説明

電動式輸液注入システム

電導式輸液注入システムは、情報カード記録側ユニット10と、情報カード利用側ユニット20とからなる。情報カード記録側ユニット10は、患者の病状にもとづいて投薬情報が書き込まれる情報カード11と、投薬情報を情報カード11に書き込み/読み出すリーダ/ライタ12と、リーダ/ライタ12に投薬情報を入力する入力手段13とを含む。情報カード11は、磁気カード、ICカード、光カードのうちから一種選択される。情報カード利用側ユニット20は、情報カード11の情報を読み出すリーダ21と、患者の個人情報を入力する入力手段22と、リーダ21からの投薬情報と入力手段22からの個人情報を受け、投薬信号を発生するコントローラ23と、コントローラ23からの信号を受け、機械的信号に変換するトランスデューサ24と、所定の輸液31を貯蔵した輸液貯蔵容器30および患者の体内に輸液を注入する注入器40とに接続されていてトランスデューサ24からの作動信号にもとづいて輸液貯蔵容器30から輸液31を注入器40に供給する電動式PCAポンプ25とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、電動式輸液注入システムに関し、さらに詳しく言えば、電動式PCA(patient−controlled analgesia:患者管理鎮痛)ポンプを用いた電動式輸液注入システムに関する。
【背景技術】
術後疼痛管理、ペインクリニック、救急治療等の領域においては、非電動式の持続注入器または電動式PCAポンプによって、輸液を患者の体内に注入している。この輸液には、鎮痛剤、抗ガン剤、栄養剤、生理食塩水等が含まれる。電動式PCAポンプは、国産品、外国製品等種々雑多である。外国製品は、比較的高価であり、操作性、ディスプレ表示に難点がある。国産品は比較的安価であり、操作性、ディスプレ表示は概ね良好であるが、製造メーカ独自の規格にもとづいて製造しているので、製品規格の統一性に欠ける。
電動式PCAポンプに入力する情報としては、輸液の種類、注入量、注入時間、注入流量等を含む。機種の変更、投薬カルテルの変更、取扱者の変更等に伴い人為的ミスも発生することもある。
【発明の開示】
そこで、本発明の目的は、製造メーカ独自の規格に関係なく、取扱者の人為的ミスをなくした電動式輸液注入システムを提供することにある。
本発明の電導式輸液注入システムは、情報カード記録側ユニットと、情報カード利用側ユニットとからなる。情報カード記録側ユニットは、患者の病状にもとづいて投薬情報が書き込まれる情報カードと、投薬情報を情報カードに書き込み/読み出すリーダ/ライタと、リーダ/ライタに投薬情報を入力する入力手段とを含む。情報カードは、磁気カード、ICカード、光カードのうちから一種選択される。
情報カード利用側ユニットは、情報カードの情報を読み出すリーダと、患者の個人情報を入力する入力手段と、リーダからの投薬情報と入力手段からの個人情報を受けて投薬信号を発生するコントローラと、コントローラからの信号を受けて機械的信号に変換するトランスデューサと、所定の輸液を貯蔵した輸液貯蔵容器および患者の体内に輸液を注入する注入器とに接続されていてトランスデューサからの作動信号にもとづいて輸液貯蔵容器から輸液を注入器に供給する電動式PCAポンプとを含む。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の輸液注入システムの概略構成説明図である。
図2は、本発明の輸液注入システムの使用例を示す概略説明図である。
図3は、本発明の輸液注入システムにおける情報カード記録側ユニットの概略構成線図である。
図4は、本発明の輸液注入システムにおける情報カード利用側ユニットの概略構成線図である。
図5は、本発明の輸液注入システムにおける情報カード記録側ユニットの動作を示すフローチャートである。
図6は、本発明の輸液注入システムにおける情報カード利用側ユニットの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
図面を参照して、本発明の電導式輸液注入システムの最適実施例について説明する。
図1に示すように、本発明の電動式輸液注入システムは、情報カード記録側ユニット10と、情報カード利用側ユニット20とからなる。
情報カード記録側ユニット10は、図1および図3に示すように、患者の病状にもとづいて投薬情報が書き込まれる情報カード11と、投薬情報を情報カード11に書き込み/読み出すリーダ/ライタ(R/W)12と、リーダ/ライタ12に投薬情報を入力する入力手段13とを含む。情報カード11は、慣用の磁気カード、ICカード、光カードのうちから一種選択される。入力手段13は、慣用のパーソナル・コンピュータ(PC)でもよい。本実施例においては、説明の便宜上、ICカードを情報カード11に用いた場合について説明する。
ICカード(情報カード)11は、図3に示すように、CPU、コプロセッサ、メモリ、I/O port、RF(無線)インタフェース、非接触インタフェースを含む。リーダ/ライタ(R/W)12は、図3に示すように、非接触インタフェース、インタフェース回路を含む。ICカード11とリーダ/ライタ12との間は電波によって送受信される。
情報カード利用側ユニット20は、図1および図4に示すように、ICカード(情報カード)11の情報を読み出すリーダ(R)21と、患者の個人情報を入力する入力手段22と、リーダ21からの投薬情報と入力手段22からの個人情報を受けて投薬信号を発生するコントローラ23と、コントローラ23からの信号を受けて機械的信号に変換するトランスデューサ24と、所定の輸液31を貯蔵した輸液貯蔵容器30および患者50(図2)の体内に輸液を注入する注入器40とに接続されていてトランスデューサ24からの作動信号にもとづいて輸液貯蔵容器30から輸液31を注入器40に供給する電動式PCAポンプ25とを含む。
リーダ(R)21は、図1および図4に示すように、非接触インタフェース、インタフェース回路を含む。ICカード11からリーダ21へは電波によって情報が送信される。入力手段22は、図示例ではテンキーであるが、慣用のPCでもよい。コントローラ23はマイクロプロセッサを含む。トランスデューサ24、電動式PCAポンプ25は慣用のものである。
図5に示すフローチャートを参照して、本発明の輸液注入システムにおける情報カード記録側ユニット10の動作を説明する。
まず、情報カード記録側ユニット10を始動する(ステップA1)。次に、情報カード(ICカード)11をリーダ/ライタ(W/R)12に設置する(ステップA2)。患者の病状にもとづいてつくられた医師の処方(例えば、輸液の種類、注入量、注入時間、流速等)をリーダ/ライタ12に入力手段(PC)13によって入力する(ステップA3)。ステップA3において、患者の個人情報(例えば、患者のパスワード、姓名、生年月日等)も入力する。入力が正しいか否かを判定する(ステップA4)。正しくない場合には、ステップA3に戻って再度医師の処方を入力し直す。入力が正しい場合には、その入力をリーダ/ライタ(R/W)12に書き込む(ステップA5)。情報カード(ICカード)11をリーダ/ライタ(R/W)12から取り出す(ステップA6)。最後に、ユニット10を停止する(ステップA7)。
次に、図6に示すフローチャートを参照して、本発明の輸液注入システムにおける情報カード利用側ユニット20の動作を説明する。
まず、情報カード利用側ユニット20を始動する(ステップB1)。次に、情報カード(ICカード)11をリーダ(R)21に設置する(ステップB2)。患者のパスワードを入力する(ステップB3)。情報カード(ICカード)11から設定パスワード情報(個人情報)を読み出す(ステップB4)。設定個人情報から患者本人であるか否かを確認する(ステップB5)。患者本人ではないことが確認された場合には、終了する(ステップB10)。患者本人であることが確認された場合には、リーダ21によって、ICカード11から患者の処方情報を読み出す(ステップB6)。所定の輸液貯蔵容器30および注入器40を準備する(ステップB7)。輸液注入開始ボタンをオンにする(ステップB8)。次いで、注入器40から輸液31が排出され、気泡が除去された後、注入器40を患者50に取り付け、輸液31の注入を続行する。所定量の輸液31が患者に注入された後、輸液注入を停止する(ステップB9)。最後に、ユニット20を停止する(ステップB10)。
図2は、本発明の輸液注入システムの使用例を示す概略説明図である。情報カード(ICカード)11が情報カード利用側ユニット20のリーダ21に設置され、輸液貯蔵容器30および注入器40がユニット20の電動式PCAポンプ25(図4)に導管32、41をかいして接続される。注入器40が患者50の所定部位(図示例では、左腕)に接続され、輸液持続注入が継続される。
情報カード(ICカード)11は、患者が携帯してもよいが、情報カード利用側ユニット20内に密閉固定してもよい。
【産業上の利用可能性】
本発明の電動式輸液注入システムは、医療機関、救急施設、介護機関、家庭等に広く利用できる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報カード記録側ユニットと、情報カード利用側ユニットとからなり、
前記情報カード記録側ユニットは、患者の病状にもとづいて投薬情報が書き込まれる情報カードと、前記投薬情報を前記情報カードに書き込み/読み出すリーダ/ライタと、該リーダ/ライタに投薬情報を入力する入力手段とを含み、
前記情報カード利用側ユニットは、前記情報カードの情報を読み出すリーダと、患者の個人情報を入力する入力手段と、前記リーダからの投薬情報と前記入力手段からの個人情報を受け、投薬信号を発生するコントローラと、該コントローラからの信号を受け、機械的信号に変換するトランスデューサと、所定の輸液を貯蔵した輸液貯蔵容器および患者の体内に輸液を注入する注入器とに接続されていて前記トランスデューサからの作動信号にもとづいて前記輸液貯蔵容器から輸液を前記注入器に供給するPCAポンプとを含む、
輸液注入システム。
【請求項2】
前記情報カードは、磁気カード、ICカード、光カードのうちから一種選択される、輸液注入システム。

【国際公開番号】WO2004/089445
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【発行日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−570540(P2004−570540)
【国際出願番号】PCT/JP2003/004224
【国際出願日】平成15年4月2日(2003.4.2)
【出願人】(591129025)株式会社塚田メディカル・リサーチ (8)
【Fターム(参考)】