説明

難燃性が改善された粘着剤

本発明はアクリル系高分子樹脂及び難燃充填剤を含む粘着剤として、アクリル系高分子樹脂の原料になる単量体のうち、粘着剤の製造過程において、未反応で残留した単量体の粘着剤中の含量が2重量%以下であることを特徴とする粘着剤を提供する。また、本発明は基材の片面または両面に前記粘着剤がシート化されている粘着シートを提供する。本発明では前記のように粘着剤内の残留単量体の含量を調節することで粘着剤の難燃性を調節する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は難燃性、熱伝導性及び/または接着性が優秀な粘着剤及びその製造方法に関する。また、本発明は粘着剤の難燃性を調節する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近電気、電子産業の発展によって、プラズマディスプレーパネルなどの電子部品素子の接着技術が非常に重要になっている。電子部品素子の接着には粘着剤が使用されるが、最近には高分子に熱伝導性無機物粒子らが分散されている熱伝導性粘着剤を利用することが一般的である。
【0003】
前記粘着剤のうちで熱伝導性粘着剤は、充填剤として熱伝導性充填剤を含むが、粘着剤内の高分子は基材間に接着性を提供して、前記充填剤として添加された熱伝導性無機物粒子が電気電子部品素子で発生された熱を放熱板に伝達して放出する役割をする。前記高分子としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが利用され、熱伝導性無機物粒子としては、熱伝導性を有すると同時に電気的に絶縁性である酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化珪素などが多く利用されている。
【0004】
一方、前記電子部品で発生する高熱によって生じる火事の危険を予防するために、最近開発される粘着剤は接着性及び熱伝導性の以外に難燃性を有する場合が多い。このように粘着剤に難燃性を付与するための難燃剤として、従来にはハロゲン系の難燃剤が広く使用されたが、前記ハロゲン系の難燃剤は環境汚染問題によって使用が制限されている。現在は多様な種類の非ハロゲン系の難燃剤が開発されて使用されている。
【0005】
日本特開平11-269438号には熱伝導性充填剤として金属酸化物、金属チッ化物、金属水酸化物などと、難燃剤としてリンと窒素を両方含む非ハロゲン有機物難燃剤を含む粘着剤が記載されている。しかし、リンと窒素を両方含んでいる非ハロゲン有機物難燃剤であるリン酸アンモニウムまたはメラミンリン酸を使用する場合には所望の熱伝導度を達成するために熱伝導性無機物の充填剤を混入しなければならないという制限がある。併せて、過多量の難燃剤を使用する場合、粘着剤の物性が低下されるにもかかわらず、難燃性確保のために過多量の難燃剤を使わなければならない問題点がある。また、この場合高分子樹脂と難燃剤粒子の間の反応でスラリーの粘度が大きく上昇してコーティング及び成形など工程上の問題が発生するようになって、同時に接着力の低下をもたらす問題がある。
【0006】
日本特開2002-294192号には熱伝導性充填剤として酸化アルミニウムと、難燃剤として前記熱伝導性充填剤である酸化アルミニウムより粒径が小さな水酸化アルミニウムを利用した放熱シート用の粘着剤が記載されている。また、前記熱伝導性充填剤の粒径は50-120μmであり、難燃剤の粒径は1-50μmであるものが望ましいと記載している。一般に、難燃剤粒子の粒径が50μmより大きければ、粘着剤の熱伝導を阻害するだけでなく、難燃剤粒子の表面積が減少して難燃効率が落ちることが知られている。よって、この特許文献でも難燃剤の粒径を前記のように限定したものとして把握される。しかし、この場合には高い熱伝導性を達成するために、熱伝導性充填剤として高価な酸化アルミニウムの使用が不可避であり、難燃剤である水酸化アルミニウムは熱伝導性充填剤である酸化アルミニウムとともに添加されなければならないから、添加することができる水酸化アルミニウムの量が制限されて難燃性を大きく上昇させることができない短所がある。
【0007】
前述したような従来技術の問題点によって、現在、環境汚染問題を引き起こさないとともに熱伝導性、難燃性及び接着力がすべて優秀な粘着剤の研究開発が要求されているのが実情である。
【0008】
一方、粘着剤中の未反応残留単量体は前記粘着剤が電子部品に使用される時に発生される熱によって放出されながら悪臭を放つか、または放出されたガスによって汚染を引き起こすことが知られている。よって、粘着剤中の未反応残留単量体の含量を最小化するための研究が進められている。しかし、未反応残留単量体の含量と粘着剤の難燃性との関係に対してはまだ開示されたことがない。
【特許文献1】特開平11-269438号公報
【特許文献2】特開2002-294192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
<技術的課題>
これに本発明者らは熱伝導性、難燃性及び接着性がすべて優秀であるだけでなく、費用が安い粘着剤を開発しようと研究を行った。また、前記粘着剤の難燃性を効果的に調節することができる方法に対して研究を行った。
【0010】
その結果、本発明者らはアクリル系高分子樹脂及び難燃充填剤または熱伝導性難燃充填剤を含む粘着剤において、前記アクリル系高分子樹脂の原料になる単量体のうちで粘着剤の製造過程において、未反応で残留した単量体の含量が粘着剤の難燃性と関連があるということを発見した。
【0011】
また、前記粘着剤中の未反応残留単量体の含量は粘着剤の製造時に使用される物質の種類と量及び製造条件、特に、紫外線の照射強度と照射時間によって特に影響を受けるという事実を発見した。
【0012】
本発明者らは前記のような事実に基づいて、熱伝導性、難燃性及び接着性がすべて優秀な粘着剤に関する発明を完成するに至った。
【0013】
また、本発明者らは難燃剤を含む粘着剤の難燃性を効果的に制御することができる方法を発明した。
【課題を解決するための手段】
【0014】
<技術的解決方法>
本発明は、アクリル系高分子樹脂及び難燃充填剤を含む粘着剤において、アクリル系高分子樹脂の原料になる単量体のうちで粘着剤の製造過程において、未反応で残留する単量体の粘着剤中の含量が2重量%以下であることを特徴とする粘着剤を提供する。前記粘着剤に伝導性を付与するためには、熱伝導性充填剤を添加することができる。望ましくは、前記難燃充填剤として熱伝導性を有する難燃充填剤を使用することで、粘着剤内に熱伝導性と難燃性を同時に付与することができる。
【0015】
熱伝導性充填剤を含んで粘着性に加えて熱伝導性がともに付与された粘着剤を「熱伝導性粘着剤」と言う。併せて、本発明による粘着剤の場合、粘着剤を配置して圧力をかけることによって接着がなされるようにすることができるため、「感圧型粘着剤(pressure-sensitive adhesive)」ともいうことができる。
【0016】
したがって、本発明ではまた、難燃性が向上した熱伝導性粘着剤を提供する。望ましくは本発明による粘着剤は感圧型粘着剤である。
【0017】
また、本発明は基材の片面または両面に前記本発明の粘着剤が塗布されてシート化された粘着シートを提供する。
【0018】
本発明はまた、アクリル系高分子樹脂の原料になる単量体と難燃充填剤の混合物に強度が0.01ないし50mW/cmで維持される紫外線を30秒ないし1時間照射する段階を含むことで、単量体のうちで粘着剤の製造過程において、未反応で残留した単量体の含量が2重量%以下に調節された粘着剤の製造方法を提供する。望ましくは、前記難燃充填剤は熱伝導性難燃充填剤であり、前記粘着剤は熱伝導性粘着剤であることを特徴とする粘着剤の製造方法を提供する。
【0019】
本発明はまた、アクリル系高分子樹脂及び難燃充填剤を含む粘着剤の製造時、アクリル系高分子樹脂の原料になる単量体のうちで粘着剤の製造過程において、未反応で残留した単量体の含量を調節することで、粘着剤の難燃性を調節する方法を提供する。前記方法によって粘着剤ごとに必要とする程度の難燃性を選択的に付与することができる。
【0020】
以下で本発明を詳しく説明する。
【0021】
本発明の粘着剤はアクリル系高分子樹脂の原料になる単量体と難燃充填剤または熱伝導性難燃充填剤を混合して重合することで製造することができる。
【0022】
より望ましくは、本発明の粘着剤はアクリル系高分子樹脂の原料になる単量体を部分的に重合して、ここに難燃充填剤または熱伝導性難燃充填剤を添加及び混合した後、この混合物を重合及び架橋することで製造することができる。
【0023】
前記重合及び架橋過程でアクリル系高分子樹脂の原料になる単量体のうちで一部が反応しないで、粘着剤内に残留するようになる。本発明では、前記のようにアクリル系高分子樹脂の原料になる単量体のうちで反応しないで粘着剤内に残留する単量体を「未反応残留単量体」と言う。
【0024】
本発明者らはこの未反応残留単量体は、揮発性が強くて燃焼時に粘着剤の難燃性に影響を及ぼすという事実を発見した。進んで、本発明者らは前記のような事実を基礎として、粘着剤内の未反応残留単量体の含量を2重量%以下に調節することで粘着剤の難燃性を向上することができるということを発見した。
【0025】
本発明の粘着剤には難燃性を提供するために添加される難燃剤の種類は特別に制限されない。望ましくは、前記難燃充填剤として熱伝導性を有する熱伝導性難燃充填剤を使用することで、粘着剤内に熱伝導性と難燃性を同時に付与することができる。前記難燃充填剤が熱伝導性難燃充填剤ではない場合には、別途、熱伝導性充填剤を使用することができる。
本発明で使用することができる熱伝導性難燃充填剤としては、金属水酸化物、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどがある。このうちで水酸化アルミニウムが一番望ましい。
【0026】
本発明では前記熱伝導性難燃充填剤の含量がアクリル系高分子樹脂100重量部に対して80-150重量部であることが望ましい。すなわち、熱伝導性難燃充填剤の含量があまりにも多く増加すると、熱伝導性難燃充填剤粒子の表面積が増加するので、難燃性が増加され、熱伝導度も増加するが、粘着剤があまりにも硬くなって接着力が低くなる。一方、熱伝導性難燃充填剤の含量が減少すると、粘着剤の凝集力が低下し、熱伝導度が減少するようになる。
【0027】
一方、前記熱伝導性難燃充填剤の粒径が小さな場合には、優秀な難燃性を提供することができるが、粘着剤の製造時にスラリーの粘度が上昇するので、コーティング時に加工性が低下する問題がある。その結果、粘着剤の柔軟性が減少して、表面が荒い基材に適用しにくいことがある。熱伝導性難燃充填剤の粒径があまりにも大きい場合には、粘着剤の柔軟性が増大されて優秀な熱伝導度を提供することができるが、コーティング及び硬化工程時に充填剤粒子沈降の問題を起こして粘着剤シートの両面の接着力が異なるという問題がある。よって、本発明では熱伝導性難燃充填剤の粒径が50-150μmであることが望ましい。
【0028】
従来は前述したように難燃剤粒子の粒径が50μmより大きければ粘着剤の熱伝導の熱伝導を阻害するだけでなく、難燃剤粒子の表面積が減少して難燃効率が落ちることが知られていたが、本発明のように粘着剤中の残留単量体の含量を2重量%以下に調節する場合には、50μm以上の粒径を有する難燃充填剤を使用する場合にも、十分な難燃性を確保することができるようになる。したがって、粘着剤の製造時に粒子が大きい充填剤を使用することが可能になって、粘着剤の柔軟性が増大されるため、表面が荒い基材にも適用が可能であり、広い付着面積を必要とする場合にも適用が可能である。
【0029】
特に、前記難燃充填剤として熱伝導性難燃充填剤を使用する場合、広い付着面積を必要とする電子部品、例えば、プラズマディスプレーパネル用の放熱パッドなどに適用する場合に熱伝逹効率が非常に向上する。すなわち、粒径が50μm以上である熱伝導性難燃剤を使用する場合、熱伝導性が優秀であるから、別途の熱伝導性充填剤の使用なしで、必要な熱伝導性を提供することができる。また、粒径が50μm以上であるから、粘度上昇が少なくて粘着剤の加工性が優秀で製造工程が容易である。
【0030】
したがって、本発明による場合に、粘着剤の製造時、加工性が優秀で柔軟性がすぐれた粘着剤を提供することができる。
【0031】
本発明で使用することができる前記アクリル系高分子樹脂は特別に限定されないし、当技術分野で粘着剤として使用されることができるものなら使用可能である。前記アクリル系高分子樹脂の例としては、望ましくは炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、前記単量体と共重合が可能な極性単量体が共重合された高分子を挙げることができる。
【0032】
前記1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体の非制限的な例としては、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートなどがある。
【0033】
また、前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合が可能な極性単量体の非制限的な例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基を含んだ単量体や、アクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタムなどの窒素を含んだ単量体がある。このような極性単量体は粘着剤に凝集力を付与して接着力を向上させる作用をすることができる。
【0034】
前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体と前記極性単量体の割合は限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸エステル系単量体100重量部に対して極性単量体が1〜20重量部であることが望ましい。
【0035】
本発明の粘着剤は前述したアクリル系高分子樹脂及び難燃充填剤、架橋剤及び光開始剤などを使って当技術分野で公知の方法を利用して製造することができる。
【0036】
通常アクリル系粘着樹脂の製造時には重合法として、ラジカル重合法、例えば溶液重合、乳化重合、懸濁重合、光重合またはバルク重合などを使用することができる。望ましくは、前記のような重合方法によって粘着剤用アクリル系樹脂を部分的に重合して、ここに難燃剤及び他の添加剤を付加した後、光重合及び架橋によって本発明による粘着剤を製造することができる。
【0037】
添加剤としては、架橋剤または光開始剤が挙げられ、必要によって発泡剤をさらに添加することができる。
【0038】
具体的には、前記アクリル系高分子樹脂の原料になる単量体、例えば炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、この単量体と共重合が可能な極性単量体を、熱開始剤を利用して部分的に重合すると、粘度が約1,000-10,000cpsであるシロップ(syrup)が製造される。ここに難燃充填剤または熱伝導性難燃充填剤と架橋剤及び光開始剤を混合してスラリーを製造した後、例えば粘着シートを製造するために、前記スラリーをシートに塗布した後、紫外線の照射による重合及び架橋を進行させて本発明の熱伝導性粘着シートを製造することができる。
【0039】
前記難燃充填剤または熱伝導性難燃充填剤は、粘着剤中に均一に分布されることが望ましい。よって、前記のような製造過程で難燃充填剤または熱伝導性難燃充填剤を添加した後、充分に撹拌混合して、充填剤を樹脂中に均一に分散させるのが望ましい。
【0040】
前記のような本発明の粘着剤の製造方法において、前記架橋剤は使用量によって粘着剤の粘着特性を調節することができ、アクリル系高分子樹脂100重量部に対して約0.2-1.5重量部を使用するのが望ましい。
【0041】
本発明の粘着剤製造時に使用することができる架橋剤の非制限的な例としては多官能性アクリレート、例えば1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、1,2-エチレングリコールジアクリレート及び1,12-ドデカンジオールジアクリレートなどの架橋性単量体がある。
【0042】
一方、前記光開始剤は使用量によって粘着剤の重合度を調節することができるだけでなく、粘着剤内の残留単量体の含量を調節することができる。すなわち、光開始剤の使用量が増加すると、紫外線照射時に単量体の重合転化率が増加して粘着剤内の未反応残留単量体の含量が減少するようになり、これによって難燃性がよくなる。しかし、過多量の光開始剤使用は高分子チェーンの長さが短くなって、高温耐久性には悪影響を及ぼす。一方、光開始剤の使用量が減少すると、紫外線の照射による単量体の重合度が減少するので、粘着剤内の未反応残留単量体の含量が相対的に増加する。
【0043】
したがって、粘着剤内の未反応残留単量体の含量が2重量%以下に維持されて高温耐久性が維持されるように適量の光開始剤を使用することが必要である。本発明ではアクリル系高分子樹脂100重量部に対して約0.3-2.0重量部の光開始剤を使用するのが望ましい。
【0044】
本発明の粘着剤の製造時に使用することができる光開始剤の非制限的な例としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、α,α-メトキシ-α-ヒドロキシアセトフェノン、2-ベンゾイル-2(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルフォニル(morphonyl))フェニル]-1-ブタノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンなどがある。
【0045】
紫外線による重合及び架橋過程において、通常、紫外線の強度が大きければ重合及び架橋が早い時間内に進行するが、粘着剤内の残留単量体の含量は増加する。また、紫外線の強度が低ければ重合及び架橋は徐々に生じ、一定転化率に到逹するまで粘着剤内の残留単量体の含量が連続して減少する。低い強度の紫外線の照射によって前記のような一定な転化率に到逹するためには、長期間の紫外線の照射が必要である。よって、低い強度の紫外線を長期間照射することで粘着剤内の残留単量体の含量を減少させることができる。
本発明では紫外線による重合及び架橋過程で0.01ないし50mW/cm程度の強度の紫外線を30秒ないし1時間照射するのが望ましい。
【0046】
本発明はまた、粘着剤の製造時に粘着剤内に残存する未反応残留単量体の量を調節することで、粘着剤の難燃性を調節する方法を提供する。望ましくは、紫外線の照射によって重合及び架橋で製造される粘着剤であり、紫外線の照射強度及び照射時間を調節することで、粘着剤内に残存する未反応残留単量体の量を調節することができる。
【0047】
本発明は前記粘着剤をシートに塗布してシート化した粘着シートを提供する。本発明の粘着剤をシート化する方法は、当業界で広く知られた通常の方法を適用することができる。
【0048】
本発明の粘着シートの望ましい例は、熱伝導性難燃充填剤を含む熱伝導性粘着シートであり、このような熱伝導性粘着シートの製造方法の例示的な実施状態は次のようなものがある。
【0049】
アクリル系高分子樹脂の原料になる単量体、例えば炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、この単量体と共重合が可能な極性単量体を、熱開始剤を利用したバルク重合などの方法で部分的に重合して粘度が1,000-10,000cPsであるシロップを製造する。ここに前述した難燃充填剤及び架橋剤と光開始剤を添加した後、撹拌混合して難燃充填剤が均一に分散したスラリーを製造する。引き続いて、このスラリーを基材に塗布した後、紫外線の照射による重合及び架橋を進行させて粘着シートを製造することができる。前記混合物の塗布過程で混合物を基材に片面または両面に塗布することで、本発明の粘着剤は片面または両面テープとして使用されることができる。前記難燃充填剤として熱伝導性難燃充填剤を使用することで熱伝導性粘着シートを製造することができる。
【0050】
前記シート化で使用されることができる基材としては、プラスチック、紙、不織布、ガラス、金属などがあり、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用するのが望ましい。本発明の粘着剤は放熱体のような基材上に直接使用されることもでき、電子部品の一部として提供されることもできる。
【0051】
前記シートの厚さは限定されないが、通常50μm〜2mmであるのが望ましい。前記シートの厚さが50μmより薄ければ、外部との熱伝達接着面積が小さくなって、熱伝逹効率が低下するので、発熱体と放熱シートとの十分な熱伝逹がなされにくいし、十分な接着力を確保するのに困難がある。厚さが2mmより厚ければシートの熱抵抗性が大きくなって、放熱をするのに多くの時間が必要となる。
【0052】
本発明の難燃粘着剤は本発明の効果に影響を及ぼさない限り、顔料、酸化防止剤、紫外線安定剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、可塑剤、粘着性付与樹脂及びシランカップリング剤などの添加剤を含むこともできる。
【0053】
本発明の難燃粘着剤はまた、柔軟性をさらに付与するために発泡をさせることが可能である。発泡方法としては、COやNガスなどの注入による機械的な気泡分散、高分子微小中空分散、熱発泡剤の使用などが可能である。
【0054】
本発明の粘着剤では使用する原料の種類と量及び製造条件、特に、重合及び架橋時の紫外線の照射強度及び照射時間によって粘着剤内の残留単量体の含量を2重量%以下に調節することで、優秀な接着力、熱伝導性及び難燃性を有するだけでなく、作業の容易性も同時に有することができるという長所がある。
【発明の効果】
【0055】
<有利な効果>
本発明は粘着剤内の残留単量体の含量を2重量%以下に減少させることで、優秀な難燃性を有する粘着剤を提供することができる。また、前記残留単量体の含量が2重量%以下に調節される場合、50μm以上の直径を有する難燃充填剤または熱伝導性難燃充填剤を使っても、優秀な難燃性を得ることができる。よって、本発明による場合、比較的大きい粒径を有する充填剤を使用することができるから、柔軟性がすぐれた粘着剤の製造が可能であり、プラズマディスプレーパネルのような大面積の接着のために使用される場合、前記の粘着剤が、柔軟性が増大されたので、接着時に発熱体と外部放熱板との接着面積が増大されて熱伝逹効率が大きく向上する。併せて、粘着樹脂と混合したスラリーの粘度がコーティングするのに非常に適当で、加工性が優れ、均一な粘着シートの製造が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下では本発明の理解を助けるために望ましい実施例、比較例及び試験例を提示する。しかし、下記実施例などは本発明を例示するだけであり、本発明の範囲が下記実施例によって限定されるものではない。
<実施例>
【0057】
<実施例1>
2-エチルヘキシルアクリレート95重量部(アクリル系高分子樹脂と残留単量体の合計100重量部基準、以下同様)と極性モノマーであるアクリル酸5重量部を1Lガラス反応器で熱(70℃)で部分的に重合させて粘度3500cPsのシロップを得た。ここに光開始剤としてイルガキュア(Irgacure)-651(α,α-メトキシ-α-ヒドロキシアセトフェノン)0.75重量部、架橋剤として1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)1.05重量部を混合した後充分に撹拌した。ここに熱伝導性難燃充填剤として粒径が約70μmである水酸化アルミニウム(昭和電工社)100重量部を添加して均一に分散するまで充分に撹拌した。この混合物を、真空ポンプを利用して減圧脱泡した後に、ナイフコーティングを利用してポリエステル離型(release)フィルム上に厚さ1mmでコーティングした。この時、酸素を遮断するためにポリエステルフィルムをコーティング層上に被せた。その後、紫外線の強度が1mW/cmで維持された紫外線ランプを利用して、5分間照射して熱伝導性粘着シートを得た。
【0058】
<実施例2>
紫外線の強度が1mW/cmで維持された紫外線ランプを利用して30分間照射したことを除いて、前記実施例1と同様の方法で実施して熱伝導性粘着シートを得た。
【0059】
<実施例3>
紫外線の強度が50mW/cmで維持された紫外線ランプを利用して5分間照射したことを除いて、前記実施例1と同様の方法で実施して熱伝導性粘着シートを得た。
【0060】
<実施例4>
紫外線の強度が50mW/cmで維持された紫外線ランプを利用して30分間照射したことを除いて、前記実施例1と同様の方法で実施して熱伝導性粘着シートを得た。
【0061】
<実施例5>
水酸化アルミニウムの代わりに水酸化マグネシウムを使用したことを除いて、それぞれ前記実施例1と同様の方法で実施して熱伝導性粘着シートを得た。
【0062】
<実施例6>
水酸化アルミニウムの代わりに水酸化カルシウムを使用したことを除いて、それぞれ前記実施例1と同様の方法で実施して熱伝導性粘着シートを得た。
【0063】
<比較例1>
紫外線の強度が100mW/cmで維持された紫外線ランプを利用して5分間照射したことを除いて、前記実施例1と同様の方法で実施して熱伝導性粘着シートを得た。
【0064】
<比較例2>
紫外線の強度が100mW/cmで維持された紫外線ランプを利用して30分間照射したことを除いて、前記実施例1と同様の方法で実施して熱伝導性粘着シートを得た。
【0065】
<比較例3>
紫外線の強度が250mW/cmで維持された紫外線ランプを利用して5分間照射したことを除いて、前記実施例1と同様の方法で実施して熱伝導性粘着シートを得た。
【0066】
<比較例4>
紫外線の強度が250mW/cmで維持された紫外線ランプを利用して30分間照射したことを除いて、前記実施例1と同様の方法で実施して熱伝導性粘着シートを得た。
【0067】
<比較例5>
紫外線の強度が100mW/cmで維持された紫外線ランプを利用して30分間照射したことを除いて、前記実施例5と同様の方法で実施して熱伝導性粘着シートを得た。
【0068】
<比較例6>
紫外線の強度が250mW/cmで維持された紫外線ランプを利用して5分間照射したことを除いて、前記実施例6と同様の方法で実施して熱伝導性粘着シートを得た。
【0069】
前記実施例及び比較例で使用した充填剤の種類、粒径、使用量と、光開始剤の使用量と紫外線の強度、紫外線の照射時間を下記表1に示す。
【0070】
【表1】

【0071】
<試験例1>残留単量体含量による物性評価
前記実施例及び比較例で製造された熱伝導性粘着シートの物性を下記のような方法で評価した。
【0072】
1.接着力試験
粘着シートのアルミニウム板に対する接着力をJISZ1541に準拠して測定した。ただし、放置時間は常温で30分であった。
【0073】
2.熱伝導率試験
製造された接着シートを約60mm×120mmの大きさに切断して、このサンプルの熱伝導率を株式会社京都電子工業製の迅速熱伝導率測定機QTM-500を使って測定した。
【0074】
3.残留単量体の含量測定試験
前記残留する未反応単量体はGC-MASSで分析した結果、熱で部分的に重合した樹脂に単量体として存在していた2-エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸であるものとして確認された。前記未反応単量体は紫外線による粘着剤の製造工程中に高分子構造内に入ることができなかったものであり、通常残留単量体の含量及び成分分析のために熱を加えるか、または真空雰囲気で抽出される。本発明では熱を加えて抽出する方式を使用した。具体的には次のようである。
【0075】
製造された粘着シートを約30mm×30mmの大きさで切断して、これを50mm×50mmの大きさで切断した離型紙(release paper)に付ける。引き継いで、サンプルを110℃で維持されたオーブンで1時間の間保持した後に取り出して、オーブンに入れる前と入れた後の重量変化を測定した。この時の重量変化を紫外線照射時に反応しないで残留した単量体の含量として表した。
【0076】
4.難燃性試験
製造された粘着シートに対してUL94V規格に準拠した燃焼試験を行って難燃性を判定した。具体的な試験内容は以下のようである。
難燃等級を判定するための項目としては、各試験体の1、2次燃焼時間の和とスパーク消火時間、5個一組の試験体の1、2次燃焼時間の和、炎の落下による綿の引火の有無が測定された。試験体の規格としては、幅0.5インチ、長さ5インチである。試験方法としては、メタンガス青色高さ3/4インチの単一炎を利用して試験体に10秒間炎を接触させた後、炎をとり除いて、試験体の火が消えれば再び10秒間接触させた後に炎を再びとり除く方法を利用した。難燃等級は下記表2に準拠して判定する。
【0077】
【表2】

【0078】
上記の方法による物性測定の結果を下記表3に示す。
【表3】

【0079】
前記表から分かるように、本発明による実施例の場合1mm厚さの粘着シートはすべて難燃性を示していることが分かる。また、アルミニウム板に対する180度方向の接着力をJISZ1541に準拠して測定した時に900g/inを超過する高い接着力を示す。
【0080】
また、本発明による1mm厚さの接着シートに対する熱伝導度の測定でも0.40W/mKを超過する良好な熱伝導度を示すということを確認することができる。
【0081】
<試験例2>
熱伝導性難燃充填剤の粒子径による物性を評価するために下記のような試験をした。
【0082】
具体的に、熱伝導性難燃充填剤として水酸化アルミニウムを使って実施例1と同様の方法で熱伝導性粘着剤を製造するが、粒子径がそれぞれ、1.0μm、3.5μm、10μm、55μm、100μmである水酸化アルミニウムを使って粘着剤を製造してこれらをそれぞれ参考例1-5とした。一方、粒子径(粒径)が150μmを超える水酸化アルミニウムの場合、水酸化アルミニウム粒子の沈澱がひどくて粘着剤を製造するのが容易でなかった上、本試験を遂行するのに不適切であった。
【0083】
また、製造後に残留単量体を燃焼させてとり除いた場合の粘着剤の物性と比べるために前記比較例3と同様の方法で、熱伝導性粘着シートを製造した後、150℃で30分間加熱乾燥して未反応残留単量体をとり除いて粘着シートを得た。これを参考例6とした。
【0084】
前記参考例で製造した粘着剤の物性を評価した。前記試験例1と同様の方法で接着力、熱伝導率、残留単量体の含量測定及び難燃性試験をした。また、加工性評価のために、紫外線硬化を実施する前に(実施例1に記載した製造段階参照)、部分的に重合されたアクリレートシロップと水酸化アルミニウムが混合したスラリーの粘度測定を実施した。本発明ではBrookfield社の粘度計を使用して粘着剤コーティング前のスラリー粘度を測定して加工性を評価した。参考までに、実際に均一な厚さ及びコーティング速度を増加させるためには粘度が20,000-40,000cps程度であるものが一番適当である。
【0085】
結果は、下記表4に示した。
【0086】
【表4】

【0087】
前記結果で分かるように、本発明の粘着シートは使用された熱伝導性難燃充填剤の粒子が50μm以上であっても、UL94V規格に準拠した燃焼試験において、V-2以上の難燃性を示す。また、前記難燃充填剤の粒子が50μm以上であるから、粘着剤製造時にスラリー粘度がコーティングに一番適当な20,000-40,000cpsで維持されて、その厚さ及び製品の物性が均一な粘着剤の製造が可能であり、また、加工性が非常に優秀であることが分かる。
【0088】
一方、比較例3のように製造された熱伝導性の粘着シートを加熱処理して残留単量体の含量を減少させて評価された参考例6の粘着シートは未反応残留単量体含量の減少で難燃性は改善したが、高温で加熱処理することで引き起こされる粘着シートの物性変化で実際に製品としては使用しにくい。従って、従来の技術で残留単量体の含量残存量を加熱乾燥または熱風循環乾燥して調節するが、これは粘着製品の物性変化を惹起するので、本発明のように適切な紫外線強度及び難燃充填剤の選定で粘着製品の初期未反応残留単量体の含量を最小化することがさらに望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
前記のように優秀な接着力、熱伝導性及び難燃性を有する本発明の粘着剤は熱伝導性と難燃性が同時に要求されるものの接着に容易に使用されることができる。特に、電子製品に広く使用されることができるが、例えば、厳格な規格の性能を要求するプラズマディスプレーパネルのような電子部品の発熱体から発生する熱を放熱板に伝達すると同時に発熱体及び放熱板を支持する役割をする熱伝導性粘着剤として有用に利用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル系高分子樹脂及び難燃充填剤を含み、難燃性を有する粘着剤であって、前記アクリル系高分子樹脂の原料になる単量体の一部であって、粘着剤の製造過程で未反応で残留した単量体の粘着剤中の含量が2重量%以下であることを特徴とする粘着剤。
【請求項2】
前記難燃充填剤は熱伝導性難燃充填剤である請求項1に記載の粘着剤。
【請求項3】
前記熱伝導性難燃充填剤は粒径が50-150μmであることを特徴とする請求項2に記載の粘着剤。
【請求項4】
前記熱伝導性難燃充填剤が金属水酸化物である請求項2に記載の粘着剤。
【請求項5】
前記金属水酸化物が水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムからなる群から選択される請求項4に記載の粘着剤。
【請求項6】
前記熱伝導性難燃充填剤が、粘着剤中に前記アクリル系高分子樹脂100重量部に対して80〜150重量部含まれている請求項2に記載の粘着剤。
【請求項7】
前記アクリル系高分子樹脂が、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、前記単量体と共重合が可能な極性単量体とが共重合された高分子である請求項1に記載の粘着剤。
【請求項8】
前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体が、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートからなる群から選択されるものであり、
前記極性単量体が、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、アクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタムからなる群から選択されるものであり、
前記極性単量体が、前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体100重量部に対して1〜20重量部含まれている請求項7に記載の粘着剤。
【請求項9】
アクリル系高分子樹脂の原料になる単量体、前記単量体と共重合が可能な極性単量体及び難燃充填剤を含む混合物を重合及び架橋させて粘着剤を製造する方法であって、
前記アクリル系高分子樹脂の原料となる単量体の一部であり、且つ未反応で残留する単量体の含量が粘着剤重量に対して2重量%以下になるまで重合及び架橋をさせることを特徴とする粘着剤の製造方法。
【請求項10】
前記重合が紫外線の照射によって行われ、前記紫外線の照射は、強度が0.01ないし50mW/cmで維持される紫外線を30秒ないし1時間照射するものである請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記紫外線の照射前にアクリル系高分子樹脂の原料となる単量体及び前記単量体と共重合が可能な極性単量体の混合重量100重量部に対して光開始剤0.3〜2.0重量部を添加する段階を含む請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記光開始剤が、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、α,α-メトキシ-α-ヒドロキシアセトフェノン、2-ベンゾイル-2(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルフォニル(morphonyl))フェニル]-1-ブタノン、2,2-ジメトキシ2-フェニルアセトフェノンからなる群から選択される請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記紫外線の照射段階前にアクリル系高分子樹脂の原料となる単量体を部分的に重合させる段階をさらに含む請求項10に記載の製造方法。
【請求項14】
アクリル系高分子樹脂の原料になる単量体、前記単量体と共重合が可能な極性単量体及び難燃充填剤を含む混合物を重合及び架橋させて粘着剤を製造する方法であって、
前記アクリル系高分子樹脂の原料になる単量体の一部であって、且つ未反応で残留する未反応残留単量体の含量を調節することで粘着剤の難燃性を調節する方法。
【請求項15】
前記重合及び架橋が、紫外線の照射による重合及び架橋であり、前記重合及び架橋過程で前記紫外線を調節することによって前記未反応残留単量体の含量を調節する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記紫外線の強度が、0.01ないし50mW/cmの範囲に調節され、前記紫外線の照射時間が30秒ないし1時間に調節される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
基材の片面または両面に請求項1ないし請求項8のうちいずれか一項記載の粘着剤を塗布してシート化された粘着シート。
【請求項18】
前記基材がプラスチック、紙、不織布、ガラス、及び金属からなる群から選択される請求項17に記載の粘着シート。

【公表番号】特表2007−513216(P2007−513216A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539392(P2006−539392)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002927
【国際公開番号】WO2005/047412
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】