電子システム及びプログラム
【課題】車両の現在の燃料の消費状況をリアルタイムでユーザーに実感せしめるように表示させることのできる電子システム及びプログラムを提供すること。
【解決手段】
燃費表示装置のディスプレイ部14にメスシリンダー図柄31内に燃料消費に伴って雫図柄32が流下して液面が上昇していく変動画像を表示させる。流下数と液面の上昇速度は燃料消費に応じて変化する。メスシリンダー図柄31が満タンとなると、つまり所定量の燃料所費があるとカラの初期状態とされ、よりスケール単位の大きなタンク図柄33にそのメスシリンダー図柄31の変動分の液面上昇をさせる変動画像を表示させる。一回の運転が終了するとメスシリンダー図柄31及びタンク図柄33はすべてクリアされ、その回の消費燃料分を併せた積算燃料消費量は積層図柄36の変動画像として次回の運転時に反映される。
【解決手段】
燃費表示装置のディスプレイ部14にメスシリンダー図柄31内に燃料消費に伴って雫図柄32が流下して液面が上昇していく変動画像を表示させる。流下数と液面の上昇速度は燃料消費に応じて変化する。メスシリンダー図柄31が満タンとなると、つまり所定量の燃料所費があるとカラの初期状態とされ、よりスケール単位の大きなタンク図柄33にそのメスシリンダー図柄31の変動分の液面上昇をさせる変動画像を表示させる。一回の運転が終了するとメスシリンダー図柄31及びタンク図柄33はすべてクリアされ、その回の消費燃料分を併せた積算燃料消費量は積層図柄36の変動画像として次回の運転時に反映される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示手段に対して車両の現在の燃料の消費状況を変動表示させることのできる電子システム及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エネルギー源としては現在化石燃料が主流である。しかし、化石燃料の埋蔵量に限界があることや、排出されるCO2による温室効果や窒素酸化物による大気汚染の影響が問題視されていることなどから化石燃料の使用量をより削減することが求められている。そのため、ガソリン、軽油、天然ガス等をエネルギー源としている車両においても、より燃費(燃料消費率)のよいエンジンを搭載したり、よりきれいな排気ガスを排出させるような種々の改良がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−298491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、ユーザー側はそれほどの燃料の消費量についての意識は高くない。漠然としたイメージとしては運転する車両について燃費がよく、排気ガスもクリーンであることを望んではいるものの、一般にそのような意識を運転に反映させて実践しているとは言い難い。つまり、積極的に燃料の消費量が少ないエコロジカルな運転をしているというわけではない。その理由の1つは実際に燃料がどのくらいリアルタイムで消費されているか実感できないからである。
もちろん、車両には燃料メータが装着されているため、ある程度はそのメータの位置で燃料の減り具合はわかるものではあるが、基本的に燃料メータは燃料切れを防止するための報知装置であり、その情報からリアルタイムでの燃料の消費量や自身の運転の仕方でリアルタイムでの燃料の消費量が変わってくることが実感できるわけではない。
また、近年の車両では平均燃費や瞬間燃費を数値としてディスプレイに表示させる機種もある。これを特許文献1に示す。しかし、特許文献1はユーザーに燃料をどれだけ消費したかを想起させる情報ではない。例えば、「ああ、こんなにガソリンを使ってしまった。なんてもったいない」と実感させるような情報手段ではない。
そのため、車両を運転する際にリアルタイムで燃料消費状況をユーザーに実感せしめるための機器が求められていた。
本発明は上記問題を解消するためになされたものであり、その目的は、車両の現在の燃料の消費状況をリアルタイムでユーザーに実感せしめるように表示させることのできる電子システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1の手段では、車両から取得する燃料消費に関する情報に基づき燃料の消費速度に対応した速度で表示手段に対して現在の燃料の消費状況を変動表示させる制御手段を備えたことをその要旨とする。
このような構成であれば、制御手段は車両から取得した燃費に関する情報に基づいて燃料の消費速度を算出し、その燃料の消費速度に対応させて表示手段に現在の燃料の消費状況を変動表示させることができ、ユーザーは表示手段に表示される変動表示を目視することでリアルタイムで実際に消費している燃料がどれくらいなのかを実感することができる。その結果、ユーザーは例えば急加速や高回転でのエンジン負荷の大きな運転では燃料の消費が多くなることを実感できることとなり、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。
【0006】
ここに「表示手段」とは動画、静止画が表示されるディスプレイ部を備えた例えば有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイが想定される。
また、「車両から取得する燃料消費に関する情報」とは、例えば、車両の速度、インジェクション噴射時間、点火タイミング、吸入空気量、吸入空気温度、水温、空燃費補正係数、バッテリー電圧、残燃料量、流量計からの流量パルス、給油量、エンジン回転数、スロットル開度(アクセル開度)、スロットルセンサ電圧、エアフロ電圧、ブースト圧等が挙げられる。「燃料」とはガソリン、軽油、天然ガスのような化石燃料由来の燃料の他にアルコールのようなバイオ燃料も含む概念である。
これら情報は車両に設置が義務付けられているODB−II(On-Board Diagnostic System Stage2)用の車両診断用コネクタに端子が設けられているKラインやCAN(Controller Area Network)から一般に取得できる。但し、車両において車両診断用コネクタ以外からのデータ入手手段があればそれを利用することも自由である。
ここに、「電子システム」としては例えば燃費表示装置、レーダー探知装置やナビゲーション装置等の筐体を備えた電子機器が挙げられる。また、表示手段は電子システム側の制御手段と一体化していてもよく、別体化してデータを無線あるいは有線で制御手段から出力されるような単独の表示手段として存在しても構わない。また、電子システムは必ずしも車両内に設置される必要はない。例えば制御手段を含む筐体が車両外に設置され、車両情報を無線で受信して車両内に配置された表示手段に現在の燃料の消費状況を変動表示させるように制御することも可能である。また、制御手段のすべてが車両中になければならないわけではなく、その一部が車両外(例えばサーバー等)に存在してもよい。
【0007】
第2の手段では第1の手段に加えて、前記表示手段を備えるとともに、前記制御手段は車両に備え、前記表示手段は、前記車両内の運転者から視認可能な位置に配置されることをその要旨とする。
表示手段は別体で構成することも可能であったが、少なくとも電子システムの本体に制御手段とともに車両に搭載されることが取り扱い上有利である。ここに車両に搭載する場合には制御手段が配設されている電子システム本体の筐体内に表示手段が配設される場合と、表示手段を電子システム本体とは別体で車両内に配置し制御手段とは無線あるいはケーブル等の有線化によって接続する場合の両方を含むものである。
【0008】
第3の手段では第1又は第2の手段に加えて、前記変動表示は前記燃料消費に応じてオブジェクトが移動、出現又は消失する表示であることをその要旨とする。
これは、表示手段での変動表示をより具体化した構成である。燃料消費に応じて所定の単数あるいは複数のオブジェクトが上下方向や左右方向に移動していき、表示画面から退場するような表示や、画面上に出現したり逆に画面に存在しているオブジェクトが消失するような表示等が想定できる。これらをユーザーに目視させることで「燃料が現在消費されている」というイメージを強く与え燃料を消費していることをより実感させることができる。オブジェクトは例えば図柄によって構成することが好ましい。以下の各手段においても同様である。
第4の手段では第3の手段に加えて、前記オブジェクトは液体のイメージのオブジェクト(以下、液体オブジェクト)であって、前記変動表示は前記燃料消費に応じて前記液体オブジェクトが流下する表示であることをその要旨とする。
これは、表示手段での変動表示をより具体化した構成である。このように表示態様として液体が流下するかのような変動画像を表示手段のディスプレイ部に表示させることでユーザーに「燃料が現在消費されている」というイメージを強く与えることとなり燃料を消費していることをより実感できるからである。
ここに「変動表示」とはアニメーションのように滑らかで秒単位で動作するような表示のみならず、光点の点灯のみで表現されるような単純でなおかつ秒単位のみならず分単位や時間単位でゆっくりと動作するような動作するような表示をも含む意である。
【0009】
第5の手段では第4の手段に加えて、前記制御手段は容器のイメージのオブジェクト(以下、容器オブジェクト)を前記表示手段に表示させるとともに、前記変動表示は前記燃料消費に応じて液体オブジェクトが前記容器オブジェクト内に流下して液面が上昇していく表示又は液体オブジェクトが前記容器オブジェクトから流出して前記容器オブジェクト内の液面が下降していく表示であることをその要旨とする。
これも、表示手段での変動表示をより具体化した構成である。このように表示態様として容器内に液体が流下して液面が上昇していく変動画像、逆に容器内から液体が流出して液面が下降していく変動画像のいずれかを表示手段のディスプレイ部に表示させることでユーザーにあたかも「燃料が現在消費されている」というイメージを強く与えることとなり燃料を消費していることをより実感させることができ、無駄に燃料を消費するような運転を控えるような傾向となる。
【0010】
第6の手段では第5の手段に加えて、前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両のエンジンのアイドリング状態において分レベルで消費される量に対応させた速度であることをその要旨とする。
つまり、アイドリング状態という駆動しているエンジンの最も燃料消費の少ない状態でもあっても分レベルで容器がカラの状態からいっぱいになる、あるいはいっぱいの状態からカラになるように液面が移動するような変動表示をさせるようにしたため、実際に車両が動いていない場合であっても燃料が消費されていることを実感させることができ、無駄に燃料を消費するような運転を控えるような傾向となる。
ここに「分レベル」とは1分〜60分であり、その分レベルで容器内の液面がカラ状態といっぱいの状態を繰り返す動作を行わせることが燃料を消費している強いイメージを与えることとなる。一方、繰り返しのタイミングを数秒レベルのようにあまり短時間に設定することはめまぐるしく液面が上下動している状態を表示することとなり、特に高負荷状態で燃料消費の多い状態ではユーザーは液面の上下動とは認識しにくくなるケースもある。一方、分レベルとはいえエンジン始動から停止まで比較的短時間のケースもあるため数十分レベルであると一回も液面の上下を繰り返さないという場合もありうる。そのため、ここでの分レベルとしては1〜10分(数分)程度が好ましい。
【0011】
第7の手段では第5又は第6の手段に加えて、前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両の最高燃料流量で秒レベルで消費される量に対応させた速度であることをその要旨とする。
つまり、最高燃料流量では最も燃料が消費されており燃料の消費速度が最も大きい状態である。この最も燃料が消費されている状態で液面の上下動を認識できるのであれば、通常の運転状態では液面の上下動は同じ秒単位でもより緩やかな挙動で変動させられることとなるため、結果としてユーザーはどのような運転状況でも確実に液面の上下動を視認することが可能となる。
ここに「秒レベル」とは1秒〜60秒であり、その秒レベルで容器内の液面がカラ状態といっぱいの状態を繰り返す動作を一回の運転中で行わせることが燃料を消費している強いイメージを与えることとなる。あまり、短い秒数ではユーザーは液面の上下動とは認識しにくくなるケースもある。そのため、ここでの秒レベルとして好ましいのは3〜10秒(数秒)程度が好ましい。
【0012】
第8の手段では第4〜第7のいずれかの手段に加えて、前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両の平均燃費又は平均燃料流量に基づいて決定した速度であることをその要旨とする。
このように平均燃費又は平均燃料流量に基づけば大体どのくらいの速度で燃料が消費されるかが把握できるため、その情報に基づいて妥当な一回の液面の妥当な上下動の速度を設定することが容易となる。例えば、平均燃料流量が分速120ml(ミリリットル)であるとすると、容器の上下動間隔を240mlとすればちょうど平均2分で一回の上下動が完了することとなる。容器の上下長さにもよるが2分ならばユーザーは液面の上下動を認識するのにもちょうどよい程度の時間となる。制御手段はあらかじめ妥当な所定の時間で一回の上下動が完了するように液面の変動量を設定する。つまり一回の上下動時間を一定と考え、平均燃費又は平均燃料流量から容器の容量を計算することができる。
ここに「当該車両の平均燃費又は平均燃料流量に基づいて決定する」とは直接または間接に、車両またはユーザーから取得した情報に基づいて決定するとよく、例えばその車種の平均燃費又は平均燃料流量から最適な変動タイミングを選択してもよく、ユーザーが適宜平均燃費又は平均燃料流量を入力するようにしてもよい。
【0013】
第9の手段で第4〜第8のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つに変化がある場合にその変化に応じて前記液体オブジェクトの表示態様を他の種類の表示態様に変更させることをその要旨とする。
これによって、燃料消費の増減に影響のある運転状況の変化があった場合に速やかに液体オブジェクトの表示態様が変更されるため、ユーザーは無駄な燃料消費につながるような運転を自重したり、より燃費のよい運転に心掛けるようになる。ここに「他の種類の表示態様への変更」とは、例えば、燃料消費の少ないアイドリング状態では液体オブジェクトである雫オブジェクトがまばらに落ち、燃料消費の多い状態では雫オブジェクトが大量に落ちるように数の違いで表示させるとか、小粒と大粒というような大きさの違いで表示させるような場合が考えられる。また、色の違いや、形状の違いと言った変化でも構わない。
【0014】
第10の手段では第4〜第9のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は、アイドリング時における前記液体オブジェクトの表示態様を平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動可能とするとともに、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更可能としたことを特徴とすることをその要旨とする。
このような構成であると、アイドリング時における液体オブジェクトの表示態様が平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動する場合に、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更することで車種に応じた最適な変動パターンを設定することができる。ここに「単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量」とはあるオブジェクトの一定の変化量に対応する一定時間内の燃料流量である。
これによって次のような対応が可能である。例えばある車種Aで非常に燃費が良い場合があるとする。デフォルトで設定された単位変化量ではアイドリング時に燃料流量aml(ミリリットル)で3秒に1つの雫が流下する変動表示をさせるものとすると、この車種Aでは非常にゆっくりとしたタイミングで(例えば30秒とか)1つの雫が流下する変動表示になってしまう可能性がある。それでは変動表示としてあまりに遅すぎるため、その場合には1つの雫が流下することに対応する燃料流量をもっと少なく設定することで燃費が良い車種に対応させるようにするものである。「単位変化量」は下記実施の形態では
取得燃料流量Bpが相当する。
ここに「単位変化量」の変更方法としては制御手段がその車種の平均燃費又は平均燃料流量から最適な変動タイミングを選択してもよく、ユーザーが適宜入力するようにしてもよい。
【0015】
第11の手段では第4〜第10のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は、最大燃料流量時における前記液体オブジェクトの表示態様を平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動可能とするとともに、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更可能としたことを特徴とすることをその要旨とする。
このような構成であると、最大燃料流量時における液体オブジェクトの表示態様が平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動する際に、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更することで車種に応じた最適な変動パターンを設定することができる。「単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量」の定義は上記の通りである。
これによって次のような対応が可能である。例えばある車種Bで非常に燃費が悪い場合があるとする。デフォルトで設定された単位変化量では最大燃料流量時に燃料流量bml(ミリリットル)で1秒に1つの雫が流下する変動表示をさせたとすると、この車種Bでは非常に早いタイミングで(例えば0.1秒とか)1つの雫が流下する変動表示になってしまう場合がある。それでは変動表示としてあまりに早すぎるため、その場合には1つの雫が流下することに対応する燃料流量をもっと多く設定することで燃費が良い車種に対応させるようにするものである。
ここに「単位変化量」の変更方法としては制御手段がその車種の平均燃費又は平均燃料流量から最適な変動タイミングを選択してもよく、ユーザーが適宜入力するようにしてもよい。
また、ここで設定は最大燃料流量側だけではなく、最小燃料流量(つまりアイドリング時)も同時に設定することが好ましい。最大燃料流量と最小燃料流量の間の変動パターンの変動表示特性はリニア的(一次関数)でもよく、曲線的(高次関数)でもよい。
【0016】
第12の手段では第4〜第11のいずれかの手段に加えて、前記燃料の消費速度に対応した速度はエンジンが停止中には前記オブジェクトを変動表示させず、エンジンが駆動中において変動表示させることをその要旨とする。
これによって燃料消費を伴わない場合には液体オブジェクトを変動させず、燃料を消費しているエンジンの駆動中にのみ液体オブジェクトを変動させるようにしているため、液体オブジェクトの変動からエンジンの駆動=燃料の消費であるとしてユーザーに燃料を消費していることを視覚を通じてよく自覚させることになる。ここに、エンジンが駆動中でもっとも燃料消費の少ない状態がアイドリング状態であるため、ここではアイドリング状態以上で液体オブジェクトを変動させるようにしていると解釈することも可能である。
また、液体オブジェクトを変動させる際に所定範囲の瞬間消費燃料と雫オブジェクトの数を割り付け、ある範囲の瞬間消費燃料に応じた数の液体オブジェクトを表示させるようにしてもよい。そして、その割りつける雫オブジェクトの数は車両の平均燃費又は平均燃料流量に応じて変更可能とすることが好ましい。割りつける場合には制御手段がその車種の平均燃費又は平均燃料流量から適宜雫オブジェクトの数を割りつけてもよく、ユーザーが自ら入力するようにしてもよい。
【0017】
第13の手段では第1〜第12のいずれかの手段に加えて、前記変動表示として、燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動する複数の異なるスケールのイメージのオブジェクト(以下、スケールオブジェクト)を表示させることをその要旨とする。
これによって、画面に複数の異なるスケール単位のスケールオブジェクトが表示されるため、ユーザーは運転中に例えば比較的短時間で変動するスケールオブジェクトから、よりゆったりとした変動のスケールオブジェクトまでを同時に目視することができ、状況に応じた燃料消費の情報を得ることができる。
【0018】
第14の手段では第13の手段に加えて、前記複数の異なるスケールオブジェクトとして、当該スケールが車両のエンジンのアイドリング状態において分レベルで当該スケールオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになるスケールオブジェクト、当該スケールが1回のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量に相当するスケールのスケールオブジェクト、当該スケールが車両の燃料タンクの容量に相当するスケールのスケールオブジェクト、当該スケールが車両の生涯燃量消費量に相当するスケールのオブジェクトの少なくともいずれか2つを有することをその要旨とする。
これにユーザーは異なるスケール単位の4種類の重要な燃料消費情報のうちの少なくとも2種類以上を同時に得ることができ、どのような消費状況や消費傾向にあるかを把握しやすくなる。
ここに「1回のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量に相当するスケールのスケールオブジェクト」とはエンジン始動から停止までの1回のサイクルが比較的短い場合の走行距離に相当する燃料消費量などが挙げられ、例えば会社への通勤、郊外のショッピングモールへの買い物、子供の送り迎え等の5〜20km程度の距離の燃料消費量が相当する。
【0019】
第15の手段では第13又は第14の手段に加えて、前記複数の異なるスケールオブジェクトのうち、スケール単位の小さなオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになった際に、スケール単位のより大きなオブジェクトにそのいっぱいになったまたはカラになった容量分の変動表示をもたらすことをその要旨とする。
つまり、あるスケール単位の小さなオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになることを受けてその容量に応じてスケール単位のより大きなオブジェクトが所定の変動表示を行うことである。
これによって、スケール単位の小さなオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示はスケール単位のより大きなオブジェクトに変動分が表示されるため、スケール単位の小さなオブジェクトでリアルタイムの消費状況を把握できるとともに、スケール単位のより大きなオブジェクトである期間における通算燃料消費も把握できることとなる。
【0020】
第16の手段では第13又は第14のいずれかの手段に加えて、前記複数の異なるスケールオブジェクトを燃料の消費に連動して同時に増加又は減少のいずれかの方向に変動表示させることをその要旨とする。
つまり、燃料の消費に伴って複数の異なるスケールオブジェクトがスケール単位は違っていても同時に変動することである。そのため、各スケールオブジェクトの変動速度は自然と異なるものとなる。
【0021】
第17の手段では第1〜第12のいずれか手段に加えて、前記変動表示として、燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動する 第1のスケールのイメージのオブジェクト(以下、スケールオブジェクト)を表示させることをその要旨とする。
これは、表示手段での変動表示をより具体化した構成である。このように表示態様として燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動するようなスケールの変動画像を表示手段のディスプレイ部に表示させることでユーザーにあたかも「燃料が現在このようなレベルで消費されている」という量的な消費イメージを量的に与えることとなり燃料を消費していることをより実感できるからである。
ここに「第1のスケールオブジェクト」の形状は増加又は減少のいずれかの方向に変動が量的なものであれば特に形状は限らない。棒グラフのような明らかなスケール形状、ヤカン、ビーカー、ポリタンク、樽等の容器を模した形状でもよい。また、ドットの点灯数で示すようにしてもよい。また、第1のスケールの容量や第1のスケール内の現在の容量について変動画像と併せて数値で表示するようにしてもよい。
【0022】
第18の手段では第5〜第13、第17のいずれかの手段に加えて、前記第1のスケールオブジェクトは容器オブジェクトであることをその要旨とする。
上記容器オブジェクトがこのような量的なスケールを意味するものであれば、ユーザーに燃料を消費していることをより実感させることができる。
【0023】
第19の手段では第17又は第18のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は、前記第1のスケールオブジェクトを当該オブジェクトの背景色とは異なる色によって着色表示させることをその要旨とする。
これも第1のスケールオブジェクトの視認性をより向上させたものである。
【0024】
第20の手段では第17〜第19のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は、前記表示手段に過去の燃料消費履歴を表示させ、前記第1のスケールオブジェクトを一定の燃料消費に伴って変動開始前の初期表示状態に復帰するように表示させるとともに、前記第1のスケールオブジェクトの初期状態への復帰表示に連動して当回の消費された一定の燃料を過去の燃料消費履歴に積算させて表示させることをその要旨とする。
これによって、ユーザーは第1のスケールオブジェクトが燃料の消費に伴って繰り返し一定の消費量に対応したスケールの増減を繰り返すのを目視することとなるため、運転と燃料消費とが連動していることをよく理解できることとなり、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。更に、第1のスケールオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示は適宜過去の燃料消費履歴に積算されて表示されるため、過去にどの程度消費したかも併せてユーザーは目視することとなり、より運転と燃料消費との関係を理解することとなる。
ここに、「過去の燃料消費履歴」とは直近のエンジン始動から現在までの燃料消費履歴であってもよく、また、本発明の電子システムを車両に取り付けて以来のトータルの燃料消費履歴であってもよく、また、当該車両の走行開始以来のータルの燃料消費履歴であってもよい。過去の燃料消費履歴が当該車両の走行開始以来のトータルの燃料消費履歴である場合は本発明の電子システムを車両に取り付けた際に車両から走行距離データを入手し、それを現在の平均燃費に基づいて使用燃料を算出し、基準となる過去の燃料消費履歴を算出し、それを初期値とすることが考えられる。また、過去の燃料消費履歴の表示態様としては変動画像であってもよく、数値で表示させるようなものであってもよい。
【0025】
第21の手段では第17〜第19のいずれかの手段に加えて、記制御手段は、前記第1のスケールオブジェクトを一定の燃料消費に伴って変動開始前の初期表示状態に復帰するように表示させるとともに、前記表示手段に増加又は減少のいずれかの方向に変動する前記第1のスケールオブジェクトよりもスケール単位の大きな第2のスケールオブジェクトを表示させ、前記第1のスケールオブジェクトが初期表示状態に復帰するように動作すると、その復帰動作に連動して当回の消費された一定の燃料に対応する変動量で前記第2のスケールオブジェクトを表示させることをその要旨とする。
これによって、ユーザーは第1のスケールオブジェクトが燃料の消費に伴って繰り返し一定の消費量に対応したスケールの増減を繰り返すのを目視することとなるため、運転と燃料消費とが連動していることをよく理解できることとなり、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。更に、第1のスケールオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示はスケール単位の大きな第2のスケールオブジェクトに積算されて表示されるため、過去にどの程度消費したかも併せてユーザーは目視することとなり、より運転と燃料消費との関係を理解することとなる。
ここに「第2のスケールオブジェクト」の形状は増加又は減少のいずれかの方向に変動が量的なものであれば特に形状は限らない。棒グラフのような明らかなスケール形状、ヤカン、ビーカー、ポリタンク、樽等の容器を模した形状でもよい。また、ドットの点灯数で示すようにしてもよい。また、第2のスケールの容量や第2のスケール内の現在の容量について変動画像と併せて数値で表示するようにしてもよい。
【0026】
第22の手段では第21の手段に加えて、前記制御手段は、前記表示手段に過去の燃料消費履歴を表示させ、エンジン停止に伴って前記第1及び第2のスケールオブジェクトを変動開始前の初期表示状態に復帰するように動作させるとともに、直近のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量を過去の燃料消費履歴に積算させて表示させることをその要旨とする。
これによって、エンジン始動からエンジン停止までの一回の走行の度ごとに第1及び第2のスケールオブジェクトの変動画像は変動開始前の初期表示状態に復帰させられるため、次のエンジン始動から改めてその回のエンジン停止までの燃料消費量が第1及び第2のスケールオブジェクトを介してユーザーに表示されることとなり、運転毎の燃料消費状態が非常にわかりやくなっている。更に、第1及び第2のスケールオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示は適宜過去の燃料消費履歴に積算されて表示されるため、過去にどの程度消費したかも併せてユーザーは目視することとなり、より運転と燃料消費との関係を理解することとなる。
ここに、「過去の燃料消費履歴」とは本発明の電子システムを車両に取り付けて以来のトータルの燃料消費履歴であってもよく、また、当該車両の走行開始以来のータルの燃料消費履歴であってもよい。また、過去の燃料消費履歴の表示態様としては変動画像であってもよく、数値で表示させるようなものであってもよい。
【0027】
第23の手段では第21の手段に加えて、前記制御手段は、前記制御手段は、前記表示手段に増加又は減少のいずれかの方向に変動する前記第2のスケールオブジェクトよりもスケール単位の大きな第3のスケールオブジェクトを表示させ、エンジン停止に伴って第1及び第2のスケールオブジェクトを変動開始前の初期表示状態に復帰するように動作させるとともに、直近のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量を過去の燃料消費履歴に積算させ、その燃料消費量に対応する変動量で前記第3のスケールオブジェクトを変動表示させることをその要旨とする。
これによって、エンジン始動からエンジン停止までの一回の走行の度ごとに第1及び第2のスケールオブジェクトの変動画像は変動開始前の初期表示状態に復帰させられるため、次のエンジン始動から改めてその回のエンジン停止までの燃料消費量が第1及び第2のスケールオブジェクトを介してユーザーに表示されることとなり、運転毎の燃料消費状態が非常にわかりやくなっている。更に、第1及び第2のスケールオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示はスケール単位の大きな第2のスケールオブジェクトに積算されて表示されるため、過去にどの程度消費したかも併せてユーザーは目視することとなり、より運転と燃料消費との関係を理解することとなる。
ここに「第3のスケールオブジェクト」の形状は増加又は減少のいずれかの方向に変動が量的なものであれば特に形状は限らない。棒グラフのような明かなスケール形状、ヤカン、ビーカー、ポリタンク、樽等の容器を模した形状でもよい。また、ドットの点灯数で示すようにしてもよい。また、第3のスケールの容量や第2のスケール内の現在の容量について変動画像と併せて数値で表示するようにしてもよい。
【0028】
第24の手段では第21〜第23のいずれかの手段に加えて、前記第2のスケールオブジェクトの最大変動量はエンジン始動からエンジン停止までの最大燃料消費量に対応していることをその要旨とする。
エンジン始動からエンジン停止までの最大燃料消費量とは燃料タンク内がいわゆる満タン状態である。あまりに第2のスケールオブジェクトのスケール単位が小さいと第2のスケールオブジェクトの変動が早すぎてしまうため、第2のスケールオブジェクトは十分な消費量に応じたスケール単位であることが望ましいからである。例えば、30〜100リットル(L)程度のスケールが想定される。
第25の手段では第第21〜第24のいずれかの手段に加えて、前記第2のスケールオブジェクトの最大変動量は当該車両の燃料タンク容量に応じて変更されることをその要旨とする。
例えば、トラックのように燃費が悪く、そのかわりに燃料タンク容量が非常に大きな車種もあれば、軽自動車のように燃料タンク容量が比較的小さい車種もある。そのため、適宜車種に応じた妥当なスケール単位とすることが望ましいからである。これは燃料タンク内の満タンを電気的に感知できる車種であればその情報に基づいて制御手段が第2のスケールオブジェクトのスケールを最適に設定することで実現される。また、ユーザーが適宜入力するようにしてもよい。
【0029】
第26の手段では第17〜25のいずれかの手段に加えて、前記変動表示は、前記燃料の消費に連動して面積の増加又は面積の減少のいずれかによって前記第1〜第3の少なくともいずれか1つのスケールオブジェクトを表示させることをその要旨とする。
これは棒グラフの棒の幅を広くしたイメージであり、より第1のスケールオブジェクトの視認性を向上させたものである。
【0030】
第27の手段では第第1〜第26のいずれかの手段に加えて、前記表示手段に今回のエンジン始動時点から現在時点までの消費燃料量を数値情報として前記変動表示とともに表示させることをその要旨とする。
これによって、少なくとも今回のエンジン始動時点から現在時点までの燃料消費量が数値として表示されるため、ユーザーは変動表示というイメージ的な情報とともにより正確な燃料消費に関する情報を併せて入手することができる。
第28の手段では第1〜第27のいずれかの手段に加えて、前記表示手段に燃料流量、瞬間燃費、平均燃費の少なくとも1つの情報を数値として前記変動表示とともに表示させることをその要旨とする。
これによって、少なくとも燃料流量、瞬間燃費、平均燃費の少なくとも1つの情報が数値として表示されるため、ユーザーは変動表示というイメージ的な情報とともにより正確なこれらの燃料消費に関する情報を併せて入手することができる。
第29の手段では第1〜第28のいずれかの手段に記載の電子システムにおける制御手段の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムがその要旨である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ユーザーは表示手段に表示される変動表示を目視することで燃料の消費状況をリアルタイムで把握でき、実際に消費している燃料がどれくらいかを実感することができる。そのため、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明にかかる実施の形態の燃費表示装置の前面側からの斜視図。
【図2】同じ実施の形態の燃費表示装置のメインケーブルに対して接続用アダプタを介して車両診断用コネクタに接続する際の接続構造を説明する説明図。
【図3】車両内に設置されている車両診断用コネクタの正面図。
【図4】実施の形態の電気的構成を説明するブロック図。
【図5】ディスプレイ部の表示の一例を示す説明図。
【図6】ディスプレイ部の表示の一例を示す説明図。
【図7】ディスプレイ部の表示の一例を示す説明図。
【図8】ディスプレイ部の表示の一例を示す説明図。
【図9】所定範囲の平均燃料流量に対応する基準燃料流量における出現する雫オブジェクトを設定するためのROM内に記憶されたテーブル。
【図10】所定範囲の平均燃料流量ごとのメスシリンダーオブジェクトの変動量に対応する燃料消費量を設定するためのROM内に記憶されたテーブル。
【図11】所定範囲の平均燃料流量ごとのタンクオブジェクトの容量を設定するためのROM内に記憶されたテーブル。
【図12】コントローラの処理動作を説明するフローチャート。
【図13】コントローラの処理動作を説明するフローチャート。
【図14】ユーザーがディスプレイ部上のタッチパネルにタッチして燃費表示装置の設定を実行することを説明するためのディスプレイ部の表示の一例を示す説明図。
【図15】他のディスプレイ部の表示の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は電子システム(電子機器)としての燃費表示装置10の外観斜視図である。燃費表示装置10は本体となる略直方体形状の筐体11中に機構が収納されており、車両内において例えばダッシュボード上に取り付け用ブラケット12を介して固定されるようになっている。
筐体11前面(運転者側に向く面)に配置された額縁状の前面枠13内には表示手段の一部をなすディスプレイ部14が露出させられている。本実施の形態ではディスプレイ部14は2.4インチの小型の液晶ディスプレイから構成されている。ディスプレイ部14は入力手段としてのタッチパネルを兼ねている。筐体11側面には記憶媒体としてのSDカードを挿入するためのスロット15が形成されている。筐体11背面(フロントウィンドウ側に向く面)からはメインケーブル17が延出されている。図2に示すように、メインケーブル17の先端には雌型コネクタ18が固着されている。また、筐体11背面には図示しない電源スイッチが形成されている。
図2に示すように、燃費表示装置10は接続用アダプタ21を介して図3に示すような正面形状の車両診断用コネクタ22に接続される。車両診断用コネクタ22は車両内において運転の邪魔にならない所定の位置(車種によって一定ではない)に配設されている。接続用アダプタ21は接続用ケーブル23の両端に雄型コネクタ24と接続用コネクタ25を有している。燃費表示装置10から延出されるメインケーブル17先端の雌型コネクタ18と雄型コネクタ24が連結され、接続用コネクタ25は車両側に設置された車両診断用コネクタ22に接続される。尚、本実施の形態では燃費表示装置10は車両診断用コネクタ22内のIGN信号端子から電源を取得するものとするが、例えばシガーソケットから電源を取得するようなDC電源ジャックを設けるようにすることも可能である。
【0034】
次に、図4のブロック図に基づいて燃費表示装置10の筐体11内部の電気的な構成を説明する。尚、本発明とは直接関係のない構成については省略する。
制御手段としてのコントローラMCには前記ディスプレイ部14及びメモリカードリーダー27がそれぞれ接続されている。
コントローラMCは周知のCPUやROM及びRAM等のメモリ、タイマ等から構成されている。コントローラMCのROM内には車両診断用コネクタ22から出力される各種車両情報を任意に取得し、それら情報に基づいて燃料流量、瞬間燃費、平均燃費、消費燃料、積算使用燃料等の計算を実行する消費燃料等計算プログラムや、算出した結果をディスプレイ部14に表示させる消費燃料等表示プログラム、ディスプレイ部14に所定のオブジェクトを変動表示させる変動表示プログラム、平均燃費又は平均燃料流量の変化に基づいて所定のオブジェクトの変動表示態様を変更させる変動表示変更プログラム、OS(Operation System)等の各種プログラム、ディスプレイ部14に表示させるオブジェクトデータ、マスター画像データ、ディスプレイ部14に表示させる各種フォントデータ等が記憶されている。RAM内には車両診断用コネクタ22から取得した各種車両情報、上記消費燃料等計算プログラムで計算された計算値が記憶される。
コントローラMCはインターフェース28を介して車両側の車両診断用コネクタ22のKラインあるいはCANに出力された車両情報を処理可能な通信プロトコル、例えばUART信号に変換する。
【0035】
このような電気的構成において、コントローラMCは車両診断用コネクタ22のKラインあるいはCANの端子に所定のプロトコルでコマンド出力し、KラインあるいはCAN経由で所定の車両情報を取得し、燃料流量、瞬間燃費、平均燃費、一回の運転当たりの積算消費燃料、過去の運転の積算消費燃料について計算が必要な場合にはそれぞれ計算して取得する。
燃料流量の取得手段はいくつかある。まず、車両側から定期的に燃料消費量の値が出力される場合にはその値をそのまま利用する。一方、定期的な燃料消費量の値が取得できない場合には一定のサンプリング時間での吸入空気量あるいはインジェクション噴射時間のいずれか一方の値に基づいて公知の方法で算出することができる。本実施の形態ではインジェクション噴射時間を使用する。サンプリング時間は任意であるがここでは1秒とする。
インジェクション噴射時間(開弁時間)はエアフロメータの出力(インテークダクトの空気流量)とエンジン回転数に所定の補正値を与え、所定の各種補正を行うことで算出できる。この補正した燃料流量を消費燃料とする。サンプリング時間に対応した1秒間の燃料流量を取得燃料流量Bpとする。所定の時間における取得燃料流量Bpの積算した値をその時間で除することでその時間内における平均燃料流量Hpが算出できる。
瞬間燃費はまず、車両側から定期的に瞬間燃費が出力される場合にはその値をそのまま利用する。取得できない場合には一定のサンプリング時間での車両の速度と走行時間から走行距離を算出し、これを燃料流量で除し、補正値を与えることで算出する。車両の速度は上記の車両診断用コネクタ22から取得し、時間はコントローラMCに付属する公知のタイマから取得する。あるいは上記と同様エアフロメータの出力とエンジン回転数に所定の補正値を与え、所定の各種補正を行うことで算出してもよい。平均燃費は瞬間燃費の蓄積と走行時間から算出するようにする。コントローラMCはエンジンの始動から現在までの時間における平均燃費を算出する。
今回の運転の積算燃料消費量ΔPcはエンジンの始動から停止までの取得燃料流量Bpを積算して算出さている。
過去の運転の積算燃料消費量Pccは前回のエンジンの停止までの燃燃費表示装置10を車両に取り付け時からの すべての取得燃料流量Bpを積算して算出さしている。
【0036】
次にコントローラMCによって表示制御されるディスプレイ部14のレイアウトについて図5〜図8に基づいて説明する。コントローラMCはROM内に記憶されたマスター画像上に各種オブジェクトや数値を合成させて変動表示させる。ディスプレイ部14の液晶ディスプレイは黒色背景に彩度や明度のある文字やオブジェクトを表示させるのが一般的であるが、本実施の形態では図示の都合上、背景を白色で示し、文字やオブジェクトを黒やハッチ線等で表現するものとする。
図5〜図8に示すように、ディスプレイ部14の右端寄りには容器オブジェクト及び第1のスケールオブジェクトとしてのメスシリンダーオブジェクト31を配置している。メスシリンダーオブジェクト31内の上方位置には液体オブジェクトとしての雫オブジェクト32を配置している。メスシリンダーオブジェクト31に隣接した左方位置には5つずつ縦方向に平行に2列となるように計10個の同形状の第2のスケールオブジェクトとしてのタンクオブジェクト33を配置している。
これらメスシリンダーオブジェクト31及びタンクオブジェクト33の上方の第1のエリア34には「今回使用燃料」の文字を配置し、今回のエンジン始動から現時点までの積算燃料消費量ΔPcの数値(ml単位)を表示している。
ディスプレイ部14の左方には第3のスケールオブジェクトとしての多数のブロックオブジェクト35を積層した積層オブジェクト36を配置している。積層オブジェクト36の上方の第2のエリア37には「積算燃料」の文字を配置し、本燃費表示装置10の積算した積算燃料消費量ΔPcの数値リットル(L)単位)を表示させるようにしている。
ディスプレイ部14の中央位置の第3のエリア38には上から順に「燃料流量」、「瞬間燃費」、「平均燃費」の各文字を配置し、それらに応じた数値を表示させるようにしている。
【0037】
次に、これらディスプレイ部14上のメスシリンダーオブジェクト31、雫オブジェクト32、タンクオブジェクト33、ブロックオブジェクト35(積層オブジェクト36)の詳細、特に変動内容について説明する。
メスシリンダーオブジェクト31は上方が開口された容器状の形状のオブジェクトであって、満タン状態を10とする目盛線を有する。燃料消費に伴ってメスシリンダーオブジェクト31内において燃料をイメージする液体が増えていき液面が上昇するような動画の変動をする。更に、液面が満タン位置に達すると瞬時に液体が消滅してカラ状態となる。このカラ〜満タンを繰り返すような動画を表示する。
本実施の形態においてメスシリンダーオブジェクト31の容量、つまりカラ〜満タンまでの変動量に対応するデフォルトの燃料消費量は100mlに設定されている。但し、後述するようにこの設定値は変更可能である。このデフォルト燃料消費量は所定の燃費の車両がアイドリング状態のみの燃料消費で2分程度で消費する量に想定されている。通常の走行ではアイドリング状態の燃料消費量の2、3倍の燃料消費量となるため、概ね数十秒でメスシリンダーオブジェクト31の液状動画の液面が満タン位置に達する。これはユーザーが目視した場合に適度な速度でメスシリンダーオブジェクト31の目盛が上昇するような変動である。
コントローラMCは未だエンジンが始動していない段階ではメスシリンダーオブジェクト31に初期画面としてカラの状態を表示させる。そして、燃料消費に対応した上昇量で液面が上昇する液体動画の変動をさせる。コントローラMCは1秒ごとのタイミングで取得した取得燃料流量Bpに応じた量の液面を上昇させるように制御している。具体的にはある基準燃料流量をBp1とし、メスシリンダーオブジェクト31の液面の満タン時における液面の高さデータ(例えば画面上で30mm)をN1とすると、このBp1によってコントローラMCが1秒ごとに上昇させる液面の上昇量H1は下記式で表すことができる。
H1=(N1・Bp1)/100
つまり、取得燃料流量Bpが0である場合、例えば未だセルモータを駆動させる前であってキーがACC電源投入位置に配置されているような状態では、メスシリンダーオブジェクト31はカラの状態のままである。しかし、一旦セルモータを駆動させ少なくともアイドリング状態となれば取得燃料流量Bpを取得できるため、上記式に従ってコントローラMCは液面が上昇するような動画の変動をさせることとなる。
そして、液面がメスシリンダーオブジェクト31の上端に達すると、コントローラMCは液体の動画を消失させカラの初期画面に復帰させるように変動させる。また、コントローラMCはエンジンの停止に伴ってメスシリンダーオブジェクト31の表示を一旦クリアさせ次のエンジン始動の際にはカラの初期画面から再び変動を開始させる。
本実施例では上昇する液体動画を燃料消費の抑制喚起のための注意色として赤色で表示させるようにしているが、背景に対して目立つ色であれば特に赤色に限定されるものではない。
【0038】
次に、雫オブジェクト32について説明する。コントローラMCは未だエンジンが始動していない段階では雫オブジェクト32をディスプレイ部14上に表示させず、燃料消費に伴って表示させていく。
雫オブジェクト32はメスシリンダーオブジェクト31の上方から各々異なるタイミングで出現する棒状の外形のオブジェクトで、コントローラMCは雫オブジェクト32をメスシリンダーオブジェクト31の幅方向のランダムな位置で所定の長さを保って降下(流下)させ、メスシリンダーオブジェクト31の底面あるいは液面に衝突して消失するように変動させる。メスシリンダーオブジェクト31の液面の上昇に伴って降下距離は徐々に少なくなり、液面がメスシリンダーオブジェクト31の上端近くでは出現とほぼ同時に液面と一体化するような動画となる。
本実施例ではコントローラMCは取得燃料流量Bpに応じた数の雫オブジェクト32を1秒ごとに異なるタイミングで、かつ幅方向のランダムな位置から出現させる。本実施例では、例えばデフォルトで図9(a)に示すテーブルに従って雫オブジェクト32を出願させるように設定されている。例えば、平均燃料流量Hpが125ml/mで取得燃料流量Bpが1.1〜2.5ml/sであれば1秒間に2つの雫オブジェクト32を出現させることとしている。但し、後述するようにこの設定値は平均燃料流量Hp等によって変更可能である。本実施例では雫オブジェクト32を燃料消費の抑制喚起のための注意色として、またメスシリンダーオブジェクト31の液体動画と協調させるため赤色で表示させるようにしているが、背景に対して目立つ色であれば赤色に限定されるものではない。
【0039】
次に、タンクオブジェクト33について説明する。タンクオブジェクト33はメスシリンダーオブジェクト31よりもスケール単位が大きく、メスシリンダーオブジェクト31と同様にタンクオブジェクト33内において燃料をイメージする液体が増えていき液面が上昇するような動画の変動をする。タンクオブジェクト33の変動はメスシリンダーオブジェクト31の変動とリンクしているため、コントローラMCは上記メスシリンダーオブジェクト31の液面が満タン位置に達しカラの初期画面に復帰させると同時に、その燃料消費量100mlに対応する単位で液面が上昇する液体動画をタンクオブジェクト33に表示させる。
タンクオブジェクト33の変動表示は次のように実行される。コントローラMCは燃料の消費に伴って2つ並んだタンクオブジェクト33の最下方右側(メスシリンダーオブジェクト31側)から順に燃料をイメージする液体が上昇するような変動をさせ、タンクオブジェクト33が満タンになると次に左側のタンクオブジェクト33→1つ上の段の右側のタンクオブジェクト33というように下方のタンクオブジェクト33が満タンになると順に上側のタンクオブジェクト33を変動させていく。
本実施の形態における1つのタンクオブジェクト33の容量(変動量に対応する燃料消費量)はデフォルトで5リットル(L)に設定されている。従って、任意のタンクオブジェクト33には5L=5000mlで5000÷100=50で、50回のメスシリンダーオブジェクト31の上下動に対応して液面が50回上昇することでタンクオブジェクト33がちょうど満タン状態となる。つまり、コントローラMCがメスシリンダーオブジェクト31を初期状態に復帰させるごとに上昇させるタンクオブジェクト33の液面の上昇量H2はタンクオブジェクト33の高さをN2とすると、次の式で表すことができる。
H2=N2/50
本実施の形態では5Lまで貯留できるタンクオブジェクト33が10個あるので50Lの燃料消費量を表現することが可能である。この数は適宜変更可能である。また、後述するように各タンクオブジェクト33の容量は変更可能である。また、コントローラMCはエンジンの停止に伴ってすべてのタンクオブジェクト33の表示を一旦クリアさせ次のエンジン始動の際には最下方右側のカラの初期画面から再び変動を開始させる。
【0040】
次に積層オブジェクト36及びブロックオブジェクト35について説明する。積層オブジェクト36は縦20個、横10個の小さな方形のブロックオブジェクト35の集合体であり、タンクオブジェクト33よりもスケール単位が大きい。ブロックオブジェクト35は小さい形状ではあるがタンクオブジェクト33と同様に燃料をイメージする液体が上昇するような変動をする変動オブジェクトである。1つのブロックオブジェクト35は50Lに対応する量を示している。従って、10000Lの燃料消費量を表現することが可能である。2000Lごとに積算値を示す数値が併記されている。この数は適宜変更可能である。また、後述するように各ブロックオブジェクト35の容量は変更可能である。
コントローラMCは過去の積算燃料消費量Pccに対応して積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)を変動させる。積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)の変動はタンクオブジェクト33及びメスシリンダーオブジェクト31の変動とリンクしており、エンジンの停止に伴ってタンクオブジェクト33及びメスシリンダーオブジェクト31のトータルの燃料消費量がクリアされると、過去の積算燃料消費量Pccに新たにその回の運転の積算燃料消費量ΔPcが積算される。従って、この積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)では車両運転中にリアルタイムで変動するというものではなく、エンジン停止をしてから、次のエンジン始動で前回とは異なる新たな積算燃料消費量Pccの表示態様として示される。
より具体的なブロックオブジェクト35の変動手法について説明する。上記のようにコントローラMCは積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)に直近のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費が合算された積算燃料消費量Pccを反映した表示をさせる。ここではブロックオブジェクト35は50Lに対応する量を示しているが、本実施の形態では10L単位で5段階で液体画像を表示させその際に10L以下の単位は切り捨てるものとする。例えば、積算燃料消費量Pccが722Lであるとする。その場合には722÷50=14・・・余り22Lとなる。つまり14個のブロックオブジェクト35に満タン表示をさせ、15個目については半端の22L分の表示をさせる。このとき2Lは切り捨てて20Lに相当する液面の高さのみを表示させるようにする。つまりブロックオブジェクト35の高さの下から2/5の位置に液面があるように液体画像を表示させるようにする。
表示する順番、つまりブロックオブジェクト35の使用順は最下方左側のブロックオブジェクト35から右方に向かって満タン表示をさせ、その列を使用し切ると上段に移ってまた左側のブロックオブジェクト35から右方に向かって変動表示をさせていく。本実施例では液体画像を燃料消費の抑制喚起のための注意色として赤色で表示させるようにしているが、背景に対して目立つ色であれば特に赤色に限定されるものではない。
【0041】
上記においてはメスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量はデフォルトの燃料消費量は100mlに設定されている。しかし、コントローラMCは当該車両から取得する平均燃料流量Hpに基づいて燃料消費量の容量を変動させている。これは、例えば非常に単位時間当たりの燃料の消費が多くなるとメスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動が瞬時に近くなってしまったり、逆に非常に速すぎて燃料の消費が少ないとメスシリンダーオブジェクト31が全然動かないといった不具合を解消するためである。そのため、平均燃料流量Hpを取得して燃料の消費状況に合わせて最適なカラ〜満タンまでの変動を実行させるものである。コントローラMCは所定の時間(例えば過去10分間)における平均燃料流量Hpを算出し、その値に基づいて図10に示すテーブルに従ってメスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量を変更する。テーブルの値は一例であって他の数値を設定することも可能である。
また、上記においては取得燃料流量Bpに応じて出現させる雫オブジェクト32の数はデフォルトで図9(a)であった。しかし、コントローラMCは所定の時間(例えば過去10分間)の平均燃料流量Hpに基づいて出現数を適宜変動させている。これも上記と同様で例えばあまりに燃料の消費が少ないと「液体がパラパラ降ってくる」というような雰囲気の動画にならない不具合を解消するものである。つまり、燃料の消費が多ければ出現させる雫オブジェクト32の数を減らし、逆に燃料の消費が少なければ雫オブジェクト32の数を増やすようにするわけである。コントローラMCは図9(a)〜(c)に示すテーブルに従って、出現する雫オブジェクト32の数を変更する。テーブルの値は一例であって他の数値を設定することも可能である。
また、上記においてはタンクオブジェクト33はデフォルトで5Lの容量(最大貯留量)に設定されている。しかし、コントローラMCは当該車両から取得する平均燃料流量Hpに基づいて容量を変動させている。これは、タンクオブジェクト33としてはなるべく車両の燃料タンクの容量をタンクオブジェクト33全体の満タンの単位として表示したいため、平均燃料流量Hpから当該車種の燃料タンクの容量を決定し、タンクオブジェクト33を最適な容量を設定するものである。コントローラMCは所定の時間(例えば過去30分間)の平均燃料流量Hpを算出し、その値に基づいて図11に示すテーブルに従って容量を変更する。テーブルの値は一例であって他の数値を設定することも可能である。また、タンク容量情報を取得できる場合は、その情報に基づいて容量を変動させてもよい。
【0042】
次に、コントローラMCの実行する燃料消費表示ルーチンの一例についてフローチャートに基づいて説明する。
まず、図12に基づいて燃料消費表示メインルーチンについて説明する。
コントローラMCはステップS1においてACC電源のON状態を検出すると、ディスプレイ部14への表示動作を開始する。具体的にはマスター画像を表示させ前回までの積算燃料消費量Pccを第2のエリア37内に数値として表示させるとともに、その数値に対応する数(半端分は10L分ずつの表示)のブロックオブジェクト35の液体画像を下方側から表示順に従って赤色で表示させる。
コントローラMCはステップS2の変動表示サブルーチンにおいてエンジン回転数からエンジンの始動を検出すると、燃料消費に応じてディスプレイ部14上にメスシリンダーオブジェクト31の液体動画と雫オブジェクト32を赤色で変動表示を開始させる。
そして、コントローラMCはステップS3においてエンジン回転数からエンジンの停止かどうかを検出し、エンジン停止を検出するとエンジンの始動からエンジンの停止までの燃料消費量を過去の積算燃料消費量Pccに積算して保存し、ステップS4で後述するようにステップS2で設定したフラグFを0としてメインルーチンを終了させる。一方、テップS3においてエンジン停止ではないと判断するとステップS2に移行する。
【0043】
次に図13に基づいて変動表示サブルーチンについて説明する。本実施の形態ではコントローラMCは1秒間隔のタイミングでこのサブルーチンを実行する。
コントローラMCはステップS11において今回のタイミングで取得した取得燃料流量Bpに応じてメスシリンダーオブジェクト31と雫オブジェクト32に所定の変動表示をさせる。次にステップS12においてフラグFが0かどうかを判断し、フラグFが0である場合にはステップS13においてエンジン始動以来の積算燃料消費量ΔPcに新たに算出された取得燃料流量Bpを加えた値が100以上かどうか、つまりメスシリンダーオブジェクト31のデフォルトの容量100mlが満タンになったかどうかを判断する。ここでフラグFを設定しているのは次のような理由による。メスシリンダーオブジェクト31の容量は運転開始時点では0mlであるが、その後取得燃料流量Bpを合算していって満タンに達した場合にちょうど100mlとならず余りが発生する場合がある。そうすると、正確な燃料消費量を表示するためにはその余りを次の積算のベースとする必要がある。そこで、運転開始第1回目の満タンか2回目以降かを区別するためにフラグFを設定している。ここでコントローラMCは値(Pc+Bp)が100に達していないと判断すると一旦ルーチンを終了させる。
一方、ステップS13においてコントローラMCは値(Pc+Bp)が100以上であると判断すると、満タンになったとしてステップS14でコントローラMCは一旦メスシリンダーオブジェクト31に液体動画をカラにするような変動をさせるとともにタンクオブジェクト33に対して100mlに相当する液体動画を上昇させる表示をさせる。そして、ステップS15で100mlに達した際の値(Pc+Bp)から100を減算した残差T0を算出し、フラグを1に設定し、この残差T0を記憶する。ステップS15は積算された値がちょうど100とならず100以上となる場合を考慮して、100以上の余りの部分を次の100までの積算のベースとするための処理である。
これに対してステップS12でフラグFが1の場合には過去に1回以上メスシリンダーオブジェクト31が満タンになっていると判断して、ステップS16で前回の余りである残差T0に対して新たに算出された取得燃料流量Bpを加えた値が100以上かどうかを判断する。ここでコントローラMCは値(T0+Bp)が100に達していないと判断すると一旦ルーチンを終了させる。
一方、ステップS16でコントローラMCは値(T0+Bp)が100以上であると判断すると、満タンになったとしてステップS17でステップS14と同じ変動をさせる。そして、ステップS18で100mlに達した際の値(T0+Bp)から100を減算した新たな残差T0を算出しこの残差T0を記憶して一旦ルーチンを終了させる。
【0044】
次に、このような燃費表示装置10のディスプレイ部14に展開される各種変動の概要について説明する。
ユーザーは燃費表示装置10を接続用アダプタ21を介して車両診断用コネクタ22に接続することでディスプレイ部14に図5〜図8のような現在の燃料の消費状況を変動表示させてリアルタイムで燃料の消費状況を把握することができる。
図5は走行開始直後のディスプレイ部14である。メスシリンダーオブジェクト31に半分(つまり、50ml)程度まで液面が上昇した液体動画が表示されている。この段階ではタンクオブジェクト33の変動はない。また、前回までの積算燃料消費量Pccが積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)に表示される。
図6は1時間ほど走行した段階のディスプレイ部14である。例えば平均燃料流量Hpを毎分120mlとすると、7.2L余りを消費しているため、1つ目のタンクオブジェクト33Aは満タンとなり、2つ目のタンクオブジェクト33Bが現在変動中である。
図7はあるタイミングで負荷が大きな状態のディスプレイ部14である。負荷が大きな状態では燃料流量及び燃料消費量は多くなり、従ってディスプレイ部14に表示される燃料流量の数値は大きくなる傾向となり、一方瞬間燃費や平均燃費の数値は小さくなる傾向となる。負荷が大きな状態では燃料流量の多さを受けて雫オブジェクト32が大量にメスシリンダーオブジェクト31の液面に降り注いでいる。このとき、メスシリンダーオブジェクト31の液面の上昇スピードも速くなっている。
図8はアイドリング状態のディスプレイ部14である。雫オブジェクト32は少量となりメスシリンダーオブジェクト31の液面に降り注いでいる。この降り注ぐ量はこの車両では最も少ない状態である。このとき、メスシリンダーオブジェクト31の液面の上昇スピードはこの車両では最も遅くなっている状態である。
【0045】
上記のように構成することにより本実施の形態では次のような効果が奏される。
(1)ユーザーは燃費表示装置10のディスプレイ部14を目視することで、リアルタイムで自身の運転よる燃料の消費に対応した表示がメスシリンダーオブジェクト31と雫オブジェクト32の動画によって表示されるため、運転と燃料消費とが連動していることをよく理解できることとなり、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。
(2)メスシリンダーオブジェクト31はその形状と目盛を備えていることからユーザーに刻々と燃料を消費しているイメージを与え、また、雫オブジェクト32はメスシリンダーオブジェクト31内に降り注ぐような動画で表現されるため、トータルとして非常にインパクトが強い動画を目視させることとなってためエコロジカルな運転をさせるための心理的な効果が高い。
(3)燃料の消費速度が速くなるとメスシリンダーオブジェクト31の液面の上昇速度も上がり、雫オブジェクト32の数も増加するため、無駄に燃料を消費するような運転を控えより燃費のよいエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。
(4)燃料の消費に伴って目に見えて変動するメスシリンダーオブジェクト31によりスケール単位の大きなタンクオブジェクト33を併設することで、メスシリンダーオブジェクト31に側に燃料の消費速度に敏感な動きをさせることができるため、画面が小さくともユーザーに十分燃料の消費を消費している印象を強調した動画を目視させることができる。
(5)メスシリンダーオブジェクト31がカラになるとその量に対応した表示がタンクオブジェクト33側に蓄積されていくため、その回の運転で消費した燃料も同時に目視できることとなり、短い時間でのリアルタイムな燃料の消費だけでなく運転を通じての燃料の消費も併せて理解できることとなり、この点でもエコロジカルな運転をするように心掛けることに貢献する。
(6)新たにエンジンを始動させることで前回までの積算燃料消費量Pccが積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)に表示されることとなり、今までにどれだけの燃料を消費したかが今回の運転によるメスシリンダーオブジェクト31等の燃料消費表示と併せて目視できることとなり、燃料消費の詳細が理解しやすくなっている。
(7)当該車両の平均燃料流量Hpに応じてメスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量、雫オブジェクト32の数、タンクオブジェクト33の最大貯留量を最適な状態に変動させることができるため、ユーザーがもっとも見やすい変動画面を提供することが可能である。
(8)今回の運転での消費燃料、現在の燃料流量、瞬間燃費、平均燃費、過去の積算燃料消費量Pcc等の正確な数値も併せて表示されるため、ユーザーのエコロジカルな運転における判断情報となる。
【0046】
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記実施例では雫オブジェクト32のような液体オブジェクトが流下してメスシリンダーオブジェクト31内に貯留されていくような動画で燃料消費量を表現していたが、逆にメスシリンダーオブジェクト31のような容器から液体が抜けていくような動画であってもよい。
・例えば図15のようにメスシリンダーオブジェクト31がなく、雫オブジェクト32が単に上方から下方に向かって流下して消失するような姿態で燃料消費状態を表現するようにしてもよい。液体オブジェクトの数や密度でリアルタイムに燃料を消費していることが目視できるからである。上記実施の形態では一旦メスシリンダーオブジェクト31溜まった消費燃料分をバッチ的にタンクオブジェクト33に移動させて表示させていたが、この図15では雫オブジェクト32の消失に伴って少しずつタンクオブジェクト33の液体動画の液面を上昇させるような変動が好ましい。
・上記実施の形態では雫オブジェクト32は燃料消費が多くなるとその出現数が多くなるような設定であったが、燃料消費に伴って雫オブジェクト32の形状を変更したり、色を変えたりすることも可能である。
【0047】
上記実施の形態では「メスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量」、「雫オブジェクト32の数」、「タンクオブジェクト33の最大貯留量」が車両の平均燃料流量Hpに基づいて自動的に好適な設定とされていたが、ユーザーがディスプレイ部14のタッチパネルを操作することで、段落0037の「メスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量」、「雫オブジェクト32の数」、「タンクオブジェクト33の最大貯留量」をそれぞれ設定するようにしてもよい。
まず、「メスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量(以下、単に燃料消費量とする)」の設定について説明する。
ユーザーはディスプレイ部14のタッチパネルにタッチして上位階層から順に目的とするメニュー画面を選択する(図14(a)(b))。そして、ユーザーは自身の車両に対応する平均燃費(ここでは5〜15未満)をデフォルトとして選択して確定させる。「雫オブジェクト32の数」、「タンクオブジェクト33の最大貯留量」についても同様に目的とするメニュー画面を図14(a)から選択し、それぞれ車両の平均燃費に応じた雫オブジェクト32の数とタンクオブジェクト33の最大貯留量を選択する。また、画面上で数値入力するようにしてもよい。
尚、ここでのユーザーの選択は段落0037でのコントローラMCの判断による自動的な「メスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量」、「雫オブジェクト32の数」、「タンクオブジェクト33の最大貯留量」を設定することに優先させてもよく、あくまで初期設定値としてコントローラMCの判断を優先させるようにしてもよい。
また、ユーザーが選択する場合はこのようにディスプレイ部14上で画面にタッチして設定してもよく、SDカードを取り出してパソコンから入力するようにしてもよい。
【0048】
・上記実施の形態ではメスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量、雫オブジェクト32の数及びタンクオブジェクト33の燃料消費量は平均燃料流量Hpに基づいて自動的に設定値を変更するようにしていたが、これらを平均燃費に基づいて自動的に設定値を変更するようにしてもよい。あるいは平均燃費及び平均燃料流量Hpのいずれかをユーザーが選択するようにしてもよい。
・上記においてはメスシリンダーオブジェクト31の容量、つまりカラ〜満タンまでの変動量に対応するデフォルトの燃料消費量が100mlに設定されており、この量は所定の燃費の車両がアイドリング状態のみの燃料流量で2分程度で消費する量に想定されていた。
一方、カラ〜満タンまでの変動量に対応するデフォルトの燃料消費量を非常に負荷の大きな状態での運転時の燃料流量(最高燃料流量)で数秒で消費する量に設定することも可能である。この最も燃料が消費されている状態で液面の上下動を認識できるのであれば、通常の運転状態では液面の上下動は同じ秒単位でもより緩やかな挙動で変動させられることとなるため、結果としてユーザーはどのような運転状況でも確実に液面の上下動を視認することが可能となる。
【0049】
・第1のスケールオブジェクトとしてメスシリンダーオブジェクト31の形状や配置位置は上記に限定されない。メスシリンダーの形状以外でももちろん構わない。
・第2のスケールオブジェクトとしてタンクオブジェクト33の形状や数や配置位置は上記に限定されない。また、燃料消費に伴う変動表示の順、つまりどのタンクオブジェクト33から変動させるかは適宜変更可能である。
・第3のスケールオブジェクトとして積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)の形状や数や配置位置は上記に限定されない。また、燃料消費に伴う変動表示の順、つまりどのブロックオブジェクト35から変動させるかは適宜変更可能である。
・積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)をなくして、積算燃料消費量Pccの数値のみを表示させるようにしてもよい。
・タンクオブジェクト33をなくして、今回のエンジン始動からの積算燃料消費量ΔPcはその数値のみを表示させるようにしてもよい。
【0050】
上記実施の形態では燃費表示装置10として説明したが、他の電子機器、例えばレーダー装置やナビゲーション装置に適用するようにしてもよい。
・ディスプレイ部14に走行距離を表示させてもよい。
・ディスプレイ部14にエンジン始動から現在までの時間を表示させてもよい。
・ディスプレイ部14に現在時刻を表示させてもよい。
・ディスプレイ部14の画面の大きさは変更可能である、
・制御手段としての上記実施の形態ではコントローラMCは燃費表示装置10内に配設していたが、コントローラMCを含む本体を車両外に設置し、無線によってデータを送受信を実行し、表示手段のみ車両内に設置するようにしてもよい。
・上記実施の形態ではメスシリンダーオブジェクト31タンクオブジェクト33は二次元的にディスプレイ部14に表示させるようにしたが、3次元的に、つまり奥行きのあるような画像としてディスプレイ部14に画像を表示させるようにしてもよい。
・車両からの情報として当該車両のトータルの走行距離を取得できるのであれば、燃費表示装置10を取り付けた際にその走行距離と平均燃費から燃費表示装置10を取り付けるまでの積算燃料消費量Pccを算出することで、燃費表示装置10を取り付けてからではなく、当該車両の走行開始から燃費表示装置10を取り付けまでの間も加味した積算燃料消費量Pccを表示させるようにすることも可能である。
・車両情報が取得できるものであればODB−II用の車両診断用コネクタ22以外の出力部から情報を取得するようにしてもよい。
【0051】
・上記実施の形態では第1のスケールオブジェクトとしてメスシリンダーオブジェクト31、第2のスケールオブジェクトとしてタンクオブジェクト33、第3のスケールオブジェクトとして積層オブジェクト36の3種類を表示させるようにしていたが、メスシリンダーオブジェクト31とタンクオブジェクト33の間はスケール単位がかなり大きいため、この間にもう1つそれらの中間的なエンジン始動から停止までの燃料消費量に応じたオブジェクトを表示させるようにしてもよい。
このようなスケールオブジェクトとしてエンジン始動から停止までの1回のサイクルが比較的短い場合の走行距離、例えば会社への通勤、郊外のショッピングモールへの買い物、子供の送り迎え等の5〜20km程度の距離の燃料消費量に応じたオブジェクト(以下、近距離用燃料消費オブジェクト)を表示させることが想定される。この新たな近距離用燃料消費オブジェクトは上記3種のスケールオブジェクトに追加してもタンクオブジェクト33に代わって使用するようにしてもよい。
・上記実施の形態ではメスシリンダーオブジェクト31がエンジンが駆動している際に常時変動するオブジェクトであり、タンクオブジェクト33、積層オブジェクト36は常時変動しておらず、他の条件が成立することで変動するものであった。しかし、上記においてメスシリンダーオブジェクト31、タンクオブジェクト33、積層オブジェクト36のあるいは近距離用燃料消費オブジェクトが表示されている場合にこれらをエンジンが駆動している際に常時変動させるような表示態様とすることも可能である。
・本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
【符号の説明】
【0052】
10…電子システムとして燃費表示装置、14…ディスプレイ部、MC…制御手段としてのコントローラ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示手段に対して車両の現在の燃料の消費状況を変動表示させることのできる電子システム及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エネルギー源としては現在化石燃料が主流である。しかし、化石燃料の埋蔵量に限界があることや、排出されるCO2による温室効果や窒素酸化物による大気汚染の影響が問題視されていることなどから化石燃料の使用量をより削減することが求められている。そのため、ガソリン、軽油、天然ガス等をエネルギー源としている車両においても、より燃費(燃料消費率)のよいエンジンを搭載したり、よりきれいな排気ガスを排出させるような種々の改良がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−298491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、ユーザー側はそれほどの燃料の消費量についての意識は高くない。漠然としたイメージとしては運転する車両について燃費がよく、排気ガスもクリーンであることを望んではいるものの、一般にそのような意識を運転に反映させて実践しているとは言い難い。つまり、積極的に燃料の消費量が少ないエコロジカルな運転をしているというわけではない。その理由の1つは実際に燃料がどのくらいリアルタイムで消費されているか実感できないからである。
もちろん、車両には燃料メータが装着されているため、ある程度はそのメータの位置で燃料の減り具合はわかるものではあるが、基本的に燃料メータは燃料切れを防止するための報知装置であり、その情報からリアルタイムでの燃料の消費量や自身の運転の仕方でリアルタイムでの燃料の消費量が変わってくることが実感できるわけではない。
また、近年の車両では平均燃費や瞬間燃費を数値としてディスプレイに表示させる機種もある。これを特許文献1に示す。しかし、特許文献1はユーザーに燃料をどれだけ消費したかを想起させる情報ではない。例えば、「ああ、こんなにガソリンを使ってしまった。なんてもったいない」と実感させるような情報手段ではない。
そのため、車両を運転する際にリアルタイムで燃料消費状況をユーザーに実感せしめるための機器が求められていた。
本発明は上記問題を解消するためになされたものであり、その目的は、車両の現在の燃料の消費状況をリアルタイムでユーザーに実感せしめるように表示させることのできる電子システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1の手段では、車両から取得する燃料消費に関する情報に基づき燃料の消費速度に対応した速度で表示手段に対して現在の燃料の消費状況を変動表示させる制御手段を備えたことをその要旨とする。
このような構成であれば、制御手段は車両から取得した燃費に関する情報に基づいて燃料の消費速度を算出し、その燃料の消費速度に対応させて表示手段に現在の燃料の消費状況を変動表示させることができ、ユーザーは表示手段に表示される変動表示を目視することでリアルタイムで実際に消費している燃料がどれくらいなのかを実感することができる。その結果、ユーザーは例えば急加速や高回転でのエンジン負荷の大きな運転では燃料の消費が多くなることを実感できることとなり、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。
【0006】
ここに「表示手段」とは動画、静止画が表示されるディスプレイ部を備えた例えば有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイが想定される。
また、「車両から取得する燃料消費に関する情報」とは、例えば、車両の速度、インジェクション噴射時間、点火タイミング、吸入空気量、吸入空気温度、水温、空燃費補正係数、バッテリー電圧、残燃料量、流量計からの流量パルス、給油量、エンジン回転数、スロットル開度(アクセル開度)、スロットルセンサ電圧、エアフロ電圧、ブースト圧等が挙げられる。「燃料」とはガソリン、軽油、天然ガスのような化石燃料由来の燃料の他にアルコールのようなバイオ燃料も含む概念である。
これら情報は車両に設置が義務付けられているODB−II(On-Board Diagnostic System Stage2)用の車両診断用コネクタに端子が設けられているKラインやCAN(Controller Area Network)から一般に取得できる。但し、車両において車両診断用コネクタ以外からのデータ入手手段があればそれを利用することも自由である。
ここに、「電子システム」としては例えば燃費表示装置、レーダー探知装置やナビゲーション装置等の筐体を備えた電子機器が挙げられる。また、表示手段は電子システム側の制御手段と一体化していてもよく、別体化してデータを無線あるいは有線で制御手段から出力されるような単独の表示手段として存在しても構わない。また、電子システムは必ずしも車両内に設置される必要はない。例えば制御手段を含む筐体が車両外に設置され、車両情報を無線で受信して車両内に配置された表示手段に現在の燃料の消費状況を変動表示させるように制御することも可能である。また、制御手段のすべてが車両中になければならないわけではなく、その一部が車両外(例えばサーバー等)に存在してもよい。
【0007】
第2の手段では第1の手段に加えて、前記表示手段を備えるとともに、前記制御手段は車両に備え、前記表示手段は、前記車両内の運転者から視認可能な位置に配置されることをその要旨とする。
表示手段は別体で構成することも可能であったが、少なくとも電子システムの本体に制御手段とともに車両に搭載されることが取り扱い上有利である。ここに車両に搭載する場合には制御手段が配設されている電子システム本体の筐体内に表示手段が配設される場合と、表示手段を電子システム本体とは別体で車両内に配置し制御手段とは無線あるいはケーブル等の有線化によって接続する場合の両方を含むものである。
【0008】
第3の手段では第1又は第2の手段に加えて、前記変動表示は前記燃料消費に応じてオブジェクトが移動、出現又は消失する表示であることをその要旨とする。
これは、表示手段での変動表示をより具体化した構成である。燃料消費に応じて所定の単数あるいは複数のオブジェクトが上下方向や左右方向に移動していき、表示画面から退場するような表示や、画面上に出現したり逆に画面に存在しているオブジェクトが消失するような表示等が想定できる。これらをユーザーに目視させることで「燃料が現在消費されている」というイメージを強く与え燃料を消費していることをより実感させることができる。オブジェクトは例えば図柄によって構成することが好ましい。以下の各手段においても同様である。
第4の手段では第3の手段に加えて、前記オブジェクトは液体のイメージのオブジェクト(以下、液体オブジェクト)であって、前記変動表示は前記燃料消費に応じて前記液体オブジェクトが流下する表示であることをその要旨とする。
これは、表示手段での変動表示をより具体化した構成である。このように表示態様として液体が流下するかのような変動画像を表示手段のディスプレイ部に表示させることでユーザーに「燃料が現在消費されている」というイメージを強く与えることとなり燃料を消費していることをより実感できるからである。
ここに「変動表示」とはアニメーションのように滑らかで秒単位で動作するような表示のみならず、光点の点灯のみで表現されるような単純でなおかつ秒単位のみならず分単位や時間単位でゆっくりと動作するような動作するような表示をも含む意である。
【0009】
第5の手段では第4の手段に加えて、前記制御手段は容器のイメージのオブジェクト(以下、容器オブジェクト)を前記表示手段に表示させるとともに、前記変動表示は前記燃料消費に応じて液体オブジェクトが前記容器オブジェクト内に流下して液面が上昇していく表示又は液体オブジェクトが前記容器オブジェクトから流出して前記容器オブジェクト内の液面が下降していく表示であることをその要旨とする。
これも、表示手段での変動表示をより具体化した構成である。このように表示態様として容器内に液体が流下して液面が上昇していく変動画像、逆に容器内から液体が流出して液面が下降していく変動画像のいずれかを表示手段のディスプレイ部に表示させることでユーザーにあたかも「燃料が現在消費されている」というイメージを強く与えることとなり燃料を消費していることをより実感させることができ、無駄に燃料を消費するような運転を控えるような傾向となる。
【0010】
第6の手段では第5の手段に加えて、前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両のエンジンのアイドリング状態において分レベルで消費される量に対応させた速度であることをその要旨とする。
つまり、アイドリング状態という駆動しているエンジンの最も燃料消費の少ない状態でもあっても分レベルで容器がカラの状態からいっぱいになる、あるいはいっぱいの状態からカラになるように液面が移動するような変動表示をさせるようにしたため、実際に車両が動いていない場合であっても燃料が消費されていることを実感させることができ、無駄に燃料を消費するような運転を控えるような傾向となる。
ここに「分レベル」とは1分〜60分であり、その分レベルで容器内の液面がカラ状態といっぱいの状態を繰り返す動作を行わせることが燃料を消費している強いイメージを与えることとなる。一方、繰り返しのタイミングを数秒レベルのようにあまり短時間に設定することはめまぐるしく液面が上下動している状態を表示することとなり、特に高負荷状態で燃料消費の多い状態ではユーザーは液面の上下動とは認識しにくくなるケースもある。一方、分レベルとはいえエンジン始動から停止まで比較的短時間のケースもあるため数十分レベルであると一回も液面の上下を繰り返さないという場合もありうる。そのため、ここでの分レベルとしては1〜10分(数分)程度が好ましい。
【0011】
第7の手段では第5又は第6の手段に加えて、前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両の最高燃料流量で秒レベルで消費される量に対応させた速度であることをその要旨とする。
つまり、最高燃料流量では最も燃料が消費されており燃料の消費速度が最も大きい状態である。この最も燃料が消費されている状態で液面の上下動を認識できるのであれば、通常の運転状態では液面の上下動は同じ秒単位でもより緩やかな挙動で変動させられることとなるため、結果としてユーザーはどのような運転状況でも確実に液面の上下動を視認することが可能となる。
ここに「秒レベル」とは1秒〜60秒であり、その秒レベルで容器内の液面がカラ状態といっぱいの状態を繰り返す動作を一回の運転中で行わせることが燃料を消費している強いイメージを与えることとなる。あまり、短い秒数ではユーザーは液面の上下動とは認識しにくくなるケースもある。そのため、ここでの秒レベルとして好ましいのは3〜10秒(数秒)程度が好ましい。
【0012】
第8の手段では第4〜第7のいずれかの手段に加えて、前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両の平均燃費又は平均燃料流量に基づいて決定した速度であることをその要旨とする。
このように平均燃費又は平均燃料流量に基づけば大体どのくらいの速度で燃料が消費されるかが把握できるため、その情報に基づいて妥当な一回の液面の妥当な上下動の速度を設定することが容易となる。例えば、平均燃料流量が分速120ml(ミリリットル)であるとすると、容器の上下動間隔を240mlとすればちょうど平均2分で一回の上下動が完了することとなる。容器の上下長さにもよるが2分ならばユーザーは液面の上下動を認識するのにもちょうどよい程度の時間となる。制御手段はあらかじめ妥当な所定の時間で一回の上下動が完了するように液面の変動量を設定する。つまり一回の上下動時間を一定と考え、平均燃費又は平均燃料流量から容器の容量を計算することができる。
ここに「当該車両の平均燃費又は平均燃料流量に基づいて決定する」とは直接または間接に、車両またはユーザーから取得した情報に基づいて決定するとよく、例えばその車種の平均燃費又は平均燃料流量から最適な変動タイミングを選択してもよく、ユーザーが適宜平均燃費又は平均燃料流量を入力するようにしてもよい。
【0013】
第9の手段で第4〜第8のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つに変化がある場合にその変化に応じて前記液体オブジェクトの表示態様を他の種類の表示態様に変更させることをその要旨とする。
これによって、燃料消費の増減に影響のある運転状況の変化があった場合に速やかに液体オブジェクトの表示態様が変更されるため、ユーザーは無駄な燃料消費につながるような運転を自重したり、より燃費のよい運転に心掛けるようになる。ここに「他の種類の表示態様への変更」とは、例えば、燃料消費の少ないアイドリング状態では液体オブジェクトである雫オブジェクトがまばらに落ち、燃料消費の多い状態では雫オブジェクトが大量に落ちるように数の違いで表示させるとか、小粒と大粒というような大きさの違いで表示させるような場合が考えられる。また、色の違いや、形状の違いと言った変化でも構わない。
【0014】
第10の手段では第4〜第9のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は、アイドリング時における前記液体オブジェクトの表示態様を平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動可能とするとともに、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更可能としたことを特徴とすることをその要旨とする。
このような構成であると、アイドリング時における液体オブジェクトの表示態様が平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動する場合に、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更することで車種に応じた最適な変動パターンを設定することができる。ここに「単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量」とはあるオブジェクトの一定の変化量に対応する一定時間内の燃料流量である。
これによって次のような対応が可能である。例えばある車種Aで非常に燃費が良い場合があるとする。デフォルトで設定された単位変化量ではアイドリング時に燃料流量aml(ミリリットル)で3秒に1つの雫が流下する変動表示をさせるものとすると、この車種Aでは非常にゆっくりとしたタイミングで(例えば30秒とか)1つの雫が流下する変動表示になってしまう可能性がある。それでは変動表示としてあまりに遅すぎるため、その場合には1つの雫が流下することに対応する燃料流量をもっと少なく設定することで燃費が良い車種に対応させるようにするものである。「単位変化量」は下記実施の形態では
取得燃料流量Bpが相当する。
ここに「単位変化量」の変更方法としては制御手段がその車種の平均燃費又は平均燃料流量から最適な変動タイミングを選択してもよく、ユーザーが適宜入力するようにしてもよい。
【0015】
第11の手段では第4〜第10のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は、最大燃料流量時における前記液体オブジェクトの表示態様を平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動可能とするとともに、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更可能としたことを特徴とすることをその要旨とする。
このような構成であると、最大燃料流量時における液体オブジェクトの表示態様が平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動する際に、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更することで車種に応じた最適な変動パターンを設定することができる。「単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量」の定義は上記の通りである。
これによって次のような対応が可能である。例えばある車種Bで非常に燃費が悪い場合があるとする。デフォルトで設定された単位変化量では最大燃料流量時に燃料流量bml(ミリリットル)で1秒に1つの雫が流下する変動表示をさせたとすると、この車種Bでは非常に早いタイミングで(例えば0.1秒とか)1つの雫が流下する変動表示になってしまう場合がある。それでは変動表示としてあまりに早すぎるため、その場合には1つの雫が流下することに対応する燃料流量をもっと多く設定することで燃費が良い車種に対応させるようにするものである。
ここに「単位変化量」の変更方法としては制御手段がその車種の平均燃費又は平均燃料流量から最適な変動タイミングを選択してもよく、ユーザーが適宜入力するようにしてもよい。
また、ここで設定は最大燃料流量側だけではなく、最小燃料流量(つまりアイドリング時)も同時に設定することが好ましい。最大燃料流量と最小燃料流量の間の変動パターンの変動表示特性はリニア的(一次関数)でもよく、曲線的(高次関数)でもよい。
【0016】
第12の手段では第4〜第11のいずれかの手段に加えて、前記燃料の消費速度に対応した速度はエンジンが停止中には前記オブジェクトを変動表示させず、エンジンが駆動中において変動表示させることをその要旨とする。
これによって燃料消費を伴わない場合には液体オブジェクトを変動させず、燃料を消費しているエンジンの駆動中にのみ液体オブジェクトを変動させるようにしているため、液体オブジェクトの変動からエンジンの駆動=燃料の消費であるとしてユーザーに燃料を消費していることを視覚を通じてよく自覚させることになる。ここに、エンジンが駆動中でもっとも燃料消費の少ない状態がアイドリング状態であるため、ここではアイドリング状態以上で液体オブジェクトを変動させるようにしていると解釈することも可能である。
また、液体オブジェクトを変動させる際に所定範囲の瞬間消費燃料と雫オブジェクトの数を割り付け、ある範囲の瞬間消費燃料に応じた数の液体オブジェクトを表示させるようにしてもよい。そして、その割りつける雫オブジェクトの数は車両の平均燃費又は平均燃料流量に応じて変更可能とすることが好ましい。割りつける場合には制御手段がその車種の平均燃費又は平均燃料流量から適宜雫オブジェクトの数を割りつけてもよく、ユーザーが自ら入力するようにしてもよい。
【0017】
第13の手段では第1〜第12のいずれかの手段に加えて、前記変動表示として、燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動する複数の異なるスケールのイメージのオブジェクト(以下、スケールオブジェクト)を表示させることをその要旨とする。
これによって、画面に複数の異なるスケール単位のスケールオブジェクトが表示されるため、ユーザーは運転中に例えば比較的短時間で変動するスケールオブジェクトから、よりゆったりとした変動のスケールオブジェクトまでを同時に目視することができ、状況に応じた燃料消費の情報を得ることができる。
【0018】
第14の手段では第13の手段に加えて、前記複数の異なるスケールオブジェクトとして、当該スケールが車両のエンジンのアイドリング状態において分レベルで当該スケールオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになるスケールオブジェクト、当該スケールが1回のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量に相当するスケールのスケールオブジェクト、当該スケールが車両の燃料タンクの容量に相当するスケールのスケールオブジェクト、当該スケールが車両の生涯燃量消費量に相当するスケールのオブジェクトの少なくともいずれか2つを有することをその要旨とする。
これにユーザーは異なるスケール単位の4種類の重要な燃料消費情報のうちの少なくとも2種類以上を同時に得ることができ、どのような消費状況や消費傾向にあるかを把握しやすくなる。
ここに「1回のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量に相当するスケールのスケールオブジェクト」とはエンジン始動から停止までの1回のサイクルが比較的短い場合の走行距離に相当する燃料消費量などが挙げられ、例えば会社への通勤、郊外のショッピングモールへの買い物、子供の送り迎え等の5〜20km程度の距離の燃料消費量が相当する。
【0019】
第15の手段では第13又は第14の手段に加えて、前記複数の異なるスケールオブジェクトのうち、スケール単位の小さなオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになった際に、スケール単位のより大きなオブジェクトにそのいっぱいになったまたはカラになった容量分の変動表示をもたらすことをその要旨とする。
つまり、あるスケール単位の小さなオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになることを受けてその容量に応じてスケール単位のより大きなオブジェクトが所定の変動表示を行うことである。
これによって、スケール単位の小さなオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示はスケール単位のより大きなオブジェクトに変動分が表示されるため、スケール単位の小さなオブジェクトでリアルタイムの消費状況を把握できるとともに、スケール単位のより大きなオブジェクトである期間における通算燃料消費も把握できることとなる。
【0020】
第16の手段では第13又は第14のいずれかの手段に加えて、前記複数の異なるスケールオブジェクトを燃料の消費に連動して同時に増加又は減少のいずれかの方向に変動表示させることをその要旨とする。
つまり、燃料の消費に伴って複数の異なるスケールオブジェクトがスケール単位は違っていても同時に変動することである。そのため、各スケールオブジェクトの変動速度は自然と異なるものとなる。
【0021】
第17の手段では第1〜第12のいずれか手段に加えて、前記変動表示として、燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動する 第1のスケールのイメージのオブジェクト(以下、スケールオブジェクト)を表示させることをその要旨とする。
これは、表示手段での変動表示をより具体化した構成である。このように表示態様として燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動するようなスケールの変動画像を表示手段のディスプレイ部に表示させることでユーザーにあたかも「燃料が現在このようなレベルで消費されている」という量的な消費イメージを量的に与えることとなり燃料を消費していることをより実感できるからである。
ここに「第1のスケールオブジェクト」の形状は増加又は減少のいずれかの方向に変動が量的なものであれば特に形状は限らない。棒グラフのような明らかなスケール形状、ヤカン、ビーカー、ポリタンク、樽等の容器を模した形状でもよい。また、ドットの点灯数で示すようにしてもよい。また、第1のスケールの容量や第1のスケール内の現在の容量について変動画像と併せて数値で表示するようにしてもよい。
【0022】
第18の手段では第5〜第13、第17のいずれかの手段に加えて、前記第1のスケールオブジェクトは容器オブジェクトであることをその要旨とする。
上記容器オブジェクトがこのような量的なスケールを意味するものであれば、ユーザーに燃料を消費していることをより実感させることができる。
【0023】
第19の手段では第17又は第18のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は、前記第1のスケールオブジェクトを当該オブジェクトの背景色とは異なる色によって着色表示させることをその要旨とする。
これも第1のスケールオブジェクトの視認性をより向上させたものである。
【0024】
第20の手段では第17〜第19のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は、前記表示手段に過去の燃料消費履歴を表示させ、前記第1のスケールオブジェクトを一定の燃料消費に伴って変動開始前の初期表示状態に復帰するように表示させるとともに、前記第1のスケールオブジェクトの初期状態への復帰表示に連動して当回の消費された一定の燃料を過去の燃料消費履歴に積算させて表示させることをその要旨とする。
これによって、ユーザーは第1のスケールオブジェクトが燃料の消費に伴って繰り返し一定の消費量に対応したスケールの増減を繰り返すのを目視することとなるため、運転と燃料消費とが連動していることをよく理解できることとなり、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。更に、第1のスケールオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示は適宜過去の燃料消費履歴に積算されて表示されるため、過去にどの程度消費したかも併せてユーザーは目視することとなり、より運転と燃料消費との関係を理解することとなる。
ここに、「過去の燃料消費履歴」とは直近のエンジン始動から現在までの燃料消費履歴であってもよく、また、本発明の電子システムを車両に取り付けて以来のトータルの燃料消費履歴であってもよく、また、当該車両の走行開始以来のータルの燃料消費履歴であってもよい。過去の燃料消費履歴が当該車両の走行開始以来のトータルの燃料消費履歴である場合は本発明の電子システムを車両に取り付けた際に車両から走行距離データを入手し、それを現在の平均燃費に基づいて使用燃料を算出し、基準となる過去の燃料消費履歴を算出し、それを初期値とすることが考えられる。また、過去の燃料消費履歴の表示態様としては変動画像であってもよく、数値で表示させるようなものであってもよい。
【0025】
第21の手段では第17〜第19のいずれかの手段に加えて、記制御手段は、前記第1のスケールオブジェクトを一定の燃料消費に伴って変動開始前の初期表示状態に復帰するように表示させるとともに、前記表示手段に増加又は減少のいずれかの方向に変動する前記第1のスケールオブジェクトよりもスケール単位の大きな第2のスケールオブジェクトを表示させ、前記第1のスケールオブジェクトが初期表示状態に復帰するように動作すると、その復帰動作に連動して当回の消費された一定の燃料に対応する変動量で前記第2のスケールオブジェクトを表示させることをその要旨とする。
これによって、ユーザーは第1のスケールオブジェクトが燃料の消費に伴って繰り返し一定の消費量に対応したスケールの増減を繰り返すのを目視することとなるため、運転と燃料消費とが連動していることをよく理解できることとなり、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。更に、第1のスケールオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示はスケール単位の大きな第2のスケールオブジェクトに積算されて表示されるため、過去にどの程度消費したかも併せてユーザーは目視することとなり、より運転と燃料消費との関係を理解することとなる。
ここに「第2のスケールオブジェクト」の形状は増加又は減少のいずれかの方向に変動が量的なものであれば特に形状は限らない。棒グラフのような明らかなスケール形状、ヤカン、ビーカー、ポリタンク、樽等の容器を模した形状でもよい。また、ドットの点灯数で示すようにしてもよい。また、第2のスケールの容量や第2のスケール内の現在の容量について変動画像と併せて数値で表示するようにしてもよい。
【0026】
第22の手段では第21の手段に加えて、前記制御手段は、前記表示手段に過去の燃料消費履歴を表示させ、エンジン停止に伴って前記第1及び第2のスケールオブジェクトを変動開始前の初期表示状態に復帰するように動作させるとともに、直近のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量を過去の燃料消費履歴に積算させて表示させることをその要旨とする。
これによって、エンジン始動からエンジン停止までの一回の走行の度ごとに第1及び第2のスケールオブジェクトの変動画像は変動開始前の初期表示状態に復帰させられるため、次のエンジン始動から改めてその回のエンジン停止までの燃料消費量が第1及び第2のスケールオブジェクトを介してユーザーに表示されることとなり、運転毎の燃料消費状態が非常にわかりやくなっている。更に、第1及び第2のスケールオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示は適宜過去の燃料消費履歴に積算されて表示されるため、過去にどの程度消費したかも併せてユーザーは目視することとなり、より運転と燃料消費との関係を理解することとなる。
ここに、「過去の燃料消費履歴」とは本発明の電子システムを車両に取り付けて以来のトータルの燃料消費履歴であってもよく、また、当該車両の走行開始以来のータルの燃料消費履歴であってもよい。また、過去の燃料消費履歴の表示態様としては変動画像であってもよく、数値で表示させるようなものであってもよい。
【0027】
第23の手段では第21の手段に加えて、前記制御手段は、前記制御手段は、前記表示手段に増加又は減少のいずれかの方向に変動する前記第2のスケールオブジェクトよりもスケール単位の大きな第3のスケールオブジェクトを表示させ、エンジン停止に伴って第1及び第2のスケールオブジェクトを変動開始前の初期表示状態に復帰するように動作させるとともに、直近のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量を過去の燃料消費履歴に積算させ、その燃料消費量に対応する変動量で前記第3のスケールオブジェクトを変動表示させることをその要旨とする。
これによって、エンジン始動からエンジン停止までの一回の走行の度ごとに第1及び第2のスケールオブジェクトの変動画像は変動開始前の初期表示状態に復帰させられるため、次のエンジン始動から改めてその回のエンジン停止までの燃料消費量が第1及び第2のスケールオブジェクトを介してユーザーに表示されることとなり、運転毎の燃料消費状態が非常にわかりやくなっている。更に、第1及び第2のスケールオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示はスケール単位の大きな第2のスケールオブジェクトに積算されて表示されるため、過去にどの程度消費したかも併せてユーザーは目視することとなり、より運転と燃料消費との関係を理解することとなる。
ここに「第3のスケールオブジェクト」の形状は増加又は減少のいずれかの方向に変動が量的なものであれば特に形状は限らない。棒グラフのような明かなスケール形状、ヤカン、ビーカー、ポリタンク、樽等の容器を模した形状でもよい。また、ドットの点灯数で示すようにしてもよい。また、第3のスケールの容量や第2のスケール内の現在の容量について変動画像と併せて数値で表示するようにしてもよい。
【0028】
第24の手段では第21〜第23のいずれかの手段に加えて、前記第2のスケールオブジェクトの最大変動量はエンジン始動からエンジン停止までの最大燃料消費量に対応していることをその要旨とする。
エンジン始動からエンジン停止までの最大燃料消費量とは燃料タンク内がいわゆる満タン状態である。あまりに第2のスケールオブジェクトのスケール単位が小さいと第2のスケールオブジェクトの変動が早すぎてしまうため、第2のスケールオブジェクトは十分な消費量に応じたスケール単位であることが望ましいからである。例えば、30〜100リットル(L)程度のスケールが想定される。
第25の手段では第第21〜第24のいずれかの手段に加えて、前記第2のスケールオブジェクトの最大変動量は当該車両の燃料タンク容量に応じて変更されることをその要旨とする。
例えば、トラックのように燃費が悪く、そのかわりに燃料タンク容量が非常に大きな車種もあれば、軽自動車のように燃料タンク容量が比較的小さい車種もある。そのため、適宜車種に応じた妥当なスケール単位とすることが望ましいからである。これは燃料タンク内の満タンを電気的に感知できる車種であればその情報に基づいて制御手段が第2のスケールオブジェクトのスケールを最適に設定することで実現される。また、ユーザーが適宜入力するようにしてもよい。
【0029】
第26の手段では第17〜25のいずれかの手段に加えて、前記変動表示は、前記燃料の消費に連動して面積の増加又は面積の減少のいずれかによって前記第1〜第3の少なくともいずれか1つのスケールオブジェクトを表示させることをその要旨とする。
これは棒グラフの棒の幅を広くしたイメージであり、より第1のスケールオブジェクトの視認性を向上させたものである。
【0030】
第27の手段では第第1〜第26のいずれかの手段に加えて、前記表示手段に今回のエンジン始動時点から現在時点までの消費燃料量を数値情報として前記変動表示とともに表示させることをその要旨とする。
これによって、少なくとも今回のエンジン始動時点から現在時点までの燃料消費量が数値として表示されるため、ユーザーは変動表示というイメージ的な情報とともにより正確な燃料消費に関する情報を併せて入手することができる。
第28の手段では第1〜第27のいずれかの手段に加えて、前記表示手段に燃料流量、瞬間燃費、平均燃費の少なくとも1つの情報を数値として前記変動表示とともに表示させることをその要旨とする。
これによって、少なくとも燃料流量、瞬間燃費、平均燃費の少なくとも1つの情報が数値として表示されるため、ユーザーは変動表示というイメージ的な情報とともにより正確なこれらの燃料消費に関する情報を併せて入手することができる。
第29の手段では第1〜第28のいずれかの手段に記載の電子システムにおける制御手段の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムがその要旨である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ユーザーは表示手段に表示される変動表示を目視することで燃料の消費状況をリアルタイムで把握でき、実際に消費している燃料がどれくらいかを実感することができる。そのため、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明にかかる実施の形態の燃費表示装置の前面側からの斜視図。
【図2】同じ実施の形態の燃費表示装置のメインケーブルに対して接続用アダプタを介して車両診断用コネクタに接続する際の接続構造を説明する説明図。
【図3】車両内に設置されている車両診断用コネクタの正面図。
【図4】実施の形態の電気的構成を説明するブロック図。
【図5】ディスプレイ部の表示の一例を示す説明図。
【図6】ディスプレイ部の表示の一例を示す説明図。
【図7】ディスプレイ部の表示の一例を示す説明図。
【図8】ディスプレイ部の表示の一例を示す説明図。
【図9】所定範囲の平均燃料流量に対応する基準燃料流量における出現する雫オブジェクトを設定するためのROM内に記憶されたテーブル。
【図10】所定範囲の平均燃料流量ごとのメスシリンダーオブジェクトの変動量に対応する燃料消費量を設定するためのROM内に記憶されたテーブル。
【図11】所定範囲の平均燃料流量ごとのタンクオブジェクトの容量を設定するためのROM内に記憶されたテーブル。
【図12】コントローラの処理動作を説明するフローチャート。
【図13】コントローラの処理動作を説明するフローチャート。
【図14】ユーザーがディスプレイ部上のタッチパネルにタッチして燃費表示装置の設定を実行することを説明するためのディスプレイ部の表示の一例を示す説明図。
【図15】他のディスプレイ部の表示の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は電子システム(電子機器)としての燃費表示装置10の外観斜視図である。燃費表示装置10は本体となる略直方体形状の筐体11中に機構が収納されており、車両内において例えばダッシュボード上に取り付け用ブラケット12を介して固定されるようになっている。
筐体11前面(運転者側に向く面)に配置された額縁状の前面枠13内には表示手段の一部をなすディスプレイ部14が露出させられている。本実施の形態ではディスプレイ部14は2.4インチの小型の液晶ディスプレイから構成されている。ディスプレイ部14は入力手段としてのタッチパネルを兼ねている。筐体11側面には記憶媒体としてのSDカードを挿入するためのスロット15が形成されている。筐体11背面(フロントウィンドウ側に向く面)からはメインケーブル17が延出されている。図2に示すように、メインケーブル17の先端には雌型コネクタ18が固着されている。また、筐体11背面には図示しない電源スイッチが形成されている。
図2に示すように、燃費表示装置10は接続用アダプタ21を介して図3に示すような正面形状の車両診断用コネクタ22に接続される。車両診断用コネクタ22は車両内において運転の邪魔にならない所定の位置(車種によって一定ではない)に配設されている。接続用アダプタ21は接続用ケーブル23の両端に雄型コネクタ24と接続用コネクタ25を有している。燃費表示装置10から延出されるメインケーブル17先端の雌型コネクタ18と雄型コネクタ24が連結され、接続用コネクタ25は車両側に設置された車両診断用コネクタ22に接続される。尚、本実施の形態では燃費表示装置10は車両診断用コネクタ22内のIGN信号端子から電源を取得するものとするが、例えばシガーソケットから電源を取得するようなDC電源ジャックを設けるようにすることも可能である。
【0034】
次に、図4のブロック図に基づいて燃費表示装置10の筐体11内部の電気的な構成を説明する。尚、本発明とは直接関係のない構成については省略する。
制御手段としてのコントローラMCには前記ディスプレイ部14及びメモリカードリーダー27がそれぞれ接続されている。
コントローラMCは周知のCPUやROM及びRAM等のメモリ、タイマ等から構成されている。コントローラMCのROM内には車両診断用コネクタ22から出力される各種車両情報を任意に取得し、それら情報に基づいて燃料流量、瞬間燃費、平均燃費、消費燃料、積算使用燃料等の計算を実行する消費燃料等計算プログラムや、算出した結果をディスプレイ部14に表示させる消費燃料等表示プログラム、ディスプレイ部14に所定のオブジェクトを変動表示させる変動表示プログラム、平均燃費又は平均燃料流量の変化に基づいて所定のオブジェクトの変動表示態様を変更させる変動表示変更プログラム、OS(Operation System)等の各種プログラム、ディスプレイ部14に表示させるオブジェクトデータ、マスター画像データ、ディスプレイ部14に表示させる各種フォントデータ等が記憶されている。RAM内には車両診断用コネクタ22から取得した各種車両情報、上記消費燃料等計算プログラムで計算された計算値が記憶される。
コントローラMCはインターフェース28を介して車両側の車両診断用コネクタ22のKラインあるいはCANに出力された車両情報を処理可能な通信プロトコル、例えばUART信号に変換する。
【0035】
このような電気的構成において、コントローラMCは車両診断用コネクタ22のKラインあるいはCANの端子に所定のプロトコルでコマンド出力し、KラインあるいはCAN経由で所定の車両情報を取得し、燃料流量、瞬間燃費、平均燃費、一回の運転当たりの積算消費燃料、過去の運転の積算消費燃料について計算が必要な場合にはそれぞれ計算して取得する。
燃料流量の取得手段はいくつかある。まず、車両側から定期的に燃料消費量の値が出力される場合にはその値をそのまま利用する。一方、定期的な燃料消費量の値が取得できない場合には一定のサンプリング時間での吸入空気量あるいはインジェクション噴射時間のいずれか一方の値に基づいて公知の方法で算出することができる。本実施の形態ではインジェクション噴射時間を使用する。サンプリング時間は任意であるがここでは1秒とする。
インジェクション噴射時間(開弁時間)はエアフロメータの出力(インテークダクトの空気流量)とエンジン回転数に所定の補正値を与え、所定の各種補正を行うことで算出できる。この補正した燃料流量を消費燃料とする。サンプリング時間に対応した1秒間の燃料流量を取得燃料流量Bpとする。所定の時間における取得燃料流量Bpの積算した値をその時間で除することでその時間内における平均燃料流量Hpが算出できる。
瞬間燃費はまず、車両側から定期的に瞬間燃費が出力される場合にはその値をそのまま利用する。取得できない場合には一定のサンプリング時間での車両の速度と走行時間から走行距離を算出し、これを燃料流量で除し、補正値を与えることで算出する。車両の速度は上記の車両診断用コネクタ22から取得し、時間はコントローラMCに付属する公知のタイマから取得する。あるいは上記と同様エアフロメータの出力とエンジン回転数に所定の補正値を与え、所定の各種補正を行うことで算出してもよい。平均燃費は瞬間燃費の蓄積と走行時間から算出するようにする。コントローラMCはエンジンの始動から現在までの時間における平均燃費を算出する。
今回の運転の積算燃料消費量ΔPcはエンジンの始動から停止までの取得燃料流量Bpを積算して算出さている。
過去の運転の積算燃料消費量Pccは前回のエンジンの停止までの燃燃費表示装置10を車両に取り付け時からの すべての取得燃料流量Bpを積算して算出さしている。
【0036】
次にコントローラMCによって表示制御されるディスプレイ部14のレイアウトについて図5〜図8に基づいて説明する。コントローラMCはROM内に記憶されたマスター画像上に各種オブジェクトや数値を合成させて変動表示させる。ディスプレイ部14の液晶ディスプレイは黒色背景に彩度や明度のある文字やオブジェクトを表示させるのが一般的であるが、本実施の形態では図示の都合上、背景を白色で示し、文字やオブジェクトを黒やハッチ線等で表現するものとする。
図5〜図8に示すように、ディスプレイ部14の右端寄りには容器オブジェクト及び第1のスケールオブジェクトとしてのメスシリンダーオブジェクト31を配置している。メスシリンダーオブジェクト31内の上方位置には液体オブジェクトとしての雫オブジェクト32を配置している。メスシリンダーオブジェクト31に隣接した左方位置には5つずつ縦方向に平行に2列となるように計10個の同形状の第2のスケールオブジェクトとしてのタンクオブジェクト33を配置している。
これらメスシリンダーオブジェクト31及びタンクオブジェクト33の上方の第1のエリア34には「今回使用燃料」の文字を配置し、今回のエンジン始動から現時点までの積算燃料消費量ΔPcの数値(ml単位)を表示している。
ディスプレイ部14の左方には第3のスケールオブジェクトとしての多数のブロックオブジェクト35を積層した積層オブジェクト36を配置している。積層オブジェクト36の上方の第2のエリア37には「積算燃料」の文字を配置し、本燃費表示装置10の積算した積算燃料消費量ΔPcの数値リットル(L)単位)を表示させるようにしている。
ディスプレイ部14の中央位置の第3のエリア38には上から順に「燃料流量」、「瞬間燃費」、「平均燃費」の各文字を配置し、それらに応じた数値を表示させるようにしている。
【0037】
次に、これらディスプレイ部14上のメスシリンダーオブジェクト31、雫オブジェクト32、タンクオブジェクト33、ブロックオブジェクト35(積層オブジェクト36)の詳細、特に変動内容について説明する。
メスシリンダーオブジェクト31は上方が開口された容器状の形状のオブジェクトであって、満タン状態を10とする目盛線を有する。燃料消費に伴ってメスシリンダーオブジェクト31内において燃料をイメージする液体が増えていき液面が上昇するような動画の変動をする。更に、液面が満タン位置に達すると瞬時に液体が消滅してカラ状態となる。このカラ〜満タンを繰り返すような動画を表示する。
本実施の形態においてメスシリンダーオブジェクト31の容量、つまりカラ〜満タンまでの変動量に対応するデフォルトの燃料消費量は100mlに設定されている。但し、後述するようにこの設定値は変更可能である。このデフォルト燃料消費量は所定の燃費の車両がアイドリング状態のみの燃料消費で2分程度で消費する量に想定されている。通常の走行ではアイドリング状態の燃料消費量の2、3倍の燃料消費量となるため、概ね数十秒でメスシリンダーオブジェクト31の液状動画の液面が満タン位置に達する。これはユーザーが目視した場合に適度な速度でメスシリンダーオブジェクト31の目盛が上昇するような変動である。
コントローラMCは未だエンジンが始動していない段階ではメスシリンダーオブジェクト31に初期画面としてカラの状態を表示させる。そして、燃料消費に対応した上昇量で液面が上昇する液体動画の変動をさせる。コントローラMCは1秒ごとのタイミングで取得した取得燃料流量Bpに応じた量の液面を上昇させるように制御している。具体的にはある基準燃料流量をBp1とし、メスシリンダーオブジェクト31の液面の満タン時における液面の高さデータ(例えば画面上で30mm)をN1とすると、このBp1によってコントローラMCが1秒ごとに上昇させる液面の上昇量H1は下記式で表すことができる。
H1=(N1・Bp1)/100
つまり、取得燃料流量Bpが0である場合、例えば未だセルモータを駆動させる前であってキーがACC電源投入位置に配置されているような状態では、メスシリンダーオブジェクト31はカラの状態のままである。しかし、一旦セルモータを駆動させ少なくともアイドリング状態となれば取得燃料流量Bpを取得できるため、上記式に従ってコントローラMCは液面が上昇するような動画の変動をさせることとなる。
そして、液面がメスシリンダーオブジェクト31の上端に達すると、コントローラMCは液体の動画を消失させカラの初期画面に復帰させるように変動させる。また、コントローラMCはエンジンの停止に伴ってメスシリンダーオブジェクト31の表示を一旦クリアさせ次のエンジン始動の際にはカラの初期画面から再び変動を開始させる。
本実施例では上昇する液体動画を燃料消費の抑制喚起のための注意色として赤色で表示させるようにしているが、背景に対して目立つ色であれば特に赤色に限定されるものではない。
【0038】
次に、雫オブジェクト32について説明する。コントローラMCは未だエンジンが始動していない段階では雫オブジェクト32をディスプレイ部14上に表示させず、燃料消費に伴って表示させていく。
雫オブジェクト32はメスシリンダーオブジェクト31の上方から各々異なるタイミングで出現する棒状の外形のオブジェクトで、コントローラMCは雫オブジェクト32をメスシリンダーオブジェクト31の幅方向のランダムな位置で所定の長さを保って降下(流下)させ、メスシリンダーオブジェクト31の底面あるいは液面に衝突して消失するように変動させる。メスシリンダーオブジェクト31の液面の上昇に伴って降下距離は徐々に少なくなり、液面がメスシリンダーオブジェクト31の上端近くでは出現とほぼ同時に液面と一体化するような動画となる。
本実施例ではコントローラMCは取得燃料流量Bpに応じた数の雫オブジェクト32を1秒ごとに異なるタイミングで、かつ幅方向のランダムな位置から出現させる。本実施例では、例えばデフォルトで図9(a)に示すテーブルに従って雫オブジェクト32を出願させるように設定されている。例えば、平均燃料流量Hpが125ml/mで取得燃料流量Bpが1.1〜2.5ml/sであれば1秒間に2つの雫オブジェクト32を出現させることとしている。但し、後述するようにこの設定値は平均燃料流量Hp等によって変更可能である。本実施例では雫オブジェクト32を燃料消費の抑制喚起のための注意色として、またメスシリンダーオブジェクト31の液体動画と協調させるため赤色で表示させるようにしているが、背景に対して目立つ色であれば赤色に限定されるものではない。
【0039】
次に、タンクオブジェクト33について説明する。タンクオブジェクト33はメスシリンダーオブジェクト31よりもスケール単位が大きく、メスシリンダーオブジェクト31と同様にタンクオブジェクト33内において燃料をイメージする液体が増えていき液面が上昇するような動画の変動をする。タンクオブジェクト33の変動はメスシリンダーオブジェクト31の変動とリンクしているため、コントローラMCは上記メスシリンダーオブジェクト31の液面が満タン位置に達しカラの初期画面に復帰させると同時に、その燃料消費量100mlに対応する単位で液面が上昇する液体動画をタンクオブジェクト33に表示させる。
タンクオブジェクト33の変動表示は次のように実行される。コントローラMCは燃料の消費に伴って2つ並んだタンクオブジェクト33の最下方右側(メスシリンダーオブジェクト31側)から順に燃料をイメージする液体が上昇するような変動をさせ、タンクオブジェクト33が満タンになると次に左側のタンクオブジェクト33→1つ上の段の右側のタンクオブジェクト33というように下方のタンクオブジェクト33が満タンになると順に上側のタンクオブジェクト33を変動させていく。
本実施の形態における1つのタンクオブジェクト33の容量(変動量に対応する燃料消費量)はデフォルトで5リットル(L)に設定されている。従って、任意のタンクオブジェクト33には5L=5000mlで5000÷100=50で、50回のメスシリンダーオブジェクト31の上下動に対応して液面が50回上昇することでタンクオブジェクト33がちょうど満タン状態となる。つまり、コントローラMCがメスシリンダーオブジェクト31を初期状態に復帰させるごとに上昇させるタンクオブジェクト33の液面の上昇量H2はタンクオブジェクト33の高さをN2とすると、次の式で表すことができる。
H2=N2/50
本実施の形態では5Lまで貯留できるタンクオブジェクト33が10個あるので50Lの燃料消費量を表現することが可能である。この数は適宜変更可能である。また、後述するように各タンクオブジェクト33の容量は変更可能である。また、コントローラMCはエンジンの停止に伴ってすべてのタンクオブジェクト33の表示を一旦クリアさせ次のエンジン始動の際には最下方右側のカラの初期画面から再び変動を開始させる。
【0040】
次に積層オブジェクト36及びブロックオブジェクト35について説明する。積層オブジェクト36は縦20個、横10個の小さな方形のブロックオブジェクト35の集合体であり、タンクオブジェクト33よりもスケール単位が大きい。ブロックオブジェクト35は小さい形状ではあるがタンクオブジェクト33と同様に燃料をイメージする液体が上昇するような変動をする変動オブジェクトである。1つのブロックオブジェクト35は50Lに対応する量を示している。従って、10000Lの燃料消費量を表現することが可能である。2000Lごとに積算値を示す数値が併記されている。この数は適宜変更可能である。また、後述するように各ブロックオブジェクト35の容量は変更可能である。
コントローラMCは過去の積算燃料消費量Pccに対応して積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)を変動させる。積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)の変動はタンクオブジェクト33及びメスシリンダーオブジェクト31の変動とリンクしており、エンジンの停止に伴ってタンクオブジェクト33及びメスシリンダーオブジェクト31のトータルの燃料消費量がクリアされると、過去の積算燃料消費量Pccに新たにその回の運転の積算燃料消費量ΔPcが積算される。従って、この積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)では車両運転中にリアルタイムで変動するというものではなく、エンジン停止をしてから、次のエンジン始動で前回とは異なる新たな積算燃料消費量Pccの表示態様として示される。
より具体的なブロックオブジェクト35の変動手法について説明する。上記のようにコントローラMCは積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)に直近のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費が合算された積算燃料消費量Pccを反映した表示をさせる。ここではブロックオブジェクト35は50Lに対応する量を示しているが、本実施の形態では10L単位で5段階で液体画像を表示させその際に10L以下の単位は切り捨てるものとする。例えば、積算燃料消費量Pccが722Lであるとする。その場合には722÷50=14・・・余り22Lとなる。つまり14個のブロックオブジェクト35に満タン表示をさせ、15個目については半端の22L分の表示をさせる。このとき2Lは切り捨てて20Lに相当する液面の高さのみを表示させるようにする。つまりブロックオブジェクト35の高さの下から2/5の位置に液面があるように液体画像を表示させるようにする。
表示する順番、つまりブロックオブジェクト35の使用順は最下方左側のブロックオブジェクト35から右方に向かって満タン表示をさせ、その列を使用し切ると上段に移ってまた左側のブロックオブジェクト35から右方に向かって変動表示をさせていく。本実施例では液体画像を燃料消費の抑制喚起のための注意色として赤色で表示させるようにしているが、背景に対して目立つ色であれば特に赤色に限定されるものではない。
【0041】
上記においてはメスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量はデフォルトの燃料消費量は100mlに設定されている。しかし、コントローラMCは当該車両から取得する平均燃料流量Hpに基づいて燃料消費量の容量を変動させている。これは、例えば非常に単位時間当たりの燃料の消費が多くなるとメスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動が瞬時に近くなってしまったり、逆に非常に速すぎて燃料の消費が少ないとメスシリンダーオブジェクト31が全然動かないといった不具合を解消するためである。そのため、平均燃料流量Hpを取得して燃料の消費状況に合わせて最適なカラ〜満タンまでの変動を実行させるものである。コントローラMCは所定の時間(例えば過去10分間)における平均燃料流量Hpを算出し、その値に基づいて図10に示すテーブルに従ってメスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量を変更する。テーブルの値は一例であって他の数値を設定することも可能である。
また、上記においては取得燃料流量Bpに応じて出現させる雫オブジェクト32の数はデフォルトで図9(a)であった。しかし、コントローラMCは所定の時間(例えば過去10分間)の平均燃料流量Hpに基づいて出現数を適宜変動させている。これも上記と同様で例えばあまりに燃料の消費が少ないと「液体がパラパラ降ってくる」というような雰囲気の動画にならない不具合を解消するものである。つまり、燃料の消費が多ければ出現させる雫オブジェクト32の数を減らし、逆に燃料の消費が少なければ雫オブジェクト32の数を増やすようにするわけである。コントローラMCは図9(a)〜(c)に示すテーブルに従って、出現する雫オブジェクト32の数を変更する。テーブルの値は一例であって他の数値を設定することも可能である。
また、上記においてはタンクオブジェクト33はデフォルトで5Lの容量(最大貯留量)に設定されている。しかし、コントローラMCは当該車両から取得する平均燃料流量Hpに基づいて容量を変動させている。これは、タンクオブジェクト33としてはなるべく車両の燃料タンクの容量をタンクオブジェクト33全体の満タンの単位として表示したいため、平均燃料流量Hpから当該車種の燃料タンクの容量を決定し、タンクオブジェクト33を最適な容量を設定するものである。コントローラMCは所定の時間(例えば過去30分間)の平均燃料流量Hpを算出し、その値に基づいて図11に示すテーブルに従って容量を変更する。テーブルの値は一例であって他の数値を設定することも可能である。また、タンク容量情報を取得できる場合は、その情報に基づいて容量を変動させてもよい。
【0042】
次に、コントローラMCの実行する燃料消費表示ルーチンの一例についてフローチャートに基づいて説明する。
まず、図12に基づいて燃料消費表示メインルーチンについて説明する。
コントローラMCはステップS1においてACC電源のON状態を検出すると、ディスプレイ部14への表示動作を開始する。具体的にはマスター画像を表示させ前回までの積算燃料消費量Pccを第2のエリア37内に数値として表示させるとともに、その数値に対応する数(半端分は10L分ずつの表示)のブロックオブジェクト35の液体画像を下方側から表示順に従って赤色で表示させる。
コントローラMCはステップS2の変動表示サブルーチンにおいてエンジン回転数からエンジンの始動を検出すると、燃料消費に応じてディスプレイ部14上にメスシリンダーオブジェクト31の液体動画と雫オブジェクト32を赤色で変動表示を開始させる。
そして、コントローラMCはステップS3においてエンジン回転数からエンジンの停止かどうかを検出し、エンジン停止を検出するとエンジンの始動からエンジンの停止までの燃料消費量を過去の積算燃料消費量Pccに積算して保存し、ステップS4で後述するようにステップS2で設定したフラグFを0としてメインルーチンを終了させる。一方、テップS3においてエンジン停止ではないと判断するとステップS2に移行する。
【0043】
次に図13に基づいて変動表示サブルーチンについて説明する。本実施の形態ではコントローラMCは1秒間隔のタイミングでこのサブルーチンを実行する。
コントローラMCはステップS11において今回のタイミングで取得した取得燃料流量Bpに応じてメスシリンダーオブジェクト31と雫オブジェクト32に所定の変動表示をさせる。次にステップS12においてフラグFが0かどうかを判断し、フラグFが0である場合にはステップS13においてエンジン始動以来の積算燃料消費量ΔPcに新たに算出された取得燃料流量Bpを加えた値が100以上かどうか、つまりメスシリンダーオブジェクト31のデフォルトの容量100mlが満タンになったかどうかを判断する。ここでフラグFを設定しているのは次のような理由による。メスシリンダーオブジェクト31の容量は運転開始時点では0mlであるが、その後取得燃料流量Bpを合算していって満タンに達した場合にちょうど100mlとならず余りが発生する場合がある。そうすると、正確な燃料消費量を表示するためにはその余りを次の積算のベースとする必要がある。そこで、運転開始第1回目の満タンか2回目以降かを区別するためにフラグFを設定している。ここでコントローラMCは値(Pc+Bp)が100に達していないと判断すると一旦ルーチンを終了させる。
一方、ステップS13においてコントローラMCは値(Pc+Bp)が100以上であると判断すると、満タンになったとしてステップS14でコントローラMCは一旦メスシリンダーオブジェクト31に液体動画をカラにするような変動をさせるとともにタンクオブジェクト33に対して100mlに相当する液体動画を上昇させる表示をさせる。そして、ステップS15で100mlに達した際の値(Pc+Bp)から100を減算した残差T0を算出し、フラグを1に設定し、この残差T0を記憶する。ステップS15は積算された値がちょうど100とならず100以上となる場合を考慮して、100以上の余りの部分を次の100までの積算のベースとするための処理である。
これに対してステップS12でフラグFが1の場合には過去に1回以上メスシリンダーオブジェクト31が満タンになっていると判断して、ステップS16で前回の余りである残差T0に対して新たに算出された取得燃料流量Bpを加えた値が100以上かどうかを判断する。ここでコントローラMCは値(T0+Bp)が100に達していないと判断すると一旦ルーチンを終了させる。
一方、ステップS16でコントローラMCは値(T0+Bp)が100以上であると判断すると、満タンになったとしてステップS17でステップS14と同じ変動をさせる。そして、ステップS18で100mlに達した際の値(T0+Bp)から100を減算した新たな残差T0を算出しこの残差T0を記憶して一旦ルーチンを終了させる。
【0044】
次に、このような燃費表示装置10のディスプレイ部14に展開される各種変動の概要について説明する。
ユーザーは燃費表示装置10を接続用アダプタ21を介して車両診断用コネクタ22に接続することでディスプレイ部14に図5〜図8のような現在の燃料の消費状況を変動表示させてリアルタイムで燃料の消費状況を把握することができる。
図5は走行開始直後のディスプレイ部14である。メスシリンダーオブジェクト31に半分(つまり、50ml)程度まで液面が上昇した液体動画が表示されている。この段階ではタンクオブジェクト33の変動はない。また、前回までの積算燃料消費量Pccが積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)に表示される。
図6は1時間ほど走行した段階のディスプレイ部14である。例えば平均燃料流量Hpを毎分120mlとすると、7.2L余りを消費しているため、1つ目のタンクオブジェクト33Aは満タンとなり、2つ目のタンクオブジェクト33Bが現在変動中である。
図7はあるタイミングで負荷が大きな状態のディスプレイ部14である。負荷が大きな状態では燃料流量及び燃料消費量は多くなり、従ってディスプレイ部14に表示される燃料流量の数値は大きくなる傾向となり、一方瞬間燃費や平均燃費の数値は小さくなる傾向となる。負荷が大きな状態では燃料流量の多さを受けて雫オブジェクト32が大量にメスシリンダーオブジェクト31の液面に降り注いでいる。このとき、メスシリンダーオブジェクト31の液面の上昇スピードも速くなっている。
図8はアイドリング状態のディスプレイ部14である。雫オブジェクト32は少量となりメスシリンダーオブジェクト31の液面に降り注いでいる。この降り注ぐ量はこの車両では最も少ない状態である。このとき、メスシリンダーオブジェクト31の液面の上昇スピードはこの車両では最も遅くなっている状態である。
【0045】
上記のように構成することにより本実施の形態では次のような効果が奏される。
(1)ユーザーは燃費表示装置10のディスプレイ部14を目視することで、リアルタイムで自身の運転よる燃料の消費に対応した表示がメスシリンダーオブジェクト31と雫オブジェクト32の動画によって表示されるため、運転と燃料消費とが連動していることをよく理解できることとなり、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。
(2)メスシリンダーオブジェクト31はその形状と目盛を備えていることからユーザーに刻々と燃料を消費しているイメージを与え、また、雫オブジェクト32はメスシリンダーオブジェクト31内に降り注ぐような動画で表現されるため、トータルとして非常にインパクトが強い動画を目視させることとなってためエコロジカルな運転をさせるための心理的な効果が高い。
(3)燃料の消費速度が速くなるとメスシリンダーオブジェクト31の液面の上昇速度も上がり、雫オブジェクト32の数も増加するため、無駄に燃料を消費するような運転を控えより燃費のよいエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。
(4)燃料の消費に伴って目に見えて変動するメスシリンダーオブジェクト31によりスケール単位の大きなタンクオブジェクト33を併設することで、メスシリンダーオブジェクト31に側に燃料の消費速度に敏感な動きをさせることができるため、画面が小さくともユーザーに十分燃料の消費を消費している印象を強調した動画を目視させることができる。
(5)メスシリンダーオブジェクト31がカラになるとその量に対応した表示がタンクオブジェクト33側に蓄積されていくため、その回の運転で消費した燃料も同時に目視できることとなり、短い時間でのリアルタイムな燃料の消費だけでなく運転を通じての燃料の消費も併せて理解できることとなり、この点でもエコロジカルな運転をするように心掛けることに貢献する。
(6)新たにエンジンを始動させることで前回までの積算燃料消費量Pccが積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)に表示されることとなり、今までにどれだけの燃料を消費したかが今回の運転によるメスシリンダーオブジェクト31等の燃料消費表示と併せて目視できることとなり、燃料消費の詳細が理解しやすくなっている。
(7)当該車両の平均燃料流量Hpに応じてメスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量、雫オブジェクト32の数、タンクオブジェクト33の最大貯留量を最適な状態に変動させることができるため、ユーザーがもっとも見やすい変動画面を提供することが可能である。
(8)今回の運転での消費燃料、現在の燃料流量、瞬間燃費、平均燃費、過去の積算燃料消費量Pcc等の正確な数値も併せて表示されるため、ユーザーのエコロジカルな運転における判断情報となる。
【0046】
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記実施例では雫オブジェクト32のような液体オブジェクトが流下してメスシリンダーオブジェクト31内に貯留されていくような動画で燃料消費量を表現していたが、逆にメスシリンダーオブジェクト31のような容器から液体が抜けていくような動画であってもよい。
・例えば図15のようにメスシリンダーオブジェクト31がなく、雫オブジェクト32が単に上方から下方に向かって流下して消失するような姿態で燃料消費状態を表現するようにしてもよい。液体オブジェクトの数や密度でリアルタイムに燃料を消費していることが目視できるからである。上記実施の形態では一旦メスシリンダーオブジェクト31溜まった消費燃料分をバッチ的にタンクオブジェクト33に移動させて表示させていたが、この図15では雫オブジェクト32の消失に伴って少しずつタンクオブジェクト33の液体動画の液面を上昇させるような変動が好ましい。
・上記実施の形態では雫オブジェクト32は燃料消費が多くなるとその出現数が多くなるような設定であったが、燃料消費に伴って雫オブジェクト32の形状を変更したり、色を変えたりすることも可能である。
【0047】
上記実施の形態では「メスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量」、「雫オブジェクト32の数」、「タンクオブジェクト33の最大貯留量」が車両の平均燃料流量Hpに基づいて自動的に好適な設定とされていたが、ユーザーがディスプレイ部14のタッチパネルを操作することで、段落0037の「メスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量」、「雫オブジェクト32の数」、「タンクオブジェクト33の最大貯留量」をそれぞれ設定するようにしてもよい。
まず、「メスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量(以下、単に燃料消費量とする)」の設定について説明する。
ユーザーはディスプレイ部14のタッチパネルにタッチして上位階層から順に目的とするメニュー画面を選択する(図14(a)(b))。そして、ユーザーは自身の車両に対応する平均燃費(ここでは5〜15未満)をデフォルトとして選択して確定させる。「雫オブジェクト32の数」、「タンクオブジェクト33の最大貯留量」についても同様に目的とするメニュー画面を図14(a)から選択し、それぞれ車両の平均燃費に応じた雫オブジェクト32の数とタンクオブジェクト33の最大貯留量を選択する。また、画面上で数値入力するようにしてもよい。
尚、ここでのユーザーの選択は段落0037でのコントローラMCの判断による自動的な「メスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量」、「雫オブジェクト32の数」、「タンクオブジェクト33の最大貯留量」を設定することに優先させてもよく、あくまで初期設定値としてコントローラMCの判断を優先させるようにしてもよい。
また、ユーザーが選択する場合はこのようにディスプレイ部14上で画面にタッチして設定してもよく、SDカードを取り出してパソコンから入力するようにしてもよい。
【0048】
・上記実施の形態ではメスシリンダーオブジェクト31のカラ〜満タンまでの変動量に対応する燃料消費量、雫オブジェクト32の数及びタンクオブジェクト33の燃料消費量は平均燃料流量Hpに基づいて自動的に設定値を変更するようにしていたが、これらを平均燃費に基づいて自動的に設定値を変更するようにしてもよい。あるいは平均燃費及び平均燃料流量Hpのいずれかをユーザーが選択するようにしてもよい。
・上記においてはメスシリンダーオブジェクト31の容量、つまりカラ〜満タンまでの変動量に対応するデフォルトの燃料消費量が100mlに設定されており、この量は所定の燃費の車両がアイドリング状態のみの燃料流量で2分程度で消費する量に想定されていた。
一方、カラ〜満タンまでの変動量に対応するデフォルトの燃料消費量を非常に負荷の大きな状態での運転時の燃料流量(最高燃料流量)で数秒で消費する量に設定することも可能である。この最も燃料が消費されている状態で液面の上下動を認識できるのであれば、通常の運転状態では液面の上下動は同じ秒単位でもより緩やかな挙動で変動させられることとなるため、結果としてユーザーはどのような運転状況でも確実に液面の上下動を視認することが可能となる。
【0049】
・第1のスケールオブジェクトとしてメスシリンダーオブジェクト31の形状や配置位置は上記に限定されない。メスシリンダーの形状以外でももちろん構わない。
・第2のスケールオブジェクトとしてタンクオブジェクト33の形状や数や配置位置は上記に限定されない。また、燃料消費に伴う変動表示の順、つまりどのタンクオブジェクト33から変動させるかは適宜変更可能である。
・第3のスケールオブジェクトとして積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)の形状や数や配置位置は上記に限定されない。また、燃料消費に伴う変動表示の順、つまりどのブロックオブジェクト35から変動させるかは適宜変更可能である。
・積層オブジェクト36(ブロックオブジェクト35)をなくして、積算燃料消費量Pccの数値のみを表示させるようにしてもよい。
・タンクオブジェクト33をなくして、今回のエンジン始動からの積算燃料消費量ΔPcはその数値のみを表示させるようにしてもよい。
【0050】
上記実施の形態では燃費表示装置10として説明したが、他の電子機器、例えばレーダー装置やナビゲーション装置に適用するようにしてもよい。
・ディスプレイ部14に走行距離を表示させてもよい。
・ディスプレイ部14にエンジン始動から現在までの時間を表示させてもよい。
・ディスプレイ部14に現在時刻を表示させてもよい。
・ディスプレイ部14の画面の大きさは変更可能である、
・制御手段としての上記実施の形態ではコントローラMCは燃費表示装置10内に配設していたが、コントローラMCを含む本体を車両外に設置し、無線によってデータを送受信を実行し、表示手段のみ車両内に設置するようにしてもよい。
・上記実施の形態ではメスシリンダーオブジェクト31タンクオブジェクト33は二次元的にディスプレイ部14に表示させるようにしたが、3次元的に、つまり奥行きのあるような画像としてディスプレイ部14に画像を表示させるようにしてもよい。
・車両からの情報として当該車両のトータルの走行距離を取得できるのであれば、燃費表示装置10を取り付けた際にその走行距離と平均燃費から燃費表示装置10を取り付けるまでの積算燃料消費量Pccを算出することで、燃費表示装置10を取り付けてからではなく、当該車両の走行開始から燃費表示装置10を取り付けまでの間も加味した積算燃料消費量Pccを表示させるようにすることも可能である。
・車両情報が取得できるものであればODB−II用の車両診断用コネクタ22以外の出力部から情報を取得するようにしてもよい。
【0051】
・上記実施の形態では第1のスケールオブジェクトとしてメスシリンダーオブジェクト31、第2のスケールオブジェクトとしてタンクオブジェクト33、第3のスケールオブジェクトとして積層オブジェクト36の3種類を表示させるようにしていたが、メスシリンダーオブジェクト31とタンクオブジェクト33の間はスケール単位がかなり大きいため、この間にもう1つそれらの中間的なエンジン始動から停止までの燃料消費量に応じたオブジェクトを表示させるようにしてもよい。
このようなスケールオブジェクトとしてエンジン始動から停止までの1回のサイクルが比較的短い場合の走行距離、例えば会社への通勤、郊外のショッピングモールへの買い物、子供の送り迎え等の5〜20km程度の距離の燃料消費量に応じたオブジェクト(以下、近距離用燃料消費オブジェクト)を表示させることが想定される。この新たな近距離用燃料消費オブジェクトは上記3種のスケールオブジェクトに追加してもタンクオブジェクト33に代わって使用するようにしてもよい。
・上記実施の形態ではメスシリンダーオブジェクト31がエンジンが駆動している際に常時変動するオブジェクトであり、タンクオブジェクト33、積層オブジェクト36は常時変動しておらず、他の条件が成立することで変動するものであった。しかし、上記においてメスシリンダーオブジェクト31、タンクオブジェクト33、積層オブジェクト36のあるいは近距離用燃料消費オブジェクトが表示されている場合にこれらをエンジンが駆動している際に常時変動させるような表示態様とすることも可能である。
・本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
【符号の説明】
【0052】
10…電子システムとして燃費表示装置、14…ディスプレイ部、MC…制御手段としてのコントローラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から取得する燃料消費に関する情報に基づき燃料の消費速度に対応した速度で表示手段に対して現在の燃料の消費状況を変動表示させる制御手段を備えたことを特徴とする電子システム。
【請求項2】
前記表示手段を備えるとともに、前記制御手段は車両に備え、前記表示手段は、前記車両内の運転者から視認可能な位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電子システム。
【請求項3】
前記変動表示は前記燃料消費に応じてオブジェクトが移動、出現又は消失する表示であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子システム。
【請求項4】
前記オブジェクトは液体のイメージのオブジェクト(以下、液体オブジェクト)であって、前記変動表示は前記燃料消費に応じて前記液体オブジェクトが流下する表示であることを特徴とする請求項3に記載の電子システム。
【請求項5】
前記制御手段は容器のイメージのオブジェクト(以下、容器オブジェクト)を前記表示手段に表示させるとともに、前記変動表示は前記燃料消費に応じて液体オブジェクトが前記容器オブジェクト内に流下して液面が上昇していく表示又は液体オブジェクトが前記容器オブジェクトから流出して前記容器オブジェクト内の液面が下降していく表示であることを特徴とする請求項4に記載の電子システム。
【請求項6】
前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両のエンジンのアイドリング状態において分レベルで消費される量に対応させた速度であることを特徴とする請求項5に記載の電子システム。
【請求項7】
前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両の最高燃料流量で秒レベルで消費される量に対応させた速度であることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子システム。
【請求項8】
前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両の平均燃費又は平均燃料流量に基づいて決定した速度であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の電子システム。
【請求項9】
前記制御手段は平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つに変化がある場合にその変化に応じて前記液体オブジェクトの表示態様を他の種類の表示態様に変更させることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の電子システム。
【請求項10】
前記制御手段は、アイドリング時における前記液体オブジェクトの表示態様を平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動可能とするとともに、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更可能としたことを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載の電子システム。
【請求項11】
前記制御手段は、最大燃料流量時における前記液体オブジェクトの表示態様を平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動可能とするとともに、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更可能としたことを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載の電子システム。
【請求項12】
前記燃料の消費速度に対応した速度はエンジンが停止中には前記オブジェクトを変動表示させず、エンジンが駆動中において変動表示させることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電子システム。
【請求項13】
前記変動表示として、燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動する複数の異なるスケールのイメージのオブジェクト(以下、スケールオブジェクト)を表示させることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の電子システム。
【請求項14】
前記複数の異なるスケールオブジェクトとして、当該スケールが車両のエンジンのアイドリング状態において分レベルで当該スケールオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになるスケールオブジェクト、当該スケールが1回のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量に相当するスケールのスケールオブジェクト、当該スケールが車両の燃料タンクの容量に相当するスケールのスケールオブジェクト、当該スケールが車両の生涯燃量消費量に相当するスケールのオブジェクトの少なくともいずれか2つを有することを特徴とする請求項13に記載の電子システム。
【請求項15】
前記複数の異なるスケールオブジェクトのうち、スケール単位の小さなオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになった際に、スケール単位のより大きなオブジェクトにそのいっぱいになったまたはカラになった容量分の変動表示をもたらすことを特徴とする請求項13又は14に記載の電子システム。
【請求項16】
前記複数の異なるスケールオブジェクトを燃料の消費に連動して同時に増加又は減少のいずれかの方向に変動表示させることを特徴とする請求項13又は14に記載の電子システム。
【請求項17】
前記変動表示として、燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動する第1のスケールオブジェクトを表示させることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の電子システム。
【請求項18】
前記第1のスケールオブジェクトは容器オブジェクトであることを特徴とする請求項5〜13、17のいずれかに記載の電子システム。
【請求項19】
前記制御手段は、前記第1のスケールオブジェクトを当該オブジェクトの背景色とは異なる色によって着色表示させることを特徴とする請求項17又は18のいずれかに記載の電子システム。
【請求項20】
前記制御手段は、前記表示手段に過去の燃料消費履歴を表示させ、前記第1のスケールオブジェクトを一定の燃料消費に伴って変動開始前の初期表示状態に復帰するように表示させるとともに、前記第1のスケールオブジェクトの初期状態への復帰表示に連動して当回の消費された一定の燃料を過去の燃料消費履歴に積算させて表示させることを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載の電子システム。
【請求項21】
前記制御手段は、前記第1のスケールオブジェクトを一定の燃料消費に伴って変動開始前の初期表示状態に復帰するように表示させるとともに、前記表示手段に増加又は減少のいずれかの方向に変動する前記第1のスケールオブジェクトよりもスケール単位の大きな第2のスケールオブジェクトを表示させ、前記第1のスケールオブジェクトが初期表示状態に復帰するように動作すると、その復帰動作に連動して当回の消費された一定の燃料に対応する変動量で前記第2のスケールオブジェクトを表示させることを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載の電子システム。
【請求項22】
前記制御手段は、前記表示手段に過去の燃料消費履歴を表示させ、エンジン停止に伴って前記第1及び第2のスケールオブジェクトを変動開始前の初期表示状態に復帰するように動作させるとともに、直近のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量を過去の燃料消費履歴に積算させて表示させることを特徴とする請求項21に記載の電子システム。
【請求項23】
前記制御手段は、前記表示手段に増加又は減少のいずれかの方向に変動する前記第2のスケールオブジェクトよりもスケール単位の大きな第3のスケールオブジェクトを表示させ、エンジン停止に伴って第1及び第2のスケールオブジェクトを変動開始前の初期表示状態に復帰するように動作させるとともに、直近のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量を過去の燃料消費履歴に積算させ、その燃料消費量に対応する変動量で前記第3のスケールオブジェクトを変動表示させることを特徴とする請求項21に記載の電子システム。
【請求項24】
前記第2のスケールオブジェクトの最大変動量はエンジン始動からエンジン停止までの最大燃料消費量に対応していることを特徴とする請求項21〜23のいずれかに記載の電子システム。
【請求項25】
前記第2のスケールオブジェクトの最大変動量は当該車両の燃料タンク容量に応じて変更されることを特徴とする請求項22〜24のいずれかに記載の電子システム。
【請求項26】
前記変動表示は、前記燃料の消費に連動して面積の増加又は面積の減少のいずれかによって前記第1〜第3の少なくともいずれか1つのスケールオブジェクトを表示させることを特徴とする請求項17〜25のいずれかに記載の電子システム。
【請求項27】
前記表示手段に今回のエンジン始動時点から現在時点までの消費燃料量を数値情報として前記変動表示とともに表示させることを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の電子システム。
【請求項28】
前記表示手段に燃料流量、瞬間燃費、平均燃費の少なくとも1つの情報を数値として前記変動表示とともに表示させることを特徴とする請求項1〜27のいずれかに記載の電子システム。
【請求項29】
請求項1〜28のいずれかに記載の電子システムにおける制御手段の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項1】
車両から取得する燃料消費に関する情報に基づき燃料の消費速度に対応した速度で表示手段に対して現在の燃料の消費状況を変動表示させる制御手段を備えたことを特徴とする電子システム。
【請求項2】
前記表示手段を備えるとともに、前記制御手段は車両に備え、前記表示手段は、前記車両内の運転者から視認可能な位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電子システム。
【請求項3】
前記変動表示は前記燃料消費に応じてオブジェクトが移動、出現又は消失する表示であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子システム。
【請求項4】
前記オブジェクトは液体のイメージのオブジェクト(以下、液体オブジェクト)であって、前記変動表示は前記燃料消費に応じて前記液体オブジェクトが流下する表示であることを特徴とする請求項3に記載の電子システム。
【請求項5】
前記制御手段は容器のイメージのオブジェクト(以下、容器オブジェクト)を前記表示手段に表示させるとともに、前記変動表示は前記燃料消費に応じて液体オブジェクトが前記容器オブジェクト内に流下して液面が上昇していく表示又は液体オブジェクトが前記容器オブジェクトから流出して前記容器オブジェクト内の液面が下降していく表示であることを特徴とする請求項4に記載の電子システム。
【請求項6】
前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両のエンジンのアイドリング状態において分レベルで消費される量に対応させた速度であることを特徴とする請求項5に記載の電子システム。
【請求項7】
前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両の最高燃料流量で秒レベルで消費される量に対応させた速度であることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子システム。
【請求項8】
前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両の平均燃費又は平均燃料流量に基づいて決定した速度であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の電子システム。
【請求項9】
前記制御手段は平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つに変化がある場合にその変化に応じて前記液体オブジェクトの表示態様を他の種類の表示態様に変更させることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の電子システム。
【請求項10】
前記制御手段は、アイドリング時における前記液体オブジェクトの表示態様を平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動可能とするとともに、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更可能としたことを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載の電子システム。
【請求項11】
前記制御手段は、最大燃料流量時における前記液体オブジェクトの表示態様を平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動可能とするとともに、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更可能としたことを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載の電子システム。
【請求項12】
前記燃料の消費速度に対応した速度はエンジンが停止中には前記オブジェクトを変動表示させず、エンジンが駆動中において変動表示させることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電子システム。
【請求項13】
前記変動表示として、燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動する複数の異なるスケールのイメージのオブジェクト(以下、スケールオブジェクト)を表示させることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の電子システム。
【請求項14】
前記複数の異なるスケールオブジェクトとして、当該スケールが車両のエンジンのアイドリング状態において分レベルで当該スケールオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになるスケールオブジェクト、当該スケールが1回のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量に相当するスケールのスケールオブジェクト、当該スケールが車両の燃料タンクの容量に相当するスケールのスケールオブジェクト、当該スケールが車両の生涯燃量消費量に相当するスケールのオブジェクトの少なくともいずれか2つを有することを特徴とする請求項13に記載の電子システム。
【請求項15】
前記複数の異なるスケールオブジェクトのうち、スケール単位の小さなオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになった際に、スケール単位のより大きなオブジェクトにそのいっぱいになったまたはカラになった容量分の変動表示をもたらすことを特徴とする請求項13又は14に記載の電子システム。
【請求項16】
前記複数の異なるスケールオブジェクトを燃料の消費に連動して同時に増加又は減少のいずれかの方向に変動表示させることを特徴とする請求項13又は14に記載の電子システム。
【請求項17】
前記変動表示として、燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動する第1のスケールオブジェクトを表示させることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の電子システム。
【請求項18】
前記第1のスケールオブジェクトは容器オブジェクトであることを特徴とする請求項5〜13、17のいずれかに記載の電子システム。
【請求項19】
前記制御手段は、前記第1のスケールオブジェクトを当該オブジェクトの背景色とは異なる色によって着色表示させることを特徴とする請求項17又は18のいずれかに記載の電子システム。
【請求項20】
前記制御手段は、前記表示手段に過去の燃料消費履歴を表示させ、前記第1のスケールオブジェクトを一定の燃料消費に伴って変動開始前の初期表示状態に復帰するように表示させるとともに、前記第1のスケールオブジェクトの初期状態への復帰表示に連動して当回の消費された一定の燃料を過去の燃料消費履歴に積算させて表示させることを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載の電子システム。
【請求項21】
前記制御手段は、前記第1のスケールオブジェクトを一定の燃料消費に伴って変動開始前の初期表示状態に復帰するように表示させるとともに、前記表示手段に増加又は減少のいずれかの方向に変動する前記第1のスケールオブジェクトよりもスケール単位の大きな第2のスケールオブジェクトを表示させ、前記第1のスケールオブジェクトが初期表示状態に復帰するように動作すると、その復帰動作に連動して当回の消費された一定の燃料に対応する変動量で前記第2のスケールオブジェクトを表示させることを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載の電子システム。
【請求項22】
前記制御手段は、前記表示手段に過去の燃料消費履歴を表示させ、エンジン停止に伴って前記第1及び第2のスケールオブジェクトを変動開始前の初期表示状態に復帰するように動作させるとともに、直近のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量を過去の燃料消費履歴に積算させて表示させることを特徴とする請求項21に記載の電子システム。
【請求項23】
前記制御手段は、前記表示手段に増加又は減少のいずれかの方向に変動する前記第2のスケールオブジェクトよりもスケール単位の大きな第3のスケールオブジェクトを表示させ、エンジン停止に伴って第1及び第2のスケールオブジェクトを変動開始前の初期表示状態に復帰するように動作させるとともに、直近のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量を過去の燃料消費履歴に積算させ、その燃料消費量に対応する変動量で前記第3のスケールオブジェクトを変動表示させることを特徴とする請求項21に記載の電子システム。
【請求項24】
前記第2のスケールオブジェクトの最大変動量はエンジン始動からエンジン停止までの最大燃料消費量に対応していることを特徴とする請求項21〜23のいずれかに記載の電子システム。
【請求項25】
前記第2のスケールオブジェクトの最大変動量は当該車両の燃料タンク容量に応じて変更されることを特徴とする請求項22〜24のいずれかに記載の電子システム。
【請求項26】
前記変動表示は、前記燃料の消費に連動して面積の増加又は面積の減少のいずれかによって前記第1〜第3の少なくともいずれか1つのスケールオブジェクトを表示させることを特徴とする請求項17〜25のいずれかに記載の電子システム。
【請求項27】
前記表示手段に今回のエンジン始動時点から現在時点までの消費燃料量を数値情報として前記変動表示とともに表示させることを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の電子システム。
【請求項28】
前記表示手段に燃料流量、瞬間燃費、平均燃費の少なくとも1つの情報を数値として前記変動表示とともに表示させることを特徴とする請求項1〜27のいずれかに記載の電子システム。
【請求項29】
請求項1〜28のいずれかに記載の電子システムにおける制御手段の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−140041(P2012−140041A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292100(P2010−292100)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】
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