説明

電動補助自転車

【課題】必要に応じて自動的に補助動力を大きくすることを課題とする。
【解決手段】人力によって駆動力を発生させる人力駆動系と、バッテリ2から出力される電力によって駆動力を発生させる電力駆動系とを有し、電力駆動系は、人力による踏力を検出するトルク検出部3の出力に基づいて電力駆動系による補助力を付与する電動補助自転車であって、サドルへの運転者の着座を検出するサドルセンサ6を設け、サドルセンサ6からの出力がなく、且つ、トルク検出部3の検出するトルク出力が所定値より大きい際に、電力駆動系の出力を増大させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペダルによる踏力を伝達する人力駆動系と、電動ユニットによる動力を伝達するモータ駆動系とを有する電動補助自転車の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動モータなどの電動ユニットによる動力を伝達するモータ駆動系の補助動力を、運転者がペダルを踏むことにより生じる人力駆動系に加えて作用させ、走行を補助することで、運転者がペダルを踏む力を軽減させる電動補助自転車が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−53072
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明は、運転者がペダルを踏む力を検出し、ペダルを踏む力に応じてモータ駆動系の補助動力を増減するものであるが、急な上り坂を登坂する場合や重い荷物を搭載した場合などのより強い補助動力が望まれる場合でも、補助動力の上限は同じであり、必要に応じて自動的に補助動力の上限を大きくする機能が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、必要に応じて自動的に補助動力を大きくすることが可能な電動補助自転車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、人力によって駆動力を発生させる人力駆動系と、バッテリと、該バッテリから出力される電力によって駆動力を発生させる電力駆動系とを有し、前記電力駆動系は、人力による踏力を検出するトルク検出部の出力に基づいて電力駆動系による補助力を付与する電動補助自転車において、サドルへの運転者の着座を検出するサドルセンサを設け、該サドルセンサの出力がなく、且つ、前記トルク検出部の検出するトルク出力が所定値より大きい際に、電力駆動系の出力を増大させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より強い補助動力を必要とする状態を判断して、電力駆動系の出力を増大させることができ、運転者の負荷を軽減することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態の制御手段を示すブロック図である。
【図2】同フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳述する。
【0010】
図1は電動補助自転車の制御手段を示すブロック図、図2は電動補助自転車の制御を示すフローチャートである。
【0011】
図1に示すごとく、1は電動モータで、図示しない電動補助自転車の車輪に結合され、バッテリ2から供給された電力によって車輪を回転させ、あるいは車輪の回転を利用して発電し、バッテリ2を充電する。
【0012】
3はトルク検出部で、ペダルに加わる運転者の踏力を検出する。4は速度検出部で、電動モータ1の回転速度によって自転車の走行速度を検出する。5はブレーキ検出部で、自転車のブレーキがかけられたことを検出する。6は電動補助自転車のサドルに設けられたサドルセンサで、運転者がサドルに着座したか否かを検出する。
ハンドル近傍に取り付けられる図示しない操作部に、電源スイッチ7、電動補助自転車の前照灯となるライトの点灯を制御するライト点灯スイッチ8、前記バッテリ2の残量を表示するバッテリ残量表示部9が設けられている。
【0013】
10は制御装置で、前記トルク検出部3、速度検出部4、ブレーキ検出部5、サドルセンサ6、電源スイッチ7およびライト点灯スイッチ8からの信号を入力し、電動モータ1、バッテリ2、バッテリ残量表示部9及び図示しないライトを制御する。
【0014】
次に動作を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。電源投入後、運転者がサドルに着座しているか否かを検出し、着座しておらずサドルセンサ6からの出力がない場合には、電動モータ1を駆動させない(ステップ1)。従って、着座していない状態で、不用意にペダルに力が加わっても電動モータ1が駆動せず、不用意に自転車が動くのを防止することができる。
【0015】
ステップ1において、運転者がサドルに着座してサドルセンサ6から出力された状態で、ペダルを踏むと、トルク検出部4がペダルに加わるトルクを検出し(ステップ2)、検出したトルクに応じて電動モータ1を駆動し、人力による踏力に電動モータ1の補助動力を加えて自転車を走行させる(ステップ3)。
【0016】
サドルセンサ6からの出力がなく、運転者が着座していないことを検出すると(ステップ4)、トルク検出部3がペダルに通常の走行状態より大きな所定のトルク、本実施形態では、420Kgf・cmより大きなトルクが加わっているか否か検出し(ステップ5)、通常の走行状態より大きな所定のトルクが加わっていると、急な上り坂を登坂する場合や重い荷物を搭載した場合などの通常の走行状態より強い補助動力を必要とする立ちこぎ状態で走行していると判断して、電動モータ1の出力を通常の2倍にする(ステップ6)。
【0017】
ステップ5において、トルク検出部3の出力が所定のトルク以下の場合には、ステップ7に移行し、トルク検出部の出力が非常に小さい一定値、本実施形態では、200Kgf・cmより小さいか否か検出し、トルク検出部3の出力が非常に小さい一定値より小さい場合には、電動モータ1による補助力を必要としない状態であると判断して、電動モータ1を停止する。ステップ7において、トルク変動幅が所定の範囲より大きい場合には、ステップ2へ移行し、通常の走行を継続する。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、電動モータにより走行を補助する電動補助自転車に利用可能である。
【符号の説明】
【0019】
1 電動モータ
2 バッテリ
3 トルク検出部
6 サドルセンサ
12 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力によって駆動力を発生させる人力駆動系と、バッテリと、該バッテリから出力される電力によって駆動力を発生させる電力駆動系とを有し、前記電力駆動系は、人力による踏力を検出するトルク検出部の出力に基づいて電力駆動系による補助力を付与する電動補助自転車において、
サドルへの運転者の着座を検出するサドルセンサを設け、該サドルセンサの出力がなく、且つ、前記トルク検出部の検出するトルク出力が所定値より大きい際に、電力駆動系の出力を増大させることを特徴とする電動補助自転車。
【請求項2】
電源投入後、前記サドルセンサの出力がない状態での電力駆動系による補助力の付与を禁止することを特徴とする請求項1記載の電動補助自転車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−201373(P2011−201373A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69200(P2010−69200)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)