説明

電子デバイス用放熱部材、電子デバイスおよび製造方法

【課題】放熱効果の優れた電子デバイス用放熱部材を提供する。さらに、この放熱部材を有する電子デバイスを提供する。
【解決手段】電子デバイス用放熱部材は、斜方晶系のケイ酸塩鉱物のフィラーと、樹脂とを含有する熱伝導性樹脂組成物から構成される電子デバイス用放熱部材であり、電子デバイス用放熱部材は、電子デバイスの内部に充填される充填部材および電子デバイスの表面に設けられる放熱板からなる群から選ばれる少なくとも1種である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイス用放熱部材に関し、特に、電子デバイス内部に生じた熱を効率的に伝導、伝達する電子デバイス用放熱部材、それを用いた電子デバイスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
文字や映像を表示する表示装置のユニットや画素に用いられている電界発光素子や、平面型照明としてのエレクトロルミネセンス素子が知られている。図3は従来のエレクトロルミネセンス素子の概略断面図である。エレクトロルミネセンス素子20は、透明なガラス基板21の表面に透明な陽極22が形成され、さらに陽極22上には電子輸送層や発光層等からなるエレクトロルミネセンス層23が形成される。さらにその上には金属からなる陰極24が真空蒸着等によって形成される。また陽極22および/または陰極24は必要に応じて所定の形状にパターニングされ、陰極24と陽極22間に供給される電圧によって両極間に位置するエレクトロルミネセンス層23に電流が流れ、陰極24および陽極22のパターン形状に応じて発光し、透明なガラス基板21を透過する。
【0003】
また、エレクトロルミネセンス層23は水分による劣化が顕著であり、例えば空気中の水分に触れると化学変化が起こり、発光寿命が短くなるといった問題がある。このため、従来のエレクトロルミネセンス素子20では、ガラス基板21上に積層形成された陽極22、エレクトロルミネセンス23、陰極24を、例えばガラスからなる封止体26を樹脂等の接着剤27によってガラス基板21上で接着封止し、かつ、封止された内部空間28に不活性ガスなどを充満させる、または、例えばガラス封止体26の内側に乾燥剤層を形成することにより、エレクトロルミネセンス層23が、外部からの湿気や水分に触れるのを防いでいた。
【0004】
ところが、接着剤27とガラスなどの封止体26による中空封止では、外部からの湿気や水分の遮断は不完全であり、塗布する接着剤27の厚みや幅などによって多少の差はあるにしても、数μg/year程度の水分は内部空間に侵入してしまっていた。
【0005】
このため、接着剤27とガラスなどの封止体26を用いた中空封止の方法を用いる替わりに、図4に示すように、ガラス基板21上に積層形成された陽極22、エレクトロルミネセンス層23、陰極24を、撥水性保護膜29で直接コーティングして形成することが考えられた。しかし、この場合においても、撥水性保護膜29の膜厚を薄く形成した場合は、外部からの湿気や水分の遮断は不完全であり、逆に膜厚を厚く形成すると、コーティング後の硬化収縮による応力が発生し、陽極22、エレクトロルミネセンス層23、陰極24などに負荷がかかってしまった。さらに、素子の放熱条件が悪化し、素子20’内部に蓄積された熱により、エレクトロルミネセンス層23が酸化もしくは結晶化してしまい、これらの要因によって素子20’の特性が劣化するといった問題があった。
【0006】
エレクトロルミネセンス素子の熱劣化を防ぐために、ガラス基板上に形成された2つの電極とエレクトロルミネセンス層を放熱性の樹脂で封止して、熱を外気に発散する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、樹脂を介して、素子から発生した熱を外気に放熱することが可能である。しかし、樹脂を通して侵入する酸素または水蒸気を阻害することができず、結果素子の劣化を防ぐことができない。
【0007】
放熱特性を有する充填材を用いることによってガラス封止体を用いたエレクトロルミネセンス素子の放熱の方法も提示されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法で具体的に提示されている放熱特性を有する樹脂は、シリコーンを主成分とするため、シリコーン樹脂から放出される低分子シロキサン分子によって素子を構成する薄膜やシールの密着性が悪化し、その結果、薄膜が剥離し易くなったりするため、素子の製品としての寿命を短くする問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−275681号公報
【特許文献2】特表2008−504653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のとおり、従来のエレクトロルミネセンス素子では、内部に発生した熱の放熱に関し種々の問題が生じている。
そこで本発明は、エレクトロルミネセンス素子を初めとする電子デバイスの用途において、かかる放熱に関する問題の発生を抑制し、優れた放熱性を有する放熱部材を提供することを課題の一つとする。さらに、前記放熱部材を有する電子デバイスを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、樹脂と、斜方晶系のケイ酸塩鉱物のフィラーとを組み合わせて、放熱部材とすることにより、電子デバイスの劣化を引き起こす問題を抑制でき、さらに放熱効果の高い放熱部材を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
本発明の第1の態様に係る電子デバイス用放熱部材は、例えば、図1に示す電子デバイス用放熱部材1、または図2に示す電子デバイス用放熱部材1であって、斜方晶系のケイ酸塩鉱物のフィラーと、樹脂とを含有する熱伝導性樹脂組成物から構成される電子デバイス用放熱部材1であり、この電子デバイス用放熱部材は、電子デバイス10の内部に充填される充填部材1aおよび電子デバイス10’の表面に設けられる放熱板1bからなる群から選ばれる少なくとも1種である。なお、「ケイ酸塩鉱物」とは、天然、人工いずれであってもよく、アルミノケイ酸塩鉱物や、さらには鉱物以外のケイ酸塩化合物をも含む。
【0012】
このように構成すると、放熱部材は、樹脂に斜方晶系のケイ酸塩鉱物のフィラーを含み、熱伝導性および熱伝達性に優れることから、電子デバイス内部に生じた熱を効果的に放熱することができる。さらに、これらのフィラーを用いることにより、フィラーの分解でガスが発生し素子を劣化させることを抑制することができる。また、これらのフィラーは、適度な硬度を有するため、放熱部材の製造過程での機材の磨耗を抑制することができる。また、放熱部材は樹脂で構成されているため、樹脂用加工機を用いて用途に応じた成形を容易に行うことができる。
【0013】
本発明の第2の態様に係る電子デバイス用放熱部材は、上記本発明の第1の態様に係る電子デバイス用放熱部材において、前記斜方晶系のケイ酸塩鉱物は、コーディエライト(cordierite)またはムライト(mullite)である。
【0014】
これらのフィラーは、軽量で熱伝導性に優れ、化学的に安定で樹脂との親和性も高く、人体に害が少ないので、それらの特徴を活かした放熱部材とすることができる。さらに、これらのフィラーは、遠赤外線セラミックスとして使用されており、遠赤外線放射に優れるといった特性を放熱部材に与えることができる。
【0015】
本発明の第3の態様に係る電子デバイス用放熱部材は、上記本発明の第1または第2の態様に係る電子デバイス用放熱部材において、充填部材1aとなる熱伝導性樹脂組成物は、窒化硼素、窒化アルミニウム、炭化珪素、アルミナ、マグネシア、シリカ、ルチル型酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の追加フィラーをさらに含む。
【0016】
このように構成すると、追加フィラーにより放熱部材の熱伝導性および熱伝達性をさらに高めることができる。また、放熱部材を白色に着色できるため、フィラーが有色の場合であっても放熱部材を白色にすることができる。さらに、電子デバイスが発光素子の場合、光の反射率を高めることができる。
【0017】
本発明の第4の態様に係る電子デバイス用放熱部材は、上記本発明の第1または第2の態様に係る電子デバイス用放熱部材において、放熱板1bとなる熱伝導性樹脂組成物は、黒鉛および低次酸化チタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の追加フィラーをさらに含む。
【0018】
このように構成すると、追加フィラーにより放熱部材の近赤外域の放射率が向上し、放熱効果をより高めることができる。また、放熱部材を黒色に着色できるため、フィラーが有色の場合であっても放熱部材を黒色にすることで、意匠性を向上することができる。
【0019】
本発明の第5の態様に係る電子デバイス用放熱部材は、上記本発明の第3または第4の態様に係る電子デバイス用放熱部材において、前記樹脂は、前記フィラーおよび前記追加フィラーを35〜95重量%含有し、前記追加フィラーは、前記フィラーに対して1〜70重量%であり、前記フィラーは粉末であり、平均粒径が0.1〜200μmである。
【0020】
このように構成すると、樹脂中に含まれるフィラーおよび追加フィラーの量が適正な放熱部材となる。また、フィラーの平均粒径が適正であるため、樹脂中に均一に混練容易な放熱部材となる。
【0021】
本発明の第6の態様に係る電子デバイス用放熱部材は、上記本発明の第1〜5のいずれか1の態様に係る電子デバイス用放熱部材において、前記樹脂は、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネートおよびポリエチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である。
【0022】
このように構成すると、放熱部材は化学的に安定な樹脂で構成され、樹脂の分解により発生するガスが電子デバイスを劣化させるのを抑制した放熱部材となる。
【0023】
本発明の第7の態様に係る電子デバイス用放熱部材は、上記本発明の第6の態様に係る電子デバイス用放熱部材において、前記樹脂は、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である。
【0024】
このように構成すると、ポリオレフィンのなかでも特に好ましいポリエチレンまたはポリプロピレンを用いた放熱部材となる。
【0025】
本発明の第8の態様に係る電子デバイスは、例えば、図1に示す電子デバイス10であって、ベースとなる基板11と;基板11の一方の面上に形成された第1の電極12と;第1の電極12上に形成された有機薄膜層13と;有機薄膜層13上に形成された第2の電極14と;第1の電極12、有機薄膜層13および第2の電極14を覆う気体非透過保護膜15と;気体非透過保護膜15上に載置された、上記本発明の第1〜7のいずれか1の態様に係る電子デバイス用放熱部材1と;電子デバイス用放熱部材1上に形成され、基板11に固定された封止体16とを備える。なお、「載置」とは、特定の物の上に特定物が固定されて置かれることをいう。
【0026】
このように構成すると、放熱部材が電子デバイス内部に充填部材として充填される。電子デバイス内部に生じた熱は、効率的に熱伝導、熱伝達され、放熱部材を介して封止体16に伝達される。その結果、熱による電子デバイスの劣化を抑制することができる。
【0027】
本発明の第9の態様に係る電子デバイスは、例えば、図2に示す電子デバイス10’であって、ベースとなる基板11と;基板11の一方の面上に形成された第1の電極12と;第1の電極12上に形成された有機薄膜層13と;有機薄膜層13上に形成された第2の電極14と;第1の電極12、有機薄膜層13および第2の電極14を覆う気体非透過保護膜15と;気体非透過保護膜15上方に形成され、基板11に固定された封止体16と;封止体16上に載置された上記本発明の第1〜7のいずれか1の態様に係る電子デバイス用放熱部材1とを備える。
【0028】
このように構成すると、放熱部材が電子デバイスの封止体表面に放熱板として載置される。その結果、電子デバイス内部に生じ、熱伝導、熱伝達により封止体に伝達された熱は、放熱板から効率的に外部へ放出される。その結果、熱による電子デバイスの劣化を抑制することができる。
【0029】
本発明の第10の態様に係る電子デバイスの製造方法は、例えば、図1に示す電子デバイス10の製造方法であって、ベースとなる基板11の一方の面上に第1の電極12を形成する工程と;第1の電極12上に有機薄膜層13を形成する工程と;有機薄膜層13上に第2の電極14を形成する工程と;第2の電極14上に、気体非透過保護膜15をコーティングする工程と;気体非透過保護膜15上に、上記本発明の第1〜7のいずれか1の態様に係る電子デバイス用放熱部材1を積層する工程と;電子デバイス用放熱部材1上に封止体16を形成し、基板11に固定する工程とを備える。
【0030】
このように構成すると、放熱部材を電子デバイス内部に充填部材として充填する電子デバイスの製造方法となる。製造された電子デバイスでは、電子デバイス内部に生じた熱が、効率的に熱伝導、熱伝達され、放熱部材を介して封止体16に伝達され、熱による電子デバイスの劣化を抑制することができる。
【0031】
本発明の第11の態様に係る電子デバイスの製造方法は、例えば、図2に示す電子デバイス10’の製造方法であって、ベースとなる基板11の一方の面上に第1の電極12を形成する工程と;第1の電極12上に有機薄膜層13を形成する工程と;有機薄膜層13上に第2の電極14を形成する工程と;第2の電極14上に気体非透過保護膜15をコーティングする工程と;気体非透過保護膜15上方に封止体16を形成し、基板11に固定する工程と;封止体16を上記本発明の第1〜7のいずれか1の態様に係る電子デバイス用放熱部材1で覆う工程とを備える。
【0032】
このように構成すると、放熱部材を電子デバイスの封止体表面に放熱板として載置する電子デバイスの製造方法となる。製造された電子デバイスでは、電子デバイス内部に生じ、熱伝導、熱伝達により封止体に伝達された熱が、放熱板から効率的に外部へ放出され、熱による電子デバイスの劣化を抑制することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の放熱部材は、エレクトロルミネセンス素子を初めとする電子デバイスに用いることができ、樹脂と、斜方晶系のケイ酸塩鉱物のフィラーを含む熱伝導性樹脂組成物から構成されるため、電子デバイス内部に生じた熱を効果的に放熱することができ、電子デバイスの劣化を抑制することができる。さらに、フィラーが熱や水分で分解しないので、エレクトロルミネセンス素子を劣化させるアンモニアなどのガスが発生することもない。その結果、電子デバイスの寿命をより長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】放熱部材1を充填部材1aとして内部に充填したエレクトロルミネセンス素子10の概略断面図である。
【図2】放熱部材1を放熱板1bとして封止体16の表面に設けられるように載置したエレクトロルミネセンス素子10’の概略断面図である。
【図3】従来のエレクトロルミネセンス素子20の概略断面図である。
【図4】他の従来のエレクトロルミネセンス素子20’の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一または相当する部分には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。また、以下の実施の形態では、本発明の電子デバイス用放熱部材(以下、放熱部材とする)を、電子デバイスの一例としてエレクトロルミネセンス素子に用いたものとして説明する。しかし、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
【0036】
[放熱部材1(充填部材1a)]
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る放熱部材1について説明する。なお、図1は、放熱部材1を内部に充填したエレクトロルミネセンス素子10の概略断面図である。このように放熱部材1は、エレクトロルミネセンス素子10の内部に充填される充填部材1aとして機能する。すなわち、放熱部材1は、気体非透過保護膜15と封止体16に接触するように充填され、気体非透過保護膜15から伝達された熱を封止体16に伝達することにより、エレクトロルミネセンス素子10を除熱する。なお、放熱部材1は、樹脂に熱伝導性を有するフィラーを混合して製造される。
【0037】
樹脂は、ガスの発生によるエレクトロルミネセンス素子10の劣化を防止する観点、および高熱伝導性を得る観点から非シリコーン系の樹脂であることが望ましい。さらに高度な配向性を発現する点で、ポリオレフィン、液晶性ポリマー(LCP)等が好ましい。熱は分子鎖に沿ってフォノンを介して伝達されるため、高度に配向していることにより熱伝導率を上げることができる。すなわちより効率よく熱を伝えることができる。
さらに、加工性を考慮すると、ポリオレフィン(PO)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が好ましい。中でも吸水性が低く、分解によって素子にダメージを与えず、焼却しても有害ガスがでることがない、ポリオレフィンがより好ましい。吸水性が低いと水分の混入によるエレクトロルミネセンス素子10の劣化を抑制することができる。なお、ポリオレフィンは種々のグレードがあり、それらの入手が容易である点においても好ましい。
さらに、ポリオレフィンの中でも特にポリエチレンおよびポリプロピレンが好ましい。ポリエチレン、ポリプロピレンは、広く一般に使用されているため、入手が容易で安価であるとともに、色々な特性のグレードがありメルトマスフローレートや軟化点などの物性の調整が容易である。
ポリプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体以外に、プロピレンを主成分とする、プロピレン以外の単量体との二元以上のランダムまたはブロック共重合体、およびこれらの2種類以上の混合物を挙げることができる。前記単量体としては、特に限定されないが、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素数4〜12のα−オレフィンまたはエチレンなどが例示できる。これらは1種でも2種以上の併用でもよい。
ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などが例示できる。これらは1種でも2種以上の併用でもよい。
【0038】
斜方晶系のケイ酸塩鉱物のフィラーとしては、ムライト、コーディエライト、エンスタタイト、ヘミモルファイト、ゾイサイト、シリマナイト、紅柱石を挙げることができる。特に、熱伝導率が高く、樹脂との混合に適している点でコーディエライト、ムライトが好ましい。なお、斜方晶系のケイ酸塩鉱物は天然、人工いずれであってもよい。また、本発明の効果が著しく損なわれなければ、鉱物として、マイカ、モンモリロナイト、黒鉛(グラファイト含む)、カオリン、ベントナイト等が含まれていてもよい。
さらに、斜方晶系のケイ酸塩鉱物のフィラーに加えて、酸化亜鉛等の他の熱伝導性を有する追加フィラーを加えてもよい。
【0039】
追加フィラーは、セラミックスであってもよい。セラミックスとしては、アルミナ(酸化アルミニウム)、シリカ、窒化硼素、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素等が挙げられる。特に、熱伝導率の観点から、シリカ、窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素が好ましい。窒化硼素は、熱伝導率が高く、良好な絶縁性を有し、加工機を磨耗させ難い点に優れているので、より好ましい。また、上記の鉱物とセラミックスを混合して使用することは物性調整が容易である点でも好ましい。
【0040】
追加フィラーは、金属であってもよい。金属としては、アルミ、銀、銅、錫等およびそれらの合金が挙げられる。特に、加工性および安全性からアルミ、銀、銅が好ましい。
【0041】
フィラーおよび追加フィラーの形状は、粉末、ペースト、ワイヤ状等が好ましい。特に、均一な状態が得られることから、粉末、ペーストとして樹脂に混合することが好ましい。鉱物、セラミックス、または金属が粉末の場合は、その平均粒径は、0.1〜200μmであることが好ましく、特に、0.5〜100μmであることが好ましい。また、フィラーおよび追加フィラーの熱伝導性樹脂組成物中の含有量は、好ましくは35〜95重量%であり、より好ましくは35〜80重量%である。追加フィラーは、フィラーに対して好ましくは0〜70重量%であり、より好ましくは1〜70重量%である。
電子デバイスの内部に充填する充填部材に、窒化硼素や窒化アルミニウム等の窒化物の追加フィラーを使用する場合、窒化物の熱分解によるガスの発生を極力抑える必要がある。そのため、熱伝導性樹脂組成物中の窒化物の追加フィラーの含有量は、好ましくは2重量%以下であり、より好ましくは1.6重量%以下である。また、電子デバイスの内部に充填する充填部材に黒鉛や酸化亜鉛等の導電性の追加フィラーを使用する場合、デバイス内部でのショートや漏れ電流の原因となる。そのため、熱伝導性樹脂組成物中の導電性の追加フィラーの含有量は、好ましくは2重量%以下であり、より好ましくは1.6重量%以下である。
【0042】
樹脂と、斜方晶系のケイ酸塩鉱物、セラミックス、または金属を混合して放熱部材1を調製する場合、その割合は、斜方晶系のケイ酸塩鉱物、セラミックスおよび金属とからなる群から選ばれる少なくとも1種のフィラーが35〜95重量%であることが好ましい。特に、熱伝導特性の観点から50〜90重量%が好ましい。35重量%以上であると熱伝導向上の効果を十分に得られ、95重量%以下であると樹脂と混ざりやすい。
【0043】
放熱部材1は、製造プロセスが簡便である点で、シート状で提供されることが好ましい。すなわち、放熱部材1をエレクトロルミネセンス素子に用いる場合、シート状の放熱部材1を充填部材1aとして、気体非透過保護膜を形成したエレクトロルミネセンス層に直接密着させた後、封止体を用いて加熱し密着させ、充填層を形成する。エレクトロルミネセンス層には気体非透過保護膜が積層されている。そのため、シート状の放熱部材1の積層がエレクトロルミネセンス層を直接傷つけたり破損させたりすることがなく、ラミネート工程で簡便に充填層を形成することができる。
【0044】
シート状の放熱部材1の製造方法は、混練機を使用して、樹脂と、フィラーまたは追加フィラーの粉末またはペレットを所定の温度で回転数を調節し混錬する。混練後、室温に戻し秤量した混合物を、プレス機で、所定の温度、圧力でプレスし、シートを作製する。放熱部材1を放熱板1bとして用いる場合、シートの厚さは50〜2000μmであればよい。好ましくは、100〜1000μmであり、より好ましくは300〜400μmである。充填部材1aとして用いる場合は、素子内部の接合面の凹凸を埋められる範囲において、薄ければ薄いほど熱抵抗が低くなるので好ましい。
【0045】
上記のとおり、本発明の第1の実施の形態に係る放熱部材1は容易に製造することができる。さらに、エレクトロルミネセンス素子のような電子デバイスに用いた場合、電子デバイスの製造工程において、エレクトロルミネセンス層を傷つけることなく放熱部材1を含む電子デバイスを製造することができる。
【0046】
[放熱部材1(放熱板1b)]
図2を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る放熱部材1について説明する。なお、図2は、放熱部材1を封止体16の表面に設けられるように載置したエレクトロルミネセンス素子10’の概略断面図である。このように放熱部材1は、エレクトロルミネセンス素子10’の表面に載置される放熱板1bとして機能する。すなわち、放熱部材1は、封止体16の表面に載置され、封止体16から伝達される熱を外部へ放出することにより、エレクトロルミネセンス素子10’を除熱する。なお、放熱部材1の材料や製造方法は、充填部材1aに用いた放熱部材1と同様である。
放熱部材1を放熱板1bとして用いる場合、シートの厚さは50〜2000μmである。好ましくは、100〜1000μmであり、より好ましくは300〜400μmである。放熱板1bとして用いる場合は、ある程度の厚みがあると放熱性能が高くなるため好ましい。
【0047】
本発明の第3の実施の形態に係る放熱部材について説明する。第3の実施の形態に係る放熱部材は、放熱部材1において、さらに着色するための熱伝導性を有する追加フィラーを含有したものである。着色用の追加フィラーとしては、窒化硼素、窒化アルミニウム、炭化珪素、アルミナ、マグネシア、シリカ、ルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、チタン系黒色顔料、低次酸化チタンおよび黒鉛からなる群から選ばれる1種以上のフィラーを挙げることができる。ルチル型酸化チタンは、TiOで示される白色の酸化チタンをいう。チタン系黒色顔料とは、二酸化チタンをアンモニア還元することにより合成される、チタン、酸素及び窒素からなる化合物をいう。低次酸化チタンは、Ti、Ti、TiOなどの黒色の酸化チタンをいう。着色用の追加フィラーの含有量は、熱伝導性を有するフィラーに対して1〜70重量%の範囲で含有させてもよく、好ましくは10〜60重量%であり、より好ましくは10〜50重量%である。フィラーと着色用の追加フィラーの総量が、樹脂に対して35〜95重量%となるようにすることが好ましく、より好ましくは、50〜90重量%である。さらに、追加方法は、混練の当初から樹脂とフィラーおよび着色用の追加フィラーを混錬する。着色用の追加フィラーを加えることにより、放熱部材は着色されるとともに、さらに熱伝導性を高めることができる。
【0048】
着色用の追加フィラーとして、窒化硼素、アルミナ、マグネシア、シリカ、ルチル型酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種を追加することにより、放熱部材を白色にすることができる。白色にすることにより、放熱部材を充填部材1aとしてエレクトロルミネセンス素子のような電子デバイスに用いた場合に、発光した光を反射させることができる。特に、フィラーが有色である場合に放熱部材を白色にできるため有効である。また、チタン系黒色顔料、低次酸化チタンおよび黒鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種を追加することにより、放熱部材を黒色にすることができる。黒色にすることにより、放熱部材を放熱板1bとして電子デバイスの表面に用いた場合に、放熱効果を高めることができる。着色用の追加フィラーを熱伝導性に関わらず着色剤としてのみ添加する場合は、添加量を減らすことができコストを考慮すると好ましい。
なお、フィラーの一部を着色用の追加フィラーに替えて樹脂に含有させ放熱部材を構成してもよい。この場合も、着色用の追加フィラーの総量が樹脂に対して35〜95重量%となるようにすることが好ましい。
【0049】
図1を参照して、本発明の第4の実施の形態に係るエレクトロルミネセンス素子10について説明する。エレクトロルミネセンス素子10は、図1に示すように、ベースとなる基板11の表面上に第1の電極としての陽極12、有機薄膜層としてのエレクトロルミネセンス層13、第2の電極としての陰極14が順次積層される。さらに陰極14上に、気体非透過保護膜15をコーティングし、さらにその上側を封止体16で封止する。陰極14と封止体16の間に熱伝導性を有する放熱部材1を充填し、素子の内部に発生する熱が封止体16に伝達されることにより、エレクトロルミネセンス素子10は除熱される。
【0050】
基板11は、透明なガラス基板であることが好ましい。または、透明な樹脂から構成された基板であってもよい。なお、エレクトロルミネセンス素子10がボトムエミッション方式でなく、トップエミッション方式の場合は、基板11は、透明でなくてもよい。
【0051】
陽極12は、ガラス基板11の表面に透明な陽極(例えばITO電極)が所定のパターンで真空蒸着等によって層形成される。なお、エレクトロルミネセンス素子10がボトムエミッション方式でなく、トップエミッション方式の場合は、陽極12は、不透明となる。
【0052】
エレクトロルミネセンス層13は、陽極12上に所定のパターンで積層形成される。エレクトロルミネセンス層13は、陰極14の電子を受け取る電子注入層、電子注入層にある電子を発光層に渡す電子輸送層、陽極12からホールを受け取るホール注入層、ホール注入層にあるホールを発光層に渡すホール輸送層、実際に発光する発光層の5層で構成される。なお、エレクトロルミネセンス層13は、電子輸送層/発光層/ホール輸送層の3層から構成されてもよい。さらには、電子輸送層/発光層の2層またはホール輸送層/発光層の2層で構成されてもよい。また、発光層のみの単層で構成されてもよい。
【0053】
陰極14としては、エレクトロルミネセンス層13上に電気伝導性の高い金属(例えば、銀やアルミニウム等)からなる陰極が真空蒸着等によって積層形成される。または、金属に替えて導電性プラスチックを用いてもよい。なお、エレクトロルミネセンス素子10がボトムエミッション方式でなく、トップエミッション方式の場合は、陽極14は、透明となる。
【0054】
気体非透過保護膜15は、ガラス基板11上に、陽極12、エレクトロルミネセンス層13および陰極14を覆うように密着して形成される。気体非透過保護膜15は、放熱部材1と反応せず、長期安定で腐食性ガスを発生しないものが好ましく、樹脂、金属酸化物の薄膜であることが好ましい。気体非透過保護膜15は、有機層でも無機層でもよく、これらの組み合わせでもよい。例えば、真空蒸着によって形成されたSiOx膜が好ましい。気体非透過保護膜15の成分としては、例えば、SiNx、SiOx、SiOxCyHz、Al、AlNx等が好ましく、その他の公知の有機高分子膜と組み合わせて使用してもよい。また気体非透過保護膜15は、積層構造としてもよく、積層の間に適宜有機高分子膜を包含してもよい。気体非透過保護膜15の厚みは、効果を発現するものであれば10nm〜100μmの範囲であってよく、好ましくは100nm〜10μmである。
【0055】
封止体16は、エレクトロルミネセンス素子を保護するものであり、ガラス、樹脂、セラミックス、金属のいずれかの封止体であればよい。素子内で発生した熱は、熱伝導、熱放射(遠赤外線の放射)等によって放熱部材1を経て封止体16へと伝えられ、最終的に素子外部へ放出される。
封止体16が、ガラス、樹脂等の比較的熱伝導率の低い(〜1W)物質の場合、放熱部材1にはより熱放射性の高い材料を選択することが好ましい。熱放射性の高い材料としては、樹脂、金属、セラミックス、鉱物などが挙げられ、特にこれらの混合物が好ましい。素子の劣化を防止する観点で本発明の放熱部材1に用いられる樹脂は、非シリコーン系であることが望ましく、ポリオレフィン、PS、PC、PET等が加工性の点で好ましい。特にポリオレフィンが特性の観点から好ましい。
封止体16が、金属、セラミックス等の比較的熱伝導率の高い(1W〜)物質の場合、放熱部材1にはより熱伝導性の高い材料を選択することが好ましい。熱伝導性の高い材料としては、液晶性ポリマーや高密度ポリエチレンなどの樹脂、金属、セラミックス、斜方晶系のケイ酸塩鉱物などが挙げられ、特にこれらの混合物が好ましい。高熱伝導性を得る観点で本発明の充填層に用いられる樹脂は、非シリコーン系であることが望ましく、特に高度な配向性を発現する点でポリオレフィン、LCP等が好ましい。特に加工性の点でポリオレフィンが好ましい。
【0056】
本発明におけるエレクトロルミネセンス素子は以上のように構成され、陽極12と陰極14間に所定の電圧を印加し、両極間に位置するエレクトロルミネセンス層13に順電流を流すことにより、陰極14および陽極12のパターン形状に応じて透明なガラス基板11を介して発光する。
【0057】
次に、本発明の第5の実施の形態に係るエレクトロルミネセンス素子10の製造方法について説明する。まず、透明なガラス基板11の表面に、陽極12を所定のパターンで形成する。エレクトロルミネセンス素子10の陽極は、ほとんどの場合、Indium−Tin−Oxide(ITO)と呼ばれる透明電極が用いられる。ITOは、透明なガラス基板上に、スパッタリング蒸着や電子ビーム蒸着(EB)により製膜され、フォトリソグラフィの手法等、さまざまな手法を用いて所定の厚さ、形状に形成される。次に、形成された陽極12上に、複数の有機層からなるエレクトロルミネセンス層13(発光層、ホール輸送層等)を順次、蒸着等により積層し、エレクトロルミネセンス層13を形成する。次に、ガラス基板11上に形成された陽極12、エレクトロルミネセンス層13、陰極14上に、耐湿性を有するコート剤を用いて気体非透過保護膜としての撥水性保護膜15を形成し、上記各層に密着させて被覆形成することにより、エレクトロルミネセンス層13を外気に対し遮断して封止する。具体的には、ガラス基板11上の陽極12、エレクトロルミネセンス層13、陰極14上に真空蒸着機等でSiOx薄膜を蒸着して形成する。次に、ガラス基板11上の上記積層体にシート状の放熱部材1と封止体16を重ね、接着剤17を用いて封止体16の端部を閉止した後に加熱して密着させる。
【0058】
本発明の第5の実施の形態に係るエレクトロルミネセンス素子10の製造方法では、エレクトロルミネセンス素子10が安定して容易に形成できる。また、ガラス基板11上において、陽極12、エレクトロルミネセンス層13、陰極14、気体非透過保護膜(撥水性保護膜)15は、熱伝導性および熱伝達性の高い放熱部材1を介して封止体16と密着形成されるので、素子の両極間において生じる熱を、外部に素早く伝達させて、素子内部に熱を蓄積させない。
【0059】
放熱部材1、または他の放熱シート等や金属板を、必要に応じて放熱板1b(ヒートシンク)として、封止体16の表面を覆うように貼り付けてもよい。放熱部材1等により、素子の内部から封止体16に伝達された熱をより効率よく外部へ放出させることができる。
【0060】
本発明によりエレクトロルミネセンス素子等の電子デバイスによって発生した熱は、気体非透過保護膜15を介して、充填部材1aとしての良熱伝導性の放熱部材1へと熱伝達され、放熱部材1から封止体16を介して効率的に外部に放出することが可能となり、電子デバイスの寿命、特性を向上させることができる。さらに、放熱部材1を放熱板1bとして封止体16表面に貼り付けることにより、封止体16に伝達された熱をより効率的に外部に放出することができる。
【0061】
上記のとおり、本発明の放熱部材をエレクトロルミネセンス素子に用いた場合について説明した。しかし、本発明の放熱部材はこれに限られず、有機トランジスタ、有機薄膜太陽電池に用いられる素子(有機電子デバイス)に用いてもよく、さらには、これらの素子に加えて能動素子、受動素子等の素子(電子デバイス)に用いてもよい。
【実施例】
【0062】
以下に本発明を、実施例を用いて詳細に説明する。しかし本発明は、以下の実施例に記載された内容に限定されるものではない。
【0063】
本発明の実施例に用いた、放熱部材を構成する成分材料は次のとおりである。
<樹脂>
低密度ポリエチレン(LDPE):東ソー(株)製ペトロセン(商品名)176(グレード名)
高密度ポリエチレン(HDPE):京葉ポリエチレン(株)製KEIYOポリエチ(商品名)F3001(グレード名)
直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE):東ソー(株)製ルミタック(商品名)54−1(グレード名)
ポリプロピレン(PP):日本ポリプロ(株)製ノバテックPP(商品名)EA9(グレード名)
環状オレフィンコポリマー(COC):ポリプラスチックス(株)製TOPAS(商品名)6017(グレード名)
ポリフェニレンスルファイド(PPS):ポリプラスチックス(株)製フォートロン(商品名)0220A9(グレード名)
<粉末>
合成コーディエライト:丸ス釉薬合資会社製SS−1000(小:平均粒径1.7μm)、SS−600(中:平均粒径2.6μm)、SS−200(大:平均粒径7.5μm)
電融ムライト:太平洋ランダム(株)製M70(商品名)325F
酸化アルミニウム:和光純薬工業(株)
窒化硼素:電気化学工業(株)製デンカボロンナイトライド(商品名)SGP
窒化アルミニウム:(株)トクヤマ製高純度窒化アルミニウム粉末(商品名)Hグレード(グレード名)
酸化亜鉛:(株)アムテック製パナテトラ(商品名)WZ−0511
黒鉛:日本黒鉛製 鱗状黒鉛粉末(F#2)
酸化チタン(白色):和光純薬工業(株)製二酸化チタン
低次酸化チタン(黒色):赤穂化成(株)製ティラックD(商品名)
タルク:林化成(株)製ミクロンホワイト(商品名)5000A(グレード名)
炭酸カルシウム:日東粉化工業(株)製NCC#1010
【0064】
<試料作製>
混練機((株)東洋精機製作所製ラボプラストミル(商品名))を使用して、樹脂と粉末を200℃で、トルクが20N・mになるように回転数を調節し混錬することにより放熱部材を作製した。混練後、室温に戻し秤量した樹脂と粉末の混練物を、小型プレス((株)東洋精機製作所製のミニテストプレス(商品名))で、所定の温度、圧力でプレスし、厚さ100〜500μmのシートを作製し評価用試料とした。
【0065】
<評価>熱伝導率および熱拡散率の評価
試料は、約300μmのシートを用いて、以下の測定を行った。
熱伝導率は、予め放熱部材の比熱((株)パーキンエルマー製diamond DSC型入力補償型示差走査熱量測定装置で測定した。)と比重(アルファーミラージュ(株)製MD−300s型電子比重計により測定した。)を求めておき、その値を熱拡散率・熱伝導率測定装置(アイフェイズ製モバイル1u型)の所定の項に入力し、熱拡散率を測定することにより自動的に算出される(ISO22007−3)。
【0066】
<放熱部材の調製>
[実施例1]
ポリプロピレン製の容器内に、高密度ポリエチレン(HDPE)ペレットと、粒径7.5μmの合成コーディエライト粉末を重量比で20重量%:80重量%になるように秤量し、薬匙で念入りに混合した。混合したペレットおよび粉末を、混練機((株)東洋精機製作所製ラボプラストミル(商品名))に導入し、200℃で、トルクが20N・mになるように回転数を調節しながら20分間混練した。混練終了後、試料を取り出し大気中で室温まで冷却した。小型プレス((株)東洋精機製作所製ミニテストプレス(商品名))に、厚みが0.3mmで開口部が50mm×70mmの金型をセットし、上記試料を入れ、加熱プレス(以下、加熱プレスは、250℃、10MPaで5分間プレスすることを示す。)し、実施例1の試料(放熱部材)とした。
【0067】
[実施例2、比較例1〜3]
粉末の種類が異なる以外は、実施例1と同様に樹脂と粉末を混練し、250℃、10MPaで5分間加熱プレスし、実施例2(放熱部材)、比較例1〜3の試料とした。
【0068】
[比較例4]
高密度ポリエチレン(HDPE)ペレットのみを220℃、10MPaで5分間加熱プレスし、比較例4の試料とした。
【0069】
実施例1、2および比較例1〜4における、フィラー(添加した粉末)の種類と添加量を表1に示す。
【表1】

【0070】
作製した実施例1、2および比較例1〜4の試料について、熱拡散率測定装置にて熱拡散率を測定した。測定結果を表2に示す。
【表2】

【0071】
表2に示すように、コーディエライトおよびムライトを含む放熱部材は、アルミナを含む放熱部材よりも熱拡散率が高く、無配向の窒化硼素にせまる熱拡散率を示すことが判る。このようにコーディエライトまたはムライトと樹脂とを混練して放熱部材とすることにより、市販の熱伝導性樹脂に広く使用されるアルミナや窒化硼素と同等の熱伝導性を示す放熱部材を作製することができる。なお、窒化硼素では、加水分解によりアンモニアガスを発生する問題や、樹脂と窒化硼素の粉末との接着性が悪いといった問題が生じるのに対し、コーディエライトおよびムライトでは、こうした問題は生じない。また、コーディエライトやムライトはモース硬度が7程度であるので、硬度9のアルミナのように激しく加工機を磨耗させることはない。さらに、コーディエライトおよびムライトを含む放熱部材は、化学的に安定で強度もあるので、窒化硼素を添加した放熱部材のように経年劣化することも少ない。
【0072】
[実施例3、4]
次いで、放熱部材に含まれるコーディエライトの充填率を高くすることにより熱拡散率の更なる向上を試みた。平均粒径7.5μmのコーディエライトと2.6μmのコーディエライトを個数比が約1:1になるように、7.5μmのコーディエライトを44.4g、2.6μmのコーディエライトを0.6g、HDPEを12.1g測り取り、実施例1と同様に樹脂とコーディエライトの粉末とを混練し、加熱プレスの後、実施例3の試料(放熱部材)とした。また、2.6μmのコーディエライトのみをHDPEと混練した試料を同様に作製し、実施例4の試料(放熱部材)とした。
【0073】
実施例1、3、4および比較例4の試料について、熱拡散率測定装置にて熱拡散率を測定し、電子比重計によりアルキメデス法で比重を測定した。測定結果を表3に示す。
【表3】


表3に示したように、放熱部材に含まれるフィラーの大きさ(平均粒径)を調節し大きい粒子の隙間を小さい粒子で埋めるようにして、コーディエライトの充填率を高くすることにより、熱拡散率が高くなることが判る。
【0074】
[実施例5〜11]
さらに、色味や熱拡散率を調整するために、コーディエライト(フィラー)と、追加フィラーの添加量を表4の重量%とした以外は、実施例3と同様に実施例5〜11の試料(放熱部材)を作製した。
【0075】
実施例3、5〜11の追加フィラー(粉末)の種類とコーディエライトに対する割合(重量%)等を表4に示す。
【表4】

【0076】
作製した実施例3、5〜11の試料について、熱拡散率測定装置にて熱拡散率を測定した。測定結果を表5に示す。
【表5】

【0077】
<電子デバイスの作製>
[実施例12]
本発明の放熱部材を充填部材として用いて実際にエレクトロルミネセンス素子を作製し、その温度変化と寿命を評価した。エレクトロルミネセンス素子は、発光機能層は特開2007−27587号公報の比較例3に記されているBH1、BD1、ETM2からなる層を同じく同公報の実施例1に記されている方法で作製し、陽極及び陰極も同じく同公報の実施例1に記されている方法で作製した。ここで、同公報の比較例3の物質(BH1、BD1、ETM2からなる層)を選んだのは、比較例3の物質は、発光効率が比較的低く、駆動電流密度が大きいことから、発熱量が大きく、熱伝導・放熱材料の差が現れ易いと考えたためである。
具体的には、ガラス基板上にITOを150nmの厚さに蒸着したものを透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置の基板ホルダーに固定し、銅フタロシアニン(以下、記号CuPcで表記する)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(以下、記号NPDで表記する)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、下記化合物(1)9−フェニル−10−[6−([1,1’;3,1’’]ターフェニル−5’−イル)ナフタレン−2−イル]アントラセン(以下、記号BH1で表記する)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、下記化合物(2)で示すスチリルアミン誘導体であるN,N,N’,N’−テトラ(4−ビフェニリル)−4,4’−ジアミノスチルベン(以下、記号BD1で表記する)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、下記化合物(7)9,10−ジ(2’,2’’−ビピリジル)アントラセン(以下、記号ETM2で表記する)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、弗化リチウムを入れたモリブデン製蒸着用ボート、およびアルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
【0078】
【化1】

【0079】
【化2】

【0080】
【化3】

【0081】
ガラス基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を1×10−3Paまで減圧し、まず、CuPcが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚20nmになるように蒸着して正孔(ホール)注入層を形成し、ついで、NPDが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚30nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、BH1が入った蒸着用ボートとBD1の入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚30nmになるように蒸着して発光層を形成した。BH1とBD1の重量比が95対5になるように蒸着速度を調節した。その後、ETM2を入れた蒸着用ボートを加熱して膜厚15nmになるように加熱して電子輸送層を形成した。各層の蒸着速度は0.001〜3.0nm/秒であった。
その後、弗化リチウム入りの蒸着用ボートを加熱して膜厚0.5nmになるように0.003〜0.01nm/秒の蒸着速度で蒸着し、次いで、アルミニウム入りの蒸着用ボートを加熱して膜厚100nmになるように0.1〜1nm/秒の蒸着速度で蒸着することにより、陰極を形成し、電界発光素子を得た。
作製した電界発光素子上に、キヤノンアネルバ(株)製RFマグネトロンスパッタ装置(型番L350S−C)を用いてSiNx層を作製した。ターゲットには市販シリコンウエハーを用いて、スパッタおよび反応ガスには特開2008−240131号に記されているように、それぞれアルゴンガスと窒素ガスを用いた(流量は各々50sccm(単位は、standard cc/min)である。)。SiNxの製膜時間は、水晶振動子法を用いた膜厚モニターに示される厚みが50nmになった時間とした。
このようにして作製した発光基板に、本発明の実施例1で作製した熱伝導性を有する放熱部材のシート(厚さ0.3mm)を乗せ、さらに接合部に接着剤を塗布した封止体を乗せ、内部に気泡が残らないように注意しながら加圧し、100℃の熱風炉内で接着剤を硬化させた。作製した素子における、ガラス基板のエレクトロルミネセンス発光部の中心部に対面する部分に先端が接触するように貼付型熱電対温度センサ(理化工業(株)製ST−50)を貼り付け、その温度をパーソナルコンピューター経由で記録した。
【0082】
[実施例13]
実施例9と同じ組成の放熱部材を、250℃に加熱した加熱プレスを用いて50mm角で厚さ0.3μmのシート状に成形した。成形した2枚のシートでグラファイトシート(パナソニックエレクトロニックデバイス(株)製PGS(商品名)グラファイトシート、25μm、30mm角)を挟みこみ、再度、加熱プレスで0.5μmの厚みになるように成形した。得られた積層板のグラファイトシートが内包されている部分(30mm角)を注意深く切り出し放熱板とした。
実施例12で作製した素子と同じ素子をもう一つ作製し、封止体を覆う大きさに切り出した前記放熱板を熱伝導性接着剤転写テープNo.9885(住友スリーエム(株)製)を用いて、封止体外面に貼り付けた。
【0083】
[比較例5、6]
比較例5として、実施例12と同様に発光基板を形成後、充填部材としての本発明の放熱部材を使用せずに素子を作製した。また、比較例6として、実施例13において充填部材としての本発明の放熱部材を使用せずに素子を作製した。
【0084】
[比較例7、8]
比較例7として、実施例12と同様に発光基板を形成後、充填部材としての本発明の放熱部材の代わりにHDPEシート(0.3mm厚)を封入した素子を作製した。また、比較例8として、実施例13において同じく充填部材としての本発明の放熱部材の代わりにHDPEシートを封入し素子を作製した。
【0085】
作製した実施例12、13および比較例5〜8について、通電2000秒経過時の温度(℃)およびエレクトロルミネセンス素子(EL素子)の初期1000Cd/m寿命(hrs.)を測定した。測定結果を表6に示す。
【表6】

【0086】
これらの結果から、本発明の電子デバイス用放熱部材を用いることにより、電子デバイス用放熱部材を使用しない場合に比べエレクトロルミネセンス素子の温度が低下し、素子の寿命を延ばすことが可能になることがわかる。また、本発明の放熱板を併用することにより、更なる低温化とそれに伴う長寿命化を実現できることがわかる。
【0087】
[実施例14〜16]
実施例3と同様に、樹脂HDPEの代わりにLDPE、VLDPE、PPを使用した充填部材を作製したのち熱拡散率を測定し、実施例14〜16とした。測定結果を表7に示す。
【表7】

【0088】
表7より、樹脂としてHDPEを用いた場合が最も熱拡散率が高いことが判った。一方、LDPE、VLDPEは、HDPEに比べ軟化温度が低く、シート化した場合の柔軟性も高いので、加圧しながら80〜100℃で加熱することにより発熱部との密着性を向上させることができた。特に、有機電子デバイスでは、使用する有機化合物が高温において影響を受ける場合があるため、軟化温度の低い樹脂の使用が好ましい。また、強度はPPが最も高い。したがって、本発明の放熱部材に用いる樹脂は、熱拡散率、発熱部との密着性、強度などを考慮し、これらの樹脂の中から適宜選定することが望ましい。
【0089】
[実施例17〜21]
本発明の電子デバイスの内部に充填される充填部材は、充填部材からガスの放出を極力抑える必要があるため、追加フィラーとして窒化硼素や窒化アルミニウム等の窒化物の熱伝導性樹脂組成物中の含有量を1.6重量%とし、ベースとなる樹脂にもガス発生が少ないポリオレフィンを使用した。また、フィラーに導電性があるとデバイス内部でのショートや漏れ電流の原因となるため、黒鉛や酸化亜鉛の熱伝導性樹脂組成物中の含有量を1.6重量%とした。
しかし、電子デバイスの外面に貼り付ける放熱板は、それらの問題が、電子デバイスの内部に充填される充填部材として用いる場合に比べて影響が小さいため、窒化物の使用量を増やすことができる。例えば、電子デバイスよりも広い面積の放熱板を貼り付けることが可能な場合には、面方向の熱伝導率を高くすることにより、より広い面積から放熱することができる。例えば、窒化硼素や黒鉛を放熱板の面方向に配向させることにより、そのような特性を付与できる。
【0090】
表8に示した組成の樹脂(放熱板用樹脂組成)を、実施例3と同様の方法で混錬してペレットを作製した。比較例3では、板状の窒化硼素が配向し難いように、ペレットを金型全面に均一に敷き詰めて加熱プレスを行ったが、実施例17〜19では、ペレットを金型中央に積み上げて、加熱プレスを行うことで、樹脂の流動に沿って板状粒子をある程度配向させることができた。窒化硼素の粒子は板状であり面方向へ熱を伝え易いので、配向させることにより放熱板の面内方向に熱を拡散させ、より広い面積から効率よく放熱を行う性質が付与できる。なお、コーディエライトは実施例3と同様に大小2種類の粒子の個数の比が1:1になるように予め混合して使用した。
加熱プレスにより作製した放熱部材のシートを5cm角に切り出し、実施例13と同様にデバイスを作製し、デバイスからはみ出る部分が何処も1cmになるように封止体外面に貼り付けた。なお、充填部材には本発明の実施例1で作製した熱伝導性を有する放熱部材のシート(厚さ0.3mm)を使用した。デバイスの熱特性は、実施例13と同様に発光部中心の温度を記録することで評価した。
【0091】
【表8】

【0092】
【表9】

【0093】
表9(放熱板用樹脂評価結果表)から判るように、デバイスよりも面積の広い外部放熱板を使用できる場合には、その放熱板に熱伝導率の高いフィラーの割合を増やして形成した樹脂を使用することにより、更なる放熱特性の向上が実現できる。
【0094】
本発明の電子デバイス用放熱部材によれば、電極等が形成されたエレクトロルミネセンス素子内に熱が蓄積しにくくなり、素子の放熱効果が良好になる。また、このようなエレクトロルミネセンス素子を安定して容易に形成することができる。結果、本発明の電子デバイス用放熱部材によって寿命、特性の向上したエレクトロルミネセンス素子を得ることができる。
【符号の説明】
【0095】
1 放熱部材
1a 充填部材
1b 放熱板
10、10’ 電子デバイス、有機電子デバイス、エレクトロルミネセンス素子
11 基板
12 第1の電極、陽極
13 有機薄膜層、エレクトロルミネセンス層
14 第2の電極、陰極
15 気体非透過保護膜、撥水性保護膜
16 封止体
17 接着剤
20、20’ エレクトロルミネセンス素子
21 ガラス基板
22 陽極
23 エレクトロルミネセンス層
24 陰極
25 乾燥剤
26 封止体
27 接着剤
28 内部空間
29 撥水性保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
斜方晶系のケイ酸塩鉱物のフィラーと、樹脂とを含有する熱伝導性樹脂組成物から構成される電子デバイス用放熱部材であり、
前記電子デバイス用放熱部材は、電子デバイスの内部に充填される充填部材および前記電子デバイスの表面に設けられる放熱板からなる群から選ばれる少なくとも1種である、
電子デバイス用放熱部材。
【請求項2】
前記斜方晶系のケイ酸塩鉱物は、コーディエライトまたはムライトである、
請求項1に記載の電子デバイス用放熱部材。
【請求項3】
前記充填部材となる熱伝導性樹脂組成物は、窒化硼素、窒化アルミニウム、炭化珪素、アルミナ、マグネシア、シリカ、ルチル型酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の追加フィラーをさらに含む、
請求項1または2に記載の電子デバイス用放熱部材。
【請求項4】
前記放熱板となる熱伝導性樹脂組成物は、黒鉛および低次酸化チタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の追加フィラーをさらに含む、
請求項1または2に記載の電子デバイス用放熱部材。
【請求項5】
前記樹脂は、前記フィラーおよび前記追加フィラーを35〜95重量%含有し、
前記追加フィラーは、前記フィラーに対して1〜70重量%であり、
前記フィラーは粉末であり、平均粒径が0.1〜200μmである、
請求項3または4に記載の電子デバイス用放熱部材。
【請求項6】
前記樹脂は、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネートおよびポリエチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子デバイス用放熱部材。
【請求項7】
前記樹脂は、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である、
請求項6に記載の電子デバイス用放熱部材。
【請求項8】
ベースとなる基板と;
前記基板の一方の面上に形成された第1の電極と;
前記第1の電極上に形成された有機薄膜層と;
前記有機薄膜層上に形成された第2の電極と;
前記第1の電極、前記有機薄膜層および前記第2の電極を覆う気体非透過保護膜と;
前記気体非透過保護膜上に載置された請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子デバイス用放熱部材と;
前記電子デバイス用放熱部材上に形成され、前記基板に固定された封止体とを備える;
電子デバイス。
【請求項9】
ベースとなる基板と;
前記基板の一方の面上に形成された第1の電極と;
前記第1の電極上に形成された有機薄膜層と;
前記有機薄膜層上に形成された第2の電極と;
前記第1の電極、前記有機薄膜層および前記第2の電極を覆う気体非透過保護膜と;
前記気体非透過保護膜上方に形成され、前記基板に固定された封止体と;
前記封止体上に載置された請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子デバイス用放熱部材とを備える;
電子デバイス。
【請求項10】
ベースとなる基板の一方の面上に第1の電極を形成する工程と;
前記第1の電極上に有機薄膜層を形成する工程と;
前記有機薄膜層上に第2の電極を形成する工程と;
前記第2の電極上に、気体非透過保護膜をコーティングする工程と;
前記気体非透過保護膜上に請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子デバイス用放熱部材を積層する工程と;
前記電子デバイス用放熱部材上に封止体を形成し、前記基板に固定する工程とを備える;
電子デバイスの製造方法。
【請求項11】
ベースとなる基板の一方の面上に第1の電極を形成する工程と;
前記第1の電極上に有機薄膜層を形成する工程と;
前記有機薄膜層上に第2の電極を形成する工程と;
前記第2の電極上に気体非透過保護膜をコーティングする工程と;
前記気体非透過保護膜上方に封止体を形成し、前記基板に固定する工程と;
前記封止体を請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子デバイス用放熱部材で覆う工程とを備える;
電子デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−109508(P2012−109508A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17991(P2011−17991)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(311002067)JNC株式会社 (208)
【Fターム(参考)】