電子メール制御装置、電子メール制御プログラムおよび電子メール制御方法
【課題】 承認を依頼されているクライアントの状況を正確に把握することができる電子メール制御装置、電子メール制御プログラムおよび電子メール制御方法を提供すること。
【解決手段】 クライアントから送信される電子メールの受信状況を監視する。承認結果電子メールを未送信である未承認クライアントから、その承認結果電子メール以外の電子メールが送信された場合には、その未承認クライアントは承認結果電子メールを送信可能な状況であると判断し、未承認クライアントから何ら電子メールが送信されない場合には、その未承認クライアントは承認結果電子メールを送信不可能な状況であると判断する。
【解決手段】 クライアントから送信される電子メールの受信状況を監視する。承認結果電子メールを未送信である未承認クライアントから、その承認結果電子メール以外の電子メールが送信された場合には、その未承認クライアントは承認結果電子メールを送信可能な状況であると判断し、未承認クライアントから何ら電子メールが送信されない場合には、その未承認クライアントは承認結果電子メールを送信不可能な状況であると判断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、承認を依頼されているクライアントの状況を正確に把握することができる電子メール制御装置、電子メール制御プログラムおよび電子メール制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のクライアントとメールサーバーとを通信手段を介して接続して構成される電子メールシステムを利用した承認方式が知られている。この承認方式は、一のクライアントから他のクライアントに対して承認を要求する承認依頼電子メールをメールサーバーに送信する。承認依頼電子メールを受信したメールサーバーは、承認依頼電子メールにおいて指示されている承認順番に従って承認を依頼されている承認側クライアントに承認依頼電子メールを送信する。承認依頼電子メールを受信した承認側クライアントは、承認結果を報告する承認結果電子メールをメールサーバーに送信する。
【0003】
メールサーバーは承認結果電子メールを受信したことをうけて承認結果を検出する。その結果、承認結果が承認であれば次の承認側クライアントに承認依頼電子メールを送信したり、全ての承認側クライアントの承認結果が承認であれば、その承認結果を承認を依頼した一のクライアントに送信したり、承認結果が非承認であれば次の承認側クライアントに承認依頼電子メールを送信せずに、その承認結果を承認を依頼した一のクライアントに送信したり、更に、各承認側クライアントに対する承認期限を設定し、その承認期限をオーバーしても承認結果電子メールを送信しない未承認の承認側クライアントに対して承認結果を報告するように催促を促す督促電子メールを送信したりしていた。
【0004】
しかし、未承認の承認側クライアントのなかには、休暇中であったり出張中であったり等の何等かの理由で承認結果電子メールを送信できない状況にある承認側クライアントも存在するので、承認期限をオーバーしているからといって、一律に督促電子メールを送信することは得策ではなかった。即ち、従来の承認方式では、承認側クライアントの状況を把握することなく承認依頼電子メールに対する管理を行っていた。
【0005】
一方、次の特許文献1には、承認側クライアントが承認結果電子メールを送信できる状況にあるか否かを把握することができるように、メールサーバーに承認側クライアントのスケジュールを登録する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平9−81650号公報(図1、第0012段落等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術では、予め、承認側クライアントが自己のスケジュールをメールサーバーに登録する必要があるので、スケジュールを登録する作業が手間であるという問題点があった。
【0007】
また、たとえスケジュールを登録したとしても承認側クライアントが登録したスケジュール通りに行動する保証はなく、依然として承認側クライアントの状況を正確に把握することができないという問題点があった。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、承認を依頼されている承認側クライアントの状況を正確に把握することができる電子メール制御装置、電子メール制御プログラムおよび電子メール制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、請求項1記載の電子メール制御装置は、複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した電子メールを前記通信手段を介して宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信する送信手段とを備えたものであって、前記受信手段による電子メールの受信状況または前記送信手段による電子メールの送信状況を監視する監視手段と、前記監視手段によって監視されている前記受信状況または前記送信状況に基づいて前記各クライアントの状況を把握する把握手段とを備えている。
【0010】
請求項2記載の電子メール制御装置は、請求項1記載の電子メール制御装置において、前記監視手段は、前記受信手段によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断する第1判断手段と、前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を記憶する第1記憶手段と、前記受信手段によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定する特定手段と、前記特定手段によって特定されたクライアントが、前記第1記憶手段に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを判断する第2判断手段とを備え、前記把握手段は、前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記第1記憶手段に記憶される識別情報に対応つけて、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を記憶する第2記憶手段と、前記第2判断手段によって前記第1記憶手段に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断された場合に、前記第2記憶手段に記憶されている状況情報を、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に更新する第1更新手段とを備えている。
【0011】
請求項3記載の電子メール制御装置は、請求項2記載の電子メール制御装置において、前記承認側クライアントに承認を依頼したことをうけて、前記受信手段によって受信した電子メールが前記承認側クライアントから送信された承認結果を報告する承認結果電子メールか否かを判断する第3判断手段と、前記第3判断手段によって前記承認結果電子メールであると判断された場合に、前記第1記憶手段に記憶されている前記承認結果電子メールを送信した承認側クライアントを識別する識別情報と、前記識別情報に対応つけて前記第2記憶手段に記憶されている状況情報とを削除する削除手段とを備えている。
【0012】
請求項4記載の電子メール制御装置は、請求項2又は3に記載の電子メール制御装置において、前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合であって、前記承認依頼電子メールにおいて複数の承認側クライアントに対する承認順番が指示されている場合に、前記各承認側クライアントに対応つけて承認順番を記憶する第3記憶手段と、前記第3記憶手段に記憶されている承認順番で各承認側クライアントに承認を依頼するように制御する承認順番制御手段とを備えている。
【0013】
請求項5記載の電子メール制御装置は、請求項4に記載の電子メール制御装置において、前記承認順番制御手段は、前記第3記憶手段に記憶されている承認順番に従って承認順番が第1番目の承認側クライアントから順番に承認を依頼する電子メールを作成する作成手段と、前記作成手段によって作成された電子メールを承認順番が所定番目の承認側クライアント宛に送信したことをうけて、前記承認順番が所定番目の承認側クライアントから前記承認結果電子メールを受信したことが前記第3判断手段によって判断された場合に、前記承認結果が承認であるか否かを判断する第4判断手段と、前記第4判断手段によって承認結果が承認であると判断された場合に、前記承認順番が所定番目の承認側クライアントに対応つけて承認結果を記憶する第4記憶手段とを備え、前記作成手段は、前記第4判断手段によって承認結果が承認であると判断された場合に、承認順番が次の承認側クライアント宛に承認を依頼する電子メールを作成する。
【0014】
請求項6記載の電子メール制御装置は、請求項5に記載の電子メール制御装置において、前記第1記憶手段には、前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記第3記憶手段に記憶されている承認順番に従って承認順番が第1番目の承認側クライアントを識別する識別情報から順番に各承認側クライアントを識別する識別情報が記憶される。
【0015】
請求項7記載の電子メール制御装置は、請求項6に記載の電子メール制御装置において、全ての承認側クライアントから前記承認結果電子メールを受信したか否かを判断する第5判断手段と、前記第5判断手段によって全ての承認側クライアントから前記承認結果電子メールを受信したと判断された場合、または、前記第4判断手段によって承認結果が非承認であると判断された場合に、前記承認依頼電子メールによって承認を依頼したクライアント宛に承認結果を報告する承認結果報告電子メールを作成する第1報告手段とを備えている。
【0016】
請求項8記載の電子メール制御装置は、請求項3から7のいずれかに記載の電子メール制御装置において、前記第3判断手段の判断結果に基いて、前記承認結果電子メールを未送信である承認側クライアントを検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された承認側クライアントを識別する識別情報に対応つけて前記第2記憶手段に記憶されている状況情報が、前記第1更新手段によって更新されているか否かを判断する第6判断手段と、前記第6判断手段によって更新済であると判断された場合に、前記検出手段によって検出された承認側クライアント宛に、前記承認依頼電子メールに対する承認を催促する催促電子メールを作成する催促手段とを備えている。
【0017】
請求項9記載の電子メール制御装置は、請求項8に記載の電子メール制御装置において、前記第6判断手段によって未更新であると判断された場合に、前記承認依頼電子メールによって承認を依頼したクライアント宛に、前記検出手段によって検出された承認側クライアントは承認不可能な状況であることを報告する報告電子メールを作成する第2報告手段を備えている。
【0018】
請求項10記載の電子メール制御装置は、請求項8又は9に記載の電子メール制御装置において、前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合であって、前記承認依頼電子メールにおいて最終の承認側クライアントに対する承認期限が指示がされている場合に、各承認側クライアントの承認期限を算出する承認期限算出手段と、前記承認期限算出手段によって算出された各承認側クライアントに対する承認期限を、各承認側クライアントに対応つけて記憶する第5記憶手段とを備え、前記検出手段は、前記第5記憶手段に記憶されている承認期限を基準とした所定期間内に前記承認結果電子メールを未送信である承認側クライアントを検出する。
【0019】
請求項11記載の電子メール制御プログラムは、複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールを受信させる受信ステップと、前記受信ステップによって受信した電子メールを前記通信手段を介して宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信させる送信ステップとを備えたものであって、前記受信ステップによる電子メールの受信状況または前記送信ステップによる電子メールの送信状況を監視させる監視ステップと、前記監視ステップによって監視させている前記受信状況または前記送信状況に基づいて前記各クライアントの状況を把握させる把握ステップとを備えている。
【0020】
請求項12記載の電子メール制御プログラムは、請求項11記載の電子メール制御プログラムにおいて、前記監視ステップは、前記受信ステップによって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断させる第1判断ステップと、前記第1判断ステップが前記承認依頼電子メールであると判断した場合に、前記承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を記憶させる第1記憶ステップと、前記受信ステップによって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定させる特定ステップと、前記特定ステップによって特定されたクライアントが、前記第1記憶ステップによって記憶された識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを判断させる第2判断ステップとを備え、前記把握ステップは、前記第1判断ステップが前記承認依頼電子メールであると判断した場合に、前記第1記憶ステップによって記憶された識別情報に対応つけて、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を記憶させる第2記憶ステップと、前記第2判断ステップが前記第1記憶ステップによって記憶された識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断した場合に、前記第2記憶ステップによって記憶された状況情報を、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に更新させる第1更新ステップとを備えている。
【0021】
請求項13記載の電子メール制御方法は、複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールを受信する受信工程と、前記受信工程によって受信した電子メールを前記通信手段を介して宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信する送信工程とを備えたものであって、前記受信工程による電子メールの受信状況または前記送信工程による電子メールの送信状況を監視する監視工程と、前記監視工程によって監視されている前記受信状況または前記送信状況に基づいて前記各クライアントの状況を把握する把握工程とを備えている。
【0022】
請求項14記載の電子メール制御方法は、請求項13記載の電子メール制御方法において、前記監視工程は、前記受信工程によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断する第1判断工程と、前記第1判断工程によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を記憶する第1記憶工程と、前記受信工程によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定する特定工程と、前記特定工程によって特定されたクライアントが、前記第1記憶工程に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを判断する第2判断工程とを備え、前記把握工程は、前記第1判断工程によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記第1記憶工程に記憶される識別情報に対応つけて、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を記憶する第2記憶工程と、前記第2判断工程によって前記第1記憶工程に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断された場合に、前記第2記憶工程に記憶されている状況情報を、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に更新する第1更新工程とを備えている。
【発明の効果】
【0023】
請求項1記載の電子メール制御装置によれば、複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールは受信手段によって受信される。また、受信手段によって受信した電子メールは、その電子メールにおいて宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信手段によって送信される。この受信手段による電子メールの受信状況または送信手段による電子メールの送信状況は監視手段によって監視されている。そして、各クライアントの状況は、この監視手段によって監視されている受信状況または送信状況に基づいて把握手段によって把握される。
【0024】
例えば、一のクライアントから他のクライアント宛に電子メールが送信されると、その電子メールは受信手段によって受信される。ここで、監視手段が受信手段による受信状況を監視しているとした場合、この受信状況に基づいて、一のクライアントは電子メールを送信できる状況にあり、一のクライアントは電子メールを利用できる状況にある可能性が高いと推測することができる。逆に、一のクライアントから電子メールが送信されない場合には、当然に受信手段によって電子メールは受信されないので、この受信状況に基づいて、一のクライアントは電子メールを送信できる状況になく、一のクライアントは電子メールを利用できる状況にない可能性が高いと推測することができる。このように受信状況に基づいて一のクライアントの状況を正確に把握することができるという効果がある。
【0025】
一方、監視手段が送信手段による送信状況を監視しているとし、送信手段によって他のクライアントに電子メールを送信した場合、この送信状況に基づいて、他のクライアントは電子メールを受信できる状況にあり、他のクライアントは電子メールを利用できる状況にある可能性が高いと推測することができる。逆に、他のクライアントに電子メールが送信されない場合には、この送信状況に基づいて、他のクライアントは電子メールを受信できる状況になく、他のクライアントは電子メールを利用できる状況にない可能性が高いと推測することができる。このように送信状況に基づいて他のクライアントの状況を正確に把握することができるという効果がある。
【0026】
請求項2記載の電子メール制御装置によれば、請求項1記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、受信手段によって受信された電子メールは、第1判断手段によって複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かが判断される。その結果、承認依頼電子メールであると判断された場合には、その承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報が第1記憶手段に記憶される。また、この識別情報に対応つけて、この識別情報によって識別される承認側クライアントは承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報が第2記憶手段に記憶される。
【0027】
一方、受信手段によって受信された電子メールは、複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかが特定手段によって特定される。そして、その特定手段によって特定されたクライアントが、前記第1記憶手段に記憶した識別情報によって識別される承認側クライアントか否かが第2判断手段によって判断される。その結果、前記第1記憶手段に記憶した識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断された場合には、前記第2記憶手段に記憶した状況情報は、承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に第1更新手段によって更新される。よって、この第2記憶手段に記憶されている状況情報を確認することで複数のクライアントの内、特に、承認側クライアントについて、その承認側クライアントが承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であるか否かを把握することができるという効果がある。
【0028】
また、特定手段は、送信手段によって電子メールを送信する送信先のクライアントを特定するのではなく、受信手段によって受信した電子メールを送信したクライアントを特定している。即ち、送信手段による電子メールの送信状況ではなく、受信手段による電子メールの受信状況を監視している。通常、受信手段は電子メールを送信するクライアントからの要求を受けて電子メールを受信し、送信手段は電子メールを受信するクライアントからの要求を受けて電子メールを送信するものである。
【0029】
しかし、電子メールを受信するクライアントとの間で常時通信可能な環境下では、電子メールを受信するクライアントからの要求がない場合であても電子メールを自働送信することも可能である。よって、送信手段による電子メールの送信状況ではなく、受信手段による電子メールの受信状況を監視し、その受信状況に基づいてクライアントの状況を判断することで、より正確にクライアントの状況を把握することができるという効果がある。
【0030】
請求項3記載の電子メール制御装置によれば、請求項2記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、第3判断手段によって、受信手段によって受信した電子メールが承認結果電子メールであると判断された場合には、第1記憶手段に記憶されている識別情報と、前記第2記憶手段に記憶されている状況情報とが削除手段によって削除されるので、承認依頼電子メールに対して承認結果電子メールを送信済のクライアントと未送信のクライアントとを簡単に区別することができるという効果がある。
【0031】
請求項4記載の電子メール制御装置によれば、請求項2又は3に記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、承認依頼電子メールにおいて複数の承認側クライアントに対する承認順番が指示されている場合には、指示されている承認順番に沿って各承認側クライアントに承認が依頼されるように制御されるので、承認を依頼するクライアントとしては、承認順番を指定すれば、自働的にその指定した承認順番に従って承認を依頼する電子メールを承認側クライアントに送信することができるという効果がある。
【0032】
請求項5記載の電子メール制御装置によれば、請求項4に記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、承認依頼電子メールにおいて複数の承認側クライアントに対する承認順番が指示がされている場合には、第3記憶手段に記憶されている承認順番に従って承認順番が第1番目の承認側クライアントから順番に承認を依頼する電子メールが作成される。そして、承認順番が所定番目の承認側クライアント宛に承認依頼電子メールを送信したのをうけて、その所定番目の承認側クライアントから承認結果電子メールを受信したことが第3判断手段によって判断され、更に、第4判断手段によって承認結果が承認であると判断された場合に、承認順番が次の承認側クライアント宛に承認を依頼する電子メールが作成される。
【0033】
よって、先の承認側クライアントの承認結果が承認であれば、指定された承認順番に従って承認を依頼する電子メールを承認側クライアントに順番に送信することができるという効果がある。逆に言えば、先の承認側クライアントの承認結果が非承認であれば、次の承認側クライアントに承認を依頼する電子メールを送信するのを中止することができるという効果がある。更に、第4判断手段による判断結果は各承認側クライアントに対応つけて第4記憶手段に記憶されるので、各承認側クライアントの承認結果を把握することができるという効果がある。
【0034】
請求項6記載の電子メール制御装置によれば、請求項5に記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、第1判断手段によって承認依頼電子メールであると判断された場合、第1記憶手段には、第3記憶手段に記憶されている承認順番に従って承認順番が第1番目の承認側クライアントを識別する識別情報から順番に記憶されるので、複数の承認側クライアントが存在する場合であっても、現在、承認を依頼している承認側クライアントを特定することができるという効果がある。
【0035】
請求項7記載の電子メール制御装置によれば、請求項6に記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、第5判断手段によって全ての承認側クライアントから承認結果電子メールを受信したと判断された場合、または、第4判断手段によって承認結果が非承認であると判断された場合には、第1報告手段によって承認依頼電子メールによって承認を依頼したクライアント宛に承認結果を報告する承認結果報告電子メールが作成されるので、この承認結果報告電子メールを承認を依頼したクライアントが受信することで承認を依頼したクライアントに承認結果を報告することができるという効果がある。
【0036】
請求項8記載の電子メール制御装置によれば、請求項3から7のいずれかに記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、第6判断手段によって状況情報が更新済であると判断された場合、換言すれば、未承認の承認側クライアントが承認依頼電子メールに対して承認可能な状況である可能性が高いと判断された場合には、催促手段によって、その未承認の承認側クライアントに承認依頼電子メールに対する承認を催促する催促電子メールが作成される。つまり、この未承認の承認側クライアントは、承認結果電子メールを送信できる状況にある可能性が高いにもかかわらず承認結果電子メールが未送信であるため、この催促電子メールを未承認クライアントが受信することで、その未承認の承認側クライアントに承認結果を催促することができるという効果がある。
【0037】
請求項9記載の電子メール制御装置によれば、請求項8に記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、第6判断手段によって状況情報が未更新であると判断された場合、換言すれば、未承認の承認側クライアントが承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況である可能性が高いと判断された場合には、第2報告手段によって、承認依頼電子メールによって承認を依頼したクライアントに、未承認である承認側クライアントが承認不可能な状況であることを報告する報告電子メールが作成される。つまり、この未承認の承認側クライアントは、承認結果電子メールを送信できない状況にある可能性が高いので、その旨を報告する報告電子メールを承認を依頼したクライアントが受信することで、承認結果を待っているクライアントに未承認である承認側クライアントの状況を把握させることができるという効果がある。
【0038】
請求項10記載の電子メール制御装置によれば、請求項8又は9に記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、第1判断手段によって承認依頼電子メールであると判断された場合であって、承認依頼電子メールにおいて最終の承認側クライアントに対する承認期限が指示がされている場合には、承認期限算出手段によって各承認側クライアントの承認期限が算出される。
【0039】
例えば、承認者が3人、最終承認期限が9日間に指定されていた場合、各承認側クライアントの承認期限を1人当たり3日間として算出することができる。よって、承認を依頼するクライアントとっては最終承認期限さえ指定すればよく、各承認者に対する承認期限を指定しなければいけないとする手間を省くことができるという効果がある。
【0040】
また、別の方法として、まずは、承認者1人当たりの承認期限が3日間として算出し、承認順番が第1番目の承認者に承認期限を3日間として承認依頼電子メールを送信する。その結果、第1番目の承認者から承認結果電子メールが1日後に送信された場合には、第2番目の承認者の承認期限を4日間として算出し、逆に、第1番目の承認者から承認結果電子メールが5日後に送信された場合には、第2番目の承認者の承認期限を2日間として算出することができる。このように、先の承認者からの承認結果電子メールの送信状況に応じて以後の承認者に対する承認期限を調節することができるという効果がある。
【0041】
また、検出手段は、各承認側クライアントに対応つけて記憶されている承認期限を基準とした所定期間内に前記承認結果電子メールを未送信である承認側クライアントを検出するので、例えば、承認期限を超過している承認側クライアントを検出したり、承認期限は超過していないものの承認期限間近の承認側クライアントを検出したりすることができるという効果がある。
【0042】
請求項11記載の電子メール制御プログラムによれば、複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールは受信ステップにおいて受信される。また、受信ステップにおいて受信した電子メールは、その電子メールにおいて宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信ステップにおいて送信される。この受信ステップにおいて受信した電子メールの受信状況または送信手段において送信した電子メールの送信状況は監視ステップにおいて監視されている。そして、各クライアントの状況は、この監視ステップにおいて監視されている受信状況または送信状況に基づいて把握ステップにおいて把握される。
【0043】
例えば、一のクライアントから他のクライアント宛に電子メールが送信されると、その電子メールは受信ステップにおいて受信される。ここで、監視ステップが受信ステップにおける受信状況を監視しているとした場合、この受信状況に基づいて、一のクライアントは電子メールを送信できる状況にあり、一のクライアントは電子メールを利用できる状況にある可能性が高いと推測することができる。逆に、一のクライアントから電子メールが送信されない場合には、当然に受信ステップにおいて電子メールは受信されないので、この受信状況に基づいて、一のクライアントは電子メールを送信できる状況になく、一のクライアントは電子メールを利用できる状況にない可能性が高いと推測することができる。このように受信状況に基づいて一のクライアントの状況を正確に把握することができるという効果がある。
【0044】
一方、監視ステップにおいて送信ステップにおける送信状況を監視しているとし、送信ステップにおいて他のクライアントに電子メールを送信した場合、この送信状況に基づいて、他のクライアントは電子メールを受信できる状況にあり、他のクライアントは電子メールを利用できる状況にある可能性が高いと推測することができる。逆に、他のクライアントに電子メールが送信されない場合には、この送信状況に基づいて、他のクライアントは電子メールを受信できる状況になく、他のクライアントは電子メールを利用できる状況にない可能性が高いと推測することができる。このように送信状況に基づいて他のクライアントの状況を正確に把握することができるという効果がある。
【0045】
請求項12記載の電子メール制御プログラムによれば、請求項11記載の電子メール制御プログラムの奏する効果に加え、受信ステップにおいて受信した電子メールは、第1判断ステップにおいて複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断する。その結果、承認依頼電子メールであると判断した場合には、その承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を第1記憶ステップにおいて記憶する。また、この識別情報に対応つけて、この識別情報によって識別される承認側クライアントは承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を第2記憶ステップにおいて記憶する。
【0046】
一方、受信ステップにおいて受信した電子メールは、複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定ステップにおいて特定する。そして、その特定ステップにおいて特定したクライアントが、前記第1記憶ステップにおいて記憶した識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを第2判断ステップにおいて判断する。その結果、前記第1記憶ステップで記憶した識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断した場合には、前記第2記憶ステップで記憶した状況情報は、承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に第1更新手段において更新する。よって、この第2記憶ステップで記憶した状況情報を確認することで複数のクライアントの内、特に、承認側クライアントについての状況として、その承認側クライアントが承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であるか否かを把握することができるという効果がある。
【0047】
また、特定ステップは、送信ステップにおいて電子メールを送信する送信先のクライアントを特定するのではなく、受信ステップにおいて受信した電子メールを送信したクライアントを特定している。即ち、送信ステップにおける電子メールの送信状況ではなく、受信ステップにおける電子メールの受信状況を監視している。通常、受信ステップは電子メールを送信するクライアントからの要求を受けて電子メールを受信し、送信ステップは電子メールを受信するクライアントからの要求を受けて電子メールを送信するものである。しかし、電子メールを受信するクライアントとの間で常時通信可能な環境下では、電子メールを受信するクライアントからの要求がない場合であても電子メールを自働送信することも可能である。よって、送信ステップにおける電子メールの送信状況ではなく、受信ステップにおける電子メールの受信状況を監視し、その受信状況に基づいてクライアントの状況を判断することで、より正確にクライアントの状況を把握することができるという効果がある。
【0048】
請求項13記載の電子メール制御方法によれば、複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールは受信工程によって受信される。また、受信工程によって受信した電子メールは、その電子メールにおいて宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信工程によって送信される。この受信工程による電子メールの受信状況または送信工程による電子メールの送信状況は監視工程によって監視されている。そして、各クライアントの状況は、この監視工程によって監視されている受信状況または送信状況に基づいて把握工程によって把握される。
【0049】
例えば、一のクライアントから他のクライアント宛に電子メールが送信されると、その電子メールは受信工程によって受信される。ここで、監視工程が受信工程による受信状況を監視しているとした場合、この受信状況に基づいて、一のクライアントは電子メールを送信できる状況にあり、一のクライアントは電子メールを利用できる状況にある可能性が高いと推測することができる。逆に、一のクライアントから電子メールが送信されない場合には、当然に受信工程によって電子メールは受信されないので、この受信状況に基づいて、一のクライアントは電子メールを送信できる状況になく、一のクライアントは電子メールを利用できる状況にない可能性が高いと推測することができる。このように受信状況に基づいて一のクライアントの状況を正確に把握することができるという効果がある。
【0050】
一方、監視工程が送信工程による送信状況を監視しているとし、送信工程によって他のクライアントに電子メールを送信した場合、この送信状況に基づいて、他のクライアントは電子メールを受信できる状況にあり、他のクライアントは電子メールを利用できる状況にある可能性が高いと推測することができる。逆に、他のクライアントに電子メールが送信されない場合には、この送信状況に基づいて、他のクライアントは電子メールを受信できる状況になく、他のクライアントは電子メールを利用できる状況にない可能性が高いと推測することができる。このように送信状況に基づいて他のクライアントの状況を正確に把握することができるという効果がある。
【0051】
請求項14記載の電子メール制御方法によれば、請求項13記載の電子メール制御方法の奏する効果に加え、受信工程によって受信された電子メールは、第1判断工程によって複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かが判断される。その結果、承認依頼電子メールであると判断された場合には、その承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報が第1記憶工程に記憶される。また、この識別情報に対応つけて、この識別情報によって識別される承認側クライアントは承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報が第2記憶工程に記憶される。
【0052】
一方、受信工程によって受信された電子メールは、複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかが特定工程によって特定される。そして、その特定工程によって特定されたクライアントが、前記第1記憶工程に記憶した識別情報によって識別される承認側クライアントか否かが第2判断工程によって判断される。その結果、前記第1記憶工程に記憶した識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断された場合には、前記第2記憶工程に記憶した状況情報は、承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に第1更新工程によって更新される。よって、この第2記憶工程に記憶されている状況情報を確認することで複数のクライアントの内、特に、承認側クライアントについての状況として、その承認側クライアントが承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であるか否かを把握することができるという効果がある。
【0053】
また、特定工程は、送信工程によって電子メールを送信する送信先のクライアントを特定するのではなく、受信工程によって受信した電子メールを送信したクライアントを特定している。即ち、送信工程による電子メールの送信状況ではなく、受信工程による電子メールの受信状況を監視している。通常、受信工程は電子メールを送信するクライアントからの要求を受けて電子メールを受信し、送信工程は電子メールを受信するクライアントからの要求を受けて電子メールを送信するものである。しかし、電子メールを受信するクライアントとの間で常時通信可能な環境下では、電子メールを受信するクライアントからの要求がない場合であても電子メールを自働送信することも可能である。よって、、送信工程による電子メールの送信状況ではなく、受信工程による電子メールの受信状況を監視し、その受信状況に基づいてクライアントの状況を判断することで、より正確にクライアントの状況を把握することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、電子メールシステム1の外観図である。本発明の電子メール制御装置としてのメールサーバーSは電子メールシステム1において使用されるものである。電子メールシステム1は、メールサーバーSと、複数のクライアントA,B,C,Y,Zとを通信手段としてのLAN(Local Area Network)ケーブルKを介して接続して構成されている。
【0055】
メールサーバーSは、LANケーブルKを介して、各クライアントA等から送信される電子メールを受信したり、各クライアントA等宛の電子メールを各クライアントA等に送信したりするコンピュータであり、特に、各クライアントA等から送信される電子メールの受信状況を監視することで、各クライアントA等の状況を正確に把握することができるコンピューターである。
【0056】
各クライアントA等は、メールサーバーSが提供する機能やデータを利用するコンピュータである。尚、本実施例では、各クライアントA等は、各クライアントA等としてのコンピューターを操作するユーザーをも含む意味で使用する。
【0057】
図2は、メールサーバーSとクライアントA,B,C,Y,Zとの電気的構成を示すブロック図である。尚、各クライアントA,B,C,Y,Zは、いずれも同じコンピューターで構成されているので、クライアントAの電気的構成だけを図示し、他の各クライアントB,C,Y,Zについての電気的構成の図示は省略する。
【0058】
メールサーバーSには、中央演算装置であるCPU(Central Processing Unit)2と、CPU2により実行されるプログラムや固定値データを記憶するROM(Read Only Memory )3と、CPU2により実行される各処理に必要なデータを一時的に記憶するRAM(Rndom Access Memory)4と、書き替え可能な不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)5と、書き換え可能なROMであるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory )6と、LANケーブルKを介して各クライアントA等との通信を行うI/F(interface )7と、時計専用のチップであるRTC(Real Time Clock )8とを備えている。尚、RTC8には、電源が切られている間も起動できるように電池9が接続されている。
【0059】
また、HDD5には、電子メール制御プログラム5aと、承認依頼電子メール管理プログラム5bとが記憶されており、電子メール記憶領域5cが記憶領域として割り当てられている。電子メール制御プログラム5aは、図9(a)のフローチャートに示す電子メール受信処理や図9(b)のフローチャートに示す電子メール送信処理を実行するためのプログラムであり、各クライアントA等からの要求に応じて送信される電子メールを受信したり、各クライアントA等からの要求に応じて各クライアントAに電子メール送信したりするプログラムである。
【0060】
承認依頼電子メール管理プログラム5bは、図10のフローチャートに示す承認依頼電子メール管理処理や図11のフローチャートに示すチェック処理を実行するためのプログラムであり、各クライアントA等の内のいずれかのクライアントから承認を依頼する承認依頼電子メールが送信された場合に、その承認依頼電子メールを管理するためのプログラムである。
【0061】
電子メール記憶領域5cは、各クライアントA等から送信される電子メール等を記憶する領域である。この電子メール記憶領域5cに記憶されている電子メールは、その電子メールの宛先のクライアントに送信される。
【0062】
また、EEPROM6には、承認情報テーブルメモリ6bと、承認待ち情報テーブルメモリ6cとが記憶領域として割当てられている。承認情報テーブルメモリ6bは、図3(b)に示す承認情報テーブルAを記憶する領域である。承認情報テーブルAは、複数の承認依頼電子メールがあった場合にも対応できるように各承認依頼電子メール毎に作成され、各承認依頼電子メールに基づいて情報を記憶する。承認情報テーブルAには、図3(b)に示すように、図中左欄上方から順番に、承認依頼電子メールID欄10と、送信者欄11と、承認期限欄12と、承認順序欄13とが備えられている。
【0063】
承認依頼電子メールID欄10には、各承認依頼電子メールを識別するために各承認依頼電子メール毎に割当てられるメールIDが記憶される。送信者欄11には、承認依頼電子メールを送信したクライアントを識別する識別情報として、そのクライアントに割当てられているメールアドレスが記憶される。承認期限欄12には、承認依頼電子メールにおいて指示されている最終承認期限が記憶される。承認順序欄13には、承認依頼電子メールにおいて指示されている承認順番に従って、上方から順番に承認を依頼されている承認側クライアントのメールアドレスが記憶される。
【0064】
また、承認順序欄13に記憶される各承認側クライアント毎に、図中左側から順番に送信日欄13aと、承認期限欄13bと、承認日欄13cと、承認結果欄13dとが備えられている。送信日欄13aには、各承認側クライアントに承認を依頼した日付が記憶される。承認期限欄13bには、各承認側クライアントに対して設定される承認期限が記憶される。承認日欄13cには、各承認側クライアントから送信される承認結果を報告する承認結果電子メールを受信した日付が記憶される。承認結果欄13dには、各承認側クライアントの承認結果が記憶される。
【0065】
図2に戻り説明を続ける。承認待ち情報テーブルメモリ6cは、図3(c)に示す承認待ち情報テーブルBを記憶する領域である。承認待ちテーブルBは、承認側クライアントのうち承認結果電子メールを送信しなければいけない順番であるにもかかわらず、依然として承認結果電子メールを未送信である未承認クライアントに関する情報を記憶する。承認待ち情報テーブルBには、図3(c)に示すように、図中上段欄左側から順番に承認者欄15と、承認依頼電子メールID欄16と、承認可能情報欄17とを備えている。
【0066】
承認者欄15には、未承認クライアントを識別する識別情報として、その未承認クライアントのメールアドレスが記憶される。承認依頼電子メールID欄16は、承認者欄15に記憶されている未承認クライアントのメールアドレスに対応つけて、その未承認クライアントがいずれの承認依頼電子メールに対して未承認であるかを示すために承認依頼電子メールのメールIDが記憶される。承認可能情報欄17は、承認者欄15に記憶されている未承認クライアントのメールアドレスに対応つけて、その未承認クライアントに関する状況、即ち、その未承認クライアントが承認依頼電子メールに対して承認可能な状況か否か(承認結果電子メールを送信できる状況にあるか否か)を示す情報が記憶される。
【0067】
再び、図2に戻り説明を続ける。クライアントAは、CPU20と、ROM21と、RAM22と、HDD23と、I/F25と、RTC26とを備えている。更に、HDD23には、電子メールを作成したり、電子メールを送受信するプログラムとして電子メール制御プログラム23aが記憶されており、受信した電子メールを記憶する電子メール記憶領域23bが記憶領域として割当てられている。
【0068】
次に、図3乃至図8を参照して、クライアントZから承認依頼電子メールが送信された場合に、上述した承認情報テーブルAと、承認待ち情報テーブルBとに記憶される情報について説明する。
【0069】
まず、図3(a)を参照してクライアントZから送信される承認依頼電子メールについて説明する。図3(a)はクライアントZから送信された承認依頼電子メールを模式的に示す図である。承認依頼電子メールには、ヘッダ情報欄30と、承認情報欄31とが備えられている。
【0070】
ヘッダ情報欄30には、宛先欄30aと、送信者欄30bと、件名欄30cと、電子メールID欄30dと、日付欄30eとが備えられている。宛先欄30aには、承認依頼電子メールの送信先のメールアドレス、即ち、メールサーバーSのメールアドレスが記憶されている。(尚、図中メールサーバーSアドレスとは、このメールサーバーSのメールアドレスを意味するものとする)。
【0071】
送信者欄30bには、承認依頼電子メールを送信したクライアントのメールアドレス、即ち、クライアントZのメールアドレスが記憶されている。(尚、図中クライアントZアドレスとは、このクライアントZのメールアドレスを意味するものとし、以下、各クライアントのメールアドレスは図中では同様に図示する)。
【0072】
件名欄30cには、電子メールの題名が記憶され、本実施例では「承認依頼」の文字が記憶されている。電子メールID欄30dには、各電子メールを識別する識別情報が記憶され、本実施例では、クライアントZが送信した承認依頼電子メールを識別する識別情報として「100」が記憶されている。日付欄30eには、電子メールを送信した日付が記憶され、「12月1日」という日付が記憶されている。
【0073】
承認情報欄31には、本文欄31aと、承認順序欄31bと、承認期限欄31cとが備えられている。本文欄31aには、送信者から受信者に伝えたい内容が記載され、本実施例では「下記の件に関し、承認願います。記・・・・」という承認を依頼する内容が記憶されている。承認順序欄31bには、承認側クライアントのメールアドレスが、上方から承認順番順に並べて記憶され、本実施例では、承認者側クライアントA、承認者側クライアントB、承認側クライアントCの順番で、各承認側クライアントA,B,Cのメールアドレスが記憶されている。承認期限欄31cには、最終の承認期限が記憶され、本実施例では、承認順番が最後の承認側クライアントCの承認期限として「12月7日」が記憶されている。
【0074】
次に、図3(b)を参照しながら、図3(a)で説明した承認依頼電子メールを受信した場合に、承認情報テーブルAに記憶する情報について説明する。図3(b)は第1状態における承認情報テーブルAを模式的に示す図である。
【0075】
図3(a)で説明したクライアントZから送信された承認依頼電子メールを受信した場合、承認依頼電子メールID欄10には、承認依頼電子メールの電子メールID欄30dに記憶されている情報に基づいて「100」が記憶される。送信者欄11には、承認依頼電子メールの送信者欄30bに記憶されている情報に基づいてクライアントZのメールアドレスが記憶される。承認期限欄12には、承認依頼電子メールの承認期限欄31cに記憶されている情報に基づいて「12/07」が記憶される。
【0076】
承認順序欄13には、承認依頼電子メールの承認順序欄31bに記憶されている情報に基づいて、上段から順番にクライアントAのメールアドレス、クライアントBのメールアドレス、クライアントCのメールアドレスが記憶される。また、承認順番が第1番目のクライアントAのメールアドレスに対応つけて、送信日欄13aには、承認依頼電子メールの受信直後にクライアントAに承認を依頼する電子メールを送信したとして、承認依頼電子メールの日付欄30eに記憶されている情報に基づいて「12/01」が記憶され、承認期限欄13bには、クライアントAに対する承認期限として「12/03」が記憶される。
【0077】
このクライアントAに対する承認期限である「12/03」は、クライアントAに承認を依頼する電子メールを送信した日付を12/01とした上で、承認側クライアントがクライアントA,B,Cの3者、最終承認期限が12月7日であることに基いて、承認者1人当たりの承認期限(2日間)から12月3日として算出される。
【0078】
次に、図12を参照してメールサーバーSからクライアントAへ送信された承認電子メールについて説明する。図12はクライアントAへ送信された承認電子メールを模式的に示す図である。承認電子メールには、ヘッダ情報欄120と、承認情報欄121とが備えられている。
【0079】
ヘッダ情報欄120には、宛先欄120aと、送信者欄120bと、件名欄120cと、電子メールID欄120dと、承認依頼電子メールID欄120eと、日付欄120fとが備えられている。宛先欄120aには、承認電子メールの送信先のメールアドレス、即ち、クライアントAのメールアドレスが記憶されている。送信者欄120bには、承認電子メールをクライアントAへ送信したメールサーバーSのメールアドレスが記憶されている。件名欄120cには、電子メールの題名が記憶され、本実施例では「承認」の文字が記憶されている。電子メールID欄120dには、各電子メールを識別する識別情報が記憶され、本実施例では、メールサーバーSが送信した承認電子メールを識別する識別情報として「PPP」が記憶されている。承認依頼電子メールID欄120eには、図3(a)で説明した承認依頼電子メールのメールID「100」が記憶されている。日付欄120eには、電子メールを送信した日付が記憶され、「12月1日」という日付が記憶されている。
【0080】
承認情報欄121には、本文欄121aと、承認期限欄121bとが備えられている。本文欄121aには、承認依頼電子メールの本文欄31aと同様の内容が記憶されている。承認期限欄121cには、クライアントAに対する承認期限が記憶され、本実施例では、「12月3日」が記憶されている。
【0081】
本承認電子メールを受信したクライアントは、承認期限欄121bに記憶された期限までに、後述する承認結果電子メールを送信することになる。
【0082】
次に、図3(c)、図3(d)を参照しながら、図3(a)で説明した承認依頼電子メールを受信した場合、承認待ち情報テーブルBに記憶する情報について説明する。図3(c)は第1状態における承認待ち情報テーブルBを模式的に示す図であり、図3(d)は第2状態における承認待ち情報テーブルBを模式的に示す図である。
【0083】
具体的には、図3(c)は、図3(a)で説明した承認依頼電子メールを受信する前の承認待ち情報テーブルBの状態を第1状態として図示し、図3(d)は、図3(c)に示す第1状態の承認待ち情報テーブルBにおいて図3(a)で説明した承認依頼電子メールを受信した場合の承認待ち情報テーブルBの状態を第2状態として図示している。
【0084】
図3(c)に示すように、図3(a)で説明した承認依頼電子メールを受信する前には、承認者欄15には、「クライアントYのメールアドレス」、承認依頼電子メールID欄16には「50」、承認可能情報欄17には「不可能」が記憶されている。即ち、この第1状態の承認待ち情報テーブルBから、図3(a)で説明した承認依頼電子メールとは異なるメールID「50」によって特定される承認依頼電子メールに対してクライアントYは承認結果電子メールを送信しておらず、更に、クライアントYは、現在、承認不可能な状況であることを把握することができる。
【0085】
そして、この第1状態の承認待ち情報テーブルBにおいて、図3(a)で説明した承認依頼電子メールを受信した場合には、図3(b)に示す承認情報テーブルAに基づいて、図3(d)に示すように、承認者欄15には、承認情報テーブルAの承認順序欄13に記憶されている情報に基づいて、承認順番が第1番目の「クライアントAのメールアドレス」が記憶される。また、承認依頼電子メールID欄16には、承認情報テーブルAの承認依頼電子メールID10に記憶されている情報に基づいて「100」が記憶され、承認可能情報欄17には初期値として「不可能」が記憶される。
【0086】
即ち、第2状態の承認待ち情報テーブルBから、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対してクライアントAは承認結果電子メールを送信しておらず、更に、クライアントAは、現在、承認不可能な状況であることを把握することができる。
【0087】
次に、図4を参照して、クライアントZからの承認依頼をうけて、メールサーバーSから承認電子メールを受信した承認順番が第1番目のクライアントAから送信された承認結果電子メールを受信した場合について説明する。
【0088】
まず、図4(a)を参照して、クライアントAから送信された承認結果電子メールについて説明する。図4(a)はクライアントAから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図である。承認結果電子メールには、ヘッダ情報欄40と、承認情報欄41とが備えられている。
【0089】
ヘッダ情報欄40には、宛先欄40aと、送信者欄40bと、件名欄40cと、電子メールID欄40dと、承認依頼電子メールID欄40eと、日付欄40fとが備えられている。宛先欄40aには、承認結果電子メールの送信先のメールアドレス、即ち、メールサーバーSのメールアドレスが記憶されている。送信者欄40bには、承認結果電子メールを送信したクライアントのメールアドレス、即ち、クライアントAのメールアドレスが記憶されている。件名欄40cには、電子メールの題名が記憶され、本実施例では「承認結果」の文字が記憶されている。電子メールID欄40dには、各電子メールを識別する識別情報が記憶され、本実施例では、クライアントAが送信した承認結果電子メールを識別する識別情報として「XXX」が記憶されている。承認依頼電子メールID欄40eには、図12で説明した承認電子メールの承認依頼電子メールID「100」が記憶されており、この承認依頼電子メールID欄40eにより、本承認結果電子メールがいずれの承認依頼電子メールに対する承認結果であるかを特定することが可能となる。日付欄40fには、電子メールを送信した日付が記憶され、「12月2日」という日付が記憶されている。
【0090】
承認情報欄41には、本文欄41aが備えられている。本文欄41aには、承認結果電子メールに対する承認結果が記憶され、本実施例では「承認します。」と記憶されている。
【0091】
次に、図4(b)を参照しながら、図4(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認情報テーブルAに記憶する情報について説明する。図4(b)は第2状態における承認情報テーブルAを模式的に示す図である。具体的には、図4(b)は、図3(b)に示す第1状態の承認情報テーブルAに対して、図4(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認情報テーブルAの状態を第2状態として示している。
【0092】
図4(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、図4(b)に示すように、図4(a)に示す承認結果電子メールに記憶されている承認依頼電子メールID40eと同一の承認依頼電子メールIDを持つ図3(b)に示す第1状態の承認情報テーブルAに次の情報が追加して記憶される。具体的には、クライアントAのメールアドレスに対応する承認日欄13cには、承認結果電子メールの日付欄40fに記憶されている情報に基づいて「12/02」が記憶され、承認結果欄13dには承認結果電子メールの本文欄41aに記憶されている情報に基づいて「承認」が記憶される。
【0093】
また、クライアントAの承認結果が「承認」であることをうけて次の承認者であるクライアントBのメールアドレスに対応する送信日欄13aには、承認結果電子メールの受信直後にクライアントBに承認を依頼する電子メールを送信したとして、承認結果電子メールの日付欄40fに記憶されている情報に基づいて「12/02」が記憶され、承認期限欄13bには、クライアントBに対する承認期限として「12/04」が記憶される。
【0094】
尚、このクライアントBに対する承認期限である「12/04」は、クライアントBに承認を依頼する電子メールを送信した日付を12/02とした上で、残りの承認側クライアントがクライアントB,Cの2者、最終承認期限が12月7日であることに基いて、承認者1人当たりの承認期限(2.5日間)から12月4日として算出される。
【0095】
次に、図4(c)を参照しながら、図4(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認待ち情報テーブルBに記憶する情報について説明する。図4(c)は第3状態における承認待ち情報テーブルBを模式的に示す図である。具体的には、図4(c)は、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBにおいて図4(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認待ち情報テーブルBの状態を第3状態として示している。
【0096】
図4(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、更新された図4(b)に示す承認情報テーブルAに基づいて、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBが、図4(c)に示す第3状態に更新される。具体的には、図3(d)に示す承認情報テーブルBに記憶されている情報のうち、図4(b)に示す承認情報テーブルAに記憶されている承認依頼電子メールID10と一致する部分である承認者欄15の「クライアントAのメールアドレス」、承認依頼電子メールID欄16の「100」、承認可能情報欄17の「不可能」の情報は削除される。よって承認依頼電子メールに対して承認結果電子メールを送信済のクライアントと未送信のクライアントとを簡単に区別することができる。
【0097】
そして、図4(b)に示す承認情報テーブルAに基づいて、新たに、承認者欄15には、承認情報テーブルAの承認順序欄13に記憶されている承認順序に基づいて、承認順番が第2番目の「クライアントBのメールアドレス」が、承認依頼電子メールID欄16には、承認情報テーブルAの承認依頼電子メールのID欄10に基づいて「100」が、承認可能情報欄17には、「不可能」が記憶される。
【0098】
即ち、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対して、承認順番が第1番目の承認側クライアントAは、承認結果電子メールを送信したので、クライアントAに関する情報は承認待ち情報テーブルBから削除し、承認順番が第2番目のクライアントBに関する情報を記憶する。
【0099】
これにより、第3状態の承認待ち情報テーブルBから、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対してクライアントBは承認結果電子メールを送信しておらず、更に、クライアントBは、現在、承認不可能な状況であることを把握することができる。
【0100】
次に、図5を参照して、クライアントZからの承認依頼をうけて、メールサーバーSから承認電子メールを受信した承認順番が第2番目のクライアントBから送信された承認結果電子メールを受信した場合について説明する。まず、図5(a)を参照して、クライアントBから送信された承認結果電子メールについて説明する。図5(a)はクライアントBから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図である。
【0101】
この承認結果電子メールは、図4(a)で説明した承認結果電子メールと同様に構成されており、ヘッダ情報欄50のうち、宛先欄50aにはメールサーバーSのメールアドレスが、送信者欄50bにはクライアントBのメールアドレスが、件名欄50cには「承認結果」が、電子メールID欄50dには「YYY」が、承認依頼電子メールID欄50eには「100」が、日付欄50fには「12月4日」が記憶されている。また、承認情報欄51のうち、本文欄51aには「承認します。」が記載されている。
【0102】
次に、図5(b)を参照しながら、図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認情報テーブルAに記憶する情報について説明する。図5(b)は第3状態における承認情報テーブルAを模式的に示す図である。具体的には、図5(b)は、図4(b)に示す第2状態の承認情報テーブルAに対して、図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認情報テーブルAの状態を第3状態として示している。
【0103】
図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合、図5(b)に示すように、図5(a)に示す承認結果電子メールに記憶されている承認依頼電子メールID50eと同一の承認依頼電子メールIDを持つ図4(b)に示す第2状態の承認情報テーブルAに次の情報が追加して記憶される。具体的には、クライアントBに対応する承認日欄13cには、承認結果電子メールの日付欄50fに記憶されている情報に基づいて「12/04」が記憶され、承認結果欄13dには承認結果電子メールの本文欄51aに記憶されている情報に基づいて「承認」が記憶される。
【0104】
また、クライアントBの承認結果が「承認」であることをうけて、次の承認者であるクライアントCのメールアドレスに対応する送信日欄13aには、承認結果電子メールの受信直後にクライアントCに承認を依頼する電子メールを送信したとして、承認結果電子メールの日付欄50fに記憶されている情報に基づいて「12/04」が記憶され、承認期限欄13bには、クライアントCに対する承認期限として「12/07」が記憶される。尚、このクライアントCに対する承認期限である「12/07」は、最終承認者であるクライアントCの最終承認期限が12月7日であることに基づいて設定される。
【0105】
次に、図5(c)を参照しながら、図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認待ち情報テーブルBに記憶する情報について説明する。図5(c)は第4状態における承認待ち情報テーブルBを模式的に示す図である。具体的には、図5(c)は、図4(c)に示す第3状態の承認待ち情報テーブルBに対して、図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認待ち情報テーブルBの状態を第4状態として示している。
【0106】
図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、更新された図5(b)に示す承認情報テーブルAに基づいて、図4(c)に示す第3状態の承認待ち情報テーブルBが、図5(c)に示す第4状態に更新される。これは、上述したクライアントAから承認結果電子メールを受信した場合と同様に、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対して、承認順番が第2番目の承認側クライアントBは、承認結果電子メールを送信したので、図4(c)に示す第3状態の承認待ち情報テーブルBに記憶されているクライアントBに関する情報は削除され、新たに、承認順番が第3番目のクライアントCに関する情報が記憶される。
【0107】
具体的には、図5(c)に示すように、承認者欄15には承認順番が第3番目の「クライアントCのメールアドレス」が、承認依頼電子メールID欄16には「100」が、承認可能情報欄17には、「不可能」が記憶される。これにより、第4状態の承認待ち情報テーブルBから、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対してクライアントCは承認結果電子メールを送信しておらず、更に、クライアントCは、現在、承認不可能な状況であることを把握することができる。
【0108】
次に、図6を参照して、クライアントZからの承認依頼をうけて、メールサーバーSから承認電子メールを受信した承認順番が第3番目のクライアントCから送信された承認結果電子メールを受信した場合について説明する。まず、図6(a)を参照して、クライアントCから送信された承認結果電子メールについて説明する。図6(a)はクライアントCから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図である。
【0109】
この承認結果電子メールは、図4(a)、図5(a)で説明した承認結果電子メールと同様に構成されており、ヘッダ情報欄60のうち、宛先欄60aにはメールサーバーSのメールアドレス、送信者欄60bにはクライアントCのメールアドレスが、件名欄60cには「承認結果」が、電子メールID欄60dには「ZZZ」が、承認依頼電子メールID欄60eには「100」が、日付欄60fには「12月6日」が記憶されている。また、承認情報欄61のうち、本文欄61aには「承認します。」が記憶されている。
【0110】
次に、図6(b)を参照しながら、図6(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認情報テーブルAに記憶する情報について説明する。図6(b)は第4状態における承認情報テーブルAを模式的に示す図である。具体的には、図6(b)は、図5(b)に示す第3状態の承認情報テーブルAに対して、図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認情報テーブルAの状態を第4状態として示している。
【0111】
図6(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、クライアントA,Bから送信された承認結果電子メールを受信した場合と同様に、クライアントCに対応する承認日欄13cには、承認結果電子メールの日付欄60fに記憶されている情報に基づいて「12/06」が記憶され、承認結果欄13dには承認結果電子メールの本文欄61aに記憶されている情報に基づいて「承認」が記憶される。
【0112】
次に、図6(c)を参照しながら、図6(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認待ち情報テーブルBに記憶する情報について説明する。図6(c)は第5状態における承認待ち情報テーブルBを模式的に示す図である。具体的には、図6(c)は、図5(c)に示す第4状態の承認待ち情報テーブルBに対して、図6(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認待ち情報テーブルBの状態を第5状態として示している。
【0113】
図6(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、更新された図承認情報テーブルAに基づいて、図6(b)に示す図5(c)に示す第4状態の承認待ち情報テーブルBが、図6(c)に示す第5状態に更新される。これは、上述したクライアントA,Bから送信された承認結果電子メールを受信した場合と同様に、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対して、承認順番が第3番目のクライアントCは、承認結果電子メールを送信したので、図5(c)に示す第4状態の承認待ち情報テーブルBに記憶されているクライアントCに関する情報は削除される。また、次の承認者が存在しないため、承認待ち情報テーブルBには、承認電子メールID「100」に対する新たな情報は記憶されない。
【0114】
よって、この第5状態の承認待ち情報テーブルBから、メールID「100」で特定される図3(a)に示す承認依頼電子メールについては、未承認のクライアントはいないことを把握することができる。
【0115】
次に、図7を参照して、クライアントZからの承認依頼をうけて、メールサーバーSから承認電子メールを受信した承認順番が第1番目のクライアントAから送信された承認結果電子メールを受信し、更に、その承認結果が承認できないことを示す「非承認」であった場合について説明する。即ち、図4ではクライアントAの承認結果が「承認」であったのに対して、図7では「非承認」であった場合について説明する。
【0116】
まず、図7(a)を参照して、承認結果電子メールについて説明する。図7(a)はクライアントAから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図である。
【0117】
図7(a)に示す承認結果電子メールは、承認情報欄71の本文欄71aに承認しない旨を示す「承認できません。」と記載されている点で、図4(a)で説明した承認結果電子メールとは異なり、その他は図4(a)に示す承認結果電子メールと同じ情報が記憶されている。
【0118】
次に、図7(b)を参照しながら、図7(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認情報テーブルAに記憶する情報について説明する。図7(b)は第5状態における承認情報テーブルAを模式的に示す図である。具体的には、図7(b)は、図3(b)に示す第1状態の承認情報テーブルAに対して、図7(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認情報テーブルAの状態を第5状態として示している。
【0119】
図7(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、図3(b)に示す第1状態の承認情報テーブルAに次の情報が追加して記憶される。クライアントAに対応する承認日欄13cに「12/02」、承認結果欄13dに「非承認」が追加される。
【0120】
この承認結果欄13dに「非承認」が記憶されると、第2番目のクライアントBに関する情報は記憶されず、承認依頼電子メールを送信したクライアントZに承認結果を報告する承認結果電子メールが作成され、その承認結果電子メールがクライアントZの要求に応じて送信される。
【0121】
次に、図7(c)を参照しながら、図7(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認待ち情報テーブルBに記憶する情報について説明する。図7(c)は第6状態における承認待ち情報テーブルBを模式的に示す図である。具体的には、図7(c)は、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBに対して、図7(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認待ち情報テーブルBの状態を第6状態として示している。
【0122】
図7(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBが図7(c)に示す第6状態に更新される。具体的には、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対して、第1番目の承認側クライアントAは、承認結果電子メールを送信したので、図3(d)に示す第1状態の承認待ち情報テーブルBに記憶されているクライアントAに関する情報は削除される。
【0123】
また、クライアントAの承認結果が「非承認」であったため、承認順番が第2番目のクライアントBに関する情報は承認待ち情報テーブルBには記憶されない。よって、図7(c)に示す第6状態の承認待ち情報テーブルBから承認依頼電子メールID「100」で特定される承認依頼電子メールについては、未承認のクライアントはいないことが把握することができる。
【0124】
次に、図8(a)を参照して、図4(a)で説明した承認結果電子メールが承認側クライアントAから送信される前に、承認側クライアントAから承認結果電子メール以外の電子メール(例えば、通常の電子メール、承認依頼電子メール、図3(a)で説明した承認依頼電子メール以外の承認依頼電子メールに対する承認結果電子メール)が送信された場合ついて説明する。かかる場合、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBは、図8(a)に示す第7状態における承認情報テーブルのように更新される。
【0125】
具体的には、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBのクライアントAに対応する承認可能情報欄15に記憶されている「不可能」の情報が、図8(a)に示すように「可能」に更新される。
【0126】
即ち、クライアントAから図4(a)で説明した承認結果電子メール以外の電子メールが送信された事によって、クライアントAは、図3(a)で説明した承認依頼電子メール(承認依頼電子メールID「100」)に対して承認結果電子メールを送信可能な状況であると判断し、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBのクライアントAに対応する承認可能情報欄15に記憶されている「不可能」の情報を、図8(a)に示すように「可能」に更新するのである。
【0127】
同様に、図5(a)で説明した承認結果電子メールが承認側クライアントBから送信される前に、又は、図6(a)で説明した承認結果電子メールが承認側クライアントCから送信される前に、承認側クライアントB,Cから承認結果電子メール以外の電子メール(例えば、通常の電子メール、承認依頼電子メール、図3(a)で説明した承認依頼電子メール以外の承認依頼電子メールに対する承認結果電子メール)が送信された場合には、図4(c)に示す第3状態の承認待ち情報テーブルBのクライアントBに対応する承認可能情報欄15に記憶されている「不可能」の情報が、図8(b)に示すように「可能」に更新される。また、図5(c)に示す第4状態の承認待ち情報テーブルBのクライアントCに対応する承認可能情報欄15に記憶されている「不可能」の情報が、図8(c)に示すように「可能」に更新される。
【0128】
図9(a)は電子メール受信処理のフローチャートである。この電子メール受信処理は電子メール制御プログラム5aに従って実行される処理である。まず、いずれかのクライアントから電子メールの受信要求があるか否かを判断する(S9a01)。その結果、いずれかのクライアントから電子メールの受信要求があれば(S9a01:Yes)、そのクライアントから送信される電子メールをLANケーブルKを介して受信し、その受信した電子メールを電子メール記憶領域5cに記憶し(S9a02)、本処理を終了する。一方、いずれのクライアントからも電子メールの受信要求がない場合(S9a01:No)、本処理を終了する。
【0129】
図9(b)は電子メール送信処理のフローチャートである。この電子メール送信処理は電子メール制御プログラム5aに従って実行される処理である。まず、いずれかのクライアントから電子メールの送信要求があるか否かを判断する(S9b01)。その結果、電子メールの送信要求があれば(S9b01:Yes)、その送信要求をしたクライアントのメールアドレスを取得し(S9b02)、送信要求をしたクライアント宛の電子メールが電子メール記憶領域5cに存在するか否かを判断する(S9b03)。
【0130】
その結果、そのクライアントに送信する電子メールが存在すれば(S9b03:Yes)、電子メール記憶領域5cに記憶されている電子メールを送信要求をしたクライアントに送信する(S9b04)。送信完了後、送信した電子メールを電子メール記憶領域5cから削除し(S9b06)、本処理を終了する。
【0131】
一方、いずれのクライアントからも電子メールの送信要求がない場合(S9b01:No)、送信要求をしたクライアントに送信する電子メールが存在しない場合(S9b03:No)、いずれも本処理を終了する。
【0132】
図10は、承認依頼電子メール管理処理のフローチャートである。この承認依頼電子メール管理処理は承認依頼電子メール管理プログラム5bによって実行される処理であり、図9(a)で説明した電子メール受信処理によって電子メール記憶領域5cに電子メールが記憶された後に実行される処理である。
【0133】
まず、電子メール記憶領域5cに記憶されている電子メールを送信したクライアントをメールアドレスにより特定し、その特定したクライアントが、承認待ち情報テーブルBに存在するか否かを判断する(S1001)。具体的には、承認待ち情報テーブルBの承認者欄15に記憶されている承認側クライアントのメールアドレスと、電子メール記憶領域5cに記憶された電子メールを送信したクライアントのメールアドレスとが一致するか否かを判断する。即ち、このS1001によってクライアントから送信される電子メールの受信状況を監視しているのである。
【0134】
その結果、存在していれば(S1001:Yes)、そのクライアントに対応する承認待ち情報テーブルBの承認可能情報欄17を「可能」に更新し(S1002)、存在していない場合には(S1001:No)、S1002の処理はスキップする。つまり、メールサーバーSがクライアントから電子メールを受信したという事は、そのクライアントは電子メールをメールサーバーSに送信できる状況にあり、承認待ち情報テーブルBに記憶されているクライアントは、承認結果電子メールを送信できる状況にあると判断して、承認待ち情報テーブルBの承認可能情報欄17を「可能」に更新するのである。
【0135】
次に、その電子メール記憶領域5cに記憶した電子メールが承認依頼電子メールか否かを判断する(S1003)。その結果、承認依頼電子メールであれば(S1003:Yes)、その承認依頼電子メールに基づいて承認情報テーブルを作成し、その作成した承認情報テーブルを承認情報テーブルメモリ6bに記憶する(S1004)。例えば、図3(a)で説明した承認依頼電子メールが送信された場合には、図3(b)で説明した承認情報テーブルAが作成され承認情報テーブルメモリ6bに記憶される。
【0136】
また、承認依頼電子メールにおいて指定されている承認順番が第1番目のクライアントに関する情報を承認待ち情報テーブルBに記憶する(S1005)。例えば、図3(a)で説明した承認依頼電子メールが送信された場合には、図3(d)で説明した承認待ち情報テーブルBが作成され、承認情報テーブルメモリ6cに記憶される。
【0137】
そして、承認順番が第1番目のクライアント宛に承認を依頼する電子メール、例えば図12で説明した承認電子メールを作成し、その作成した電子メールを電子メール記憶領域5cに記憶し(S1006)、本処理を終了する。尚、この承認を依頼する電子メールは第1番目のクライアントからの送信要求に応じて第1番目のクライアントに送信される。
【0138】
次に、S1003の判断において、承認依頼電子メールでないと判断された場合について説明する。S1003の判断において、承認依頼電子メールでないと判断された場合には(S1003:No)、承認結果電子メールか否かを判断する(S1007)。その結果、承認結果電子メールであれば(S1007:Yes)、その承認結果電子メールに基づいて承認情報テーブルを更新する(S1008)。例えば、図4(a)で説明した承認結果電子メールがクライアントAから送信された場合には、図3(b)で説明した承認情報テーブルAは、図4(b)で説明した承認情報テーブルに更新される。
【0139】
そして、全ての承認側クライアントについて承認が終了したか否かを判断し(S1009)、終了していなければ(S1009:No)、次に、S1008において更新された承認情報テーブルの承認結果欄に記憶されている承認結果が「承認」か否かを判断する(S1010)。その結果、承認結果が「承認」であれば(S1010:Yes)、その承認結果電子メールを送信したクライアントに関する情報を承認待ちテーブルBから削除する(S1011)。また、承認順番が次のクライアントに関する情報を承認待ち情報テーブルBに記憶する(S1012)。例えば、図4(a)で説明した承認結果電子メールがクライアントAから送信された場合には、図3(d)で説明した承認待ち情報テーブルBは、図4(c)で説明した承認待ち情報テーブルに更新される。
【0140】
そして、承認順番が次のクライアント宛に承認を依頼する電子メールを作成し、その作成した電子メールを電子メール記憶領域5cに記憶し(S1013)、本処理を終了する。よって、承認を依頼するクライアントとしては、承認順番を指定すれば、自働的にその指定した承認順番に従って承認を依頼する電子メールを承認側クライアントに送信することができる。
【0141】
一方、S1009の判断において、全ての承認側クライアントの承認が終了していると判断した場合(S1009:Yes)、および、S1010の判断において承認結果が「承認」でない場合、即ち、「非承認」であると判断した場合には(S1010:No)、承認依頼電子メールを送信したクライアント宛に承認結果を報告する承認結果電子メールを作成し、作成した結果報告電子メールを電子メール記憶領域5cに記憶する(S1014)。また、承認結果電子メールに対応する承認情報テーブルを削除するとともに(S1015)、承認結果電子メールを送信したクライアントに関する情報を承認待ち情報テーブルBから削除し(S1016)、本処理を終了する。よって、承認順番が先の承認側クライアントの承認結果が非承認であれば、次の承認側クライアントに承認を依頼する電子メールを送信するのを中止することができる。また、結果報告電子メールを承認依頼電子メールを送信したクライアントが受信することで承認を依頼したクライアントに承認結果を報告することができる。
【0142】
次に、S1007の判断において、承認結果電子メールでないと判断された場合について説明する。S1007の判断において、承認結果電子メールでないと判断された場合には(S1007:No)、その電子メールが承認の中断を依頼する承認中断依頼電子メールか否かを判断する(S1017)。その結果、承認中断依頼電子メールであった場合には(S1017:Yes)、S1014の処理にスキップする。一方、S1017の判断において、承認中断依頼電子メールでないと判断された場合には(S1017:No)、本処理を終了する。
【0143】
図11は、チェック処理のフローチャートである。このチェック処理は承認依頼電子メール管理プログラム5bによって実行される処理である。チェック処理では、まず、承認情報テーブルの承認期間欄において承認期限が超過しているにもかかわらず承認結果電子メールを送信していない未承認クライアントが存在するか否かを判断する(S1101)。その結果、未承認クライアントが存在していれば(S1101:Yes)、その未承認クライアントを抽出する(S1102)。
【0144】
そして、その抽出した未承認クライアントに対応つけて承認待ち情報テーブルBの承認可能情報欄17に記憶されている情報が「可能」か否かを判断する(S1103)。その結果、「可能」であれば(S1103:Yes)、その未承認クライアント宛に承認結果電子メールの送信を要求する督促電子メールを作成し、その作成した督促電子メールを電子メール記憶領域5cに記憶し(S1104)、他の未承認クライアントを検出するためにS1101からの処理を繰り返す。よって、未承認クライアントは、承認結果電子メールを送信できる状況にある可能性が高いにもかかわらず承認結果電子メールが未送信であるため、この督促電子メールを未承認クライアントが受信することで、その未承認クライアントに承認結果を催促することができる。
【0145】
一方、S1103の判断において、承認待ち情報テーブルBの承認可能情報欄が「可能」でない場合、即ち、「不可能」である場合には(S1103:No)、承認依頼電子メールを送信したクライアント宛に未承認クライアントは承認不可能な状況であることを報告する結果報告電子メールを作成し、その作成した結果報告電子メールを電子メール記憶領域5cに記憶し(S1105)、他の未承認クライアントを検出するためにS1101からの処理を繰り返す。よって、未承認クライアントは、承認結果電子メールを送信できない状況にある可能性が高いので、その旨を報告する結果報告電子メールを承認依頼電子メールを送信したクライアントが受信することで、承認結果を待っているクライアントに未承認クライアントの状況を把握させることができる。尚、S1101の判断において、未承認クライアントが存在しない場合には、本処理を終了する。
【0146】
以上説明したように、メールサーバーSによれば、クライアントから送信される電子メール(承認依頼電子メール、承認結果電子メール、承認中断電子メール、通常の電子メール等を含む)の受信状況を監視しているので、所定の承認結果電子メールを送信していない未承認クライアントから所定の承認結果電子メール以外の電子メールを受信した場合、その未承認クライアントの状況として、その未承認クライアントは所定の承認結果電子メールを送信可能な状況であることを把握することができる。
【0147】
一方、未承認クライアントから所定の承認結果電子メール以外の電子メールを受信できない場合、その未承認クライアントの状況として、その未承認クライアントは所定の承認結果電子メールを送信不可能な状況であることを把握することができる。
【0148】
従って、例えば、承認結果電子メールを送信可能な状況であるにもかかわらず、承認結果電子メールを送信していない未承認クライアントにだけ注意を喚起し、承認結果電子メールを送信不可能な状況なクライアントには注意を喚起することなく、承認を依頼したクライアントにその旨を報告する等の未承認クライアントの状況に応じた対応を講ずることができる。
【0149】
上記実施例において、請求項1,11,13記載の受信手段、受信ステップ、受信工程としては図9(a)の電子メール受信処理が該当し、請求項1,11,13記載の送信手段としては図9(b)の電子メール送信処理が該当する。請求項2,12,14記載の第1判断手段、第1判断ステップ、第1判断工程としては、図10のS1003の処理が該当し、請求項2,12,14記載の第1記憶手段、第1記憶ステップ、第1記憶工程としては、図10のS1005、S1012の処理が該当し、請求項2,12,14記載の特定手段、特定ステップ、特定工程としては図10のS1001の処理が該当し、請求項2,12,14記載の第2判断手段、第2判断ステップ、第2判断工程としてはS1001の処理が該当し、請求項2,12,14記載の第2記憶手段、第2記憶ステップ、第2記憶工程としては図10のS1005、S1012の処理が該当し、請求項2,12,14記載の第1更新手段、第1更新ステップ、第1更新工程としては図10のS1002の処理が該当する。
【0150】
請求項3記載の第3判断手段としては図10のS1007の処理が該当し、請求項3記載の削除手段としては図10のS1011の処理が該当する。請求項4記載の第3記憶手段としては図10のS1004の処理が該当する。請求項5記載の作成手段としては図10のS1006の処理が該当し、請求項5記載の第4判断手段としては図10のS1010の処理が該当し、請求項5記載の第4記憶手段としては図10のS1008の処理が該当する。請求項7記載の第5判断手段としては図10のS1009の処理が該当し、請求項7記載の第1報告手段としては図10のS1014の処理が該当する。
【0151】
請求項8記載の検出手段としては図11のS1102の処理が該当し、請求項8記載の第6判断手段としては図11のS1103の処理が該当し、請求項8記載の催促手段としては図11のS1104の処理が該当する。請求項9記載の第2報告手段としては図11のS1105の処理が該当する。請求項10記載の承認期限算出手段としては図10の、S1004、S1008の処理が該当し、請求項10記載の第5記憶手段としては図10のS1004、S1008の処理が該当する。
【0152】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0153】
上記実施例では、承認待ち情報テーブルBに、同一クライアントが複数個記録されていない場合について説明した。しかし、複数の異なる承認電子メールが同一クライアントに対して送信される場合も存在するため、その場合は、承認待ち情報テーブルBには、承認依頼電子メールIDが異なる同一クライントに関する情報が複数個記録されることになる。その状態で、複数個記録されているクライアントから電子メールが送信されると、図10のS1002では、そのクライアントに関する全ての承認可能情報欄を「可能」に変更することとなる。
【0154】
また、図10のS1001においてクライアントから送信された電子メールの受信状況を監視することで各クライアントの状況を把握する場合について説明したが、各クライアントに電子を送信する送信状況を監視することで各クライアントの状況を把握するように構成しても良い。但し、メールサーバーSと各クライアントA等とが常時接続されている場合には、クライアントの要求なしに電子メールをクライアントに送信することが可能であるため、送信状況を監視するよも受信状況を監視することが好ましい。
【0155】
また、上記実施例では、承認期限を超過しているクライアントを未承認クライアントとして検出する場合について説明したが、承認期限間際のクライアントを検出するように構成しても良い。かかる場合には、承認期限内に承認結果電子メールを取得することができる可能がある。
【0156】
また、この場合、承認期限間際の未承認のクライアントが、承認結果電子メールを送信できる状況にないと判断された場合(その未承認クライアントに関する承認待ち情報テーブルBの承認可能情報欄15の情報が「不可能」)に、承認依頼電子メールを送信したクライアントに期限内に承認がなされない可能性が高いことを報告する電子メールを作成し、その作成した電子メールを承認依頼電子メールを送信したクライアントに送信するようにしても良い。
【0157】
かかる場合には、承認依頼電子メールを送信したクライアントが、承認期限内に承認がされない可能性が高い事を把握でき、例えば、その未承認クライアントに、電話、FAX等の手段を使って個別に催促することができる。
【0158】
また、未承認クライアントに督促電子メールを送信するのに加えて、承認依頼電子メールを送信したクライアント宛に承認期限内に承認が行われなかったことや、未承認クライアントに督促電子メールを送信する旨の報告をする電子メールを作成し、その作成した電子メールを承認依頼をしたクライアントに送信するようにしても良い。かかる場合には、承認依頼をしたクライアントが承認状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】電子メールシステムの外観図である。
【図2】メールサーバーSとクライアントA,B,C,Y,Zとの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】(a)はクライアントZから送信された承認依頼電子メールを模式的に示す図であり、(b)は第1状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(c)第1状態における承認待ちテーブルを模式的に示す図であり、(d)第2状態における承認待ちテーブルを模式的に示す図である。
【図4】(a)はクライアントAから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図であり、(b)は第2状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(c)第3状態における承認待ちテーブルを模式的に示す図である。
【図5】(a)はクライアントBから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図であり、(b)は第2状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(c)第4状態における承認待ちテーブルを模式的に示す図である。
【図6】(a)はクライアントCから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図であり、(b)は第3状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(c)第5状態における承認待ちテーブルを模式的に示す図である。
【図7】(a)はクライアントAから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図であり、(b)は第4状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(c)第6状態における承認待ちテーブルを模式的に示す図である。
【図8】(a)は第7状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(b)は第7状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(c)は第8状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(d)は第9状態における承認情報テーブルを模式的に示す図である。
【図9】(a)は電子メール受信処理のフローチャートである。(b)は電子メール送信処理のフローチャートである。
【図10】承認依頼電子メール管理処理のフローチャートである。
【図11】チェック処理のフローチャートである。
【図12】クライアントAに送信した承認電子メールを模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0160】
5b 承認依頼電子メール管理プログラム(電子メール制御プログラム)
6b 承認情報テーブルメモリ(第3,4,5記憶手段)
6c 承認待ち情報テーブルメモリ(第1,第2記憶手段)
13 承認順序欄(第3記憶手段)
13b 承認期限欄(第5記憶手段)
13d 承認結果欄(第4記憶手段)
15 承認者欄(第1記憶手段)
17 承認可能情報欄(第2記憶手段)
S メールサーバー(電子メール制御装置)
A,B,C,Y,Z クライアント
K LANケーブル(通信手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、承認を依頼されているクライアントの状況を正確に把握することができる電子メール制御装置、電子メール制御プログラムおよび電子メール制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のクライアントとメールサーバーとを通信手段を介して接続して構成される電子メールシステムを利用した承認方式が知られている。この承認方式は、一のクライアントから他のクライアントに対して承認を要求する承認依頼電子メールをメールサーバーに送信する。承認依頼電子メールを受信したメールサーバーは、承認依頼電子メールにおいて指示されている承認順番に従って承認を依頼されている承認側クライアントに承認依頼電子メールを送信する。承認依頼電子メールを受信した承認側クライアントは、承認結果を報告する承認結果電子メールをメールサーバーに送信する。
【0003】
メールサーバーは承認結果電子メールを受信したことをうけて承認結果を検出する。その結果、承認結果が承認であれば次の承認側クライアントに承認依頼電子メールを送信したり、全ての承認側クライアントの承認結果が承認であれば、その承認結果を承認を依頼した一のクライアントに送信したり、承認結果が非承認であれば次の承認側クライアントに承認依頼電子メールを送信せずに、その承認結果を承認を依頼した一のクライアントに送信したり、更に、各承認側クライアントに対する承認期限を設定し、その承認期限をオーバーしても承認結果電子メールを送信しない未承認の承認側クライアントに対して承認結果を報告するように催促を促す督促電子メールを送信したりしていた。
【0004】
しかし、未承認の承認側クライアントのなかには、休暇中であったり出張中であったり等の何等かの理由で承認結果電子メールを送信できない状況にある承認側クライアントも存在するので、承認期限をオーバーしているからといって、一律に督促電子メールを送信することは得策ではなかった。即ち、従来の承認方式では、承認側クライアントの状況を把握することなく承認依頼電子メールに対する管理を行っていた。
【0005】
一方、次の特許文献1には、承認側クライアントが承認結果電子メールを送信できる状況にあるか否かを把握することができるように、メールサーバーに承認側クライアントのスケジュールを登録する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平9−81650号公報(図1、第0012段落等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術では、予め、承認側クライアントが自己のスケジュールをメールサーバーに登録する必要があるので、スケジュールを登録する作業が手間であるという問題点があった。
【0007】
また、たとえスケジュールを登録したとしても承認側クライアントが登録したスケジュール通りに行動する保証はなく、依然として承認側クライアントの状況を正確に把握することができないという問題点があった。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、承認を依頼されている承認側クライアントの状況を正確に把握することができる電子メール制御装置、電子メール制御プログラムおよび電子メール制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、請求項1記載の電子メール制御装置は、複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した電子メールを前記通信手段を介して宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信する送信手段とを備えたものであって、前記受信手段による電子メールの受信状況または前記送信手段による電子メールの送信状況を監視する監視手段と、前記監視手段によって監視されている前記受信状況または前記送信状況に基づいて前記各クライアントの状況を把握する把握手段とを備えている。
【0010】
請求項2記載の電子メール制御装置は、請求項1記載の電子メール制御装置において、前記監視手段は、前記受信手段によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断する第1判断手段と、前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を記憶する第1記憶手段と、前記受信手段によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定する特定手段と、前記特定手段によって特定されたクライアントが、前記第1記憶手段に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを判断する第2判断手段とを備え、前記把握手段は、前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記第1記憶手段に記憶される識別情報に対応つけて、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を記憶する第2記憶手段と、前記第2判断手段によって前記第1記憶手段に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断された場合に、前記第2記憶手段に記憶されている状況情報を、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に更新する第1更新手段とを備えている。
【0011】
請求項3記載の電子メール制御装置は、請求項2記載の電子メール制御装置において、前記承認側クライアントに承認を依頼したことをうけて、前記受信手段によって受信した電子メールが前記承認側クライアントから送信された承認結果を報告する承認結果電子メールか否かを判断する第3判断手段と、前記第3判断手段によって前記承認結果電子メールであると判断された場合に、前記第1記憶手段に記憶されている前記承認結果電子メールを送信した承認側クライアントを識別する識別情報と、前記識別情報に対応つけて前記第2記憶手段に記憶されている状況情報とを削除する削除手段とを備えている。
【0012】
請求項4記載の電子メール制御装置は、請求項2又は3に記載の電子メール制御装置において、前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合であって、前記承認依頼電子メールにおいて複数の承認側クライアントに対する承認順番が指示されている場合に、前記各承認側クライアントに対応つけて承認順番を記憶する第3記憶手段と、前記第3記憶手段に記憶されている承認順番で各承認側クライアントに承認を依頼するように制御する承認順番制御手段とを備えている。
【0013】
請求項5記載の電子メール制御装置は、請求項4に記載の電子メール制御装置において、前記承認順番制御手段は、前記第3記憶手段に記憶されている承認順番に従って承認順番が第1番目の承認側クライアントから順番に承認を依頼する電子メールを作成する作成手段と、前記作成手段によって作成された電子メールを承認順番が所定番目の承認側クライアント宛に送信したことをうけて、前記承認順番が所定番目の承認側クライアントから前記承認結果電子メールを受信したことが前記第3判断手段によって判断された場合に、前記承認結果が承認であるか否かを判断する第4判断手段と、前記第4判断手段によって承認結果が承認であると判断された場合に、前記承認順番が所定番目の承認側クライアントに対応つけて承認結果を記憶する第4記憶手段とを備え、前記作成手段は、前記第4判断手段によって承認結果が承認であると判断された場合に、承認順番が次の承認側クライアント宛に承認を依頼する電子メールを作成する。
【0014】
請求項6記載の電子メール制御装置は、請求項5に記載の電子メール制御装置において、前記第1記憶手段には、前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記第3記憶手段に記憶されている承認順番に従って承認順番が第1番目の承認側クライアントを識別する識別情報から順番に各承認側クライアントを識別する識別情報が記憶される。
【0015】
請求項7記載の電子メール制御装置は、請求項6に記載の電子メール制御装置において、全ての承認側クライアントから前記承認結果電子メールを受信したか否かを判断する第5判断手段と、前記第5判断手段によって全ての承認側クライアントから前記承認結果電子メールを受信したと判断された場合、または、前記第4判断手段によって承認結果が非承認であると判断された場合に、前記承認依頼電子メールによって承認を依頼したクライアント宛に承認結果を報告する承認結果報告電子メールを作成する第1報告手段とを備えている。
【0016】
請求項8記載の電子メール制御装置は、請求項3から7のいずれかに記載の電子メール制御装置において、前記第3判断手段の判断結果に基いて、前記承認結果電子メールを未送信である承認側クライアントを検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された承認側クライアントを識別する識別情報に対応つけて前記第2記憶手段に記憶されている状況情報が、前記第1更新手段によって更新されているか否かを判断する第6判断手段と、前記第6判断手段によって更新済であると判断された場合に、前記検出手段によって検出された承認側クライアント宛に、前記承認依頼電子メールに対する承認を催促する催促電子メールを作成する催促手段とを備えている。
【0017】
請求項9記載の電子メール制御装置は、請求項8に記載の電子メール制御装置において、前記第6判断手段によって未更新であると判断された場合に、前記承認依頼電子メールによって承認を依頼したクライアント宛に、前記検出手段によって検出された承認側クライアントは承認不可能な状況であることを報告する報告電子メールを作成する第2報告手段を備えている。
【0018】
請求項10記載の電子メール制御装置は、請求項8又は9に記載の電子メール制御装置において、前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合であって、前記承認依頼電子メールにおいて最終の承認側クライアントに対する承認期限が指示がされている場合に、各承認側クライアントの承認期限を算出する承認期限算出手段と、前記承認期限算出手段によって算出された各承認側クライアントに対する承認期限を、各承認側クライアントに対応つけて記憶する第5記憶手段とを備え、前記検出手段は、前記第5記憶手段に記憶されている承認期限を基準とした所定期間内に前記承認結果電子メールを未送信である承認側クライアントを検出する。
【0019】
請求項11記載の電子メール制御プログラムは、複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールを受信させる受信ステップと、前記受信ステップによって受信した電子メールを前記通信手段を介して宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信させる送信ステップとを備えたものであって、前記受信ステップによる電子メールの受信状況または前記送信ステップによる電子メールの送信状況を監視させる監視ステップと、前記監視ステップによって監視させている前記受信状況または前記送信状況に基づいて前記各クライアントの状況を把握させる把握ステップとを備えている。
【0020】
請求項12記載の電子メール制御プログラムは、請求項11記載の電子メール制御プログラムにおいて、前記監視ステップは、前記受信ステップによって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断させる第1判断ステップと、前記第1判断ステップが前記承認依頼電子メールであると判断した場合に、前記承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を記憶させる第1記憶ステップと、前記受信ステップによって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定させる特定ステップと、前記特定ステップによって特定されたクライアントが、前記第1記憶ステップによって記憶された識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを判断させる第2判断ステップとを備え、前記把握ステップは、前記第1判断ステップが前記承認依頼電子メールであると判断した場合に、前記第1記憶ステップによって記憶された識別情報に対応つけて、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を記憶させる第2記憶ステップと、前記第2判断ステップが前記第1記憶ステップによって記憶された識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断した場合に、前記第2記憶ステップによって記憶された状況情報を、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に更新させる第1更新ステップとを備えている。
【0021】
請求項13記載の電子メール制御方法は、複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールを受信する受信工程と、前記受信工程によって受信した電子メールを前記通信手段を介して宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信する送信工程とを備えたものであって、前記受信工程による電子メールの受信状況または前記送信工程による電子メールの送信状況を監視する監視工程と、前記監視工程によって監視されている前記受信状況または前記送信状況に基づいて前記各クライアントの状況を把握する把握工程とを備えている。
【0022】
請求項14記載の電子メール制御方法は、請求項13記載の電子メール制御方法において、前記監視工程は、前記受信工程によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断する第1判断工程と、前記第1判断工程によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を記憶する第1記憶工程と、前記受信工程によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定する特定工程と、前記特定工程によって特定されたクライアントが、前記第1記憶工程に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを判断する第2判断工程とを備え、前記把握工程は、前記第1判断工程によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記第1記憶工程に記憶される識別情報に対応つけて、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を記憶する第2記憶工程と、前記第2判断工程によって前記第1記憶工程に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断された場合に、前記第2記憶工程に記憶されている状況情報を、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に更新する第1更新工程とを備えている。
【発明の効果】
【0023】
請求項1記載の電子メール制御装置によれば、複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールは受信手段によって受信される。また、受信手段によって受信した電子メールは、その電子メールにおいて宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信手段によって送信される。この受信手段による電子メールの受信状況または送信手段による電子メールの送信状況は監視手段によって監視されている。そして、各クライアントの状況は、この監視手段によって監視されている受信状況または送信状況に基づいて把握手段によって把握される。
【0024】
例えば、一のクライアントから他のクライアント宛に電子メールが送信されると、その電子メールは受信手段によって受信される。ここで、監視手段が受信手段による受信状況を監視しているとした場合、この受信状況に基づいて、一のクライアントは電子メールを送信できる状況にあり、一のクライアントは電子メールを利用できる状況にある可能性が高いと推測することができる。逆に、一のクライアントから電子メールが送信されない場合には、当然に受信手段によって電子メールは受信されないので、この受信状況に基づいて、一のクライアントは電子メールを送信できる状況になく、一のクライアントは電子メールを利用できる状況にない可能性が高いと推測することができる。このように受信状況に基づいて一のクライアントの状況を正確に把握することができるという効果がある。
【0025】
一方、監視手段が送信手段による送信状況を監視しているとし、送信手段によって他のクライアントに電子メールを送信した場合、この送信状況に基づいて、他のクライアントは電子メールを受信できる状況にあり、他のクライアントは電子メールを利用できる状況にある可能性が高いと推測することができる。逆に、他のクライアントに電子メールが送信されない場合には、この送信状況に基づいて、他のクライアントは電子メールを受信できる状況になく、他のクライアントは電子メールを利用できる状況にない可能性が高いと推測することができる。このように送信状況に基づいて他のクライアントの状況を正確に把握することができるという効果がある。
【0026】
請求項2記載の電子メール制御装置によれば、請求項1記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、受信手段によって受信された電子メールは、第1判断手段によって複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かが判断される。その結果、承認依頼電子メールであると判断された場合には、その承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報が第1記憶手段に記憶される。また、この識別情報に対応つけて、この識別情報によって識別される承認側クライアントは承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報が第2記憶手段に記憶される。
【0027】
一方、受信手段によって受信された電子メールは、複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかが特定手段によって特定される。そして、その特定手段によって特定されたクライアントが、前記第1記憶手段に記憶した識別情報によって識別される承認側クライアントか否かが第2判断手段によって判断される。その結果、前記第1記憶手段に記憶した識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断された場合には、前記第2記憶手段に記憶した状況情報は、承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に第1更新手段によって更新される。よって、この第2記憶手段に記憶されている状況情報を確認することで複数のクライアントの内、特に、承認側クライアントについて、その承認側クライアントが承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であるか否かを把握することができるという効果がある。
【0028】
また、特定手段は、送信手段によって電子メールを送信する送信先のクライアントを特定するのではなく、受信手段によって受信した電子メールを送信したクライアントを特定している。即ち、送信手段による電子メールの送信状況ではなく、受信手段による電子メールの受信状況を監視している。通常、受信手段は電子メールを送信するクライアントからの要求を受けて電子メールを受信し、送信手段は電子メールを受信するクライアントからの要求を受けて電子メールを送信するものである。
【0029】
しかし、電子メールを受信するクライアントとの間で常時通信可能な環境下では、電子メールを受信するクライアントからの要求がない場合であても電子メールを自働送信することも可能である。よって、送信手段による電子メールの送信状況ではなく、受信手段による電子メールの受信状況を監視し、その受信状況に基づいてクライアントの状況を判断することで、より正確にクライアントの状況を把握することができるという効果がある。
【0030】
請求項3記載の電子メール制御装置によれば、請求項2記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、第3判断手段によって、受信手段によって受信した電子メールが承認結果電子メールであると判断された場合には、第1記憶手段に記憶されている識別情報と、前記第2記憶手段に記憶されている状況情報とが削除手段によって削除されるので、承認依頼電子メールに対して承認結果電子メールを送信済のクライアントと未送信のクライアントとを簡単に区別することができるという効果がある。
【0031】
請求項4記載の電子メール制御装置によれば、請求項2又は3に記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、承認依頼電子メールにおいて複数の承認側クライアントに対する承認順番が指示されている場合には、指示されている承認順番に沿って各承認側クライアントに承認が依頼されるように制御されるので、承認を依頼するクライアントとしては、承認順番を指定すれば、自働的にその指定した承認順番に従って承認を依頼する電子メールを承認側クライアントに送信することができるという効果がある。
【0032】
請求項5記載の電子メール制御装置によれば、請求項4に記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、承認依頼電子メールにおいて複数の承認側クライアントに対する承認順番が指示がされている場合には、第3記憶手段に記憶されている承認順番に従って承認順番が第1番目の承認側クライアントから順番に承認を依頼する電子メールが作成される。そして、承認順番が所定番目の承認側クライアント宛に承認依頼電子メールを送信したのをうけて、その所定番目の承認側クライアントから承認結果電子メールを受信したことが第3判断手段によって判断され、更に、第4判断手段によって承認結果が承認であると判断された場合に、承認順番が次の承認側クライアント宛に承認を依頼する電子メールが作成される。
【0033】
よって、先の承認側クライアントの承認結果が承認であれば、指定された承認順番に従って承認を依頼する電子メールを承認側クライアントに順番に送信することができるという効果がある。逆に言えば、先の承認側クライアントの承認結果が非承認であれば、次の承認側クライアントに承認を依頼する電子メールを送信するのを中止することができるという効果がある。更に、第4判断手段による判断結果は各承認側クライアントに対応つけて第4記憶手段に記憶されるので、各承認側クライアントの承認結果を把握することができるという効果がある。
【0034】
請求項6記載の電子メール制御装置によれば、請求項5に記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、第1判断手段によって承認依頼電子メールであると判断された場合、第1記憶手段には、第3記憶手段に記憶されている承認順番に従って承認順番が第1番目の承認側クライアントを識別する識別情報から順番に記憶されるので、複数の承認側クライアントが存在する場合であっても、現在、承認を依頼している承認側クライアントを特定することができるという効果がある。
【0035】
請求項7記載の電子メール制御装置によれば、請求項6に記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、第5判断手段によって全ての承認側クライアントから承認結果電子メールを受信したと判断された場合、または、第4判断手段によって承認結果が非承認であると判断された場合には、第1報告手段によって承認依頼電子メールによって承認を依頼したクライアント宛に承認結果を報告する承認結果報告電子メールが作成されるので、この承認結果報告電子メールを承認を依頼したクライアントが受信することで承認を依頼したクライアントに承認結果を報告することができるという効果がある。
【0036】
請求項8記載の電子メール制御装置によれば、請求項3から7のいずれかに記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、第6判断手段によって状況情報が更新済であると判断された場合、換言すれば、未承認の承認側クライアントが承認依頼電子メールに対して承認可能な状況である可能性が高いと判断された場合には、催促手段によって、その未承認の承認側クライアントに承認依頼電子メールに対する承認を催促する催促電子メールが作成される。つまり、この未承認の承認側クライアントは、承認結果電子メールを送信できる状況にある可能性が高いにもかかわらず承認結果電子メールが未送信であるため、この催促電子メールを未承認クライアントが受信することで、その未承認の承認側クライアントに承認結果を催促することができるという効果がある。
【0037】
請求項9記載の電子メール制御装置によれば、請求項8に記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、第6判断手段によって状況情報が未更新であると判断された場合、換言すれば、未承認の承認側クライアントが承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況である可能性が高いと判断された場合には、第2報告手段によって、承認依頼電子メールによって承認を依頼したクライアントに、未承認である承認側クライアントが承認不可能な状況であることを報告する報告電子メールが作成される。つまり、この未承認の承認側クライアントは、承認結果電子メールを送信できない状況にある可能性が高いので、その旨を報告する報告電子メールを承認を依頼したクライアントが受信することで、承認結果を待っているクライアントに未承認である承認側クライアントの状況を把握させることができるという効果がある。
【0038】
請求項10記載の電子メール制御装置によれば、請求項8又は9に記載の電子メール制御装置の奏する効果に加え、第1判断手段によって承認依頼電子メールであると判断された場合であって、承認依頼電子メールにおいて最終の承認側クライアントに対する承認期限が指示がされている場合には、承認期限算出手段によって各承認側クライアントの承認期限が算出される。
【0039】
例えば、承認者が3人、最終承認期限が9日間に指定されていた場合、各承認側クライアントの承認期限を1人当たり3日間として算出することができる。よって、承認を依頼するクライアントとっては最終承認期限さえ指定すればよく、各承認者に対する承認期限を指定しなければいけないとする手間を省くことができるという効果がある。
【0040】
また、別の方法として、まずは、承認者1人当たりの承認期限が3日間として算出し、承認順番が第1番目の承認者に承認期限を3日間として承認依頼電子メールを送信する。その結果、第1番目の承認者から承認結果電子メールが1日後に送信された場合には、第2番目の承認者の承認期限を4日間として算出し、逆に、第1番目の承認者から承認結果電子メールが5日後に送信された場合には、第2番目の承認者の承認期限を2日間として算出することができる。このように、先の承認者からの承認結果電子メールの送信状況に応じて以後の承認者に対する承認期限を調節することができるという効果がある。
【0041】
また、検出手段は、各承認側クライアントに対応つけて記憶されている承認期限を基準とした所定期間内に前記承認結果電子メールを未送信である承認側クライアントを検出するので、例えば、承認期限を超過している承認側クライアントを検出したり、承認期限は超過していないものの承認期限間近の承認側クライアントを検出したりすることができるという効果がある。
【0042】
請求項11記載の電子メール制御プログラムによれば、複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールは受信ステップにおいて受信される。また、受信ステップにおいて受信した電子メールは、その電子メールにおいて宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信ステップにおいて送信される。この受信ステップにおいて受信した電子メールの受信状況または送信手段において送信した電子メールの送信状況は監視ステップにおいて監視されている。そして、各クライアントの状況は、この監視ステップにおいて監視されている受信状況または送信状況に基づいて把握ステップにおいて把握される。
【0043】
例えば、一のクライアントから他のクライアント宛に電子メールが送信されると、その電子メールは受信ステップにおいて受信される。ここで、監視ステップが受信ステップにおける受信状況を監視しているとした場合、この受信状況に基づいて、一のクライアントは電子メールを送信できる状況にあり、一のクライアントは電子メールを利用できる状況にある可能性が高いと推測することができる。逆に、一のクライアントから電子メールが送信されない場合には、当然に受信ステップにおいて電子メールは受信されないので、この受信状況に基づいて、一のクライアントは電子メールを送信できる状況になく、一のクライアントは電子メールを利用できる状況にない可能性が高いと推測することができる。このように受信状況に基づいて一のクライアントの状況を正確に把握することができるという効果がある。
【0044】
一方、監視ステップにおいて送信ステップにおける送信状況を監視しているとし、送信ステップにおいて他のクライアントに電子メールを送信した場合、この送信状況に基づいて、他のクライアントは電子メールを受信できる状況にあり、他のクライアントは電子メールを利用できる状況にある可能性が高いと推測することができる。逆に、他のクライアントに電子メールが送信されない場合には、この送信状況に基づいて、他のクライアントは電子メールを受信できる状況になく、他のクライアントは電子メールを利用できる状況にない可能性が高いと推測することができる。このように送信状況に基づいて他のクライアントの状況を正確に把握することができるという効果がある。
【0045】
請求項12記載の電子メール制御プログラムによれば、請求項11記載の電子メール制御プログラムの奏する効果に加え、受信ステップにおいて受信した電子メールは、第1判断ステップにおいて複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断する。その結果、承認依頼電子メールであると判断した場合には、その承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を第1記憶ステップにおいて記憶する。また、この識別情報に対応つけて、この識別情報によって識別される承認側クライアントは承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を第2記憶ステップにおいて記憶する。
【0046】
一方、受信ステップにおいて受信した電子メールは、複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定ステップにおいて特定する。そして、その特定ステップにおいて特定したクライアントが、前記第1記憶ステップにおいて記憶した識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを第2判断ステップにおいて判断する。その結果、前記第1記憶ステップで記憶した識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断した場合には、前記第2記憶ステップで記憶した状況情報は、承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に第1更新手段において更新する。よって、この第2記憶ステップで記憶した状況情報を確認することで複数のクライアントの内、特に、承認側クライアントについての状況として、その承認側クライアントが承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であるか否かを把握することができるという効果がある。
【0047】
また、特定ステップは、送信ステップにおいて電子メールを送信する送信先のクライアントを特定するのではなく、受信ステップにおいて受信した電子メールを送信したクライアントを特定している。即ち、送信ステップにおける電子メールの送信状況ではなく、受信ステップにおける電子メールの受信状況を監視している。通常、受信ステップは電子メールを送信するクライアントからの要求を受けて電子メールを受信し、送信ステップは電子メールを受信するクライアントからの要求を受けて電子メールを送信するものである。しかし、電子メールを受信するクライアントとの間で常時通信可能な環境下では、電子メールを受信するクライアントからの要求がない場合であても電子メールを自働送信することも可能である。よって、送信ステップにおける電子メールの送信状況ではなく、受信ステップにおける電子メールの受信状況を監視し、その受信状況に基づいてクライアントの状況を判断することで、より正確にクライアントの状況を把握することができるという効果がある。
【0048】
請求項13記載の電子メール制御方法によれば、複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールは受信工程によって受信される。また、受信工程によって受信した電子メールは、その電子メールにおいて宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信工程によって送信される。この受信工程による電子メールの受信状況または送信工程による電子メールの送信状況は監視工程によって監視されている。そして、各クライアントの状況は、この監視工程によって監視されている受信状況または送信状況に基づいて把握工程によって把握される。
【0049】
例えば、一のクライアントから他のクライアント宛に電子メールが送信されると、その電子メールは受信工程によって受信される。ここで、監視工程が受信工程による受信状況を監視しているとした場合、この受信状況に基づいて、一のクライアントは電子メールを送信できる状況にあり、一のクライアントは電子メールを利用できる状況にある可能性が高いと推測することができる。逆に、一のクライアントから電子メールが送信されない場合には、当然に受信工程によって電子メールは受信されないので、この受信状況に基づいて、一のクライアントは電子メールを送信できる状況になく、一のクライアントは電子メールを利用できる状況にない可能性が高いと推測することができる。このように受信状況に基づいて一のクライアントの状況を正確に把握することができるという効果がある。
【0050】
一方、監視工程が送信工程による送信状況を監視しているとし、送信工程によって他のクライアントに電子メールを送信した場合、この送信状況に基づいて、他のクライアントは電子メールを受信できる状況にあり、他のクライアントは電子メールを利用できる状況にある可能性が高いと推測することができる。逆に、他のクライアントに電子メールが送信されない場合には、この送信状況に基づいて、他のクライアントは電子メールを受信できる状況になく、他のクライアントは電子メールを利用できる状況にない可能性が高いと推測することができる。このように送信状況に基づいて他のクライアントの状況を正確に把握することができるという効果がある。
【0051】
請求項14記載の電子メール制御方法によれば、請求項13記載の電子メール制御方法の奏する効果に加え、受信工程によって受信された電子メールは、第1判断工程によって複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かが判断される。その結果、承認依頼電子メールであると判断された場合には、その承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報が第1記憶工程に記憶される。また、この識別情報に対応つけて、この識別情報によって識別される承認側クライアントは承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報が第2記憶工程に記憶される。
【0052】
一方、受信工程によって受信された電子メールは、複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかが特定工程によって特定される。そして、その特定工程によって特定されたクライアントが、前記第1記憶工程に記憶した識別情報によって識別される承認側クライアントか否かが第2判断工程によって判断される。その結果、前記第1記憶工程に記憶した識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断された場合には、前記第2記憶工程に記憶した状況情報は、承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に第1更新工程によって更新される。よって、この第2記憶工程に記憶されている状況情報を確認することで複数のクライアントの内、特に、承認側クライアントについての状況として、その承認側クライアントが承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であるか否かを把握することができるという効果がある。
【0053】
また、特定工程は、送信工程によって電子メールを送信する送信先のクライアントを特定するのではなく、受信工程によって受信した電子メールを送信したクライアントを特定している。即ち、送信工程による電子メールの送信状況ではなく、受信工程による電子メールの受信状況を監視している。通常、受信工程は電子メールを送信するクライアントからの要求を受けて電子メールを受信し、送信工程は電子メールを受信するクライアントからの要求を受けて電子メールを送信するものである。しかし、電子メールを受信するクライアントとの間で常時通信可能な環境下では、電子メールを受信するクライアントからの要求がない場合であても電子メールを自働送信することも可能である。よって、、送信工程による電子メールの送信状況ではなく、受信工程による電子メールの受信状況を監視し、その受信状況に基づいてクライアントの状況を判断することで、より正確にクライアントの状況を把握することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、電子メールシステム1の外観図である。本発明の電子メール制御装置としてのメールサーバーSは電子メールシステム1において使用されるものである。電子メールシステム1は、メールサーバーSと、複数のクライアントA,B,C,Y,Zとを通信手段としてのLAN(Local Area Network)ケーブルKを介して接続して構成されている。
【0055】
メールサーバーSは、LANケーブルKを介して、各クライアントA等から送信される電子メールを受信したり、各クライアントA等宛の電子メールを各クライアントA等に送信したりするコンピュータであり、特に、各クライアントA等から送信される電子メールの受信状況を監視することで、各クライアントA等の状況を正確に把握することができるコンピューターである。
【0056】
各クライアントA等は、メールサーバーSが提供する機能やデータを利用するコンピュータである。尚、本実施例では、各クライアントA等は、各クライアントA等としてのコンピューターを操作するユーザーをも含む意味で使用する。
【0057】
図2は、メールサーバーSとクライアントA,B,C,Y,Zとの電気的構成を示すブロック図である。尚、各クライアントA,B,C,Y,Zは、いずれも同じコンピューターで構成されているので、クライアントAの電気的構成だけを図示し、他の各クライアントB,C,Y,Zについての電気的構成の図示は省略する。
【0058】
メールサーバーSには、中央演算装置であるCPU(Central Processing Unit)2と、CPU2により実行されるプログラムや固定値データを記憶するROM(Read Only Memory )3と、CPU2により実行される各処理に必要なデータを一時的に記憶するRAM(Rndom Access Memory)4と、書き替え可能な不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)5と、書き換え可能なROMであるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory )6と、LANケーブルKを介して各クライアントA等との通信を行うI/F(interface )7と、時計専用のチップであるRTC(Real Time Clock )8とを備えている。尚、RTC8には、電源が切られている間も起動できるように電池9が接続されている。
【0059】
また、HDD5には、電子メール制御プログラム5aと、承認依頼電子メール管理プログラム5bとが記憶されており、電子メール記憶領域5cが記憶領域として割り当てられている。電子メール制御プログラム5aは、図9(a)のフローチャートに示す電子メール受信処理や図9(b)のフローチャートに示す電子メール送信処理を実行するためのプログラムであり、各クライアントA等からの要求に応じて送信される電子メールを受信したり、各クライアントA等からの要求に応じて各クライアントAに電子メール送信したりするプログラムである。
【0060】
承認依頼電子メール管理プログラム5bは、図10のフローチャートに示す承認依頼電子メール管理処理や図11のフローチャートに示すチェック処理を実行するためのプログラムであり、各クライアントA等の内のいずれかのクライアントから承認を依頼する承認依頼電子メールが送信された場合に、その承認依頼電子メールを管理するためのプログラムである。
【0061】
電子メール記憶領域5cは、各クライアントA等から送信される電子メール等を記憶する領域である。この電子メール記憶領域5cに記憶されている電子メールは、その電子メールの宛先のクライアントに送信される。
【0062】
また、EEPROM6には、承認情報テーブルメモリ6bと、承認待ち情報テーブルメモリ6cとが記憶領域として割当てられている。承認情報テーブルメモリ6bは、図3(b)に示す承認情報テーブルAを記憶する領域である。承認情報テーブルAは、複数の承認依頼電子メールがあった場合にも対応できるように各承認依頼電子メール毎に作成され、各承認依頼電子メールに基づいて情報を記憶する。承認情報テーブルAには、図3(b)に示すように、図中左欄上方から順番に、承認依頼電子メールID欄10と、送信者欄11と、承認期限欄12と、承認順序欄13とが備えられている。
【0063】
承認依頼電子メールID欄10には、各承認依頼電子メールを識別するために各承認依頼電子メール毎に割当てられるメールIDが記憶される。送信者欄11には、承認依頼電子メールを送信したクライアントを識別する識別情報として、そのクライアントに割当てられているメールアドレスが記憶される。承認期限欄12には、承認依頼電子メールにおいて指示されている最終承認期限が記憶される。承認順序欄13には、承認依頼電子メールにおいて指示されている承認順番に従って、上方から順番に承認を依頼されている承認側クライアントのメールアドレスが記憶される。
【0064】
また、承認順序欄13に記憶される各承認側クライアント毎に、図中左側から順番に送信日欄13aと、承認期限欄13bと、承認日欄13cと、承認結果欄13dとが備えられている。送信日欄13aには、各承認側クライアントに承認を依頼した日付が記憶される。承認期限欄13bには、各承認側クライアントに対して設定される承認期限が記憶される。承認日欄13cには、各承認側クライアントから送信される承認結果を報告する承認結果電子メールを受信した日付が記憶される。承認結果欄13dには、各承認側クライアントの承認結果が記憶される。
【0065】
図2に戻り説明を続ける。承認待ち情報テーブルメモリ6cは、図3(c)に示す承認待ち情報テーブルBを記憶する領域である。承認待ちテーブルBは、承認側クライアントのうち承認結果電子メールを送信しなければいけない順番であるにもかかわらず、依然として承認結果電子メールを未送信である未承認クライアントに関する情報を記憶する。承認待ち情報テーブルBには、図3(c)に示すように、図中上段欄左側から順番に承認者欄15と、承認依頼電子メールID欄16と、承認可能情報欄17とを備えている。
【0066】
承認者欄15には、未承認クライアントを識別する識別情報として、その未承認クライアントのメールアドレスが記憶される。承認依頼電子メールID欄16は、承認者欄15に記憶されている未承認クライアントのメールアドレスに対応つけて、その未承認クライアントがいずれの承認依頼電子メールに対して未承認であるかを示すために承認依頼電子メールのメールIDが記憶される。承認可能情報欄17は、承認者欄15に記憶されている未承認クライアントのメールアドレスに対応つけて、その未承認クライアントに関する状況、即ち、その未承認クライアントが承認依頼電子メールに対して承認可能な状況か否か(承認結果電子メールを送信できる状況にあるか否か)を示す情報が記憶される。
【0067】
再び、図2に戻り説明を続ける。クライアントAは、CPU20と、ROM21と、RAM22と、HDD23と、I/F25と、RTC26とを備えている。更に、HDD23には、電子メールを作成したり、電子メールを送受信するプログラムとして電子メール制御プログラム23aが記憶されており、受信した電子メールを記憶する電子メール記憶領域23bが記憶領域として割当てられている。
【0068】
次に、図3乃至図8を参照して、クライアントZから承認依頼電子メールが送信された場合に、上述した承認情報テーブルAと、承認待ち情報テーブルBとに記憶される情報について説明する。
【0069】
まず、図3(a)を参照してクライアントZから送信される承認依頼電子メールについて説明する。図3(a)はクライアントZから送信された承認依頼電子メールを模式的に示す図である。承認依頼電子メールには、ヘッダ情報欄30と、承認情報欄31とが備えられている。
【0070】
ヘッダ情報欄30には、宛先欄30aと、送信者欄30bと、件名欄30cと、電子メールID欄30dと、日付欄30eとが備えられている。宛先欄30aには、承認依頼電子メールの送信先のメールアドレス、即ち、メールサーバーSのメールアドレスが記憶されている。(尚、図中メールサーバーSアドレスとは、このメールサーバーSのメールアドレスを意味するものとする)。
【0071】
送信者欄30bには、承認依頼電子メールを送信したクライアントのメールアドレス、即ち、クライアントZのメールアドレスが記憶されている。(尚、図中クライアントZアドレスとは、このクライアントZのメールアドレスを意味するものとし、以下、各クライアントのメールアドレスは図中では同様に図示する)。
【0072】
件名欄30cには、電子メールの題名が記憶され、本実施例では「承認依頼」の文字が記憶されている。電子メールID欄30dには、各電子メールを識別する識別情報が記憶され、本実施例では、クライアントZが送信した承認依頼電子メールを識別する識別情報として「100」が記憶されている。日付欄30eには、電子メールを送信した日付が記憶され、「12月1日」という日付が記憶されている。
【0073】
承認情報欄31には、本文欄31aと、承認順序欄31bと、承認期限欄31cとが備えられている。本文欄31aには、送信者から受信者に伝えたい内容が記載され、本実施例では「下記の件に関し、承認願います。記・・・・」という承認を依頼する内容が記憶されている。承認順序欄31bには、承認側クライアントのメールアドレスが、上方から承認順番順に並べて記憶され、本実施例では、承認者側クライアントA、承認者側クライアントB、承認側クライアントCの順番で、各承認側クライアントA,B,Cのメールアドレスが記憶されている。承認期限欄31cには、最終の承認期限が記憶され、本実施例では、承認順番が最後の承認側クライアントCの承認期限として「12月7日」が記憶されている。
【0074】
次に、図3(b)を参照しながら、図3(a)で説明した承認依頼電子メールを受信した場合に、承認情報テーブルAに記憶する情報について説明する。図3(b)は第1状態における承認情報テーブルAを模式的に示す図である。
【0075】
図3(a)で説明したクライアントZから送信された承認依頼電子メールを受信した場合、承認依頼電子メールID欄10には、承認依頼電子メールの電子メールID欄30dに記憶されている情報に基づいて「100」が記憶される。送信者欄11には、承認依頼電子メールの送信者欄30bに記憶されている情報に基づいてクライアントZのメールアドレスが記憶される。承認期限欄12には、承認依頼電子メールの承認期限欄31cに記憶されている情報に基づいて「12/07」が記憶される。
【0076】
承認順序欄13には、承認依頼電子メールの承認順序欄31bに記憶されている情報に基づいて、上段から順番にクライアントAのメールアドレス、クライアントBのメールアドレス、クライアントCのメールアドレスが記憶される。また、承認順番が第1番目のクライアントAのメールアドレスに対応つけて、送信日欄13aには、承認依頼電子メールの受信直後にクライアントAに承認を依頼する電子メールを送信したとして、承認依頼電子メールの日付欄30eに記憶されている情報に基づいて「12/01」が記憶され、承認期限欄13bには、クライアントAに対する承認期限として「12/03」が記憶される。
【0077】
このクライアントAに対する承認期限である「12/03」は、クライアントAに承認を依頼する電子メールを送信した日付を12/01とした上で、承認側クライアントがクライアントA,B,Cの3者、最終承認期限が12月7日であることに基いて、承認者1人当たりの承認期限(2日間)から12月3日として算出される。
【0078】
次に、図12を参照してメールサーバーSからクライアントAへ送信された承認電子メールについて説明する。図12はクライアントAへ送信された承認電子メールを模式的に示す図である。承認電子メールには、ヘッダ情報欄120と、承認情報欄121とが備えられている。
【0079】
ヘッダ情報欄120には、宛先欄120aと、送信者欄120bと、件名欄120cと、電子メールID欄120dと、承認依頼電子メールID欄120eと、日付欄120fとが備えられている。宛先欄120aには、承認電子メールの送信先のメールアドレス、即ち、クライアントAのメールアドレスが記憶されている。送信者欄120bには、承認電子メールをクライアントAへ送信したメールサーバーSのメールアドレスが記憶されている。件名欄120cには、電子メールの題名が記憶され、本実施例では「承認」の文字が記憶されている。電子メールID欄120dには、各電子メールを識別する識別情報が記憶され、本実施例では、メールサーバーSが送信した承認電子メールを識別する識別情報として「PPP」が記憶されている。承認依頼電子メールID欄120eには、図3(a)で説明した承認依頼電子メールのメールID「100」が記憶されている。日付欄120eには、電子メールを送信した日付が記憶され、「12月1日」という日付が記憶されている。
【0080】
承認情報欄121には、本文欄121aと、承認期限欄121bとが備えられている。本文欄121aには、承認依頼電子メールの本文欄31aと同様の内容が記憶されている。承認期限欄121cには、クライアントAに対する承認期限が記憶され、本実施例では、「12月3日」が記憶されている。
【0081】
本承認電子メールを受信したクライアントは、承認期限欄121bに記憶された期限までに、後述する承認結果電子メールを送信することになる。
【0082】
次に、図3(c)、図3(d)を参照しながら、図3(a)で説明した承認依頼電子メールを受信した場合、承認待ち情報テーブルBに記憶する情報について説明する。図3(c)は第1状態における承認待ち情報テーブルBを模式的に示す図であり、図3(d)は第2状態における承認待ち情報テーブルBを模式的に示す図である。
【0083】
具体的には、図3(c)は、図3(a)で説明した承認依頼電子メールを受信する前の承認待ち情報テーブルBの状態を第1状態として図示し、図3(d)は、図3(c)に示す第1状態の承認待ち情報テーブルBにおいて図3(a)で説明した承認依頼電子メールを受信した場合の承認待ち情報テーブルBの状態を第2状態として図示している。
【0084】
図3(c)に示すように、図3(a)で説明した承認依頼電子メールを受信する前には、承認者欄15には、「クライアントYのメールアドレス」、承認依頼電子メールID欄16には「50」、承認可能情報欄17には「不可能」が記憶されている。即ち、この第1状態の承認待ち情報テーブルBから、図3(a)で説明した承認依頼電子メールとは異なるメールID「50」によって特定される承認依頼電子メールに対してクライアントYは承認結果電子メールを送信しておらず、更に、クライアントYは、現在、承認不可能な状況であることを把握することができる。
【0085】
そして、この第1状態の承認待ち情報テーブルBにおいて、図3(a)で説明した承認依頼電子メールを受信した場合には、図3(b)に示す承認情報テーブルAに基づいて、図3(d)に示すように、承認者欄15には、承認情報テーブルAの承認順序欄13に記憶されている情報に基づいて、承認順番が第1番目の「クライアントAのメールアドレス」が記憶される。また、承認依頼電子メールID欄16には、承認情報テーブルAの承認依頼電子メールID10に記憶されている情報に基づいて「100」が記憶され、承認可能情報欄17には初期値として「不可能」が記憶される。
【0086】
即ち、第2状態の承認待ち情報テーブルBから、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対してクライアントAは承認結果電子メールを送信しておらず、更に、クライアントAは、現在、承認不可能な状況であることを把握することができる。
【0087】
次に、図4を参照して、クライアントZからの承認依頼をうけて、メールサーバーSから承認電子メールを受信した承認順番が第1番目のクライアントAから送信された承認結果電子メールを受信した場合について説明する。
【0088】
まず、図4(a)を参照して、クライアントAから送信された承認結果電子メールについて説明する。図4(a)はクライアントAから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図である。承認結果電子メールには、ヘッダ情報欄40と、承認情報欄41とが備えられている。
【0089】
ヘッダ情報欄40には、宛先欄40aと、送信者欄40bと、件名欄40cと、電子メールID欄40dと、承認依頼電子メールID欄40eと、日付欄40fとが備えられている。宛先欄40aには、承認結果電子メールの送信先のメールアドレス、即ち、メールサーバーSのメールアドレスが記憶されている。送信者欄40bには、承認結果電子メールを送信したクライアントのメールアドレス、即ち、クライアントAのメールアドレスが記憶されている。件名欄40cには、電子メールの題名が記憶され、本実施例では「承認結果」の文字が記憶されている。電子メールID欄40dには、各電子メールを識別する識別情報が記憶され、本実施例では、クライアントAが送信した承認結果電子メールを識別する識別情報として「XXX」が記憶されている。承認依頼電子メールID欄40eには、図12で説明した承認電子メールの承認依頼電子メールID「100」が記憶されており、この承認依頼電子メールID欄40eにより、本承認結果電子メールがいずれの承認依頼電子メールに対する承認結果であるかを特定することが可能となる。日付欄40fには、電子メールを送信した日付が記憶され、「12月2日」という日付が記憶されている。
【0090】
承認情報欄41には、本文欄41aが備えられている。本文欄41aには、承認結果電子メールに対する承認結果が記憶され、本実施例では「承認します。」と記憶されている。
【0091】
次に、図4(b)を参照しながら、図4(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認情報テーブルAに記憶する情報について説明する。図4(b)は第2状態における承認情報テーブルAを模式的に示す図である。具体的には、図4(b)は、図3(b)に示す第1状態の承認情報テーブルAに対して、図4(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認情報テーブルAの状態を第2状態として示している。
【0092】
図4(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、図4(b)に示すように、図4(a)に示す承認結果電子メールに記憶されている承認依頼電子メールID40eと同一の承認依頼電子メールIDを持つ図3(b)に示す第1状態の承認情報テーブルAに次の情報が追加して記憶される。具体的には、クライアントAのメールアドレスに対応する承認日欄13cには、承認結果電子メールの日付欄40fに記憶されている情報に基づいて「12/02」が記憶され、承認結果欄13dには承認結果電子メールの本文欄41aに記憶されている情報に基づいて「承認」が記憶される。
【0093】
また、クライアントAの承認結果が「承認」であることをうけて次の承認者であるクライアントBのメールアドレスに対応する送信日欄13aには、承認結果電子メールの受信直後にクライアントBに承認を依頼する電子メールを送信したとして、承認結果電子メールの日付欄40fに記憶されている情報に基づいて「12/02」が記憶され、承認期限欄13bには、クライアントBに対する承認期限として「12/04」が記憶される。
【0094】
尚、このクライアントBに対する承認期限である「12/04」は、クライアントBに承認を依頼する電子メールを送信した日付を12/02とした上で、残りの承認側クライアントがクライアントB,Cの2者、最終承認期限が12月7日であることに基いて、承認者1人当たりの承認期限(2.5日間)から12月4日として算出される。
【0095】
次に、図4(c)を参照しながら、図4(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認待ち情報テーブルBに記憶する情報について説明する。図4(c)は第3状態における承認待ち情報テーブルBを模式的に示す図である。具体的には、図4(c)は、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBにおいて図4(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認待ち情報テーブルBの状態を第3状態として示している。
【0096】
図4(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、更新された図4(b)に示す承認情報テーブルAに基づいて、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBが、図4(c)に示す第3状態に更新される。具体的には、図3(d)に示す承認情報テーブルBに記憶されている情報のうち、図4(b)に示す承認情報テーブルAに記憶されている承認依頼電子メールID10と一致する部分である承認者欄15の「クライアントAのメールアドレス」、承認依頼電子メールID欄16の「100」、承認可能情報欄17の「不可能」の情報は削除される。よって承認依頼電子メールに対して承認結果電子メールを送信済のクライアントと未送信のクライアントとを簡単に区別することができる。
【0097】
そして、図4(b)に示す承認情報テーブルAに基づいて、新たに、承認者欄15には、承認情報テーブルAの承認順序欄13に記憶されている承認順序に基づいて、承認順番が第2番目の「クライアントBのメールアドレス」が、承認依頼電子メールID欄16には、承認情報テーブルAの承認依頼電子メールのID欄10に基づいて「100」が、承認可能情報欄17には、「不可能」が記憶される。
【0098】
即ち、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対して、承認順番が第1番目の承認側クライアントAは、承認結果電子メールを送信したので、クライアントAに関する情報は承認待ち情報テーブルBから削除し、承認順番が第2番目のクライアントBに関する情報を記憶する。
【0099】
これにより、第3状態の承認待ち情報テーブルBから、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対してクライアントBは承認結果電子メールを送信しておらず、更に、クライアントBは、現在、承認不可能な状況であることを把握することができる。
【0100】
次に、図5を参照して、クライアントZからの承認依頼をうけて、メールサーバーSから承認電子メールを受信した承認順番が第2番目のクライアントBから送信された承認結果電子メールを受信した場合について説明する。まず、図5(a)を参照して、クライアントBから送信された承認結果電子メールについて説明する。図5(a)はクライアントBから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図である。
【0101】
この承認結果電子メールは、図4(a)で説明した承認結果電子メールと同様に構成されており、ヘッダ情報欄50のうち、宛先欄50aにはメールサーバーSのメールアドレスが、送信者欄50bにはクライアントBのメールアドレスが、件名欄50cには「承認結果」が、電子メールID欄50dには「YYY」が、承認依頼電子メールID欄50eには「100」が、日付欄50fには「12月4日」が記憶されている。また、承認情報欄51のうち、本文欄51aには「承認します。」が記載されている。
【0102】
次に、図5(b)を参照しながら、図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認情報テーブルAに記憶する情報について説明する。図5(b)は第3状態における承認情報テーブルAを模式的に示す図である。具体的には、図5(b)は、図4(b)に示す第2状態の承認情報テーブルAに対して、図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認情報テーブルAの状態を第3状態として示している。
【0103】
図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合、図5(b)に示すように、図5(a)に示す承認結果電子メールに記憶されている承認依頼電子メールID50eと同一の承認依頼電子メールIDを持つ図4(b)に示す第2状態の承認情報テーブルAに次の情報が追加して記憶される。具体的には、クライアントBに対応する承認日欄13cには、承認結果電子メールの日付欄50fに記憶されている情報に基づいて「12/04」が記憶され、承認結果欄13dには承認結果電子メールの本文欄51aに記憶されている情報に基づいて「承認」が記憶される。
【0104】
また、クライアントBの承認結果が「承認」であることをうけて、次の承認者であるクライアントCのメールアドレスに対応する送信日欄13aには、承認結果電子メールの受信直後にクライアントCに承認を依頼する電子メールを送信したとして、承認結果電子メールの日付欄50fに記憶されている情報に基づいて「12/04」が記憶され、承認期限欄13bには、クライアントCに対する承認期限として「12/07」が記憶される。尚、このクライアントCに対する承認期限である「12/07」は、最終承認者であるクライアントCの最終承認期限が12月7日であることに基づいて設定される。
【0105】
次に、図5(c)を参照しながら、図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認待ち情報テーブルBに記憶する情報について説明する。図5(c)は第4状態における承認待ち情報テーブルBを模式的に示す図である。具体的には、図5(c)は、図4(c)に示す第3状態の承認待ち情報テーブルBに対して、図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認待ち情報テーブルBの状態を第4状態として示している。
【0106】
図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、更新された図5(b)に示す承認情報テーブルAに基づいて、図4(c)に示す第3状態の承認待ち情報テーブルBが、図5(c)に示す第4状態に更新される。これは、上述したクライアントAから承認結果電子メールを受信した場合と同様に、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対して、承認順番が第2番目の承認側クライアントBは、承認結果電子メールを送信したので、図4(c)に示す第3状態の承認待ち情報テーブルBに記憶されているクライアントBに関する情報は削除され、新たに、承認順番が第3番目のクライアントCに関する情報が記憶される。
【0107】
具体的には、図5(c)に示すように、承認者欄15には承認順番が第3番目の「クライアントCのメールアドレス」が、承認依頼電子メールID欄16には「100」が、承認可能情報欄17には、「不可能」が記憶される。これにより、第4状態の承認待ち情報テーブルBから、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対してクライアントCは承認結果電子メールを送信しておらず、更に、クライアントCは、現在、承認不可能な状況であることを把握することができる。
【0108】
次に、図6を参照して、クライアントZからの承認依頼をうけて、メールサーバーSから承認電子メールを受信した承認順番が第3番目のクライアントCから送信された承認結果電子メールを受信した場合について説明する。まず、図6(a)を参照して、クライアントCから送信された承認結果電子メールについて説明する。図6(a)はクライアントCから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図である。
【0109】
この承認結果電子メールは、図4(a)、図5(a)で説明した承認結果電子メールと同様に構成されており、ヘッダ情報欄60のうち、宛先欄60aにはメールサーバーSのメールアドレス、送信者欄60bにはクライアントCのメールアドレスが、件名欄60cには「承認結果」が、電子メールID欄60dには「ZZZ」が、承認依頼電子メールID欄60eには「100」が、日付欄60fには「12月6日」が記憶されている。また、承認情報欄61のうち、本文欄61aには「承認します。」が記憶されている。
【0110】
次に、図6(b)を参照しながら、図6(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認情報テーブルAに記憶する情報について説明する。図6(b)は第4状態における承認情報テーブルAを模式的に示す図である。具体的には、図6(b)は、図5(b)に示す第3状態の承認情報テーブルAに対して、図5(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認情報テーブルAの状態を第4状態として示している。
【0111】
図6(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、クライアントA,Bから送信された承認結果電子メールを受信した場合と同様に、クライアントCに対応する承認日欄13cには、承認結果電子メールの日付欄60fに記憶されている情報に基づいて「12/06」が記憶され、承認結果欄13dには承認結果電子メールの本文欄61aに記憶されている情報に基づいて「承認」が記憶される。
【0112】
次に、図6(c)を参照しながら、図6(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認待ち情報テーブルBに記憶する情報について説明する。図6(c)は第5状態における承認待ち情報テーブルBを模式的に示す図である。具体的には、図6(c)は、図5(c)に示す第4状態の承認待ち情報テーブルBに対して、図6(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認待ち情報テーブルBの状態を第5状態として示している。
【0113】
図6(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、更新された図承認情報テーブルAに基づいて、図6(b)に示す図5(c)に示す第4状態の承認待ち情報テーブルBが、図6(c)に示す第5状態に更新される。これは、上述したクライアントA,Bから送信された承認結果電子メールを受信した場合と同様に、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対して、承認順番が第3番目のクライアントCは、承認結果電子メールを送信したので、図5(c)に示す第4状態の承認待ち情報テーブルBに記憶されているクライアントCに関する情報は削除される。また、次の承認者が存在しないため、承認待ち情報テーブルBには、承認電子メールID「100」に対する新たな情報は記憶されない。
【0114】
よって、この第5状態の承認待ち情報テーブルBから、メールID「100」で特定される図3(a)に示す承認依頼電子メールについては、未承認のクライアントはいないことを把握することができる。
【0115】
次に、図7を参照して、クライアントZからの承認依頼をうけて、メールサーバーSから承認電子メールを受信した承認順番が第1番目のクライアントAから送信された承認結果電子メールを受信し、更に、その承認結果が承認できないことを示す「非承認」であった場合について説明する。即ち、図4ではクライアントAの承認結果が「承認」であったのに対して、図7では「非承認」であった場合について説明する。
【0116】
まず、図7(a)を参照して、承認結果電子メールについて説明する。図7(a)はクライアントAから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図である。
【0117】
図7(a)に示す承認結果電子メールは、承認情報欄71の本文欄71aに承認しない旨を示す「承認できません。」と記載されている点で、図4(a)で説明した承認結果電子メールとは異なり、その他は図4(a)に示す承認結果電子メールと同じ情報が記憶されている。
【0118】
次に、図7(b)を参照しながら、図7(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認情報テーブルAに記憶する情報について説明する。図7(b)は第5状態における承認情報テーブルAを模式的に示す図である。具体的には、図7(b)は、図3(b)に示す第1状態の承認情報テーブルAに対して、図7(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認情報テーブルAの状態を第5状態として示している。
【0119】
図7(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、図3(b)に示す第1状態の承認情報テーブルAに次の情報が追加して記憶される。クライアントAに対応する承認日欄13cに「12/02」、承認結果欄13dに「非承認」が追加される。
【0120】
この承認結果欄13dに「非承認」が記憶されると、第2番目のクライアントBに関する情報は記憶されず、承認依頼電子メールを送信したクライアントZに承認結果を報告する承認結果電子メールが作成され、その承認結果電子メールがクライアントZの要求に応じて送信される。
【0121】
次に、図7(c)を参照しながら、図7(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合における承認待ち情報テーブルBに記憶する情報について説明する。図7(c)は第6状態における承認待ち情報テーブルBを模式的に示す図である。具体的には、図7(c)は、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBに対して、図7(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合の承認待ち情報テーブルBの状態を第6状態として示している。
【0122】
図7(a)で説明した承認結果電子メールを受信した場合には、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBが図7(c)に示す第6状態に更新される。具体的には、承認依頼電子メールID「100」によって特定される承認依頼電子メールに対して、第1番目の承認側クライアントAは、承認結果電子メールを送信したので、図3(d)に示す第1状態の承認待ち情報テーブルBに記憶されているクライアントAに関する情報は削除される。
【0123】
また、クライアントAの承認結果が「非承認」であったため、承認順番が第2番目のクライアントBに関する情報は承認待ち情報テーブルBには記憶されない。よって、図7(c)に示す第6状態の承認待ち情報テーブルBから承認依頼電子メールID「100」で特定される承認依頼電子メールについては、未承認のクライアントはいないことが把握することができる。
【0124】
次に、図8(a)を参照して、図4(a)で説明した承認結果電子メールが承認側クライアントAから送信される前に、承認側クライアントAから承認結果電子メール以外の電子メール(例えば、通常の電子メール、承認依頼電子メール、図3(a)で説明した承認依頼電子メール以外の承認依頼電子メールに対する承認結果電子メール)が送信された場合ついて説明する。かかる場合、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBは、図8(a)に示す第7状態における承認情報テーブルのように更新される。
【0125】
具体的には、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBのクライアントAに対応する承認可能情報欄15に記憶されている「不可能」の情報が、図8(a)に示すように「可能」に更新される。
【0126】
即ち、クライアントAから図4(a)で説明した承認結果電子メール以外の電子メールが送信された事によって、クライアントAは、図3(a)で説明した承認依頼電子メール(承認依頼電子メールID「100」)に対して承認結果電子メールを送信可能な状況であると判断し、図3(d)に示す第2状態の承認待ち情報テーブルBのクライアントAに対応する承認可能情報欄15に記憶されている「不可能」の情報を、図8(a)に示すように「可能」に更新するのである。
【0127】
同様に、図5(a)で説明した承認結果電子メールが承認側クライアントBから送信される前に、又は、図6(a)で説明した承認結果電子メールが承認側クライアントCから送信される前に、承認側クライアントB,Cから承認結果電子メール以外の電子メール(例えば、通常の電子メール、承認依頼電子メール、図3(a)で説明した承認依頼電子メール以外の承認依頼電子メールに対する承認結果電子メール)が送信された場合には、図4(c)に示す第3状態の承認待ち情報テーブルBのクライアントBに対応する承認可能情報欄15に記憶されている「不可能」の情報が、図8(b)に示すように「可能」に更新される。また、図5(c)に示す第4状態の承認待ち情報テーブルBのクライアントCに対応する承認可能情報欄15に記憶されている「不可能」の情報が、図8(c)に示すように「可能」に更新される。
【0128】
図9(a)は電子メール受信処理のフローチャートである。この電子メール受信処理は電子メール制御プログラム5aに従って実行される処理である。まず、いずれかのクライアントから電子メールの受信要求があるか否かを判断する(S9a01)。その結果、いずれかのクライアントから電子メールの受信要求があれば(S9a01:Yes)、そのクライアントから送信される電子メールをLANケーブルKを介して受信し、その受信した電子メールを電子メール記憶領域5cに記憶し(S9a02)、本処理を終了する。一方、いずれのクライアントからも電子メールの受信要求がない場合(S9a01:No)、本処理を終了する。
【0129】
図9(b)は電子メール送信処理のフローチャートである。この電子メール送信処理は電子メール制御プログラム5aに従って実行される処理である。まず、いずれかのクライアントから電子メールの送信要求があるか否かを判断する(S9b01)。その結果、電子メールの送信要求があれば(S9b01:Yes)、その送信要求をしたクライアントのメールアドレスを取得し(S9b02)、送信要求をしたクライアント宛の電子メールが電子メール記憶領域5cに存在するか否かを判断する(S9b03)。
【0130】
その結果、そのクライアントに送信する電子メールが存在すれば(S9b03:Yes)、電子メール記憶領域5cに記憶されている電子メールを送信要求をしたクライアントに送信する(S9b04)。送信完了後、送信した電子メールを電子メール記憶領域5cから削除し(S9b06)、本処理を終了する。
【0131】
一方、いずれのクライアントからも電子メールの送信要求がない場合(S9b01:No)、送信要求をしたクライアントに送信する電子メールが存在しない場合(S9b03:No)、いずれも本処理を終了する。
【0132】
図10は、承認依頼電子メール管理処理のフローチャートである。この承認依頼電子メール管理処理は承認依頼電子メール管理プログラム5bによって実行される処理であり、図9(a)で説明した電子メール受信処理によって電子メール記憶領域5cに電子メールが記憶された後に実行される処理である。
【0133】
まず、電子メール記憶領域5cに記憶されている電子メールを送信したクライアントをメールアドレスにより特定し、その特定したクライアントが、承認待ち情報テーブルBに存在するか否かを判断する(S1001)。具体的には、承認待ち情報テーブルBの承認者欄15に記憶されている承認側クライアントのメールアドレスと、電子メール記憶領域5cに記憶された電子メールを送信したクライアントのメールアドレスとが一致するか否かを判断する。即ち、このS1001によってクライアントから送信される電子メールの受信状況を監視しているのである。
【0134】
その結果、存在していれば(S1001:Yes)、そのクライアントに対応する承認待ち情報テーブルBの承認可能情報欄17を「可能」に更新し(S1002)、存在していない場合には(S1001:No)、S1002の処理はスキップする。つまり、メールサーバーSがクライアントから電子メールを受信したという事は、そのクライアントは電子メールをメールサーバーSに送信できる状況にあり、承認待ち情報テーブルBに記憶されているクライアントは、承認結果電子メールを送信できる状況にあると判断して、承認待ち情報テーブルBの承認可能情報欄17を「可能」に更新するのである。
【0135】
次に、その電子メール記憶領域5cに記憶した電子メールが承認依頼電子メールか否かを判断する(S1003)。その結果、承認依頼電子メールであれば(S1003:Yes)、その承認依頼電子メールに基づいて承認情報テーブルを作成し、その作成した承認情報テーブルを承認情報テーブルメモリ6bに記憶する(S1004)。例えば、図3(a)で説明した承認依頼電子メールが送信された場合には、図3(b)で説明した承認情報テーブルAが作成され承認情報テーブルメモリ6bに記憶される。
【0136】
また、承認依頼電子メールにおいて指定されている承認順番が第1番目のクライアントに関する情報を承認待ち情報テーブルBに記憶する(S1005)。例えば、図3(a)で説明した承認依頼電子メールが送信された場合には、図3(d)で説明した承認待ち情報テーブルBが作成され、承認情報テーブルメモリ6cに記憶される。
【0137】
そして、承認順番が第1番目のクライアント宛に承認を依頼する電子メール、例えば図12で説明した承認電子メールを作成し、その作成した電子メールを電子メール記憶領域5cに記憶し(S1006)、本処理を終了する。尚、この承認を依頼する電子メールは第1番目のクライアントからの送信要求に応じて第1番目のクライアントに送信される。
【0138】
次に、S1003の判断において、承認依頼電子メールでないと判断された場合について説明する。S1003の判断において、承認依頼電子メールでないと判断された場合には(S1003:No)、承認結果電子メールか否かを判断する(S1007)。その結果、承認結果電子メールであれば(S1007:Yes)、その承認結果電子メールに基づいて承認情報テーブルを更新する(S1008)。例えば、図4(a)で説明した承認結果電子メールがクライアントAから送信された場合には、図3(b)で説明した承認情報テーブルAは、図4(b)で説明した承認情報テーブルに更新される。
【0139】
そして、全ての承認側クライアントについて承認が終了したか否かを判断し(S1009)、終了していなければ(S1009:No)、次に、S1008において更新された承認情報テーブルの承認結果欄に記憶されている承認結果が「承認」か否かを判断する(S1010)。その結果、承認結果が「承認」であれば(S1010:Yes)、その承認結果電子メールを送信したクライアントに関する情報を承認待ちテーブルBから削除する(S1011)。また、承認順番が次のクライアントに関する情報を承認待ち情報テーブルBに記憶する(S1012)。例えば、図4(a)で説明した承認結果電子メールがクライアントAから送信された場合には、図3(d)で説明した承認待ち情報テーブルBは、図4(c)で説明した承認待ち情報テーブルに更新される。
【0140】
そして、承認順番が次のクライアント宛に承認を依頼する電子メールを作成し、その作成した電子メールを電子メール記憶領域5cに記憶し(S1013)、本処理を終了する。よって、承認を依頼するクライアントとしては、承認順番を指定すれば、自働的にその指定した承認順番に従って承認を依頼する電子メールを承認側クライアントに送信することができる。
【0141】
一方、S1009の判断において、全ての承認側クライアントの承認が終了していると判断した場合(S1009:Yes)、および、S1010の判断において承認結果が「承認」でない場合、即ち、「非承認」であると判断した場合には(S1010:No)、承認依頼電子メールを送信したクライアント宛に承認結果を報告する承認結果電子メールを作成し、作成した結果報告電子メールを電子メール記憶領域5cに記憶する(S1014)。また、承認結果電子メールに対応する承認情報テーブルを削除するとともに(S1015)、承認結果電子メールを送信したクライアントに関する情報を承認待ち情報テーブルBから削除し(S1016)、本処理を終了する。よって、承認順番が先の承認側クライアントの承認結果が非承認であれば、次の承認側クライアントに承認を依頼する電子メールを送信するのを中止することができる。また、結果報告電子メールを承認依頼電子メールを送信したクライアントが受信することで承認を依頼したクライアントに承認結果を報告することができる。
【0142】
次に、S1007の判断において、承認結果電子メールでないと判断された場合について説明する。S1007の判断において、承認結果電子メールでないと判断された場合には(S1007:No)、その電子メールが承認の中断を依頼する承認中断依頼電子メールか否かを判断する(S1017)。その結果、承認中断依頼電子メールであった場合には(S1017:Yes)、S1014の処理にスキップする。一方、S1017の判断において、承認中断依頼電子メールでないと判断された場合には(S1017:No)、本処理を終了する。
【0143】
図11は、チェック処理のフローチャートである。このチェック処理は承認依頼電子メール管理プログラム5bによって実行される処理である。チェック処理では、まず、承認情報テーブルの承認期間欄において承認期限が超過しているにもかかわらず承認結果電子メールを送信していない未承認クライアントが存在するか否かを判断する(S1101)。その結果、未承認クライアントが存在していれば(S1101:Yes)、その未承認クライアントを抽出する(S1102)。
【0144】
そして、その抽出した未承認クライアントに対応つけて承認待ち情報テーブルBの承認可能情報欄17に記憶されている情報が「可能」か否かを判断する(S1103)。その結果、「可能」であれば(S1103:Yes)、その未承認クライアント宛に承認結果電子メールの送信を要求する督促電子メールを作成し、その作成した督促電子メールを電子メール記憶領域5cに記憶し(S1104)、他の未承認クライアントを検出するためにS1101からの処理を繰り返す。よって、未承認クライアントは、承認結果電子メールを送信できる状況にある可能性が高いにもかかわらず承認結果電子メールが未送信であるため、この督促電子メールを未承認クライアントが受信することで、その未承認クライアントに承認結果を催促することができる。
【0145】
一方、S1103の判断において、承認待ち情報テーブルBの承認可能情報欄が「可能」でない場合、即ち、「不可能」である場合には(S1103:No)、承認依頼電子メールを送信したクライアント宛に未承認クライアントは承認不可能な状況であることを報告する結果報告電子メールを作成し、その作成した結果報告電子メールを電子メール記憶領域5cに記憶し(S1105)、他の未承認クライアントを検出するためにS1101からの処理を繰り返す。よって、未承認クライアントは、承認結果電子メールを送信できない状況にある可能性が高いので、その旨を報告する結果報告電子メールを承認依頼電子メールを送信したクライアントが受信することで、承認結果を待っているクライアントに未承認クライアントの状況を把握させることができる。尚、S1101の判断において、未承認クライアントが存在しない場合には、本処理を終了する。
【0146】
以上説明したように、メールサーバーSによれば、クライアントから送信される電子メール(承認依頼電子メール、承認結果電子メール、承認中断電子メール、通常の電子メール等を含む)の受信状況を監視しているので、所定の承認結果電子メールを送信していない未承認クライアントから所定の承認結果電子メール以外の電子メールを受信した場合、その未承認クライアントの状況として、その未承認クライアントは所定の承認結果電子メールを送信可能な状況であることを把握することができる。
【0147】
一方、未承認クライアントから所定の承認結果電子メール以外の電子メールを受信できない場合、その未承認クライアントの状況として、その未承認クライアントは所定の承認結果電子メールを送信不可能な状況であることを把握することができる。
【0148】
従って、例えば、承認結果電子メールを送信可能な状況であるにもかかわらず、承認結果電子メールを送信していない未承認クライアントにだけ注意を喚起し、承認結果電子メールを送信不可能な状況なクライアントには注意を喚起することなく、承認を依頼したクライアントにその旨を報告する等の未承認クライアントの状況に応じた対応を講ずることができる。
【0149】
上記実施例において、請求項1,11,13記載の受信手段、受信ステップ、受信工程としては図9(a)の電子メール受信処理が該当し、請求項1,11,13記載の送信手段としては図9(b)の電子メール送信処理が該当する。請求項2,12,14記載の第1判断手段、第1判断ステップ、第1判断工程としては、図10のS1003の処理が該当し、請求項2,12,14記載の第1記憶手段、第1記憶ステップ、第1記憶工程としては、図10のS1005、S1012の処理が該当し、請求項2,12,14記載の特定手段、特定ステップ、特定工程としては図10のS1001の処理が該当し、請求項2,12,14記載の第2判断手段、第2判断ステップ、第2判断工程としてはS1001の処理が該当し、請求項2,12,14記載の第2記憶手段、第2記憶ステップ、第2記憶工程としては図10のS1005、S1012の処理が該当し、請求項2,12,14記載の第1更新手段、第1更新ステップ、第1更新工程としては図10のS1002の処理が該当する。
【0150】
請求項3記載の第3判断手段としては図10のS1007の処理が該当し、請求項3記載の削除手段としては図10のS1011の処理が該当する。請求項4記載の第3記憶手段としては図10のS1004の処理が該当する。請求項5記載の作成手段としては図10のS1006の処理が該当し、請求項5記載の第4判断手段としては図10のS1010の処理が該当し、請求項5記載の第4記憶手段としては図10のS1008の処理が該当する。請求項7記載の第5判断手段としては図10のS1009の処理が該当し、請求項7記載の第1報告手段としては図10のS1014の処理が該当する。
【0151】
請求項8記載の検出手段としては図11のS1102の処理が該当し、請求項8記載の第6判断手段としては図11のS1103の処理が該当し、請求項8記載の催促手段としては図11のS1104の処理が該当する。請求項9記載の第2報告手段としては図11のS1105の処理が該当する。請求項10記載の承認期限算出手段としては図10の、S1004、S1008の処理が該当し、請求項10記載の第5記憶手段としては図10のS1004、S1008の処理が該当する。
【0152】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0153】
上記実施例では、承認待ち情報テーブルBに、同一クライアントが複数個記録されていない場合について説明した。しかし、複数の異なる承認電子メールが同一クライアントに対して送信される場合も存在するため、その場合は、承認待ち情報テーブルBには、承認依頼電子メールIDが異なる同一クライントに関する情報が複数個記録されることになる。その状態で、複数個記録されているクライアントから電子メールが送信されると、図10のS1002では、そのクライアントに関する全ての承認可能情報欄を「可能」に変更することとなる。
【0154】
また、図10のS1001においてクライアントから送信された電子メールの受信状況を監視することで各クライアントの状況を把握する場合について説明したが、各クライアントに電子を送信する送信状況を監視することで各クライアントの状況を把握するように構成しても良い。但し、メールサーバーSと各クライアントA等とが常時接続されている場合には、クライアントの要求なしに電子メールをクライアントに送信することが可能であるため、送信状況を監視するよも受信状況を監視することが好ましい。
【0155】
また、上記実施例では、承認期限を超過しているクライアントを未承認クライアントとして検出する場合について説明したが、承認期限間際のクライアントを検出するように構成しても良い。かかる場合には、承認期限内に承認結果電子メールを取得することができる可能がある。
【0156】
また、この場合、承認期限間際の未承認のクライアントが、承認結果電子メールを送信できる状況にないと判断された場合(その未承認クライアントに関する承認待ち情報テーブルBの承認可能情報欄15の情報が「不可能」)に、承認依頼電子メールを送信したクライアントに期限内に承認がなされない可能性が高いことを報告する電子メールを作成し、その作成した電子メールを承認依頼電子メールを送信したクライアントに送信するようにしても良い。
【0157】
かかる場合には、承認依頼電子メールを送信したクライアントが、承認期限内に承認がされない可能性が高い事を把握でき、例えば、その未承認クライアントに、電話、FAX等の手段を使って個別に催促することができる。
【0158】
また、未承認クライアントに督促電子メールを送信するのに加えて、承認依頼電子メールを送信したクライアント宛に承認期限内に承認が行われなかったことや、未承認クライアントに督促電子メールを送信する旨の報告をする電子メールを作成し、その作成した電子メールを承認依頼をしたクライアントに送信するようにしても良い。かかる場合には、承認依頼をしたクライアントが承認状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】電子メールシステムの外観図である。
【図2】メールサーバーSとクライアントA,B,C,Y,Zとの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】(a)はクライアントZから送信された承認依頼電子メールを模式的に示す図であり、(b)は第1状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(c)第1状態における承認待ちテーブルを模式的に示す図であり、(d)第2状態における承認待ちテーブルを模式的に示す図である。
【図4】(a)はクライアントAから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図であり、(b)は第2状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(c)第3状態における承認待ちテーブルを模式的に示す図である。
【図5】(a)はクライアントBから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図であり、(b)は第2状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(c)第4状態における承認待ちテーブルを模式的に示す図である。
【図6】(a)はクライアントCから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図であり、(b)は第3状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(c)第5状態における承認待ちテーブルを模式的に示す図である。
【図7】(a)はクライアントAから送信された承認結果電子メールを模式的に示す図であり、(b)は第4状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(c)第6状態における承認待ちテーブルを模式的に示す図である。
【図8】(a)は第7状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(b)は第7状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(c)は第8状態における承認情報テーブルを模式的に示す図であり、(d)は第9状態における承認情報テーブルを模式的に示す図である。
【図9】(a)は電子メール受信処理のフローチャートである。(b)は電子メール送信処理のフローチャートである。
【図10】承認依頼電子メール管理処理のフローチャートである。
【図11】チェック処理のフローチャートである。
【図12】クライアントAに送信した承認電子メールを模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0160】
5b 承認依頼電子メール管理プログラム(電子メール制御プログラム)
6b 承認情報テーブルメモリ(第3,4,5記憶手段)
6c 承認待ち情報テーブルメモリ(第1,第2記憶手段)
13 承認順序欄(第3記憶手段)
13b 承認期限欄(第5記憶手段)
13d 承認結果欄(第4記憶手段)
15 承認者欄(第1記憶手段)
17 承認可能情報欄(第2記憶手段)
S メールサーバー(電子メール制御装置)
A,B,C,Y,Z クライアント
K LANケーブル(通信手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した電子メールを前記通信手段を介して宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信する送信手段とを備えた電子メール制御装置において、
前記受信手段による電子メールの受信状況または前記送信手段による電子メールの送信状況を監視する監視手段と、
前記監視手段によって監視されている前記受信状況または前記送信状況に基づいて前記各クライアントの状況を把握する把握手段とを備えていることを特徴とする電子メール制御装置。
【請求項2】
前記監視手段は、
前記受信手段によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を記憶する第1記憶手段と、
前記受信手段によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定されたクライアントが、前記第1記憶手段に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを判断する第2判断手段とを備え、
前記把握手段は、
前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記第1記憶手段に記憶される識別情報に対応つけて、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を記憶する第2記憶手段と、
前記第2判断手段によって前記第1記憶手段に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断された場合に、前記第2記憶手段に記憶されている状況情報を、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に更新する第1更新手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電子メール制御装置。
【請求項3】
前記承認側クライアントに承認を依頼したことをうけて、前記受信手段によって受信した電子メールが前記承認側クライアントから送信された承認結果を報告する承認結果電子メールか否かを判断する第3判断手段と、
前記第3判断手段によって前記承認結果電子メールであると判断された場合に、前記第1記憶手段に記憶されている前記承認結果電子メールを送信した承認側クライアントを識別する識別情報と、前記識別情報に対応つけて前記第2記憶手段に記憶されている状況情報とを削除する削除手段とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の電子メール制御装置。
【請求項4】
前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合であって、前記承認依頼電子メールにおいて複数の承認側クライアントに対する承認順番が指示されている場合に、前記各承認側クライアントに対応つけて承認順番を記憶する第3記憶手段と、
前記第3記憶手段に記憶されている承認順番で各承認側クライアントに承認を依頼するように制御する承認順番制御手段とを備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の電子メール制御装置。
【請求項5】
前記承認順番制御手段は、
前記第3記憶手段に記憶されている承認順番に従って承認順番が第1番目の承認側クライアントから順番に承認を依頼する電子メールを作成する作成手段と、
前記作成手段によって作成された電子メールを承認順番が所定番目の承認側クライアント宛に送信したことをうけて、前記承認順番が所定番目の承認側クライアントから前記承認結果電子メールを受信したことが前記第3判断手段によって判断された場合に、前記承認結果が承認であるか否かを判断する第4判断手段と、
前記第4判断手段によって承認結果が承認であると判断された場合に、前記承認順番が所定番目の承認側クライアントに対応つけて承認結果を記憶する第4記憶手段とを備え、
前記作成手段は、前記第4判断手段によって承認結果が承認であると判断された場合に、承認順番が次の承認側クライアント宛に承認を依頼する電子メールを作成することを特徴とする請求項4に記載の電子メール制御装置。
【請求項6】
前記第1記憶手段には、前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記第3記憶手段に記憶されている承認順番に従って承認順番が第1番目の承認側クライアントを識別する識別情報から順番に各承認側クライアントを識別する識別情報が記憶されることを特徴とする請求項5に記載の電子メール制御装置。
【請求項7】
全ての承認側クライアントから前記承認結果電子メールを受信したか否かを判断する第5判断手段と、
前記第5判断手段によって全ての承認側クライアントから前記承認結果電子メールを受信したと判断された場合、または、前記第4判断手段によって承認結果が非承認であると判断された場合に、前記承認依頼電子メールによって承認を依頼したクライアント宛に承認結果を報告する承認結果報告電子メールを作成する第1報告手段とを備えていることを特徴とする請求項6に記載の電子メール制御装置。
【請求項8】
前記第3判断手段の判断結果に基いて、前記承認結果電子メールを未送信である承認側クライアントを検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された承認側クライアントを識別する識別情報に対応つけて前記第2記憶手段に記憶されている状況情報が、前記第1更新手段によって更新されているか否かを判断する第6判断手段と、
前記第6判断手段によって更新済であると判断された場合に、前記検出手段によって検出された承認側クライアント宛に、前記承認依頼電子メールに対する承認を催促する催促電子メールを作成する催促手段とを備えていることを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の電子メール制御装置。
【請求項9】
前記第6判断手段によって未更新であると判断された場合に、前記承認依頼電子メールによって承認を依頼したクライアント宛に、前記検出手段によって検出された承認側クライアントは承認不可能な状況であることを報告する報告電子メールを作成する第2報告手段を備えていることを特徴とする請求項8に記載の電子メール制御装置。
【請求項10】
前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合であって、前記承認依頼電子メールにおいて最終の承認側クライアントに対する承認期限が指示がされている場合に、各承認側クライアントの承認期限を算出する承認期限算出手段と、
前記承認期限算出手段によって算出された各承認側クライアントに対する承認期限を、各承認側クライアントに対応つけて記憶する第5記憶手段とを備え、
前記検出手段は、前記第5記憶手段に記憶されている承認期限を基準とした所定期間内に前記承認結果電子メールを未送信である承認側クライアントを検出することを特徴とする請求項8又は9に記載の電子メール制御装置。
【請求項11】
複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールを受信させる受信ステップと、前記受信ステップによって受信した電子メールを前記通信手段を介して宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信させる送信ステップとを備えた電子メール制御プログラムにおいて、
前記受信ステップによる電子メールの受信状況または前記送信ステップによる電子メールの送信状況を監視させる監視ステップと、
前記監視ステップによって監視させている前記受信状況または前記送信状況に基づいて前記各クライアントの状況を把握させる把握ステップとを備えていることを特徴とする電子メール制御プログラム。
【請求項12】
前記監視ステップは、
前記受信ステップによって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断させる第1判断ステップと、
前記第1判断ステップが前記承認依頼電子メールであると判断した場合に、前記承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を記憶させる第1記憶ステップと、
前記受信ステップによって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定させる特定ステップと、
前記特定ステップによって特定されたクライアントが、前記第1記憶ステップによって記憶された識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを判断させる第2判断ステップとを備え、
前記把握ステップは、
前記第1判断ステップが前記承認依頼電子メールであると判断した場合に、前記第1記憶ステップによって記憶された識別情報に対応つけて、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を記憶させる第2記憶ステップと、
前記第2判断ステップが前記第1記憶ステップによって記憶された識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断した場合に、前記第2記憶ステップによって記憶された状況情報を、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に更新させる第1更新ステップとを備えていることを特徴とする請求項11に記載の電子メール制御プログラム。
【請求項13】
複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールを受信する受信工程と、前記受信工程によって受信した電子メールを前記通信手段を介して宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信する送信工程とを備えた電子メール制御方法において、
前記受信工程による電子メールの受信状況または前記送信工程による電子メールの送信状況を監視する監視工程と、
前記監視工程によって監視されている前記受信状況または前記送信状況に基づいて前記各クライアントの状況を把握する把握工程とを備えていることを特徴とする電子メール制御方法。
【請求項14】
前記監視工程は、
前記受信工程によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断する第1判断工程と、
前記第1判断工程によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を記憶する第1記憶工程と、
前記受信工程によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定する特定工程と、
前記特定工程によって特定されたクライアントが、前記第1記憶工程に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを判断する第2判断工程とを備え、
前記把握工程は、
前記第1判断工程によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記第1記憶工程に記憶される識別情報に対応つけて、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を記憶する第2記憶工程と、
前記第2判断工程によって前記第1記憶工程に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断された場合に、前記第2記憶工程に記憶されている状況情報を、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に更新する第1更新工程とを備えていることを特徴とする請求項13に記載の電子メール制御方法。
【請求項1】
複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した電子メールを前記通信手段を介して宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信する送信手段とを備えた電子メール制御装置において、
前記受信手段による電子メールの受信状況または前記送信手段による電子メールの送信状況を監視する監視手段と、
前記監視手段によって監視されている前記受信状況または前記送信状況に基づいて前記各クライアントの状況を把握する把握手段とを備えていることを特徴とする電子メール制御装置。
【請求項2】
前記監視手段は、
前記受信手段によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を記憶する第1記憶手段と、
前記受信手段によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定されたクライアントが、前記第1記憶手段に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを判断する第2判断手段とを備え、
前記把握手段は、
前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記第1記憶手段に記憶される識別情報に対応つけて、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を記憶する第2記憶手段と、
前記第2判断手段によって前記第1記憶手段に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断された場合に、前記第2記憶手段に記憶されている状況情報を、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に更新する第1更新手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電子メール制御装置。
【請求項3】
前記承認側クライアントに承認を依頼したことをうけて、前記受信手段によって受信した電子メールが前記承認側クライアントから送信された承認結果を報告する承認結果電子メールか否かを判断する第3判断手段と、
前記第3判断手段によって前記承認結果電子メールであると判断された場合に、前記第1記憶手段に記憶されている前記承認結果電子メールを送信した承認側クライアントを識別する識別情報と、前記識別情報に対応つけて前記第2記憶手段に記憶されている状況情報とを削除する削除手段とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の電子メール制御装置。
【請求項4】
前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合であって、前記承認依頼電子メールにおいて複数の承認側クライアントに対する承認順番が指示されている場合に、前記各承認側クライアントに対応つけて承認順番を記憶する第3記憶手段と、
前記第3記憶手段に記憶されている承認順番で各承認側クライアントに承認を依頼するように制御する承認順番制御手段とを備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の電子メール制御装置。
【請求項5】
前記承認順番制御手段は、
前記第3記憶手段に記憶されている承認順番に従って承認順番が第1番目の承認側クライアントから順番に承認を依頼する電子メールを作成する作成手段と、
前記作成手段によって作成された電子メールを承認順番が所定番目の承認側クライアント宛に送信したことをうけて、前記承認順番が所定番目の承認側クライアントから前記承認結果電子メールを受信したことが前記第3判断手段によって判断された場合に、前記承認結果が承認であるか否かを判断する第4判断手段と、
前記第4判断手段によって承認結果が承認であると判断された場合に、前記承認順番が所定番目の承認側クライアントに対応つけて承認結果を記憶する第4記憶手段とを備え、
前記作成手段は、前記第4判断手段によって承認結果が承認であると判断された場合に、承認順番が次の承認側クライアント宛に承認を依頼する電子メールを作成することを特徴とする請求項4に記載の電子メール制御装置。
【請求項6】
前記第1記憶手段には、前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記第3記憶手段に記憶されている承認順番に従って承認順番が第1番目の承認側クライアントを識別する識別情報から順番に各承認側クライアントを識別する識別情報が記憶されることを特徴とする請求項5に記載の電子メール制御装置。
【請求項7】
全ての承認側クライアントから前記承認結果電子メールを受信したか否かを判断する第5判断手段と、
前記第5判断手段によって全ての承認側クライアントから前記承認結果電子メールを受信したと判断された場合、または、前記第4判断手段によって承認結果が非承認であると判断された場合に、前記承認依頼電子メールによって承認を依頼したクライアント宛に承認結果を報告する承認結果報告電子メールを作成する第1報告手段とを備えていることを特徴とする請求項6に記載の電子メール制御装置。
【請求項8】
前記第3判断手段の判断結果に基いて、前記承認結果電子メールを未送信である承認側クライアントを検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された承認側クライアントを識別する識別情報に対応つけて前記第2記憶手段に記憶されている状況情報が、前記第1更新手段によって更新されているか否かを判断する第6判断手段と、
前記第6判断手段によって更新済であると判断された場合に、前記検出手段によって検出された承認側クライアント宛に、前記承認依頼電子メールに対する承認を催促する催促電子メールを作成する催促手段とを備えていることを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の電子メール制御装置。
【請求項9】
前記第6判断手段によって未更新であると判断された場合に、前記承認依頼電子メールによって承認を依頼したクライアント宛に、前記検出手段によって検出された承認側クライアントは承認不可能な状況であることを報告する報告電子メールを作成する第2報告手段を備えていることを特徴とする請求項8に記載の電子メール制御装置。
【請求項10】
前記第1判断手段によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合であって、前記承認依頼電子メールにおいて最終の承認側クライアントに対する承認期限が指示がされている場合に、各承認側クライアントの承認期限を算出する承認期限算出手段と、
前記承認期限算出手段によって算出された各承認側クライアントに対する承認期限を、各承認側クライアントに対応つけて記憶する第5記憶手段とを備え、
前記検出手段は、前記第5記憶手段に記憶されている承認期限を基準とした所定期間内に前記承認結果電子メールを未送信である承認側クライアントを検出することを特徴とする請求項8又は9に記載の電子メール制御装置。
【請求項11】
複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールを受信させる受信ステップと、前記受信ステップによって受信した電子メールを前記通信手段を介して宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信させる送信ステップとを備えた電子メール制御プログラムにおいて、
前記受信ステップによる電子メールの受信状況または前記送信ステップによる電子メールの送信状況を監視させる監視ステップと、
前記監視ステップによって監視させている前記受信状況または前記送信状況に基づいて前記各クライアントの状況を把握させる把握ステップとを備えていることを特徴とする電子メール制御プログラム。
【請求項12】
前記監視ステップは、
前記受信ステップによって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断させる第1判断ステップと、
前記第1判断ステップが前記承認依頼電子メールであると判断した場合に、前記承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を記憶させる第1記憶ステップと、
前記受信ステップによって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定させる特定ステップと、
前記特定ステップによって特定されたクライアントが、前記第1記憶ステップによって記憶された識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを判断させる第2判断ステップとを備え、
前記把握ステップは、
前記第1判断ステップが前記承認依頼電子メールであると判断した場合に、前記第1記憶ステップによって記憶された識別情報に対応つけて、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を記憶させる第2記憶ステップと、
前記第2判断ステップが前記第1記憶ステップによって記憶された識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断した場合に、前記第2記憶ステップによって記憶された状況情報を、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に更新させる第1更新ステップとを備えていることを特徴とする請求項11に記載の電子メール制御プログラム。
【請求項13】
複数のクライアントの各々から通信手段を介して送信される電子メールを受信する受信工程と、前記受信工程によって受信した電子メールを前記通信手段を介して宛先として指定されている前記複数のクライアントのいずれかに送信する送信工程とを備えた電子メール制御方法において、
前記受信工程による電子メールの受信状況または前記送信工程による電子メールの送信状況を監視する監視工程と、
前記監視工程によって監視されている前記受信状況または前記送信状況に基づいて前記各クライアントの状況を把握する把握工程とを備えていることを特徴とする電子メール制御方法。
【請求項14】
前記監視工程は、
前記受信工程によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれかに承認を依頼する承認依頼電子メールか否かを判断する第1判断工程と、
前記第1判断工程によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記承認依頼電子メールにおいて承認を依頼されている承認側クライアントを識別可能な識別情報を記憶する第1記憶工程と、
前記受信工程によって受信した電子メールが、前記複数のクライアントのいずれのクライアントから送信されたかを特定する特定工程と、
前記特定工程によって特定されたクライアントが、前記第1記憶工程に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントか否かを判断する第2判断工程とを備え、
前記把握工程は、
前記第1判断工程によって前記承認依頼電子メールであると判断された場合に、前記第1記憶工程に記憶される識別情報に対応つけて、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認不可能な状況であることを示す状況情報を記憶する第2記憶工程と、
前記第2判断工程によって前記第1記憶工程に記憶されている識別情報によって識別される承認側クライアントであると判断された場合に、前記第2記憶工程に記憶されている状況情報を、前記識別情報によって識別される承認側クライアントは前記承認依頼電子メールに対して承認可能な状況であることを示す状況情報に更新する第1更新工程とを備えていることを特徴とする請求項13に記載の電子メール制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−293509(P2006−293509A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−110456(P2005−110456)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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