説明

電子ペーパー表示装置及びその製造方法

【課題】本発明は、電子ペーパー表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置100は、ベース基板132と、該ベース基板132上に位置して異なる色相の半球からなる回転ボール120と、ベース基板132上で、回転ボール120を区画させて回転ボール120が位置するキャビティ112と、該キャビティ112に連結され、キャビティ112にオイル116を供給するオイル供給流路114を有する隔壁構造体110とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパー表示装置及びその製造方法に関するもので、より詳細には、製造工程の効率を向上した電子ペーパー表示装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
次世代表示装置のうち、電子ペーパー表示装置は、他の表示装置に比べて大きい可用性(availability)及び可撓性(flexibility)を有すると共に低電力で駆動可能であるという特徴がある。そのため、電子ペーパー表示装置は、書籍のような紙印刷媒体に代替可能で、その他多様な種類のスクリーン、電子壁紙などの分野に適用可能であるという長所がある。
【0003】
代表的な電子ペーパー表示装置として、異なる色相の半球からなる回転ボール(rotating ball)を用いるツイストボールタイプのものがある。該ツイストボールタイプの電子ペーパー表示装置は、複数の回転ボールと、該回転ボール間を区画する隔壁構造体と、該回転ボールを回転させる電極構造体と、該回転ボールに潤滑性を付与するための透明な絶縁性オイルとを含む。
【0004】
一方、前述のような電子ペーパー表示装置の製造工程のうち、各キャビティに該絶縁性オイルを満たす方法には、次のようなものが挙げられる。一例として、隔壁構造体と電極とを離隔させ、該隔壁構造体と該電極との間の空間に注入通路を設けて、該注入通路を通じて前記キャビティに絶縁性オイルを満たす方式がある。他の例として、前記隔壁構造体をオイル吸収可能材質で製造して、該隔壁構造体が前記絶縁性オイルを吸収するようにして、前記キャビティを前記オイルで満たす方式がある。このために、前記隔壁構造体は、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane:PDMS)のようなオイル吸収性材料によって形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0912405号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0033785号明細書
【特許文献3】韓国公開特許第10−2006−0078643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記注入通路を確保するために、前記隔壁構造体と前記電極とを離隔させた場合、電子ペーパー表示装置の大きさが大きくなるほど、前記隔壁構造体と前記電極との間の間隔を全般的に一定に維持するに難しくなる。例えば、前記隔壁構造体と前記電極との間の間隔が前記電子ペーパー表示装置の縁部領域に比べて中央領域が相対的に広がるような現象が発生する。
【0007】
また、前記隔壁を通じてオイルを吸収する方式を用いる場合、前記隔壁が前記オイルを吸収して膨張することによって、前記キャビティの大きさ及び形状などに歪みが発生することになる。特に、前記隔壁が膨張することによって、前記キャビティの大きさが大きくなり、前記回転ボールと前記キャビティとの間隔が増加するような現象が発生する。この場合、前記キャビティ間の間隔も増加して、不均一になり、電子ペーパー表示装置の色対照比が低下する等、表示装置としての特性低下が生じる現象が発生する。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、その目的は、絶縁性オイルを効果的にキャビティに満たすことができる構造の電子ペーパー表示装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、絶縁性オイルを効果的にキャビティに満たすことができる構造の電子ペーパー表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を解決するために、本発明の好適な実施形態による電子ペーパー表示装置は、ベース基板と、該ベース基板上に配設される回転ボールと、該回転ボールを区画する隔壁構造体とを含み、該隔壁構造体は、前記回転ボールの位置するキャビティと、該キャビティに連結されて該キャビティにオイルを供給するオイル供給流路とを有する。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記オイル供給流路は、前記キャビティに比べて前記隔壁構造体内で異なる平面上で前記キャビティに連結されることができる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記キャビティは互いに区画され、前記オイル供給流路は、前記隔壁構造体内で前記キャビティに比べて前記ベース基板に近い平面上に配設され、その上面を通じて前記キャビティに連通されることができる。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記回転ボールは格子配列に配設され、前記オイル供給流路は、前記キャビティのうち同一線上に配設されるキャビティを連結するように、ライン(line)形状を有することができる。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記回転ボールは格子配列に配設され、前記オイル供給流路は、前記キャビティを連結するように格子形状を有することができる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、前記回転ボールはジグザグ配列に配設され、前記オイル供給ラインは、該ジグザグ配列に配設される前記回転ボールの具備空間を画定するキャビティに連結されることができる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、前記隔壁構造体は、前記キャビティを有する上部層と、該上部層に比べて前記ベース基板に近く位置し、前記オイル供給流路を有する下部層とを含むことができる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、前記ベース基板は、前記回転ボールの回転のために前記回転ボールに電圧を印加する電極として用いられることができる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、前記回転ボールに電圧を印加する電極構造体をさらに含み、前記電極構造体は、前記隔壁構造体の下部を覆う下部電極と、前記キャビティの開放された上部が密閉されるように、前記隔壁構造体の上部を覆う上部電極とを含むことができる。
【0019】
本発明の実施形態によれば、前記隔壁構造体と前記上部電極との間に介在し、前記隔壁構造体と前記上部電極とを接合する接合層をさらに含むことができる。
【0020】
本発明による電子ペーパー表示装置は、異なる色相の半球からなる回転ボールと、前記回転ボール各々を取り囲んで、該回転ボールを側方向に区画する隔壁構造体と、該隔壁構造体の下部に結合した下部電極と、前記隔壁構造体の上部に結合した上部電極とを含み、前記隔壁構造体は、前記回転ボールの位置するキャビティと、該キャビティに連結され、該キャビティにオイルを供給するオイル供給流路とを含む。
【0021】
本発明の実施形態によれば、前記オイル供給流路は、前記隔壁構造体内で前記キャビティに比べて前記下部電極に近い平面上に配設され、その上面を通じて前記キャビティに連通されることができる。
【0022】
本発明の実施形態によれば、前記キャビティの各々は、前記上部電極に向かって開放された上部開口及び前記下部電極に向かって開放された下部開口を有し、前記上部開口は、前記回転ボールの挿入のための回転ボール挿入口として用いられ、前記下部開口は、前記オイル供給流路を通じて前記オイルを取り込むオイル取込口として用いられる。
【0023】
本発明の実施形態によれば、前記隔壁構造体と前記上部電極との間に介在し、前記隔壁構造体と前記上部電極とを接合する光透過性透明接合層をさらに含むことができる。
【0024】
また、本発明の他の好適な実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法は、ベース基板を準備するステップと、該ベース基板上にキャビティを有する隔壁構造体を形成するステップと、該キャビティに回転ボールを位置付けるステップと、前記キャビティの上部開口を密閉させるステップとを含み、前記隔壁構造体を形成するステップは、前記キャビティに連結され、該キャビティにオイルを供給するオイル供給流路を形成するステップとを含むことができる。
【0025】
本発明の実施形態によれば、前記オイル供給流路を形成するステップは、前記ベース基板の前記流路形成領域を覆う第2のパターンを形成するステップと、前記ベース基板及び前記第2のパターンを覆う誘電層を形成するステップと、前記誘電層に前記第2のパターンを露出させるホールを形成するステップと、前記第2のパターンを除去するステップとを含むことができる。
【0026】
本発明の実施形態によれば、前記第2のパターンを形成するステップは、前記ベース基板上に前記流路形成領域を露出させる第1のパターンを形成するステップと、前記ベース基板及び前記第1のパターンを覆って前記第1のパターンに比べてエッチング選択性を有する絶縁膜を形成するステップと、前記第1のパターンの上面をエッチングストップ膜として、前記絶縁膜を平坦化するステップとを含むことができる。
【0027】
本発明の実施形態によれば、前記第2のパターンを形成するステップは、前記ベース基板上に前記流路形成領域を露出させる第1のパターンを形成するステップと、前記第1のパターンにより露出された前記ベース基板上にシード層を形成するステップと、前記シード層をシードにするメッキ工程を行って、前記流路形成領域上にメッキ膜を形成するステップとを含むことができる。
【0028】
本発明の実施形態によれば、前記第1のパターンの上面をエッチングストップ膜として、前記メッキ膜を平坦化するステップをさらに含むことができる。
【0029】
本発明の実施形態によれば、前記第2のパターンを除去するステップは、前記ホールを通じて前記第2のパターンに対してエッチング選択性を有するエッチング液を供給するステップを含むことができる。
【0030】
本発明の実施形態によれば、前記第2のパターンは、前記オイル供給流路に相応する形状に形成されることができる。
【0031】
本発明の実施形態によれば、前記ベース基板を準備するステップは、前記回転ボールに電圧を印加するためのプレート形状の電極を準備するステップを含むことができる。
【0032】
本発明の実施形態によれば、前記キャビティの開放された上部を密閉させるステップは、前記隔壁構造体に前記回転ボールに電圧を印加するための電極を接合するステップを含むことができる。
【0033】
本発明の実施形態によれば、前記電極を接合するステップは、前記隔壁構造体に接合される前記電極の接合面に接合層を形成するステップと、該接合層を介在して前記隔壁構造体に前記電極を接合するステップとを含むことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明による電子ペーパー表示装置は、回転ボールの位置するキャビティを有する隔壁構造体を備え、該隔壁構造体は、キャビティの各々にオイルを供給するオイル供給流路を含むことができる。これにより、本発明による電子ペーパー表示装置は、キャビティの各々に精密にオイルを供給するようにして、前記オイルの供給及び注入効率を向上させた構造を有することができる。
【0035】
本発明による電子ペーパー表示装置は、回転ボールの位置するキャビティ及び該キャビティにオイルを供給するオイル供給流路を有する隔壁構造体を備え、該オイル供給流路は、キャビティと異なる平面上に位置することができる。この場合、キャビティは側方向に互いに区画され、該オイル供給流路は、キャビティの下部開口を通じてオイルを供給することができる。これにより、本発明による電子ペーパー表示装置は、キャビティが側方向に互いに開放された構造に比べて、いずれか一つの回転ボールの回転による影響力がこれに隣接した回転ボールに加えられるのを防止して、回転ボールの回転特性を向上させた構造を有することができる。
【0036】
本発明による電子ペーパー表示装置は、回転ボールを支持及び区画する隔壁構造体及び該隔壁構造体に結合して回転ボールに電圧を印加する電極構造体を備え、該隔壁構造体及び該電極構造体は、互いに密着して接合されることができる。これにより、本発明による電子ペーパー表示装置は、隔壁構造体と電極構造体との間のスキ間を通じてオイルを供給するように該隔壁構造体と該電極構造体とが離隔された構造に比べて、隔壁構造体と上部電極とが完全に密着して接合されるので、耐久性及び安定性を向上させた構造を有することができる。
【0037】
本発明による電子ペーパー表示装置の製造方法は、隔壁構造体にキャビティに連結されるオイル供給流路を形成し、該オイル供給流路を通じてキャビティにオイルを供給することができる。これにより、本発明による電子ペーパー表示装置の製造方法は、回転ボールの回転潤滑性のためのオイルを隔壁構造体に設けられたオイル供給流路を通じてキャビティの各々に効果的に注入でき、電子ペーパー表示装置の製造効率を向上させることができる。
【0038】
本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法によれば、下部電極上に回転ボールが位置するキャビティ及び該キャビティに連結されたオイル供給流路を有する隔壁構造体を形成し、該オイル供給流路は、キャビティと異なる平面上でキャビティに連結されることができる。これにより、本発明による電子ペーパー表示装置の製造方法は、前記キャビティが独立して区画され、いずれか一つの回転ボールの回転によりこれに隣接する回転ボールが影響を及ぼすのを防止して、回転ボール各々の独立的な回転特性を向上させた構造を有する電子ペーパー表示装置を製造することができる。
【0039】
本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法によれば、隔壁構造体と電極構造体との上部電極を接合層を介在して互いに密着させて接合することができる。これにより、本発明による電子ペーパー表示装置の製造方法は、隔壁構造体と電極構造体とを密着させて接合することができて、耐久性及び安定性を向上させた電子ペーパー表示装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置を示す斜視図である。
【図2】図1中の電子ペーパー表示装置を示す平面図である。
【図3】図2中のI-I'線に沿う断面図である。
【図4】図2中のII-II'線に沿う断面図である。
【図5】本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法を示す順序図である。
【図6】本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置の製造過程を説明するための図面である。
【図7】同じく、電子ペーパー表示装置の製造過程を説明するための図面である。
【図8】同じく、電子ペーパー表示装置の製造過程を説明するための図面である。
【図9】同じく、電子ペーパー表示装置の製造過程を説明するための図面である。
【図10】同じく、電子ペーパー表示装置の製造過程を説明するための図面である。
【図11】同じく、電子ペーパー表示装置の製造過程を説明するための図面である。
【図12】同じく、電子ペーパー表示装置の製造過程を説明するための図面である。
【図13】本発明の一変形例による電子ペーパー表示装置を示す図面である。
【図14】本発明の他の変形例による電子ペーパー表示装置を示す図面である。
【図15】本発明の他の変形例による電子ベーパー表示装置を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0042】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0043】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置及びその製造方法について詳細に説明する。
【0044】
図1は、本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置を示す斜視図であり、図2は、図1中の電子ペーパー表示装置を示す平面図である。図3は、図2中のI-I'線に沿う断面図であり、図4は、図2中のII-II'線に沿う断面図である。
【0045】
図1〜図4を参照すると、本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置100は、隔壁構造体110、回転ボール120及び電極構造体130を含むことができる。
【0046】
前記隔壁構造体110は、前記回転ボール120を支持及び区画する。前記隔壁構造体110は、キャビティ112を画定する陥没部を有することができる。前記キャビティ112は、前記回転ボール120が前記隔壁構造体110内に設けられるための空間を提供することができる。前記キャビティ112により、前記回転ボール120は前記隔壁構造体110内で互いに区画されることができる。前記キャビティ112には絶縁性オイル116が満たされることができる。前記絶縁性オイル116は前記回転ボール120の回転潤滑性を提供することができる。前記絶縁性オイル116は光透過性透明材質からなることができる。
【0047】
前記隔壁構造体110は、前記回転ボール120各々を区画することができる。例えば、前記隔壁構造体110は、前記回転ボール120の周囲を取り囲む構造を有し、前記キャビティ112は側方向に互いに密閉された構造を有することができる。もし、キャビティが側方向に互いに開放された場合、キャビティに位置した回転ボールのうちのいずれか一つが回転すれば、該回転ボールの回転による力がこれに隣接した他の回転ボールに直接的または間接的に影響を与えることになる。この場合、いずれか一つの回転ボールの回転により他の回転ボールが影響を受けて、該回転ボールの回転特性が低下することにある。これを防止するために、前記隔壁構造体110は前記回転ボール120各々が互いに独立的な空間をなすように構成され、回転する回転ボール120の回転力により発生する前記オイル116の影響力が他の回転ボール120に加えられないようにして、前記回転ボール120各々の独立的な回転特性が正常に維持されることができる。
【0048】
前記回転ボール120各々は、第1及び第2の半球122、124からなる球(Sphere)形状を有することができる。一つの回転ボール120を構成する前記第1及び第2の半球122、124は異なる色相を有することができる。一例として、前記電子ペーパー表示装置100が白黒表示装置の場合、前記第1の半球122は白半球であり、前記第2の半球124は黒半球であってもよい。他の例として、前記電子ペーパー表示装置がカラー表示装置の場合、前記第1の半球122は赤(red)、緑(green)、青(blue)、シアン(cyan)、マゼンタ(magenta)、黄(yellow)、白(white)及び黒(b1ack)のうちのいずれか一つであり、前記第2の半球124は赤、緑、青、シアン、マゼンタ、黄、白及び黒のうち他の一つであってもよい。前記回転ボール120各々の前記第1及び第2の半球122、124の色相は、多様に変更及び組み合わせられてもよく、これに限定するものではない。これと併せて、前記第1及び第2の半球122、124は異なる電荷に帯電(electrification)された第1及び第2の半球122、124からなることができる。または、前記第1及び第2の半球122、124のうちのいずれか一つのみが帯電されるように構成されてもよい。
【0049】
前記電極構造体130は前記回転ボール120を回転させることができる。例えば、前記電極構造体130は、前記隔壁構造体110の下部に配設される下部電極132と、前記隔壁構造体110の上部に配設される上部電極134とを含むことができる。前記下部及び上部電極132、134は選択的に前記回転ボール120に電圧を加えて、前記第1及び第2の半球122、124のうち表現したいとする色を有する半球が外部(図1では上部)に向かうように、前記回転ボール120を回転させることができる。ここで、前記下部電極132は前記電子ペーパー表示装置100の構成を製造するためのベース基板として用いられることができる。例えば、前記隔壁構造体110及び前記上部電極134は前記下部電極132をベース基板として、前記下部電極132上に順に形成されることができる。
【0050】
前記電極構造体130は接合層136をさらに含むことができる。例えば、該接合層136は、前記隔壁構造体110と前記上部電極134との間に介在し、前記隔壁構造体110と前記上部電極134とを互いに接合することができる。前記接合層136は光透過性の高い透明材質からなることが望ましい。一例として、前記接合層136は熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂のうち少なくともいずれか一つからなることができる。前記上部電極134は、別途の前記接合層136を介在して前記隔壁構造体110に接合されるので、前記隔壁構造体110と前記上部電極134とは互いに密着して接合されることができる。これにより、前記隔壁構造体110と前記上部電極134との間には離隔空間がないことがある。
【0051】
上述した実施形態では、前記下部電極132と前記上部電極134とがいずれも平板形状の場合を例として説明しましたが、前記回転ボール120各々を独立して駆動させるために、前記下部電極132と前記上部電極134とは多様な形状を有してもよい。例えば、前記下部電極132及び前記上部電極134の中少なくともいずれか一つは、平板として提供され、他方は、前記回転ボール120各々に対向するように構成されたラインとして提供されることができる。これにより、前記回転ボール120各々は、前記電極構造体130により互いに独立して回転可能である。
【0052】
ここで、前記隔壁構造体110はオイル供給流路114をさらに含むことができる。該オイル供給流路114は、前記キャビティ112に絶縁性透明オイル116を注入するための通路であってもよい。前記オイル供給流路114は前記キャビティ112と連通するライン形状を有することができる。前記電子ペーパー表示装置100の外郭には、前記オイル供給流路114に前記絶縁性オイル116を注入するための注入口115が設けられる。該注入口115は前記電子ペーパー表示装置100の縁部側面に少なくとも一つが設けられる。前記注入口115は所定のシールド部材118により覆われて封止されることができる。
【0053】
また、前記オイル供給流路114は、前記キャビティ112と異なる平面上に提供されることができる。一例として、前記キャビティ112は、前記隔壁構造体110内で前記上部電極134に相対的に近い平面上に配設され、前記オイル供給流路114は前記隔壁構造体110内で前記下部電極132に相対的に近い平面上に配設されることができる。これにより、前記オイル供給流路114は前記キャビティ112の下部に形成され、前記オイル供給流路114の上面が前記キャビティ112に連通される構造を有することができる。
【0054】
一方、前記キャビティ112各々は、上部開口112a及び下部開口112bを有することができる。例えば、該上部開口112aは前記上部電極134に向かって開放された開口であり、該下部開口112bは前記下部電極132に向かって開放された開口であってもよい。前記上部開口112aは前記回転ボール120を前記キャビティ112に挿入するためのボール投入口として用いられ、前記下部開口112bは前記オイル供給流路114から前記オイル116を供給されるオイル取込口として用いられる。
【0055】
前述のように、本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置100は、回転ボール120の位置するキャビティ112を有する隔壁構造体110を備え、前記隔壁構造体110は前記キャビティ112各々にオイル116を供給するオイル供給流路114を含むことができる。これにより、本発明による電子ペーパー表示装置は、キャビティ112各々に精密にオイル116を供給するようにして、前記オイル116の供給及び注入効率を向上させた構造を有することができる。
【0056】
本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置100は、回転ボール120の位置するキャビティ112及び該キャビティ112にオイル116を供給するオイル供給流路114を有する隔壁構造体110を備え、該オイル供給流路114は、前記キャビティ112と異なる平面上に位置することができる。この場合、前記キャビティ112は側方向に互いに区画され、前記オイル供給流路114は前記キャビティ112の下部開口を通じて前記オイル116を供給することができる。これにより、本発明による電子ペーパー表示装置は、キャビティが側方向に互いに開放された構造に比べて、いずれか一つの回転ボールの回転による影響力がこれに隣接した回転ボールに加えられるのを防止して、回転ボールの回転特性を向上させた構造を有することができる。
【0057】
また、本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置100は、回転ボール120を支持及び区画する隔壁構造体110及び該隔壁構造体110に結合して前記回転ボール120に電圧を印加する電極構造体130を備え、前記隔壁構造体110と前記電極構造体130は互いに密着して接合されることができる。特に、前記隔壁構造体110のキャビティ112を密閉させる上部電極134は前記隔壁構造体110に接合層136を介在し、前記上部電極134の接合面全部が前記隔壁構造体110に密着して接合されるように構成されることができる。これにより、本発明による電子ペーパー表示装置は、隔壁構造体と電極構造体との間のスキ間を通じてオイルを供給するように隔壁構造体と電極構造体とが離隔された構造に比べて、隔壁構造体と上部電極とが完全に密着して接合されるので、耐久性及び安定性を向上させた構造を有することができる。
【0058】
続いて、本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法について詳細に説明する。ここで、前述した本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置100に対して重複する内容は、省略または簡略化する。
【0059】
図5は、本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法を示す順序図であり、図6〜図12は、本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置の製造過程を説明するための図面である。
【0060】
図5及び図6を参照すると、ベース基板上に流路形成領域10を画定するトレンチを有する第1のパターン142を形成する(S110)。例えば、ベース基板を準備する。該ベース基板は、電子ペーパー表示装置の各構成要素を形成するための支持板であってもよい。前記ベース基板としては、回転ボールに回転駆動電圧を印加するためのプレート形状の電極が用いられる。一例として、前記ベース基板を準備するステップは、下部電極132を準備するステップを含むことができる。該下部電極132を準備するステップは、導電性を有する金属プレートを準備するステップを含むことができる。前記金属プレートとしては、銅(Cu)からなる導電性プレートが用いられる。
【0061】
前記下部電極132に第1の膜を形成することができる。該第1の膜を形成するステップは、前記下部電極132の全面を均一の厚さに覆う絶縁膜を形成してなされる。前記絶縁膜としては、ドライフィルムレジスト(Dry Film Resist:DFR)のような光反応性絶縁フィルムが用いられる。前記第1の膜がドライフィルムレジストの場合、前記第1の膜を形成するステップは、前記下部電極132の全面にドライフィルムレジストをラミネーション(lamination)してなされる。
【0062】
そして、前記下部電極132の前記流路形成領域10が露出するように、前記第1の膜の一部を選択的に除去することができる。例えば、前記第1の膜を除去するステップは、フォトリソグラフィ工程を用いて、前記流路形成領域10上の前記第1の膜を選択的にパターニングしてなされる。前述のような工程を通じて、前記下部電極132上には前記流路形成領域10を露出させるトレンチ(trench)を有する第1のパターン142が形成されることができる。
【0063】
一方、本実施形態では、下部電極132をベース基板として用いて、該下部電極132上に電子ペーパー表示装置の各構成要素を順に形成する場合を例として説明したが、別途のベース基板(図示せず)を準備し、該ベース基板上に前記電子ペーパー表示装置の各構成要素を順に形成してもよい。この場合、下部電極132は前記ベース基板上に設けられる。
【0064】
図5及び図7を参照すると、下部電極132の流路形成領域10上に第1のパターン142に比べてエッチング選択性を有する第2のパターン144を形成する(S120)。例えば、該第2のパターン144を形成するステップは、前記下部電極132に対し第2の膜を形成するステップと、前記第1のパターン142の上面が露出するように、前記第2の膜を平坦化するステップとを含むことができる。
【0065】
前記第2の膜は、多様な方式で形成されることができる。一例として、前記第2のパターン144を形成するステップは、前記下部電極132及び前記第1のパターン142を覆う第2の絶縁膜を形成した後、前記第1のパターン142の上面をエッチングストップ膜として前記第2の膜を平坦化してなされる。この時、前記第2の絶縁膜としては、前記第1のパターン142に比べてエッチング選択性を有する膜が用いられる。他の例として、前記第2のパターン144を形成するステップは、前記下部電極132の流路形成領域10に選択的にメッキ膜を形成した後、前記第1のパターン142の上面をエッチングストップ膜として該メッキ膜を平坦化してなされる。前記第2のパターン144をメッキ工程で形成する場合、前記メッキ膜形成工程を行う前に、前記下部電極132の前記流路形成領域10上にシード層(Seed Layer)を形成するステップが付加されることができる。または、前記メッキ膜形成工程は、前記下部電極132を前記メッキ膜形成のためのシード層として用いられる。
【0066】
前述のような工程を通じて、前記下部電極132上には、前記第1のパターン142及び該第1のパターン142に比べてエッチング選択性を有する第2のパターン144が形成されることができる。
【0067】
図5及び図8を参照すると、下部電極132から第1のパターン(図7の142)を選択的に除去する(S130)。該第1のパターン142を除去するステップは、前記下部電極132に対し前記第2のパターン144に比べて第1のパターン142に対するエッチング速度が速いエッチング工程を行ってなされる。一例として、前記第1のパターン142がドライフィルムレジスト(DFR)の場合、該第1のパターン142を除去するステップは、前記第1のパターン142に対し露光工程を行った後、該第1のパターン142を現像してなされる。これにより、前記下部電極132上には流路形成領域10を選択的に覆う第2のパターン144が形成されることができる。
【0068】
図5及び図9を参照すると、下部電極132上にキャビティ112及びオイル供給流路114を有する隔壁構造体110を形成する(S140)。
【0069】
まず、第2のパターン144の形成される前記下部電極132上に誘電膜を形成する。該誘電膜を形成するステップは、前記下部電極132に絶縁フィルムをラミネーションしてなされる。この時、該絶縁ブイルムは、加圧及び加熱処理されながら前記下部電極132上に形成されるので、前記下部電極132上には前記第2のパターン144を覆って、均一の上面を有する誘電膜が形成されることができる。ここで、前記第2のパターン144がメッキ膜である場合、該メッキ膜は相対的に高い強度を有するので、前記下部電極132に前記絶縁フィルムの加圧及び加熱処理する過程で変形されたり損傷されたりすることが防止されることができる。
【0070】
続いて、前記第2のパターン144を露出させる前記キャビティ112を形成する。例えば、前記誘電膜に対して前記第2のパターン144を選択的に露出させるホールを形成するステップを含むことができる。該ホールを形成するステップは、レーザ加工工程、ドリリング加工工程、インプリント工程と、フォトリソグラフィ工程のうち少なくともいずれか一つを行ってなされる。
【0071】
そして、前記第2のパターン144を除去する。該第2のパターン144を除去するステップは、該第2のパターン144に対しエッチング選択性を有するエッチング工程を行ってなされる。例えば、前記キャビティ112に前記第2のパターン144に対しエッチング選択性を有するエッチング液を供給して、該エッチング液により前記第2のパターン144が除去されるようにすることができる。これにより、前記第2のパターン144が選択的に除去され、前記下部電極132上には前記キャビティ112及び該キャビティ112と異なる平面上で前記キャビティ112に連結されたオイル供給流路114を有する隔壁構造体110が形成されることができる。
【0072】
図5及び図10を参照すると、キャビティ112内に回転ボール120を挿入して、隔壁構造体110上に上部電極134を接合することができる(S160)。
【0073】
まず、前記回転ボール120を準備する。前記回転ボール120各々は、異なる色相を有する第1及び第2の半球122、124で構成され、第1及び第2の半球122、124は異なる電荷に帯電(electrification)されることができる。または、前記第1及び第2の半球122、124のうちのいずれか一つのみが帯電されることができる。前述のような回転ボール120を前記キャビティ112の上部開口112aを通じて、位置させようとする前記キャビティ112に選択的に挿入させることができる。
【0074】
続いて、前記上部電極134のための光透過性透明電極を準備する。該透明電極は、プレートまたはライン形状を有することができる。この時、前記隔壁構造体110に対向する前記透明電極の接合面には接合層136が形成されることができる。該接合層136は前記上部電極134を前記隔壁構造体110に接合するためのもので、光透過性透明材質からなることが望ましい。該接合層136は樹脂系列の物質からなってもよい。
【0075】
前記接合層136を介在し、前記隔壁構造体110上に前記上部電極134を配設することができる。そして、前記接合層136に熱処理を行って、前記隔壁構造体110に前記上部電極134を接合することができる。前記隔壁構造体110と前記上部電極134とを接合する過程で、前記上部電極134を前記隔壁構造体110に加圧するステップが付加されることができる。
【0076】
図5及び図11を参照すると、オイル供給流路114を通じてキャビティ112にオイル116を供給する(S170)。例えば、電子ペーパー表示装置の縁部側面に提供されたオイル供給流路114の注入口115を通じて、前記オイル供給流路114に前記オイル116を注入させることができる。前記オイル116は前記オイル供給流路114に沿って流込して該キャビティ112の下部開口112bを通じて前記キャビティ112に供給されることができる。前記オイル116を供給する過程で、前記オイル116の効果的な供給のために前記オイル供給流路114に一定の大きさの供給圧力が加えられることができる。
【0077】
図5及び図12を参照すると、オイル供給流路114を封止(Sealing)する(S180)。例えば、該オイル供給流路114の注入口(図11の115)を覆うシールド部材118を形成することができる。前記シールド部材118を形成するステップは、前記注入口115と隣接する領域に選択的にシールド物質を塗布してなされる。この時、前記シールド膜118は電子ペーパー表示装置の縁部側面を取り囲むように形成されることができる。または、前記シールド膜118は前記注入口115のみを選択的に覆うように形成されることができる。
【0078】
前述のように、本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置100の製造方法は、隔壁構造体110にキャビティ112に連結されるオイル供給流路114を構成し、該オイル供給流路114を通じて前記キャビティ112にオイル116を供給することができる。これにより、本発明による電子ペーパー表示装置の製造方法は、回転ボールの回転潤滑性のためのオイルを隔壁構造体に設けられたオイル供給流路を通じてキャビティの各々に効果的に注入でき、電子ペーパー表示装置の製造効率を向上させることができる。
【0079】
本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置100の製造方法は、下部電極132上に回転ボール120の位置するキャビティ112及び該キャビティ112に連結されたオイル供給流路114を有する隔壁構造体110を形成し、前記オイル供給流路114は前記キャビティ112と異なる平面上で、前記キャビティ112に連結されることができる。この場合、前記キャビティ112各々は、側方向に互いに区画された構造を有するように形成されることができる。これにより、本発明による電子ペーパー表示装置の製造方法は、前記キャビティ112が独立して区画されていずれか一つの回転ボール120の回転によりこれに隣接する回転ボール120が影響を及ぼすのを防止して、回転ボール120の回転特性を向上させた構造を有する電子ペーパー表示装置を製造することができる。
【0080】
また、本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置100の製造方法は、隔壁構造体110と電極構造体130の上部電極134とが接合層136により互いに密着して接合された構造の電子ペーパー表示装置を製造することができる。これにより、本発明による電子ペーパー表示装置の製造方法は、隔壁構造体110と前記電極構造体130とを完全に密着させて接合することができて、耐久性及び安定性を向上させた電子ペーパー表示装置を製造することができる。
【0081】
以下、本発明の多様な変形例による電子ペーパー表示装置について詳細に説明する。ここで、前述した本発明の実施形態による電子ペーパー表示装置100に対して重複する内容は省略または簡略化されることができる。
【0082】
図13は、本発明の一変形例による電子ペーパー表示装置を示す図面である。図13を参照すると、本発明の一変形例による電子ペーパー表示装置101は隔壁構造体110a、回転ボール120及び電極構造体130を含み、前記隔壁構造体110aは格子形状のオイル供給流路114aを有することができる。
【0083】
例えば、前記回転ボール120は、前記電極構造体130の下部電極132上で格子配列に配設されることができる。この場合、前記キャビティ112にオイル116を供給する前記オイル供給流路114aまた前記キャビティ112に対応して、格子形状に提供されることができる。前述のような格子形状のオイル供給流路114aは前記電子ペーパー表示装置101に設けられるキャビティ112に全部または大部分に連結されるように構成されることができる。
【0084】
前述のような構造の電子ペーパー表示装置101は前記オイル供給流路114aにオイル116を注入させる注入口115の数を減らすことができる。この場合、一つまたはいくつかの注入口115aを通じて、全ての前記キャビティ112に前記オイル116を供給できて、前記注入口115aをシールドするためのシールド部材118aまた一つまたはいくつかの注入口115aのみを選択的に覆うように形成されることができる。
【0085】
図14は、本発明の他の変形例による電子ペーパー表示装置を示す図面である。図14を参照すると、本発明の他の変形例による電子ペーパー表示装置102は隔壁構造体110b、前記隔壁構造体110b内でジグザグ配列に配設される回転ボール120と、該回転ボール120に電圧を印加する電極構造体130とを含むことができる。前記回転ボール120がジグザグの配列に配設されるので、前記隔壁構造体110bは前記回転ボール120の具備空間を提供するキャビティ112またジグザグの配列に構成され、前記オイル供給流路114bは前記キャビティ112に連結されるように、構成されることができる。このために、前記オイル供給流路114bは格子形状またはジグザグ形状を有するように構成されることができる。
【0086】
図15は、本発明の他の変形例による電子ペーパー表示装置を示す図面である。図15を参照すると、本発明の他の変形例による電子ペーパー表示装置103は、回転ボール120を区画する隔壁構造体110cと、該隔壁構造体110に設けられ、該回転ボール120に電圧を印加する電極構造体130とを含み、該隔壁構造体110cは多層構造を有することができる。
【0087】
例えば、本発明による隔壁構造体110cは、異なる高さに形成されるキャビティ112及びオイル供給流路114を含むので、オイル供給流路114のない隔壁構造体に比べて、相対的に厚肉を有することができる。このように厚肉の隔壁構造体110cを単層構造に形成するためには技術上の難しさを伴う。これにより、本発明の他の変形例による電子ペーパー表示装置103は多層構造に形成することができる。より具体的には、前記隔壁構造体110cは上部層111a及び下部層111bで構成されることができる。ここで、該下部層111bには、オイル供給流路114及び前記キャビティ112の一部を有するように構成され、該上部層111aは前記キャビティ112の残りの一部を有するように構成されることができる。または、他の例として、前記下部層111bを前記キャビティ112の形成される層と前記オイル供給流路114の形成される層とを別途に分けて構成してもよい。
【0088】
前述のような構造の電子ペーパー表示装置103は、下部電極132上に下部層111bを形成し、上部電極134上に上部層111aを形成した後、前記回転ボール120を介在し、前記下部層111bと前記上部層111aとを接合させて、前記キャビティ112をなす隔壁構造体110cを製造することができる。そして、前記オイル供給流路114を通じて、前記キャビティ112に前記オイル116を注入することによって、前記電子ペーパー表示装置103を製造することができる。
【0089】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0090】
100 電子ペーパー表示装置
110 隔壁構造体
112 キャビティ
112a 上部開口
112b 下部開口
114 オイル供給流路
116 オイル
118 シールド部材
120 回転ボール
122 第1の半球
124 第2の半球
130 電極構造体
132 下部電極
134 上部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、
前記ベース基板上に配設される回転ボールと、
前記回転ボールを区画する隔壁構造体とを含み、
前記隔壁構造体は、
前記回転ボールの位置するキャビティと、
前記キャビティに連結され、前記キャビティにオイルを供給するオイル供給流路と、
を有する電子ペーパー表示装置。
【請求項2】
前記オイル供給流路は、前記キャビティに比べて前記隔壁構造体内で異なる平面上で前記キャビティに連結される請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項3】
前記キャビティは互いに区画され、前記オイル供給流路は、前記隔壁構造体内で前記キャビティに比べて前記ベース基板に近い平面上に配設され、その上面を通じて前記キャビティに連通される請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項4】
前記回転ボールは格子配列に配設され、前記オイル供給流路は、前記キャビティのうち同一線上に配設されるキャビティを連結するように、ライン形状を有する請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項5】
前記回転ボールは格子配列に配設され、前記オイル供給流路は、前記キャビティを連結するように、格子形状を有する請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項6】
前記回転ボールはジグザグ配列に配設され、前記オイル供給ラインは、ジグザグ配列に配設される前記回転ボールの具備空間を画定するキャビティに連結される請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項7】
前記隔壁構造体は、
前記キャビティを有する上部層と、
該上部層に比べて前記ベース基板に近く位置し、前記オイル供給流路を有する下部層と、
を備える請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項8】
前記ベース基板は、前記回転ボールの回転のために前記回転ボールに電圧を印加する電極として用いられる請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項9】
前記回転ボールに電圧を印加する電極構造体をさらに含み、
前記電極構造体は、
前記隔壁構造体の下部を覆う下部電極と、
前記キャビティの開放された上部が密閉されるように、前記隔壁構造体の上部を覆う上部電極と、
を備える請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項10】
前記隔壁構造体と前記上部電極との間に介在し、前記隔壁構造体と前記上部電極とを接合する接合層をさらに含む請求項9に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項11】
異なる色相の半球からなる回転ボールと、
前記回転ボールの各々を取り囲み、前記回転ボールを側方向に区画する隔壁構造体と、
前記隔壁構造体の下部に結合した下部電極と、
前記隔壁構造体の上部に結合した上部電極とを含み、
前記隔壁構造体は、
前記回転ボールの位置するキャビティと、
前記キャビティに連結され、前記キャビティにオイルを供給するオイル供給流路と、
を備える電子ペーパー表示装置。
【請求項12】
前記オイル供給流路は、前記隔壁構造体内で前記キャビティに比べて前記下部電極に近い平面上に配設され、その上面を通じて前記キャビティに連通される請求項11に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項13】
前記キャビティの各々は、
前記上部電極に向かって開放された上部開口と、
前記下部電極に向かって開放された下部開口とを有し、
前記上部開口は、前記回転ボールの挿入のための回転ボール挿入口として用いられ、
前記下部開口は、前記オイル供給流路を通じて前記オイルを供給されるオイル取込口として用いられる請求項11に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項14】
前記隔壁構造体と前記上部電極との間に介在し、前記隔壁構造体と前記上部電極とを接合する光透過性透明接合層をさらに含む請求項11に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項15】
ベース基板を準備するステップと、
前記ベース基板上にキャビティを有する隔壁構造体を形成するステップと、
前記キャビティに回転ボールを位置付けるステップと、
前記キャビティの上部開口を密閉させるステップとを含み、
前記隔壁構造体を形成するステップは、
前記キャビティに連結され、該キャビティにオイルを供給するオイル供給流路を形成するステップを備える電子ペーパー表示装置。
【請求項16】
前記オイル供給流路を形成するステップは、
前記ベース基板の前記流路形成領域を覆う第2のパターンを形成するステップと、
前記ベース基板及び前記第2のパターンを覆う誘電層を形成するステップと、
前記誘電層に前記第2のパターンを露出させるホールを形成するステップと、
前記第2のパターンを除去するステップと、
を備える請求項15に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2のパターンを形成するステップは、
前記ベース基板上に前記流路形成領域を露出させる第1のパターンを形成するステップと、
前記ベース基板及び前記第1のパターンを覆って、前記第1のパターンに比べてエッチング選択性を有する絶縁膜を形成するステップと、
前記第1のパターンの上面をエッチングストップ膜として、前記絶縁膜を平坦化するステップと、
を備える請求項16に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記第2のパターンを形成するステップは、
前記ベース基板上に前記流路形成領域を露出させる第1のパターンを形成するステップと、
前記第1のパターンにより露出された前記ベース基板上にシード層を形成するステップと、
前記シード層をシードとしてメッキ工程を行って、前記流路形成領域上にメッキ膜を形成するステップと、
を備える請求項16に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1のパターンの上面をエッチングストップ膜として、前記メッキ膜を平坦化するステップをさらに含む請求項18に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記第2のパターンを除去するステップは、前記ホールを通じて前記第2のパターンに対してエッチング選択性を有するエッチング液を供給するステップを備える請求項15に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項21】
前記第2のパターンは、前記オイル供給流路に相応する形状に形成される請求項15に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項22】
前記ベース基板を準備するステップは、
前記回転ボールに電圧を印加するためのプレート形状の電極を準備するステップを備える請求項15に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項23】
前記キャビティの開放された上部を密閉させるステップは、
前記隔壁構造体に前記回転ボールに電圧を印加するための電極を接合するステップを備える請求項15に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記電極を接合するステップは、
前記隔壁構造体に接合される前記電極の接合面に接合層を形成するステップと、
前記接合層を介在して前記隔壁構造体に前記電極を接合するステップと、
を備える請求項23に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−83693(P2012−83693A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26934(P2011−26934)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】