説明

電子プレゼンテーションのためのシステムおよび方法

【課題】プレゼンテーションマテリアルのマルチディスプレイスクリーンを可能にし、プレゼンテーションマテリアルに永久的変更を加えることなく動的アノテーションを行える電子プレゼンテーションシステムおよび方法の提供。
【解決手段】プレゼンテーションマテリアルは、容易にディスプレイスクリーンの任意の1つに仕向けることができ、すべてのアノテーションは将来使用するために保存でき、あるいはそのまま削除できる。ただ1つのインタフェース画面によって左スクリーンまたは右スクリーンのイメージに簡単にアノテーションを行うことができ、他方、ズーム機能によりスライドを様々な仕方で見せることができる。他の機能として、例えば、あらかじめセットされたタイムラインに対するプレゼンテーション進行状況の指標を追跡し、表示する機能、修正または更新が必要なプレゼンテーションのスライドを識別し、追跡する機能がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2001年5月25日出願、発明の名称「ELECTRONICINSTRUCTIONALDELIVERYSYSTEMANDMETHOD」の米国仮特許出願第60/293,179号の関連出願でこれに基づく優先権を主張した2002年5月24日出願、発明の名称「SYSTEMANDMETHODFORELECTRONICPRESENTATIONS」の米国特許出願第10/153,859号の一部継続出願である2003年5月27日出願の米国特許出願(代理人整理番号36080−046)の一部継続出願であり、ここに、これらの出願の開示内容は参照によって全面的に本願に援用する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、グループプレゼンテーションシステムおよび方法に関し、より詳しくは、マルチスクリーンを用いた電子プレゼンテーションシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
従来、教育環境や訓練環境におけるような比較的小さいグループに対してプレゼンテーションを行うための一つの方法として、オーバーヘッドプロジェクタとビューフォイルまたはトランスペアレンシーを使用する方法がある。このよく見られる方法では、プレゼンターは一連のビューフォイルを用意し、それを手作業により所定の順序でオーバーヘッドプロジェクタに載置し、またそこから取り除く。プレゼンターは、プレゼンテーション時に動的にマテリアルを呈示することができるよう、何も書かれていないビューフォイルを差し込むことは時々あるが、あらかじめ用意されたビューフォイルにアノテーションを行うことは、ビューフォイルが台なしになって将来使えなくなることも起こり得るので、あまり行われないようである。
【0004】
自動化技術の近年の進歩によれば、この従来のプレゼンテーション方法における短所のいくつかについて対処がなされている。その一例として、現在では、コンピュータのビデオ出力をプロジェクタに接続して、コンピュータで生成したスライドショーをスクリーンに表示することができ、アニーメーションを表示できる場合もある。しかしながら、この自動化の導入でも、制約が多くかつ静止型であるという従来のプレゼンテーションマテリアルおよびプレゼンテーション方法の性質は変わっていない。
【0005】
したがって、プレゼンテーションを行う各々の環境に応じて容易に修正し、増補することができるマテリアルをプレゼンターが効果的かつ動的に呈示することが可能な動的プレゼンテーションシステムおよび方法が依然として必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要約)
本発明は、プレゼンテーションマテリアル用のマルチディスプレイスクリーンが得られ、さらにはプレゼンテーションマテリアルに永久的変更を加えることなく動的アノテーションを行うことが可能なシステムおよび方法によって上記およびその他の必要に取り組むものである。プレゼンテーションマテリアルは、容易にディスプレイスクリーンの任意の1つに仕向ける(direct)ことができ、またすべてのアノテーションは将来使用するために保存することができ、あるいはそのまま削除することができる。
【0007】
本発明の一局面は、電子プレゼンテーションを行うことが可能なシステムであって、例えば、プログラマブルコンピュータがアクセス可能な第1のメモリに記憶された複数のプレゼンテーションスライドと、プログラマブルコンピュータに接続されていて第1のビデオ入力信号を有する第1のディスプレイスクリーンと、プログラマブルコンピュータに接続されていて第2のビデオ入力信号を有する第2のディスプレイスクリーンと、プログラマブルコンピュータに接続されていて第3のビデオ入力信号を有する第3のディスプレイスクリーンと、を備えたシステムに関するものである。また、本発明のプレゼンテーションシステムは、プログラマブルコンピュータがアクセス可能な第2のメモリに記憶されたプレゼンテーション操作ソフトウェアアプリケーションを備え、該プログラマブルコンピュータはプレゼンテーション操作ソフトウェアアプリケーションを実行することによって、複数の各スライドを該第1または第2のディスプレイスクリーンのいずれか1つに表示するべく送出するためのインタフェースを提供するよう構成される。第3のディスプレイスクリーンは、右側のその時現在の(以下、「カレント」または「カレントの」とする)イメージ、左側のカレントイメージ、およびスクリーンへ送出する次のスライドのイメージを同時に表示するマルチウィンドウ・ディスプレイインタフェースを備える。プレゼンターは、このプレゼンテーション操作システムを用いて右側または左側のイメージを選択することができ、かつそのイメージのリアルタイムアノテーションを行うことができる。
【0008】
本発明のもう一つの局面は、複数の(multiple)ディスプレイスクリーンを用いて複数のスライドの電子プレゼンテーションを行うことが可能なソフトウェアアプリケーションおよび方法であって、中央のディスプレイスクリーンにプレゼンテーション操作インタフェースを提供し;該複数のスライドの中から選択されたスライドを該プレゼンテーション操作インタフェース内のプレビューウィンドウに表示し;該スライドを右側のディスプレイスクリーンに仕向けるか左側のディスプレイスクリーンに仕向けるかを指示する入力を該プレゼンテーション操作インタフェースを介して受け取り;該スライドをその指示されたディスプレイスクリーン上に表示するべく送出(dispatch)し;次のスライドを検索して取り出し、プレビューウィンドウに表示する、ソフトウェアアプリケーションおよび方法に関する。別々のスクリーンへの表示に加えて、プレゼンテーション操作インタフェースは、右側のスクリーンのプレゼンテーションスライド、左側のスクリーンのプレゼンテーションスライド、およびスクリーンに送出する次のプレゼンテーションスライドを同時に中央のディスプレイスクリーンの別々のサブウィンドウに表示する。この中央のディスプレイスクリーンから、プレゼンテーションをリアルタイムで修正するために、どれか1つのスライドを選択してアノテーションを行うことができる。
【0009】
本発明のさらなる局面は、あらかじめセットされたタイムラインに対するプレゼンテーション進行状況の指標を追跡し、表示する機能、修正または更新が必要なプレゼンテーションのスライドを識別し、追跡する機能、プレゼンテーションのスライドがプレゼンテーションシステムから離れた位置にあるときに、プレゼンターがそれらのスライドにアノテーションを行うことができるようにする機能を包含する。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
複数のディスプレイスクリーンを用いて複数のスライドの電子プレゼンテーションを行う方法であって:
中央のディスプレイスクリーンにプレゼンテーション操作インタフェースを提供するステップと;
該複数のスライドの中から選択されたスライドを該プレゼンテーション操作インタフェース内のプレビューウィンドウに表示するステップと;
該スライドを右側のディスプレイスクリーンに仕向けるか左側のディスプレイスクリーンに仕向けるかを指示する入力を該プレゼンテーション操作インタフェースを介して受け取るステップと;
該スライドをその指示されたディスプレイスクリーン上に表示するべく送出するステップと;
該プレゼンテーション操作インタフェース内のプレビューウィンドウ中の該スライドと同時に、該右側のディスプレイスクリーンに現在表示されているスライドに対応する第1のウィンドウおよび該左側のディスプレイスクリーンに現在表示されているスライドに対応する第2のウィンドウを表示するステップと;
次のスライドを取り出し、該プレビューウィンドウに表示するステップと;
を包含する、方法。
(項目2)
項目1に記載の方法であって、さらに:
前記スライドを前記右側のディスプレイスクリーンに仕向ける場合に該スライドを右ビデオデータとして出力するステップと;
該スライドを前記左側のディスプレイスクリーンに仕向ける場合に、該スライドを左ビデオデータとして出力するステップと;
前記第1のウィンドウおよび前記第2のウィンドウの一方を前記プレゼンテーション操作インタフェースを介して選択するステップと;
該プレゼンテーション操作インタフェースから遠隔の場所にある装置から入力を受け取るステップと;
選択された該ウィンドウが該右側のディスプレイスクリーンに対応する場合に、該右ビデオデータをその受け取った入力に基づいて調整するステップと;
選択された該ウィンドウが該左側のディスプレイスクリーンに対応する場合に、該左ビデオデータをその受け取った入力に基づいて調整するステップと;
を包含する、方法。
(項目3)
項目2に記載の方法であって、条件付きの前記調整ステップの一方が、前記選択されたウィンドウの部分を強調表示するステップを包含する、方法。
(項目4)
項目1に記載の方法であって、さらに:
前記複数のスライドから選択されたスライドに、該選択されたスライドの修正が必要であることを指示するマークを付けるステップ;
を包含する、方法。
(項目5)
項目4に記載の方法であって、さらに:
前記マークを付けた選択されたスライドに1つ以上のアノテーションを付加するステップ;を包含する、方法。
(項目6)
項目5に記載の方法であって、さらに:
前記マークを付けた選択されたスライドを前記指示されたディスプレイスクリーンに表示するべく送出する場合に、前記アノテーションを該指示されたディスプレイスクリーンには表示せずプレゼンテーション操作インタフェース内に表示するステップ;
を包含する、方法。
(項目7)
項目5に記載の方法であって、さらに:
前記マークを付けた選択されたスライドを遠隔の場所に転送するステップを;
包含する、方法。
(項目8)
項目1に記載の方法であって、さらに:
前記複数のスライドの中の最初のスライドを表示するべく送出したときタイマーを起動するステップと;
カレントスライドを表示するべく送出されるタイムスタンプを決定するステップと;
該タイムスタンプを前記複数のスライドと関連した所定のタイムラインと比較するステップと;
該カレントスライドが、該所定のタイムラインより遅れて、所定のタイムライン通りに、あるいは所定のタイムラインより進んで送出されたかどうかを前記プレゼンテーション操作インタフェース内で指示するステップと;
を包含する、方法。
(項目9)
項目8に記載の方法であって、さらに:
前記複数の各スライドを表示するべく送出するステップと;
各カレントスライドを表示するべく送出したとき各カレントスライドのタイムスタンプを保存するステップと;
保存した該タイムスタンプを遠隔の場所に転送するステップと;
を包含する、方法。
(項目10)
電子プレゼンテーションを提供するシステムであって、該システムは:
プログラマブルコンピュータがアクセス可能な第1のメモリに保存された複数のプレゼンテーションスライドと;
該プログラマブルコンピュータに接続されかつ第1のビデオ入力信号を有する第1のディスプレイスクリーンと;
該プログラマブルコンピュータに接続されかつ第2のビデオ入力信号を有する第2のディスプレイスクリーンと;
該プログラマブルコンピュータに接続されかつ第3のビデオ入力信号を有する第3のディスプレイスクリーンと;
プログラマブルコンピュータがアクセス可能な第2のメモリに保存されたプレゼンテーション制御アプリケーションと;を備え、
該プログラマブルコンピュータが、該プレゼンテーション制御アプリケーションを実行して該第3のディスプレイスクリーンに表示されるインタフェースを提供するよう構成され、該インタフェースによって該複数の各スライドが該第1または該第2のディスプレイスクリーンの一方に表示するべく送出され、該インタフェースが同時に:
該第1のビデオ入力信号に対応する第1のイメージを表示する第1のウィンドウと;
該第2のビデオ信号に対応する第2のイメージを表示する第2のウィンドウと;
次のプレゼンテーションスライドのイメージを表示する第3のウィンドウと;
を表示するよう構成される、システム。
(項目11)
項目10に記載のシステムであって、さらに、前記プログラマブルコンピュータから遠隔の位置にある入力機器を備えた、システム。
(項目12)
項目11に記載のシステムであって、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが、さらに、前記第1または第2のイメージを前記入力機器からの入力に基づいて修正するよう構成される、システム。
(項目13)
項目10に記載のシステムであって、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが、さらに、前記複数のスライドから選択されたスライドにマークを付け、かつ該マークを付けたスライドに1つ以上のアノテーションを加えるよう構成される、システム。
(項目14)
項目13に記載のシステムであって、前記マークを付けた選択されたスライドが前記第1または第2のディスプレイスクリーンに表示するべく送出される場合、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが前記アノテーションを前記第1または第2のディスプレイスクリーンには表示せず、前記インタフェースに表示するよう構成される、システム。
(項目15)
項目10に記載のシステムであって、さらに:
前記複数のスライドがプレゼンテーションファイル内に配置されことと;
前記第1のメモリに保存され、該プレゼンテーションファイルについての規定のタイムラインに関する各スライドにそれぞれ関連したタイミング情報と;
を備えた、システム。
(項目16)
項目15に記載のシステムであって、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが、さらに:
前記プレゼンテーションファイル中の最初のスライドを表示するべく送出した後、開始時刻を決定し;
プレゼンテーションファイル中のカレントスライドを表示するべく送出したとき、該開始時刻に関連した時刻を決定し;
カレントスライドが、前記規定のタイムラインより遅れて、規定のタイムライン通りに、あるいは規定のタイムラインより進んで送出されたかどうかを決定する:
よう構成される、システム。
(項目17)
項目15に記載のシステムであって、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが、さらに:
前記複数の各スライドが表示するべく送出されたとき該各スライドのタイムスタンプをそれぞれ生成し;
該各タイムスタンプを前記第1のメモリに保存する:
よう構成される、システム。
(項目18)
項目17に記載のシステムであって、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが、さらに:
前記保存された各タイムスタンプを前記プレゼンテーションファイルの識別情報と共に遠隔の場所へ転送する;
よう構成される、システム。
(項目19)
項目16に記載のシステムであって、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが、さらに:
該カレントスライドが前記規定のタイムラインより遅れて、規定のタイムライン通りに、あるいは規定タイムラインより進んで送出されたかどうかを前記第3のディスプレイスクリーンに表示する;
よう構成される、システム。
(項目20)
複数のディスプレイスクリーンを用いて複数のスライドの電子プレゼンテーションを行う方法であって:
中央のディスプレイスクリーンにプレゼンテーション操作インタフェースを提供するステップと;
該複数のスライドの中から選択されたスライドを該プレゼンテーション操作インタフェース内のプレビューウィンドウに表示するステップと;
該スライドを右側のディスプレイスクリーンに仕向けるか左側のディスプレイスクリーンに仕向けるかを指示する入力を該プレゼンテーション操作インタフェースを介して受け取るステップと;
該スライドをその指示されたディスプレイスクリーン上に表示するべく送出するステップと;
次のスライドを取り出し、該プレビューウィンドウに表示するステップと;
を包含する、方法。
(項目21)
項目20に記載の方法であって、さらに:
前記スライドを前記右側のディスプレイスクリーンに仕向ける場合に、該スライドを右側のビデオデータとして出力するステップと;
該スライドを該左側のディスプレイスクリーンに仕向ける場合に該スライドを左ビデオデータとして出力するステップと;
前記第1のウィンドウおよび前記第2のウィンドウの1つを前記プレゼンテーション操作インタフェースを介して選択するステップと;
該プレゼンテーション操作インタフェースから遠隔の場所にある装置から入力を受け取るステップと;
選択された該ウィンドウが該右側のディスプレイスクリーンに対応する場合に、該右ビデオデータをその受け取った入力に基づいて調整するステップと;
選択された該ウィンドウが該左側のディスプレイスクリーンに対応する場合に、該左ビデオデータをその受け取った入力に基づいて調整するステップと;
を包含する、方法。
(項目22)
項目21に記載の方法であって、条件付きの前記調整ステップの一方が、前記選択されたウィンドウの部分を強調表示するステップを包含する、方法。
(項目23)
項目20に記載の方法であって、さらに:
前記複数のスライドから選択されたスライドに、該選択されたスライドの修正が望ましいことを指示するマークを付けるステップ;
を包含する、方法。
(項目24)
項目23に記載の方法であって、さらに:
マークを付けた前記選択されたスライドに1つ以上のアノテーションを付加するステップ;を包含する、方法。
(項目25)
項目24に記載の方法であって、さらに:
前記マークを付けた選択されたスライドを前記指示されたディスプレイスクリーンに表示するべく送出する場合に、前記アノテーションを該指示されたディスプレイスクリーンには表示せずプレゼンテーション操作インタフェース内に表示するステップ;
を包含する、方法。
(項目26)
項目24に記載の方法であって、さらに:
前記マークを付けた選択されたスライドを遠隔の場所に転送するステップ;
を包含する、方法。
(項目27)
項目20に記載の方法であって、さらに:
前記複数のスライドの中の最初のスライドを表示するべく送出したときタイマーを起動するステップと;
カレントスライドを表示するべく送出されるタイムスタンプを決定するステップと;
該タイムスタンプを前記複数のスライドと関連した所定のタイムラインと比較するステップと;
該カレントスライドが、該所定のタイムラインより遅れて、所定のタイムライン通りに、あるいは所定のタイムラインより進んで送出されているかどうかを前記プレゼンテーション操作インタフェース内で指示するステップと;
を包含する、方法。
(項目28)
項目27に記載の方法であって、さらに:
複数の各スライドを表示するべく送出するステップと;
各カレントスライドを表示するべく送出したとき各カレントスライドのタイムスタンプを保存するステップと;
保存した該タイムスタンプを遠隔の場所に転送するステップと;
を包含する、方法。
(項目29)
電子プレゼンテーションを提供するシステムであって、該システムは:
プログラマブルコンピュータがアクセス可能な第1のメモリに保存された複数のプレゼンテーションスライドと;
該プログラマブルコンピュータに接続されかつ第1のビデオ入力信号を有する第1のディスプレイスクリーンと;
該プログラマブルコンピュータに接続されかつ第2のビデオ入力信号を有する第2のディスプレイスクリーンと;
該プログラマブルコンピュータに接続されかつ第3のビデオ入力信号を有する第3のディスプレイスクリーンと;
プログラマブルコンピュータがアクセス可能な第2のメモリに保存されたプレゼンテーション制御アプリケーションと;を備え、
該プログラマブルコンピュータが該プレゼンテーション制御アプリケーションを実行して該第3のディスプレイスクリーンに表示されるインタフェースを提供するよう構成され、該インタフェースによって該複数の各スライドが該第1または該第2のディスプレイスクリーンの一方に表示するべく送出される、システム。
(項目30)
項目29に記載のシステムであって、さらに、前記プログラマブルコンピュータから遠隔の位置にある入力機器を備えた、システム。
(項目31)
項目30に記載のシステムであって、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが、さらに、前記第1または第2のイメージを前記入力機器からの入力に基づいて修正するよう構成される、システム。
(項目32)
項目29に記載のシステムであって、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが、さらに、前記複数のスライドから選択されたスライドにマークを付け、かつ該マークを付けたスライドに1つ以上のアノテーションを加えるよう構成される、システム。
(項目33)
項目32に記載のシステムであって、前記マークを付けた選択されたスライドが前記第1または第2のディスプレイスクリーンに表示するべく送出される場合、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが前記アノテーションを前記第1または第2のディスプレイスクリーンには表示せず、前記インタフェースに表示するよう構成される、システム。
(項目34)
項目29に記載のシステムであって、さらに:
前記複数のスライドがプレゼンテーションファイル内に配置されることと;
前記第1のメモリに保存され、該プレゼンテーションファイルについての規定のタイムラインに関する各スライドにそれぞれ関連したタイミング情報と;
を備えた、システム。
(項目35)
項目34に記載のシステムであって、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが、さらに:
前記プレゼンテーションファイル中の最初のスライドを表示するべく送出した後、開始時刻を決定し;
プレゼンテーションファイル中のカレントスライドを表示するべく送出したとき、該開始時刻に関連とした時刻を決定するステップと;
カレントスライドが、規定のタイムラインより遅れて、規定のタイムライン通りに、あるいは規定のタイムラインより進んで送出されたかどうかを決定する:
よう構成される、システム。
(項目36)
項目34に記載のシステムであって、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが、さらに:前記複数の各スライドが表示するべく送出されたとき該各スライドのタイムスタンプをそれぞれ生成し;
該各タイムスタンプを前記第1のメモリに保存する;
よう構成される、システム。
(項目37)
項目36に記載のシステムであって、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが、さらに:
前記保存された各タイムスタンプを前記プレゼンテーションファイルの識別情報と共に遠隔の場所へ転送する;
よう構成されるシステム。
(項目38)
項目35に記載のシステムであって、前記プレゼンテーション制御アプリケーションが、さらに:
カレントスライドが前記規定のタイムラインより遅れて、規定のタイムライン通りに、あるいは規定タイムラインより進んで送出されたかどうかを前記第3のディスプレイスクリーンに表示する;
よう構成される、システム。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による典型的なプレゼンテーションシステムを示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明のもう一つの実施形態による典型的なプレゼンテーションシステムを示すブロック図である。
【図3】図3は、図2の実施形態によるプレゼンテーションシステムで効果的に使用可能な追加の接続構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による典型的なコンピュータのリヤパネルコネクタを示す概略図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態による典型的なプレゼンテーション方法の論理フローチャートである。
【図6】図6は、本発明の一実施形態によるプレゼンテーションアプリケーション・インタフェースの典型的なスクリーンショット(画面例)を示す例図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態によるタッチスクリーンモニタ用のアノテーションアプリケーションの典型的なツールバーを示す例図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態による典型的なリモートコントローラを示すブロック図である。
【図9】図9は、単独のタッチスクリーンディスプレイを用いた典型的なプレゼンテーションシステムを示すブロック図である。
【図10】図10は、図9の実施形態による典型的なマルチウィンドウインタフェースを示す例図である。
【図11】図11は、図9の実施形態による典型的なアノテーションスクリーン・インタフェースを示す例図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態によるプレゼンテーションスライドを表示するための典型的な分割画面モードを示す例図である。
【図13】図13は、本発明の一実施形態によるプレゼンテーションスライドを表示するための典型的なズームモードを示す例図である。
【図14】図14は、プレゼンテーションスライドの一部を拡大するべく選択した後における図13のズーム表示モードを示す例図である。
【図15】図15は、本発明のもう一つの実施形態による典型的なプレゼンテーション操作インタフェースのスクリーンショットを示す例図である。
【図16】図16は、本発明の一実施形態によるタイムライン情報追跡機能の典型的な論理フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(詳細な説明)
添付図面は、本発明をその限定のためではなく例示説明のために図解したもので、図中、同じ参照符号は類似の要素を指す。
【0012】
以下の説明においては、本発明の完全な理解を期すべく説明目的のために、具体的な詳細事項を多数記載する。しかしながら、この技術分野の当業者にとって、本発明がこれらの具体的な詳細事項の記載なしでも実施可能であることは自明であろう。他のいくつかの場合においては、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるため、周知の構造および機器はブロック図形式で示す。
【0013】
以下、本発明の種々の実施形態を取り上げて論考する。特に、多くの実施形態を教育または訓練用プレゼンテーションという特定の環境との関連において説明する。この特定の環境は、本発明の局面の多くについて説明するのに好都合ある。しかしながら、本発明は、この特定の環境に限定されるものではなく、むしろその範囲内において、マルチスクリーンおよび動的アノテーション機能が効果をもたらす他のプレゼンテーション環境を考慮したものである。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態の典型的なプレゼンテーションシステム100を示すブロック図である。この実施形態において、コンピュータシステム106は、データフローおよび他の構成要素が使用するプレゼンテーションマテリアルを制御する。特に、コンピュータ106は、モニタ104上にグラフィカルインタフェース122を発生させて、プレゼンテーションを操作するプレゼンターを支援する。インタフェースモニタ104に表示されるビデオデータは、コンピュータ106のビデオ出力116bにより供給される。コンピュータシステム106は、その全体を図示してはいないが、キーボード、大容量記憶装置、ネットワークインタフェース、パラレルインタフェース、およびシリアルインタフェース、さらには通常のコンピュータシステムの一部をなすものとして周知の多くの他の周辺装置および構成要素を備えているという点で、通常のコンピュータシステムである。
【0015】
また、コンピュータシステム106は、別のビデオ出力116a、116cを有し、これによって左プロジェクタ114aおよび右プロジェクタ114bにそれぞれビデオ出力を供給する。ビデオ出力は、SVGA形式のビデオ信号とすることができ、さらには従来の他のビデオ形式であってもよい。本願の記載において、左右の向きについてはプレゼンターの視野を基準とする。ビデオ出力116a、116cの各々を介して出力されるビデオデータは、プレゼンターがインタフェース122を用いて決定する。プレゼンターは、インタフェース122を用いて、コンピュータシステム106がアクセス可能な記憶装置(図示省略)からプレゼンテーションマテリアルを検索して取り出し、そのマテリアルをビデオ出力116a、116cの一方または両方に仕向ける。すると、プロジェクタ114a、114bがそれぞれのプレゼンテーションマテリアルをそれぞれ対応するスクリーン102a、102bに表示する。
【0016】
ビデオ出力116a、116cは、プロジェクタ114a、114bに仕向けられる他、それぞれの経路118a、118bを介してタッチスクリーンモニタ110a、110bへ仕向けられる。実際には、例えば、モニタ110a、110bをプレゼンターの近くに配置する一方、スクリーン102a、102bはプレゼンテーションを受けるオーディエンスが見やすい位置に配置する。各タッチスクリーンモニタ110a、110bはコンピュータシステム106に接続されている。図1では、これらの接続路120a、120bは直列接続構成として描いてあるが、本発明においては、機能的に等価な他のフィードバック接続路の採用についても考慮されている。これらの接続路は、RS−232シリアル通信路に限定されず、他種類の入出力プロトコルおよびハードウェアを用いることもできる。接続路120a、120bは、タッチスクリーンモニタ110a、110bとの間で行われる任意のタッチ対話を指示するそれぞれのモニタ110a、110bからのフィードバックを得るために使用される。図1には、110a、110bの各モニタ用の典型的なスタイラス112a、112bが描かれているが、モニタ110a、110bとのタッチ対話は、どちらも同じスタイラスを用いて行うこともできれば、スタイラスを全く用いずに行うこともできる。
【0017】
インタフェース122は、コンピュータ106に接続したキーボード、マウスまたは他の入力機器で制御することができる。しかしながら、プレゼンターに室内での移動および位置選定における一定の自由度を与えるために、コンピュータシステム106には、120cで示すように、やはりインタフェース122を制御するためのリモコン装置108が接続されている。このリモコン装置108は、コンピュータ106と接続するためのUSB、ファイアワイヤ、IrDA、シリアルあるいは多くの他種類の入出力規約を使用した送信器(およびコンピュータ106に搭載の受信器)を備えることも可能である。さらに、表示装置(モニタ)104も、プレゼンターがタッチ起動コマンドを用いてプレゼンテーションを制御することができるタッチスクリーン装置であってよく、そのような表示装置では、それ独自のフィードバック路124が必要になる。
【0018】
図1の典型的なプレゼンテーションシステム100で、コンピュータシステム106は、下記a)乃至c)を同時に実行することによりプレゼンテーションの操作を制御する:a)プレゼンテーションマテリアルを検索して取り出し、2つのビデオ出力116a、116cのどちらかに仕向ける(あるいは送出する)ために使用されるプレゼンテーションインタフェース122;b)タッチスクリーンモニタ110aからのタッチフィードバックを受け取り、それに応じてビデオ出力116aを調整する左スクリーン102a用のアノテーションツール;c)タッチスクリーンモニタ110bからのタッチフィードバックを受け取り、それに応じてビデオ出力116cを調整する右スクリーン102b用のアノテーションツール。
【0019】
上記実施形態において、さらには本願記載の他の実施形態において、構成要素の典型例は本発明の範囲を限定することを意図したものではない。例えば、タッチスクリーンモニタ110a、110bは、LCDディスプレイパネルあるいはその他の種類のディスプレイを使用することができ、またコンピュータ106は、必ずしも物理的に他の構成要素と共に配置する必要はなく、ネットワークまたは他の長距離ケーブリング技術を用いて、プレゼンテーションシステム100の他の種々の構成要素と接続することができる。
【0020】
図2は、本発明のより好ましいもう一つの実施形態による典型的なプレゼンテーションシステム200をブロック図で示す。システム200は、通常の多くの構成要素を使用して、以下に説明する本発明のプレゼンテーションシステムを実現したものである。例えば、ビデオスイッチ240は、それ独自のドライバーソフトルーチンおよびアプリケーション・プログラミングインタフェース(API)ルーチンを容易に統合される形で備えた通常の制御可能な4×4型ビデオスイッチとすることができる。同様に、モニタ212、238、234は、システム200の他の構成要素と容易に統合されるそれぞれ独自のドライバーソフトルーチンおよびキャリブレーションルーチンを備えた通常のタッチスクリーンモニタとすることができる。コンピュータ204で実行されるオペレーティングシステムのような最新のオペレーティングシステムでは、コンピュータ204内のいくつものビデオカードの動作およびインタラクションをサポートするのにオペレーティングシステムを修正する必要が全くないように、通常いくつものビデオディスプレイの定義が可能である。
【0021】
この実施形態においては、システム100と比較して、さらにビデオディスプレイを設けることが可能であり、ビデオスイッチ240はさらなる機能性を得るために使用される。しかしながら、システム200の多くの態様は図1のシステム100と同様であるため、図2の説明では、一部の機能の詳細な説明は省略する。
【0022】
システム200は、プレゼンターが、左プロジェクタ232および右スクリーンプロジェクタ236を用いてマルチスクリーンプレゼンテーションをオーディエンスに提供するために用いるコンピュータ204を備える。プレゼンターは次の3つのモニタを利用することが可能である:左プロジェクタ232で呈示中のマテリアルを表示する左スクリーンモニタ234、右プロジェクタ236で呈示中のマテリアルを表示する右スクリーンモニタ238、およびコンピュータ204で実行中のプレゼンテーション・ソフトウェアアプリケーションにグラフィカルユーザインタフェースを与える中央モニタ212。
【0023】
典型例のシステム200には、デモンストレーションコンピュータ216、デモンストレーションモニタ202、およびビデオスプリッタ214も備えられている。ビデオスプリッタ214は、デモンストレーションコンピュータ216からのビデオ出力218をデモンストレーションモニタ202およびビデオスイッチ240の両方に供給する。デモンストレーションコンピュータ216は、通常プレゼンターの制御下にあり、オーディエンスが見ているプレゼンテーションマテリアルをさらに増補あるいは説明するシミュレーションおよびその他のデモンストレーションを生成するために使用することができる。その結果、グラフィカルユーザインタフェースによって、シミュレーションおよびデモンストレーションをオーディエンスが利用できるように、プレゼンターがデモンストレーションコンピュータ216のビデオ出力をプロジェクタ232、236のどちらかに仕向けることも可能になる。
【0024】
ビデオスイッチ240は、当業者に周知のような通常のビデオスイッチであり、その入力に供給されるデータ信号をその1つ以上のデータ出力に仕向けることができる。図示のように、ビデオスイッチ240は少なくとも下記の3つのビデオ信号を供給される:a)208(コンピュータ204から);b)210(コンピュータ204から);およびc)220(デモンストレーションコンピュータ216からビデオスプリッタ214を介して)。次に、これらのいろいろな入力信号は、ビデオスイッチ240の設定によって下記の1つ以上の出力へ仕向けられる:a)224(左プロジェクタ232);b)226(左モニタ234);c)228(右プロジェクタ236);およびd)230(右モニタ238)。
【0025】
前に説明したシステム100と同様に、図2のシステム200は、プレゼンターが、コンピュータ204で実行されかつ中央モニタ212に表示されるグラフィカルユーザインタフェースを使用することが可能なプレゼンテーションシステムである。このユーザインタフェースによって、プレゼンターはプレゼンテーションマテリアルを検索して取り出し、中央モニタ212に表示し、次いでそれらのマテリアルを左プロジェクタ232または右プロジェクタ236、あるいは両方のプロジェクタへ送出することができる。オーディエンスに呈示されているマテリアルを制御するために、プレゼンターは、このインタフェースを用いて、マテリアルを2つのビデオ出力208、210のどちらか一方から送り出すと共に、ビデオスイッチ240をその異なるビデオ入力を適切なビデオ出力へ仕向けるよう構成する。
【0026】
図3に示すように、シリアルパス310は、コンピュータ204がビデオスイッチ240を選択可能に構成する一つの典型的な方法である。特に、プレゼンターは、この通信リンク310を用いて、プレゼンテーションシステムソフトウェアと対話することによりコマンドをコンピュータ204からビデオスイッチ240へ送る。このコマンドに基づいて、ビデオスイッチ240はビデオ入力とビデオ出力との間の接続を制御する。
【0027】
右モニタ238、左モニタ234、および中央モニタ212は、好ましい一実施形態の場合、すべてタッチスクリーンモニタである。さらに、コンピュータ204は、アノテーションツールの3つのインスタンス(例えば、ソフトウェアアプリケーション)を実行し、このアノテーションツールの各インスタンスは、モニタ212、234、238の各々にそれぞれ表示されるビデオデータの修正または増補を可能にする。増補されたこのビデオデータは、表示中の任意のプレゼンテーションスライドに重ねられる。図3に示すように、これらのモニタは、コンピュータ204のそれぞれの入力に接続される。図3の典型的なフィードバック路304〜308は、それぞれのタッチスクリーンモニタとのタッチ式対話に従属する応答をコンピュータ204へ供給するシリアル通信路として示してある。フィードバックデータは、対応するモニタに表示されたビデオデータを適切に調整するために、アノテーションツールの対応するインスタンスに転送される。
【0028】
操作については、プレゼンターが一方のモニタ、例えば右モニタ238にタッチすると、オペレーティングシステムの「フォーカス」が右モニタ238と関連づけられたアノテーションツールのインスタンスに合わせられる。プレゼンターは、アノテーションツールおよびタッチスクリーンモニタ238(そのドライバーソフト共)を用いて、コンピュータ204が右のプレゼンテーションスクリーンに表示するべく出力中のビデオデータに重ねることが可能な文章、囲い枠、フリーハンド図およびその他のアノテーションなどを描くことができる。したがって、オーディエンスは、各特定のオーディエンスの個々の必要に応じてリアルタイムで容易に増補することが可能な静止型プレゼンテーションマテリアルを利用することができる。
【0029】
図4は、コンピュータ204の典型例を示す概略図である。図示のように、このコンピュータは、いくつものビデオ出力ポート410〜414ならびにいくつもの入出力ポート402〜408を備えることができる。本発明は、図4に示す特定のコンピュータ構成およびポートタイプに限定されず、むしろ図示のものに代わる効能的に等価な構成についても考慮されている。
【0030】
図5は、本発明の一実施形態による典型的なプレゼンテーション方法の高レベル論理フローチャートである。このフローチャートに示す通り、プレゼンターは図2に示すようなシステムを用いて効果的な動的マルチスクリーンプレゼンテーションをオーディエンスに提供することができる。この方法は、実行されると本願記載のプレゼンテーション方法を遂行しかつ1台以上コンピュータで実行可能な1つ以上のソフトウェアアプリケーションとして実施することができる。
【0031】
ステップ502では、利用可能なプレゼンテーションのリストをプレゼンターに呈示してプレゼンターの選択に供する。プレゼンテーションファイルが選択されたならば、この方法はステップ504へ進み、その選択されたプレゼンテーションを構成するスライドのリストを表示する。また、プレゼンテーションファイルが選択されたならば、プレゼンテーションシステムは、その後プレゼンターの制御下でイメージを表示するステップを進めることができる。しかしながら、イメージおよび付随データファイルをプレゼンテーションの開始に先立ってキャッシュメモリに入れられるようあらかじめロードするプリローダを、一つの有用なツールとして用いることができる。操作については、プリローダツールはプレゼンターの判断で使っても使わなくてもよいが、キャッシュ記憶したイメージを用いると、異なるスクリーンでの表示を、イメージをキャッシュ記憶しないでプレゼンテーションを行う場合と比較してより迅速にすることができる。
【0032】
一群のスライド中の最初のスライドは、ステップ506で、自動的にプレビューウィンドウに表示され、プレゼンターは、次のスライドがどのようなスライドであるかを見、どのようにすればそのスライド最もよく表示できるかを判断することができる。この段階で、プレゼンターは、そのスライドにステップ508でアノテーションを行ってから表示するべきかどうかを判断することも可能である。
【0033】
この実施形態の方法は、次のステップ510で、プレゼンターが、プレビュースライド表示のために可能な多くのオプションの中でどのオプションを選択するかを決定する。例えば、プレゼンターは、ステップ514で、プレビュースライドを左スクリーンに送るよう選択することもできれば、ステップ516で、プレビュースライドを右スクリーンに送るよう選択することもできる。別の態様として、本発明の方法は、ステップ518でプレファレンスファイルを参照して、プレビュースライドをどのスクリーンに自動転送するかを決定する自動ディスパッチ機能を備えることができる。ステップ519で、他の表示オプションを選択することもでき、これらのオプションとしては、左スクリーンまたは右スクリーンをブランクにする、プレゼンテーションを1スライド戻す、カレントプレビュースライドを表示せずにスキップする、順序を無視してあるスライドにジャンプする、別のプレゼンテーションファイルのスライドにジャンプする、あるいはディスプレイスクリーンの中の1つにブランクテンプレートを送るというようなオプションを含めることができる。また、プレゼンターは、ステップ512で、デモンストレーションコンピュータの出力を左スクリーンに表示する(ステップ522)か、右スクリーンに表示する(ステップ524)かを選択することもできる。また、プレゼンターは、ステップ520で、左スクリーンに表示された(ステップ526)あるいは右スクリーンに表示された(ステップ528)スライドにアノテーションを行うこともできる。プレゼンターは、スライドにアノテーションを行うことによって、参加オーディエンスに合わせてカスタマイズした仕方で対話操作によりプレゼンテーションを増補することができる。アノテーションは以後のスライドプレゼンテーションに役立てることが可能であることから、また2つ以上の表示済みスライドへのアノテーションを保存するために、この実施形態の方法は、ステップ530で将来の使用に備えて任意のアノテーションをセーブする。プレゼンテーションスライドを表示するかあるいはアノテーションを行うかのプレゼンターの選択に基づいて、ステップ532では、次のスライドを取り出し、プレビューウィンドウに表示する。ステップ534は、この実施形態の方法はプレゼンテーションファイルの最後のスライドが表示されるまでステップ510以降のステップを繰り返すということを表す。この方法の詳細について、以下、スライドプレゼンテーションを制御するための特定のインタフェースおよびソフトウェアアプリケーションとの関連で説明する。
【0034】
図6は、プレゼンターがオーディエンスに対して行われるプレゼンテーションを制御できるようにするコンピュータ204で実行されるプレゼンテーション・ソフトウェアアプリケーションの典型的なスクリーンショット600を示す。ドロップダウンメニュー、選択ボックス、アイコン、ディスプレイウィンドウ、ツールバーのようなグラフィカルユーザインタフェース・コンポーネント、およびこれらの操作については当技術分野において周知であり、詳細な説明は省略する。
【0035】
プレゼンテーションのファウンデーションは、例えば、全体としてプレゼンテーションファイルと称することができる形に構成されたいくつかのPowerPointスライドで構成することができる。他のスライド形式についても本発明の範囲内で考慮されている。PowerPointファイルまたはスライドショー、およびそれらの個々のフレームは、コンピュータ204のハードディスクドライブに保存することができる。例えば、プレゼンテーションソフトウェアは、プレゼンテーションファイルを“D:\courses”のようなデフォルトディレクトリで探すよう設定することができる。このディレクトリ内には、数多くのいろいろなプレゼンテーションファイルを保存して、プレゼンテーションソフトウェアが、それらのファイルを選択のために自動的に走査してプレゼンターに表示することも可能である。
【0036】
一実施形態のプレゼンテーションシステムでは、ユーザ定義のプレファレンスデータをプレゼンテーションファイルの中の任意の1つと関連づけることが可能である。このプレファレンスデータは、プレゼンテーションソフトウェアがあるプレファレンスファイルを類似の名称を持つプレゼンテーションファイルと容易に関連づけることができるように、所定の拡張子(例えば、“.ipf”)を用いるプレファレンスファイルの形にすることができる。一実施形態においては、プレファレンスファイルは、下記の3つのフィールドを持つ多くのエントリを入れることができる。
【0037】
<スライド番号><方向タグ><メモリジョガー文>したがって、プレファレンスファイルは、例えば下記に類似した形になる:
14,R,Mentionallthreeaspects(3つのすべての側面について言及する)
2,L,
...
16,R,Telljokeaboutthethreeprogrammers(3人のプログラマについてのジョークを話す)
上に示すように、スライドはその番号順にならべる必要はないが、スライド番号順にならべる方が好都合な場合もある。さらに、各スライドに必ず何かエントリを入れなければならないことも、各エントリのすべてのフィールドに必ずデータが入っていなければならないこともない。
【0038】
別の態様として、プレファレンス情報は、プレゼンテーションファイル自体のスライドに入れることもできる。PowerPointスライドの「注」部分、あるいは他のプレゼンテーションファイルの同様のフィーチャ部分を用いることにより、プレファレンス情報は別個のプレファレンスファイルに保存する必要はなく、プレゼンテーションファイルに入れればよい。
【0039】
プレゼンテーションソフトウェア・インタフェースは、プレゼンターがプレゼンテーションを選択する際に役立つドロップダウンボックス616を提供する。一例として、図6では、プレゼンターは、“503−CH00US”という名称のファイルを選択しており、一実施形態でこのファイル名は意味を持ち、そのプレゼンテーションがレッスン503の章00に関係した章であることを指示する。ハードドライブ上では、このファイルをPowerPointファイル“503−Ch00US.ppt”として保存することが可能である。好ましい一実施形態においては、選択されたプレゼンテーションの最初のスライドが自動的にプレビューウィンドウ602に表示される。
【0040】
ウィンドウ612に、その選択されたプレゼンテーションファイル内の13のスライドおよびそれぞれのタイトルが表示される。図には、1つのスライドタイトルが選択された状態が示されており、(反転映像で示す)、そのスライド604がプレビューウィンドウ602に表示されている。このウィンドウ602から、プレゼンターは、スライド604をコンピュータ204のビデオ出力の1つに仕向ける(または送出(dispatch)する)ことができる。
【0041】
画面600が表示されるモニタはタッチスクリーンモニタ212でもよいが、プレゼンターは、タッチ入力に加えてキーボードまたはマウスを用いることによりプレゼンテーションソフトウェアのインタフェースと対話することもできる。
【0042】
画面600には、プレビュースライド604の仕向け先を決定する3つのアイコンがある。「仕向け先(destination)」という用語は、スライドが左スクリーンまたは右スクリーンのどちらかに表示されるように送られる先のコンピュータ204のビデオ出力のどれかを指す。一実施形態においては、ビデオスイッチの設定およびケーブル接続は、図2に示すような所定の形で構成される。プレゼンテーションソフトウェアはこの所定の構成についての情報を与えられており、それ自身プレゼンターがどのアイコンを選択するかに基づいて、スライドを対応する適切なビデオ出力に送るよう構成される。個々の具体的なケーブリングの接続構成は、プレゼンテーションソフトウェアがそれに応じてビデオ出力を仕向けるよう構成される限り、図2に示すものと異なり得る。
【0043】
アイコン620は、プレゼンテーションソフトウェアをしてプレビュースライド604を左スクリーンへ送らせ、他方アイコン644はプレゼンテーションソフトウェアをしてプレビュースライド604を右スクリーンへ送らせる。プレビュースライド604が、関連するプレファレンスファイルで指定された方向プレファレンスを有する場合は、アイコン632がアクティブになり、プレゼンターは、そのアイコン632を選択することによって、スライドをプレファレンスファイルにある方向プレファレンスに基づき、その指定された方向のスクリーンへ送ることができる。プレビュースライド604を表示のために対応する適切なスクリーンへ送った後、プレゼンテーションソフトウェアは、一連のスライド中の次のスライドをウィンドウ602内に自動的に表示する。プレファレンスタグは、自動アイコン632に替えてアイコン620または644を用いることにより無効にすることができる。ウィンドウ618は、プレファレンスファイルから任意のメモリジョガー文を表示してプレゼンターのプレゼンテーションを支援するために使用される。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、プレファレンスファイルのスライドのエントリは“LR”のような方向エントリを持つことができる。このダブルエントリは、自動的に1つのスライドを左スクリーンに表示し、その後次のスライドを右スクリーに表示して、これら2つのスライドが実質的に同時に表示されるように見える効果をもたらすことになる。その結果、その時の新しいプレビュースライドは、最初のプレビュースライドから2つ目のものになる。
【0045】
スライドは、ディスプレイウィンドウ612から順序と無関係に選んでプレビューウィンドウ602に表示することができる。
【0046】
また、インタフェース画面600は、「戻る(go−back)」アイコン630および「進む(go−forward)」アイコン634がある。アイコン630によって、プレゼンターはプレビューウィンドウ602で逆に進むことができ、またアイコン634は、カレントプレビュースライド604をスキップして、プレゼンテーションの次のスライドをプレビューウィンドウ602に表示させる。
【0047】
アイコン626および638は、それぞれ、スライドがディスプレイスクリーンで上にずれるように見えさせる左スクリーンおよび右スクリーンの「スライドジョグ(slidejog)機能を提供する。この機能は、プロジェクタ上でビューフォイルを上にずらせてビューフォイルの下半部を重点的に見せるようにするプレゼンターの従来の動作に似せたものである。これらのアイコンは、トグルスイッチとしての機能を果たし、アイコンを続けて選択すると、1つのスライドの正常な表示とそのスライドの「寸動(jogged)」表示とが切り替え表示されるようになっている。
【0048】
学生の注意を一方のスクリーンまたは他方のスクリーンに集中させるため、またプレゼンテーション内でのその他の理由から、プレゼンテーションソフトウェア・インタフェースには、左ディスプレイをブランクにするためのアイコン624および右ディスプレイをブランクにするためのアイコン640がある。これらのアイコンのどちらかを再度選択すると、その対応するディスプレイが「ブランク解除」される。
【0049】
図2の環境に示すように、デモンストレーションコンピュータ216からのビデオ出力はビデオスイッチ240に供給される。プレゼンテーションソフトウェアは、このビデオ出力を、ビデオスイッチ240を通信リンク310を介して適切に制御することにより、ディスプレイプロジェクタ232、236のどちらかに表示させることができる。プレゼンターは、デモンストレーションコンピュータ216からの出力を左プロジェクタに仕向けたい場合、アイコン628を選択する。この選択は、プレゼンテーションソフトウェアをして、ビデオ信号218を左スクリーンに表示するようビデオスイッチ240を制御させる。右プロジェクタ236についても、これと同様の機能性がアイコン636を用いて達成される。アイコン628、636のどちらかをもう一回選択すると、デモンストレーションコンピュータ216からの出力ではなく、表示されているスライドが対応するスクリーンに再表示される。ビデオスイッチ240の未使用入力を利用するために、もう一つのデモンストレーションコンピュータを備えることもできる。このような態様では、適切なビデオ信号転送経路を選択するには、結局ビデオスイッチ240を手動操作する方が実用的である。
【0050】
ボタン650、652をそれぞれ使用して、左または右ディスプレイスクリーンに表示されているカレントスライドをウィンドウ610に表示されている「お気に入り」リストに追加することができる。このリストは、“favorites.fvt”のような何か意味のある名前を付けてデフォルトディレクトリ“D:\courses”に保存することができる。多のファイル名および記憶場所を用いてもよい。
【0051】
好ましい一実施形態の場合、このファイルは次のような形式になる:
<プレゼンテーションファイル>,<スライド番号>:<説明文>
したがって、1つのエントリは例えば下記に類似したものになる:
409−Ch05,14:フリースレッディング
これは、プレゼンテーションファイル409−Ch05.pptの14番目のスライドを指す(例えば、PowerPointスライドを使用している場合)説明文は任意のテキストでよく、スライドタイトルはその一つの実例である。
【0052】
ボタン650または652のどちらかを選択することにより、新しいエントリをお気に入りファイルに追加するか、または他の形で挿入することができる。好ましい一実施形態においては、このファイルはいろいろ異なるプレゼンテーションファイルの中にあって便利なファイルであり、いずれか特定のプレゼンテーションファイルに固有のファイルではない。プレゼンターは、ウィンドウ612からスライドを選択したのと同様にして、ウィンドウ610からスライドを選択する。一つの違いは、この場合、プレゼンテーションソフトウェアは、その選択で参照されたプレゼンテーションファイルを開いて対応するスライドを抜き出し、そのスライドをプレビューウィンドウ602に表示しなければならないということである。そして、そのスライドは、それぞれアイコン620、644を用いて左または右スクリーンに差し向けることができる。スライドを送出すると、プレゼンテーションソフトウェアは、プレビューウィンドウ602に入れる次のスライドを選択するために、スライドの元のプレゼンテーションファイル内の記憶場所に戻る。
【0053】
プレゼンテーションソフトウェアは、スライドアノテーション・アプリケーション(すなわち、アノテーションツール)の3つの異なるインスタンスと共動する。スライドアノテーションツールは、プレゼンテーションスライドに重ねることができるベクトルベースの描画ツールであってもよい。アノテーションツールのこれらの各インスタンスは、モニタ212、234、238の中の異なる1つに対応する。アノテーションツールのインスタンスが実行されると、アノテーションツールバーが異なる各モニタ212、234、238に表示される。中央モニタ212用のアノテーションツールに関連したアノテーションツールバー608が、プレビューウィンドウ602の下部に図示してある。プレゼンターは、このツールバーを用いて、スライド604を左またはディスプレイスクリーンへ送出する前にアノテーションを行うことができる。左および右モニタ234、238は、各々に関連したアノテーションツールおよび同様のツールバーを有する。
【0054】
クロックアイコン606は、プレゼンターが一定の時間枠を選択して、その時間枠内の残り時間を示すカウントダウン画面を表示できるようにするためのタイマーウィンドウを開く。この時間枠は、例えば、練習問題を終えるまでの残り時間、あるいはプレゼンテーションの休憩終了までの残り時間などを示す。
【0055】
図7には、図6に示すような典型的なアノテーションメニュー(annotationtoll)・ツールバーが描かれている。このツールバーのいろいろな機能は、対応するアイコンをタッピングあるいは選択することによって選択することができる。図中左から右に向けて、下記のアイコンがある:
702:ツールバーの表示を拡大、縮小する「隠す/戻す(hide/unhide)」ボタン
704:プレゼンテーションスライドのテキストを入れるべき位置でタッピングし、キーボード(コンピュータ204の)を用いてテキストを入れるために使用するテキスト機能
706:スライド上での描画、好ましくはスタイラスまたは他の同様の用具を用いての動画が可能なフリーハンド描画ツール
708:始点角を選択して終点角までドラッグすることにより矩形を画定することができる矩形描画機能
710:矩形描画機能と類似した楕円描画機能、ただし、楕円は設定済みの「境界」ボックス内に描かれる
好ましい一実施形態では、矩形ツールおよび楕円ツールはどちらも自動的にテキスト入力機能を起動し、他のアイコンを全く使用する必要なしに、これらのツールで生成された図形にテキストを入れることができるようになっている。
【0056】
712:直線の始点と終点を選択して使用する直線描画機能。
【0057】
714:コミックストリップ(こま割り漫画)の会話吹き出しに類似したテキスト入力ボックスを生成する「コールアウト」機能。
【0058】
716:画面に透明な黄色に強調表示された矩形を生成するハイライタツール。
【0059】
718:プレゼンテーションスライドの所望の位置にインジケータを表示させるポインタツール。好ましい一実施形態では、インジケータは鮮赤色の矢印である。この矢印は、プレゼンターがタッピングしたプレゼンテーションスライド上の任意の位置に移動する。
【0060】
720:プレゼンテーションスライドのいくつかの部分を覆って表示されないようにする漸次表示機能。スクリーンの最初のタッピングで、最初の垂直方向位置が設定され、その後次々にタッピングする毎にオーバーレイが別の位置に移り、漸次プレゼンテーションスライドの多くの部分が表示される。
【0061】
722:プレゼンテーションスライド上の任意のアノテーションを消す消しゴムツール。
【0062】
724:各アノテーションを逆順に取り除く取り消し機能。
【0063】
726:様々な色から以後のアノテーション作業用の色を選択する色選択ツール。
【0064】
アノテーションは、左モニタ、右モニタおよび中央モニタ上で任意の特定順序により行うことができ、したがって、好ましい一実施形態では、アノテーションは、プレゼンターが一つのプレゼンテーションスライドから離れて他に移る都度セーブされる。例えば、スライド14を左モニタ234に表示して、スライド13が右モニタ238に表示されている間に、スライド14にアノテーションを行うことができる。プレゼンターが右モニタ238にタッチすると、コンピュータ204のオペレーティングシステムは、そのフォーカスが右モニタ238に移ったことを検知し、それ以後のすべての入力は、モニタ238と関連したアノテーションツールによって解釈される。また、プレゼンテーションソフトウェアも、スライド14のカレントアノテーションをセーブしてから次の処理に進む。プレゼンターがその後スライド14に戻る場合、スライド13のカレントアノテーションはセーブされ、それ以後の入力は、左モニタ234と関連したアノテーションツールによって解釈される。
【0065】
好ましい一実施形態においては、ベクトルグラフィックスファイルは各アノテーションツールによって作成され、ディレクトリ“C:\courses”に保存される。例えば、プレゼンテーションファイル409−Ch05.ppt内のスライドに対してアノテーションを行う際、例えばディレクトリ409−Ch05.annを作成して、ファイル“xxx”を入れることができる(ここで、“xxx”はそのプレゼンテーションファイル内のスライドを指す)。
【0066】
プレゼンテーションソフトウェアは、プレビューウィンドウ602にスライドを表示するとき、自動的に何らかのアノテーションファイルがあるかどうか検索し、アノテーションファイルがあれば、それに従って自動的にスライドを増補することができる。その結果、アノテーションファイルを保存しておき、別のコンピュータに移動して、そのコンピュータにあるプレゼンテーションスライドを使用しつつそのコンピュータからプレゼンテーションを増補することが可能になる。また、アノテーションを行ったスライドの再表示は、そのスライドに最初にアノテーションをしたディスプレイスクリーンに関わらず行うことができる。例えば、右のディスプレイスクリーン上に表示し、そこでアノテーションを行ったスライドを、それ以後に表示するため呼び出して、左のディスプレイスクリーンに送出することができ、その場合、以前の任意のアノテーションが、全く修正の必要なしに左のディスプレイスクリーンに表示される。
【0067】
暫時図6のインタフェース画面600に戻って説明すると、ここには2つの相補型アイコン622および642がある。これらのアイコンは、それぞれ左右のディスプレイスクリーンにブランクスライドを生じさせる。そして、このブランクスライドに所望のアノテーションを行うことができる。好ましい一実施形態においては、そのブランクスライドの名称を要求するダイアログボックスが現れるので、それが望ましければデフォルト名を与えることができる。新しい名前を付けたスライドは、お気に入りとしてセーブしない場合、カレントプレゼンテーションを終了することで削除される。セーブしておけば、後で呼び出して利用することが可能になる。同様にして、個々のスライドは、生成してからディレクトリ“C:\courses”にコピーし、手動でお気に入りファイルに加えることが可能であるこのようにして、プレゼンテーションファイルを増補する追加の外部スライドを、規定のプレゼンテーションを行っている際に選択して表示するべく利用することが可能になる。
【0068】
本発明のプレゼンテーションシステムは、1つドキュメントファイル形式から再生して見られるコンテンツを呈示することに限定されるものではない。このプレゼンテーションシステムは、例えば、PowerPointのプレゼンテーションおよびAdobeAcrobatのPDFファイルファイルのような2つ以上の異なるドキュメントファイル形式で使用することが可能である。好ましい一実施形態においては、PowerPointプレゼンテーションは風景レイアウトにおける情報の画面を供給するために使用され、他方Acrobatファイルは肖像レイアウトのページ番号付きドキュメントからの情報を表示するのに使用される。
【0069】
この実施形態によれば、表示中のドキュメントの各画面に関連づけられた任意のアノテーションファイルの取り込みを含め、PowerPointプレゼンテーションおよびAcrobatプレゼンテーションを、プレゼンテーションシステムによってどちらも全く同じように扱うことができる。風景ドキュメントと肖像ドキュメントとの間に縦横比の差があるため、各スクリーンおよびプロジェクタに肖像モードのページ(例えば、Acrobatページ)が3分の2しか表示されない場合がある。インタフェース600上の「ナッジアップ(nudgeup)」ボタン626、638は、Acrobatページの下3分の2の部分を見えるようにするために使用する。
【0070】
PowerPointページあるいはAcrobatページは、どちらの形式も保存した後次に呼び出して任意のディスプレイスクリーン212、234、238に表示することができるので、お気に入りメカニズムの機能性および便宜は、どちらの形式のページについても同じである。
【0071】
図8に、図1の典型的なリモコン装置108を構成要素800としてより詳細に示す。例えば、リモコン装置800は、システム200の他の構成要素が使用していない入出力ポートを用いてコンピュータ204に接続することができる。リモコン装置は、図6に示すツールセットのすべてのツールを備える必要はないが、あえて挙げるならば、自動的にスライドを前に送るためのボタン802、カレントプレビュースライドをスキップするためのボタン804、プレビュースライドを右スクリーンに送るためのボタン806、右スクリーンをブランクにする/ブランク解除するためのボタン808、左スクリーンをブランクにする/ブランク解除するためのボタン810、およびプレビュースライドを左スクリーンに送るためのボタン812等を備えることができる。
【0072】
図9は、図1のシステム100あるいは図2のシステム200とは別の構成を有するプレゼンテーションシステム900を示す。しかしながら、このシステムには、これまでの図面を参照して説明した各システムと共通の多くの構成要素がある。したがって、種々の構成間の差異が不明確になるのを避けるため、各構成が有する共通の特徴についての詳細な説明は、図9による説明では省略する。むしろ、種々の構成間の明確な差異に重点を置き、それらの差異について詳細に説明する。
【0073】
図9において、コンピュータ902はデータフローおよび他の構成要素が使用するプレゼンテーションマテリアルを制御する。このコンピュータ902は、トラックボール、キーボード(標準型または小型)およびマウスのような入力機器とのインタフェースを取る通信ポート904を有する。コンピュータ902は、ビデオポート908を介してタッチスクリーン918上に、プレゼンターまたはインストラクタがプレゼンテーションを操作するのを支援するグラフィカルユーザインタフェースを提供する。通信ポート906は、スタイラスにより与えられるようなタッチスクリーン918からのフィードバックを受け取る。
【0074】
従来の任意のタッチスクリーン端末を使用することができるが、典型的なタッチスクリーン918としては、WacomCintiqの18インチ型CAD端末がある。この特定の端末には、ユーザが、何かを書きながら手をディスプレイスクリーン上にもたれさせることが可能なあつらえスタイラスが備えられている。この機能性によって、アノテーションの正確さが向上する。
【0075】
ビデオポート910および912は、右および左プロジェクタ924、926に表示するためのビデオ出力を供給する。前に説明したように、プレゼンテーションシステムは、タッチスクリーン918に表示されるグラフィカルユーザインタフェースを使用するプレゼンターの制御下で、ディスプレイスクリーンを特定のプロジェクタに仕向けることにより、情報の電子ディスプレイを交互に切り替えるかまたは他のやり方で制御する。
【0076】
時には他のビデオソース920をプロジェクタ924、926のどちらかに表示することがあるので、ポート910および912からのビデオ出力は、コンピュータ902のポート914からの信号により制御されるビデオスイッチ922を介して転送される。このように、プレゼンターは、グラフィカルユーザインタフェースを用いてポート914より制御信号を発生させることで、ビデオポート910および912からのスライドを制御し、さらにはソース920からの別のビデオ信号の選択および選択解除を制御することができる。
【0077】
ビデオスイッチ922は、単一のn×2型ビデオスイッチ(すなわち、n入力と2出力を持つ)として図示してあるが、1対の2×1型スイッチのような他の構成のものを用いることもできる。別の態様として、スイッチ922は、プロジェクタ924および926がマルチ入力ポートを持つ場合、省くことができる。このような実施態様においては、ポート914からの制御信号が対応するプロジェクタを直接制御して、選択された入力を表示することになろう。
【0078】
図9のシステム900と前に説明したシステムとの大きな相違点は、中央ディスプレイ104および左右のディスプレイ110a、110bに代えて単一のタッチスクリーン918を使用するということである。この簡単化した態様に対応するべく、コンピュータ902で実行されるプレゼンテーション操作ソフトウェアは、単一のタッチスクリーン918上のマルチウィンドウのタブ付きインタフェースを使用する。
【0079】
図10は、図9の単一タッチスクリーン型態様用の典型的なグラフィカルユーザインタフェース1000を示す。このインタフェース1000は、3つのサブウィンドウ1006、1008、1010を含む主表示領域1024を有する。中央ウィンドウ1006は、左または右のどちらかのプロジェクタに仕向けられるカレントインストラクタ画面を表示する。左ウィンドウ1008は、現在表示中の左プロジェクタの画面を表示し、右ウィンドウ1010は、現在表示中の右プロジェクタの画面を表示する。
【0080】
インタフェース1000は、上部を横切るアイコンツールバー1004、さらにはそれぞれ両側にある左右のツールバー1020および1022を有する。これらのツールバーは、プレゼンターが、例えば、ページを一方または他方のスクリーンに仕向け、ページをスキップし、ブランクページを送り、ページをスクロールし、ページ間でジャンプし、別のビデオソース(例えば、デモ用コンピュータ)を選択し、また「お気に入り」をセーブあるいは選択することができるようにする前に説明したような機能性を提供する。インタフェース1000の最上部沿いには、カレントインストラクタ画面1006についての簡単なメモを表示するメモリジョガーバー1002がある。
【0081】
インタフェース1000の最下部沿いには、表示領域1024のサブウィンドウにそれぞれ対応する3つのタブ1012〜1016がある。ユーザは、左スクリーンタブ1012を用いて左プロジェクタの画面をアノテーションを行うために選択することができ、また右スクリーンタブ1010を用い右プロジェクタの画面をアノテーションを行うために選択することができる。ユーザは、中央タブを用いて、図10に示す複合型マルチウィンドウ画面1024に戻ることができる。
【0082】
グラフィカルユーザインタフェース1000は、通信ポート906を介してコンピュータ902にフィードバックを行うタッチスクリーンディスプレイ918に表示される。アノテーションおよびツールバーの選択は、複合スクリーン1024から行うことができる;しかしながら、カレントディスプレイスクリーン画面1008、1010のどちらかを選択すると、すべてのアノテーションをより細かく制御することが可能になる。ディスプレイスクリーンのどちらか一方を、対応するタブ(1012または1016)を用いて、あるいは単に入力機器916の1つを用いてウィンドウ(1008または1010)の1つを選択するだけで選択することができる。
【0083】
図11は、アノテーションを行うために左スクリーン1008(例えば)が選択されたときのグラフィカルユーザインタフェース1000の典型的なスナップ写真1100を図示したものである。図11に示すように、スクリーンタブ1012〜1016はスナップ写真1100の下部に残っており、また左スクリーンのツールバー1020もスナップ写真1100の左側に残っている。ただし、複合画面1024ではなく、カレントの左プロジェクタスクリーン1008が表示領域のほぼ全面を占めるように表示されている。スナップ写真1100の最上部沿いには、カレントの左プロジェクタ画面用のメモリジョガー部1102があり、スナップ写真1100の最下部の近くにはアノテーションツールバー1104がある。アノテーションツールバーの詳細については前に図7を参照して説明してあり、そのアイコンは、現在の表示画面に対するアノテーションを容易にするツールおよび機能を提供する。これらのアノテーションは、システム900を使ってもたらされるプレゼンテーションの動的性質を強化するために、プレゼンテーション時にリアルタイムで表示される。
【0084】
スナップ写真1100およびインタフェース1000のレイアウトは例示的性格のものである。もちろん、本発明のさらなる実施形態の中では、機能的に他の等価なツールバー、画面レイアウト、アイコン、およびフィーチャを設けることが考えられる。
【0085】
図9乃至12に示す別態様のプレゼンテーションシステムツールおよび機能と図1乃至8との関連で記載し、説明したプレゼンテーションシステムツールおよび機能との間には相当の類似性がある。しかしながら、この別態様においては、3つのビデオ出力を制御するために1つのタッチスクリーンを設けることが好ましい。その場合、プレゼンターは、3つの別々のタッチスクリーンにアノテーションを行う代わりに、様式イメージをこの1つのタッチスクリーン上のイメージに切り替えることになる。
【0086】
このシステムの典型的な使用法では、まず「Chapter(章)」ボタンを選択して、プレゼンテーションするための1章分の複数画面をロードする。インストラクタ画面をそのプレゼンテーションアプリケーション用の制御インタフェースとして用い、ツールバーの左ボタンおよび右ボタンを使ってページを左右交互に送り出す。あるいは、画面をプレゼンテーションのためにどの方向に仕向けるかを自動的に制御するデフォルトプレファレンスを保存しておくことも可能である。プロジェクタスクリーン上の特定の表示イメージにアノテーションを行うには、図10のインストラクタインタフェース画面上にある小さいディスプレイウィンドウのアノテーションツールを使用すればよい。あるいは、プレゼンターがカレントのプロジェクタ画面の1つを選択すると(ウィンドウ上でクリックするか、タブボタンを使って)と、それに対応する左または右画面のイメージが、図11に示すように、ほぼタッチスクリーン全面を占めるほどに拡大される。これによって、アノテーションを拡大されたウィンドウにより正確に貼り付けることができる。いずれかのアノテーションが終了したならば、「インストラクタ画面」タブをクリックすることにより、複合型マルチウィンドウインストラクタ画面が再表示され、プレゼンテーションを続けて行うことができる。
【0087】
図12、13および14は、図1のマルチディスプレイ環境または図9のシングルスクリーンディスプレイ環境でしようすることができる「ズーム」機能を図解したものである。この機能は、どちらの環境においても実質的に同じであるから、図12乃至14には、シングルスクリーンディスプレイの典型的実施形態のみ示す。前に左右の画面に表示される複数のスライドとの関連で説明した例に加えて、このズーム機能は、左右両スクリーンに単一のスライドをいろいろな形で表示することが可能である。
【0088】
図12は、画面の最下部にあるタブ1210で指示されたインストラクタ画面の例図である。前に説明したように、この画面は次のスライド1204を表示し、また右スクリーンに表示中の画面のコピー1206および左スクリーンに表示中の画面のコピー1208も表示する。
【0089】
図12に示す分割画面モードとして知られている特定の状態では、左スクリーンにも右スクリーンにもあるカレントスライドが表示されている。例えば、ウィンドウ1206はそのカレントスライドの上部を示し、他方ウィンドウ1208はそのカレントスライドの下部を示している。これらの両ウィンドウにはオーバーラップ部分1212があり、この部分1212は、陰影を付けるかその他の方法で視覚的に特徴づけることにより、その情報が両方のウィンドウにあることを画面を見る者が認識しやすくすることができる。
【0090】
プレゼンターは、カレントスライドをどのように表示するかをさらに制御することが可能な「ズーム」ツール1202を利用することができる。図13は、ズームツール1202を選択したときディスプレイウィンドウがどのように変わるかを示した図である。ウィンドウ1204は前と同じであるが、ディスプレイウィンドウ1304および1302は応答表示が前と異なる。
【0091】
右側のウィンドウ1302には、右側のディスプレイスクリーンに表示されているカレントスライド全体が示されている。好ましい一実施形態においては、左側のディスプレイスクリーンはブランクである。しかしながら、左側のウィンドウ1304には、例えば、スライドの一部を「ズームイン」できるように選択するべきであるということを示唆するプレゼンターにとっての有用な指示を入れることができる。実際には、この場合、プレゼンターは選択ツール1306を使ってウィンドウ1302に表示されたスライドの一部分を選択することになる。このツールは、多くのコンピュータユーザにとってなじみのクリック・アンド・ドラッグ操作を利用するものとすることが好ましい。
【0092】
図14は、ツール1306でスライド1402の部分を1404を選択したときウィンドウがどのように変わるかを示す図である。特に、この場合、左側のディスプレイスクリーンはブランクではなく、左側のウィンドウ1406に示されているようなスライドの「ズームイン」した部分を表示する。ウィンドウ1402のスライドの表示も、シェーディングのような選択された部分1404を強調表示する何らかのビジュアルキューを表示するように変わる。ウィンドウ1204には、続けてプレゼンテーションの次のスライドが表示される。
【0093】
アノテーションに関しては、左側のウィンドウ1406および右側のウィンドウ1402も、前に説明したツールおよび方法を用いてアノテーションを行うことができる。
【0094】
図15は、これまでの実施形態ではまだ説明していない特徴を有する本発明の一実施形態のスクリーンショットを示す例図である。
【0095】
前に説明したプレゼンテーション操作インタフェースのスクリーンショットと同様に、図15にはプレゼンテーションの次のスライドを表示するためのサブウィンドウ1506、さらにはそれぞれ左および右のプロジェクタスクリーンに現在表示中のスライドを表示するためのサブウィンドウ1504、1508が示されている。
【0096】
プレゼンテーション中に、プレゼンターがスライド上にある間違いやその他不適切な内容に気づくことがある。また、プレゼンターは、オーディエンスからのフィードバックによって、スライドに付け加えた方がよい情報を知ることもある。このような場合、本願に記載するプレゼンテーションシステムおよび方法は、スライドに修正が必要なことを示すマークをプレゼンテーション中に付けるためのツール1502を提供する。
【0097】
プレゼンテーションでスライドを表示している間、プレゼンターは、アノテーションツールを使用してウィンドウ1508に示されているアノテーション1510a、1510bを、好ましくはオーディエンスが見ているディスプレイスクリーンには示されないようにして書き入れることができる。あるいは、プレゼンターは、単にツール1502をクリックするだけでスライドにマークを付けておき、後で修正することも可能である。スライドにマークを付けたならば、プレゼンテーションはそのまま終わりまで続けることができる。インストラクタは、その後都合のよいときにスライドを見直して、マークを付けたスライドにアノテーションを行えばよい。ツール1502を使ってマークを付けたスライドをプレゼンターが識別しやすくするために、標識ないしは目印1512をそのような各スライドに付け加えることもできる。
【0098】
プレゼンテーション操作インタフェースが実行されるコンピュータシステム(例えば、
902)がネットワークに接続されている場合、プレゼンターがマークを付け、アノテー
ションを行ったスライドは修正や更新のために容易に他の者に転送することができる。好ましい一実施形態においては、プレゼンテーション操作システムは、新しくアノテーションを行ったスライドを自動的に探し出して、更新のために転送することが可能である。
【0099】
スクリーンショット1500のもう一つの特徴として、タイムライン追跡インジケータ1514がある。このインジケータ1514は、カレントプレゼンテーションがプリセットされたタイムラインと比較して現在どの程度進行しているかを指示する。プレゼンターがプレゼンテーションを所定のスケジュールどおりに進めやすくするために、各スライドには、プレゼンテーション時にスライドをどの程度の時間表示することが好ましいかを指示する関連メタ情報を入れることができる。各スライドには、前に述べたようなスクリーンプレファレンスおよびメモリジョガー文などのような関連メタデータを入れることができる。今説明したタイミングメタ情報は、プレゼンターがどれだけ厳密にプレゼンテーションの所定タイムラインに従っているかどうかを判断するために使用される。
【0100】
図16の論理フローチャートは、タイムライン情報をプレゼンターに提供する典型的な方法を示す。プレゼンテーションの開始時、ステップ1602で、クロックまたはタイマーを起動する。次に、ステップ1604で、プレゼンテーション用のスライドを取り出し、ステップ1606で、そのスライドをプレゼンテーション中どの時点で表示するべきかに関するタイミング情報を抽出する。こうしてステップ1608で、プレゼンターは、スライドをオーディエンスに対して表示する。この時点で、動作しているクロックまたはタイマーに基づき、その特定のスライドがいつ表示されたかを指示するタイムスタンプが生成される。あるプレゼンテーションについて関連するタイミングメタ情報が見つからない場合、システムは、エラーメッセージを生成したりあるいは他の何らかの形でプレゼンテーションに影響を及ぼしたりすることなく、単に各スライドについてデフォルトの時点(
時刻)を使用する。
【0101】
ステップ1610で、そのプレゼンテーションの開始(すなわち、前のステップのタイ
ムスタンプ)後の経過時間をスライドを表示するべき予定時点と比較する。この比較を行
うには、いくつかの異なる方法が考えられる。例えば、各スライドに、プレゼンテーション中にどれだけの時間にわたって表示するべきかを指示するメタ情報を持たせることができる。すると、この例では、表示予定時点は、単にそれまでの全スライドの「表示時間」の合計として得られる。あるいは、メタ情報はプレゼンテーション開始時刻(例えば、5
:15)を基準とした時刻情報であってもよい。この例では、予定表示時刻が明確に確認
されるので、それまでのスライドに関する情報を用いて計算する必要がない。本発明では、スライドを表示する時点およびスライドを表示するべきであった時点を追跡するための機能的に等価な他の方法についても考慮がなされている。
【0102】
ステップ1612で、プレゼンテーションの進行に伴ってその状況を記録するために、タイムスタンプ情報(ステップ1608参照)を遠隔のまたはローカルのログファイルに保存する。スライドをスキップする場合、好ましくは、このログファイルには、関連したタイムスタンプではなく、その旨を示すようなアノテーションを入れることができる。
【0103】
ステップ1610で行った比較のインジケータを、ステップ1616でプレゼンターに表示することができる。図15に示すように、カレントプレゼンテーションについてのタイミング情報を示すゲージ(インジケータ)1514は、プレゼンター用のインタフェース1500にある。このタイミング情報は等価な種々のグラフィカル形式で表示することができ、図15に、典型的例としてディスプレイインジケータ1514が示してある。この例では、タイムバーは、予定より遅れていることを指示する部分1516(例えば赤)、ほぼ予定どおりに進行していることを指示する中央部分1517(例えば黒)、および予定より進んでいることを示すもう一つの部分1518(例えば緑)を有する。所定のスケジュールに対するプレゼンテーションの進行状況に応じてタイムバーの対応する部分1516、1517、1518に重なるバー1519もある。図示のように、プレゼンターにタイムライン情報をより詳しく指示するために、「2minutesahead(2分進み)」というような文字表示を入れることもできる。
【0104】
プレゼンテーションに他のスライドがある場合は、ステップ1618での判断はステップ1604に戻り、次のスライドを検索して取り出すことができる。しかしながら、プレゼンテーションが終わりならば、ログファイルのような蓄積されたタイムスタンプ情報をさらに分析することができる。例えば、プレゼンテーションがどの程度規定のタイムラインに従って行われたかを調べるために、ステップ1614でログファイルを自動的に遠隔の場所に転送することができる。このように履歴データを収集して、プレゼンターの規定タイムラインの順守あるいはタイムライン調整のような作業ができるようにすることも可能である。
【0105】
さらに、「ツール」メニューバーには、プレゼンターにより詳細な情報を提供するタイムライン関連情報のオプションを入れることができる。例えば、1つのオプションとして、プレゼンテーションに残っているすべてのスライドのリストをそれぞれのスライドの予定表示時刻と共に表示することができる。もう一つのオプションとしては、プレゼンテーションに伴う練習問題のリスト、およびプレゼンターが実地演習に割り当てることができる時間の残り時間と残りのスライドに基づく計算を表示することもできる。
【0106】
プレゼンターは、通常、プレゼンテーション時にスタイラス1520、すなわちハイライタツールを使ってスライドの部分を強調表示する。通常、スタイラス1520を選択した後の操作は、コンピュータ902に接続したマウスまたは他の入力機器(図9参照)を使って行われる。このような入力機器に加えて、近年のワイヤレス技術によって、コンピュータ902から遠隔の場所に別のマウスまたは他の入力機器を置くことも可能である。例えば、プレゼンターは、スタイラス1520をコンピュータ902上の任意のインタフェースポートとのインタフェースによって制御するハンドヘルド入力機器を携帯することもできる。このようにして、プレゼンターは、コンピュータ902のキーボード以外の場所にいてスライドに強調表示およびその他の形のアノテーションを行うことができる。
【0107】
以上、本発明のいくつかの特定実施形態について開示し、説明したが、特許請求の範囲の記載に基づく本発明の基本理念および範囲内において、種々の異なる修正態様が可能であり、想到できることは理解されよう。したがって、これらの実施形態は、本願のアブストラクトあるいは開示発明の正確な記載事実を限定することを意図したものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−22717(P2012−22717A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−235069(P2011−235069)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【分割の表示】特願2006−533479(P2006−533479)の分割
【原出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【出願人】(505437332)ラーニング ツリー インターナショナル, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】