説明

電力制御装置、電力制御システム、電力制御プログラム、および、電力制御方法

【課題】 同種の複数の検知情報に基づいて、電気機器の電源供給を制御することが出来ない。
【解決手段】電力制御装置は、複数のセンサ、および、複数の電源タップと接続された電力制御装置であって、複数のセンサのうち同種の2つを含むセンサから検知情報とセンサ識別子を入力する受信手段と、入力した2つ以上の検知情報およびセンサ識別子に基づいて、複数の電源タップの何れかを選択して選択した電源タップに、電源タップが備えるプラグへの電源供給の有無を切り替える信号を出力する制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力制御装置、電力制御システム、電力制御プログラム、および、電力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一つの人感センサからの出力に基づいて、電気機器の制御信号を出力する制御装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、複数種のセンサから入力したセンサ情報から電気機器の使用状況を検知して記憶することが記載されている。また、同文献には、所定の電力量のパターンに基づいて各電気機器のON/OFF制御などを行うことも記載されている。
【0004】
特許文献3には、一つの赤外線センサの信号の変化によって、電気器具への電源を制御することが記載されている。
【0005】
特許文献4には、接続された家電機器の消費電力量を計測して、表示装置に送信する電力計測制御装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−309051号公報
【特許文献2】特開2001−54176号公報
【特許文献3】実開昭64−33683号公報
【特許文献4】特開2003−88004号公報
【特許文献5】特開2007−020310号公報
【特許文献6】特開2007−189794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献の技術は、いずれも、複数のセンサから同種の検知情報を入力しない。従って、同種の複数の検知情報に基づいて、電気機器の電源供給を制御することが出来ないという問題があった。
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するための、電力制御装置、電力制御システム、電力制御プログラム、および、電力制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電力制御装置は、複数のセンサ、および、複数の電源タップと接続された電力制御装置であって、前記複数のセンサのうち同種の2つを含むセンサから検知情報とセンサ識別子を入力する受信手段と、入力した2つ以上の前記検知情報および前記センサ識別子に基づいて、前記複数の電源タップの何れかを選択して選択した前記電源タップに、前記電源タップが備えるプラグへの電源供給の有無を切り替える信号を出力する制御手段を備える。
【0010】
本発明の電力制御プログラムは、複数のセンサ、および、複数の電源タップと接続されたコンピュータに、前記複数のセンサのうち同種の2つを含むセンサから検知情報とセンサ識別子を入力する受信処理と、入力した2つ以上の前記検知情報および前記センサ識別子に基づいて、前記複数の電源タップの何れかを選択して選択した前記電源タップに、前記電源タップが備えるプラグへの電源供給の有無を切り替える信号を出力する制御処理を実行させる。
【0011】
本発明の電力制御方法は、複数のセンサのうち同種の2つを含むセンサから検知情報とセンサ識別子を入力して、入力した2つ以上の前記検知情報および前記センサ識別子に基づいて、前記複数の電源タップの何れかを選択して選択した前記電源タップに、前記電源タップが備えるプラグへの電源供給の有無を切り替える信号を出力する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、同種の複数の検知情報に基づいて、電気機器の電源供給を制御することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1の実施形態にかかる電力制御システム10の全体構成を示す。
【図2】図2は、蓄積表40の構成を示す。
【図3】図3は、制御部33のフローチャート例である。
【図4】図4は、第2の実施形態にかかる電力制御システム10の全体構成を示す。
【図5】図5は、ルール表70の構成を示す。
【図6】図6は、第2の実施形態の制御部33のフローチャート例である。
【図7】図7は、電力制御装置30の基本的な構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、第1の実施形態にかかる電力制御システム10の全体構成を示す。本実施形態の電力制御システム10は、電力制御装置30、複数のセンサ20、電力供給源12(電源)、電気機器11を備える。電力制御装置30は、複数のセンサ20が出力する検知情報90に基づいて、電気機器11の電源供給の有/無(電源のON/OFF)を制御する。電力制御システム10は、適切な電源供給を制御することにより、省エネなどを実現するものである。
【0015】
複数のセンサ20は、例えば、住居内の複数の箇所に設置されて、設置箇所近傍の温度、湿度、照度、または、人の在/不在を検知して、検知情報90を電力制御装置30に無線通信で送信する。例えば、第1のセンサ21はリビングルームに、第2のセンサ22は寝室に設置されて、各々、人の在/不在を検知して、第1の検知情報91、第2の検知情報92を電力制御装置30に送信する。また、第3のセンサ23はリビングルームに、第4のセンサ24は戸外に設置されて、各々、温度を検知して、第3の検知情報93、第4の検知情報94を電力制御装置30に送信する。
【0016】
ここで、同種の測定値を報告する検知情報90は同種類の検知情報90である。例えば、第1の検知情報91、第2の検知情報92は、ともに人の在/不在を報告するものであり、同種類の検知情報90である。第3の検知情報93、第4の検知情報94は、ともに温度を報告するものであり、同種類の検知情報90である。第1の検知情報91、または、第2の検知情報92と、第3の検知情報93、または、第4の検知情報94とは異種類の検知情報90である。
【0017】
なお、同種の検知情報90を送信するセンサ20は、同種類のセンサ20とは限定されない。例えば、一つのセンサ20が第1の検知情報91と第3の検知情報93の異なる種類の検知情報90の両者を送信しても良い。
【0018】
各センサ20は、人の在/不在や温度などを検知して、検知情報90を送信するセンシング部26と、センサ20の一意な識別子であるセンサID25の格納域を備える。センサID25は、人の在/不在や温度などの情報と共に検知情報90に付加されて送信される。
【0019】
電力制御装置30は、例えば電力供給源12(電源)から供給される電気を、電気機器11に供給するか否かを切りかえる。電気機器11は、例えば、リビングルームなどに設置されたエアコン、ヒータである。
【0020】
電力制御装置30は、受信部31、表示部32、制御部33、時計34、スイッチ35、測定部36、プラグ37、蓄積表40、電源状態格納域50を包含する。
【0021】
受信部31は、センサ20から送信される検知情報90及びセンサID25を無線で受信して、制御部33に出力する。プラグ37は、電気機器11の接続口であり、例えば、電源コンセントである。測定部36は、通過する電気の電力(現在値及び累積値)を測定する。測定部36は、例えば電力計である。
【0022】
スイッチ35は、制御部33から入力した電源供給の有無切りかえ信号に従って、電力供給源12と測定部36、プラグ37、電気機器11との間の接続のON/OFFを切りかえる。電源供給の有無切りかえ信号は、ONからOFFへの切りかえを指示する場合と、OFFからONへの切りかえを指示する場合がある。
【0023】
制御部33は、受信部31から複数の同種類、異種類の検知情報90を入力して、当該データに基づいて、電源供給の有無切りかえ信号をスイッチ35に出力する。
【0024】
制御部33や受信部31は、コンピュータ19である電力制御装置30のプロセッサーが図示しない主記憶装置に格納されている電力制御プログラム39を読み込んで、図示しない通信制御装置などを利用して、実行することで機能する。ハードウェアが、同等な機能を実現していてもよい。
【0025】
蓄積表40、電源状態格納域50は、図示しない主記憶装置やディスク装置などに設置されたデータの格納域である。蓄積表40は、当初、データを格納していない。電力制御システム10の運転中に、制御部33が、蓄積表40にデータを蓄えて表示部32に表示する。電源状態格納域50は、電源供給の有無を区別する情報を格納する。その初期値は、スイッチ35の初期状態に合わせて設定されている。
【0026】
図2は、蓄積表40の構成を示す。蓄積表40は、日時45、検知情報90、切りかえ情報46、電力値47、電力量48を包含する。検知情報90は、全てのセンサ20の検知情報90を包含する。蓄積表40には、例えばスイッチ35の切りかえが発生するたびにデータが格納される。切りかえ情報46は、スイッチ35の切りかえ方向(ONからOFFへの切りかえ、または、OFFからONへの切りかえ)の区別情報が格納される。
【0027】
図3は制御部33のフローチャート例である。制御部33は、例えば、定期的に、または、検知情報90に変化が有ったときに本処理を行う。
【0028】
制御部33は、受信部31から検知情報90及びセンサID25を入力して、センサID25に基づいて第1の検知情報91と第2の検知情報92を選択して取得する(S11)。即ち、同部は、第1のセンサ21のセンサID25が付加されている検知情報90を、第1の検知情報91として選択する。同部は、第2のセンサ22のセンサID25が付加されている検知情報90を、第2の検知情報92として選択する。
【0029】
両検知情報90が共に「人の不在」を示している場合(S12でY)、同部は、住居は留守であると判断する。
【0030】
制御部33は、留守であって、電源状態格納域50が電源供給有りを示している(S13でY)と、電源供給を無くす。電源状態格納域50が電源供給無しを示している(S13でN)と、同部は何もしないで処理を終了する。
【0031】
電源供給を無くす際、同部は、蓄積表40にデータを格納する(S14)。具体的には同部は、時計34を読み込んで日時45に格納する。更に同部は、ONからOFFへの切りかえである旨を切りかえ情報46に格納する。また、同部は、受信部31から入力した各検知情報90と、測定部36から入力した電力値47、電力量48を蓄積表40に格納する。
【0032】
制御部33は、スイッチ35に、電源供給を無しにする切りかえ信号を出力して、電源供給を停止(OFFに)する。同時に、同部は、電源状態格納域50に電源供給無し(OFF)を示す情報を格納する(S15)。
【0033】
最後に、制御部33は、蓄積表40のデータを読み込んで、時系列データとして表示部32に表示する(S16)。同部は、蓄積表40のデータを全て表示しても良いし、日時45、検知情報90等を基準に、選択して表示しても良い。
【0034】
両検知情報90のいずれかが「人の存在」を示している場合(S12でN)、制御部33は、住居に人がいる、即ち在宅であると判断する。
【0035】
制御部33は、在宅であって、電源状態格納域50が電源供給無しを示している(S17でY)と、電源供給を有りにするかを判断する。電源状態格納域50が電源供給有りを示している(S17でN)と、同部は何もしないで処理を終了する。
【0036】
電源供給を有りにするかを判断する際、同部は、受信部31から検知情報90及びセンサID25を入力して、センサID25に基づいて第3の検知情報93と第4の検知情報94を選択して取得する(S18)。そして、同部は、両検知情報90の温度差を計算する(S19)。
【0037】
当該温度差が一定値以上である(S1AでY)場合、同部は、電源供給を有りにする。例えば、リビングルームと戸外の温度差が一定以上である場合に、エアコンを動作させる場合がこれに該当する。当該温度差が一定値以上ない(S1AでN)場合、同部は何もしないで処理を終了する。
【0038】
電源供給を有りにする際、同部は、蓄積表40にデータを格納する(S1B)。具体的には同部は、時計34を読み込んで日時45に格納する。更に同部は、OFFからONへの切りかえである旨を切りかえ情報46に格納する。また、同部は、受信部31から入力した各検知情報90を蓄積表40に格納する。同部は、電力値47、電力量48にはNullを設定する。
【0039】
制御部33は、スイッチ35に、電源供給を有りにする為の切りかえ信号を出力して、電源供給を開始(ONに)する。同時に、同部は、電源状態格納域50に電源供給有り(ON)を示す情報を格納する(S1C)。
【0040】
その後、制御部33は、蓄積表40のデータを読み込んで、表示部32に表示して(S16)、処理を終了する。
【0041】
本実施形態の電力制御システム10は、複数箇所の同種の検知情報90に基づいて、電気機器11の電源供給を制御することを可能とする。制御部33が、複数のセンサ20から同種類の検知情報90を入力して、それらに基づいて電力の供給の有無を切りかえるからである。
【0042】
更に、制御目的に応じて、当該複数のセンサ20を最適な場所に配置することが可能である。複数のセンサ20と電力制御装置30が無線で検知情報90を通信する為、配線による設置場所の制約が少ないからである。
【0043】
更に、本実施形態の電力制御システム10は、使用者に消費電力を通知して、省エネの意識を向上させることが出来る。電力制御装置30が、蓄積表40のデータを表示部32に表示するからである。
【0044】
なお、センサ20の設置場所の問題がなければ、センサ20と電力制御装置30との通信をLAN(Local Area Network)等の有線通信経由で行っても良い。
【0045】
さらに、電力制御装置30が、消費電力を通知することをやめても良い。この場合、電力制御装置30を低コストで、小型化して構成することが可能となる。電力制御装置30は、表示部32、測定部36、蓄積表40を備える必要がないからである。
【0046】
なお、複数のセンサ20の検知情報90の利用法は上記に限られない。例えば、制御部33は、人の在/不在を検知情報90の多数決で決定しても良い。例えば、リビングルームに5〜6個のセンサ20を適宜離して設置することで、制御部33は、正確な人の在/不在を判定できる。
【0047】
本実施形態において、電力制御装置30の形状をいわゆる電源タップの形状に構成しても良い。このように構成することで電源制御装置30が使いやすくなる。電源タップに代えて電源制御装置30を設置できるようになり、省エネなどを目的として、わざわざ専用の電源制御装置30を設置する必要がなくなるからである。
【0048】
図4は、第2の実施形態にかかる電力制御システム10の全体構成を示す。特に言及しない限り、本実施形態の電力制御システム10は、第1の実施形態と同じである。
【0049】
本実施形態では、スイッチ35、測定部36、プラグ37は、電力制御装置30から取り出されて、電力制御装置30とは別の電源タップ80内に存在する。本実施形態では、電源タップ80は複数台存在しても良い。各電源タップ80は、各々一意の識別子であるタップID82を有する。
【0050】
本実施形態の電力制御装置30は、第1の実施形態の電力制御装置30に比べて、スイッチ35、測定部36、プラグ37を備えていない。本実施形態の電力制御装置30は、第1の実施形態の電力制御装置30に比べて、通信部38とルール表70を追加的に備える。さらに、本実施形態の電力制御装置30は、蓄積表40と電源状態格納域50を、各電源タップ80(即ち、タップID82)対応に備えている。本実施形態の電力制御装置30は、端末13と接続されていても良い。
【0051】
本実施形態に於いて、制御部33は、受信部31から入力した複数の同種類、異種類の検知情報90とルール表70に基づいて、電源供給の有無切りかえ信号と制御対象に選択したタップID82を、通信部38に出力する。通信部38は、制御部33の出力を、電源タップ80に向けて無線で送信する。
【0052】
また、制御部33は、通信部38から測定部36の出力値(電力値47、電力量48)を入力する。この値は、通信部38が電源タップ80から無線で受信したものである。
【0053】
電源タップ80は、スイッチ35、測定部36、プラグ37に加えて、管理部81を包含する。管理部81はタップID82を記憶する。
【0054】
管理部81は、電力制御装置30の通信部38から信号を受信する。管理部81は、受信した信号のタップID82が自身のものと一致するときに、受信した信号の電源供給の有無切りかえ信号をスイッチ35に出力する。また、管理部81は、測定部36の出力値(電力値47、電力量48)に、タップID82を付加して、電力制御装置30の通信部38に無線で送信する。
【0055】
図5はルール表70の構成を示す。ルール表70は図示しない主記憶装置またはディスク装置上に設置されたデータベースである。ルール表70は、ルールID71、条件72、動作指示73を包含する。ルールID71は、例えば1から始まる連番である。
【0056】
条件72と動作指示73の組み合わせ(ルール)は、例えば以下のものである。
【0057】
1)第1の検知情報91および第2の検知情報92が人の存在検知、かつ、タップID82=1の電源タップ80に対応する電源状態格納域50が電源供給無しを示し、かつ、第3の検知情報93および第4の検知情報94が示す温度差が所定値以上であれば、タップID82=1の電源タップ80を電源供給有りにせよ。
【0058】
2)第1の検知情報91または第2の検知情報92が不在、かつ、タップID82=1の電源タップ80に対応する電源状態格納域50が電源供給有りを示すとき、タップID82=1の電源タップ80を電源供給無しにせよ。
【0059】
条件72は、単一の検知情報90のみ、または、同種類または異種類の任意の組み合わせで複数の検知情報90を含んでも良い。動作指示73は、複数の電源タップ80を含んでいても良い。
【0060】
図6は、第2の実施形態の制御部33のフローチャート例である。
【0061】
制御部33は、受信部31から検知情報90及びセンサID25を入力した(S21)後、制御変数nに1を設定する(S22)。
【0062】
ルールID71=nの条件72が成立すると(S23でY)、制御部33は対応する動作指示73を取得する(S24)。
【0063】
動作指示73が電源供給を無くすものであれば(S24でOFF)、制御部33は、動作指示73から、電源タップ80の選択情報としてタップID82を取り出す(S25)。そして、同部は、当該タップID82対応の蓄積表40にデータを格納する(S26)。
【0064】
具体的には同部は、時計34を読み込んで日時45に格納し、ONからOFFへの切りかえである旨を切りかえ情報46に格納する。また、同部は、受信部31から入力した各検知情報90を蓄積表40に格納する。更に、同部は、通信部38から入力した各電力値47及び電力量48から、選択情報として取り出したタップID82と一致するタップID82が付加された電力値47、電力量48を取り出して蓄積表40に格納する。さらに同部は、ルールID71を蓄積表40に格納しても良い。
【0065】
制御部33は、通信部38に、タップID82と電源供給を無しにする切りかえ信号を出力して、電源供給を停止する。同時に、制御部33は、タップID82対応の電源状態格納域50に電源供給無しを示す情報を格納する(S27)。
【0066】
動作指示73が複数のタップID82を含んでいる場合、制御部33は、全ての電源タップ80に対する処理が終了する(S28でY)までS24からの処理を繰り返す。
【0067】
動作指示73が電源供給を有りにするものであれば(S24でON)、制御部33は、動作指示73から、電源タップ80の選択情報としてタップID82を取り出す(S29)。そして、同部は、当該タップID82対応の蓄積表40にデータを格納する(S2A)。
【0068】
具体的には同部は、時計34を読み込んで日時45に格納する。更に同部は、OFFからONへの切りかえである旨を切りかえ情報46に格納する。また、同部は、受信部31から入力した各検知情報90を蓄積表40に格納する。同部は、電力値47、電力量48にはNullを設定する。さらに同部は、ルールID71を蓄積表40に格納しても良い。
【0069】
制御部33は、通信部38に、タップID82と電源供給を有りにする為の切りかえ信号を出力して、電源供給を開始する。同時に、制御部33は、タップID82対応の電源状態格納域50に電源供給有りを示す情報を格納する(S2B)。
【0070】
動作指示73が複数のタップID82を含んでいる場合、制御部33は、全ての電源タップ80に対する処理が終了する(S28でY)までS24からの処理を繰り返す。全ての電源タップ80に対する処理終了時(S28でY)、同部は、蓄積表40のデータを読み込んで、時系列データとして表示部32に表示して(S2E)、処理を終了する。
【0071】
動作指示73が次ルールを評価するものであれば(S24で次ルール)、制御部33は、制御変数nの値を1加算して(S2D)、条件72の評価(S23)に戻る。
【0072】
ルールID71=nの条件72が成立しないとき(S23でN)、全ルールの評価が完了したかを判断して、完了していれば(S2CでY)処理を終了し、完了していなければ(S2CでN)次のルールの条件72の評価(S2D、S23)を行う。
【0073】
なお、制御部33は、端末13からルール表70の編集指示を入力した場合、ルール表70の内容を端末13に送信して表示し、変分情報を端末13から入力し、それに基づいてルール表70を更新しても良い。
【0074】
本実施形態の電力制御システム10は、多数の電気機器11を低コストで制御できる。一台の電力制御装置30が、複数の電源タップ80を個別に制御するからである。また、本実施形態の電力制御システム10は、多数の電気機器11を柔軟に制御できる。電力制御装置30が、ルール表70に基づいて、各電源タップ80を個別に制御するからである。本実施形態の電力制御システム10は、環境の変化に適応した制御が出来る。管理者が、端末13から適宜ルール表70の内容を編集可能だからである。また、管理者が、センサ20を追加して、それに伴うルールをルール表70に追加できるからである。
【0075】
第3の実施形態にかかる電力制御システム10では、ルール表70にルール毎の適用時間を追加する。適用時間は、当該ルールの適用される時間範囲(例えば、9:00から17:00、等)を格納する。本実施形態の制御部33は、時計34が示す現時刻が、当該ルールの適用時間の範囲内である場合のみ、条件72の成立を判断する(図6のS23)。範囲外の時は、条件72の成立判断はせず、条件72は不成立である(図6のS23でN)とする。
【0076】
本実施形態の電力制御システム10は、時間に依存して柔軟な制御が可能となる。制御部33が、時刻によって適用ルールを変更するからである。なお、ルール表70は、適用時間加えて、他のスケジュール指定(曜日、日付など)を包含しても良い。
【0077】
図7は、電力制御装置30の基本的な構成を示す。同図によれば、電力制御装置30は、第1のセンサ21から第1の検知情報91を、第2のセンサ22から第1の検知情報91と同種類の第2の検知情報92を入力する受信部31を備える。また、電力制御装置30は、第1の検知情報91と第2の検知情報92の両者に基づいて、電気機器11への電源供給の有無切りかえ信号をスイッチ35に出力する制御部33を備える。
【符号の説明】
【0078】
10 電力制御システム
11 電気機器
12 電力供給源
13 端末
19 コンピュータ
20 センサ
21 第1のセンサ
22 第2のセンサ
23 第3のセンサ
24 第4のセンサ
25 センサID
26 センシング部
30 電力制御装置
31 受信部
32 表示部
33 制御部
34 時計
35 スイッチ
36 測定部
37 プラグ
38 通信部
39 電力制御プログラム
40 蓄積表
45 日時
46 切りかえ情報
47 電力値
48 電力量
50 電源状態格納域
70 ルール表
71 ルールID
72 条件
73 動作指示
80 電源タップ
81 管理部
82 タップID
90 検知情報
91 第1の検知情報
92 第2の検知情報
93 第3の検知情報
94 第4の検知情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサ、および、複数の電源タップと接続された電力制御装置であって、
前記複数のセンサのうち同種の2つを含むセンサから検知情報とセンサ識別子を入力する受信手段と、
入力した2つ以上の前記検知情報および前記センサ識別子に基づいて、前記複数の電源タップの何れかを選択して選択した前記電源タップに、前記電源タップが備えるプラグへの電源供給の有無を切り替える信号を出力する制御手段を備える、電力制御装置。
【請求項2】
前記受信手段が入力した2つ以上の検知情報およびセンサ識別子が満たすべき条件と、当該条件に於いて選択すべき電源タップを特定する動作指示を対応させたルールを格納するルール表をさらに備え、
前記制御手段は、入力した2つ以上の前記検知情報および前記センサ識別子に基づいて、前記ルール表から何れかの前記ルールを選択し、選択された前記ルールの前記動作指示に基づいて、前記複数の電源タップのいずれかを選択する、請求項1の電源制御装置。
【請求項3】
前記ルールの前記条件は、前記複数の電源タップの何れかの電源供給の有無状態を包含し、
前記制御手段は、入力した2つ以上の前記検知情報および前記センサ識別子、並びに、前記条件で指定される前記電源タップの電源供給の有無状態に基づいて、前記ルール表から前記ルールを選択する、請求項2の電源制御装置。
【請求項4】
前記条件は、第1の種類の複数のセンサおよび第2の種類の複数のセンサについての、組み合わせ条件を包含する、請求項2または3の電源制御装置。
【請求項5】
前記複数のセンサ、および、前記複数の電源タップとの接続は、無線通信で行われている請求項1乃至4の何れかの電力制御装置。
【請求項6】
前記複数のセンサ、および、前記複数の電源タップと、請求項1乃至5の何れかの電力制御装置を包含する電力制御システム。
【請求項7】
複数のセンサのうち同種の2つを含むセンサから検知情報とセンサ識別子を入力して、
入力した2つ以上の前記検知情報および前記センサ識別子に基づいて、前記複数の電源タップの何れかを選択して選択した前記電源タップに、前記電源タップが備えるプラグへの電源供給の有無を切り替える信号を出力する、電力制御方法。
【請求項8】
前記受信部が入力した2つ以上の検知情報およびセンサ識別子が満たすべき条件と、当該条件に於いて選択すべき電源タップを特定する動作指示を対応させたルールをルール表に記憶し、
入力した2つ以上の前記検知情報および前記センサ識別子に基づいて、前記ルール表から何れかの前記ルールを選択し、選択された前記ルールの前記動作指示に基づいて、前記複数の電源タップのいずれかを選択する、請求項7の電源制御方法。
【請求項9】
複数のセンサ、および、複数の電源タップと接続されたコンピュータに、
前記複数のセンサのうち同種の2つを含むセンサから検知情報とセンサ識別子を入力する受信処理と、
入力した2つ以上の前記検知情報および前記センサ識別子に基づいて、前記複数の電源タップの何れかを選択して選択した前記電源タップに、前記電源タップが備えるプラグへの電源供給の有無を切り替える信号を出力する制御処理を実行させる、電力制御プログラム。
【請求項10】
前記コンピュータに、前記受信処理で入力した2つ以上の検知情報およびセンサ識別子が満たすべき条件と、当該条件に於いて選択すべき電源タップを特定する動作指示を対応させたルールをルール表に記憶する処理と、
入力した2つ以上の前記検知情報および前記センサ識別子に基づいて、前記ルール表から前記ルールの何れかを選択し、選択された前記ルールの前記動作指示に基づいて、前記複数の電源タップのいずれかを選択する前記制御処理を実行させる、請求項9の電源制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−75321(P2012−75321A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−26(P2012−26)
【出願日】平成24年1月4日(2012.1.4)
【分割の表示】特願2008−71514(P2008−71514)の分割
【原出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】