電動補助自転車
【課題】運転者が運転している際の運動状態を表示可能な電動補助自転車を、簡単且つ低コストな構成によって実現する。
【解決手段】電動補助自転車は、ペダル踏力をトルクとして検出するトルク検出部57と、ペダルに連結されたクランク軸の回転数を検出するクランク軸回転数計算部121とを備える。また、電動補助自転車は、トルク検出部57によって検出されたトルク、及び、クランク軸回転数計算部121によって検出されたクランク軸回転数を用いて、運転者の消費カロリーを算出する消費カロリー計算部123と、クランク軸回転数計算部121によって検出された前記クランク軸の回転数及び前記消費カロリー計算部123によって算出された前記消費カロリーのうち少なくとも一方を表示する表示部103とを備える。
【解決手段】電動補助自転車は、ペダル踏力をトルクとして検出するトルク検出部57と、ペダルに連結されたクランク軸の回転数を検出するクランク軸回転数計算部121とを備える。また、電動補助自転車は、トルク検出部57によって検出されたトルク、及び、クランク軸回転数計算部121によって検出されたクランク軸回転数を用いて、運転者の消費カロリーを算出する消費カロリー計算部123と、クランク軸回転数計算部121によって検出された前記クランク軸の回転数及び前記消費カロリー計算部123によって算出された前記消費カロリーのうち少なくとも一方を表示する表示部103とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者のペダル踏力を電動モータの駆動力によってアシストする電動補助自転車に関する。詳しくは、電動補助自転車の表示機能に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、運転者の消費カロリーを表示可能な電動補助自転車が知られている。このような電動補助自転車では、例えば特許文献1に開示されるように、ペダルからの踏力とクランク回転角度とを用いて単位時間毎の仕事量を算出して、該単位時間毎の仕事量を積算することにより全体の仕事量を求める。そして、上述の電動補助自転車では、全体の仕事量をカロリー値に変換して、該カロリー値を表示部に消費カロリーとして表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−338653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような構成では、ペダルに連結されたクランク軸の回転角度を用いて仕事量を求めるため、クランク軸の回転角度を検出可能な精度の良いセンサが必要になる。消費カロリー等を含む運転者の運動状態を表示するために、このような高精度のセンサを電動補助自転車に設けると、消費カロリー等の運動状態を示す値を算出する構成が複雑になるとともに、電動補助自転車の製造コストを増大させることになる。
【0005】
本発明は、運転者が運転している際の運動状態を表示可能な電動補助自転車を、簡単且つ低コストな構成によって実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態に係る電動補助自転車は、運転者がペダルを回転させる際のペダル踏力を電動モータの駆動力によってアシストする電動補助自転車である。電動補助自転車は、前記ペダル踏力をトルクとして検出するトルク検出部と、前記電動モータの回転数を検出する電動モータ回転数検出部と、を備える。また、電動補助自転車は、前記トルク検出部によって検出されたトルク、または、前記電動モータ回転数検出部によって検出された前記電動モータの回転数を用いて、運転者の運動状態を示す値を算出する運動状態計算部と、前記運動状態計算部によって算出された前記運動状態を表示する表示部とを備える。
【0007】
クランク軸の回転数を検出することにより、回転角度を検出可能な精度の高いセンサが不要になる。これにより、運転者の運動状態を、簡単且つ低コストな構成によって表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る電動補助自転車の概略構成を示す右側面図である。
【図2】図2は、実施形態1に係る電動補助自転車の駆動ユニット及び従動スプロケットの概略構成を示す図である。
【図3】図3は、図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】図4は、実施形態1に係る電動補助自転車において、アシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達を示すブロック図である。
【図5】図5は、実施形態1に係る電動補助自転車の表示装置の正面図である。
【図6】図6は、実施形態1に係る電動補助自転車の表示装置をハンドルに取り付けた状態を示す図である。
【図7】図7は、実施形態1に係る電動補助自転車において、電池制御部、制御装置及び表示装置の信号の授受を示すブロック図である。
【図8】図8は、実施形態1に係る電動補助自転車において、クランク軸回転数計算部におけるクランク軸回転数の算出方法の切替を示すフローである。
【図9】図9は、実施形態2に係る電動補助自転車において、アシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達を示すブロック図である。
【図10】図10は、実施形態3に係る電動補助自転車におけるモータ駆動ユニットの概略構成を示す断面図である。
【図11】図11は、実施形態3に係る電動補助自転車において、アシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達を示すブロック図である。
【図12】図12は、モータ駆動ユニットを後輪に設けた場合の電動補助自転車において、アシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0010】
以下の説明において、前方、後方、左方及び右方は、ハンドル23を握りつつ電動補助自転車1のシート24に着座した運転者から見た前方、後方、左方及び右方を意味する。
【0011】
[実施形態1]
(電動補助自転車の全体構成)
図1に、実施形態1に係る電動補助自転車1の概略構成を示す。図2に、電動補助自転車1の駆動ユニット40及び従動スプロケット45の概略構成を示す。この電動補助自転車1は、後述するように、運転者がペダル33,34を踏み込むことにより得られるペダル踏力を、電動モータ61から出力される駆動力によってアシストする。すなわち、電動補助自転車1は、一般的な自転車の構成に加えて、ペダル踏力をアシストするための駆動機構を有している。
【0012】
図1に示すように、電動補助自転車1は、前後方向に延びる車体フレーム11を有する。また、電動補助自転車1は、前輪21(車輪)、後輪22(車輪)、ハンドル23、シート24及び駆動ユニット40を有する。
【0013】
車体フレーム11は、ヘッドパイプ12、ダウンフレーム13、シートフレーム14、ブラケット15(図2参照)、一対のチェーンステイ16及び一対のシートステイ17を有する。図1に示すように、ヘッドパイプ12は、電動補助自転車1の前部に配置される。ヘッドパイプ12には、後方に延びるダウンフレーム13の前方側が接続されている。シートフレーム14は、ダウンフレーム13の後方側に接続されていて、該ダウンフレーム13の後端部から上方且つ斜め後方に向かって延びている。
【0014】
図2に示すように、ブラケット15は、ダウンフレーム13の後方側に取り付けられている。ブラケット15の後方側には、後輪22を左右から挟むように一対のチェーンステイ16が接続されている。図1に示すように、一対のシートステイ17は、それぞれ、一方の端部が各チェーンステイ16に接続されている。また、一対のシートステイ17は、それぞれ、他方の端部がシートフレーム14に接続されている。
【0015】
ヘッドパイプ12には、ハンドルステム25が回転自在に挿入されている。ハンドルステム25の上端部には、ハンドル23が固定される。ハンドルステム25の下端部には、フロントフォーク26が固定される。フロントフォーク26の下端部には、前輪21が車軸27によって回転可能に支持されている。
【0016】
円筒状のシートフレーム14の内方には、シートパイプ28が挿入されている。シートパイプ28の上端部には、シート24が設けられている。
【0017】
図1及び図2に示すように、一対のチェーンステイ16の後端部には、後輪22が車軸29によって回転可能に支持されている。後輪22の右側には、車軸29と同軸に従動スプロケット45が設けられている。従動スプロケット45は、一方向クラッチ(図4の符号92)を介して後輪22に連結される。また、従動スプロケット45と一方向クラッチ92との間には変速機構93が設けられている。この変速機構93は、後輪22の図示しないハブ内に設けられている。変速機構93は、従来の自転車の変速機構と同様の構成を有するので詳しい説明を省略する。
【0018】
図2に示すように、ブラケット15には、複数の締結金具30によって駆動ユニット40が固定される。駆動ユニット40の構成については後述する。図1及び図2に示すように、駆動ユニット40の後述する駆動スプロケット42と後輪22に設けられた従動スプロケット45とには、無端状のチェーン46が巻き掛けられている。駆動ユニット40及びチェーン46を覆うように、車体フレーム11にチェーンカバー47が取り付けられている(図1参照)。チェーンカバー47は、メインカバー48及びサブカバー49を有する。メインカバー48は、駆動スプロケット42の右方を覆いつつ前後方向に延びている。サブカバー49は、駆動ユニット40の後部の右方を覆う。
【0019】
図1に示すように、後述する駆動ユニット40のクランク軸41の両端部には、クランクアーム31,32が取り付けられている。クランクアーム31,32の先端部には、それぞれ、ペダル33,34が取り付けられている。
【0020】
図1に示すように、シートフレーム14の後方には、後述する駆動ユニット40の電動モータ61に電力を供給するためのバッテリユニット35が配置されている。バッテリユニット35は、バッテリ36及び電池制御部37を有する(図7参照)。バッテリ36は、充放電可能な充電池である。電池制御部37は、バッテリ36の充放電を制御するとともに、該バッテリ36の出力電流及び残容量等を監視する。
【0021】
図3は、駆動ユニット40の概略構成を示す断面図である。この図3は、図2におけるIII−III線断面図である。
【0022】
図3に示すように、駆動ユニット40は、本体部51、クランク軸41、駆動スプロケット42、駆動力発生部60、補助スプロケット43及びチェーンテンショナ86を有する。
【0023】
本体部51は、左右から互いに組み合わされる第1ケース部52及び第2ケース部53を有する。第1ケース部52と第2ケース部53とは、複数の締結金具54によって互いに固定されている(図2及び図3参照)。本体部51は、上述の締結金具30によって、ブラケット15に取り付けられている。
【0024】
図3に示すように、クランク軸41は、本体部51を左右方向に貫通するとともに、該本体部51の前端部に回転可能に支持されている。クランク軸41は、第1ケース部52及び第2ケース部53に対して、複数の軸受を介して回転可能に支持されている。クランク軸41の一方側には、該クランク軸41と一体で回転する略円筒状のインナー部材55aが設けられている。上述のようにクランク軸41の両端部にはクランクアーム31,32が接続されているため、運転者がペダル33,34を踏み込むことにより、クランク軸41が回転する。
【0025】
駆動スプロケット42は、インナー部材55aの外周面の右端部に取り付けられる。クランク軸41、インナー部材55a及び駆動スプロケット42は、互いに同軸に配置される。
【0026】
クランク軸41の軸方向中央部分には、該クランク軸41と同軸状に略円筒状の回転部材56が配置される。回転部材56の右端部は、円筒形状の滑り軸受71を介してクランク軸41に支持されている。回転部材56の左端部は、たとえばスプライン構造によってクランク軸41に接続されている。これにより、回転部材56は、クランク軸41と一体で回転する。
【0027】
図3に示すように、回転部材56と同軸にトルク検出部57が配置されている。トルク検出部57は、たとえば磁歪式のトルクセンサを含む。トルク検出部57が磁歪式のトルクセンサの場合、トルク検出部57は、回転部材56の外周面に対向して配置されるコイルを有する。このような構成のトルク検出部57は、回転部材56の歪みをコイルの電圧変化として検出することにより、クランク軸41のトルクを検出する。トルク検出部57は、検出したトルクに応じた信号を後述する制御装置110に出力する。制御装置110は、トルク検出部57から出力された信号に基づいて後述の電動モータ61を制御する。なお、トルク検出部57は、ペダル踏力を検出可能な構成であれば、磁歪式のトルクセンサ以外の構成を有していてもよい。
【0028】
回転部材56とインナー部材55aとを連結するように、一方向クラッチ55の略円筒状のアウター部材55bがクランク軸41と同軸に配置されている。アウター部材55bの左端部と回転部材56の右端部とは、例えばスプライン構造によって接続される。これにより、アウター部材55bは、回転部材56と一体で回転する。
【0029】
アウター部材55bの右端部とインナー部材55aの左端部とは、アウター部材55bからインナー部材55aに一方向の回転力のみが伝達されるように、例えばラチェット構造によって接続される。これにより、アウター部材55bからインナー部材55aに、前転方向(右側から見て時計回りの方向)の回転力が伝達される。しかしながら、アウター部材55bからインナー部材55aに、後転方向(右側から見て反時計回りの方向)の回転力は伝達されない。
【0030】
この構成により、運転者が電動補助自転車1を前進させるようにペダル33,34を踏み込んでクランク軸41を回転させた場合には、運転者のペダル踏力がクランク軸41から回転部材56及びアウター部材55bを介してインナー部材55aに伝達される。したがって、インナー部材55a及び駆動スプロケット42が前転する。一方、運転者がクランク軸41を後転させた場合、その回転はアウター部材55bからインナー部材55aに伝達されない。したがって、インナー部材55a及びクランク軸41は後転しない。
【0031】
図3に示すように、駆動力発生部60は、第1ケース部52及び第2ケース部53内に、クランク軸41よりも後方に配置されている。駆動力発生部60は、電動モータ61、出力軸81及びギア82を有する。
【0032】
電動モータ61は、後述する制御装置110から出力される制御信号に基づいて電動補助自転車1の走行をアシストするための駆動力を発生する。また、電動モータ61は、後述するアシストモードに応じて電動補助自転車1の走行をアシストする駆動力を変化させるように、駆動制御される。
【0033】
電動モータ61は、ステータ62、ロータ63及び回転軸64を有する。ステータ62は、第2ケース部53に固定されている。第2ケース部53には、電動モータ61の左側を覆うように、モータカバー65が取り付けられている。回転軸64は、ロータ63を貫通しているとともに該ロータ63に固定されている。回転軸64は、転がり軸受66,67を介して、第2ケース部53及びモータカバー65に回転可能に支持されている。回転軸64の右端部には、ギア溝64aが形成されている。
【0034】
なお、特に図示しないが、電動モータ61の近傍には、後述する制御装置110が配置されている。本実施形態では、電動モータ61の近傍に制御装置110を配置しているが、この限りではなく、制御装置110を他の場所に配置してもよい。
【0035】
出力軸81は、クランク軸41よりも後方の位置で、本体部51に回転可能に支持されている。具体的には、出力軸81は、転がり軸受83,84を介して第1ケース部52及び第2ケース部53に回転可能に支持されている。
【0036】
ギア82は、転がり軸受83と転がり軸受84との間に、出力軸81と同軸に配置されている。ギア82は、電動モータ61の回転軸64に形成されたギア溝64aと噛み合っている。これにより、電動モータ61で発生した駆動力が回転軸64からギア82に伝達されて、該ギア82が回転する。この実施形態では、回転軸64が前転するように、電動モータ61が配置される。したがって、ギア82は、回転軸64から伝達される駆動力によって後転する。本実施形態では、ギア82と回転軸64のギア溝64aとのギア比に応じて、電動モータ61の回転軸64の回転数を減速させて出力軸81に伝達することができる。すなわち、本実施形態では、ギア82が減速機として機能する。なお、以下の説明では、ギア82を減速機ともいう。
【0037】
ギア82と出力軸81との間には、一方向クラッチ85が設けられている。一方向クラッチ85は、ギア82から出力軸81に後転方向の回転力を伝達するが、前転方向の回転力を伝達しないように構成されている。なお、電動補助自転車が、回生運転も可能な構成の場合には、上述の一方向クラッチ85は設けない。
【0038】
補助スプロケット43は、出力軸81の右端部に、該出力軸81と同軸に配置されている。補助スプロケット43と出力軸81とは、例えばスプライン構造によって互いに接続される。これにより、駆動力発生部60で発生した駆動力が出力軸81から補助スプロケット43に伝達される。よって、補助スプロケット43が後転する。
【0039】
チェーンテンショナ86は、第1ケース部52の右側面の後端部に配置されている。チェーンテンショナ86は、図2に示すように、一端側が引張バネ87を介して第1ケース部52に接続されている。また、チェーンテンショナ86は、他端側が支持ボルト88によって第1ケース部52に対して回転可能に接続されている。チェーンテンショナ86には、支持ボルト89に対して回転可能なテンションスプロケット90が設けられている。このテンションスプロケット90には、該テンションスプロケット90を後方に押すようにチェーン46が巻き掛けられる。したがって、チェーン46は、チェーンテンショナ86によって、適度なテンションに調整される。
【0040】
制御装置110は、電動補助自転車1のアシスト制御を行うとともに、表示装置100に各種情報を表示させる。図4に示すように、制御装置110は、ペダル踏力検知部111、変速段検知部112、補助力演算部113、メモリ114、モータ制御部115及び表示データ制御部120を有する。ペダル踏力検知部111、変速段検知部112、補助力演算部113、メモリ114及びモータ制御部115は、電動モータ61によるアシスト制御を行う際に動作する。表示データ制御部120は、表示装置100に各種情報を表示させる際に動作する。制御装置110の詳しい構成について後述する。
【0041】
(電動補助自転車のアシスト制御)
図4に、電動補助自転車1において、電動モータ61によるアシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達をブロック図で示す。この図4では、アシスト制御を行う際の信号の授受を破線矢印によって示すととともに、動力の伝達を実線矢印で示す。
【0042】
電動補助自転車1におけるアシスト制御は、制御装置110によって、運転者のペダル踏力に応じて電動モータ61を駆動制御することによって実現される。すなわち、制御装置110は、クランク軸41のトルクを検出するトルク検出部57から出力されるトルク値に基づいて、運転者のペダル踏力を検知する。また、制御装置110は、検知したペダル踏力に応じて電動モータ61の出力を制御する。さらに、制御装置110は、電動補助自転車1の変速段及び後述するアシストモードも考慮して電動モータ61の出力を制御する。
【0043】
上述のとおり、制御装置110は、ペダル踏力検知部111、変速段検知部112、補助力演算部113、メモリ114、モータ制御部115及び表示データ制御部120を有する。ペダル踏力検知部111は、トルク検出部57によって検出されたクランク軸41のトルクに基づいて、運転者のペダル踏力を求める。変速段検知部112は、電動モータ61の回転数及び後輪22の車速に基づいて、現在の変速段を検知する。
【0044】
補助力演算部113は、ペダル踏力検知部111によって検知されたペダル踏力、変速段検知部112によって検知された変速段及び後述するアシストモードに基づいて、電動モータ61に要求される駆動力を求める。メモリ114は、ペダル踏力、変速段及びアシストモードに応じた駆動力に関するデータが記憶されている。補助力演算部113は、ペダル踏力、変速段及びアシストモードに応じて、メモリ114から必要なデータを読み出すことにより、前記駆動力を求める。
【0045】
モータ制御部115は、補助力演算部113によって求められた必要な駆動力を電動モータ61が出力するように、該電動モータ61の駆動を制御する。また、モータ制御部115は、後述する表示装置100のアシストモード操作部104におけるアシストモードの変更操作に応じて、電動モータ61による駆動力を変更する。
【0046】
以下で、アシストモードについて簡単に説明する。
【0047】
本実施形態の場合、電動補助自転車1のアシストモードは、“強”、“標準”、“オートエコ”、“切”の4モードがある。電動モータ61の駆動力は、同じペダル踏力に対して、“強”、“標準”、“オートエコ”の順に小さくなる。
【0048】
アシストモードが“標準”の場合、電動モータ61は、電動補助自転車1が発進、平坦路走行または上り坂走行の際に駆動力を発生させる。アシストモードが“強”の場合、電動モータ61は、“標準”の場合と同様、電動補助自転車1が発進、平坦路走行または上り坂走行の際に駆動力を発生させる。電動モータ61は、アシストモードが“強”の場合には、同じペダル踏力に対して“標準”の場合よりも大きな駆動力を発生させる。
【0049】
アシストモードが“オートエコ”の場合、電動モータ61は、電動補助自転車1が発進または上り坂走行の際に、同じペダル踏力に対して“標準”の場合よりも小さな駆動力を発生する。アシストモードが“切”の場合、電動モータ61は、駆動力を発生しない。
【0050】
したがって、上述のアシストモードに応じて、運転者のペダル踏力に対する電動モータ61のアシスト比率が変わる。アシスト比率とは、運転者のペダル踏力に対する電動モータ61の駆動力の比である。
【0051】
本実施形態では、アシストモードを4段階に切り替えている。しかしながら、アシストモードの切替は3段階以下であってもよいし、5段階以上であってもよい。
【0052】
モータ制御部115は、上述の各アシストモードに対応して、例えば、以下のように電動モータ61を駆動させる。
【0053】
モータ制御部115は、アシストモードが“標準”の場合、トルク検出部57によって、発進時、平坦路走行時または上り坂走行時のいずれか一つに該当するトルクが検出されると、電動モータ61に駆動力を発生させる。アシストモードが“強”の場合、モータ制御部115は、同じトルク(ペダル踏力)に対し、アシストモードが“標準”の場合に比べて大きな駆動力を電動モータ61に発生させる。アシストモードが“オートエコ”の場合、モータ制御部115は、トルク検出部57によって、発進時または上り坂走行時に該当するトルクが検出されると、電動モータ61に駆動力を発生させる。アシストモードが“オートエコ”の場合、モータ制御部115は、同じトルク(ペダル踏力)に対し、アシストモードが“標準”の場合に比べて小さな駆動力を電動モータ61に発生させる。アシストモードが“切”の場合には、モータ制御部115は、電動モータ61を駆動させない。
【0054】
表示データ制御部120は、後述する表示装置100に対して、表示する情報をメータ情報信号として出力する。表示データ制御部120の詳しい構成については後述する。
【0055】
図4に示すように、モータ制御部115によって駆動制御される電動モータ61の回転数は、モータ回転検出部68によって検出される。モータ回転検出部68によって検出されたモータ回転数は、制御装置110の変速段検知部112に信号として入力される。この変速段検知部112には、上述のように、後輪22の車速に関する情報も入力される。なお、後輪車速センサ91は、後輪22に設けられた一方向クラッチ92に設けられている。
【0056】
制御装置110のモータ制御部115によって駆動制御された電動モータ61の出力は、減速機(ギア82)によって減速される。その後、電動モータ61から出力された駆動力は、一方向クラッチ85及び補助スプロケット43を介して、チェーン46に伝達される。そして、チェーン46によって、電動モータ61の駆動力は、従動スプロケット45の駆動軸45a(図2では図示省略)に伝わる。
【0057】
一方、運転者がペダル33,34を回転させたときにクランク軸41に加わるペダル踏力は、一方向クラッチ55及び駆動スプロケット42を介して、チェーン46に伝達される。運転者のペダル踏力は、チェーン46によって、従動スプロケット45の駆動軸45a(図2では図示省略)に伝わる。
【0058】
上述のように、電動モータ61の駆動力及び運転者のペダル踏力は、チェーン46を介して後輪22の従動スプロケット45に伝達される。すなわち、電動モータ61の駆動力及び運転者のペダル踏力は、チェーン46によって足し合わされて、電動補助自転車1の動力となる。
【0059】
後輪22の従動スプロケット45の回転は、変速機構93によって、設定された変速比で変速される。変速機構93は、ハンドル23等に設けられた変速操作部94を運転者が操作することにより、変速比を変更する。なお、特に図示しないが、変速機構93と後輪22の車軸29との間には、変速機構93から後輪22に対してのみ動力を伝達する一方向クラッチ92が設けられている。
【0060】
(表示装置)
図1及び図6に示すように、電動補助自転車1は、ハンドル23に取り付けられる表示装置100を有する。表示装置100は、例えば、ハンドル23に対し、左グリップの近傍に取り付けられる。表示装置100は、電動補助自転車1の速度、バッテリ36の残容量、バッテリ36から出力される電流量及びその他の走行情報を含む情報を表示する。表示装置100は、制御装置110に対して図示しない配線を介して信号の授受可能に接続されている。なお、表示装置100は、ハンドル23に対し、車幅方向の中央または右グリップの近傍に取り付けてもよい。その場合には、以下で説明する表示装置の構成を、左右逆にすればよい。
【0061】
図5に示すように、表示装置100は、横長の略矩形状に形成されたケーシング101、及び、該ケーシング101内に収納される表示装置制御部102を有する。ケーシング101には、表示部103、アシストモード操作部104、表示モード切替ボタン105、ライト操作部106及び電源スイッチ107が設けられている。
【0062】
表示部103は、例えば液晶パネルを含む。表示部103は、表示装置制御部102によって、文字や図形等の表示が制御される。表示部103は、速度表示部103a、バッテリ残容量表示部103b、電流量表示部103c、アシストモード表示部103d及び選択情報表示部103eを有する。速度表示部103a、バッテリ残容量表示部103b、電流量表示部103c、アシストモード表示部103d及び選択情報表示部103eには、制御装置110の表示データ制御部120からメータ情報信号として出力される情報が表示される。バッテリ残容量表示部103bと選択情報表示部103eとは隣接して設けられている。
【0063】
速度表示部103aには、電動補助自転車1の速度が数字で表示される。本実施形態の場合、電動補助自転車1の速度は、後輪車速センサ91によって検出される。速度表示部103aは、表示部103の中央部分の上側に位置する。
【0064】
バッテリ残容量表示部103bには、バッテリユニット35の電池制御部37から制御装置110に出力される電池残容量の情報に基づいて、バッテリ36の残容量がセグメントによって表示される。これにより、バッテリ36の残容量を直感的に把握することができる。バッテリ残容量表示部103bは、表示装置100に電力が供給されている間は、常時バッテリ36の残容量を表示する。
【0065】
バッテリ残容量表示部103bは、図5に示すように、表示部103における車幅方向で車体中央側(運転者側、図中の右側)に設けられている。バッテリ残容量表示部103bは、選択情報表示部103eよりも車幅方向で車体中央側に設けられている。また、バッテリ残容量表示部103bは、選択情報表示部103eよりも上側に設けられている。これにより、運転者が表示部103を視認した際に、バッテリ残容量表示部103bを最も視認しやすい位置に配置することができる。表示部103では、運転者に近い車幅方向で車体中央側且つ運転時の視線の変更が少ない上側が、運転者にとって最も視認しやすい位置になる。その位置にバッテリ残容量表示部103bを設けることにより、該バッテリ残容量表示部103bを運転者が視認しやすくなる。
【0066】
電流量表示部103cには、バッテリユニット35の電池制御部37から制御装置110に出力される電流量の情報に基づいて、バッテリ36の出力電流量がセグメントによって表示される。電流量表示部103cは、表示部103において、速度表示部103aの下側に位置する。
【0067】
アシストモード表示部103dには、後述するアシストモード操作部104の操作によって選択されたアシストモードが表示される。アシストモードが“強”、“標準”、“オートエコ”のうちいずれか一つの場合には、アシストモード表示部103dは、各モードに対応する表示部分を点灯表示する。一方、アシストモードが“切”の場合には、アシストモード表示部103dは、いずれの表示部分も点灯させない。上述のように、アシストモードは、電動モータ61のアシスト比率に対応している。よって、アシストモード表示部103dは、電動モータ61のアシスト比率に関する情報を表示する。アシストモード表示部103dは、表示部103における左グリップ側に設けられている。アシストモード表示部103dは、アシストモード操作部104の近傍に位置する。
【0068】
選択情報表示部103eには、後述する表示モード切替ボタン105の操作に応じて、平均車速、最大車速、積算走行距離、残りアシスト走行可能距離、消費カロリー及びバッテリ残容量が数字で表示される。これにより、平均車速、最大車速、積算走行距離、残りアシスト走行可能距離、消費カロリー及びバッテリ残容量を、数値で精度良く表示することができる。平均車速、最大車速、積算走行距離、残りアシスト走行可能距離、消費カロリー及びバッテリ残容量は、制御装置110から出力される情報に基づいて、選択情報表示部103eに表示される。選択情報表示部103eは、表示部103において、車幅方向で車体中央側に設けられているとともに、バッテリ残容量表示部103bと隣接して設けられている。これにより、運転者は、運転者により近い車体中央側に配置される選択情報表示部103eを、視認しやすい。
【0069】
アシストモード操作部104は、ケーシング101において、表示部103の左側に設けられている。これにより、電動補助自転車1の運転者は、左手の親指等によって、アシストモード操作部104を容易に操作することができる。しかも、表示部103はケーシング101における車幅方向で車体中央側(運転者側)に位置するため、運転者が表示部103を視認しやすい。
【0070】
アシストモード操作部104は、第1選択ボタン104a及び第2選択ボタン104bを有する。第1選択ボタン104aは、ケーシング101において、第2選択ボタン104bよりも上側に設けられている。
【0071】
運転者が第1選択ボタン104aを押すと、より駆動力の大きいアシストモードを選択することができる。例えば、現在のアシストモードが“標準”の場合、第1選択ボタン104aを押すことにより、アシストモードは“強”に変更される。
【0072】
運転者が第2選択ボタン104bを押すと、より駆動力の小さいアシストモードを選択することができる。例えば、現在のアシストモードが“標準”の場合、第2選択ボタン104bを押すことにより、アシストモードは“オートエコ”に変更される。なお、アシストモードが“オートエコ”の状態で、第2選択ボタン104bをもう一度押すと、アシストモードは“切”になる。
【0073】
表示モード切替ボタン105は、ケーシング101の下側且つ左側に設けられている。表示モード切替ボタン105を押すことにより、選択情報表示部103eに表示される情報が切り替わる。
【0074】
ライト操作部106は、ケーシング101の下側且つ右側に設けられている。すなわち、ライト操作部106は、ケーシング101の下側に、表示モード切替ボタン105と並んで設けられている。ライト操作部106を押すことにより、表示装置100の表示装置制御部102からライトON信号またはライトOFF信号が制御装置110に対して出力される。これにより、電動補助自転車1の図示しないライトを点灯または消灯させることができる。
【0075】
電源スイッチ107は、ケーシング101の上側且つ左側に設けられている。電源スイッチ107を押すことにより、表示装置100の表示装置制御部102からON信号またはOFF信号が制御装置110に対して出力される。これにより、電動補助自転車1のアシスト制御を行うシステム全体をONまたはOFFにすることができる。
【0076】
(表示データ制御部)
制御装置110内の表示データ制御部120は、表示装置100に対し、該表示装置100で表示する情報をメータ情報信号として出力する。図7に示すように、表示データ制御部120には、電池制御部37、モータ回転検出部68、後輪車速センサ91、トルク検出部57及び表示装置100から各種信号が入力される。
【0077】
電池制御部37からは、バッテリ36の残容量に関する情報及びバッテリ36から出力される電流の情報などが、信号として表示データ制御部120に入力される。表示データ制御部120は、電池制御部37から得たバッテリ36の残容量に関する情報を、表示装置100のバッテリ残容量表示部103bに表示させる。また、表示データ制御部120は、電流制御部37から得た電流量に関する情報を、表示装置100の電流量表示部103cに表示させる。
【0078】
後輪車速センサ91からは、後輪22の車速に関する情報が信号として表示データ制御部120に入力される。表示データ制御部120は、後輪車速センサ91から得た車速に関する情報を、表示装置100の速度表示部103aに表示させる。
【0079】
表示装置100において、アシストモード操作部104、表示モード切替ボタン105、ライト操作部106及び電源スイッチ107のいずれか一つを操作した際に、表示装置100から表示データ制御部120に信号が入力される。表示データ制御部120は、アシストモード操作部104、表示モード切替ボタン105、ライト操作部106及び電源スイッチ107のいずれか一つを操作した際に、表示装置100の表示を変更する。
【0080】
モータ回転検出部68からは、電動モータ61の回転数に関する情報が信号として表示データ制御部120に入力される。トルク検出部57からは、クランク軸41に発生するトルクに関する情報が信号として表示データ制御部120に入力される。表示データ制御部120は、電動モータ61の回転数に関する情報またはクランク軸41に発生するトルクに関する情報を用いて、クランク軸41の回転数を求める。そして、表示データ制御部120は、求めたクランク軸41の回転数とクランク軸41に発生するトルクとを用いて仕事率を求め、該仕事率に基づいて運転者の消費カロリーを算出する。また、表示データ制御部120は、算出した消費カロリーを表示装置100の選択情報表示部103eに表示させる。
【0081】
具体的には、表示データ制御部120は、クランク軸回転数計算部121(クランク軸回転数検出部)、仕事率計算部122及び消費カロリー計算部123を有する。本実施形態では、クランク軸回転数、仕事率及び消費カロリーがそれぞれ運転者の運動状態を示す値である。クランク軸回転数計算部121、仕事率計算部122及び消費カロリー計算部123が、それぞれ、運動状態計算部に対応する。ここで、運転者の運動状態を示す値とは、運転者がクランク軸41を回転させるときに行う運動に関連する値を意味する。
【0082】
クランク軸回転数計算部121は、モータ回転検出部68から得られるモータ回転数、または、トルク検出部57から得られるクランク軸41のトルク変動に基づいて、クランク軸41の回転数を求める。
【0083】
クランク軸回転数計算部121がモータ回転数またはクランク軸41のトルク変動に基づいて、クランク軸41の回転数を求めることができるのは、以下の理由による。
【0084】
モータ回転検出部68によって検出されたモータ回転数に対して、電動モータ61の回転を減速させる電動自転車1内の減速比を乗算することにより、クランク軸41の回転数を算出することができる。すなわち、本実施形態の構成の場合、チェーン46によってペダル踏力及びモータ駆動力が足し合わされるため、クランク軸41に連結された駆動スプロケット42とモータ回転をチェーン46に伝える補助スプロケット43とは回転速度が同じである。したがって、電動モータ61の回転数から補助スプロケット43の回転数に減速する際の減速比、及び、補助スプロケット43と駆動スプロケット42との径の比を用いて、電動モータ61の回転数からクランク軸41の回転数を算出することができる。
【0085】
トルク検出部57によって得られるクランク軸41のトルクは、運転者がペダル33,34に連結されたクランクアーム31,32を一回転させる間に、2回のピークを有する。すなわち、クランクアーム31,32が一回転する間には、右足及び左足でそれぞれトルクが最大になるピークが存在する。これらのピークをカウントすることにより、クランクアーム31,32の回転数、すなわちクランク軸41の回転数を求めることができる。なお、トルク検出部57によって得られるクランク軸41のトルクのボトムをカウントして、クランク軸41の回転数を求めてもよい。
【0086】
クランク軸回転数計算部121は、図8に示すように、電動モータ61の駆動の有無によって、上述の2つの算出方法を切り替える。クランク軸回転数計算部121は、電動モータ61が駆動しているかどうかを判定し(ステップSA1)、電動モータ61が駆動している場合(YESの場合)には、モータ回転検出部68の出力に基づいてクランク軸41の回転数を算出する(ステップSA2)。クランク軸回転数計算部121は、電動モータ61が駆動していない場合(NOの場合)には、トルク検出部57の出力に基づいてクランク軸41の回転数を算出する(ステップSA3)。ここで、クランク軸回転数計算部121は、モータ回転検出部68から出力されるモータ回転数がゼロである場合には電動モータ61は駆動していないと判断し、該モータ回転数がゼロ以外の場合には電動モータ61が駆動していると判断する。
【0087】
これにより、電動モータ61が駆動している間は、モータ回転数に基づいてクランク軸41の回転数を精度良く求めることができる。一方、電動モータ61が駆動していない場合でも、トルク検出部57から出力されるクランク軸41のトルク変動に基づいてクランク軸41の回転数を求めることができる。モータ回転検出部68及びトルク検出部57は、ペダル踏力に応じて電動モータの駆動力を制御することにより該ペダル踏力をアシストする従来の電動補助自転車にも設けられている。上述の構成により、クランク軸41の回転数を検出するための専用のセンサを設ける必要がなくなるため、その分、コスト低減を図れる。
【0088】
仕事率計算部122は、クランク軸回転数計算部121によって算出されたクランク軸41の回転数とトルク検出部57によって検出されたクランク軸41のトルクとに基づいて、単位時間当たりの仕事率を求める。すなわち、仕事率計算部122は、運転者が電動補助自転車1を運転している際の単位時間当たりの仕事率を、クランク軸41の回転数とペダル踏力とを乗算することにより算出する。
【0089】
消費カロリー計算部123は、仕事率計算部122で求めた仕事率と、消費カロリーと仕事率との関係を示す1次関数とを用いて、単位時間当たりの消費カロリーを算出する。すなわち、消費カロリー計算部123は、前記1次関数に、仕事率計算部122で求めた仕事率を代入することにより、単位時間当たりの消費カロリーを算出する。
【0090】
ここで、上述の1次関数は、単位時間当たりの消費カロリーをY、仕事率をXとすると、Y=AX+Bによって表される。A及びBは、定数であり、運転者が電動補助自転車1を運転している際に実測した仕事率及び消費カロリーに基づいて、求められる。
【0091】
消費カロリー計算部123は、上述の1次関数を用いて算出した単位時間当たりの消費カロリーを積算して、所定期間の消費カロリーを求める。この所定期間の消費カロリーが、表示装置100の選択情報表示部103eに消費カロリーとして表示される。
【0092】
なお、本実施形態では、表示データ制御部120は、表示装置100に消費カロリー計算部123で算出した消費カロリーを表示させる。しかしながら、表示データ制御部120は、クランク軸41の回転数及び仕事率などの運転者の運動状態を示す値を表示装置100に表示させてもよい。また、表示装置100に表示する運転者の運動状態を示す値(クランク軸41の回転数、仕事率及び消費カロリーなど)は、1項目であってもよいし、複数の項目であってもよい。
【0093】
さらに、特に図示しないが、表示データ制御部120は、消費カロリー以外にも、表示装置100の選択情報表示部103eに表示させる各種情報を算出可能に構成されている。表示データ制御部120で算出された各種情報は、表示装置100に出力されて、該表示装置100の選択情報表示部103eに表示される。
【0094】
なお、本実施形態では、表示データ制御部120は、クランク軸41の回転数を算出する際に、電動モータ61の回転の有無に応じて、モータ回転数またはクランク軸41のトルク変動を用いている。しかしながら、表示データ制御部120は、一方のパラメータのみによってクランク軸41の回転数を算出するように構成されていてもよい。
【0095】
また、本実施形態では、電動補助自転車1は、後輪車速センサ91を有しているが、前輪21の車速を検出する前輪車速センサまたは変速機構93の変速段を検出する変速段センサを有していてもよい。前輪車速センサまたは変速段センサを設ける場合でも、上述の実施形態と同様、センサからの出力信号は変速段検知部112に入力される。
【0096】
さらに、本実施形態では、電動モータ61をアシスト制御に利用しているが、該電動モータ61を回生運転させることにより、電力を回収してもよい。このように電動モータ61が回生運転している場合でも、クランク軸回転数計算部121によってクランク軸41の回転数を求めることができる。電動モータ61が回転している場合、クランク軸41に生じるトルクはゼロであるため、消費カロリー計算部によって算出される消費カロリーはゼロになる。
【0097】
以上より、本実施形態では、表示装置100の選択情報表示部103eに、クランク軸41の回転数を用いて算出した運転者の消費カロリーを表示する。これにより、クランク軸41の回転角度を検出するための高価なセンサが不要になる。よって、消費カロリーを表示可能な電動補助自転車1を簡単且つ低コストな構成によって実現できる。
【0098】
本実施形態では、消費カロリー計算部123は、仕事率を1次関数に代入することにより、消費カロリーを算出する。これにより、簡単な方法で且つ精度良く消費カロリーを求めることができる。
【0099】
本実施形態では、電動モータ61の回転数に基づいてクランク軸41の回転数を算出する。これにより、クランク軸41の回転数を検出するセンサを新たに設けることなく、該クランク軸41の回転数を精度良く求めることができる。
【0100】
本実施形態では、クランク軸41に生じるトルク変動に基づいてクランク軸41の回転数を算出する。これにより、クランク軸41の回転数を検出するセンサを新たに設けることなく、電動モータ61のアシスト制御に必要なトルク検出部57からの出力を利用して該クランク軸41の回転数を精度良く求めることができる。
【0101】
本実施形態では、クランク軸回転数計算部121は、電動モータ61が回転している場合には、モータ回転数に基づいてクランク軸41の回転数を算出する。一方、クランク軸回転数計算部121は、電動モータ61が回転していない場合には、クランク軸41に生じるトルク変動に基づいてクランク軸41の回転数を算出する。これにより、クランク軸41の回転数を精度良く求めることができるとともに、電動モータ61が回転していないときにもクランク軸41の回転数を求めることができる。
【0102】
[実施形態2]
図9に、実施形態2に係る電動補助自転車において、電動モータ61によるアシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達をブロック図で示す。この実施形態2の構成は、電動補助自転車がペダル回転センサ131を備えている点で、上述の第1の実施形態の構成とは異なる。以下の説明では、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0103】
図9に示すように、電動補助自転車は、ペダル33,34にクランクアーム31,32を介して連結されたクランク軸41の回転数を検出するためのペダル回転センサ131を有する。ペダル回転センサ131は、特に図示しないが、クランク軸41上に取り付けられた被検出素子、及び、該クランク軸41の近傍に配置されていて該被検出素子を検出する検出部を有する。これにより、検出部が単位時間当たりでクランク軸41上の被検出素子を検出する頻度によって、該クランク軸41の回転数を求めることができる。
【0104】
本実施形態では、クランク軸41の回転数を、ペダル回転センサ131によって直接、検出する。これにより、クランク軸41の回転数を精度良く且つ容易に求めることができる。
【0105】
なお、本実施形態の場合には、クランク軸41の回転数はペダル回転センサ131によって検出されるため、実施形態1のようなクランク軸回転数計算部121を設けなくてもよい。
【0106】
[実施形態3]
図10に、実施形態3に係る電動補助自転車におけるモータ駆動ユニット200の概略構成を断面で示す。この実施形態3の構成は、電動モータ210等を含むモータ駆動ユニット200が前輪に設けられている点で、上述の実施形態1の構成とは異なる。以下の説明では、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0107】
本実施形態では、モータ駆動ユニット200は、前輪21の軸心部に位置している。モータ駆動ユニット200は、前輪21を支えるフロントフォーク26に取り付けられている。
【0108】
モータ駆動ユニット200は、電動モータ210、減速機230及びハブ250を有する。電動モータ210及び減速機230は、ハブ250内に収納される。ハブ250は、フロントフォーク26に対して回転可能に取り付けられる。
【0109】
電動モータ210は、モータハウジング211、ステータ212、ロータ213及びモータ制御部214を有する。モータハウジング211は、有底筒状のハウジング本体211a、及び、該ハウジング本体211aの開口側を覆う蓋部211bを有する。モータハウジング211内に、ステータ212、ロータ213及びモータ制御部214が収納されている。ハウジング本体211aの側面の内周面上に、ステータ212が固定されている。ロータ213は、モータハウジング211に軸受215を介して回転可能に支持されている。蓋部211bにおけるモータハウジング211の内方側(蓋部211bの左側)には、モータ制御部214を構成する複数の基板214aが取り付けられている。
【0110】
なお、蓋部211bにおけるモータハウジング211の外方側(蓋部211bの右側)には、略円盤状の連結部材211cが取り付けられている。連結部材211cにおけるフロントフォーク26側(連結部材211cの右側)の面には、モータハウジング211が電動モータ210及び減速機230の反力によって回転するのを防止するためのストッパ211dが設けられている。モータハウジング211が回転しようとすると、ストッパ211dがフロントフォーク26に当たるため、モータハウジング211の回転を防止できる。
【0111】
連結部材211cの外周部によって、ハブ250の車幅方向一方側(ハブ250の右側)を回転可能に支持するように、該連結部材211cの外周部とハブ250との間には、軸受251が配置されている。
【0112】
減速機230は、太陽ローラ231a及び複数の遊星ローラ231bを備えた遊星ローラ減速部231、及び、太陽歯車232a及び複数の遊星歯車232bを備えた遊星歯車減速部232を有する。遊星ローラ減速部231及び遊星歯車減速部232は、電動モータ210の出力が遊星ローラ減速部231及び遊星歯車減速部232の順に伝達されるように、直列に接続されている。これにより、電動モータ210から出力される高速な回転数を、騒音の少ない遊星ローラ減速部231によって減速することができる。
【0113】
遊星ローラ減速部231の太陽ローラ231aは、電動モータ210のロータ213に結合されている。遊星ローラ231bは、太陽ローラ231aに接触している。遊星ローラ減速部231は、複数の遊星ローラ231bを自転及び公転可能に支持する遊星ローラ支持用キャリア231c、及び、複数の遊星ローラ231bが内面に接触する外周リング231dをさらに有する。
【0114】
遊星ローラ支持用キャリア231cは、概略円盤状の部材であり、軸心部分に遊星歯車減速部232の太陽歯車232aが一体形成されている。外周リング231dは、モータハウジング211のハウジング本体211aに、ボルト233によって固定されている。このボルト233は、後述する遊星歯車減速部232の遊星歯車支持用キャリア234もハウジング本体211aに固定している。
【0115】
遊星歯車減速部232の太陽歯車232aは、上述のとおり、遊星ローラ支持用キャリア231cに一体形成されている。遊星歯車232bは、太陽歯車232aと噛み合っている。遊星歯車減速部232は、遊星歯車232bを自転可能に支持する遊星歯車支持用キャリア234、及び、複数の遊星歯車232bが内側の歯と噛み合う外周歯車232cをさらに有する。
【0116】
遊星歯車支持用キャリア234は、環状板部234a、遊星歯車支持軸234b、キャリア本体234c及びボルト部234dを有する。環状板部234aは、遊星歯車232bに対して遊星ローラ減速部231側に配置されていて、ボルト233によってハウジング本体211aに固定されている。キャリア本体234cは、遊星歯車232bに対して遊星ローラ減速部231とは反対側に配置されている。遊星歯車支持軸234bは、環状板部234aとキャリア本体234cとの間に配置されていて、遊星歯車232bを回転可能に支持するように該遊星歯車232bを貫通している。ボルト部234dは、キャリア本体234cに一体形成されていて、フロントフォーク26にナット236により固定されている。
【0117】
外周歯車232cは、一方向クラッチ235を介してハブ250に接続されている。この一方向クラッチ235は、外周歯車232cからハブ250に対してのみ動力を伝達するように構成されている。
【0118】
ハブ250は、有底円筒状のハブ本体252、及び、該ハブ本体252の開口部分を覆うハブ蓋部253を有する。ハブ本体252には、外周部に、図示しないスポークが接続されるフランジ252aが形成されている。ハブ本体252は、上述のとおり、連結部材211cに対して、軸受251によって回転可能に支持されている。ハブ蓋部253には、遊星歯車減速部232のボルト部234dが貫通している。そして、ハブ蓋部253は、ボルト部234dに対して、軸受254によって回転可能に支持されている。ハブ蓋部253には、上述の一方向クラッチ235を介して遊星歯車減速部232の外周歯車232cが接続されている。これにより、遊星歯車減速部232から、一方向クラッチ235を介してハブ蓋部253に動力が伝達される。
【0119】
以上の構成において、電動モータ210から出力された駆動力は、減速機230を介してハブ250に伝達される。ハブ250は、フロントフォーク26に対して回転可能に支持されているため、ハブ250は、電動モータ210から出力された駆動力によって回転する。これにより、電動モータ210の駆動力によって前輪21を回転させることができる。したがって、電動モータ210によって、運転者のペダル踏力をアシストすることができる。
【0120】
次に、図11を用いて、本実施形態に係る電動補助自転車のアシスト制御について説明する。図11に示すように、本実施形態の構成は、電動モータ210から出力された駆動力が前輪21に入力される点で、上述の実施形態1の構成とは異なる。すなわち、電動モータ210から出力された駆動力は、減速機230及び一方向クラッチ235を介して前輪21に伝達される。
【0121】
一方、運転者がペダル33,34によってクランク軸41を回転させると、その際に発生したペダル踏力は、従来の自転車と同様、一方向クラッチ55、チェーン46及び駆動軸45aを介して後輪22に伝達される。本実施形態では、動力が後輪22に伝達される前に、変速機構93が設けられている。この変速機構93は、上述の実施形態1と同様、変速操作部94によって変速操作が行われる。
【0122】
変速機構93の変速段は、変速段センサ260によって検出される。変速段センサ260は、例えば、変速操作部94から変速機構93に対して変速操作を制御ケーブルによって伝達する構成の場合、該制御ケーブルのインナケーブルの移動量を検出することにより、変速段を検出する。変速段センサ260によって検出された変速段は、変速段検知部112に信号として入力される。なお、変速段センサ260の構成は、上述の限りではなく、変速操作部94と変速機構93との間で変速操作を伝達する方法に応じて変更される。
【0123】
上述のように、本実施形態の場合、電動モータ210の駆動力は、変速機構を介さずに、前輪21に伝達される。そのため、運転者のペダル踏力によってクランク軸41に生じる回転数のみが変速機構93によって変速される。したがって、電動モータ210の回転数に基づいてクランク軸41の回転数を求める方法が、上述の実施形態1とは異なる。
【0124】
具体的には、表示データ制御部120のクランク軸回転数計算部121(図7参照)は、電動モータ210の回転数に基づいてクランク軸41の回転数を以下のように求める。
【0125】
まず、クランク軸回転数計算部121は、モータ回転検出部68で検出されたモータ回転数に、減速機230による減速比を考慮して、前輪21の回転数を求める。そして、前輪21及び後輪22で径が異なる場合には、両者の径の比を用いて後輪22の回転数を求める。その後、クランク軸回転数計算部121は、後輪22の回転数に対し、変速段センサ260によって検出された変速機構93の変速段に応じた変速比を考慮して、変速機構93によって変速される前の回転数を求める。この回転数が、クランク軸41の回転数に対応する。
【0126】
なお、クランク軸回転数計算部121が、電動モータ210の回転の有無によってクランク軸41の回転数の算出方法を切り替える点は、上述の実施形態1と同様である。また、クランク軸41のトルク変動に基づいてクランク軸41の回転数を求める方法も、上述の実施形態1と同様である。すなわち、クランク軸41のトルク変動に基づいてクランク軸41の回転数を求める場合には、上述のような変速機構93の変速比を考慮する必要はない。さらに、クランク軸41の回転数及びトルクに基づいて消費カロリーを算出する方法も、上述の実施形態1と同様なので、詳しい説明を省略する。
【0127】
本実施形態では、前輪21にモータ駆動ユニット200を設けているが、モータ駆動ユニットを後輪22に設けてもよい。この場合、モータ駆動ユニットは、チェーンステイ16に取り付けられる。従動スプロケット45は、モータ駆動ユニットにおけるハブのハブ蓋部に接続される。これにより、運転者のペダル踏力は、チェーン46及び従動スプロケット45を介して、モータ駆動ユニットのハブに伝達される。後輪22に設けられるモータ駆動ユニットの構成は、前輪21に設けられるモータ駆動ユニット200の構成とほぼ同じなので、詳しい説明を省略する。
【0128】
後輪22にモータ駆動ユニットを有する電動補助自転車において、アシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達を、図12にブロック図で示す。図12において、図10及び図11の構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0129】
図12に示すように、電動モータ210から出力された駆動力は、減速機230及び一方向クラッチ235を介して、後輪22に伝達される。したがって、後輪22にモータ駆動ユニットを設けた場合も、前輪21にモータ駆動ユニット200を設けた場合と同様、電動モータ210の駆動力は変速機構93を介さずに車輪に伝達される。よって、この場合も、モータ回転検出部68で検出されたモータ回転数に基づいてクランク軸41の回転数を求める際には、実際の後輪22の回転数に対して変速機構93の変速比を考慮する必要がある。
【0130】
なお、後輪22にモータ駆動ユニットを設ける場合、特に図示しないが、変速機構93は、従動スプロケット45とハブ蓋部との間に設けられる。これにより、従動スプロケット45から伝達される回転数を、変速機構93によって変速してハブに伝えることができる。以上の説明では、電動補助自転車は、変速機構93を備えているが、この限りではなく、変速機構93を備えていない構成であってもよい。この場合には、上述のようにクランク軸41の回転数を算出する際に、変速機構の変速比を考慮する必要はない。
【0131】
また、本実施形態でも、上述の実施形態2と同様、クランク軸41の回転数を検出するペダル回転センサを設けてもよい。
【0132】
さらに、本実施形態でも、上述の実施形態1と同様、電動モータ210が回生運転を行っても良い。この場合、モータ駆動ユニット200は、一方向クラッチ235を設けずに、減速機230とハブ250との間で相互に動力伝達が可能な構成とする。
【0133】
以上より、本実施形態では、車輪にモータ駆動ユニット200が設けられている。このような構成であっても、クランク軸41の回転数を求めることができる。これにより、運転者の消費カロリーを算出することができる。
【0134】
また、本実施形態では、電動補助自転車は変速機構を有している。この変速機構の変速比を考慮することで、電動モータ210の回転数に基づいてクランク軸41の回転数を算出することができる。
【符号の説明】
【0135】
1 電動補助自転車
21 前輪(車輪)
22 後輪(車輪)
33、34 ペダル
41 クランク軸
57 トルク検出部
61、210 電動モータ
93 変速機構
100 表示装置
103 表示部
121 クランク軸回転数計算部(クランク軸回転数検出部、運動状態計算部)
122 仕事率計算部(運動状態計算部)
123 消費カロリー計算部(運動状態計算部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者のペダル踏力を電動モータの駆動力によってアシストする電動補助自転車に関する。詳しくは、電動補助自転車の表示機能に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、運転者の消費カロリーを表示可能な電動補助自転車が知られている。このような電動補助自転車では、例えば特許文献1に開示されるように、ペダルからの踏力とクランク回転角度とを用いて単位時間毎の仕事量を算出して、該単位時間毎の仕事量を積算することにより全体の仕事量を求める。そして、上述の電動補助自転車では、全体の仕事量をカロリー値に変換して、該カロリー値を表示部に消費カロリーとして表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−338653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような構成では、ペダルに連結されたクランク軸の回転角度を用いて仕事量を求めるため、クランク軸の回転角度を検出可能な精度の良いセンサが必要になる。消費カロリー等を含む運転者の運動状態を表示するために、このような高精度のセンサを電動補助自転車に設けると、消費カロリー等の運動状態を示す値を算出する構成が複雑になるとともに、電動補助自転車の製造コストを増大させることになる。
【0005】
本発明は、運転者が運転している際の運動状態を表示可能な電動補助自転車を、簡単且つ低コストな構成によって実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態に係る電動補助自転車は、運転者がペダルを回転させる際のペダル踏力を電動モータの駆動力によってアシストする電動補助自転車である。電動補助自転車は、前記ペダル踏力をトルクとして検出するトルク検出部と、前記電動モータの回転数を検出する電動モータ回転数検出部と、を備える。また、電動補助自転車は、前記トルク検出部によって検出されたトルク、または、前記電動モータ回転数検出部によって検出された前記電動モータの回転数を用いて、運転者の運動状態を示す値を算出する運動状態計算部と、前記運動状態計算部によって算出された前記運動状態を表示する表示部とを備える。
【0007】
クランク軸の回転数を検出することにより、回転角度を検出可能な精度の高いセンサが不要になる。これにより、運転者の運動状態を、簡単且つ低コストな構成によって表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る電動補助自転車の概略構成を示す右側面図である。
【図2】図2は、実施形態1に係る電動補助自転車の駆動ユニット及び従動スプロケットの概略構成を示す図である。
【図3】図3は、図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】図4は、実施形態1に係る電動補助自転車において、アシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達を示すブロック図である。
【図5】図5は、実施形態1に係る電動補助自転車の表示装置の正面図である。
【図6】図6は、実施形態1に係る電動補助自転車の表示装置をハンドルに取り付けた状態を示す図である。
【図7】図7は、実施形態1に係る電動補助自転車において、電池制御部、制御装置及び表示装置の信号の授受を示すブロック図である。
【図8】図8は、実施形態1に係る電動補助自転車において、クランク軸回転数計算部におけるクランク軸回転数の算出方法の切替を示すフローである。
【図9】図9は、実施形態2に係る電動補助自転車において、アシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達を示すブロック図である。
【図10】図10は、実施形態3に係る電動補助自転車におけるモータ駆動ユニットの概略構成を示す断面図である。
【図11】図11は、実施形態3に係る電動補助自転車において、アシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達を示すブロック図である。
【図12】図12は、モータ駆動ユニットを後輪に設けた場合の電動補助自転車において、アシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0010】
以下の説明において、前方、後方、左方及び右方は、ハンドル23を握りつつ電動補助自転車1のシート24に着座した運転者から見た前方、後方、左方及び右方を意味する。
【0011】
[実施形態1]
(電動補助自転車の全体構成)
図1に、実施形態1に係る電動補助自転車1の概略構成を示す。図2に、電動補助自転車1の駆動ユニット40及び従動スプロケット45の概略構成を示す。この電動補助自転車1は、後述するように、運転者がペダル33,34を踏み込むことにより得られるペダル踏力を、電動モータ61から出力される駆動力によってアシストする。すなわち、電動補助自転車1は、一般的な自転車の構成に加えて、ペダル踏力をアシストするための駆動機構を有している。
【0012】
図1に示すように、電動補助自転車1は、前後方向に延びる車体フレーム11を有する。また、電動補助自転車1は、前輪21(車輪)、後輪22(車輪)、ハンドル23、シート24及び駆動ユニット40を有する。
【0013】
車体フレーム11は、ヘッドパイプ12、ダウンフレーム13、シートフレーム14、ブラケット15(図2参照)、一対のチェーンステイ16及び一対のシートステイ17を有する。図1に示すように、ヘッドパイプ12は、電動補助自転車1の前部に配置される。ヘッドパイプ12には、後方に延びるダウンフレーム13の前方側が接続されている。シートフレーム14は、ダウンフレーム13の後方側に接続されていて、該ダウンフレーム13の後端部から上方且つ斜め後方に向かって延びている。
【0014】
図2に示すように、ブラケット15は、ダウンフレーム13の後方側に取り付けられている。ブラケット15の後方側には、後輪22を左右から挟むように一対のチェーンステイ16が接続されている。図1に示すように、一対のシートステイ17は、それぞれ、一方の端部が各チェーンステイ16に接続されている。また、一対のシートステイ17は、それぞれ、他方の端部がシートフレーム14に接続されている。
【0015】
ヘッドパイプ12には、ハンドルステム25が回転自在に挿入されている。ハンドルステム25の上端部には、ハンドル23が固定される。ハンドルステム25の下端部には、フロントフォーク26が固定される。フロントフォーク26の下端部には、前輪21が車軸27によって回転可能に支持されている。
【0016】
円筒状のシートフレーム14の内方には、シートパイプ28が挿入されている。シートパイプ28の上端部には、シート24が設けられている。
【0017】
図1及び図2に示すように、一対のチェーンステイ16の後端部には、後輪22が車軸29によって回転可能に支持されている。後輪22の右側には、車軸29と同軸に従動スプロケット45が設けられている。従動スプロケット45は、一方向クラッチ(図4の符号92)を介して後輪22に連結される。また、従動スプロケット45と一方向クラッチ92との間には変速機構93が設けられている。この変速機構93は、後輪22の図示しないハブ内に設けられている。変速機構93は、従来の自転車の変速機構と同様の構成を有するので詳しい説明を省略する。
【0018】
図2に示すように、ブラケット15には、複数の締結金具30によって駆動ユニット40が固定される。駆動ユニット40の構成については後述する。図1及び図2に示すように、駆動ユニット40の後述する駆動スプロケット42と後輪22に設けられた従動スプロケット45とには、無端状のチェーン46が巻き掛けられている。駆動ユニット40及びチェーン46を覆うように、車体フレーム11にチェーンカバー47が取り付けられている(図1参照)。チェーンカバー47は、メインカバー48及びサブカバー49を有する。メインカバー48は、駆動スプロケット42の右方を覆いつつ前後方向に延びている。サブカバー49は、駆動ユニット40の後部の右方を覆う。
【0019】
図1に示すように、後述する駆動ユニット40のクランク軸41の両端部には、クランクアーム31,32が取り付けられている。クランクアーム31,32の先端部には、それぞれ、ペダル33,34が取り付けられている。
【0020】
図1に示すように、シートフレーム14の後方には、後述する駆動ユニット40の電動モータ61に電力を供給するためのバッテリユニット35が配置されている。バッテリユニット35は、バッテリ36及び電池制御部37を有する(図7参照)。バッテリ36は、充放電可能な充電池である。電池制御部37は、バッテリ36の充放電を制御するとともに、該バッテリ36の出力電流及び残容量等を監視する。
【0021】
図3は、駆動ユニット40の概略構成を示す断面図である。この図3は、図2におけるIII−III線断面図である。
【0022】
図3に示すように、駆動ユニット40は、本体部51、クランク軸41、駆動スプロケット42、駆動力発生部60、補助スプロケット43及びチェーンテンショナ86を有する。
【0023】
本体部51は、左右から互いに組み合わされる第1ケース部52及び第2ケース部53を有する。第1ケース部52と第2ケース部53とは、複数の締結金具54によって互いに固定されている(図2及び図3参照)。本体部51は、上述の締結金具30によって、ブラケット15に取り付けられている。
【0024】
図3に示すように、クランク軸41は、本体部51を左右方向に貫通するとともに、該本体部51の前端部に回転可能に支持されている。クランク軸41は、第1ケース部52及び第2ケース部53に対して、複数の軸受を介して回転可能に支持されている。クランク軸41の一方側には、該クランク軸41と一体で回転する略円筒状のインナー部材55aが設けられている。上述のようにクランク軸41の両端部にはクランクアーム31,32が接続されているため、運転者がペダル33,34を踏み込むことにより、クランク軸41が回転する。
【0025】
駆動スプロケット42は、インナー部材55aの外周面の右端部に取り付けられる。クランク軸41、インナー部材55a及び駆動スプロケット42は、互いに同軸に配置される。
【0026】
クランク軸41の軸方向中央部分には、該クランク軸41と同軸状に略円筒状の回転部材56が配置される。回転部材56の右端部は、円筒形状の滑り軸受71を介してクランク軸41に支持されている。回転部材56の左端部は、たとえばスプライン構造によってクランク軸41に接続されている。これにより、回転部材56は、クランク軸41と一体で回転する。
【0027】
図3に示すように、回転部材56と同軸にトルク検出部57が配置されている。トルク検出部57は、たとえば磁歪式のトルクセンサを含む。トルク検出部57が磁歪式のトルクセンサの場合、トルク検出部57は、回転部材56の外周面に対向して配置されるコイルを有する。このような構成のトルク検出部57は、回転部材56の歪みをコイルの電圧変化として検出することにより、クランク軸41のトルクを検出する。トルク検出部57は、検出したトルクに応じた信号を後述する制御装置110に出力する。制御装置110は、トルク検出部57から出力された信号に基づいて後述の電動モータ61を制御する。なお、トルク検出部57は、ペダル踏力を検出可能な構成であれば、磁歪式のトルクセンサ以外の構成を有していてもよい。
【0028】
回転部材56とインナー部材55aとを連結するように、一方向クラッチ55の略円筒状のアウター部材55bがクランク軸41と同軸に配置されている。アウター部材55bの左端部と回転部材56の右端部とは、例えばスプライン構造によって接続される。これにより、アウター部材55bは、回転部材56と一体で回転する。
【0029】
アウター部材55bの右端部とインナー部材55aの左端部とは、アウター部材55bからインナー部材55aに一方向の回転力のみが伝達されるように、例えばラチェット構造によって接続される。これにより、アウター部材55bからインナー部材55aに、前転方向(右側から見て時計回りの方向)の回転力が伝達される。しかしながら、アウター部材55bからインナー部材55aに、後転方向(右側から見て反時計回りの方向)の回転力は伝達されない。
【0030】
この構成により、運転者が電動補助自転車1を前進させるようにペダル33,34を踏み込んでクランク軸41を回転させた場合には、運転者のペダル踏力がクランク軸41から回転部材56及びアウター部材55bを介してインナー部材55aに伝達される。したがって、インナー部材55a及び駆動スプロケット42が前転する。一方、運転者がクランク軸41を後転させた場合、その回転はアウター部材55bからインナー部材55aに伝達されない。したがって、インナー部材55a及びクランク軸41は後転しない。
【0031】
図3に示すように、駆動力発生部60は、第1ケース部52及び第2ケース部53内に、クランク軸41よりも後方に配置されている。駆動力発生部60は、電動モータ61、出力軸81及びギア82を有する。
【0032】
電動モータ61は、後述する制御装置110から出力される制御信号に基づいて電動補助自転車1の走行をアシストするための駆動力を発生する。また、電動モータ61は、後述するアシストモードに応じて電動補助自転車1の走行をアシストする駆動力を変化させるように、駆動制御される。
【0033】
電動モータ61は、ステータ62、ロータ63及び回転軸64を有する。ステータ62は、第2ケース部53に固定されている。第2ケース部53には、電動モータ61の左側を覆うように、モータカバー65が取り付けられている。回転軸64は、ロータ63を貫通しているとともに該ロータ63に固定されている。回転軸64は、転がり軸受66,67を介して、第2ケース部53及びモータカバー65に回転可能に支持されている。回転軸64の右端部には、ギア溝64aが形成されている。
【0034】
なお、特に図示しないが、電動モータ61の近傍には、後述する制御装置110が配置されている。本実施形態では、電動モータ61の近傍に制御装置110を配置しているが、この限りではなく、制御装置110を他の場所に配置してもよい。
【0035】
出力軸81は、クランク軸41よりも後方の位置で、本体部51に回転可能に支持されている。具体的には、出力軸81は、転がり軸受83,84を介して第1ケース部52及び第2ケース部53に回転可能に支持されている。
【0036】
ギア82は、転がり軸受83と転がり軸受84との間に、出力軸81と同軸に配置されている。ギア82は、電動モータ61の回転軸64に形成されたギア溝64aと噛み合っている。これにより、電動モータ61で発生した駆動力が回転軸64からギア82に伝達されて、該ギア82が回転する。この実施形態では、回転軸64が前転するように、電動モータ61が配置される。したがって、ギア82は、回転軸64から伝達される駆動力によって後転する。本実施形態では、ギア82と回転軸64のギア溝64aとのギア比に応じて、電動モータ61の回転軸64の回転数を減速させて出力軸81に伝達することができる。すなわち、本実施形態では、ギア82が減速機として機能する。なお、以下の説明では、ギア82を減速機ともいう。
【0037】
ギア82と出力軸81との間には、一方向クラッチ85が設けられている。一方向クラッチ85は、ギア82から出力軸81に後転方向の回転力を伝達するが、前転方向の回転力を伝達しないように構成されている。なお、電動補助自転車が、回生運転も可能な構成の場合には、上述の一方向クラッチ85は設けない。
【0038】
補助スプロケット43は、出力軸81の右端部に、該出力軸81と同軸に配置されている。補助スプロケット43と出力軸81とは、例えばスプライン構造によって互いに接続される。これにより、駆動力発生部60で発生した駆動力が出力軸81から補助スプロケット43に伝達される。よって、補助スプロケット43が後転する。
【0039】
チェーンテンショナ86は、第1ケース部52の右側面の後端部に配置されている。チェーンテンショナ86は、図2に示すように、一端側が引張バネ87を介して第1ケース部52に接続されている。また、チェーンテンショナ86は、他端側が支持ボルト88によって第1ケース部52に対して回転可能に接続されている。チェーンテンショナ86には、支持ボルト89に対して回転可能なテンションスプロケット90が設けられている。このテンションスプロケット90には、該テンションスプロケット90を後方に押すようにチェーン46が巻き掛けられる。したがって、チェーン46は、チェーンテンショナ86によって、適度なテンションに調整される。
【0040】
制御装置110は、電動補助自転車1のアシスト制御を行うとともに、表示装置100に各種情報を表示させる。図4に示すように、制御装置110は、ペダル踏力検知部111、変速段検知部112、補助力演算部113、メモリ114、モータ制御部115及び表示データ制御部120を有する。ペダル踏力検知部111、変速段検知部112、補助力演算部113、メモリ114及びモータ制御部115は、電動モータ61によるアシスト制御を行う際に動作する。表示データ制御部120は、表示装置100に各種情報を表示させる際に動作する。制御装置110の詳しい構成について後述する。
【0041】
(電動補助自転車のアシスト制御)
図4に、電動補助自転車1において、電動モータ61によるアシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達をブロック図で示す。この図4では、アシスト制御を行う際の信号の授受を破線矢印によって示すととともに、動力の伝達を実線矢印で示す。
【0042】
電動補助自転車1におけるアシスト制御は、制御装置110によって、運転者のペダル踏力に応じて電動モータ61を駆動制御することによって実現される。すなわち、制御装置110は、クランク軸41のトルクを検出するトルク検出部57から出力されるトルク値に基づいて、運転者のペダル踏力を検知する。また、制御装置110は、検知したペダル踏力に応じて電動モータ61の出力を制御する。さらに、制御装置110は、電動補助自転車1の変速段及び後述するアシストモードも考慮して電動モータ61の出力を制御する。
【0043】
上述のとおり、制御装置110は、ペダル踏力検知部111、変速段検知部112、補助力演算部113、メモリ114、モータ制御部115及び表示データ制御部120を有する。ペダル踏力検知部111は、トルク検出部57によって検出されたクランク軸41のトルクに基づいて、運転者のペダル踏力を求める。変速段検知部112は、電動モータ61の回転数及び後輪22の車速に基づいて、現在の変速段を検知する。
【0044】
補助力演算部113は、ペダル踏力検知部111によって検知されたペダル踏力、変速段検知部112によって検知された変速段及び後述するアシストモードに基づいて、電動モータ61に要求される駆動力を求める。メモリ114は、ペダル踏力、変速段及びアシストモードに応じた駆動力に関するデータが記憶されている。補助力演算部113は、ペダル踏力、変速段及びアシストモードに応じて、メモリ114から必要なデータを読み出すことにより、前記駆動力を求める。
【0045】
モータ制御部115は、補助力演算部113によって求められた必要な駆動力を電動モータ61が出力するように、該電動モータ61の駆動を制御する。また、モータ制御部115は、後述する表示装置100のアシストモード操作部104におけるアシストモードの変更操作に応じて、電動モータ61による駆動力を変更する。
【0046】
以下で、アシストモードについて簡単に説明する。
【0047】
本実施形態の場合、電動補助自転車1のアシストモードは、“強”、“標準”、“オートエコ”、“切”の4モードがある。電動モータ61の駆動力は、同じペダル踏力に対して、“強”、“標準”、“オートエコ”の順に小さくなる。
【0048】
アシストモードが“標準”の場合、電動モータ61は、電動補助自転車1が発進、平坦路走行または上り坂走行の際に駆動力を発生させる。アシストモードが“強”の場合、電動モータ61は、“標準”の場合と同様、電動補助自転車1が発進、平坦路走行または上り坂走行の際に駆動力を発生させる。電動モータ61は、アシストモードが“強”の場合には、同じペダル踏力に対して“標準”の場合よりも大きな駆動力を発生させる。
【0049】
アシストモードが“オートエコ”の場合、電動モータ61は、電動補助自転車1が発進または上り坂走行の際に、同じペダル踏力に対して“標準”の場合よりも小さな駆動力を発生する。アシストモードが“切”の場合、電動モータ61は、駆動力を発生しない。
【0050】
したがって、上述のアシストモードに応じて、運転者のペダル踏力に対する電動モータ61のアシスト比率が変わる。アシスト比率とは、運転者のペダル踏力に対する電動モータ61の駆動力の比である。
【0051】
本実施形態では、アシストモードを4段階に切り替えている。しかしながら、アシストモードの切替は3段階以下であってもよいし、5段階以上であってもよい。
【0052】
モータ制御部115は、上述の各アシストモードに対応して、例えば、以下のように電動モータ61を駆動させる。
【0053】
モータ制御部115は、アシストモードが“標準”の場合、トルク検出部57によって、発進時、平坦路走行時または上り坂走行時のいずれか一つに該当するトルクが検出されると、電動モータ61に駆動力を発生させる。アシストモードが“強”の場合、モータ制御部115は、同じトルク(ペダル踏力)に対し、アシストモードが“標準”の場合に比べて大きな駆動力を電動モータ61に発生させる。アシストモードが“オートエコ”の場合、モータ制御部115は、トルク検出部57によって、発進時または上り坂走行時に該当するトルクが検出されると、電動モータ61に駆動力を発生させる。アシストモードが“オートエコ”の場合、モータ制御部115は、同じトルク(ペダル踏力)に対し、アシストモードが“標準”の場合に比べて小さな駆動力を電動モータ61に発生させる。アシストモードが“切”の場合には、モータ制御部115は、電動モータ61を駆動させない。
【0054】
表示データ制御部120は、後述する表示装置100に対して、表示する情報をメータ情報信号として出力する。表示データ制御部120の詳しい構成については後述する。
【0055】
図4に示すように、モータ制御部115によって駆動制御される電動モータ61の回転数は、モータ回転検出部68によって検出される。モータ回転検出部68によって検出されたモータ回転数は、制御装置110の変速段検知部112に信号として入力される。この変速段検知部112には、上述のように、後輪22の車速に関する情報も入力される。なお、後輪車速センサ91は、後輪22に設けられた一方向クラッチ92に設けられている。
【0056】
制御装置110のモータ制御部115によって駆動制御された電動モータ61の出力は、減速機(ギア82)によって減速される。その後、電動モータ61から出力された駆動力は、一方向クラッチ85及び補助スプロケット43を介して、チェーン46に伝達される。そして、チェーン46によって、電動モータ61の駆動力は、従動スプロケット45の駆動軸45a(図2では図示省略)に伝わる。
【0057】
一方、運転者がペダル33,34を回転させたときにクランク軸41に加わるペダル踏力は、一方向クラッチ55及び駆動スプロケット42を介して、チェーン46に伝達される。運転者のペダル踏力は、チェーン46によって、従動スプロケット45の駆動軸45a(図2では図示省略)に伝わる。
【0058】
上述のように、電動モータ61の駆動力及び運転者のペダル踏力は、チェーン46を介して後輪22の従動スプロケット45に伝達される。すなわち、電動モータ61の駆動力及び運転者のペダル踏力は、チェーン46によって足し合わされて、電動補助自転車1の動力となる。
【0059】
後輪22の従動スプロケット45の回転は、変速機構93によって、設定された変速比で変速される。変速機構93は、ハンドル23等に設けられた変速操作部94を運転者が操作することにより、変速比を変更する。なお、特に図示しないが、変速機構93と後輪22の車軸29との間には、変速機構93から後輪22に対してのみ動力を伝達する一方向クラッチ92が設けられている。
【0060】
(表示装置)
図1及び図6に示すように、電動補助自転車1は、ハンドル23に取り付けられる表示装置100を有する。表示装置100は、例えば、ハンドル23に対し、左グリップの近傍に取り付けられる。表示装置100は、電動補助自転車1の速度、バッテリ36の残容量、バッテリ36から出力される電流量及びその他の走行情報を含む情報を表示する。表示装置100は、制御装置110に対して図示しない配線を介して信号の授受可能に接続されている。なお、表示装置100は、ハンドル23に対し、車幅方向の中央または右グリップの近傍に取り付けてもよい。その場合には、以下で説明する表示装置の構成を、左右逆にすればよい。
【0061】
図5に示すように、表示装置100は、横長の略矩形状に形成されたケーシング101、及び、該ケーシング101内に収納される表示装置制御部102を有する。ケーシング101には、表示部103、アシストモード操作部104、表示モード切替ボタン105、ライト操作部106及び電源スイッチ107が設けられている。
【0062】
表示部103は、例えば液晶パネルを含む。表示部103は、表示装置制御部102によって、文字や図形等の表示が制御される。表示部103は、速度表示部103a、バッテリ残容量表示部103b、電流量表示部103c、アシストモード表示部103d及び選択情報表示部103eを有する。速度表示部103a、バッテリ残容量表示部103b、電流量表示部103c、アシストモード表示部103d及び選択情報表示部103eには、制御装置110の表示データ制御部120からメータ情報信号として出力される情報が表示される。バッテリ残容量表示部103bと選択情報表示部103eとは隣接して設けられている。
【0063】
速度表示部103aには、電動補助自転車1の速度が数字で表示される。本実施形態の場合、電動補助自転車1の速度は、後輪車速センサ91によって検出される。速度表示部103aは、表示部103の中央部分の上側に位置する。
【0064】
バッテリ残容量表示部103bには、バッテリユニット35の電池制御部37から制御装置110に出力される電池残容量の情報に基づいて、バッテリ36の残容量がセグメントによって表示される。これにより、バッテリ36の残容量を直感的に把握することができる。バッテリ残容量表示部103bは、表示装置100に電力が供給されている間は、常時バッテリ36の残容量を表示する。
【0065】
バッテリ残容量表示部103bは、図5に示すように、表示部103における車幅方向で車体中央側(運転者側、図中の右側)に設けられている。バッテリ残容量表示部103bは、選択情報表示部103eよりも車幅方向で車体中央側に設けられている。また、バッテリ残容量表示部103bは、選択情報表示部103eよりも上側に設けられている。これにより、運転者が表示部103を視認した際に、バッテリ残容量表示部103bを最も視認しやすい位置に配置することができる。表示部103では、運転者に近い車幅方向で車体中央側且つ運転時の視線の変更が少ない上側が、運転者にとって最も視認しやすい位置になる。その位置にバッテリ残容量表示部103bを設けることにより、該バッテリ残容量表示部103bを運転者が視認しやすくなる。
【0066】
電流量表示部103cには、バッテリユニット35の電池制御部37から制御装置110に出力される電流量の情報に基づいて、バッテリ36の出力電流量がセグメントによって表示される。電流量表示部103cは、表示部103において、速度表示部103aの下側に位置する。
【0067】
アシストモード表示部103dには、後述するアシストモード操作部104の操作によって選択されたアシストモードが表示される。アシストモードが“強”、“標準”、“オートエコ”のうちいずれか一つの場合には、アシストモード表示部103dは、各モードに対応する表示部分を点灯表示する。一方、アシストモードが“切”の場合には、アシストモード表示部103dは、いずれの表示部分も点灯させない。上述のように、アシストモードは、電動モータ61のアシスト比率に対応している。よって、アシストモード表示部103dは、電動モータ61のアシスト比率に関する情報を表示する。アシストモード表示部103dは、表示部103における左グリップ側に設けられている。アシストモード表示部103dは、アシストモード操作部104の近傍に位置する。
【0068】
選択情報表示部103eには、後述する表示モード切替ボタン105の操作に応じて、平均車速、最大車速、積算走行距離、残りアシスト走行可能距離、消費カロリー及びバッテリ残容量が数字で表示される。これにより、平均車速、最大車速、積算走行距離、残りアシスト走行可能距離、消費カロリー及びバッテリ残容量を、数値で精度良く表示することができる。平均車速、最大車速、積算走行距離、残りアシスト走行可能距離、消費カロリー及びバッテリ残容量は、制御装置110から出力される情報に基づいて、選択情報表示部103eに表示される。選択情報表示部103eは、表示部103において、車幅方向で車体中央側に設けられているとともに、バッテリ残容量表示部103bと隣接して設けられている。これにより、運転者は、運転者により近い車体中央側に配置される選択情報表示部103eを、視認しやすい。
【0069】
アシストモード操作部104は、ケーシング101において、表示部103の左側に設けられている。これにより、電動補助自転車1の運転者は、左手の親指等によって、アシストモード操作部104を容易に操作することができる。しかも、表示部103はケーシング101における車幅方向で車体中央側(運転者側)に位置するため、運転者が表示部103を視認しやすい。
【0070】
アシストモード操作部104は、第1選択ボタン104a及び第2選択ボタン104bを有する。第1選択ボタン104aは、ケーシング101において、第2選択ボタン104bよりも上側に設けられている。
【0071】
運転者が第1選択ボタン104aを押すと、より駆動力の大きいアシストモードを選択することができる。例えば、現在のアシストモードが“標準”の場合、第1選択ボタン104aを押すことにより、アシストモードは“強”に変更される。
【0072】
運転者が第2選択ボタン104bを押すと、より駆動力の小さいアシストモードを選択することができる。例えば、現在のアシストモードが“標準”の場合、第2選択ボタン104bを押すことにより、アシストモードは“オートエコ”に変更される。なお、アシストモードが“オートエコ”の状態で、第2選択ボタン104bをもう一度押すと、アシストモードは“切”になる。
【0073】
表示モード切替ボタン105は、ケーシング101の下側且つ左側に設けられている。表示モード切替ボタン105を押すことにより、選択情報表示部103eに表示される情報が切り替わる。
【0074】
ライト操作部106は、ケーシング101の下側且つ右側に設けられている。すなわち、ライト操作部106は、ケーシング101の下側に、表示モード切替ボタン105と並んで設けられている。ライト操作部106を押すことにより、表示装置100の表示装置制御部102からライトON信号またはライトOFF信号が制御装置110に対して出力される。これにより、電動補助自転車1の図示しないライトを点灯または消灯させることができる。
【0075】
電源スイッチ107は、ケーシング101の上側且つ左側に設けられている。電源スイッチ107を押すことにより、表示装置100の表示装置制御部102からON信号またはOFF信号が制御装置110に対して出力される。これにより、電動補助自転車1のアシスト制御を行うシステム全体をONまたはOFFにすることができる。
【0076】
(表示データ制御部)
制御装置110内の表示データ制御部120は、表示装置100に対し、該表示装置100で表示する情報をメータ情報信号として出力する。図7に示すように、表示データ制御部120には、電池制御部37、モータ回転検出部68、後輪車速センサ91、トルク検出部57及び表示装置100から各種信号が入力される。
【0077】
電池制御部37からは、バッテリ36の残容量に関する情報及びバッテリ36から出力される電流の情報などが、信号として表示データ制御部120に入力される。表示データ制御部120は、電池制御部37から得たバッテリ36の残容量に関する情報を、表示装置100のバッテリ残容量表示部103bに表示させる。また、表示データ制御部120は、電流制御部37から得た電流量に関する情報を、表示装置100の電流量表示部103cに表示させる。
【0078】
後輪車速センサ91からは、後輪22の車速に関する情報が信号として表示データ制御部120に入力される。表示データ制御部120は、後輪車速センサ91から得た車速に関する情報を、表示装置100の速度表示部103aに表示させる。
【0079】
表示装置100において、アシストモード操作部104、表示モード切替ボタン105、ライト操作部106及び電源スイッチ107のいずれか一つを操作した際に、表示装置100から表示データ制御部120に信号が入力される。表示データ制御部120は、アシストモード操作部104、表示モード切替ボタン105、ライト操作部106及び電源スイッチ107のいずれか一つを操作した際に、表示装置100の表示を変更する。
【0080】
モータ回転検出部68からは、電動モータ61の回転数に関する情報が信号として表示データ制御部120に入力される。トルク検出部57からは、クランク軸41に発生するトルクに関する情報が信号として表示データ制御部120に入力される。表示データ制御部120は、電動モータ61の回転数に関する情報またはクランク軸41に発生するトルクに関する情報を用いて、クランク軸41の回転数を求める。そして、表示データ制御部120は、求めたクランク軸41の回転数とクランク軸41に発生するトルクとを用いて仕事率を求め、該仕事率に基づいて運転者の消費カロリーを算出する。また、表示データ制御部120は、算出した消費カロリーを表示装置100の選択情報表示部103eに表示させる。
【0081】
具体的には、表示データ制御部120は、クランク軸回転数計算部121(クランク軸回転数検出部)、仕事率計算部122及び消費カロリー計算部123を有する。本実施形態では、クランク軸回転数、仕事率及び消費カロリーがそれぞれ運転者の運動状態を示す値である。クランク軸回転数計算部121、仕事率計算部122及び消費カロリー計算部123が、それぞれ、運動状態計算部に対応する。ここで、運転者の運動状態を示す値とは、運転者がクランク軸41を回転させるときに行う運動に関連する値を意味する。
【0082】
クランク軸回転数計算部121は、モータ回転検出部68から得られるモータ回転数、または、トルク検出部57から得られるクランク軸41のトルク変動に基づいて、クランク軸41の回転数を求める。
【0083】
クランク軸回転数計算部121がモータ回転数またはクランク軸41のトルク変動に基づいて、クランク軸41の回転数を求めることができるのは、以下の理由による。
【0084】
モータ回転検出部68によって検出されたモータ回転数に対して、電動モータ61の回転を減速させる電動自転車1内の減速比を乗算することにより、クランク軸41の回転数を算出することができる。すなわち、本実施形態の構成の場合、チェーン46によってペダル踏力及びモータ駆動力が足し合わされるため、クランク軸41に連結された駆動スプロケット42とモータ回転をチェーン46に伝える補助スプロケット43とは回転速度が同じである。したがって、電動モータ61の回転数から補助スプロケット43の回転数に減速する際の減速比、及び、補助スプロケット43と駆動スプロケット42との径の比を用いて、電動モータ61の回転数からクランク軸41の回転数を算出することができる。
【0085】
トルク検出部57によって得られるクランク軸41のトルクは、運転者がペダル33,34に連結されたクランクアーム31,32を一回転させる間に、2回のピークを有する。すなわち、クランクアーム31,32が一回転する間には、右足及び左足でそれぞれトルクが最大になるピークが存在する。これらのピークをカウントすることにより、クランクアーム31,32の回転数、すなわちクランク軸41の回転数を求めることができる。なお、トルク検出部57によって得られるクランク軸41のトルクのボトムをカウントして、クランク軸41の回転数を求めてもよい。
【0086】
クランク軸回転数計算部121は、図8に示すように、電動モータ61の駆動の有無によって、上述の2つの算出方法を切り替える。クランク軸回転数計算部121は、電動モータ61が駆動しているかどうかを判定し(ステップSA1)、電動モータ61が駆動している場合(YESの場合)には、モータ回転検出部68の出力に基づいてクランク軸41の回転数を算出する(ステップSA2)。クランク軸回転数計算部121は、電動モータ61が駆動していない場合(NOの場合)には、トルク検出部57の出力に基づいてクランク軸41の回転数を算出する(ステップSA3)。ここで、クランク軸回転数計算部121は、モータ回転検出部68から出力されるモータ回転数がゼロである場合には電動モータ61は駆動していないと判断し、該モータ回転数がゼロ以外の場合には電動モータ61が駆動していると判断する。
【0087】
これにより、電動モータ61が駆動している間は、モータ回転数に基づいてクランク軸41の回転数を精度良く求めることができる。一方、電動モータ61が駆動していない場合でも、トルク検出部57から出力されるクランク軸41のトルク変動に基づいてクランク軸41の回転数を求めることができる。モータ回転検出部68及びトルク検出部57は、ペダル踏力に応じて電動モータの駆動力を制御することにより該ペダル踏力をアシストする従来の電動補助自転車にも設けられている。上述の構成により、クランク軸41の回転数を検出するための専用のセンサを設ける必要がなくなるため、その分、コスト低減を図れる。
【0088】
仕事率計算部122は、クランク軸回転数計算部121によって算出されたクランク軸41の回転数とトルク検出部57によって検出されたクランク軸41のトルクとに基づいて、単位時間当たりの仕事率を求める。すなわち、仕事率計算部122は、運転者が電動補助自転車1を運転している際の単位時間当たりの仕事率を、クランク軸41の回転数とペダル踏力とを乗算することにより算出する。
【0089】
消費カロリー計算部123は、仕事率計算部122で求めた仕事率と、消費カロリーと仕事率との関係を示す1次関数とを用いて、単位時間当たりの消費カロリーを算出する。すなわち、消費カロリー計算部123は、前記1次関数に、仕事率計算部122で求めた仕事率を代入することにより、単位時間当たりの消費カロリーを算出する。
【0090】
ここで、上述の1次関数は、単位時間当たりの消費カロリーをY、仕事率をXとすると、Y=AX+Bによって表される。A及びBは、定数であり、運転者が電動補助自転車1を運転している際に実測した仕事率及び消費カロリーに基づいて、求められる。
【0091】
消費カロリー計算部123は、上述の1次関数を用いて算出した単位時間当たりの消費カロリーを積算して、所定期間の消費カロリーを求める。この所定期間の消費カロリーが、表示装置100の選択情報表示部103eに消費カロリーとして表示される。
【0092】
なお、本実施形態では、表示データ制御部120は、表示装置100に消費カロリー計算部123で算出した消費カロリーを表示させる。しかしながら、表示データ制御部120は、クランク軸41の回転数及び仕事率などの運転者の運動状態を示す値を表示装置100に表示させてもよい。また、表示装置100に表示する運転者の運動状態を示す値(クランク軸41の回転数、仕事率及び消費カロリーなど)は、1項目であってもよいし、複数の項目であってもよい。
【0093】
さらに、特に図示しないが、表示データ制御部120は、消費カロリー以外にも、表示装置100の選択情報表示部103eに表示させる各種情報を算出可能に構成されている。表示データ制御部120で算出された各種情報は、表示装置100に出力されて、該表示装置100の選択情報表示部103eに表示される。
【0094】
なお、本実施形態では、表示データ制御部120は、クランク軸41の回転数を算出する際に、電動モータ61の回転の有無に応じて、モータ回転数またはクランク軸41のトルク変動を用いている。しかしながら、表示データ制御部120は、一方のパラメータのみによってクランク軸41の回転数を算出するように構成されていてもよい。
【0095】
また、本実施形態では、電動補助自転車1は、後輪車速センサ91を有しているが、前輪21の車速を検出する前輪車速センサまたは変速機構93の変速段を検出する変速段センサを有していてもよい。前輪車速センサまたは変速段センサを設ける場合でも、上述の実施形態と同様、センサからの出力信号は変速段検知部112に入力される。
【0096】
さらに、本実施形態では、電動モータ61をアシスト制御に利用しているが、該電動モータ61を回生運転させることにより、電力を回収してもよい。このように電動モータ61が回生運転している場合でも、クランク軸回転数計算部121によってクランク軸41の回転数を求めることができる。電動モータ61が回転している場合、クランク軸41に生じるトルクはゼロであるため、消費カロリー計算部によって算出される消費カロリーはゼロになる。
【0097】
以上より、本実施形態では、表示装置100の選択情報表示部103eに、クランク軸41の回転数を用いて算出した運転者の消費カロリーを表示する。これにより、クランク軸41の回転角度を検出するための高価なセンサが不要になる。よって、消費カロリーを表示可能な電動補助自転車1を簡単且つ低コストな構成によって実現できる。
【0098】
本実施形態では、消費カロリー計算部123は、仕事率を1次関数に代入することにより、消費カロリーを算出する。これにより、簡単な方法で且つ精度良く消費カロリーを求めることができる。
【0099】
本実施形態では、電動モータ61の回転数に基づいてクランク軸41の回転数を算出する。これにより、クランク軸41の回転数を検出するセンサを新たに設けることなく、該クランク軸41の回転数を精度良く求めることができる。
【0100】
本実施形態では、クランク軸41に生じるトルク変動に基づいてクランク軸41の回転数を算出する。これにより、クランク軸41の回転数を検出するセンサを新たに設けることなく、電動モータ61のアシスト制御に必要なトルク検出部57からの出力を利用して該クランク軸41の回転数を精度良く求めることができる。
【0101】
本実施形態では、クランク軸回転数計算部121は、電動モータ61が回転している場合には、モータ回転数に基づいてクランク軸41の回転数を算出する。一方、クランク軸回転数計算部121は、電動モータ61が回転していない場合には、クランク軸41に生じるトルク変動に基づいてクランク軸41の回転数を算出する。これにより、クランク軸41の回転数を精度良く求めることができるとともに、電動モータ61が回転していないときにもクランク軸41の回転数を求めることができる。
【0102】
[実施形態2]
図9に、実施形態2に係る電動補助自転車において、電動モータ61によるアシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達をブロック図で示す。この実施形態2の構成は、電動補助自転車がペダル回転センサ131を備えている点で、上述の第1の実施形態の構成とは異なる。以下の説明では、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0103】
図9に示すように、電動補助自転車は、ペダル33,34にクランクアーム31,32を介して連結されたクランク軸41の回転数を検出するためのペダル回転センサ131を有する。ペダル回転センサ131は、特に図示しないが、クランク軸41上に取り付けられた被検出素子、及び、該クランク軸41の近傍に配置されていて該被検出素子を検出する検出部を有する。これにより、検出部が単位時間当たりでクランク軸41上の被検出素子を検出する頻度によって、該クランク軸41の回転数を求めることができる。
【0104】
本実施形態では、クランク軸41の回転数を、ペダル回転センサ131によって直接、検出する。これにより、クランク軸41の回転数を精度良く且つ容易に求めることができる。
【0105】
なお、本実施形態の場合には、クランク軸41の回転数はペダル回転センサ131によって検出されるため、実施形態1のようなクランク軸回転数計算部121を設けなくてもよい。
【0106】
[実施形態3]
図10に、実施形態3に係る電動補助自転車におけるモータ駆動ユニット200の概略構成を断面で示す。この実施形態3の構成は、電動モータ210等を含むモータ駆動ユニット200が前輪に設けられている点で、上述の実施形態1の構成とは異なる。以下の説明では、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0107】
本実施形態では、モータ駆動ユニット200は、前輪21の軸心部に位置している。モータ駆動ユニット200は、前輪21を支えるフロントフォーク26に取り付けられている。
【0108】
モータ駆動ユニット200は、電動モータ210、減速機230及びハブ250を有する。電動モータ210及び減速機230は、ハブ250内に収納される。ハブ250は、フロントフォーク26に対して回転可能に取り付けられる。
【0109】
電動モータ210は、モータハウジング211、ステータ212、ロータ213及びモータ制御部214を有する。モータハウジング211は、有底筒状のハウジング本体211a、及び、該ハウジング本体211aの開口側を覆う蓋部211bを有する。モータハウジング211内に、ステータ212、ロータ213及びモータ制御部214が収納されている。ハウジング本体211aの側面の内周面上に、ステータ212が固定されている。ロータ213は、モータハウジング211に軸受215を介して回転可能に支持されている。蓋部211bにおけるモータハウジング211の内方側(蓋部211bの左側)には、モータ制御部214を構成する複数の基板214aが取り付けられている。
【0110】
なお、蓋部211bにおけるモータハウジング211の外方側(蓋部211bの右側)には、略円盤状の連結部材211cが取り付けられている。連結部材211cにおけるフロントフォーク26側(連結部材211cの右側)の面には、モータハウジング211が電動モータ210及び減速機230の反力によって回転するのを防止するためのストッパ211dが設けられている。モータハウジング211が回転しようとすると、ストッパ211dがフロントフォーク26に当たるため、モータハウジング211の回転を防止できる。
【0111】
連結部材211cの外周部によって、ハブ250の車幅方向一方側(ハブ250の右側)を回転可能に支持するように、該連結部材211cの外周部とハブ250との間には、軸受251が配置されている。
【0112】
減速機230は、太陽ローラ231a及び複数の遊星ローラ231bを備えた遊星ローラ減速部231、及び、太陽歯車232a及び複数の遊星歯車232bを備えた遊星歯車減速部232を有する。遊星ローラ減速部231及び遊星歯車減速部232は、電動モータ210の出力が遊星ローラ減速部231及び遊星歯車減速部232の順に伝達されるように、直列に接続されている。これにより、電動モータ210から出力される高速な回転数を、騒音の少ない遊星ローラ減速部231によって減速することができる。
【0113】
遊星ローラ減速部231の太陽ローラ231aは、電動モータ210のロータ213に結合されている。遊星ローラ231bは、太陽ローラ231aに接触している。遊星ローラ減速部231は、複数の遊星ローラ231bを自転及び公転可能に支持する遊星ローラ支持用キャリア231c、及び、複数の遊星ローラ231bが内面に接触する外周リング231dをさらに有する。
【0114】
遊星ローラ支持用キャリア231cは、概略円盤状の部材であり、軸心部分に遊星歯車減速部232の太陽歯車232aが一体形成されている。外周リング231dは、モータハウジング211のハウジング本体211aに、ボルト233によって固定されている。このボルト233は、後述する遊星歯車減速部232の遊星歯車支持用キャリア234もハウジング本体211aに固定している。
【0115】
遊星歯車減速部232の太陽歯車232aは、上述のとおり、遊星ローラ支持用キャリア231cに一体形成されている。遊星歯車232bは、太陽歯車232aと噛み合っている。遊星歯車減速部232は、遊星歯車232bを自転可能に支持する遊星歯車支持用キャリア234、及び、複数の遊星歯車232bが内側の歯と噛み合う外周歯車232cをさらに有する。
【0116】
遊星歯車支持用キャリア234は、環状板部234a、遊星歯車支持軸234b、キャリア本体234c及びボルト部234dを有する。環状板部234aは、遊星歯車232bに対して遊星ローラ減速部231側に配置されていて、ボルト233によってハウジング本体211aに固定されている。キャリア本体234cは、遊星歯車232bに対して遊星ローラ減速部231とは反対側に配置されている。遊星歯車支持軸234bは、環状板部234aとキャリア本体234cとの間に配置されていて、遊星歯車232bを回転可能に支持するように該遊星歯車232bを貫通している。ボルト部234dは、キャリア本体234cに一体形成されていて、フロントフォーク26にナット236により固定されている。
【0117】
外周歯車232cは、一方向クラッチ235を介してハブ250に接続されている。この一方向クラッチ235は、外周歯車232cからハブ250に対してのみ動力を伝達するように構成されている。
【0118】
ハブ250は、有底円筒状のハブ本体252、及び、該ハブ本体252の開口部分を覆うハブ蓋部253を有する。ハブ本体252には、外周部に、図示しないスポークが接続されるフランジ252aが形成されている。ハブ本体252は、上述のとおり、連結部材211cに対して、軸受251によって回転可能に支持されている。ハブ蓋部253には、遊星歯車減速部232のボルト部234dが貫通している。そして、ハブ蓋部253は、ボルト部234dに対して、軸受254によって回転可能に支持されている。ハブ蓋部253には、上述の一方向クラッチ235を介して遊星歯車減速部232の外周歯車232cが接続されている。これにより、遊星歯車減速部232から、一方向クラッチ235を介してハブ蓋部253に動力が伝達される。
【0119】
以上の構成において、電動モータ210から出力された駆動力は、減速機230を介してハブ250に伝達される。ハブ250は、フロントフォーク26に対して回転可能に支持されているため、ハブ250は、電動モータ210から出力された駆動力によって回転する。これにより、電動モータ210の駆動力によって前輪21を回転させることができる。したがって、電動モータ210によって、運転者のペダル踏力をアシストすることができる。
【0120】
次に、図11を用いて、本実施形態に係る電動補助自転車のアシスト制御について説明する。図11に示すように、本実施形態の構成は、電動モータ210から出力された駆動力が前輪21に入力される点で、上述の実施形態1の構成とは異なる。すなわち、電動モータ210から出力された駆動力は、減速機230及び一方向クラッチ235を介して前輪21に伝達される。
【0121】
一方、運転者がペダル33,34によってクランク軸41を回転させると、その際に発生したペダル踏力は、従来の自転車と同様、一方向クラッチ55、チェーン46及び駆動軸45aを介して後輪22に伝達される。本実施形態では、動力が後輪22に伝達される前に、変速機構93が設けられている。この変速機構93は、上述の実施形態1と同様、変速操作部94によって変速操作が行われる。
【0122】
変速機構93の変速段は、変速段センサ260によって検出される。変速段センサ260は、例えば、変速操作部94から変速機構93に対して変速操作を制御ケーブルによって伝達する構成の場合、該制御ケーブルのインナケーブルの移動量を検出することにより、変速段を検出する。変速段センサ260によって検出された変速段は、変速段検知部112に信号として入力される。なお、変速段センサ260の構成は、上述の限りではなく、変速操作部94と変速機構93との間で変速操作を伝達する方法に応じて変更される。
【0123】
上述のように、本実施形態の場合、電動モータ210の駆動力は、変速機構を介さずに、前輪21に伝達される。そのため、運転者のペダル踏力によってクランク軸41に生じる回転数のみが変速機構93によって変速される。したがって、電動モータ210の回転数に基づいてクランク軸41の回転数を求める方法が、上述の実施形態1とは異なる。
【0124】
具体的には、表示データ制御部120のクランク軸回転数計算部121(図7参照)は、電動モータ210の回転数に基づいてクランク軸41の回転数を以下のように求める。
【0125】
まず、クランク軸回転数計算部121は、モータ回転検出部68で検出されたモータ回転数に、減速機230による減速比を考慮して、前輪21の回転数を求める。そして、前輪21及び後輪22で径が異なる場合には、両者の径の比を用いて後輪22の回転数を求める。その後、クランク軸回転数計算部121は、後輪22の回転数に対し、変速段センサ260によって検出された変速機構93の変速段に応じた変速比を考慮して、変速機構93によって変速される前の回転数を求める。この回転数が、クランク軸41の回転数に対応する。
【0126】
なお、クランク軸回転数計算部121が、電動モータ210の回転の有無によってクランク軸41の回転数の算出方法を切り替える点は、上述の実施形態1と同様である。また、クランク軸41のトルク変動に基づいてクランク軸41の回転数を求める方法も、上述の実施形態1と同様である。すなわち、クランク軸41のトルク変動に基づいてクランク軸41の回転数を求める場合には、上述のような変速機構93の変速比を考慮する必要はない。さらに、クランク軸41の回転数及びトルクに基づいて消費カロリーを算出する方法も、上述の実施形態1と同様なので、詳しい説明を省略する。
【0127】
本実施形態では、前輪21にモータ駆動ユニット200を設けているが、モータ駆動ユニットを後輪22に設けてもよい。この場合、モータ駆動ユニットは、チェーンステイ16に取り付けられる。従動スプロケット45は、モータ駆動ユニットにおけるハブのハブ蓋部に接続される。これにより、運転者のペダル踏力は、チェーン46及び従動スプロケット45を介して、モータ駆動ユニットのハブに伝達される。後輪22に設けられるモータ駆動ユニットの構成は、前輪21に設けられるモータ駆動ユニット200の構成とほぼ同じなので、詳しい説明を省略する。
【0128】
後輪22にモータ駆動ユニットを有する電動補助自転車において、アシスト制御を行う際の信号の授受及び動力の伝達を、図12にブロック図で示す。図12において、図10及び図11の構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0129】
図12に示すように、電動モータ210から出力された駆動力は、減速機230及び一方向クラッチ235を介して、後輪22に伝達される。したがって、後輪22にモータ駆動ユニットを設けた場合も、前輪21にモータ駆動ユニット200を設けた場合と同様、電動モータ210の駆動力は変速機構93を介さずに車輪に伝達される。よって、この場合も、モータ回転検出部68で検出されたモータ回転数に基づいてクランク軸41の回転数を求める際には、実際の後輪22の回転数に対して変速機構93の変速比を考慮する必要がある。
【0130】
なお、後輪22にモータ駆動ユニットを設ける場合、特に図示しないが、変速機構93は、従動スプロケット45とハブ蓋部との間に設けられる。これにより、従動スプロケット45から伝達される回転数を、変速機構93によって変速してハブに伝えることができる。以上の説明では、電動補助自転車は、変速機構93を備えているが、この限りではなく、変速機構93を備えていない構成であってもよい。この場合には、上述のようにクランク軸41の回転数を算出する際に、変速機構の変速比を考慮する必要はない。
【0131】
また、本実施形態でも、上述の実施形態2と同様、クランク軸41の回転数を検出するペダル回転センサを設けてもよい。
【0132】
さらに、本実施形態でも、上述の実施形態1と同様、電動モータ210が回生運転を行っても良い。この場合、モータ駆動ユニット200は、一方向クラッチ235を設けずに、減速機230とハブ250との間で相互に動力伝達が可能な構成とする。
【0133】
以上より、本実施形態では、車輪にモータ駆動ユニット200が設けられている。このような構成であっても、クランク軸41の回転数を求めることができる。これにより、運転者の消費カロリーを算出することができる。
【0134】
また、本実施形態では、電動補助自転車は変速機構を有している。この変速機構の変速比を考慮することで、電動モータ210の回転数に基づいてクランク軸41の回転数を算出することができる。
【符号の説明】
【0135】
1 電動補助自転車
21 前輪(車輪)
22 後輪(車輪)
33、34 ペダル
41 クランク軸
57 トルク検出部
61、210 電動モータ
93 変速機構
100 表示装置
103 表示部
121 クランク軸回転数計算部(クランク軸回転数検出部、運動状態計算部)
122 仕事率計算部(運動状態計算部)
123 消費カロリー計算部(運動状態計算部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者がペダルを回転させる際のペダル踏力を電動モータの駆動力によってアシストする電動補助自転車であって、
前記ペダル踏力をトルクとして検出するトルク検出部と、
前記電動モータの回転数を検出する電動モータ回転数検出部と、
前記トルク検出部によって検出されたトルク、または、前記電動モータ回転数検出部によって検出された前記電動モータの回転数を用いて、運転者の運動状態を示す値を算出する運動状態計算部と、
前記運動状態計算部によって算出された前記運動状態を表示する表示部とを備える、電動補助自転車。
【請求項2】
請求項1に記載の電動補助自転車において、
前記運動状態計算部は、前記ペダルに連結されたクランク軸の回転数を検出するクランク軸回転数検出部を有する、電動補助自転車。
【請求項3】
請求項2に記載の電動補助自転車において、
前記運動状態計算部は、前記トルク検出部によって検出されたトルクと前記クランク軸回転数検出部によって検出されたクランク軸回転数とを乗算して仕事率を求める仕事率計算部を有する、電動補助自転車。
【請求項4】
請求項3に記載の電動補助自転車において、
前記運動状態計算部は、仕事率と単位時間当たりの消費カロリーとの関係を示す1次関数を用いて、前記仕事率計算部によって算出された仕事率に基づいて所定時間内の消費カロリーを算出する消費カロリー計算部をさらに有する、電動補助自転車。
【請求項5】
請求項2に記載の電動補助自転車において、
前記クランク軸回転数検出部は、前記電動モータが回転している場合には、前記電動モータ回転数検出部によって検出された前記電動モータの回転数に基づいて、前記クランク軸の回転数を求める、電動補助自転車。
【請求項6】
請求項5に記載の電動補助自転車において、
前記電動モータを発電機として利用する回生運転が可能である、電動補助自転車。
【請求項7】
請求項2に記載の電動補助自転車において、
前記クランク軸回転数検出部は、前記トルク検出部で検出されたトルクの波形に基づいて、前記クランク軸の回転数を求める、電動補助自転車。
【請求項8】
請求項2に記載の電動補助自転車において、
前記クランク軸回転数検出部は、前記電動モータが回転している場合には前記電動モータ回転数検出部によって検出された前記電動モータの回転数に基づいて前記クランク軸の回転数を求める一方、前記電動モータが回転していない場合には、前記トルク検出部で検出されたトルクの波形に基づいて前記クランク軸の回転数を求める、電動補助自転車。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一つに記載の電動補助自転車において、
前記トルク検出部は、前記クランク軸に生じるトルクを検出する、電動補助自転車。
【請求項10】
請求項1から3のいずれか一つに記載の電動補助自転車において、
前記クランク軸の回転を変速して車輪に伝える変速機構をさらに備え、
前記電動モータは、前記車輪に対し、前記変速機構を介して動力を伝達する、電動補助自転車。
【請求項11】
請求項1から3のいずれか一つに記載の電動補助自転車において、
前記クランク軸の回転を変速して車輪に伝える変速機構をさらに備え、
前記電動モータは、前記変速機構を介すことなく車輪に対して直接、動力を伝達する、電動補助自転車。
【請求項12】
請求項11に記載の電動補助自転車において、
前記電動モータは、該電動モータによって動力が伝達される前記車輪に設けられている、電動補助自転車。
【請求項1】
運転者がペダルを回転させる際のペダル踏力を電動モータの駆動力によってアシストする電動補助自転車であって、
前記ペダル踏力をトルクとして検出するトルク検出部と、
前記電動モータの回転数を検出する電動モータ回転数検出部と、
前記トルク検出部によって検出されたトルク、または、前記電動モータ回転数検出部によって検出された前記電動モータの回転数を用いて、運転者の運動状態を示す値を算出する運動状態計算部と、
前記運動状態計算部によって算出された前記運動状態を表示する表示部とを備える、電動補助自転車。
【請求項2】
請求項1に記載の電動補助自転車において、
前記運動状態計算部は、前記ペダルに連結されたクランク軸の回転数を検出するクランク軸回転数検出部を有する、電動補助自転車。
【請求項3】
請求項2に記載の電動補助自転車において、
前記運動状態計算部は、前記トルク検出部によって検出されたトルクと前記クランク軸回転数検出部によって検出されたクランク軸回転数とを乗算して仕事率を求める仕事率計算部を有する、電動補助自転車。
【請求項4】
請求項3に記載の電動補助自転車において、
前記運動状態計算部は、仕事率と単位時間当たりの消費カロリーとの関係を示す1次関数を用いて、前記仕事率計算部によって算出された仕事率に基づいて所定時間内の消費カロリーを算出する消費カロリー計算部をさらに有する、電動補助自転車。
【請求項5】
請求項2に記載の電動補助自転車において、
前記クランク軸回転数検出部は、前記電動モータが回転している場合には、前記電動モータ回転数検出部によって検出された前記電動モータの回転数に基づいて、前記クランク軸の回転数を求める、電動補助自転車。
【請求項6】
請求項5に記載の電動補助自転車において、
前記電動モータを発電機として利用する回生運転が可能である、電動補助自転車。
【請求項7】
請求項2に記載の電動補助自転車において、
前記クランク軸回転数検出部は、前記トルク検出部で検出されたトルクの波形に基づいて、前記クランク軸の回転数を求める、電動補助自転車。
【請求項8】
請求項2に記載の電動補助自転車において、
前記クランク軸回転数検出部は、前記電動モータが回転している場合には前記電動モータ回転数検出部によって検出された前記電動モータの回転数に基づいて前記クランク軸の回転数を求める一方、前記電動モータが回転していない場合には、前記トルク検出部で検出されたトルクの波形に基づいて前記クランク軸の回転数を求める、電動補助自転車。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一つに記載の電動補助自転車において、
前記トルク検出部は、前記クランク軸に生じるトルクを検出する、電動補助自転車。
【請求項10】
請求項1から3のいずれか一つに記載の電動補助自転車において、
前記クランク軸の回転を変速して車輪に伝える変速機構をさらに備え、
前記電動モータは、前記車輪に対し、前記変速機構を介して動力を伝達する、電動補助自転車。
【請求項11】
請求項1から3のいずれか一つに記載の電動補助自転車において、
前記クランク軸の回転を変速して車輪に伝える変速機構をさらに備え、
前記電動モータは、前記変速機構を介すことなく車輪に対して直接、動力を伝達する、電動補助自転車。
【請求項12】
請求項11に記載の電動補助自転車において、
前記電動モータは、該電動モータによって動力が伝達される前記車輪に設けられている、電動補助自転車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−43528(P2013−43528A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181923(P2011−181923)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
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