説明

電子レンジ用唐辛子ソース、電子レンジ用容器詰唐辛子ソース及び豆腐の唐辛子煮の製造方法

【課題】豆腐を唐辛子ソースに加えて煮込むことにより豆腐の唐辛子煮を得る際に、その加熱を電子レンジ加熱で行っても、ソースがふきこぼれることのない電子レンジ用唐辛子ソースを提供する。また、前記電子レンジ用唐辛子ソースが容器に充填されてなり、容器内に豆腐を投入し、電子レンジで加熱調理することにより豆腐の唐辛子煮を得られるようにする電子レンジ用容器詰唐辛子ソース、及びこれらを使用して豆腐の唐辛子煮を電子レンジで製造する方法を提供する。
【解決手段】豆腐を加えて電子レンジで加熱調理することにより豆腐の唐辛子煮を得られるようにするための粘度が0.1〜4Pa・sの電子レンジ用唐辛子ソースであって、唐辛子ソース全体に対し食塩を1.5〜4%、澱粉を0.1〜5%含有し、且つ乾物換算した唐辛子100部に対しトウガラシオレオレジンを0.05〜50部含有する電子レンジ用唐辛子ソース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆腐を加えて電子レンジで加熱調理することにより豆腐の唐辛子煮を得られるようにする電子レンジ用唐辛子ソースに関し、より詳しくは、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が付与されて煮込み感がでるまで電子レンジ加熱により充分に煮込んだ場合であっても、ソースがふきこぼれることのない電子レンジ用唐辛子ソースに関する。また、本発明は、そのような電子レンジ用唐辛子ソースが充填された容器に豆腐を投入して電子レンジ調理を行うための電子レンジ用容器詰唐辛子ソース、及びこれらを使用して豆腐の唐辛子煮を電子レンジで製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
豆腐を唐辛子入りのソースで煮込んだ麻婆豆腐や豆腐チゲ等の料理が知られている。これらは、唐辛子の入った豆板醤等で唐辛子入りのソースを作り、そこに豆腐を加えて煮込むことにより豆腐に唐辛子の風味や赤い色調を付与した料理である。これらの料理を美味しく作るには、豆腐を唐辛子入りのソースで煮込む際に、唐辛子ソースがふきこぼれないように火加減を調節しながら、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が付与されて煮込み感がでるまで充分に煮込む必要がある。
【0003】
しかしながら、豆腐の唐辛子煮を作るには、豆腐の煮込みに先だって、唐辛子入りのソースを予め作らなければならず手間と時間とがかかるという問題がある。また、豆腐の煮込みの際には、ソースのふきこぼれや、鍋底へのソースの焦げ付きを防止するために、かなりの頻度で火加減を調整すること等、煩雑な操作が必要となるという問題がある。
【0004】
ところで、火加減の調整等の煩雑な操作が不要の簡便な加熱調理の方法として電子レンジによる加熱調理が知られている。電子レンジは、短時間で加熱調理が終了することもあって便利であるが、電子レンジによる加熱は、水分を含んだ食材が直接加熱されるという特性があるため、食材から水分が出やすく、上述した豆腐の唐辛子煮を電子レンジ加熱で行う場合、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が付与されて煮込み感がでるまで充分に煮込むと、沸騰により沸きあがり、容器内に泡が充満して容器の蒸気抜きのための開口部から唐辛子ソースがふきこぼれるといった問題が生じる。この泡の発生とふきこぼれは、豆腐から出る水に含まれる大豆の蛋白質成分が原因と考えられる。
【0005】
麻婆豆腐を電子レンジで加熱調理することについては、特開平6−261716号公報(特許文献1)に、電子レンジで豆腐とともに調理することにより、麻婆豆腐が得られる麻婆豆腐ソースが記載されている。しかしながら、この麻婆豆腐ソースは、豆腐を電子レンジで加熱調理した際に豆腐から生じる水により外観が損なわれないようソースを高粘度に増粘しているため、豆腐とともに加熱しても豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が染み込み難く煮込み感が付与できないという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−261716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が付与されて煮込み感がでるまで電子レンジ加熱により充分に煮込んだ場合であっても、ソースがふきこぼれることのない電子レンジ用唐辛子ソースを提供することである。また、本発明は、そのような電子レンジ用唐辛子ソースが充填された容器に豆腐を投入して電子レンジ調理を行うための電子レンジ用容器詰唐辛子ソース、及びこれらを使用して豆腐の唐辛子煮を電子レンジで製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記目的を達成すべく使用原料等、様々な諸条件について鋭意研究を重ねた結果、食塩及び澱粉を特定量含有し、且つ唐辛子とトウガラシオレオレジンを特定の割合で含有する特定粘度の唐辛子ソースは、意外にも豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が付与されて煮込み感がでるまで電子レンジ加熱により煮込んでも、ソースがふきこぼれないことを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)豆腐を加えて電子レンジで加熱調理することにより豆腐の唐辛子煮を得られるようにするための粘度が0.1〜4Pa・sの電子レンジ用唐辛子ソースであって、唐辛子ソース全体に対し食塩を1.5〜4%、澱粉を0.1〜5%含有し、且つ乾物換算した唐辛子100部に対しトウガラシオレオレジンを0.05〜50部含有することを特徴とする電子レンジ用唐辛子ソース、
(2)乾物換算した唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量が唐辛子ソース全体に対して0.1〜5%である(1)の電子レンジ用唐辛子ソース、
(3)唐辛子ソース全体に対し凝固点が0℃以上の食用油脂を0.1〜10%含有する(1)又は(2)に記載の電子レンジ用唐辛子ソース、
(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載の唐辛子ソースに豆腐を加えて電子レンジで加熱調理することを特徴とする豆腐の唐辛子煮の製造方法、
(5)(1)乃至(3)のいずれかに記載の電子レンジ用唐辛子ソースが容器に充填されてなり、容器内に豆腐を投入し、電子レンジで加熱調理することにより豆腐の唐辛子煮を得られるようにする電子レンジ用容器詰唐辛子ソース、
(6)容器が豆腐の投入口となるジッパー部と電子レンジによる加熱調理時に蒸気を排出する蒸気抜き機構とを有したパウチである(5)記載の電子レンジ用容器詰唐辛子ソース、
(7)容器へ投入する豆腐の大きさ及び量、並びに電子レンジ加熱条件についての説明表示を備えている(5)又は(6)に記載の電子レンジ用容器詰唐辛子ソース、
(8)(5)乃至(7)のいずれかに記載の電子レンジ用容器詰唐辛子ソースの容器内に豆腐を投入して電子レンジで加熱調理することを特徴とする豆腐の唐辛子煮の製造方法、
である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電子レンジ用唐辛子ソースは、豆腐を加えて電子レンジで加熱調理するだけで、簡便に豆腐の唐辛子煮を得ることができるものであり、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が付与されて煮込み感がでるまで電子レンジ加熱により充分に煮込んだ場合であっても、ソースがふきこぼれることのないものである。また、そのような電子レンジ用唐辛子ソースを容器に充填し、容器内に豆腐を投入し、電子レンジで加熱調理することにより豆腐の唐辛子煮を得られるようにした電子レンジ用容器詰唐辛子ソースによれば、通常は、容器詰めした状態で唐辛子ソースを保管しておき、必要に応じて、豆腐を容器内に投入して電子レンジ調理を行うだけで豆腐の唐辛子煮が得られ大変便利である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施態様の電子レンジ用容器詰唐辛子ソースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の電子レンジ用唐辛子ソース、電子レンジ用容器詰唐辛子ソース及び豆腐の唐辛子煮の製造方法を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
【0013】
本発明の豆腐の唐辛子煮とは、豆腐を唐辛子風味に煮込み調理した料理をいい、具体的には、例えば、麻婆豆腐や豆腐チゲ等が挙げられる。
【0014】
本発明が対象とする電子レンジ用唐辛子ソースとは、豆腐を加えて電子レンジで加熱調理することにより、上述した豆腐の唐辛子煮を得られるようにするソースであり、本発明の電子レンジ用唐辛子ソースは、豆腐を加えて電子レンジで加熱する際に、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が付与されて煮込み感がでるまで充分に煮込むことができるように、粘度を煮込みに支障がない範囲、つまり、0.1〜4Pa・s、好ましくは0.1〜3Pa・sとしてある。粘度が前記範囲より高いと煮込み感を付与し難くなる。なお、前記粘度の下限に関し、本発明においては、後述するように澱粉を特定量含有することから、粘度が0.1Pa・s以上となる。
【0015】
なお、本発明における唐辛子ソースの粘度の測定は、当該ソースをBH形粘度計で、品温60℃、回転数20rpmの条件で、粘度が0.375Pa・s未満のときローターNo.1、0.375Pa・s以上1.5Pa・s未満のときローターNo.2、1.5Pa・s以上3.75Pa・s未満のときローターNo.3、3.75Pa・s以上7.5Pa・s未満のときローターNo.4、7.5Pa・s以上のときローターNo.5を使用し、測定開始後ローターが3回転した時の示度により求めた値である。なお、唐辛子ソースに具材が含まれる場合は、唐辛子ソースを10メッシュの網目に通して具材を取り除いたものを測定する。
【0016】
本発明の電子レンジ用唐辛子ソースは、上述のように粘度を煮込み調理に支障が無い範囲としてあるため、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が付与されて煮込み感がでるまで充分に煮込むことができるが、更に、本発明の電子レンジ用唐辛子ソースは、食塩及び澱粉を特定量含有し、且つ唐辛子とトウガラシオレオレジンを特定の割合で含有することを特徴とし、これにより、前記煮込み加熱を電子レンジ加熱により行っても、唐辛子ソースのふきこぼれが防止される。
【0017】
本発明の電子レンジ用唐辛子ソースにおける食塩の含有量は、唐辛子ソース全体の1.5%〜4%、好ましくは1.8〜3%である。唐辛子ソースの食塩含有量が1.5%未満であると、ふきこぼれが生じやすくなり、4%を超えると味のバランスが悪くなり好ましくない。
【0018】
前記本発明の電子レンジ用唐辛子ソースの食塩含有量は、塩化ナトリウムの含有量又はそれに換算した食塩相当の含有量をいい、常法により試料を希酸抽出法で調製して原子吸光法でナトリウム含量を測定し、所定の係数(2.54)を乗じて算出することにより求められる。食塩含有量の調整方法は、特に制限は無く、食塩や食塩を含有する豆板醤、醤油等の調味料を唐辛子ソースの味のバランスが崩れないように適宜配合して調整すればよい。
【0019】
他方、本発明の電子レンジ用唐辛子ソースにおける澱粉の含有量は、唐辛子ソース全体の0.1〜5%、好ましくは0.5〜4%である。澱粉の含有量が0.1%未満であると加熱中にソースがふきこぼれやすく、5%を超えると粘度が高くなりすぎ煮込みに支障が出たり、豆腐がもちもちとした違和感のある食感となったりする場合があるため好ましくない。
【0020】
本発明において用いることができる前記澱粉としては、例えば、小麦粉澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉などの生澱粉、これら生澱粉に常法によりα化処理を行ったα化澱粉、生澱粉に常法により湿熱処理を行った湿熱澱粉、更に、生澱粉に常法により架橋処理、エステル化処理、エーテル化処理、酸化処理などの一種又は二種以上の処理を行った架橋澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉などの加工澱粉などが挙げられる。これらの澱粉の中でも、電子レンジ調理後に、豆腐表面に唐辛子ソースが付着し易い好ましい性状を付与できるという点から、湿熱処理澱粉又は加工澱粉を好ましく使用できる。
【0021】
また、本発明の電子レンジ用唐辛子ソースにおける唐辛子とトウガラシオレオレジンの含有量は、乾物換算した唐辛子100部に対してトウガラシオレオレジンが0.05〜50部、好ましくは0.3〜50部である。このように本発明では、唐辛子風味を付与するために唐辛子のみを用いるのではなく、唐辛子とトウガラシオレオレジンを特定の割合で組み合わせて用いる。唐辛子はその成分が電子レンジ加熱中の泡の沸きあがりを誘発する傾向があり、一方、トウガラシオレオレジンは豆腐を赤く着色する力が強く、豆腐煮において実際の豆腐の辛さに対して豆腐の赤色を不自然に濃く着色する傾向がある。これらのバランスを考慮し、唐辛子とトウガラシオレオレジンを前記特定の割合で組み合わせて用いる本発明の唐辛子ソースは、電子レンジ加熱中の唐辛子ソースの泡の沸きあがりの抑制効果が高く、豆腐を赤く着色する力も適度な好ましい唐辛子ソースとなる。
【0022】
これに対して、唐辛子に対するトウガラシオレオレジンの割合が前記割合よりも少ない場合は電子レンジ加熱中の唐辛子ソースの泡の沸きあがりの抑制効果が低い好ましくない唐辛子ソースとなり、唐辛子に対するトウガラシオレオレジンの割合が前記割合よりも多い場合は実際の豆腐の辛さに対して豆腐を赤く着色する力が強すぎる好ましくない唐辛子ソースとなる。
【0023】
また、電子レンジ用唐辛子ソースにおける前記乾物換算した唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量は、調理の種類や必要とされる辛さにより適宜調整すればよいが、適度な辛さを得ることと電子レンジ加熱中の泡の沸きあがりを抑制する点から唐辛子ソース全体に対して好ましくは0.1〜5%、より好ましくは0.1〜4%である。乾物換算した唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量が前記範囲より少ないと豆腐の唐辛子煮として適度な辛さが得られ難く、前記範囲より多いと唐辛子成分により電子レンジ加熱中に泡が沸きあがりやすくなる傾向がある。なお、前記唐辛子の乾物換算とは、一般的な唐辛子の乾燥品(水分含量8.8%)に換算した量を示す。
【0024】
本発明の電子レンジ用唐辛子ソースに用いる前記唐辛子としては、特に制限は無く、例えば、乾燥品の他、生唐辛子や冷凍品が挙げられる。また、本発明で用いる前記トウガラシオレオレジンとは、トウガラシの原料を溶剤、例えば、ヘキサン、エーテル、酢酸エチル、アセトンなどで抽出し、その抽出液について溶剤を減圧留去したものである。これらは、トウガラシオレオレジンとして製品が市販されているのでこれらを用いればよい。なお、本発明の唐辛子ソースは唐辛子風味を豆腐に充分に付与する点から、辛味成分を充分に含有したトウガラシオレオレジン用いるとよい。具体的には、当該トウガラシオレオレジン中に辛味成分であるカプサイシンとジヒドロカプサイシンが合計で3%以上含有しているものを用いることが好ましい。トウガラシオレオレジン中の辛味成分の測定は、一般的に用いられている液体クロマトグラフィーによる測定方法、具体的には、「トウガラシ−辛味の科学」(編者 岩井和夫、渡辺達夫、発行所 株式会社 幸書房、2000年1月20日発行)に記載の方法により測定できる。
【0025】
上述のように本発明の電子レンジ用唐辛子ソースは、電子レンジ加熱の際にソースがふきこぼれることのないように、食塩及び澱粉を特定量含有し、且つ唐辛子とトウガラシオレオレジンを特定の割合で含有しているが、さらに、本発明の電子レンジ用唐辛子ソースは、電子レンジ加熱中の泡の沸きあがりをより抑制する点から、凝固点が0℃以上の食用油脂をソース全体に対して、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは1〜5%含有することが好ましい。前記凝固点の上限に関し、あまり凝固点が高すぎる食用油脂を用いると、ソースの口当たりが悪くなる傾向があることから、前記食用油脂の凝固点は好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下である。なお、本発明において、上記食用油脂の凝固点は、基準油脂分析試験法(日本油化学会制定)の凝固点測定法によって得られる凝固点をいう。また、凝固点が0℃以上の食用油脂含有量が前記範囲を下回ると、電子レンジ加熱中の泡の沸きあがりをより抑制する効果が得られ難く、この範囲を超えるとソースの口当たりが悪くなる傾向があり好ましくない。
【0026】
前記凝固点が0℃以上の食用油脂としては、動植物原料から採油されたものであればよく、具体的には、例えば、パーム油、ヤシ油、ピーナッツ油、オリーブ油などの植物油脂、ラード、ヘット、乳脂などの動物油脂などの凝固点が0℃以上の食用油脂の他、菜種油、コーン油、パーム油、大豆油、これらを精製したサラダ油などに水素添加して得た硬化油などが挙げられる。
【0027】
なお、本発明の電子レンジ用唐辛子ソースには上述した唐辛子、トウガラシオレオレジン、食塩、澱粉、凝固点が0℃以上の食用油脂の他に、例えば、醤油、みそ、味醂、出汁(一番出汁、二番出汁)、昆布、鰹節、魚介エキス、あさりエキス、鰹エキス、魚介粉末、砂糖、液糖、グルタミン酸ナトリウム、核酸系旨味調味料等の各種調味料、日本酒、エチルアルコール等のアルコール、ペッパー等の香辛料、凝固点が前記範囲以外の例えば菜種油や大豆油などの食用油脂、増粘多糖類、更には、玉葱、ニラ、ニンニク、生姜、人参、ピーマン、パプリカ、たけのこ、牛蒡、じゃがも、グリンピース等の野菜類、椎茸、えのき、エリンギ等のきのこ類、こんにゃく、しらたき等の素材等を本明の効果を損なわない範囲で適宜選択し含有させることができる。
【0028】
上述した本発明の電子レンジ用唐辛子ソースは、唐辛子、トウガラシオレオレジン、食塩、澱粉及び凝固点が0℃以上の食用油脂の含有量、並びに、唐辛子ソースの粘度を上述した範囲とする他は、常法に準じて、原料を加熱混合することにより製造することができる。
【0029】
続いて、上述した本発明の電子レンジ用唐辛子ソースを使用して豆腐の唐辛子煮を製造する方法を説明する。
【0030】
まず、上述した電子レンジ用唐辛子ソース及び豆腐を用意する。本発明で用いる豆腐としては、常法により製した豆腐であればいずれの豆腐を用いてもよく、例えば、絹ごし豆腐、木綿豆腐、充填豆腐、ソフト豆腐、沖縄豆腐等が挙げられる。これらの豆腐は、唐辛子ソースに加える前に予め、ザルにあける、重しをのせる、下茹でする、電子レンジで加熱する等のいずれかの方法により水切り処理をしておくことができる。
【0031】
次に、豆腐を食べ易くし、また、唐辛子風味が染み込みやすいように、好ましくは1〜5cmの大きさにカットし、カットした豆腐と唐辛子ソースを電子レンジ調理が可能な容器に入れる。豆腐と唐辛子ソースの割合は料理によるが、唐辛子ソース100部に対して豆腐を10部〜200部程度とすればよい。容器としては、例えば、電子レンジ加熱耐性を備えた耐熱性樹脂製のパウチや、カップ状又は深皿状等に成形した施蓋可能な容器、あるいは、陶器製の皿等を用いることができる。
【0032】
続いて、豆腐と唐辛子ソースを入れた容器ごと電子レンジ加熱調理を行う。電子レンジ加熱調理は、唐辛子ソースと加えた豆腐を調味する点から少なくとも唐辛子ソースが沸騰して煮込み調理がされる加熱条件、具体的には、唐辛子ソースと加えた豆腐の合計400gあたり、好ましくは出力600W×3分相当以上の加熱をすることが好ましい。ここで600W×3分相当とは、出力300Wであれば6分、出力400Wであれば、4.5分、出力800Wであれば2.25分というように、出力ワット数と時間との積の値が同じになるように換算して計算した条件以上の電子レンジ加熱を行うことである。また、唐辛子ソースと具材の合計が例えば800gであれば、出力ワット数と時間との積の値が400gの場合の2倍となるように電子レンジ加熱を行う。前記加熱条件の上限としては、あまり長すぎても豆腐が硬くなったりしやすいことから、通常、唐辛子煮ソースと加えた具材の合計400gあたり、好ましくは出力600W×20分相当以下の加熱条件とすればよい。
【0033】
以上のようにして電子レンジ加熱調理により得られた豆腐の唐辛子煮は、加熱によりソースがふきこぼれることもなく、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が充分に付与されているものとなる。
【0034】
次に、本発明の電子レンジ用唐辛子ソースが容器に充填され、容器内に豆腐を投入し、電子レンジで加熱調理することにより豆腐の唐辛子煮を得られるようにする電子レンジ用容器詰唐辛子ソースについて説明する。
【0035】
この電子レンジ用容器詰唐辛子ソースに使用する容器としては、レンジ調理が可能な種々の容器を用いることができる。このような容器としては、例えば、耐熱性樹脂性の成形容器の他、底面にマチをもたせたスタンディングパウチ、底面及び側面にマチをもたせたガゼット袋、四方シール袋などが挙げられる。また、これら容器としては、容器を開封して豆腐を投入した後電子レンジ調理する前に当該容器を再封するためのジッパー部や、電子レンジ加熱調理時に蒸気を容器外に排出する蒸気抜き機構を備えていることが好ましい。蒸気抜き機構としては、従来より電子レンジ対応包装袋で使用されているものであればよい。また、蒸気抜き機構としては、ジッパー部が電子レンジ加熱時にパウチが膨張する際の圧力で部分的に開口するようにジッパー部の嵌合を調整したものであってもよい。
【0036】
前記電子レンジ用容器詰唐辛子ソースは、容器詰めしてあることにより、保管が可能となり、必要なときに豆腐を容器内に投入して電子レンジ調理するだけで簡便に豆腐の唐辛子煮を製造することができ好ましい。このような電子レンジ用容器詰唐辛子ソースは、例えば、常法により耐熱性パウチに充填密封した後中心品温120℃で4分相当以上のレトルト処理や、凍結処理をすることができ、特にレトルト処理をしたレトルト品であると、長期保管ができ好ましい。
【0037】
更に、前記容器には、電子レンジ加熱調理する際に加える豆腐の好ましい切り方、大きさ、投入量、電子レンジ加熱に必要なワット数と時間などの説明表示を備えることが好ましい。特に、説明表示の具体的な内容として、豆腐の投入量、大きさ、電子レンジ加熱のワット数と時間については、これらが電子レンジ加熱後の豆腐の唐辛子煮の出来の善し悪しに大きく影響するため、できるだけ表示することが望まれる。このような説明表示は、容器の表面に印刷することにより形成してもよく、容器の梱包箱等の外装材に印刷することにより形成してもよく、容器とは別個の紙片に印刷し、その紙片を容器に添付するようにしてもよい。
【0038】
続いて、本発明の電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを使用して豆腐の唐辛子煮を製造する方法を説明する。
【0039】
まず、電子レンジ用容器詰唐辛子ソースに付された説明表示の内容に沿って豆腐の計量及びカットを行った後、電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを開封し、そこから豆腐を投入してジッパーにより再封する。
【0040】
次に、蒸気抜き機構から内容物がこぼれ難いように蒸気抜き機構が上部にくるように容器を電子レンジに入れ、上述した所定のワット数と時間で電子レンジ加熱調理を行う。電子レンジ加熱時には、電子レンジ加熱調理により直接的に唐辛子ソースと豆腐が加熱されるのに加え、ジッパー部により容器が閉じられていることから、発生した蒸気によっても唐辛子ソースと豆腐とがいわゆる蒸らし効果により加熱される。本発明においては、電子レンジ調理により直接的に豆腐が加熱されるほど豆腐から蛋白質成分を含む水が多量に出てソースがふきこぼれ易い傾向があるので、このようにジッパー部を有するパウチを用いると、蒸気による蒸らし加熱によっても豆腐を唐辛子ソースで煮込み調理することができ、結果的に豆腐の水分が多量に出ず、ソースがふきこぼれ難く好ましい。発生した蒸気は、蒸気抜き機構から排出されるため、容器の破裂は防止される。
【0041】
加熱調理後は、容器を開口し得られた豆腐の唐辛子煮を皿等に盛り付ければよい。以上のようにして得られた豆腐の唐辛子煮は、加熱によりソースがふきこぼれることなく、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が充分に付与されたものとなる。
【0042】
以下、本発明について、実施例、比較例、並びに試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定するものではない。
【実施例】
【0043】
[実施例1](豆腐チゲ用の電子レンジ用唐辛子ソース)
(1)豆腐
絹ごし豆腐300gを一口大(3cm角)にカットした。
【0044】
(2)電子レンジ用唐辛子ソース
下記配合割合の原料を用意した。まず、ニーダーに菜種油、ラード、たまねぎ、鶏ひき肉を投入し炒めた。次に、みそ、砂糖、豆板醤、コチュジャン、澱粉、食塩、トウガラシオレオレジン、清水を投入し撹拌混合しながら品温が90℃になるまで加熱することにより電子レンジ用唐辛子ソースを得た。
【0045】
(3)電子レンジ用容器詰唐辛子ソース
次に、得られた電子レンジ用唐辛子ソース100gを図1に示すジッパー付きスタンドパウチ10(電子レンジ加熱時にパウチが膨張する際の圧力で部分的に開口するようにジッパー部11の嵌合を調整した蒸気抜き機構を有するもの、パウチサイズ:縦220mm×横140mm×折込(マチ)40mm、材質:(パウチ)ポリエステル/ポリアミド/無延伸ポリプロピレン、(ジッパー部)ポリプロピレン、最大密封充填可能容量:820mL)に充填密封後、レトルト処理(115℃、15分間)し、パウチ内に唐辛子ソース20(100g)が充填されている電子レンジ用容器詰唐辛子ソース1を得た。得られた電子レンジ用容器詰唐辛子ソースは、唐辛子ソースに加える豆腐の好ましい切り方、大きさ、投入量、電子レンジ加熱に必要なワット数と時間などの説明表示を印刷した紙製の化粧箱に封入した。
【0046】
得られた電子レンジ用唐辛子ソースの食塩含有量は2.2%(みそ、豆板醤、コチュジャン、食塩由来の合計食塩含有量)、澱粉含有量は2.5%、唐辛子100部に対するトウガラシオレオレジンの含有量は0.3部であり、乾物換算した唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量は3%(豆板醤、コチュジャン由来の唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量)、凝固点が0℃以上の食用油脂含有量が3%であった。また、唐辛子ソースの粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は0.5Pa・sであった。
【0047】
<配合割合>
菜種油(凝固温度−5℃) 4.5%
ラード(凝固温度25℃) 3.0%
たまねぎ(ダイスカット10mm) 3.5%
鶏ひき肉 10.0%
みそ 4.0%
砂糖 1.0%
豆板醤(唐辛子含有量85%) 2.8%
コチュジャン(唐辛子含有量13%) 5.0%
澱粉 2.5%
食塩 1.1%
トウガラシオレオレジン 0.01%
(カプサイシンとジヒドロカプサイシンの合計含有量7%)
清水 残 余
――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%

【0048】
(4)電子レンジによる加熱調理
(3)の電子レンジ用容器詰唐辛子ソースのジッパーを開封し、(1)の豆腐300gを入れ、再度ジッパーを閉じた。次に、豆腐投入後の電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを蒸気抜き機構が上面になるように平置きした。これを電子レンジで加熱調理(600W×4分間)をし、開封してこれを皿にあけた。なお、電子レンジ加熱中の唐辛子ソースは、沸騰しても液面上に泡が沸きあがらなかった。
【0049】
得られた豆腐チゲ煮は、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が適度に付与されており、大変好ましいものであった。
【0050】
[実施例2](豆腐チゲ用の電子レンジ用唐辛子ソース)
実施例1において、下記配合割合とした以外は同様にしてパウチ内に唐辛子ソースが充填されている電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを得た。得られたソースの食塩含有量は1.8%、澱粉含有量は0.8%、唐辛子100部に対するトウガラシオレオレジン含有量は1部であり、乾物換算した唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量は2%、凝固点が0℃以上の食用油脂含有量は3%であった。また、唐辛子ソースの粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は0.3Pa・sであった。
【0051】
得られた電子レンジ用容器詰唐辛子ソースに実施例1と同様に豆腐300gを入れ、電子レンジで加熱調理(600W×4分間)を行った後、皿にあけた。なお、電子レンジ加熱中の唐辛子ソースは、沸騰しても液面上に泡が沸きあがらなかった。
【0052】
得られた豆腐チゲ煮は、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が適度に付与されており、大変好ましいものであった。
【0053】
<配合割合>
菜種油(凝固温度−5℃) 4.5%
ラード(凝固温度25℃) 3.0%
長ねぎ(スライス) 5.0%
にんにく
1.0%
豚バラ肉 10.0%
食塩 1.8%
澱粉 0.8%
唐辛子粉 2.0%
トウガラシオレオレジン 0.02%
(辛味成分の合計含有量は実施例1と同様)
酒 5.0%
清水 残 余
――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%

【0054】
[試験例1]
本試験例では、唐辛子とトウガラシオレオレジンの含有割合の違いが電子レンジ加熱中の唐辛子ソースの状態と加熱調理後の豆腐の色に与える影響を調べたるため以下の試験を行った。つまり、実施例2の電子レンジ用唐辛子ソースにおいて、唐辛子及びトウガラシオレオレジンの含有量を下記配合割合とした以外は同様にして6種類の豆腐チゲ用の電子レンジ用唐辛子ソースを得た。なお、唐辛子とトウガラシオレオレジンの含有量を変えるにあたり、各唐辛子ソースにおいてチゲ用のソースとして適度な略同等の辛さが得られるように調整した。次に、得られた各唐辛子ソースを実施例1と同様に100gずつパウチに充填後、レトルト処理することにより6種類の電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを得た。続いて、得られた各電子レンジ用容器詰唐辛子ソースに実施例1と同様に豆腐300gを入れ、これを電子レンジで加熱調理(600W×4分間)し、加熱中の唐辛子ソースの状態について下記評価基準により評価した。また、加熱調理後の豆腐の色について評価した。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】

<電子レンジ加熱中の唐辛子ソースの状態の評価>
A:沸騰しているが、液面上に泡が沸きあがっていない
B:沸騰して液面上に泡が沸きあがっており、泡が沸きあがっている高さ
は、液面から20mm以下である
C:沸騰して液面上に泡が沸きあがっており、泡が沸きあがっている高さ
は、液面から20mmを越える高さである
<加熱後の豆腐の色についての評価>
◎:豆腐チゲ煮として唐辛子の赤色が適度に付与されて大変好ましい
○:豆腐チゲ煮としてやや赤色が濃いが問題のない程度である
△:豆腐チゲ煮として赤色が濃くやや違和感がある
×:豆腐チゲ煮として赤色が濃すぎて違和感がある
<総合評価>
◎:大変好ましい
○:好ましい
△:好ましくない
×:大変好ましくない
【0056】
表1より、唐辛子100部に対してトウガラシオレオレジン含有量が0.05〜50部である唐辛子ソースは、電子レンジ加熱中の泡の沸きあがりが抑制され、加熱後の豆腐の赤色も適度であり好ましいことが理解される。特に、唐辛子100部に対してトウガラシオレオレジン含有量が0.3〜50部である場合は、電子レンジ加熱中の泡の沸きあがり抑制効果が高く、加熱後の豆腐の赤色も適度であり大変好ましかった。これに対して、唐辛子に対するトウガラシオレオレジンの含有量が前記割合より少ないと、電子レンジ加熱中の泡の沸きあがりが激しく、一方、トウガラシオレオレジンの含有量が前記割合より多いと豆腐の赤色が濃すぎて好ましくなかった。
【0057】
[比較例1]
実施例1において、食塩の配合割合を0.1%とし、その減少分は清水の配合量を増やして補正した以外は同様にして電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを得た。得られた電子レンジ用唐辛子ソースの食塩含有量は1.2%であった。
【0058】
得られた電子レンジ用唐辛子ソースを用い、実施例1と同様に豆腐の加熱調理を行ったところ、電子レンジ加熱中に唐辛子ソースが沸騰して液面上に泡が沸きあがり、パウチ内のヘッドスペースの大部分に泡が充満した。
【0059】
[比較例2]
実施例1において、澱粉を配合せず、その減少分は清水の配合量を増やして補正した以外は同様にして電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを得た。得られた唐辛子ソースの粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は0.03Pa・sであった。
【0060】
得られた電子レンジ用唐辛子ソースを用い、実施例1と同様に豆腐の加熱調理を行ったところ、電子レンジ加熱中に唐辛子ソースが沸騰して液面上に泡が沸きあがり、パウチ内のヘッドスペースの大部分に泡が充満した。
【0061】
[比較例3]
実施例1において、澱粉の配合割合を7%とし、その増加分は清水の配合量を減らして補正した以外は同様にして電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを得た。得られた唐辛子ソースの粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は6Pa・sであった。
【0062】
得られた電子レンジ用唐辛子ソースを用い、実施例1と同様に豆腐の加熱調理を行ったところ、電子レンジ加熱中に唐辛子ソースが沸騰しても液面上に泡が沸きあがらなかった。しかしながら、食したところ豆腐に唐辛子の風味があまり染み込んでおらず、煮込み感が付与されていないものであった。
【0063】
[比較例4]
実施例1において、澱粉を配合せず代わりにキサンタンガムを0.8%配合し、その減少分は清水の配合量を増やして補正した以外は同様にして電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを得た。得られた唐辛子ソースの粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は0.65Pa・sであった。
【0064】
得られた電子レンジ用唐辛子ソースを用い、実施例1と同様に豆腐の加熱調理を行ったところ、電子レンジ加熱中に唐辛子ソースが沸騰して液面上に泡が沸きあがり、パウチ内のヘッドスペースの大部分に泡が充満し、最終的にパウチの上記抜きのための開口部から唐辛子ソースがふきこぼれた。
【0065】
[実施例3](麻婆豆腐用の電子レンジ用唐辛子ソース)
下記配合割合の原料を用意した。まず、ニーダーに菜種油、ラード、しょうが、にんにく、たまねぎ、鶏ひき肉を投入し炒めた。次に、豆板醤、醤油、食塩、砂糖、たけのこ、澱粉、トウガラシオレオレジン、清水を投入し撹拌混合しながら、品温が90℃になるまで加熱することにより電子レンジ用唐辛子ソースを得た。
【0066】
続いて、得られた電子レンジ用唐辛子ソースを、実施例1と同様にジッパー付きスタンドパウチに充填密封後、レトルト処理することにより、パウチ内に麻婆豆腐ソースが充填されている電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを得た。得られた唐辛子ソースの食塩含有量は2.8%(豆板醤、醤油、食塩由来の合計食塩含有量)、澱粉含有量は3%、唐辛子100部に対するトウガラシオレオレジン含有量は1.7部であり、乾物換算した唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量は3%(豆板醤由来の唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量)、凝固点が0℃以上の食用油脂含有量が3%であった。また、唐辛子ソースの粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は0.6Pa・sであった。
【0067】
得られた電子レンジ用容器詰唐辛子ソースに実施例1と同様に豆腐300gを入れ、電子レンジで加熱調理(600W×4分間)を行った後、皿にあけた。なお、電子レンジ加熱中の唐辛子ソースは、沸騰しても液面上に泡が沸きあがらなかった。
【0068】
得られた麻婆豆腐は、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が適度に付与されており、大変好ましいものであった。
【0069】
<配合割合>
菜種油(凝固温度−5℃) 5%
ラード(凝固温度25℃) 3%
しょうが 1%
にんにく 1%
たまねぎ(10mmダイスカット) 15%
鶏ひき肉 14%
豆板醤(唐辛子含有量85%) 3.5%
醤油 4%
食塩 1.6%
砂糖 4%
たけのこ 6%
澱粉 3%
トウガラシオレオレジン 0.05%
(辛味成分の合計含有量は実施例1と同様)
清水 残 余
――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%

【0070】
[実施例4]
実施例3において、ラードに換えてパーム油(凝固温度35℃)を配合した以外は同様にしてパウチ内に唐辛子ソースが充填されている電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを得た。得られた唐辛子ソースの食塩含有量は2.8%(豆板醤、醤油、食塩由来の合計食塩含有量)、澱粉含有量は3%、唐辛子100部に対するトウガラシオレオレジン含有量は1.7部であり、乾物換算した唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量は3%(豆板醤由来の唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量)、凝固点が0℃以上の食用油脂含有量が3%であった。また、唐辛子ソースの粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は0.6Pa・sであった。
【0071】
得られた電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを用い、実施例1と同様に豆腐の加熱調理を行ったところ、電子レンジ加熱中の唐辛子ソースは、沸騰しても液面上に泡が沸きあがらなかった。得られた豆腐のチゲ煮は、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が適度に付与されており、大変好ましいものであった。
【0072】
[実施例5]
実施例3において、ラードを配合せず、その減少分を菜種油の配合量を増やした以外は同様にして電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを得た。得られた唐辛子ソースの食塩含有量は2.8%(豆板醤、醤油、食塩由来の合計食塩含有量)、澱粉含有量は3%、唐辛子100部に対するトウガラシオレオレジン含有量は1.7部であり、乾物換算した唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量は3%(豆板醤由来の唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量)、凝固点が0℃以上の食用油脂含有量が0%であった。また、唐辛子ソースの粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は0.6Pa・sであった。
【0073】
得られた電子レンジ用容器詰唐辛子ソースを用い、実施例1と同様に豆腐の加熱調理を行ったところ、電子レンジ加熱中の唐辛子ソースは、沸騰して液面上にやや泡が沸きあがったもののその高さは液面から20mm以下であり問題のない程度であった。得られた豆腐のチゲ煮は、豆腐に唐辛子の風味や赤い色調が適度に付与されており、好ましいものであった。
【符号の説明】
【0074】
1 電子レンジ用容器詰唐辛子ソース
10 容器(パウチ)
11 ジッパー部
20 唐辛子ソース


















【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆腐を加えて電子レンジで加熱調理することにより豆腐の唐辛子煮を得られるようにするための粘度が0.1〜4Pa・sの電子レンジ用唐辛子ソースであって、唐辛子ソース全体に対し食塩を1.5〜4%、澱粉を0.1〜5%含有し、且つ乾物換算した唐辛子100部に対しトウガラシオレオレジンを0.05〜50部含有することを特徴とする電子レンジ用唐辛子ソース。
【請求項2】
乾物換算した唐辛子とトウガラシオレオレジンの合計含有量が唐辛子ソース全体に対して0.1〜5%である請求項1記載の電子レンジ用唐辛子ソース。
【請求項3】
唐辛子ソース全体に対し凝固点が0℃以上の食用油脂を0.1〜10%含有する請求項1又は2に記載の電子レンジ用唐辛子ソース。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の唐辛子ソースに豆腐を加えて電子レンジで加熱調理することを特徴とする豆腐の唐辛子煮の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載の電子レンジ用唐辛子ソースが容器に充填されてなり、容器内に豆腐を投入し、電子レンジで加熱調理することにより豆腐の唐辛子煮を得られるようにする電子レンジ用容器詰唐辛子ソース。
【請求項6】
容器が豆腐の投入口となるジッパー部と電子レンジによる加熱調理時に蒸気を排出する蒸気抜き機構とを有したパウチである請求項5記載の電子レンジ用容器詰唐辛子ソース。
【請求項7】
容器へ投入する豆腐の大きさ及び量、並びに電子レンジ加熱条件についての説明表示を備えている請求項5又は6に記載の電子レンジ用容器詰唐辛子ソース。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれかに記載の電子レンジ用容器詰唐辛子ソースの容器内に豆腐を投入して電子レンジで加熱調理することを特徴とする豆腐の唐辛子煮の製造方法。








【図1】
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【公開番号】特開2011−101620(P2011−101620A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258018(P2009−258018)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000001421)キユーピー株式会社 (657)
【Fターム(参考)】