電子カメラ
【構成】イメージセンサ16は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。CPU26は、繰り返し発行されるカウント信号を受け付け、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付け時期に基づいて予測する。CPU26はまた、予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像をイメージセンサ16から取得する。
【効果】セルフタイマ撮影に関する操作性が向上する。
【効果】セルフタイマ撮影に関する操作性が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に撮像操作を支援する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、人間の画像が含まれている時系列の画像データが入力され、入力された画像データから人間の指の本数が認識される。認識された人間の指の本数に応じてタイマー時間が設定され、タイマー時間が経過した後に、入力された画像データの一部を蓄積および/または伝送する制御が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−28046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、人間が立てた手の指の本数に応じてタイマー時間が設定され、タイマー時間が経過した後に、入力された画像データの一部が蓄積および/または伝送される。つまり、セルフタイマ撮影に背景技術を用いた場合、指を立ててタイマー時間を指定する人物は、画像データの取込が実行されるまでに必要な時間を正確に決めておく必要がある。このため、操作性が低下する恐れがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、セルフタイマ撮影に関する操作性を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付け手段(46, 48, 52, S7)、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付け手段の受け付け時期に基づいて予測する予測手段(S33~S35, S41)、および予測手段によって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する取得手段(S45, S51)を備える。
【0007】
好ましくは、受け付け手段によるカウント信号の受け付け間隔を計測する計測手段(S13, S19, S37)をさらに備え、予測手段は受け付け手段によって受け付けられたカウント信号が示す値と計測手段によって計測された受け付け間隔とに基づいて予測処理を実行する。
【0008】
好ましくは、カウント信号はカウント値を表す音声情報を含み、受け付け手段は音声情報を取り込むマイクロフォン(48)を含む。
【0009】
さらに好ましくは、受け付け手段はマイクロフォンによって取り込まれた音声から辞書音声を用いて音声情報を検出する音声検出手段(46)を含む。
【0010】
好ましくは、撮像手段は電子画像を繰り返し出力し、カウント信号はカウント値を示す画像情報を含み、受け付け手段は撮像手段の出力から画像情報を検出する検出手段(52)を含む。
【0011】
さらに好ましくは、検出手段は辞書画像を用いて検出処理を実行する。
【0012】
好ましくは、取得手段によって取得された電子画像を記録媒体に記録する記録手段(S47)をさらに備える。
【0013】
好ましくは、取得手段は予測手段によって予測された時期から取得処理を繰り返し実行する。
【0014】
この発明に従う電子カメラは、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、撮像手段から出力された複数の電子画像からカウントに対応する既定の動作を検出する動作検出手段(S61)、動作検出手段の処理に関連したカウントが特定カウント値を示す時期を動作検出手段の検出時期に基づいて予測する予測手段(S65)、および予測手段によって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する取得手段(S45, S51)を備える。
【0015】
この発明に従う撮像制御プログラムは、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)のプロセッサ(26)に、繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ(46, 48, 52, S7)、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ(S33~S35, S41)、および予測ステップによって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する取得ステップ(S45, S51)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う撮像制御方法は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)によって実行される撮像制御方法であって、繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ(46, 48, 52, S7)、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ(S33~S35, S41)、および予測ステップによって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する取得ステップ(S45, S51)を備える。
【0017】
この発明に従う外部制御プログラムは、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、およびメモリ(44)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ(46, 48, 52, S7)、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ(S33~S35, S41)、および予測ステップによって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する取得ステップ(S45, S51)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0018】
この発明に従う電子カメラ(10)は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、外部制御プログラムを受信する受信手段(60)、および受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリ(44)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)であって、外部制御プログラムは、繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ(46, 48, 52, S7)、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ(S33~S35, S41)、および予測ステップによって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する取得ステップ(S45, S51)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0019】
受け付けられたカウント信号が特定カウント値を示す時期が、受け付け時期に基づいて予測される。このようにして予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像が、取得される。
【0020】
つまり、カメラに与えるカウント信号の発行時期を調節することによって、電子画像取得のタイミングを変化させることができる。したがって、カメラをセルフタイマ撮影に用いた場合には撮影タイミングの自由度が増し、セルフタイマ撮影に関する操作性が向上する。
【0021】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例で参照される辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例で参照される他の辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例で参照される参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図6】図2実施例で参照される参照される他のレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例で参照される参照されるその他のレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例で参照される参照されるさらにその他のレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図9】(A)はカウントダウンがなされる状態を示す図解図であり、(B)はカウントダウンがなされる状態を示す他の図解図であり、(C)はカウントダウンがなされる状態を示すその他の図解図である。
【図10】図2実施例の動作の一部を示すタイミング図である。
【図11】(A)はカウントダウンがなされる状態を示すさらにその他の図解図であり、(B)はカウントダウンがなされる状態を示す他の図解図であり、(C)はカウントダウンがなされる状態を示すその他の図解図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図13】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図14】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図15】この発明の他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図16】この発明のその他の実施例によってカウントダウンがなされる状態を示す図解図である。
【図17】この発明のその他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図18】この発明のさらにその他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図19】この発明の他の実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0024】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。撮像手段1は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。受け付け手段2は、繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける。予測手段3は、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付け手段の受け付け時期に基づいて予測する。取得手段4は、予測手段によって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する。
【0025】
受け付けられたカウント信号が特定カウント値を示す時期が、受け付け時期に基づいて予測される。このようにして予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像が、取得される。
【0026】
つまり、カメラに与えるカウント信号の発行時期を調節することによって、電子画像取得のタイミングを変化させることができる。したがって、カメラをセルフタイマ撮影に用いた場合には撮影タイミングの自由度が増し、セルフタイマ撮影に関する操作性が向上する。
[実施例]
【0027】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18によって駆動されるフォーカスレンズ12を含む。これらの部材を経たシーンの光学像は、イメージセンサ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、シーンを表す電荷が生成される。
【0028】
システム全体が起動されるとCPU26は、キー入力装置28に設けられたモード変更ボタン28mdの状態(つまり現時点の動作モード)をメインタスクの下で判別し、撮像モードに対応して撮像タスクを起動する一方、セルフ撮像モードに対応してセルフ撮像タスクを起動する。
【0029】
撮像タスクまたはセルフ撮像タスクが起動されるとCPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ18に露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ18は、図示しないSG(SignalGenerator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージセンサ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0030】
信号処理回路20は、イメージセンサ16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32に書き込む。LCDドライバ36は、SDRAM32に格納された画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、シーンを表す動画像がモニタ画面に表示される。
【0031】
信号処理回路20によって生成された画像データのうち、YデータはCPU26にも与えられる。CPU26は、与えられたYデータにAE処理を施して適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18に設定され、これによってスルー画像の明るさが適度に調整される。
【0032】
CPU26はまた、信号処理回路20から与えられたYデータのうち既定領域に属する一部の高周波成分にコンティニュアスAF処理を施す。この結果、フォーカスレンズ12が合焦点に配置され、スルー画像の鮮鋭度が継続的に向上する。
【0033】
撮像タスクの下でシャッタボタン28shが押し下げられると、静止画取り込み処理および記録処理が実行される。シャッタボタン28shが押し下げられた時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32に取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によってSDRAM32から読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0034】
一方、セルフ撮像タスクの下では、CPU26は、音声認識回路46または物体検出回路52から数値が入力されたか否かを繰り返し判別する。
【0035】
音声認識回路46では、複数の辞書音声を収めた図3に示す音声辞書DICadが用いられる。音声辞書DICadが収める複数の辞書音声の各々は、数値を示す特定の音声を検出するために準備される。例えば、数値“1”に対応した辞書音声は“イチ”または“ワン”と発せられた音声を検出するために準備され、数値“2”に対応した辞書音声は“ニ”または“ツー”と発せられた音声を検出するために準備され、数値“3”に対応した辞書音声は“サン”または“スリー”と発せられた音声を検出するために準備される。
【0036】
音声認識回路46は、ディジタルカメラ10の周囲で発生しマイクロフォン48によって捉えられた音声を符号化した上で、符号化音声データを音声辞書DICadに収められた複数の辞書音声の各々と照合する。
【0037】
符号化音声データが複数の辞書音声のいずれかと符合すると、音声認識回路46は、符合した辞書音声が対応する数値をCPU26に向けて出力する。
【0038】
物体検出回路52では、複数の辞書画像を収めた図4に示す画像辞書DICvsが用いられる。画像辞書DICvsが収める複数の辞書画像の各々は、人物の手の指のうち立てられた指を検出するために準備される。例えば、数値“1”に対応した辞書画像は1本の指の画像を検出するために準備され、数値“2”に対応した辞書画像は2本の指の画像を検出するために準備され、数値“3”に対応した辞書画像は3本の指の画像を検出するために準備される。
【0039】
物体検出回路52は、SDRAM32に格納された画像の先頭位置から末尾位置に向けてラスタ走査態様で照合枠を移動させ、照合枠に属する一部の画像を画像辞書DICvsに収められた複数の辞書画像の各々と照合する。
【0040】
照合枠の画像が複数の辞書画像のいずれかと符合すると、物体検出回路52は、符合した辞書画像が対応する数値をCPU26に向けて出力する。照合枠は、末尾位置に到達する毎に縮小され、その後に先頭位置に再度設定される。これによって、互いに異なるサイズを有する照合枠が画像上をラスタ方向に走査される。最小サイズの照合枠が末尾位置に到達すると、最大サイズの照合枠が先頭位置に再度設定され、新たに取り込まれた画像に対する照合処理が実行される。
【0041】
物体検出回路52は、照合枠の画像が同一の辞書画像と繰り返し符合する間は、新たな出力を行わず、符合した辞書画像が変化したとき新たに符合した辞書画像に対応する数値をCPU26に向けて出力する。
【0042】
音声認識回路46または物体検出回路52から数値が入力されたとき、CPU26は、時計回路50が示す現在の時刻を図5に示す時刻レジスタRGSTtmに記録する。
【0043】
CPU26は次に、入力された数値をデクリメントし、算出された数値を予測値として図6に示す予測値レジスタRGSTetmに登録する。つまり、数値“5”が入力されたとき予測値は“4”となり、数値“4”が入力されたとき予測値は“3”となる。また、時刻レジスタRGSTtmに記録された時刻は、図7に示す退避レジスタRGSTsvに退避される。
【0044】
次に音声認識回路46または物体検出回路52から数値が入力されたとき、CPU26は、時計回路50が示す現在の時刻を時刻レジスタRGSTtmに記録する。CPU26はまた、入力された数値と予測値レジスタRGSTetmに登録された予測値とが一致するか否かを判別する。
【0045】
これらの数値が一致したとき、CPU26は、時刻レジスタRGSTtmに記録された時刻と退避レジスタRGSTsvに退避された時刻との差分を求めることによって、数値の入力間隔を算出する。算出された入力間隔が既定の閾値以下であったとき、CPU26は、人物の声または手の指によってカウントダウンがなされていると判断し、算出された入力間隔を図8に示す間隔レジスタRGSTintに登録する。
【0046】
なお、閾値以下の間隔で入力された数値と予測値との一致がまだ連続で発生していないとき、CPU26は、上述の通りに予測値を新たに算出して記録時刻を退避する。
【0047】
一方、閾値以下の間隔で入力された数値と予測値との一致が連続して発生したとき、つまり、連続して入力された3つの数値がカウントダウンを示すと判断されたとき、CPU26は、算出された2つの入力間隔の平均をタイマ間隔とし、直近に入力された数値をタイマ値として、タイマ26tのリセット&スタートを実行する。つまり、人物の声または手の指によってなされたカウントダウンの続きが、タイマ26tによって実行される。
【0048】
タイマ26tにタイムアウトが発生すると、CPU26は、静止画取り込み処理および記録処理を実行する。タイムアウトの時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32に取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によってSDRAM32から読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0049】
入力された数値と予測値とが一致しなかったとき、または一致したが算出された入力間隔が閾値を超えたとき、CPU26は、人物の声または手の指によって新たなカウントダウンがなされていると判断し、上述の通りに予測値を算出して記録時刻を退避する。新たに数値が入力されると、予測値との比較によってカウントダウンがなされているか否かが判断される。
【0050】
図9(A)を参照して、人物HM1が“5”と言うと、人物HM1が発した声は、マイクロフォン48によって捉えられて、音声認識回路46によって符合化される。符合化音声データは、音声辞書DICadに収められた複数の辞書音声の各々と照合された結果、数値‘5’に対応した辞書音声と符合する。したがって、CPU26には数値“5”が入力される。
【0051】
図9(B)を参照して、“5”と言った0.88秒後に人物HM1が“4”と言うと、音声認識回路46によって照合処理が実行され、この結果、CPU26には数値“4”が入力される。図9(C)を参照して、“4”と言った0.84秒後に人物HM1が“3”と言うと、音声認識回路46によって照合処理が実行され、この結果、CPU26には数値“3”が入力される。また、CPU26へのこれらの数値の入力間隔の平均は、0.86秒である。
【0052】
したがって、図10に示すように、タイマ間隔を0.86秒とし、タイマ値を3として、タイマ26tのリセット&スタートが実行される。タイマ26tにタイムアウトが発生すると、上述のように静止画取り込み処理および記録処理が実行される。
【0053】
図11(A)を参照して、人物HM2がディジタルカメラ10に向けて5本の指を立てると、物体検出回路52の検出処理によって画像辞書DICvsに収められた複数の辞書画像の各々と人物HM2の手を示す部分画像とが照合された結果、数値‘5’に対応した辞書画像と符合する。したがって、CPU26には数値“5”が入力される。
【0054】
図11(B)を参照して、5本の指を立てた0.88秒後に人物HM2が4本の指を立てると、物体検出回路52の検出処理の結果、CPU26には数値“4”が入力される。図11(C)を参照して、4本の指を立てた0.84秒後に人物HM2が3本の指を立てると、物体検出回路52の検出処理の結果、CPU26には数値“3”が入力される。また、CPU26へのこれらの数値の入力間隔の平均は、0.86秒である。
【0055】
したがって、図9(A)〜(C)に示す例と同様に、タイマ間隔を0.86秒とし、タイマ値を3として、タイマ26tのリセット&スタートが実行される。タイマ26tにタイムアウトが発生すると、上述のように静止画取り込み処理および記録処理が実行される(図10参照)。
【0056】
このように、静止画取り込み処理および記録処理が実行されるタイミングは、人物の意図によって決定される。つまり、人物がディジタルカメラに示した複数の数値とそれらの数値が示された間隔とに基づいて、静止画取り込み処理および記録処理が実行されるタイミングが算出される。このような動作を示すために“予測”という語が用いられる。
【0057】
CPU26は、図12〜14に示すセルフ撮像タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0058】
図12を参照して、ステップS1では動画取り込み処理を開始する。この結果、シーンを表すスルー画像がLCDモニタ38に表示される。ステップS3では変数CTを“0”に初期設定し、ステップS5では予測値レジスタRGSTetmを初期化するべく登録内容を初期化する。
【0059】
ステップS7では音声認識回路46または物体検出回路52から数値が入力されたか否かを繰り返し判別し、判別結果がYESであればステップS13に進む一方、判別結果がNOであればステップS9およびS11の処理を経てステップS7に戻る。
【0060】
ステップS9ではAE処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。ステップS11では、コンティニュアスAF処理を実行する。この結果、フォーカスレンズ12が合焦点に配置され、スルー画像の鮮鋭度が継続的に向上する。
【0061】
ステップS13では、時計回路50が示す現在の時刻を時刻レジスタRGSTtmに記録する。ステップS15では、予測値レジスタRGSTetmに予測値が登録されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS17で、入力された数値と登録された予測値とが一致するか否かを判別する。ステップS15およびS17の判別結果がいずれもYESであればステップS19に進み、ステップS15およびS17のいずれかの判別結果がNOであればステップS29に進む。
【0062】
ステップS19では、時刻レジスタRGSTtmに記録された時刻と退避レジスタRGSTsvに退避された時刻との差分を求めることによって、数値の入力間隔を算出する。算出された入力間隔が既定の閾値を超えているか否かをステップS21で判別し、判別結果がYESであればステップS29に進む一方、判別結果がNOであればステップS23に進む。
【0063】
ステップS23では、ステップS19で算出された入力間隔を間隔レジスタRGSTintに登録する。ステップS25では変数CTをインクリメントし、この結果変数CTが3以上となったか否かをステップS27で判別する。判別結果がNOであればステップS33に進む一方、判別結果がYESであればステップS39に進む。
【0064】
ステップS29では変数CTを“1”に設定し、ステップS31では間隔レジスタRGSTintの登録内容をクリアする。ステップS33では入力された数値をデクリメントし、算出された数値を用いて予測値レジスタRGSTetmの登録内容をステップS35で更新する。
【0065】
ステップS37では、ステップS13で時刻レジスタRGSTtmに記録された時刻を退避レジスタRGSTsvに退避する。ステップS37の処理が完了すると、ステップS7に戻る。
【0066】
ステップS39では、間隔レジスタRGSTintに登録された2つの入力間隔の平均を算出する。算出された平均値をタイマ間隔とし、直近に入力された数値をタイマ値として、ステップS41ではタイマ26tのリセット&スタートを実行する。
【0067】
ステップS43では、タイマ26tにタイムアウトが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS45で静止画取り込み処理を実行し、ステップS47で記録処理を実行する。この結果、タイムアウトの時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32に取り込まれる。また、取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によってSDRAM32から読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。ステップS47の処理が完了すると、ステップS3に戻る。
【0068】
以上の説明から分かるように、イメージセンサ16は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。CPU26は、繰り返し発行されるカウント信号を受け付け、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付け時期に基づいて予測する。CPU26はまた、予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像をイメージセンサ16から取得する。
【0069】
受け付けられたカウント信号が特定カウント値を示す時期が、受け付け時期に基づいて予測される。このようにして予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像が、取得される。
【0070】
つまり、カメラに与えるカウント信号の発行時期を調節することによって、電子画像取得のタイミングを変化させることができる。したがって、カメラをセルフタイマ撮影に用いた場合には撮影タイミングの自由度が増し、セルフタイマ撮影に関する操作性が向上する。また、セルフタイマ撮影に限らず、カメラの遠隔操作において撮影タイミング設定の自由度が増し、遠隔操作による撮影の操作性が向上する。
【0071】
なお、この実施例では、ディジタルスチルカメラのタイマにタイムアウトが発生したとき、静止画取り込み処理および記録処理を実行するようにした。しかし、本発明をディジタルビデオカメラに用いて、タイマにタイムアウトが発生したときに記録処理を開始するようにしてもよい。この場合、図14のステップS45およびS47に代えて、図15のステップS51〜S59を実行すればよい。
【0072】
図15を参照して、ステップS51ではI/F40に記録処理の開始を命令する。I/F40は、記録媒体42に動画ファイルを新規に作成し、SDRAM32に格納された画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32から繰り返し読み出し、そして読み出された画像データを作成された動画ファイルに書き込む。
【0073】
ステップS53では記録終了操作が行われたか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS59に進む一方、判別結果がNOであればステップS55およびS57の処理を経てステップS53に戻る。ステップS55およびS57では、ステップS9およびS11とそれぞれ同一の処理が実行される。
【0074】
ステップS59ではI/F40に記録処理の終了を命令する。I/F40は、SDRAM32からの画像データの読み出しを終了し、書き込み先の動画ファイルに終了処理を施す。ステップS59の処理が完了すると、ステップS3に戻る。
【0075】
また、この実施例では、人物の声または手の指によって3つの連続した数値が示された後にタイマをスタートさせるようにした。しかし、4つ以上の連続した数値または2つの連続した数値が示された後にタイマをスタートさせるようにしてもよい。
【0076】
また、この実施例では、数値の入力間隔の平均をタイマ間隔としたが、これ以外の値をタイマ間隔としてもよい。例えば、最後に算出された数値入力間隔または最初に算出された数値入力間隔などをタイマ間隔としてもよい。
【0077】
また、この実施例では、数値の入力間隔に基づいてタイマ間隔を決定するようにしたが、人物が1つの数値を言い始めてから言い終わるまでの経過時間を考慮して、タイマ間隔を決定するようにしてもよい。
【0078】
また、この実施例では、数値を示す声または手の指を検出して、人物によってカウントダウンがなされていると判断するようにした。しかし、これら以外の既定の動作を検出して、人物によってカウントダウンがなされていると判断するようにしてもよい。
【0079】
例えば、図16に示すように、上に向けて腕を突き上げる動作および突き上げた腕を下ろす動作を検出するようにしてもよい。この場合、予め既定開始値および既定タイマ値を“5”および“3”とそれぞれ定めて、初めに人物HM3が腕を突き上げたときに既定開始値の“5”とカウントされたとみなす。突き上げられた腕が既定時間内に下ろされたときに“4”とカウントされたと見なし、下ろされた腕が既定時間内に再度突き上げられたときに“3”とカウントされたとみなす。次に、既定タイマ値の“3”が設定された上でタイマがスタートされ、タイムアウトが発生したとき静止画取り込み処理および記録処理が実行される。
【0080】
この場合、図12のステップS7に代えて図17のステップS61を実行し、ステップS15およびS17に代えてステップS63を実行し、図14のステップS41に代えて図18のステップS65を実行すればよい。またこの場合、図12のステップS5ならびに図13のステップS33およびS35は、実行されない。
【0081】
図17を参照して、ステップS61では、取り込まれた動画像から既定動作が検出されたか否かを繰り返し判別し、判別結果がYESであればステップS13に進む一方、判別結果がNOであればステップS9およびS11の処理を経てステップS61に戻る。
【0082】
ステップS63では、変数CTに“0”が設定されているか否かを検出し、判別結果がNOであればステップS19に進む一方、判別結果がYESであればステップS29に進む。
【0083】
図18を参照して、ステップS65では、ステップS39で算出された平均値をタイマ間隔とし、“3”などの既定値をタイマ値として、タイマ26tのリセット&スタートを実行する。
【0084】
また、この実施例では、人物の声または手の指によってカウントダウンがなされる場合を例に挙げて説明した。しかし、カウントアップがなされる場合に本発明を適用してもよい。
【0085】
また、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に予め記憶される。しかし、外部サーバに接続するための通信I/F60を図19に示す要領でディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0086】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を、図12〜14に示すセルフ撮像タスクを含む複数のタスクに区分するようにしている。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、転送タスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0087】
また、上述の実施例では、ディジタルスチルカメラおよびディジタルビデオカメラを用いて説明したが、本発明は、携帯電話端末またはスマートフォンなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージセンサ
26 …CPU
32 …SDRAM
38 …LCDモニタ
46 …音声認識回路
48 …マイクロフォン
50 …時計回路
52 …物体検出回路
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に撮像操作を支援する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、人間の画像が含まれている時系列の画像データが入力され、入力された画像データから人間の指の本数が認識される。認識された人間の指の本数に応じてタイマー時間が設定され、タイマー時間が経過した後に、入力された画像データの一部を蓄積および/または伝送する制御が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−28046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、人間が立てた手の指の本数に応じてタイマー時間が設定され、タイマー時間が経過した後に、入力された画像データの一部が蓄積および/または伝送される。つまり、セルフタイマ撮影に背景技術を用いた場合、指を立ててタイマー時間を指定する人物は、画像データの取込が実行されるまでに必要な時間を正確に決めておく必要がある。このため、操作性が低下する恐れがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、セルフタイマ撮影に関する操作性を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付け手段(46, 48, 52, S7)、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付け手段の受け付け時期に基づいて予測する予測手段(S33~S35, S41)、および予測手段によって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する取得手段(S45, S51)を備える。
【0007】
好ましくは、受け付け手段によるカウント信号の受け付け間隔を計測する計測手段(S13, S19, S37)をさらに備え、予測手段は受け付け手段によって受け付けられたカウント信号が示す値と計測手段によって計測された受け付け間隔とに基づいて予測処理を実行する。
【0008】
好ましくは、カウント信号はカウント値を表す音声情報を含み、受け付け手段は音声情報を取り込むマイクロフォン(48)を含む。
【0009】
さらに好ましくは、受け付け手段はマイクロフォンによって取り込まれた音声から辞書音声を用いて音声情報を検出する音声検出手段(46)を含む。
【0010】
好ましくは、撮像手段は電子画像を繰り返し出力し、カウント信号はカウント値を示す画像情報を含み、受け付け手段は撮像手段の出力から画像情報を検出する検出手段(52)を含む。
【0011】
さらに好ましくは、検出手段は辞書画像を用いて検出処理を実行する。
【0012】
好ましくは、取得手段によって取得された電子画像を記録媒体に記録する記録手段(S47)をさらに備える。
【0013】
好ましくは、取得手段は予測手段によって予測された時期から取得処理を繰り返し実行する。
【0014】
この発明に従う電子カメラは、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、撮像手段から出力された複数の電子画像からカウントに対応する既定の動作を検出する動作検出手段(S61)、動作検出手段の処理に関連したカウントが特定カウント値を示す時期を動作検出手段の検出時期に基づいて予測する予測手段(S65)、および予測手段によって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する取得手段(S45, S51)を備える。
【0015】
この発明に従う撮像制御プログラムは、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)のプロセッサ(26)に、繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ(46, 48, 52, S7)、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ(S33~S35, S41)、および予測ステップによって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する取得ステップ(S45, S51)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う撮像制御方法は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)によって実行される撮像制御方法であって、繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ(46, 48, 52, S7)、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ(S33~S35, S41)、および予測ステップによって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する取得ステップ(S45, S51)を備える。
【0017】
この発明に従う外部制御プログラムは、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、およびメモリ(44)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ(46, 48, 52, S7)、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ(S33~S35, S41)、および予測ステップによって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する取得ステップ(S45, S51)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0018】
この発明に従う電子カメラ(10)は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、外部制御プログラムを受信する受信手段(60)、および受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリ(44)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)であって、外部制御プログラムは、繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ(46, 48, 52, S7)、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ(S33~S35, S41)、および予測ステップによって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する取得ステップ(S45, S51)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0019】
受け付けられたカウント信号が特定カウント値を示す時期が、受け付け時期に基づいて予測される。このようにして予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像が、取得される。
【0020】
つまり、カメラに与えるカウント信号の発行時期を調節することによって、電子画像取得のタイミングを変化させることができる。したがって、カメラをセルフタイマ撮影に用いた場合には撮影タイミングの自由度が増し、セルフタイマ撮影に関する操作性が向上する。
【0021】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例で参照される辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例で参照される他の辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例で参照される参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図6】図2実施例で参照される参照される他のレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例で参照される参照されるその他のレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例で参照される参照されるさらにその他のレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図9】(A)はカウントダウンがなされる状態を示す図解図であり、(B)はカウントダウンがなされる状態を示す他の図解図であり、(C)はカウントダウンがなされる状態を示すその他の図解図である。
【図10】図2実施例の動作の一部を示すタイミング図である。
【図11】(A)はカウントダウンがなされる状態を示すさらにその他の図解図であり、(B)はカウントダウンがなされる状態を示す他の図解図であり、(C)はカウントダウンがなされる状態を示すその他の図解図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図13】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図14】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図15】この発明の他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図16】この発明のその他の実施例によってカウントダウンがなされる状態を示す図解図である。
【図17】この発明のその他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図18】この発明のさらにその他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図19】この発明の他の実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0024】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。撮像手段1は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。受け付け手段2は、繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける。予測手段3は、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付け手段の受け付け時期に基づいて予測する。取得手段4は、予測手段によって予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を撮像手段から取得する。
【0025】
受け付けられたカウント信号が特定カウント値を示す時期が、受け付け時期に基づいて予測される。このようにして予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像が、取得される。
【0026】
つまり、カメラに与えるカウント信号の発行時期を調節することによって、電子画像取得のタイミングを変化させることができる。したがって、カメラをセルフタイマ撮影に用いた場合には撮影タイミングの自由度が増し、セルフタイマ撮影に関する操作性が向上する。
[実施例]
【0027】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18によって駆動されるフォーカスレンズ12を含む。これらの部材を経たシーンの光学像は、イメージセンサ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、シーンを表す電荷が生成される。
【0028】
システム全体が起動されるとCPU26は、キー入力装置28に設けられたモード変更ボタン28mdの状態(つまり現時点の動作モード)をメインタスクの下で判別し、撮像モードに対応して撮像タスクを起動する一方、セルフ撮像モードに対応してセルフ撮像タスクを起動する。
【0029】
撮像タスクまたはセルフ撮像タスクが起動されるとCPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ18に露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ18は、図示しないSG(SignalGenerator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージセンサ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0030】
信号処理回路20は、イメージセンサ16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32に書き込む。LCDドライバ36は、SDRAM32に格納された画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、シーンを表す動画像がモニタ画面に表示される。
【0031】
信号処理回路20によって生成された画像データのうち、YデータはCPU26にも与えられる。CPU26は、与えられたYデータにAE処理を施して適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18に設定され、これによってスルー画像の明るさが適度に調整される。
【0032】
CPU26はまた、信号処理回路20から与えられたYデータのうち既定領域に属する一部の高周波成分にコンティニュアスAF処理を施す。この結果、フォーカスレンズ12が合焦点に配置され、スルー画像の鮮鋭度が継続的に向上する。
【0033】
撮像タスクの下でシャッタボタン28shが押し下げられると、静止画取り込み処理および記録処理が実行される。シャッタボタン28shが押し下げられた時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32に取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によってSDRAM32から読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0034】
一方、セルフ撮像タスクの下では、CPU26は、音声認識回路46または物体検出回路52から数値が入力されたか否かを繰り返し判別する。
【0035】
音声認識回路46では、複数の辞書音声を収めた図3に示す音声辞書DICadが用いられる。音声辞書DICadが収める複数の辞書音声の各々は、数値を示す特定の音声を検出するために準備される。例えば、数値“1”に対応した辞書音声は“イチ”または“ワン”と発せられた音声を検出するために準備され、数値“2”に対応した辞書音声は“ニ”または“ツー”と発せられた音声を検出するために準備され、数値“3”に対応した辞書音声は“サン”または“スリー”と発せられた音声を検出するために準備される。
【0036】
音声認識回路46は、ディジタルカメラ10の周囲で発生しマイクロフォン48によって捉えられた音声を符号化した上で、符号化音声データを音声辞書DICadに収められた複数の辞書音声の各々と照合する。
【0037】
符号化音声データが複数の辞書音声のいずれかと符合すると、音声認識回路46は、符合した辞書音声が対応する数値をCPU26に向けて出力する。
【0038】
物体検出回路52では、複数の辞書画像を収めた図4に示す画像辞書DICvsが用いられる。画像辞書DICvsが収める複数の辞書画像の各々は、人物の手の指のうち立てられた指を検出するために準備される。例えば、数値“1”に対応した辞書画像は1本の指の画像を検出するために準備され、数値“2”に対応した辞書画像は2本の指の画像を検出するために準備され、数値“3”に対応した辞書画像は3本の指の画像を検出するために準備される。
【0039】
物体検出回路52は、SDRAM32に格納された画像の先頭位置から末尾位置に向けてラスタ走査態様で照合枠を移動させ、照合枠に属する一部の画像を画像辞書DICvsに収められた複数の辞書画像の各々と照合する。
【0040】
照合枠の画像が複数の辞書画像のいずれかと符合すると、物体検出回路52は、符合した辞書画像が対応する数値をCPU26に向けて出力する。照合枠は、末尾位置に到達する毎に縮小され、その後に先頭位置に再度設定される。これによって、互いに異なるサイズを有する照合枠が画像上をラスタ方向に走査される。最小サイズの照合枠が末尾位置に到達すると、最大サイズの照合枠が先頭位置に再度設定され、新たに取り込まれた画像に対する照合処理が実行される。
【0041】
物体検出回路52は、照合枠の画像が同一の辞書画像と繰り返し符合する間は、新たな出力を行わず、符合した辞書画像が変化したとき新たに符合した辞書画像に対応する数値をCPU26に向けて出力する。
【0042】
音声認識回路46または物体検出回路52から数値が入力されたとき、CPU26は、時計回路50が示す現在の時刻を図5に示す時刻レジスタRGSTtmに記録する。
【0043】
CPU26は次に、入力された数値をデクリメントし、算出された数値を予測値として図6に示す予測値レジスタRGSTetmに登録する。つまり、数値“5”が入力されたとき予測値は“4”となり、数値“4”が入力されたとき予測値は“3”となる。また、時刻レジスタRGSTtmに記録された時刻は、図7に示す退避レジスタRGSTsvに退避される。
【0044】
次に音声認識回路46または物体検出回路52から数値が入力されたとき、CPU26は、時計回路50が示す現在の時刻を時刻レジスタRGSTtmに記録する。CPU26はまた、入力された数値と予測値レジスタRGSTetmに登録された予測値とが一致するか否かを判別する。
【0045】
これらの数値が一致したとき、CPU26は、時刻レジスタRGSTtmに記録された時刻と退避レジスタRGSTsvに退避された時刻との差分を求めることによって、数値の入力間隔を算出する。算出された入力間隔が既定の閾値以下であったとき、CPU26は、人物の声または手の指によってカウントダウンがなされていると判断し、算出された入力間隔を図8に示す間隔レジスタRGSTintに登録する。
【0046】
なお、閾値以下の間隔で入力された数値と予測値との一致がまだ連続で発生していないとき、CPU26は、上述の通りに予測値を新たに算出して記録時刻を退避する。
【0047】
一方、閾値以下の間隔で入力された数値と予測値との一致が連続して発生したとき、つまり、連続して入力された3つの数値がカウントダウンを示すと判断されたとき、CPU26は、算出された2つの入力間隔の平均をタイマ間隔とし、直近に入力された数値をタイマ値として、タイマ26tのリセット&スタートを実行する。つまり、人物の声または手の指によってなされたカウントダウンの続きが、タイマ26tによって実行される。
【0048】
タイマ26tにタイムアウトが発生すると、CPU26は、静止画取り込み処理および記録処理を実行する。タイムアウトの時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32に取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によってSDRAM32から読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0049】
入力された数値と予測値とが一致しなかったとき、または一致したが算出された入力間隔が閾値を超えたとき、CPU26は、人物の声または手の指によって新たなカウントダウンがなされていると判断し、上述の通りに予測値を算出して記録時刻を退避する。新たに数値が入力されると、予測値との比較によってカウントダウンがなされているか否かが判断される。
【0050】
図9(A)を参照して、人物HM1が“5”と言うと、人物HM1が発した声は、マイクロフォン48によって捉えられて、音声認識回路46によって符合化される。符合化音声データは、音声辞書DICadに収められた複数の辞書音声の各々と照合された結果、数値‘5’に対応した辞書音声と符合する。したがって、CPU26には数値“5”が入力される。
【0051】
図9(B)を参照して、“5”と言った0.88秒後に人物HM1が“4”と言うと、音声認識回路46によって照合処理が実行され、この結果、CPU26には数値“4”が入力される。図9(C)を参照して、“4”と言った0.84秒後に人物HM1が“3”と言うと、音声認識回路46によって照合処理が実行され、この結果、CPU26には数値“3”が入力される。また、CPU26へのこれらの数値の入力間隔の平均は、0.86秒である。
【0052】
したがって、図10に示すように、タイマ間隔を0.86秒とし、タイマ値を3として、タイマ26tのリセット&スタートが実行される。タイマ26tにタイムアウトが発生すると、上述のように静止画取り込み処理および記録処理が実行される。
【0053】
図11(A)を参照して、人物HM2がディジタルカメラ10に向けて5本の指を立てると、物体検出回路52の検出処理によって画像辞書DICvsに収められた複数の辞書画像の各々と人物HM2の手を示す部分画像とが照合された結果、数値‘5’に対応した辞書画像と符合する。したがって、CPU26には数値“5”が入力される。
【0054】
図11(B)を参照して、5本の指を立てた0.88秒後に人物HM2が4本の指を立てると、物体検出回路52の検出処理の結果、CPU26には数値“4”が入力される。図11(C)を参照して、4本の指を立てた0.84秒後に人物HM2が3本の指を立てると、物体検出回路52の検出処理の結果、CPU26には数値“3”が入力される。また、CPU26へのこれらの数値の入力間隔の平均は、0.86秒である。
【0055】
したがって、図9(A)〜(C)に示す例と同様に、タイマ間隔を0.86秒とし、タイマ値を3として、タイマ26tのリセット&スタートが実行される。タイマ26tにタイムアウトが発生すると、上述のように静止画取り込み処理および記録処理が実行される(図10参照)。
【0056】
このように、静止画取り込み処理および記録処理が実行されるタイミングは、人物の意図によって決定される。つまり、人物がディジタルカメラに示した複数の数値とそれらの数値が示された間隔とに基づいて、静止画取り込み処理および記録処理が実行されるタイミングが算出される。このような動作を示すために“予測”という語が用いられる。
【0057】
CPU26は、図12〜14に示すセルフ撮像タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0058】
図12を参照して、ステップS1では動画取り込み処理を開始する。この結果、シーンを表すスルー画像がLCDモニタ38に表示される。ステップS3では変数CTを“0”に初期設定し、ステップS5では予測値レジスタRGSTetmを初期化するべく登録内容を初期化する。
【0059】
ステップS7では音声認識回路46または物体検出回路52から数値が入力されたか否かを繰り返し判別し、判別結果がYESであればステップS13に進む一方、判別結果がNOであればステップS9およびS11の処理を経てステップS7に戻る。
【0060】
ステップS9ではAE処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。ステップS11では、コンティニュアスAF処理を実行する。この結果、フォーカスレンズ12が合焦点に配置され、スルー画像の鮮鋭度が継続的に向上する。
【0061】
ステップS13では、時計回路50が示す現在の時刻を時刻レジスタRGSTtmに記録する。ステップS15では、予測値レジスタRGSTetmに予測値が登録されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS17で、入力された数値と登録された予測値とが一致するか否かを判別する。ステップS15およびS17の判別結果がいずれもYESであればステップS19に進み、ステップS15およびS17のいずれかの判別結果がNOであればステップS29に進む。
【0062】
ステップS19では、時刻レジスタRGSTtmに記録された時刻と退避レジスタRGSTsvに退避された時刻との差分を求めることによって、数値の入力間隔を算出する。算出された入力間隔が既定の閾値を超えているか否かをステップS21で判別し、判別結果がYESであればステップS29に進む一方、判別結果がNOであればステップS23に進む。
【0063】
ステップS23では、ステップS19で算出された入力間隔を間隔レジスタRGSTintに登録する。ステップS25では変数CTをインクリメントし、この結果変数CTが3以上となったか否かをステップS27で判別する。判別結果がNOであればステップS33に進む一方、判別結果がYESであればステップS39に進む。
【0064】
ステップS29では変数CTを“1”に設定し、ステップS31では間隔レジスタRGSTintの登録内容をクリアする。ステップS33では入力された数値をデクリメントし、算出された数値を用いて予測値レジスタRGSTetmの登録内容をステップS35で更新する。
【0065】
ステップS37では、ステップS13で時刻レジスタRGSTtmに記録された時刻を退避レジスタRGSTsvに退避する。ステップS37の処理が完了すると、ステップS7に戻る。
【0066】
ステップS39では、間隔レジスタRGSTintに登録された2つの入力間隔の平均を算出する。算出された平均値をタイマ間隔とし、直近に入力された数値をタイマ値として、ステップS41ではタイマ26tのリセット&スタートを実行する。
【0067】
ステップS43では、タイマ26tにタイムアウトが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS45で静止画取り込み処理を実行し、ステップS47で記録処理を実行する。この結果、タイムアウトの時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32に取り込まれる。また、取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によってSDRAM32から読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。ステップS47の処理が完了すると、ステップS3に戻る。
【0068】
以上の説明から分かるように、イメージセンサ16は、撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。CPU26は、繰り返し発行されるカウント信号を受け付け、カウント信号が特定カウント値を示す時期を受け付け時期に基づいて予測する。CPU26はまた、予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像をイメージセンサ16から取得する。
【0069】
受け付けられたカウント信号が特定カウント値を示す時期が、受け付け時期に基づいて予測される。このようにして予測された時期に撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像が、取得される。
【0070】
つまり、カメラに与えるカウント信号の発行時期を調節することによって、電子画像取得のタイミングを変化させることができる。したがって、カメラをセルフタイマ撮影に用いた場合には撮影タイミングの自由度が増し、セルフタイマ撮影に関する操作性が向上する。また、セルフタイマ撮影に限らず、カメラの遠隔操作において撮影タイミング設定の自由度が増し、遠隔操作による撮影の操作性が向上する。
【0071】
なお、この実施例では、ディジタルスチルカメラのタイマにタイムアウトが発生したとき、静止画取り込み処理および記録処理を実行するようにした。しかし、本発明をディジタルビデオカメラに用いて、タイマにタイムアウトが発生したときに記録処理を開始するようにしてもよい。この場合、図14のステップS45およびS47に代えて、図15のステップS51〜S59を実行すればよい。
【0072】
図15を参照して、ステップS51ではI/F40に記録処理の開始を命令する。I/F40は、記録媒体42に動画ファイルを新規に作成し、SDRAM32に格納された画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32から繰り返し読み出し、そして読み出された画像データを作成された動画ファイルに書き込む。
【0073】
ステップS53では記録終了操作が行われたか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS59に進む一方、判別結果がNOであればステップS55およびS57の処理を経てステップS53に戻る。ステップS55およびS57では、ステップS9およびS11とそれぞれ同一の処理が実行される。
【0074】
ステップS59ではI/F40に記録処理の終了を命令する。I/F40は、SDRAM32からの画像データの読み出しを終了し、書き込み先の動画ファイルに終了処理を施す。ステップS59の処理が完了すると、ステップS3に戻る。
【0075】
また、この実施例では、人物の声または手の指によって3つの連続した数値が示された後にタイマをスタートさせるようにした。しかし、4つ以上の連続した数値または2つの連続した数値が示された後にタイマをスタートさせるようにしてもよい。
【0076】
また、この実施例では、数値の入力間隔の平均をタイマ間隔としたが、これ以外の値をタイマ間隔としてもよい。例えば、最後に算出された数値入力間隔または最初に算出された数値入力間隔などをタイマ間隔としてもよい。
【0077】
また、この実施例では、数値の入力間隔に基づいてタイマ間隔を決定するようにしたが、人物が1つの数値を言い始めてから言い終わるまでの経過時間を考慮して、タイマ間隔を決定するようにしてもよい。
【0078】
また、この実施例では、数値を示す声または手の指を検出して、人物によってカウントダウンがなされていると判断するようにした。しかし、これら以外の既定の動作を検出して、人物によってカウントダウンがなされていると判断するようにしてもよい。
【0079】
例えば、図16に示すように、上に向けて腕を突き上げる動作および突き上げた腕を下ろす動作を検出するようにしてもよい。この場合、予め既定開始値および既定タイマ値を“5”および“3”とそれぞれ定めて、初めに人物HM3が腕を突き上げたときに既定開始値の“5”とカウントされたとみなす。突き上げられた腕が既定時間内に下ろされたときに“4”とカウントされたと見なし、下ろされた腕が既定時間内に再度突き上げられたときに“3”とカウントされたとみなす。次に、既定タイマ値の“3”が設定された上でタイマがスタートされ、タイムアウトが発生したとき静止画取り込み処理および記録処理が実行される。
【0080】
この場合、図12のステップS7に代えて図17のステップS61を実行し、ステップS15およびS17に代えてステップS63を実行し、図14のステップS41に代えて図18のステップS65を実行すればよい。またこの場合、図12のステップS5ならびに図13のステップS33およびS35は、実行されない。
【0081】
図17を参照して、ステップS61では、取り込まれた動画像から既定動作が検出されたか否かを繰り返し判別し、判別結果がYESであればステップS13に進む一方、判別結果がNOであればステップS9およびS11の処理を経てステップS61に戻る。
【0082】
ステップS63では、変数CTに“0”が設定されているか否かを検出し、判別結果がNOであればステップS19に進む一方、判別結果がYESであればステップS29に進む。
【0083】
図18を参照して、ステップS65では、ステップS39で算出された平均値をタイマ間隔とし、“3”などの既定値をタイマ値として、タイマ26tのリセット&スタートを実行する。
【0084】
また、この実施例では、人物の声または手の指によってカウントダウンがなされる場合を例に挙げて説明した。しかし、カウントアップがなされる場合に本発明を適用してもよい。
【0085】
また、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に予め記憶される。しかし、外部サーバに接続するための通信I/F60を図19に示す要領でディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0086】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を、図12〜14に示すセルフ撮像タスクを含む複数のタスクに区分するようにしている。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、転送タスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0087】
また、上述の実施例では、ディジタルスチルカメラおよびディジタルビデオカメラを用いて説明したが、本発明は、携帯電話端末またはスマートフォンなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージセンサ
26 …CPU
32 …SDRAM
38 …LCDモニタ
46 …音声認識回路
48 …マイクロフォン
50 …時計回路
52 …物体検出回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、
繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付け手段、
前記カウント信号が特定カウント値を示す時期を前記受け付け手段の受け付け時期に基づいて予測する予測手段、および
前記予測手段によって予測された時期に前記撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を前記撮像手段から取得する取得手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記受け付け手段によるカウント信号の受け付け間隔を計測する計測手段をさらに備え、
前記予測手段は前記受け付け手段によって受け付けられたカウント信号が示す値と前記計測手段によって計測された受け付け間隔とに基づいて予測処理を実行する、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記カウント信号はカウント値を表す音声情報を含み、
前記受け付け手段は前記音声情報を取り込むマイクロフォンを含む、請求項1または2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記受け付け手段は前記マイクロフォンによって取り込まれた音声から辞書音声を用いて前記音声情報を検出する音声検出手段を含む、請求項3記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記撮像手段は前記電子画像を繰り返し出力し、
前記カウント信号はカウント値を示す画像情報を含み、
前記受け付け手段は前記撮像手段の出力から前記画像情報を検出する検出手段を含む、請求項1または2記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記検出手段は辞書画像を用いて検出処理を実行する、請求項5記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記取得手段によって取得された電子画像を記録媒体に記録する記録手段をさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項8】
前記取得手段は前記予測手段によって予測された時期から取得処理を繰り返し実行する、請求項1ないし6のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項9】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、
前記撮像手段から出力された複数の電子画像からカウントに対応する既定の動作を検出する動作検出手段、
前記動作検出手段の処理に関連したカウントが特定カウント値を示す時期を前記動作検出手段の検出時期に基づいて予測する予測手段、および
前記予測手段によって予測された時期に前記撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を前記撮像手段から取得する取得手段を備える、電子カメラ。
【請求項10】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段を備える電子カメラのプロセッサに、
繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ、
前記カウント信号が特定カウント値を示す時期を前記受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ、および
前記予測ステップによって予測された時期に前記撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を前記撮像手段から取得する取得ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項11】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段を備える電子カメラによって実行される撮像制御方法であって、
繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ、
前記カウント信号が特定カウント値を示す時期を前記受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ、および
前記予測ステップによって予測された時期に前記撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を前記撮像手段から取得する取得ステップを備える、撮像制御方法。
【請求項12】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ、
前記カウント信号が特定カウント値を示す時期を前記受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ、および
前記予測ステップによって予測された時期に前記撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を前記撮像手段から取得する取得ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項13】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、
外部制御プログラムを受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ、
前記カウント信号が特定カウント値を示す時期を前記受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ、および
前記予測ステップによって予測された時期に前記撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を前記撮像手段から取得する取得ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【請求項1】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、
繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付け手段、
前記カウント信号が特定カウント値を示す時期を前記受け付け手段の受け付け時期に基づいて予測する予測手段、および
前記予測手段によって予測された時期に前記撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を前記撮像手段から取得する取得手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記受け付け手段によるカウント信号の受け付け間隔を計測する計測手段をさらに備え、
前記予測手段は前記受け付け手段によって受け付けられたカウント信号が示す値と前記計測手段によって計測された受け付け間隔とに基づいて予測処理を実行する、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記カウント信号はカウント値を表す音声情報を含み、
前記受け付け手段は前記音声情報を取り込むマイクロフォンを含む、請求項1または2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記受け付け手段は前記マイクロフォンによって取り込まれた音声から辞書音声を用いて前記音声情報を検出する音声検出手段を含む、請求項3記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記撮像手段は前記電子画像を繰り返し出力し、
前記カウント信号はカウント値を示す画像情報を含み、
前記受け付け手段は前記撮像手段の出力から前記画像情報を検出する検出手段を含む、請求項1または2記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記検出手段は辞書画像を用いて検出処理を実行する、請求項5記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記取得手段によって取得された電子画像を記録媒体に記録する記録手段をさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項8】
前記取得手段は前記予測手段によって予測された時期から取得処理を繰り返し実行する、請求項1ないし6のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項9】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、
前記撮像手段から出力された複数の電子画像からカウントに対応する既定の動作を検出する動作検出手段、
前記動作検出手段の処理に関連したカウントが特定カウント値を示す時期を前記動作検出手段の検出時期に基づいて予測する予測手段、および
前記予測手段によって予測された時期に前記撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を前記撮像手段から取得する取得手段を備える、電子カメラ。
【請求項10】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段を備える電子カメラのプロセッサに、
繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ、
前記カウント信号が特定カウント値を示す時期を前記受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ、および
前記予測ステップによって予測された時期に前記撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を前記撮像手段から取得する取得ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項11】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段を備える電子カメラによって実行される撮像制御方法であって、
繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ、
前記カウント信号が特定カウント値を示す時期を前記受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ、および
前記予測ステップによって予測された時期に前記撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を前記撮像手段から取得する取得ステップを備える、撮像制御方法。
【請求項12】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ、
前記カウント信号が特定カウント値を示す時期を前記受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ、および
前記予測ステップによって予測された時期に前記撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を前記撮像手段から取得する取得ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項13】
撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、
外部制御プログラムを受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
繰り返し発行されるカウント信号を受け付ける受け付けステップ、
前記カウント信号が特定カウント値を示す時期を前記受け付けステップの受け付け時期に基づいて予測する予測ステップ、および
前記予測ステップによって予測された時期に前記撮像面で捉えられた光学像に対応する電子画像を前記撮像手段から取得する取得ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−93726(P2013−93726A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234268(P2011−234268)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]