説明

電力デマンド管理システム

【課題】本発明は、再生可能エネルギー発電装置や蓄電池などが導入された場合においても、正確に時限完了時デマンド値を予測することができる電力デマンド管理システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る電力デマンド管理システムが備えるデマンド値予測装置10は、受電部2で受電する電力量の積算値の変化量のみならず、再生エネルギー発電装置5で発電する電力量の積算値の変化量や蓄電池4で充放電する電力量の積算値の変化量をも考慮して、時限完了時デマンド値P’を予測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場やビルなどの設備に設置され、当該設備における電力デマンド値を予測する電力デマンド管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
工場などでの電気使用では、当該工場の会社が電力会社と最大使用電力量を取り決めて、電力料金の割引契約を締結している。その際に、最大使用電力量は少しでも小さい使用電力量値に設定され、割引契約における割引料金が多くなるようにすることが一般的である。
【0003】
工場では、最大使用電力量を超過することのないように、電力デマンド管理システムを設置し、時限完了時(時限はたとえば30分である)デマンド値を、終日常に予測している。そして、当該電力管理システムでは、時限完了時デマンド値の予測から、契約した最大使用電力量を超過する恐れが発生した時には、警報等を発し、工場における負荷への電力使用量を制御している。
【0004】
デマンド管理に関する従来技術として、たとえば特許文献1が存在する。特許文献1には、時限完了時デマンド値=現在の消費電力量の積算値+(ΔP/Δt)×時限完了までの残り時間、に基づいた、時限完了時デマンド値の予測が開示されている。ここで、ΔPは、予測時におけるΔtの間における電力会社から供給される電力量の積算値の変化量である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−63132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、現在のデマンド管理システムでは、電力会社から供給される電力量の積算値の変化量に基づいてのみ、時限完了時デマンド値を予測している。つまり、広域電力系統から供給される電力量の積算値の変化量のみに基づいて、時限完了時デマンド値を予測している。
【0007】
一方で、将来的には、省エネルギーの観点から、工場に、蓄電池や太陽電池などの再生可能エネルギー発電装置などの導入が進むことが予想される。ここで、再生可能エネルギー発電装置で発電された電力や蓄電池で充放電された電力は、急激に変化することが予測される。
【0008】
したがって、再生可能エネルギー発電装置や蓄電池などが導入されている状況において、従来のように、電力会社から供給される電力量の積算値の変化量のみに基づいて時限完了時デマンド値を予測していた場合には、正確な予測ができず、結果としてデマンドオーバが発生する可能性が高くなる。
【0009】
そこで、本発明は、再生可能エネルギー発電装置や蓄電池などが導入された場合においても、正確に時限完了時デマンド値を予測することができる電力デマンド管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明に係る電力デマンド管理システムは、負荷の使用が行われる設備に設置され、前記設備における電力デマンド管理を行う電力デマンド管理システムであって、広域電力系統から電力を受け、当該電力を前記設備における前記負荷に出力する受電部と、前記設備における前記負荷に供給する電力の発電を、自然現象を利用して行う再生可能エネルギー発電装置と、前記受電部における前記広域電力系統からの受電状況と前記再生エネルギー発電装置での発電状況とを監視し、時限完了時デマンド値を予測するデマンド予測装置とを、備えており、前記デマンド値予測装置は、前記受電部で受電する電力量の積算値の変化量と、前記再生エネルギー発電装置で発電する電力量の積算値の変化量とを用いて、前記時限完了時デマンド値を予測する。
【0011】
また、本発明に係る電力デマンド管理システムは、負荷の使用が行われる設備に設置され、前記設備における電力デマンド管理を行う電力デマンド管理システムであって、広域電力系統から電力を受け、当該電力を前記設備における前記負荷に出力する受電部と、電力を充電することができ、前記負荷へ電力を放電することができる蓄電池と、前記受電部における前記広域電力系統からの受電状況と前記蓄電池での充放電状況とを監視し、時限完了時デマンド値を予測するデマンド予測装置とを、備えており、前記デマンド値予測装置は、前記受電部で受電する電力量の積算値の変化量と、前記蓄電池で充放電する電力量の積算値の変化量とを用いて、前記時限完了時デマンド値を予測する。
【0012】
また、本発明に係る電力デマンド管理システムは、負荷の使用が行われる設備に設置され、前記設備における電力デマンド管理を行う電力デマンド管理システムであって、広域電力系統から電力を受け、当該電力を前記設備における前記負荷に出力する受電部と、前記設備における前記負荷に供給する電力の発電を、自然現象を利用して行う再生可能エネルギー発電装置と、電力を充電することができ、前記負荷への電力を放電することができる蓄電池と、前記受電部における前記広域電力系統からの受電状況と、前記再生エネルギー発電装置での発電状況と、前記蓄電池での充放電状況とを監視し、時限完了時デマンド値を予測するデマンド予測装置とを、備えており、前記デマンド値予測装置は、前記受電部で受電する電力量の積算値の変化量と、前記再生エネルギー発電装置で発電する電力量の積算値の変化量と、前記蓄電池で充放電する電力量の積算値の変化量とを用いて、前記時限完了時デマンド値を予測する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る電力デマンド管理システムでは、デマンド値予測装置は、受電部で受電する電力量の積算値の変化量と、再生エネルギー発電装置で発電する電力量の積算値の変化量および/または蓄電池で充放電する電力量の積算値の変化量とを用いて、時限完了時デマンド値を予測している。
【0014】
したがって、蓄電池や再生可能エネルギー発電装置などが導入された場合においても、本実施の形態に係る電力デマンド管理システムは、正確に時限完了時デマンド値を予測することができる。よって、デマンドオーバが発生するような事態も回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る電力デマンド管理システムの概略構成を示す図である。
【図2】デマンド予測装置10、受電部2、蓄電池4および再生可能エネルギー発電装置5が通信可能に接続されている構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る電力デマンド管理システムの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0017】
<実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る電力デマンド管理システムの構成を示す概略図である。
【0018】
当該電力デマンド管理システムは、電力供給を受けて稼働する複数の負荷3が使用される工場やビルなど(以下、当該複数の負荷3が使用される工場やビルなどの場所を「設備」と称する)において設置され、当該設備における電力デマンドの管理を行う。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係る電力デマンド管理システムは、デマンド予測装置10と、受電部2と、負荷3と、蓄電池4と再生可能エネルギー発電装置5とから構成されている。
【0020】
受電部2は、広域電力系統6(つまり電力会社)から供給される電力を受け、当該電力を設備における負荷3等に出力する。受電部2は、広域電力系統6と設備(図1では、工場を例示している)側の電力系統との境界となる。ここで、図1では、図面簡略化のため、負荷3は一つのみ図示しているが、工場などには、複数の負荷3が存在する。負荷3としては、生産ライン装置、測定装置、試験装置、空調装置、照明装置などがある。
【0021】
蓄電池4は、設備側の電力系統に設置される。当該蓄電池4は、受電部2から出力される電力や再生可能エネルギー発電装置5で発電され出力された電力を、充電することができる。また、蓄電池4は、電力を放電することにより、当該放電電力を負荷3に対して出力することもできる。なお、設備側に設置される蓄電池4の数は、1つに限らず複数であっても良い。
【0022】
再生可能エネルギー発電装置5は、設備側の電力系統に設置される。当該再生可能エネルギー発電装置5は、自然現象を利用した発電を行うことができる発電装置であり、たとえば太陽電池発電装置などがある。当該再生可能エネルギー発電装置5で発電された電力は、負荷3に対して出力され、また蓄電池4の充電にも寄与することもある。なお、設備側に設置される再生可能エネルギー発電装置5の数は、一つに限らず複数であっても良い。
【0023】
デマンド予測装置10は、設備側に設置され、図2に示すように、ネットワーク通信網を介して、受電部2、蓄電池4および再生可能エネルギー発電装置5などと、双方向通信可能に接続されている。当該デマンド予測装置10は、図2に示すネットワーク構成を利用して、受電部2における広域電力系統6からの受電状況と、再生エネルギー発電装置5での発電状況と、蓄電池4での充放電状況とを監視・管理している。なお、前記監視・管理を通じて、デマンド予測装置10は、負荷3の消費電力を監視・管理することもできる。そして、デマンド予測装置10は、当該監視・管理に基づいて時限完了時デマンド値を予測する。
【0024】
次に、デマンド予測装置10における、時限完了時デマンド値の予測方法を、図3を用いて説明する。
【0025】
本実施の形態では、デマンド時限を30分として説明する(この場合、30分毎の平均使用電力が契約電力量として契約の際に決定されており、工場における実際の時限完了時デマンド値が当該契約電力量を超えないようにする必要がある)。
【0026】
また、デマンド予測装置10は、常に時限完了時デマンド値を予測しているが、以下の説明では、一例として、時限未完了時点である時間tにおける時限完了時デマンド値を、予測する方法について説明する。つまり、図3に示すように、時間tは、時限開始時から測定時までの時間である。
【0027】
なお、図3の時間tまでの実線部分は、時間tまでの負荷3の消費電力量の積算値の推移を示している。また、図3の横軸は時間(分)であり、他方、図3の縦軸は電力量の積算値(KW)である。
【0028】
図2に示すネットワーク網を介して、デマンド予測装置10は、随時、受電部2で受電している電力の電力値、蓄電池4で充放電している電力の電力値、および再生可能エネルギー発電装置5で発電している電力の電力値を、受信しており、当該受信した各値を監視・管理している。これらの電力値の監視・管理から、デマンド予測値10は、負荷3の使用電力量の積算値も把握できる。
【0029】
さて、時間tにおいて、デマンド予測装置10は、受電部2で受電する電力量の積算値の変化量と、再生エネルギー発電装置5で発電する電力量の積算値の変化量と、蓄電池4で充放電する電力量の積算値の変化量とを用いて、時間tにおける時限完了時デマンド値P’を予測する。
【0030】
たとえば、まず、デマンド予測装置10は、予測時である時間tにおける負荷3の消費電力量の積算値Pを計算する。当該消費電力量の積算値Pの計算は、デマンド予測装置10が、常に、受電部2の受電状況、蓄電池4の充放電状況および再生可能エネルギー発電装置5の発電状況を監視・管理しているので、可能である。ここで、時間tと、当該時間tにおける消費電力量の積算値Pとは、図3に図示されている。
【0031】
また、デマンド予測装置10は、時間t−Δtから時間tまでの間における、負荷3における消費電力量の積算値の変化量ΔPを計算する。ここで「Δt」は、予め設定された微小な時間間隔である。
【0032】
ここで、本発明に係る時限完了時デマンド値P’の予測方法では、負荷3の消費電力量の積算値の変化量ΔPの計算において、受電部2で受電する電力量の積算値の変化量のみならず、蓄電池4で充放電する電力量の積算値の変化量および再生エネルギー発電装置5で発電する電力量の積算値の変化量をも用いる。
【0033】
たとえば、デマンド予測装置10は、時間tにおいて、Δt{=(t)−(t−Δt)}間における、(受電部2で受電する電力量の積算値の変化量ΔPx)+(再生エネルギー発電装置5で発電する電力量の積算値の変化量ΔPy)+(蓄電池4で充放電する電力量の積算値の変化量ΔPz)により、変化量ΔP(=ΔPx+ΔPy+ΔPz)を計算する。
【0034】
ここで、ΔPxは、P2t−P2t-Δtである。なお、P2tは、時間tにおいて受電部2が受電した電力量の積算値であり、P2t-Δtは、時間t−Δtにおいて受電部2が受電した電力量の積算値である。
【0035】
また、ΔPyは、P5t−P5t-Δtである。なお、P5tは、時間tにおいて再生エネルギー発電装置5が発電した電力量の積算値であり、P5t-Δtは、時間t−Δtにおいて再生エネルギー発電装置5が発電した電力量の積算値である。
【0036】
また、ΔPzは、P4t−P4t-Δtである。なお、P4tは、時間tにおいて蓄電池4が充放電した電力量の積算値であり、P4t-Δtは、時間t−Δtにおいて蓄電池4が充放電した電力量の積算値である。ここで、蓄電池4による放電は「プラス」であり、蓄電池4による充電は「マイナス」である。
【0037】
ここで、図3には、時間Δtおよび、時間tにおける時間Δtにおける消費電力量の積算値の変化量ΔPも図示されている。
【0038】
次に、デマンド予測装置10は、予測時である時間tにおける、時限完了までの残り時間を計算する。時限開始時から時限完了時までの時限Tは、上記説明では、30分としている。そこで、デマンド予測装置10は、(T−t)、つまり(30−t)分を計算する。
【0039】
そして、デマンド予測装置10は、P’=P+(ΔP/Δt)×(T−t)、を用いて、測定時である時間tにおける時限完了時デマンド値P’を予測する。なお、当該計算式の右辺の各項の値は、上記に示すように、デマンド予測装置10により予め計算されている。
【0040】
図3には、時間tにおける時限完了時デマンド値P’が図示されている。一方、図3には、目標デマンド値が予め設定されている。当該目標デマンド値は、上記契約電力量により決定される値である。
【0041】
なお、デマンド予測装置10には、表示部などが設けられており、上記計算式の結果である時限完了時デマンド値P’、当該計算式の各項の値および目標デマンド値などが表示されている。
【0042】
時間tにおける時限完了時デマンド値P’が、目標デマンド値超えたときには、デマンド予測装置10は警報を発し、ユーザに当該事項を通知する。当該警報を受けたユーザは、負荷3の切り離しや負荷3の使用電力の低減を図ることができる。
【0043】
これに対して、デマンド予測装置10において、時限完了時デマンド値P’が目標デマンド値に対して余裕のある値であることが表示等されている場合には、ユーザは、負荷3の投入や負荷3の使用電力の増加を実施することができる。
【0044】
また、時限(30分)の間において随時、上記計算が実施され、時限(30分)が経過すると、次の時限(30分)が開始され、当該次の時限(30分)の間において随時、上記計算が実施される。このように、時間は時限で分割され(各時限間は切れ目なく続く)、デマンド予測値装置10は、各時限において随時、時限完了時デマンド値P’の計算を実施する。そして、デマンド予測装置10は、当該計算結果と目標デマンド値との比較処理を行い、所定の警告や所定の表示を実行する。
【0045】
なお、上記説明では、設備において、蓄電池4および再生可能エネルギー発電装置5の両方が設置されている。しかしながら、設備において蓄電池4が設置されておらず再生可能エネルギー発電装置5のみが設置されている構成(前者構成)、または、設備において再生可能エネルギー発電装置5が設置されておらず蓄電池4のみが設置されている構成(後者構成)を採用しても構わない。
【0046】
当該前者構成の場合には、上記各計算において蓄電池4に関する事項(上記式において蓄電池4の項)は省略される。換言すれば、時限完了時デマンド値P’の予測において、蓄電池4での充放電による電力量の積算値の変化量は、常にゼロと扱われる。これに対して、当該後者構成の場合には、上記各計算において再生可能エネルギー発電装置5に関する事項(上記式において再生可能エネルギー発電装置5の項)は省略される。換言すれば、時限完了時デマンド値P’の予測において、再生可能エネルギー発電装置5での発電による電力量の積算値の変化量は、常にゼロと扱われる。
【0047】
以上のように、本実施の形態に係る電力デマンド管理システムでは、デマンド予測装置10は、広域電力系統6から受電する受電部2での電力量の積算値の変化のみならず、蓄電池4で充放電する電力量の積算値の変化量、および/または、再生可能エネルギー発電装置5で発電する電力量の積算値の変化量をも考慮して、時限完了時デマンド値P’の予想を行っている。
【0048】
したがって、蓄電池4や再生可能エネルギー発電装置5などが導入された場合においても、本実施の形態に係る電力デマンド管理システムは、正確に時限完了時デマンド値P’を予測することができる。よって、デマンドオーバが発生するような事態も回避することができる。
【0049】
なお、太陽電池などの再生可能エネルギー発電装置5は自然現象を利用した発電であるので、急激な発電状況の変化が起こる。また、蓄電池4の最近の性能を考慮すると、充放電の能力が向上しており短時間で多くの電力の充電・放電が可能である。したがって、再生可能エネルギー発電装置5における急激な電力変化量や蓄電池4における急激な電力変化量が予定されている状況では、本実施の形態に係る電力デマンド管理システムの効果はより有効である。
【0050】
また、再生可能エネルギー発電装置5での発電電力量を予測する外部システム(図示せず)が配設されており、デマンド予測装置10が、再生可能エネルギー発電装置5の予測発電電力量を、当該外部システムから通信ネットワークを介して受信する構成も考えられる。
【0051】
また、生産計画などから蓄電池4の充放電量が予め計画されており、当該蓄電池4の計画充放電電力量がデマンド予測装置10に予め設定されている構成も考えられる。
【0052】
上記のような各構成の場合には、デマンド予測装置10は、P’’=P+(ΔP/Δt)×(T−t)−{(T−t)間における再生エネルギー発電装置5での予測発電電力量}±{(T−t)間における蓄電池4での計画充放電電力量}を用いて、測定時である時間tにおける時限完了時デマンド値P’’を予測する。つまり、デマンド予測装置10は、時限までの残り時間での再生エネルギー発電装置5における予測発電電力量および時限までの残り時間での蓄電池4における計画充放電電力量をも考慮して、時限完了時デマンド値P’’を予測する。
【0053】
ここで、上式における「±{(T−t)間における蓄電池4での計画充放電電力量}」における、±の+は、蓄電池4の充電の場合であり、±の−は、蓄電池4の放電の場合である。また、上式における「P+(ΔP/Δt)×(T−t)」の各項は、時限完了デマンド値P’の予測式の各項と同じである。
【0054】
また、デマンド予測装置10が再生可能エネルギー発電装置5の予測発電電力量を外部システムから受信しているが、蓄電池4の計画充放電電力量がデマンド予測装置10に設定されていない構成も想定できる。このような構成の場合には、デマンド予測装置10は、P’’=P+(ΔP/Δt)×(T−t)−{(T−t)間における再生エネルギー発電装置5での予測発電電力量}を用いて、測定時である時間tにおける時限完了時デマンド値P’’を予測する。
【0055】
これに対して、また、蓄電池4の計画充放電電力量がデマンド予測装置10に予め設定されているが、デマンド予測装置10が再生可能エネルギー発電装置5の予測発電電力量を外部システムから受信しない構成も想定できる。このような構成の場合には、デマンド予測装置10は、P’’=P+(ΔP/Δt)×(T−t)±{(T−t)間における蓄電池4での計画充放電電力量}を用いて、測定時である時間tにおける時限完了時デマンド値P’’を予測する。
【符号の説明】
【0056】
2 受電部
3 負荷
4 蓄電池
5 再生可能エネルギー発電装置
6 広域電力系統
10 デマンド予測装置
P 予測時における負荷に供給されている電力量の積算値
P’,P’’ 時限完了時デマンド値の予測値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷の使用が行われる設備に設置され、前記設備における電力デマンド管理を行う電力デマンド管理システムであって、
広域電力系統から電力を受け、当該電力を前記設備における前記負荷に出力する受電部と、
前記設備における前記負荷に供給する電力の発電を、自然現象を利用して行う再生可能エネルギー発電装置と、
前記受電部における前記広域電力系統からの受電状況と前記再生エネルギー発電装置での発電状況とを監視し、時限完了時デマンド値を予測するデマンド予測装置とを、備えており、
前記デマンド値予測装置は、
前記受電部で受電する電力量の積算値の変化量と、前記再生エネルギー発電装置で発電する電力量の積算値の変化量とを用いて、前記時限完了時デマンド値を予測する、
ことを特徴とする電力デマンド管理システム。
【請求項2】
前記デマンド予測装置は、
次式に基づいて、前記時限完了時デマンド値を予測する、
P’=P+(ΔP/Δt)×(T−t)、
ここで、
P’は、前記時限完了時デマンド値の予測値である、
Pは、予測時における前記負荷に供給されている電力量の積算値である、
Δtは、予め設定された時間間隔である、
ΔPは、Δt間における、(前記受電部で受電する電力量の積算値の変化量)+(前記再生エネルギー発電装置で発電する電力量の積算値の変化量)である、
Tは、時限開始時から時限完了時までの時間である、
tは、時限開始時から予測時までの時間である、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力デマンド管理システム。
【請求項3】
前記デマンド予測装置は、
次式に基づいて、前記時限完了時デマンド値を予測する、
P’’=P+(ΔP/Δt)×(T−t)−{(T−t)間における前記再生エネルギー発電装置での予測発電電力量}、
ここで、
P’’は、前記時限完了時デマンド値の予測値である、
Pは、予測時における前記負荷に供給されている電力量の積算値である、
Δtは、予め設定された時間間隔である、
ΔPは、Δt間における、(前記受電部で受電する電力量の積算値の変化量)+(前記再生エネルギー発電装置で発電する電力量の積算値の変化量)である、
Tは、時限開始時から時限完了時までの時間である、
tは、時限開始時から予測時までの時間である、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力デマンド管理システム。
【請求項4】
負荷の使用が行われる設備に設置され、前記設備における電力デマンド管理を行う電力デマンド管理システムであって、
広域電力系統から電力を受け、当該電力を前記設備における前記負荷に出力する受電部と、
電力を充電することができ、前記負荷へ電力を放電することができる蓄電池と、
前記受電部における前記広域電力系統からの受電状況と前記蓄電池での充放電状況とを監視し、時限完了時デマンド値を予測するデマンド予測装置とを、備えており、
前記デマンド値予測装置は、
前記受電部で受電する電力量の積算値の変化量と、前記蓄電池で充放電する電力量の積算値の変化量とを用いて、前記時限完了時デマンド値を予測する、
ことを特徴とする電力デマンド管理システム。
【請求項5】
前記デマンド予測装置は、
次式に基づいて、前記時限完了時デマンド値を予測する、
P’=P+(ΔP/Δt)×(T−t)、
ここで、
P’は、前記時限完了時デマンド値の予測値である、
Pは、予測時における前記負荷に供給されている電力量の積算値である、
Δtは、予め設定された時間間隔である、
ΔPは、Δt間における、(前記受電部で受電する電力量の積算値の変化量)+(前記蓄電池で充放電する電力量の積算値の変化量)である、
Tは、時限開始時から時限完了時までの時間である、
tは、時限開始時から予測時までの時間である、
ことを特徴とする請求項4に記載の電力デマンド管理システム。
【請求項6】
前記デマンド予測装置は、
次式に基づいて、前記時限完了時デマンド値を予測する、
P’’=P+(ΔP/Δt)×(T−t)±{(T−t)間における前記蓄電池での計画充放電電力量}、
ここで、
P’’は、前記時限完了時デマンド値の予測値である、
Pは、予測時における前記負荷に供給されている電力量の積算値である、
Δtは、予め設定された時間間隔である、
ΔPは、Δt間における、(前記受電部で受電する電力量の積算値の変化量)+(前記蓄電池で充放電する電力量の積算値の変化量)である、
Tは、時限開始時から時限完了時までの時間である、
tは、時限開始時から予測時までの時間である、
±における+は、「充電」である、
±における−は、「放電」である、
ことを特徴とする請求項4に記載の電力デマンド管理システム。
【請求項7】
負荷の使用が行われる設備に設置され、前記設備における電力デマンド管理を行う電力デマンド管理システムであって、
広域電力系統から電力を受け、当該電力を前記設備における前記負荷に出力する受電部と、
前記設備における前記負荷に供給する電力の発電を、自然現象を利用して行う再生可能エネルギー発電装置と、
電力を充電することができ、前記負荷への電力を放電することができる蓄電池と、
前記受電部における前記広域電力系統からの受電状況と、前記再生エネルギー発電装置での発電状況と、前記蓄電池での充放電状況とを監視し、時限完了時デマンド値を予測するデマンド予測装置とを、備えており、
前記デマンド値予測装置は、
前記受電部で受電する電力量の積算値の変化量と、前記再生エネルギー発電装置で発電する電力量の積算値の変化量と、前記蓄電池で充放電する電力量の積算値の変化量とを用いて、前記時限完了時デマンド値を予測する、
ことを特徴とする電力デマンド管理システム。
【請求項8】
前記デマンド予測装置は、
次式に基づいて、前記時限完了時デマンド値を予測する、
P’=P+(ΔP/Δt)×(T−t)、
ここで、
P’は、前記時限完了時デマンド値の予測値である、
Pは、予測時における前記負荷に供給されている電力量の積算値である、
Δtは、予め設定された時間間隔である、
ΔPは、Δt間における、(前記受電部で受電する電力量の積算値の変化量)+(前記再生エネルギー発電装置で発電する電力量の積算値の変化量)+(前記蓄電池で充放電する電力量の積算値の変化量)である、
Tは、時限開始時から時限完了時までの時間である、
tは、時限開始時から予測時までの時間である、
ことを特徴とする請求項7に記載の電力デマンド管理システム。
【請求項9】
前記デマンド予測装置は、
次式に基づいて、前記時限完了時デマンド値を予測する、
P’’=P+(ΔP/Δt)×(T−t)−{(T−t)間における前記再生エネルギー発電装置での予測発電電力量}±{(T−t)間における前記蓄電池での計画充放電電力量}、
ここで、
P’’は、前記時限完了時デマンド値の予測値である、
Pは、予測時における前記負荷に供給されている電力量の積算値である、
Δtは、予め設定された時間間隔である、
ΔPは、Δt間における、(前記受電部で受電する電力量の積算値の変化量)+(前記再生エネルギー発電装置で発電する電力量の積算値の変化量)+(前記蓄電池で充放電する電力量の積算値の変化量)である、
Tは、時限開始時から時限完了時までの時間である、
tは、時限開始時から予測時までの時間である、
±における+は、「充電」である、
±における−は、「放電」である、
ことを特徴とする請求項7に記載の電力デマンド管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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