説明

離解処理装置および古紙再生処理装置

【課題】パルパー槽から外部へ漏れる騒音を低減することが可能な離解処理装置を提供する。
【解決手段】紙材3を離解してパルプ含有液5を製造するパルパー装置30と、パルパー装置30に紙材3を投入する紙材投入装置31とを有する離解処理装置6であって、パルパー装置30は、パルパー槽36と、パルパー槽36内に設けられた攪拌部材37とを有し、パルパー槽36に紙材投入口40が形成され、パルパー装置30に、紙材投入口40を開閉する蓋部材43が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙材を離解してパルプ含有液を製造する離解処理装置と、離解処理装置を備えた古紙再生処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の離解処理装置としては例えば、図18に示すように、使用済みの古紙を細断するシュレッダー111と、古紙を細断してなる紙材112を貯留するホッパー装置113と、紙材112を離解処理するパルパー装置114と、フィーダ115によってホッパー装置113内から送り出された紙材112をパルパー装置114に投入する受皿部116とが備えられているものがある。
【0003】
パルパー装置114は、パルパー槽117と、パルパー槽117内に設けられた攪拌羽根118と、攪拌羽根118を回転させる駆動装置119とを有している。また、パルパー槽117の上端には紙材投入口120が形成されている。
【0004】
これによると、シュレッダー111で細断された紙材112は、一旦ホッパー装置113内に貯留された後、フィーダ115によってホッパー装置113内から排出されて受皿部116で受けられる。所定量の紙材112が受皿部116に受けられると、仮想線で示すように受皿部116が起立して、受皿部116上の紙材112が紙材投入口120からパルパー槽117内に投入される。そして、攪拌羽根118が回転することにより、パルパー槽117内において紙材112が水と攪拌され、離解処理される。
【0005】
尚、上記のようにホッパー装置113と受皿部116とパルパー装置114とを備えた離解処理装置は下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−133559
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記の従来型式では、攪拌羽根118が回転してパルパー槽117内を攪拌している際、パルパー槽117内に発生する音が紙材投入口120から外部へ漏れて、騒音の原因になるといった問題がある。
【0008】
本発明は、パルパー槽から外部へ漏れる騒音を低減することが可能な離解処理装置および古紙再生処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本第1発明は、紙材を離解してパルプ含有液を製造するパルパー装置と、パルパー装置に紙材を投入する紙材投入装置とを有する離解処理装置であって、
パルパー装置は、パルパー槽と、パルパー槽内に設けられた攪拌部材とを有し、
パルパー槽に紙材投入口が形成され、
パルパー装置に、紙材投入口を開閉する蓋部材が設けられているものである。
【0010】
これによると、紙材投入口を開き、紙材投入装置によって紙材を紙材投入口からパルパー槽内に投入し、攪拌部材を作動して、パルパー槽内の紙材を水と攪拌して離解させる。攪拌時、紙材投入口を蓋部材で閉じておくことにより、攪拌時にパルパー槽内に発生する騒音がパルパー槽の外部へ漏れるのを低減することができる。
【0011】
また、攪拌時にパルパー槽内の内容物(パルプ含有液等)が紙材投入口からパルパー槽の外部へ飛散するのを防止することができる。さらに、パルパー槽内の湿気が紙材投入口からパルパー槽の外部へ逃げるのを防止することができる。また、攪拌時に異物が紙材投入口からパルパー槽内に侵入するのを防止することができる。
【0012】
本第2発明における離解処理装置は、紙材投入装置が紙材を投入する際、紙材投入口を開放し、紙材投入完了後、紙材投入口を閉鎖するように蓋部材を制御する制御部が設けられているものである。
【0013】
これによると、紙材投入の際、蓋部材が自動的に紙材投入口を開放し、紙材投入完了後、蓋部材が自動的に紙材投入口を閉鎖する。これにより、攪拌時にパルパー槽内に発生する騒音がパルパー槽の外部へ漏れるのを低減することができる。
【0014】
本第3発明における離解処理装置は、紙材投入装置は、パルパー装置における1回当りの離解処理に必要な量の紙材を、複数の投入回に分けて投入し、
初投入回の紙材投入時に紙材投入口を開放し、最終投入回の紙材投入完了後に紙材投入口を閉鎖し、初投入回から最終投入回までの間にわたり紙材投入口を開放状態に保つように蓋部材を制御する制御部が設けられているものである。
【0015】
これによると、各投入回ごとに、毎回、紙材投入口を開閉する場合に比べて、開閉頻度が少なくなり、蓋部材の作動回数が低減されるため、1回当りの離解処理に必要な量の紙材を短時間でパルパー槽に投入することが可能であり、紙材の投入効率が向上する。
【0016】
本第4発明における離解処理装置は、攪拌部材は回転してパルパー槽内の水と紙材とを攪拌し、
紙材投入装置は、パルパー装置における1回当りの離解処理に必要な量の紙材を、複数の投入回に分けて投入し、
初投入回の紙材投入時に紙材投入口を開放し、最終投入回の紙材投入完了後に紙材投入口を閉鎖し、攪拌部材の回転速度が所定速度以下である投入回において紙材投入口を開放状態に保ち、攪拌部材の回転速度が所定速度よりも速い投入回において紙材投入口をその都度開閉するように蓋部材を制御する制御部が設けられているものである。
【0017】
これによると、攪拌部材の回転速度が所定速度よりも上昇すると、パルパー槽内の騒音が所定レベルを越えて増大するが、この時の投入回における紙材投入後、蓋部材が紙材投入口を閉鎖するため、増大した騒音がパルパー槽の外部へ漏れるのを低減することができる。これにより、パルパー装置の騒音を所定レベル以下に保つことができる。
【0018】
本第5発明における離解処理装置は、蓋部材は、紙材投入装置から紙材投入口に至る紙材投入経路に対して横切る方向へ往復移動して、紙材投入口を開閉するものである。
これによると、蓋部材を移動させることで、紙材投入口を迅速に開閉することができ、紙材の投入効率が向上する。
【0019】
本第6発明における離解処理装置は、蓋部材は紙材投入口を閉鎖する閉位置と紙材投入口を開放する開位置とに移動自在であり、
蓋部材が閉位置まで移動した際、蓋部材をパルパー槽に押圧して紙材投入口を密閉する押圧部材が供えられているものである。
【0020】
これによると、蓋部材が閉位置に移動した際、蓋部材は押圧部材によりパルパー槽に押圧されるため、紙材投入口は蓋部材によって隙間無く密閉される。これにより、パルパー槽内の騒音がパルパー槽の外部へ漏れるのをより確実に低減することができるとともに、パルパー槽内の湿気が紙材投入口からパルパー槽の外部へ逃げるのをより確実に防止することができる。
【0021】
本第7発明における離解処理装置は、パルパー槽内に面した蓋部材の内面に付着した水滴を蓋部材の開方向への移動時に除去する除去部材が設けられているものである。
これによると、蓋部材の内面に付着した水滴が蓋部材の開方向への移動時にパルパー槽の外部へ飛散するのを防止することができる。また、除去部材をパルパー槽内に設けることで、除去された水滴をパルパー槽内に戻すことができるため、専用の排水機構等を設ける必要は無い。
【0022】
本第8発明における離解処理装置は、蓋部材を手動操作で開閉させる外部入力手段が備えられているものである。
これによると、例えばパルパー装置の運転を停止してパルパー装置をメンテナンスするような場合、操作者が外部入力手段を手動操作することにより、蓋部材を作動させて任意に紙材投入口を開閉することができる。これにより、メンテナンス作業等が容易に行える。
【0023】
本第9発明は、上記第1発明から第8発明のいずれか1項に記載された離解処理装置を備えた古紙再生処理装置であって、古紙から再生紙を製作するものである。
これによると、パルパー槽内の湿気が紙材投入口からパルパー槽の外部へ逃げるのを防止することができるため、古紙再生処理装置の内部に湿気が充満するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明によると、攪拌時にパルパー槽内に発生する騒音がパルパー槽の外部へ漏れるのを低減することができ、また、攪拌時にパルパー槽内の内容物(パルプ含有液等)が紙材投入口からパルパー槽の外部へ飛散するのを防止することができる。さらに、パルパー槽内の湿気が紙材投入口からパルパー槽の外部へ逃げるのを防止することができるため、古紙再生処理装置の内部に湿気が充満するのを防止することができる。また、攪拌時に異物が紙材投入口からパルパー槽内に侵入するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施の形態における古紙再生処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同、古紙再生処理装置の紙材供給装置と離解処理装置の図である。
【図3】同、離解処理装置の断面図である。
【図4】同、離解処理装置のパルパー装置の移動装置の断面図であり、蓋部材が閉位置に移動した状態を示す。
【図5】同、離解処理装置のパルパー装置の平面図であり、蓋部材が閉位置に移動した状態を示す。
【図6】同、離解処理装置のパルパー装置の移動装置の一部拡大断面図であり、蓋部材が閉位置に移動した状態を示す。
【図7】同、離解処理装置のパルパー装置の移動装置の断面図であり、蓋部材が開位置に移動した状態を示す。
【図8】同、離解処理装置のパルパー装置の平面図であり、蓋部材が開位置に移動した状態を示す。
【図9】同、離解処理装置のパルパー装置の移動装置の一部拡大断面図であり、蓋部材が開位置に移動した状態を示す。
【図10】同、離解処理装置の制御系のブロック図である。
【図11】第3の実施の形態における離解処理装置のパルパー装置の移動装置の一部拡大断面図であり、蓋部材が閉位置に移動した状態を示す。
【図12】同、離解処理装置のパルパー装置の平面図であり、蓋部材が開位置に移動した状態を示す。
【図13】第4の実施の形態における離解処理装置のパルパー装置の概略平面図である。
【図14】第5の実施の形態における離解処理装置のパルパー装置の概略平面図である。
【図15】第6の実施の形態における離解処理装置のパルパー装置の概略平面図である。
【図16】第7の実施の形態における離解処理装置のパルパー装置の概略平面図である。
【図17】第8の実施の形態における離解処理装置のパルパー装置の概略平面図である。
【図18】従来の離解処理装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、第1の実施の形態を説明する。図1は古紙再生処理装置1の構成を示す概略図である。古紙再生処理装置1は、使用済みの古紙2(故紙)を細断した紙材3から再生紙4を製造するものであり、細断された紙材3を離解してパルプ含有液5を製造する離解処理装置6と、紙材3を離解処理装置6へ供給する紙材供給装置8と、離解処理装置6で得られたパルプ含有液5を貯留する貯留槽9と、貯留槽9において貯留されたパルプ含有液5からトナー等の印刷成分を分離して除去する脱墨装置10と、脱墨装置10において脱墨されたパルプ含有液5を脱水して湿紙を製造する抄紙装置12と、湿紙を脱水する湿紙脱水装置13と、脱水した湿紙を乾燥して再生紙4にする湿紙乾燥装置14と、再生紙4に対して仕上工程を行う仕上装置15等がケーシング17の内部(庫室18内)に備えられている。尚、ケーシング17は、メンテナンス等を行うため、一部分が開閉自在である。
【0027】
図2に示すように、紙材供給装置8は、古紙2を細断するシュレッダー等の用紙細断機21と、細断された紙材3を貯留するホッパー22と、ホッパー22内の紙材3を送り出す送出装置23と、送出装置23で送り出された紙材3を気流によって搬送する搬送装置24と、搬送装置24によって搬送された紙材3を排出する排出部25とを有している。
【0028】
搬送装置24は、送出装置23から排出部25に至る管状の搬送ダクト26と、搬送ダクト26の上流側から送気して搬送ダクト26内に気流を発生させる送風機27と、搬送ダクト26から排出部25へ達した気流を送風機27の吸込側へ戻す管状の戻りダクト28とを備えている。尚、排出部25には排出用サイクロンが用いられている。
【0029】
離解処理装置6は、パルパー装置30と、排出部25から排出された紙材3の重量(投入量)を計量して所定重量(所定量)の紙材3をパルパー装置30へ投入する紙材投入装置31とを有している。紙材投入装置31は、排出部25の下方に設けられた上下揺動自在な受け皿32と、受け皿32を斜め上向きの受取位置A(図2の実線参照)と斜め下向きの投入位置B(図2の仮想線参照)とに揺動させる揺動装置33と、受け皿32上に受けられた紙材3の重さを検出する重さ検出器34とを有している。
【0030】
図3に示すように、パルパー装置30は、パルパー槽36と、パルパー槽36内に回転自在に設けられた攪拌羽根37(攪拌部材の一例)と、攪拌羽根37を回転駆動させる回転駆動装置38(モータ等)と、攪拌羽根37の回転速度を検出する回転速度検出器42(パルスエンコーダー等)とを有しており、ベースフレーム39上に設置されている。図8に示すように、パルパー槽36は、円筒状の容器であり、その上端面36aには、平面視において四角形の紙材投入口40が形成されている。パルパー槽36には、槽内に水を注入する注水口47と、槽内に離解促進剤を注入する離解促進剤注入口48とが設けられている。
【0031】
図3に示すように、パルパー槽36の外周には、パルパー槽36内の温度を調節するラバーヒーター41(加温装置)が巻き付けられた状態で設けられている。また、攪拌羽根37と回転駆動装置38とで攪拌装置49が構成されている。
【0032】
パルパー装置30には、紙材投入口40を開閉する平板状の蓋部材43と、蓋部材43を閉位置Sと開位置Oとに移動させる移動装置44とが備えられている。蓋部材43は、紙材投入装置31の受け皿32から紙材投入口40に至る上下方向の紙材投入経路45に対して横切る方向(水平方向)へ往復移動して紙材投入口40を開閉するスライド式のものである。
【0033】
図4〜図6に示すように、移動装置44は、開閉方向C1,C2に移動自在な可動部材51と、可動部材51を移動させる一対のスライド機構52a,52bと、両スライド機構52a,52bを作動させる駆動部53と、蓋部材43を可動部材51に上下動自在に保持する保持機構54とを有している。一方のスライド機構52aは、開閉方向C1,C2において対向する回転自在な一対のプーリ55,56(輪体)と、これら両プーリ55,56間に巻回された無端状のベルト57(無端回動体)とを有している。また、他方のスライド機構52bは一方のスライド機構52aと同じ構成を有している。可動部材51は、両ベルト57間に設けられており、一対のガイドレール58により支持されて開閉方向C1,C2へ案内される。
【0034】
開方向C1側の両プーリ55は共通の一方の回転軸59の両端に設けられている。また、閉方向C2側の両プーリ56は共通の他方の回転軸60の両端に設けられている。駆動部53は、モータ61によって回転駆動される駆動プーリ62(駆動輪体)と、一方の回転軸59に設けられた従動プーリ63(従動輪体)と、駆動プーリ62と従動プーリ63との間に巻回された駆動ベルト64(無端回動体)とを有している。尚、ガイドレール58と回転軸59,60とモータ61等はパルパー槽36の上方に取り付けられた上部フレーム65に設けられている。
【0035】
図6に示すように、保持機構54は、可動部材51に設けられた複数の筒状の保持部材83と、蓋部材43の上面に立設された複数の保持軸84と、蓋部材43を下向きに押圧する複数のコイルばね85(押圧部材の一例)とを有している。保持部材83は貫通孔86を有し、保持軸84は、下方から保持部材83の貫通孔86に挿入されて、保持部材83に対し上下方向に摺動自在である。尚、保持軸84の上端には、保持軸84が保持部材83から脱落するのを防止するためのストッパー87が設けられている。コイルばね85は可動部材51と蓋部材43との間に設けられ、コイルばね85の内側に保持部材83の下部と保持軸84とが挿入されている。
【0036】
尚、図7に示すように、蓋部材43は、開方向C1側が下位で且つ閉方向C2側が上位となるように傾斜した姿勢で、保持機構54によって可動部材51に保持されている。また、パルパー槽36の上端面36aは、蓋部材43と同様に、閉方向C2側が上位で且つ開方向C1側が下位となるように傾斜している。蓋部材43の傾斜角度とパルパー槽36の上端面36aの傾斜角度は同じであり、図4,図6に示すように、閉位置Sにおいて、蓋部材43はパルパー槽36の上端面36aに乗り上げて僅かに持ち上げられた状態で当接する。
【0037】
紙材投入口40の開方向C1側の縁部には、蓋部材43の下面(内面)に付着した水滴を蓋部材43の開方向C1への移動時に除去するスクレーパー66(除去部材の一例)が設けられている。スクレーパー66は、ゴム(例えばNBRの60°等)等の弾性材料で製作した柔軟な薄板状の部材であり、蓋部材43の下面に摺接自在である。
【0038】
図3,図10に示すように、離解処理装置6には、蓋部材43を手動操作で開閉させる開および閉ボタン67,68(外部入力手段の一例)と、重さ検出器34による検出と回転速度検出器42による検出と開および閉ボタン67,68からの入力に基いて、受け皿32の揺動と蓋部材43による紙材投入口40の開閉動作とを制御する制御部69が設けられている。
【0039】
図3に示すように、ベースフレーム39は、設置フロア71に設置される設置フレーム72と、設置フレーム72上に設けられた複数の防振材73と、これら防振材73上に支持された支持フレーム74とを有している。支持フレーム74は上面が開放された浅い箱型形状の部材である。支持フレーム74には、支持フレーム74内に溜まった液体を検知する液漏れ検知センサ75と、支持フレーム74内に溜まった液体を排出する排出管76とが設けられている。尚、排出管76は着脱自在なキャップ77で閉鎖されている。また、図1に示すように、液漏れ検知センサ75によって支持フレーム74内の液体が検知されると液漏れ警報を発する液漏れ警報器78が古紙再生処理装置1に備えられている。
【0040】
パルパー装置30は支持フレーム74に据え付けられており、パルパー装置30以外の装置(紙材供給装置8,貯留槽9,脱墨装置10,抄紙装置12,湿紙脱水装置13,湿紙乾燥装置14,仕上装置15等)は、ベースフレーム39とは切り離されて別に設置された本体フレーム79上に据え付けられている。また、移動装置44は複数本の縦フレーム46を介して支持フレーム74上に設けられている。
【0041】
以下、上記構成における作用を説明する。
先ず、蓋部材43の開閉動作を以下に説明する。
図4〜図6に示すように、蓋部材43が紙材投入口40を閉じている状態で、モータ61が一方向(正方向)に回転することにより、この回転が駆動および従動プーリ62,63と駆動ベルト64とを介して一方の回転軸59に伝達され、一方の回転軸59が一方向に回転し、両ベルト57が一方向へ回動し、可動部材51が開方向C1へ移動するため、図7〜図9に示すように、蓋部材43が閉位置Sから開位置Oへスライドし、紙材投入口40が開放される。
【0042】
尚、図1〜図9に示すように、蓋部材43が開位置Oにある場合、コイルばね85が蓋部材43を下向きに押圧し、ストッパー87が上方から保持部材83の上端に係合している。また、スクレーパー66が起立姿勢でパルパー槽36の内部から紙材投入口40の上方へ突出する。
【0043】
反対に、モータ61が他方向(逆方向)に回転することにより、この回転が駆動および従動プーリ62,63と駆動ベルト64とを介して一方の回転軸59に伝達され、一方の回転軸59が他方向に回転し、両ベルト57が他方向へ回動し、可動部材51が閉方向C2へ移動するため、図4〜図6に示すように、蓋部材43が開位置Oから閉位置Sへスライドし、紙材投入口40が蓋部材43で閉鎖される。
【0044】
この際、図6に示すように、蓋部材43はパルパー槽36の上端面36aに乗り上げて僅かに持ち上げられた状態で当接し、コイルばね85が圧縮され、ストッパー87が保持部材83の上端から上方へ僅かに離間し、蓋部材43はコイルばね85の付勢力によってパルパー槽36の上端面36aに押し付けられる。これにより、蓋部材43が、パルパー槽36の上端面36aに、隙間無く密接する。また、蓋部材43の下面がスクレーパー66に当接することにより、スクレーパー66が屈曲して横倒姿勢になる。
【0045】
次に、図1,図2に示すように、古紙再生処理装置1で古紙2から再生紙4を製造する過程を説明する。
古紙2を用紙細断機21で細断して得られる紙材3は、ホッパー22内に貯留され、ホッパー22内から送出装置23によって搬送ダクト26内に送り出され、搬送ダクト26内を流れる気流により排出部25へ搬送され、排出部25から受取位置Aの受け皿32に排出される。このようにして受け皿32に受け止められた紙材3の重さが重さ検出器34によって検出され、検出された重さが所定値に達した場合、制御部69は、モータ61を一方向に駆動させて、図7に示すように、蓋部材43を閉位置Sから開位置Oへスライドさせ、紙材投入口40を開放し、揺動装置33を作動させて、受け皿32を受取位置Aから投入位置Bに揺動させる。これにより、受け皿32上の紙材3が紙材投入口40からパルパー槽36内に投入され、紙材投入後、受け皿32を投入位置Bから受取位置Aに戻すとともに、モータ61を他方向に駆動させて、図4に示すように、蓋部材43を開位置Oから閉位置Sへスライドさせ、紙材投入口40を閉鎖する。
【0046】
尚、図3に示すように、パルパー槽36内には、前以て、注水口47から水(白水)が供給されているとともに離解促進剤注入口48から離解促進剤が注入され、攪拌羽根37が回転駆動されている。
【0047】
上記のように紙材投入口40からパルパー槽36内に投入された紙材3は、回転している攪拌羽根37によって水および離解促進剤と攪拌され、これにより、離解処理が行なわれて、パルパー槽36内でパルプ含有液が製造される。攪拌時、紙材投入口40は蓋部材43で閉じられているため、パルパー槽36内に発生する騒音がパルパー槽36の外部へ漏れるのを低減することができる。また、パルパー槽36内のパルプ含有液(内容物)が紙材投入口40からパルパー槽36の外部へ飛散するのを防止することができる。
【0048】
さらに、パルパー槽36内の湿気が紙材投入口40からパルパー槽36の外部へ逃げるのを防止することができるため、古紙再生処理装置1のケーシング17の内部(庫室18内)に湿気が充満するのを防止することができる。
【0049】
また、異物が紙材投入口40からパルパー槽36内に侵入するのを防止することができる。さらに、排出部25から受け皿32に排出された次回投入分の紙材3が紙材投入口40からパルパー槽36内に侵入するのを防止することもできる。
【0050】
尚、図6に示すように、閉位置Sにおいて、蓋部材43はコイルばね85の付勢力によってパルパー槽36の上端面36aに押し付けられるため、紙材投入口40が蓋部材43で密閉され、上記騒音漏れの低減とパルプ含有液の槽外への飛散防止と湿気の槽外への逃げ防止と異物の侵入防止等の効果が確実に発揮される。
【0051】
また、蓋部材43が閉位置Sから開位置Oにスライドする際、蓋部材43の下面が横倒姿勢のスクレーパー66に摺接するため、蓋部材43の下面に付着した水滴88が、スクレーパー66に掻き取られて蓋部材43から除去され、落下してパルパー槽36内に戻される。これにより、蓋部材43の下面に付着した水滴88が蓋部材43の開方向C1への移動時にパルパー槽36の外部へ飛散するのを防止することができる。また、除去された水滴88はパルパー槽36内に戻されるため、専用の排水機構等を設ける必要は無い。
【0052】
尚、図7に示すように、蓋部材43は上下方向の紙材投入経路45に対して横切る方向へ往復移動して紙材投入口40を開閉するスライド式のものであるため、紙材投入口40を迅速に開閉することが可能であり、紙材3の投入効率が向上する。
【0053】
上記のように離解処理によって製造されたパルプ含有液は、パルパー槽36内において白水で所定濃度まで希釈された後、パルパー槽36から排出される。尚、この際においても、紙材投入口40を蓋部材43で閉鎖しておく。また、パルパー槽36内に初期注水を行う時およびパルパー槽36内に水を継ぎ足す時等においても、紙材投入口40を蓋部材43で閉鎖しておくことが好ましい。
【0054】
パルパー槽36から排出されたパルプ含有液は、図1に示すように、貯留槽9に貯留され、貯留槽9から脱墨装置10に供給されて印刷成分を分離除去された後、脱墨装置10から抄紙装置12に供給され、抄紙装置12において脱水されることで、湿紙が製造される。
【0055】
このようにして製造された湿紙は、湿紙脱水装置13で脱水され、その後、湿紙乾燥装置14で乾燥されることで、再生紙4が製造され、この再生紙4は、仕上装置15で仕上げられた後に、古紙再生処理装置1から排出される。
【0056】
上記のようにパルパー装置30において離解処理を行なう際、下記表1に示すように、紙材投入装置31で、パルパー装置30における1回当りの離解処理に必要な量の紙材3を、第1〜第10の投入回(複数の投入回の一例)に分けて投入している。各投入回の紙材3の投入重量(投入量)は100gから200gまでの範囲で段階的に増加されている。また、攪拌羽根37の回転速度は、1000回転/分から6000回転/分までの範囲で500回転/分ずつ段階的に増速されている。
【0057】
【表1】

【0058】
上記表1に示すように、制御部69は、第1の投入回(初投入回)において、重さ検出器34によって検出された重さが100gに達すると、蓋部材43を開位置Oへスライドさせて紙材投入口40を開放し、受け皿32を受取位置Aから投入位置Bに揺動して、所定重量の紙材3を紙材投入口40からパルパー槽36内に投入し、その後、受け皿32を投入位置Bから受取位置Aに戻す。これにより、第1の投入回が完了する。
【0059】
その後、制御部69は、第2の投入回において、紙材3が排出部25から受け皿32に排出され、重さ検出器34によって検出された重さが120gに達すると、受け皿32を受取位置Aから投入位置Bに揺動して、所定重量の紙材3を紙材投入口40からパルパー槽36内に投入し、その後、受け皿32を投入位置Bから受取位置Aに戻す。これにより、第2の投入回が完了する。
【0060】
このようにして、第1〜第5の投入回を実行するのであるが、第1〜第5の投入回では、攪拌羽根37の回転速度がそれぞれ所定速度3000回転/分以下であるため、回転速度検出器42による検出値が所定速度3000回転/分以下に保たれる。この検出に基き、制御部69は、第1〜第5の投入回にわたって、蓋部材43をずっと開位置Oに保ち、紙材投入口40を開放状態に保つ。
【0061】
第5の投入回が完了した後、第6の投入回において、攪拌羽根37の回転速度が所定速度3000回転/分から3500回転/分に上昇するため、回転速度検出器42による検出値が3500回転/分になる。このように、検出された攪拌羽根37の回転速度が上記所定速度(=3000回転/分)よりも速い場合、制御部69は、受け皿32を投入位置Bに揺動して160g(所定重量)の紙材3を紙材投入口40からパルパー槽36内に投入した後、受け皿32を投入位置Bから受取位置Aに戻し、蓋部材43を開位置Oから閉位置Sへスライドさせて紙材投入口40を閉鎖する。これにより、第6の投入回が完了する。
【0062】
その後、第7の投入回において、制御部69は、蓋部材43を閉位置Sから開位置Oへスライドさせて紙材投入口40を開放する。第7の投入回では、攪拌羽根37の回転速度が、4000回転/分であり、上記所定速度(=3000回転/分)よりも速いため、制御部69は、第6の投入回と同様に、受け皿32を投入位置Bに揺動して170g(所定重量)の紙材3を紙材投入口40からパルパー槽36内に投入した後、受け皿32を投入位置Bから受取位置Aに戻し、蓋部材43を開位置Oから閉位置Sへスライドさせて紙材投入口40を閉鎖する。これにより、第7の投入回が完了する。
【0063】
その後、第8〜第10の投入回においても、攪拌羽根37の回転速度が上記所定速度(=3000回転/分)よりも速いため、制御部69は、蓋部材43を閉位置Sから開位置Oへスライドさせて紙材投入口40を開放し、受け皿32を投入位置Bに揺動して各所定重量の紙材3を紙材投入口40からパルパー槽36内に投入した後、受け皿32を投入位置Bから受取位置Aに戻し、蓋部材43を開位置Oから閉位置Sへスライドさせて紙材投入口40を閉鎖する。
【0064】
上記のように、攪拌羽根37の回転速度が上記所定速度(=3000回転/分)以下である第1〜第5の投入回においては、紙材投入口40を開放状態に保ち、攪拌羽根37の回転速度が上記所定速度(=3000回転/分)よりも速い第6〜第10の投入回においては、投入回毎に蓋部材43をスライドさせて、紙材投入口40をその都度開閉させている。
【0065】
これによると、攪拌羽根37の回転速度が上記所定速度(=3000回転/分)よりも上昇すると、パルパー槽36内の騒音が所定レベルを越えて増大するが、この時の投入回における紙材投入後、蓋部材43が紙材投入口40を閉鎖するため、増大した騒音がパルパー槽36の外部へ漏れるのを低減することができる。これにより、パルパー装置30の騒音を所定レベル以下に保つことができる。
【0066】
尚、第1〜第5の投入回においては紙材投入口40を開放状態に保っているが、この時の攪拌羽根37の回転速度は上記所定速度(=3000回転/分)以下であるため、パルパー装置30の騒音が所定レベルを越えることはない。
【0067】
尚、初期の投入回ほど攪拌羽根37の回転速度を低速にすることで、パルパー槽36に投入された紙材3を、離解処理の初期段階において、十分に水に馴染ませることができる。また、後の投入回ほど、攪拌羽根37の回転速度を段階的に上昇させることにより、パルパー槽36に投入された紙材3の繊維を十分に巻き込んで攪拌することができ、攪拌不足を防止して、離解処理を安定して行うことができる。
【0068】
また、古紙再生処理装置1の運転を停止して、パルパー装置30をメンテナンスする場合、操作者が開ボタン67を押すことにより、制御部69が蓋部材43をスライドさせて紙材投入口40を開放し、操作者が閉ボタン68を押すことにより、制御部69が蓋部材43をスライドさせて紙材投入口40を閉鎖する。これにより、手動操作で紙材投入口40の開閉を任意に行うことができるため、メンテナンス作業が容易に行える。
【0069】
また、図3に示すように、パルパー装置30が据え付けられたベースフレーム39は、パルパー装置30以外の装置が据え付けられた本体フレーム79と切り離されて別に設置されているため、攪拌羽根37を回転駆動装置38で回転させてパルパー槽36内を攪拌している時に発生する振動がベースフレーム39から本体フレーム79を経てパルパー装置30以外の装置に伝達されるのを防止することができる。これにより、騒音を抑制することができる。
【0070】
また、パルパー装置30の振動は防振材73によって吸収されるため、パルパー装置30からベースフレーム39の設置フレーム72に伝達される振動が低減される。
また、万一、パルパー槽36内の水又はパルプ含有液5等の液体が外部に漏れた場合、漏出した液体は、ベースフレーム39の支持フレーム74内に受けられて溜められるため、設置フロア71上に流出するのを防止することができる。また、支持フレーム74内に溜められた液体が液漏れ検知センサ75によって検知されると、液漏れ警報器78(図1参照)が作動して液漏れ警報を発する。これにより、液漏れの被害を最小限に止めることができる。
【0071】
また、漏出した液体を貯留する支持フレーム74は、パルパー装置30のみに対応して設置されており、パルパー装置30以外の装置全体には対応していないので、ベースフレーム39の構造を簡略化してコストダウンすることができる。
【0072】
尚、キャップ77を排出管76から取り外すことで、支持フレーム74内に溜まった液体を外部に排出することができる。
また、ラバーヒーター41を作動してパルパー槽36を加温したり、ラバーヒーター41を作動停止することによって、古紙再生処理装置1の設置環境温度に間径無く、パルパー槽36内の温度をほぼ一定に保つことができ、安定した離解処理を行なうことが可能となる。さらに、ラバーヒーター41を作動してパルパー槽36内の温度を高く保つことにより、離解が促進され、離解処理に要する時間が短縮されて古紙再生処理装置1の処理能力が向上する。また、加温装置の一例としてラバーヒーター41をパルパー槽36の外周に巻き付けることにより、パルパー槽36の振動および騒音を軽減することができる。
【0073】
上記第1の実施の形態では、所定速度を3000回転/分に設定しているが、この速度に限定されるものではない。
(第2の実施の形態)
以下に、第2の実施の形態について、上記表1の右端欄を参照しながら説明する。
【0074】
制御部69は、第1の投入回において、重さ検出器34によって検出された重さが100gに達すると、蓋部材43を開位置Oへスライドさせて紙材投入口40を開放し、受け皿32を投入位置Bに揺動して、所定重量の紙材3を紙材投入口40からパルパー槽36内に投入する。これにより、第1の投入回が完了する。
【0075】
その後、制御部69は、上記のように蓋部材43を開位置Oへスライドさせて紙材投入口40を開放した状態を保ったままで、引き続いて第2〜第10の投入回を実行し、第10の投入回において、重さ検出器34によって検出された重さが200gに達すると、受け皿32を投入位置Bに揺動して、所定重量の紙材3を紙材投入口40からパルパー槽36内に投入し、その後、受け皿32を投入位置Bから受取位置Aに戻し、蓋部材43を開位置Oから閉位置Sへスライドさせて紙材投入口40を閉鎖する。これにより、第10の投入回が完了する。
【0076】
上記のように、攪拌羽根37の回転速度に関係無く、第1の投入回から第10の投入回までの間にわたって紙材投入口40を開放状態に保っているため、各投入回ごとに、毎回紙材投入口40を開閉する場合に比べて、開閉頻度が少なくなり、蓋部材43の作動回数が低減されるため、1回当りの離解処理に必要な量の紙材3を短時間でパルパー槽36に投入することが可能であり、紙材3の投入効率が向上する。
【0077】
上記第2の実施の形態では、第1の投入回時に紙材投入口40を開放した後、第1の投入回から第10の投入回までの間にわたって紙材投入口40を開放状態に保ち、第10の投入回が完了した後、紙材投入口40を閉鎖しているが、一回単位で各投入回毎に紙材投入口40を開閉してもよい。
【0078】
上記第1および第2の実施の形態では、パルパー装置30における1回当りの離解処理に必要な量の紙材3を10回に分けて投入しているが、10回に限定されるものではなく、10回以外の複数回又は1回で投入してもよい。また、上記表1に示された数値は一例であって、これら数値に限定されるものではなく、パルパー装置30のサイズ等に応じて様々に変更される。
【0079】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、図11,図12に示すように、パルパー槽36の上端面36aに、紙材投入口40の周囲を取り囲むようにパッキン89が設けられている。
【0080】
これによると、図11に示すように、蓋部材43を閉位置Sへ移動させて紙材投入口40を閉鎖した際、蓋部材43の下面とパルパー槽36の上端面36aとの隙間をパッキン89で確実にシールすることができるため、騒音漏れの低減や湿気の槽外への逃げ防止等の効果がより確実に発揮される。
【0081】
(第4〜第8の実施の形態)
以下に、他の実施の形態を説明する。
上記第1および第2の実施の形態では、紙材投入口40と蓋部材43とを平面視において四角形に形成したが、四角形に限定されるものではなく、例えば、第4の実施の形態として、図13に示すように、紙材投入口40と蓋部材43とを平面視において円形に形成してもよい。
【0082】
上記第1および第2の実施の形態では、図5,図8に示すように、蓋部材43が閉位置Sと開位置Oとの間で一直線軌道91上を往復移動するが、第5の実施の形態では、図14に示すように、蓋部材43が閉位置Sと開位置Oとの間で円弧軌道92上を往復回動する。
【0083】
また、第6の実施の形態として、図15に示すように、蓋部材43を一方の蓋43aと他方の蓋43bとに二分割してもよい。尚、蓋部材43は、一方および他方の蓋43a,43bが互いに接近離間する方向へ一直線軌道91上を往復移動して、紙材投入口40を開閉するスライド式のものである。
【0084】
また、第7の実施の形態として、図16に示すように、蓋部材43は、一方および他方の蓋43a,43bが互いに接近離間する方向へ円弧軌道92上を往復回動して紙材投入口40を開閉するスライド式のものである。
【0085】
また、第8の実施の形態として、図17に示すように、蓋部材43は、紙材投入口40の周囲から紙材投入口40の中心に向って出退して紙材投入口40を開閉するスライド式のものである。
【0086】
上記各実施の形態では、紙材投入経路45に対して横切る方向(水平方向)へ往復移動して紙材投入口40を開閉するスライド式の蓋部材43を挙げたが、紙材投入経路45に沿って上下方向へ回動自在なバタフライ式の蓋部材を用いてもよい。
【0087】
上記各実施の形態では、図3に示すように、ベースフレーム39の支持フレーム74上にパルパー装置30のみを設置しているが、パルパー装置30と貯留槽9とを支持フレーム74上に設置してもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 古紙再生処理装置
2 古紙
3 紙材
4 再生紙
5 パルプ含有液
6 離解処理装置
30 パルパー装置
31 紙材投入装置
36 パルパー槽
37 攪拌羽根(攪拌部材)
40 紙材投入口
43 蓋部材
45 紙材投入経路
66 スクレーパー(除去部材)
67 開ボタン(外部入力手段)
68 閉ボタン(外部入力手段)
69 制御部
85 コイルばね(押圧部材)
O 開位置
S 閉位置
C1 開方向
C2 閉方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙材を離解してパルプ含有液を製造するパルパー装置と、パルパー装置に紙材を投入する紙材投入装置とを有する離解処理装置であって、
パルパー装置は、パルパー槽と、パルパー槽内に設けられた攪拌部材とを有し、
パルパー槽に紙材投入口が形成され、
パルパー装置に、紙材投入口を開閉する蓋部材が設けられていることを特徴とする離解処理装置。
【請求項2】
紙材投入装置が紙材を投入する際、紙材投入口を開放し、紙材投入完了後、紙材投入口を閉鎖するように蓋部材を制御する制御部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の離解処理装置。
【請求項3】
紙材投入装置は、パルパー装置における1回当りの離解処理に必要な量の紙材を、複数の投入回に分けて投入し、
初投入回の紙材投入時に紙材投入口を開放し、最終投入回の紙材投入完了後に紙材投入口を閉鎖し、初投入回から最終投入回までの間にわたり紙材投入口を開放状態に保つように蓋部材を制御する制御部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の離解処理装置。
【請求項4】
攪拌部材は回転してパルパー槽内の水と紙材とを攪拌し、
紙材投入装置は、パルパー装置における1回当りの離解処理に必要な量の紙材を、複数の投入回に分けて投入し、
初投入回の紙材投入時に紙材投入口を開放し、最終投入回の紙材投入完了後に紙材投入口を閉鎖し、攪拌部材の回転速度が所定速度以下である投入回において紙材投入口を開放状態に保ち、攪拌部材の回転速度が所定速度よりも速い投入回において紙材投入口をその都度開閉するように蓋部材を制御する制御部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の離解処理装置。
【請求項5】
蓋部材は、紙材投入装置から紙材投入口に至る紙材投入経路に対して横切る方向へ往復移動して、紙材投入口を開閉することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の離解処理装置。
【請求項6】
蓋部材は紙材投入口を閉鎖する閉位置と紙材投入口を開放する開位置とに移動自在であり、
蓋部材が閉位置まで移動した際、蓋部材をパルパー槽に押圧して紙材投入口を密閉する押圧部材が供えられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の離解処理装置。
【請求項7】
パルパー槽内に面した蓋部材の内面に付着した水滴を蓋部材の開方向への移動時に除去する除去部材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の離解処理装置。
【請求項8】
蓋部材を手動操作で開閉させる外部入力手段が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の離解処理装置。
【請求項9】
上記請求項1から請求項8のいずれか1項に記載された離解処理装置を備えた古紙再生処理装置であって、
古紙から再生紙を製作することを特徴とする古紙再生処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−77415(P2012−77415A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224451(P2010−224451)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(390002129)デュプロ精工株式会社 (351)
【Fターム(参考)】