隅棟屋根構造
【課題】 隅棟屋根構造で、隅棟平板三角瓦Cの内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、施工現場で、カッターで一枚ずつカットする。しかし、この方法では、手間がかかり、かつ粉塵公害と、その廃材に対する処理が大変であり、昨今の資源の有効利用と、施工の簡略化、さらには地球環境の保護等の面から、その改良と、ゼロミッションの要望に応え得る構造が必要とされている。
【構成】 4・4.5・5寸勾配に対応できる、利き幅寸法と、利き足寸法が、JIS規格化された平板瓦40枚判を使用する隅棟屋根構造で、隅棟平板三角瓦Cの内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとし、また、各勾配に対応し、利き足寸法を、275mm等に調整して葺設し、かつ隅棟平板瓦Aと、隅棟平板瓦Bを、屋根の棟方向の各段に対応して、調整し、葺設する。
【構成】 4・4.5・5寸勾配に対応できる、利き幅寸法と、利き足寸法が、JIS規格化された平板瓦40枚判を使用する隅棟屋根構造で、隅棟平板三角瓦Cの内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとし、また、各勾配に対応し、利き足寸法を、275mm等に調整して葺設し、かつ隅棟平板瓦Aと、隅棟平板瓦Bを、屋根の棟方向の各段に対応して、調整し、葺設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隅棟屋根構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、隅棟屋根構造において、この隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は(地割の関係で)、施工現場(屋根葺き現場)において、カッターで一枚ずつカットすることで対応していた。しかし、この方法では、手間がかかり、かつ粉塵公害と、その廃材に対する処理が大変であり、昨今の資源の有効利用と、施工の簡略化、さらには地球環境の保護等の面から、その改良と、ゼロミッションの要望に応え得る隅棟屋根構造が必要とされている。
【0003】
この改良と、要望に応え得る隅棟屋根構造を、従来の技術から検討すると、下記のような優れた発明が挙げられるので、以下、順をおって説明する。
【0004】
文献(1)は、特開平9−88246の「寄棟建屋の隅棟部葺工法」であり、この発明は、一列群に、隅棟瓦に隣接して平板棧瓦を葺工し、二列群に、隅棟瓦に隣接して七分平板棧瓦を葺工し、三列群に、隅棟瓦に隣接して二枚の七分平板棧瓦を葺工し、この一列群〜三列群を、1レピートとする葺設工法であり、また、一列群に、隅棟瓦に隣接して平板棧瓦を葺工し、二列群に、隅棟瓦に隣接して五分平板棧瓦を葺工し、この一列群、二列群を、1レピートとする葺設工法であり、を開示する構造である。そして、この一列群〜三列群と、この一列群、二列群は、勾配に準じて、利き足を調整可能とすることも、付記的に記載されている。しかし、七分平板棧瓦と、五分平板棧瓦(調整瓦)の利き足の調整を如何にするか、また、また、この平板棧瓦及び/又は調整瓦の利き足と、勾配との関係を如何にするか、具体的な開示と、実施例の記載がなく、実用に即さないことが考えられる。
【0005】
また、文献(2)は、特開2006−194070の「瓦の葺設方法」であり、この発明は、隅棟平板三角瓦(瓦3)の内側に、順次、葺設される調整瓦(4、4a・・・・・E)を葺設するに際し、この調整瓦(4)を、棧瓦(1)の1/2利き幅と、1/3利き幅とする構造であり、この調整瓦(4)を地割り寸法に対応して、ランダムに組合せて葺設する方法である。しかし、この発明は、文献(1)と、同じ問題点を抱えている。
【0006】
さらに、文献(3)は、特開2006−183309の「隅棟の葺上工法」であり、この発明は、 JIS A 5208に規定するF型の棧瓦と、斜めにプレカットして成形した隅棟瓦と、棧瓦の1/3及び2/3の瓦幅で成形した二種類の調整隅棟瓦を用いて4.5/10勾配の屋根の瓦葺きを、上下三段の瓦を1パターンにした繰返し葺設する工法である。この発明は、棧瓦と、この棧瓦をカットし、調整瓦として葺設する工法ではない。
【0007】
また、文献(4)は、特開平8−109708の「瓦及び瓦葺き方法」であり、この発明は、次の5種類の調整瓦を葺設する方法であり、モジュール長さを1辺とする正方形の瓦本体部、及び水上側の上方接続部、並びに一側の側方接続部からなる棧瓦(1)と、瓦本体部、及び上方接続部、側方接続部、並びに隅瓦接続部からなる両棧瓦(3)と、瓦本体部の半分の半瓦本体部、及び上方接続部、並びに側方接続部からなる半瓦(2)と、半瓦本体部、及び上方接続部、側方接続部、並びに隅瓦接続部からなる両桟半瓦(4)と、瓦本体部の対角線で切断された谷瓦本体部、及び隅瓦接続部からなる谷瓦(5)と、谷瓦本体部、及び上方接続部、並びに側方接続部からなる側方接続部付き谷瓦(6)と、瓦本体部が対角線で折曲された廻り隅瓦(7)を組合せてなる瓦の葺き方法である。しかし、この発明は、文献(1)と、同じ問題点を抱えている。また、5種類の調整瓦を採用することから、準備及び/又は施工の複雑化を招来する虞がある。
【0008】
【特許文献1】特開平9−88246
【特許文献2】特開2006−194070
【特許文献3】特開2006−183309
【特許文献4】特開平8−109708
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
文献(1)、文献(2)、文献(4)に関しては、調整瓦の利き足の調整を如何にするか、また、この平板棧瓦(平板瓦)及び/又は調整瓦の利き足と、勾配との関係を如何にするか、具体的な開示と、実施例の記載がなく、実用に即さないことが考えられる。これに鑑み、本発明は、平板瓦及び/又は調整瓦の利き足と、勾配との関係を提案することで、実用に即し、かつ雨仕舞と、屋根の重量バランス、又は耐震・耐風効果が期待できる隅棟屋根構造を提供することを意図する。
【0010】
尚、文献(4)は、調整瓦の種類が多く、取扱、準備及び/又は施工の複雑化を招来する虞がある。これに鑑み、本発明は、少ない枚数の調整瓦で、隅棟屋根構造を葺設することを意図する。
【0011】
また、文献(3)は、二種類の調整隅棟瓦を用いて4.5/10勾配の屋根の瓦葺きを、上下三段の瓦を1パターンにした繰返し葺設する工法である。しかし、この発明は、切り代を備えた隅棟瓦と、前記上下三段の瓦を1パターンとした葺設工法である。従って、本発明が意図する隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦を、利き幅寸法が、306mm(隅棟平板瓦A)と、利き幅寸法が、204mm(隅棟平板瓦B)で、「平板瓦及び/又は調整瓦の利き足と、勾配との関係」を利用して葺設する工法ではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、平板瓦及び/又は調整瓦の利き足と、勾配との関係を提案することで、実用に即し、かつ雨仕舞と、屋根の重量バランス、又は耐震・耐風効果が期待できる隅棟屋根構造を提供することを意図する。また、請求項1の発明は、少ない枚数の調整瓦で、隅棟屋根構造を葺設することを意図する。さらに、請求項1の発明は、施工現場でのカットを最小限として、全ての動作、施工等の簡略化と、粉塵公害の解消、及び/又は、その廃材に対する処理を皆無とすること、そして、昨今の資源の有効利用と、施工の簡略化、さらには地球環境の保護と、ゼロミッションの要望に応え得る隅棟屋根構造を提供することを意図する。
【0013】
請求項1は、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる、利き幅寸法と、利き足寸法が、JIS規格化された平板瓦40枚判を使用する隅棟屋根構造であり、
この隅棟屋根構造の隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとし、
前記4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応して、その利き足寸法を、275mm、280mm、又は285mmに調整して葺設するとともに、前記隅棟平板瓦Aと、前記隅棟平板瓦Bを、屋根の棟方向の各段に対応して、必要により、この隅棟平板瓦Aの利き幅寸法を、306mmを基準に調整し、かつこの隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を、204mmを基準に調整し、この調整を介して、この隅棟平板瓦A・Bを、前記各段にそれぞれ葺設することを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1に記載の目的を達成し、実際の葺設において、隅棟平板瓦A・Bの利き幅寸法の調整寸法を規定することを意図する。
【0015】
請求項2は、請求項1に記載の隅棟屋根構造であって、
前記屋根の棟方向の各段に対応して、この隅棟平板瓦Aの利き幅寸法を、306mmを基準に調整し、かつ隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を、204mmを基準に調整し、それぞれ葺設するが、次の要領で、調整して葺設することを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0016】
4寸勾配は、
【0017】
4.5寸勾配は、
【0018】
5寸勾配は、
【0019】
請求項3の発明は、請求項1、又は請求項2に記載の目的を達成し、実際の葺設において、隅棟を最終仕上げするために、最適な調整廻り隅瓦を葺設することを意図する。
【0020】
請求項3は、請求項1、又は請求項2に記載の隅棟屋根構造であって、
前記隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを葺設するとともに、この隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)に、前記4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる調整廻り隅瓦を葺設することを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1、又は請求項2に記載の目的を達成し、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの引掛け、係止片等は、正規の位置(JIS規格化された平板瓦40枚判と同じ位置)に設けられているので、屋根に葺設されるJIS規格化された平板瓦40枚判と、略同じ、機能と、特徴を発揮できるようにすることを意図する。
【0022】
請求項4は、請求項1、又は請求項2に記載の隅棟屋根構造であって、
前記隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとする構成であり、また、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側端部裏面に、横棧係止用の引掛けを、また、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側端部表面、又はこの尻側端部表面の内側に、それぞれ係止片を、さらに隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの差込み側の頭側端部の端縁、又は棧山側、或いは頭側端部の内側に、係止片受け部を設けることを特徴とした隅棟屋根構造である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明は、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる、利き幅寸法と、利き足寸法が、JIS規格化された平板瓦40枚判を使用する隅棟屋根構造であり、
隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとし、
4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応して、利き足寸法を、275mm、280mm、又は285mmに調整して葺設するとともに、隅棟平板瓦Aと、隅棟平板瓦Bを、屋根の棟方向の各段に対応して、必要により、隅棟平板瓦Aの利き幅寸法を、306mmを基準に調整し、かつ隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を、204mmを基準に調整し、調整を介して、隅棟平板瓦A・Bを、各段にそれぞれ葺設することを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0024】
従って、請求項1は、平板瓦及び/又は調整瓦の利き足と、勾配との関係を提案することで、実用に即し、かつ雨仕舞と、屋根の重量バランス、又は耐震・耐風効果が期待できる隅棟屋根構造を提供できる特徴がある。また、請求項1は、少ない枚数の調整瓦で、隅棟屋根構造を葺設できる実益がある。さらに、請求項1は、施工現場でのカットを最小限として、全ての動作、施工等の簡略化と、粉塵公害の解消、及び/又は、その廃材に対する処理が皆無となること、そして、昨今の資源の有効利用と、施工の簡略化、さらには地球環境の保護と、ゼロミッションの要望に応え得る隅棟屋根構造を提供できる特徴がある。
【0025】
請求項2の発明は、請求項1に記載の隅棟屋根構造であって、
屋根の棟方向の各段に対応して、隅棟平板瓦Aの利き幅寸法を、306mmを基準に調整し、かつ隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を、204mmを基準に調整し、それぞれ葺設するが、次の要領で、調整して葺設することを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0026】
4寸勾配は、
【0027】
4.5寸勾配は、
【0028】
5寸勾配は、
【0029】
従って、請求項2は、請求項1に記載の目的を達成できること、実際の葺設において、隅棟平板瓦A・Bの利き幅寸法の調整寸法を規定できること等の特徴を有する。
【0030】
請求項3の発明は、請求項1、又は請求項2に記載の隅棟屋根構造であって、
隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを葺設するとともに、隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)に、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる調整廻り隅瓦を葺設することを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0031】
従って、請求項3は、請求項1、又は請求項2に記載の目的を達成できること、実際の葺設において、隅棟を最終仕上げするために、最適な調整廻り隅瓦を葺設できること等の特徴を有する。
【0032】
請求項4の発明は、請求項1、又は請求項2に記載の隅棟屋根構造であって、
隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとする構成であり、また、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側端部裏面に、横棧係止用の引掛けを、また隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側端部表面、又は尻側端部表面の内側に、それぞれ係止片を、さらに隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの差込み側の頭側端部の端縁、又は棧山側、或いは頭側端部の内側に、係止片受け部を設けることを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0033】
従って、請求項4は、請求項1、又は請求項2に記載の目的を達成し、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの引掛け、係止片等は、正規の位置(JIS規格化された平板瓦40枚判と同じ位置)に設けられているので、屋根に葺設されるJIS規格化された平板瓦40枚判と、略同じ、機能と、特徴を発揮できること等の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明の一例を説明する。
【0035】
図面の説明をすると、図1は、寄棟屋根(家棟屋根)の俯瞰図、図2は、4寸勾配で葺設した平板瓦と、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B、並びに隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)を図示した拡大俯瞰図と図表、図3は、4.5寸勾配で葺設した平板瓦と、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B、並びに隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)を図示した拡大俯瞰図と図表、図4は、5寸勾配で葺設した平板瓦と、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B、並びに隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)を図示した拡大俯瞰図と図表、そして、図5−1は、三点廻り隅瓦の拡大平面図、図5−2は、二点廻り隅瓦の一例の拡大平面図、図5−3は、二点廻り隅瓦の他の一例の拡大平面図、図5−4は、一体型廻り隅瓦の平面図、また、図6−1は、平板瓦の係止片と、係止受け部等の一例を示したさらに拡大した平面図、図6−2は、図6−1の裏面図、図7−1は、平板瓦の係止片と、係止受け部等の他の一例を示したさらに拡大した平面図、図7−2は、図7−1の裏面図、図8は寄棟屋根の俯瞰図を利用した計算式用の図である。
【0036】
本発明は、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる、利き幅寸法と、利き足寸法が、JIS規格化された平板瓦40枚判を使用する隅棟屋根構造であり、この4寸勾配は、利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が275mmでなり、またこの4.5寸勾配は、利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が280mmでなり、さらにこの5寸勾配は、利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が285mmでなる構造である。そして、本発明が、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配の屋根を、基本とするのは、雨水の流れ方向(棟から軒先方向:のぼり方向)の重ね代(葺合せ代)を、確保することで、雨水の遡上防止と、屋根瓦の枚数の減少化と、屋根重量の軽量化、並びに耐震・耐風雨効果を確保することにある(この特徴と構造は、順次、説明する)。そして、また、屋根勾配及び/又は伸び率と、屋根面の桁方向(ゆき方向)と流れ方向の寸法を、予め演算することで、本発明が目的とする瓦のカットをなくし、かつ廃材を略0とすることが可能となり、極めて有益かつ合理的である。さらに、この屋根勾配を、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配とすることで、後述する各構造との相乗効果で、耐震効果を発揮できる。
【0037】
続いて、本発明の好ましい、各勾配の実施例を、個別に説明する。
[1] 4寸勾配の平板瓦が、利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が275mmにおいて、図2の如く、隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦B(B/A=2/3)を基準(基本)として、各段において、隅棟平板瓦Aと隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を順次、調整する。尚、この例では、3段を始めとして、その倍数段は、隅棟平板瓦Bを二枚葺設し、図示しない大型の隅棟平板瓦の使用を回避するとともに、成形、取扱い、在庫管理等の簡略化と、低コスト化、又は地球環境維持に役立てること等を意図する。そして、この一例では、図示が1段〜13段であり、また、数値を20段の例で示しており、単純に説明すると、上段に行くにしたがって、利き幅寸法を調整する(広くする)。この調整を利用することで、例えば、地割り寸法に対応可能となること、また、隅棟の体裁の確保と、雨仕舞の確保、並びに隅棟平板瓦A・Bの葺設枚数の減少化(又は省略化)を介して、屋根瓦重量の軽量化が図れること、また、これにより、耐震効果の有効性に寄与すること、等を意図する。尚、各段の隅棟平板瓦Aと隅棟平板瓦Bの利き幅寸法の調整数値は、図表に示した例が、三パターン方式で、重ね代(隅棟平板瓦A・Bの利き幅寸法調整を図る)の最も好ましい一例であるが、原則として、限定されない。そして、本発明の共通の特徴は、隅棟平板三角瓦C(少なくとも、利き幅寸法)と、隅棟側の平板瓦1(利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が275mm)は、夫々全て同じ大きさとし、この隅棟平板三角瓦Cと、隅棟側の平板瓦1で形成される隙間(地割に沿った葺設でできる隙間)に、前記利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、前記利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを、リピートして、葺設することである。これによって、地割に沿って正確な葺設と、雨仕舞の有効性の確保と、屋根瓦の減少化・軽量化と、これに基づく、耐震効果(瓦のズレ防止、飛散防止等)の拡充及び/又は修理の減少化が図れること等の特徴がある。尚、この例における408mmは、原則として、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを、二枚併設するが、簡易な葺設、また、雨仕舞の有効性の確保と、屋根瓦の減少化、軽量化を図ることもできる。しかし、場合により、一枚構造として、例えば、利便性、迅速化、又は簡易な葺設、雨仕舞の有効性等を図ることもできる。
[2] 4.5寸勾配の平板瓦が、利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が280mmにおいて、図3の如く、隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦B(B/A=2/3)を基準として、各段において、隅棟平板瓦Aと隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を順次、調整する。そして、前述と同様に、本発明の特徴は、隅棟平板三角瓦C(少なくとも、利き幅寸法)と、隅棟側の平板瓦1(利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が280mm)は、夫々全て同じ大きさとし、この隅棟平板三角瓦Cと、隅棟側の平板瓦1で形成される隙間に、前記利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、前記利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを、リピートして、葺設することである。その特徴は、前述の例と同じである。尚、この例における408mmは、原則として、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを、二枚併設するが、簡易な葺設、また、雨仕舞の有効性の確保と、屋根瓦の減少化・軽量化を図ることもできる。しかし、場合により、一枚構造として、例えば、利便性、迅速化、又は簡易な葺設、雨仕舞の有効性等を図ることもできる。その他は、前述の[1]の例に準ずる。
[3] 5寸勾配の平板瓦が、利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が285mmにおいて、図4の如く、隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦B(B/A=2/3)を基準として、各段において、隅棟平板瓦Aと隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を順次、調整する。そして、前述と同様に、本発明の特徴は、隅棟平板三角瓦C(少なくとも、利き幅寸法)と、隅棟側の平板瓦1(利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が285mm)は、夫々全て同じ大きさとし、この隅棟平板三角瓦Cと、隅棟側の平板瓦1で形成される隙間を、前記利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、前記利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを、リピートして、葺設することである。その特徴は、前述の例と同じである。尚、この例における408mmは、原則として、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを、二枚併設するが、簡易な葺設、また、雨仕舞の有効性の確保と、屋根瓦の減少化・軽量化を図ることもできる。しかし、場合により、一枚構造として、例えば、利便性、迅速化、又は簡易な葺設、雨仕舞の有効性等を図ることもできる。その他は、前述の[1]の例に準ずる。
【0038】
そして、平板瓦1(隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bも準ずる)の好ましい一例を、図6−1、図6−2では、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側1aの端部1a−1で、その裏面101に、横棧係止用の引掛け2(従来と同様な構造の引掛け2)を形成する。また、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側1aの端部1a−1で、その表面100に、係止片3(防災フック)を形成する。そして、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの差込み側4の頭側1bの端部1b−1で、流れ方向の端縁4aには、係止片受け部5を形成する。そして、前記引掛け2は、屋根地の横棧(図示せず)に引掛けられ、主として、流れ方向のズレ防止と、飛散防止等に有効である。また係止片3は、他の隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの係止片受け部5に、係止される構造(係止関係)であり、この係止(ロック)を介して、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B及び/又は他の隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの飛散防止と、ズレ防止、又は耐震、耐風雨効果を図る構造である。そして、この係止片3と、係止片受け部5の確実、かつ安定した係止(係止状態)を図りつつ、屋根瓦及び/又はその相互間の耐震・耐風雨等の効果を発揮するには、通常、この係止片3が、係止片受け部5に、係止、かつ接触する長さ(屋根の雨水の流れ方向の長さ)が、少なくとも、10mm程度必要とされている。そして、本発明では、この10mm程度の係止を確保し、例えば、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bと、前記平板瓦1、又は隅棟平板三角瓦C(場合によりあり得る)の係止関係、又は、必要により、隅棟平板瓦Aと隅棟平板瓦Bの相互間の係止関係を図るために(確保するために)、屋根の勾配を、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配の範囲とする。この勾配範囲であると、前記10mm程度の係止と、かつ接触する長さが確保でき、その効果が最大に発揮できる特徴がある。但し、隅棟平板瓦Bを二枚葺設施工では、この隅棟平板瓦Bの係止片3と係止片受け部5の位置関係を調整する必要もあり得る(図示せず)。尚、本発明は、引掛け2と横棧との確実な係止を図るために、屋根の勾配を、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配の範囲とする。
【0039】
また、平板瓦1の好ましい他の一例を、図7−1、図7−2では、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側1aの端部1a−1で、その裏面101に、横棧係止用の引掛け2を形成する。また、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側1aの端部1a−1で、その表面100の内側に、係止片3を形成する。そして、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの棧山側6の端部6aの内側、又は頭側1bの端部1b−1の内側に、係止片受け部5を設ける。そして、前記引掛け2は、屋根地の横棧(図示せず)に引掛けられ、主として、流れ方向のズレ防止と、飛散防止等に有効である。また係止片3は、他の隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの係止片受け部5に、係止される構造であり、この係止(ロック)を介して、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B及び/又は他の隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの飛散防止と、ズレ防止、又は耐震、耐風雨効果を図る構造である。その他は、前述の図6−1、図6−2に示した一例に準ずる。
【0040】
尚、この図6−1、図6−2と、図7−1、図7−2で示した、係止片3と、係止片受け部5の構造は、一例であり、同じような機能及び/又は作用を図る構成であれば、本発明において採用できる。また、以上の例は、千鳥葺きの隅棟屋根構造を説明したが、筋葺き隅棟屋根構造の例にも、本発明の構造(思想)は、採用可能である。
【0041】
次に、図5−1は、三点廻り隅瓦の拡大平面図、図5−2は、二点廻り隅瓦の一例の拡大平面図、図5−3は、二点廻り隅瓦の他の一例の拡大平面図、図5−4は、一体型廻り隅瓦の平面図について説明する、先ず、図5−1は、三点廻り隅瓦D1の拡大平面図では、隅棟冠瓦10と、この隅棟冠瓦10に隣接する、それぞれ外端部11a、12aに差込み部及び潜り込み部を備えた三角左右隅瓦片11、12で構成したものであり、軒先の左右の隅棟平板瓦A(場合により隅棟平板瓦B)に差込み、又は重ね(覆い)葺きされる。そして、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応して、隅棟冠瓦10の尻側10aを頭側10b方向に、カットするか、又は予め成形する(カット等とする)ことも可能である。そして、図中に、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応したカット線の一例を図示した。尚、他の例として、三角左右隅瓦片11、12の内端部11b、12b(対峙側)を、隅棟冠瓦10の頭側10b方向に、カット等することもあり得る。また、三角左右隅瓦片11、12の内端部11b、12bに、差込み部(図示せず)を設け、隅棟冠瓦10に潜り込ませることも可能である。図5−2は、二点廻り隅瓦D2の拡大平面図では、それぞれ外端部11a、12aに差込み部及び潜り込み部を備えた、センターを外して半截した三角左右隅瓦片11、12で構成したものであり、軒先の左右の隅棟平板瓦A(場合により隅棟平板瓦B)に差込み、又は重ね(覆い)葺きされる。そして、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応して、三角左右隅瓦片11、12の内端部11b、12bをカット等することも可能である。そして、図中に、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応したカット線の一例を図示した。その他は、原則として、前述の図5−1の例に準ずる。また、図5−3は、二点廻り隅瓦D2−1の拡大平面図では、それぞれ外端部11a、12aに差込み部及び潜り込み部を備えた、センターで半截した三角左右隅瓦片11、12で構成したものであり、この例は、前述の図5−2の例に準ずる。さらに、図5−4は、方形状の一体型廻り隅瓦D3を示したものであり、この尻側11c、12cをカット等することも可能である。そして、図中に、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応したカット線の一例を図示した。
【0042】
次に、図8に示した寄棟屋根の俯瞰図を利用した計算式用の図を基に、屋根に葺設される屋根瓦の重量を積算する。その要件は、(イ) 雨仕舞、及び耐震・耐風雨効果を達成するに要する重なり代、(ロ) 屋根Rの瓦の枚数、(ハ) 面積を基にして説明すると、
平板瓦1の枚数は、
O+P=(40+13)÷2×16×2=848枚
Q+R= 26÷2×16×2=416枚
合計 1264枚
屋根面積
O+P=(12m+4m)÷2×4.5m×2=72m2
Q+R= 8m÷2×4.5m×2=36m2
合計 108m2
そして、重なり代は、通常、屋根勾配1寸に対して、10mmと考えられている。従って、この重なり代の重量は、
平板瓦1の一枚の重量が、3800g×10mm/350mm=108g
以上のことから、平板瓦1の1264枚を使用するこの例の寄棟屋根では、その重なり代の重量は、
1264枚×108g=136512g(約136kg)「(屋根坪数1264枚÷40枚=31.6坪)」
この重なり代を確保するには、本発明の平板瓦1、隅棟平板瓦Aと、隅棟平板瓦B、又は隅棟平板三角瓦Cで形成される屋根の勾配を、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配とすることが望ましく、かつその利き足を、275mm、280mm、又は285mmの範囲とする。この構造を守ることで、例えば、耐震・耐風雨、並びに雨仕舞の有効性が確保できること、屋根瓦の減少化・軽量化と、これに基づく、耐震効果(瓦のズレ防止、飛散防止等)の拡充及び/又は修理の減少化が図れること、又は人災、物損の減少化が図れること等の実益が或る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、寄棟屋根(家棟屋根)の俯瞰図
【図2】図2は、4寸勾配で葺設した平板瓦と、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B、並びに隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)を図示した拡大俯瞰図と図表
【図3】図3は、4.5寸勾配で葺設した平板瓦と、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B、並びに隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)を図示した拡大俯瞰図と図表
【図4】図4は、5寸勾配で葺設した平板瓦と、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B、並びに隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)を図示した拡大俯瞰図と図表
【図5−1】図5−1は、三点廻り隅瓦の拡大平面図
【図5−2】図5−2は、二点廻り隅瓦の一例の拡大平面図
【図5−3】図5−3は、二点廻り隅瓦の他の一例の拡大平面図
【図5−4】図5−4は、一体型廻り隅瓦の拡大平面図
【図6−1】図6−1は、平板瓦の係止片と、係止受け部等の一例を示したさらに拡大した平面図
【図6−2】図6−2は、図6−1の裏面図
【図7−1】図7−1は、平板瓦の係止片と、係止受け部等の他の一例を示したさらに拡大した平面図
【図7−2】図7−2は、図7−1の裏面図
【図8】図8は寄棟屋根の俯瞰図を利用した計算式用の図
【符号の説明】
【0044】
A 隅棟平板瓦
B 隅棟平板瓦
C 隅棟平板三角瓦
D1 三点廻り隅瓦
D2 二点廻り隅瓦
D2−1 二点廻り隅瓦
D3 一体型廻り隅瓦
1 平板瓦
100 表面
101 裏面
1a 尻側
1a−1 端部
1b 頭側
1b−1 端部
2 引掛け
3 係止片
4 差込み側
4a 端縁
5 係止片受け部
6 棧山側
6a 端部
10 隅棟冠瓦
10a 尻側
10b 頭側
11 三角左隅瓦片
11a 外端部
11b 内端部
11c 尻側
12 三角右隅瓦片
12a 外端部
12b 内端部
12c 尻側
【技術分野】
【0001】
本発明は、隅棟屋根構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、隅棟屋根構造において、この隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は(地割の関係で)、施工現場(屋根葺き現場)において、カッターで一枚ずつカットすることで対応していた。しかし、この方法では、手間がかかり、かつ粉塵公害と、その廃材に対する処理が大変であり、昨今の資源の有効利用と、施工の簡略化、さらには地球環境の保護等の面から、その改良と、ゼロミッションの要望に応え得る隅棟屋根構造が必要とされている。
【0003】
この改良と、要望に応え得る隅棟屋根構造を、従来の技術から検討すると、下記のような優れた発明が挙げられるので、以下、順をおって説明する。
【0004】
文献(1)は、特開平9−88246の「寄棟建屋の隅棟部葺工法」であり、この発明は、一列群に、隅棟瓦に隣接して平板棧瓦を葺工し、二列群に、隅棟瓦に隣接して七分平板棧瓦を葺工し、三列群に、隅棟瓦に隣接して二枚の七分平板棧瓦を葺工し、この一列群〜三列群を、1レピートとする葺設工法であり、また、一列群に、隅棟瓦に隣接して平板棧瓦を葺工し、二列群に、隅棟瓦に隣接して五分平板棧瓦を葺工し、この一列群、二列群を、1レピートとする葺設工法であり、を開示する構造である。そして、この一列群〜三列群と、この一列群、二列群は、勾配に準じて、利き足を調整可能とすることも、付記的に記載されている。しかし、七分平板棧瓦と、五分平板棧瓦(調整瓦)の利き足の調整を如何にするか、また、また、この平板棧瓦及び/又は調整瓦の利き足と、勾配との関係を如何にするか、具体的な開示と、実施例の記載がなく、実用に即さないことが考えられる。
【0005】
また、文献(2)は、特開2006−194070の「瓦の葺設方法」であり、この発明は、隅棟平板三角瓦(瓦3)の内側に、順次、葺設される調整瓦(4、4a・・・・・E)を葺設するに際し、この調整瓦(4)を、棧瓦(1)の1/2利き幅と、1/3利き幅とする構造であり、この調整瓦(4)を地割り寸法に対応して、ランダムに組合せて葺設する方法である。しかし、この発明は、文献(1)と、同じ問題点を抱えている。
【0006】
さらに、文献(3)は、特開2006−183309の「隅棟の葺上工法」であり、この発明は、 JIS A 5208に規定するF型の棧瓦と、斜めにプレカットして成形した隅棟瓦と、棧瓦の1/3及び2/3の瓦幅で成形した二種類の調整隅棟瓦を用いて4.5/10勾配の屋根の瓦葺きを、上下三段の瓦を1パターンにした繰返し葺設する工法である。この発明は、棧瓦と、この棧瓦をカットし、調整瓦として葺設する工法ではない。
【0007】
また、文献(4)は、特開平8−109708の「瓦及び瓦葺き方法」であり、この発明は、次の5種類の調整瓦を葺設する方法であり、モジュール長さを1辺とする正方形の瓦本体部、及び水上側の上方接続部、並びに一側の側方接続部からなる棧瓦(1)と、瓦本体部、及び上方接続部、側方接続部、並びに隅瓦接続部からなる両棧瓦(3)と、瓦本体部の半分の半瓦本体部、及び上方接続部、並びに側方接続部からなる半瓦(2)と、半瓦本体部、及び上方接続部、側方接続部、並びに隅瓦接続部からなる両桟半瓦(4)と、瓦本体部の対角線で切断された谷瓦本体部、及び隅瓦接続部からなる谷瓦(5)と、谷瓦本体部、及び上方接続部、並びに側方接続部からなる側方接続部付き谷瓦(6)と、瓦本体部が対角線で折曲された廻り隅瓦(7)を組合せてなる瓦の葺き方法である。しかし、この発明は、文献(1)と、同じ問題点を抱えている。また、5種類の調整瓦を採用することから、準備及び/又は施工の複雑化を招来する虞がある。
【0008】
【特許文献1】特開平9−88246
【特許文献2】特開2006−194070
【特許文献3】特開2006−183309
【特許文献4】特開平8−109708
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
文献(1)、文献(2)、文献(4)に関しては、調整瓦の利き足の調整を如何にするか、また、この平板棧瓦(平板瓦)及び/又は調整瓦の利き足と、勾配との関係を如何にするか、具体的な開示と、実施例の記載がなく、実用に即さないことが考えられる。これに鑑み、本発明は、平板瓦及び/又は調整瓦の利き足と、勾配との関係を提案することで、実用に即し、かつ雨仕舞と、屋根の重量バランス、又は耐震・耐風効果が期待できる隅棟屋根構造を提供することを意図する。
【0010】
尚、文献(4)は、調整瓦の種類が多く、取扱、準備及び/又は施工の複雑化を招来する虞がある。これに鑑み、本発明は、少ない枚数の調整瓦で、隅棟屋根構造を葺設することを意図する。
【0011】
また、文献(3)は、二種類の調整隅棟瓦を用いて4.5/10勾配の屋根の瓦葺きを、上下三段の瓦を1パターンにした繰返し葺設する工法である。しかし、この発明は、切り代を備えた隅棟瓦と、前記上下三段の瓦を1パターンとした葺設工法である。従って、本発明が意図する隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦を、利き幅寸法が、306mm(隅棟平板瓦A)と、利き幅寸法が、204mm(隅棟平板瓦B)で、「平板瓦及び/又は調整瓦の利き足と、勾配との関係」を利用して葺設する工法ではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、平板瓦及び/又は調整瓦の利き足と、勾配との関係を提案することで、実用に即し、かつ雨仕舞と、屋根の重量バランス、又は耐震・耐風効果が期待できる隅棟屋根構造を提供することを意図する。また、請求項1の発明は、少ない枚数の調整瓦で、隅棟屋根構造を葺設することを意図する。さらに、請求項1の発明は、施工現場でのカットを最小限として、全ての動作、施工等の簡略化と、粉塵公害の解消、及び/又は、その廃材に対する処理を皆無とすること、そして、昨今の資源の有効利用と、施工の簡略化、さらには地球環境の保護と、ゼロミッションの要望に応え得る隅棟屋根構造を提供することを意図する。
【0013】
請求項1は、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる、利き幅寸法と、利き足寸法が、JIS規格化された平板瓦40枚判を使用する隅棟屋根構造であり、
この隅棟屋根構造の隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとし、
前記4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応して、その利き足寸法を、275mm、280mm、又は285mmに調整して葺設するとともに、前記隅棟平板瓦Aと、前記隅棟平板瓦Bを、屋根の棟方向の各段に対応して、必要により、この隅棟平板瓦Aの利き幅寸法を、306mmを基準に調整し、かつこの隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を、204mmを基準に調整し、この調整を介して、この隅棟平板瓦A・Bを、前記各段にそれぞれ葺設することを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1に記載の目的を達成し、実際の葺設において、隅棟平板瓦A・Bの利き幅寸法の調整寸法を規定することを意図する。
【0015】
請求項2は、請求項1に記載の隅棟屋根構造であって、
前記屋根の棟方向の各段に対応して、この隅棟平板瓦Aの利き幅寸法を、306mmを基準に調整し、かつ隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を、204mmを基準に調整し、それぞれ葺設するが、次の要領で、調整して葺設することを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0016】
4寸勾配は、
【0017】
4.5寸勾配は、
【0018】
5寸勾配は、
【0019】
請求項3の発明は、請求項1、又は請求項2に記載の目的を達成し、実際の葺設において、隅棟を最終仕上げするために、最適な調整廻り隅瓦を葺設することを意図する。
【0020】
請求項3は、請求項1、又は請求項2に記載の隅棟屋根構造であって、
前記隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを葺設するとともに、この隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)に、前記4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる調整廻り隅瓦を葺設することを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1、又は請求項2に記載の目的を達成し、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの引掛け、係止片等は、正規の位置(JIS規格化された平板瓦40枚判と同じ位置)に設けられているので、屋根に葺設されるJIS規格化された平板瓦40枚判と、略同じ、機能と、特徴を発揮できるようにすることを意図する。
【0022】
請求項4は、請求項1、又は請求項2に記載の隅棟屋根構造であって、
前記隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとする構成であり、また、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側端部裏面に、横棧係止用の引掛けを、また、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側端部表面、又はこの尻側端部表面の内側に、それぞれ係止片を、さらに隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの差込み側の頭側端部の端縁、又は棧山側、或いは頭側端部の内側に、係止片受け部を設けることを特徴とした隅棟屋根構造である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明は、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる、利き幅寸法と、利き足寸法が、JIS規格化された平板瓦40枚判を使用する隅棟屋根構造であり、
隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとし、
4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応して、利き足寸法を、275mm、280mm、又は285mmに調整して葺設するとともに、隅棟平板瓦Aと、隅棟平板瓦Bを、屋根の棟方向の各段に対応して、必要により、隅棟平板瓦Aの利き幅寸法を、306mmを基準に調整し、かつ隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を、204mmを基準に調整し、調整を介して、隅棟平板瓦A・Bを、各段にそれぞれ葺設することを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0024】
従って、請求項1は、平板瓦及び/又は調整瓦の利き足と、勾配との関係を提案することで、実用に即し、かつ雨仕舞と、屋根の重量バランス、又は耐震・耐風効果が期待できる隅棟屋根構造を提供できる特徴がある。また、請求項1は、少ない枚数の調整瓦で、隅棟屋根構造を葺設できる実益がある。さらに、請求項1は、施工現場でのカットを最小限として、全ての動作、施工等の簡略化と、粉塵公害の解消、及び/又は、その廃材に対する処理が皆無となること、そして、昨今の資源の有効利用と、施工の簡略化、さらには地球環境の保護と、ゼロミッションの要望に応え得る隅棟屋根構造を提供できる特徴がある。
【0025】
請求項2の発明は、請求項1に記載の隅棟屋根構造であって、
屋根の棟方向の各段に対応して、隅棟平板瓦Aの利き幅寸法を、306mmを基準に調整し、かつ隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を、204mmを基準に調整し、それぞれ葺設するが、次の要領で、調整して葺設することを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0026】
4寸勾配は、
【0027】
4.5寸勾配は、
【0028】
5寸勾配は、
【0029】
従って、請求項2は、請求項1に記載の目的を達成できること、実際の葺設において、隅棟平板瓦A・Bの利き幅寸法の調整寸法を規定できること等の特徴を有する。
【0030】
請求項3の発明は、請求項1、又は請求項2に記載の隅棟屋根構造であって、
隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを葺設するとともに、隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)に、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる調整廻り隅瓦を葺設することを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0031】
従って、請求項3は、請求項1、又は請求項2に記載の目的を達成できること、実際の葺設において、隅棟を最終仕上げするために、最適な調整廻り隅瓦を葺設できること等の特徴を有する。
【0032】
請求項4の発明は、請求項1、又は請求項2に記載の隅棟屋根構造であって、
隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとする構成であり、また、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側端部裏面に、横棧係止用の引掛けを、また隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側端部表面、又は尻側端部表面の内側に、それぞれ係止片を、さらに隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの差込み側の頭側端部の端縁、又は棧山側、或いは頭側端部の内側に、係止片受け部を設けることを特徴とした隅棟屋根構造である。
【0033】
従って、請求項4は、請求項1、又は請求項2に記載の目的を達成し、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの引掛け、係止片等は、正規の位置(JIS規格化された平板瓦40枚判と同じ位置)に設けられているので、屋根に葺設されるJIS規格化された平板瓦40枚判と、略同じ、機能と、特徴を発揮できること等の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明の一例を説明する。
【0035】
図面の説明をすると、図1は、寄棟屋根(家棟屋根)の俯瞰図、図2は、4寸勾配で葺設した平板瓦と、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B、並びに隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)を図示した拡大俯瞰図と図表、図3は、4.5寸勾配で葺設した平板瓦と、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B、並びに隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)を図示した拡大俯瞰図と図表、図4は、5寸勾配で葺設した平板瓦と、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B、並びに隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)を図示した拡大俯瞰図と図表、そして、図5−1は、三点廻り隅瓦の拡大平面図、図5−2は、二点廻り隅瓦の一例の拡大平面図、図5−3は、二点廻り隅瓦の他の一例の拡大平面図、図5−4は、一体型廻り隅瓦の平面図、また、図6−1は、平板瓦の係止片と、係止受け部等の一例を示したさらに拡大した平面図、図6−2は、図6−1の裏面図、図7−1は、平板瓦の係止片と、係止受け部等の他の一例を示したさらに拡大した平面図、図7−2は、図7−1の裏面図、図8は寄棟屋根の俯瞰図を利用した計算式用の図である。
【0036】
本発明は、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる、利き幅寸法と、利き足寸法が、JIS規格化された平板瓦40枚判を使用する隅棟屋根構造であり、この4寸勾配は、利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が275mmでなり、またこの4.5寸勾配は、利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が280mmでなり、さらにこの5寸勾配は、利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が285mmでなる構造である。そして、本発明が、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配の屋根を、基本とするのは、雨水の流れ方向(棟から軒先方向:のぼり方向)の重ね代(葺合せ代)を、確保することで、雨水の遡上防止と、屋根瓦の枚数の減少化と、屋根重量の軽量化、並びに耐震・耐風雨効果を確保することにある(この特徴と構造は、順次、説明する)。そして、また、屋根勾配及び/又は伸び率と、屋根面の桁方向(ゆき方向)と流れ方向の寸法を、予め演算することで、本発明が目的とする瓦のカットをなくし、かつ廃材を略0とすることが可能となり、極めて有益かつ合理的である。さらに、この屋根勾配を、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配とすることで、後述する各構造との相乗効果で、耐震効果を発揮できる。
【0037】
続いて、本発明の好ましい、各勾配の実施例を、個別に説明する。
[1] 4寸勾配の平板瓦が、利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が275mmにおいて、図2の如く、隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦B(B/A=2/3)を基準(基本)として、各段において、隅棟平板瓦Aと隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を順次、調整する。尚、この例では、3段を始めとして、その倍数段は、隅棟平板瓦Bを二枚葺設し、図示しない大型の隅棟平板瓦の使用を回避するとともに、成形、取扱い、在庫管理等の簡略化と、低コスト化、又は地球環境維持に役立てること等を意図する。そして、この一例では、図示が1段〜13段であり、また、数値を20段の例で示しており、単純に説明すると、上段に行くにしたがって、利き幅寸法を調整する(広くする)。この調整を利用することで、例えば、地割り寸法に対応可能となること、また、隅棟の体裁の確保と、雨仕舞の確保、並びに隅棟平板瓦A・Bの葺設枚数の減少化(又は省略化)を介して、屋根瓦重量の軽量化が図れること、また、これにより、耐震効果の有効性に寄与すること、等を意図する。尚、各段の隅棟平板瓦Aと隅棟平板瓦Bの利き幅寸法の調整数値は、図表に示した例が、三パターン方式で、重ね代(隅棟平板瓦A・Bの利き幅寸法調整を図る)の最も好ましい一例であるが、原則として、限定されない。そして、本発明の共通の特徴は、隅棟平板三角瓦C(少なくとも、利き幅寸法)と、隅棟側の平板瓦1(利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が275mm)は、夫々全て同じ大きさとし、この隅棟平板三角瓦Cと、隅棟側の平板瓦1で形成される隙間(地割に沿った葺設でできる隙間)に、前記利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、前記利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを、リピートして、葺設することである。これによって、地割に沿って正確な葺設と、雨仕舞の有効性の確保と、屋根瓦の減少化・軽量化と、これに基づく、耐震効果(瓦のズレ防止、飛散防止等)の拡充及び/又は修理の減少化が図れること等の特徴がある。尚、この例における408mmは、原則として、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを、二枚併設するが、簡易な葺設、また、雨仕舞の有効性の確保と、屋根瓦の減少化、軽量化を図ることもできる。しかし、場合により、一枚構造として、例えば、利便性、迅速化、又は簡易な葺設、雨仕舞の有効性等を図ることもできる。
[2] 4.5寸勾配の平板瓦が、利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が280mmにおいて、図3の如く、隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦B(B/A=2/3)を基準として、各段において、隅棟平板瓦Aと隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を順次、調整する。そして、前述と同様に、本発明の特徴は、隅棟平板三角瓦C(少なくとも、利き幅寸法)と、隅棟側の平板瓦1(利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が280mm)は、夫々全て同じ大きさとし、この隅棟平板三角瓦Cと、隅棟側の平板瓦1で形成される隙間に、前記利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、前記利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを、リピートして、葺設することである。その特徴は、前述の例と同じである。尚、この例における408mmは、原則として、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを、二枚併設するが、簡易な葺設、また、雨仕舞の有効性の確保と、屋根瓦の減少化・軽量化を図ることもできる。しかし、場合により、一枚構造として、例えば、利便性、迅速化、又は簡易な葺設、雨仕舞の有効性等を図ることもできる。その他は、前述の[1]の例に準ずる。
[3] 5寸勾配の平板瓦が、利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が285mmにおいて、図4の如く、隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦B(B/A=2/3)を基準として、各段において、隅棟平板瓦Aと隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を順次、調整する。そして、前述と同様に、本発明の特徴は、隅棟平板三角瓦C(少なくとも、利き幅寸法)と、隅棟側の平板瓦1(利き幅寸法が306mmで、利き足寸法が285mm)は、夫々全て同じ大きさとし、この隅棟平板三角瓦Cと、隅棟側の平板瓦1で形成される隙間を、前記利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、前記利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを、リピートして、葺設することである。その特徴は、前述の例と同じである。尚、この例における408mmは、原則として、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを、二枚併設するが、簡易な葺設、また、雨仕舞の有効性の確保と、屋根瓦の減少化・軽量化を図ることもできる。しかし、場合により、一枚構造として、例えば、利便性、迅速化、又は簡易な葺設、雨仕舞の有効性等を図ることもできる。その他は、前述の[1]の例に準ずる。
【0038】
そして、平板瓦1(隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bも準ずる)の好ましい一例を、図6−1、図6−2では、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側1aの端部1a−1で、その裏面101に、横棧係止用の引掛け2(従来と同様な構造の引掛け2)を形成する。また、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側1aの端部1a−1で、その表面100に、係止片3(防災フック)を形成する。そして、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの差込み側4の頭側1bの端部1b−1で、流れ方向の端縁4aには、係止片受け部5を形成する。そして、前記引掛け2は、屋根地の横棧(図示せず)に引掛けられ、主として、流れ方向のズレ防止と、飛散防止等に有効である。また係止片3は、他の隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの係止片受け部5に、係止される構造(係止関係)であり、この係止(ロック)を介して、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B及び/又は他の隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの飛散防止と、ズレ防止、又は耐震、耐風雨効果を図る構造である。そして、この係止片3と、係止片受け部5の確実、かつ安定した係止(係止状態)を図りつつ、屋根瓦及び/又はその相互間の耐震・耐風雨等の効果を発揮するには、通常、この係止片3が、係止片受け部5に、係止、かつ接触する長さ(屋根の雨水の流れ方向の長さ)が、少なくとも、10mm程度必要とされている。そして、本発明では、この10mm程度の係止を確保し、例えば、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bと、前記平板瓦1、又は隅棟平板三角瓦C(場合によりあり得る)の係止関係、又は、必要により、隅棟平板瓦Aと隅棟平板瓦Bの相互間の係止関係を図るために(確保するために)、屋根の勾配を、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配の範囲とする。この勾配範囲であると、前記10mm程度の係止と、かつ接触する長さが確保でき、その効果が最大に発揮できる特徴がある。但し、隅棟平板瓦Bを二枚葺設施工では、この隅棟平板瓦Bの係止片3と係止片受け部5の位置関係を調整する必要もあり得る(図示せず)。尚、本発明は、引掛け2と横棧との確実な係止を図るために、屋根の勾配を、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配の範囲とする。
【0039】
また、平板瓦1の好ましい他の一例を、図7−1、図7−2では、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側1aの端部1a−1で、その裏面101に、横棧係止用の引掛け2を形成する。また、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側1aの端部1a−1で、その表面100の内側に、係止片3を形成する。そして、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの棧山側6の端部6aの内側、又は頭側1bの端部1b−1の内側に、係止片受け部5を設ける。そして、前記引掛け2は、屋根地の横棧(図示せず)に引掛けられ、主として、流れ方向のズレ防止と、飛散防止等に有効である。また係止片3は、他の隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの係止片受け部5に、係止される構造であり、この係止(ロック)を介して、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B及び/又は他の隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの飛散防止と、ズレ防止、又は耐震、耐風雨効果を図る構造である。その他は、前述の図6−1、図6−2に示した一例に準ずる。
【0040】
尚、この図6−1、図6−2と、図7−1、図7−2で示した、係止片3と、係止片受け部5の構造は、一例であり、同じような機能及び/又は作用を図る構成であれば、本発明において採用できる。また、以上の例は、千鳥葺きの隅棟屋根構造を説明したが、筋葺き隅棟屋根構造の例にも、本発明の構造(思想)は、採用可能である。
【0041】
次に、図5−1は、三点廻り隅瓦の拡大平面図、図5−2は、二点廻り隅瓦の一例の拡大平面図、図5−3は、二点廻り隅瓦の他の一例の拡大平面図、図5−4は、一体型廻り隅瓦の平面図について説明する、先ず、図5−1は、三点廻り隅瓦D1の拡大平面図では、隅棟冠瓦10と、この隅棟冠瓦10に隣接する、それぞれ外端部11a、12aに差込み部及び潜り込み部を備えた三角左右隅瓦片11、12で構成したものであり、軒先の左右の隅棟平板瓦A(場合により隅棟平板瓦B)に差込み、又は重ね(覆い)葺きされる。そして、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応して、隅棟冠瓦10の尻側10aを頭側10b方向に、カットするか、又は予め成形する(カット等とする)ことも可能である。そして、図中に、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応したカット線の一例を図示した。尚、他の例として、三角左右隅瓦片11、12の内端部11b、12b(対峙側)を、隅棟冠瓦10の頭側10b方向に、カット等することもあり得る。また、三角左右隅瓦片11、12の内端部11b、12bに、差込み部(図示せず)を設け、隅棟冠瓦10に潜り込ませることも可能である。図5−2は、二点廻り隅瓦D2の拡大平面図では、それぞれ外端部11a、12aに差込み部及び潜り込み部を備えた、センターを外して半截した三角左右隅瓦片11、12で構成したものであり、軒先の左右の隅棟平板瓦A(場合により隅棟平板瓦B)に差込み、又は重ね(覆い)葺きされる。そして、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応して、三角左右隅瓦片11、12の内端部11b、12bをカット等することも可能である。そして、図中に、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応したカット線の一例を図示した。その他は、原則として、前述の図5−1の例に準ずる。また、図5−3は、二点廻り隅瓦D2−1の拡大平面図では、それぞれ外端部11a、12aに差込み部及び潜り込み部を備えた、センターで半截した三角左右隅瓦片11、12で構成したものであり、この例は、前述の図5−2の例に準ずる。さらに、図5−4は、方形状の一体型廻り隅瓦D3を示したものであり、この尻側11c、12cをカット等することも可能である。そして、図中に、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応したカット線の一例を図示した。
【0042】
次に、図8に示した寄棟屋根の俯瞰図を利用した計算式用の図を基に、屋根に葺設される屋根瓦の重量を積算する。その要件は、(イ) 雨仕舞、及び耐震・耐風雨効果を達成するに要する重なり代、(ロ) 屋根Rの瓦の枚数、(ハ) 面積を基にして説明すると、
平板瓦1の枚数は、
O+P=(40+13)÷2×16×2=848枚
Q+R= 26÷2×16×2=416枚
合計 1264枚
屋根面積
O+P=(12m+4m)÷2×4.5m×2=72m2
Q+R= 8m÷2×4.5m×2=36m2
合計 108m2
そして、重なり代は、通常、屋根勾配1寸に対して、10mmと考えられている。従って、この重なり代の重量は、
平板瓦1の一枚の重量が、3800g×10mm/350mm=108g
以上のことから、平板瓦1の1264枚を使用するこの例の寄棟屋根では、その重なり代の重量は、
1264枚×108g=136512g(約136kg)「(屋根坪数1264枚÷40枚=31.6坪)」
この重なり代を確保するには、本発明の平板瓦1、隅棟平板瓦Aと、隅棟平板瓦B、又は隅棟平板三角瓦Cで形成される屋根の勾配を、4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配とすることが望ましく、かつその利き足を、275mm、280mm、又は285mmの範囲とする。この構造を守ることで、例えば、耐震・耐風雨、並びに雨仕舞の有効性が確保できること、屋根瓦の減少化・軽量化と、これに基づく、耐震効果(瓦のズレ防止、飛散防止等)の拡充及び/又は修理の減少化が図れること、又は人災、物損の減少化が図れること等の実益が或る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、寄棟屋根(家棟屋根)の俯瞰図
【図2】図2は、4寸勾配で葺設した平板瓦と、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B、並びに隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)を図示した拡大俯瞰図と図表
【図3】図3は、4.5寸勾配で葺設した平板瓦と、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B、並びに隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)を図示した拡大俯瞰図と図表
【図4】図4は、5寸勾配で葺設した平板瓦と、隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦B、並びに隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)を図示した拡大俯瞰図と図表
【図5−1】図5−1は、三点廻り隅瓦の拡大平面図
【図5−2】図5−2は、二点廻り隅瓦の一例の拡大平面図
【図5−3】図5−3は、二点廻り隅瓦の他の一例の拡大平面図
【図5−4】図5−4は、一体型廻り隅瓦の拡大平面図
【図6−1】図6−1は、平板瓦の係止片と、係止受け部等の一例を示したさらに拡大した平面図
【図6−2】図6−2は、図6−1の裏面図
【図7−1】図7−1は、平板瓦の係止片と、係止受け部等の他の一例を示したさらに拡大した平面図
【図7−2】図7−2は、図7−1の裏面図
【図8】図8は寄棟屋根の俯瞰図を利用した計算式用の図
【符号の説明】
【0044】
A 隅棟平板瓦
B 隅棟平板瓦
C 隅棟平板三角瓦
D1 三点廻り隅瓦
D2 二点廻り隅瓦
D2−1 二点廻り隅瓦
D3 一体型廻り隅瓦
1 平板瓦
100 表面
101 裏面
1a 尻側
1a−1 端部
1b 頭側
1b−1 端部
2 引掛け
3 係止片
4 差込み側
4a 端縁
5 係止片受け部
6 棧山側
6a 端部
10 隅棟冠瓦
10a 尻側
10b 頭側
11 三角左隅瓦片
11a 外端部
11b 内端部
11c 尻側
12 三角右隅瓦片
12a 外端部
12b 内端部
12c 尻側
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる、利き幅寸法と、利き足寸法が、JIS規格化された平板瓦40枚判を使用する隅棟屋根構造であり、
この隅棟屋根構造の隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとし、
前記4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応して、その利き足寸法を、275mm、280mm、又は285mmに調整して葺設するとともに、前記隅棟平板瓦Aと、前記隅棟平板瓦Bを、屋根の棟方向の各段に対応して、必要により、この隅棟平板瓦Aの利き幅寸法を、306mmを基準に調整し、かつこの隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を、204mmを基準に調整し、この調整を介して、この隅棟平板瓦A・Bを、前記各段にそれぞれ葺設することを特徴とした隅棟屋根構造。
【請求項2】
請求項1に記載の隅棟屋根構造であって、
前記屋根の棟方向の各段に対応して、この隅棟平板瓦Aの利き幅寸法を、306mmを基準に調整し、かつ隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を、204mmを基準に調整し、それぞれ葺設するが、次の要領で、調整して葺設することを特徴とした隅棟屋根構造。
4寸勾配は、
4.5寸勾配は、
5寸勾配は、
【請求項3】
請求項1、又は請求項2に記載の隅棟屋根構造であって、
前記隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを葺設するとともに、この隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)に、前記4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる調整廻り隅瓦を葺設することを特徴とした隅棟屋根構造。
【請求項4】
請求項1、又は請求項2に記載の隅棟屋根構造であって、
前記隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとする構成であり、また、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側端部裏面に、横棧係止用の引掛けを、また、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側端部表面、又はこの尻側端部表面の内側に、それぞれ係止片を、さらに隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの差込み側の頭側端部の端縁、又は棧山側、或いは頭側端部の内側に、係止片受け部を設けることを特徴とした隅棟屋根構造。
【請求項1】
4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる、利き幅寸法と、利き足寸法が、JIS規格化された平板瓦40枚判を使用する隅棟屋根構造であり、
この隅棟屋根構造の隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとし、
前記4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応して、その利き足寸法を、275mm、280mm、又は285mmに調整して葺設するとともに、前記隅棟平板瓦Aと、前記隅棟平板瓦Bを、屋根の棟方向の各段に対応して、必要により、この隅棟平板瓦Aの利き幅寸法を、306mmを基準に調整し、かつこの隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を、204mmを基準に調整し、この調整を介して、この隅棟平板瓦A・Bを、前記各段にそれぞれ葺設することを特徴とした隅棟屋根構造。
【請求項2】
請求項1に記載の隅棟屋根構造であって、
前記屋根の棟方向の各段に対応して、この隅棟平板瓦Aの利き幅寸法を、306mmを基準に調整し、かつ隅棟平板瓦Bの利き幅寸法を、204mmを基準に調整し、それぞれ葺設するが、次の要領で、調整して葺設することを特徴とした隅棟屋根構造。
4寸勾配は、
4.5寸勾配は、
5寸勾配は、
【請求項3】
請求項1、又は請求項2に記載の隅棟屋根構造であって、
前記隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bを葺設するとともに、この隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)に、前記4寸勾配、4.5寸勾配、又は5寸勾配に対応できる調整廻り隅瓦を葺設することを特徴とした隅棟屋根構造。
【請求項4】
請求項1、又は請求項2に記載の隅棟屋根構造であって、
前記隅棟平板三角(隅棟平板三角瓦C)の内側に、順次、葺設される隅棟平板瓦は、利き幅寸法が、306mmの隅棟平板瓦Aと、利き幅寸法が、204mmの隅棟平板瓦Bとする構成であり、また、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側端部裏面に、横棧係止用の引掛けを、また、この隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの尻側端部表面、又はこの尻側端部表面の内側に、それぞれ係止片を、さらに隅棟平板瓦A及び隅棟平板瓦Bの差込み側の頭側端部の端縁、又は棧山側、或いは頭側端部の内側に、係止片受け部を設けることを特徴とした隅棟屋根構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5−1】
【図5−2】
【図5−3】
【図5−4】
【図6−1】
【図6−2】
【図7−1】
【図7−2】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5−1】
【図5−2】
【図5−3】
【図5−4】
【図6−1】
【図6−2】
【図7−1】
【図7−2】
【図8】
【公開番号】特開2010−47947(P2010−47947A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212179(P2008−212179)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(594156972)株式会社三州石川 (2)
【出願人】(391042391)株式会社神仲 (4)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(594156972)株式会社三州石川 (2)
【出願人】(391042391)株式会社神仲 (4)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
[ Back to top ]