説明

陳列装置および陳列システム

【課題】容器を陳列装置に陳列する際に移動中の容器が倒れてしまうことを防止することが可能な陳列装置および陳列システムを提供する。
【解決手段】陳列装置の載置部31では、ロール状部材311aにより容器が容器投入部から容器取り出し部に移動する。ロール状部材311aの上方には、回転自在に保持されている棒部材35a,35b,35c,35dが配設されている。棒部材35a,35b,35c,35dは、容器の移動方向に対して互い違いに配置されている。棒部材35a,35b,35c,35dは、移動中の容器の上部と接触すると、回転力が付与され、回転し、容器が倒れるのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の陳列を行う陳列装置および陳列システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばコンビニエンスストアなどにおいては、飲料缶やペットボトルなど飲料が充填された容器が、例えば陳列ケースに収容された陳列装置に縦置きに載せられて販売される。そしてこのような陳列装置は、例えば、容器自身の自重により陳列ケースの前方に容器が移動するように傾斜した状態で配置される。そして、手前側(最前列)の1つの容器を抜き取ると、後続の容器が自重で手前側に移動する。
ここで陳列装置の容器が載せられる箇所には、容器の滑りの良さから例えばプラスチックの平板が設けられる。また、近年では回転可能なローラを多数配置した陳列装置が出回っている(例えば、特許文献1参照)。また、容器の補充は陳列装置の後方側から行うのが一般的であるが、手前側からの容器の投入を可能とするとともに、奥側に移動した容器が、再度手前側に移動し陳列される陳列装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。即ち、前方側から投入された容器がUターンして戻ってくる陳列装置が提案されている。さらに、容器に関するものとして、缶底に形成された環状凸部の内周壁に、内側凹部と縦リブとが円周方向に交互に形成された缶が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
ところで、容器の外面には、商品名や商標名など他の商品と識別するための標記が設けられるが、この標記が購入者の取り出し方向に向いていないと、商品の識別がしにくくなるとともに、商品の陳列時の見栄えが悪くなる。このため、陳列される容器は、例えば前方側など、標記が所定の方向に向いていることが好ましい。
【0004】
公報記載の従来技術として、容器が載せられる傾斜棚板の上面に、棚板傾斜方向に向けて棒状のガイド凸条を設け、容器の底部に、標記の直下と標記が付された面とは反対側の面の直下とを結ぶ凹状嵌合部を設け、このガイド凸条と凹状嵌合部とを用いて容器を陳列する陳列方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この陳列方法では、標記が前方側を向く姿勢で凹状嵌合部をガイド凸条に嵌合させ、複数の容器を前後に並べる。この結果、標記が前方を向いた状態で容器の陳列が行われる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−155701号公報
【特許文献2】米国特許第6502408号
【特許文献3】特開2000−211624号公報
【特許文献4】特開2006−288676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、補充時に容器が陳列ケース内で陳列場所まで移動する場合には、作業の効率化のために、移動中の容器が倒れないようにする必要がある。しかしながら、容器が横断面矩形で、かつ、一方向の寸法が他方向の寸法よりも小さい場合には、移動中の安定性があまり良くなく、そのために、移動中に容器が倒れてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、容器を陳列装置に陳列する際に移動中の容器が倒れてしまうことを防止することが可能な陳列装置および陳列システムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的のもと、本発明が適用される陳列装置は、容器をスライドさせながら当該容器の取り出し部まで移動させる移動手段と、前記移動手段により移動する際の前記容器の倒れを防止する倒れ防止手段と、を含むものである。
【0009】
ここで、前記倒れ防止手段は、前記容器のスライド動作に応じて作動することで当該容器の倒れを防止することを特徴とすることができる。また、前記倒れ防止手段は、回転自在に保持され、前記容器が前記移動手段により移動する移動方向に関して左右交互に当該容器に接触して作動することで当該容器の倒れを防止することを特徴とすることができる。また、前記倒れ防止手段は、前記容器の移動方向に関して左右交互に配置される回転部材を含んで構成されていることを特徴とすることができる。
【0010】
他の観点から捉えると、本発明が適用される陳列装置は、容器が移動する移動経路と、前記移動経路上に突出し当該移動経路上を移動してくる前記容器に接触するとともに、当該接触後、当該移動経路から退避する突出部と、を含むものである。
【0011】
ここで、前記突出部は、前記移動経路の外に回転軸を有し、前記容器との接触後に当該移動経路から退出し、かつ、当該容器の通過後に当該移動経路に突出することを特徴とすることができる。また、前記突出部は、前記回転軸を下端に有すると共に立設し、容器の正面視で略中央部に接触して当該回転軸を中心に倒れて前記移動経路から退出することを特徴とすることができる。
【0012】
更に本発明を別の観点から捉えると、本発明が適用される陳列システムは、スライドにより取り出し部まで移動される容器と、前記容器が移動する際に当該容器の倒れを防止する倒れ防止手段と、を含むものである。
【0013】
ここで、前記容器は、前記取り出し部まで移動する移動方向の当該容器の寸法である奥行き寸法が幅寸法よりも小さい扁平形状であることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容器を陳列装置に陳列する際に移動中の容器が倒れてしまうことを防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態にて用いられる移動機構の一例としての陳列装置30の概略構成を示した図である。同図(A)は陳列装置30を説明する斜視図であり、同図(B)は陳列装置30が設けられる陳列ケース10を説明する斜視図である。
同図(A)に示すように本実施形態における陳列装置30は、缶体として形成され飲料が内部に充填された容器20(図2参照)が載せられる載置部31と、容器20(図2参照)の移動経路を形成するとともに容器20(図2参照)の移動を案内するガイド32とを備えている。このガイド32は、例えば、その両端部が載置部31に形成された開口33に差し込まれることにより載置部31に固定される。
また、陳列装置30は、透明に形成されるとともに載置部31の一側辺に沿って配置され、容器20の移動を停止させる規制板34を備えている。
【0016】
陳列装置30は、同図(B)に示すように、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどに設置される陳列ケース10の内部に収納される。この陳列ケース10は、直方体状に形成されたケース本体部10Aと、このケース本体部10Aに対して開閉可能に設けられたドア10Bとにより主要部が構成されている。なお、本明細書では、ドア10B側を前方側(前方)と称し、ドア10Bとは反対側を後方側(後方)と称する場合がある。また、陳列ケース10の幅方向(容器20(図2参照)が移動する方向に直交する方向)を横方向、幅方向と称する場合がある。
ここで陳列装置30は、陳列ケース10の内部に設けられた棚(不図示)に載せられる。この際、陳列装置30は、規制板34が設けられた側がドア10B側に位置するように設置される。また、規制板34が設けられた側が、規制板34が設けられた側とは反対側よりも下方に位置するように配置される。すなわち、陳列装置30は、陳列ケース10の後方側から容器20(図2参照)が取り出される前方側(取り出し部側)に向かって下り傾斜した状態で配置される。
【0017】
ここで、本実施形態における陳列ケース10は、後方側にもドアが設けられ(不図示)、後方側も開放可能となっている。そしてこの後方側より陳列装置30に容器20(図2参照)が投入される。すなわち、陳列ケース10の後方側および陳列装置30の後方側に容器20(図2参照)の投入部が設けられた構成となっている。そして、投入された容器20は載置部31上をドア10B側に向かって移動する。すなわち、容器20(図2参照)を購入する購入者側に向かって移動する。
【0018】
図2は、本実施の形態に係る陳列装置30に陳列される容器20を説明する斜視図である。同図(A)は、容器20の斜視図であり、同図(B)は、容器20の平面図である。
同図(A)および(B)に示す容器20は、上部が縮径された所謂ボトルであり、例えばPET(Polyethylene terephthalate)を材料とするものである。容器20は、横断面の形状が略矩形であり、いわゆる扁平ボトルである。さらに説明すると、容器20の移動方向の容器20の寸法である奥行き寸法21bは、幅寸法21aに比べて小さい。このため、容器20は、載置部31をドア10B側に向かって移動する際に前後方向に倒れ易い。
また、容器20は、側部22に識別標記23を有している。なお、容器20は、識別標記23が付されている面を前側にして載置部31を移動する。
【0019】
次に、第1の実施の形態に用いる陳列装置30(図1参照)について詳細に説明する。
図3は、本実施の形態に係る陳列装置30の載置部31を説明する図である。同図(A)は、載置部31の平面図であり、同図(B)は、載置部31の側面図である。
同図(A)に示すように、載置部31は、容器20の移動方向に沿った回転が可能に設けられた移動手段の一例としてのロール状部材311aを複数有している。これらのロール状部材311aは、容器20の移動方向(前後方向)に沿って二列に並べられている。ロール状部材311aは、容器20の底面と接触することによって容器20を保持する。
【0020】
また、同図(B)に示すように、載置部31は、ロール状部材311aと離間し、かつ、ロール状部材311aの上方に、倒れ防止手段の一例としての棒部材(回転部材)35a,35b,35c,35dが配設されている。この棒部材35a,35b,35c,35dは、容器20の移動方向に沿って互い違いに配設されている。すなわち、棒部材35a,35cは、容器20の移動方向(同図の上から下に向かう方向)右側に配設され、また、棒部材35b,35dは、容器20の移動方向左側に配設されている。
詳細は後述するが、棒部材35a,35b,35c,35dは、回転自在に保持されている。そして、容器20は、下方に傾斜している載置部31の上流側に置かれると、自重により載置部31の下流側に向けて移動する。その際に、容器20は、環状の棒部材35a,35b,35c,35dに順次接触する。環状の棒部材35a,35b,35c,35dは、容器20との接触に伴って一方向に回転する。
【0021】
図4は、棒部材35a,35b,35c,35dの作用を説明する図である。同図(A)は、載置部31に容器20を載置した状態の正面図であり、同図(B)はその部分平面図である。また、同図(C)は棒部材35a,35b,35c,35d単体の正面図であり、同図(D)は容器20と棒部材35a,35b,35c,35dとの位置関係を部分的に示す右側面図である。なお、同図(B)では、棒部材35a,35cについて図示しているが、他の棒部材35b,35dは、棒部材35a,35cと同じものゆえ、その図示を省略したものである。
同図(A)に示すように、棒部材35a,35b,35c,35dは、流れくる容器20の肩部に接触するように配置されている。棒部材35a,35b,35c,35dは、回転自在に配置されていて、回転駆動するための駆動源を有しない。具体的に説明すると、同図(B)に示すように、棒部材35a,35cは、移動経路上に突出して配置されている。そして、棒部材35a,35cは、ロール状部材311aによりスライドして移動する容器20に接触すると、棒部材35a,35cの接触した部分が移動経路から退避する。棒部材35a,35cは、移動中の容器20に接触することで容器20から回転力を付与される。その結果、棒部材35a,35cは、一方向(同図(D)参照)に回転し始め、または、回転中のときには停止せずに回転を続けることになる。付言すると、棒部材35a,35b,35c,35dの各々の回転は、独立して行われるものであり、互いに連動して行われるものではない。
棒部材35a,35b,35c,35dは、載置部31に対して移動するものではない。
【0022】
ここで、棒部材35a,35b,35c,35dの各々は、同図(C)に示すように、本体部351と、本体部351から一方向に延在し、陳列装置30側に回転自在に取り付けられる回転軸352とを有する。また、棒部材35a,35b,35c,35dの各々は、回転軸352の延在方向とは逆の方向に本体部351から延在する接触部353,354,355を有する。接触部353,354,355は、同じ方向に延在している。そして、接触部353,354,355の各々は、ローラ356を備えても良い。
同図(D)に示すように、本体部351は、約120度間隔で三方向に延びる形状であり、その端部の各々に、ローラ356を備えている接触部353,354,355が形成されている。接触部353,354,355のいずれかのローラ356が移動している容器20の上部に接触して容器20が倒れることを防止する。さらに説明すると、ローラ356は、接触部353,354,355が容器20に引っ掛かることを防止するためのものである。
【0023】
ここで、接触部353のローラ356と接触部354のローラ356との離間距離Lは、容器20の奥行き寸法21bよりも長い(離間距離L>奥行き寸法21b)。そして、接触部354のローラ356と接触部355のローラ356との離間距離および接触部353のローラ356と接触部355のローラ356との離間距離も同様に、容器20の奥行き寸法21bよりも長い。また、回転軸352は、容器20の肩部よりも高い位置にある。このため、回転中の接触部353,354,355が容器20の移動を妨げることがない。
なお、回転軸352がロール状部材311aの軸方向と略同一の方向(略水平方向、横方向)に延びるように棒部材35a,35b,35c,35dを配置しているが、回転軸352が上下方向(縦方向)に延びるように棒部材35a,35b,35c,35dを配置することも考えられる。
【0024】
本実施の形態の陳列装置30については種々の変形例が考えられる。
図5は、第1の実施の形態の一変形例に係る陳列装置30を説明する図である。同図(A)は、載置部31に容器20を載置した状態の正面図であり、棒部材35a,35cと容器20との位置関係を示す図である。同図(B)はその部分平面図である。同図(C)は、棒部材35b,35dと容器20との位置関係を示す正面図である。
同図に示すように、棒部材35a,35b,35c,35dは、容器20の移動方向に沿って互い違いに配設されている。そして、棒部材35a,35b,35c,35dは、流れくる容器20のキャップ部に接触するように配置されている。なお、棒部材35a,35b,35c,35dを容器20の移動方向に沿っていずれか一方の片側のみ、すなわち、右側だけまたは左側だけに配設されているように構成することも考えられる。
棒部材35a,35b,35c,35dが容器20のキャップ部に接触する構成を採用すると、移動方向前後の容器20同士が互いに接触して流れてくる場合にも、移動中の容器20の倒れをより確実に防止することが可能になる。
【0025】
次に、第2の実施の形態に用いる陳列装置30(図1参照)について詳細に説明する。
図6は、本実施の形態に係る陳列装置30を説明する図である。同図(A)は、陳列装置30の載置部31を容器20が移動している状態の平面図であり、同図(B)は、その側面図である。
本実施の形態では、同図(A)に示すように、載置部31は、容器20が移動する移動経路上に、互いに離間して配設された2つのローラ部311と、2つのローラ部311の間に配設された倒れ防止手段の一例としての起立部312とを備えている。さらに説明すると、起立部312の可動部材312aが容器20と接触することで、容器20の移動速度を遅くして倒れを防止している。なお、本実施の形態では、起立部312を容器20の幅寸法21a(図2(A)参照)の中央部分に接触するように配置しているが、左右交互に配置することも考えられる。
2つのローラ部311は、共通する構造である。2つのローラ部311の各々は、容器20の移動方向に沿って設けられたロール状部材311aを複数有して構成されている。
【0026】
同図(A)に示すように、起立部312は、容器20の移動方向に沿って所定の間隔で設けられた可動部材312aを複数有して構成されている。
また、同図(B)に示すように、起立部312は、可動部材312aの一端部に設けられ、ロール状部材311aよりも下方に位置する回転軸312bを備えている。この回転軸312bについて付言すると、隣り合う回転軸312b同士の中心点を結んで得た直線は、隣り合うロール状部材311aの各々と接する2つの共通外接線のうち上側の共通外接線よりも下側に位置する。
また、起立部312は、可動部材312aを起立する方向に付勢するバネ部材(不図示)を有する。可動部材312aは、可倒構造で構成されている。さらに説明すると、可動部材312aは、通常は起立して移動経路上に突出しているものの、流れくる容器20の下部に接触すると、回転軸312bを回転中心にして容器20の移動方向に倒れて移動経路から退避する。そして、可動部材312aは、容器20が通過して接触しなくなると、バネ部材(不図示)の付勢力によって起立し、接触する前の状態に戻る。
また、本実施の形態では、可動部材312aの回転軸312bがロール状部材311aの回転軸と略同一の方向となるように、可動部材312aを配置しているが、可動部材312aの回転軸312bが延びる方向が上下方向となるように可動部材312aを配置することも考えられる。その場合にも、可動部材312aの回転軸312bは、移動経路外に位置するものである。
【0027】
本実施の形態の陳列装置30については種々の変形例が考えられる。
図7は、第2の実施の形態の一変形例に係る陳列装置30の載置部31を容器20が移動している状態の側面図である。なお、この変形例では、基本的な構成が本実施の形態の場合と共通するため、その説明を省略する。
同図に示す変形例では、可動部材312aが、容器20の移動方向上流側(同図の右側)に円弧形状部分を備えている。この円弧形状部分は、回転軸312bから離れるに従って容器20の移動方向上流側に位置するように形成されている。また、可動部材312aは、円弧形状部分に複数のローラを備えている。
また、可動部材312aの上端Uは、容器20の重心位置Gよりも上方である。すなわち、可動部材312aは容器20の重心位置Gよりも上方の位置で容器20に接する。したがって、それまで円滑に移動している容器20が可動部材312aと接することによって円滑移動が妨げられてしまうという事態を防止することが可能になる。
【0028】
図8は、第2の実施の形態の別の変形例に係る陳列装置30の載置部31を容器20が移動している状態の側面図である。なお、この変形例では、基本的な構成が本実施の形態の場合と共通するため、その説明を省略する。
同図に示す変形例では、可動部材312aが、容器20の移動方向上流側(同図の右側)に複数のローラを備えている。そして、可動部材312aは、容器20の移動方向上流側に傾斜して立設している。また、可動部材312aの上端Uは、容器20の重心位置Gよりも上方である。したがって、図7に示す変形例と同様に、容器20の円滑な移動を確保することが可能になる。
【0029】
第3の実施の形態に用いる陳列装置30(図1参照)について詳細に説明する。
図9は、本実施の形態に係る陳列装置30を説明する図である。同図(A)は、陳列装置30の載置部31を容器20が移動している状態の平面図であり、同図(B)は、その側面図である。
本実施の形態では、同図(A)に示すように、載置部31は、第1の実施の形態の場合(図3参照)と同様であり、ロール状部材311aを複数有している。
また、図9(B)に示すように、載置部31の上方には、容器20の移動方向に沿って所定間隔で設けられた倒れ防止手段の一例としての垂下部材36が配置されている。この垂下部材36は、上部が陳列装置30に固定されていて、下部が自由に移動できるように構成されている。垂下部材36は、所謂すだれ状のものであり、例えば板状部材又は紐状部材等を用いることが考えられる。流れくる容器20の上部に垂下部材36が接すると、垂下部材36の下部は、容器20の移動方向に動く。このようにして、垂下部材36は、容器20が移動中に倒れることを防止する。
【0030】
このように、上述した第1ないし第3の実施の形態によれば、移動中の容器20に棒部材35a,35b,35c,35d、可動部材312aまたは垂下部材36が接することで容器20が倒れるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施形態にて用いられる陳列装置の概略構成を示した図である。
【図2】陳列装置に陳列される容器を説明する斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る陳列装置の載置部を説明する図である。
【図4】棒部材の作用を説明する図である。
【図5】第1の実施の形態の一変形例に係る陳列装置を説明する図である。
【図6】第2の実施の形態に係る陳列装置を説明する図である。
【図7】第2の実施の形態の一変形例に係る陳列装置の載置部を容器が移動している状態の側面図である。
【図8】第2の実施の形態の別の変形例に係る陳列装置の載置部を容器が移動している状態の側面図である。
【図9】第3の実施の形態に係る陳列装置を説明する図である。
【符号の説明】
【0032】
20…容器、23…識別標記、30…陳列装置、311a…ロール状部材、312a…可動部材、312b…回転軸、35a,35b,35c,35d…棒部材、351…本体部、352…回転軸、353,354,355…接触部、36…垂下部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器をスライドさせながら当該容器の取り出し部まで移動させる移動手段と、
前記移動手段により移動する際の前記容器の倒れを防止する倒れ防止手段と、
を含む陳列装置。
【請求項2】
前記倒れ防止手段は、前記容器のスライド動作に応じて作動することで当該容器の倒れを防止することを特徴とする請求項1に記載の陳列装置。
【請求項3】
前記倒れ防止手段は、回転自在に保持され、前記容器が前記移動手段により移動する移動方向に関して左右交互に当該容器に接触して作動することで当該容器の倒れを防止することを特徴とする請求項1または2に記載の陳列装置。
【請求項4】
前記倒れ防止手段は、前記容器の移動方向に関して左右交互に配置される回転部材を含んで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の陳列装置。
【請求項5】
容器が移動する移動経路と、
前記移動経路上に突出し当該移動経路上を移動してくる前記容器に接触するとともに、当該接触後、当該移動経路から退避する突出部と、
を含む陳列装置。
【請求項6】
前記突出部は、前記移動経路の外に回転軸を有し、前記容器との接触後に当該移動経路から退出し、かつ、当該容器の通過後に当該移動経路に突出することを特徴とする請求項5に記載の陳列装置。
【請求項7】
前記突出部は、前記回転軸を下端に有すると共に立設し、容器の正面視で略中央部に接触して当該回転軸を中心に倒れて前記移動経路から退出することを特徴とする請求項6に記載の陳列装置。
【請求項8】
スライドにより取り出し部まで移動される容器と、
前記容器が移動する際に当該容器の倒れを防止する倒れ防止手段と、
を含む陳列システム。
【請求項9】
前記容器は、前記取り出し部まで移動する移動方向の当該容器の寸法である奥行き寸法が幅寸法よりも小さい扁平形状であることを特徴とする請求項8に記載の陳列システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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