説明

隠蔽ハガキ付き新聞

【課題】 差出人が隠蔽作業をする手間が簡単で、製作コストが低廉な隠蔽ハガキを提供する。
【解決手段】 受取人の表示6及び差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域7が印刷されたハガキ本体部2と、ハガキ本体部2に折り目3を介して連接し、折り目3によってハガキ本体部2側に折り重ねられて個人情報記入用領域7を覆った状態でハガキ本体部2に貼着される被覆片5とからなり、差出人の個人情報の漏洩を防ぐものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は隠蔽ハガキ、隠蔽ハガキ付き広告チラシ、隠蔽ハガキ付き新聞及び隠蔽ハガキ付き封筒に関する。
【背景技術】
【0002】
ハガキに記入された差出人の氏名、住所等のいわゆる個人情報は、ハガキの投函後受取人の手元に達するまでの間第三者に読み取られて漏洩しないようにすることが近時しばしば要望されている。
そのため、そのような要望に応えるため例えば特開2004−90325公報(特許文献1)に示されるような隠蔽ハガキが提案されている。
【特許文献1】特開2004−90325公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の隠蔽ハガキは、ハガキ本体部と隠蔽片が別体の要素として構成されているため、差出人が隠蔽作業をする際の手間がかかるうえ、部品管理の手間もかかることから製作コストが高くなるという問題があった。また、ハガキは、通信販売の際の返信注文ハガキとして広告チラシ、新聞に同時に刷り込まれる場合があるが、前述のようにハガキ本体部と隠蔽片が別体の要素として構成されているような隠蔽ハガキは、広告チラシ、新聞に同時に刷り込むことは実際的ではないという問題がある。
【0004】
本発明は、前述のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第一に、差出人が隠蔽作業をする手間が簡単で、製作コストが低廉な隠蔽ハガキを提供することである。
第二に、本発明の目的は、差出人が隠蔽作業をする手間が簡単な隠蔽ハガキを備え且つ広告チラシと併せての製作コストも低廉であるような隠蔽ハガキ付き広告チラシを提供することである。
第三に、本発明の目的は、差出人が隠蔽作業をする手間が簡単な隠蔽ハガキを備え且つ新聞と併せての製作コストも低廉であるような隠蔽ハガキ付き新聞を提供することである。
第四に、本発明の目的は、差出人が隠蔽作業をする手間が簡単な隠蔽ハガキを備え且つ封筒と併せての製作コストも低廉であり、更に、封筒を構成する紙資源の節約及び廃棄ゴミの減少にも資するような隠蔽ハガキ付き封筒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成する第一の手段として、受取人の表示及び差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域が印刷されたハガキ本体部と、前記ハガキ本体部に折り目を介して連接された被覆片とからなり、前記被覆片は、前記個人情報記入用領域を覆うように前記折り目によって前記ハガキ本体部に折り重ねられて貼着されることを特徴とする隠蔽ハガキである。
第二の手段として、広告掲載面に、受取人の表示及び差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域が印刷されたハガキ本体部と、前記ハガキ本体部に折り目を介して連接された被覆片とからなる隠蔽ハガキが、印刷されていることを特徴とする隠蔽ハガキ付き広告チラシである。
第三の手段として、差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域が印刷された第一のハガキ本体部と、前記第一のハガキ本体部に第一の折り目を介して連接し且つ前記第一のハガキ本体部と同じ側の面に受取人の表示が印刷された第二のハガキ本体部と、前記第二のハガキ本体部に第二の折り目を介して連接された被覆片とからなり、前記被覆片は、前記個人情報記入用領域を覆うように前記第二の折り目によって前記第一のハガキ本体部に折り重ねられて貼着される隠蔽ハガキが、紙面上に印刷されていることを特徴とする隠蔽ハガキ付き新聞である。
第四の手段として、封筒の裏側紙に設けられたハガキ本体部及び受取人表示片と、前記封筒の表側紙に設けられた被覆片とからなる隠蔽ハガキを備えた封筒であって、前記ハガキ本体部は、その端部を前記封筒の端部に合わせ且つ表面に差出人の個人情報記入用領域が印刷されており、前記受取人表示片は、前記ハガキ本体部に折り目を介して連接すると共に受取人の表示が表面に印刷されており、且つ前記ハガキ本体部の裏面に折り重ねられて貼着可能に構成されており、前記被覆片は、前記ハガキ本体部の前記端部に連接し、且つ前記端部によって前記個人情報記入用領域を覆うように前記ハガキ本体部に折り重ねられて貼着されるように構成された隠蔽ハガキを備えたことを特徴とする隠蔽ハガキ付き封筒である。
第五の手段として、定形郵便物として郵送可能な封筒であり、この封筒の裏側紙に、 受取人の表示及び差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域が印刷されたハガキ本体部と、前記ハガキ本体部に折り目を介して連接された被覆片とからなり、前記被覆片は、前記個人情報記入用領域を覆うように前記折り目によって前記ハガキ本体部に折り重ねられて貼着される隠蔽ハガキが、印刷されていることを特徴とする隠蔽ハガキ付き封筒である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、前述の第一の手段として記載した構成によって、差出人が隠蔽作業をする手間が簡単で、製作コストが低廉となるような隠蔽ハガキを提供することができる。
また、前述の第二の手段として記載した構成によって、差出人が隠蔽作業をする手間が簡単な隠蔽ハガキを備え且つ広告チラシと併せての製作コストも低廉であるような隠蔽ハガキ付き広告チラシを提供することができる。
また、前述の第三の手段として記載した構成によって、差出人が隠蔽作業をする手間が簡単な隠蔽ハガキを備え且つ新聞と併せての製作コストも低廉であるような隠蔽ハガキ付き新聞を提供することができる。
また、前述の第四の手段として記載した構成によって、差出人が隠蔽作業をする手間が簡単な隠蔽ハガキを備え且つ封筒と併せての製作コストも低廉であり、更に、封筒を構成する紙資源の節約及び廃棄ゴミの減少にも資するような隠蔽ハガキ付き封筒を提供することができる。
また、前述の第五の手段として記載した構成によって、差出人が隠蔽作業をする手間が簡単な隠蔽ハガキを備え且つ定形封筒と併せての製作コストかつ郵送料も低廉であり、更に、封筒を構成する紙資源の節約及び廃棄ゴミの減少にも資するような隠蔽ハガキ付き封筒を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を実施するための最良の形態は隠蔽ハガキ付き封筒として次のように構成されたものである。即ち、この隠蔽ハガキ付き封筒は、裏側紙に設けられたハガキ本体部及び受取人表示片と、封筒の表側紙に設けられた被覆片とからなる隠蔽ハガキを備えたものである。
より詳しく述べれば、前記ハガキ本体部は、その端部を前記封筒の端部に合わせ且つ表面に差出人の個人情報記入用領域が印刷されており、前記受取人表示片は、前記ハガキ本体部に、その端部と平行な折り目を介して連接すると共に受取人の表示が表面に印刷されており、且つ前記ハガキ本体部の裏面に折り重ねられて貼着可能に構成されており、前記被覆片は、前記ハガキ本体部の前記端部に連接し、且つ前記端部によって前記個人情報記入用領域を覆うように前記ハガキ本体部に折り重ねられて貼着されるように構成されたものである。
【0008】
このような実施の形態によれば、封筒本体の一部から隠蔽ハガキを形成することができるから極めて便利であるうえ、紙資源の節約及び廃棄ゴミの減少化が可能になり、環境保護の面からも有効である。
【0009】
以下、前記の実施の形態をも含めて、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。図中、符号B及びDは、バーコードである。また切り取り線は、ミシン目で構成したものを含むものとする。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明の実施例1に係る隠蔽ハガキの正面図、図2は前記隠蔽ハガキにおける被覆片を折り返した状態を示す正面図である。
図1に示すように、符号1で表される本発明の隠蔽ハガキは、ハガキ本体部2と、ハガキ本体部2に折り目3を介して連接する被覆片5とからなっている。
【0011】
ハガキ本体部2には、受取人の表示6及び差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域7が同一の面(表面)に印刷されている。この個人情報記入用領域7は、ここでは、被覆片5内にまで延長されて記入用領域が拡張されている。
また、前記の受取人の表示6、個人情報記入用領域7あるいは後記の通信欄17を同一の面(表面)に印刷せずに、これらの一部を裏面に印刷することもできる。
【0012】
被覆片5の三つの辺11、12及び13と被覆片5における個人情報記入用領域7との間は糊代14となっている。従って、被覆片5は、図2に示すように、折り目3によってハガキ本体部2に折り重ねられて個人情報記入用領域7を覆った状態で、糊代14に塗布された糊によってハガキ本体部2に貼着されるようになっている。
【0013】
なお、受取人の表示6と個人情報記入用領域7との間には、それ自体では個人情報ではない適宜の内容が記入される通信欄17が設けられているが、この通信欄17はハガキ本体部2において被覆片5によって覆われる範囲の外側にある。
【0014】
このように構成された隠蔽ハガキ1は、一枚の紙材からハガキ本体部2と被覆片5とが連接して一体に構成されているので、差出人は被覆片5をハガキ本体部2に折り重ねて貼るだけで手間をかけずに自己の個人情報を他人に読み取られない状態にして郵送でき、個人情報の非関係者への漏洩が防止される。
また、この隠蔽ハガキ1は、紙材の一つの面に受取人の表示6、個人情報記入用領域7、更に必要に応じて設けられる通信欄17を印刷した場合は、両面を印刷する場合に比べて製作コストが低廉になる。
【実施例2】
【0015】
図3は本発明の実施例2に係る隠蔽ハガキ付き広告チラシの要部正面図である。この実施例において、前記実施例1に示した要素と同一の要素には同一の符号を付すものとする。
【0016】
同図に示すように、本実施例の隠蔽ハガキ付き広告チラシ20は、例えば商品の通信販売を目的とする広告掲載面21に、前述の実施例1において記載した構成を有する隠蔽ハガキ1が印刷されたものである。ここでは、隠蔽ハガキ1は、その左側及び下側の各辺22、23が広告掲載面21の隅部の辺24,25を兼ねて配置されている。また、隠蔽ハガキ1の他の辺即ち右側及び上側の各辺26,27は広告掲載面21から隠蔽ハガキ1を切り離すための切り取り線を兼ねている。
【0017】
隠蔽ハガキ付き広告チラシ20は、このように構成されているので、広告の閲覧者である差出人が広告掲載面21を見て、例えば詳細カタログの入手を希望するときは、辺26、27に沿って広告掲載面21と隠蔽ハガキ1とを切り離すだけで隠蔽ハガキ1を返信ハガキとして使用することができる。そして、個人情報記入用領域7及び必要に応じて通信欄17に所要の事項を記入した後、被覆片5をハガキ本体部2に折り重ねて貼った状態で隠蔽ハガキ1を郵送すれば、差出人の個人情報の非関係者への漏洩が防止される。
【0018】
この隠蔽ハガキ付き広告チラシ20においても、ハガキ本体部2と被覆片5とが連接して一体になっているので、差出人は被覆片5をハガキ本体部2に折り重ねて貼るだけで手間をかけずに個人情報を隠蔽することができる。また、広告チラシ20の一方の面に広告掲載面21及び隠蔽ハガキ1を印刷することにより、製作コストが低廉である。
また、前記実施例1と同じように、受取人の表示6、個人情報記入用領域7あるいは通信欄17を同一の面(表面)に印刷せずに、それらの一部を裏面に印刷することもできる。
【実施例3】
【0019】
図4は本発明の実施例3に係る隠蔽ハガキ付き新聞の要部正面図、図5は前記隠蔽ハガキ付き新聞における隠蔽ハガキの一部を折り返した状態を示す図、図6は前記隠蔽ハガキ付き新聞における隠蔽ハガキの全部を折り返した状態を示す図である。
【0020】
図4に示すように、この実施例は、隠蔽ハガキが新聞の一つの面に印刷されている隠蔽ハガキ付き新聞30に係るものである。即ち、隠蔽ハガキ31は、その左辺32及び下辺33を新聞30の一つの面35の隅部の左辺36及び下辺37に合わせた形で新聞30の一部に配置されており、第一のハガキ本体部39と、第二のハガキ本体部40と、被覆片41とからなっている。
【0021】
より詳しく述べると、第一のハガキ本体部39には、その下部側に、差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域42が印刷されている。この個人情報記入用領域42は後述するように被覆片41によって覆われる部位に位置している。この個人情報記入用領域42の上方にはそれ自体では個人情報とされない内容を記入する通信欄43が印刷されている。
【0022】
第二のハガキ本体部40は、第一のハガキ本体部39と同一の形状及び寸法からなっており、前記第一のハガキ本体部39に第一の折り目44を介して連接しており、且つ、第一のハガキ本体部39と同じ側の面に受取人の表示45が印刷されている。
被覆片41は、前述の個人情報記入用領域42を覆うための要素で、この目的に適した形状及び寸法を有し、第二のハガキ本体部40に第二の折り目47を介して連接し、且つ、図5に示すように、第一のハガキ本体部39及び第二のハガキ本体部40の前記各面が外側となるように前記第一の折り目44を介して折り重ねられた後、図6に示すように、第二の折り目47を介して第一のハガキ本体部39の表面側に回り込んで第一のハガキ本体部39に折り重ねられて個人情報記入用領域42を覆った状態で第一のハガキ本体部39に貼着されるようになっている。
【0023】
この被覆片41の表面即ち第一のハガキ本体部39及び第二のハガキ本体部40における前記各印刷面と同じ側の面には、スペースを有効に活用するために、例えば、受取人の業務、標語、シンボルマーク等の適宜の文言等49が印刷されている。
また、第一のハガキ本体部39、第二のハガキ本体部40及び被覆片41の各上辺51、52及び53、並びに、第二のハガキ本体部40の図中右辺のうち被覆片41に連ならない部分の辺55及び被覆片41の図中右辺56は、新聞30から切り離すための切り取り線を兼ねている。
【0024】
隠蔽ハガキ付き新聞30は、このように構成されているので、新聞30の読者である差出人が紙面中の広告文面を見て例えば何らかの商品の購入を希望するときは、辺51、52、53、55、56に沿って新聞30から切り離した隠蔽ハガキ31を返信ハガキとして直ちに使用することができる。
【0025】
その場合、まず、個人情報記入用領域42及び必要に応じて通信欄43に所要の事項を記入した後、第一の折り目44によって第一のハガキ本体部39と第二のハガキ本体部40とを各印刷面が外側になるように折り重ねる。次いで、第二の折り目47によって被覆片41を第一のハガキ本体部39の個人情報記入用領域42側に折り重ねて貼着すれば、被覆片41によって個人情報記入用領域42が覆われる。この状態で隠蔽ハガキ1を郵送すれば、差出人の個人情報の非関係者への漏洩が防止される。
【0026】
この実施例においても、第一のハガキ本体部39は第二のハガキ本体部40を介して被覆片41に連接して一体になっているので、差出人は被覆片41を第一のハガキ本体部39に折り重ねて貼るだけで手間をかけずに個人情報を隠蔽することができる。また、第一のハガキ本体部39、第二のハガキ本体部40及び被覆片41に施される印刷は全て同一面にあり、新聞30の紙面と同時に印刷されるから、隠蔽ハガキ付きの新聞としての全体の製作コストが低廉で済む。
【実施例4】
【0027】
図7は本発明の実施例4に係る隠蔽ハガキ付き封筒の背面図、図8は同隠蔽ハガキ付き封筒の正面図、図9は同隠蔽ハガキ付き封筒より切り取った隠蔽ハガキの正面図、図10は同隠蔽ハガキ付き封筒における隠蔽ハガキの一部を折り返した状態を示す図、図11は同隠蔽ハガキ付き封筒における隠蔽ハガキの全部を折り返した状態を示す図である。
【0028】
図7、8に示すように、この実施例は、隠蔽ハガキ付き封筒に係るもので次のように構成されている。封筒60は、一般に広く使用されている封筒と同じく表側紙61及び裏側紙62から形成されたもので、ここでは封筒規格の一つである角20封筒(229mm×324mm)が使用されている。この封筒60に設けられる隠蔽ハガキ65は、裏側紙62に設けられたハガキ本体部67及び受取人表示片68と、表側紙61に設けられた被覆片70とからなっている。
より詳しく述べると、ハガキ本体部67の端部71は裏側紙62と表側紙61との境界即ち封筒60の図7中左側の端部72に合致させている。差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域73は、封筒60の裏側紙62の表面において、ハガキ本体部67の端部71に寄せて印刷されており、その上方即ち図中右方には、それ自体では個人情報ではない通信欄75が印刷されている。
前記の個人情報記入用領域73、通信欄75及び後記の受取人の表示77の一部又は全部を裏側紙62の裏面に印刷しても良い。この場合は、封筒60の送信時にハガキ本体部67が汚れることを防止できる。また、個人情報記入用領域73を裏面に印刷し通信欄75を表面に印刷すれば、通信欄75の面積が大きく取れる。
【0029】
前記の受取人表示片68は、ハガキ本体部67に、その端部71と平行な折り目76を介して連接しており、且つ受取人の表示77が裏側紙62の表面即ち個人情報記入用領域73と同じ側の面に印刷されており、ハガキ本体部67の裏面に折り重ねられて貼着されるようになっている。
【0030】
ハガキ本体部67は、このように受取人表示片68を貼着した状態で、ハガキとして使用される訳であるが、その際受取人の表示77は、ハガキの上部に位置するのが普通であるから、受取人表示片68が未だ折り目76によって折り返されていない状態のとき即ち図7の状態で見たときには、ハガキ本体部67における個人情報記入用領域73における記入方向及び通信欄75における記載方向と天地が逆になるように、印刷されている。
【0031】
そして、隠蔽ハガキ65を構成しているハガキ本体部67及び受取人表示片68の図7中上下の切り取り線79、80は、これらを封筒60の裏側紙62から切り離すためのものであるが、下側の切り取り線80は、後述する定形封筒87の封止用舌片を形成するための役割をも果たすようにするため、封筒60の裏側紙62の底辺91から、例えば定形寸法の12cmに舌片の高さを加えた間隔をおいて設けられている。
また、受取人表示片68の図中右辺82は、封筒60の表側紙61と裏側紙62との境界であるが、同様に封筒60から受取人表示片68を切り離すための切り取り線を兼ねている。
【0032】
一方、前記被覆片70は、図8に示すように、ハガキ本体部67の端部71に連接している。被覆片70の前記端部71を除いた三辺83,84,85は表側紙61から被覆片70を切り離すための切り取り線を兼ねており、その内側には糊代86が設けられている。切り取り線として辺83,84,85に沿って表側紙61から切り離された被覆片70は、端部71を折り目としてハガキ本体部67側に折り重ねられて個人情報記入用領域73を覆った状態でハガキ本体部67に貼着されるようになっている。
【0033】
この封筒60は、前記隠蔽ハガキ65のほかに、次に述べるように横型の定形封筒87も形成することができるようになっている。即ち、定形封筒形成用の表側紙88は封筒60の裏側紙62を利用しており、受取人の表示89が印刷されている。この定形封筒形成用の表側紙88の横幅Wは封筒60の横幅と一致していて、また表側紙88の縦幅Hは封筒60の底辺91から定形寸法の12cmとしてある。そして、定形封筒形成用の表側紙88の上辺92は折り目となっており、その左右両端からは、左右の傾斜切り取り線94、95が延びて、切り取り線として使用される前述の下側の切り取り線80に斜めに連なることにより定形封筒87の封止用舌片96が画成されている。
【0034】
一方、封筒60の表側紙61の下部は、定形封筒形成用の裏側紙98として利用されるもので、定形封筒形成用の表側紙88と同一の形状、寸法、位置に設定され、その上辺99は、定形封筒87の開口部を形成するために、封筒60の底辺91から前述の折り目としての上辺92と同一の距離である12cmの位置に切り取り線として設けられている。
【0035】
隠蔽ハガキ付き封筒60は、このように構成されているので、次のように使用することができる。例えば、商品の通信販売業者(本発明における受取人)が商品カタログを消費者(本発明における差出人)に送付し、消費者からの返信ハガキによる注文依頼がなされ、また、必要に応じて消費者からなんらかの資料が別途封筒によって通信販売業者に送付されるような場合に、前述した隠蔽ハガキ付き封筒60は極めて有用なものである。
【0036】
具体的に述べると、まず、通信販売業者がカタログを封入した隠蔽ハガキ付き封筒60が、図8における封筒の表側紙61に表示された宛て先101の消費者に送付され、消費者が何らかの商品の購入を希望するときは、隠蔽ハガキ65を切り取り線としての辺79、80、82、83、84、85に沿って封筒60から切り離す。切り離した状態の隠蔽ハガキ65の被覆片70は、図9に示すように、ハガキ本体部67の一端から延びた状態にある。消費者は、購入希望商品に関する事項を通信欄75に、また、自己の氏名等の個人情報を個人情報記入用領域73に、それぞれ記入した後、図10に示すように、被覆片70を端部71を折り目として個人情報記入用領域73側に折り返してハガキ本体部67に貼着する。
【0037】
この場合でも、ハガキ本体部67と被覆片70とは連接して一体になっているので、差出人は被覆片70をハガキ本体部67に折り重ねて貼るだけで簡単に個人情報を隠蔽することができる。このようにして個人情報記入用領域73に記入された個人情報は読み取られない状態になる。
【0038】
次いで、図11に示すように、受取人表示片68を折り目としてのハガキ本体部67の折り目76に沿ってハガキ本体部67の裏側に折り返して前記裏側に貼着すると、隠蔽ハガキは直ちに返信ハガキとして投函可能な形になり、且つ、消費者が差出人として投函した後に受取人たる通信販売業者以外の非関係者への個人情報の漏洩が防止される。
【0039】
更に、消費者が前記通信販売業者宛に前記隠蔽ハガキ65とは別に例えば何らかの書面を送付する必要があるときは、切り取り線としての辺80、99及び傾斜切り取り線94、95に沿って前述の定形封筒形成用の表側紙88、裏側紙98及び舌片96を封筒60から切り離して形成した定形封筒87に前記書面を入れて舌片96を裏側紙98に糊付けする。受取人たる通信販売業者への宛て先89は、定形封筒形成用の表側紙88に予め印刷されているから、記入する必要がない。また、郵便料金は定形郵便料金で済むから好都合である。
【0040】
この実施例から明らかな如く、返信用に使用される隠蔽ハガキ65、更には、定形封筒87は、往信として差出人に送付された封筒60の表側紙61及び裏側紙62を利用して形成することができるので、紙資源の節約及び廃棄ゴミの減少に大いに貢献するものである。
さらに、本実施の他例として図示はしないが、ハガキ本体部67を前記実施例1に記載の隠蔽ハガキ1と同様の構成とすることもできる。この場合は、受取人表示片68、通信欄75及び個人情報記入用領域73に加えて、被覆片70も封筒の裏側紙62の同一面に構成されることになる。
【実施例5】
【0041】
図12は本発明の実施例5に係る隠蔽ハガキ付き封筒の正面図、図13は同隠蔽ハガキ付き封筒の背面図、図14は同隠蔽ハガキ付き封筒より切り取った隠蔽ハガキの背面図、図15は同隠蔽ハガキ付き被覆片を折り返した状態を示す正面図である。
【0042】
図12、13に示すように、この実施例の封筒110は、横型の定形封筒である。この封筒110に設けられる隠蔽ハガキ120は、裏側紙112の表面112aに設けられ、ハガキ本体部113及び被覆片129とからなっている。
【0043】
より詳しく述べると、隠蔽ハガキ120の端部122は裏側紙112と表側紙111との境界即ち封筒110の図13中左側の端部115に合致させている。そして、裏側紙112の表面112aには、差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域127、受取人の表示125が印刷されている。
前記のハガキ本体部113の端部には折り目123を介して被覆片129が連接している。
一方、図14に示すように、裏側紙112の裏面112bには、通信欄130が印刷されている。
前記裏側紙112の表面に印刷された個人情報記入用領域127、受取人の表示125等を裏面112bに印刷し、通信欄130を表面112aに印刷しても良い。
【0044】
上記構成の封筒を使用するには、まず、通信販売業者からカタログを封入した隠蔽ハガキ付き封筒110が、封筒の表側紙111に表示された宛て先101の消費者に送付される。消費者が何らかの商品の購入を希望するときは、切り取り線121と封筒110の左端115、右端117及び下端116の3辺を切り取って、隠蔽ハガキ120を封筒110から切り離す。
消費者は、購入希望商品に関する事項を裏面112bの通信欄130に、また自己の氏名等の個人情報を個人情報記入用領域127に、それぞれ記入した後、図15に示すように、被覆片129を折り目123より個人情報記入用領域127側に折り返してハガキ本体部120に貼着する。
【0045】
この場合、ハガキ本体部113と被覆片129とは連接して一体になっているので、差出人は被覆片129をハガキ本体部113に折り重ねて貼るだけで簡単に個人情報を隠蔽することができる。このようにして個人情報記入用領域127に記入された個人情報は読み取られない状態になる。
【0046】
この実施例から明らかな如く、返信用に使用される隠蔽ハガキ120が、往信として差出人に送付された定形封筒110の裏側紙112を利用して形成することができるので、差出人が隠蔽作業をする手間が簡単な隠蔽ハガキを容易かつ低廉に作成でき、更に、封筒を構成する紙資源の節約及び廃棄ゴミの減少にも資するような隠蔽ハガキ付き封筒を提供することができる。
【実施例6】
【0047】
図16は本発明の実施例6に係る隠蔽ハガキ付き封筒の展開図である。
本実施例は前記実施例5の他例であり、実施例5に比べて隠蔽ハガキ120を裏側紙112の内側に形成してある。実施例5と重複する部分の説明は省略する。
【0048】
すなわち、本実施例の隠蔽ハガキ120は、その端部121aと121cが封筒110の舌片60a,60aに重ならないように構成してある。
そして被覆片129aは、封筒110の表側紙111の裏面に構成されていて、封筒110の下端116を折り目として隠蔽ハガキ120に連接している。
【0049】
上記構成によれば封筒110が消費者に送付された後、消費者が返信する場合は、切り取り線121a、121b、121cを切り取り、次いで封筒110の下端116の一部を切り取る。さらに、被覆片129aと隠蔽ハガキ120を接続した状態で、切り取り線129a、129b、129cに沿って被覆片129aを封筒110の表側紙111から切り離す。
【0050】
消費者は、隠蔽ハガキ120の裏面等に必要な注文等を記入した後、自己の個人情報を個人情報記入用領域127に記入する。そして被覆片129aを、折り目である封筒110の下端116より個人情報記入用領域127側に折り返してハガキ本体部120に貼着する。
その他の作用、効果は、前記実施例例5と同様であるため省略する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施例1に係る隠蔽ハガキの正面図
【図2】同隠蔽ハガキにおける被覆片を折り返した状態を示す正面図
【図3】本発明の実施例2に係る隠蔽ハガキ付き広告チラシの要部正面図
【図4】本発明の実施例3に係る隠蔽ハガキ付き新聞の要部正面図
【図5】同隠蔽ハガキ付き新聞における隠蔽ハガキの一部を折り返した状態を示す図
【図6】同隠蔽ハガキ付き新聞における隠蔽ハガキの全部を折り返した状態を示す図
【図7】本発明の実施例4に係る隠蔽ハガキ付き封筒の背面図
【図8】同隠蔽ハガキ付き封筒の正面図
【図9】同隠蔽ハガキ付き封筒より切り取った隠蔽ハガキの正面図
【図10】同隠蔽ハガキ付き封筒における隠蔽ハガキの一部を折り返した状態を示す正面図
【図11】同隠蔽ハガキ付き封筒における隠蔽ハガキの全部を折り返した状態を示す背面図
【図12】本発明の実施例5に係る隠蔽ハガキ付き封筒の正面図
【図13】同隠蔽ハガキ付き封筒の背面図
【図14】同隠蔽ハガキ付き封筒より切り取った隠蔽ハガキの背面図
【図15】同隠蔽ハガキ付き被覆片を折り返した状態を示す正面図
【図16】本発明の実施例6に係る隠蔽ハガキ付き封筒の展開図
【符号の説明】
【0052】
1 隠蔽ハガキ
2 ハガキ本体部
3 折り目
5 被覆片
6 受取人の表示
7 個人情報記入用領域
14 糊代
20 広告チラシ
21 広告掲載面
30 新聞
31 隠蔽ハガキ
35 紙面
39 ハガキ本体部
40 ハガキ本体部
41 被覆片
42 個人情報記入用領域
44 折り目
45 受取人の表示
47 折り目
60 封筒
61 表側紙
62 裏側紙
65 隠蔽ハガキ
67 ハガキ本体部
68 受取人表示片
70 被覆片
71 端部
73 個人情報記入用領域
76 折り目
77 受取人の表示
79 切り取り線
80 切り取り線
110 封筒
111 表側紙
112 裏側紙
120 隠蔽ハガキ
113 ハガキ本体部
B バーコード
D バーコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受取人の表示及び差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域が印刷されたハガキ本体部と、前記ハガキ本体部に折り目を介して連接された被覆片とからなり、前記被覆片は、前記個人情報記入用領域を覆うように前記折り目によって前記ハガキ本体部に折り重ねられて貼着されることを特徴とする隠蔽ハガキ。
【請求項2】
広告掲載面に、受取人の表示及び差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域が印刷されたハガキ本体部と、前記ハガキ本体部に折り目を介して連接された被覆片とからなる隠蔽ハガキが、印刷されていることを特徴とする隠蔽ハガキ付き広告チラシ。
【請求項3】
差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域が印刷された第一のハガキ本体部と、前記第一のハガキ本体部に第一の折り目を介して連接し且つ前記第一のハガキ本体部と同じ側の面に受取人の表示が印刷された第二のハガキ本体部と、前記第二のハガキ本体部に第二の折り目を介して連接された被覆片とからなり、
前記被覆片は、前記個人情報記入用領域を覆うように前記第二の折り目によって前記第一のハガキ本体部に折り重ねられて貼着される隠蔽ハガキが、紙面上に印刷されていることを特徴とする隠蔽ハガキ付き新聞。
【請求項4】
封筒の裏側紙に設けられたハガキ本体部及び受取人表示片と、前記封筒の表側紙に設けられた被覆片とからなる隠蔽ハガキを備えた封筒であって、
前記ハガキ本体部は、その端部を前記封筒の端部に合わせ且つ表面に差出人の個人情報記入用領域が印刷されており、
前記受取人表示片は、前記ハガキ本体部に折り目を介して連接すると共に受取人の表示が表面に印刷されており、且つ前記ハガキ本体部の裏面に折り重ねられて貼着可能に構成されており、
前記被覆片は、前記ハガキ本体部の前記端部に連接し、且つ前記端部によって前記個人情報記入用領域を覆うように前記ハガキ本体部に折り重ねられて貼着されるように構成された隠蔽ハガキを備えたことを特徴とする隠蔽ハガキ付き封筒。
【請求項5】
定形郵便物として郵送可能な封筒であり、この封筒の裏側紙に、
受取人の表示及び差出人の個人情報を記入するための個人情報記入用領域が印刷されたハガキ本体部と、前記ハガキ本体部に折り目を介して連接された被覆片とからなり、
前記被覆片は、前記個人情報記入用領域を覆うように前記折り目によって前記ハガキ本体部に折り重ねられて貼着される隠蔽ハガキが、印刷されていることを特徴とする隠蔽ハガキ付き封筒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−297971(P2009−297971A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153550(P2008−153550)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(392023669)株式会社星光美装 (7)
【Fターム(参考)】