説明

集塵装置

【課題】 本体に対して集塵体を着脱する作業を簡素化できる集塵装置を提供する。
【解決手段】 空気に含まれる塵埃を捕集する集塵体100を収容すべく、集塵体100が出し入れされるための開口部20aを有する本体2と、本体2の開口部20aを覆う蓋体3とを備え、集塵体100に塵埃を捕集させるべく、吸込口31aから空気を吸い込み可能に構成される集塵装置1において、蓋体3は、集塵体100と一体になって本体2に対して着脱可能に構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸込口から空気を吸い込み、空気中の塵埃を集塵体に捕集するように構成される集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集塵装置として、空気を吸い込んで吐き出す間に空気に含まれる塵埃を集塵体に捕集する集塵装置が知られている(例えば、特許文献1)。かかる集塵装置は、集塵体が本体に対して着脱可能に構成される。そして、かかる集塵装置は、集塵体が本体の開口部から入れられ、開口部が蓋体に覆われることにより、集塵体を内部に収容する。
【0003】
かかる集塵装置は、本体に設けられる吸込口から吸い込まれた空気が集塵体を内から外へと通過する際に、濾過機能を有する集塵体が空気から塵埃を捕集する。そして、かかる集塵装置においては、集塵体で塵埃を捕集した後、集塵体を本体から離脱して、新しい物に交換したり、塵埃を除去した(取り除いた)後に再装着したりする。
【特許文献1】特開2000−333886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、集塵体を交換したり、再装着したりする作業においては、まず、蓋体を本体から離脱させた(又は、蓋体を開けた)後に、集塵体を本体から離脱させて塵埃を除去し、さらに、集塵体を本体に装着した後に、蓋体を本体に装着する(蓋体を閉じる)必要があり、かかる作業は、非常に複雑で面倒である。
【0005】
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、本体に対して集塵体を着脱する作業を簡素化できる集塵装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る集塵装置は、空気に含まれる塵埃を捕集する集塵体を収容すべく、集塵体を出し入れさせるための開口部を有する本体と、本体の開口部を覆う蓋体とを備え、集塵体に塵埃を捕集させるべく、吸込口から空気を吸い込み可能に構成される集塵装置において、蓋体は、集塵体と一体になって本体に対して着脱可能に構成されることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、本体の開口部から集塵体が入れられ、蓋体が本体の開口部を覆うことにより、集塵体を収容する。かかる状態にて、吸込口から空気を吸い込むことにより、集塵体にて空気に含まれる塵埃を捕集できる。そして、蓋体が本体に対して集塵体と一体になって着脱できるため、本体に対して集塵体を着脱する作業を簡素化することができる。
【0008】
また、本発明に係る集塵装置は、蓋体は、一端部に吸込口が設けられ且つ吸い込んだ空気を集塵体に送り込むための連通部を備えてもよい。
【0009】
かかる構成によれば、蓋体は、連通部により、一端部の吸込口から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を集塵体に送り込むことができる。そして、蓋体が本体に対して集塵体と一体になって着脱するため、蓋体から集塵体に亘って形成される塵埃の流路を分断することなく、集塵体を本体に対して着脱でき、その結果、例えば、吸込口から空気とともに吸い込まれたものの集塵体まで送り込まれることなく連通部(流路)に残ってしまった塵埃をまき散らすのを防止することができる。
【0010】
また、本発明に係る集塵装置においては、蓋体は、吸い込んだ空気を集塵体に送り込むための連通部を備え、さらに、空気を吸い込むのを停止する状態にて連通部を閉塞し且つ空気を吸い込む状態にて当該閉塞を解除する閉塞部材を備えてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、空気を吸い込むのを停止する状態においては、閉塞部材が空気を集塵体に送り込むための連通部を閉塞する。これにより、例えば、空気を吸い込むのを停止させて、蓋体を集塵体と共に本体から離脱させる際には、閉塞部材により集塵体を内封した状態とすることができる。したがって、本体に集塵体を着脱する際に、集塵体から塵埃が出ていくのを防止できる。また、空気を吸い込む状態においては、閉塞部材が当該閉塞を解除するため、集塵体に空気を送り込むことができる。
【0012】
また、本発明に係る集塵装置においては、蓋体は、集塵体を着脱可能に構成され、さらに、集塵体を装着すべく係止する係止位置と、集塵体を離脱すべく当該係止を解除する解除位置とに変位可能な係止部材を備えてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、係止部材が集塵体を係止する係止位置に位置することにより、蓋体に集塵体を装着すると共に、係止部材が集塵体の当該係止を解除する解除位置に位置することにより、蓋体から集塵体を離脱することができる。したがって、例えば、蓋体に対して集塵体を下方側にし、係止部材を変位させることにより、集塵体が重力で落下し、集塵体を触ることなく蓋体から集塵体を離脱させることができる。
【0014】
また、本発明に係る集塵装置においては、係止部材は、集塵体を装着しない状態で係止位置とは別の位置に位置し、集塵体を装着しない蓋体を本体に装着しようとする場合には、係止部材が本体と干渉するような構成を採用してもよい。
【0015】
かかる構成によれば、係止部材が係止位置とは別の位置に位置する状態にて、蓋体が本体に装着される際、係止部材が本体と干渉するため、集塵体を装着しない蓋体が本体に装着されるのを防止できる。したがって、例えば、蓋体に集塵体を装着するのを忘れた状態で、蓋体を本体に装着するのを防止できる。
【発明の効果】
【0016】
以上の如く、本発明に係る集塵装置によれば、蓋体が集塵体と一体になって本体に対して着脱できるため、本体に対して集塵体を着脱する作業を簡素化することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る集塵装置における一実施形態について、図1〜図9を参酌して説明する。
【0018】
なお、本実施形態においては、例えば、図1に示すようなモップ200により集められた塵埃や、モップ200に付着する塵埃を吸い込む集塵装置1について説明する。モップ200は、例えば、床上の塵埃を拭き取るモップ本体201と、作業者に把持されるハンドル202とを備えて構成される。
【0019】
モップ本体201は、平板状に形成され、直線状に形成される外縁の部位と曲線状に形成される外縁の部位とを備える。そして、モップ本体201は、床と接触する一方の面(下面)や外縁に多数の紡糸を備え、紡糸が塵埃を付着可能に構成させることにより、塵埃をまき散らすことなく拭き取ることができる。
【0020】
本実施形態に係る集塵装置1は、図1〜図3に示すように、空気に含まれる塵埃を捕集する集塵体100を収容すべく、集塵体100を出し入れされるための開口部20aを有する本体2と、本体2の開口部20aを覆う蓋体3とを備え、集塵体100に塵埃を捕集させるべく、吸込口31aから空気を吸い込み可能に構成される。
【0021】
そして、集塵装置1は、蓋体3が集塵体100と一体になって本体2に対して着脱可能に構成される。また、集塵装置1は、集塵体100を装着しない状態で蓋体3を本体2に装着するのを防止すべく、集塵体100を装着しない蓋体3を本体2に装着できないように構成される。
【0022】
本実施形態において採用される集塵体100は、蓋体3に対して着脱可能に構成される。具体的には、集塵体100は、塵埃を内部に捕集(収容)するために中空状に形成されると共に、蓋体3に固定される固定部101と、空気が通過する際に空気を濾過する濾過部102とを備える。
【0023】
固定部101は、集塵体100の内部に空気を入れるための円形状の連通口101aを備える。そして、固定部101は、平面状に形成される蓋体3の部位に密接するように平面状に形成される。また、固定部101は、例えば、硬質な紙で矩形状に形成される。
【0024】
濾過部102は、連通口101aから集塵体100の内部に入った空気が通過する際に、空気から塵埃を捕集可能に構成される。そして、濾過部102は、伸縮自在な袋状であって、伸びた状態において直方体状となるように形成される。また、濾過部102は、例えば、通気性を有する軟質な紙で形成される。
【0025】
本体2は、図2〜図5に示すように、集塵体100を収容する集塵体収容部20と、集塵体収容部20より外方に配置され、蓋体3の少なくとも一部を収容する蓋体収容部21とを備える。そして、本体2は、集塵体100に塵埃を捕集させるべく、気流を発生させる送風機22と、集塵体100を通過した空気を外部(即ち、集塵装置1の外部)に吐き出すための吐出口23とを備える。
【0026】
また、本体2は、送風機22に電源を供給する電源供給部(図示しない)と、送風機22の運転及び停止の切り替え操作を行うための操作釦24とを備える。さらに、本体2は、モップ200を収容可能なモップ収容部25と、モップ収容部25にモップ200を収容しないときに、モップ収容部25をカバーするカバー部材26とを備える。
【0027】
集塵体収容部20は、集塵体100を出し入れされるための開口部20aが設けられる。また、集塵体収容部20は、集塵体100を通過した空気を吐出口23に向けて吐き出す第1通気口20b,…と、送風機22を保護するための第2通気口20c,…とを備える。
【0028】
開口部20aは、集塵体100より大きく形成される一方、蓋体3より小さく形成される。そして、開口部20aは、蓋体3と集塵体収容部20とを密着させるべく、内縁にパッキン(採番しない)が取り付けられている。
【0029】
第2通気口20cは、例えば、集塵体100が塵埃を捕集し過ぎた場合に、空気の流通が無くなり自冷式の送風機22を損傷(過熱)させるのを防止するため、本体2の僅かな隙間から空気を吸い込み、空気の流通を維持させるために設けられている。なお、本体2の内部が所定以上負圧となった場合に開放される安全弁が設けられていてもよい。
【0030】
蓋体収容部21は、蓋体3の装着状態を維持すべく、蓋体3の部位と係合可能な凹状の第1係合部21a及び凸状の第2被係合部21bを備える。また、蓋体収容部21は、集塵体100を装着しない蓋体3が本体2に装着されるのを防止する干渉部21cを備える。
【0031】
第1係合部21aは、蓋体3の凸状の部位(後で詳細を記載する「第1被係合部」)を内嵌して、蓋体3の当該部位を係合するように構成される一方、第2被係合部21bは、蓋体3の凹状の部位(後で詳細を記載する「第2係合部」)に内嵌され、蓋体3の当該部位に係合されるように構成される。
【0032】
また、第2被係合部21bは、押圧されることにより内方へ移動し、かかる押圧が解除されると、外方へ移動して元の位置に戻るように構成される。具体的には、第2被係合部21bは、押圧されることにより平坦状となり、かかる押圧が解除されると、復旧して再び凸状となる。
【0033】
干渉部21cは、集塵体100を装着しない蓋体3を本体2に装着しようとする場合に、蓋体3と干渉するように構成される。そして、干渉部21cは、集塵体収容部20から蓋体収容部21に向けて延設される。
【0034】
具体的には、干渉部21cは、蓋体3を収容する空間に配置され、集塵体100を装着する蓋体3を本体2に装着する場合には、蓋体2を干渉することがなく、集塵体100を装着しない蓋体3を本体2に装着しようとする場合には、蓋体2と干渉するように構成される。
【0035】
蓋体3は、図6〜図8に示すように、本体2の開口部20aを覆うように形成される蓋本体30を備える。また、蓋体3は、吸い込んだ空気を集塵体100に送り込むための連通部31を備える。具体的には、蓋体3は、一端部に吸込口31aが設けられ且つ吸い込んだ空気を集塵体100に送り込むための連通部31を備える。
【0036】
そして、蓋体3は、空気を吸い込むのを停止する状態にて連通部31を閉塞し且つ空気を吸い込む状態にて当該閉塞を解除する閉塞部材32を備える。さらに、蓋体3は、集塵体100を着脱するための着脱手段33を備える。
【0037】
蓋本体30は、本体2の凹状の第1係合部21a,21aに内嵌されて係合される凸状の第1被係合部30a,30aを備える。また、蓋本体30は、本体2の凸状の第2被係合部21b,21bを内嵌して係合する凹状の第2係合部30b,30bを備える。
【0038】
連通部31は、一端側に吸込口31aを備える一方、他端側に、集塵体100に空気を送り込むための送込口31bを備える。そして、連通部31は、集塵体100の内部と集塵装置1の外部とが通じるように構成される。なお、吸込口31aは、長尺(横長)に形成される一方、送込口31bは、集塵体100の連通口101aに対応して円形状に形成される。
【0039】
閉塞部材32は、本体2が空気を吸い込むのを停止している際に、集塵体100の内部が連通部31を介して集塵装置1の外部と通じるのを防止する一方、本体2が空気を吸い込むのに伴い、集塵体100の内部が連通部31を介して集塵装置1の外部と通じるように構成される。具体的には、閉塞部材32は、送込口31bに嵌合される環状部32aと、環状部32aに内嵌され、外縁の一部が環状部32aの内縁に連結される板状の内嵌部32bとを備えて構成される。
【0040】
内嵌部32bは、本体2が空気を吸い込むのを停止している際に、連通部31の送込口31bを覆うように配置され、本体2が空気を吸い込むのに伴い、連結される部位(上端部)を中心に回動し、連通部31の送込口31bを開放するように構成される。
【0041】
具体的には、内嵌部32bは、弾性を有し、集塵体100の連通口101aより小さい円形状に形成され、本体2が空気を吸い込む状態にて、下端側が連通口101aに挿入するように回動する一方、本体2が空気を吸い込むのを停止する状態にて、送込口31bを覆う位置に戻るように回動する。
【0042】
なお、内嵌部32bは、下端側が連通口101aに挿入するように回動するのを容易にすべく、上端側で且つ集塵体100側に切り欠きが設けられる。また、内嵌部32bは、下端側が送込口31bに係止されて送込口31b側に回動するのを防止すべく、送込口31bより大きい円形状に形成される。
【0043】
着脱手段33は、集塵体100を装着すべく係止する状態と、集塵体100を離脱すべく当該係止を解除する状態とに切り替え可能に構成される。そして、着脱手段33は、蓋本体30に対して変位可能な係止部材33aと、蓋本体30に固定される爪部33b,…とを備える。
【0044】
具体的には、着脱手段33は、係止部材33aが集塵体100の固定部101の一辺側を係止すると共に、爪部33b,…が集塵体100の固定部101の他辺側(対辺側)を係止することにより、集塵体100を装着可能に構成される。なお、爪部33bは、集塵体100の固定部101と直交する板状に形成され、さらに、先端がテーパ状に形成されている。
【0045】
係止部材33aは、集塵体100を装着すべく係止する係止位置と、集塵体100を離脱すべく当該係止を解除する解除位置とに変位可能に構成される。具体的には、係止部材33aは、バネ(図示しない)により付勢され(図8における左から右への方向に付勢され)、集塵体100に当接することにより係止位置(図8(a)に示す位置)に位置すると共に、バネの付勢力に反して変位されることにより解除位置(図8(b)に示す位置)に位置する。
【0046】
そして、係止部材33aは、蓋体3が集塵体100を装着しない状態で、且つバネの付勢力に反する力を作用されない状態においては、蓋本体30に設けられる凸状の規制部30cに係止され、バネの付勢による変位を規制される規制位置(図8(c)に示す位置)に位置する。なお、係止位置は、解除位置と規制位置との間に位置することになる。
【0047】
また、係止部材33aは、集塵体100を装着しない状態で係止位置とは別の位置に位置し、集塵体100を装着しない蓋体3を本体2に装着しようとする場合には、係止部材33aが本体2と干渉するように構成される。
【0048】
具体的には、係止部材33aは、係止位置に位置する状態にて蓋体3が本体2に装着しようとする場合には、本体2の干渉部21と干渉することなく、蓋体3を本体2に装着できる一方、規制位置に位置する状態にて蓋体3を本体2に装着しようとする場合には、本体2の干渉部21と干渉し、蓋体3を本体2に装着することができないように構成されている。
【0049】
なお、係止部材33aは、凹状部33cが形成されることにより、作業者が操作しやすいように指を掛止可能な掛止部33dが壁状に立設され、蓋体3が本体2に装着されている状態においては、干渉部21と干渉するのを防止すべく、凹状部33cが本体2から蓋体3に向けて延設されている干渉部21の先端を収容する一方、規制位置に位置する状態にて蓋体3を本体2に装着しようとする場合には、掛止部33dが本体2の干渉部21と干渉するように構成されている。
【0050】
ところで、集塵装置1は、図1〜図8に示したように、水平方向において湾出して形成される側面の部位における下端部に、吸込口31aが設けられる。具体的には、集塵装置1は、上下方向に沿って縦長に形成されると共に、水平方向(横方向)における断面が楕円状に形成され、曲面状の側面の部位における下端部に、横長の吸込口31aが設けられる。
【0051】
そして、集塵装置1は、モップ200で集めた塵埃を吸込口31aから空気と共に吸い込むだけでなく、吸込口31aの上縁部がモップ本体201と接触する(擦れあう)ことにより、モップ本体201(の紡糸)に付着した塵埃を空気と共に吸い込むべく、吸込口31aの高さ方向の開口寸法が、モップ本体201の高さ方向の寸法と略同一又は若干小さく形成される。
【0052】
また、集塵装置1は、吸込口31aの上縁部に、モップ本体201と接触することによりモップ本体201に付着する塵埃をモップ本体201から離脱させる塵埃離脱手段34を備える。さらに、集塵装置1は、吸込口31aの下縁部に、モップ本体201が挿入される部分以外から空気を吸い込むのを防止するシール部材35を備える。
【0053】
塵埃離脱手段34は、弾性を有し、モップ本体201よりも、塵埃と付着する力が大きくなるように形成される。そして、塵埃離脱手段34は、板状に形成され、表側に上下方向に沿って形成される凸部34a,…が所定の間隔を有して横方向に並設されている。
【0054】
シール部材35は、板状に形成され、さらに、弾性を有することにより、載置される床に密着するように構成される。したがって、シール部材35は、集塵装置1の表側から空気を吸い込む吸込口31aに対し、集塵装置1の裏側から底部を介して空気を吸い込むのを防止している。なお、塵埃離脱手段34及びシール部材35は、本体2の下方側に設けられる開口部20aを覆う蓋体3に設けられている。
【0055】
本実施形態に係る集塵装置1の構成は以上の通りであり、次に、本実施形態にかかる集塵装置1の作用について説明する。
【0056】
まず、操作釦24を押して送風機22の運転を開始させると、連通部31の送込口31bを覆う閉塞部材32の内嵌部32bが回動して、集塵体100の内部が連通部31を介して集塵装置1の外部と通じることになる。これにより、モップ200で集めた塵埃や、モップ本体201に付着した塵埃が吸込口31aから空気と共に吸い込まれる。
【0057】
そして、特に、直線状の外縁の部位と曲線状の外縁の部位とを有するモップ本体201に付着した塵埃を集塵装置1に吸い込ませる際には、図9に示すように、モップ本体201の先端が吸込口31aに吸い込まれるように、モップ本体201を集塵装置1に対して移動させる。
【0058】
例えば、モップ本体201における曲線状の外縁の部位については、図9(a)に示すように、外縁の部位の形状に対応して、モップ本体201を回転するよう(矢印Aの方向に)に移動させる。また、モップ本体201における直線状の外縁の部位については、図9(b)に示すように、外縁の部位の形状に対応して、モップ本体201を直線的(矢印Bの方向)に移動させる。
【0059】
そして、蓋体3の吸込口31aから吸い込まれた空気が蓋体3の送込口31b及び集塵体100の連通口101aを介して集塵体100を通過する。このとき、濾過機能を有する集塵体100の濾過部102により、通過する空気から塵埃が捕集され、中空状に形成される集塵体100の内部に収容される。
【0060】
そして、集塵体100を通過することにより塵埃を分離(除去)された空気が、収容部20の第1通気口20bを介して、吐出口23から吐き出される。このようにして、空気から塵埃を捕集することができる。
【0061】
次に、集塵体100を蓋体3から離脱させる際には、蓋体3の第2係合部30a側の端部を把持し、かかる端部が本体2から離反するように引くことにより、蓋体3の第2係合部30aと本体2の第2被係合部21bとの係合が解除され、本体2から蓋体3を離脱できる。そして、本体2から蓋体3を離脱させることにより、集塵体100が蓋体3と一体になって本体2から離脱する。
【0062】
このとき、本体2が空気を吸い込むのを停止させているため、閉塞部材32が元の位置に戻り送込口31bを覆っている。これにより、集塵体100の内部が連通部31を介して集塵装置1の外部と通じるのを防止しているため、捕集した塵埃が集塵体100の内部から外部に出るのを防止している。
【0063】
そして、掛止部33dを指で掛止して、係止部材33aを解除位置に位置するように変位させると、係止部材33aが集塵体100と離間することにより、集塵体100を蓋体3から離脱できる。これにより、例えば、別の場所のゴミ袋等の中にて、係止部材33aにより蓋体3から集塵体100を離脱させると、集塵体100で捕集した塵埃が周辺に散らかるのを防止することもできる。
【0064】
また、集塵体100を蓋体3に装着させる際には、掛止部33dを指で掛止して係止部材33aを解除位置に位置させた状態で、集塵体100の固定部101の他辺側を蓋体3の爪部33b,…に係止させる。そして、掛止部33dから指を離す(バネの付勢力に反する力を解除する)と、係止部材33aが集塵体100に当接する係止位置に変位して集塵体100の固定部101の一辺側を係止する。
【0065】
そして、蓋体3に設けられる凸状の第1被係合部30b,30bを本体2の凹状の第1係合部21a,21aに係合させて、第1被係合部30b,30b側の端部を中心に第2係合部30a,30a側の端部を本体2に接近させるように、蓋体3を本体2に向けて押す。かかる場合、係止部材33aが係止位置に位置しているため、係止部材33aに設けられる凹状部33cにより干渉部21cが係止部材33aと干渉することがない。
【0066】
これにより、本体2に設けられた凸状の第2被係合部21b,21bが、蓋体3に設けられる凹状の第2係合部30b,30bに係合され、蓋体3が集塵体100と共に本体2に装着できる。なお、集塵体100を装着していない蓋体3を本体2に装着しようとしても、規制位置に位置する係止部材33a(掛止部33d)が干渉部21cと干渉するため、蓋体3を本体2に対して十分に接近させることができず、本体2の第2被係合部21b,21bが蓋体3の第2係合部30b,30bと係合することができない。
【0067】
以上より、本実施形態に係る集塵装置1は、蓋体3が本体2に対して集塵体100と一体になって着脱できるため、本体2に対して集塵体100を着脱する作業を簡素化することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る集塵装置1は、蓋体3の連通部31が一端部の吸込口31aから空気を吸い込み且つ他端部の送込口31bから集塵体100に空気を送り込むことができる。したがって、蓋体3が本体2に対して集塵体100と一体になって着脱することにより、蓋体3から集塵体100に亘って形成される塵埃の流路を分断することなく、集塵体100を本体2に対して着脱でき、その結果、例えば、流路の途中に存在する塵埃をまき散らすのを防止することができる。
【0069】
さらに、蓋体3が本体2に対して集塵体100と一体になって着脱できるため、例えば、蓋体3から集塵体100に跨って夾雑物(ナイロン袋等)が引っ掛かった際に、かかる夾雑物を除去するために、蓋体3及び集塵体100を本体2から離脱した状態で対応することもできるため、かかる夾雑物の除去作業が非常に容易となる。
【0070】
また、本実施形態に係る集塵装置1は、空気の吸い込みを停止する状態において、閉塞部材32が、吸込んだ空気を集塵体100に送るための連通部31を閉塞する一方、空気を吸い込む状態において、当該閉塞を解除する。これにより、集塵体100に空気を送り込むことができるにも関わらず、空気を吸い込むのを停止させるのに伴い、集塵体100を内封させることができる。したがって、例えば、本体2に集塵体100を着脱する際に、集塵体100から塵埃が出ていくのを防止できる。
【0071】
また、本実施形態に係る集塵装置1は、係止部材33aが集塵体100を係止する係止位置に位置することにより、蓋体3が集塵体100を装着できると共に、係止部材33aが集塵体100の当該係止を解除する解除位置に位置することにより、蓋体3が集塵体100を離脱することができる。したがって、例えば、集塵体100を触ることなく係止部材33aを変位させることにより、蓋体3から集塵体100を離脱させることができる。
【0072】
また、本実施形態に係る集塵装置1は、係止部材33aが係止位置とは別の位置(規制位置)に位置する状態にて、蓋体3が本体2に装着される際、係止部材33aが本体2の干渉部21cと干渉するため、集塵体100を装着しない蓋体3が本体2に装着されるのを防止できる。したがって、例えば、蓋体3に集塵体100を装着するのを忘れた状態で、蓋体3を本体2に装着するのを防止できる。
【0073】
なお、本発明に係る集塵装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0074】
例えば、上記実施形態に係る集塵装置1は、床に載置され、モップ200により集められた塵埃や、モップ200に付着する塵埃を捕集する場合を説明したが、かかる場合に限られない。例えば、集塵装置は、床に載置されず持ち運びされる携帯型の掃除機(例えば、ハンドクリーナ)である場合でもよく、吸込口を有するホースを備える掃除機である場合でもよい。
【0075】
また、上記実施形態に係る集塵装置1は、本体2の内部に送風機22を備える場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、蓋体(例えば、連通部)に送風機を備える場合でもよい。但し、かかる構成を採用する場合、送風機に塵埃が付着するため、上記実施形態に係る集塵装置1のように、集塵体100で濾過した空気が通過する位置に送風機22を備える方が好ましい。
【0076】
また、上記実施形態に係る集塵装置1は、蓋体3に吸込口31aが設けられる場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、本体2の開口部20aを覆う蓋体と、蓋体を覆い且つ蓋体を本体に固定させる固定体とを備え、固定体に吸込口が設けられる場合でもよい。かかる構成を採用する場合、固定体及び蓋体を介して集塵体(の内部)が集塵装置の外部と通じるように構成される。
【0077】
また、上記実施形態に係る集塵装置1は、蓋体3が集塵体100を連設する場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、蓋体と集塵体との間に介設され、蓋体と集塵体とを一体化させる介設体を備える場合でもよい。介設体は、例えば、蓋体に固定される一方、集塵体を固定するように構成され、蓋体及び介設体を介して集塵体(の内部)が集塵装置の外部と通じるように構成される。
【0078】
また、上記実施形態に係る集塵装置1は、集塵体100が蓋体3に対して着脱可能な場合を説明したが、かかる場合に限られず、集塵体が蓋体と一体化される(着脱不能な)場合でもよい。かかる構成を採用する場合、集塵体には、例えば、内部に捕集した塵埃を排除すべく、開閉自在に構成される排除口が設けられる。
【0079】
また、上記実施形態に係る集塵装置1は、中空状に形成される集塵体100を採用する場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、採用される集塵体は、中空状ではなく、内部に、塵埃を吸着(付着)させる吸着部(付着部)が設けられる場合でもよい。
【0080】
また、上記実施形態に係る集塵装置1は、変形可能な袋状に形成される濾過部102で構成される集塵体100を採用する場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、採用される集塵体は、剛体の枠部と枠部に固定される濾過機能を有するフィルタ部とからなる容器状の濾過部で構成される場合でもよい。
【0081】
また、上記実施形態に係る集塵装置1は、閉塞部材32が連通部31の他端部の送込口31bを覆う場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、閉塞部材が連通部31の一端部の吸込口31aを覆う場合でもよく、また、連通部31の中間部を閉塞する場合でもよい。
【0082】
また、上記実施形態に係る集塵装置1は、蓋体3が係止部材33aにより集塵体100を着脱可能に構成される場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、蓋体が磁力により集塵体を装着可能に構成される場合でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の一実施形態に係る集塵装置の全体図であって、斜視図を示す。
【図2】同実施形態に係る集塵装置の全体図であって、分解斜視図を示す。
【図3】同実施形態に係る集塵装置の全体図であって、分解斜視図を示す。
【図4】同実施形態に係る集塵装置の本体における全体図であって、(a)は正面図、(b)は内視正面図を示す。
【図5】同実施形態に係る集塵装置の本体における斜視図であって、(a)は全体図、(b)は要部拡大図を示す。
【図6】同実施形態に係る集塵装置の蓋体における全体図であって、(a)は正面斜視図、(b)は背面斜視図を示す。
【図7】同実施形態に係る集塵装置の蓋体における全体図であって、(a)は正面図、(b)は背面図を示す。
【図8】同実施形態に係る集塵装置の蓋体における全体図であって、係止部材の位置を説明する背面図を示す。
【図9】同実施形態に係る集塵装置の全体図であって、モップから塵埃を吸い込む状態を説明する平面図を示す。
【符号の説明】
【0084】
1…集塵装置、2…本体、3…蓋体、20a…開口部、31…連通部、31a…吸込口、32…閉塞部材、33a…係止部材、100…集塵体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気に含まれる塵埃を捕集する集塵体を収容すべく、集塵体を出し入れさせるための開口部を有する本体と、本体の開口部を覆う蓋体とを備え、集塵体に塵埃を捕集させるべく、吸込口から空気を吸い込み可能に構成される集塵装置において、蓋体は、集塵体と一体になって本体に対して着脱可能に構成されることを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
蓋体は、一端部に吸込口が設けられ且つ吸い込んだ空気を集塵体に送り込むための連通部を備える請求項1に記載の集塵装置。
【請求項3】
蓋体は、吸い込んだ空気を集塵体に送り込むための連通部を備え、さらに、空気を吸い込むのを停止する状態にて連通部を閉塞し且つ空気を吸い込む状態にて当該閉塞を解除する閉塞部材を備える請求項1又は2に記載の集塵装置。
【請求項4】
蓋体は、集塵体を着脱可能に構成され、さらに、集塵体を装着すべく係止する係止位置と、集塵体を離脱すべく当該係止を解除する解除位置とに変位可能な係止部材を備える請求項1〜3の何れか1項に記載の集塵装置。
【請求項5】
係止部材は、集塵体を装着しない状態で係止位置とは別の位置に位置し、集塵体を装着しない蓋体を本体に装着しようとする場合には、係止部材が本体と干渉するように構成される請求項4に記載の集塵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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