説明

難燃性フィルム

【構成】分岐状ポリカーボネート樹脂(A)40〜100重量%および直鎖状ポリカーボネート樹脂(B)60〜0重量%からなる樹脂成分100重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(C)0〜4重量部および有機金属塩(D)0.2〜1重量部からなる樹脂組成物を成形してなる厚み150μm以下の難燃性フィルム。
【効果】本発明の難燃性フィルムは、塩素、臭素もしくはリン系の難燃剤を使用することなく高い難燃性を有し、かつ150μm以下の薄いフィルムであっても安定的にUL94VTM−0相当の優れた難燃性能を発揮する。そのため、難燃性が求められる絶縁フィルムやシール材、銘板フィルムの用途に極めて好適であり、工業的利用価値が高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカーボネート樹脂製の難燃性フィルムに関する。さらに詳しくは、塩素または臭素系難燃剤を使用することなく厚み150μm以下の薄いフィルムであっても高度な難燃性を有する難燃性フィルムを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は、自己消火性を備えた難燃性の高いプラスチック材料ではあるが、電機・電子・ITE分野で使用されるフィルムにあっては、安全上の要求を満たすためアンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価において、UL94VTM−0相当の高度な難燃性が求められている。
【0003】
ポリカーボネート樹脂に難燃性を付与させる手法として、パーフルオロアルカンスルホン酸カリウムを添加する方法(特許文献1)が提案されてきた。
【0004】
【特許文献1】特公昭47−40445号公報
【0005】
また、当該フィルムの用途によっては、さらに優れた難燃性能が求められ、かつ塩素、臭素もしくはリン系の難燃剤を用いない環境対応型の難燃性フィルムが嘱望されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ポリカーボネート樹脂製のフィルムにおいては、その厚みが低下するにつれて難燃性能が低下する傾向にあり、従来技術ではUL94VTM−0相当の難燃性能を安定的に発揮させるためには厚み約200μm以上を必要としていた。しかし、難燃性フィルムの用途では薄肉化の傾向にあり、フィルムの厚みとして150μm以下、望ましくは50〜100μm、更に望ましくは50μm以上100μm未満の非常に薄い領域において安定的にUL94VTM−0相当の難燃性能を有するフィルムの出現が待望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、かかる課題に鑑み鋭意研究を行った結果、分岐状ポリカーボネート樹脂を必須成分とし、有機金属塩および所望によっては特定のシリコーン化合物を特定量配合することで、150μm以下の薄いフィルムであっても安定的にUL94VTM−0相当の優れた難燃性能を発揮しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、分岐状ポリカーボネート樹脂(A)40〜100重量%および直鎖状ポリカーボネート樹脂(B)60〜0重量%からなる樹脂成分100重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(C)0〜4重量部および有機金属塩(D)0.2〜1重量部からなる樹脂組成物を成形してなる厚み150μm以下の難燃性フィルムを提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の難燃性フィルムは、塩素、臭素もしくはリン系の難燃剤を使用することなく高い難燃性を有し、かつ150μm以下の薄いフィルムであっても安定的にUL94VTM−0相当の優れた難燃性能を発揮する。そのため、難燃性が求められる絶縁フィルムやシール材、銘板フィルムの用途に極めて好適であり、工業的利用価値が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明にて使用される分岐状ポリカーボネート樹脂(A)とは、ジヒドロキシジアリール化合物、分岐剤およびホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物、分岐剤およびジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、分岐剤およびホスゲンから製造された分岐状ポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0011】
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オク
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロ
キシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒド
ロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
【0012】
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等を混合
して使用してもよい。
【0013】
分岐剤として使用される3価以上のフェノールとしては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ
−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリス−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−〔4,4−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル〕−プロパンなどが挙げられる。
【0014】
これら分岐剤の含有量には特に制限はないが、成形加工性の面より、分岐状ポリカーボネート樹脂あたり0.01〜5.0重量%であることが好ましい。
【0015】
分岐状ポリカーボネート樹脂(A)の分子量には特に制限はないが、成形加工性の面より、メルトフローレイト(MFR)(300℃、1.2Kg荷重)が1.0〜20.0g/10分であることが好ましい。
【0016】
分岐状ポリカーボネート樹脂(A)は、従来公知の方法により製造することができる。たとえば、特開昭56−55328、特開昭58−23825、特開昭59−45318、特開昭59−133223、特開昭59−134742、特開昭62−10071、特開昭62−15223などに記載の方法が挙げられる。
【0017】
本発明にて使用される直鎖状ポリカーボネート樹脂(B)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)から製造された直鎖状ポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0018】
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、前述の分岐状ポリカーボネート樹脂(A)に使用される種々の化合物が同様に使用できる。
【0019】
直鎖状ポリカーボネート樹脂(B)の粘度平均分子量は、特に制限はないが、成形加工性、強度の面より通常10000〜100000、より好ましくは15000〜40000、さらに好ましくは17000〜28000の範囲である。また、かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
【0020】
また、直鎖状ポリカーボネート樹脂(B)の配合比率は分岐状ポリカーボネート樹脂(A)との配合において、0〜60重量%である。((A)+(B)=100重量%とする。)直鎖状ポリカーボネート樹脂(B)の配合比率が60重量%を超えると難燃性が低下するので好ましくない。
【0021】
本発明にて使用されるシリコーン化合物(C)は、主鎖が分岐構造でかつ有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなり、下記一般式(1)にて示される。
一般式(1)
【0022】
【化1】

【0023】
ここで、R1、R2およびR3は主鎖の有機官能基を、Xは末端の官能基を表わす。
すなわち、分岐単位としてT単位(RSiO1.5)および/またはQ単位(SiO2.0)を持つことを特徴とする。これらは全体のシロキサン単位(R3〜0SiO2〜0.5)の20モル%以上含有することが好ましい。(Rは有機官能基をあらわす。)また、シリコーン化合物(C)は、含有される有機官能基のうち芳香族基が20モル%以上であることが好ましい。
【0024】
この含有される芳香族基としては、フェニル、ビフェニル、ナフタレンまたはこれらの誘導体であるが、フェニル基が好適に使用できる。
【0025】
シリコーン化合物(C)中の有機官能基で、主鎖や分岐した側鎖に付いたもののうち芳香族基以外の有機基としては、炭素数4以下の炭化水素基が好ましく、メチル基が好適に使用できる。さらに、末端基はメチル基、フェニル基、水酸基の内から選ばれた1種またはこれらの2種から3種までの混合物であることが好ましい。
【0026】
シリコーン化合物(C)の平均分子量(重量平均)は、好ましくは3000〜500000であり、更に好ましくは5000〜270000である。3000未満であるとシリコーン自体の耐熱性が低下して十分な難燃性効果が得られず、さらに溶融粘度が低すぎて成形体表面にシリコーン化合物がブリードアウトして外観を損ねる場合があり、一方、500000を超えると溶融粘度が増加してポリカーボネート樹脂中の均一な分散ができず、難燃性および成形性が低下するため好ましくない。さらに好ましくは10000〜270000である。この範囲では溶融粘度が最適となるため、一層良好な難燃性と成形性を達成することができる。
【0027】
シリコーン化合物(C)の配合量は、分岐状ポリカーボネート樹脂(A)40〜100重量%および直鎖状ポリカーボネート樹脂(B)0〜60重量%からなる樹脂成分100重量部あたり、0〜4重量部である。配合量が4重量部を超えると充分な難燃効果が得られないので好ましくない。より好ましくは0.05〜1重量部の範囲である。
【0028】
本発明にて使用される有機金属塩(D)としては、芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸イミドの金属塩等があげられる。金属の種類としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。好適には、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフォンアミドのカリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3−3´−ジスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンジスルホン酸ナトリウム、パーフルオロプロパンジスルホンイミドカリウム塩、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドカリウム等が使用できる。とりわけ、パーフルオロブタンスルホン酸カリウムが好適に使用できる。
【0029】
有機金属塩(D)の配合量は、分岐状ポリカーボネート樹脂(A)40〜100重量%および直鎖状ポリカーボネート樹脂(B)0〜60重量%からなる樹脂成分100重量部あたり、0.2〜1.0重量部である。0.2重量部未満では難燃性が低下するので好ましくない。また、1重量部を超えると、フィルムの表面外観が悪化するので好ましくない。好ましくは0.3〜0.7重量部、より好ましくは0.4〜0.5重量部である。
【0030】
本発明の各種配合成分(A)、(B)、(C)、(D)の配合方法および溶融混練方法には特に制限はなく、任意の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等によりこれらを混合し、通常の単軸または二軸押出機等で溶融混練することができる。また、これら配合成分の配合順序や一括混合、分割混合を採用することについても特に制限はない。
【0031】
また、混合時、必要に応じて他の公知の添加剤、例えば離型剤、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、リン系熱安定剤、紫外線吸収剤、染顔料、展着剤(エポキシ化大豆油、流動パラフィン等)等を配合することができる。
【0032】
本発明の難燃性フィルムの製造方法としては、特に制限はなく、公知のTダイ押出成形法、カレンダー成形法等が用いられる。Tダイ押出成形法の場合、シリンダーやTダイの設定温度は250〜300℃の範囲が好ましい。
【実施例】
【0033】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。なお、部や%は特に断りのない限り重量基準に基づく。
【0034】
使用した配合成分の詳細は、以下のとおりである。
分岐状ポリカーボネート樹脂:
ダウ・ケミカル社製 カリバー600−3(粘度平均分子量:24000)
(以下、PC−1と略記)
直鎖状ポリカーボネート樹脂:
住友ダウ社製 カリバー200−3(粘度平均分子量:28000)
(以下、PC−2と略記)
【0035】
シリコーン化合物(以下Si難燃剤と略記):
シリコーン系難燃剤は、一般的な製造方法に従って製造した。すなわち、適量のジオルガノジクロロシラン、モノオルガノトリクロロシランおよびテトラクロロシラン、あるいはそれらの部分加水分解縮合物を有機溶剤中に溶解し、水を添加して加水分解して、部分的に縮合したシリコーン化合物を形成し、さらにトリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって重合を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離した。上記方法で合成したシリコーン系難燃剤の構造特性は、以下のとおり:
・主鎖構造のD/T/Q単位の比率:40/60/0(モル比)
・全有機官能基中のフェニル基の比率(*):60モル%
・末端基:メチル基のみ
・重量平均分子量(**):15000
*:フェニル基は、T単位を含むシリコーン中ではT単位にまず含まれ、残った場合がD単位に含まれる。D単位にフェニル基が付く場合、1個付くものが優先し、さらにフェニル基が残余する場合に2個付く。末端基を除き、有機官能基は、フェニル基以外は全てメチル基である。
**:重量平均分子量は、有効数字2桁。
【0036】
有機金属塩:(以下、金属塩と略記)
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム
【0037】
(難燃性評価)
得られた各種樹脂組成物のペレットをTダイ押出機(田辺プラスチック製単軸40mm押出機)で、溶融温度280℃の条件下にてフィルム(幅300mm、厚み0.10mm)を作成した。得られた試験片を用いて温度23℃、湿度50%の恒温室の中で72時間放置し、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価を行い、VTM−0またはVTM−1を合格とした。結果を表2〜表4に示す。なお、UL94の難燃性クラスは表1のとおり。
【0038】
【表1】

【0039】
残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の試験片が、有炎燃焼を続ける時間の長さであり、ドリップによる綿の着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。
【0040】
(外観評価)
作成したフィルムの外観を目視にて判定した。判定基準は以下のとおりである
良好:◎・・・・表面に発泡、ダイライン、筋状のマークの無いフィルム
普通:○・・・・表面に発泡、ダイライン、筋状のマークがほんの少しあるフィルム
劣る:×・・・・表面に発泡、ダイライン、筋状のマークが劣るフィルム
普通から良好を合格とした。
【0041】
【表2】

【0042】
【表3】

【0043】
樹脂組成物が本発明の構成要件を満足する場合(実施例1〜7)にあっては、全ての評価項目にわたり良好な結果を示した。
【0044】
一方、樹脂組成物が本発明の構成要件を満足しない場合においては、いずれの場合も何らかの欠点を有していた。
比較例1は、分岐状ポリカーボネート樹脂の配合比率が本発明の定める範囲よりも少ない場合であり、難燃性に劣っていた。
比較例2は、シリコーン化合物の配合量が本発明の範囲よりも多い場合であり、難燃性に劣っていた。
比較例3は、有機金属塩の配合量が本発明の定める範囲よりも少ない場合であり、難燃性に劣っていた。
比較例4は、有機金属塩の配合量が本発明の定める範囲よりも多い場合であり、外観に劣っていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分岐状ポリカーボネート樹脂(A)40〜100重量%および直鎖状ポリカーボネート樹脂(B)60〜0重量%からなる樹脂成分100重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(C)0〜4重量部および有機金属塩(D)0.2〜1重量部からなる樹脂組成物を成形してなる厚み150μm以下の難燃性フィルム。
【請求項2】
分岐状ポリカーボネート樹脂(A)の配合量が、20〜80重量%であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性フィルム。
【請求項3】
主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(C)の配合量が、分岐状ポリカーボネート樹脂(A)40〜100重量%および直鎖状ポリカーボネート樹脂(B)60〜0重量%からなる樹脂成分100重量部あたり、0.05〜1重量部であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性フィルム。
【請求項4】
有機金属塩(D)が、芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩およびパーフルオロアルカンスルホン酸イミドから選択される1種もしくはそれ以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性フィルム。
【請求項5】
有機金属塩(D)が、アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項4に記載の難燃性フィルム。
【請求項6】
厚みが50〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性フィルム。
【請求項7】
厚みが50μm以上100μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性フィルム。

【公開番号】特開2012−131842(P2012−131842A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282446(P2010−282446)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(396001175)住化スタイロンポリカーボネート株式会社 (215)
【Fターム(参考)】