説明

電子写真現像剤用キャリアおよび現像剤

【課題】かかる不具合を生じさせない、即ち、粒状性が良好、帯電安定性が良好、地汚れが少ない、かつキャリア付着の起こり難いキャリア、および現像剤を、さらに、現像方法、画像形成装置を提供すること。
【解決手段】芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなり、重量平均粒径Dwが22〜32μm、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.20である電子写真現像剤用キャリアであって、キャリア芯材粒子の投影断面の円相当径をDμm、芯材粒子内部に存在する最大の空隙の投影断面の円相当径をdμmとするとき、0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数比率が、0〜5000個数ppmであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性を有する芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなる、重量平均粒径Dwが22〜32μmである電子写真現像剤用キャリア、現像剤、現像方法、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真の現像方式には、トナーのみを主成分とする、いわゆる一成分系現像方式と、ガラスビーズ、磁性体キャリア、あるいは、それらの表面を樹脂などで被覆したコートキャリアとトナーとを混合して使用する二成分系現像方式がある。
二成分現像方式は、キャリアを使用することから、トナーに対する摩擦帯電面積が広いため、一成分方式に比較して、帯電特性が安定しており、長期にわたって高画質を維持するのに有利である。また、現像領域へのトナー量供給能力が高いことが特徴であり、レーザービームなどで感光体上に静電潜像を形成し、この潜像を顕像化するデジタル方式の電子写真システムにおいて、前述の特徴を活かした二成分現像方式が広く採用されている。
【0003】
近年、解像度アップ、ハイライト再現性、均一性(粒状性)向上、およびカラー化などに対応するため、潜像の最小単位(1ドット)の極小化、高密度化が図られており、特に、これらの潜像(ドット)を、忠実に現像できる現像システムが重要な課題となってきている。そのため、プロセス条件、現像剤(トナー、キャリア)両面から種々の提案がなされている。プロセス面では、現像ギャップの近接化、感光体の薄膜化、また、書き込みビーム径の小径化等が有効であるが、コストが高くなること、また信頼性などの点で依然大きな課題がある。
【0004】
一方、現像剤としては、小粒径トナーの使用によりドットの再現性が大幅に改良される。しかし、小粒径トナーを含む現像剤には、地汚れの発生、画像濃度の不足などの解決すべき課題が残っている。また、小粒径のフルカラートナーの場合、充分な色調を得るため、低軟化点の樹脂が使用されるが、黒トナーの場合に比べて、キャリアへのスペント量が多くなり、現像剤が劣化して、トナー飛散および地肌汚れが起こり易くなる。
【0005】
小粒径キャリアの使用も種々提案されている。
例えば、特許文献1では、スピネル構造を持つフェライト粒子からなり、平均粒径が30μm未満の磁性キャリアが提案されている。これは、樹脂コートされていないキャリアであって、低い現像電界のもとで使用するものであり、現像能力に乏しく、また樹脂コートされていないため、寿命が短い。
【0006】
また、特許文献2には、キャリア粒子を有する電子写真用キャリアにおいて、該キャリアは、50%平均粒径(D50)15〜45μmを有し、22μmより小さいキャリア粒子を1〜20%含有しており、16μmより小さいキャリア粒子を3%以下含有しており、62μm以上のキャリア粒子を2〜15%含有しており、かつ88μm以上のキャリア粒子を2%以下含有し、かつ、特定の比表面積をもつ電子写真用キャリアが記載されている。
【0007】
この小粒径キャリアを使用する場合には、次のような利点が得られる。
(1)単位体積当りの表面積が広いため、個々のトナーに充分な摩擦帯電を与えることができ、低帯電量トナー、逆帯電量トナーの発生が少ない。その結果、地汚れが発生しにくくなり、また、ドット周辺のトナーのちり、にじみが少なくドット再現性が良好となる。
(2)単位体積当りの表面積が広く、地汚れが発生しにくく、現像により充分な画像濃度が得られる。
(3)小粒径キャリアは、緻密な磁気ブラシを形成し、かつ穂の流動性が良いため、画像に穂跡が発生しにくいという特徴がある。
【0008】
しかし、キャリアは小粒径化に伴って、磁気束縛力が粒径の3乗の割合で急激に小さくなり、キャリア付着が非常に起き易くなり、キャリア粒子、または切断された磁気ブラシの形態で付着する。その結果、感光体の傷や定着ローラ傷の発生原因となることが、非常に大きな課題であった。
【0009】
【特許文献1】特開昭58−144839号公報
【特許文献2】特許第3029180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の主たる目的は、かかる不具合を生じさせない、即ち、粒状性が良好、帯電安定性が良好、地汚れが少ない、かつキャリア付着の起こり難いキャリア、および現像剤を、さらに、現像方法、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討の結果、小粒径であって、小粒径粒子の含有割合が少ない特定の粒径分布を持ち、かつ芯材内部に存在する空隙が一定の大きさ以上の粒子の比率を低く制御することによって、上記の課題を達成できることが分かった。
【0012】
通常、画像の地肌部や画像部へのキャリア付着は、Fm<Fcとなったときに、キャリア粒子、または切断された磁気ブラシの形態で付着することにより生じる。
ただし、Fm:磁気束縛力、Fc:キャリア付着を引き起こす力である。
【0013】
本発明者らは、小粒径キャリアについてキャリア付着し易い芯材、あるいは感光体にキャリア付着してしまった粒子について、各種の分析・解析を実施したところ、これらの粒子には、内部に大きな空隙が存在している粒子が多いことを見出した。
【0014】
酸化鉄、金属酸化物を混合、粉砕、造粒し、更に焼成して得られるフェライト粒子は、微小な空隙が粒子内部に存在しているものが多く、大きな空隙を有する粒子は、質量が実質的に小さくなるために、磁化が小さくなり、現像スリーブに対する磁気束縛力が小さくなって、キャリア付着を生じ易い。特に、平均粒径が小さくなると、粒子当りの磁化のバラツキが、平均粒径の大きなキャリアに比べて、大きな影響をもたらし、キャリア付着が発生し易くなることが分かった。
【0015】
大きな空隙が存在する粒子は、体積に比較して質量が小さくなるため、一粒子あたりの磁化も小さくなる。一方、空隙の有無に関わらずキャリアの表面積は実質的に同じであるため、粒子内部に空隙があってもキャリアに蓄積するトナーのカウンターチャージ、あるいは誘導される電荷量は、同じ値となる。従って、Fm<Fcとなって、キャリア付着が発生しているものと考えられる。
粒子内部に存在する空隙の様子は、種々の方法で検出できるが、以下の方法によっても、簡単に定量化することが可能である。
【0016】
即ち、粒子内部の空隙部分の円相当径dμm、および各粒子が外部に対して占める面積の円相当径Dμmの算出は、以下の手順で求めることが出来る。
測定装置:X線顕微鏡(TUX-3000W) 株式会社東研、46KV、200μA、焦点寸法0.6μm
X線顕微鏡(TUX-3000W)写真における空隙部分、および空隙を含む粒子が外部に対して占める面積を、画像処理ソフト(Image-Pro PLUS Ver4.0:MEDIA CYBERNETICS社製)を使用して測定し、円相当径を算出した。
キャリアを2000個を上述の方法で測定・解析し、空隙の円相当径(d)と、各粒子が外部に対して占める面積の円相当径Dの比率d/Dを求め、キャリア付着とその存在確率を検討したところ、下記第(1)項に記載に示す関係が明確となり本発明に到った。
なお、円相当径は次式で表される。
【0017】
【数1】

【0018】
【数2】

【0019】
これらの結果に基いて、本発明者らは空隙の存在状態とその個数比率を制御することによって、粒子間の磁化のバラツキを低減させることが出来ることを見出し本発明に至った。
即ち、以下の具体的な手段により、上記の課題を解決できる。
(1)「芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなり、重量平均粒径Dwが22〜32μm、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.20である電子写真現像剤用キャリアであって、キャリア芯材粒子の投影断面の円相当径をDμm、芯材粒子内部に存在する最大の空隙の投影断面の円相当径をdμmとするとき、0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数比率が、0〜5000個数ppmであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア」、
(2)「0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数比率が、0〜2000個数ppmあることを特徴とする前記第(1)項に記載のキャリア」、
(3)「キャリア芯材がMnMgSr系フェライトであることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の電子写真現像剤用キャリア」、
(4)「キャリア芯材がMnフェライトであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア」、
(5)「キャリア芯材がマグネタイトであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア」、
(6)「トナーとキャリアからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアとして、前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のキャリアを用いることを特徴とする電子写真用現像剤」、
(7)「トナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアが前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のキャリアであり、トナー濃度7重量%におけるトナーの帯電量が10〜50μc/gであることを特徴とする電子写真用現像剤」、
(8)「トナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアが前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のキャリアであり、該トナーの重量平均粒径が3.0〜9.0μmであることを特徴とする電子写真用現像剤」、
(9)「前記第(6)項乃至第(8)項のいずれかに記載の現像剤を用いることを特徴とする電子写真現像方法」、
(10)「感光体、前記現像剤と、現像スリーブを用い、現像スリーブと感光体の距離が0.4mm以下であり、かつ現像バイアスとして交流電圧及び/または直流電圧を印加することを特徴とする前記第(9)項に記載の電子写真現像方法」、
(11)「前記第(6)項乃至第(8)項のいずれかに記載の現像剤を用いる現像手段を有することを特徴とする画像形成装置」、
(12)「感光体、前記現像手段を有し、該現像手段が現像スリーブを用いるものであり、該現像スリーブと前記感光体の距離が0.4mm以下であり、かつ現像バイアスとして交流電圧及び/または直流電圧を印加することを特徴とする前記第(11)項に記載の画像形成装置」、
(13)「感光体と、該感光体の表面を帯電させる帯電ブラシと、前記第(6)項乃至第(8)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤を擁する現像部と、前記感光体の表面に残存する現像剤を払拭するブレードとを具備することを特徴とするプロセスカートリッジ」。
【発明の効果】
【0020】
以下の詳細且つ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、小粒径であって、小粒径粒子の含有割合が少ない特定の粒径分布を持ち、かつ芯材内部に存在する空隙が一定の大きさ以上の粒子の比率を制御することによって、(1)画像の均一性(粒状性)が良好、(2)経時の帯電安定性が良好で、地汚れし難い、かつ(3)キャリア付着の起こり難いキャリア、および現像剤を、さらに、現像方法、画像形成装置を提供することが出来る、という極めて優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の電子写真現像剤用キャリア(以下、単にキャリアともいう)は、磁性を有する芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とからなる。
【0022】
下記一般式で表されるフェライト芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなり、重量平均粒径Dwが22〜32μm、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.20である電子写真現像剤用キャリアであって、キャリア芯材粒子の投影断面の円相当径をDμm、芯材粒子内部に存在する最大の空隙の投影断面の円相当径をdμmとする時、0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数比率が、0〜5000個数ppmであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア
【0023】
本願の芯材は、フェライトの素材となる金属酸化物を混合、粉砕・微分散させたのち、造粒、焼成、分級を行って得られる、粒子内の空隙が極めて少ないキャリア用芯材である。
本発明においては、焼成後の芯材について、超音波振動ふるいなどによる分級と磁気分離法を併用することにより、空隙の大きな粒子を除去したものである。
即ち、キャリア芯材として使用される強磁性体、フェライト(フェリ磁性体)は、印加される磁界に対して質量に比例する磁化が発現し、磁界に束縛されている。
この束縛力の大きさを利用して磁化の小さい粒子(空隙の存在する質量の小さな粒子)を分離する。磁気分離する際、粒径分布が広いと質量の小さい粒子が存在している。従って、予め、分級処理を実施すると、空隙のある粒子を効率的に除去することが出来る。
分級処理と磁気選別を併用することによって、前記のような最大空隙を有する球状粒子の個数を、前記のように低い値に制御することができる。また、d/D=0.40のキャリア粒子は、空隙が存在しない場合に比べて、質量が前記のように約6重量%小さくなっているので、本発明におけるように粒子の形状が比較的揃っておりかつ粒径分布範囲が狭い芯材粒子の場合には、風力分離することも有効であり、また前記のように、1粒子あたりの磁化(emu)が約6%も低下し、現像スリーブに対する束縛力が小さくなっているので、磁気力を用いた分離も有効である。
さらに、空隙を除去するには、造粒後の粒子を焼成する際の温度の昇温パターンを制御することによって、空隙を小さくすることが出来る。
【0024】
芯材の材質としては、公知の磁性材料を用いることができ、うち、つぎのようなMnMgSr系フェライト、Mnフェライト、マグネタイトを好ましく用いることができる。
【0025】
【化1】


但し、x+y+z=100mol%であって、M、Nはそれぞれ、Ni、Cu、Zn、Li、Mg、Mn、Fe、Sr、Caなどであり、2価の金属酸化物と3価の鉄酸化物との完全混合物から構成されている。
また、Si、Ti、Ta,Nb,Vなどの添加物、およびCaなどのアルカリ土類金属を含んでも良い。
【0026】
[上記Dw、Dp、及びDw/Dpについて]
本発明のキャリアにおいて、下記一般式で表されるフェライト芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなり、好ましくは重量平均粒径Dwが22〜32μmである。
重量平均粒径Dwが前記範囲よりも大きいと、キャリア付着がより起こりにくくなるが、潜像に対してトナーが忠実に現像されなくなって、ドット径のバラツキが大きくなり粒状性が低下する。また、トナー濃度が高いと地汚れし易くなる。前記キャリア付着は、静電潜像の画像部又は地肌部にキャリアが付着する現象を示す。それぞれの電界が強いほどキャリア付着し易い。画像部は、トナー現像されることにより電界が弱められるため、地肌部に比べ、キャリア付着は起こり難い。
また、個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1〜1.20、より好ましくは1〜1.16である電子写真現像剤用キャリアである。1.20より大きいと、微粒子の比率が大きくなり、キャリア付着が悪化する。
【0027】
更に、本キャリアの芯材は、芯材粒子の投影断面の円相当径をDμm、芯材粒子内部に存在する最大の空隙の投影断面の円相当径をdμmとするとき、0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数比率が、0〜5000個数ppm、典型的には500〜5000個数ppmであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリアである。
d/D=0.40のキャリア粒子は、空隙が存在しない場合に比べて、質量が約14重量%小さくなっており、即ち、1粒子あたりの磁化(emu)が約6%低下し、現像スリーブに対する束縛力が小さくなっている。焼結タイプの芯材では、1個の粒子の中に複数個の空隙が存在する場合が多い。
【0028】
本発明においてキャリア、キャリア芯材及びトナーに関して言う重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。
この場合の重量平均粒径Dwは次式で表わされる。
【0029】
【数3】

式(1)中、Dは各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を測定幅単位に分割するための長さを示すもので、本発明の場合には、2μmの等分長さ(粒径分布幅)を採用した。
【0030】
また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用した。
また、本発明においてキャリア及びキャリア芯材粒子における個数平均粒径Dpは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものである。この場合の個数平均粒径Dpは以下の式で表わされる。
【0031】
【数4】

式(2)中、Nは計測した全粒子数を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは各チャネル(2μm)に存在する粒子粒径の下限値を示す。
【0032】
本発明において粒径分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計(モデルHRA9320−X100:Honewell社製)を用いた。
その測定条件は以下のとおりである。
[1]粒径範囲:100〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
【0033】
[上記d/Dが0.40〜1.0である粒子の個数比率が、0〜2000個数ppmについて]
該キャリア中の0.40<(d/D)<1.0である粒子は、より好ましくは個数比率が0〜2000個数ppmである。キャリア中の個数比率が減少することによって、キャリア付着が更に改善される。
【0034】
[上記キャリア芯材の材質について]
本発明者らは、キャリアの磁気束縛力に関係する磁化について、1000エルステッド(Oe)の磁場を印加したときの磁化が、40emu/g以上、より好ましくは70emu/g以上とすることにより、キャリア付着が改良されることを見出した。その上限値は特に制約されないが、通常、150emu/g程度である。
キャリア芯材粒子の磁化が前記範囲よりも小さくなると、キャリア付着が生じやすくなるので好ましくない。
【0035】
本発明のキャリアを構成する芯材粒子の材料としては、従来公知の各種の磁性材料が用いられる。
前記磁化は、以下のようにして測定することができる。
B−Hトレーサー(BHU−60/理研電子(株)製)を使用し、円筒のセルにキャリア芯材粒子1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし、3000エルステッドまで変化させ、次に徐々に小さくして零にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3000エルステッドとする。更に、徐々に磁場を小さくして零にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、BHカーブを図示し、その図より1000エルステッドの磁化を算出する。
【0036】
本発明のキャリアで使用する1000エルステッドの磁場を印加したときに、50emu/g以上となる芯材粒子としては、例えば、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ba系フェライト、Mn系フェライトなどが挙げられる。
フェライトとは、一般に下記式で表わされる焼結体である。
【0037】
【化2】


但し、x+y+z=100mol%であって、M、Nはそれぞれ、Ni、Cu、Zn、Li、Mg、Mn、Fe、Sr、Caなどであり、2価の金属酸化物と3価の鉄酸化物との完全混合物から構成されている。
また、Si、Ti、Ta,Nb,Vなどの添加物、およびCaなどのアルカリ土類金属を含んでも良い。
【0038】
本発明において、より好ましく用いられる1000エルステッドの磁場を印加したときの磁化が70emu/g以上の芯材粒子としては、例えば、マグネタイト系、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライトなどが挙げられる。
【0039】
[本発明の電子写真用現像剤について]
本発明のトナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤において、キャリアは上記のいずれかに記載のキャリアであり、トナー濃度7重量%におけるトナーの帯電量が15〜35μc/gとすることにより、地汚れ、キャリア付着の更に良好な電子写真用現像剤が得られる。
本発明のキャリアとトナーとからなる現像剤において、キャリアに対するトナー重量の比率は、2〜20%、好ましくは3〜15%である。また、本発明の現像剤において、トナー濃度が7%のときのトナーの帯電量は、好ましくは10〜50μc/g、より好ましくは15〜35μc/gである。
帯電量が10μc/gより低いと、地汚れ、およびトナー飛散が多くなる。また、50μc/gより大きいとキャリア付着が起き易くなる。35μc/g未満ではキャリア付着が大変良好である。
【0040】
現像剤の帯電量は以下の方法で測定することができる。これを図4に示す。
一定量の現像剤を、両端に金属メッシュを備えた導体容器(ケージ)(15)に入れる。メッシュ(ステンレス製)の目開きはトナーとキャリアの粒径の中間のもの(目開き20μm)選び、トナーがメッシュの間を通過するように設定する。ノズルから圧縮窒素ガス(1kgf/cm)を60秒間吹き付けて、トナーをゲージの外へ飛び出させると、ケージ内にトナーの電荷と逆極性を持ったキャリアが残される。
その電荷量Qと、飛び出したトナーの質量Mを測定し、単位質量当たりの電荷量を帯電量Q/Mとして算出する。トナー帯電量はμc/gで表示される。
【0041】
[本発明の電子写真現像方法について]
重量平均粒径3.0〜5.0μmのトナーと、(1)〜(5)のいずれかのキャリアを使用し現像剤とすると、特に粒状性が良くなり、更に高画質化が達成される。
【0042】
[本発明の画像形成装置について]
重量平均粒径5μm以下のトナーと、(1)〜(5)のいずれかのキャリアを使用し現像剤とすると、特に粒状性が良くなり、更に高画質化が達成される。
【0043】
本発明の現像剤は、前記キャリアとトナーとからなる。
本発明のキャリアは、その抵抗率(LogR・cm)は、好ましくは11.0〜16.0、より好ましくは12.0〜14.0である。
キャリアの抵抗率が11.0よりも低いと、現像ギャップ(感光体と現像スリーブ間の最近接距離)が狭くなった場合、キャリアに電荷が誘導されてキャリア付着が発生し易くなる。感光体の線速度、および、現像スリーブの線速度が大きい場合、悪化の傾向が見られる。また、ACバイアスを印加する場合は顕著である。通常、カラートナー現像用キャリアは充分なトナー付着量を得るため、低抵抗のものが使用されることが一般的である。
上記の抵抗範囲のキャリアは、適正なトナー帯電量のもとで使用することにより、充分な画像濃度が得られることが判った。
また、16.0より大きいとトナーと反対極性の電荷が溜まりやすくなり、キャリアが帯電してキャリア付着が起き易くなる。
【0044】
上記キャリア抵抗率は、次の方法により、測定することができる。
図5に示すように、電極間距離2mm、表面積2×4cmの電極(12a)、(12b)を収容したフッ素樹脂製容器からなるセル(11)にキャリア(13)を充填し、両極間に100Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK 5HVLVWDQFH OHWHU;横川ヒューレットパッカード株式会社製)にて直流抵抗を測定し、電気抵抗率LogR・Ωcmを算出する。
キャリア抵抗測定の際の充填の度合いは、キャリアをセルにあふれるまで入れたのち、セル全体を20回タッピングしたのち、セルの上面を非磁性でできた水平なへらを用いてセルの上端に沿って一回の操作で平らにかきとる。充填の際に加圧は不要である。
【0045】
上記キャリアの抵抗率の調整は、芯材粒子上の被覆樹脂の抵抗調整、膜厚の制御によって可能である。また、キャリア抵抗調整のために、導電性微粉末を被覆樹脂層に添加して使用することも可能である。上記導電性微粉末としては、導電性ZnO、Al等の金属又は金属酸化物粉、種々の方法で調製されたSnO又は種々の元素をドープしたSnO、TiB、ZnB、MoB等のホウ化物、炭化ケイ素、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。
これらの導電性微粉末は、以下の方法、即ち、コーティングに使用する溶媒、あるいは被覆用樹脂溶液に導電性微粉末を投入後、ボールミル、ビーズミルなどメディアを使用した分散機、あるいは高速回転する羽根を備えた攪拌機を使用することによって均一に分散することができる。
【0046】
前記のように、キャリアの製造に用いられている使用可能な樹脂としては、従来公知の各種のものを用いることができるが、次式で表わされる繰り返し単位を含むシリコーン樹脂が好ましく用いられる。
【0047】
【化3】

【0048】
上記式(3)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、炭素数1〜4の低級アルキル基、またはアリール基(フェニル基、トリル基など)を示し、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、またはアリーレン基(フェニレン基など)を示す。
【0049】
上記式(3)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0050】
本発明では、前記シリコーン樹脂としてストレートシリコーン樹脂を用いることができる。このようなものとしては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)などが挙げられる。
【0051】
本発明では、前記シリコーン樹脂として変性シリコーン樹脂を用いることができる。このようなものとしては、エポキシ変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アルキッド変性シリコーンなどが挙げられる。
上記変性シリコーン樹脂の具体例としては、エポキシ変性物:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性物:KR−5203、アルキッド変性物:KR−206、ウレタン変性物:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性物:SR2115、アルキッド変性物:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)などが挙げられる。
【0052】
更に、本発明では、以下に示すものを単独または上記シリコーン樹脂と混合して使用することも可能である。
ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
【0053】
キャリア芯材粒子表面に樹脂層を形成するための方法としては、スプレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティング法など公知の方法が使用できる。
特に、流動床型コーティング装置を用いる方法は、均一な塗付膜を形成するのに有効である。
キャリア芯材粒子表面上に形成する樹脂層の厚みは、通常0.02〜1μm、好ましくは0.03〜0.8μmである。
【0054】
また、前述のシリコーン樹脂からなる樹脂被覆層にアミノシランカップリング剤を含有させることにより、耐久性の良好な(1)〜(5)のいずれかに記載のキャリアを得ることができる。
本発明で用いるアミノシランカップリング剤としては以下のようなものが挙げられる。含有量は、0.001〜30重量%が好ましい。
【0055】
【化4】

【0056】
本発明に使用されるトナーは、熱可塑性樹脂を主成分とするバインダー樹脂中に、着色剤、微粒子、そして帯電制御剤、離型剤等を含有させたものであり、従来公知の各種のトナーを用いることができる。このトナーは、重合法、造粒法などの各種のトナー製法によって作成された不定形または球形のトナーであることができる。また、磁性トナー及び非磁性トナーのいずれも使用可能である。
【0057】
トナーのバインダー樹脂としては以下のものを、単独あるいは混合して使用できる。
スチレン系バインダー樹脂として、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル系バインダーとして、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレーが挙げられ、その他、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
【0058】
また、ポリエステル樹脂は、スチレン系やアクリル系樹脂に比して、トナーの保存時の安定性を確保しつつ、より溶融粘度を低下させることが可能である。このようなポリエステル樹脂は、例えば、アルコールとカルボン酸との重縮合反応によって得ることができる。
アルコールとしては、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノーAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単位体、その他の2価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体を挙げることができる。
【0059】
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸からの二量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これらの酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
【0060】
エポキシ系樹脂としては、ビスフェノールAとエポクロルヒドリンとの重縮合物等があり、例えば、エポミックR362、R364、R365、R366、R367、R369(以上、三井石油化学工業(株)製)、エポトートYD−011、YD−012、YD−014、YD−904、YD−017、(以上、東都化成(株)製)エポコ−ト1002、1004、1007(以上、シェル化学社製)等の市販のものが挙げられる。
【0061】
本発明に使用される着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、ハンザイエローG、ローダミン6Gレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、染顔料など、従来公知の染顔料をも単独あるいは混合して使用し得る。
【0062】
また、トナーに磁性体を含有させて磁性トナーとすることも可能である。磁性体としては、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Znフェライト、Baフェライトなどの微粉末が使用できる。
【0063】
トナーの摩擦帯電性を充分に制御する目的で、いわゆる帯電制御剤、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸およびその塩、サリチル酸、ナフトエ塩、ジカルボン酸のCo、Cr、Fe等の金属錯体アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物、有機染料などを含有させることができる。
【0064】
さらにまた、本発明で用いるトナーには必要に応じて離型剤を添加してもよい。
離型材料としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ホホバワックス、ライスワックス、モンタン酸ワックス等を単独または混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
トナーには、添加剤を添加することができる。良好な画像を得るためには、トナーに充分な流動性を付与することが肝要である。
外添剤としては該無機微粒子の他に一般的な疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が1〜100nm、より好ましくは5nm〜70nmの無機微粒子を含むことが望ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。
【0066】
それらは、条件を満たせば公知のものが使用可能である。例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(チタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマー等を含有してもよい。
特に好適な添加剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子があげられる。シリカ微粒子としては、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H 1303(以上クラリアントジャパン)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上日本アエロジル)がある。また、チタニア微粒子としては、P−25(日本アエロジル)やSTT−30、STT−65C−S(以上チタン工業)、TAF−140(富士チタン工業)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(以上テイカ)などがある。特に疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、T−805(日本アエロジル)やSTT−30A、STT−65S−S(以上チタン工業)、TAF−500T、TAF−1500T(以上富士チタン工業)、MT−100S、MT−100T(以上テイカ)、IT−S(石原産業)などがある。
疎水化処理された無機微粒子、シリカ微粒子及びチタニア微粒子、アルミナ微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理して得ることができる。
【0067】
本発明で用いるトナーにおいて、その重量平均粒径Dtは3.0〜9.0μm、より好ましくは3.0〜5.0μmである。トナー粒径はコールターカウンター(コールターカウンター社製)を用いて測定した。
【0068】
[本発明の画像形成装置について]
キャリアとして、前記(1)〜(5)のいずれかに記載のキャリアを用い、トナー濃度が7%のときの該トナーの帯電量が10〜50μc/gであり、トナーの重量平均粒径が3.0〜9.0μmを用い、かつ、現像スリーブと感光体の距離が0.4mm以下であり、かつ現像バイアスとして交流電圧を印加することを特徴とする電子写真現像方法により、キャリア付着の少ない、高画質を得ることができる。
本発明の現像方法は、前記した本発明のキャリア、トナー、および現像剤を用いて潜像を現像する方法である。該方法においては、外部から印加する現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳させた交流電圧を印加すると、充分な画像濃度が得られる。特に、ハイライトの粒状性が良好となる。
【0069】
更に、現像バイアスとして、直流電圧のみを印加すると、キャリア付着、エッジ効果が大幅に改善され、また、地汚れ対する余裕度が大きくなるため、キャリアに対するトナー被覆率を上げられること、またトナー帯電量、および現像バイアスを下げることが可能となり、画像濃度アップを図ることができるので好ましい。
更に、現像バイアスとして、直流電圧のみを印加すると、キャリア付着、エッジ効果が大幅に改善され、また、地汚れ対する余裕度が大きくなるため、キャリアに対するトナー被覆率を上げられること、またトナー帯電量、および現像バイアスを下げることが可能となり、画像濃度アップを図ることができるので好ましい。
【0070】
[本発明のプロセスカートリッジについて]
なお、感光体と、この感光体の表面を帯電させる帯電ブラシと、前記感光体の表面に形成される静電潜像を前記のキャリア、および現像剤を用いて現像する現像部と、前記感光体の表面に残存する現像剤を払拭するブレードとを具備することを特徴とするプロセスカートリッジとして電子写真システムに採用することができた。
【0071】
次に、図面により本発明の電子写真現像方法ならびに電子写真現像装置の例を詳しく説明するが、これら例は、本発明を説明するためのものであって、本発明を限定するためのものではない。
図6は、本発明の電子写真現像方法および現像装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図6において、潜像担持体である感光体ドラム(20)に対向して配設された現像装置(40)は、現像剤担持体としての現像スリーブ(41)、現像剤収容部材(42)、規制部材としてのドクターブレード(43)、支持ケース(44)等から主に構成されている。
感光体ドラム(20)側に開口を有する支持ケース(44)には、内部にトナー(21)を収容するトナー収容部としてのトナーホッパー(45)が接合されている。トナーホッパー(45)に隣接した、トナー(21)とキャリア粒子(23)とからなる現像剤を収容する現像剤収容部(46)には、トナー粒子(21)とキャリア粒子(23)を撹拌し、トナー粒子に摩擦/剥離電荷を付与するための、現像剤撹拌機構(47)が設けられている。
【0072】
トナーホッパー(45)の内部には、図示しない駆動手段によって回動されるトナー供給手段としてのトナーアジテータ(48)及びトナー補給機構(49)が配設されている。トナーアジテータ(48)及びトナー補給機構(49)は、トナーホッパー(45)内のトナー(21)を現像剤収容部(46)に向けて撹拌しながら送り出す。
感光体ドラム(20)とトナーホッパー(45)との間の空間には、現像スリーブ(41)が配設されている。図示しない駆動手段で図の矢印方向に回転駆動される現像スリーブ(41)は、キャリア粒子(23)による磁気ブラシを形成するために、その内部に現像装置(40)に対して相対位置不変に配設された、磁界発生手段としての図示しない磁石を有する。
現像剤収容部材(42)の、支持ケース(44)に取り付けられた側と対向する側には、規制部材(ドクターブレード)(43)が一体的に取り付けられている。規制部材(ドクターブレード)(43)は、この例では、その先端と現像スリーブ(41)の外周面との間に一定の隙間を保った状態で配設されている。
【0073】
このような装置を非限定的に用い、本発明の現像方法は、次のように遂行される。即ち、上記構成により、トナーホッパー(45)の内部からトナーアジテータ(48)、トナー補給機構(49)によって送り出されたトナー(21)は、現像剤収容部(46)へ運ばれ、現像剤撹拌機構(47)で撹拌されることによって、所望の摩擦/剥離電荷が付与され、キャリア粒子(23)と共に現像剤として、現像スリーブ(41)に担持されて感光体ドラム(20)の外周面と対向する位置まで搬送され、トナー(21)のみが感光体ドラム(20)上に形成された静電潜像と静電的に結合することにより、感光体ドラム(20)上にトナー像が形成される。
【0074】
図7はこのような現像装置を有する画像形成装置の一例を示す断面図である。ドラム状の像担持体すなわち感光体ドラム(20)の周囲に、像担持体帯電部材(32)、像露光系(33)、現像(装置)機構(40)、転写機構(50)、クリーニング機構(60)、除電ランプ(70)が配置されていて、この例の場合、像担持体帯電部材(32)の表面は感光体(20)の表面とは約0.2mmの間隙を置いて非接触状態にあり、帯電用部材(32)により感光体(20)に帯電を施す際、帯電部材(32)に図示してない電圧印加手段によって直流成分に交流成分を重畳した電界により感光体に帯電を与えることにより、帯電ムラを低減することが可能であり、効果的である。現像方法を含む画像形成方法は、以下の動作で行なわれる。
【0075】
画像形成の一連のプロセスは、ネガ−ポジプロセスで説明を行なうことができる。有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される像担持体(20)は除電ランプ(70)で除電され、帯電チャージャや帯電ローラといった帯電部材(32)で均一にマイナスに帯電され、レーザー光学系(33)より照射されるレーザー光で潜像形成(この例では露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行なわれる。
【0076】
レーザー光は半導体レーザーから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により像担持体すなわち感光体(20)の表面を、像担持体(20)の回転軸方向に走査する。このようにして形成された潜像が、現像装置、現像手段又は現像装置(40)にある現像剤担持体である現像スリーブ(41)上に供給されたトナー粒子及びキャリア粒子の混合物からなる現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブ(41)に、像担持体(20)の露光部と非露光部の間に、ある適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
【0077】
一方、転写媒体(例えば紙)(80)が、給紙機構(図示せず)から給送され、上下一対のレジストローラ(図示せず)で画像先端と同期をとって像担持体(20)と転写部材(50)との間に給送され、トナー像が転写される。このとき、転写部材(50)には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、転写媒体または中間転写媒体(80)は像担持体(20)より分離され、転写像が得られる。
また、像担持体上に残存するトナー粒子は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード(61)にて、クリーニング機構(60)内のトナー回収室(62)へ回収される。
回収されたトナー粒子は、トナーリサイクル手段(図示せず)により現像部および/またはトナー補給部に搬送され、再使用されても良い。
画像形成装置は、上述の現像装置を複数配置し、転写媒体上へトナー像を順次転写した後、定着機構へ送り、熱等によってトナーを定着する装置であっても良く、一端中間転写媒体上へ複数のトナー像を転写し、これを一括して転写媒体に転写後同様の定着を行なう装置であっても良い。
【0078】
図8には、本発明による電子写真現像方法を用いた別のプロセス例を示す。感光体(20)は導電性支持体上に少なくとも感光層が設けてなり、駆動ローラ(24a)、(24b)により駆動され、帯電ローラ(32)による帯電、光源(33)による像露光、現像装置(40)による現像、帯電器(50)を用いる転写、光源(26)によるクリーニング前露光、ブラシ状クリーニング手段(64)及びクリーニングブレード(61)によるクリーニング、除電光源(70)による除電が繰返し行なわれる。図8においては、感光体(20)(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0079】
図9には、本発明のプロセスカートリッジの1例が示される。このプロセスカートリッジは、本発明のキャリアを使用し、感光体(20)と、近接型のブラシ状接触帯電手段(32)、本発明の現像剤を収納せる現像手段(40)、クリーニング手段としてのクリーニングブレード(61)を少なくとも有するクリーニング手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。本発明においては、上述の各構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成することができる。
【実施例】
【0080】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて説明する。以下において、「部」は重量部を表わす。
トナーの製造例
(トナー製造例1)
ポリエステル樹脂 100部
キナクリドン系マゼンタ顔料 4.0部
含フッ素4級アンモニウム塩 4部
以上の各成分をブレンダーにて充分に混合した後、2軸式押出し機にて溶融混練し、放冷後カッターミルで粗粉砕し、ついでジェット気流式微粉砕機で微粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級して、重量平均平均粒径6.8μmのトナー母粒子を得た。
更に、このトナー母粒子100部に対して、疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)0.8部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して、トナーIを得た。
【0081】
(トナー製造例2)
トナー製造例1と全く同様にして母体トナーを作成し、重量平均粒径4.5μmの疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)の添加量1.2部のトナーIIを得た。
【0082】
(芯材の製造例1)
表1に示した性状を持つキャリア芯材粒子(a)(CuZn系フェライト1KOeの磁化55emu/g)を用意した。この芯材は、CuZnフェライトを、以下の方法で、分級、空隙除去処理を実施して得られた。
即ち、まず、超音波発振器付の振動ふるい機を用いて分級し、次に、イマジオカラー4000(リコー製デジタルカラー複写機・プリンター複合機)の現像器を使用し、主極の磁石(約1000ガウス)を、磁力の弱い250ガウスの磁石に取り替え、現像器単体で駆動出来る装置を作成した。
前記分級後の芯材をこの装置に投入し、以下の条件で、単体現像装置を10分間駆動させた。
ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.30mm
現像スリーブ線速: 150mm/sec
その結果、250ガウスの主極の位置から、芯材粒子の一部が飛散・分離された。これらの粒子は、大きな空隙の存在する粒子が大半であった。
更に、再度、超音波発振器付の振動ふるい機を用いて分級し、表1に示す真球タイプのフェライト芯材粒子(a)を得た。
【0083】
(キャリア製造例1)
シリコーン樹脂(SR2411 トーレダウコーニングシリコーン社製)を希釈して、シリコーン樹脂溶液(固形分:5%)を得た。
流動床型コーティング装置を用いて、表1に示した性状を持つキャリア芯材粒子(a)(CuZn系フェライト1KOeの磁化55emu/g)5Kgの各粒子表面上に、上記のシリコーン樹脂溶液を、90℃の雰囲気下で30g/minの割合で塗布し、更に230℃で2時間加熱して、重量平均粒径Dw=27.9μm、Dw/Dp=1.13、1KOeの磁化55emu/gキャリア膜厚約0.27μmのキャリアAを得た。
このキャリアについて、X線顕微鏡(TUX-3000W)を使用して2000個の粒子について、空隙の大きさとその個数を調べた。
キャリア芯材粒子の投影断面の円相当径をDμm、芯材粒子内部に存在する最大の空隙の投影断面の円相当径をdμmとする時、0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数は、8個であり、4000個数ppmの割合であることが分かった。
【0084】
(キャリア製造例2〜製造例10)
製造例1と同様の方法で表1のフェライト芯材を使用して、製造例1と全く同様の方法でキャリアB〜キャリアJを製造した。
なお、キャリアGにおいては、コート材中にH2N(CH23Si(OC253を10部添加して、キャリアの帯電量を調整した。
それぞれのキャリアの特性、および芯材内部に0.4<(d/D)<1.0に相当する空隙を有するキャリア粒子の個数を調べた。
検討結果を表1に示す。
【0085】
(現像剤の作成及び評価)
以上のトナー製造例1及び2で得たトナーI及びトナーIIと、キャリア製造実施例1〜10で得たキャリアA〜Jを用いて、種々の現像剤を製造した。
また、得られた現像剤を用いて画像形成を行ない、その画像品質確認および信頼性試験等の特性試験を行なった。
なお、画像はイマジオカラー4000(リコー製デジタルカラー複写機・プリンター複合機)を使用し、次の現像条件で作成した。
現像ギャップ(感光体−現像スリーブ):0.35mm
ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.65mm
感光体線速度200mm/sec
(現像スリーブ線速度/感光体線速度)=1.80
書込み密度:600dpi
帯電電位(Vd):−600V
画像部(べた原稿)にあたる部分の露光後の電位(Vl):−150V
現像バイアス:直流電圧−500V/交流バイアス成分:2KHZ、−100V〜−900V、50%duty
品質評価は転写紙上で実施、但しキャリア付着は現像後転写前の状態を感光体上から粘着テープに転写して観察した。
【0086】
以下の画像形成の実施例において採用した試験方法は次のとおりである。
(1)画像濃度:
上記現像条件における、30mm×30mmのベタ部の中心をX−Rite938分光測色濃度計で、5個所測定し平均値を出す。
【0087】
(2)地汚れ:
上記現像条件における地肌部のよごれを10段階で評価した。ランクが高いほど地汚れが少なく、ランク10が最良。
評価方法/転写紙上の地肌部(非画像部)に付着しているトナーの個数を数え、1cm当たり付着個数に換算して、地汚れランクとした。各ランクとトナー付着数(個/cm)は以下のとおりである。
<ランク>
ランク10:0〜36
ランク9:37〜72
ランク8:73〜108
ランク7:109〜144
ランク6:145〜180
ランク5:181〜216
ランク4:217〜252
ランク3:253〜288
ランク2:289〜324
ランク1:325以上
【0088】
(3)粒状性:
下記の式で定義された粒状度(明度範囲:50〜80)を測定し、その数値を下記のようにランクに置き換え、表示した(ランク10が最良)。
粒状度=exp(aL+b)∫{WS(f)}1/2VTF(f)df
L:平均明度
f:空間周波数(cycle/mm)
WS(f):明度変動のパワースペクトラム
VTF(f):視覚の空間周波数特性
a,b:係数
L:平均明度
f:空間周波数(cycle/mm)
WS(f):明度変動のパワースペクトラム
VTF(f):視覚の空間周波数特性
a,b:定数
<ランク>
ランク10:−0.10〜0
ランク9:0〜0.05
ランク8:0.05〜0.10
ランク7:0.10〜0.15
ランク6:0.15〜0.20
ランク5:0.20〜0.25
ランク4:0.25〜0.30
ランク3:0.30〜0.40
ランク2:0.40〜0.50
ランク1:0.50以上
図10に各ランクの画像サンプルを示す。併せて、実施例の画像の拡大サンプルを示す。
【0089】
(4)キャリア付着:
キャリア付着が発生すると、感光体ドラムや定着ローラーの傷の原因となり、画像品質の低下を招く。キャリア付着しても一部のキャリアしか紙に転写してこないため、感光体ドラム上から粘着テープで転写して評価した。
副走査方向に2ドットライン(100lpi/inch)の画像パターンを作成し、直流バイアス400Vを印加して現像し、2ドットラインのライン間に付着したキャリアの個数(面積100cm)粘着テープで転写し、その個数を以下のようにランクで置き換え、表示した。ランク10が最良。
<ランク>
ランク10:0
ランク9:1〜10個
ランク8:11〜20個
ランク7:21〜30個
ランク6:31〜50個
ランク5:51〜100個
ランク4:101〜300個
ランク3:301〜600個
ランク2:601〜1000個
ランク1:1000個以上
【0090】
(5)50Kラン後の地汚れ:
初期画像出しに使用したマゼンタトナーI、またはトナーIを補給しながら画像面積率6%の文字画像チャートで5万枚のランニング評価を行なった。上記現像条件における地肌部の地汚れを前記(2)と同じ基準でランク評価した。
【0091】
(実施例1)
キャリアA(93部)に対して、トナーIを7部加えてボールミルで20分攪拌して、7.0Wt%の現像剤を作成した。トナー帯電量は、−24μc/gであった。
次に、前記現像条件のリコー製イマジオカラー4000を使用し、前述の測定評価方法により、まず画像品質の確認を行なった。
画像濃度は1.67、地汚れランクは8、粒状性はランク7、キャリア付着はランク8であった。引き続き、画像面積率6%の文字画像チャートで5万枚のランニング評価を行なった。5万枚ランニング後に、地汚れを確認したところ、地汚れはランク8と良好なレベルであり、高画質が維持されていた。
【0092】
(実施例2〜8及び比較例1〜7)
トナーとキャリアの組み合わせを表2に示すように変更して、7wt%の現像剤を作成した以外は、実施例1と全く同様にして評価を行なった。
キャリア製造例(キャリア芯材特性、およびキャリア特性)を表1に、各実施例、比較例における品質評価結果を表2に示す。
【0093】
【表1】

【0094】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】1個の粒子内部に、X線顕微鏡によって空隙が沢山見られるコアサンプルである。
【図2】空隙が存在する粒子のX線顕微鏡による拡大写真である。
【図3】粒子内部の空隙が比較的少ない芯材サンプルのX線顕微鏡による写真である。
【図4】本発明における現像剤の帯電量の測定方法を示した図である。
【図5】キャリアの電気抵抗率の測定に用いる抵抗測定セルの斜視図である。
【図6】本発明の電子写真現像方法を実行するのに適した現像装置の一例を説明する図である。
【図7】本発明の電子写真現像方法を用いた画像形成方法を実行するのに適した画像形成装置の1例を説明する図である。
【図8】本発明の電子写真現像方法を用いた画像形成方法を実行するのに適した画像形成装置の他の1例を説明する図である。
【図9】本発明のプロセスカートリッジの一例を説明する図である。
【図10】本発明の実施例における画像のハイライト均一性のランク、画像サンプルを示した図(拡大図)である。
【符号の説明】
【0096】
11 セル
12a 電極
12b 電極
13 キャリア
15 導体容器(ケージ)
20 感光体ドラム
21 トナー
23 キャリア
24a 駆動ローラ
24b 駆動ローラ
26 クリーニング前露光光源
32 像担持体帯電部材
33 像露光系
40 現像装置
41 現像スリーブ
42 現像剤収容部材
43 現像剤供給規制部材(ドクターブレード)
44 支持ケース
45 トナーホッパー
46 現像剤収容部
47 現像剤撹拌機構
48 トナーアジテータ
49 トナー補給機構
50 転写機構
60 クリーニング機構
61 クリーニングブレード
62 トナー回収室
64 ブラシ状クリーニング手段
70 除電ランプ
80 中間転写媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなり、重量平均粒径Dwが22〜32μm、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.20である電子写真現像剤用キャリアであって、キャリア芯材粒子の投影断面の円相当径をDμm、芯材粒子内部に存在する最大の空隙の投影断面の円相当径をdμmとするとき、0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数比率が、0〜5000個数ppmであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
【請求項2】
0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数比率が、0〜2000個数ppmあることを特徴とする請求項1に記載のキャリア。
【請求項3】
キャリア芯材がMnMgSr系フェライトであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真現像剤用キャリア。
【請求項4】
キャリア芯材がMnフェライトであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
【請求項5】
キャリア芯材がマグネタイトであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
【請求項6】
トナーとキャリアからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアとして、請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリアを用いることを特徴とする電子写真用現像剤。
【請求項7】
トナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアが請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリアであり、トナー濃度7重量%におけるトナーの帯電量が10〜50μc/gであることを特徴とする電子写真用現像剤。
【請求項8】
トナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアが請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリアであり、該トナーの重量平均粒径が3.0〜9.0μmであることを特徴とする電子写真用現像剤。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載の現像剤を用いることを特徴とする電子写真現像方法。
【請求項10】
感光体、前記現像剤と、現像スリーブを用い、現像スリーブと感光体の距離が0.4mm以下であり、かつ現像バイアスとして交流電圧及び/または直流電圧を印加することを特徴とする請求項9に記載の電子写真現像方法。
【請求項11】
請求項6乃至8のいずれかに記載の現像剤を用いる現像手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
感光体、前記現像手段を有し、該現像手段が現像スリーブを用いるものであり、該現像スリーブと前記感光体の距離が0.4mm以下であり、かつ現像バイアスとして交流電圧及び/または直流電圧を印加することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
感光体と、該感光体の表面を帯電させる帯電ブラシと、請求項6乃至8のいずれかに記載の静電潜像現像剤を擁する現像部と、前記感光体の表面に残存する現像剤を払拭するブレードとを具備することを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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