説明

難燃剤およびそれを配合した難燃樹脂

【課題】優れた難燃剤、およびそれを配合した難燃樹脂を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも水酸化物一次粒子3と酸化物一次粒子2から形成される多孔質体であり、前記一次粒子は、一次粒子間の結合が非常に弱く、前記多孔質体は前記一次粒子が数珠状に連なったものであり、前記一次粒子同士は接点が少なく、前記一次粒子により形成された大きな空隙4を有する構造をしており、前記多孔質体は樹脂との混合時に全部もしくは一部が前記一次粒子まで破砕され樹脂中に分散するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全性、環境性に優れ、また、種々の樹脂に展開可能な汎用性の高い優れた難燃剤およびそれを配合した難燃樹脂に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の難燃樹脂は、ハロゲン化合物、リン化合物、アンチモン化合物などを含んでいるものが多く、環境や安全の観点から問題がある。
【0003】
そのため、近年水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを添加することによって難燃性を高めた樹脂が提案されている。
【0004】
この難燃樹脂は、マグネシウム塩と金属水酸化物との反応により合成され、反応性を有するシリコーンにより表面処理されたことを特徴とする水酸化マグネシウムであり、難燃性に優れ、かつ耐磨耗性、その他の強度や弾性率等も良好な樹脂組成物を提供するものである(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】国際公開第2004/065300号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記水酸化マグネシウムは表面処理をすることで樹脂中の分散性を維持し、強度や弾性率等の良好な樹脂組成物を提供しているため、対象とする樹脂に応じた表面処理の必要性がある。
【0006】
さらに、ナノサイズからサブミクロンサイズの粒子である水酸化マグネシウムは樹脂中に分散性よく存在できれば難燃性に優れ、機械物性の良好な樹脂組成物を与えるが、粒子径が小さなものほど表面エネルギーが高く凝集しやすいため、表面処理が難しく分散性をよくすることは難しい。
【0007】
つまり、種々の樹脂に展開できる汎用性は低く、また、難燃性を発現させるためには添加量が必要であるが、分散性が悪いために添加量を増加させると、物性値の低下を招いてしまうという問題があった。
【0008】
本発明はこのような従来の課題を解消するもの、優れた難燃剤、およびそれを配合した難燃樹脂を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記目的を達成するために、少なくとも水酸化物一次粒子と酸化物一次粒子から形成される多孔質体であり、前記一次粒子は一次粒子間の結合が非常に弱く、前記多孔質体は前記一次粒子が数珠状に連なったものであり、前記一次粒子同士は接点が少なく、前記一次粒子により形成された大きな空隙を有する構造をしており、前記多孔質体は樹脂との混合時に全部もしくは一部が前記一次粒子まで破砕され樹脂中に分散したもので、樹脂の種類によらずナノサイズからサブミクロンサイズの粒子を樹脂中に分散できる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本願発明によれば、樹脂と多孔質体難燃剤との相溶性に依存せず高い分散性を示す。また、ナノサイズからサブミクロンサイズの粒子であってもよく分散することができ、高い難燃性を示すとともに、添加量を増加させても、良好な機械物性を示す難
燃樹脂を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
第1の発明は、なくとも水酸化物一次粒子と酸化物一次粒子から形成される多孔質体であり、前記一次粒子は一次粒子間の結合が非常に弱く、前記多孔質体は前記一次粒子が数珠状に連なったものであり、前記一次粒子同士は接点が少なく、前記一次粒子により形成された大きな空隙を有する構造をしており、前記多孔質体は樹脂との混合時に全部もしくは一部が前記一次粒子まで破砕され樹脂中に分散したもので、樹脂の種類によらずナノサイズからサブミクロンサイズの粒子を樹脂中に分散できる。
【0012】
第2の発明は、前記第1の発明において、多孔質体は、水酸化物一次粒子と酸化物一次粒子から形成されており、ゾルゲル法により湿潤ゲルを得るゲル化工程と、湿潤ゲル内の水を溶媒で置換除去する置換除去工程と、置換除去工程により湿潤ゲル内に存在する溶媒を除く乾燥工程とを経て得られるようにしたもので、非常に脆い多孔質体を作製することができ、混練による力で多孔質体が破砕し、水酸化物および酸化物が分散するので、樹脂と多孔質体難燃剤との相溶性に依存せず高い分散性を示す。また、ナノサイズからサブミクロンサイズの粒子であってもよく分散することができ、高い難燃性を示すとともに、添加量を増加させても、良好な機械物性を示す難燃樹脂を提供することができる。
【0013】
第3の発明は、前記第1または第2の発明において、水酸化物は、水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウムであり、水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウムを用いることで、難燃性をより高めることができるとともに、分解が水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムそれぞれ約200℃、約300℃から開始するので、種々の樹脂の成形温度に対して適当な分解温度であり、幅広く対応できることから、高い難燃性を示す多孔質体難燃剤を提供することができる。
【0014】
第4の発明は、前記第1または第2の発明において、酸化物は、シリカ、および、アルミナもしくはマグネシアの少なくともいずれか一方が含まれるもので、酸化物がシリカ、および、アルミナもしくはマグネシアの少なくともいずれか一方が含まれることにより、樹脂との混合によりよく分散できるとともに、酸化物粒子内に水酸基を多く含む粒子を作製できるため、難燃性を高めることができる。
【0015】
第5の発明は、前記第2の発明において、ゾルゲル法に用いるシリカ源として、アルコキシシランを用い、アルコキシシランとしてテトラアルコキシシランを1種類、もしくは、トリアルコキシシランを1種類、もしくは、ジアルコキシシランおよびモノアルコキシシランのうち少なくとも1種類とテトラアルコキシシランおよびトリアルコキシシランの少なくとも1種類との混合物を用い、ゾルゲル法に用いるアルミナ源としてアルミニウム塩、マグネシア源としてマグネシウム塩を用いて得られるようにしたもので、アルコキシシランの使用は、反応性が制御しやすいことを利用し、ゲル化速度を制御することで一次粒子径を調整することで非常に脆い多孔質体を作製でき、樹脂中での一次粒子の分散性を高めることが可能である。
【0016】
アルミニウム塩もしくはマグネシウム塩の使用により、酸化物中にシリカとともに組み込むことができ、酸化物粒子内に水酸基を多く含む粒子を作製できるため、難燃性を高めることができる。
【0017】
第6の発明は、前記第3の発明において、水酸化アルミニウムは、ゲル化工程の際にアルミニウム塩から弱アルカリによって生成するようにしたもので、アルミニウム塩から水酸化アルミニウムを湿潤ゲル作成の際に生成させることによってナノサイズからサブミクロンサイズの粒子を作製でき、また、水酸化アルミニウムが湿潤ゲル中に分散させること
がでるため、樹脂との混合により水酸化アルミニウムがよく分散し、優れた難燃性を示すとともに、添加量を増加させても、良好な機械物性を示す難燃樹脂を提供することができる。
【0018】
第7の発明は、前記第3の発明において、水酸化マグネシウムは、ゲル化工程の際にマグネシウム塩から弱アルカリによって生成するようにしたものであり、アルミニウム塩から水酸化アルミニウムを湿潤ゲル作成の際に生成させることによってナノサイズからサブミクロンサイズの粒子を作製でき、また、水酸化アルミニウムが湿潤ゲル中に分散させることがでるため、樹脂との混合により水酸化アルミニウムがよく分散し、優れた難燃性を示すとともに、添加量を増加させても、良好な機械物性を示す難燃樹脂を提供することができる。
【0019】
第8の発明は、前記第3の発明において、水酸化アルミニウムは、ゲル化工程の際に水酸化アルミニウムを湿潤ゲルの出発原料とともに混合するようにしたものであり、湿潤ゲル作製の溶媒量、粘度、pH、ゲル化速度等に依存せず、得られる多孔質体に含まれる水酸化アルミニウムの粒子サイズをコントロールしやすく、水酸化アルミニウムが湿潤ゲル中に分散させることがでるため、樹脂との混合により水酸化アルミニウムがよく分散し、優れた難燃性を示すとともに、添加量を増加させても、良好な機械物性を示す難燃樹脂を提供することができる。
【0020】
第9の発明は、前記第3の発明において、水酸化マグネシウムは、ゲル化工程の際に水酸化マグネシウムを湿潤ゲルの出発原料とともに混合するようにしたものであり、湿潤ゲル作製の溶媒量、粘度、pH、ゲル化速度等に依存せず、得られる多孔質体に含まれる水酸化マグネシウムの粒子サイズをコントロールしやすく、水酸化マグネシウムが湿潤ゲル中に分散させることがでるため、樹脂との混合により水酸化マグネシウムがよく分散し、優れた難燃性を示すとともに、添加量を増加させても、良好な機械物性を示す難燃樹脂を提供することができる。
【0021】
第10の発明は、前記第2の発明において、乾燥工程が超臨界乾燥のもとで行われるようにしたものであり、超臨界乾燥を用いることで、表面張力を減少させることができ、乾燥時の収縮を抑えることでより破砕されやすい多孔質体となり、多孔質体は樹脂との混合時に全部もしくは一部が一次粒子まで破砕され、一次粒子が樹脂に分散した樹脂成形体となる。
【0022】
混練による力で多孔質体が破砕し、水酸化物および酸化物が分散するので、樹脂と多孔質体難燃剤との相溶性に依存せず高い分散性を示す。
【0023】
また、ナノサイズからサブミクロンサイズの粒子であってもよく分散することができ、高い難燃性を示すとともに、添加量を増加させても、良好な機械物性を示す難燃樹脂を提供することができる。
【0024】
第11の発明は、前記第2の発明において、乾燥工程が凍結乾燥のもとで行われるようにしたものであり、凍結乾燥を用いることで、溶媒が固体となり、減圧下の乾燥で昇華となるため液体からの乾燥からのような表面張力は働かず乾燥時の収縮を抑えることができ、より破砕されやすい多孔質体となり、多孔質体は樹脂との混合時に全部もしくは一部が一次粒子まで破砕され、一次粒子が樹脂に分散した樹脂成形体となる。
【0025】
混練による力で多孔質体が破砕し、水酸化物および酸化物が分散するので、樹脂と多孔質体難燃剤との相溶性に依存せず高い分散性を示す。
【0026】
また、ナノサイズからサブミクロンサイズの粒子であってもよく分散することができ、高い難燃性を示すとともに、添加量を増加させても、良好な機械物性を示す難燃樹脂を提供することができる。
【0027】
第12の発明は、前記第2の発明において、ゲル化工程の後工程に、湿潤ゲル表面に疎水基を導入する工程を有し、乾燥工程に非超臨界乾燥のもとで行われるようにしたものであり、湿潤ゲル表面を疎水化することで、乾燥時に溶媒から働く毛管力を減少させることができ、乾燥時に収縮を抑えることでより破砕されやすい多孔質体を作製でき、多孔質体は樹脂との混合時に全部もしくは一部が一次粒子まで破砕され、一次粒子が樹脂に分散した樹脂成形体となる。
【0028】
混練による力で多孔質体が破砕し、水酸化物および酸化物が分散するので、樹脂と多孔質体難燃剤との相溶性に依存せず高い分散性を示す。
【0029】
また、ナノサイズからサブミクロンサイズの粒子であってもよく分散することができ、高い難燃性を示すとともに、添加量を増加させても、良好な機械物性を示す難燃樹脂を提供することができる。
【0030】
第13の発明は、前記第5の発明において、アルコキシシランの官能基の少なくとも1つが疎水性基であり、乾燥工程に非超臨界乾燥を用いて得られるようにしたものであり、ゲル化工程で疎水基を導入しており湿潤ゲル表面が疎水化されているため、乾燥時に溶媒から働く毛管力を減少させることができ、乾燥時に収縮を抑えることでより破砕されやすい多孔質体を作製でき、多孔質体は樹脂との混合時に全部もしくは一部が一次粒子まで破砕され、一次粒子が樹脂に分散した樹脂成形体となる。
【0031】
また、混練による力で多孔質体が破砕し、水酸化物および酸化物が分散するので、樹脂と多孔質体難燃剤との相溶性に依存せず高い分散性を示す。
【0032】
さらに、ナノサイズからサブミクロンサイズの粒子であってもよく分散することができ、高い難燃性を示すとともに、添加量を増加させても、良好な機械物性を示す難燃樹脂を提供することができる。
【0033】
加えて、水酸化物表面を疎水化しないために水酸化物の難燃性を十分に発現させることができる。
【0034】
第14から第17の発明は、第1から第13のいずれか一つの発明である難燃剤を熱可塑性樹脂に混合することによって難燃樹脂としたものであり、多孔質体難燃剤を熱可塑性樹脂に混合する際の力により全部もしくは一部が一次粒子まで破砕され樹脂中に分散する。
【0035】
混合による力で多孔質体が破砕し、水酸化物および酸化物が分散するので、樹脂と多孔質体難燃剤との相溶性に依存せず高い分散性を示し、また、ナノサイズからサブミクロンサイズの粒子であってもよく分散することができ、高い難燃性を示すとともに、添加量を増加させても、良好な機械物性を示す難燃樹脂を提供することができる。
【0036】
さらに、熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であれば、通常、水酸化物など親水性の高い添加剤は相溶性が悪いために分散性が悪いが、樹脂と多孔質体難燃剤との相溶性に依存せず分散できるため分散性が高く配合することができ、特にポリプロピレンやポリエチレンは用途が非常に多く、家電などの筐体、容器、雑貨、コード被覆、フィルム、包装など幅広く展開することができる。
【0037】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態が本発明を限定するものではない。
【0038】
(実施の形態1)
図1において、多孔質体1は、酸化物一次粒子2および水酸化物一次粒子3により構成され、それらの間には空隙4が存在する。酸化物一次粒子2および水酸化物一次粒子3の代表径は3nm〜0.5μmであればよく、より好ましくは5nm〜0.1μmである。
【0039】
これは、大きすぎると難燃性をよく発現することができず、また機械物性を低下させることになり、小さすぎると凝集を防ぐこと、また、破砕する力が粒子に加わりにくいため分散が困難となるためである。
【0040】
なお、模式図では酸化物一次粒子2および水酸化物一次粒子3を同等の大きさで図示しているが大きさが同じである必要はない。
【0041】
酸化物一次粒子2は、シリカ、および、アルミナもしくはマグネシアの少なくとも一方を含む酸化物から構成されている。
【0042】
シリカ、および、アルミナもしくはマグネシアの少なくとも一方を含む酸化物の割合はシリカ1に対して原子数比で1:0.1〜0.001であればよい。アルミナもしくはマグネシアの少なくとも一方を含む酸化物の割合が高いと多孔質体構造を維持することが難しく、アルミナもしくはマグネシアの少なくとも一方を含む酸化物の割合が低いと粒子内の水酸基の割合が少なくなるため難燃性を高めるのに不適となる。
【0043】
水酸化物一次粒子3は水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウムの少なくとも一方を含む水酸化物である。酸化物と水酸化物の割合は、酸化物に対して原子数比で1:4〜0.1であればよい。
【0044】
酸化物の割合が高いと多孔質体構造を維持することが難しく、水酸化物の割合が低いと難燃性が低くなってしまう。
【0045】
また、多孔質体1の空隙4の空隙率は、70%〜99%であればよく、より好ましくは80%以上の空隙率である。
【0046】
これは空隙率が低いと多孔質体1が破砕されにくいためで、また、空隙率が高ければ破砕されやすいが、空隙率が99%以上の多孔質体を作製するには特別な設備、手法が必要になってくるため作製が困難である。
【0047】
次に、多孔質体1の作製方法について説明する。
【0048】
多孔質体1を調製する工程は主に以下の3つの工程からなる。
【0049】
(1)ゲル化工程
(2)置換除去工程
(3)乾燥工程
各工程についての詳細を述べる。
【0050】
(1)ゲル化工程
ゾルゲル法によりアルコキシシランを湿潤ゲル原料とし、水および必要に応じてアルコ
ールを溶媒とし、必要に応じて触媒を添加することで、金属アルコキシドの加水分解、それに引き続き起こる縮重合反応によって一次粒子が生成し、一次粒子が数珠状に連なることで多孔質骨格が形成されることにより湿潤ゲルを得る工程である。
【0051】
シリカ源として、アルコキシシランは反応を制御しやすく、安価で、広く用いられているものであり、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、および、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシランを湿潤ゲル原料として、1種類もしくは2種類以上の混合物を湿潤ゲル原料として用いることができる。
【0052】
テトラアルコキシシランは4つのアルコキシ基を持ち、加水分解することでそれぞれの方向に縮合重合反応が進行していく。
【0053】
アルコキシ基の炭素数に応じた反応性の違いや、触媒量、触媒の種類によりゲル化の進行を制御でき、樹脂と混合後の分散性の制御など可能な多孔質体を作製することが容易となる。
【0054】
例えば、アルコキシ基の炭素数の多いアルコキシシランでは反応性が遅く、アルコキシ基の種類を選ぶことでゲル化速度を制御することができ、また、触媒量は湿潤ゲルのゲル化速度を制御でき、触媒量を少なくすることでゲル化速度を遅らせ、一次粒子サイズの大きな多孔質体を作成することができる。触媒の種類も同様に、酸性度および塩基性度の強さによりゲル化速度を制御できる。
【0055】
トリアルコキシシラン、ジアルコキシシランはそれぞれ3つ、2つのアルコキシ基をもち、残りはそれぞれ1つ、2つのアルキル基を持つ。加水分解することで、縮合重合反応が進行するが、アルキル基は加水分解、縮合重合反応が進行しないので、縮合重合反応の方向が制御された、また、結合の数が制限された湿潤ゲルが形成される。
【0056】
アルコキシシランとしてトリアルコキシシランを1種類、もしくは、ジアルコキシシランおよびモノアルコキシシランのうち少なくとも1種類とテトラアルコキシシランおよびトリアルコキシシランの少なくとも1種類との混合物を用い作成した多孔質体はテトラアルコキシシランのみで作成した多孔質体より一次粒子径が大きくなる。
【0057】
さらに、一次粒子同士の繋がりが弱いものとなる。これらの場合、主にアルコキシ基の数によって一次粒子サイズ、一次粒子間の繋がりの強さが左右される。例えば、ジアルコキシシランとテトラアルコキシシランから作製する湿潤ゲルは、ジアルコキシシランの割合を増やすとともに一次粒子径が増大していき、一次粒子同士の繋がりは弱くなっていく。また、モノマーだけでなくオリゴマーを用いることも可能で、オリゴマーを用いるほうが一次粒子サイズの大きいものが得られる。
【0058】
4量体、7量体のオリゴマーを用いることで作製の制御がしやすく一次粒子サイズの大きな多孔質体を得ることができる。さらに、大きなオリゴマーをもちいればそれだけ大きな一次粒子となる。
【0059】
また、一次元方向、二次元方向に重合が進行しやすいので、三次元方向の結合は弱いものとなり、一次粒子同士間が破砕されやすい多孔質体となる。
【0060】
アルミニウム塩、マグネシウム塩としてアルミニウム、マグネシウムそれぞれの塩化物塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩などが挙げられる。
【0061】
アルミニウム塩、マグネシウム塩としては、ゲル化前に溶剤に溶解すること、また、弱
アルカリによるゲル化後に、酸化物としてネットワークに組み込まれること、かつ、水酸化物として析出することが必要である。
【0062】
また、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム源としては市販のものを用いることができ、湿潤ゲル作製の溶媒量、粘度、pH、ゲル化速度等に依存せず、得られる多孔質体に含まれる水酸化アルミニウムの粒子サイズをコントロールしやすく、水酸化アルミニウムが湿潤ゲル中に分散させることがでるため、樹脂との混合により水酸化アルミニウムがよく分散し、優れた難燃性を示すとともに、添加量を増加させても、良好な機械物性を示す難燃樹脂を提供することができる。
【0063】
酸触媒の使用について説明する。
【0064】
酸触媒では、まずアルコキシシランのアルコキシ基の酸素に水素イオンが付加し、次に水が求核的に攻撃し、アルコキシ基がアルコールとして脱離し加水分解が進行する。
【0065】
この加水分解反応と、加水分解で生成したシラノール基の縮合重合反応が同時に進行することでゲル化が起こる。しかし、水が少ない場合には、加水分解が遅く、一方で縮合重合反応が進行するため、一次元、あるいは二次元方向に縮合重合反応が進行する。
【0066】
これを利用し、水が少ない条件で酸触媒処理した後、塩基性触媒、水を添加し三次元方向に縮合重合反応が進行させることで、一次粒子の大きな多孔質体を作成することができ、一次元方向、二次元方向に重合が進行しやすいので、三次元方向の結合は弱いものとなり、一次粒子同士間が破砕されやすい多孔質体となる。
【0067】
また、水の量、酸触媒処理の時間を制御することで一次粒子の大きさ、一次粒子同士の結合の強さを制御することができる。
【0068】
なお、湿潤ゲル原料は水ガラスを用いることも可能で、安価で製造できるため量産には適している。
【0069】
ゲル化工程の後に、湿潤ゲル表面に疎水基を導入し、表面を疎水化することで、乾燥時に溶媒から働く毛管力を減少させることができ、乾燥時に起こる収縮を抑えることで、より破砕されやすい多孔質体を作製でき、樹脂との分散性に優れた、難燃性を高めることができる多孔質体難燃剤となる。
【0070】
湿潤ゲル表面への疎水基の導入には、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基の導入、フッ化物や、フッ素の導入などが挙げられる。
【0071】
乾燥工程については後で述べるが、表面処理との関係を少しここで述べる。
【0072】
超臨界乾燥を用いる場合は、特に表面処理を施す必要は無いが、非超臨界乾燥を用いる場合は、毛管力を無視できないので、表面疎水化処理を施すことが望ましい。
【0073】
湿潤ゲル原料としてアルコキシシランを用いた場合、官能基のうち少なくとも1つが疎水基であり、官能基の割合のうち20%以上が疎水基であれば特に表面疎水化処理を施す必要はない。
【0074】
また、超臨界乾燥を用いた方法であっても多孔質体表面を疎水化処理、もしくは湿潤ゲル原料に疎水基を有するアルコキシシランを用いることは、親油性の樹脂との親和性を増し分散性がよくなること、保存の際に、空気中の水分の吸着を防ぐことで多孔質体の収縮
を抑制することなど優位性があるので、必要に応じて行なうのがよい。
【0075】
表面疎水化処理を施さない場合にも、多孔質体の空隙が大きければ、毛管力を下げることができるので、多孔質体の一次粒子系を大きくすることで多孔質体の乾燥時の収縮を抑制することができる。
【0076】
このように、超臨界乾燥を用いた方法と同様に乾燥時の収縮を抑えた多孔質体の作製できる。
【0077】
また、多孔質体表面を疎水化していないので親水性を有する樹脂との親和性を持ち分散性がよく、また、空気中での保存性を向上させるものである。
【0078】
(2)置換除去工程
湿潤ゲル内の水を溶媒で置換除去する工程である。この工程は次の乾燥工程の準備という面が強く、それぞれの乾燥方法に適した溶媒に置換されることが望ましい。
【0079】
熱風乾燥について説明すると、乾燥時に溶媒からの毛管力が多孔質体骨格に力を及ぼす。毛管力は、表面張力に比例するため、毛管力を抑えるためには、表面張力の低い溶媒が好ましい。
【0080】
例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、より好ましくは、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、アセトンなどのケトン類、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族などが挙げられる。
【0081】
超臨界乾燥について説明すると、臨界温度、臨界圧力が低いものが適している。例えば、二酸化炭素である。二酸化炭素は、臨界温度が31.3℃で、臨界圧力が72.9atmである。超臨界流体として二酸化炭素を用いるために、ここでは、置換除去工程でアルコールに置換しておく方法を採る。超臨界二酸化炭素との相溶性がよい溶媒で置換することが望ましい。
【0082】
凍結乾燥について説明すると、常温常圧で液体であり、三重点の温度が−30℃程度までの溶媒であればよく、水、t−ブチルアルコールなどが例として挙げられる。また、完全に置換されていなくてもよく、大部分が置換されていればよい。
【0083】
(3)乾燥工程
乾燥工程は、湿潤ゲル内部に存在する溶媒を取り除く工程である。乾燥手法として、超臨界乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、自然乾燥などが挙げられる。
【0084】
熱風乾燥について説明すると、湿潤ゲルを乾燥容器に入れ、温度をかけ、溶媒の蒸発により乾燥を行なう。
【0085】
なお、乾燥容器は耐圧容器であり、加圧をしながら乾燥する方法が、毛管力をさらにさげることができるのでより好ましい。
【0086】
溶媒の蒸発の際には、溶媒からの毛管力が多孔質体細孔に力を及ぼすが、表面張力が低い溶媒に置換を行なっているため軽減することができる。乾燥時の収縮を抑えることは、多孔質体の凝集、安定化を抑えることであり、樹脂との混合での分散性をよくすることに繋がる。
【0087】
超臨界乾燥は、気−液界面が出現しないので表面張力を減少させることができ、多孔質
体の収縮が非常に小さく、熱風乾燥で乾燥した多孔質体より破砕されやすい多孔質体となり、樹脂との分散性に優れた、難燃性を高めることができる多孔質体難燃剤となる。
【0088】
方法は一般的な超臨界乾燥でよく、炭酸超臨界乾燥やアルコール超臨界乾燥などがある。超臨界流体の二酸化炭素を用いたよう超臨界乾燥について説明する。
【0089】
アルコールなどで置換された湿潤ゲルを高圧容器内へ移し、超臨界二酸化炭素を流通させる。
【0090】
二酸化炭素は炭層状態では臨界温度が31.3℃で、臨界圧力が72.9atmであるが、溶媒の存在、たとえばアルコールとの共存で臨界温度、臨界圧力が上昇する。そのため、臨界状態に十分な温度80℃、圧力160atmにして連続的に超臨界二酸化炭素を流通させ、アルコールの完全除去をした。
【0091】
凍結乾燥は、溶媒が固体となり、減圧下の乾燥で昇華となるため液体からの乾燥からのような表面張力は働かず、収縮が非常に少ない多孔質体を作製することができ、熱風乾燥で乾燥した多孔質体より破砕されやすい多孔質体となり、樹脂との分散性に優れた、難燃性を高めることができる多孔質体難燃剤となる。
【0092】
また、超臨界乾燥に比べコストが低く行なうことができる。ただし、昇華により気圧があがること、昇華により潜熱としてエネルギーが奪われるため乾燥に時間がかかる点などが問題点である。
【0093】
(実施の形態2)
図2は実施の形態2を示し、難燃樹脂11の熱可塑性樹脂12中に破砕した多孔質体難燃剤13は一部もしくは全部が一次粒子にまで破砕され分散している。
【0094】
破砕した多孔質体難燃剤13は熱可塑性樹脂12との混合の応力によって破砕されるもので、多孔質体が非常に脆い構造をしているため一部もしくは全部が一次粒子にまで破砕したものである。
【0095】
一次粒子にまで破砕され熱可塑性樹脂12に分散することで、難燃性を高めることができる多孔質体難燃剤となる。
【0096】
熱可塑性樹脂12はポリオレフィン系樹脂が用途展開の幅が広く好ましい。特にポリプロピレン、ポリエチレンが好ましい。ポリプロピレンの使用には成形温度から考えて、水酸化物は水酸化マグネシウムが適当である。
【0097】
また、ポリエチレンの使用では、成形温度から考えて、水酸化アルミニウムを用いることができ、さらに、水酸化マグネシウムとの共使用も可能である。
【0098】
熱可塑性樹脂12は破砕した多孔質体難燃剤13が一部もしくは全部が一次粒子にまで破砕され分散しているので、破砕した多孔質体難燃剤13が隈なく分散し、接する面積が増大し、多孔質体難燃剤13の添加量が少量であっても効率よく難燃性を向上させることができる。
【0099】
破砕した多孔質体難燃剤13は、熱可塑性樹脂12との混合の際に応力により一部もしくは全部が一次粒子まで破砕される。
【0100】
効果的に難燃性を向上させるために、破砕した多孔質体難燃剤13は代表径が10nm
未満では凝集しやすく、凝集が多いと効果が薄れてしまうため破砕した多孔質体難燃剤13の代表径が10nm以上であることが望ましい。
【0101】
また、上限について述べると、多孔質体の添加量を増大させることなく効率的に難燃性を向上させるためには、破砕した多孔質体難燃剤13の代表径が1μm以下になることが望ましく、より効果的であるのは破砕した多孔質体難燃剤13の代表径が0.2μm以下である。
【0102】
また、外観を求める用途にも、破砕した多孔質体難燃剤13の代表径が0.2μm以下であることが望ましい。
【0103】
熱可塑性樹脂と多孔質体難燃剤の混合割合の下限は、難燃性を発揮させるために5重量%以上が望ましく、十分に難燃性発揮させるためには10重量%以上がより望ましい。上限は破砕した多孔質体難燃剤の凝集を抑え物性の低下を抑制する必要があるので60重量%以下であることが望ましい。
【0104】
また、耐衝撃性や伸びなどの一般に無機物の添加量が増えると著しく低下する物性の低下を抑制する必要がある場合には、40重量%以下であることが望ましい。
【0105】
樹脂は、添加剤として、他の難燃剤との併用もかまわない。ただし、環境面、安全面を配慮した配合であることが必要である。また、他の添加剤として、分散性を向上させる分散剤、劣化を抑える酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、結晶化を促進させる結晶化核剤、そして、各種機械物性を向上させる繊維系フィラー、ゴム成分などや、さらに、導電性、磁性、熱伝導性、制振性、断熱、軽量、電磁波吸収、反射、熱線輻射など各種特性を付与するフィラーが含まれていても物性値を著しく低下させない範囲であればかまわない。
【0106】
図3は樹脂と混合し破砕した多孔質体難燃剤の一部を拡大したもので、破砕した多孔質難燃剤21は、一部あるいは全部が酸化物一次粒子22および水酸化物一次粒子23にまで破砕される。一次粒子が結びついた状態の酸化物および水酸化物24は、破砕の力、時間が不足すると残り、一次粒子が小さすぎた場合や多孔質体作成時に収縮が著しかった場合に、一部多孔質体難燃剤が一次粒子にまで破砕されずに残ることがある。
【0107】
しかし、難燃樹脂に含まれる破砕した多孔質体難燃剤21は、酸化物一次粒子22、水酸化物一次粒子23、および、一次粒子が結びついた状態の酸化物もしくは水酸化物24であり、両者とも三次元方向に広がった形状をしているため、異方性がなく、難燃性に優れる。
【0108】
多孔質体難燃剤21を熱可塑性樹脂と混合する方法について説明する。
【0109】
多孔質体難燃剤21の均一分散方法として、樹脂との混合による力で破砕および分散させる方法を採る。ただし、予め樹脂のペレットや粉末と大きさなどを合わせておくことが均一な分散に望ましい。
【0110】
また、樹脂との混合前に予め多孔質体をミキサーなどで細かくしておくことが、分散にかかる時間も短縮でき樹脂の劣化なども抑えられる点で望ましい。
【0111】
樹脂との混合には、通常樹脂とフィラーとの混ぜ合わせに使用する装置、例えば、タンブラー、溶融混合機、ロールミル、オープンロール、ニーダー、加圧式ニーダー、二軸押出し機、単軸押出し機、バンバリーミキサーなどでよい。次に混ぜ合わせた樹脂と多孔質体の混合物の成形方法は、圧縮成形、押し出し成形、射出成形、熱成形、ブロー成形、カ
レンダ成形など挙げられるが、成形方法に特に制限は無く、樹脂の性質、成形品の形状を考慮した成形法であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0112】
以上のように、本発明にかかる難燃剤は汎用性が高く様々な樹脂に使用でき、さらに従来と比較して、粒子が小さく分散性も優れているため難燃性が優れ、また添加量を増やしても良好な樹脂の物性値を保つことができる。
【0113】
よって、自動車部品、電化製品や、家具、事務用品、包装などあらゆる樹脂が使われている製品への優れた難燃性樹脂を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態1における多孔質体難燃剤の模式図
【図2】本発明の実施の形態2における破砕した多孔質難燃剤を複合化した難燃樹脂の断面模式図
【図3】本発明の実施の形態2における樹脂と混合した後の破砕した多孔質体難燃剤を拡大した模式図
【符号の説明】
【0115】
1 多孔質体難燃剤
2 酸化物一次粒子
3 水酸化物一次粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも水酸化物一次粒子と酸化物一次粒子から形成される多孔質体であり、前記一次粒子は一次粒子間の結合が非常に弱く、前記多孔質体は前記一次粒子が数珠状に連なったものであり、前記一次粒子同士は接点が少なく、前記一次粒子により形成された大きな空隙を有する構造をしており、前記多孔質体は樹脂との混合時に全部もしくは一部が前記一次粒子まで破砕され樹脂中に分散することを特徴とする難燃剤。
【請求項2】
多孔質体は、水酸化物一次粒子と酸化物一次粒子から形成されており、ゾルゲル法により湿潤ゲルを得るゲル化工程と、前記湿潤ゲル内の水を溶媒で置換除去する置換除去工程と、前記置換除去工程により湿潤ゲル内に存在する溶媒を除く乾燥工程とを経て得られる請求項1記載の難燃剤。
【請求項3】
水酸化物は、水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウムである請求項1または2記載の難燃剤。
【請求項4】
酸化物は、シリカ、および、アルミナもしくはマグネシアの少なくともいずれか一方が含まれる請求項1または2記載の難燃剤。
【請求項5】
ゾルゲル法に用いるシリカ源として、アルコキシシランを用い、前記アルコキシシランとしてテトラアルコキシシランを1種類、もしくは、トリアルコキシシランを1種類、もしくは、ジアルコキシシランおよびモノアルコキシシランのうち少なくとも1種類とテトラアルコキシシランおよびトリアルコキシシランの少なくとも1種類との混合物を用い、ゾルゲル法に用いるアルミナ源としてアルミニウム塩、マグネシア源としてマグネシウム塩を用いて得られる請求項2記載の難燃剤。
【請求項6】
水酸化アルミニウムは、ゲル化工程の際にアルミニウム塩から弱アルカリによって生成することを特徴とした請求項3記載の難燃剤。
【請求項7】
水酸化マグネシウムは、ゲル化工程の際にマグネシウム塩から弱アルカリによって生成することを特徴とした請求項3記載の難燃剤。
【請求項8】
水酸化アルミニウムは、ゲル化工程の際に水酸化アルミニウムを湿潤ゲルの出発原料とともに混合することを特徴とした請求項3記載の難燃剤。
【請求項9】
水酸化マグネシウムは、ゲル化工程の際に水酸化マグネシウムを湿潤ゲルの出発原料とともに混合することを特徴とした請求項3記載の難燃剤。
【請求項10】
乾燥工程が超臨界乾燥のもとで行われる請求項2記載の難燃剤。
【請求項11】
乾燥工程が凍結乾燥のもとで行われる請求項2に記載の難燃剤。
【請求項12】
ゲル化工程の後工程に、湿潤ゲル表面に疎水基を導入する工程を有し、乾燥工程が非超臨界乾燥が超臨界乾燥のもとで行われる請求項2に記載の難燃剤。
【請求項13】
アルコキシシランの官能基の少なくとも1つが疎水性基であり、乾燥工程が非超臨界乾燥のもとで行われる請求項5に記載の難燃剤。
【請求項14】
請求項1〜13いずれか1項記載の難燃剤を熱可塑性樹脂に混合した難燃樹脂。
【請求項15】
熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である請求項14記載の難燃樹脂。
【請求項16】
ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレンである請求項15記載の難燃樹脂。
【請求項17】
ポリオレフィン系樹脂がポリエチレンである請求項15記載の難燃樹脂。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−174120(P2010−174120A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17568(P2009−17568)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】