説明

集光ユニットおよび発光装置

【課題】光の利用効率が低下するのを抑制することが可能な集光ユニットを提供する。
【解決手段】この集光ユニット30は、レーザ光が入射される光入射面21a、および、光入射面21aよりも小さい面積を有する光出射面21bを含む集光部材21と、集光部材21を保持するガラス板17と、を備える。集光部材21は側面(上面21c、下面21dおよび一対の側端面21e)をさらに含み、側面は光入射面21aに入射したレーザ光を反射して光出射面21bまで導く機能を有し、ガラス板17は、光入射面21aを保持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、集光ユニットおよび発光装置に関し、特に、レーザ光を集光して導光する集光部材を備えた集光ユニットおよび発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ光を集光して導光する集光部材が知られている(例えば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、レーザ光が入射される入射面と、入射面よりも小さい面積を有する出射面とを含む光導波路(集光部材)が開示されている。この光導波路では、入射面に入射したレーザ光は、入射面と出射面とを連結する側面で反射されながら出射面まで導かれ、集光された状態で出射面から出射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−41623号公報(段落[0066]〜[0069]、[0079]、図8〜図10、図16)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1には記載されていないが、光導波路を用いる場合、光導波路を保持する部材が必要である。すなわち、光導波路の表面に保持部材が接することになる。例えば光導波路の側面に保持部材が接する場合、光導波路内を進行するレーザ光の一部は、光導波路と保持部材との接触部分において全反射条件を満たさなくなり、保持部材側に出射して保持部材で吸収される。これにより、光(レーザ光)の利用効率が低下するという問題点がある。
【0005】
これを改善するために、上記特許文献1には光導波路の側面上にレーザ光を反射するためのAg層を設ける構造も開示されているが、Agの反射率は95%程度であるので、レーザ光はAg層で反射されるたびにAg層に吸収される。このため、光(レーザ光)の利用効率が低下する。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、光の利用効率が低下するのを抑制することが可能な集光ユニットおよび発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の集光ユニットは、レーザ光が入射される光入射面、および、光入射面よりも小さい面積を有するとともにレーザ光を出射する光出射面を含む集光部材と、集光部材を保持する保持部材と、を備え、集光部材は光入射面と光出射面とを連結する側面をさらに含み、側面は光入射面に入射したレーザ光を反射して光出射面まで導く機能を有し、集光部材は集光部材の周囲の環境よりも屈折率の高い物質により形成され、保持部材は、光入射面を保持し、または、側面を点状または線状に保持している。
【0008】
この発明の集光ユニットでは、上記のように、レーザ光が入射される光入射面、および、光入射面よりも小さい面積を有するとともにレーザ光を出射する光出射面を含む集光部材を設け、集光部材に光入射面に入射したレーザ光を反射して光出射面まで導く側面を設ける。これにより、光入射面に入射したレーザ光は、側面で反射されながら光出射面まで導光され、集光された状態で光出射面から出射される。また、光入射面に入射したレーザ光は、側面で反射されながら集光部材内を進行し、均一化された光強度分布で光出射面から出射する。
【0009】
また、上記のように、集光部材を保持する保持部材は、光入射面を保持し、または、側面を点状または線状に保持している。保持部材が光入射面を保持する場合、レーザ光が側面で反射される際に保持部材で吸収されることがない。また、保持部材が側面を点状または線状に保持する場合、集光部材と保持部材との接触面積を十分に小さくすることができる。これにより、レーザ光が集光部材と保持部材との接触部分において保持部材側に出射して保持部材で吸収されるのを抑制することができる。すなわち、保持部材で吸収されるレーザ光の量を少なくすることができる。
【0010】
上記集光ユニットにおいて、好ましくは、保持部材はレーザ光を透過する機能を有するとともに、光入射面を保持している。このように構成すれば、レーザ光が保持部材で吸収されるのを抑制することができるので、光入射面を覆うように保持部材を配置することができる。これにより、保持部材により容易に光入射面を保持することができる。
【0011】
上記保持部材が光入射面を保持している集光ユニットにおいて、好ましくは、保持部材は接着層を介して光入射面を保持している。このように構成すれば、保持部材により容易に光入射面を保持することができる。
【0012】
上記集光ユニットにおいて、好ましくは、レーザ光を出射するレーザ発生器を収納する収納部材をさらに備え、収納部材は保持部材を含む。
【0013】
上記集光ユニットにおいて、好ましくは、保持部材は側面のうちの少なくとも光入射面側の部分を保持している。集光部材は光入射面側の部分の方が光出射面側の部分よりも体積が大きく重いので、保持部材が側面の光入射面側の部分を保持することによって、集光部材を安定して保持することができる。また、集光部材の光入射面側の部分は光出射面側の部分に比べて、側面に到達するレーザ光の量が少ないので、側面の光入射面側の部分を保持することによって、保持部材で吸収されるレーザ光の量をより少なくすることができる。
【0014】
上記集光ユニットにおいて、保持部材は側面のうちの少なくとも光出射面側の部分を保持していてもよい。
【0015】
上記保持部材が側面のうちの少なくとも光入射面側の部分、または、少なくとも光出射面側の部分を保持している集光ユニットにおいて、好ましくは、保持部材は集光部材に線状に接触する線状接触部を含み、線状接触部は金属により形成されている。このように構成すれば、保持部材で吸収されるレーザ光の量をさらに少なくすることができる。
【0016】
上記保持部材が側面のうちの少なくとも光入射面側の部分、または、少なくとも光出射面側の部分を保持している集光ユニットにおいて、好ましくは、保持部材は集光部材に点状に接触する点状接触部を含み、点状接触部は集光部材よりも小さい硬度を有する。このように構成すれば、保持部材の点状接触部により集光部材が損傷するのを抑制することができる。
【0017】
上記保持部材が側面のうちの少なくとも光入射面側の部分、または、少なくとも光出射面側の部分を保持している集光ユニットにおいて、好ましくは、保持部材は集光部材に点状に接触する点状接触部を含み、点状接触部の集光部材に接触する部分は曲面状に形成されている。このように構成すれば、保持部材と集光部材との接触面積を極めて小さくすることができるので、特に有効である。
【0018】
上記保持部材が側面のうちの少なくとも光入射面側の部分、または、少なくとも光出射面側の部分を保持している集光ユニットにおいて、好ましくは、集光部材の導光方向に垂直な断面は、複数の頂点を有する多角形状であり、保持部材は複数の頂点のうちの少なくとも2つの頂点に接触している。このように構成すれば、保持部材を集光部材に点接触または線接触させることができるので、保持部材で吸収されるレーザ光の量をさらに少なくすることができる。また、集光部材内を導光されるレーザ光は、集光部材の断面の頂点には到達しにくい。すなわち、集光部材の頂点部分におけるレーザ光の密度は他の部分におけるレーザ光の密度に比べて低い。これにより、保持部材で吸収されるレーザ光の量をさらに少なくすることができる。
【0019】
上記保持部材が側面のうちの少なくとも光入射面側の部分、または、少なくとも光出射面側の部分を保持している集光ユニットにおいて、好ましくは、集光部材の導光方向に垂直な断面は、複数の辺を有する多角形状であり、保持部材は、複数の辺のうち最も小さい辺の少なくとも1つの辺に接触している。このように構成すれば、集光部材を容易に安定して保持することができる。
【0020】
上記保持部材が側面のうちの少なくとも光入射面側の部分、または、少なくとも光出射面側の部分を保持している集光ユニットにおいて、好ましくは、保持部材は集光部材の側面を覆うように形成されている。このように構成すれば、集光部材の側面から出射したレーザ光が集光ユニットの外部に漏れるのを抑制することができるので、レーザ光が人の眼などに悪影響を及ぼすのを抑制することができる。
【0021】
上記集光ユニットにおいて、好ましくは、集光部材から出射したレーザ光が照射され、レーザ光の少なくとも一部を蛍光に変換して出射する蛍光部材をさらに備える。
【0022】
上記蛍光部材を備える集光ユニットにおいて、好ましくは、蛍光部材から出射した蛍光を所定の方向に向かって反射する反射部材をさらに備える。
【0023】
上記集光ユニットにおいて、好ましくは、集光部材の光入射面には複数のレーザ発生器から出射したレーザ光が入射される。この集光部材を用いれば、複数のレーザ発生器から出射したレーザ光を容易に集光することができる。このため、複数のレーザ発生器をレーザ光源として用いる場合にこの集光部材を用いることは、特に有効である。
【0024】
上記集光ユニットにおいて、好ましくは、光出射面が、粗面あるいはモスアイ状である。このように構成すれば、光出射面の内側での反射が抑制され、光を効率的に外部に取り出すことができる。
【0025】
この発明の発光装置は、上記の構成の集光ユニットと、集光ユニットの集光部材に向かってレーザ光を出射するレーザ発生器と、を備える。
【0026】
この発明の集光ユニットは、レーザ光が入射される光入射面、および、光入射面よりも小さい面積を有するとともにレーザ光を出射する光出射面を含む集光部材と、集光部材を保持する保持部材と、を備え、集光部材は、レーザ光が通過する通過領域と、レーザ光が通過しない非通過領域とを含み、保持部材は、非通過領域を保持している。
【0027】
この発明の集光ユニットでは、上記のように、レーザ光が入射される光入射面、および、光入射面よりも小さい面積を有するとともにレーザ光を出射する光出射面を含む集光部材を設けることによって、光入射面に入射したレーザ光は、集光された状態で光出射面から出射される。
【0028】
また、上記のように、集光部材は、レーザ光が通過する通過領域と、レーザ光が通過しない非通過領域とを含み、保持部材は、非通過領域を保持している。これにより、レーザ光が保持部材で吸収されることがない。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明によれば、レーザ光が入射される光入射面、および、光入射面よりも小さい面積を有するとともにレーザ光を出射する光出射面を含む集光部材を設けることによって、光入射面に入射したレーザ光は、集光された状態で光出射面から出射される。このため、集光部材から出射するレーザ光を高密度化することができる。
【0030】
また、レーザ光が保持部材で吸収されることがない、または、保持部材で吸収されるレーザ光の量を少なくすることができる。このため、レーザ光の利用効率が低下するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態の集光ユニットを備えた発光装置の構造を示した断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の発光装置の構造を示した斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態のレーザ発生装置の構造を示した斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態の半導体レーザ素子およびヒートスプレッダの構造を示した斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態の半導体レーザ素子の構造を示した斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態の半導体レーザ素子から出射するレーザ光を説明するための図である。
【図7】本発明の第1実施形態の集光部材およびガラス板の構造を示した斜視図である。
【図8】本発明の第1実施形態のレーザ発生装置に集光部材を取り付けた状態を示した斜視図である。
【図9】本発明の第1実施形態の集光部材およびガラス板の構造を示した上面図である。
【図10】本発明の第1実施形態の集光部材の構造を説明するための斜視図である。
【図11】本発明の第1実施形態の集光部材の構造を示した上面図である。
【図12】本発明の第1実施形態の集光部材の構造を示した側面図である。
【図13】本発明の第1実施形態の集光部材に入射したレーザ光の進行を説明するための側面図である。
【図14】本発明の第1実施形態の集光部材に入射したレーザ光の進行を説明するための上面図である。
【図15】本発明の第1実施形態の半導体レーザ素子の配置方向の変形例を示した上面図である。
【図16】本発明の第1実施形態の集光部材の変形例を示した上面図である。
【図17】本発明の第1実施形態の集光部材の変形例を示した斜視図である。
【図18】図17の集光部材の光出射面を示した正面図である。
【図19】本発明の第1実施形態の集光部材の変形例を示した斜視図である。
【図20】本発明の第1実施形態の集光部材の光出射面におけるレーザ光の光強度分布を説明するための図である。
【図21】本発明の第1実施形態の蛍光部材周辺の構造を示した図である。
【図22】本発明の第1実施形態の蛍光部材の中央部のみにレーザ光を照射した状態を示した斜視図である。
【図23】本発明の第1実施形態の反射部材の構造を説明するための断面図である。
【図24】本発明の第1実施形態の反射部材の構造を説明するための正面図である。
【図25】本発明の第2実施形態の集光部材および金属ベルトの構造を示した斜視図である。
【図26】本発明の第2実施形態の集光部材の構造を示した上面図である。
【図27】本発明の第2実施形態の集光部材の構造を示した側面図である。
【図28】本発明の第2実施形態の集光部材および半導体レーザ素子の構造を示した上面図である。
【図29】本発明の第2実施形態の保持部材の効果を確認するために行った確認実験を説明するための図である。
【図30】本発明の第3実施形態の集光部材および保持部材の構造を示した斜視図である。
【図31】本発明の第3実施形態の集光部材および保持部材の構造を示した断面図である。
【図32】本発明の第3実施形態の集光部材および半導体レーザ素子の構造を示した上面図である。
【図33】本発明の第3実施形態の保持部材の変形例を示した斜視図である。
【図34】本発明の第3実施形態の集光部材および保持部材の構造を示した断面図である。
【図35】本発明の第4実施形態の集光部材および保持部材の構造を示した斜視図である。
【図36】本発明の第4実施形態の集光部材および保持部材の構造を示した断面図である。
【図37】本発明の第5実施形態の集光部材および保持部材の構造を示した断面図である。
【図38】本発明の第1変形例による保持部材を説明するための斜視図である。
【図39】本発明の第2変形例による発光装置の構造を示した斜視図である。
【図40】本発明の第2変形例による発光装置の小型パッケージの構造を示した斜視図である。
【図41】本発明の第3変形例による集光部材の構造を示した上面図である。
【図42】本発明の第3変形例による集光部材の構造を示した側面図である。
【図43】本発明の第3変形例による集光部材の各部分の寸法を示した図である。
【図44】本発明の第4変形例による集光ユニットの構造を示した断面図である。
【図45】本発明の第5変形例による発光装置の構造を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、理解を容易にするために、断面図であってもハッチングを施さない場合や、断面図でなくてもハッチングを施す場合がある。
【0033】
(第1実施形態)
図1〜図24を参照して、本発明の第1実施形態による発光装置1の構造について説明する。なお、図面簡略化のために、半導体レーザ素子11の数を省略して描いている場合がある。
【0034】
本発明の第1実施形態による発光装置1は、例えば自動車などの前方を照明する前照灯として用いられるものである。発光装置1は図1および図2に示すように、レーザ光源(励起光源)として機能するレーザ発生装置10と、レーザ発生装置10から出射したレーザ光を利用して所定の方向(A方向)に光を投光する投光ユニット20とを備える。なお、図2では、理解を容易にするために、投光ユニット20の後述する取付部24c、フィルタ部材25および支持板26を省略している。
【0035】
レーザ発生装置10は図3に示すように、複数の半導体レーザ素子11(レーザ発生器)と、複数の半導体レーザ素子11が実装されるヒートスプレッダ12と、これらを収納する金属製の筐体13(収納部材)とを含んでいる。なお、図3および図8では、後述する透明板17を省略している。
【0036】
ヒートスプレッダ12は例えば窒化アルミニウム製の平板により形成されており、筐体13の底面に半田付けされている。また、ヒートスプレッダ12は図4に示すように、例えば約15mmの幅(W12)と、約1mmの厚み(T12)と、約2mmの奥行き(L12)とを有する。また、ヒートスプレッダ12の実装面上には、細長形状の電極パターン12aおよび12bが形成されている。この電極パターン12a上には、複数の半導体レーザ素子11が一直線状に配列されて実装されている。本実施形態では、例えば13個の半導体レーザ素子11が実装されており、約10mmの幅(W12a)にわたって配置される。なお、この幅(W12a)は投光ユニット20の後述する集光部材21の光入射面21bの幅(W21a)(図11参照)よりも小さいことが望ましい。
【0037】
半導体レーザ素子11は例えばブロードエリア型レーザであって、励起光として機能するレーザ光を出射する。また、半導体レーザ素子11は、例えば約405nmの中心波長を有する青紫色のレーザ光を出射するように構成されている。また、半導体レーザ素子11は図5に示すように、例えば約200μmの幅(W11)と、約100μmの厚み(T11)と、約1000μmの長さ(L11)とを有する。
【0038】
また、半導体レーザ素子11は、n型GaNから成る厚さ約100μmの基板11aと、基板11a上に順に形成される層厚約0.5μmのn型GaNから成るバッファ層11b、層厚約2μmのn型Al0.05Ga0.95Nから成る下クラッド層11c、InGaNの多重量子井戸から成る活性層11d、および、層厚約0.5μm(最厚部)のp型Al0.05Ga0.95Nから成る上クラッド層11eとを含んでいる。
【0039】
また、上クラッド層11eの所定の位置には、Z方向(半導体レーザ素子11の長さ方向)に延びるリッジが設けられている。このリッジ上には、層厚約0.1μmのp型GaNから成るコンタクト層11fと、Pdから成る電極11gとが形成されている。また、上クラッド層11eの上面と、コンタクト層11fおよび電極11gの側面とを覆うようにSiOから成る絶縁膜11hが形成されている。また、絶縁膜11h上の所定領域には、リッジを覆うとともに、電極11gにオーミック接触するパッド電極11iが形成されている。また、基板11aの下面には、Hf/Alから成る裏面電極11jが形成されている。
【0040】
そして、図4に示すように、各半導体レーザ素子11のパッド電極11iはAuワイヤ14を介してヒートスプレッダ12の電極パターン12bに電気的に接続されている。また、各半導体レーザ素子11の裏面電極11j(図5参照)は図示しない半田層などを介して電極パターン12aに電気的に接続されている。なお、半導体レーザ素子11の発光部11k(図6参照)の幅を規定するのは上クラッド層11eのリッジ幅(図5のW11a)であり、このリッジ幅は例えば7μmに設定される。この場合、発光部11kの幅は約7μmとなる。
【0041】
半導体レーザ素子11のパッド電極11iと裏面電極11jとの間に直流電流を印加すると、図6に示すように、X方向(半導体レーザ素子11の幅方向)およびY方向(半導体レーザ素子11の厚み方向)に楕円状に広がるレーザ光が発光部11kから出射される。このレーザ光の進行方向(Z方向)に対して垂直なXY面に投影される楕円光の光強度分布は、X方向およびY方向において共にガウス分布となる。X方向の光強度分布の半値全幅(θx)は約10°で、Y方向の光強度分布の半値全幅(θy)は約20°であり、レーザ光の広がり角は、Y方向がX方向より約2倍大きくなっている。このことにより、このレーザ光は、X方向を短軸方向、Y方向を長軸方向として広がりながら進行する。
【0042】
また、筐体13は図3に示すように、レーザ光の出射側に開口部13aを有する箱型に形成されている。また、筐体13には、半導体レーザ素子11に電力を供給するための電極ピン15aおよび15bが挿入されている。この電極ピン15aおよび15bは、金属線16を用いてヒートスプレッダ12の電極パターン12aおよび12bにそれぞれ電気的に接続されている。また、筐体13の開口部13aにはレーザ光を透過する機能を有する透明板17(図7参照)が取り付けられており、筐体13の内部には不活性ガスが封入されている。また、筐体13には放熱フィンなど(図示せず)が設けられていてもよく、筐体13は例えば空冷されてもよい。
【0043】
また、図8および図9に示すように、透明板17(図9参照)の所定の位置には、投光ユニット20の後述する集光部材21が、レーザ光を透過する機能を有する接着層18(図9参照)を介して固定(保持)されている。これにより、複数の半導体レーザ素子11から出射したレーザ光は、集光部材21に入射する。なお、接着層18としては、株式会社アーデル製のオプトクレーブ(商標)等を用いてもよい。接着層18は集光部材21の後述する光入射面21aの全面に設けられていることが好ましく、この場合、透明板17は集光部材21の光入射面21aを接着層18を介して面状に保持することになる。接着層18を樹脂系の透明接着層により形成すると、屈折率は例えば1.5程度にすることが可能であり、集光部材21の屈折率(例えば1.52)に近づけることが可能である。このため、例えば透明板17と集光部材21との間に空気層(屈折率1)が介在する場合に比べて、光入射面21aにおけるレーザ光の反射損失を大幅に低減することが可能である。接着層18は集光部材21の光入射面21aの周縁部(レーザ光が通過しない非通過領域)のみに設けられていてもよい。この場合、接着層18はレーザ光を透過する機能を有してなくてもよい。また、この場合、透明板17は集光部材21を線状に保持することになる。なお、透明板17は本発明の「保持部材」の一例である。
【0044】
また、接着層18を用いずに集光部材21を透明板17に固定する(保持させる)ことも可能である。具体的には、集光部材21と透明板17とを光学溶着や融着により固定してもよい。なお、光学溶着とは、2つの光学部材の表面を高精度に研磨し、これらの表面を互いに密着させることにより、分子間の引力により2つの光学部材を接合する技術である。
【0045】
また、透明板17と集光部材21とを一体成型により形成してもよい。言い換えると、透明板17に対応する部分を集光部材21に設けてもよい。そして、透明板17に対応する部分を筐体13の開口部13aに嵌め込んで、筐体13により集光部材21を保持してもよい。この場合、筐体13は透明板17の側面に対応する部分を線状に保持することになる。また、筐体13は集光部材21のうちの、レーザ光が通過しない非通過領域を保持することになる。さらに、透明板17に対応する部分を筐体13の開口部13aよりも大きく形成し、透明板17の光入射面の周縁部に対応する部分を筐体13に接着してもよい。この場合も、筐体13は集光部材21を線状に保持することになる。また、筐体13は集光部材21のうちの、レーザ光が通過しない非通過領域を保持することになる。なお、透明板17に対応する部分を集光部材21に設ける場合、筐体13が本発明の「保持部材」となる。
【0046】
投光ユニット20は図1に示すように、レーザ発生装置10(半導体レーザ素子11)のレーザ光出射側に配置され、レーザ発生装置10からのレーザ光を集光しながら導光する集光部材21と、集光部材21から出射したレーザ光の少なくとも一部を蛍光に変換して出射する蛍光部材22と、蛍光部材22から出射した蛍光を所定の方向(A方向)に向かって反射する反射部材23と、蛍光部材22が固定される取付部材24と、反射部材23の開口部に設けられるフィルタ部材25とを含んでいる。なお、本実施形態では、投光ユニット21の集光部材21、蛍光部材22および反射部材23と、レーザ発生装置10の透明板17および接着層18(またはレーザ発生装置10の筐体13)とによって、集光ユニット30が構成されている。
【0047】
集光部材21は透光性を有する部材により形成されているとともに、集光部材21の周囲の環境(空気)よりも屈折率の高い物質により形成されている。集光部材21の材料としては、例えばホウケイ酸クラウン光学ガラス(BK7)または合成石英などのガラスや、樹脂などが挙げられる。また、集光部材21は図10に示すように、複数の半導体レーザ素子11から出射したレーザ光が入射される光入射面21aと、レーザ光を出射する光出射面21bと、光入射面21aおよび光出射面21bの間に配置される(光入射面21aおよび光出射面21bを連結する)上面21c、下面21dおよび一対の側端面21eとを含んでいる。なお、上面21c、下面21dおよび一対の側端面21eは、本発明の「側面」の一例である。
【0048】
光入射面21aは例えば略長方形状の平坦面により形成されている。光出射面21bは例えば略正方形状(矩形状)の平坦面により形成されているとともに、光入射面21aよりも小さい面積を有する。具体的には、図11および図12に示すように、光入射面21aは約2.24mmの高さ(H21a)と、約11.0mmの幅(W21a)とを有する。また、光出射面21bは約1.03mmの高さ(H21b)と、約1.03mmの幅(W21b)とを有する。すなわち、集光部材21は幅方向および厚み方向に対して先細り形状に形成されている。また、光入射面21aおよび光出射面21b上には、図示しない反射防止(AR(Anti Reflection))膜が形成されていてもよい。
【0049】
また、光出射面21bをすりガラス状の粗面あるいは所謂モスアイ状にしてもよい。この場合、集光部材21内部から光出射面21bを通して外部にレーザ光を取り出す際の取り出し効率を大きく向上させることができた。光出射面21bが平坦面である場合には、集光部材21内部においてレーザ光が光出射面21bに到達した際に、光出射面21bの内側で反射され、外部に取り出すことができないレーザ光成分が生じてしまう。それに対し、光出射面21bをすりガラス状の粗面あるいは所謂モスアイ状とすることによって、光出射面21bの内側での反射が抑制され、光を効率的に外部に取り出すことができる。
【0050】
上面21cおよび下面21dは互いに同じ形状に形成されており、一対の側端面21eは互いに同じ形状に形成されている。また、上面21c、下面21dおよび一対の側端面21eは約50mmの長さ(L21)を有する。また、上面21cおよび下面21dの光入射面21aに対する角度(θ21cおよびθ21d)は、側端面21eの光入射面21aに対する角度(θ21e)よりも大きい。
【0051】
また、上面21c、下面21dおよび一対の側端面21eは、光入射面21aに入射したレーザ光を反射して光出射面21bまで導く機能を有する。
【0052】
ここで、集光部材21に入射したレーザ光の進行について簡単に説明する。図13および図14に示すように、半導体レーザ素子11から出射したレーザ光は、長軸方向および短軸方向に広がりながら進行し、集光部材21の光入射面21aに入射する。そして、レーザ光は上面21c、下面21dおよび一対の側端面21eで全反射を繰り返すことにより、集光されながら光出射面21bまで導光され、光出射面21bから外部に出射する。すなわち、集光部材21は光入射面21aに入射したレーザ光の進行方向を集光部材21の内部で変更してレーザ光を光出射面21bまで導く機能を有する。なお、半導体レーザ素子11から出射したレーザ光は長軸方向の広がり角が短軸方向の広がり角よりも大きいので、上面21cおよび下面21dにおいて全反射条件を満たしにくくなる。このため、上面21cおよび下面21dの光入射面21aに対する角度(θ21cおよびθ21d)(図12参照)を、側端面21eの光入射面21aに対する角度(θ21e)(図11参照)よりも大きくすることによって、上面21cおよび下面21dにおいて全反射条件を満たさなくなるのを抑制している。
【0053】
また、図15に示すように、レーザ光の出射方向(レーザ光の光軸方向)が集光部材21の光出射面21bの中心付近を向くように半導体レーザ素子11を配置すれば、一対の側端面21eにおいて全反射条件をより満たしやすくなるので、特に有効である。なお、レーザ光の出射方向が光出射面21bの中心付近を向くように半導体レーザ素子11を配置する場合、図16に示すように、各レーザ光の出射方向と光入射面21aとが直交するように光入射面21aを形成してもよい。これにより、レーザ光の集光部材21への入射効率が低下するのを抑制することが可能である。
【0054】
また、図17〜図19に示すように、集光部材21のエッジを面取りしてもよい。すなわち、集光部材21の導光方向に垂直な断面を、コーナー部が面取りされた矩形状にしてもよい。この場合、図17および図18に示すように、集光部材21のエッジ(断面におけるコーナー部)を、例えばC0.3mmにC面取りしてもよい。また、図19に示すように、集光部材21のエッジをR面取りし、光出射面21bを略円形状に形成してもよい。なお、集光部材21の導光方向とは、光入射面21aの中心から光出射面21bの中心に向かう方向である。集光部材21の導光方向に垂直な断面をコーナー部が面取りされた矩形状に形成すれば、集光部材21のエッジ(断面のコーナー部)におけるレーザ光の散乱を抑制することが可能である。これにより、集光部材21からレーザ光が漏れるのを抑制することが可能であるので、レーザ光の利用効率を向上させることが可能である。
【0055】
本実施形態の集光部材21の光出射面21bにおけるレーザ光の光強度分布は図20に示すように、均一になる。すなわち、光出射面21bから出射するレーザ光の光強度分布はガウス分布状ではなくなる。このため、蛍光部材22の後述する照射面22aに光密度が高くなりすぎる部分が発生するのを抑制することが可能である。これにより、蛍光部材22に含有される蛍光体やバインダーが熱により劣化したり、光により化学反応を起こし劣化するのを抑制することが可能である。
【0056】
また、図21に示すように、集光部材21はB方向(投光方向(所定の方向、A方向)とは反対側)に傾斜している。また、集光部材21の光出射面21bと蛍光部材22の照射面22aとの間には隙間(空間)が形成されている。
【0057】
蛍光部材22はレーザ光が照射される照射面22aを有する。また、蛍光部材22の背面(照射面22aとは反対側の面)はアルミニウムからなる支持板26に接触されている。蛍光部材22の照射面22aの中央部に図22に示すように、集光部材21を通して集光されたレーザ光が照射される。このとき、照射面22aの中央部にてレーザ光が照射される領域は2mmφ程度となる。なお、蛍光部材22を2mmφ程度に形成し、レーザ光を蛍光部材22の照射面22aの全面に照射してもよい。
【0058】
また、蛍光部材22は、例えば青紫色光(励起光)を赤色光、緑色光および青色光にそれぞれ変換して出射する3種類の蛍光体粒子を用いて形成されている。青紫色光を赤色光に変換する蛍光体としては、例えばCaAlSiN:Euが挙げられる。青紫色光を緑色光に変換する蛍光体としては、例えばβ−SiAlON:Euが挙げられる。青紫色光を青色光に変換する蛍光体としては、例えば(Ba,Sr)MgAl1017:Euが挙げられる。これらの蛍光体は無機のバインダー(シリカやTiOなど)により繋ぎ止められている。そして、蛍光部材22から出射する赤色光、緑色光および青色光の蛍光が混色されることによって、白色光が得られる。なお、赤色光は例えば約640nmの中心波長を有する光であり、緑色光は例えば約520nmの中心波長を有する光である。また、青色光は例えば約450nmの中心波長を有する光である。
【0059】
また、蛍光部材22は図1に示すように、反射部材23の反射面23aの焦点F23を含む領域に配置されており、蛍光部材22の照射面22aの中心は、反射面23aの焦点F23と略一致している。なお、蛍光部材22は、反射部材23の反射面23aの焦点F23の近傍に配置されていてもよい。また、蛍光部材22の照射面22aは図21に示すように、投光方向(A方向)に向かって上側に傾斜している。
【0060】
反射部材23の反射面23aは図23に示すように、蛍光部材22の照射面22aに対向するように配置されている。また、反射面23aは、例えば放物面の一部を含むように形成されている。具体的には、反射面23aは放物面を、その頂点V23と焦点F23とを結ぶ軸に直交(交差)する面で分割し、かつ、頂点V23と焦点F23とを結ぶ軸に平行な面で分割したような形状に形成されている。そして、反射面23aは図23および図24に示すように、約30mmの深さ(B方向の長さ)を有するとともに、投光方向(A方向)から見て約30mmの半径を有する略半円形状に形成されている。
【0061】
また、反射面23aは蛍光部材22からの光を平行光にして所定の方向(A方向)に反射する機能を有する。ただし、実際には、照射面22a上のレーザ光のスポット領域(照射領域)は一定の大きさを有しているので、反射部材23から出射する光は完全な平行光ではないが、本明細書では説明を簡単にするために、反射部材23から平行光が出射される、と説明する場合がある。
【0062】
また、反射部材23のうちの蛍光部材22の中心よりもB方向の部分には、貫通穴23bが形成されている。この貫通穴23bには、集光部材21の先端部分が挿入される。
【0063】
なお、反射部材23は金属により形成されていてもよいし、樹脂の表面に反射膜を設けることにより形成されていてもよい。
【0064】
反射部材23には取付部材24が固定されている。この取付部材24の上面24aは光を反射する機能を有するように形成されていることが好ましい。取付部材24は例えばAlやCuなどの良好な熱伝導性を有する金属により形成されており、蛍光部材22で発生した熱を放熱する機能を有する。また、取付部材24の上面24aには、蛍光部材22および支持板26を固定するための取付部24bが一体的に形成されている。また、図21に示すように、取付部24bの取付面24cは、投光方向(A方向)に向かって上側に傾斜している。なお、取付部材24の下面には、放熱フィン(図示せず)が設けられていることが好ましい。
【0065】
また、図1に示すように、反射部材23の開口部(A方向の端部)には、励起光(約405nmの波長の光)を遮光(吸収または反射)し、蛍光部材22により波長変換された蛍光(赤色光、緑色光および青色光)を透過するフィルタ部材25が設けられている。具体的には、フィルタ部材25は例えば約418nm以下の波長の光を吸収し、約418nmよりも大きい波長の光を透過する、五鈴精工硝子株式会社製のITY−418や、例えば約420nm以下の波長の光を吸収し、約420nmよりも大きい波長の光を透過する、HOYA株式会社製のL42等のガラス材料を用いて形成することが可能である。反射部材23の開口部にフィルタ部材25を設けることによって、レーザ光が外部に漏れるのを抑制することが可能である。
【0066】
本実施形態では、上記のように、レーザ光が入射される光入射面21a、および、光入射面21aよりも小さい面積を有するとともにレーザ光を出射する光出射面21bを含む集光部材21を設け、集光部材21に光入射面21aに入射したレーザ光を反射して光出射面21bまで導く側面(上面21c、下面21dおよび一対の側端面21e)を設ける。これにより、光入射面21aに入射したレーザ光は、側面で反射されながら光出射面21bまで導光され、集光された状態で光出射面21bから出射される。このため、集光部材21から出射するレーザ光を高密度化することができる。また、光入射面21aに入射したレーザ光は、側面で全反射されながら集光部材21内を進行し、均一化された光強度分布で光出射面21bから出射する。すなわち、光出射面21bから出射するレーザ光の光強度分布はガウス分布状ではなくなる。このため、蛍光部材22の照射面に光密度が高くなりすぎる部分が発生するのを抑制することができる。これにより、蛍光部材22に含有される蛍光体やバインダーが熱により劣化したり、光により化学反応を起こし劣化するのを抑制することができる。
【0067】
また、上記のように、集光部材21を保持するガラス板17は、光入射面21aを保持している。これにより、レーザ光が側面で反射される際にガラス板17で吸収されることがないので、レーザ光の利用効率が低下するのを抑制することができる。
【0068】
また、上記のように、ガラス板17は、レーザ光を透過する機能を有する。これにより、レーザ光がガラス板17で吸収されるのを抑制することができるので、光入射面21aを覆うようにガラス板17を配置することができる。このため、ガラス板17により容易に光入射面21aを保持することができる。
【0069】
また、上記のように、集光部材21にガラス板17に対応する部分を一体成型し、筐体13により集光部材21を保持してもよい。
【0070】
また、上記のように、複数の半導体レーザ素子11から出射したレーザ光が入射される集光部材21を用いることによって、複数の半導体レーザ素子11から出射したレーザ光を容易に集光することができる。このため、複数の半導体レーザ素子11をレーザ光源として用いる場合にこの集光部材21を用いることは、特に有効である。
【0071】
また、上記のように、光出射面21bを粗面あるいはモスアイ状にすることによって、光出射面21bの内側での反射が抑制され、光を効率的に外部に取り出すことができる。
【0072】
また、上記のように、集光部材21にガラス板17に対応する部分を一体成型した場合に、筐体13は集光部材21のうちのレーザ光が通過しない非通過領域を保持する。これにより、レーザ光が筐体13で吸収されることがないので、レーザ光の利用効率が低下するのを抑制することができる。
【0073】
(第2実施形態)
この第2実施形態では、図25〜図29を参照して、上記第1実施形態と異なり、保持部材110が集光部材21の側面を保持する場合について説明する。
【0074】
本発明の第2実施形態による集光ユニットは、図25に示すように、集光部材21と集光部材21を保持する保持部材110とを含んでいる。なお、図25のハッチング部分は、保持部材110の後述する金属ベルト111を示している。集光部材21はレーザ発生装置10の透明板17から所定の距離(隙間)を隔てて配置されており、保持部材110はレーザ発生装置10とは別体で設けられている。
【0075】
本実施形態の集光部材21では、図26および図27に示すように、光入射面21aは約6.0mmの高さ(H21a)と、約23.4mmの幅(W21a)とを有する。光入射面21aは3つの部分121a、121bおよび121cに分かれている。部分121aは約11.44mmの幅(W121a)を有する。部分121bおよび121cは部分121aに対して約5.46度だけ光出射面21b側に傾斜している。
【0076】
光出射面21bは約2.66mmの高さ(H21b)と、約2.66mmの幅(W21b)とを有する。一対の側端面21eは導光方向に対して約4.96度だけ傾斜している。上面21cおよび下面21dは約120mmの長さ(L21)を有する。
【0077】
本実施形態では図28に示すように、レーザ光源として、3つの半導体レーザ素子11が設けられている。半導体レーザ素子11は光入射面21aの3つの部分121a〜121cに対応して1つずつ配置されている。また、各レーザ光の出射方向が集光部材21の光出射面21bの中心付近を向くように半導体レーザ素子11が配置されている。なお、光入射面21aにおいて、両端に配置された半導体レーザ素子11の中心軸から側端面21eまでの距離(L21a)は、約0.3mmである。
【0078】
保持部材110は図25に示すように、集光部材21に線状に接触する複数の金属ベルト111(線状接触部)を含んでいる。この金属ベルト111は金属製であり、光を反射する機能を有する。金属ベルト111は集光部材21の側面(上面21c、下面21dおよび一対の側端面21e)のうちの光入射面21a側の端部と光出射面21b側の端部とに設けられている。各金属ベルト111は例えば5mm以下の幅(W111)(図28参照)に形成されている。金属ベルト111は金属板を折り曲げることにより形成されていてもよいし、集光部材21の表面上に形成された薄膜であってもよい。
【0079】
保持部材110は、後述する第3実施形態の本体部212のようなものも含んでおり、この部分が金属ベルト111に連結している。そして、保持部材110は集光部材21の側面を線状に保持している。
【0080】
なお、第2実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
【0081】
本実施形態では、上記のように、保持部材110は、集光部材21の側面(上面21c、下面21dおよび一対の側端面21e)を線状に保持している。これにより、集光部材21と保持部材110との接触面積を十分に小さくすることができる。このため、レーザ光が集光部材21と保持部材110との接触部分において全反射条件を満たさなくなり保持部材110側に出射して保持部材110で吸収されるのを抑制することができる。すなわち、保持部材110で吸収されるレーザ光の量を少なくすることができる。これにより、レーザ光の利用効率が低下するのを抑制することができる。
【0082】
また、上記のように、保持部材110により側面(上面21c、下面21dおよび一対の側端面21e)のうちの光入射面21a側の部分と光出射面21b側の部分とを保持する。これにより、集光部材21を安定して保持することができる。
【0083】
また、上記のように、保持部材110は集光部材21に線状に接触する金属製の金属ベルト111を含む。これにより、保持部材110で吸収されるレーザ光の量をさらに少なくすることができる。
【0084】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0085】
次に、図29を参照して、上記した効果を確認するために行った確認実験について説明する。
【0086】
この確認実験では、集光部材21の光入射面21aを保持する(第1実施形態に対応した)実施例1と、第2実施形態に対応した実施例2−1〜2−3とについて、集光部材21の光出射面21bにおけるレーザ光の出力(光量)をシミュレーションにより求めた。
【0087】
実施例1では、集光部材21と透明板17とを光学溶着により固定した。なお、その他の構造は、上記第2実施形態と同様にした。すなわち、実施例1は、第2実施形態の各金属ベルト111の幅(W111)を0mmにしたものに対応している。
【0088】
実施例2−1では、各金属ベルト111の幅(W111)を約1.6mmにした。実施例2−2では、各金属ベルト111の幅(W111)を約3.1mmにした。実施例2−3では、各金属ベルト111の幅(W111)を約5.1mmにした。その他の構造は上記第2実施形態と同様にした。
【0089】
そして、実施例1および実施例2−1〜2−3について、集光部材21の光出射面21bにおけるレーザ光の光量を求め、実施例1の値を「1」として規格化を行った。その結果を図29に示す。
【0090】
図29を参照して、金属ベルト111の幅を広くすると光出射面21bにおけるレーザ光の光量が低下した。これにより、集光部材21の側面に接する金属ベルト111が光損失の要因となり、集光部材21と保持部材110との接触面積(金属ベルト111の幅)を小さくするとレーザ光の利用効率が低下するのを抑制することが可能であることが判明した。また、金属ベルト111を用いる場合、金属ベルト111の幅は小さい方が好ましく、金属ベルト111の幅を約1mm以下にすれば光損失を約5%以下に抑えることが可能であることが判明した。具体的には、実施例2−1の光量は約0.94であり、光量が約6%低下した。実施例2−2の光量は約0.89であり、光量が約11%低下した。実施例2−3の光量は約0.83であり、光量が約17%低下した。
【0091】
(第3実施形態)
この第3実施形態では、図30〜図34を参照して、上記第2実施形態と異なり、保持部材210が集光部材21の側面を点状に保持する場合について説明する。
【0092】
本発明の第3実施形態による集光ユニットは、図30および図31に示すように、集光部材21と集光部材21を保持する保持部材210(図31参照)とを含んでいる。なお、図30では、理解を容易にするために、保持部材210の後述する本体部212および規制部213を省略している。
【0093】
保持部材210は集光部材21に点状に接触する複数のポスト211(点状接触部)と、複数のポスト211が取り付けられる本体部212(図31参照)と、後述する規制部213(図34参照)とを含んでいる。複数のポスト211は集光部材21の側面(上面21c、下面21dおよび一対の側端面21e)のうちの光入射面21a側の端部と光出射面21b側の端部とに設けられている。例えば、光入射面21a側の端部においてポスト211は上面21c、下面21dおよび一対の側端面21eに対して1つずつ設けられており、光出射面21b側の端部においてポスト211は一対の側端面21eに対して1つずつ設けられている。
【0094】
ポスト211は略円柱形状に形成されており、集光部材21に接触する部分は半球状(曲面状)に形成されている。このため、ポスト211は集光部材21に点接触することになり、保持部材210は集光部材21を点状に保持することになる。また、ポスト211は集光部材21よりも小さい硬度を有しており、例えば樹脂などにより形成されている。なお、ポスト211の集光部材21に接触する部分は半球状でなくてもよく、例えば平坦面状であってもよい。この場合、ポスト211は細い方が好ましい。
【0095】
図31に示すように、複数のポスト211は本体部212に設けられた複数の挿入穴(図示せず)に挿入されている。ポスト211の突出量が調節可能となるように、ポスト211にねじ山が形成されていてもよい。
【0096】
ここで、集光部材21は図32に示すように、レーザ光が通過する通過領域S1と、レーザ光が通過しない非通過領域S2(図32のハッチング領域)とを含んでいる。図30では光入射面21a側の端部においてポスト211aは通過領域S1上に配置されており、ポスト211bは非通過領域S2上に配置されているが、図33に示すようにポスト211aも非通過領域S2上に配置してもよい。この場合、レーザ光が保持部材210で吸収されることがないので、レーザ光の利用効率が低下するのをより抑制することができる。このような構成は、ポスト211の集光部材21に接触する部分が平坦面状である場合に特に有効である。
【0097】
本体部212は図31および図34に示すように、集光部材21の側面を覆う筒状に形成されている。そして、本体部212の内部に集光部材21および複数のポスト211が配置されている。
【0098】
図34に示すように、本体部212の後端部には集光部材21が後側(C方向)に移動するのを防止する規制部213が設けられている。なお、集光部材21は先細り形状に形成されているので、集光部材21は前側(D方向)には移動しない。
【0099】
なお、第3実施形態のその他の構造は、上記第2実施形態と同様である。
【0100】
本実施形態では、上記のように、保持部材210は集光部材21に点状に接触するポスト211を含み、ポスト211は集光部材21よりも小さい硬度を有する。これにより、保持部材210のポスト211により集光部材21が損傷するのを抑制することができる。
【0101】
また、上記のように、ポスト211の集光部材21に接触する部分を半球状(曲面状)に形成することによって、保持部材210と集光部材21との接触面積を極めて小さくすることができるので、レーザ光の利用効率が低下するのをさらに抑制することができる。
【0102】
また、上記のように、保持部材210は集光部材21の側面(上面21c、下面21dおよび一対の側端面21e)を覆うように形成されている。これにより、集光部材21の側面から出射したレーザ光が集光ユニット30の外部に漏れるのを抑制することができるので、レーザ光が人の眼などに悪影響を及ぼすのを抑制することができる。
【0103】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
【0104】
(第4実施形態)
この第4実施形態では、図35および図36を参照して、上記第2および第3実施形態と異なり、保持部材310の金属線311が集光部材21の側面を保持する場合について説明する。
【0105】
本発明の第4実施形態による集光ユニットは、図35および図36に示すように、集光部材21と集光部材21を保持する保持部材310とを含んでいる。保持部材310は集光部材21に線状に接触する複数の金属線311(線状接触部)を含んでいる。なお、図35および図36では、理解を容易にするために、保持部材310のうちの金属線311以外の部分を省略している。図36に示すように、各金属線311は集光部材21の側面のうちの隣接する2つの側面に接触するように折り曲げられている。
【0106】
保持部材310は、図示しないが上記第3実施形態の本体部212のようなものも含んでおり、この部分が金属線311に連結している。そして、保持部材310は集光部材21の側面を線状に保持している。
【0107】
なお、第4実施形態のその他の構造および効果は、上記第2および第3実施形態と同様である。
【0108】
(第5実施形態)
この第5実施形態では、図37を参照して、上記第2〜第4実施形態と異なり、保持部材410が集光部材21の断面の頂点のみに接触する場合について説明する。
【0109】
本発明の第5実施形態による集光ユニットは、図37に示すように、集光部材21と集光部材21を保持する保持部材410とを含んでいる。保持部材410は、楕円の一部を切り取ったC形状の断面を有するように形成されている。このため、保持部材410を広げて集光部材21を挿入することにより、保持部材410の内面は、導光方向に垂直な断面における集光部材21の頂点(図では4つの頂点)に接触する。この場合、保持部材410は集光部材21を線状に保持することになる。
【0110】
保持部材410は集光部材21の側面を覆っている。また、保持部材410は集光部材21よりも小さい硬度となるように形成されており、例えば樹脂などにより形成されている。
【0111】
なお、第5実施形態のその他の構造は、上記第2〜第4実施形態と同様である。
【0112】
本実施形態では、上記のように、保持部材410は、集光部材21の導光方向に垂直な断面における複数の頂点に接触している。これにより、保持部材410を集光部材21に線接触させることができるので、保持部材410で吸収されるレーザ光の量を少なくすることができる。また、集光部材21内を導光されるレーザ光は、集光部材21の断面の頂点には到達しにくい。すなわち、集光部材21の頂点部分におけるレーザ光の密度は他の部分におけるレーザ光の密度に比べて低い。これにより、保持部材410で吸収されるレーザ光の量をより少なくすることができる。
【0113】
第5実施形態のその他の効果は、上記第1〜第4実施形態と同様である。
【0114】
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0115】
例えば、上記実施形態では、本発明の発光装置を自動車の前照灯に用いた例について示したが、本発明はこれに限らない。本発明の発光装置を、飛行機、船舶、ロボット、バイクまたは自転車や、その他の移動体の前照灯に用いてもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、本発明の発光装置を前照灯に適用した例について示したが、本発明はこれに限らない。本発明の発光装置をダウンライトまたはスポットライトなどの照明装置や、照明装置以外の発光装置に適用してもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、励起光を可視光に変換した例について示したが、本発明はこれに限らず、励起光を可視光以外の光に変換してもよい。例えば、励起光を赤外光に変換する場合には、セキュリティ用CCDカメラの夜間照明装置などにも適用可能である。
【0118】
また、上記実施形態では、白色光を出射するように、励起光源(半導体レーザ素子)および蛍光部材を構成した例について示したが、本発明はこれに限らない。白色光以外の光を出射するように、励起光源および蛍光部材を構成してもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、集光部材の先端近傍に蛍光部材を配置して励起することにより点光源を得る例について示したが、本発明はこれに限らず、集光部材の先端近傍に蛍光部材を配置しなくてもよい。この場合、例えば、集光部材の先端近傍に半田材を配置して溶かす光源として発光装置を用いてもよい。405nmの波長の光はAuを溶かすのに好適であるので、レーザ溶接を容易に行うことができる。また、例えば、集光部材の先端を感光剤の近傍に配置して感光剤を露光する露光光源として発光装置を用いてもよい。この場合、感光剤の露光時間を大幅に短縮することができる。さらに、例えば、紫外光により被観察物の形状観察などを行う紫外光顕微鏡の光源として発光装置を用いてもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、レーザ光を出射するレーザ発生器として、半導体レーザ素子を用いた例について示したが、本発明はこれに限らず、半導体レーザ素子以外のレーザ発生器を用いてもよい。
【0121】
また、上記実施形態で示した数値は一例であり、各数値は限定されない。
【0122】
また、上記実施形態の半導体レーザ素子から出射するレーザ光の中心波長や、蛍光部材を構成する蛍光体の種類は、適宜変更可能である。例えば、レーザ光を照明光として安全に利用できる場合は、約450nmの中心波長を有する青色のレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、青色のレーザ光の一部を黄色光に変換する蛍光体とを用いて、白色光を得てもよい。この場合、励起光を遮光するフィルタ部材は設けなくてよい。なお、青色のレーザ光の一部を黄色光に変換する蛍光体としては、例えば(Y1−x−yGdCeAl12(0.1≦x≦0.55、0.01≦y≦0.4)などが挙げられる。また、これに限らず、半導体レーザ素子から出射するレーザ光の中心波長は、紫外光〜可視光の範囲で任意に選択されてもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、蛍光部材の照射面から出射した光を照明光として利用する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、蛍光部材の背面(照射面とは反対側の面)や側面から出射した光を照明光として利用してもよい。
【0124】
また、上記実施形態では、反射部材の反射面を放物面の一部により形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、反射面を楕円面の一部により形成してもよい。この場合、蛍光部材を反射面の焦点に位置させることにより、発光装置から出射する光を容易に集光することができる。また、反射面を多数の曲面(例えば放物面)からなるマルチリフレクタや、多数の微細な平面が連続して設けられた自由曲面リフレクタなどにより形成してもよい。
【0125】
また、上記実施形態では、励起光源として複数の半導体レーザ素子を用いた例について示したが、本発明はこれに限らない。励起光源として1つの半導体レーザ素子を用いてもよい。また、励起光源として、複数の発光部を備えた、いわゆる半導体レーザアレイを用いてもよい。
【0126】
また、例えば上記第2実施形態では、金属ベルトを集光部材の光入射面側の端部と光出射面側の端部とに設けた例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば図38に示した本発明の第1変形例による保持部材110のように、光入射面21a側では金属ベルト111を集光部材21の端部に配置し、光出射面21b側では金属ベルト111を端部(光出射面21b)から離して配置してもよい。なお、図38のハッチング部分は、金属ベルト111を示している。光出射面21bに近づくにしたがって集光部材21内のレーザ光の密度が高くなる。このため、金属ベルト111を光出射面21bから離して配置することにより、光密度のより低い部分を金属ベルト111により保持することができる。これにより、レーザ光の損失をより少なくすることができる。このことは、上記第3〜第5実施形態も同様である。
【0127】
また、例えば金属ベルト111を集光部材21の光入射面21a側の部分のみに設けてもよいし、光出射面21b側の部分のみに設けてもよい。ただし、集光部材21は光入射面21a側の部分の方が光出射面21b側の部分よりも体積が大きく重いので、光入射面21a側の部分を保持する方が、集光部材21を安定して保持することができる。また、集光部材21の光入射面21a側の部分は光出射面21b側の部分に比べて、側面に到達するレーザ光の量が少ないので、光入射面21a側の部分を保持する方が、金属ベルト111で吸収されるレーザ光の量をより少なくすることができる。
【0128】
また、上記実施形態では、半導体レーザ素子11を一直線状に配置した例について示したが、本発明はこれに限らず、例えば図39に示した本発明の第2変形例による発光装置のように構成してもよい。具体的には、半導体レーザ素子11(図40参照)を搭載した小型パッケージ511を、2段や3段(図39では3段)の最密充填に配置してもよい。
【0129】
また、集光部材の形状は上記実施形態のものに限らず、例えば図41〜図43に示した本発明の第3変形例による集光部材21のように構成してもよい。具体的には、集光部材21をBK7により形成する場合、光入射面21aの高さ(H21a)を約3mm、光入射面21aの幅(W21a)を約10mm、光出射面21bの高さ(H21b)を約2mm、光出射面21bの幅(W21b)を約2mm、上面21c、下面21dおよび一対の側端面21eの長さ(L21)を約50mm、上面21cおよび下面21dの光入射面21aに対する角度(θ21cおよびθ21d)を約88.9度、側端面21eの光入射面21aに対する角度(θ21e)を約80.9度にしてもよい。また、集光部材21を合成石英により形成する場合、光入射面21aの高さ(H21a)を約6mm、光入射面21aの幅(W21a)を約24mm、光出射面21bの高さ(H21b)を約3mm、光出射面21bの幅(W21b)を約3mm、上面21c、下面21dおよび一対の側端面21eの長さ(L21)を約120mm、上面21cおよび下面21dの光入射面21aに対する角度(θ21cおよびθ21d)を約88.6度、側端面21eの光入射面21aに対する角度(θ21e)を約80.1度にしてもよい。用いる材質によって集光部材21の屈折率が異なるので、効率よく導光する集光部材21の形状(寸法)も異なる。
【0130】
また、集光部材のエッジを面取りする場合、例えば図44に示した本発明の第4変形例による集光ユニットのように、集光部材21の面取りされた面(C面)を保持部材610により保持してもよい。具体的には、集光部材21の4つのコーナー部を面取りすると、集光部材21の導光方向に垂直な断面は例えば8つの辺を有する八角形状(多角形状)になるとともに、上下左右に線対称になる。このとき、コーナー部に位置する4つの辺(C面)621は最も小さい辺になる。4つの辺621は側面に対して例えば45度傾斜している。そして、保持部材610は4つの辺621の少なくとも1つに接触して集光部材21を保持している。なお、集光部材21を安定して保持するためには、保持部材610が2つ以上の辺621を保持することが好ましく、4つの辺621を保持することがより好ましい。このように、集光部材21の面取りされた面(C面)を保持部材610により保持することによって、集光部材21を容易に安定して保持することができる。なお、保持部材610は辺621の延びる方向(紙面に対して略垂直方向)に沿って線状に集光部材21を保持してもよいし、辺621の延びる方向に沿って所定の間隔を隔てて配置され、点状に集光部材21を保持してもよい。また、言うまでもなく、上記第5実施形態の保持部材410を用いて図44の集光部材21の複数の頂点を保持してもよい。
【0131】
また、例えば上記第3実施形態では、保持部材210の本体部212が集光部材21の先端部(光出射面21b近傍の部分)まで覆うように設けられている例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば図45に示した本発明の第5変形例による発光装置のように、集光部材21の先端部が保持部材710の本体部712から突出していてもよい。このように構成すれば、保持部材710を上記第1実施形態の発光装置1に搭載する場合に、保持部材710を反射部材23の外部に配置することができる。これにより、蛍光部材22から出射した光が保持部材710により遮られることがないので、光の損失をより少なくすることができる。なお、保持部材710は反射部材23や取付部材24に固定してもよい。以上のことは、上記第2、第4および第5実施形態も同様である。
【符号の説明】
【0132】
1 発光装置
11 半導体レーザ素子(レーザ発生器)
13 筐体(収納部材、保持部材)
17 透明板(保持部材)
18 接着層
21 集光部材
21a 光入射面
21b 光出射面
21c 上面(側面)
21d 下面(側面)
21e 側端面(側面)
22 蛍光部材
23 反射部材
30 集光ユニット
110、210、310、410、610、710 保持部材
111 金属ベルト(線状接触部)
211 ポスト(点状接触部)
311 金属線(線状接触部)
S1 通過領域
S2 非通過領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光が入射される光入射面、および、前記光入射面よりも小さい面積を有するとともに前記レーザ光を出射する光出射面を含む集光部材と、
前記集光部材を保持する保持部材と、
を備え、
前記集光部材は前記光入射面と前記光出射面とを連結する側面をさらに含み、
前記側面は前記光入射面に入射した前記レーザ光を反射して前記光出射面まで導く機能を有し、
前記集光部材は前記集光部材の周囲の環境よりも屈折率の高い物質により形成され、
前記保持部材は、前記光入射面を保持し、または、前記側面を点状または線状に保持していることを特徴とする集光ユニット。
【請求項2】
前記保持部材は前記レーザ光を透過する機能を有するとともに、前記光入射面を保持していることを特徴とする請求項1に記載の集光ユニット。
【請求項3】
前記保持部材は接着層を介して前記光入射面を保持していることを特徴とする請求項2に記載の集光ユニット。
【請求項4】
前記レーザ光を出射するレーザ発生器を収納する収納部材をさらに備え、
前記収納部材は前記保持部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の集光ユニット。
【請求項5】
前記保持部材は前記側面のうちの少なくとも前記光入射面側の部分を保持していることを特徴とする請求項1に記載の集光ユニット。
【請求項6】
前記保持部材は前記側面のうちの少なくとも前記光出射面側の部分を保持していることを特徴とする請求項1または5に記載の集光ユニット。
【請求項7】
前記保持部材は前記集光部材に線状に接触する線状接触部を含み、
前記線状接触部は金属により形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の集光ユニット。
【請求項8】
前記保持部材は前記集光部材に点状に接触する点状接触部を含み、
前記点状接触部は前記集光部材よりも小さい硬度を有することを特徴とする請求項5または6に記載の集光ユニット。
【請求項9】
前記保持部材は前記集光部材に点状に接触する点状接触部を含み、
前記点状接触部の前記集光部材に接触する部分は曲面状に形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の集光ユニット。
【請求項10】
前記集光部材の導光方向に垂直な断面は、複数の頂点を有する多角形状であり、
前記保持部材は前記複数の頂点のうちの少なくとも2つの頂点に接触していることを特徴とする請求項5または6に記載の集光ユニット。
【請求項11】
前記集光部材の導光方向に垂直な断面は、複数の辺を有する多角形状であり、
前記保持部材は、前記複数の辺のうち最も小さい辺の少なくとも1つの辺に接触していることを特徴とする請求項5または6に記載の集光ユニット。
【請求項12】
前記保持部材は前記集光部材の側面を覆うように形成されていることを特徴とする請求項5〜11のいずれか1項に記載の集光ユニット。
【請求項13】
前記集光部材から出射したレーザ光が照射され、前記レーザ光の少なくとも一部を蛍光に変換して出射する蛍光部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の集光ユニット。
【請求項14】
前記蛍光部材から出射した前記蛍光を所定の方向に向かって反射する反射部材をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の集光ユニット。
【請求項15】
前記集光部材の光入射面には複数のレーザ発生器から出射したレーザ光が入射されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の集光ユニット。
【請求項16】
前記光出射面が、粗面あるいはモスアイ状であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の集光ユニット。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の集光ユニットと、
前記集光ユニットの集光部材に向かってレーザ光を出射するレーザ発生器と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項18】
レーザ光が入射される光入射面、および、前記光入射面よりも小さい面積を有するとともに前記レーザ光を出射する光出射面を含む集光部材と、
前記集光部材を保持する保持部材と、
を備え、
前記集光部材は、前記レーザ光が通過する通過領域と、前記レーザ光が通過しない非通過領域とを含み、
前記保持部材は、前記非通過領域を保持していることを特徴とする集光ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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