説明

電子キャッシュレジスタおよびプログラム

【課題】優れたユーザインタフェースを有する電子キャッシュレジスタを提供することを目的とする。
【解決手段】電子キャッシュレジスタに表示される売上登録画面110において、仮表示欄120および確定表示欄140を設ける。電子キャッシュレジスタの動作モードが変更されても、仮表示欄120については、画面のほぼ同じ位置に表示する。オペレータによって入力される入力情報「2」は、一旦、仮表示欄120に表示し、オペレータに誤りがないことを確認させる。オペレータによる確認が終了したら、確定指示を入力させることにより、仮表示欄120に表示している入力情報を確定表示欄140に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子キャッシュレジスタにおける画面表示技術に関する。より詳しくは、画面の表示領域を効果的に割り当てる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗におけるレジカウンターなどでは、顧客が持参した購入商品に対する請求金額を演算して出力する電子キャッシュレジスタが用いられる。電子キャッシュレジスタは、各購入商品が登録され、それぞれの売価が入力されると、それらを合計して画面に表示したり、レシートを印刷したりすることにより、請求金額を出力する。
【0003】
電子キャッシュレジスタには、購入商品に関する情報や顧客情報等の様々な情報が入力される。このような電子キャッシュレジスタが特許文献1に記載されている。
【0004】
特許文献1に記載されている装置では、入力される情報に応じて、様々な入力画面が用意されており、状況に応じて特定の画面が表示装置に表示されるようになっている。これによって、オペレータは、いわゆる動作モードに合わせて、入力すべき情報を判断することが可能とされている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−063955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、画面が大型のものになると、1つの画面に同時に様々な情報が表示されるためオペレータがどこに何が表示されているのかを把握するのが困難になるという問題がある。特に、電子キャッシュレジスタでは、表示される情報の多くが「数字」であるが、「数字」は、一見してその意味を把握することが難しいという特殊な事情がある。さらに、特許文献1に記載されている電子キャッシュレジスタのように、表示される画面の種類が豊富になると、オペレータの負担は増大する。
【0007】
また、電子キャッシュレジスタでは、ID番号のように桁数の多い数字が入力されることも多く誤入力が発生しやすい。しかも数字は1文字(1桁)の入力ミスで大きな影響が出るなど、誤入力による影響も大きく、入力文字に対するオペレータの目視確認は必須である。すなわち、オペレータは、常に入力中の文字の表示位置を把握しておき、入力を確定させる前に、正しい文字がされているか否かを判断しなければならない。
【0008】
さらに、オペレータは、顧客を前にして、常に迅速な対応が要求されるなど、電子キャッシュレジスタに対するユーザインタフェースの向上は切実な問題である。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、優れたユーザインタフェースを有する電子キャッシュレジスタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、顧客によって購入される少なくとも1の購入商品の個々の代金に基づいて、前記顧客に対する請求金額を出力する電子キャッシュレジスタであって、複数の動作モードに応じた複数の画面をそれぞれ切替つつ、前記複数の画面のほぼ同じ位置に仮表示欄を表示する表示手段と、オペレータからの入力を受け付ける入力手段とを備え、前記表示手段は、前記入力手段によって受け付けた入力情報を、一旦、前記仮表示欄に表示してから確定表示欄に表示することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る電子キャッシュレジスタであって、前記入力手段が、数字を入力するための置数キーを有し、前記入力情報は、前記置数キーにより入力されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明に係る電子キャッシュレジスタであって、前記入力手段が、前記仮表示欄に表示されている入力情報を最終的に表示する確定表示欄を指定する指定キーを有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1または2の発明に係る電子キャッシュレジスタであって、前記表示手段は、前記仮表示欄に表示されている入力情報が最終的に表示される確定表示欄を他の表示欄と異なる装飾で表示することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明に係る電子キャッシュレジスタであって、前記入力手段が、前記表示手段の画面と対応したタッチパネルを備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明は、コンピュータによる読み取り可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータを、顧客によって購入される少なくとも1の購入商品の個々の代金に基づいて、前記顧客に対する請求金額を出力する電子キャッシュレジスタとして機能させるとともに、前記コンピュータに、複数の動作モードに応じた複数の画面をそれぞれ切替つつ、前記複数の画面のほぼ同じ位置に仮表示欄を表示する第1表示工程と、オペレータからの入力を受け付ける入力工程と、前記入力工程において受け付けた入力情報を、一旦、前記仮表示欄に表示する第2表示工程と、前記仮表示欄に表示している入力情報を確定表示欄に表示する第3表示工程とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1ないし6に記載の発明では、複数の動作モードに応じた複数の画面をそれぞれ切替つつ、複数の画面のほぼ同じ位置に仮表示欄を表示し、受け付けた入力情報を、一旦、仮表示欄に表示してから確定表示欄に表示することにより、画面が切り替わっても仮表示欄の表示位置が変わらないので、オペレータは、入力情報が画面上のどこに表示されているかを容易に理解することがきる。
【0017】
請求項3に記載の発明では、仮表示欄に表示されている入力情報を最終的に表示する確定表示欄を指定する指定キーを有することにより、確定表示欄を指定することができるため、数値の誤入力と入力位置(項目)の誤りをともに抑制することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、仮表示欄に表示されている入力情報が最終的に表示される確定表示欄を他の表示欄と異なる装飾で表示することにより、仮表示欄に表示されている入力情報が、どこに入力されるか容易に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0020】
<1. 実施の形態>
図1は、本発明に係る電子キャッシュレジスタ1の外観斜視図である。また、図2は、電子キャッシュレジスタ1の接続を示すブロック図である。
【0021】
電子キャッシュレジスタ1は、主にターミナル2とスキャナ3とを備える。ターミナル2とスキャナ3とは、図1に示すように、無線によってデータ通信が可能に接続されている。なお、ターミナル2とスキャナ3とは、互いにデータの送受信が可能であれば、ケーブルによって接続されていてもよい。また、スキャナ3はレジカウンター等に設置されるタイプのものであってもよい。
【0022】
ターミナル2は、内部に制御部10を備えるとともに、オペレータディスプレイ20、カスタマディスプレイ21およびキーボード22を備える。
【0023】
制御部10は、図2に示すように、データの演算や制御信号の生成を行うCPU11、CPU11のワーキングエリアとして使用されるメモリ12およびプログラム14等を記憶するハードディスク13を備え、一般的なコンピュータとしての機能を備えている。
【0024】
ハードディスク13には、例えば、各商品に関する情報(商品情報)が識別情報に関連づけて記憶され、いわゆる商品データベースが構築されている。商品データベースは、CPU11によって、適宜、参照可能とされている。例えば、CPU11は、「部門コード」を識別情報として、商品データベースにアクセスすることにより、商品名等の商品情報を取得することができるようにされている。オペレータはキーボード22等を操作して様々なデータを入力することにより、これらのデータベースを予め作成しておく。
【0025】
また、ハードディスク13は、オペレータディスプレイ20に表示するための画面データを記憶している。画面データとは、オペレータディスプレイ20の画面のレイアウトに関する情報である。制御部10は、電子キャッシュレジスタ1の動作モードに応じて、ハードディスク13から適切な画面データを読み込んで、オペレータディスプレイ20に表示させる。
【0026】
オペレータディスプレイ20は、主にオペレータに対してデータを表示するディスプレイ装置であって、オペレータの立ち位置に画面が向くように配置される。なお、本実施の形態における電子キャッシュレジスタ1では、オペレータディスプレイ20として、タッチパネル式の液晶ディスプレイを採用する。すなわち、オペレータディスプレイ20は、ターミナル2にデータを入力する際にも使用され、オペレータは画面に表示されるソフトキー(疑似ボタン)を操作することによって、電子キャッシュレジスタ1を操作したり、入力情報を入力することができる。
【0027】
カスタマディスプレイ21は、主に顧客に対してデータを表示するディスプレイ装置であって、顧客の立ち位置に画面が向くように配置される。
【0028】
なお、ターミナル2が表示する情報を、オペレータディスプレイ20に表示するか、カスタマディスプレイ21に表示するかは、制御部10の制御によって決定される。
【0029】
キーボード22は、複数のボタンが配列した構造であり、オペレータがターミナル2に指示やデータを入力する際に使用される。キーボード22は、オペレータから受け付けた入力を電気信号に変換して制御部10に伝達する。
【0030】
また、ターミナル2は、磁気カードリーダ23およびレシートプリンタ24を備える。
【0031】
磁気カードリーダ23は、図示しない磁気カードに記憶されている情報を読み取るための入力装置である。これにより、電子キャッシュレジスタ1は、例えば、顧客用のポイントカード等の情報を読み取ることが可能となる。
【0032】
レシートプリンタ24は、レシート用紙にデータを印刷して出力する装置である。詳細は図示しないが、ターミナル2は、レシート用紙としてのロール紙を内部にセットできるようになっている。
【0033】
スキャナ3は、ハンディタイプの一般的なバーコードリーダであって、主に購入商品に添付されているラベルのバーコードを読み取って、ターミナル2に送信する。なお、スキャナ3はカウンタに設置されているタイプのものでもよい。
【0034】
以上が、電子キャッシュレジスタ1の機能および構成の説明である。次に、電子キャッシュレジスタ1の動作を説明しながら、電子キャッシュレジスタ1の表示画面について説明する。
【0035】
図3は、電子キャッシュレジスタ1の動作を示す流れ図である。電子キャッシュレジスタ1は、まず、図示しない初期設定工程が終了すると、オペレータディスプレイ20に初期画面を表示し(ステップS11)、メニュー表示指示があるまで待機する(ステップS12)。
【0036】
図4は、メニュー画面100の例を示す図である。電子キャッシュレジスタ1は、オペレータからのメニュー表示指示があると、制御部10からの制御信号に応じて、オペレータディスプレイ20にメニュー画面100を表示する(ステップS13)。
【0037】
本実施の形態におけるメニュー表示指示の流れを具体的に説明すると、初期画面の左上に準備されているメニューボタン100aが操作されることによって、メインメニュー画面100bが表示される。また、メインメニュー画面100bに表示されているメイン項目ボタン100cのいずれかが操作されることによって、操作されたメイン項目ボタン100cに応じたサブメニュー画面100dが表示される。サブメニュー画面100dには、メインメニュー画面100bと同様に、選択可能な複数のサブ項目ボタン100eが設けられており、これをオペレータが選択することによって電子キャッシュレジスタ1の動作モードが決定される。図4では、メイン項目ボタン100cのうちの「登録」が選択され、「登録」のサブメニュー画面100dが表示されている例を示している。
【0038】
メニュー画面100を表示すると、制御部10は、キャンセル指示および選択指示を監視しつつ待機する(ステップS14,S15)。キャンセル指示があるとメニュー画面100を閉じて、ステップS11に戻る。一方、動作モードの選択指示があると、選択された動作モードに応じた処理を行う(ステップS16)。
【0039】
以下、電子キャッシュレジスタ1におけるオペレータの入力処理を、電子キャッシュレジスタ1の動作モードのうち、売上登録処理を例に説明する。すなわち、メイン項目ボタン100cの「登録」が選択され、「登録」のサブ項目ボタン100eの「売上」が選択された場合に、ステップS16において実行される動作モードについて説明する。
【0040】
図5は、売上登録処理の動作を示す流れ図である。図6は、売上登録画面110の表示例を示す図である。まず、売上登録処理が選択されると、制御部10は、オペレータディスプレイ20に売上登録画面110を表示させる(ステップS21)。
【0041】
売上登録画面110は、電子キャッシュレジスタ1の動作モードのうち、売上登録処理における入力画面である。図6に示すように、売上登録画面110には、仮表示欄120、ガイダンス表示欄130および確定表示欄140が設けられている。言い換えると、オペレータディスプレイ20の画面領域が、仮表示欄120、ガイダンス表示欄130および確定表示欄140にそれぞれ割り当てられている。
【0042】
仮表示欄120とは、オペレータが入力した入力情報(文字)を、一旦表示しておくために設けられるエリアである。したがって、ステップS21が主に本発明における第1表示工程に相当する。
【0043】
ガイダンス表示欄130とは、オペレータに入力促進メッセージなどの操作案内を表示するエリアであり、仮表示欄120の近傍のエリアが割り当てられている。オペレータはガイダンス表示欄130を確認することにより、どのような操作を行うべきかを判断することができる。また、詳細は後述するが、仮表示欄120は、オペレータが注視するエリアであるので、この近傍にガイダンス表示欄130を設けて、オペレータに対するガイダンスを表示することによって、オペレータの誤操作を抑制することができる。
【0044】
確定表示欄140とは、確定登録された情報(主に入力情報)を表示するために設けられるエリアである。売上登録処理では、複数の購入商品が登録される可能性があるので、図6に示すように、複数の確定表示欄140が設けられている。すなわち、それぞれの確定表示欄140に表示領域が割り当てられている。
【0045】
また、売上登録画面110には、カーソル指定ボタン150が設けられている。カーソル指定ボタン150は、仮表示欄120に表示されている入力情報を、最終的に表示する確定表示欄140を指定するために使用されるソフトキーである。オペレータディスプレイ20は、先述のようにタッチパネル式なので、カーソル指定ボタン150が表示されている領域にオペレータが触れることによって、カーソル指定ボタン150を操作することが可能である。なお、カーソル指定ボタン150と同様の機能を有するハードキーがキーボード22に設けられていてもよい。
【0046】
売上登録処理が開始されることによって売上登録画面110が表示されると、制御部10は、入力情報、確定指示および終了指示を監視しつつ待機する(ステップS22,S24,S26)。なお、入力情報、確定指示および終了指示は、キーボード22の特定のキーに割り当てられており、不適切なキーが操作された場合は、その旨がガイダンス表示欄130に表示される。
【0047】
図5には示していないが、オペレータは、入力情報を入力する前に、カーソル指定ボタン150を操作することにより、これから入力する入力情報を最終的に表示する確定表示欄140を予め指定することが可能とされている。すなわち、レコードを指定することが可能である。これにより、数値の誤入力と入力位置の誤りを抑制することができる。なお、本実施の形態におけるカーソル指定ボタン150は、レコードを指定する機能のみ備えているが、レコード内の項目を指定する機能をさらに備えていてもよい。
【0048】
図6に示す例では、複数の確定表示欄140のうち最も上方に表示されている確定表示欄140の色が、他の確定表示欄140と異なるように装飾されている。これにより、オペレータは、指定されている確定表示欄140がいずれであるかを容易に識別することができる。なお、指定されている確定表示欄140を変更したい場合は、カーソル指定ボタン150を再度操作すればよい。
【0049】
オペレータから入力情報が入力されると(ステップS22においてYes)、入力情報を仮表示欄120に表示する(ステップS23)。また、仮表示欄120に入力情報が表示されている状況で、確定指示があると(ステップS24においてYes)、仮表示欄120に表示されている入力情報を確定表示欄140に表示する(ステップS25)。
【0050】
図7ないし図12は、売上登録処理における売上登録画面110の表示例を示す図である。まず、売上登録処理において、オペレータは、キーボード22の数字キーを操作して、購入された商品の「個数」を入力する。ここで示す例では「2」キーが操作され、個数として「2」が入力されている。電子キャッシュレジスタ1は、入力された「2」という数字を入力情報として受け付け、ステップS23を実行することにより、図7に示すように、仮表示欄120に一旦表示する。すなわち、ステップS23が主に本発明における第2表示工程に相当する。
【0051】
仮表示欄120に表示された時点では、入力情報「2」は、売上演算するための「個数」として有効な情報とは扱われない。すなわち、この時点において、仮表示欄120に表示されている入力情報「2」は、置数として扱われる。
【0052】
オペレータは仮表示欄120を視認することによって、入力した個数に誤りがないかを確認し、誤りがなければ確定指示を与える。ここに示す例では個数の確定指示は「×」が入力されることにより行う。すなわち、キーボード22の「×」キーが操作されると、制御部10は、確定指示がされたと判断し、ステップS25を実行して、仮表示欄120に表示している「2」という入力情報を、図8に示すように、指定されている(他と異なる装飾がされている)確定表示欄140に表示する。すなわち、ステップS25が主に本発明における第3表示工程に相当する。
【0053】
このように、確定指示がされ、入力情報が確定表示欄140に表示されることにより、入力情報「2」は、以後の演算において個数「2」として有効となる。なお、仮表示欄120に表示している入力情報を確定表示欄140に表示させた場合には、仮表示欄120に表示していた入力情報の表示は消去する。以後の処理においても同様である。
【0054】
個数の入力が終了すると、オペレータは購入商品の単価を入力情報として入力する。ここに示す例では「210」が入力される。この入力情報「210」も、再びステップS23が実行されることによって、図9に示すように、一旦仮表示欄120に表示される。
【0055】
オペレータは仮表示欄120を視認することによって、入力した単価が間違っていないか否かを確認し、誤りがなければ確定指示を与える。ここに示す例では単価の確定指示は「金額」が入力されることにより行う。すなわち、キーボード22の「金額」キーが操作されると、制御部10は、確定指示がされたと判断し、再びステップS25を実行して、仮表示欄120に表示している入力情報「210」を、図10に示すように確定表示欄140に表示する。
【0056】
次に、オペレータは購入商品の商品名を入力情報として入力する。ここで示す例では、商品名は部門コード「101」が入力される。この入力情報「101」も、再びステップS23が実行されることによって、図11に示すように、一旦仮表示欄120に表示される。
【0057】
オペレータは仮表示欄120を視認することによって、入力した部門コードに誤りがないかを確認し、誤りがなければ確定指示を与える。ここに示す例では商品名の確定指示は「部門」が入力されることにより行われる。すなわち、キーボード22の「部門」キーが操作されると、制御部10は、確定指示がされたと判断し、再びステップS25を実行して、仮表示欄120に表示している入力情報「101」に基づいて、図12に示すように確定表示欄140に商品名「○○牛乳1000ml」を表示する。
【0058】
このように、仮表示欄120に表示されている入力情報(部門コード「101」)を直接確定表示欄140に表示するのではなく、入力情報に関連づけられた情報(商品名「○○牛乳1000ml」)を確定表示欄140に表示するようにしてもよい。
【0059】
また、図12に示すように、1つの入力情報につき複数の確定表示欄140の項目が対応していてもよい。ここに示す例では、「部門」キーが操作されることによって、「消費税」の数値が確定表示されている。
【0060】
すべての購入商品について売上登録の入力情報が確定すると、オペレータは終了指示を入力する。ここに示す例では、「精算」キーが操作されることによって終了指示がされる。終了指示がされると、制御部10は、すべての入力情報を売上登録し(ステップS27)、精算処理を行う(ステップS28)。
【0061】
詳細は図示しないが、精算処理においても、ステップS22ないしS26に相当する処理が行われる。
【0062】
図13ないし図15は、精算処理において表示される精算画面111の表示例を示す図である。精算画面111において、売上登録画面110とほぼ同じ位置(エリア)に仮表示欄120およびガイダンス表示欄130が割り当てられている。すなわち、画面が動作モードに応じて切り替えられた場合でも、仮表示欄120とガイダンス表示欄130とは、ともにほぼ同じ位置に表示される。
【0063】
ただし、精算処理でオペレータが入力する入力情報は、顧客からの「預り金」のみである。したがって、精算画面111における確定表示欄140は1つしかなく、指定する必要がないので、カーソル指定ボタン150は設けられていない。
【0064】
精算処理では、まず、ステップS27において登録された情報に基づいて、図13に示すように、「合計」および「残金」が表示される。ここで、オペレータが顧客から支払いを受けると、オペレータはキーボード22を操作して、預かり金額を入力する。ここで示す例では、3000円を預かり、キーボード22から入力情報「3000」が入力されている。
【0065】
この入力情報「3000」は、図14に示すように、一旦、仮表示欄120に表示される。この時点では、入力情報「3000」は、確定指示されていないので、「つり銭」等は計算されず、表示もされない。すなわち、入力情報「3000」は置数として扱われる。
【0066】
入力情報が仮表示欄120に表示されると、オペレータは仮表示欄120を視認することにより金額が正しく入力されたか否かを確認する。先述のように、仮表示欄120は、精算画面111において、売上登録画面110とほぼ同じ位置に表示されている。したがって、オペレータは、売上登録画面110が精算画面111に切り替わっても、自らが入力した入力情報がどこに表示されるかを探す必要がなく、迅速に入力情報を確認することができる。
【0067】
金額が正しく入力されていれば、オペレータは確定指示を行う。この確定指示によって、図15に示すように、仮表示欄120に表示されていた入力情報「3000」が、確定表示欄140に表示され、仮表示欄120の入力情報「3000」は消去される。
【0068】
さらに、この確定指示によって、入力情報が有効となる(すなわち、預かり金が数値登録される)ので、電子キャッシュレジスタ1の制御部10は、預かり金額と合計金額とに基づいて、つり銭を計算し表示する。また、売上登録処理において登録された情報に基づいて、レシートプリンタ24がレシートを印刷する。
【0069】
オペレータは、精算画面111に表示されたつり銭の金額を確認して、顧客につり銭とレシートを渡すとともに、売上登録処理を終了する指示を入力する。これにより、電子キャッシュレジスタ1は、売上登録処理を終了して図3に示す処理に戻る。
【0070】
以上が、売上登録処理の説明であるが、他の動作モードにおいて表示される入力画面についても以下にいくつかの例を示す。
【0071】
図16は、入金登録画面112の例を示す図である。入金登録画面112は、電子キャッシュレジスタ1の動作モードのうち、入金登録処理が選択された場合に表示される入力画面である。入金登録処理は、メイン項目ボタン100cの「登録」が選択され、「登録」のサブ項目ボタン100eの「入金」が選択された場合に実行される。入金登録画面112には、売上登録画面110とほぼ同じ位置に、仮表示欄120およびガイダンス表示欄130が設けられている。
【0072】
図17は、出金登録画面113の例を示す図である。出金登録画面113は、電子キャッシュレジスタ1の動作モードのうち、出金登録処理が選択された場合に表示される入力画面である。出金登録処理は、メイン項目ボタン100cの「登録」が選択され、「登録」のサブ項目ボタン100eの「出金」が選択された場合に実行される。出金登録画面113には、売上登録画面110とほぼ同じ位置に、仮表示欄120およびガイダンス表示欄130が設けられている。
【0073】
図18は、ポイント加減算登録画面114の例を示す図である。ポイント加減算登録画面114は、電子キャッシュレジスタ1の動作モードのうち、ポイント加減算登録処理が選択された場合に表示される入力画面である。ポイント加減算登録処理は、メイン項目ボタン100cの「登録」が選択され、「登録」のサブ項目ボタン100eの「ポイント加減算」が選択された場合に実行される。ポイント加減算登録画面114には、売上登録画面110とほぼ同じ位置に、仮表示欄120およびガイダンス表示欄130が設けられている。
【0074】
以上のように、本実施の形態における電子キャッシュレジスタ1は、複数の動作モードに応じた複数の画面をそれぞれ切替つつ、複数の画面のほぼ同じ位置に仮表示欄120を表示することにより、画面が切り替わっても仮表示欄120の表示位置が変わらない。したがって、オペレータは、画面上の注視すべき位置が動作モードに応じて変化しないので、入力情報が画面上のどこに表示されているかを容易に理解することができ、入力情報の確認が容易にできる。
【0075】
電子キャッシュレジスタ1は、動作モードに応じて、様々な情報が要求され、一度に表示しなければならない情報は画面ごとに異なる。したがって、確定表示欄140の数、形状、位置および大きさ等は画面ごとに様々である。しかし、入力情報を一旦表示しておく仮表示欄120については、画面ごとに共通としておくことにより、オペレータの負担を軽減させることができる。すなわち、電子キャッシュレジスタ1のユーザインタフェースが向上する。
【0076】
<2. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0077】
例えば、上記実施の形態に示した動作順序や動作モードの種類は例示であって、他の順序および動作モードが採用されてもよい。
【0078】
また、上記実施の形態においては、入力情報として「数字」が入力される場合のみ説明したが、入力情報は「数字」以外の文字であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係る電子キャッシュレジスタ1の外観斜視図である。
【図2】電子キャッシュレジスタの接続を示すブロック図である。
【図3】電子キャッシュレジスタの動作を示す流れ図である。
【図4】メニュー画面の表示例を示す図である。
【図5】売上登録処理の動作を示す流れ図である。
【図6】売上登録画面の表示例を示す図である。
【図7】売上登録処理における売上登録画面の表示例を示す図である。
【図8】売上登録処理における売上登録画面の表示例を示す図である。
【図9】売上登録処理における売上登録画面の表示例を示す図である。
【図10】売上登録処理における売上登録画面の表示例を示す図である。
【図11】売上登録処理における売上登録画面の表示例を示す図である。
【図12】売上登録処理における売上登録画面の表示例を示す図である。
【図13】精算処理において表示される精算画面の表示例を示す図である。
【図14】精算処理において表示される精算画面の表示例を示す図である。
【図15】精算処理において表示される精算画面の表示例を示す図である。
【図16】入金登録画面の例を示す図である。
【図17】出金登録画面の例を示す図である。
【図18】ポイント加減算登録画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1 電子キャッシュレジスタ
10 制御部
110 売上登録画面
111 精算画面
112 入金登録画面
113 出金登録画面
114 ポイント加減算登録画面
120 仮表示欄
130 ガイダンス表示欄
140 確定表示欄
150 カーソル指定ボタン
14 プログラム
20 オペレータディスプレイ
21 カスタマディスプレイ
22 キーボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客によって購入される少なくとも1の購入商品の個々の代金に基づいて、前記顧客に対する請求金額を出力する電子キャッシュレジスタであって、
複数の動作モードに応じた複数の画面をそれぞれ切替つつ、前記複数の画面のほぼ同じ位置に仮表示欄を表示する表示手段と、
オペレータからの入力を受け付ける入力手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記入力手段によって受け付けた入力情報を、一旦、前記仮表示欄に表示してから確定表示欄に表示することを特徴とする電子キャッシュレジスタ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子キャッシュレジスタであって、
前記入力手段が、
数字を入力するための置数キーを有し、
前記入力情報は、前記置数キーにより入力されることを特徴とする電子キャッシュレジスタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子キャッシュレジスタであって、
前記入力手段が、
前記仮表示欄に表示されている入力情報を最終的に表示する確定表示欄を指定する指定キーを有することを特徴とする電子キャッシュレジスタ。
【請求項4】
請求項1または2に記載の電子キャッシュレジスタであって、
前記表示手段は、前記仮表示欄に表示されている入力情報が最終的に表示される確定表示欄を他の表示欄と異なる装飾で表示することを特徴とする電子キャッシュレジスタ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の電子キャッシュレジスタであって、
前記入力手段が、
前記表示手段の画面と対応したタッチパネルを備えることを特徴とする電子キャッシュレジスタ。
【請求項6】
コンピュータによる読み取り可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータを、顧客によって購入される少なくとも1の購入商品の個々の代金に基づいて、前記顧客に対する請求金額を出力する電子キャッシュレジスタとして機能させるとともに、前記コンピュータに、
複数の動作モードに応じた複数の画面をそれぞれ切替つつ、前記複数の画面のほぼ同じ位置に仮表示欄を表示する第1表示工程と、
オペレータからの入力を受け付ける入力工程と、
前記入力工程において受け付けた入力情報を、一旦、前記仮表示欄に表示する第2表示工程と、
前記仮表示欄に表示している入力情報を確定表示欄に表示する第3表示工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−244345(P2006−244345A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−62151(P2005−62151)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】