説明

電子メールの送受信方法、携帯電話用電子メールプログラム、携帯電話および携帯電話用電子メールシステム

【課題】 電子メールの送受信時に表示するキャラクタの拡張性やカスタマイズ性を向上することができる電子メールの送受信方法、携帯電話用電子メールプログラム、携帯電話および携帯電話用電子メールシステムを提供する。
【解決手段】 自己のキャラクタを画面上に表示するとともにそのキャラクタのデータが保存されているコンテンツサーバ4のURLデータを管理し、電子メールの送信を指定する送信命令を受け付けると、その電子メールにURLデータを添付して送信し、受信した電子メールの開封を指定する開封命令を受け付けると、その電子メールに添付されているURLデータに基づいてコンテンツサーバ4にアクセスし、送信元である相手のキャラクタデータを取得して電子メール本文と共に相手のキャラクタを画面上に表示する電子メールの送受信方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールを送受信するための技術に関し、特に、エンターテインメント性の高い新規な電子メールの送受信方法、携帯電話用電子メールプログラム、携帯電話および携帯電話用電子メールシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子メールを送受信可能な通信端末において、表示画面に所定のキャラクタをアニメーション表示させ、そのキャラクタがあたかも送信先の通信端末と行き来して、電子メールをやり取りするかのようなアニメーション表示を行う技術が知られている。
【0003】
例えば、特開平11−65964号公報に記載の発明では、エージェントを画面上に表示するとともに上記エージェントの挙動をエージェントパラメータにより管理し、電子メールの送信を指定する送信命令を受け付けると、メールヘッダを付加したメール本文に上記エージェントの挙動を決めるエージェントパラメータを添付して送信する。そして、電子メールの受信を指定する受信命令を受け付けると電子メールを受信し、受信したメール本文に添付されているエージェントパラメータに応じてエージェントの挙動を制御して画面上に上記エージェントを表示するようになっている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−65964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された発明を含め、従来のキャラクタを用いた電子メール送受信技術においては、電子メールプログラム内に予め登録されている少数のキャラクタの中からしか選択できない(特許文献1の図3参照)。このため、気に入ったキャラクタがいないユーザは、全く興味を持つことがなく、当該電子メールプログラムを利用しないという問題がある。
【0006】
また、従来の電子メールプログラムでは、キャラクタを含めて背景やアイテム等をデザイン変更するカスタマイズ機能や、後から新たに追加する等の拡張機能がなく、あるいは拡張機能があったとしてもその内容が極めて制限されている。このため、どのユーザが利用しても似たり寄ったりの画面デザインとなるため、単調で飽き易く、固定ユーザを継続的に維持したり、リピーターを獲得することが難しいという問題がある。
【0007】
仮に、新たなキャラクタを追加できたとしても、そのような追加キャラクタは必ずしも他人のプログラムに登録されていない。そこで、電子メールの受信者側で当該キャラクタを表示させる方法として、送信者がそのキャラクタのデータを電子メールに添付して送信することが考えられる。しかしながら、携帯電話では、一般的に、送信時および受信時のいずれにおいても、データ量に応じた通信料が加算される。このため、アニメーションデータ等のように、データ量の大きいデータを携帯電話同士で送受信すると、通信料が高額になるばかりでなく、通信ネットワークに大きな負荷をかけてしまうという問題もある。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、電子メールの送受信時に表示するキャラクタの拡張性やカスタマイズ性を向上することができる電子メールの送受信方法、携帯電話用電子メールプログラム、携帯電話および携帯電話用電子メールシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電子メールの送受信方法は、自己のキャラクタを画面上に表示するとともにそのキャラクタのデータが保存されているコンテンツサーバのURLデータを管理し、電子メールの送信を指定する送信命令を受け付けると、その電子メールに前記URLデータを添付して送信し、受信した電子メールの開封を指定する開封命令を受け付けると、その電子メールに添付されているURLデータに基づいて前記コンテンツサーバにアクセスし、送信元である相手のキャラクタデータを取得して前記電子メール本文と共に相手のキャラクタを画面上に表示するものである。
【0010】
また、本発明において、前記URLデータには、キャラクタの動作を識別するモーションIDが含まれており、前記URLデータから前記モーションIDを抽出するとともに、このモーションIDに対応する相手キャラクタデータを前記コンテンツサーバから取得して送信元で指定された動作を行う相手キャラクタを画面上に表示してもよい。
【0011】
さらに、本発明において、各種の動作に応じた自己のキャラクタデータにそれら各動作ごとの前記モーションIDを対応付けて記憶しているとともに、これら各モーションIDを各種の相手キャラクタの各モーションIDに対応付けて記憶しており、前記電子メールの受信に伴って前記コンテンツサーバにアクセスして送信元で指定されたモーションIDに対応する相手キャラクタデータを取得した場合、前記相手キャラクタのモーションIDに対応する自己キャラクタのモーションIDを取得し、送信元である相手キャラクタの動作に応じて自己キャラクタの動作を決定するとともに、それぞれのモーションIDに応じた動作で両者のキャラクタを画面上に表示してもよい。
【0012】
また、本発明は、自己のキャラクタを画面上に表示するためのキャラクタデータを記憶する自己キャラクタデータ記憶部と、前記自己キャラクタデータが保存されているコンテンツサーバのURLデータを記憶しているURLデータ記憶部と、電子メールの送信を指定する送信命令を受け付けると、その電子メールに前記URLデータ記憶部から取得した前記URLデータを添付して送信するURLデータ添付送信部と、受信した電子メールの開封を指定する開封命令を受け付けると、その電子メールに添付されているURLデータを抽出するURLデータ抽出部と、前記URLデータ抽出部が抽出した前記URLデータに基づいて前記コンテンツサーバにアクセスし、送信元である相手のキャラクタデータを取得する相手キャラクタデータ取得部と、前記取得した相手キャラクタデータを記憶する相手キャラクタデータ記憶部と、前記受信した電子メールの本文と共に相手のキャラクタおよび自己のキャラクタを画面上に表示するキャラクタ表示部として携帯電話を機能させるものである。
【0013】
また、本発明において、前記URLデータには、キャラクタの動作を識別するモーションIDが含まれており、前記URLデータ抽出部は、前記URLデータから前記モーションIDを抽出し、前記相手キャラクタデータ取得部は、前記モーションIDに対応するキャラクタデータを前記コンテンツサーバから取得し、前記キャラクタ表示部は、その取得したキャラクタデータに基づいて、送信元で指定された動作を行うキャラクタを画面上に表示してもよい。
【0014】
さらに、本発明において、前記自己キャラクタデータ記憶部は、各種の動作に応じた自己のキャラクタデータにそれら各動作ごとの前記モーションIDを対応付けて記憶しており、前記自己キャラクタの各モーションIDを各種の相手キャラクタのモーションIDに対応付けて記憶しているモーション対応記憶部として機能させ、前記キャラクタ表示部は、前記相手キャラクタデータ取得部が、電子メールの受信に伴って送信元で指定されたモーションIDに対応する相手キャラクタデータを取得した場合、その相手キャラクタのモーションIDに対応する自己キャラクタのモーションIDを前記モーション対応記憶部から読み出し、相手キャラクタの動作に応じた自己キャラクタの動作を決定し、それぞれのモーションIDに応じた動作で両者のキャラクタを画面上に表示してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子メールの送受信時にアニメーション表示するキャラクタの拡張性やカスタマイズ性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る携帯電話用電子メールシステムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態において、コンテンツサーバに記憶されているキャラクタデータの一例を示す図である。
【図3】本実施形態において、コンテンツサーバに記憶されているオブジェクトデータの一例を示す図である。
【図4】本実施形態において、代表サーバに記憶されているサーバリストの一例を示す図である。
【図5】本発明に係る携帯電話用電子メールプログラムをインストールした携帯電話の一実施形態を示すブロック図である。
【図6】本実施形態において、キャラクタデータ記憶部に記憶されているキャラクタデータの一例を示す図である。
【図7】本実施形態において、オブジェクトデータ記憶部に記憶されているオブジェクトデータの一例を示す図である。
【図8】本実施形態において、モーション対応記憶部に記憶されている対応関係の一例を示す図である。
【図9】本実施形態において、コンテンツサーバからデータを購入する際のフローチャート図である。
【図10】本実施形態において、携帯電話用電子メールプログラムのメニュー画面の一例を示す図である。
【図11】本実施形態において、サーバリストの一例を示す図である。
【図12】本実施形態において、キャラクタリストの一例を示す図である。
【図13】本実施形態において、電子メールを送信する際のフローチャート図である。
【図14】本実施形態において、電子メールの送信者の携帯電話で自己キャラクタが表示されている画面の一例を示す図である。
【図15】本実施形態において、携帯電話用電子メールプログラムのメニュー画面の一例を示す図である。
【図16】本実施形態において、電子メール作成画面の一例を示す図である。
【図17】本実施形態において、電子メールの受信者の携帯電話で自己キャラクタが表示されている画面の一例を示す図である。
【図18】本実施形態において、電子メールの受信者の携帯電話で自己キャラクタおよび相手キャラクタが表示されている画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る電子メールの送受信方法、携帯電話用電子メールプログラム、携帯電話および携帯電話用電子メールシステムの一実施形態について図面を用いて説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の携帯電話用電子メールシステム1は、電子メールを送受信可能な携帯電話2と、この携帯電話2によって送受信される電子メールを中継するキャリアメールサーバ3と、携帯電話2に各種のコンテンツを提供するコンテンツサーバ4と、コンテンツサーバ4に関する情報を提供する代表サーバ5とから構成されている。そして、携帯電話2からコンテンツサーバ4にアクセスして各種のキャラクタをダウンロードし、電子メールを送受信する際に、当該キャラクタを画面上に表示するようになっている。
【0019】
なお、本発明において、キャラクタとは、電子メールを送受信する際に、あたかも送信相手の携帯電話2と自分の携帯電話2とを行き来して、電子メールを運んだり、持ってきてくれるように表示されるものである。具体的には、人気アニメの主人公や、動物をキャラクタ化したもの、想像上の動物・人物が好適であるが、特に生物に限られるものではなく、擬人化やデフォルメによってキャラクタ化された全てのものを含む概念である。
【0020】
また、以下の本実施形態の説明では、「自己の携帯電話2」において、電子メールの送受信時にその画面上に表示されるキャラクタを特に「自己キャラクタ」と表記する場合がある。一方、電子メールの送信元である「相手の携帯電話2」において、電子メールの送受信時にその画面上に表示されるキャラクタを特に「相手キャラクタ」と表記する場合がある。
【0021】
以上の構成において、キャリアメールサーバ3は、携帯電話会社等の通信キャリアが運営するメールサーバであり、携帯電話2から送信された電子メールを中継し、その送信先となる携帯電話2へ送信するものである。
【0022】
コンテンツサーバ4は、キャラクタの管理会社等が運営するウェブサーバであり、携帯電話2からの要求に応じて、電子メールの送受信用のキャラクタや電子メール送受信用のアイテム等のコンテンツを提供するものである。本実施形態において、コンテンツサーバ4は、キャラクタを表示するためのキャラクタデータと、アイテムや背景等のオブジェクトを表示するためのオブジェクトデータとを保存している。
【0023】
キャラクタデータは、図2に示すように、キャラクタを識別するキャラクタIDとキャラクタ名、およびキャラクタの動作を識別するモーションIDとモーション名に対応付けて、キャラクタを所定の動作で表示可能な実データが記憶されている。本実施形態では、異なるキャラクタごとに、「喜び」「楽しい」「悲しい」「怒り」「照れる」「ハテナ」「あきれる」「驚く」「ノーマル」等の様々な動作を表示するキャラクタデータが用意されている。
【0024】
また、オブジェクトデータは、図3に示すように、オブジェクトを識別するオブジェクトIDとオブジェクト名、およびオブジェクトの種類を識別するオブジェクトタイプIDとオブジェクトタイプ名に対応付けて、所定の機能を実行可能な実データが用意されている。本実施形態では、各オブジェクトを「アイテム」、「部屋」、「背景」等のオブジェクトタイプに分類することで、後述する表示設定時の操作性を向上させている。
【0025】
なお、「背景」オブジェクトとしては、空、海、山、地平線等の背景に相応しい対象を含むものである。また、「部屋」オブジェクトとしては、通常の部屋だけではなく、寝室や食堂等が用意されている他、壁、カーペット、窓等を含むものである。なお、窓の外に上記の「背景」を表示することができる。また、「アイテム」オブジェクトは、部屋の中に配置されるテレビや時計、パソコン、オーディオ機器等の備品的な対象であり、適宜選択されて所定の機能を実行させるランチャー的な役割も果たしうるようになっている。
【0026】
なお、本実施形態において、キャラクタデータやオブジェクトデータの実データは、Adobe社のFlash(登録商標)等のように、ベクタイメージを組み合わせてなるアニメーションデータから構成されている。そして、スクリプトで制御することによって、様々な機能を実行しうるようになっている。例えば、アイテムが「テレビ」であれば、そのテレビ画面内にコマーシャルやワンセグ(1セグメント放送)等を表示可能に構成しうる。また、「部屋」や「背景」等のオブジェクトタイプであれば、季節や日時等に連動させてデザインを変化させたり、ランダムに天気や日差しが変化するように構成することも可能である。
【0027】
また、本実施形態では、図2および図3に示すように、異なるキャラクタや異なるオブジェクトごとに、リスト用画像が登録されている。これにより、後述するように、キャラクタリストやオブジェクトリストをユーザに提供する際、キャラクタ名やオブジェクト名とともにリスト用画像が表示されるようになっている。なお、リスト用画像の実データとしては、jpg画像やgif画像等を採用しうる。
【0028】
さらに、本実施形態では、コンテンツサーバ4が、キャラクタデータやオブジェクトデータを有償で提供することを想定している。このため、キャラクタデータやオブジェクトデータには、各データを購入する際に必要となる金額やポイント値等が、別途、登録されている。
【0029】
つぎに、代表サーバ5は、本システム1で利用可能なコンテンツサーバ4のサーバリストを一括して管理し、その情報をユーザに伝達する役割を果たすWEBサーバである。本実施形態において、代表サーバ5は、図4に示すように、コンテンツサーバ4を識別するためのサーバIDに対応付けて、サーバ名と、各コンテンツサーバ4にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)をサーバリストとして記憶している。
【0030】
なお、本実施形態では、様々なキャラクタを取り扱うことを想定して複数のコンテンツサーバ4を配置しているが、この構成に限られるものではない。例えば、全てのキャラクタを1つのコンテンツサーバ4で管理するようにしてもよい。この場合、代表サーバ5を別途設ける必要はなくなる。また、本実施形態では、新たなコンテンツサーバ4の参入に対応するため、代表サーバ5を設けているが、この構成に限られるものではない。例えば、サーバリストを予め携帯電話2にプリインストールし、新規参入のコンテンツサーバ4については、QRコード等からURLを取得し、直接にアクセスするようにしてもよい。
【0031】
つぎに、本実施形態の携帯電話用電子メールプログラム2aがインストールされた携帯電話2の各構成について説明する。
【0032】
図5に示すように、本実施形態の携帯電話2は、主として、キャラクタやオブジェクトを表示する表示手段21と、携帯電話2を操作するための操作手段22と、インターネット網や電話網による通信を可能とする通信手段23と、本実施形態の携帯電話用電子メールプログラム2aや各種のデータ等を記憶する記憶手段24と、これら各構成手段を制御するとともに各種のデータを取得して演算処理する演算処理手段25とから構成されている。以下、各構成手段についてより詳細に説明する。
【0033】
表示手段21は、液晶ディスプレイ等から構成されており、キャラクタやオブジェクト等を表示するものである。操作手段22は、テンキーや上下左右キー等から構成されており、文字情報を入力したりメニューを選択するものである。なお、本実施形態では、表示手段21と操作手段22とを別体として有しているが、この構成に限定されるものではなく、タッチパネル等のように、表示手段21および操作手段22の双方の機能を兼ね備えたものを採用してもよい。
【0034】
通信手段23は、いわゆる通信インターフェース等から構成されており、キャリアメールサーバ3との間でメールを送受信したり、インターネット網を介してデータを送受信する他、一般的な通話機能を実現するものである。
【0035】
記憶手段24は、ROM(Read Only memory)やRAM(Random Access Memory)およびフラッシュメモリ等から構成されており、各種のデータを記憶するとともに、演算処理手段25が演算を行う際のワーキングエリアとして機能するものである。本実施形態において、記憶手段24は、図5に示すように、主として、プログラム記憶部241と、自己キャラクタデータ記憶部242と、URLデータ記憶部243と、オブジェクトデータ記憶部244と、メールデータ記憶部245と、相手キャラクタデータ記憶部246と、モーション対応記憶部247とを有している。
【0036】
プログラム記憶部241には、本実施形態の携帯電話用電子メールプログラム2aがインストールされている。そして、演算処理手段25が、携帯電話用電子メールプログラム2aを実行することにより、後述する各構成部として携帯電話2を機能させるようになっている。なお、携帯電話用電子メールプログラム2aの利用形態としては、プリインストールされていてもよく、所定のウェブサイト等からダウンロードしてインストールするようにしてもよい。
【0037】
自己キャラクタデータ記憶部242は、自己の携帯電話2において、自己のキャラクタを表示するためのキャラクタデータを記憶するものである。本実施形態において、自己キャラクタデータ記憶部242は、図6に示すように、本プログラム2a内において各キャラクタデータを識別するためのアプリ内IDに対応付けて、上述したキャラクタデータを記憶している。また、本実施形態において、自己キャラクタデータ記憶部242は、各種の動作に応じた自己のキャラクタデータに、それら各動作ごとのモーションIDを対応付けて記憶している。
【0038】
URLデータ記憶部243は、自己キャラクタのキャラクタデータが保存されているコンテンツサーバ4のURLデータを管理するものである。本実施形態において、URLデータ記憶部243は、図6に示すように、各キャラクタごとに、当該キャラクタデータが保存されているコンテンツサーバ4のURLを記憶している。
【0039】
オブジェクトデータ記憶部244は、自己の携帯電話2で表示設定可能なオブジェクトのオブジェクトデータを記憶するものである。本実施形態において、オブジェクトデータ記憶部244は、図7に示すように、本プログラム2a内において各オブジェクトデータを識別するためのアプリ内IDに対応付けて、上述したオブジェクトデータと、当該オブジェクトデータを取得したコンテンツサーバ4のURLとを記憶している。
【0040】
メールデータ記憶部245は、受信した電子メールに関するメールデータを記憶するものである。本実施形態において、メールデータは、メール本文を表すテキストデータと、件名、送信元、宛先等を含むヘッダー情報と、URLデータとを有している。このURLデータは、電子メールの送信元である相手のキャラクタデータをコンテンツサーバ4から取得するために埋め込まれた情報である。
【0041】
具体的には、URLデータは、相手キャラクタの取得先であるコンテンツサーバ4のURLと、当該相手キャラクタのキャラクタIDと、当該キャラクタの動作に対応するモーションIDとを有している。なお、本実施形態において、URLデータは、コンテンツサーバ4のURLに、キャラクタIDおよびモーションIDをリクエストパラメータとして含めたものを暗号化して用いているが、この形式に限定されるものではない。例えば、URLおよび各IDを個別に有していてもよく、動作を指定しない場合には、モーションIDを含めなくてもよい。
【0042】
相手キャラクタデータ記憶部246は、相手キャラクタのキャラクタデータを記憶するものである。本実施形態において、相手キャラクタデータ記憶部246は、後述するように、受信した電子メールを最初に閲覧したときだけ、相手キャラクタを一時的に記憶する。そして、当該相手キャラクタによる一連のアニメーション表示が終了した後、当該相手キャラクタのキャラクタデータを消去するようにプログラミングされている。
【0043】
モーション対応記憶部247は、相手キャラクタの動作に対応させて自己キャラクタの動作を定めたものである。本実施形態において、モーション対応記憶部247は、図8に示すように、各種の相手キャラクタのモーションIDに対応付けて、自己キャラクタのモーションIDが1つまたは複数設定されている。これにより、自己キャラクタは、相手キャラクタの動作に相応する動作で表示されるようになっている。
【0044】
演算処理手段25は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、記憶手段24にインストールされた携帯電話用電子メールプログラム2aを実行させることにより、図5に示すように、サーバリスト取得部251と、データリスト取得部252と、データ取得部253と、表示設定部254と、メール送受信部255と、URLデータ添付送信部256と、URLデータ抽出部257と、相手キャラクタデータ取得部258と、キャラクタ表示部259と、メール表示部260と、オブジェクト表示部261と、オブジェクト機能実行部262として携帯電話2を機能させるようになっている。以下、各構成部についてより詳細に説明する。
【0045】
サーバリスト取得部251は、代表サーバ5からコンテンツサーバ4のサーバリストを取得するものである。本実施形態において、サーバリスト取得部251は、ユーザからの指示を受けて代表サーバ5にサーバリストのリクエスト信号を送信する。そして、コンテンツサーバ4のサーバ名、サーバIDおよび当該サーバのURLからなるサーバリストを取得するようになっている。なお、代表サーバ5を設けない場合や、サーバリストを携帯電話2にプリインストールしている場合、サーバリスト取得部251は不要である。
【0046】
データリスト取得部252は、コンテンツサーバ4からダウンロード可能なキャラクタやオブジェクトのリストを取得するものである。本実施形態において、データリスト取得部252は、サーバリストの中から選択されたコンテンツサーバ4へ、キャラクタリストまたはオブジェクトリストのリクエスト信号を送信し、各リストを取得するようになっている。
【0047】
キャラクタリストに含まれるデータとしては、キャラクタ名、キャラクタID、URLおよびリスト用画像等である。また、オブジェクトリストに含まれるデータとしては、オブジェクト名、オブジェクトID、オブジェクトタイプID、URLおよびリスト用画像等である。また、本実施形態では、各データが有償で提供されるため、各データの購入に要する金額やポイント値が含まれている。
【0048】
データ取得部253は、コンテンツサーバ4からキャラクタデータまたはオブジェクトデータを取得するものである。具体的には、データ取得部253は、各リストの中から選択されたキャラクタやオブジェクトに対応するキャラクタIDやオブジェクトIDを含むリクエスト信号をコンテンツサーバ4へ送信する。そして、取得したキャラクタデータは自己キャラクタデータ記憶部242へ格納し、取得したオブジェクトデータはオブジェクトデータ記憶部244へ格納するようになっている。
【0049】
なお、本実施形態では、図6および図7に示すように、受信したキャラクタデータやオブジェクトデータを各記憶部へ格納する際、キャラクタまたはオブジェクトごとにアプリ内IDが付与され、当該データを取得したコンテンツサーバ4のURLが合わせて格納される。また、本実施形態では、データ取得部253がキャラクタデータを取得する際、当該キャラクタの全モーション分のキャラクタデータを取得しているが、この構成に限定されるものではなく、ユーザ側で希望モーションを選択し、当該モーションに対応するキャラクタデータだけを取得するようにしてもよい。
【0050】
表示設定部254は、自己キャラクタやオブジェクトを表示する際の表示設定を行うものである。本実施形態において、表示設定部254は、操作手段22から入力されるユーザからの指示に基づき、本実施形態の携帯電話用電子メールプログラム2aを起動中に表示される自己キャラクタやオブジェクトを設定する。
【0051】
メール送受信部255は、通信手段23を介して電子メールを送受信するものである。本実施形態において、メール送受信部255は、ユーザが入力した件名やメール本文からなるメールデータをユーザが指定した宛先へ送信する。一方、メール送受信部255は、電子メールを受信すると、当該電子メールに関するメールデータをメールデータ記憶部245へ格納するようになっている。また、メール送受信部255は、電子メールを受信すると、新着メールを示すアイコンを表示手段21に表示させる。
【0052】
URLデータ添付送信部256は、メール送受信部255が送信する電子メールに、URLデータを付加するものである。具体的には、URLデータ添付送信部256は、操作手段22から電子メールの送信を指定する送信命令を受け付けると、自己キャラクタが保存されているコンテンツサーバ4のURLをURLデータ記憶部243から取得するとともに、自己キャラクタ(メール受信者にとっては相手キャラクタ)のキャラクタIDをリクエストパラメータとして埋め込み、当該電子メールのヘッダーやフッダーに添付して送信するようになっている。
【0053】
また、本実施形態において、電子メールの送信者が、電子メール作成画面等で自己キャラクタのモーションを指定した場合、URLデータ添付送信部256は、当該モーションに対応するモーションIDを取得する。そして、このモーションIDをリクエストパラメータとして、URLデータに別途、埋め込むようになっている。
【0054】
なお、本実施形態では、電子メールの送信者によって、自己キャラクタ(メール受信者にとっての相手キャラクタ)が受信者の携帯電話2で表示される際の動作を指定できるため、URLデータにはモーションIDが含まれるが、この構成に限定されるものではなく、何ら動作を指定しない場合には、モーションIDを含めなくてよい。また、送信者が複数のモーションを選択しうるように構成すれば、受信者の携帯電話2では、相手キャラクタが様々な動作で表示されることとなる。
【0055】
URLデータ抽出部257は、受信した電子メールに添付されているURLデータを抽出するものである。本実施形態において、URLデータ抽出部257は、操作手段22から電子メールの開封を指定する開封命令を受け付けると、メールデータ記憶部245に保存された電子メールのヘッダーやフッダーを解析し、URLデータを抽出する。そして、URLデータが暗号化されていれば、適宜復号化し、相手キャラクタ(メール送信者にとっての自己キャラクタ)のキャラクタID、モーションIDおよび取得先コンテンツサーバ4のURLを取得する。
【0056】
相手キャラクタデータ取得部258は、相手キャラクタのキャラクタデータをコンテンツサーバ4から取得するものである。本実施形態において、相手キャラクタデータ取得部258は、URLデータ抽出部257が抽出したURLデータに基づいて、相手キャラクタの取得先コンテンツサーバ4へアクセスし、相手キャラクタのキャラクタIDおよびモーションIDをリクエスト信号として送信する。これにより、指定モーションに対応する相手キャラクタのキャラクタデータを取得し、相手キャラクタデータ記憶部246へ格納するようになっている。
【0057】
キャラクタ表示部259は、受信した電子メールの本文と共に自己キャラクタや相手キャラクタを表示手段21に表示させるものである。本実施形態において、キャラクタ表示部259は、自己キャラクタデータ記憶部242に記憶されているキャラクタデータに基づいて、自己キャラクタを表示する。また、相手キャラクタデータ記憶部246に記憶されているキャラクタデータに基づいて、相手キャラクタを表示する。
【0058】
具体的には、キャラクタ表示部259は、表示設定部254により表示設定された自己キャラクタのキャラクタデータを自己キャラクタデータ記憶部242から取得し、自己キャラクタを表示する。本実施形態において、キャラクタ表示部259は、電子メールの受信時以外は、自己キャラクタのみを表示する。また、キャラクタ表示部259は、予め設定したモーションや、ランダムなモーションで自己キャラクタを表示してもよく、ユーザのキー操作に合わせて動作するようにしてもよい。さらに、携帯電話2の充電量や電波の感度等のように、特定の条件変化に応じてモーションを変更するようにしてもよい。
【0059】
一方、電子メールを開封したとき、キャラクタ表示部259は、表示画面内において、例えば自己キャラクタを表示させている部屋の中に相手キャラクタを登場させ、電子メールの送信者が指定したモーションで動作させる。また、電子メールを閉じると、キャラクタ表示部259は、相手キャラクタが部屋から出て行くように表示する。なお、複数の未読メールがある場合は、引き続いて、次の相手キャラクタが部屋に入って来るように表示する。
【0060】
また、本実施形態において、キャラクタ表示部259は、電子メールを受信した際、モーション対応記憶部247を参照し、相手キャラクタのモーションIDに対応する自己キャラクタのモーションIDを読み出し、相手キャラクタの動作に応じた自己キャラクタの動作を決定する。そして、それぞれのモーションIDに対応するキャラクタデータを用いて、各モーションIDに応じた動作で両者のキャラクタを画面上に表示する。なお、図8に示すように、自己キャラクタのモーションが複数設定されている場合、キャラクタ表示部259は、いずれかのモーションを同じ確率で表示したり、ランダムに選択して表示する。
【0061】
なお、相手キャラクタの動作に応じた自己キャラクタの応答動作パターンは、上述した構成に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、キャラクタ表示部259は、モーション対応記憶部247を参照せず、常に、相手キャラクタの動作と同じ動作で自己キャラクタを表示するようにしてもよい。
【0062】
メール表示部260は、電子メールの本文を表示手段21に表示するものである。本実施形態において、メール表示部260は、メールデータ記憶部245からメール本文を表すテキストデータを取得し、相手キャラクタの吹き出しエリア内に表示する。また、吹き出しエリア内に収まらないメッセージは、ユーザによる上下キー等の操作によりスクロール表示する。なお、本実施形態において、メール表示部260は、従来、携帯電話2の電子メールで利用されている絵文字等も表示可能である。
【0063】
オブジェクト表示部261は、アイテムや背景等のオブジェクトを表示手段21に表示させるものである。本実施形態において、オブジェクト表示部261は、表示設定部254により表示設定されたオブジェクトのオブジェクトデータをオブジェクトデータ記憶部244から取得し、表示画面内の所定位置に表示させる。
【0064】
オブジェクト機能実行部262は、所定の条件に応じて、各オブジェクトが有する機能を実行させるものである。具体的には、「アイテム」オブジェクトに対しては、操作手段22によって選択されたか否かを検出し、選択された場合、当該アイテムが有する機能を実行させるというランチャー的な役割を果たす。また、「背景」や「部屋」オブジェクトに対しては、携帯電話2の内部時計を常時監視し、所定の日時になった場合、当該背景や部屋のデザインや色彩等を変更する。
【0065】
なお、所定の条件としては、上述したように、ユーザによって選択されたことや、予め定めた日時になったことの他、携帯電話2の充電量や電波の感度等が変化したとき等、携帯電話2で発生しうる様々なイベントをトリガとして採用することができる。
【0066】
つぎに、本実施形態の携帯電話用電子メールプログラム2aによって実行される携帯電話2と、この携帯電話2を含む携帯電話用電子メールシステム1の作用につき、図面を参照しつつ説明する。
【0067】
まず、本実施形態の携帯電話2を用いて、コンテンツサーバ4からキャラクタデータやオブジェクトデータを購入する際のフローチャートを図9に示す。なお、以下の説明では、キャラクタデータとオブジェクトデータを総称してデータと表記する場合がある。
【0068】
図9に示すように、ユーザがコンテンツサーバ4からデータを購入する場合、携帯電話用電子メールプログラム2aを起動した後、図10に示すようなメニュー画面から「データ購入」項目を選択する(ステップS1)。これにより、サーバリスト取得部251が、代表サーバ5にサーバリストをリクエストし(ステップS2)、代表サーバ5からサーバリストが送信されるため(ステップS3)、携帯電話2の表示手段21には、図11に示すようなサーバリストが一覧表示される(ステップS4)。
【0069】
このように、代表サーバ5からサーバリストを取得することにより、新規に参入したコンテンツサーバ4等の最新情報が取得される。なお、本発明において、代表サーバ5は必須の構成ではなく、サーバリストを予め携帯電話2に格納しておいてもよく、URLを手入力してもよい。
【0070】
つぎに、ユーザがサーバリストの中から所望のコンテンツサーバ4を選択すると(ステップS5)、データリスト取得部252が、当該コンテンツサーバ4へアクセスしデータリストをリクエストする(ステップS6)。これにより、コンテンツサーバ4からデータリストが送信され(ステップS7)、携帯電話2の表示手段21には、図12に示すようなキャラクタリストやオブジェクトリストが一覧表示される(ステップS8)。
【0071】
つづいて、ユーザがデータリストの中から所望のデータを選択すると(ステップS9)、データ取得部253が、選択されたキャラクタやオブジェクトに対応するデータをコンテンツサーバ4へリクエストする(ステップS10)。これにより、コンテンツサーバ4からキャラクタデータやオブジェクトデータが送信され(ステップS11)、これらが自己キャラクタデータ記憶部242やオブジェクトデータ記憶部244に保存される(ステップS12)。
【0072】
上記のように、各種のデータをダウンロードした後、ユーザはキャラクタやオブジェクトに関する表示設定を行う(ステップS13)。具体的には、図示しないメニューから「表示設定」項目を選択し、サブメニューから「キャラクタの設定」や「オブジェクトの設定」等の項目を選択する。
【0073】
「キャラクタの設定」を選択すると、自己キャラクタデータ記憶部242に記憶されているキャラクタの一覧が表示され、ユーザは自己キャラクタとして表示させたいキャラクタを選択する。一方、「オブジェクトの設定」を選択すると、オブジェクトタイプごとに「アイテム」、「部屋」、「背景」等のサブメニューが表示される。そして、いずれかの項目を選択すると、オブジェクトの一覧が表示され、ユーザは表示させたいオブジェクトを選択する。
【0074】
以上の処理により、ユーザの携帯電話2では、本実施形態の携帯電話用電子メールプログラム2aを起動した場合、キャラクタ表示部259が、表示設定された自己キャラクタを表示手段21に表示させる。また、オブジェクト表示部261が、表示設定されたオブジェクトを表示手段21に表示させる。
【0075】
以上のように、ユーザは、複数のコンテンツサーバ4から自分の好みに合ったキャラクタやオブジェクトを自由にダウンロードして利用できる。このため、ユーザが選択可能なキャラクタとオブジェクトの組合せは膨大となり、カスタマイズ性およびエンターテインメント性が向上する。また、様々なコンテンツサーバ4から多種多様なキャラクタやオブジェクトを次々と提供できるため、様々な需要者層を取り込むとともに、買い換え需要を喚起し、リピーターを増大させる。
【0076】
なお、本実施形態において、各データを購入する際の課金処理は、各データをダウンロードする際に(ステップS11)、コンテンツサーバ4が実行してもよい。あるいは、通信キャリアがデータ購入用ポイントを付与し、このポイントに相当する金額を通信料に上乗せする形で代行徴収するようにしてもよい。この構成によれば、各コンテンツサーバ4が、各自でユーザから料金を徴収する必要がない。
【0077】
つぎに、本実施形態の携帯電話用電子メールプログラム2aがインストールされた携帯電話2同士間で、電子メールを送信する際の作用について図13を用いて説明する。
【0078】
本実施形態では、図9で説明したデータ購入フローに従って、電子メールの送信者が、「A」というコンテンツサーバ4から「α」という自己キャラクタを購入して表示設定しており、電子メールの受信者は、「B」というコンテンツサーバ4から「β」という自己キャラクタを購入して表示設定していることとする(ステップS20)。
【0079】
送信者が、携帯電話用電子メールプログラム2aを起動すると、キャラクタ表示部259が、送信者の携帯電話2で表示設定されている自己キャラクタαのキャラクタデータを自己キャラクタデータ記憶部242から読み出し、所定モーションで表示する(ステップS21)。また、オブジェクト表示部261が、同様に表示設定されているオブジェクトのオブジェクトデータをオブジェクトデータ記憶部244から読み出し、表示画面内の所定位置に表示する(ステップS21)。これにより、表示手段21には、図14に示すような画面が表示される。
【0080】
つづいて、送信者が、携帯電話用電子メールプログラム2aのメニュー画面から、図15に示すような「新規メール作成」項目を選択する(ステップS22)。これにより、図16に示すような電子メール作成画面が表示されるため(ステップS23)、送信者は操作手段22から宛先、題名およびメール本文を入力するとともに、受信者の携帯電話2で表示されることとなる自己キャラクタαのモーション(図16の例では「表情」)を選択する(ステップS24)。
【0081】
メールの作成およびモーションの選択が完了した後、送信者はメニューから「メール送信」を選択する(ステップS25)。これに応じて、URLデータ添付送信部256が、送信者により選択されたモーションに対応するモーションIDと、自己キャラクタα(受信者にとっては相手キャラクタα)のキャラクタIDと、URLデータ記憶部243内のURLとからなるURLデータを電子メールに付加した後(ステップS26)、メール送受信部255が、当該電子メールを受信者宛に送信する(ステップS27)。
【0082】
一方、受信者の携帯電話2では、電子メールを受信すると、新着メールアイコンが表示され、当該アイコンが選択されたとき、本発明に係るメールか否かが判別される。なお、この判別処理は、携帯電話用電子メールプログラム2aが起動している状態では、本プログラム2a内で行われ、起動していない状態では、ウィジェットのプログラム内で実行される。そして、本発明に係るメールであれば、携帯電話用電子メールプログラム2aを起動した後、メール送受信部255が、メールデータをメールデータ記憶部245へ保存する(ステップS28)。一方、通常の電子メールであれば、デフォルトのメーラーを起動させる。
【0083】
つづいて、受信した電子メールを選択して開封すると、URLデータ抽出部257が、メールデータ記憶部245内の電子メールを解析し、URLデータを抽出する(ステップS29)。これにより、受信者には、送信者の携帯電話2で表示設定されている相手キャラクタαのキャラクタデータを入手するために必要な情報(キャラクタID、モーションID、コンテンツサーバ4のURL)が自動的に得られることとなる。
【0084】
つぎに、相手キャラクタデータ取得部258が、URLデータに基づいて、送信者が指定したモーションに対応する相手キャラクタαのキャラクタデータをコンテンツサーバ4Aにリクエストする(ステップS30)。
【0085】
一方、キャラクタ表示部259は、受信者の携帯電話2で表示設定されている自己キャラクタβのキャラクタデータを自己キャラクタデータ記憶部242から読み出し、所定モーションで表示する(ステップS31)。また、オブジェクト表示部261が、同様に表示設定されているオブジェクトのオブジェクトデータをオブジェクトデータ記憶部244から読み出し、表示画面内の所定位置に表示する(ステップS31)。これにより、表示手段21には、図17に示すような画面が表示される。
【0086】
その後、上記リクエストに応じて、コンテンツサーバ4Aから相手キャラクタαのキャラクタデータが送信されると(ステップS32)、相手キャラクタデータ取得部258が、当該キャラクタデータを相手キャラクタデータ記憶部246に保存する(ステップS33)。これにより、送信者が指定したモーションに対応するキャラクタデータだけがダウンロードされるため、通信料はそれほど増大しない。
【0087】
また、本実施形態では、キャラクタ表示部259が、モーション対応記憶部247内に設定されているモーションの対応関係を参照し、送信者が指定した相手キャラクタαの指定モーションに対応する自己キャラクタβの対応モーションを決定する(ステップS34)。
【0088】
そして、キャラクタ表示部259が、相手キャラクタデータ記憶部246内のキャラクタデータに基づいて、相手キャラクタαを画面上に登場させ指定モーションで動作させる。また、キャラクタ表示部259は、自己キャラクタデータ記憶部242内のキャラクタデータのうち、上述した対応モーションに対応するキャラクタデータに基づいて、自己キャラクタβを表示する。さらに、メール表示部260が、相手キャラクタαから吹き出しを表示するとともに、この吹き出し内にメール本文を表示する(ステップS35)。このとき、受信者の携帯電話2で表示される画面の一例を図18に示す。
【0089】
これにより、相手キャラクタαのキャラクタデータを有しない受信者の携帯電話2においても、自動的に相手キャラクタαが指定モーションで表示される。このため、ユーザは、常に、新しいキャラクタや未知のキャラクタが電子メールを配達しに来るかも知れないという期待感やドキドキ感を持つこととなる。また、相手キャラクタαのモーションに応じて自己キャラクタβが相応しい動作をするため、両者の動作が不自然にならず、あたかも互いにコミュニケーションしているかのように表示でき、ユーザを飽きさせない。
【0090】
なお、本実施形態では、受信者がメール本文を読み終え、当該電子メールを閉じたとき、相手キャラクタデータ記憶部246が、相手キャラクタαのキャラクタデータを自動的に消去する。つまり、相手キャラクタαのキャラクタデータは、受信した電子メールを最初に閲覧するときのみ使用され、その後、消去される。このため、相手キャラクタをそのまま自己キャラクタとして取り込むことを防止し、上述したデータ購入処理を経ることなく、不正にキャラクタデータが入手されてしまうことがない。
【0091】
つぎに、本実施形態の携帯電話2において、表示手段21に表示されるオブジェクトの作用について説明する。
【0092】
本実施形態では、電子メールを受信したときに限らず、携帯電話用電子メールプログラム2aが起動されると、図14に示すように、自己キャラクタが表示されるとともに、オブジェクト表示部261が、予め表示設定されているオブジェクトを表示する。
【0093】
そして、ユーザが、操作手段22を用いて表示画面内の「アイテム」を選択すると、オブジェクト機能実行部262が、当該アイテムが有する機能を実行する。例えば、上述したように、「テレビ」を選択した場合、そのテレビ画面内にコマーシャルやワンセグ等を表示させる。また、「ステレオ」を選択した場合、携帯電話2に内蔵されている音楽プレイヤを起動させる等の機能を実行する。これにより、ユーザは、自ら購入したアイテムを用いて、携帯電話2の各種機能を実行でき、エンターテインメント性や操作性が向上する。このように本実施形態では、通常であれば背景的な意味合いしか備えていないアイテムに対してまで新たな機能的意味を備えさせることができる。
【0094】
また、本実施形態では、オブジェクト機能実行部262が、日時や季節等の時間経過やその他のイベントに連動させて「背景」や「部屋」のデザインや色彩を変更する。これにより、単に、オブジェクトを組み合わせるという楽しみだけではなく、それらが自動的に変化することで、ユーザの予期し得ない様々なバリエーションを生み出し、ユーザの関心を長期的に持続させる。
【0095】
以上のような本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
1.従来の電子メールよりも多様なユーザのニーズに応えられる付加価値の高い電子メールを送受信できる。
2.ユーザが好みのキャラクタやオブジェクトを選択・追加でき、カスタマイズ性や拡張性を向上することができる。
3.様々な自己キャラクタを持つユーザ同士であっても、常に、相手キャラクタを自動的に表示することができる。
4.多種多様なキャラクタやオブジェクトを提供できる柔軟性に富み、より多くのユーザを取り込めるとともに、リピーターを獲得することができる。
5.受信者側で表示される相手キャラクタは、送信者が指定したモーションで動作させることができ、従来、文章表現や絵文字による感情の表現をより豊かに表現することができる。
6.受信者の自己キャラクタは、相手キャラクタの動作に応じて動作し、受信者を楽しませることができる。
7.オブジェクトを介して各種の機能を実行し、エンターテインメント性や操作性を向上するとともに、ユーザの関心を高めることができる。
【0096】
なお、本発明に係る電子メールの送受信方法、携帯電話用電子メールプログラム2a、携帯電話2および携帯電話用電子メールシステム1は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0097】
例えば、上述した本実施形態では、送信者が指定したキャラクタだけを受信者の携帯電話2で表示させる構成について説明したが、この構成に限定されるものではない。具体的には、送信者が指定したオブジェクトについても、受信者側で表示しうるようにしてもよい。この場合、URLデータに、オブジェクトをコンテンツサーバ4から取得するための情報を含めればよい。
【0098】
また、上述した本実施形態では、予め表示設定されている自己キャラクタを受信者に取得させる構成について説明したが、この構成に限定されるものではなく、メール作成画面において、モーションだけではなく、キャラクタも別途、選択できるようにしてもよい。
【0099】
さらに、上述した本実施形態では、一度読み終えた電子メールを再び読み直す場合は、相手キャラクタを表示しないように構成されているが、この構成に限定されるものではなく、再度、相手キャラクタデータを取得して表示するようにしてもよい。
【0100】
また、上述した本実施形態では、キャラクタデータやオブジェクトデータをコンテンツサーバ4から購入しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、予め数種類のオリジナルキャラクタをプリインストールしていてもよく、コンテンツサーバ4から誰でも無料で利用できるデータがあってもよく、逆に、数量限定のプレミアム価値を付加したキャラクタやオブジェクトを設定してもよい。
【0101】
また、上述した本実施形態では、データを購入する際、携帯電話用電子メールプログラム2aを起動し、当該プログラム2a内のメニューを使用していたが、この構成に限定されるものではなく、ブラウザからコンテンツサーバ4へアクセスしてもよい。このとき、携帯電話2からユーザID等をコンテンツサーバ4へ送信し、購入したデータの履歴をコンテンツサーバ4で管理する。そして、携帯電話用電子メールプログラム2aを起動してから当該履歴を読み出し、その中から所望のデータを選択してダウンロードすればよい。
【0102】
さらに、上記履歴をコンテンツサーバ4ではなく、代表サーバ5で管理するようにしてもよい。この場合、携帯電話2からユーザIDを受信したコンテンツサーバ4が、当該ユーザIDに加えて、キャラクタIDやオブジェクトIDを購入情報として代表サーバ5へ送信して登録する。そして、携帯電話用電子メールプログラム2aを起動してから当該履歴を読み出し、その中から所望のデータを代表サーバ5にリクエストする。このリクエストに応じて、代表サーバ5が、コンテンツサーバ4から当該データを取得し、ユーザの携帯電話2へ送信すればよい。
【0103】
上記のように、代表サーバ5で購入履歴を管理する場合、相手キャラクタデータ取得部258が、相手キャラクタデータを取得する場合にも、コンテンツサーバ4に直接アクセスするのではなく、代表サーバ5を介して相手キャラクタデータを取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 携帯電話用電子メールシステム
2 携帯電話
2a 携帯電話用電子メールプログラム
3 キャリアメールサーバ
4 コンテンツサーバ
5 代表サーバ
21 表示手段
22 操作手段
23 通信手段
24 記憶手段
25 演算処理手段
241 プログラム記憶部
242 自己キャラクタデータ記憶部
243 URLデータ記憶部
244 オブジェクトデータ記憶部
245 メールデータ記憶部
246 相手キャラクタデータ記憶部
247 モーション対応記憶部
251 サーバリスト取得部
252 データリスト取得部
253 データ取得部
254 表示設定部
255 メール送受信部
256 URLデータ添付送信部
257 URLデータ抽出部
258 相手キャラクタデータ取得部
259 キャラクタ表示部
260 メール表示部
261 オブジェクト表示部
262 オブジェクト機能実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己のキャラクタを画面上に表示するとともにそのキャラクタのデータが保存されているコンテンツサーバのURLデータを管理し、
電子メールの送信を指定する送信命令を受け付けると、その電子メールに前記URLデータを添付して送信し、
受信した電子メールの開封を指定する開封命令を受け付けると、その電子メールに添付されているURLデータに基づいて前記コンテンツサーバにアクセスし、送信元である相手のキャラクタデータを取得して前記電子メール本文と共に相手のキャラクタを画面上に表示する電子メールの送受信方法。
【請求項2】
前記URLデータには、キャラクタの動作を識別するモーションIDが含まれており、前記URLデータから前記モーションIDを抽出するとともに、このモーションIDに対応する相手キャラクタデータを前記コンテンツサーバから取得して送信元で指定された動作を行う相手キャラクタを画面上に表示する請求項1に記載された電子メールの送受信方法。
【請求項3】
各種の動作に応じた自己のキャラクタデータにそれら各動作ごとの前記モーションIDを対応付けて記憶しているとともに、これら各モーションIDを各種の相手キャラクタの各モーションIDに対応付けて記憶しており、
前記電子メールの受信に伴って前記コンテンツサーバにアクセスして送信元で指定されたモーションIDに対応する相手キャラクタデータを取得した場合、前記相手キャラクタのモーションIDに対応する自己キャラクタのモーションIDを取得し、送信元である相手キャラクタの動作に応じて自己キャラクタの動作を決定するとともに、それぞれのモーションIDに応じた動作で両者のキャラクタを画面上に表示する請求項2に記載の電子メールの送受信方法。
【請求項4】
自己のキャラクタを画面上に表示するためのキャラクタデータを記憶する自己キャラクタデータ記憶部と、
前記自己キャラクタデータが保存されているコンテンツサーバのURLデータを記憶しているURLデータ記憶部と、
電子メールの送信を指定する送信命令を受け付けると、その電子メールに前記URLデータ記憶部から取得した前記URLデータを添付して送信するURLデータ添付送信部と、
受信した電子メールの開封を指定する開封命令を受け付けると、その電子メールに添付されているURLデータを抽出するURLデータ抽出部と、
前記URLデータ抽出部が抽出した前記URLデータに基づいて前記コンテンツサーバにアクセスし、送信元である相手のキャラクタデータを取得する相手キャラクタデータ取得部と、
前記取得した相手キャラクタデータを記憶する相手キャラクタデータ記憶部と、
前記受信した電子メールの本文と共に相手のキャラクタおよび自己のキャラクタを画面上に表示するキャラクタ表示部として
携帯電話を機能させる携帯電話用電子メールプログラム。
【請求項5】
前記URLデータには、キャラクタの動作を識別するモーションIDが含まれており、
前記URLデータ抽出部は、前記URLデータから前記モーションIDを抽出し、
前記相手キャラクタデータ取得部は、前記モーションIDに対応するキャラクタデータを前記コンテンツサーバから取得し、
前記キャラクタ表示部は、その取得したキャラクタデータに基づいて、送信元で指定された動作を行うキャラクタを画面上に表示する請求項4に記載された携帯電話用電子メールプログラム。
【請求項6】
前記自己キャラクタデータ記憶部は、各種の動作に応じた自己のキャラクタデータにそれら各動作ごとの前記モーションIDを対応付けて記憶しており、
前記自己キャラクタの各モーションIDを各種の相手キャラクタのモーションIDに対応付けて記憶しているモーション対応記憶部として機能させ、
前記キャラクタ表示部は、前記相手キャラクタデータ取得部が、電子メールの受信に伴って送信元で指定されたモーションIDに対応する相手キャラクタデータを取得した場合、その相手キャラクタのモーションIDに対応する自己キャラクタのモーションIDを前記モーション対応記憶部から読み出し、相手キャラクタの動作に応じた自己キャラクタの動作を決定し、それぞれのモーションIDに応じた動作で両者のキャラクタを画面上に表示する請求項5に記載された携帯電話用電子メールプログラム。
【請求項7】
自己のキャラクタを画面上に表示するためのキャラクタデータを記憶する自己キャラクタデータ記憶部と、
前記自己キャラクタデータが保存されているコンテンツサーバのURLデータを記憶しているURLデータ記憶部と、
電子メールの送信を指定する送信命令を受け付けると、その電子メールに前記URLデータ記憶部から取得した前記URLデータを添付して送信するURLデータ添付送信部と、
受信した電子メールの開封を指定する開封命令を受け付けると、その電子メールに添付されているURLデータを抽出するURLデータ抽出部と、
前記URLデータ抽出部が抽出した前記URLデータに基づいて前記コンテンツサーバにアクセスし、送信元である相手のキャラクタデータを取得する相手キャラクタデータ取得部と、
前記取得した相手キャラクタデータを記憶する相手キャラクタデータ記憶部と、
前記受信した電子メールの本文と共に相手のキャラクタおよび自己のキャラクタを画面上に表示するキャラクタ表示部と、
を有する携帯電話。
【請求項8】
各種のキャラクタデータを保存しているコンテンツサーバと、前記コンテンツサーバにアクセスして所望のキャラクタデータを取得する携帯電話とを有する携帯電話用電子メールシステムであって、
前記携帯電話は、自己のキャラクタを画面上に表示するためのキャラクタデータを記憶する自己キャラクタデータ記憶部と、
前記自己キャラクタデータが保存されているコンテンツサーバのURLデータを記憶しているURLデータ記憶部と、
電子メールの送信を指定する送信命令を受け付けると、その電子メールに前記URLデータ記憶部から取得した前記URLデータを添付して送信するURLデータ添付送信部と、
受信した電子メールの開封を指定する開封命令を受け付けると、その電子メールに添付されているURLデータを抽出するURLデータ抽出部と、
前記URLデータ抽出部が抽出した前記URLデータに基づいて前記コンテンツサーバにアクセスし、送信元である相手のキャラクタデータを取得する相手キャラクタデータ取得部と、
前記取得した相手キャラクタデータを記憶する相手キャラクタデータ記憶部と、
前記受信した電子メールの本文と共に相手のキャラクタおよび自己のキャラクタを画面上に表示するキャラクタ表示部と
を有する携帯電話用電子メールシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図13】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−70303(P2011−70303A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219295(P2009−219295)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【特許番号】特許第4579329号(P4579329)
【特許公報発行日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(509265999)株式会社ハートビット (1)
【Fターム(参考)】