説明

集塵機能付作業台

【課題】 従来の作業台は研磨作業の際に発生する火花を吸収したり消火する機能を有していないので、この火花を原因とする火災が発生し易く、また、危険で周囲を汚してしまう。
【解決手段】 作業台ケース1の上端部に無数の孔2aを穿設したプレートを天板2として開閉自在に取付け、作業台ケース1内に集塵部4とその集塵部4の空気を排気する排気装置9を設け、集塵部4を、バッグフィルター6およびその中に配置した水槽7および案内筒8等で構成し、有火粉塵屑を水面に当てて無火粉塵屑化し跳ね返らせるか又は水に浸して水槽7内に沈殿させ、無化粉塵をバッグフィルター6で捕集する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は電動グラインダーや溶接等の有火粉塵屑を発生する作業で使用する集塵機能付きの作業台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 一般に、電動グラインダー等の研磨工具を使っての研磨作業は、通常の作業台上で行われる。この通常の作業台は、研磨作業によって発生する有火粉塵屑を吸収したり消火する機能を何ら有していない。従って、作業台に当った有火粉塵屑が周囲に飛散し、火災を発生する恐れがあった。また、有火粉塵屑が周囲に飛散するので危険であり、さらに周囲を必要以上に汚し、健康にも好ましくなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 解決しようとする課題は、従来の作業台は有火粉塵屑発生作業の際に発生する有火粉塵屑を吸収したり消火する機能を有していないので、この有火粉塵屑を原因とする火災が発生し易く、危険であり、周囲を汚し、また健康上好ましくないことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】 図1乃至図4を参照して説明する。本発明に係る集塵機能付作業台は、作業台ケース1の上端部に無数の孔2aを穿設したプレートを天板2として開閉自在に取付け、作業台ケース1内に集塵部4とその集塵部4の空気を排気する排気装置9とを設け、集塵部4を作業台ケース1の上部にガイド板3に連設して形成した内鍔状の取付板5に、バッグフィルター6をその上端周縁部6aを着脱自在に取付けて吊下げ、バッグフィルター6内に、側壁上部に通気開口部7bを形成した水槽7をその上端外鍔部7aを前記取付け板に着脱自在に取付けて配置し、水槽7内に、案内筒8をその上端フランジ部8aを取付板5に着脱自在に取付けて配置し、前記水槽7の底部に水Wを貯えると共に案内筒8の下端と水槽7の水面との間に間隔を保ってなるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】 本発明に係る集塵機能付作業台の実施形態を、図1乃至図4に示す。これは、作業台ケース1の上端部に無数の孔2aを穿設したパンチングプレートを天板2として用い、それを蝶番11によって作業台ケース1に開閉自在に取付けた直方体形状をしている。そして、作業台ケース1内の左右両側に集塵部4を設けると共に、当該作業台の中央部に、左右の集塵部4の空気を排気する排気装置9を設けている。この排気装置9は、ファン9aの回転によってその機能を発揮する。また、排気装置9の直上には、天板2の孔2aを通って作業台ケース1内に侵入する粉塵を左右の集塵部4に導く山状のガイド板3を設けている。
【0006】二つの集塵部4はそれぞれ、取付板5、バッグフィルター6、水槽7および案内筒8で構成している。取付板5は、作業台ケース1の上部にガイド板3に連設して形成した平面長方形の内鍔状である。バッグフィルター6は、その上端周縁部6aを取付板5に着脱自在に取付けて吊下げ状態で配置している。水槽7は、上部に大きな通気開口部7bを形成しており、その上端外鍔部7aを取付け板に着脱自在に取付け、バッグフィルター6内に配置している。また、案内筒8は、その上端フランジ部8aを取付板5に着脱自在に取付けて水槽7内に配置している。
【0007】バッグフィルター6、水槽7および案内筒8は共に、取付板5から立設した同一の固定ボルトと蝶ナット10によって着脱自在に取付けている。また、水槽7の底部には水Wを貯え、この水面と案内筒8の下端との間には一定の間隔を保っている。さらに、水槽7の底壁からは把手部7cを立設し、この把手部7cの下端部に螺条を刻設していわゆるダブルナットを螺合させ、水位を知るための検知部12としている。ダブルナットとしているので、その高さ位置は自在に調節できる。また、案内筒8の上端部には水平方向にハンドルバー8bを架設している。
【0008】この集塵機能付作業台の作用について説明する。本作業台の上で電動グラインダー等の有火粉塵屑を発生する作業を行うと、有火粉塵屑が天板2に無数に穿設された孔2aを通過して作業台ケース1内に侵入し、直接あるいはガイド板3に当った後、左右に設けた集塵部4の水槽7に導かれる。この際、水槽7内には案内筒8が設けられているので、下向きの慣性力の大きな有火粉塵屑は、水面に当たって消火されて跳ね返るか又は水に浸り水槽7の底部に確実に導かれる。また、排気装置9の運転によって発生する気流(吸引作用)によっても確実に導かれる。この水槽7には水Wが貯えられているので、有火粉塵屑は水面に当たり確実に消火され、無火粉塵屑となってバッグフィルター6に向かうか又は水槽7の底部に沈殿する。
【0009】水面上で跳ね返り水槽7の底部に沈殿しなかった微細な無火粉塵は、排気装置9による気流に乗って水槽7の通気開口部7bを通り、バッグフィルター6を通過した後、排気装置9の底部から外に排出される。この際、これら粉塵はバッグフィルター6によって捕集される。
【0010】水槽7内に沈殿した粉塵およびバッグフィルター6に捕集された無火粉塵は、次のようにして取除く。すなわち、天板2を開いた後、取付板5の蝶ナット10を外し、案内筒8、水槽7およびバッグフィルター6をそれぞれ取付板5から取外す。この際、重量の嵩む水槽7には把手部7cを設けると共に、案内筒8にもハンドルバー8bを設けているので、この把手部7cおよびハンドルバー8bを掴んで容易に取外すことができる。取外し後、水槽7内の粉塵を除去すると共に、バッグフィルター6の粉塵を除去あるいはバッグフィルター6を交換した後、再び取付け、新たな使用に備える。
【0011】なお、本発明に係る集塵機能付作業台は、グラインダー等の研磨工具を使用した研磨作業のみでなく、火花の発生を伴う溶接作業等にも使用することができる。
【0012】
【発明の効果】 本発明は、研磨作業や溶接作業によって発生する有火粉塵屑を水面に衝突させて消火し、大きな粉塵を水槽7内に吸収し、小さな無火粉塵屑をバッグフィルター6に導くので、有火粉塵屑の消火および粉塵屑の収集を容易かつ確実に行うことができる。従って、有火粉塵屑を原因とする火災の発生を未然に防止することができると共に、周囲に危険をおよぼすことがなく、健康悪化を招くことなく、また周囲を必要以上に汚すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る集塵機能付作業台の実施形態を示す部分断面正面図である。
【図2】 図1に示す集塵機能付作業台の平面図である。
【図3】 図1に示す集塵機能付作業台の側面図である。
【図4】 図1における集塵機能付作業台の集塵部を示す断面正面図である。
【符号の説明】
1 作業台ケース
2 天板
2a 孔
3 ガイド板
4 集塵部
5 取付板
6 バッグフィルター
6a 上端周縁部
7 水槽
7a 上端外鍔部
7b 通気開口部
7c 把手部
8 案内筒
8a 上端フランジ部
8b ハンドルバー
9 排気装置
9a ファン
10 蝶ナット
11 蝶番
12 検知部
W 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業台ケース(1)の上端部に無数の孔(2a)を穿設したプレートを天板(2)として開閉自在に取付け、作業台ケース(1)内に集塵部(4)とその集塵部(4)に空気を排気する排気装置(9)とを設け、集塵部(4)を作業台ケース(1)の上部にガイド板(3)に連設して形成した内鍔状の取付板(5)に、バッグフィルター(6)をその上端周縁部(6a)を着脱自在に取付けて吊下げ、バッグフィルター(6)内に、側壁上部に通気開口部(7b)を形成した水槽(7)をその上端外鍔部(7a)を前記取付板(5)に着脱自在に取付けて配置し、水槽(7)内に、案内筒(8)をその上端フランジ部(8a)を取付板(5)に着脱自在に取付けて配置し、前記水槽(7)の底部に水(W)を貯えると共に案内筒(8)の下端と水槽(7)の水面との間に間隔を保ってなる集塵機能付作業台。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【公開番号】特開2001−347475(P2001−347475A)
【公開日】平成13年12月18日(2001.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−170910(P2000−170910)
【出願日】平成12年6月7日(2000.6.7)
【出願人】(393009932)益田クリーンテック株式会社 (3)
【Fターム(参考)】