説明

集合時刻報知システム

【課題】被引率者を集合時刻に対し適当なタイミングで集合させることができる集合時刻報知システムを提供する。
【解決手段】コミュニケーションシステム1は、引率者及び多数の被引率者からなる集団において、一旦解散して所定時間が経過した後に再度集合する際の被引率者の集合時刻を報知する集合時刻報知システムである。多数の被引率者に携帯されるとともに、第1の親機P1から送信された集合時刻情報を含む無線信号を受信すると、同無線信号に含まれる集合時刻情報をメモリ11aに記憶し、集合時刻までの時間を算出し、同算出された時間が予め設定された時間に至ったときには、集合時刻が迫っている旨をLED14、スピーカ15、バイブレータ16を通じて報知する複数の子機CXと、引率者に携帯されるとともに、表示入力部23を通じて入力された集合時刻情報を含む無線信号を送信する第1の親機P1とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、集合時刻報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、案内人と多数の参加者とからなる集団が参加する観光地の案内等においては、観光地や休憩所において自由行動や休憩する際に、引率者である案内人が集合場所に戻ってくる集合時刻を被引率者である参加者に伝えていた。参加者は、復唱等をして案内人に言われた集合時刻を覚えていた。そして、参加者は、集合時刻に間に合うように戻っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
参加者は、観光や休憩している間に集合時刻を忘れてしまった場合には、集合時刻に遅れると他の参加者に迷惑が掛かるため早めに戻ってきていた。また、観光等に夢中になって集合時刻を過ぎてしまった場合には、慌てて戻ってきていた。案内人としての立場からすると、参加者には時間を有意義に過ごして欲しいと考える一方で、観光スケジュール等の観点から時間通りに集合して欲しいと考える。すなわち、多数の参加者を集合時刻に対し遅すぎず早すぎず、適当なタイミングで集合場所に集合させたいという要望がある。しかし、前述したような参加者の状況を無くすことは難しく、多数の参加者を集合時刻に対し適当なタイミングで集合場所に集合させることは困難であった。このため、一旦解散して所定時間が経過した後に再度集合する集団の被引率者である参加者を集合時刻に対し適当なタイミングで集合させることができる集合時刻報知システムが求められていた。
【0004】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被引率者を集合時刻に対し適当なタイミングで集合させることができる集合時刻報知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、引率者及び多数の被引率者からなる集団において、一旦解散して所定時間が経過した後に再度集合する際の被引率者の集合時刻を報知する集合時刻報知システムであって、多数の被引率者に携帯されるとともに、親機から送信された集合時刻情報を含む無線信号を受信すると、同無線信号に含まれる集合時刻情報を自身に設けられた記憶部に記憶し、この記憶された集合時刻情報と、自身の持つ時計手段により計測されるその時々の時刻情報との比較を通じて集合時刻までの時間を算出し、同算出された時間が予め設定された時間に至ったときには、集合時刻が迫っている旨を自身に設けられた報知手段を通じて報知する複数の子機と、引率者に携帯される、又は解散場所に設置されるとともに、自身に設けられた入力手段を通じて入力された集合時刻情報を含む無線信号を送信する親機とを備えることをその要旨としている。
【0006】
同構成によれば、引率者及び多数の被引率者からなる集団において、複数の子機を多数の被引率者にそれぞれ携帯させ、親機を引率者に携帯させる、又は集合場所に設置させ、引率者は親機に集合時刻を入力する。そして、被引率者の携帯する子機は親機から送信された集合時刻情報の含む無線信号を受信すると、同集合時刻として設定する。被引率者は、集合時刻までの時間が予め設定された時間に至ったときには、報知手段を通じて集合時刻が迫っている旨を子機から報知されることによって、集合時刻を認識することができ、認識した集合時刻が近づいたら集合場所に向かうことができる。よって、被引率者を集合時刻に対し適当なタイミングで集合させることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の集合時刻報知システムにおいて、前記設置された親機は、前記集合時刻情報の含む無線信号を自身から近距離の予め決められた通信範囲に送信し、前記子機は、前記通信範囲に持ち込まれることによって前記親機からの前記集合時刻情報の含む無線信号を受信することをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、設置された親機は集合時刻情報の含む無線信号を自身から近距離の予め決められた通信範囲に送信し、子機が通信範囲に持ち込まれると子機は親機からの無線信号を受信することができる。このため、子機を携帯した被引率者を親機が設置された場所の近くを通過させることで、一つ一つの子機に対して集合時刻情報の含む無線信号を確実に受信させることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の集合時刻報知システムにおいて、前記親機は、引率者に携帯される第1の親機と、解散場所に設置される第2の親機とを備え、前記第1の親機は、前記入力手段を通じて入力される集合時刻情報を含む無線信号を前記第2の親機へ送信し、前記第2の親機は、前記第1の親機から送信された無線信号を受信し、同無線信号に含まれる集合時刻情報を取得し、同集合時刻情報の含む無線信号を自身から近距離の予め決められた通信範囲へ送信することをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、親機は、引率者に携帯される第1の親機と、解散場所に設置される第2の親機とを備え、第1の親機は自身に集合時刻が入力されると第2の親機へ送信し、第2の親機から集合時刻情報の含む無線信号を自身から近距離の予め決められた通信範囲へ送信する。このため、第1の親機へ入力された集合時刻は、通信範囲にのみ無線信号を送信する第2の親機から送信される。よって、集合時刻の入力は携帯している第1の親機に対して行うことができるとともに、子機を携帯した被引率者を第2の親機が固定された場所の近くを通過させることで、一つ一つの子機に対して集合時刻情報の含む無線信号を確実に受信させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、参加者の意思を案内人が把握することができる集合時刻報知システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】コミュニケーションシステムの構成を示すブロック図。
【図2】子機の斜視図。
【図3】(a)子機の正面拡大図、(b)子機の背面拡大図。
【図4】(a)子機から送信される単押信号のコード内容を示す図、(b)子機から送信される長押信号のコード内容を示す図、(c)子機から送信されるIDコード信号のコード内容を示す図。
【図5】子機のモード切替を示す図。
【図6】子機の各モードにおける操作に基づく動作を示す図。
【図7】子機の集合時刻に対する時間の報知動作を示す図。
【図8】第1の親機の斜視図。
【図9】第1の親機の正面拡大図。
【図10】第1の親機の表示モード切替を示す図。
【図11】(a)第1の親機の受信表示モードの初期表示を示す図、(b)第1の親機の受信表示モードにおける単押信号を受信した際の表示を示す図、(c)第1の親機の受信表示モードにおける長押信号を受信した際の表示を示す図。
【図12】(a)第1の親機の非受信表示モードの初期表示を示す図、(b)第1の親機の非受信表示モードにおける単押信号又は長押信号を受信した際の表示を示す図。
【図13】第1の親機の時刻設定表示モードの表示を示す図。
【図14】第2の親機の設置状態を示す上面図、第2の親機の拡大斜視図、及び第2の親機による報知を示す図。
【図15】第1の親機から送信される時刻信号のコード内容を示す図。
【図16】(a)第2の親機から送信される車内切替信号のコード内容を示す図、(b)第2の親機から送信される車外切替信号のコード内容を示す図、(c)第2の親機から送信される時刻信号のコード内容を示す図、(d)第2の親機から送信される集合信号のコード内容を示す図。
【図17】車内における使用(単押時)を示すフローチャート。
【図18】車内における使用(長押時)を示すフローチャート。
【図19】車外における使用(案内時)を示すフローチャート。
【図20】車外における使用(集合時)を示すフローチャート。
【図21】集合時刻の設定から報知までを示すフローチャート。
【図22】集合時刻の解除を示すフローチャート。
【図23】集合場所を報知する設定から報知、及び解除を示すフローチャート。
【図24】工場見学における使用を示す図。
【図25】子機から送信される無線信号の送信パターンを示す図。
【図26】(a)第1の親機の連結部を示す図、(b)子機の連結部を示す図、(c)子機のリング部の別形態を示す図、(d)子機のリング部の別形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明にかかる集合時刻報知システムをコミュニケーションシステムに具体化した一実施形態について図1〜図17を参照して説明する。本実施形態のコミュニケーションシステムは、バスを利用する観光において、引率者である案内人と、被引率者である多数の参加者とによって使用される。
【0014】
図1に示されるように、コミュニケーションシステム1は、多数の参加者にそれぞれ携帯され、無線通信を行う複数の子機C1,C2,…(以下、CXと示す。)と、案内人に携帯され、複数の子機CXと無線通信を行う第1の親機P1とを備えている。さらに、コミュニケーションシステム1は、案内人及び多数の参加者が乗車するバスB内に設置され、複数の子機CX及び第1の親機P1と無線通信を行う第2の親機P2を備えている。以下、38人の参加者に子機CXがそれぞれ携帯されている、すなわち子機CXの個数は38個であるとして説明する。
【0015】
以下、複数の子機CXの構成、第1の親機P1の構成、及び第2の親機P2の構成をこの順番で説明する。
<子機CXの構成>
まず、子機CXの構成を図2及び図3(a),(b)を併せて参照して説明する。図2に示されるように、子機CXは、使用者、すなわち参加者が首から掛けられるように環状に形成されたリング部10aと、第1の親機P1に無線信号を送信する際に使用者に操作される丸みを帯びた円柱状の操作部10bと、リング部10aと操作部10bとを連結する連結部10cとから構成されている。リング部10a及び操作部10bの筐体は、落下や衝突等による衝撃を吸収できるよう軟質の合成樹脂からなる。
【0016】
子機CXの操作部10bの一方の表面(図3(a)参照。)には第1の親機P1及び第2の親機P2に無線信号を送信する際に操作される押圧式の操作スイッチ13が設けられている。また、子機CXの操作部10bの他方の表面(図3(b)参照。)には使用者が音声を聞き取り難い際に音声の聞き取りを補助する骨伝導式の補聴器17が設けられている。骨伝導式とは、骨等に振動を与えることにより音声を伝えるものである。補聴器17は補聴手段として機能する。
【0017】
子機CXの電気的な構成は、操作部10bに収容されている。図1に示されるように、子機CXは、CPU、ROM、RAM等からなる子機制御部11と、この子機制御部11に電気的に接続され、第1の親機P1及び第2の親機P2へ無線信号を送信するとともに、第2の親機P2から送信される無線信号を受信する子機送受信部12とを備えている。子機制御部11には、操作スイッチ13が電気的に接続されている。操作スイッチ13が押圧操作された際にはオン信号が、押圧力が解除された際にはオフ信号が子機制御部11に出力される。
【0018】
また、子機CXは、子機制御部11に電気的に接続されたLED14、スピーカ15、及びバイブレータ16を備えている。子機制御部11は、これらLED14、スピーカ15、及びバイブレータ16の制御を通じて使用者に各種の情報を報知する。これらLED14、スピーカ15、及びバイブレータ16は報知手段として機能する。LED14は、3色の光を発する3色LEDであり、子機CXの操作部10bの内部に設けられている。LED14からの光は、操作部10bの内部において、操作スイッチ13の周囲に設けられる円環状の導光体(図示略)の内部を伝達し、子機CXの透光性を有する合成樹脂製の筐体を介して外部に出射する。これにより、操作スイッチ13の周囲が赤色、青色、緑色に発光する。LED14の点灯によって放出された光は、使用者に視認される。LED14は、子機制御部11により点灯制御される。スピーカ15は、子機制御部11からの指令に基づき各種の音を生成する。バイブレータ16は、子機制御部11からの指令に基づき振動を発生する。補聴器17は、子機制御部11からの指令に基づき起動する。
【0019】
さらに、子機CXは、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等の外部機器に接続されて、同外部機器との間で第1の親機P1との通信結果等の情報の授受を行う端子部18を備えている。
【0020】
子機制御部11には、例えばEEPROM又はフラッシュメモリ等からなる不揮発性のメモリ11aが設けられている。このメモリ11aには、子機CXの各部を統括的に制御する各種の制御プログラムとともに、自身のIDコードCcx、第1の親機P1に対応するIDコードCp1、及び第2の親機P2に対応するIDコードCp2がそれぞれ記憶されている。メモリ11aは記憶部として機能する。ここで、IDコードは識別情報に相当する。子機制御部11は、操作スイッチ13の押圧操作を検出したとき、すなわち操作スイッチ13からオン信号が入力されたときには、子機送受信部12を介して自身に固有のIDコードCcxを含む無線信号を送信する。正確には、子機制御部11は、操作スイッチ13に入力操作があると、子機送受信部12を介してその操作態様に応じて異なる情報を含む無線信号を送信する。すなわち、子機制御部11は、操作スイッチ13に対して押圧操作が一定時間未満、すなわち単押された際には、子機送受信部12を介して自身に固有のIDコードCcx及び前記異なる情報として操作を示す単押コードCo1を含む単押信号So1(図4(a)参照。)を送信する。子機制御部11は、操作スイッチ13に対して押圧操作が一定時間以上、すなわち長押された際には、子機送受信部12を介して自身に固有のIDコードCcx及び前記異なる情報として操作を示す長押コードCo2を含む長押信号So2(図4(b)参照。)を送信する。また、子機制御部11は、子機送受信部12を介して受信した無線信号に含まれるIDコードと、メモリ11aに記憶された第1の親機P1に固有のIDコードCp1、又は第2の親機P2に固有のIDコードCp2とを照合し、対応する第1の親機P1又は第2の親機P2からの無線信号であるか否かを判断する。
【0021】
子機CXは、その動作モードとして、図5に示されるように、操作スイッチ13の操作態様、正確には前述した単押又は長押に対して異なる機能が実行される2つの動作モード、すなわち車内モードと車外モードとを備えている。子機制御部11は、第2の親機P2から送信される動作モードの切替を指令する無線信号(車内切替信号Sci、車外切替信号Sco)を受信したときに、動作モードの切替を行う。具体的には、子機制御部11は、子機送受信部12を介して車内切替信号Sciを受信し、車内切替信号Sciに含まれるIDコードの照合が一致すると、子機CXの動作モードを車内モードに切り替える。一方、子機制御部11は、子機送受信部12を介して車外切替信号Scoを受信し、車外切替信号Scoに含まれるIDコードの照合が一致すると、子機CXの動作モードを車外モードに切り替える。車内モードはバスBへの乗車の際に設定され、車外モードはバスBから降車の際に設定される。
【0022】
図6に示されるように、子機制御部11は、子機CXの動作モードを車内モードに切り替えた状態において、操作スイッチ13に単押操作が行われた旨を検出した際には子機送受信部12を介して単押信号So1を送信し、操作スイッチ13に長押操作が行われた旨を検出した際には子機送受信部12を介して長押信号So2を送信する。一方、子機制御部11は、子機CXの動作モードを車外モードに切り替えた状態において、操作スイッチ13に単押操作が行われた旨を検出した際にはLED14を点灯させるとともに、子機送受信部12を介して単押信号So1を送信し、操作スイッチ13に長押操作が行われた旨を検出した際にはLED14を点灯させるとともに、補聴器17を起動し、子機送受信部12を介して長押信号So2を送信する。なお、このとき、子機制御部11は、操作スイッチ13が押圧操作されている旨が検出されている間のみ補聴器17の起動状態を維持する。ここで、車内モードは操作スイッチ13の操作に基づいて報知手段が動作しない非報知モードに相当し、車外モードは報知手段が動作する報知モードに相当する。
【0023】
子機制御部11は、再度の集合を前提として一旦解散する際等において、子機送受信部12を介して後述する第2の親機P2から送信される時刻信号Stimep2を受信し、時刻信号Stimep2に含まれるIDコードの照合が一致すると、時刻信号Stimep2に含まれる集合時刻情報をメモリ11aに記憶し、図7に示されるように、スピーカ15を通じて「ポン」と音を発生させる。これにより、子機制御部11は、集合時刻の設定が行われたことを参加者に報知する。そして、子機制御部11は、メモリ11aに記憶された集合時刻情報と、自身に設けられた時計11b(図1参照。)により計測されるその時々の時刻情報との比較を通じて集合時刻までの時間を算出し、同算出された時間が予め設定された時間に至ったときには、集合時刻が迫っている旨をLED14、スピーカ15、バイブレータ16を用いて参加者に報知する。詳しくは、子機制御部11は、集合時刻の15分前になると、LED14を緑色に点灯制御する。さらに、子機制御部11は、集合時刻の10分前になると、LED14を青色に点灯制御するとともに、スピーカ15を通じて「ぴよぴよ」と音を発生させる。そして、子機CXは、集合時刻の5分前になると、LED14赤色に点灯制御し、スピーカ15を通じて「コケコッコー」と音を発生させるとともに、バイブレータ16の駆動制御を通じて振動を発生させる。
【0024】
子機CXを携帯する参加者は、上記の段階的な報知動作を通じて集合時刻までの時間を段階的に認識することができる。
子機制御部11は、前述したように一旦解散した後に、子機送受信部12を介して後述する第2の親機P2から送信される車内切替信号Sciを受信し、車内切替信号Sciに含まれるIDコードの照合が一致すると、LED14、スピーカ15、バイブレータ16を動作させることにより集まるべき場所、すなわち乗車していたバスBであることを参加者に報知する。そして、子機制御部11は、子機送受信部12を介して自身に固有のIDコードCcxを含むIDコード信号Sidcxを送信する。
【0025】
<第1の親機P1の構成>
次に、第1の親機P1の構成を図8及び図9を併せて参照して説明する。図8に示されるように、第1の親機P1は、使用者、すなわち案内人が首から掛けられるよう環状に形成されたリング部20aと、複数の子機CXの個別情報等の各種の情報を表示するとともに、使用者によって入力操作される表示入力部23が設けられた丸みを帯びた長方体状の操作部20bと、リング部20aと操作部20bとを連結する連結部20cとから構成されている。リング部20a及び操作部20bの筐体は、落下や衝突等による衝撃を吸収できるよう軟質の合成樹脂からなる。表示入力部23は入力手段として機能する。
【0026】
表示入力部23は、液晶パネル又は有機ELパネル等のディスプレイ、及びディスプレイ上に配設されるタッチパネルからなるタッチパネルディスプレイである。図9に示されるように、表示入力部23は、操作部20bの一平面に露出して、表示入力部23の表面が操作部20bの筐体表面から突出しないように内側へ一段下がって設けられている。表示入力部23は、リング部20aを首から掛けた状態で案内人が操作部20bを手に持って見たときに合わせて、リング部20aから最も離間した操作部20bの先端側が上となるように各種の情報が表示される。すなわち、表示入力部23は、先端側から順に、案内人が入力操作をすることによって初期表示への切替や表示モードの切替を行う切替スイッチ(図中では、「reset」。)として機能するスイッチ表示部23aと、複数の子機CXの個別情報として各子機CXに割り当てられた番号(図中では、「1」〜「60」。)が縦横に並んで表示される番号表示部23bと、子機CXの個数、すなわち参加者の人数が表示される人数表示部23cとから構成されている。なお、番号表示部23bは、端子部28を介して登録された子機CXの個数に合わせて総番号を表示する。本実施形態では、子機CXの数量が38個なので、1から38までの数字が表示可能である。
【0027】
第1の親機P1の電気的な構成は、操作部20bに収容されている。図1に示されるように、第1の親機P1は、CPU、ROM、RAM等からなる第1の親機制御部21と、この第1の親機制御部21に電気的に接続され、複数の子機CX及び第2の親機P2へ無線信号を送信するとともに、各子機CX及び第1の親機P1から送信される無線信号を受信する第1の親機送受信部22とを備えている。第1の親機制御部21には、表示入力部23が電気的に接続されている。
【0028】
また、第1の親機P1は、第1の親機制御部21に電気的に接続されたLED24、スピーカ25、及びバイブレータ26を備えている。第1の親機P1は、これらLED24、スピーカ25、及びバイブレータ26の制御を通じて案内人に各種の情報を報知する。これらLED24、スピーカ25、及びバイブレータ26は報知手段として機能する。LED24は、3色の光を発する3色LEDであり、第1の親機P1の操作部20bの内部に設けられている。LED24からの光は、操作部20bの内部において、表示入力部23の周囲に設けられる四角環状の導光体(図示略)の内部を伝達し、第1の親機P1の透光性を有する合成樹脂製の筐体を介して外部に出射する。これにより、表示入力部23の周囲が赤色、青色、緑色に発光する。LED24の点灯によって放出された光は、使用者に視認される。LED24は、第1の親機制御部21により点灯制御される。スピーカ25は、第1の親機制御部21からの指令に基づき各種の音を生成する。バイブレータ26は、第1の親機制御部21からの指令に基づき振動を発生する。
【0029】
さらに、第1の親機P1は、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等の外部機器に接続されて、同外部機器との間で参加者の一覧や、複数の子機CXとの通信結果等の情報の授受を行う端子部28を備えている。
【0030】
第1の親機制御部21には、例えばEEPROM又はフラッシュメモリ等からなる不揮発性のメモリ21aが設けられている。このメモリ21aには、第1の親機P1の各部を統括的に制御する各種の制御プログラムとともに、自身のIDコードCp1、各子機CXに対応するIDコードCcx、及び第2の親機P2に対応するIDコードCp2がそれぞれ記憶されている。メモリ21aは記憶部として機能する。ここで、IDコードは識別情報に相当する。また、メモリ21aには、子機CXのIDコードCcxと関連付けて子機CXの個別情報としての番号が記憶されている。
【0031】
第1の親機制御部21は、時刻設定表示モードにおいて時刻が設定された際に第1の親機送受信部22を介して自身に固有のIDコードCp1を含む無線信号を送信する。第1の親機制御部21は、第1の親機送受信部22を介して受信した無線信号に含まれるIDコードと、メモリ21aに記憶された各子機CXに固有のIDコードCcx、又は第2の親機P2に固有のIDコードCp2とを照合し、対応する子機CX又は第2の親機P2からの無線信号であるか否かを判断する。
【0032】
第1の親機制御部21は、IDコードの照合が一致すると、受信した子機CXや第2の親機P2から送信される無線信号に基づいて表示入力部23、LED24、スピーカ25、及びバイブレータ26を動作制御し、使用者に無線信号を受信した旨を報知する。
【0033】
第1の親機P1は、その動作モードとして、図5に示されるように、スイッチ表示部23aの操作態様、正確には前述した単押又は長押に対して異なる表示変更が実行される動作モード、すなわち2つの車内モードと車外モードとを備えている。第1の親機制御部21は、第2の親機P2から送信される動作モードの切替を指令する無線信号(車内切替信号Sci、車外切替信号Sco)を受信したときに、動作モードの切替を行う。具体的には、第1の親機制御部21は、第1の親機送受信部22を介して車内切替信号Sciを受信し、車内切替信号Sciに含まれるIDコードの照合が一致すると、第1の親機P1の動作モードを車内モードに切り替える。一方、第1の親機制御部21は、第1の親機送受信部22を介して車外切替信号Scoを受信し、車外切替信号Scoに含まれるIDコードの照合が一致すると、第1の親機P1の動作モードを車外モードに切り替える。車内モードはバスBへの乗車の際に設定され、車外モードはバスBから降車の際に設定される。
【0034】
図10に示されるように、表示入力部23の表示モードは大きく分けて、受信表示モード、非受信表示モード、及び時刻設定表示モードの3つがある。受信表示モードは、例えば乗車中等において参加者から呼出が想定される場合に設定される。非受信表示モードは、例えば集合時等において参加者から集合した旨の連絡が想定される場合に設定される。時刻設定表示モードは、例えば降車時等に集合時刻を設定する場合に設定される。なお、表示入力部23の表示モードは、第1の親機P1が車内モードである際には、受信表示モードと時刻設定表示モードとのいずれかに設定され、車外モードである際には、受信表示モードと非受信表示モードといずれかに設定される。
【0035】
これら表示モードは、スイッチ表示部23aの操作を通じて次のように切り替えられる。すなわち、車内モードにおいては、例えば表示入力部23の表示モードが受信表示モードに設定されている状態でスイッチ表示部23a(「reset」表示)が長押された場合には時刻設定表示モードに切り替えられる。この時刻設定表示モードに設定された状態でスイッチ表示部23a(「set」表示)が単押された場合には受信表示モードに切り替えられる。また、車外モードにおいては、例えば受信表示モードに設定された状態でスイッチ表示部23a(「reset」表示)が長押された場合には非受信表示モードに切り替えられる。この非受信表示モードに設定された状態でスイッチ表示部23a(「reset」表示)が長押された場合には受信表示モードに切り替えられる。
【0036】
まず、受信表示モードは、受信した無線信号の送信元の子機CXの番号及びその総数を表示するモードである。図11(a)に示されるように、受信表示モードは、その初期表示状態においてスイッチ表示部23aには番号表示部23b、人数表示部23cの初期表示状態への切替機能が有効である旨の表示として「reset」が表示され、番号表示部23bには38個の四角形が各子機CXの番号の非表示状態として表示され、人数表示部23cには受信した子機CXの個数が表示されるが全て四角形のため、数字「0」が表示される。この受信表示モードでは、図11(b)に示されるように、子機CXから送信される無線信号を第1の親機P1が受信したとき、この受信した無線信号の送信元である子機CXの個別情報である番号(例えば、「4,9,11,22,25」)がこれに対応する前記四角形に代えて番号表示部23bに表示されるとともに、受信した無線信号の送信元の子機CXの個数である数字「5」が人数表示部23cに表示される。また、図11(c)に示されるように、番号表示部23bに表示される番号が拡大表示されることもある。このように番号を際立たせて表示することにより、案内人はその番号を迅速に確認できる。表示入力部23は、図11(b)や図11(c)に示されるような表示状態で、「reset」の表示がなされているスイッチ表示部23aが単押されると、図11(a)に示される受信表示モードの初期表示に変更される。
【0037】
次に、非受信表示モードは、受信した無線信号の送信元の子機CXの番号を非表示とするとともに、非表示とされた子機CXの総数を表示するモードである。図12(a)に示されるように、非受信表示モードでは、その初期表示状態としてスイッチ表示部23aには「reset」が表示され、番号表示部23bには「1」〜「38」の番号が表示され、人数表示部23cには各CXの番号の個数である数字「38」が表示される。この非受信表示モードでは、図12(b)に示されるように、子機CXから送信される無線信号を第1の親機P1が受信したとき、この受信した無線信号の送信元である子機CXの個別情報である番号を非表示に、すなわち番号に代えて四角形が表示され、受信された無線信号の送信元の子機CXの個数である数字「23」が人数表示部23cに表示される。表示入力部23は、図12(b)に示されるような表示状態において「reset」の表示がなされているスイッチ表示部23aが単押されると、図12(a)に示される非受信表示モードの初期表示に変更される。
【0038】
最後に、図13に示されるように、時刻設定表示モードは、時刻を設定する表示モードであって、本実施形態では集合時刻を設定する。すなわち、スイッチ表示部23aには「set」が表示され、上記の番号表示部23bであった部分には入力した時刻を表示する時刻表示部23dと、時刻を入力するための「時」ボタン、「分」ボタン、及び0〜9の「数字」ボタンからなる時刻入力部23eとが表示される。時刻入力部23eの操作を通じて集合時刻を入力し、「set」の表示がなされているスイッチ表示部23aが単押されると、入力した集合時刻の設定が完了するとともに、図11(a)に示される受信表示モードの初期表示に表示入力部23の表示が切り替えられる。
【0039】
第1の親機制御部21は、第1の親機送受信部22を介して各子機CXから送信される無線信号(単押信号So1、長押信号So2)を受信し、無線信号に含まれるIDコードの照合が一致すると、表示入力部23の表示モードが受信表示モードであれば無線信号を受信した各子機CXの個別情報としての番号を表示入力部23に表示させ、非受信表示モードであれば無線信号を受信していない各子機CXの個別情報としての番号を表示入力部23に表示させる。また、第1の親機制御部21は、車内モードにおいて、各子機CXから送信された単押信号So1を受信した際には、図11(b)に示されるように表示させるとともに、各子機CXから送信された長押信号So2を受信した際には、図11(c)に示されるように拡大表示させる。
【0040】
第1の親機制御部21は、例えば参加者の集合を待つ際に、第1の親機送受信部22を介して第2の親機P2から送信される無線信号(集合信号Smeet)を受信する。この集合信号SmeetはバスBに集合した参加者が携帯する子機CXに固有のIDコードCcxを含む。第1の親機制御部21は、集合信号SmeetのIDコードの照合が一致すると、各子機CXの個別情報としての番号を表示入力部23に非表示、すなわち番号に代えて四角形を表示させる。なお、前述したように参加者の集合を待つ等の場合には、表示入力部23の表示モードは非受信表示モードとされる。
【0041】
第1の親機制御部21は、前述した時刻設定表示モードにおいて、集合時刻が表示入力部23に入力されて、スイッチ表示部23aの操作を通じてこの入力が確定された旨を検出すると、入力された集合時刻をメモリ21aに記憶し、第1の親機送受信部22を介して自身に固有のIDコードCp1及び集合時刻情報としての時刻コードCtimeを含む時刻信号Stimep1(図15参照。)を第2の親機P2へ送信する。そして、第1の親機制御部21は、メモリ21aに記憶された集合時刻情報と、自身に設けられた時計21b(図1参照。)により計測されるその時々の時刻情報との比較を通じて集合時刻までの時間を算出し、同算出された時間が予め設定された時間に至ったときには、集合時刻が迫っている旨をLED24、スピーカ25、バイブレータ26を用いて案内人に報知する。例えば、集合時刻の15分前等にLED24等を通じて報知されることにより、案内人は、集合時刻が迫っていることを認識し、集合する参加者を迎える準備をすることができる。
【0042】
<第2の親機P2の構成>
次に、第2の親機P2の構成を図14を併せ参照して説明する。図14の右上に拡大して示されるように、第2の親機P2は、バスBの室内のインストルメントパネル49に設置されている。第2の親機P2は、その本体30aと、その上面に対し開閉可能に設けられた蓋体30bとから全体として箱状をなしている。第2の親機P2の本体30aの上面には、集合時刻等を表示するとともに入力操作が行われる表示入力部33が設けられている。表示入力部33は、蓋体30bが閉じられた状態においては外部から隠蔽され、開けられた状態においては外部に露出し、外部から操作可能となる。また、本体30aの上面には、LED34が設けられている。
【0043】
第2の親機P2の電気的な構成は、本体30aに収容されている。図1に示されるように、第2の親機P2は、CPU、ROM、RAM等からなる第2の親機制御部31と、この第2の親機制御部31に電気的に接続され、無線信号を送信するとともに各子機CX及び第1の親機P1から送信される無線信号を受信する第2の親機送受信部32とを備えている。第2の親機制御部31には、表示入力部33が電気的に接続されている。表示入力部33は、液晶パネル又は有機ELパネル等のディスプレイ、及びディスプレイ上に配設されるタッチパネルからなるタッチパネルディスプレイである。
【0044】
また、第2の親機P2は、第2の親機制御部31に電気的に接続されたLED34、及びスピーカ35を備えている。第2の親機制御部31は、これらLED34やスピーカ35の制御を通じて案内人に各種の情報を報知する。これらLED34及びスピーカ35は報知手段として機能する。
【0045】
さらに、第2の親機P2は、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等の外部機器に接続されて、同外部機器との間で参加者の一覧や、第1の親機P1及び子機CXとの通信結果等の情報の授受を行う第2の親機端子部38を備えている。
【0046】
第2の親機制御部31には、例えばEEPROM又はフラッシュメモリ等からなる不揮発性のメモリ31aが設けられている。このメモリ31aには、第2の親機P2の各部を統括的に制御する各種の制御プログラムとともに、自身に固有のIDコードCp2、第1の親機P1に対応するIDコードCp1、及び子機CXに対応するIDコードCcxがそれぞれ記憶されている。メモリ31aは記憶部として機能する。ここで、IDコードは識別情報に相当する。また、メモリ11aには、子機CXのIDコードCcxと関連付けて子機CXの個別情報としての番号が記憶されている。
【0047】
第2の親機制御部31は、子機CXの動作モードを切り替える際、第1の親機P1から時刻信号Stimep1を受信した際、集合時刻が設定された状態において子機CXから単押信号So1を受信した際に第2の親機送受信部32を介して自身に固有のIDコードCp2を含む無線信号を送信する。第2の親機制御部31は、第2の親機送受信部32を介して受信した無線信号に含まれるIDコードと、メモリ11aに記憶された第1の親機P1に固有のIDコードCp1、又は各子機CXに固有のIDコードCcxとを照合し、対応する第1の親機P1又は子機CXからの無線信号であるか否かを判断する。
【0048】
図14に示されるように、第2の親機制御部31は、第2の親機送受信部32を介して子機CXにその動作モードの切替を指令する無線信号(車内切替信号Sci、車外切替信号Sco)を間欠的に通信エリアAに送信する。詳しくは、第2の親機制御部31は、子機CXを車内モードに切り替える際、すなわち参加者がバスBに乗り込む際には、案内人によって車内モードに変更するように表示入力部33に操作される、又は設定された集合時刻に対して予め決められた時間になったことを認識すると、第2の親機送受信部32を介して第2の親機P2に固有のIDコードCp2及び車内コードCinを含む車内切替信号Sci(図16(a)参照。)を間欠的に通信エリアAに送信する。一方、第2の親機制御部31は、子機CXを車外モードに切り替える際、すなわち参加者がバスBから降車する際には、案内人によって車外モードに変更するように表示入力部33に操作される、又は集合時刻がされると、第2の親機送受信部32を介して第2の親機P2に固有のIDコードCp2及び車外コードCoutを含む車外切替信号Sco(図16(b)参照。)を間欠的に通信エリアAに送信する。
【0049】
第2の親機制御部31は、第2の親機送受信部32を介して第1の親機P1から送信される時刻信号Stimep1を受信し、時刻信号Stimep1に含まれるIDコードの照合が一致すると、時刻信号Stimep1に含まれる集合時刻情報をメモリ31aに記憶する。そして、第2の親機制御部31は、第2の親機送受信部32を介して自身に固有のIDコードCp2、集合時刻情報としての時刻コードCtime、及び車外コードCoutを含む時刻信号Stimep2(図16(c)参照。)を子機CXへ送信する。また、第2の親機制御部31は、メモリ31aに記憶された集合時刻情報と、時計31b(図1参照。)により計測される時刻情報との比較を通じて集合時刻までの時間を算出し、同算出された時間が予め設定された時間に至ったときには、第2の親機送受信部32を介して自身に固有のIDコードCp2を含む車内切替信号Sciを間欠的に通信エリアAに送信する。第2の親機制御部31は、第2の親機送受信部32を介して同車内切替信号Sciに応答して子機CXから送信されるIDコード信号Sidcxを受信し、IDコード信号Sidcxに含まれるIDコードの照合が一致すると、第2の親機送受信部32を介して第2の親機P2に固有のIDコードCp2及び照合が一致した子機CXに固有のIDコードCcxを含む集合信号Smeet(図16(d)参照。)を子機CX及び第1の親機P1へ送信する。
【0050】
次に、図17〜図23のフローチャートを併せ参照して、コミュニケーションシステム1の各使用状況における複数の子機CX、第1の親機P1、及び第2の親機P2の処理動作について説明する。これらのフローチャートは、子機制御部11、第1の親機制御部21、及び第2の親機制御部31にそれぞれ記憶された制御プログラムに従って実行される。
【0051】
<バスBの車内における使用>
バスBの車内においては、多数の参加者が携帯する複数の子機CXから送信される単押信号So1及び長押信号So2を第1の親機P1が受信することによって、第1の親機P1を携帯する案内人が子機CXを携帯する多数の参加者とコミュニケーションを取ることができる。案内人は、案内人の質問に関わらず、トイレに行きたい際には子機CXの操作スイッチ13を単押操作し、体調が悪くなった際には子機CXの操作スイッチ13を長押操作するように参加者に予め伝えておく。また、案内人は、第1の親機P1を携帯する案内人の質問に対してYESの際操作スイッチ13を単押するように参加者に予め伝えておく。
【0052】
以下、単押操作時と、長押操作時とに分けて説明する。ここでは、各子機CXの個別情報としての番号と参加者が座るバスBの座席の番号とを対応させて参加者に各子機CXがそれぞれ配布されているため、子機CXの番号は座席の番号に相当する。
【0053】
子機CXはバスBの車内では動作モードが車内モードに設定される。詳しくは、子機CXをバスBの車内で配布する場合には配布前に端子部18を介して外部機器に接続して車内モードに設定される。また、観光や休憩の後にバスBの車内に乗り込んだ場合には乗り込む際に第2の親機P2から送信される車内切替信号Sciを受信することによって車内モードに設定される。
【0054】
(単押操作時)
図17に示されるように、バスBの車内では、第1の親機P1及び子機CXは、第2の親機P2からの車内切替信号Sciを受信することによって車内モードに設定される。第1の親機P1の表示入力部23は受信表示モードに設定される(ステップS11)。すなわち、図11(a)に示されるように、表示入力部23の番号表示部23bには38個の四角形が表示され、人数表示部23cには数字「0」が表示される。そして、第1の親機P1は、子機CXから送信される無線信号の受信を待機する。
【0055】
案内人が参加者に「トイレに行きたい方はいらっしゃいませんか。」と尋ねたことに応じて、座席の番号「22」等の5人の参加者が操作スイッチ13を単押する。座席の番号「22」の参加者等が携帯する子機C22,…は、参加者によって操作スイッチ13が単押される(ステップS12)と、子機送受信部12を介して単押信号So1を送信する(ステップS13)。単押信号So1には、子機C22,…等に固有のIDコードCc22,…と、操作スイッチ13に対する単押操作である旨を示す単押コードCo1とが含まれている。
【0056】
第1の親機P1は、第1の親機送受信部22を介して子機CXから送信される単押信号So1を受信すると、単押信号So1に含まれるIDコードと、メモリ21aに記憶された各子機CXに固有のIDコードCcxとを照合し、照合が一致するか否かを判断する。第1の親機P1は、IDコードの照合が一致しないと、子機CXから送信される無線信号の受信待機状態を維持する。一方、第1の親機P1は、IDコードの照合が一致すると(ステップS14)、子機CXから送信される無線信号を受信したことを報知する(ステップS15)。すなわち、図11(b)に示されるように、第1の親機P1の操作部20bがLED24を通じて緑色に点灯し、スピーカ25を通じて「ポン」という音を発生させる。第1の親機P1は、受信した単押信号So1に含まれるIDコードCcxに基づいてメモリ21aに記憶された子機CXの個別情報としての番号を読み出し、第1の親機P1が受信した単押信号So1の送信元の子機CXの番号を表示する(ステップS16)。すなわち、表示入力部23の番号表示部23bには、受信した子機C22,…の個別情報としての番号「…,22,…」が表示される。また、表示入力部23の人数表示部23cには、受信した子機C22,…の数量「5」が表示される。
【0057】
第1の親機P1を携帯する案内人は、点灯及び音によって第1の親機P1に子機CXから送信される無線信号の受信があったことを認識し、操作部20bを持ち上げて表示入力部23を確認する。案内人は、表示入力部23の表示から5人の参加者がトイレに行きたいと認識し、トイレに行くために休憩所に寄るようバスBの運転手に伝えて参加者の要望に対応する。
【0058】
第1の親機P1は、案内人によって「reset」の表示がなされたスイッチ表示部23aが単押される(ステップS17)と、表示入力部23を初期表示にする(ステップS18)。すなわち、図11(a)に示されるように、番号表示部23bでは表示されていた子機CXの番号を四角形に代えて非表示となり、人数表示部23cには数字「0」が表示される。
【0059】
このように、第1の親機P1を携帯する案内人の質問に応じて参加者が子機CXの操作スイッチ13を単押することで、その質問に該当する参加者の人数を速やかに把握することができる。また、単押信号So1の受信を利用して○×ゲーム等のゲームを行うことができる。さらに、案内人が質問していないときに子機CXから送信される単押信号So1が第1の親機P1に受信されたときには、トイレに行きたいという連絡であるとして使用してもよい。
【0060】
(長押操作時)
図18に示されるように、バスBの車内では、第1の親機P1及び子機CXは、第2の親機P2からの車内切替信号Sciを受信することによって車内モードに設定される。第1の親機P1の表示入力部23は受信表示モードに設定される(ステップS21)。すなわち、図11(a)に示されるように、表示入力部23の番号表示部23bには38個の四角形が表示され、人数表示部23cには数字「0」が表示される。そして、第1の親機P1は、子機CXから送信される無線信号の受信を待機する。
【0061】
体調を悪くした座席の番号「27」の参加者が操作スイッチ13を長押する。座席の番号「27」の参加者が携帯する子機C27は、参加者によって操作スイッチ13が長押される(ステップS22)と、子機送受信部12を介して長押信号So2を送信する(ステップS23)。長押信号So2には、子機C27に固有のIDコードCc27と、操作スイッチ13に対する長押操作である旨を示す長押コードCo2とが含まれている。
【0062】
第1の親機P1は、第1の親機送受信部22を介して子機C27から送信される長押信号So2を受信すると、長押信号So2に含まれるIDコードと、メモリ21aに記憶された各子機CXに固有のIDコードCcxとを照合し、照合が一致するか否かを判断する。第1の親機P1は、IDコードの照合が一致しないと、子機CXから送信される無線信号の受信待機状態を維持する。一方、第1の親機P1は、IDコードの照合が一致すると(ステップS24)、子機CXから送信される無線信号を受信したことを報知する(ステップS25)。すなわち、図11(c)に示されるように、第1の親機P1の操作部20bがLED24を通じて赤色に点灯し、スピーカ25を通じて「ピー」という音を発生させ、バイブレータ26を通じて振動する。第1の親機P1は、受信した長押信号So2に含まれるIDコードCcxに基づいてメモリ21aに記憶された子機CXの個別情報としての番号を読み出し、第1の親機P1が受信した長押信号So2の送信元の子機CXの番号を表示する(ステップS26)。すなわち、表示入力部23の番号表示部23bには、受信した子機C27の個別情報としての番号「27」が拡大されて表示される。また、表示入力部23の人数表示部23cには、呼び出した子機C27の数量「1」が表示される。
【0063】
第1の親機P1を携帯する案内人は、点灯、音、及び振動によって第1の親機P1に子機CXから送信される無線信号の受信があったことを認識し、操作部20bを持ち上げて表示入力部23を確認する。案内人は、表示入力部23の表示から呼び出した参加者が「27」の座席の参加者であると認識し、呼び出した参加者の状態を確認し対応する。
【0064】
第1の親機P1は、案内人によって「reset」の表示がなされたスイッチ表示部23aが単押される(ステップS27)と、表示入力部23を初期表示にする(ステップS28)。
【0065】
<バスBの車外にける使用>
バスBの車外においても車内同様に、多数の参加者が携帯する複数の子機CXから送信される単押信号So1及び長押信号So2を第1の親機P1が受信することによって、第1の親機P1を携帯する案内人が子機CXを携帯する多数の参加者とコミュニケーションを取ることができる。子機CXを携帯する参加者が第1の親機P1を携帯する案内人に案内されている際に、参加者は案内人の音声が聞こえ難いときには補聴器17を起動させるべく操作スイッチ13を長押する。また、案内人は、子機CXを携帯する参加者が観光や休憩をして集合場所に集まってきた際に、第1の親機P1を携帯する案内人に集合したことを知らせるべく操作スイッチ13を単押するように予め伝えておく。
【0066】
以下、案内時と集合時とに分けて説明する。ここで、子機CXはバスBの車外では車外モードに設定される。詳しくは、子機CXは、バスBから降りる際に第2の親機P2から送信される車外切替信号Scoを受信することによって動作モードが車外モードに設定される。
【0067】
(案内時)
図19に示されるように、バスBの車外では、第1の親機P1及び子機CXは、第2の親機P2からの車外切替信号Scoを受信することによって車外モードに設定される。第1の親機P1の表示入力部23は受信表示モードに設定される(ステップS31)。すなわち、図11(a)に示されるように、表示入力部23の番号表示部23bには38個の四角形が表示され、人数表示部23cには数字「0」が表示される。そして、第1の親機P1は、子機CXから送信される無線信号の受信を待機する。
【0068】
案内人が説明をしながら参加者とともに移動していると、案内人の説明が聞こえ難い参加者が携帯している子機CXは、操作スイッチ13が長押される(ステップS32)。すると、子機CXは、補聴器17を起動させる(ステップS33)。補聴器17は、操作スイッチ13が押されている間のみ起動状態が維持される。参加者は、子機CXの操作部10bの裏側の補聴器17を耳付近に接触させると、骨伝導によって案内人の声を聞くことができる。また、子機CXは、子機送受信部12を介して長押信号So2を送信する(ステップS34)。
【0069】
第1の親機P1は、第1の親機送受信部22を介して子機CXから送信される長押信号So2を受信すると、長押信号So2に含まれるIDコードと、メモリ21aに記憶された各子機CXに固有のIDコードCcxとを照合し、照合が一致するか否かを判断する。第1の親機P1は、IDコードの照合が一致しないと、子機CXから送信される無線信号の受信待機状態を維持する。一方、第1の親機P1は、IDコードの照合が一致すると(ステップS35)、子機CXから送信される無線信号を受信したことを報知する(ステップS36)。すなわち、図11(b)に示されるように、第1の親機P1の操作部20bがLED24を通じて赤色に点灯し、スピーカ25を通じて「ピー」という音を発生させ、バイブレータ26を通じて振動する。第1の親機P1は、受信した長押信号So2に含まれるIDコードCcxに基づいてメモリ21aに記憶された子機CXの個別情報としての番号を読み出し、第1の親機P1が受信した長押信号So2の送信元の子機CXの番号を表示する(ステップS37)。すなわち、表示入力部23の番号表示部23bには、受信した子機C22,…の個別情報としての番号「…,22,…」が表示される。また、表示入力部23の人数表示部23cには、補聴した子機C27の数量である「5」が表示される。
【0070】
第1の親機P1を携帯する案内人は、点灯、音、及び振動によって第1の親機P1に子機CXから送信される無線信号の受信があったことを認識し、操作部20bを持ち上げて表示入力部23を確認する。案内人は、表示入力部23の表示から参加者のなかに聞こえ難い人がいることを認識することができる。案内人は、声を大きくして、参加者全員に聞こえるようにする。
【0071】
第1の親機P1は、案内人によって「reset」の表示がなされたスイッチ表示部23aが単押される(ステップS38)と、表示入力部23を初期表示にする(ステップS39)。
【0072】
(集合時)
図20に示されるように、バスBの車外では、第1の親機P1及び子機CXは、第2の親機P2からの車外切替信号Scoを受信することによって車外モードに設定される。第1の親機P1の表示入力部23は非受信表示モードに設定される(ステップS41)。すなわち、図12(a)に示されるように、表示入力部23の番号表示部23bには「1」〜「38」の数字が表示され、人数表示部23cには数字「38」が表示される。そして、第1の親機P1は、子機CXから送信される無線信号の受信を待機する。
【0073】
集合場所に集まってきた参加者が携帯している子機CXは、操作スイッチ13が単押される(ステップS42)と、子機送受信部12を介して単押信号So1を送信する(ステップS43)。
【0074】
第1の親機P1は、第1の親機送受信部22を介して子機CXから送信される単押信号So1を受信すると、単押信号So1に含まれるIDコードと、メモリ21aに記憶された各子機CXに固有のIDコードCcxとを照合し、照合が一致するか否かを判断する(ステップS44)。第1の親機P1は、IDコードの照合が一致しないと(ステップS44:NO)、子機CXから送信される無線信号の受信を待機する。一方、第1の親機P1は、IDコードの照合が一致すると(ステップS44:YES)、子機CXから送信される無線信号を受信したことを報知する(ステップS45)。すなわち、図12(b)に示されるように、第1の親機P1の操作部20bがLED24を通じて赤色に点灯する。第1の親機P1は、受信した単押信号So1に含まれるIDコードCcxに基づいてメモリ21aに記憶された子機CXの個別情報としての番号を読み出し、第1の親機P1が受信した子機CXの番号を非表示とする(ステップS46)。すなわち、表示入力部23の番号表示部23bには、受信した子機C10,…の個別情報としての番号「…,10,…」が四角形に代わって非表示とされ、集合していない子機の個別情報としての番号が表示される。また、表示入力部23の人数表示部23cには、受信した子機CXの数量である数字「23」が表示される。
【0075】
第1の親機P1を携帯する案内人は、点灯によって第1の親機P1に子機CXから送信される無線信号の受信があったことを認識し、操作部20bを持ち上げて表示入力部23を確認する。案内人は、表示入力部23の人数表示部23cの表示から参加者の23人が集合したと認識することができる。案内人は、すなわち集合した子機から送信される単押信号So1が次々と第1の親機P1に受信され、参加者全員が集合するのを待つ。また、集合していない参加者が携帯する子機CXの番号が表示入力部23の番号表示部23bに表示されるので、第1の親機P1を携帯する案内人は誰が集合していないのか容易に把握することができる。
【0076】
参加者全員が集合すると、第1の親機P1は、案内人によって「reset」の表示がされたスイッチ表示部23aが長押される(ステップS47)と、表示入力部23が受信表示モードに設定される(ステップS48)。そして、第1の親機P1は、子機CXから送信される無線信号の受信を待機する。
【0077】
<集合時刻の報知における使用>
また、コミュニケーションシステム1は、子機CXを携帯する参加者がバスBから降車して観光や休憩に出掛けた際に、集合場所であるバスBに集合時刻までに戻ってくるように参加者に子機CXを通じて集合時刻が迫っていることを報知する。
【0078】
子機CXはバスBの車内では動作モードが車内モードに設定される。
図21に示されるように、まず、第1の親機P1は、案内人によって表示入力部23のスイッチ表示部23aが操作されて時刻設定表示モードに設定される(ステップS51)。すなわち、図13に示されるように、第1の親機P1のスイッチ表示部23aは「reset」の表示から「set」の表示になる。番号表示部23bには設定時刻を入力するための「時」ボタン、「分」ボタン、及び「数字」ボタンが表示される時刻入力部23eと、入力された時刻が表示される時刻表示部23dが表示される。
【0079】
第1の親機P1は、案内人によって集合時刻が入力され(ステップS52)、「set」の表示がなされたスイッチ表示部23aが押される(ステップS53)と、入力された集合時刻を設定する(ステップS54)。そして、第1の親機P1は、第1の親機送受信部22を介して時刻信号Stimep1を送信する(ステップS55)。時刻信号Stimep1には、第1の親機P1に固有のIDコードCp1と、時刻情報としての時刻コードCtimeとが含まれている。
【0080】
バスBに設置された第2の親機P2は、第2の親機送受信部32を介して第1の親機P1から送信される時刻信号Stimep1を受信すると、時刻信号Stimep1に含まれるIDコードと、メモリ31aに記憶された第1の親機P1に固有のIDコードCp1とを照合し、照合が一致するか否かを判断する。第1の親機P1は、IDコードの照合が一致しないと、第1の親機P1から送信される無線信号の受信待機状態を維持する。一方、第2の親機P2は、IDコードの照合が一致すると(ステップS56)、第1の親機P1から送信される時刻信号Stimep1に含まれる時刻を集合時刻として設定する(ステップS57)。すなわち、第2の親機P2は、メモリ31aに集合時刻情報を記憶する。そして、第2の親機P2は、子機CXを携帯した参加者がバスBを降車する際に、同集合時刻を子機CXに登録させるべく、通信エリアAに第2の親機送受信部32を介して時刻信号Stimep2を送信する(ステップS58)。
【0081】
子機CXは、子機CXを携帯した参加者が通信エリアAに進入したことによって子機送受信部12を介して第2の親機P2から送信される時刻信号Stimep2を受信すると、時刻信号Stimep2に含まれるIDコードと、メモリ11aに記憶された第2の親機P2に固有のIDコードCp2とを照合し、照合が一致するか否かを判断する。子機CXは、IDコードの照合が一致しないと、第2の親機P2から送信される無線信号の受信を待機する。一方、子機CXは、IDコードの照合が一致すると(ステップS60)、第2の親機P2から送信される時刻信号Stimep2に含まれる時刻を集合時刻として設定する。(ステップS61)。すなわち、子機CXのメモリ11aに集合時刻情報を記憶する。このとき、子機CXは、スピーカ15を通じて「ポン」と音を発生させる。子機CXを携帯する参加者は、「ポン」という音で集合時刻が設定されたことを認識することができる。また、子機CXは、時刻信号Stimep2を受信することによって動作モードを車外モードに設定する(ステップS62)。
【0082】
第1の親機P1は、第1の親機送受信部22を介して第2の親機P2から送信される時刻信号Stimep2を受信すると、時刻信号Stimep2に含まれるIDコードと、メモリ11aに記憶された第2の親機P2に固有のIDコードCp2とを照合し、照合が一致するか否かを判断する。第1の親機P1は、IDコードの照合が一致しないと、第2の親機P2から送信される無線信号の受信を待機する。一方、第1の親機P1は、IDコードの照合が一致すると(ステップS63)、動作モードを車外モードに設定する(ステップS64)。なお、案内人によって第2の親機P2に集合時刻が設定された際には、第1の親機P1は、第2の親機P2から送信される時刻信号Stimep2に含まれる時刻を集合時刻として設定する。すなわち、子機CXのメモリ11aに集合時刻情報を記憶する。
【0083】
子機CXは、メモリ11aに記憶された集合時刻情報と、時計11bにより計測されるその時々の時刻情報との比較を通じて集合時刻までの時間を算出し、同算出された時間が予め設定された時間に至ったときには、集合時刻が迫っている旨をLED14、スピーカ15、バイブレータ16を用いて参加者に報知する(ステップS65)。すなわち、図7に示されるように、子機CXは、集合時刻の15分前になると、LED14を通じて緑色に点灯する。さらに、子機CXは、集合時刻の10分前になると、LED14を通じて青色に点灯するとともに、スピーカ15を通じて「ぴよぴよ」と音を発生させる。そして、子機CXは、集合時刻の5分前になると、LED14を通じて赤色に点灯し、スピーカ15を通じて「コケコッコー」と音を発生させるとともに、バイブレータ16を通じて振動する。子機CXを携帯する参加者は、上記の報知を認識することによって、集合時刻に間に合うように集合場所であるバスBへ移動するとともに、集合時刻にはバスBに集合する。
【0084】
第1の親機制御部21は、メモリ21aに記憶された集合時刻情報と、時計21bにより計測されるその時々の時刻情報との比較を通じて集合時刻までの時間を算出し、同算出された時間が予め設定された時間に至ったときには、集合時刻が迫っている旨をLED24、スピーカ25、バイブレータ26を用いて案内人に報知する(ステップS66)。すなわち、第1の親機P1は、集合時刻の15分前等にLED24等を通じて報知する。これにより、案内人は、集合時刻が迫っていることを認識し、集合する参加者を迎える準備をすることができる。
【0085】
図22に示されるように、バスBに戻ってきた参加者が携帯している子機CXは、操作スイッチ13が単押される(ステップS71)と、子機送受信部12を介して単押信号So1を送信する(ステップS72)。
【0086】
第2の親機P2は、第2の親機送受信部32を介して子機CXから送信される単押信号So1を受信すると、単押信号So1に含まれるIDコードと、メモリ31aに記憶された各子機CXに固有のIDコードCcxとを照合し、照合が一致するか否かを判断する。第2の親機P2は、IDコードの照合が一致しないと、子機CXから送信される無線信号の受信待機状態を維持する。一方、第2の親機P2は、IDコードの照合が一致すると(ステップS73)、第2の親機送受信部32を介して集合信号Smeetを送信する(ステップS74)。集合信号Smeetには、第2の親機P2に固有のIDコードCp2と、受信した無線信号に含まれる子機CXのIDコードCcxとが含まれている。
【0087】
子機CXは、子機送受信部12を介して第2の親機P2から送信される集合信号Smeetを受信すると、集合信号Smeetに含まれるIDコードと、メモリ11aに記憶された第2の親機P2に固有のIDコードCp2とを照合し、照合が一致するか否かを判断する。子機CXは、IDコードの照合が一致しないと、第2の親機P2から送信される無線信号の受信待機状態を維持する。一方、子機CXは、IDコードの照合が一致すると(ステップS75)、設定した集合時刻を解除する(ステップS76)。
【0088】
第1の親機P1は、第1の親機送受信部22を介して第2の親機P2から送信される集合信号Smeetを受信すると、集合信号Smeetに含まれるIDコードと、メモリ21aに記憶された第2の親機P2に固有のIDコードCp2とを照合し、照合が一致するか否かを判断する。第1の親機P1は、IDコードの照合が一致しないと、第2の親機P2から送信される無線信号の受信待機状態を維持する。一方、第1の親機P1は、IDコードの照合が一致すると(ステップ77)、第2の親機P2から送信される無線信号を受信したことを報知する(ステップS78)。すなわち、図12(b)に示されるように、第1の親機P1の操作部20bがLED24を通じて赤色に点灯する。第1の親機P1は、受信した単押信号So1に含まれるIDコードCcxに基づいてメモリ21aに記憶された子機CXの個別情報としての番号を読み出し、第1の親機P1が受信した子機CXの番号を非表示とする(ステップS79)。すなわち、表示入力部23の番号表示部23bには、受信した子機C10,…の個別情報としての番号「…,10,…」が四角形に代わって非表示とされ、集合していない子機の個別情報としての番号が表示される。また、表示入力部23の人数表示部23cには、受信した子機CXの数量である数字「23」が表示される。
【0089】
<集合場所の報知における使用>
また、コミュニケーションシステム1は、子機CXを携帯する参加者が観光や休憩をしてバスBに戻ろうとした際に、集合場所であるバスBを報知する。ここでは、集合時刻の報知における使用に伴って行う。
【0090】
図23に示されるように、前述のように子機CX及び第1の親機P1が集合時刻を報知する(ステップS65,S66)頃に、第2の親機P2は、メモリ31aに記憶された集合時刻情報と、時計31bにより計測されるその時々の時刻情報との比較を通じて集合時刻までの時間を算出し、同算出された時間が予め設定された時間、例えば10分前に至ったか否かを判断する。第2の親機P2は、予め設定された時間に至らない場合には、予め設定された時間に至るまで待機する。一方、第2の親機P2は、予め設定された時間に至った場合(ステップS81)には、LED34を点滅させるとともに、集合場所であるバスBに戻ってきた子機CXが受信することで参加者に集合場所であることを報知するべく、第2の親機送受信部32を介して車内切替信号Sciを通信エリアAに送信する(ステップS82)。
【0091】
子機CXは、子機CXを携帯した参加者が通信エリアAに進入したことによって子機送受信部12を介して第2の親機P2から送信される車内切替信号Sciを受信すると、車内切替信号Sciに含まれるIDコードと、メモリ11aに記憶された第2の親機P2に固有のIDコードCp2とを照合し、照合が一致するか否かを判断する。子機CXは、IDコードの照合が一致しないと、第2の親機P2から送信される無線信号の受信待機状態を維持する。一方、子機CXは、IDコードの照合が一致すると(ステップS83)、集合場所であるバスBであることを報知する(ステップS84)。すなわち、子機CXは、LED14を通じて緑色に点灯するとともに、スピーカ15を通じて「ポン」と音を発生させる。子機CXを携帯する参加者は、緑色の光と「ポン」という音とで集合場所であることを認識することができる。また、子機CXは、IDコードの照合が一致すると、動作モードを車内モードに設定する(ステップS85)とともに、子機送受信部12を介して自動的にIDコード信号Sidcxを送信する(ステップS86)。
【0092】
第1の親機P1は、第1の親機送受信部22を介して第2の親機P2から送信される車内切替信号Sciを受信すると、車内切替信号Sciに含まれるIDコードと、メモリ11aに記憶された第2の親機P2に固有のIDコードCp2とを照合し、照合が一致するか否かを判断する。第1の親機P1は、IDコードの照合が一致しないと、第2の親機P2から送信される無線信号の受信を待機する。一方、第1の親機P1は、IDコードの照合が一致すると(ステップS87)、動作モードを車内モードに設定する(ステップS88)。
【0093】
第2の親機P2は、第2の親機送受信部32を介して子機CXから送信されるIDコード信号Sidcxを受信すると、IDコード信号Sidcxに含まれるIDコードと、メモリ31aに記憶された各子機CXに固有のIDコードCcxとを照合し、照合が一致するか否かを判断する。子機CXから送信される無線信号は、前述のステップS71では単押信号So1であり、ステップS85ではIDコード信号Sidcxであるが、第2の親機P2はこれらの無線信号に含まれるIDコードの照合が目的であるため、IDコード信号SidcxのIDコードの照合が一致する(ステップS73)と、ステップS74〜S79の処理を行う。
【0094】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)案内人及び多数の参加者からなる集団において、複数の子機CXを多数の参加者にそれぞれ携帯させ、第1の親機P1を案内人に携帯させ、第2の親機P2を集合場所であるバスBに設置させ、案内人は第1の親機P1に集合時刻を入力する。そして、参加者の携帯する子機CXは第2の親機P2から送信された集合時刻情報の含む時刻信号Stimep2を受信すると、同集合時刻として設定する。参加者は、集合時刻までの時間が予め設定された時間に至ったときには、LED14、スピーカ15、及びバイブレータ16を通じて集合時刻が迫っている旨を子機CXから報知されることによって、集合時刻を認識することができ、認識した集合時刻が近づいたら集合場所に向かうことができる。よって、参加者を集合時刻に対し適当なタイミングで集合させることができる。
【0095】
(2)設置された第2の親機P2は集合時刻情報の含む時刻信号Stimep2を自身から近距離の予め決められた通信エリアAに送信し、子機CXが通信エリアAに持ち込まれると子機CXは第2の親機P2からの時刻信号Stimep2を受信することができる。このため、子機CXを携帯した参加者を第2の親機P2が設置された場所の近くを通過させることで、一つ一つの子機CXに対して集合時刻情報の含む時刻信号Stimep2を確実に受信させることができる。
【0096】
(3)案内人に携帯される第1の親機P1と、解散場所であるバスBに設置される第2の親機P2とを備え、第1の親機P1は自身に集合時刻が入力されると第2の親機P2へ送信し、第2の親機P2から集合時刻情報の含む時刻信号Stimep2を自身から近距離の予め決められた通信エリアAへ送信する。このため、第1の親機P1へ入力された集合時刻は、通信エリアAにのみ無線信号を送信する第2の親機P2から送信される。よって、集合時刻の入力は携帯している第1の親機P1に対して行うことができるとともに、子機CXを携帯した参加者を第2の親機P2が固定された場所の近くを通過させることで、一つ一つの子機CXに対して集合時刻情報の含む無線信号を確実に受信させることができる。
【0097】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・図14の左下に拡大して示される集まるべき場所であるバスBの出入口である乗降口46に設けられた扉47を第2の親機P2が子機CXから無線信号を受信することによって開かせるようにしてもよい。詳しくは、図1に示されるように、第2の親機端子部38と車両端子部48とが接続ケーブル50によって接続されることにより、第2の親機P2は車両制御部41と接続される。そして、ステップS82のように、第2の親機制御部31は、集合時刻が迫ると、子機CXが集合すべき場所であることがわかるように第2の親機送受信部32を介して車内切替信号Sciを送信する。このとき、扉47は閉じられている。子機制御部11は、子機送受信部12を介して車内切替信号Sciを受信し、車内切替信号Sciに含まれるIDコードの照合が一致すると、集合すべき場所であることを報知するとともに、子機送受信部12を介して自身に固有のIDコードCcxを含むIDコード信号Sidcxを送信する。第2の親機制御部31は、第2の親機送受信部32を介してIDコード信号Sidcxを受信すると、IDコード信号Sidcxに含まれるIDコードを照合し、照合が一致すると、第2の親機端子部38を介して車両制御部41へ扉47を開ける旨の開扉信号を出力する。また、第2の親機制御部31は、スピーカ35を通じて「お帰りなさい。」と音声を出力させる。車両制御部41は、車両端子部48を介して開扉信号が入力されると、扉47を開くべく図示しない扉開閉装置を駆動制御する。
【0098】
このようにすれば、子機CXを携帯する参加者は、報知によって集合すべき場所であるバスBを認識することができるともに、扉47の開扉と音声とによりお出迎えのおもてなしを受けることができる。また、バスBの乗降口46の扉47は、IDコードが一致した際にのみ開くことになるため、バスBに乗るべき参加者でない人は乗車することができず、防犯性を高めることができる。
【0099】
・図14の右上及び左下に拡大して示されるように、第2の親機P2に赤外線等により所定範囲に進入した人(物体)を検知することができる検知手段としての検知センサ39を備え、第2の親機P2は、検知センサ39が人を検知すると、子機CXとの間で無線通信を行い、IDコードを照合し、一致する場合にはお出迎えを、一致しない場合には警報を行うようにしてもよい。詳しくは、参加者がバスBに乗車する際に、案内人により検知センサ39が起動される。第2の親機制御部31は、検知センサ39から人を検知した旨の検知信号が入力されると、第2の親機送受信部32を介して子機CXにIDコード信号Sidcxを送信するように要求する応答要求信号を送信する。子機制御部11は、子機送受信部12を介して応答要求信号を受信すると応答要求信号に応答して、子機送受信部12を介して自身に固有のIDコードCcxを含むIDコード信号Sidcxを送信する。第2の親機制御部31は、第2の親機送受信部32を介してIDコード信号Sidcxを受信すると、IDコード信号Sidcxに含まれるIDコードを照合し、照合が一致した場合には、スピーカ35を通じて「お帰りなさい。」と音声を出力させ、お出迎えを行う。一方、第2の親機制御部31は、IDコードの照合が一致しない場合、又はIDコード信号Sidcxの受信がない場合には、警報手段としてのスピーカ35を通じて「乗車できません。」及び「ピー、ピー」等の警告音を出力させる。
【0100】
このようにすれば、バスBに乗車した人に対して乗車すべき参加者であるか認証することができ、間違って乗車した人に乗降口で間違っていることを知らせることができ、乗車すべきではない不審者等がバスBに乗車したことを他の参加者に知らせることができる、よって、防犯性を高めることができる。
【0101】
・第1の親機P1に子機CXの数量確認用、すなわち参加者の人数確認用の人数確認スイッチを設け、第1の親機P1は、人数確認スイッチが操作されると、子機CXと無線通信を行い、IDコードを照合し、照合が一致した子機CXの個別情報とその総量とを表示入力部23に表示するようにしてもよい。詳しくは、バスBの車内等において、案内人によって人数確認スイッチが操作される。第1の親機制御部21は、人数確認スイッチから操作された旨の操作信号が入力されると、第1の親機送受信部22を介して子機CXにIDコード信号Sidcxを送信するように要求する応答要求信号を送信する。子機制御部11は、子機送受信部12を介して応答要求信号を受信すると応答要求信号に応答して、子機送受信部12を介して自身に固有のIDコードCcxを含むIDコード信号Sidcxを送信する。第1の親機制御部21は、第1の親機送受信部22を介してIDコード信号Sidcxを受信すると、IDコード信号Sidcxに含まれるIDコードを照合し、照合が一致した場合には、受信したIDコード信号Sidcxの送信元である子機CXの個別情報を表示入力部23の番号表示部23bに表示するとともに、受信した子機CXの総量を人数表示部23cに表示する。
【0102】
このようにすれば、参加者が操作スイッチ13を操作することによって参加者が携帯する子機CXから子機CXのIDコードCcxが含まれる無線信号が送信されるのを待たなくても、案内人が携帯する第1の親機P1から応答要求信号を送信することによって、IDコード信号Sidcxを送信させることができる。よって、参加者が操作スイッチ13を操作しなくても、案内人による人数確認スイッチの操作によって子機CXの数量確認、すなわち参加者の人数確認を行うことができる。
【0103】
・上記実施形態では、第2の親機P2は無線信号をバスBの車内と車外とを含む通信エリアAに送信するようにしたが、車内通信エリアA1と車外通信エリアA2とに分けてそれぞれに送信するようにしてもよい。例えば、第2の親機制御部31は、子機CXを車内モード又は車外モードに切り替える際には、第2の親機送受信部32を介して車内通信エリアA1に車内切替信号Sci又は車外切替信号Scoを送信する。また、第2の親機制御部31は、集合すべき場所であるバスBを報知するために無線信号を送信する際には、車外通信エリアA2に無線信号を送信する。第2の親機送受信部32は、車内通信エリアA1及び車外通信エリアA2のそれぞれに送受信を行うアンテナをそれぞれ設けてもよいし、同じアンテナで指向性を代えて送受信するようにしてもよい。このようにすれば、使用状態に合わせて無線信号を送信することができ、第2の親機P2は子機CXに対して的確に無線信号を送信することができる。
【0104】
・第2の親機P2の第2の親機制御部31を車両制御部41と接続ケーブル50により接続し、バスBの設備を利用するようにしてもよい。例えば、バスBの車両送受信部42を通じて無線信号を送信する。このようにすれば、バスB全体を覆うように送受信アンテナを設置することにより広範囲において子機CXと無線通信を行うことができるようになる。また、バスBのライト43を使って子機CXとIDコードの照合が成立した際に点灯するようにして、参加者に報知するようにしてもよい。また、バスBのスピーカ45を通じて音声を出力するようにしてもよい。このようにすれば、バスBの車内全体に報知することができるようになる。
【0105】
・上記実施形態では、バスBを利用した観光にコミュニケーションシステム1を使用した場合について説明したが、工場見学等の他のものに使用してもよい。例えば、図24に示されるようなある製品の製造工場を見学する際に、被引率者である多数の見学者が複数の子機CXを携帯し、引率者である案内人が第1の親機を携帯して使用する。ここでは、見学者は、第1製造工程、第2製造工程、第3製造工程をこの順で見学通路から見学する。各製造工程を見学できる見学通路の入口又は出口には、第1ゲート、第2ゲート、第3ゲート、第4ゲートが設けられる。各製造工程を見学できる見学通路の中央付近と、各ゲートの手前側とには、第2の親機P2がそれぞれ埋設されている。見学通路の中央付近に設置された第2の親機P2は、自身のIDコードを含むIDコード信号を送信し、同IDコード信号の送信範囲によって案内人が説明するために参加者が集まるべき場所である第1説明エリア、第2説明エリア、第3説明エリアを形成する。各説明エリアに子機CXが進入すると、子機CXは子機送受信部12を介してIDコード信号を受信し、IDコードの照合が一致すると、例えばLED14を点灯し、説明エリアであることを参加者に報知する。また、各ゲートの手前側に設置された第2の親機P2は、子機CXからIDコード信号を送信させるべく応答要求信号を送信し、同応答要求信号の送信範囲によって第1認証エリア、第2認証エリア、第3認証エリア、第4認証エリアを形成する。各認証エリアに子機CXが進入すると、子機CXは子機送受信部12を介して応答要求信号を受信すると、自身に固有のIDコードCcxを含むIDコード信号Sidcxを送信する。第2の親機P2は、第2の親機送受信部32を介してIDコード信号Sidcxを受信し、IDコードの照合が一致すると、図示しないゲート開閉装置を駆動制御しゲートを開かせる。
【0106】
上記使用によれば、子機CXを携帯する参加者は、各ゲートで第2の親機P2と無線通信することにより、照合が一致した参加者のみがゲートから先に進入することができる。また、各見学通路の説明エリアで第2の親機P2と無線通信することにより、参加者はどこが説明する場所であるか認識することができ、迷ったり、行き過ぎたりすることがない。
【0107】
・上記実施形態では、補聴器17は操作スイッチ13が操作されている間のみ起動するようにしたが、操作スイッチ13の操作に関わらず常に起動しているようにしてもよい。なお、操作スイッチ13の操作をすることで補聴していることを第1の親機P1に知らせることができる。
【0108】
・上記実施形態では、子機CXの動作モードを車内モードと車外モードとの2つを設定したが、用途に合わせてこの他の動作モードを設定してもよい。
・上記実施形態では、子機CXに複数の動作モードを設定するようにしたが、切り替える必要がなければ、1つの動作モードだけにしてもよい。
【0109】
・上記実施形態では、子機CXの操作スイッチ13に対する参加者の操作態様として単押及び長押に基づいて子機CXが単押信号So1及び長押信号So2を送信するようにしたが、これら2種類に限らず、連打等の他の操作態様に応じて他の無線信号を送信するようにしてもよい。
【0110】
・上記実施形態では、第1の親機P1の表示モードを受信表示モード、非受信表示モード、時刻設定表示モードの3つを設定したが、用途に合わせてこの他の表示モードを設定してもよい。
【0111】
・上記実施形態では、第1の親機P1を複数の表示モードを設定するようにしたが、必要な表示モードのみにしてもよい。
・上記実施形態では、第1の親機P1が受信した無線信号の送信元の子機CXの個別情報として番号を表示入力部23に表示するようにしたが、子機CXの番号と参加者の名前とが関連付けられた参加者の名簿を第1の親機P1のメモリ21aに記憶させて、受信した無線信号の送信元の子機CXの個別情報として名前を表示入力部23に表示するようにしてもよい。
【0112】
・上記実施形態では、子機のLED14、スピーカ15、バイブレータ16、第1の親機P1のLED24、スピーカ25、バイブレータ26、第2の親機P2のLED34、スピーカ25がそれぞれ図6や図7等に示されるように動作するようにしたが、使用者の好みに合わせて選択できるようにしてもよい。
【0113】
・上記実施形態では、子機のLED14、スピーカ15、バイブレータ16、第1の親機P1のLED24、スピーカ25、バイブレータ26、第2の親機P2のLED34、スピーカ25をそれぞれの機器に備えるようにしたが、使用者の好みに合わせて少なくとも1つをそれぞれの機器に備えるようにしてもよい。
【0114】
・上記実施形態では、子機CXに集合時刻を設定する際に、第1の親機P1から送信される時刻信号Stimep1を第2の親機P2が受信し、第2の親機P2から送信される時刻信号Stimep2を子機CXに受信させることで集合時刻を設定するようにした。しかしながら、第2の親機P2を介さずに第1の親機P1から子機CXに時刻信号Stimep1を直接送信するようにしてもよい。すなわち、第1の親機P1は、集合時刻が設定されると、第1の親機送受信部22を介して子機CXに受信させるべく間欠的に時刻信号Stimep1を送信する。このようにすれば、第2の親機P2を用いずに子機CXに集合時刻の設定を行うことができるようになり、構成を少なくすることができる。
【0115】
・上記実施形態では、図4に示されるように参加者の操作態様に応じて異なる情報を含む無線信号を送信するようにしたが、図25に示されるように参加者の操作態様に応じて異なる送信パターンで無線信号を送信するようにしてもよい。すなわち、子機CXは、同一の無線信号を送信し、参加者の操作として押圧時間に相当する分の無線信号が送信される。第1の親機P1及び第2の親機P2は子機CXから送信された無線信号の受信パターンにしたがって、参加者のどのような操作に基づく無線信号なのか判断して、無線信号に基づく処理を行う。
【0116】
・図26(a)及び(b)に示されるように、第1の親機P1の連結部20c、子機CXの連結部10cを外して、第1の親機P1のリング部20a、子機CXのリング部10aを図26(c)及び(d)に示されるようなキーフォルダ10dやベルトクリップ10e等の使用者が携帯することができるものに変更してもよい。キーフォルダ10dは、キーを取り付けることができる円環状のリングを備えている。ベルトクリップ10eは、ベルト60を挟むことで取り付けることができるようになっている。
【0117】
・子機CX及び第1の親機P1の筐体の材質は、軟質の合成樹脂に限らず、硬質の合成樹脂や好みに合わせてその他の材質にしてもよい。
・上記実施形態では、第1の親機P1の表示入力部23及び第2の親機P2の表示入力部33をタッチパネルディスプレイにしたが、表示する部分と入力する部分とを別々に設けた構成にしてもよい。
【0118】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想を記載する。
(a)請求項1〜3のいずれか一項に記載の集合時刻報知システムにおいて、前記報知手段は、光、音、及び振動の少なくとも1つを発生させるものであることを特徴とする集合時刻報知システム。
【符号の説明】
【0119】
C1,C2,C10,C22,C27,…,CX…子機、P1…第1の親機、P2…第2の親機、1…コミュニケーションシステム、10a…リング部、10b…操作部、10c…連結部、11…子機制御部、11a…メモリ、11b…時計、12…子機送受信部、13…操作スイッチ、14…LED、15…スピーカ、16…バイブレータ、17…補聴器、18…端子部、20a…リング部、20b…操作部、20c…連結部、21…第1の親機制御部、21a…メモリ、21b…時計、22…第1の親機送受信部、23…表示入力部、23a…スイッチ表示部、23b…番号表示部、23c…人数表示部、23d…時刻表示部、23e…時刻入力部、24…LED、25…スピーカ、26…バイブレータ、28…端子部、30a…本体、30b…蓋体、31…第2の親機制御部、31a…メモリ、31b…時計、32…第2の親機送受信部、33…表示入力部、34…LED、35…スピーカ、38…第2の親機端子部、46…乗降口、47…扉、49…インストルメントパネル、A…通信エリア、B…バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引率者及び多数の被引率者からなる集団において、一旦解散して所定時間が経過した後に再度集合する際の被引率者の集合時刻を報知する集合時刻報知システムであって、
多数の被引率者に携帯されるとともに、親機から送信された集合時刻情報を含む無線信号を受信すると、同無線信号に含まれる集合時刻情報を自身に設けられた記憶部に記憶し、この記憶された集合時刻情報と、自身の持つ時計手段により計測されるその時々の時刻情報との比較を通じて集合時刻までの時間を算出し、同算出された時間が予め設定された時間に至ったときには、集合時刻が迫っている旨を自身に設けられた報知手段を通じて報知する複数の子機と、
引率者に携帯される、又は解散場所に設置されるとともに、自身に設けられた入力手段を通じて入力された集合時刻情報を含む無線信号を送信する親機とを備える
ことを特徴とする集合時刻報知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の集合時刻報知システムにおいて、
前記設置された親機は、前記集合時刻情報の含む無線信号を自身から近距離の予め決められた通信範囲に送信し、
前記子機は、前記通信範囲に持ち込まれることによって前記親機からの前記集合時刻情報の含む無線信号を受信する
ことを特徴とする集合時刻報知システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の集合時刻報知システムにおいて、
前記親機は、引率者に携帯される第1の親機と、解散場所に設置される第2の親機とを備え、
前記第1の親機は、前記入力手段を通じて入力される集合時刻情報を含む無線信号を前記第2の親機へ送信し、
前記第2の親機は、前記第1の親機から送信された無線信号を受信し、同無線信号に含まれる集合時刻情報を取得し、同集合時刻情報の含む無線信号を自身から近距離の予め決められた通信範囲へ送信する
ことを特徴とする集合時刻報知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−243220(P2010−243220A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89628(P2009−89628)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】