説明

電力系統の位相角差検出装置

【課題】複雑な計算を伴うことなく容易に電力系統の任意のノード間の電圧位相角差を精度良く検出できる電力系統の位相角差検出装置を提供することである。
【解決手段】電力系統の所定箇所における電圧または電流の位相角情報を検出する端末装置12は、電力系統の所定箇所における三相電圧または三相電流の正相成分を求める正相成分算出手段18と、正相成分の零クロス点を検出するPLL回路19と、正相成分の零クロス点の時刻をIEEE1588を用いて電力系統状態推定サーバー11に搭載された時計手段の時刻に同期させる時刻同期手段20と、同期が取られた零クロス点の時刻を位相角情報としてネットワーク13を介して電力系統状態推定サーバー11に送信する通信手段21とを有し、電力系統状態推定サーバー11は端末装置12から受信した電力系統の2点間の零クロス点の時間差に基づいて電力系統の位相角差を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統の任意の母線間の位相角差を検出する電力系統の位相角差検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力ネットワークの潮流状態を把握するためには、母線電圧の大きさと位相とが必要である。潮流状態を把握したい箇所に母線電圧の大きさや位相を測定する測定器が設置されている場合には、測定器で母線電圧の大きさと位相とを測定すればよいが、潮流状態を把握したい箇所に測定器が設置されていない場合には、推定計算して求めなければならない。
【0003】
電力系統の潮流を推定計算する際には、電力系統に設置された設備のデータ(例えば、変圧器や調相設備のデータ)、電力系統に設置された電圧計や電流計等の計測器で計測された計測データ、電力系統の設備の状態信号(例えば開閉器等の入切信号)を入力し、系統モデルを用いて、電力系統の母線や発電機をノードとし、電力系統の変圧器や送電線をブランチとして、ノードやブランチにおける有効電力や無効電力を推定計算している。また、ノードにおいては、有効電力や無効電力に加え電圧や位相角も推定計算している。
【0004】
電力系統の任意のブランチの潮流を把握するには、すべてのノードの電圧の大きさ及び位相角差が必要となる。一方、ある程度のブランチの潮流やノードの電圧の大きさから任意のノード間の位相角差を求めることができる状態推定計算法も存在する。電圧が定格から大きくずれたり送電損失が無視できない場合であっても、直流法潮流計算を用いて電力系統各部での位相角差を精度良く計算できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、GPS信号を利用して、電力ネットワークの全体の絶対時間を定義して、位相を直接観測するPMU(Phasor Measurement Unit)が市販されている。すなわち、電力ネットワークの各部で検出した位相を絶対時間で時間合わせし、2点間の位相角差を求めるので、潮流計算や状態推定計算の精度を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−33848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のものでは、直流法潮流計算を用いて電力系統各部での位相角差を計算するものであるので複雑な計算が必要となる。また、PMUを採用した場合には、電力ネットワークの全体の絶対時間を定義して位相を直接観測するので精度はよいが、GPS信号を受信してGPS信号に基づく時間合わせの処理をし、測定した位相データに時間情報を付与して伝送しなければならない。
【0008】
本発明の目的は、複雑な計算を伴うことなく容易に電力系統の任意のノード間の電圧位相角差を精度良く検出できる電力系統の位相角差検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明に係る電力系統の位相角差検出装置は、電力系統の所定箇所における電圧または電流の位相角情報を検出する端末装置と、前記端末装置で検出された位相角情報を通信ネットワークを介して受信しその差分を前記電力系統の任意のノード間の位相角差として求める電力系統状態推定サーバーとを備え、前記端末装置は、電力系統の所定箇所における三相電圧または三相電流の正相成分を求める正相成分算出手段と、前記正相成分算出手段で得られた正相成分の零クロス点を検出するPLL回路と、前記PLL回路で検出された前記零クロス点の時刻をIEEE1588を用いて前記電力系統状態推定サーバーに搭載された時計手段の時刻に同期させる時刻同期手段と、前記PLL回路で検出され前記時刻同期手段で同期が取られた前記零クロス点の時刻を位相角情報として前記ネットワークを介して前記電力系統状態推定サーバーに送信する通信手段とを有し、前記電力系統状態推定サーバーは前記端末装置から受信した電力系統の任意のノード間の前記零クロス点の時間差に基づいて電力系統の位相角差を求めることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明に係る電力系統の位相角差検出装置は、電力系統の所定箇所における電圧または電流の位相角情報を検出する端末装置と、前記端末装置で検出された位相角情報を通信ネットワークを介して受信しその差分を前記電力系統の任意のノード間の位相角差として求める電力系統状態推定サーバーとを備え、前記端末装置は、電力系統の所定箇所における三相電圧または三相電流の正相成分を求める正相成分算出手段と、電力系統の所定箇所における三相電圧または三相電流の逆相成分を求める逆相成分算出手段と、電力系統の所定箇所における三相電圧または三相電流の零相成分を求める零相成分算出手段と、前記正相成分算出手段で得られた正相成分の零クロス点を検出する正相用PLL回路と、前記逆相成分算出手段で得られた逆相成分の零クロス点を検出する逆相用PLL回路と、前記零相成分算出手段で得られた零相成分の零クロス点を検出する零相用PLL回路と、前記正相用PLL回路、逆相用PLL回路及び前記零相用PLL回路で検出された前記零クロス点の時刻をIEEE1588を用いて前記電力系統状態推定サーバーに搭載された時計手段の時刻に同期させる時刻同期手段と、前記正相用PLL回路、前記逆相用PLL回路及び前記零相用PLL回路で検出され前記時刻同期手段で同期が取られた前記零クロス点の時刻を位相角情報として前記ネットワークを介して前記電力系統状態推定サーバーに送信する通信手段とを有し、前記電力系統状態推定サーバーは、前記端末装置から受信した電力系統の任意のノード間における前記零クロス点の時間差に基づいて電力系統の位相角差を求めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、端末装置は、電力系統の所定箇所における三相電圧または三相電流の正相成分の零クロス点を検出し、その零クロス点の時刻をIEEE1588を用いて電力系統状態推定サーバーの時刻に同期させるので、電力系統の各所における同時刻の位相を容易に取得することができる。また、端末装置から電力系統状態推定サーバーに送信する位相角情報は零クロス点の時刻だけでよいので伝送情報が軽減される。また、電力系統状態推定サーバーは端末装置から受信した電力系統の任意のノード間の零クロス点の時間差に基づいて電力系統の位相角差を求めるので演算が軽減される。
【0012】
請求項2の発明によれば、端末装置は、正相成分の零クロス点だけでなく、逆相成分及び零相成分の零クロス点の時刻を電力系統状態推定サーバーに送信するので、電力系統状態推定サーバーは潮流計算だけでなく電力品質の評価もできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る電力系統の位相角差検出装置の構成図。
【図2】本発明の実施の形態における端末装置の一例の構成図。
【図3】本発明の実施の形態におけるPLL回路の出力波形の一例を示す波形図。
【図4】本発明の実施の形態における電力系統状態推定サーバーで位相角差を求める説明図。
【図5】本発明の実施の形態における端末装置の他の一例の構成図。
【図6】本発明の実施の形態における端末装置の別の他の一例の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係る電力系統の位相角差検出装置の構成図である。
【0015】
電力系統の位相角差検出装置は、電力系統状態推定サーバー11と複数個の端末装置12とがネットワーク13を介して接続されて構成される。端末装置12は電力系統14の潮流状態を把握したい所定箇所に設置され、例えば、電力系統の発電機が接続される母線や変圧器が接続される母線などに設置される。各々の端末装置12は、設置箇所おける電圧または電流の位相角を検出し、電圧または電流の大きさ及び位相角情報をネットワーク13を介して電力系統状態推定サーバー11に送信する。位相角情報は、三相電圧または三相電流の正相成分の零クロス点の時刻である。これについては後述する。電力系統状態推定サーバー11は、ネットワーク13を介して位相角情報を受信し、その位相角情報の差分を電力系統の2点間の位相角差として求める。
【0016】
図2は本発明の実施の形態における端末装置12の一例の構成図である。端末装置12は設置された箇所の三相電圧または三相電流を入力し位相角情報を得るものであるが、図2では三相電圧を入力して位相角情報を得る場合を示している。
【0017】
端末装置12が設置された箇所には、三相電圧を検出するU相電圧検出器15、V相電圧検出器16、W相電圧検出器17が設けられている。U相電圧検出器15で検出されたU相電圧Vu、V相電圧検出器16で検出されたV相電圧Vv、W相電圧検出器17で検出されたW相電圧Vwは、正相成分算出手段18に入力される。
【0018】
正相成分算出手段18は、U相電圧Vu、V相電圧Vv、W相電圧Vwの正相成分V1を算出するものであり、正相成分V1は(1)式で求められる。
【0019】
V1=(1/3)・(Vu+aVv+aVw) …(1)
正相成分算出手段18で得られた正相成分V1はPLL回路(Phase-locked loop回路)19に入力され、正相成分の零クロス点が検出される。PLL回路19は位相同期回路であり、入力される周期的な信号を元にフィードバック制御を加えて、別の発振器から位相の同期した信号を出力する回路である。
【0020】
すなわち、PLL回路19は、正相成分V1(正弦波電圧)の零クロス点を検出するもので、PLL回路19の出力は、図3に示すように、正弦波の正相成分V1の零クロス点間で同期するのこぎり波状の出力となる。PLL回路19の出力は時刻同期手段20に入力される。
【0021】
時刻同期手段20は、端末装置12の時刻をIEEE1588を用いて電力系統状態推定サーバー11に搭載された時計手段の時刻に同期を図るものであり、PLL回路19で検出された零クロス点の時刻T1(j)、T2(j)、T3(j)…をIEEE1588を用いて電力系統状態推定サーバー11に搭載された時計手段の時刻t1(j)、t2(j)、t3(j)…に同期させる。
【0022】
IEEE1588は、イーサネット(登録商標)などのマルチキャスト対応ネットワークを介して接続されるクロックを同期するための標準プロトコルであり、IEEE1588の規格によれば、IP網に設置された標準時間を利用して、物理的に離れた場所の分散クロックを高い精度で同期させることができるものである。
【0023】
時刻同期手段20は、同期が取られた零クロス点の時刻t1(j)、t2(j)、t3(j)…を通信手段21に入力し、通信手段21は、同期が取られた零クロス点の時刻t1(j)、t2(j)、t3(j)…を位相角情報としてネットワーク13を介して電力系統状態推定サーバー11に送信する。
【0024】
電力系統状態推定サーバー11では端末装置12から受信した電力系統の2点間の零クロス点の時間差に基づいて電力系統の位相角差を求める。図4はその説明図である。
【0025】
図4では、電力系統状態推定サーバー11に、電力系統のj母線及びi母線で検出された位相角情報(零クロス点の時刻)が入力された場合を示している。図4に示すように、j母線の同期が取られた零クロス点の時刻t1(j)、t2(j)、t3(j)…と、i母線の同期が取られた零クロス点の時刻t1’(i)、t2’(i)、t3’(i)…との差分Δt1、Δt2、Δt3…がj母線とi母線との間のリアルタイムの位相角差として求められる。
【0026】
このように、PLL回路19とIEEE1588とを組み合わせ、電力系統推定サーバー11が管理するネットワーク13内の標準時間で、PLL回路19の出力のうち決められた場所での位相角情報(例えば、のこぎり波のピーク時間)を計測し、ネットワーク13内の電力系統推定サーバー11に伝送し、電力系統推定サーバー11がそれぞれの時間差を計算することにより、位相角差を推定することができる。また、広域観測網(Wide Area Measuring System:WAMS)を実現する際には、多数の位相角測定を多地点で行うことになるが、PLL回路19には、位相角計算機能は不要であるので、このような場合のコスト低減効果は著しく大きい。
【0027】
図5は本発明の実施の形態に係る電力系統の位相角差検出装置の他の一例の構成図である。これは、図1に示したものに対し、正相成分に加え、逆相成分及び零相成分についても位相角を検出するようにしたものである。図1と同一要素には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0028】
U相電圧検出器15で検出されたU相電圧Vu、V相電圧検出器16で検出されたV相電圧Vv、W相電圧検出器17で検出されたW相電圧Vwは、正相成分算出手段18、逆相成分算出手段22、零相成分算出手段23にそれぞれ入力される。
【0029】
正相成分算出手段18は、前述したように(1)式に基づき、U相電圧Vu、V相電圧Vv、W相電圧Vwの正相成分V1を算出する。
【0030】
逆相成分算出手段22は、(2)式に基づき、U相電圧Vu、V相電圧Vv、W相電圧Vwの逆相成分V2を算出する。
【0031】
V2=(1/3)・(Vu+aVv+aVw) …(2)
零相成分算出手段23は、(3)式に基づき、U相電圧Vu、V相電圧Vv、W相電圧Vwの零相成分V0を算出する。
【0032】
V0=(1/3)・(Vu+Vv+Vw) …(3)
正相成分算出手段18で得られた正相成分V1は正相用PLL回路24に入力され正相成分の零クロス点が検出される。同様に、逆相成分算出手段22で得られた逆相成分V2は逆相用PLL回路25に入力され逆相成分の零クロス点が検出され、零相成分算出手段23で得られた零相成分V0は零相用PLL回路26に入力され零相成分の零クロス点が検出される。
【0033】
正相用PLL回路24、逆相用PLL回路25及び零相用PLL回路26の出力は、それぞれ、図3に示すように、正相成分V1、逆相成分V2、零相成分V0の零クロス点間で同期するのこぎり波状の出力となり、時刻同期手段20に入力される。
【0034】
時刻同期手段20は、図1の場合と同様に、端末装置12の時刻をIEEE1588を用いて電力系統状態推定サーバー11に搭載された時計手段の時刻に同期を図るものであり、正相用PLL回路24、逆相用PLL回路25及び零相用PLL回路26で検出された正相成分V1、逆相成分V2、零相成分V0の零クロス点の時刻をIEEE1588を用いて電力系統状態推定サーバー11に搭載された時計手段の時刻に同期させる。通信手段21は、同期が取られた正相成分V1、逆相成分V2、零相成分V0の零クロス点の時刻を位相角情報としてネットワーク13を介して電力系統状態推定サーバー11に送信する。
【0035】
これにより、電力系統状態推定サーバー11は正相成分V1だけでなく、逆相成分V2及び零相成分V0の対称分の位相角差も計測することができ、逆相成分V2及び零相成分V0の位相角差により電気品質改善に役立てることも可能になる。
【0036】
以上の説明では、端末装置12に、正相用PLL回路24、逆相用PLL回路25及び零相用PLL回路26及び時刻同期手段20を設け、端末装置12から、IEEE1588を用いて同期された正相成分V1、逆相成分V2、零相成分V0の零クロス点の時刻を電力系統状態推定サーバー11に送信する場合について説明したが、その際に、端末装置12の設置箇所の電圧や電流の大きさを必要に応じて電力系統状態推定サーバー11に送信することは言うまでもない。
【0037】
また、図6に示すように、端末装置11からは、端末装置11の設置箇所の電圧の正相成分V1、逆相成分V2、零相成分V0を送信するようにしてもよい。すなわち、図5に示した端末装置12から正相用PLL回路24、逆相用PLL回路25及び零相用PLL回路26及び時刻同期手段20を省略し、端末装置11の設置箇所の電圧の正相成分V1、逆相成分V2、零相成分V0を送信する。この場合には、正相用PLL回路24、逆相用PLL回路25及び零相用PLL回路26及び時刻同期手段20は電力系統状態推定サーバー11に設けることになる。
【0038】
このように、本発明の実施の形態によれば、電力系統に設けられているIP網を利用して、PLL回路19とIEEE1588とを組み合わせ、電力系統に設けられているIP網であるネットワーク13内の標準時間で、PLL回路19の出力のうち決められた場所での位相角情報(例えば、のこぎり波のピーク時間)を計測し、ネットワーク13内の電力系統推定サーバー11により位相角差を推定するので、精度良く容易に位相角差を得ることができる。
【0039】
また、正相成分V1の位相角差だけでなく、逆相成分V2や零相成分V0の位相角差を求めるので、潮流だけでなく高調波問題等の電力品質を改善へも大きな効果が期待できる。
【符号の説明】
【0040】
11…電力系統状態推定サーバー、12…端末装置、13…ネットワーク、14…電力系統、15…U相電圧検出器、16…V相電圧検出器、17…W相電圧検出器、18…正相成分算出手段、19…PLL回路、20…時刻同期手段、21…通信手段、22…逆相成分算出手段、23…零相成分算出手段、24…正相用PLL回路、25…逆相用PLL回路、26…零相用PLL回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統の所定箇所における電圧または電流の位相角情報を検出する端末装置と、前記端末装置で検出された位相角情報を通信ネットワークを介して受信しその差分を前記電力系統の任意のノード間の位相角差として求める電力系統状態推定サーバーとを備え、前記端末装置は、電力系統の所定箇所における三相電圧または三相電流の正相成分を求める正相成分算出手段と、前記正相成分算出手段で得られた正相成分の零クロス点を検出するPLL回路と、前記PLL回路で検出された前記零クロス点の時刻をIEEE1588を用いて前記電力系統状態推定サーバーに搭載された時計手段の時刻に同期させる時刻同期手段と、前記PLL回路で検出され前記時刻同期手段で同期が取られた前記零クロス点の時刻を位相角情報として前記ネットワークを介して前記電力系統状態推定サーバーに送信する通信手段とを有し、前記電力系統状態推定サーバーは前記端末装置から受信した電力系統の任意のノード間の前記零クロス点の時間差に基づいて電力系統の位相角差を求めることを特徴とする電力系統の位相角差検出装置。
【請求項2】
電力系統の所定箇所における電圧または電流の位相角情報を検出する端末装置と、前記端末装置で検出された位相角情報を通信ネットワークを介して受信しその差分を前記電力系統の任意のノード間の位相角差として求める電力系統状態推定サーバーとを備え、前記端末装置は、電力系統の所定箇所における三相電圧または三相電流の正相成分を求める正相成分算出手段と、電力系統の所定箇所における三相電圧または三相電流の逆相成分を求める逆相成分算出手段と、電力系統の所定箇所における三相電圧または三相電流の零相成分を求める零相成分算出手段と、前記正相成分算出手段で得られた正相成分の零クロス点を検出する正相用PLL回路と、前記逆相成分算出手段で得られた逆相成分の零クロス点を検出する逆相用PLL回路と、前記零相成分算出手段で得られた零相成分の零クロス点を検出する零相用PLL回路と、前記正相用PLL回路、逆相用PLL回路及び前記零相用PLL回路で検出された前記零クロス点の時刻をIEEE1588を用いて前記電力系統状態推定サーバーに搭載された時計手段の時刻に同期させる時刻同期手段と、前記正相用PLL回路、前記逆相用PLL回路及び前記零相用PLL回路で検出され前記時刻同期手段で同期が取られた前記零クロス点の時刻を位相角情報として前記ネットワークを介して前記電力系統状態推定サーバーに送信する通信手段とを有し、前記電力系統状態推定サーバーは、前記端末装置から受信した電力系統の任意のノード間における前記零クロス点の時間差に基づいて電力系統の位相角差を求めることを特徴とする電力系統の位相角差検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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