説明

電動工具

【課題】速度切替機構を形成するキャリアやその軸受の大径化を防止して、ハウジングのコンパクト化を達成する。
【解決手段】遊星歯車減速機構6を形成する最終段の第2キャリア23に設けられるギヤ部を、第2キャリア23を軸支するボールベアリング25の組み付け後に第2キャリア23に後方から組み付けられる別体のスパーギヤ29で形成し、キャリア23と遊星歯車24との間で、遊星歯車24を支持する支持ピン30を貫通させて組み付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最終出力軸への回転速度を切替可能な速度切替機構を備えたインパクトドライバ等の電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
インパクトドライバ等の電動工具においては、モータの出力軸の回転を、その前方に設けた遊星歯車減速機構を介して減速し、スピンドルやアンビル等への最終出力軸へ回転伝達するものがよく知られている。この遊星歯車減速機構は、例えば特許文献1に示すように、遊星歯車を支持するキャリアを軸方向に複数段連設してなり、最終段のキャリア(スピンドルと一体に設けた大径のキャリア部)は、後方から組み付けられるボールベアリング等の軸受で軸支されている。
また、この遊星歯車減速機構には、速度切替機構が併設されている。この速度切替機構は、遊星歯車が遊星運動する一のインターナルギヤを軸方向へ回転且つスライド可能に設けて、当該インターナルギヤをハウジング外部からスライド操作するもので、遊星歯車とそのキャリアの外周に設けたギヤ部とに同時に噛合させるスライド位置では、遊星歯車による減速をキャンセルする高速モードとなり、遊星歯車のみに噛合してハウジング内で回転規制されるスライド位置では、遊星歯車による減速を得る低速モードとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4468786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この速度切替機構を最終段の遊星歯車とそのキャリアとの間で設ける場合、キャリアにギヤ部を設けても後方から軸受が組み付けられるように、ギヤ部を除くキャリアの径をギヤ部よりも大径とする必要がある。このため、キャリア及び軸受の径が大きくなり、ひいてはハウジングの外径も大きくなってコンパクト化を阻害してしまう。
【0005】
そこで、本発明は、速度切替機構を形成するキャリアやその軸受の大径化を防止して、ハウジングのコンパクト化を達成することができる電動工具を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ギヤ部を、軸受の組み付け後に最終段のキャリアに後方から組み付けられる別体のギヤで形成したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、別体のギヤを、最終段のキャリアと最終段の遊星歯車との間で、最終段の遊星歯車を支持する支持ピンを貫通させて組み付けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、ギヤの外径にかかわらず最終段のキャリア及びその軸受の大きさを設定することができる。よって、速度切替機構を形成するキャリアや軸受の大径化を防止してハウジングのコンパクト化を達成することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ギヤを別体にしても部品点数を増やすことなく簡単に組み付け可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】インパクトドライバの一部縦断面図である。
【図2】内部機構の分解斜視図である。
【図3】本体ハウジング以外のハウジングの分解斜視図である。
【図4】インパクトドライバの一部縦断面図である(インパクトモード)。
【図5】インパクトドライバの一部縦断面図である(ドリルモード)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、電動工具の一例であるインパクトドライバ1を示し、図2にその内部機構の一部を示す。このインパクトドライバ1は、左右の半割ハウジング3,3を組み付けて形成される本体ハウジング2を有し、本体ハウジング2内に、後方(図1の右側を前方とする。)からモータ4、遊星歯車減速機構6、スピンドル7がそれぞれ収容されている。また、本体ハウジング2の前部には、スピンドル7と共に打撃機構9を収容した筒状のインナーハウジング8が組み付けられて、スピンドル7の前方同軸上に配置されたアンビル10が、インナーハウジング8及びその前端に固定される前ハウジング12に軸支されて前方へ突出している。13は、前ハウジング12の前端に嵌着されたゴム製リング状のバンパである。本体ハウジング2の下方には、ハンドル14が下向きに延設され、ハンドル14内には、トリガー16を備えたスイッチ15が収容されている。
【0010】
遊星歯車減速機構6は、本体ハウジング2内に組み付けられる筒状のギヤハウジング17内に収容されている。ギヤハウジング17の後部には、モータ4の出力軸5に嵌着したピニオン18が軸支されてギヤハウジング17内に突出している。遊星歯車減速機構6は、第1インターナルギヤ19内で遊星運動する一段目の遊星歯車21,21・・を保持する第1キャリア20と、第2インターナルギヤ22内で遊星運動する二段目の遊星歯車24,24・・を保持する第2キャリア23とを備え、ピニオン18に一段目の遊星歯車21,21・・を噛合させている。また、最終段の第2キャリア23は、スピンドル7の後端へ一体に形成されてインナーハウジング8内で軸受としてのボールベアリング25に軸支されている。
【0011】
ここで、第1インターナルギヤ19は、内周前側に、周方向へ所定間隔で複数の内歯26,26・・を備える一方、第2インターナルギヤ22は、外周前側にリング状の係合溝27を、外周後側に、周方向へ所定間隔で突設した複数の外歯28,28・・をそれぞれ備えている。また、第2インターナルギヤ22は、第2キャリア23の後方へ一体に連結したスパーギヤ29と二段目の遊星歯車24との双方に噛合する前進位置と、第1インターナルギヤ19の内歯26に外歯28を係合させて二段目の遊星歯車24のみに噛合する後退位置との間でスライド可能に設けられている。
【0012】
このスパーギヤ29は、遊星歯車24を支持する支持ピン30に貫通されて第2キャリア23と遊星歯車24との間に位置する別体のギヤで、第2キャリア23の外径は、歯先を含むスパーギヤ29の外径よりも小径となっている。ここで、スパーギヤ29が第2キャリア23と一体であれば、ボールベアリング25を組み付けるために第2キャリア23の外径をスパーギヤ29の外径よりも大きくして大径のボールベアリング25を用いる必要がある。しかし、スパーギヤ29を第2キャリア23と別体としたことで、ボールベアリング25を組み付けた後にスパーギヤ29を組み付けることができ、第2キャリア23の外径及びボールベアリング25の内径をスパーギヤ29より大きくする必要がなくなるのである。このように第2キャリア23及びボールベアリング25が径方向に大きくならないので、ギヤハウジング17やインナーハウジング8、ひいては本体ハウジング2の径方向でのコンパクト化に寄与できる。36は、ギヤハウジング17内でボールベアリング25を保持する保持リングである。
【0013】
第2インターナルギヤ22の外側には、ギヤハウジング17及びインナーハウジング8の内周面に沿って前後へスライド可能なスライドリング31が設けられて、スライドリング31の外側から半径方向に貫通する係合ピン32が、第2インターナルギヤ22の係合溝27と係合している。スライドリング31の上部外周には、ギヤハウジング17の上部に突出する突起33が設けられて、この突起33が、本体ハウジング2に前後へスライド可能に設けたスライドボタン34に、前後のコイルバネ35,35を介して保持されている。
よって、スライドボタン34の前後へのスライド操作により、スライドリング31を介して第2インターナルギヤ22の位置を前後へ切替可能となる。すなわち、図1及び図4に示す第2インターナルギヤ22の前進位置では、第2インターナルギヤ22がスパーギヤ29と一体回転することで遊星歯車24の遊星運動をキャンセルした高速モードとなり、図5に示す第2インターナルギヤ22の後退位置では、第2インターナルギヤ22が固定されて遊星歯車24を遊星運動させる低速モードとなる。
【0014】
そして、打撃機構9は、アンビル10の後端に設けた一対のアーム11,11にハンマーを係脱させる構造であるが、ここでのハンマーは、スピンドル7の前端に外装され、アーム11,11に係合する一対の爪41,41を前面に突設した筒状のメインハンマー40と、そのメインハンマー40の後方でスピンドル7に同軸で遊挿されて前方が開口する有底筒状で、周壁43がメインハンマー40に後方から外装されるサブハンマー42とに分割されている。つまり、メインハンマー40とサブハンマー42の周壁43とを合わせた径が従前のハンマーの外径と等しくなっている。
まず、メインハンマー40は、その内周面に前端から後方へ向けて凹設されて後端が先細りとなる山形溝44,44と、スピンドル7の外周面で先端を前方に向けて凹設されたV字溝45,45とに跨って嵌合するボール46,46を介してスピンドル7と連結されている。
【0015】
一方、メインハンマー40とサブハンマー42との間でスピンドル7には、コイルバネ47が外装されて、メインハンマー40を爪41がアーム11に係合する前進位置へ付勢する一方、サブハンマー42を後方へ付勢している。サブハンマー42と第2キャリア23との間でスピンドル7には、ワッシャー48が外装され、サブハンマー42の後面に凹設されたリング溝49には、後面から突出する複数のボール50,50・・が収容されてスラスト軸受を形成している。よって、コイルバネ47によって後方へ付勢されるサブハンマー42は、ボール50がワッシャー48に当接する後方位置へ回転可能な状態で押圧されることになる。
【0016】
また、サブハンマー42の周壁43の内周面には、前端から軸方向で後方へ伸びる複数の案内溝51,51・・が、周方向へ等間隔をおいて形成されており、メインハンマー40の外周には、案内溝51よりも短い複数の長円溝52,52・・が、周方向に案内溝51と同じ間隔で形成されて、案内溝51と長円溝52とに跨って円柱状の連結ピン53,53・・が嵌合している。よって、メインハンマー40とサブハンマー42とは、連結ピン53により、軸方向への移動はそれぞれ許容された状態で、回転方向へは一体に連結される。
さらに、メインハンマー40の外周面で後端際には、周方向にリング状の嵌合溝54が凹設される一方、サブハンマー42の周壁43において、案内溝51の後端位置で案内溝51,51の間には、半径方向に貫通する複数の円形孔55,55・・が形成されて、その円形孔55にボール56がそれぞれ嵌合している。
【0017】
そして、サブハンマー42の周壁43には、切替リング57が外装されている。この切替リング57は、後側が周壁43の外周面に摺接する小径部58、前側が周壁43の外周面から半径方向へ離間する大径部59となる二段径を有し、小径部58の外周面には、リング状の凹溝60が形成されている。また、切替リング57は、インナーハウジング8の内周に設けた前側段部61と、周壁43の後端外周に設けた後側段部62との間でのみ前後へスライド可能となっている。
一方、インナーハウジング8には、図3に示すように、本体ハウジング2の前方に位置する操作スリーブ64を前端外周へ一体回転可能に装着した連結スリーブ63が外装されている。連結スリーブ63の外周で点対称位置には、前後方向の長円となる一対の貫通孔65,65が形成され、各貫通孔65に沿った外周面には、貫通孔65より一回り大きい四角形状の案内凹部66が形成されている。
【0018】
この貫通孔65に、外側端部が案内凹部66に嵌合する正方形状のフランジ部68に形成される筒状のガイドホルダ67が貫通して、半径方向で連結スリーブ63の軸心側へ突出すると共に、案内凹部66によるフランジ部68の案内により、前後方向へ移動可能となっている。インナーハウジング8には、ガイドホルダ67が貫通し、貫通孔65の前端に対応する位置で周方向に形成される前側溝70と、貫通孔65の後端に対応する位置で周方向に形成される後側溝71と、前側溝70と後側溝71とを連通させる傾斜溝72とからなるガイド溝69が形成されている。ガイドホルダ67には、インナーハウジング8の軸心側からガイドピン73が差し込まれて、ガイドピン73の頭部74を切替リング57の凹溝60に嵌合させている。
【0019】
よって、操作スリーブ64を回転操作して連結スリーブ63を前方から見て右回転させると、ガイドホルダ67も周方向へ右回転方向へ移動する。そして、ガイドホルダ67がガイド溝69内を移動して後側溝71に達すると、ガイドホルダ67は貫通孔65の後端に位置する。すると、ガイドピン73を介してガイドホルダ67に連結される切替リング57は、図4に示すように、大径部59をボール56の外側に位置させる後退位置(第1のスライド位置)となる。この後退位置でボール56は、周壁43の内周面に没入してメインハンマー40の嵌合溝54から離間する解除位置へ移動することができ、メインハンマー40の後退を許容するインパクトモードとなる。
【0020】
一方、操作スリーブ64を回転操作して連結スリーブ63を前方から見て左回転させると、ガイドホルダ67も周方向で左回転方向へ移動する。そして、ガイドホルダ67がガイド溝69内を移動して前側溝70に達すると、ガイドホルダ67は貫通孔65の前端に位置する。すると、切替リング57は、図5に示すように、小径部58をボール56の外側に位置させる前進位置(第2のスライド位置)となる。この前進位置でボール56は、小径部58に押されてメインハンマー40の嵌合溝54に嵌合する連結位置に固定されるため、メインハンマー40とサブハンマー42とを前後方向で連結してメインハンマー40の後退を規制するドリルモードとなる。
【0021】
なお、アンビル10は、後面軸心に形成した軸受孔75に、スピンドル7の前端に突設した小径の先端部76を嵌合させて、スピンドル7の前端を同軸で軸支している。軸受孔75には、コイルバネ77によって先端部76の端面に押圧されてスラスト方向の荷重を受けるボール78が収容されている。
さらに、前ハウジング12から突出するアンビル10の前端には、ビットの装着孔79が形成されると共に、装着孔79に挿入されたビットを抜け止め装着するために、アンビル10に設けたボール81(図2)を後退位置で装着孔内へ押圧するスリーブ80等を備えたチャック機構が設けられている。
【0022】
以上の如く構成されたインパクトドライバ1においては、まず操作スリーブ64の回転操作によって切替リング57を後退位置に移動させた図4のインパクトモードでの動作を説明する。ハンドル14に設けたトリガー16を操作してモータ4を駆動させると、出力軸5の回転が遊星歯車減速機構6を介してスピンドル7に伝わり、スピンドル7を回転させる。スピンドル7は、ボール46を介してメインハンマー40を回転させ、メインハンマー40が係合するアンビル10を回転させるため、アンビル10の先端に装着したビットによってネジ締め等が可能となる。このとき連結ピン53を介して回転方向に連結されるサブハンマー42もメインハンマー40と一体に回転する。
【0023】
ネジ締めが進んでアンビル10のトルクが高まると、メインハンマー40の回転とスピンドル7の回転とにずれが生じるため、メインハンマー40は、ボール46がV字溝45に沿って転動することで、スピンドル7に対して相対的に回転しながらコイルバネ47の付勢に抗して後退する。このときサブハンマー42は、メインハンマー40の後退を許容しつつ連結ピン53を介してメインハンマー40と一体に回転する。
そして、メインハンマー40の爪41がアーム11から外れると、メインハンマー40はコイルバネ47の付勢により、ボール46がV字溝45の先端に向けて転動することで回転しながら前進する。よって、メインハンマー40の爪41が再びアーム11に係合して回転打撃力(インパクト)を発生させる。このアンビル10への係脱を繰り返すことで増し締めが行われる。
【0024】
このとき、サブハンマー42もメインハンマー40に追従して回転するため、両ハンマー40,42を合わせた質量でアンビル10へ係脱することになる。従って、ハンマーを分割しても回転打撃力が低下することはない。また、回転時には後面のボール50がワッシャー48の前面を転動することで回転抵抗が軽減されるため、メインハンマー40の前後動に伴ってコイルバネ47が伸縮してもサブハンマー42はスムーズに回転できる。さらに、メインハンマー40がインパクト発生時に前後動を繰り返しても、サブハンマー42は後方位置を維持して前後へ移動することはないため、インパクト発生時の振動は抑えられる。
【0025】
一方、操作スリーブ64の回転操作によって切替リング57を前進位置に移動させた図5のドリルモードでは、トリガー16を操作してモータ4を駆動させると、スピンドル7の回転に伴ってメインハンマー40及びサブハンマー42が回転し、アンビル10を一体に回転させる。
そして、アンビル10のトルクが高まっても、メインハンマー40はボール56によって後退が規制されるため、メインハンマー40はアンビル10に対して係脱動作を行わない。よって、インパクトは発生せず、アンビル10はスピンドル7と一体回転することになる。
【0026】
このように、上記形態のインパクトドライバ1によれば、ギヤ部を、ボールベアリング25の組み付け後に第2キャリア23に組み付けられる別体のスパーギヤ29で形成したことで、スパーギヤ29の外径にかかわらず第2キャリア23及びボールベアリング25の大きさを設定することができる。よって、速度切替機構を形成する第2キャリア23やボールベアリング25の大径化を防止して本体ハウジング2のコンパクト化を達成することができる。
特にここでは、スパーギヤ29を、第2キャリア23と遊星歯車24との間で、遊星歯車24を支持する支持ピン30を貫通させて組み付けるようにしているので、スパーギヤ29を別体にしても部品点数を増やすことなく簡単に組み付け可能となる。
【0027】
なお、上記形態では、スパーギヤを支持ピンを利用して第2キャリアに組み付けているが、支持ピンと別にネジ止め等の他の手段を採用してもよい。
また、遊星歯車減速機構は、キャリアが三段以上連設されるものであっても、最終段のキャリアと遊星歯車との間に速度切替機構が設けられる構造であれば、同様に本発明の採用は可能である。最終段のキャリアの軸受も、ボールベアリングに限らず、ニードルベアリング等の他の軸受であっても差し支えない。
【0028】
その他、例えばハウジングについては、インナーハウジングがないものや、インナーハウジングや前ハウジングもなく、本体ハウジングの前方に打撃機構を収容したハンマーケースが結合されるものでもよい。勿論インパクトドライバ以外に、アングルインパクトドライバやインパクトレンチ、電動ドライバ等の他の電動工具であっても本発明は採用可能である。
【符号の説明】
【0029】
1・・インパクトドライバ、2・・本体ハウジング、4・・モータ、5・・出力軸、6・・遊星歯車減速機構、7・・スピンドル、8・・インナーハウジング、9・・打撃機構、10・・アンビル、11・・アーム、12・・前ハウジング、17・・ギヤハウジング、19・・第1インターナルギヤ、20・・第1キャリア、21,24・・遊星歯車、22・・第2インターナルギヤ、23・・第2キャリア、25・・ボールベアリング、29・・スパーギヤ、30・・支持ピン、31・・スライドリング、34・・スライドボタン、40・・メインハンマー、41・・爪、42・・サブハンマー、43・・周壁、47・・コイルバネ、48・・ワッシャー、49・・リング溝、50,56・・ボール、53・・連結ピン、54・・嵌合溝、55・・円形孔、57・・切替リング、58・・小径部、59・・大径部、63・・連結スリーブ、64・・操作スリーブ、65・・貫通孔、67・・ガイドホルダ、69・・ガイド溝、73・・ガイドピン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に収容したモータの前方に、複数の遊星歯車を支持するキャリアを複数段軸方向へ連設し、最終段のキャリアをその後方から組み付けた軸受で軸支してなる遊星歯車減速機構を設け、前記最終段のキャリアが支持する最終段の遊星歯車が遊星運動するインターナルギヤを、回転可能且つ軸方向へスライド可能に設けて、前記インターナルギヤを、前記軸受より後方で前記最終段のキャリアに設けたギヤ部と前記最終段の遊星歯車とに跨って噛合する前進位置と、前記最終段の遊星歯車のみに噛合して前記ハウジング内で回転規制される後退位置とを選択してスライド操作することで、前記最終段のキャリアから出力される回転速度を変更可能とした電動工具であって、
前記ギヤ部を、前記軸受の組み付け後に前記最終段のキャリアに後方から組み付けられる別体のギヤで形成したことを特徴とする電動工具。
【請求項2】
前記別体のギヤを、前記最終段のキャリアと前記最終段の遊星歯車との間で、前記最終段の遊星歯車を支持する支持ピンを貫通させて組み付けたことを特徴とする請求項1に記載の電動工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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