備え、ベース両端面に、どちらか一方の矩形孔部11、12にフラットホルダー2の差し込み片22を差し込み、それぞれフラットホルダー2を取り付け、フラットホルダー2の係止部21をブラケットに嵌め込み、ベース10をブラケット110に取り付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品陳列棚等に用いられる照明装置に関し、特に、左右一対のブラケットにより、棚板の下面を支持するとともに、棚板の下方に照明装置を設け、この照明装置により下側に位置する棚板上の商品等の照明を行う陳列棚の照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
什器などに付設される照明装置には、いろいろな種類があるが、例えば、商品陳列棚では、棚板を多段状に取り付けて構成し、下段棚板上の陳列商品を照明して商品陳列効果を高めるための照明装置が棚板の下面に取り付けられる。
【0003】
従来、この照明の光源には蛍光灯が一般的に使用されていた。蛍光灯を用いた棚板用の照明装置では、棚板の下面前部に前面幅方向に沿って蛍光灯が取り付けられ、両端に取り付けられたソケットを介して給電され、下段棚板上の陳列商品を照明している。
【0004】
上記した蛍光灯や、その他の照明装置である白熱電球、スポットライト等の照明光源は、光源の発熱量が大きく、消費電力も多い。このような事情から、近年、発熱や消費電力が少ない発光ダイオード(LED)が注目され、照明装置を発光ダイオード(LED)で構成するものが増えている。
【0005】
左右の一対のブラケットに発光ダイオード(LED)を使用した照明装置を取り付ける陳列棚の照明装置の一例が特許文献1に開示されている。
【0006】
図20に、従来の左右の一対のブラケットに発光ダイオード(LED)を使用した照明装置を取り付ける陳列棚の照明装置を示す。
【0007】
図20に示すように、照明装置244の左右両端には、左右一対のブラケット217、217に係止するための係止部241、241が、照明装置244の左右両端を形成する側端部に形成された取り付け孔にねじ248を螺合して取り付けられている。照明装置244には、図示しないが複数の発光ダイオード(LED)が左右方向に配設され、電源ケーブル249より発光ダイオード(LED)に給電される。
【0008】
ブラケット217、217の上端縁217aには、係止部材241、241を取り付け自在に嵌合する凹部としての係合溝217b、217bが形成されており、係止部241、241を係合溝217b、217bに係止することで、照明装置244がブラケット217、217に取り付けられる。
【0009】
このように、棚板を支持する左右のブラケット217、217を利用して照明部材244の係止部材241、241を係止するだけで照明装置244を簡単に取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−240382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記した図20に示す照明装置244においては、左右一対のブラケット217、217で構成される1つのスパンに照明装置244を係止する場合には簡単に取り付けることができる。
【0012】
しかしながら、スパンが連続する場合には、1つのブラケット217に2個の照明装置244を係止する必要があり、照明装置244、244を互いにずらして係止することになる。このため、照明装置244がずれた状態でブラケット217に係止されることになり、見栄えが悪くなるという難点がある。
【0013】
この発明の目的は、上記した従来の難点に鑑みなされたものにして、ブラケットに対して簡単に取り付けることができるとともに、複数のスパンに跨った場合においても見栄えの良い照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、左右一対のブラケットに照明装置を係止する陳列棚の照明装置において、前記照明装置は、両立壁部と、底部と、底部の立壁部間に形成される開口部とは逆の面に設けられた一対の矩形孔部とを有するベースと、ベースの立壁部間に取り付けられる発光ダイオードを有する照明部材と、1つの矩形孔部に差し込まれる差し込み片とブラケットに嵌め込まれる係止部とを有するフラットホルダーと、を備え、前記ベース両端面に、どちらか一方の矩形孔部にフラットホルダーの差し込み片を差し込み、それぞれフラットホルダーを取り付け、前記フラットホルダーの係止部をブラケットに嵌め込み、ベースをブラケットに取り付けたことを特徴とする。
【0015】
また、前記フラットホルダーの係止部は、前記ベースの端面を塞ぐ大きさに形成され、前記フラットホルダーの差し込み片は、前記係止部に対して1つの矩形孔部の幅に対応してずらした位置に設けて構成することができる。
【0016】
また、前記フラットホルダーは、ベースの端面を塞ぐようにして、前記矩形孔部の一方に前記差し込み片を差し込むことができる。
【0017】
また、前記フラットホルダーの差し込み片を差し込む前記矩形孔部を選択して、1つのブラケットに2つのフラットホルダーの係止部が重ならないように配置し、連続するベースを一直線上に配置するように構成することができる。
【0018】
また、前記底部は、前記両立壁部に対して、所定の角度を有するテーパー面に形成するとよい。
【0019】
また、前記両立壁部の内面には、発光ダイオードを有する照明部材の基板が嵌め込まれる溝部が設けられ、この溝部を結ぶ線は、底部のテーパー面と平行に構成するとよい。
【0020】
また、前記両立壁部間の開口部先端の近傍には、集光用レンズが装着される溝部が設けられ、この溝部を結ぶ線は、底部のテーパー面と平行に構成するとよい。
【発明の効果】
【0021】
この発明は、ブラケットに対して、フラットホルダーの係止部を用いて簡単に取り付けることができるとともに、複数のスパンに跨った場合においても、2つのフラットホルダーの係止部が重ならないように配置して、連続するベースを一直線上に配置することで見栄えの良い照明装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施形態にかかる陳列棚の照明装置を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施形態にかかる陳列棚の照明装置をLED照明側から見た平面図である。
【図3】陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施形態にかかる照明装置をブラケットに取り付ける状態を示す斜視図である。
【図6】陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す平面図である。
【図7】連続するスパンに棚板を載置する陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図である。
【図10】この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施形態にかかる照明装置を連続するスパンのブラケットに取り付ける状態を示す平面図である。
【図12】連続するスパンに棚板を載置する陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す平面図である。
【図13】この発明の実施形態にかかる照明装置に用いられるフラットホルダーを示す斜視図である。
【図14】この発明の実施形態にかかる照明装置の断面図である。
【図15】ブラケットに照明装置を取り付ける他の例で用いられるスライダーホルダーを示す斜視図である。
【図16】照明装置のベースの端部に装着されるエンドキャップを示す斜視図である。
【図17】スライダーホルダーを照明装置のベースに取り付ける状態を示す斜視図である。
【図18】スライダーホルダーを照明装置のベースに取り付ける状態を示す斜視図である。
【図19】スライダーホルダーを用いて照明装置をブラケットに取り付ける状態を示す模式図である。
【図20】従来の左右の一対のブラケットに発光ダイオードを使用した照明装置を取り付ける陳列棚の照明装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0024】
図1は、この発明の実施形態にかかる陳列棚の照明装置を示す斜視図である。図1に示すように、この発明の照明装置1は、ベース10と、発光ダイオード(LED)からなる光源31が複数個取り付けられたLED照明部材3と、コード4と、集光用レンズ6とを備える。
【0025】
ベース10は、例えば、アルミニウムの押し出し成形等により形成され、立壁部15、16、底部17を有するチャンネル状に形成されている。この底部17の両立壁部15、16間に形成される開口部とは逆の面側(図中下方側)には、後述するフラットホルダーの差し込み片と係合する一対の矩形孔部11、12が設けられている。
【0026】
図1及び図14の断面図に示すように、底部17は立壁部15、16に対して、所定の角度、この実施形態では、10度の角度を有するテーパー面に形成されており、立壁部15から立壁部16に向かい底部17が厚くなっている。
【0027】
そして、その上部の立壁部15、16の内面には、LED照明部材3の基板30が嵌め込まれる溝部14、14が設けられている。この溝部14、14を結ぶ線は、底部16のテーパー面と平行に構成され、この溝部14、14に、LED照明部材3の基板30を嵌め込むと、LED照明部材3は、立壁部15に向かって斜め10度の角度で取り付けられることになる。
【0028】
また、立壁部15には、後述するスライダーホルダーが装着される溝13と開口部13aが設けられている。
【0029】
立壁部15、16間の開口部先端の近傍には、集光用レンズ16が装着される溝部18、18が設けられている。この溝部18、18を結ぶ線も溝部14、14と同様に立壁部15に向かって斜め10度の角度に構成されており、集光用レンズ16も立壁部15に向かって斜め10度の角度で取り付けられることになる。
【0030】
この照明装置1を棚板の前方に位置する所に取り付ける際には、立壁部16が前方に向かう方向でブラケットに照明装置1が取り付けられる。この結果、LED照明部材3は、棚板の後に方向に向かって10度の角度を有して配置されることになる。
【0031】
このように、LED照明部材3、集光用レンズ6が、立壁部15に向かって斜め10度に取り付けられるようにベース10を構成し、下方に位置する棚の隅まで発光ダイオード(LED)からなる光源31からの光が広がるように構成している。LED照明部材3の光源31からの光は、立壁部15、16間の開口部から集光レンズ6を介して外部に照射される。
【0032】
図2は、この発明の実施形態にかかる陳列棚の照明装置をLED照明側から見た平面図である。図1及び図2に示すように、ベース10に嵌め込まれるLED照明部材3は、基板30に発光ダイオード(LED)からなる光源31が複数個取り付けられ、基板30の両端には、雄型と雌型の端子が一体となったコネクタ32、32が取り付けられている。そして、コネクタ32にケーブル4のコネクタ41が接続され、ケーブル4を介して各光源31に給電される。基板30には、発光ダイオード(LED)を点灯させるためIC33が取り付けられている。
【0033】
また、発光ダイオード(LED)からなる光源31への給電は、どちらか一方のコネクタ32を介して行われ、他方のコネクタ32は、スパンが跨る場合に他の照明装置1との間でケーブル4を介して電気的に接続する場合に用いられる。このように、コネクタ32を介して複数の照明装置1が接続され、1つの電源で複数の照明装置1を点灯させることができるように構成されている。
【0034】
両端のコネクタ32、32は、図2に示すように、図中上下方向で雄型と雌型端子が逆の配置になるように配置されている。
【0035】
ベース10の矩形孔部11、12に嵌め込まれるフラットホルダー2は、図4及び図13に示すように、ブラケット110に係合する断面コ字状の係止部21と孔部11、12に差し込まれる一対の板片からなる差し込み片22で構成されている。
【0036】
差し込み片22は、矩形孔部11、12に差し込まれる際に、撓んで差し込まれ、矩形孔部11、12に差し込み片22が完全に嵌め込まれると、ベース10にフラットホルダー2が取り付けられて固定される。
【0037】
差し込み片22は、図13に示すように、係止部21に対して1つの矩形孔部の幅に対応してずらした位置に設けられている。例えば、左側にずれた差し込み片22が位置する場合には、図4及び図5に示すように、矩形孔部12に差し込み片22を差し込むと、係止部21の差し込み片が設けられていない箇所に孔部11が位置し、ベース10の端面を塞ぐようにしてフラットホルダー2が装着される。
【0038】
逆に、右側にずれた差し込み片22が位置する場合には、矩形孔部11に差し込み片22を差し込むと、係止部21の差し込み片が設けられていない箇所に矩形孔部12が位置し、ベース10の端面を塞ぐようにしてフラットホルダー2が装着される。
【0039】
このように、ベース10の端面を塞ぐようにフラットホルダー2を装着する場合には、図4に示すように、左右で差し込み片22を差し込む孔部11、12を替えることで、同じフラットホルダー2を用いて、ベース10の左右端面に、係止部21を有するフラットホルダー2を取り付けることができる。
【0040】
左右に取り付けたフラットホルダー2の係止部21をそれぞれブラケット110に係止することで、左右のブラケット110に照明装置1を取り付けることができる。
【0041】
陳列棚に対するこの発明の照明装置の取り付け方法につき、図3ないし図6を参照して説明する。
【0042】
図3は、陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す斜視図、図4は、この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図、図5は、この発明の実施形態にかかる照明装置をブラケットに取り付ける状態を示す斜視図、図6は、陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す平面図である。
【0043】
図3ないし図6は、一対のブラケット110、110からなる1つのスパンに照明装置1を取り付けるものである。図3に示すように、適当な間隔をおいて設置された支柱101にそれぞれチャンネル鋼材などからなるサポート部材102をタップねじ(図示しない)を用いて固定し、このサポート部材102に板状のブラケット110を係止する。さらにこのブラケット110上に、この発明の照明装置1が取り付けられた後、ブラケット110上にガラス板などからなる棚板104が載せられる。また、サポート部材102の間には必要に応じてバックボード105が設置される。
【0044】
ブラケット110の後端部には、図示はしないが、上下2段以上のL字型の係止フックが形成され、サポート部材102はこれら係止フックが抜き差しされる上下多段のスリット107と、これらスリット107から内部に挿入された係止フックが上下に移動できる縦溝108とを備える。そして、前記ブラケット110は、サポート部材102の前面に形成されたスリット107から係止フックを挿入してブラケット110を下げるという手順でサポート部材102に係止される。
【0045】
上記のように、サポート部材102に係止された左右一対のブラケット110、110にこの発明の照明装置1を取り付ける。
【0046】
図4に示すように、ベース10の左右端部にフラットホルダー2を装着する。図中上側に位置するフラットホルダー2の差し込み片22は、一点鎖線の矢印で示すように、ベース10の矩形孔部11に差し込み、図中下側に位置するフラットホルダー2の差し込み片22は、一点鎖線の矢印で示すように、ベース10の矩形孔部12に差し込む。このように、フラットホルダー2、2をそれぞれベース10の矩形孔部11、12に差し込んで取り付けると、ベース10の端面がフラットホルダー2、2で覆われる。
【0047】
そして、図5に示すように、ブラケット110、110に上からフラットホルダー2、2の係止部21を嵌め込み、ブラケット110、110にそれぞれフラットホルダー2の係止部21を係止させて、ブラケット110、110にこの発明の照明部材1を取り付ける。なお、使用しないケーブルがある場合には、ベース10の空間に納めて外部に露出しないようにする。
【0048】
さらに、この実施形態では、ブラケット110、110上に載せる棚板104の落下等を防ぐために、ブラケット110、110の先端部に棚板の受け用ホルダ5を装着している。
【0049】
図6に示すように、ブラケット110、110上に棚板104を載せて、基板30に複数のLED光源31が取り付けられたLED照明部材3を有する照明装置1をブラケット110、110間に取り付けることができる。この照明装置1で下段の棚板上の商品等を照明する陳列棚が得られる。
【0050】
このように、この発明の照明装置1は、ベース10に、フラットホルダー2を装着し、フラットホルダー2の係止部21をブラケット110に上から係止することで、簡単にブラケット110、110にLED照明部材3を有する照明装置1を取り付けることができる。
【0051】
また、LED照明部材3は、チャネル状のベース10内に配置されており、外部からは、角材が棚板104の下に位置するだけであり、外観上シンプルで見栄えがよい。
【0052】
さらに、ブラケット110、110の先端側にベース10をフラットホルダー2の係止部21を係止して固定しているので、ブラケット110、110の先端部が固定されることになり、ブラケット110、110の左右の振れが抑制される。
【0053】
次に、スパンが連続する場合に、この発明の照明装置の取り付ける方法につき、図7ないし図12に従い説明する。
【0054】
図7は、連続するスパンに棚板を載置する陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す斜視図、図8は、この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図、図9は、この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図、図10は、この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図、図11は、この発明の実施形態にかかる照明装置を連続するスパンのブラケットに取り付ける状態を示す平面図、図12は、連続するスパンに棚板を載置する陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す平面図である。
【0055】
スパンが連続する場合には、1つのブラケット110に左右の照明装置1のフラットホルダー2の係止部21が取り付けられることになる。この発明では、ベース10に一対の孔部11、12が設けられており、フラットホルダー2の差し込み片22を差し込む孔部11、12を選択することで、図7に示すように、1つのブラケット110に係止させるフラットホルダー2の位置をずらし、隣り合うベース10が一直線上になるように構成したものである。
【0056】
例えば、図7の右側に位置するベース10においては、図8に示すように、1つのブラケット110に2つのフラットホルダー2が係止される場合に、フラットホルダー2がずれて配置されるように、端面の矩形孔部11にフラットホルダー2の差し込み片22を挿入する。ベース10の端面は矩形孔部12が見える状態でフラットホルダー2が図中右側にずれた状態で取り付けられることになる。図9及び図11に示すように、このベース10の反対側の端面に装着されるフラットホルダー2は、端面部を覆うように、矩形孔部11に差し込み片22を装着する。
【0057】
また、図7の左側に位置するベース10においては、図10及び図11に示すように、ベース10の矩形孔部12にフラットホルダー2の差し込み片22が挿入される。図10、図11に示すように、1つのブラケット110に2つのフラットホルダー2が係止される場合に、両者のフラットホルダー2が互いにずれた状態でベース10にそれぞれ取り付けられているので、両者は重ならずに、2つのベース10、10が直線状に装着することができる。
【0058】
3本のブラケット110で1つの棚104を支持する場合には、図11に示すように、1つのベース10は、同じ矩形孔部11、12にフラットホルダー2の差し込み片22が差し込まれることになる。図11においては、図中下側に位置するベース10は、矩形孔部12にそれぞれフラットホルダー2の差し込み片22を差し込み、図中上側に位置するベース10は、孔部11に、それぞれフラットホルダー2の差し込み片22を差し込むことで、ベース10、1を1直線状に取り付けることができる。
【0059】
更に、多くのスパンで棚板104を支持する場合には、1つのブラケット110に2つのフラットホルダー2が係止される箇所で、互いのフラットホルダー2の係止部21が重ならないように、差し込み片22を差し込む矩形孔部11、12を選択すればよい。
【0060】
このように、ベース10に一対の矩形孔部11、12が設けられており、フラットホルダー2の差し込み片22を差し込む矩形孔部11、12を選択して、1つのブラケット110に2つのフラットホルダー2の係止部21が重ならないように配置する。
【0061】
この結果、ベース10に差し込んだフラットホルダー2を用いて、ブラケット110にベース10を取り付けると、連続するベース10、10が一直線上に配置されることになり、見栄えが良くなるばかりか、照明される位置のバラツキもなくなる。
【0062】
次に、ブラケット110に照明装置を取り付ける他の例につき、図15ないし図19を参照して説明する。
【0063】
図15は、ブラケットに照明装置を取り付ける他の例で用いられるスライダーホルダー示す斜視図、図16は、照明装置のベースの端部に装着されるエンドキャップを示す斜視図、図17は、スライダーホルダーを照明装置のベースに取り付ける状態を示す斜視図、図18は、スライダーホルダーを照明装置のベースに取り付ける状態を示す斜視図、図19は、スライダーホルダーを用いて照明装置をブラケットに取り付ける状態を示す模式図である。
【0064】
図15ないし図19に示すものは、ブラケット110に設けられた孔111を用いてオーバーハング状に照明装置1を固定するものである。このため、ベース10の立壁部15には、スライダーホルダー6が装着される溝13と開口部13aが設けられている。スライダーホルダー7は、左右一組でブラケット110に装着される。
【0065】
図15に示すように、図中(a)と(b)の1組で1つの照明装置1を取り付ける。(a)が左用、(b)が右用である。
【0066】
スライダーホルダー7は、溝13に嵌め込まれるバネ部材で構成された挿入部71と、開口部13aから突出し、孔111に挿入する係合部を有する突片72とブラケット110に係合する断面コ字状の係止部71を有している。さらに、挿入部71には、ねじ孔73を有し、このねじ孔73にねじが螺合される。
【0067】
図17に示すように、ベース10の溝13にスライダーホルダー7の挿入部71の長い方から嵌め込んで挿入する。同じく、逆からもスライダーホルダー7を挿入する。
【0068】
止める位置をある程度決め、図18に示すように、ねじ回し9を用いて図示しないねじで仮止めをする。また、ベース10の端面には、エンドキャップ8を取り付ける。エンドキャップ8は図16に示すように、ベース10の矩形孔部11、12に挿入される突起部81が設けられている。この突起部81をベース10の矩形孔部11、12に挿入してエンドキャップ8を取り付ける。
【0069】
図19に示すように、ブラケット110の孔部111にスライダーホルダー7の突片72の係合部を差し込み、図中矢印の方向に前に倒して、ブラケット110に係止部74を嵌め込み照明装置1をブラケット110で支持する。そして、壁に対してブラケット110が垂直になる位置でスライダーホルダー7のねじを最後まで固定して、照明装置1がブラケット110に固定される。
【0070】
このように、スライダーホルダー7を用いてもブラケット110に照明装置1を取り付けることができるので、陳列棚の用途に応じて、取り付け方法を選択することができる。
【0071】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0072】
1 照明装置
10 ベース
11、12 矩形孔部
13 溝
14 溝
15、16 立壁部
17 底部
18 溝
2 フラットホルダー
21 係止部
22 差し込み片
3 LED照明部材
30 基板
31 光源
32 コネクタ
4 ケーブル
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品陳列棚等に用いられる照明装置に関し、特に、左右一対のブラケットにより、棚板の下面を支持するとともに、棚板の下方に照明装置を設け、この照明装置により下側に位置する棚板上の商品等の照明を行う陳列棚の照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
什器などに付設される照明装置には、いろいろな種類があるが、例えば、商品陳列棚では、棚板を多段状に取り付けて構成し、下段棚板上の陳列商品を照明して商品陳列効果を高めるための照明装置が棚板の下面に取り付けられる。
【0003】
従来、この照明の光源には蛍光灯が一般的に使用されていた。蛍光灯を用いた棚板用の照明装置では、棚板の下面前部に前面幅方向に沿って蛍光灯が取り付けられ、両端に取り付けられたソケットを介して給電され、下段棚板上の陳列商品を照明している。
【0004】
上記した蛍光灯や、その他の照明装置である白熱電球、スポットライト等の照明光源は、光源の発熱量が大きく、消費電力も多い。このような事情から、近年、発熱や消費電力が少ない発光ダイオード(LED)が注目され、照明装置を発光ダイオード(LED)で構成するものが増えている。
【0005】
左右の一対のブラケットに発光ダイオード(LED)を使用した照明装置を取り付ける陳列棚の照明装置の一例が特許文献1に開示されている。
【0006】
図20に、従来の左右の一対のブラケットに発光ダイオード(LED)を使用した照明装置を取り付ける陳列棚の照明装置を示す。
【0007】
図20に示すように、照明装置244の左右両端には、左右一対のブラケット217、217に係止するための係止部241、241が、照明装置244の左右両端を形成する側端部に形成された取り付け孔にねじ248を螺合して取り付けられている。照明装置244には、図示しないが複数の発光ダイオード(LED)が左右方向に配設され、電源ケーブル249より発光ダイオード(LED)に給電される。
【0008】
ブラケット217、217の上端縁217aには、係止部材241、241を取り付け自在に嵌合する凹部としての係合溝217b、217bが形成されており、係止部241、241を係合溝217b、217bに係止することで、照明装置244がブラケット217、217に取り付けられる。
【0009】
このように、棚板を支持する左右のブラケット217、217を利用して照明部材244の係止部材241、241を係止するだけで照明装置244を簡単に取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−240382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記した図20に示す照明装置244においては、左右一対のブラケット217、217で構成される1つのスパンに照明装置244を係止する場合には簡単に取り付けることができる。
【0012】
しかしながら、スパンが連続する場合には、1つのブラケット217に2個の照明装置244を係止する必要があり、照明装置244、244を互いにずらして係止することになる。このため、照明装置244がずれた状態でブラケット217に係止されることになり、見栄えが悪くなるという難点がある。
【0013】
この発明の目的は、上記した従来の難点に鑑みなされたものにして、ブラケットに対して簡単に取り付けることができるとともに、複数のスパンに跨った場合においても見栄えの良い照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、左右一対のブラケットに照明装置を係止する陳列棚の照明装置において、前記照明装置は、両立壁部と、底部と、底部の立壁部間に形成される開口部とは逆の面に設けられた一対の矩形孔部とを有するベースと、ベースの立壁部間に取り付けられる発光ダイオードを有する照明部材と、1つの矩形孔部に差し込まれる差し込み片とブラケットに嵌め込まれる係止部とを有するフラットホルダーと、を備え、前記ベース両端面に、どちらか一方の矩形孔部にフラットホルダーの差し込み片を差し込み、それぞれフラットホルダーを取り付け、前記フラットホルダーの係止部をブラケットに嵌め込み、ベースをブラケットに取り付けたことを特徴とする。
【0015】
また、前記フラットホルダーの係止部は、前記ベースの端面を塞ぐ大きさに形成され、前記フラットホルダーの差し込み片は、前記係止部に対して1つの矩形孔部の幅に対応してずらした位置に設けて構成することができる。
【0016】
また、前記フラットホルダーは、ベースの端面を塞ぐようにして、前記矩形孔部の一方に前記差し込み片を差し込むことができる。
【0017】
また、前記フラットホルダーの差し込み片を差し込む前記矩形孔部を選択して、1つのブラケットに2つのフラットホルダーの係止部が重ならないように配置し、連続するベースを一直線上に配置するように構成することができる。
【0018】
また、前記底部は、前記両立壁部に対して、所定の角度を有するテーパー面に形成するとよい。
【0019】
また、前記両立壁部の内面には、発光ダイオードを有する照明部材の基板が嵌め込まれる溝部が設けられ、この溝部を結ぶ線は、底部のテーパー面と平行に構成するとよい。
【0020】
また、前記両立壁部間の開口部先端の近傍には、集光用レンズが装着される溝部が設けられ、この溝部を結ぶ線は、底部のテーパー面と平行に構成するとよい。
【発明の効果】
【0021】
この発明は、ブラケットに対して、フラットホルダーの係止部を用いて簡単に取り付けることができるとともに、複数のスパンに跨った場合においても、2つのフラットホルダーの係止部が重ならないように配置して、連続するベースを一直線上に配置することで見栄えの良い照明装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施形態にかかる陳列棚の照明装置を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施形態にかかる陳列棚の照明装置をLED照明側から見た平面図である。
【図3】陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施形態にかかる照明装置をブラケットに取り付ける状態を示す斜視図である。
【図6】陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す平面図である。
【図7】連続するスパンに棚板を載置する陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図である。
【図10】この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施形態にかかる照明装置を連続するスパンのブラケットに取り付ける状態を示す平面図である。
【図12】連続するスパンに棚板を載置する陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す平面図である。
【図13】この発明の実施形態にかかる照明装置に用いられるフラットホルダーを示す斜視図である。
【図14】この発明の実施形態にかかる照明装置の断面図である。
【図15】ブラケットに照明装置を取り付ける他の例で用いられるスライダーホルダーを示す斜視図である。
【図16】照明装置のベースの端部に装着されるエンドキャップを示す斜視図である。
【図17】スライダーホルダーを照明装置のベースに取り付ける状態を示す斜視図である。
【図18】スライダーホルダーを照明装置のベースに取り付ける状態を示す斜視図である。
【図19】スライダーホルダーを用いて照明装置をブラケットに取り付ける状態を示す模式図である。
【図20】従来の左右の一対のブラケットに発光ダイオードを使用した照明装置を取り付ける陳列棚の照明装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0024】
図1は、この発明の実施形態にかかる陳列棚の照明装置を示す斜視図である。図1に示すように、この発明の照明装置1は、ベース10と、発光ダイオード(LED)からなる光源31が複数個取り付けられたLED照明部材3と、コード4と、集光用レンズ6とを備える。
【0025】
ベース10は、例えば、アルミニウムの押し出し成形等により形成され、立壁部15、16、底部17を有するチャンネル状に形成されている。この底部17の両立壁部15、16間に形成される開口部とは逆の面側(図中下方側)には、後述するフラットホルダーの差し込み片と係合する一対の矩形孔部11、12が設けられている。
【0026】
図1及び図14の断面図に示すように、底部17は立壁部15、16に対して、所定の角度、この実施形態では、10度の角度を有するテーパー面に形成されており、立壁部15から立壁部16に向かい底部17が厚くなっている。
【0027】
そして、その上部の立壁部15、16の内面には、LED照明部材3の基板30が嵌め込まれる溝部14、14が設けられている。この溝部14、14を結ぶ線は、底部16のテーパー面と平行に構成され、この溝部14、14に、LED照明部材3の基板30を嵌め込むと、LED照明部材3は、立壁部15に向かって斜め10度の角度で取り付けられることになる。
【0028】
また、立壁部15には、後述するスライダーホルダーが装着される溝13と開口部13aが設けられている。
【0029】
立壁部15、16間の開口部先端の近傍には、集光用レンズ16が装着される溝部18、18が設けられている。この溝部18、18を結ぶ線も溝部14、14と同様に立壁部15に向かって斜め10度の角度に構成されており、集光用レンズ16も立壁部15に向かって斜め10度の角度で取り付けられることになる。
【0030】
この照明装置1を棚板の前方に位置する所に取り付ける際には、立壁部16が前方に向かう方向でブラケットに照明装置1が取り付けられる。この結果、LED照明部材3は、棚板の後に方向に向かって10度の角度を有して配置されることになる。
【0031】
このように、LED照明部材3、集光用レンズ6が、立壁部15に向かって斜め10度に取り付けられるようにベース10を構成し、下方に位置する棚の隅まで発光ダイオード(LED)からなる光源31からの光が広がるように構成している。LED照明部材3の光源31からの光は、立壁部15、16間の開口部から集光レンズ6を介して外部に照射される。
【0032】
図2は、この発明の実施形態にかかる陳列棚の照明装置をLED照明側から見た平面図である。図1及び図2に示すように、ベース10に嵌め込まれるLED照明部材3は、基板30に発光ダイオード(LED)からなる光源31が複数個取り付けられ、基板30の両端には、雄型と雌型の端子が一体となったコネクタ32、32が取り付けられている。そして、コネクタ32にケーブル4のコネクタ41が接続され、ケーブル4を介して各光源31に給電される。基板30には、発光ダイオード(LED)を点灯させるためIC33が取り付けられている。
【0033】
また、発光ダイオード(LED)からなる光源31への給電は、どちらか一方のコネクタ32を介して行われ、他方のコネクタ32は、スパンが跨る場合に他の照明装置1との間でケーブル4を介して電気的に接続する場合に用いられる。このように、コネクタ32を介して複数の照明装置1が接続され、1つの電源で複数の照明装置1を点灯させることができるように構成されている。
【0034】
両端のコネクタ32、32は、図2に示すように、図中上下方向で雄型と雌型端子が逆の配置になるように配置されている。
【0035】
ベース10の矩形孔部11、12に嵌め込まれるフラットホルダー2は、図4及び図13に示すように、ブラケット110に係合する断面コ字状の係止部21と孔部11、12に差し込まれる一対の板片からなる差し込み片22で構成されている。
【0036】
差し込み片22は、矩形孔部11、12に差し込まれる際に、撓んで差し込まれ、矩形孔部11、12に差し込み片22が完全に嵌め込まれると、ベース10にフラットホルダー2が取り付けられて固定される。
【0037】
差し込み片22は、図13に示すように、係止部21に対して1つの矩形孔部の幅に対応してずらした位置に設けられている。例えば、左側にずれた差し込み片22が位置する場合には、図4及び図5に示すように、矩形孔部12に差し込み片22を差し込むと、係止部21の差し込み片が設けられていない箇所に孔部11が位置し、ベース10の端面を塞ぐようにしてフラットホルダー2が装着される。
【0038】
逆に、右側にずれた差し込み片22が位置する場合には、矩形孔部11に差し込み片22を差し込むと、係止部21の差し込み片が設けられていない箇所に矩形孔部12が位置し、ベース10の端面を塞ぐようにしてフラットホルダー2が装着される。
【0039】
このように、ベース10の端面を塞ぐようにフラットホルダー2を装着する場合には、図4に示すように、左右で差し込み片22を差し込む孔部11、12を替えることで、同じフラットホルダー2を用いて、ベース10の左右端面に、係止部21を有するフラットホルダー2を取り付けることができる。
【0040】
左右に取り付けたフラットホルダー2の係止部21をそれぞれブラケット110に係止することで、左右のブラケット110に照明装置1を取り付けることができる。
【0041】
陳列棚に対するこの発明の照明装置の取り付け方法につき、図3ないし図6を参照して説明する。
【0042】
図3は、陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す斜視図、図4は、この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図、図5は、この発明の実施形態にかかる照明装置をブラケットに取り付ける状態を示す斜視図、図6は、陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す平面図である。
【0043】
図3ないし図6は、一対のブラケット110、110からなる1つのスパンに照明装置1を取り付けるものである。図3に示すように、適当な間隔をおいて設置された支柱101にそれぞれチャンネル鋼材などからなるサポート部材102をタップねじ(図示しない)を用いて固定し、このサポート部材102に板状のブラケット110を係止する。さらにこのブラケット110上に、この発明の照明装置1が取り付けられた後、ブラケット110上にガラス板などからなる棚板104が載せられる。また、サポート部材102の間には必要に応じてバックボード105が設置される。
【0044】
ブラケット110の後端部には、図示はしないが、上下2段以上のL字型の係止フックが形成され、サポート部材102はこれら係止フックが抜き差しされる上下多段のスリット107と、これらスリット107から内部に挿入された係止フックが上下に移動できる縦溝108とを備える。そして、前記ブラケット110は、サポート部材102の前面に形成されたスリット107から係止フックを挿入してブラケット110を下げるという手順でサポート部材102に係止される。
【0045】
上記のように、サポート部材102に係止された左右一対のブラケット110、110にこの発明の照明装置1を取り付ける。
【0046】
図4に示すように、ベース10の左右端部にフラットホルダー2を装着する。図中上側に位置するフラットホルダー2の差し込み片22は、一点鎖線の矢印で示すように、ベース10の矩形孔部11に差し込み、図中下側に位置するフラットホルダー2の差し込み片22は、一点鎖線の矢印で示すように、ベース10の矩形孔部12に差し込む。このように、フラットホルダー2、2をそれぞれベース10の矩形孔部11、12に差し込んで取り付けると、ベース10の端面がフラットホルダー2、2で覆われる。
【0047】
そして、図5に示すように、ブラケット110、110に上からフラットホルダー2、2の係止部21を嵌め込み、ブラケット110、110にそれぞれフラットホルダー2の係止部21を係止させて、ブラケット110、110にこの発明の照明部材1を取り付ける。なお、使用しないケーブルがある場合には、ベース10の空間に納めて外部に露出しないようにする。
【0048】
さらに、この実施形態では、ブラケット110、110上に載せる棚板104の落下等を防ぐために、ブラケット110、110の先端部に棚板の受け用ホルダ5を装着している。
【0049】
図6に示すように、ブラケット110、110上に棚板104を載せて、基板30に複数のLED光源31が取り付けられたLED照明部材3を有する照明装置1をブラケット110、110間に取り付けることができる。この照明装置1で下段の棚板上の商品等を照明する陳列棚が得られる。
【0050】
このように、この発明の照明装置1は、ベース10に、フラットホルダー2を装着し、フラットホルダー2の係止部21をブラケット110に上から係止することで、簡単にブラケット110、110にLED照明部材3を有する照明装置1を取り付けることができる。
【0051】
また、LED照明部材3は、チャネル状のベース10内に配置されており、外部からは、角材が棚板104の下に位置するだけであり、外観上シンプルで見栄えがよい。
【0052】
さらに、ブラケット110、110の先端側にベース10をフラットホルダー2の係止部21を係止して固定しているので、ブラケット110、110の先端部が固定されることになり、ブラケット110、110の左右の振れが抑制される。
【0053】
次に、スパンが連続する場合に、この発明の照明装置の取り付ける方法につき、図7ないし図12に従い説明する。
【0054】
図7は、連続するスパンに棚板を載置する陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す斜視図、図8は、この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図、図9は、この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図、図10は、この発明の実施形態にかかる照明装置のベースにフラットホルダーを取り付ける状態を示す斜視図、図11は、この発明の実施形態にかかる照明装置を連続するスパンのブラケットに取り付ける状態を示す平面図、図12は、連続するスパンに棚板を載置する陳列棚へこの発明の実施形態にかかる照明装置を取り付けた状態を示す平面図である。
【0055】
スパンが連続する場合には、1つのブラケット110に左右の照明装置1のフラットホルダー2の係止部21が取り付けられることになる。この発明では、ベース10に一対の孔部11、12が設けられており、フラットホルダー2の差し込み片22を差し込む孔部11、12を選択することで、図7に示すように、1つのブラケット110に係止させるフラットホルダー2の位置をずらし、隣り合うベース10が一直線上になるように構成したものである。
【0056】
例えば、図7の右側に位置するベース10においては、図8に示すように、1つのブラケット110に2つのフラットホルダー2が係止される場合に、フラットホルダー2がずれて配置されるように、端面の矩形孔部11にフラットホルダー2の差し込み片22を挿入する。ベース10の端面は矩形孔部12が見える状態でフラットホルダー2が図中右側にずれた状態で取り付けられることになる。図9及び図11に示すように、このベース10の反対側の端面に装着されるフラットホルダー2は、端面部を覆うように、矩形孔部11に差し込み片22を装着する。
【0057】
また、図7の左側に位置するベース10においては、図10及び図11に示すように、ベース10の矩形孔部12にフラットホルダー2の差し込み片22が挿入される。図10、図11に示すように、1つのブラケット110に2つのフラットホルダー2が係止される場合に、両者のフラットホルダー2が互いにずれた状態でベース10にそれぞれ取り付けられているので、両者は重ならずに、2つのベース10、10が直線状に装着することができる。
【0058】
3本のブラケット110で1つの棚104を支持する場合には、図11に示すように、1つのベース10は、同じ矩形孔部11、12にフラットホルダー2の差し込み片22が差し込まれることになる。図11においては、図中下側に位置するベース10は、矩形孔部12にそれぞれフラットホルダー2の差し込み片22を差し込み、図中上側に位置するベース10は、孔部11に、それぞれフラットホルダー2の差し込み片22を差し込むことで、ベース10、1を1直線状に取り付けることができる。
【0059】
更に、多くのスパンで棚板104を支持する場合には、1つのブラケット110に2つのフラットホルダー2が係止される箇所で、互いのフラットホルダー2の係止部21が重ならないように、差し込み片22を差し込む矩形孔部11、12を選択すればよい。
【0060】
このように、ベース10に一対の矩形孔部11、12が設けられており、フラットホルダー2の差し込み片22を差し込む矩形孔部11、12を選択して、1つのブラケット110に2つのフラットホルダー2の係止部21が重ならないように配置する。
【0061】
この結果、ベース10に差し込んだフラットホルダー2を用いて、ブラケット110にベース10を取り付けると、連続するベース10、10が一直線上に配置されることになり、見栄えが良くなるばかりか、照明される位置のバラツキもなくなる。
【0062】
次に、ブラケット110に照明装置を取り付ける他の例につき、図15ないし図19を参照して説明する。
【0063】
図15は、ブラケットに照明装置を取り付ける他の例で用いられるスライダーホルダー示す斜視図、図16は、照明装置のベースの端部に装着されるエンドキャップを示す斜視図、図17は、スライダーホルダーを照明装置のベースに取り付ける状態を示す斜視図、図18は、スライダーホルダーを照明装置のベースに取り付ける状態を示す斜視図、図19は、スライダーホルダーを用いて照明装置をブラケットに取り付ける状態を示す模式図である。
【0064】
図15ないし図19に示すものは、ブラケット110に設けられた孔111を用いてオーバーハング状に照明装置1を固定するものである。このため、ベース10の立壁部15には、スライダーホルダー6が装着される溝13と開口部13aが設けられている。スライダーホルダー7は、左右一組でブラケット110に装着される。
【0065】
図15に示すように、図中(a)と(b)の1組で1つの照明装置1を取り付ける。(a)が左用、(b)が右用である。
【0066】
スライダーホルダー7は、溝13に嵌め込まれるバネ部材で構成された挿入部71と、開口部13aから突出し、孔111に挿入する係合部を有する突片72とブラケット110に係合する断面コ字状の係止部71を有している。さらに、挿入部71には、ねじ孔73を有し、このねじ孔73にねじが螺合される。
【0067】
図17に示すように、ベース10の溝13にスライダーホルダー7の挿入部71の長い方から嵌め込んで挿入する。同じく、逆からもスライダーホルダー7を挿入する。
【0068】
止める位置をある程度決め、図18に示すように、ねじ回し9を用いて図示しないねじで仮止めをする。また、ベース10の端面には、エンドキャップ8を取り付ける。エンドキャップ8は図16に示すように、ベース10の矩形孔部11、12に挿入される突起部81が設けられている。この突起部81をベース10の矩形孔部11、12に挿入してエンドキャップ8を取り付ける。
【0069】
図19に示すように、ブラケット110の孔部111にスライダーホルダー7の突片72の係合部を差し込み、図中矢印の方向に前に倒して、ブラケット110に係止部74を嵌め込み照明装置1をブラケット110で支持する。そして、壁に対してブラケット110が垂直になる位置でスライダーホルダー7のねじを最後まで固定して、照明装置1がブラケット110に固定される。
【0070】
このように、スライダーホルダー7を用いてもブラケット110に照明装置1を取り付けることができるので、陳列棚の用途に応じて、取り付け方法を選択することができる。
【0071】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0072】
1 照明装置
10 ベース
11、12 矩形孔部
13 溝
14 溝
15、16 立壁部
17 底部
18 溝
2 フラットホルダー
21 係止部
22 差し込み片
3 LED照明部材
30 基板
31 光源
32 コネクタ
4 ケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のブラケットに照明装置を係止する陳列棚の照明装置において、
前記照明装置は、
両立壁部と、底部と、底部の立壁部間に形成される開口部とは逆の面に設けられた一対の矩形孔部とを有するベースと、
ベースの立壁部間に取り付けられる発光ダイオードを有する照明部材と、
1つの矩形孔部に差し込まれる差し込み片とブラケットに嵌め込まれる係止部とを有するフラットホルダーと、を備え、
前記ベース両端面に、どちらか一方の矩形孔部にフラットホルダーの差し込み片を差し込み、それぞれ前記ベースにフラットホルダーを取り付け、フラットホルダーの係止部をブラケットに嵌め込み、ベースをブラケットに取り付けたことを特徴とする陳列棚の照明装置。
【請求項2】
前記フラットホルダーの係止部は、前記ベースの端面を塞ぐ大きさに形成され、前記フラットホルダーの差し込み片は、前記係止部に対して1つの矩形孔部の幅に対応してずらした位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の陳列棚の照明装置。
【請求項3】
前記フラットホルダーは、ベースの端面を塞ぐようにして、前記矩形孔部の一方に前記差し込み片が差し込まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の陳列棚の照明装置。
【請求項4】
前記フラットホルダーの差し込み片を差し込む前記矩形孔部を選択して、1つのブラケットに2つのフラットホルダーの係止部が重ならないように配置し、連続するベースを一直線上に配置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の陳列棚の照明装置。
【請求項5】
前記底部は、前記両立壁部に対して、所定の角度を有するテーパー面に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の陳列棚の照明装置。
【請求項6】
前記両立壁部の内面には、LED照明部材の基板が嵌め込まれる溝部が設けられ、この溝部を結ぶ線は、底部のテーパー面と平行に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の陳列棚の照明装置。
【請求項7】
前記両立壁部間の開口部先端の近傍には、集光用レンズが装着される溝部が設けられ、この溝部を結ぶ線は、底部のテーパー面と平行に構成されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の陳列棚の照明装置。
【請求項1】
左右一対のブラケットに照明装置を係止する陳列棚の照明装置において、
前記照明装置は、
両立壁部と、底部と、底部の立壁部間に形成される開口部とは逆の面に設けられた一対の矩形孔部とを有するベースと、
ベースの立壁部間に取り付けられる発光ダイオードを有する照明部材と、
1つの矩形孔部に差し込まれる差し込み片とブラケットに嵌め込まれる係止部とを有するフラットホルダーと、を備え、
前記ベース両端面に、どちらか一方の矩形孔部にフラットホルダーの差し込み片を差し込み、それぞれ前記ベースにフラットホルダーを取り付け、フラットホルダーの係止部をブラケットに嵌め込み、ベースをブラケットに取り付けたことを特徴とする陳列棚の照明装置。
【請求項2】
前記フラットホルダーの係止部は、前記ベースの端面を塞ぐ大きさに形成され、前記フラットホルダーの差し込み片は、前記係止部に対して1つの矩形孔部の幅に対応してずらした位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の陳列棚の照明装置。
【請求項3】
前記フラットホルダーは、ベースの端面を塞ぐようにして、前記矩形孔部の一方に前記差し込み片が差し込まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の陳列棚の照明装置。
【請求項4】
前記フラットホルダーの差し込み片を差し込む前記矩形孔部を選択して、1つのブラケットに2つのフラットホルダーの係止部が重ならないように配置し、連続するベースを一直線上に配置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の陳列棚の照明装置。
【請求項5】
前記底部は、前記両立壁部に対して、所定の角度を有するテーパー面に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の陳列棚の照明装置。
【請求項6】
前記両立壁部の内面には、LED照明部材の基板が嵌め込まれる溝部が設けられ、この溝部を結ぶ線は、底部のテーパー面と平行に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の陳列棚の照明装置。
【請求項7】
前記両立壁部間の開口部先端の近傍には、集光用レンズが装着される溝部が設けられ、この溝部を結ぶ線は、底部のテーパー面と平行に構成されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の陳列棚の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−77572(P2013−77572A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−262383(P2012−262383)
【出願日】平成24年11月30日(2012.11.30)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3157700号
【原出願日】平成21年12月13日(2009.12.13)
【出願人】(593006010)株式会社ロイヤル (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月30日(2012.11.30)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3157700号
【原出願日】平成21年12月13日(2009.12.13)
【出願人】(593006010)株式会社ロイヤル (19)
【Fターム(参考)】
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