電動管理作業機の電動制御装置
【課題】 バッテリ電源によりモータを回転駆動して、耕耘ロータを駆動し土壌を耕耘する形態にあっては、耕耘負荷や、負荷変動が大きいために、バッテリの消費も大きく、負荷変動に対する出力の加減操作等が煩雑であり、作業能率や、長時間にわたる良好な作業性を維持し難いものである。
【解決手段】 モータ2を電動するバッテリ1の残量電圧値が設定値以下の状態になると共に、この設定値以下の状態が設定時間以上に亘って継続することによって、このバッテリ残量が不足の状態になっている旨を残量モニタ48に表示させる。
【解決手段】 モータ2を電動するバッテリ1の残量電圧値が設定値以下の状態になると共に、この設定値以下の状態が設定時間以上に亘って継続することによって、このバッテリ残量が不足の状態になっている旨を残量モニタ48に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バッテリ電源によって耕耘ロータを長時間にわたり回転駆動して耕耘する電動管理作業機の電動制御装置に関するもので、バッテリ残量不足をモニタ表示させるものである。
【背景技術】
【0002】
バッテリ電源によって耕耘ロータを回転駆動して耕耘する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009ー34000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリ電源によりモータを回転駆動して、耕耘ロータを駆動し土壌を耕耘する形態にあっては、耕耘負荷や、負荷変動が大きいために、バッテリの消費も大きく、負荷変動に対する出力の加減操作等が煩雑であり、作業能率や、長時間にわたる良好な作業性を維持し難いものである。又、バッテリ残量を注意しながら、効率よく作業を継続し、しかも過放電によりバッテリを損傷しないことが望ましい。このため、バッテリ残量をモニタ表示させるが、このバッテリ残量は、電動負荷と充電制御回路によるバッテリ充電とによって変化しているため、そのバッテリ残量の不足を常時モニタ表示させて、適切な作業継続を行わせる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、充電制御回路27と放電制御回路28を備えた二次電池のバッテリ1と、このバッテリ1によって電動のモータ2を搭載して駆動する耕耘ロータ3を有する電動管理作業機において、このモータ2を電動するバッテリ1の残量電圧値が設定値以下の状態になると共に、この設定値以下の状態が設定の一定時間以上に亘って継続することによって、このバッテリ残量が不足の状態になっている旨を残量モニタ48に表示させることを特徴とする電動制御装置の構成とする。
【0006】
前記二次電池としてのバッテリ1でモータ2を電動して、耕耘ロータ3等を駆動しながら走行して作業を行う。この作業時はバッテリ残量が残量モニタ48に表示される。作業者は、この残量モニタLED48の表示を鑑視しながら作業を継続し、バッテリ残量不足状態の残量少となったことが表示されると、作業を停止してバッテリ1を充電して作業の再開に備える。前記残量モニタ48の残量少の判定は、バッテリ1の電圧VLが放電停止電圧以上の領域にあるものとして、この放電停止電圧に一定値V1を加算した値として設定する。従って、運転中にバッテリ残量電圧を読み込んで、その電圧VLの値が、「放電停止電圧+V1」以下の状態が一定時間(モータ起動時間t1より長い時間)継続したときに、バッテリ残量少としてのモニタLED(赤点灯)を点灯させる。前記モータ起動時にバッテリの急激な電圧低下があっても残量少のモニタ点灯を防止する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記バッテリ1の残量電圧値の低下と、この低下時間の継続とによってバッテリ残量不足を表示させる形態において、運転開始時から設定時間の経過、又は負荷電流値が設定値以下を検出するまでは残量不足の表示を行わない。
【0008】
前記のように運転中にバッテリ残量電圧を読込み、このバッテリ残量電圧VLが、「放電停止電圧+V1」以下の状態で、一定時間t1(モータ起動時間tより長い時間)継続することによって、残量モニタLED48赤色出力をON(バッテリ残量少モニタLED赤色を点灯)させる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記バッテリ1の残量少として判定するバッテリ電圧は、放電停止電圧以上として、この放電停止電圧に一定値(V1)を加算した値とする。
前記のようにバッテリ電圧は、運転作業中モニタ表示される状態にあって、バッテリ残量が少くなると残量少として表示して運転者に報知される。このときの残量少として判定されるバッテリ電圧は、放電停止電圧に一定値V1を加算した値の放電停止電圧よりもV1値だけ高い電圧基準値のもとにより判定される。この一定値V1を加算した基準値よりも低い電圧値を検出したとき残量モニタ48は残量少の表示が行われる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記電動管理作業機の運転中におけるバッテリ残量不足の表示後に、電圧値が設定値以上を検出することによってモニタ表示を残量十分の旨の表示に戻す。
【0011】
前記運転中に作業負荷が小さくなったり、バッテリ1の充電等によって、電圧値が設定値以上を検出することによって、前記バッテリ残量少の残量不足域のモニタ表示は、自動的に残量十分の旨の表示(残量モニタLED縁の点灯)に戻し制御される。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記電圧値が設定値以上であることを検出時間t2は、電圧低下を検出する時間t1よりも短い時間(t2<t1)であるものとして設定する。
前記電動作業中におけるバッテリの電圧値が常時検出されていて、前記電圧値が設定値以上であることの時間t2や、電圧低下を検出する時間t1等を検出していて、前記電圧値が設定値以上であることを検出時間t2は、電圧低下を検出する時間t1よりも短い時間(t2<t1)として設定している。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明は、バッテリ残量が不足の状態になった旨のモニタ2表示は、過負荷等による一時的な電圧値の低下によるものではなく、残量電圧値が設定値以下の状態になったことが、設定の一定時間以上に亘って継続することによって表示されるものであるから、バッテリ残量不足を適切に表示することができ、作業能率を高めることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、バッテリ残量モニタの残量状態を運転者に知らせるとき、残量少と判定するバッテリ電圧が一定時間継続したとき残量少として表示するとき、この「一定時間」はモータの起動時間よりも長い値として設定する。これによって運転開始時、モータ起動時に、過負荷によるバッテリの電圧低下があっても残量少のモニタ点灯を防ぐことができ、正確で、安定したモニタ点灯を行わせることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記のように残量少として判定して報知されるバッテリ電圧VLは、放電停止電圧以上の電圧として、放電停止電圧に一定値V1を加算した値を判定基準とするものであるから、バッテリ残量少を知らせる値を適切に簡単に設定することができ、過放電状態の作業を少くして、バッテリを保護して安全な電動作業を行わせることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、一時的な過負荷作業の継続等で電圧値が変動して後に、元に復起した場合には、バッテリ残量を適切な表示に自動的に切替えることができる。
請求項5に記載の発明は、前記電動作業におけるバッテリの残量モニタにおいて、電圧値が設定値以上を検出する時間t2は短かくし、電圧低下を検出する時間t1はこれよりも長くして設定して、残量少の表示を行わせるものであるから、作業者が電圧値低下ではないことを早く認識できるため円滑な作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電動管理作業機の側面図。
【図2】その背面図。
【図3】その平面図。
【図4】モータ電動回路のブロック図。
【図5】電動モータ駆動制御回路部のブロック図(A)と、その出力制御回路部のブロック図(B)。
【図6】充電器接続時のブロック図。
【図7】そのモータ駆動制御におけるモニタユニットのブロック図。
【図8】そのバッテリ残量モニタ制御のフローチャート(A)と、残量モニタの平面図(B)、モニタ出力の閾値を示すタイムチャート(C)。
【図9】そのバッテリ残量モニタ制御のフローチャート(A)と、運転起動時(開始時)のモータ電流曲線を示すグラフ(B)。
【図10】充電器の充電量曲線グラフ(A)と、その充電制御のフローチャート(B),(C)。
【図11】そのバッテリ残量モニタ制御のフローチャート(A)と、残量モニタの平面図(B)、モニタ出力の閾値を示すタイムチャート(C)。
【図12】その一部別例を示すバッテリ残量モニタ制御のフローチャート。
【図13】その一部別例を示すバッテリ残量モニタ制御のフローチャート。
【図14】その一部別例を示すバッテリ残量モニタ制御のフローチャート。
【図15】その一部別例を示すバッテリ残量モニタ制御のフローチャート。
【図16】その一部別例を示すバッテリ残量モニタ制御のフローチャート。
【図17】その一部別例を示すモニタ制御回路部のブロック図(A)と、そのフローチャート(B),(C)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面に基づいて、電動走行管理作業機は、耕耘爪5を有する耕耘ロータ3を駆動回転させて土壌面を耕耘しながら推進走行するカルチベータ形態の耕耘作業機から構成される。作業機フレーム6の上側には、バッテリ1と、このバッテリ1によって電動される電動モータ2等を搭載している。このフレーム6の前部で電動モータ2の下側には、上下方向のモータ伝動軸を軸受内装する伝動ケース7を設け、この伝動ケース7の下部に、前記モータ伝動軸を介して伝動により横軸芯周りに回転駆動するロータリ軸8を軸支している。この中央部の伝動ケース7から左右両側へ張り出すこのロータリ軸8の周りには、耕耘爪5を配置すると共に、両端にはサイドデイスク9を取付けて、耕耘ロータ3を構成している。
【0019】
耕耘ロータ3の上方を覆う平面視円盤形状のモータベース10は、底部を作業機フレーム6上に取付け支持させて、このモータベース10の上側の前部に電動モータ2を取付け、後部にはバッテリ1を収容のバッテリケース11を搭載している。又、このモータベース10の上側はモータカバー12で開閉可能に覆っている。前記バッテリケース11は、上端にハンドルを有して取扱いを行い易くし、底面には前記モータベース10に形成の係合穴に、このバッテリケース11の移動を阻止する突子を嵌合している。
【0020】
前記作業機フレーム6の後部にはハンドルフレーム13を斜め後方上部に向かって設けて、この後端部左右両側に一対の操作ハンドル14を分岐して設け、各操作ハンドル14にはグリップ15を設けている。この右手側のハンドル14には、このグリップ15近傍に電動モータ2の駆動を入り切りする操作レバー17を設けている。
【0021】
前記作業機フレーム6の後端部には作業機を移動するときに下側へ回動させて機体を支持する補助輪18と、耕耘作業時にダッシングを防止する抵抗棒19を取り付けている。この補助輪18は不使用時は後方へ回動させて収納姿勢にしておく。
【0022】
前記ハンドルフレーム13に対する操作ハンドル14の取付位置に形成する操作ケース部には、バッテリ1からの電源の入り切りをするキースイッチ16を設ける。又、バッテリケース11の後面には、このバッテリケース11内のバッテリ1と前記電動モータ2との間を接続するモータ駆動回路20の出力端子21と、このバッテリ1を充電するための充電端子22とを各々設けている。
【0023】
前記バッテリケース11は、後部外壁部に前記出力端子21、充電端子22を設け、内部に複数のバッテリセル23からなるバッテリ1(バッテリパック24)を設け、各バッテリセル23の上面に充電制御回路27を組み込んだ充電制御基板25を前後にスライドさせて挿脱可能に設け、更にこの上側に、適宜間隔離れて放電制御回路28、及び出力制御回路34を組み込んだ放電制御基板26を前後スライド可能にして着脱可能に設けている。前記充電制御基板25の端子は、前記充電端子22に配線接続し、各バッテリセル23との間は直接電気的に接続する。又、放電制御基板26は複数のバッテリセル23の直列接続による電圧が出力端子21に出力できるように回路構成している。
【0024】
前記放電制御基板26の放電制御回路28を、前記バッテリセル23と電動モータ2とを接続するモータ駆動回路20途中に介在すると共に、該放電制御基板26には、前記出力制御回路34の他、電流検出回路29、スイッチング回路30、電流平滑回路31、過放電防止回路32、及び短絡防止回路33等を設けている。
【0025】
このうち出力制御回路34は、キースイッチ16、運転(リミット)スイッチ4による運転信号制御回路35からの運転信号を受けてスイッチング回路30をON−OFF切換出力し、このスイッチング回路30のON−OFF切換出力は、前記モータ駆動回路20を遮断し、又は接続状態とするよう切り換える構成としている。
【0026】
又、前記電流検出回路29は放電制御基板26の制御電流を検出して、予め設定した設定電流値を超える状態が規定時間継続すると前記スイッチング回路30をOFFに切り換え、前記モータ駆動回路20を遮断するよう構成している。
【0027】
前記各充電制御基板25には過充電防止回路36を組み込み、一方、放電制御基板26には上記のように出力制御回路34等のほか、電流検出回路29、電流平滑回路31、過放電防止回路32、短絡防止回路33、スイチイング回路30、及び出力制限回路39等を組み込んでいる。なお、この電流平滑回路31は、前記運転信号が入力されたときに生じるサージ電流を平滑処理する回路である。
【0028】
バッテリ充電器40を接続した形態で、充電完了の判定を行わせる形態で、充電器40側で充電完了、又は充電中と判断したときは所定のLED37を点灯し、又、充電制御基板25側の前記過充電防止回路36が作動することによって充電を停止することがある。
【0029】
前記放電制御基板26に対する短絡防止は上記短絡防止回路33で防止できる構成であるが、各充電制御回路27に対する短絡防止は、これら放電制御基板26毎に設けることなく、これらに共通の短絡防止回路33の基板を、充電端子22とこの充電制御基板27との間に設けている。
【0030】
前記バッテリケース11の出力端子21は、電動モータ2への出力端子21として前記モータ駆動回路20により電動モータ2に接続すると共に、信号入出力用の端子21として、運転信号制御回路35に連結して、この信号制御回路35から前記キースイッチ16や、操作レバー17で作動される運転(リミット)スイッチ4等の入り切り信号を入力して、前記出力制御回路28へ運転信号を出力でき、或は、この出力制御回路28による出力に基づいて、前記信号制御回路35からバッテリ(電池)残量や、警告表示信号等を運転モニタ37に入力して、これら電源入切LED57や、運転警告LED58、バッテリ残量モニタLED48等を出力する構成としている。
【0031】
前記出力端子21は、ブレーカ38を介して電動モータ2に接続している。このブレーカ38は、モータ駆動回路20を入り切りするソレノイド作動形態のスイッチから成り、モータ駆動回路20の電流値が上昇すると励磁してスイッチOFF作動してモータ駆動回路20を切りにし、電動モータ2を停止位置とする構成である。又、このブレーカ38はON−OFFスイッチ形態として、前記モータベース10の後部上面に設けている。
【0032】
前記右手側ハンドル14の操作レバー17を、スプリング力に抗して把持して回動操作すると、運転スイッチ4をON作動して、前記運転信号制御回路35からの信号によって電動モータ2を駆動する。この操作レバー17の把持を開放すると、スプリング力によって戻されて、運転スイッチ4はOFFとなり、電動モータ2も停止する。
【0033】
耕耘作業にあたり、バッテリ1の充電状態を前記バッテリ残量モニタLED48の点滅等の残量モニタによって確認し、充電不足の場合は充電器40を充電端子22に接続し所定の充電を行なう。耕耘作業の開始にあたっては、キースイッチ16を入りにして、操作レバー17を把持回動することにより運転スイッチ4をONすると、この運転スイッチ4のON信号は、運転信号制御回路35を経由して出力制御回路34に送信され、スイッチング回路30を回路接続側に作動させ、バッテリ1により電動モータ2が駆動されて、この電動モータ2の駆動により耕耘ロータ3が回転し耕耘作業を行うことができる。
【0034】
この耕耘作業を停止するときには、作業者が操作レバー17の把持を離すとスプリング力で戻されて、運転スイッチ4のOFFによる運転信号によってバッテリ1からの駆動電流が遮断されて、耕耘ロータ3の駆動が停止される。
【0035】
ここに、図7、図8のように、前記バッテリ1の残量をモニタ表示する制御装置として、コントローラ44の入力側に、運転スイッチ4や、キースイッチ16、ブレーカ停止スイッチ38、温度センサ45、バッテリ電圧入力46、及びモータ電流入力47等を配置する。又、出力側には、運転モニタ37としての赤色LEDと、緑色LEDを設け、バッテリ残量モニタ48としての赤色LEDと、緑色LEDとを前記モニタユニット43の一部として設け、又、モータ駆動信号49等を配置している。
【0036】
バッテリ1の電圧において、バッテリ1のセル23を保護するための負荷電流出力を停止するバッテリ電圧を「放電停止電圧」として、「バッテリ残量少」と判定するバッテリ電圧VL=(放電停止電圧+一定値V1)としている。又、バッテリ残量モニタの切り替え点灯の閾値を示すグラフ(C)において、バッテリ電圧が、前記残量少の電圧VL位置と、作業運転可能の電圧VH位置とに変化する場合において、この電圧がVLに下降すると残量モニタ48を緑色LED点灯から赤色LED点灯へ切り替わる。又、逆に電圧がVLからVHに上昇したときは赤色LED点灯に切り替わる。これらの低、高の電圧VL,VH間に適宜間隔の電圧差を設定してチャタリング現象を防止している。
【0037】
運転スイッチ4のONにより運転信号35を発生させて放電制御回路28に供給し、バッテリ1から電流を供給してモータ2を回転させる。この運転中にバッテリ電圧を読み込み(ステップS1)、残量少と判定するバッテリ電圧VL以下(S2)のときは、残量モニタ48赤色LEDをONさせる(S3)。又、VL以上であるときは残量モニタ48は緑色LEDを点灯させる(S5)。又、前記VL以下の場合であってもその後VH以上検出されると(S7)、残量モニタ48は緑色LEDに切り替え点灯される(S9)。
【0038】
しかしながら、図9において、運転開始時のモータ電流曲線iが示されるが、このグラフにおいて、運転開始時の起動時間t1における電流の低下変動が激しく、この間のバッテリ電圧を読み取って残量値判定の基準値とすることは好ましくない。ここにおいて、充電制御回路27と放電制御回路28を備えた二次電池のバッテリ1と、このバッテリ1によって電動のモータ2を搭載して駆動する耕耘ロータ3を有する電動管理作業機において、このモータ2を電動するバッテリ1の残量電圧値が設定値以下の状態になると共に、この設定値以下の状態が設定時間t1(モータ起動時間よりも長い時間)以上に亘って継続することによって、このバッテリ残量が不足の状態になっている旨を残量モニタLED48に表示させることを特徴とする電動制御装置の構成とする。
【0039】
前記二次電池としてのバッテリ1でモータ2を電動して、耕耘ロータ3等を駆動しながら走行して作業を行う。この作業時はバッテリ残量が残量モニタ48に表示される(S1)。作業者は、この残量モニタ48の表示を鑑視しながら作業を継続し、バッテリ残量不足「残量少」となったことが表示されると、作業を停止してバッテリ1を充電して作業の再開に備える。前記残量モニタ48の「残量少」の判定は(S2)、バッテリ1の電圧VLが「放電停止電圧」以上の領域にあるものとして、この「放電停止電圧」に「一定値V1」を加算した値として設定する。従って、運転中にバッテリ残量電圧を読み込んで、その電圧VLの値が、「放電停止電圧+V1」以下のときに、バッテリ「残量少」のモニタLED(赤点灯)を点灯させる(S3)。
【0040】
又、前記バッテリ1の残量電圧値の低下と、この低下時間の継続とによってバッテリ残量不足を表示させる形態において、運転開始時から設定時間の経過、又は負荷電流値が設定値以下を検出するまでは残量不足の表示を行わない。
【0041】
前記のように運転中にバッテリ残量電圧を読込み(S1)、このバッテリ残量電圧VLが(S2)、前記VL(放電停止電圧+V1)以下の状態で、一定時間(モータ起動時間t1より長い時間)継続することによって(S3)、残量モニタ48赤出力をON(バッテリ残量少モニタ)させる(S4)。
【0042】
又、前記バッテリ1の残量少として判定するバッテリ電圧は、放電停止電圧以上として、この放電停止電圧に一定値V1を加算した値とする。
前記のようにバッテリ電圧は、運転作業中モニタ48表示される状態にあって、バッテリ残量が少くなると残量少として表示して運転者に報知される。このときの残量少として判定されるバッテリ電圧は、放電停止電圧に一定値V1を加算した値の放電停止電圧よりも高い電圧基準値のもとにより判定される(S2)。この一定値V1を加算した基準値よりも低い電圧値を検出したとき残量モニタ48は「残量少」の表示が行われる(S4)。
【0043】
又、前記電動管理作業機の運転中におけるバッテリ残量不足の表示後に、電圧値が設定値以上を検出することによってモニタ表示を残量十分の旨の表示に戻される。
前記運転中に作業負荷が小さくなったり、バッテリ1の充電等によって、電圧値が設定値以上を検出することによって、前記バッテリ残量少の残量不足域のモニタ表示は、自動的に「残量十分」の旨の表示(残量モニタLED縁の点灯)に戻し制御される(S5,S9)。
【0044】
更には、前記電圧値が設定値以上であることを検出時間t2は、電圧低下を検出する時間t1よりも短い時間(t2<t1)であるものとして設定する。
前記電動作業中におけるバッテリの電圧値が常時検出されていて、前記電圧値が設定値以上であることの時間t2や、電圧低下を検出する時間t1等を検出していて、前記電圧値が設定値以上であることを検出時間t2は(S8)、電圧低下を検出する(S3)時間t1よりも短い時間(t2<t1)として設定している。
【0045】
前記キースイッチ16がONされると、各種スイッチ信号、各種検出センサ値を読み込む。ついで、運転スイッチ4がONであるか否か判定し、これら各部のON信号出力が整う運転信号のとき、スイッチング回路30へON信号が出力される。この出力を受けるとモータ駆動回路20が接続状態となり、バッテリ1と電動モータ2とは回路接続状態となって回転駆動する。
【0046】
運転中、電流検出回路29は常時、制御電流の監視を行い検出電流値と予め設定した所定値と比較し、ブレーカ38はモータ駆動回路20の負荷電流値を検出して過負荷状態か否か判定する。ここで所定値以下であり、かつ過負荷状態にない場合は、前記スイッチング回路30へのON信号を継続するため、電動モータ8は回転駆動状態を維持する。一方、ここでの所定値との比較において、所定値以下でないときであって予め設定した規定時間を越えると、制御電流異常としてスイッチング回路30にはOFF信号が出力され、電動モータ2は停止する。電流検出回路29とブレーカ38の両方で、バッテリ1、電動モータ2、配線等の保護を行うことができる。
【0047】
また、運転スイッチ4を断続するときの電動モータ2駆動を制限する出力制限回路39については、前記電動モータ2の停止出力がなされるが、これに続いてキースイッチ16がONされたか否か判定され、キースイッチ16がONするときは、前記スイッチング回路30へON出力する。一方、所定時間経過しないときは、スイッチング回路30はOFF出力を継続する。このように構成すると、運転スイッチ4をOFFしたとき所定時間は運転スイッチ4をONしてもその入力を受け付けず制限するものであるから電動モータ2起動時のハンチング動作を抑えることができ、バッテリ1及び出力制御回路39の保護を図る。
【0048】
次に、主として図10に基づいて、前記充電器40による充電時、一定電流A1で充電完了モニタLED59を点灯し、A2で供給電流をOFFする(図A,図B参照)。運転スイッチ4により運転信号を発生させて放電制御回路28に供給して、バッテリ1から電流を供給してモータ2を回転させるとき、バッテリ1電圧が一定値以上になった状態で電流値を読み込み(S1)、「A1」以下の場合は充電完了モニタLED59をONしてそのまま充電を継続し(S2)、電流値が「A2」以下になったら電流を停止する(S3)。充電時間を抑えつつ、かつ適正な充電を行うことが可能になる。
【0049】
又、前記充電器40による充電時に、充電完了モニタがONした後バッテリ1側で電流を「0」にしてもモニタLED59はそのままとする(図A,図C参照)。充電電流値が「A1」以下になって充電完了LEDをONした(S2)後も充電は継続し、その後の電流検出で電流値が「0」になったとき(バッテリ側の充電終了判定で電流ラインがカットされたとき)(S4)、電流出力を停止する。適正な充電完了の判定を行わせるものである。
【0050】
次に、主として図11に基づいて、バッテリ1残量検出において、運転中と停止中のしきい値(閾値)を同じとするもので、運転停止した後にモニタLEDの点灯色が変化することの問題点を解消する。バッテリ残量モニタ48を設け、赤色と、緑色との二色表示で残量状態を運転者に知らせ、残量が少なくなって赤色LEDの点灯となったときは(S3)、閾値を上げて残量判定を行うとき、運転中と停止中の閾値は同じ値とするように設定する。運転中にバッテリ電圧がVL以下になったらモニタ48のLED点灯色を「赤」(残量少)に点灯させ、モニタ48のLED点灯色を「緑」(残量多)に戻す電圧はVHとする。運転が終了してもこの判定電圧は継続させる(S10)。
【0051】
次に、主として図12に基づいて、バッテリ残量検出において、キースイッチ16をOFFした後、ONしても閾値は変更しない構成として、キー操作によりモニタ48LED点灯色が変化するのを解消するものである。前記のように、二色の表示で残量状態を知らせ、残量が少なくなって赤色LEDの点灯となったときは、閾値を上げて判定を行うとき、キースイッチ16をOFFにした後、ONにしても閾値は変更しい。前記のように、運転中にバッテリ電圧がVL以下になったらモニタ48LEDを「赤」(残量少)に点灯させ、モニタ48LEDを「緑」(残量多)に戻す電圧はVHとする。キースイッチ16がOFFになってもこの判定電圧は継続させる(S11)。
【0052】
次に、主として図13に基づいて、バッテリ残量検出において、電圧変化が一定値以上のときは、残量低下判断を行わない構成として、運転時の負荷変動によるモニタ48LED点灯色の変化を防止する。バッテリ残量が少なくなって赤色LEDの点灯となったときは、閾値を上げて残量判定を行うとき、電圧の変化が一定値以上のときは残量低下の判定を行わない構成とする。運転中にバッテリ電圧がVL以下になったとき、前回の電圧との比較を行い(S12)、電圧差が一定以下のときにモニタ48LEDを「赤」(残量少)に点灯させる(S13)。
【0053】
次に、主として図14に基づいて、バッテリ残量検出において、残量少の判定継続時間を、負荷電流が一定以上のときはクリアするもので、モータ負荷電流が大きい値となりバッテリ電圧が低下しているときに残量少のモニタ48が点灯するのを防止する。即ち、前記残量少と判定するバッテリ電圧が一定時間継続したとき残量少と表示するとき、負荷電流が一定値以上のときは継続時間をクリアする構成とする。そして、運転中にバッテリ電圧を読み込んで(S1)、電圧がVL以下のときモータ電流を読み込んで(S14)、電流値が一定値以上のときは異常判定を行うためにカウントしている時間をクリアする(S15)。
【0054】
次に、主として図15に基づいて、前記負荷電流が平均負荷電流値より一定以上のときは、残量少の継続時間をクリアして、モータ2負荷電流が大きな値となりバッテリ1電圧が低下しているときに残量少のモニタ48が点灯するのを防ぐことができる。又、判定電流値を作業中の平均電流とすることで、判定をより確実に行うことができる。即ち、前記残量少と判定するバッテリ電圧が一定時間継続したとき残量少と表示するとき、一定時間内の平均負荷電流を算出し、負荷電流が平均負荷電流値より一定値以上のときは継続時間をクリアする構成とする。そして、運転中にバッテリ電圧を読み込んで、電圧がVL以下のときモータ電流を読み込んで(S14)平均電流を算出し(S16)、読み込み電流値が平均電流値を一定以上超えているときは異常判定を行うためにカウントしている時間をクリアする(S15)。
【0055】
次に、主として図16に基づいて、前記平均負荷電流の値により、バッテリ残量少と判定する継続時間を区別するもので、負荷電流に応じた適切な残量少の判定を行わせるものである。即ち、前記バッテリ残量少と判定するバッテリ1電圧が一定時間継続したとき残量少と表示するとき、一定時間内の平均負荷電流を算出し、平均電流の値により残量少と判定する継続時間を区別する構成とする。そして、運転中にモータ2負荷電流を読み込んで(S14)平均電流を算出し(S16)、その値に応じて残量少と判定する(S2)ための継続時間を区別してセットする(S17)。平均電流が大きいときには継続時間は短く、小さいときには継続時間は長くする。
【0056】
次に、主として図17に基づいて、モニタ電源回路の制御のために、前記コントローラ44の入力側には、前記の他に充電入力信号60を設け、出力側には、放電出力61や、充電スイッチ出力62、セルバランス調整出力63、充電中止信号出力64、放電中止信号出力65、モニタ電源ON出力66、及び送受信回路67等を配置している。又、前記のように、VLはバッテリ残量少判定電圧を示すが、Vsは放電終了電圧を示し、Vs+v1<VM<VL−v2の関係に設定する。
【0057】
一定時間継続したときに、モニタ電源カットを行い、バッテリの放電防止を適切に行うものである。モニタ回路を設けて運転状態を表示し、バッテリ電圧が一定電圧以下になったらモニタ回路に供給する電源をカットするとき、一定電圧が一定時間継続したときに電圧カットを行う構成とする。そして、モニタ回路への電源出力をONして(S20)セルからの電圧を読み込んで(S21)、全体のバッテリ電圧を計算し(S22)、その値がVM以下の状態(S23)が一定時間継続したら(S24)モニタ回路への電源出力をOFFにする(S25)。VMを決める放電終了電圧はセル自体で決まる放電しない最低電圧である。又、モニタ電源カット電圧は放電終了電圧より大きく、残量少判定電圧より小さな値とすることもできる。
【符号の説明】
【0058】
1 バッテリ
2 モータ
3 耕耘ロータ
4 運転(リミット)スイッチ
27 充電制御回路
28 放電制御回路
37 運転モニタ
43 モニタユニット
48 残量モニタ
【技術分野】
【0001】
この発明は、バッテリ電源によって耕耘ロータを長時間にわたり回転駆動して耕耘する電動管理作業機の電動制御装置に関するもので、バッテリ残量不足をモニタ表示させるものである。
【背景技術】
【0002】
バッテリ電源によって耕耘ロータを回転駆動して耕耘する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009ー34000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリ電源によりモータを回転駆動して、耕耘ロータを駆動し土壌を耕耘する形態にあっては、耕耘負荷や、負荷変動が大きいために、バッテリの消費も大きく、負荷変動に対する出力の加減操作等が煩雑であり、作業能率や、長時間にわたる良好な作業性を維持し難いものである。又、バッテリ残量を注意しながら、効率よく作業を継続し、しかも過放電によりバッテリを損傷しないことが望ましい。このため、バッテリ残量をモニタ表示させるが、このバッテリ残量は、電動負荷と充電制御回路によるバッテリ充電とによって変化しているため、そのバッテリ残量の不足を常時モニタ表示させて、適切な作業継続を行わせる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、充電制御回路27と放電制御回路28を備えた二次電池のバッテリ1と、このバッテリ1によって電動のモータ2を搭載して駆動する耕耘ロータ3を有する電動管理作業機において、このモータ2を電動するバッテリ1の残量電圧値が設定値以下の状態になると共に、この設定値以下の状態が設定の一定時間以上に亘って継続することによって、このバッテリ残量が不足の状態になっている旨を残量モニタ48に表示させることを特徴とする電動制御装置の構成とする。
【0006】
前記二次電池としてのバッテリ1でモータ2を電動して、耕耘ロータ3等を駆動しながら走行して作業を行う。この作業時はバッテリ残量が残量モニタ48に表示される。作業者は、この残量モニタLED48の表示を鑑視しながら作業を継続し、バッテリ残量不足状態の残量少となったことが表示されると、作業を停止してバッテリ1を充電して作業の再開に備える。前記残量モニタ48の残量少の判定は、バッテリ1の電圧VLが放電停止電圧以上の領域にあるものとして、この放電停止電圧に一定値V1を加算した値として設定する。従って、運転中にバッテリ残量電圧を読み込んで、その電圧VLの値が、「放電停止電圧+V1」以下の状態が一定時間(モータ起動時間t1より長い時間)継続したときに、バッテリ残量少としてのモニタLED(赤点灯)を点灯させる。前記モータ起動時にバッテリの急激な電圧低下があっても残量少のモニタ点灯を防止する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記バッテリ1の残量電圧値の低下と、この低下時間の継続とによってバッテリ残量不足を表示させる形態において、運転開始時から設定時間の経過、又は負荷電流値が設定値以下を検出するまでは残量不足の表示を行わない。
【0008】
前記のように運転中にバッテリ残量電圧を読込み、このバッテリ残量電圧VLが、「放電停止電圧+V1」以下の状態で、一定時間t1(モータ起動時間tより長い時間)継続することによって、残量モニタLED48赤色出力をON(バッテリ残量少モニタLED赤色を点灯)させる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記バッテリ1の残量少として判定するバッテリ電圧は、放電停止電圧以上として、この放電停止電圧に一定値(V1)を加算した値とする。
前記のようにバッテリ電圧は、運転作業中モニタ表示される状態にあって、バッテリ残量が少くなると残量少として表示して運転者に報知される。このときの残量少として判定されるバッテリ電圧は、放電停止電圧に一定値V1を加算した値の放電停止電圧よりもV1値だけ高い電圧基準値のもとにより判定される。この一定値V1を加算した基準値よりも低い電圧値を検出したとき残量モニタ48は残量少の表示が行われる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記電動管理作業機の運転中におけるバッテリ残量不足の表示後に、電圧値が設定値以上を検出することによってモニタ表示を残量十分の旨の表示に戻す。
【0011】
前記運転中に作業負荷が小さくなったり、バッテリ1の充電等によって、電圧値が設定値以上を検出することによって、前記バッテリ残量少の残量不足域のモニタ表示は、自動的に残量十分の旨の表示(残量モニタLED縁の点灯)に戻し制御される。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記電圧値が設定値以上であることを検出時間t2は、電圧低下を検出する時間t1よりも短い時間(t2<t1)であるものとして設定する。
前記電動作業中におけるバッテリの電圧値が常時検出されていて、前記電圧値が設定値以上であることの時間t2や、電圧低下を検出する時間t1等を検出していて、前記電圧値が設定値以上であることを検出時間t2は、電圧低下を検出する時間t1よりも短い時間(t2<t1)として設定している。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明は、バッテリ残量が不足の状態になった旨のモニタ2表示は、過負荷等による一時的な電圧値の低下によるものではなく、残量電圧値が設定値以下の状態になったことが、設定の一定時間以上に亘って継続することによって表示されるものであるから、バッテリ残量不足を適切に表示することができ、作業能率を高めることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、バッテリ残量モニタの残量状態を運転者に知らせるとき、残量少と判定するバッテリ電圧が一定時間継続したとき残量少として表示するとき、この「一定時間」はモータの起動時間よりも長い値として設定する。これによって運転開始時、モータ起動時に、過負荷によるバッテリの電圧低下があっても残量少のモニタ点灯を防ぐことができ、正確で、安定したモニタ点灯を行わせることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記のように残量少として判定して報知されるバッテリ電圧VLは、放電停止電圧以上の電圧として、放電停止電圧に一定値V1を加算した値を判定基準とするものであるから、バッテリ残量少を知らせる値を適切に簡単に設定することができ、過放電状態の作業を少くして、バッテリを保護して安全な電動作業を行わせることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、一時的な過負荷作業の継続等で電圧値が変動して後に、元に復起した場合には、バッテリ残量を適切な表示に自動的に切替えることができる。
請求項5に記載の発明は、前記電動作業におけるバッテリの残量モニタにおいて、電圧値が設定値以上を検出する時間t2は短かくし、電圧低下を検出する時間t1はこれよりも長くして設定して、残量少の表示を行わせるものであるから、作業者が電圧値低下ではないことを早く認識できるため円滑な作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電動管理作業機の側面図。
【図2】その背面図。
【図3】その平面図。
【図4】モータ電動回路のブロック図。
【図5】電動モータ駆動制御回路部のブロック図(A)と、その出力制御回路部のブロック図(B)。
【図6】充電器接続時のブロック図。
【図7】そのモータ駆動制御におけるモニタユニットのブロック図。
【図8】そのバッテリ残量モニタ制御のフローチャート(A)と、残量モニタの平面図(B)、モニタ出力の閾値を示すタイムチャート(C)。
【図9】そのバッテリ残量モニタ制御のフローチャート(A)と、運転起動時(開始時)のモータ電流曲線を示すグラフ(B)。
【図10】充電器の充電量曲線グラフ(A)と、その充電制御のフローチャート(B),(C)。
【図11】そのバッテリ残量モニタ制御のフローチャート(A)と、残量モニタの平面図(B)、モニタ出力の閾値を示すタイムチャート(C)。
【図12】その一部別例を示すバッテリ残量モニタ制御のフローチャート。
【図13】その一部別例を示すバッテリ残量モニタ制御のフローチャート。
【図14】その一部別例を示すバッテリ残量モニタ制御のフローチャート。
【図15】その一部別例を示すバッテリ残量モニタ制御のフローチャート。
【図16】その一部別例を示すバッテリ残量モニタ制御のフローチャート。
【図17】その一部別例を示すモニタ制御回路部のブロック図(A)と、そのフローチャート(B),(C)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面に基づいて、電動走行管理作業機は、耕耘爪5を有する耕耘ロータ3を駆動回転させて土壌面を耕耘しながら推進走行するカルチベータ形態の耕耘作業機から構成される。作業機フレーム6の上側には、バッテリ1と、このバッテリ1によって電動される電動モータ2等を搭載している。このフレーム6の前部で電動モータ2の下側には、上下方向のモータ伝動軸を軸受内装する伝動ケース7を設け、この伝動ケース7の下部に、前記モータ伝動軸を介して伝動により横軸芯周りに回転駆動するロータリ軸8を軸支している。この中央部の伝動ケース7から左右両側へ張り出すこのロータリ軸8の周りには、耕耘爪5を配置すると共に、両端にはサイドデイスク9を取付けて、耕耘ロータ3を構成している。
【0019】
耕耘ロータ3の上方を覆う平面視円盤形状のモータベース10は、底部を作業機フレーム6上に取付け支持させて、このモータベース10の上側の前部に電動モータ2を取付け、後部にはバッテリ1を収容のバッテリケース11を搭載している。又、このモータベース10の上側はモータカバー12で開閉可能に覆っている。前記バッテリケース11は、上端にハンドルを有して取扱いを行い易くし、底面には前記モータベース10に形成の係合穴に、このバッテリケース11の移動を阻止する突子を嵌合している。
【0020】
前記作業機フレーム6の後部にはハンドルフレーム13を斜め後方上部に向かって設けて、この後端部左右両側に一対の操作ハンドル14を分岐して設け、各操作ハンドル14にはグリップ15を設けている。この右手側のハンドル14には、このグリップ15近傍に電動モータ2の駆動を入り切りする操作レバー17を設けている。
【0021】
前記作業機フレーム6の後端部には作業機を移動するときに下側へ回動させて機体を支持する補助輪18と、耕耘作業時にダッシングを防止する抵抗棒19を取り付けている。この補助輪18は不使用時は後方へ回動させて収納姿勢にしておく。
【0022】
前記ハンドルフレーム13に対する操作ハンドル14の取付位置に形成する操作ケース部には、バッテリ1からの電源の入り切りをするキースイッチ16を設ける。又、バッテリケース11の後面には、このバッテリケース11内のバッテリ1と前記電動モータ2との間を接続するモータ駆動回路20の出力端子21と、このバッテリ1を充電するための充電端子22とを各々設けている。
【0023】
前記バッテリケース11は、後部外壁部に前記出力端子21、充電端子22を設け、内部に複数のバッテリセル23からなるバッテリ1(バッテリパック24)を設け、各バッテリセル23の上面に充電制御回路27を組み込んだ充電制御基板25を前後にスライドさせて挿脱可能に設け、更にこの上側に、適宜間隔離れて放電制御回路28、及び出力制御回路34を組み込んだ放電制御基板26を前後スライド可能にして着脱可能に設けている。前記充電制御基板25の端子は、前記充電端子22に配線接続し、各バッテリセル23との間は直接電気的に接続する。又、放電制御基板26は複数のバッテリセル23の直列接続による電圧が出力端子21に出力できるように回路構成している。
【0024】
前記放電制御基板26の放電制御回路28を、前記バッテリセル23と電動モータ2とを接続するモータ駆動回路20途中に介在すると共に、該放電制御基板26には、前記出力制御回路34の他、電流検出回路29、スイッチング回路30、電流平滑回路31、過放電防止回路32、及び短絡防止回路33等を設けている。
【0025】
このうち出力制御回路34は、キースイッチ16、運転(リミット)スイッチ4による運転信号制御回路35からの運転信号を受けてスイッチング回路30をON−OFF切換出力し、このスイッチング回路30のON−OFF切換出力は、前記モータ駆動回路20を遮断し、又は接続状態とするよう切り換える構成としている。
【0026】
又、前記電流検出回路29は放電制御基板26の制御電流を検出して、予め設定した設定電流値を超える状態が規定時間継続すると前記スイッチング回路30をOFFに切り換え、前記モータ駆動回路20を遮断するよう構成している。
【0027】
前記各充電制御基板25には過充電防止回路36を組み込み、一方、放電制御基板26には上記のように出力制御回路34等のほか、電流検出回路29、電流平滑回路31、過放電防止回路32、短絡防止回路33、スイチイング回路30、及び出力制限回路39等を組み込んでいる。なお、この電流平滑回路31は、前記運転信号が入力されたときに生じるサージ電流を平滑処理する回路である。
【0028】
バッテリ充電器40を接続した形態で、充電完了の判定を行わせる形態で、充電器40側で充電完了、又は充電中と判断したときは所定のLED37を点灯し、又、充電制御基板25側の前記過充電防止回路36が作動することによって充電を停止することがある。
【0029】
前記放電制御基板26に対する短絡防止は上記短絡防止回路33で防止できる構成であるが、各充電制御回路27に対する短絡防止は、これら放電制御基板26毎に設けることなく、これらに共通の短絡防止回路33の基板を、充電端子22とこの充電制御基板27との間に設けている。
【0030】
前記バッテリケース11の出力端子21は、電動モータ2への出力端子21として前記モータ駆動回路20により電動モータ2に接続すると共に、信号入出力用の端子21として、運転信号制御回路35に連結して、この信号制御回路35から前記キースイッチ16や、操作レバー17で作動される運転(リミット)スイッチ4等の入り切り信号を入力して、前記出力制御回路28へ運転信号を出力でき、或は、この出力制御回路28による出力に基づいて、前記信号制御回路35からバッテリ(電池)残量や、警告表示信号等を運転モニタ37に入力して、これら電源入切LED57や、運転警告LED58、バッテリ残量モニタLED48等を出力する構成としている。
【0031】
前記出力端子21は、ブレーカ38を介して電動モータ2に接続している。このブレーカ38は、モータ駆動回路20を入り切りするソレノイド作動形態のスイッチから成り、モータ駆動回路20の電流値が上昇すると励磁してスイッチOFF作動してモータ駆動回路20を切りにし、電動モータ2を停止位置とする構成である。又、このブレーカ38はON−OFFスイッチ形態として、前記モータベース10の後部上面に設けている。
【0032】
前記右手側ハンドル14の操作レバー17を、スプリング力に抗して把持して回動操作すると、運転スイッチ4をON作動して、前記運転信号制御回路35からの信号によって電動モータ2を駆動する。この操作レバー17の把持を開放すると、スプリング力によって戻されて、運転スイッチ4はOFFとなり、電動モータ2も停止する。
【0033】
耕耘作業にあたり、バッテリ1の充電状態を前記バッテリ残量モニタLED48の点滅等の残量モニタによって確認し、充電不足の場合は充電器40を充電端子22に接続し所定の充電を行なう。耕耘作業の開始にあたっては、キースイッチ16を入りにして、操作レバー17を把持回動することにより運転スイッチ4をONすると、この運転スイッチ4のON信号は、運転信号制御回路35を経由して出力制御回路34に送信され、スイッチング回路30を回路接続側に作動させ、バッテリ1により電動モータ2が駆動されて、この電動モータ2の駆動により耕耘ロータ3が回転し耕耘作業を行うことができる。
【0034】
この耕耘作業を停止するときには、作業者が操作レバー17の把持を離すとスプリング力で戻されて、運転スイッチ4のOFFによる運転信号によってバッテリ1からの駆動電流が遮断されて、耕耘ロータ3の駆動が停止される。
【0035】
ここに、図7、図8のように、前記バッテリ1の残量をモニタ表示する制御装置として、コントローラ44の入力側に、運転スイッチ4や、キースイッチ16、ブレーカ停止スイッチ38、温度センサ45、バッテリ電圧入力46、及びモータ電流入力47等を配置する。又、出力側には、運転モニタ37としての赤色LEDと、緑色LEDを設け、バッテリ残量モニタ48としての赤色LEDと、緑色LEDとを前記モニタユニット43の一部として設け、又、モータ駆動信号49等を配置している。
【0036】
バッテリ1の電圧において、バッテリ1のセル23を保護するための負荷電流出力を停止するバッテリ電圧を「放電停止電圧」として、「バッテリ残量少」と判定するバッテリ電圧VL=(放電停止電圧+一定値V1)としている。又、バッテリ残量モニタの切り替え点灯の閾値を示すグラフ(C)において、バッテリ電圧が、前記残量少の電圧VL位置と、作業運転可能の電圧VH位置とに変化する場合において、この電圧がVLに下降すると残量モニタ48を緑色LED点灯から赤色LED点灯へ切り替わる。又、逆に電圧がVLからVHに上昇したときは赤色LED点灯に切り替わる。これらの低、高の電圧VL,VH間に適宜間隔の電圧差を設定してチャタリング現象を防止している。
【0037】
運転スイッチ4のONにより運転信号35を発生させて放電制御回路28に供給し、バッテリ1から電流を供給してモータ2を回転させる。この運転中にバッテリ電圧を読み込み(ステップS1)、残量少と判定するバッテリ電圧VL以下(S2)のときは、残量モニタ48赤色LEDをONさせる(S3)。又、VL以上であるときは残量モニタ48は緑色LEDを点灯させる(S5)。又、前記VL以下の場合であってもその後VH以上検出されると(S7)、残量モニタ48は緑色LEDに切り替え点灯される(S9)。
【0038】
しかしながら、図9において、運転開始時のモータ電流曲線iが示されるが、このグラフにおいて、運転開始時の起動時間t1における電流の低下変動が激しく、この間のバッテリ電圧を読み取って残量値判定の基準値とすることは好ましくない。ここにおいて、充電制御回路27と放電制御回路28を備えた二次電池のバッテリ1と、このバッテリ1によって電動のモータ2を搭載して駆動する耕耘ロータ3を有する電動管理作業機において、このモータ2を電動するバッテリ1の残量電圧値が設定値以下の状態になると共に、この設定値以下の状態が設定時間t1(モータ起動時間よりも長い時間)以上に亘って継続することによって、このバッテリ残量が不足の状態になっている旨を残量モニタLED48に表示させることを特徴とする電動制御装置の構成とする。
【0039】
前記二次電池としてのバッテリ1でモータ2を電動して、耕耘ロータ3等を駆動しながら走行して作業を行う。この作業時はバッテリ残量が残量モニタ48に表示される(S1)。作業者は、この残量モニタ48の表示を鑑視しながら作業を継続し、バッテリ残量不足「残量少」となったことが表示されると、作業を停止してバッテリ1を充電して作業の再開に備える。前記残量モニタ48の「残量少」の判定は(S2)、バッテリ1の電圧VLが「放電停止電圧」以上の領域にあるものとして、この「放電停止電圧」に「一定値V1」を加算した値として設定する。従って、運転中にバッテリ残量電圧を読み込んで、その電圧VLの値が、「放電停止電圧+V1」以下のときに、バッテリ「残量少」のモニタLED(赤点灯)を点灯させる(S3)。
【0040】
又、前記バッテリ1の残量電圧値の低下と、この低下時間の継続とによってバッテリ残量不足を表示させる形態において、運転開始時から設定時間の経過、又は負荷電流値が設定値以下を検出するまでは残量不足の表示を行わない。
【0041】
前記のように運転中にバッテリ残量電圧を読込み(S1)、このバッテリ残量電圧VLが(S2)、前記VL(放電停止電圧+V1)以下の状態で、一定時間(モータ起動時間t1より長い時間)継続することによって(S3)、残量モニタ48赤出力をON(バッテリ残量少モニタ)させる(S4)。
【0042】
又、前記バッテリ1の残量少として判定するバッテリ電圧は、放電停止電圧以上として、この放電停止電圧に一定値V1を加算した値とする。
前記のようにバッテリ電圧は、運転作業中モニタ48表示される状態にあって、バッテリ残量が少くなると残量少として表示して運転者に報知される。このときの残量少として判定されるバッテリ電圧は、放電停止電圧に一定値V1を加算した値の放電停止電圧よりも高い電圧基準値のもとにより判定される(S2)。この一定値V1を加算した基準値よりも低い電圧値を検出したとき残量モニタ48は「残量少」の表示が行われる(S4)。
【0043】
又、前記電動管理作業機の運転中におけるバッテリ残量不足の表示後に、電圧値が設定値以上を検出することによってモニタ表示を残量十分の旨の表示に戻される。
前記運転中に作業負荷が小さくなったり、バッテリ1の充電等によって、電圧値が設定値以上を検出することによって、前記バッテリ残量少の残量不足域のモニタ表示は、自動的に「残量十分」の旨の表示(残量モニタLED縁の点灯)に戻し制御される(S5,S9)。
【0044】
更には、前記電圧値が設定値以上であることを検出時間t2は、電圧低下を検出する時間t1よりも短い時間(t2<t1)であるものとして設定する。
前記電動作業中におけるバッテリの電圧値が常時検出されていて、前記電圧値が設定値以上であることの時間t2や、電圧低下を検出する時間t1等を検出していて、前記電圧値が設定値以上であることを検出時間t2は(S8)、電圧低下を検出する(S3)時間t1よりも短い時間(t2<t1)として設定している。
【0045】
前記キースイッチ16がONされると、各種スイッチ信号、各種検出センサ値を読み込む。ついで、運転スイッチ4がONであるか否か判定し、これら各部のON信号出力が整う運転信号のとき、スイッチング回路30へON信号が出力される。この出力を受けるとモータ駆動回路20が接続状態となり、バッテリ1と電動モータ2とは回路接続状態となって回転駆動する。
【0046】
運転中、電流検出回路29は常時、制御電流の監視を行い検出電流値と予め設定した所定値と比較し、ブレーカ38はモータ駆動回路20の負荷電流値を検出して過負荷状態か否か判定する。ここで所定値以下であり、かつ過負荷状態にない場合は、前記スイッチング回路30へのON信号を継続するため、電動モータ8は回転駆動状態を維持する。一方、ここでの所定値との比較において、所定値以下でないときであって予め設定した規定時間を越えると、制御電流異常としてスイッチング回路30にはOFF信号が出力され、電動モータ2は停止する。電流検出回路29とブレーカ38の両方で、バッテリ1、電動モータ2、配線等の保護を行うことができる。
【0047】
また、運転スイッチ4を断続するときの電動モータ2駆動を制限する出力制限回路39については、前記電動モータ2の停止出力がなされるが、これに続いてキースイッチ16がONされたか否か判定され、キースイッチ16がONするときは、前記スイッチング回路30へON出力する。一方、所定時間経過しないときは、スイッチング回路30はOFF出力を継続する。このように構成すると、運転スイッチ4をOFFしたとき所定時間は運転スイッチ4をONしてもその入力を受け付けず制限するものであるから電動モータ2起動時のハンチング動作を抑えることができ、バッテリ1及び出力制御回路39の保護を図る。
【0048】
次に、主として図10に基づいて、前記充電器40による充電時、一定電流A1で充電完了モニタLED59を点灯し、A2で供給電流をOFFする(図A,図B参照)。運転スイッチ4により運転信号を発生させて放電制御回路28に供給して、バッテリ1から電流を供給してモータ2を回転させるとき、バッテリ1電圧が一定値以上になった状態で電流値を読み込み(S1)、「A1」以下の場合は充電完了モニタLED59をONしてそのまま充電を継続し(S2)、電流値が「A2」以下になったら電流を停止する(S3)。充電時間を抑えつつ、かつ適正な充電を行うことが可能になる。
【0049】
又、前記充電器40による充電時に、充電完了モニタがONした後バッテリ1側で電流を「0」にしてもモニタLED59はそのままとする(図A,図C参照)。充電電流値が「A1」以下になって充電完了LEDをONした(S2)後も充電は継続し、その後の電流検出で電流値が「0」になったとき(バッテリ側の充電終了判定で電流ラインがカットされたとき)(S4)、電流出力を停止する。適正な充電完了の判定を行わせるものである。
【0050】
次に、主として図11に基づいて、バッテリ1残量検出において、運転中と停止中のしきい値(閾値)を同じとするもので、運転停止した後にモニタLEDの点灯色が変化することの問題点を解消する。バッテリ残量モニタ48を設け、赤色と、緑色との二色表示で残量状態を運転者に知らせ、残量が少なくなって赤色LEDの点灯となったときは(S3)、閾値を上げて残量判定を行うとき、運転中と停止中の閾値は同じ値とするように設定する。運転中にバッテリ電圧がVL以下になったらモニタ48のLED点灯色を「赤」(残量少)に点灯させ、モニタ48のLED点灯色を「緑」(残量多)に戻す電圧はVHとする。運転が終了してもこの判定電圧は継続させる(S10)。
【0051】
次に、主として図12に基づいて、バッテリ残量検出において、キースイッチ16をOFFした後、ONしても閾値は変更しない構成として、キー操作によりモニタ48LED点灯色が変化するのを解消するものである。前記のように、二色の表示で残量状態を知らせ、残量が少なくなって赤色LEDの点灯となったときは、閾値を上げて判定を行うとき、キースイッチ16をOFFにした後、ONにしても閾値は変更しい。前記のように、運転中にバッテリ電圧がVL以下になったらモニタ48LEDを「赤」(残量少)に点灯させ、モニタ48LEDを「緑」(残量多)に戻す電圧はVHとする。キースイッチ16がOFFになってもこの判定電圧は継続させる(S11)。
【0052】
次に、主として図13に基づいて、バッテリ残量検出において、電圧変化が一定値以上のときは、残量低下判断を行わない構成として、運転時の負荷変動によるモニタ48LED点灯色の変化を防止する。バッテリ残量が少なくなって赤色LEDの点灯となったときは、閾値を上げて残量判定を行うとき、電圧の変化が一定値以上のときは残量低下の判定を行わない構成とする。運転中にバッテリ電圧がVL以下になったとき、前回の電圧との比較を行い(S12)、電圧差が一定以下のときにモニタ48LEDを「赤」(残量少)に点灯させる(S13)。
【0053】
次に、主として図14に基づいて、バッテリ残量検出において、残量少の判定継続時間を、負荷電流が一定以上のときはクリアするもので、モータ負荷電流が大きい値となりバッテリ電圧が低下しているときに残量少のモニタ48が点灯するのを防止する。即ち、前記残量少と判定するバッテリ電圧が一定時間継続したとき残量少と表示するとき、負荷電流が一定値以上のときは継続時間をクリアする構成とする。そして、運転中にバッテリ電圧を読み込んで(S1)、電圧がVL以下のときモータ電流を読み込んで(S14)、電流値が一定値以上のときは異常判定を行うためにカウントしている時間をクリアする(S15)。
【0054】
次に、主として図15に基づいて、前記負荷電流が平均負荷電流値より一定以上のときは、残量少の継続時間をクリアして、モータ2負荷電流が大きな値となりバッテリ1電圧が低下しているときに残量少のモニタ48が点灯するのを防ぐことができる。又、判定電流値を作業中の平均電流とすることで、判定をより確実に行うことができる。即ち、前記残量少と判定するバッテリ電圧が一定時間継続したとき残量少と表示するとき、一定時間内の平均負荷電流を算出し、負荷電流が平均負荷電流値より一定値以上のときは継続時間をクリアする構成とする。そして、運転中にバッテリ電圧を読み込んで、電圧がVL以下のときモータ電流を読み込んで(S14)平均電流を算出し(S16)、読み込み電流値が平均電流値を一定以上超えているときは異常判定を行うためにカウントしている時間をクリアする(S15)。
【0055】
次に、主として図16に基づいて、前記平均負荷電流の値により、バッテリ残量少と判定する継続時間を区別するもので、負荷電流に応じた適切な残量少の判定を行わせるものである。即ち、前記バッテリ残量少と判定するバッテリ1電圧が一定時間継続したとき残量少と表示するとき、一定時間内の平均負荷電流を算出し、平均電流の値により残量少と判定する継続時間を区別する構成とする。そして、運転中にモータ2負荷電流を読み込んで(S14)平均電流を算出し(S16)、その値に応じて残量少と判定する(S2)ための継続時間を区別してセットする(S17)。平均電流が大きいときには継続時間は短く、小さいときには継続時間は長くする。
【0056】
次に、主として図17に基づいて、モニタ電源回路の制御のために、前記コントローラ44の入力側には、前記の他に充電入力信号60を設け、出力側には、放電出力61や、充電スイッチ出力62、セルバランス調整出力63、充電中止信号出力64、放電中止信号出力65、モニタ電源ON出力66、及び送受信回路67等を配置している。又、前記のように、VLはバッテリ残量少判定電圧を示すが、Vsは放電終了電圧を示し、Vs+v1<VM<VL−v2の関係に設定する。
【0057】
一定時間継続したときに、モニタ電源カットを行い、バッテリの放電防止を適切に行うものである。モニタ回路を設けて運転状態を表示し、バッテリ電圧が一定電圧以下になったらモニタ回路に供給する電源をカットするとき、一定電圧が一定時間継続したときに電圧カットを行う構成とする。そして、モニタ回路への電源出力をONして(S20)セルからの電圧を読み込んで(S21)、全体のバッテリ電圧を計算し(S22)、その値がVM以下の状態(S23)が一定時間継続したら(S24)モニタ回路への電源出力をOFFにする(S25)。VMを決める放電終了電圧はセル自体で決まる放電しない最低電圧である。又、モニタ電源カット電圧は放電終了電圧より大きく、残量少判定電圧より小さな値とすることもできる。
【符号の説明】
【0058】
1 バッテリ
2 モータ
3 耕耘ロータ
4 運転(リミット)スイッチ
27 充電制御回路
28 放電制御回路
37 運転モニタ
43 モニタユニット
48 残量モニタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電制御回路(27)と放電制御回路(28)を備えた二次電池のバッテリ(1)と、このバッテリ(1)によって電動のモータ(2)を搭載して駆動する耕耘ロータ(3)を有する電動管理作業機において、このモータ(2)を電動するバッテリ(1)の残量電圧値が設定値以下の状態になると共に、この設定値以下の状態が設定時間以上に亘って継続することによって、このバッテリ残量が不足の状態になっている旨を残量モニタ(48)に表示させることを特徴とする電動管理作業機の電動制御装置。
【請求項2】
前記バッテリ(1)の残量電圧値の低下と、この低下時間の継続とによってバッテリ残量不足を表示させる形態において、運転開始時から設定時間の経過、又は負荷電流値が設定値以下を検出するまでは残量不足の表示を行わないことを特徴とする請求項1に記載の電動管理作業機の電動制御装置。
【請求項3】
前記バッテリ(1)の残量少として判定するバッテリ電圧は、放電停止電止電圧以上として、この放電停止電圧に一定値を加算した値とすることを特徴とする請求項1、又は2に記載の電動管理作業機の電動制御装置。
【請求項4】
前記電動管理機の運転中におけるバッテリ残量不足の表示後に、電圧値が設定値以上を検出することによってモニタ表示を残量十分の旨の表示に戻すことを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の電動管理作業機の電動制御装置。
【請求項5】
前記電圧値が設定値以上であることを検出時間は、電圧低下を検出する時間よりも短い時間であるものとして設定したことを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の電動管理作業機の電動制御装置。
【請求項1】
充電制御回路(27)と放電制御回路(28)を備えた二次電池のバッテリ(1)と、このバッテリ(1)によって電動のモータ(2)を搭載して駆動する耕耘ロータ(3)を有する電動管理作業機において、このモータ(2)を電動するバッテリ(1)の残量電圧値が設定値以下の状態になると共に、この設定値以下の状態が設定時間以上に亘って継続することによって、このバッテリ残量が不足の状態になっている旨を残量モニタ(48)に表示させることを特徴とする電動管理作業機の電動制御装置。
【請求項2】
前記バッテリ(1)の残量電圧値の低下と、この低下時間の継続とによってバッテリ残量不足を表示させる形態において、運転開始時から設定時間の経過、又は負荷電流値が設定値以下を検出するまでは残量不足の表示を行わないことを特徴とする請求項1に記載の電動管理作業機の電動制御装置。
【請求項3】
前記バッテリ(1)の残量少として判定するバッテリ電圧は、放電停止電止電圧以上として、この放電停止電圧に一定値を加算した値とすることを特徴とする請求項1、又は2に記載の電動管理作業機の電動制御装置。
【請求項4】
前記電動管理機の運転中におけるバッテリ残量不足の表示後に、電圧値が設定値以上を検出することによってモニタ表示を残量十分の旨の表示に戻すことを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の電動管理作業機の電動制御装置。
【請求項5】
前記電圧値が設定値以上であることを検出時間は、電圧低下を検出する時間よりも短い時間であるものとして設定したことを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の電動管理作業機の電動制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−9608(P2013−9608A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142895(P2011−142895)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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