電動式シャープペンシル
【課題】筆記により芯3が消耗すると芯ガイド2が後退して自動スイッチがONとなり、通電駆動型形状記憶合金9を収縮させて、芯3の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を前進させ一定量芯3を繰り出す電動式シャープペンシルを提供する。
【解決手段】芯ガイド2を後退することによりONとなり、芯ガイド2が前進することによりOFFとなる自動スイッチを構成する。また、チャック12の頭部12Aにボール13を設け、このボール13を締具11のテーパー面11Bに押圧することにより、芯3の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を構成する。この芯保持手段を、自動スイッチがONとなり通電駆動型形状記憶合金9を収縮させることにより前進させる。
【解決手段】芯ガイド2を後退することによりONとなり、芯ガイド2が前進することによりOFFとなる自動スイッチを構成する。また、チャック12の頭部12Aにボール13を設け、このボール13を締具11のテーパー面11Bに押圧することにより、芯3の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を構成する。この芯保持手段を、自動スイッチがONとなり通電駆動型形状記憶合金9を収縮させることにより前進させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通電することにより通電駆動型形状記憶合金が収縮して芯を繰り出す電動式シャープペンシルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、通電することにより形状記憶合金が収縮して芯を繰り出すシャープペンシルが知られている。(特許文献1及び2参照)
【特許文献1】特開2005−193583号公報
【特許文献2】特開2005−254602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
頭部に締リングを外嵌したチャックを形状記憶合金の収縮により前進させて芯を繰り出すものは、チャックを前進させるための押し力が強くなるとともに、チャックから締リングを外すためには移動距離が長くなり、乾電池の電圧を大きくしなければ作動できないものであった。また、消費電力も大きくなり、頻繁に乾電池を取り替えなければならないという課題が生じるものであった。
本発明は、上記課題を解消する電動式シャープペンシルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、筆記先端部内を長手方向に摺動可能に芯ガイドを設け、この芯ガイド内に芯を適度の力で保持する芯ホルダーを内蔵するとともに、チャックの頭部に設けられたボールを締具のテーパー面に押圧することにより芯の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を構成し、前記芯保持手段をスプリングにより長手方向後方に付勢し、芯が摩耗することによって芯ガイドが紙面等で押されて後退し通電が行われると、通電駆動型形状記憶合金によって前記芯保持手段が前進し芯を筆記先端より突出させ、かつ、通電が止められると、前記芯保持手段がスプリングによって後退され筆記状態となることを第1の要旨とする。
【0005】
また、長手方向前方に向かって広がったテーパー面を有する締具と、頭部にボールを設けたチャックと、チャックを長手方向後方に付勢するチャックスプリングとからなり、チャックスプリングによりチャックの頭部に設けられたボールが締具のテーパー面に押圧され、このチャックにより芯の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を構成したことを第2の要旨とする。
【0006】
更に、締具に通電駆動型形状記憶合金を連結し、通電を行うことにより通電駆動型形状記憶合金が収縮して締具を前進させ、この締具が前進することによって芯保持手段を前進させることを第3の要旨とする。
【0007】
更にまた、締具と連動する芯タンクに通電駆動型形状記憶合金を連結し、通電を行うことにより通電駆動型形状記憶合金が収縮して芯タンクを前進させ、この芯タンクが前進することによって芯保持手段を前進させることを第4の要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、スプリングにより長手方向後方に付勢された芯保持手段をわずかな力でしかも短い距離を通電駆動型形状記憶合金で前進させるのみで一定量芯を繰り出すことができ、乾電池の消費が少ない効果が奏せられるものである。しかも、筆記中は芯ガイドの先端から芯が突出した状態で筆記できるので芯ガイドが紙面等に当たる恐れがなく、芯が摩耗した時のみ芯ガイドを後退させて通電が行われるので、自動的に芯が繰り出せ非常に筆記し易い効果が奏せられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
筆記先端部に芯を適度の力で保持する芯ホルダーを設け、かつ、チャックの頭部に設けられたボールを締具のテーパー面に押圧することにより芯の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を構成し、この芯保持手段をスプリングにより長手方向後方に付勢する。前記芯保持手段を、芯が摩耗して芯ガイドが後退されることにより通電が行われ通電駆動型形状記憶合金を収縮して前進させ、芯を一定量繰り出すので、構成が簡単でかつ作動が滑らかになるとともに消費電力が少ない電動式シャープペンシルを実現した。
【実施例1】
【0010】
以下、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8及び図9により本発明の実施例1の電動式シャープペンシルを説明する。尚、図1の左側を前方とし右側を後方とする。先ず、図1及び図2において、口金1の先端孔1Aに互いに対向させて接点1Bと接点1Cを取り付ける。この口金1内に長手方向に摺動可能に芯ガイド2を内蔵し、この芯ガイド2の筒部外周にリング状の接点2Aを取り付ける。尚、芯ガイド2は口金1と摩擦接触している。この接点2A、接点1B及び接点1Cにより自動スイッチを構成する。更に、芯ガイド2内に芯3を前記口金1と芯ガイド2の摩擦接触より弱い力で保持するゴム製の芯ホルダー4を取り付ける。
【0011】
また、前部に内鍔5Aを形成した軸筒5の凹部5Bにメインスイッチが取り付けられる。このメインスイッチは、スライドボタン6に設けられた接点6Aと軸筒5に設けられた接点5C及び接点5Dで構成されている。更に、軸筒5には集光性を有した着色透明樹脂製のクリップ7が取り付けられ、このクリップ7の内側にランプ8が取り付けられている。このランプ8は後述する通電駆動型形状記憶合金9と連動しており、自動スイッチがONとなった時に点灯し、クリップ7全体から光が発光される。
【0012】
更に、連結具10内に締具11を長手方向に適宜摺動可能に遊嵌する。また、チャック12の前部をスリ割り加工で半割りし、半割りされたそれぞれの頭部12Aに凹部12Bを構成する。この凹部12Bに金属製のボール13をそれぞれ配置する。
【0013】
このチャック12を前記締具11内に挿入し、締具11の内段11Aとチャック12の外鍔12Cの間にチャックスプリング14が10g程度の力で張架されている。従って、チャック12の頭部12Aに配置されたボール13が締具11のテーパー面11Bに押圧されてチャック12が閉じられ、チャック12により保持された芯3は前進は許容されるが後退は阻止される。尚、前記締具11のテーパー面11Bは長手方向前方に向かって広がるように形成されている。この締具11の凹部11C内には芯タンク15の前部15Aが挿入されるとともに、締具11の内鍔11Dと芯タンク15の段部15Bとの間に芯タンクスプリング16が後述するスプリング17より強い力で張架され、芯タンク15の前部段15Cが締具11の内鍔11Dに当接されている。前記締具11の後部にはスプリング付接点が設けられている。
【0014】
このスプリング付接点は、締具11の後端部に固定部材18が固着され、かつ、締具11の後部外鍔11Eと固定部材18の間に可動部材19が長手方向に摺動可能に取り付けられる。更に、締具11の後部外鍔11Eと可動部材19の間に50g〜60g程度の力で接点スプリング20が張架され、可動部材19に設けられた接点19Aと固定部材18に設けられた接点18Aが接触している。
【0015】
前記連結具10には通電駆動型形状記憶合金9の一端が固着される。また、通電駆動型形状記憶合金9の他端はスプリング付接点の可動部材19に固定される。
【0016】
更にまた、前記連結具10、締具11、チャック12、チャックスプリング14、芯タンク15及び芯タンクスプリング16等で構成された機構部が軸筒5の後方より挿入され、軸筒5の前端より突出した連結具10のネジ部に前記口金1が螺合され、連結具10の外鍔10Aが軸筒5の内鍔5Aに当接されるとともに、口金1の後端が軸筒5の前端に当接される。また、口金1の内段1Dと締具11の前端との間にはスプリング17が20g〜30g程度の力で張架され、締具11は長手方向後方に付勢されている。
【0017】
前記軸筒5の後部内段5Eと押圧部材21の間にはリターンスプリング22が500g程度の力で張架され、押圧部材21の外鍔21Aが軸筒5の後端に取り付けられた頭冠23の内鍔23Aに当接されるとともに、押圧部材21の前端が芯タンク15の後端より適宜離間している。更に、押圧部材21の前部には、複数の弾性片21Bが前方に突出して形成され、この弾性片21Bが固定部材18に摩擦嵌合可能に構成される。弾性片21Bと固定部材18の摩擦嵌合力は、スプリング17、チャックスプリング14及び芯タンクスプリング16の弾力を合わせた力より強く設定する。
【0018】
更に押圧部材21には、カセット24が着脱可能に装着され、このカセット24には単5乾電池25と消しゴム26が収納されるとともに消しゴム26を覆うノブ27が着脱可能に取り付けられている。
【0019】
図3は、上記実施例1の電動式シャープペンシルの配線図である。
【0020】
図1及び図2の状態より筆記を行い芯3が消耗すると、芯ガイド2が紙面28に押されて後退し、図4の状態となる。すると、リング状の接点2Aが接点1Bと接点1Cに接続され自動スイッチがONとなり、通電駆動型形状記憶合金9が通電されて熱せられる。また、ランプ8が点灯しクリップ7全体が発光される。そして、通電駆動型形状記憶合金9が熱せられて収縮すると締具11が前方に引っ張られてスプリング17が圧縮される。すると、締具11とともにチャック12及び芯タンク15も前進する。従って、チャック12に保持された芯3も芯ホルダー4内を滑って前進する。
【0021】
そして、締具11の前端が口金1の係止段1Eに当接され、締具11及び芯タンク15の前進が停止される。すると、芯ガイド2の先端より芯3が突出するとともに、締具11に押されて芯ガイド2が前進し、図5の状態となる。この状態になると、リング状の接点2Aが接点1Bと接点1Cから離間し、自動スイッチがOFFとなる。従って、通電駆動型形状記憶合金9による引張力はスプリング17の力より大きければ良く、また、通電駆動型形状記憶合金9により移動される距離は締具11の移動距離のみとなり、わずかな距離を弱い力で引っ張れば自動的に芯3が繰り出せ、乾電池25の消費電力も極わずかで良く非常に経済的である。そして、自動スイッチがOFFになると、通電駆動型形状記憶合金9が冷やされて伸長し、スプリング17に付勢されて締具11が後退する。すると、締具11とともにチャック12及び芯タンク15が後退するが、チャック12は芯3の前進は許容するが後退は阻止する構造となっているので、突出した芯3は芯ホルダー4に保持されて停止している。そして、締具11が連結具10に当接されて停止すると図1及び図2の状態に復帰する。
【0022】
尚、誤って芯ガイド2を後方に押し続けた状態となった場合には、過度の熱が通電駆動型形状記憶合金9に加わり、強い力で収縮する。すると、締具11が前進して締具11の前端が口金1の係止段1Eに当接されるが、更に通電駆動型形状記憶合金9が収縮した場合には、接点スプリング20が圧縮されて可動部材19が前進させられ、接点18Aと接点19Aが離間して通電が止められ、図6の状態となる。従って、必要以上に通電駆動型形状記憶合金9が熱せられる恐れはなく、通電駆動型形状記憶合金9が破損したり耐久性を損ねる恐れはない。
【0023】
そして、1本の芯3が消耗し次の芯3を繰り出す場合には、ノブ27を押圧するとリターンスプリング22を圧縮してカセット24及び押圧部材21が前進する。すると、押圧部材21に形成した弾性片21Bが固定部材18に当接して押圧部材21とともに芯タンク15を前進させる。芯タンク15が前進すると、締具11及びチャック12とともに芯3が前進する。そして、締具11の前端が口金1の係止段1Eに当接すると締具11は停止するが、弾性片21Bが固定部材18の外面を滑って前進し、押圧部材21が芯タンク15の後端に当接する。すると、押圧部材21とともに芯タンク15を前進させる。芯タンク15が締具11内を前進すると芯タンク15の前端がチャック12の後端を押圧してチャック12を拡開する。そして、チャック12の前端が芯ガイド2の内段2Bに当接すると、チャック12及び芯タンク15が停止するとともに、芯タンク15内に収納されていた次の芯3がチャック12内に落下し、図7及び図8の状態となる。
【0024】
次に、ノブ27の押圧を中止すると、リターンスプリング22により押圧部材21が後退されるが、弾性片21Bが固定部材18と摩擦嵌合している力は、スプリング17、チャックスプリング14及び芯タンクスプリング16の弾力を合わせた力より強く設定しているので、チャック12は拡開した状態で後退させられる。従って、チャック12内に落下した次の芯3が後退させられる心配はない。そして、締具11が連結具10に当接されると、締具11は後退が停止されるが、押圧部材21はリターンスプリング22により更に後退させられる。従って、押圧部材21とともに芯タンク15及びチャック12も後退するが、先ずチャック12に設けられたボール13が締具11のテーパー面11Bに押圧されてチャック12が閉じられ、次に芯タンク15の前部段15Cが締具11の内鍔11Dに当接されて停止する。更に押圧部材21は後退し、弾性片21Bによる固定部材18との摩擦嵌合が外れ図1及び図2の状態に復帰する。このノブ27の押圧を数回繰り返すことにより短くなった芯3を芯ガイド2の先端から排出するとともに次の芯3を芯ホルダー4内に挿入し、芯ガイド2の先端より突出させる。
【0025】
筆記を止めて携帯する場合には、メインスイッチのスライドボタン6を後方にスライドしてメインスイッチをOFFにし、図9の状態とする。また、携帯状態より筆記を行うには、スライドボタン6を前方にスライドしてメインスイッチをONにし、図1及び図2の状態とする。
【0026】
更に、芯タンク15に芯3を補充する場合には、押圧部材21からカセット24を外して補充する。また、乾電池25を取り替える場合も、芯タンク15からカセット24を外して取り替える。
【0027】
消しゴム26を使用する場合には、芯タンク15に装着されたカセット24からノブ27のみを外して消しゴム26を使用する。
【実施例2】
【0028】
図10、図11及び図12により本発明の実施例2の電動式シャープペンシルを説明する。尚、図10の左側を前方とし右側を後方とする。また、図1と同一部材は同一の符号を付してその説明を省略する。先ず、図9において、連結具10内に締具111を長手方向に適宜摺動可能に遊嵌する。この締具111の凹部111C内には芯タンク115の前部115Aが挿入され、芯タンク115の前部凹溝115Dに取り付けられたゴムリング29が締具111の凹部111C内面に摩擦接触する。また、締具111の内鍔111Dと芯タンク115の段部115Bとの間には芯タンクスプリング116が張架されている。尚、前記ゴムリング29と締具111の摩擦力は、スプリング17、チャックスプリング14及び芯タンクスプリング116の弾力を合わせた力より強く設定されている。
【0029】
前記芯タンク115の後部にはスプリング付接点が設けられる。このスプリング付接点は、芯タンク115の後端部に固定部材118が固着されるとともに、芯タンク115の外鍔115Eと固定部材118の間に可動部材119が長手方向に摺動可能に取り付けられる。
【0030】
更に、芯タンク115の外鍔115Eと可動部材119の間に50g〜60g程度の力で接点スプリング120が張架され、可動部材119に設けられた接点119Aと固定部材118に設けられた接点118Aが接触している。
【0031】
前記連結具10には通電駆動型形状記憶合金9の一端が固着される。また、通電駆動型形状記憶合金9の他端はスプリング付接点の可動部材119に固定される。
【0032】
更に、押圧部材121に形成された複数の弾性片121Bは、前記固定部材118に摩擦嵌合可能に構成され、弾性片121Bと固定部材118の摩擦嵌合力は、スプリング17、チャックスプリング14及び芯タンクスプリング116を合わせた力にゴムリング29と締具111の摩擦嵌合力を加えた力より強く設定する。
【0033】
図10の状態より筆記を行い芯3が消耗すると、芯ガイド2が紙面に押されて後退し、リング状の接点2Aが接点1Bと接点1Cに接続される。すると、自動スイッチがONとなり、通電駆動型形状記憶合金9が通電されて熱せられる。また、ランプ8が点灯しクリップ7全体が発光される。そして、通電駆動型形状記憶合金9が熱せられて収縮すると、芯タンク115が前方に引っ張られてスプリング17が圧縮される。すると、芯タンク115に設けられたゴムリング29が締具111の凹部111C内面に摩擦接触しているとともに、締具111と芯タンク115の間に芯タンクスプリング116が張架されているので、芯タンク115とともに締具111が前進する。従って、締具111とともにチャック12も前進するので、チャック12に保持された芯3も芯ホルダー4内を滑って前進する。
【0034】
そして、締具111の前端が口金1の係止段1Eに当接され、締具111及び芯タンク115の前進が停止される。この時、ゴムリング29と締具111の摩擦力及び芯タンクスプリング116の弾力を合わせた力を接点スプリング120より強く設定しておけば、締具111内をゴムリング29及び芯タンク115が前進してしまう恐れはなくなる。従って、芯ガイド2の先端より芯3が突出するとともに、締具111に押されて芯ガイド2が前進し、図11の状態となる。この状態になると、リング状の接点2Aが接点1Bと接点1Cから離間し、自動スイッチがOFFとなる。従って、実施例2においても、通電駆動型形状記憶合金9による引張力はスプリング17の力より大きければ良く、また、通電駆動型形状記憶合金9により移動される距離は締具111の移動距離のみとなり、わずかな距離を弱い力で引っ張れば良く、乾電池25の消費電力も極わずかで良い。そして、自動スイッチがOFFとなると、通電駆動型形状記憶合金9が冷やされて伸長し、スプリング17に付勢されて締具111が後退する。すると、締具111とともにチャック12及び芯タンク115が後退するが、チャック12は芯3の前進は許容するが後退は阻止する構造となっているので、突出した芯3は芯ホルダー4に保持されて停止している。そして、締具111が連結具10に当接されて停止すると図10の状態に復帰する。
【0035】
尚、誤って芯ガイド2を後方に押し続けた状態となった場合には、過度の熱が通電駆動型形状記憶合金9に加わり、強い力で収縮する。すると、締具111が前進して締具111の前端が口金1の係止段1Eに当接されるが、更に通電駆動型形状記憶合金9が収縮した場合には、接点スプリング120の力がゴムリング29と締具111の摩擦力に芯タンクスプリング116の弾力を合わせた力より弱いために接点スプリング120が圧縮される。この接点スプリング120の圧縮とともに可動部材119が前進させられ、接点118Aと接点119Aが離間して通電が止められる。従って、必要以上に通電駆動型形状記憶合金9が熱せられる恐れはなく、通電駆動型形状記憶合金9が破損したり耐久性を損ねる恐れはない。
【0036】
そして、1本の芯3が消耗し次の芯3を繰り出す場合には、ノブ27を押圧するとリターンスプリング22を圧縮してカセット24及び押圧部材121が前進する。すると、押圧部材121に形成した弾性片121Bが固定部材118に当接して押圧部材121とともに芯タンク115を前進させる。そして、締具111の前端が口金1の係止段1Eに当接すると締具111は停止するが、芯タンク115は弾性片121Bに押されて更に前進する。この時、ゴムリング29が締具111の凹部111C内面を滑って前進するとともに、芯タンクスプリング116が圧縮される。そして、芯タンク115の前端がチャック12の後端を押圧してチャック12を拡開する。そして、芯タンク115の係止段115Fが締具111の内鍔111Dに当接するとチャック12及び芯タンク115は停止される。また、芯タンク115内に収納された次の芯3がチャック12内に落下し芯ホルダー4に当接する。更に押圧部材121を押圧すると、押圧部材121の弾性片121Bが固定部材118の外面に摩擦嵌合し図12の状態となる。
【0037】
次に、ノブ27の押圧を中止すると、リターンスプリング22により押圧部材121が後退されるが、ゴムリング29が締具111と摩擦嵌合している力はチャックスプリング14と芯タンクスプリング116の弾力を合わせた力より強いために、チャック12は拡開した状態で後退させられる。従って、チャック12内に落下した次の芯3が後退させられる心配はない。そして、締具111が連結具10に当接されると、締具111は後退が停止されるが、押圧部材121はリターンスプリング120により更に後退させられる。すると、押圧部材121の弾性片121Bが固定部材118と摩擦嵌合する力が、スプリング17、チャックスプリング14及び芯タンクスプリング116を合わせた力にゴムリング29と締具111の摩擦嵌合力を加えた力より強く設定されているので、弾性片121Bに引っ張られて固定部材118及び芯タンク115が後退されると、ゴムリング29が締具111の凹部111C内面を滑って後退するが、先ずチャック12に設けられたボール13が締具111のテーパー面111Bに押圧されてチャック12が閉じられ、次に芯タンク115の前部段115Cが締具111の内鍔111Dに当接され芯タンク115の後端が停止される。更に押圧部材121はリターンスプリング22により後退させられ、弾性片121Bによる固定部材118との摩擦嵌合が外れ図10の状態に復帰する。
【実施例3】
【0038】
本発明は、上記実施例1及び2に限定されるものではなく、例えば自動スイッチにおいては図13及び図14に示したものでも良い。この場合には、口金101の先端孔101Aに前後に前接点101Fと後接点101Gを配置する。また、口金101内に長手方向に摺動可能でかつ適度の力で摩擦接触する芯ガイド102を内蔵する。この芯ガイド102の筒部に、前記前接点101Fと後接点101Gに接触可能な接点102Aを取り付ける。尚、口金101に芯ガイド102が摩擦接触する力は芯ホルダー4が芯3を保持する力より強く設定する。そして、図13に示した通常の筆記状態では、芯ガイド102に設けられた接点102Aは前接点101Fのみと接触している。そして、筆記が行われ芯3が消耗すると、芯ガイド102が紙面28に押されて後退し、接点102Aが前接点101Fとともに後接点101Gとも接触し、前接点101Fと後接点101Gが通電されて図14の状態となるものである。
【0039】
また、押圧部材と芯タンクが係合する手段は、押圧部材に設けた弾性片が固定部材に摩擦嵌合する構成のみに限定されるものではなく、弾性片は芯タンクと摩擦嵌合しても良いし、弾性片以外にも種々の係合手段が利用可能である。
【0040】
更に、チャック内に次の芯を追従する手段も上記実施例に限定されるものではなく、従来公知の種々の手段が利用できるものである。また、上記実施例はいずれもチャックが、前部をスリ割り加工によって半割したもので説明したが、本発明におけるチャックは、射出成形で形成した合成樹脂製の2つの片を互いに合わせてチャックを構成してもよいし、ダイキャストで形成した金属製の2つの片を互いに合わせてチャックを構成しても良い。
【0041】
また、芯タンクと締具が摩擦嵌合する手段としては、ゴムリングに限定されるものではなく、芯タンクの前部を複数に分割して弾性片を形成し、この弾性片が締具と摩擦接触することも可能である。
【0042】
更に、通電駆動型形状記憶合金としては、Ti−Ni系またはTi−Ni−Su系の形状記憶合金が考えられ、バイオメタルBMF75、BMF100、BMF125、BMF150(トキ・コーポレーション株式会社製)が好ましい。
【0043】
更にまた、通電駆動型形状記憶合金が接触する可能性のある部材は金属又は耐熱性樹脂を用いることが好ましい。
【0044】
更にまた、上記実施例ではいずれも電源として乾電池を用いたが、本発明は乾電池に限定されるものではなく、充電式の電池を用いても良い。
【0045】
更にまた、上記実施例ではいずれもランプの光がクリップから発光されているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、軸筒、把持部分あるいは口金等からランプの光を発光させても良いし、ランプ自体がなくても本発明の目的効果は十分に得られるものである。
【0046】
更にまた、本発明における電動式シャープペンシルは、自動スイッチがONとなった時に1秒程度電流を流し、その後、自動スイッチが一度OFFとなった後に再びONとなると再度1秒程度電流を流すという作動を繰り返し行う為のIC回路を設けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
通電駆動型形状記憶合金の収縮が少なく、しかも弱い引っ張り力で芯を一定量繰り出すことができ、乾電池の消耗を少なくすることができる。しかも、筆記により芯が消耗すると芯ガイドが後退して自動スイッチがONとなり、通電が行われるので自動的に芯を繰り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例1の電動式シャープペンシルを示す断面図である。(実施例1)
【図2】図1の先端部分を示す主要部拡大断面図である。(実施例1)
【図3】実施例1における配線図である。(実施例1)
【図4】芯が消耗し芯ガイドが後退されて自動スイッチがONとなった状態を示す主要部拡大断面図である。(実施例1)
【図5】通電することにより通電駆動型形状記憶合金を収縮させて芯保持装置を前進させ、芯を一定量繰り出した状態を示す主要部拡大断面図である。(実施例1)
【図6】過度の熱が通電駆動型形状記憶合金に加わり、接点18Aと接点19Aが離間した状態を示す主要部拡大断面図である。(実施例1)
【図7】ノブを押圧してチャックを拡開した状態を示す断面図である。(実施例1)
【図8】図7の先端部分を示す主要部拡大断面図である。(実施例1)
【図9】メインスイッチをOFFにした状態を示す断面図である。(実施例1)
【図10】本発明の実施例2の電動式シャープペンシルを示す断面図である。(実施例2)
【図11】通電することにより通電駆動型形状記憶合金を収縮させて芯保持装置を前進させ、芯を一定量繰り出した状態を示す断面図である。(実施例2)
【図12】ノブを押圧してチャックを拡開した状態を示す断面図である。(実施例2)
【図13】本発明の実施例3の電動式シャープペンシルを示す主要部拡大断面図である。(実施例3)
【図14】芯が消耗し芯ガイドが後退させられて自動スイッチがONとなった状態を示す主要部拡大断面図である。(実施例3)
【符号の説明】
【0049】
2 芯ガイド
3 芯
4 芯ホルダー
9 通電駆動型形状記憶合金
11 締具
11B 締具11のテーパー面
12 チャック
12A チャック12の頭部
13 ボール
14 チャックスプリング
15 芯タンク
17 スプリング
102 芯ガイド
111 締具
111B 締具111のテーパー面
115 芯タンク
【技術分野】
【0001】
本発明は、通電することにより通電駆動型形状記憶合金が収縮して芯を繰り出す電動式シャープペンシルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、通電することにより形状記憶合金が収縮して芯を繰り出すシャープペンシルが知られている。(特許文献1及び2参照)
【特許文献1】特開2005−193583号公報
【特許文献2】特開2005−254602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
頭部に締リングを外嵌したチャックを形状記憶合金の収縮により前進させて芯を繰り出すものは、チャックを前進させるための押し力が強くなるとともに、チャックから締リングを外すためには移動距離が長くなり、乾電池の電圧を大きくしなければ作動できないものであった。また、消費電力も大きくなり、頻繁に乾電池を取り替えなければならないという課題が生じるものであった。
本発明は、上記課題を解消する電動式シャープペンシルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、筆記先端部内を長手方向に摺動可能に芯ガイドを設け、この芯ガイド内に芯を適度の力で保持する芯ホルダーを内蔵するとともに、チャックの頭部に設けられたボールを締具のテーパー面に押圧することにより芯の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を構成し、前記芯保持手段をスプリングにより長手方向後方に付勢し、芯が摩耗することによって芯ガイドが紙面等で押されて後退し通電が行われると、通電駆動型形状記憶合金によって前記芯保持手段が前進し芯を筆記先端より突出させ、かつ、通電が止められると、前記芯保持手段がスプリングによって後退され筆記状態となることを第1の要旨とする。
【0005】
また、長手方向前方に向かって広がったテーパー面を有する締具と、頭部にボールを設けたチャックと、チャックを長手方向後方に付勢するチャックスプリングとからなり、チャックスプリングによりチャックの頭部に設けられたボールが締具のテーパー面に押圧され、このチャックにより芯の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を構成したことを第2の要旨とする。
【0006】
更に、締具に通電駆動型形状記憶合金を連結し、通電を行うことにより通電駆動型形状記憶合金が収縮して締具を前進させ、この締具が前進することによって芯保持手段を前進させることを第3の要旨とする。
【0007】
更にまた、締具と連動する芯タンクに通電駆動型形状記憶合金を連結し、通電を行うことにより通電駆動型形状記憶合金が収縮して芯タンクを前進させ、この芯タンクが前進することによって芯保持手段を前進させることを第4の要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、スプリングにより長手方向後方に付勢された芯保持手段をわずかな力でしかも短い距離を通電駆動型形状記憶合金で前進させるのみで一定量芯を繰り出すことができ、乾電池の消費が少ない効果が奏せられるものである。しかも、筆記中は芯ガイドの先端から芯が突出した状態で筆記できるので芯ガイドが紙面等に当たる恐れがなく、芯が摩耗した時のみ芯ガイドを後退させて通電が行われるので、自動的に芯が繰り出せ非常に筆記し易い効果が奏せられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
筆記先端部に芯を適度の力で保持する芯ホルダーを設け、かつ、チャックの頭部に設けられたボールを締具のテーパー面に押圧することにより芯の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を構成し、この芯保持手段をスプリングにより長手方向後方に付勢する。前記芯保持手段を、芯が摩耗して芯ガイドが後退されることにより通電が行われ通電駆動型形状記憶合金を収縮して前進させ、芯を一定量繰り出すので、構成が簡単でかつ作動が滑らかになるとともに消費電力が少ない電動式シャープペンシルを実現した。
【実施例1】
【0010】
以下、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8及び図9により本発明の実施例1の電動式シャープペンシルを説明する。尚、図1の左側を前方とし右側を後方とする。先ず、図1及び図2において、口金1の先端孔1Aに互いに対向させて接点1Bと接点1Cを取り付ける。この口金1内に長手方向に摺動可能に芯ガイド2を内蔵し、この芯ガイド2の筒部外周にリング状の接点2Aを取り付ける。尚、芯ガイド2は口金1と摩擦接触している。この接点2A、接点1B及び接点1Cにより自動スイッチを構成する。更に、芯ガイド2内に芯3を前記口金1と芯ガイド2の摩擦接触より弱い力で保持するゴム製の芯ホルダー4を取り付ける。
【0011】
また、前部に内鍔5Aを形成した軸筒5の凹部5Bにメインスイッチが取り付けられる。このメインスイッチは、スライドボタン6に設けられた接点6Aと軸筒5に設けられた接点5C及び接点5Dで構成されている。更に、軸筒5には集光性を有した着色透明樹脂製のクリップ7が取り付けられ、このクリップ7の内側にランプ8が取り付けられている。このランプ8は後述する通電駆動型形状記憶合金9と連動しており、自動スイッチがONとなった時に点灯し、クリップ7全体から光が発光される。
【0012】
更に、連結具10内に締具11を長手方向に適宜摺動可能に遊嵌する。また、チャック12の前部をスリ割り加工で半割りし、半割りされたそれぞれの頭部12Aに凹部12Bを構成する。この凹部12Bに金属製のボール13をそれぞれ配置する。
【0013】
このチャック12を前記締具11内に挿入し、締具11の内段11Aとチャック12の外鍔12Cの間にチャックスプリング14が10g程度の力で張架されている。従って、チャック12の頭部12Aに配置されたボール13が締具11のテーパー面11Bに押圧されてチャック12が閉じられ、チャック12により保持された芯3は前進は許容されるが後退は阻止される。尚、前記締具11のテーパー面11Bは長手方向前方に向かって広がるように形成されている。この締具11の凹部11C内には芯タンク15の前部15Aが挿入されるとともに、締具11の内鍔11Dと芯タンク15の段部15Bとの間に芯タンクスプリング16が後述するスプリング17より強い力で張架され、芯タンク15の前部段15Cが締具11の内鍔11Dに当接されている。前記締具11の後部にはスプリング付接点が設けられている。
【0014】
このスプリング付接点は、締具11の後端部に固定部材18が固着され、かつ、締具11の後部外鍔11Eと固定部材18の間に可動部材19が長手方向に摺動可能に取り付けられる。更に、締具11の後部外鍔11Eと可動部材19の間に50g〜60g程度の力で接点スプリング20が張架され、可動部材19に設けられた接点19Aと固定部材18に設けられた接点18Aが接触している。
【0015】
前記連結具10には通電駆動型形状記憶合金9の一端が固着される。また、通電駆動型形状記憶合金9の他端はスプリング付接点の可動部材19に固定される。
【0016】
更にまた、前記連結具10、締具11、チャック12、チャックスプリング14、芯タンク15及び芯タンクスプリング16等で構成された機構部が軸筒5の後方より挿入され、軸筒5の前端より突出した連結具10のネジ部に前記口金1が螺合され、連結具10の外鍔10Aが軸筒5の内鍔5Aに当接されるとともに、口金1の後端が軸筒5の前端に当接される。また、口金1の内段1Dと締具11の前端との間にはスプリング17が20g〜30g程度の力で張架され、締具11は長手方向後方に付勢されている。
【0017】
前記軸筒5の後部内段5Eと押圧部材21の間にはリターンスプリング22が500g程度の力で張架され、押圧部材21の外鍔21Aが軸筒5の後端に取り付けられた頭冠23の内鍔23Aに当接されるとともに、押圧部材21の前端が芯タンク15の後端より適宜離間している。更に、押圧部材21の前部には、複数の弾性片21Bが前方に突出して形成され、この弾性片21Bが固定部材18に摩擦嵌合可能に構成される。弾性片21Bと固定部材18の摩擦嵌合力は、スプリング17、チャックスプリング14及び芯タンクスプリング16の弾力を合わせた力より強く設定する。
【0018】
更に押圧部材21には、カセット24が着脱可能に装着され、このカセット24には単5乾電池25と消しゴム26が収納されるとともに消しゴム26を覆うノブ27が着脱可能に取り付けられている。
【0019】
図3は、上記実施例1の電動式シャープペンシルの配線図である。
【0020】
図1及び図2の状態より筆記を行い芯3が消耗すると、芯ガイド2が紙面28に押されて後退し、図4の状態となる。すると、リング状の接点2Aが接点1Bと接点1Cに接続され自動スイッチがONとなり、通電駆動型形状記憶合金9が通電されて熱せられる。また、ランプ8が点灯しクリップ7全体が発光される。そして、通電駆動型形状記憶合金9が熱せられて収縮すると締具11が前方に引っ張られてスプリング17が圧縮される。すると、締具11とともにチャック12及び芯タンク15も前進する。従って、チャック12に保持された芯3も芯ホルダー4内を滑って前進する。
【0021】
そして、締具11の前端が口金1の係止段1Eに当接され、締具11及び芯タンク15の前進が停止される。すると、芯ガイド2の先端より芯3が突出するとともに、締具11に押されて芯ガイド2が前進し、図5の状態となる。この状態になると、リング状の接点2Aが接点1Bと接点1Cから離間し、自動スイッチがOFFとなる。従って、通電駆動型形状記憶合金9による引張力はスプリング17の力より大きければ良く、また、通電駆動型形状記憶合金9により移動される距離は締具11の移動距離のみとなり、わずかな距離を弱い力で引っ張れば自動的に芯3が繰り出せ、乾電池25の消費電力も極わずかで良く非常に経済的である。そして、自動スイッチがOFFになると、通電駆動型形状記憶合金9が冷やされて伸長し、スプリング17に付勢されて締具11が後退する。すると、締具11とともにチャック12及び芯タンク15が後退するが、チャック12は芯3の前進は許容するが後退は阻止する構造となっているので、突出した芯3は芯ホルダー4に保持されて停止している。そして、締具11が連結具10に当接されて停止すると図1及び図2の状態に復帰する。
【0022】
尚、誤って芯ガイド2を後方に押し続けた状態となった場合には、過度の熱が通電駆動型形状記憶合金9に加わり、強い力で収縮する。すると、締具11が前進して締具11の前端が口金1の係止段1Eに当接されるが、更に通電駆動型形状記憶合金9が収縮した場合には、接点スプリング20が圧縮されて可動部材19が前進させられ、接点18Aと接点19Aが離間して通電が止められ、図6の状態となる。従って、必要以上に通電駆動型形状記憶合金9が熱せられる恐れはなく、通電駆動型形状記憶合金9が破損したり耐久性を損ねる恐れはない。
【0023】
そして、1本の芯3が消耗し次の芯3を繰り出す場合には、ノブ27を押圧するとリターンスプリング22を圧縮してカセット24及び押圧部材21が前進する。すると、押圧部材21に形成した弾性片21Bが固定部材18に当接して押圧部材21とともに芯タンク15を前進させる。芯タンク15が前進すると、締具11及びチャック12とともに芯3が前進する。そして、締具11の前端が口金1の係止段1Eに当接すると締具11は停止するが、弾性片21Bが固定部材18の外面を滑って前進し、押圧部材21が芯タンク15の後端に当接する。すると、押圧部材21とともに芯タンク15を前進させる。芯タンク15が締具11内を前進すると芯タンク15の前端がチャック12の後端を押圧してチャック12を拡開する。そして、チャック12の前端が芯ガイド2の内段2Bに当接すると、チャック12及び芯タンク15が停止するとともに、芯タンク15内に収納されていた次の芯3がチャック12内に落下し、図7及び図8の状態となる。
【0024】
次に、ノブ27の押圧を中止すると、リターンスプリング22により押圧部材21が後退されるが、弾性片21Bが固定部材18と摩擦嵌合している力は、スプリング17、チャックスプリング14及び芯タンクスプリング16の弾力を合わせた力より強く設定しているので、チャック12は拡開した状態で後退させられる。従って、チャック12内に落下した次の芯3が後退させられる心配はない。そして、締具11が連結具10に当接されると、締具11は後退が停止されるが、押圧部材21はリターンスプリング22により更に後退させられる。従って、押圧部材21とともに芯タンク15及びチャック12も後退するが、先ずチャック12に設けられたボール13が締具11のテーパー面11Bに押圧されてチャック12が閉じられ、次に芯タンク15の前部段15Cが締具11の内鍔11Dに当接されて停止する。更に押圧部材21は後退し、弾性片21Bによる固定部材18との摩擦嵌合が外れ図1及び図2の状態に復帰する。このノブ27の押圧を数回繰り返すことにより短くなった芯3を芯ガイド2の先端から排出するとともに次の芯3を芯ホルダー4内に挿入し、芯ガイド2の先端より突出させる。
【0025】
筆記を止めて携帯する場合には、メインスイッチのスライドボタン6を後方にスライドしてメインスイッチをOFFにし、図9の状態とする。また、携帯状態より筆記を行うには、スライドボタン6を前方にスライドしてメインスイッチをONにし、図1及び図2の状態とする。
【0026】
更に、芯タンク15に芯3を補充する場合には、押圧部材21からカセット24を外して補充する。また、乾電池25を取り替える場合も、芯タンク15からカセット24を外して取り替える。
【0027】
消しゴム26を使用する場合には、芯タンク15に装着されたカセット24からノブ27のみを外して消しゴム26を使用する。
【実施例2】
【0028】
図10、図11及び図12により本発明の実施例2の電動式シャープペンシルを説明する。尚、図10の左側を前方とし右側を後方とする。また、図1と同一部材は同一の符号を付してその説明を省略する。先ず、図9において、連結具10内に締具111を長手方向に適宜摺動可能に遊嵌する。この締具111の凹部111C内には芯タンク115の前部115Aが挿入され、芯タンク115の前部凹溝115Dに取り付けられたゴムリング29が締具111の凹部111C内面に摩擦接触する。また、締具111の内鍔111Dと芯タンク115の段部115Bとの間には芯タンクスプリング116が張架されている。尚、前記ゴムリング29と締具111の摩擦力は、スプリング17、チャックスプリング14及び芯タンクスプリング116の弾力を合わせた力より強く設定されている。
【0029】
前記芯タンク115の後部にはスプリング付接点が設けられる。このスプリング付接点は、芯タンク115の後端部に固定部材118が固着されるとともに、芯タンク115の外鍔115Eと固定部材118の間に可動部材119が長手方向に摺動可能に取り付けられる。
【0030】
更に、芯タンク115の外鍔115Eと可動部材119の間に50g〜60g程度の力で接点スプリング120が張架され、可動部材119に設けられた接点119Aと固定部材118に設けられた接点118Aが接触している。
【0031】
前記連結具10には通電駆動型形状記憶合金9の一端が固着される。また、通電駆動型形状記憶合金9の他端はスプリング付接点の可動部材119に固定される。
【0032】
更に、押圧部材121に形成された複数の弾性片121Bは、前記固定部材118に摩擦嵌合可能に構成され、弾性片121Bと固定部材118の摩擦嵌合力は、スプリング17、チャックスプリング14及び芯タンクスプリング116を合わせた力にゴムリング29と締具111の摩擦嵌合力を加えた力より強く設定する。
【0033】
図10の状態より筆記を行い芯3が消耗すると、芯ガイド2が紙面に押されて後退し、リング状の接点2Aが接点1Bと接点1Cに接続される。すると、自動スイッチがONとなり、通電駆動型形状記憶合金9が通電されて熱せられる。また、ランプ8が点灯しクリップ7全体が発光される。そして、通電駆動型形状記憶合金9が熱せられて収縮すると、芯タンク115が前方に引っ張られてスプリング17が圧縮される。すると、芯タンク115に設けられたゴムリング29が締具111の凹部111C内面に摩擦接触しているとともに、締具111と芯タンク115の間に芯タンクスプリング116が張架されているので、芯タンク115とともに締具111が前進する。従って、締具111とともにチャック12も前進するので、チャック12に保持された芯3も芯ホルダー4内を滑って前進する。
【0034】
そして、締具111の前端が口金1の係止段1Eに当接され、締具111及び芯タンク115の前進が停止される。この時、ゴムリング29と締具111の摩擦力及び芯タンクスプリング116の弾力を合わせた力を接点スプリング120より強く設定しておけば、締具111内をゴムリング29及び芯タンク115が前進してしまう恐れはなくなる。従って、芯ガイド2の先端より芯3が突出するとともに、締具111に押されて芯ガイド2が前進し、図11の状態となる。この状態になると、リング状の接点2Aが接点1Bと接点1Cから離間し、自動スイッチがOFFとなる。従って、実施例2においても、通電駆動型形状記憶合金9による引張力はスプリング17の力より大きければ良く、また、通電駆動型形状記憶合金9により移動される距離は締具111の移動距離のみとなり、わずかな距離を弱い力で引っ張れば良く、乾電池25の消費電力も極わずかで良い。そして、自動スイッチがOFFとなると、通電駆動型形状記憶合金9が冷やされて伸長し、スプリング17に付勢されて締具111が後退する。すると、締具111とともにチャック12及び芯タンク115が後退するが、チャック12は芯3の前進は許容するが後退は阻止する構造となっているので、突出した芯3は芯ホルダー4に保持されて停止している。そして、締具111が連結具10に当接されて停止すると図10の状態に復帰する。
【0035】
尚、誤って芯ガイド2を後方に押し続けた状態となった場合には、過度の熱が通電駆動型形状記憶合金9に加わり、強い力で収縮する。すると、締具111が前進して締具111の前端が口金1の係止段1Eに当接されるが、更に通電駆動型形状記憶合金9が収縮した場合には、接点スプリング120の力がゴムリング29と締具111の摩擦力に芯タンクスプリング116の弾力を合わせた力より弱いために接点スプリング120が圧縮される。この接点スプリング120の圧縮とともに可動部材119が前進させられ、接点118Aと接点119Aが離間して通電が止められる。従って、必要以上に通電駆動型形状記憶合金9が熱せられる恐れはなく、通電駆動型形状記憶合金9が破損したり耐久性を損ねる恐れはない。
【0036】
そして、1本の芯3が消耗し次の芯3を繰り出す場合には、ノブ27を押圧するとリターンスプリング22を圧縮してカセット24及び押圧部材121が前進する。すると、押圧部材121に形成した弾性片121Bが固定部材118に当接して押圧部材121とともに芯タンク115を前進させる。そして、締具111の前端が口金1の係止段1Eに当接すると締具111は停止するが、芯タンク115は弾性片121Bに押されて更に前進する。この時、ゴムリング29が締具111の凹部111C内面を滑って前進するとともに、芯タンクスプリング116が圧縮される。そして、芯タンク115の前端がチャック12の後端を押圧してチャック12を拡開する。そして、芯タンク115の係止段115Fが締具111の内鍔111Dに当接するとチャック12及び芯タンク115は停止される。また、芯タンク115内に収納された次の芯3がチャック12内に落下し芯ホルダー4に当接する。更に押圧部材121を押圧すると、押圧部材121の弾性片121Bが固定部材118の外面に摩擦嵌合し図12の状態となる。
【0037】
次に、ノブ27の押圧を中止すると、リターンスプリング22により押圧部材121が後退されるが、ゴムリング29が締具111と摩擦嵌合している力はチャックスプリング14と芯タンクスプリング116の弾力を合わせた力より強いために、チャック12は拡開した状態で後退させられる。従って、チャック12内に落下した次の芯3が後退させられる心配はない。そして、締具111が連結具10に当接されると、締具111は後退が停止されるが、押圧部材121はリターンスプリング120により更に後退させられる。すると、押圧部材121の弾性片121Bが固定部材118と摩擦嵌合する力が、スプリング17、チャックスプリング14及び芯タンクスプリング116を合わせた力にゴムリング29と締具111の摩擦嵌合力を加えた力より強く設定されているので、弾性片121Bに引っ張られて固定部材118及び芯タンク115が後退されると、ゴムリング29が締具111の凹部111C内面を滑って後退するが、先ずチャック12に設けられたボール13が締具111のテーパー面111Bに押圧されてチャック12が閉じられ、次に芯タンク115の前部段115Cが締具111の内鍔111Dに当接され芯タンク115の後端が停止される。更に押圧部材121はリターンスプリング22により後退させられ、弾性片121Bによる固定部材118との摩擦嵌合が外れ図10の状態に復帰する。
【実施例3】
【0038】
本発明は、上記実施例1及び2に限定されるものではなく、例えば自動スイッチにおいては図13及び図14に示したものでも良い。この場合には、口金101の先端孔101Aに前後に前接点101Fと後接点101Gを配置する。また、口金101内に長手方向に摺動可能でかつ適度の力で摩擦接触する芯ガイド102を内蔵する。この芯ガイド102の筒部に、前記前接点101Fと後接点101Gに接触可能な接点102Aを取り付ける。尚、口金101に芯ガイド102が摩擦接触する力は芯ホルダー4が芯3を保持する力より強く設定する。そして、図13に示した通常の筆記状態では、芯ガイド102に設けられた接点102Aは前接点101Fのみと接触している。そして、筆記が行われ芯3が消耗すると、芯ガイド102が紙面28に押されて後退し、接点102Aが前接点101Fとともに後接点101Gとも接触し、前接点101Fと後接点101Gが通電されて図14の状態となるものである。
【0039】
また、押圧部材と芯タンクが係合する手段は、押圧部材に設けた弾性片が固定部材に摩擦嵌合する構成のみに限定されるものではなく、弾性片は芯タンクと摩擦嵌合しても良いし、弾性片以外にも種々の係合手段が利用可能である。
【0040】
更に、チャック内に次の芯を追従する手段も上記実施例に限定されるものではなく、従来公知の種々の手段が利用できるものである。また、上記実施例はいずれもチャックが、前部をスリ割り加工によって半割したもので説明したが、本発明におけるチャックは、射出成形で形成した合成樹脂製の2つの片を互いに合わせてチャックを構成してもよいし、ダイキャストで形成した金属製の2つの片を互いに合わせてチャックを構成しても良い。
【0041】
また、芯タンクと締具が摩擦嵌合する手段としては、ゴムリングに限定されるものではなく、芯タンクの前部を複数に分割して弾性片を形成し、この弾性片が締具と摩擦接触することも可能である。
【0042】
更に、通電駆動型形状記憶合金としては、Ti−Ni系またはTi−Ni−Su系の形状記憶合金が考えられ、バイオメタルBMF75、BMF100、BMF125、BMF150(トキ・コーポレーション株式会社製)が好ましい。
【0043】
更にまた、通電駆動型形状記憶合金が接触する可能性のある部材は金属又は耐熱性樹脂を用いることが好ましい。
【0044】
更にまた、上記実施例ではいずれも電源として乾電池を用いたが、本発明は乾電池に限定されるものではなく、充電式の電池を用いても良い。
【0045】
更にまた、上記実施例ではいずれもランプの光がクリップから発光されているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、軸筒、把持部分あるいは口金等からランプの光を発光させても良いし、ランプ自体がなくても本発明の目的効果は十分に得られるものである。
【0046】
更にまた、本発明における電動式シャープペンシルは、自動スイッチがONとなった時に1秒程度電流を流し、その後、自動スイッチが一度OFFとなった後に再びONとなると再度1秒程度電流を流すという作動を繰り返し行う為のIC回路を設けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
通電駆動型形状記憶合金の収縮が少なく、しかも弱い引っ張り力で芯を一定量繰り出すことができ、乾電池の消耗を少なくすることができる。しかも、筆記により芯が消耗すると芯ガイドが後退して自動スイッチがONとなり、通電が行われるので自動的に芯を繰り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例1の電動式シャープペンシルを示す断面図である。(実施例1)
【図2】図1の先端部分を示す主要部拡大断面図である。(実施例1)
【図3】実施例1における配線図である。(実施例1)
【図4】芯が消耗し芯ガイドが後退されて自動スイッチがONとなった状態を示す主要部拡大断面図である。(実施例1)
【図5】通電することにより通電駆動型形状記憶合金を収縮させて芯保持装置を前進させ、芯を一定量繰り出した状態を示す主要部拡大断面図である。(実施例1)
【図6】過度の熱が通電駆動型形状記憶合金に加わり、接点18Aと接点19Aが離間した状態を示す主要部拡大断面図である。(実施例1)
【図7】ノブを押圧してチャックを拡開した状態を示す断面図である。(実施例1)
【図8】図7の先端部分を示す主要部拡大断面図である。(実施例1)
【図9】メインスイッチをOFFにした状態を示す断面図である。(実施例1)
【図10】本発明の実施例2の電動式シャープペンシルを示す断面図である。(実施例2)
【図11】通電することにより通電駆動型形状記憶合金を収縮させて芯保持装置を前進させ、芯を一定量繰り出した状態を示す断面図である。(実施例2)
【図12】ノブを押圧してチャックを拡開した状態を示す断面図である。(実施例2)
【図13】本発明の実施例3の電動式シャープペンシルを示す主要部拡大断面図である。(実施例3)
【図14】芯が消耗し芯ガイドが後退させられて自動スイッチがONとなった状態を示す主要部拡大断面図である。(実施例3)
【符号の説明】
【0049】
2 芯ガイド
3 芯
4 芯ホルダー
9 通電駆動型形状記憶合金
11 締具
11B 締具11のテーパー面
12 チャック
12A チャック12の頭部
13 ボール
14 チャックスプリング
15 芯タンク
17 スプリング
102 芯ガイド
111 締具
111B 締具111のテーパー面
115 芯タンク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆記先端部内を長手方向に摺動可能に芯ガイドを設け、この芯ガイド内に芯を適度の力で保持する芯ホルダーを内蔵するとともに、チャックの頭部に設けられたボールを締具のテーパー面に押圧することにより芯の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を構成し、前記芯保持手段をスプリングにより長手方向後方に付勢し、芯が摩耗することによって芯ガイドが紙面等で押されて後退し通電が行われると、通電駆動型形状記憶合金によって前記芯保持手段が前進し芯を筆記先端より突出させ、かつ、通電が止められると、前記芯保持手段がスプリングによって後退され筆記状態となることを特徴とする電動式シャープペンシル。
【請求項2】
長手方向前方に向かって広がったテーパー面を有する締具と、頭部にボールを設けたチャックと、チャックを長手方向後方に付勢するチャックスプリングとからなり、チャックスプリングによりチャックの頭部に設けられたボールが締具のテーパー面に押圧され、このチャックにより芯の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を構成したことを特徴とする請求項1記載の電動式シャープペンシル。
【請求項3】
締具に通電駆動型形状記憶合金を連結し、通電を行うことにより通電駆動型形状記憶合金が収縮して締具を前進させ、この締具が前進することによって芯保持手段を前進させることを特徴とする請求項1又は2記載の電動式シャープペンシル。
【請求項4】
締具と連動する芯タンクに通電駆動型形状記憶合金を連結し、通電を行うことにより通電駆動型形状記憶合金が収縮して芯タンクを前進させ、この芯タンクが前進することによって芯保持手段を前進させることを特徴とする請求項1又は2記載の電動式シャープペンシル。
【請求項1】
筆記先端部内を長手方向に摺動可能に芯ガイドを設け、この芯ガイド内に芯を適度の力で保持する芯ホルダーを内蔵するとともに、チャックの頭部に設けられたボールを締具のテーパー面に押圧することにより芯の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を構成し、前記芯保持手段をスプリングにより長手方向後方に付勢し、芯が摩耗することによって芯ガイドが紙面等で押されて後退し通電が行われると、通電駆動型形状記憶合金によって前記芯保持手段が前進し芯を筆記先端より突出させ、かつ、通電が止められると、前記芯保持手段がスプリングによって後退され筆記状態となることを特徴とする電動式シャープペンシル。
【請求項2】
長手方向前方に向かって広がったテーパー面を有する締具と、頭部にボールを設けたチャックと、チャックを長手方向後方に付勢するチャックスプリングとからなり、チャックスプリングによりチャックの頭部に設けられたボールが締具のテーパー面に押圧され、このチャックにより芯の前進は許容するが後退は阻止する芯保持手段を構成したことを特徴とする請求項1記載の電動式シャープペンシル。
【請求項3】
締具に通電駆動型形状記憶合金を連結し、通電を行うことにより通電駆動型形状記憶合金が収縮して締具を前進させ、この締具が前進することによって芯保持手段を前進させることを特徴とする請求項1又は2記載の電動式シャープペンシル。
【請求項4】
締具と連動する芯タンクに通電駆動型形状記憶合金を連結し、通電を行うことにより通電駆動型形状記憶合金が収縮して芯タンクを前進させ、この芯タンクが前進することによって芯保持手段を前進させることを特徴とする請求項1又は2記載の電動式シャープペンシル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−183740(P2008−183740A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−16993(P2007−16993)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000111904)パイロットプレシジョン株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000111904)パイロットプレシジョン株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
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