説明

電子ファイルの複合管理システム

【課題】
電子ファイルの使用においては、使用者の瑕疵によるトラブル発生の危険性が高く、その回復には多大な労力とコストを強いられており、これらを回避することは利用者の個人的な責任に委ねられており、情報システムの使用上大きな負担となっている。。
【解決手段】
カテゴリー設定手段と、カテゴリー毎に設定されたタイトルに合わせて情報設定する手段と、設定されたタイトルのカテゴリーを任意に選択し順位付けが可能な手段を備え、キーワード設定手段と、設定されたキーワードに合わせた情報設定をする手段と、設定されたキーワードを任意に選択し順位付けが可能な手段を備え、選択されたカテゴリー情報と、選択されたキーワード情報と、文字列を乱数的に自動生成し付与する手段により、これら情報をファイル名称として保存し、ファイル検索においては単なる文字列検索ではなく、カテゴリーのタイトルとキーワードの組合せにより、作成者の意図を尊重した語句の組合せでの検索を可能とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンピュータ上での電子ファイルの安全かつ高度な活用に関する複合管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子ファイルの保管、退避及び検索は利用者の責任で実施されることが前提となっている。履歴情報は使用者が意図的に名称を対象ファイルに付与するか、保存するフォルダに名称を付与して分けるなどで実施している。また、退避時においても、対象ファイルをファイル名、ファイル形式、日付情報選択などにより選択して処理する為に、一時的な負荷の集中や間違いなどのリスクを伴うこととなる。更に、作成した電子ファイルの内容を把握し易くする為に、表示されるコンピュータ上でのフォルダ名称や電子ファイル名称に意味のある文字を設定し使用しているのが現状である。
【0003】
特開2005−141402においては、電子ファイルの管理システムとして、印刷処理実行を検知することで、特定文字列検索により、特定文字列に続くファイル名を取得して、データベースに自動登録する技術が記載されているが、条件設定にユーザーの自由度があることや、検索の利便性については十分とはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−141402号(3頁〜4頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の手法では、誤って上書き保存したり、退避処理を忘れるなど、使用者の瑕疵によるトラブル発生の危険性が高く、その回復には多大な労力とコストを強いられているのが実情である。これらを回避することは利用者の個人的な責任に委ねられており、情報システムの使用上大きな負担となっている。また、既存の電子ファイルを探し出すことが、ファイル名称及びフォルダの名称、ファイル形式、日付情報及びファイルサイズなどを手掛かりに実施せざるを得なく、個人の記憶への依存性が高くなり、大きな作業上の負担とロスを生む結果となっている。
【0006】
本発明は、利用者が意識することなく前述のトラブル発生を回避することができるシステムを実現すると共に、電子ファイル間の関連情報を普遍的及び客観的に取得でき、電子ファイルを使用して行っている作業実態の把握が容易に行えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
カテゴリーに複数のタイトルが設定可能なカテゴリー設定手段と、カテゴリーに設定されたタイトルに合わせて情報設定する手段と、設定されたタイトルを任意に選択し順位付けが可能な手段を備え、複数のキーワードが設定可能なキーワード設定手段と、設定されたキーワードに合わせた情報設定をする手段と、設定されたキーワードを任意に選択し順位付けが可能な手段とを備え、選択されたカテゴリー情報と、選択されたキーワード情報とを含めた、文字列を乱数的に自動生成し付与する手段により、これら情報をファイル名称として保存し、ファイル検索においては単なる文字列検索ではなく、カテゴリーのタイトルとキーワードの組合せにより、作成者の意図を尊重した語句の組合せでの検索を可能とすることを特徴とする。
保存するファイルはサーバーに一元的に保管してデータベースとして管理し、アクセス権確認手段により、このサーバーへのアクセス権のない者の侵入を防止することを第2特長とする。
【発明の効果】
【0008】
この電子ファイルの複合管理システムにより、不用意な上書き保存によるトラブルの発生を防止し、業務遂行状況の記録としての活用及び業務を跨る様な情報の関連性を観察及び追跡でき、より高度な情報活用の評価手段の実現及び体感的に低負荷な退避処理が網羅的に実現でき、フォルダ及びファイルの名称から内容の推測による情報の漏洩を防止し、電子情報の盗用の危険性を限りなく低減すると共に、より的確な検索の実現と、効率的な情報活用を可能とし、より効率的な蓄積された情報の活用を実現することが可能となる。副次的効果として、カテゴリー及びキーワードとして使用する用語の標準化と統一化により、企業内等での意思疎通の改善を見込むことが出来る。
【0009】
当発明により、使用者は記憶媒体のドライブ及びファイル保管先フォルダの概念を念頭におかずに情報システムを使用出来るため、実務上不要な作業が軽減できると共に、使用手順を守ることで安全性の高い情報管理システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の概念図
【図2】ファイル新規作成及び編集時のアルゴリズム
【図3】カテゴリーとキーワード選択時のファイル表示の例1
【図4】カテゴリーとキーワード選択時のファイル表示の例2
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
カテゴリーに複数のタイトルが設定可能で、カテゴリーにタイトルを任意に設定できるカテゴリー設定手段と、カテゴリー毎に設定されたタイトルに合わせて情報設定する手段と、設定されたカテゴリーのタイトルを任意に選択でき、タイトルの順位付けが可能な手段を設ける。
【0012】
複数のキーワードが設定可能で、各々のキーワードを任意に設定できるキーワード設定手段と、設定されたキーワードに合わせた情報設定をする手段と、キーワード設定されたキーワードを任意に選択でき、キーワードの順位付けが可能な手段を設ける。
【0013】
ファイル保存時の機能として、カテゴリーのタイトル情報とキーワード情報とを含めた、文字列を乱数的に自動生成し付与する手段を設け、これら情報をファイル名称として保存する機能を設ける。これにより保存されたファイルの名称は暗号化され、ファイル名称から内容を判別できないようにする。
【0014】
保存済のファイルを編集する機能として、カテゴリーのタイトル情報とキーワード情報の付与されたファイルを、サーバー内データベースから選択するファイル選択手段を設け、ファイルを表示する手段により、選択されたファイルの一覧を表示できる機能を設け、作業終了後の保存時の機能として、編集前のデータと編集後のデータとの差分を比較する手段と、編集後のファイルとして識別する関連ファイル情報設定手段を備え、差分を保存する機能を設ける。
【0015】
新規に作成したファイルを保存する場合を例に説明すると、作成したファイル内容に適応するカテゴリーのタイトルを1又は複数選択し、複数選択した場合は選択したタイトルの優先順を任意に決定し、各々のタイトルに対してキーワードを選択し、簡易名称を付与して保存する。保存するファイルにはその識別として、選択されたカテゴリーのタイトル情報と、選択されたキーワード情報とを含めた、文字列を乱数的に自動生成し付与する手段により、これら情報をファイル名称として保存する。これにより保存されたファイルの名称は暗号化され、ファイル名称から内容を判別することはできない。
【0016】
保存するファイルの記憶媒体はサーバーが望ましく、このサーバーに一元的に保管してデータベースとして管理する。保存されたファイルは、各々が固有の情報を含んでいるため独立した存在となり、同一のサーバー内に他のコンピュータから保存されたファイルが存在していても、それぞれが各々のコンピュータで設定された固有のファイルであるため、他のコンピュータで作成したファイルと識別が可能であり、他のコンピュータからこれらのファイルを開くことはできない。また、アクセス権確認手段を設け、使用者登録により、このサーバーへのアクセス権のない者の侵入を防止することも可能となる。
【0017】
保存済のファイルを編集する場合を例に説明すると、必要とするカテゴリーのタイトルを優先順位の高い順に選択し、選択したタイトル毎にキーワードを選択することで、カテゴリーのタイトル情報とキーワード情報の付与されたファイルを、サーバー内データベースから選択するファイル選択手段と、ファイルを表示する手段により、選択されたファイルの一覧を表示する。作成者はこの一覧の中から、編集するファイルを選択し編集作業を行う。作業終了後の保存時は、編集前のデータと編集後のデータとの差分を比較する手段と、編集後のファイルとして識別する関連ファイル情報設定手段により、差分を保存する。
【0018】
前述の差分保存時の関連ファイル情報設定手段には、履歴情報も含めて保存されるため、元ファイルの追跡が可能となり、最新のファイルから元ファイルまでの履歴が確認及び追跡ができ、ファイルの作成経緯やよく利用されるファイルがどれであるかを確認することも可能となる。
【0019】
カテゴリーのタイトル及びキーワードとして使用する用語は、例えば社内において統一した用語とすることで、ファイル管理の社内標準として運用することも可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテゴリーに複数のタイトルが設定可能なカテゴリー設定手段と、カテゴリーに設定されたタイトルに合わせて情報設定する手段と、設定されたタイトルを任意に選択して順位付けが可能な手段を備え、複数のキーワードが設定可能なキーワード設定手段と、設定されたキーワードに合わせた情報設定をする手段と、設定されたキーワードを任意に選択して順位付けが可能な手段とを備え、選択されたカテゴリーのタイトル情報と、選択されたキーワード情報とを含めた、文字列を乱数的に自動生成し付与する手段を設け、これら情報をファイル名称として保存することを特徴とする電子ファイルの複合管理システム。
【請求項2】
選択したカテゴリーのタイトルとキーワードにより、データベースからファイルを選択するファイルの選択手段と、選択されたファイルの一覧を表示する手段と、編集前のデータと編集後のデータとの差分を比較する手段と、編集後のファイルとして識別する関連ファイル情報設定手段を備え、差分を保存することを特徴とする請求項1記載の電子ファイルの複合管理システム。
【請求項3】
差分保存時の関連ファイル情報設定手段に、履歴情報を含めて保存することを特徴とする請求項2に記載の電子ファイルの複合管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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