説明

電子制御装置

【課題】CPUが低消費電力モードとなっている状態で、ネットワークを介して接続された他の電子装置に対する機能実現要求が発生した場合における、機能実現要求に応じた信号の送出遅れを短縮する。
【解決手段】通信制御部は、CPUが低消費電力モードとなっている状態で、ネットワークを介して接続された他の電子装置に対する機能実現要求が発生した場合、この機能実現要求に応じた信号を生成し、CPUによる初期設定が行われる前に、ネットワークを介して機能実現要求に応じた信号を送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続された他の電子装置との間で、予め規定されたフレームフォーマットに従ったデータの送受信を行う電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両においては、車内ネットワークを介して複数の電子制御装置が接続され、各電子制御装置間で予め規定されたフレームフォーマットに従ったデータの送受信が行われ、各種電子制御装置が連携して各種機能が実現されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−86692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたような電子制御装置においては、例えば、車両のエンジンが停止すると、電子制御装置のCPUは通常モードから低消費電力モードに切り替わり、消費電力が低減されるようになっている。また、更に、CPUが通常モードで動作する場合には高周波クロック生成回路により生成されたクロックでCPUを動作させ、CPUが低消費電力モードで動作する場合には、高周波クロック生成回路を停止させて、低周波クロック生成回路により生成されたクロックでCPUを動作させるようにして消費電力を低減するようにもなっている。
【0005】
また、上記特許文献1に記載されたような電子制御装置では、CPUが低消費電力モードとなっている場合、車内ネットワークを介して接続された他の電子制御装置との間のデータの送受信は行われないようになっている。
【0006】
このため、例えば、電子制御装置のCPUが低消費電力モードとなっている状態でユーザによる操作スイッチの操作が行われ、この操作スイッチの操作に応じて、車内ネットワークを介して接続された他の電子制御装置へ特定機能の機能実現要求情報を送信するような場合、高周波クロック生成回路が起動して、高周波クロックの周波数が安定するまで一定期間待機し、CPUが低消費電力モードから通常モードに切り替わり、CPUによる通信制御部への初期設定が完了した後でないと、車内ネットワークを介して接続された他の電子制御装置へ機能実現要求情報が送出されない。したがって、他の電子制御装置がその機能を開始するのが遅くなってしまうといった課題がある。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みたもので、CPUが低消費電力モードとなっている状態で、ネットワークを介して接続された他の電子装置に対する機能実現要求が発生した場合における、機能実現要求に応じた信号の送出遅れを短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、通常モードと低消費電力モードとを切り替えて動作するCPUと、CPUが低消費電力モード状態から通常モード状態に切り替わった後、CPUによる初期設定に応じてネットワークを介して接続された他の電子装置との間で予め定められたフレームフォーマットに従ったデータの送受信を開始する通信制御部と、を備えた電子装置であって、通信制御部は、CPUが低消費電力モードとなっている状態で、ネットワークを介して接続された他の電子装置に対する機能実現要求が発生した場合、当該機能実現要求に応じた信号を生成し、CPUによる初期設定が行われる前に、ネットワークを介して機能実現要求に応じた信号を送出することを特徴としている。なお、機能実現要求に応じた信号としては、例えば、「他の電子機器を低消費電力モードから通常モードに移行させる信号」と「負荷を動作させる信号」の少なくとも一方とすることができる。
【0009】
このような構成によれば、通信制御部は、CPUが低消費電力モードとなっている状態で、ネットワークを介して接続された他の電子装置に対する機能実現要求が発生した場合、当該機能実現要求に応じた信号を生成し、CPUによる初期設定が行われる前に、ネットワークを介して機能実現要求に応じた信号を送出するので、CPUが低消費電力モードとなっている状態で、ネットワークを介して接続された他の電子装置に対する機能実現要求が発生した場合における、機能実現要求に応じた信号の送出遅れを短縮することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、通信制御部は、ネットワークを介して他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号を送出している場合、当該他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号を出力中であることをCPUに通知することを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、通信制御部は、ネットワークを介して他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号を送出している場合、当該他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号を出力中であることをCPUに通知するので、CPUは通信制御部から他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号が出力されていることを認識することができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明のように、通信制御部は、CPUから他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号の出力を停止する出力停止指令が入力された場合、他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号の送出を停止することができる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明のように、CPUは、通常モードで動作する場合には高周波クロック生成回路により生成されたクロックに同期して動作し、低消費電力モードで動作する場合には、高周波クロック生成回路が停止して、低周波クロック生成回路により生成されたクロックに同期して動作するようになっており、通信制御部は、低周波クロック生成回路により生成されたクロックに同期して動作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子装置により構成される電子制御システムの一例を示す図である。
【図2】ECUの構成を示す図である。
【図3】CPUのフローチャートである。
【図4】通信制御部の作動について説明するための図である。
【図5】通信制御部の作動について説明するための図である。
【図6】変形例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る電子制御装置(以下、ECUという)により構成される電子制御システムの一例を図1に示す。本電子制御システムは、車両に搭載されるもので、ECU1、ECU2、スイッチ3および負荷4により構成されている。スイッチ3は、負荷4の動作の開始および停止を指示するためのスイッチである。ECU1とECU2との間は、通信線(ネットワーク)5を介して接続されており、それぞれ予め規定されたフレームフォーマットに従ってデータの送受信が行われるようになっている。
【0016】
ユーザによりスイッチ3が操作され、このスイッチ3に対する操作に応じたスイッチ信号(機能実現要求を表す信号)がECU1に入力されると、ECU1からECU2へ機能実現要求信号に応じた信号が送信され、ECU2は、この機能実現要求信号に応じた信号に従って負荷4を制御するようになっている。なお、本実施形態における機能実現要求信号に応じた信号は、「他の電子機器を低消費電力モードから通常モードに移行させる信号」と「負荷を動作させる信号」の両方を兼ねている。ここで、機能実現要求信号に応じた信号としては、「他の電子機器を低消費電力モードから通常モードに移行させる信号」と「負荷を動作させる信号」のいずれか一方とすることもできる。また、機能実現要求信号に応じた信号は、このような意味合いの信号に限定されるものではない。
【0017】
図2に、本発明の一実施形態に係るECU1の構成を示す。なお、ECU1とECU2のハード構成は同一となっている。
【0018】
ECU1は、第1発振回路11a、第2発振回路11b、タイマ12、低消費電力制御部13、割込みコントローラ14、発振制御部15、CPU16、I/Oポート17、通信制御部18、RAM19aおよびROM19bを備えている。
【0019】
第1発振回路11aは、発振素子(例えば、水晶発振子)を有し、この発振素子より出力される高周波信号を用いて第1クロック(高速クロック)を生成し、CPU16へ出力する。
【0020】
第2発振回路11bは、CR発振回路(図示せず)を有し、このCR発振回路により出力される低周波信号を用いて第2クロック(低速クロック)を生成し、タイマ12、消費動作制御部13、割込みコントローラ14、発振制御部15、CPU16、I/Oポート17および通信制御部18へ出力する。この第2発振回路11bは、第2発振回路11bは、車両のイグニッションスイッチの状態と関係なく、バッテリ電源により常時動作する。
【0021】
タイマ12は、CPU16により設定された時間が経過する度にタイムアップ信号を割込みコントローラ14へ出力する。CPU16は、タイマ12からのタイムアップ信号に応じて割込みコントローラ14より入力される割込要求に従って間欠的に通常モードに切り替わるようになっている。
【0022】
低消費動作制御部13は、割込みコントローラ14からの起動要求に応じて発振制御部15へ動作または停止の指令を出力する。
【0023】
割込みコントローラ14は、割り込みが発生したことをCPU16に知らせるための回路である。コントローラ11は、CPU16からの割り込み設定により設定された優先度に従って割込み調停等を行う。
【0024】
また、割込みコントローラ14は、タイマ12よりタイムアップ信号が入力された場合、あるいはI/Oポート17を介して外部信号(スイッチ信号)が入力された場合、CPU16に対して割込み要求信号を出力するとともに、この割り込みがタイマによるものか、あるいはI/Oポートを介して入力された外部信号によるものかを示す割込み要因信号を通信制御部18へ出力する。
【0025】
発振制御部15は、低消費動作制御部13からの動作または停止の指令に応じて第1発振回路11aに対する動作または停止を指示する。また、発振制御部15は、第1発振回路11aの発振回路が発振を開始してから発振回路より出力される高周波信号の周波数が安定するまでの時間が経過すると、CPU16に対してRUN信号を出力する。CPU16は、このRUN信号に基づいて第1発振回路11aにより生成された第1クロックが安定したことを認識することができる。
【0026】
CPU16は、ROM19bに記憶されたプログラムに従って各種演算処理を実行する。CPU16は、通常モードと、通常モードよりも機能を制限して消費電力を少なくした低消費電力モードとを切り替えて動作する。
【0027】
I/Oポート17は、外部に接続される各種機器とデータの入力および出力を行う各種ポートP1〜Pnを有している。本実施形態において、ポートP1には、ネットワークを介してECU2が接続され、ポート2には、図1に示したスイッチ3が接続されている。
【0028】
通信制御部18は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)等のハードウェア回路により構成されている。
【0029】
通信制御部18は、送信タイマおよび各種レジスタを備えている。
【0030】
送信タイマは、カウンタにより構成されており、このカウンタによりネットワーク5を介して接続された他のECUへ起動信号の送出を開始してからの経過時間を計時する。送信タイマのカウント値は、後述するタイム出力状態レジスタに保持される。
【0031】
レジスタには、割込要因設定部、送信タイマ制御部および出力端子記憶部(いずれも図示せず)がある。
【0032】
割込要因設定部は、I/Oポート17を介して入力される外部割込に応じた起動信号を送出するか、タイマ12によるタイマ割込に応じた起動信号を送出するかを選択するレジスタである。この割込要因設定部は、割込みコントローラ14より入力される割込み要因信号により設定される。
【0033】
送信タイマ制御部は、特定のパルスパターンの起動信号の周期を設定する周期設定レジスタ、起動信号に含まれるパルスのデューティ比(パルス幅)を設定するデューティ比設定レジスタ、起動信号の繰り返し回数を設定する繰り返し回数設定レジスタを有している。
【0034】
通信制御部18は、周期設定レジスタ、デューティ比設定レジスタおよび繰り返し回数設定レジスタの設定値に基づいて、任意のパルスパターンの起動信号を繰り返し送出することが可能となっている。
【0035】
また、送信タイマ制御部は、送信タイマのカウント値を保持するタイム出力状態レジスタを有している。CPU16は、このタイム出力状態レジスタに記憶された値より、起動信号の送出を開始してからの経過時間を認識することができる。
【0036】
出力端子記憶部は、I/Oポート17のどの端子からどのような信号を出力させるかを指定する端子設定レジスタ、I/Oポート17の各端子の論理レベルの設定する論理レベル設定レジスタを備えている。通信制御部18は、端子設定レジスタの設定値に従ってI/Oポート17の各端子から各種信号を出力させる。また、通信制御部18は、論理レベル設定レジスタの設定によりI/Oポート17の各端子より出力する信号の論理レベルを反転させることが可能となっている。
【0037】
通信制御部18は、CPU16が低消費電力モード状態から通常モード状態に切り替わった後、当該CPU16からの出力開始の指令に応じて、ネットワーク5を介して接続されたECU2との間で予め規定されたフレームフォーマットに従ったデータの送受信を開始する。本実施形態ではCAN(Controller Area Network)通信に規定されたフレームフォーマットに従ったデータの送受信を行う。
【0038】
なお、フレームフォーマットには、フレームの先頭を示す情報(例えば、SOF)、送信ノードを表す識別情報(ID)、データを格納するデータフィールド、誤り検出のための情報(CRC)、フレームの終わりを示す情報(例えば、EOF)等の情報が含まれる。
【0039】
ここで、低消費電力モードの状態から通常状態に切り替わり、通常動作を開始する際のCPU16の処理について説明する。図3に、CPU16のフローチャートを示す。CPU16は、割込みコントローラ14より割込要求が入力されると、図3に示す処理を開始する。
【0040】
まず、第1発振回路11aより出力される第1クロックの周波数が安定するまで一定時間待機する(S100)。
【0041】
次に、CPU初期設定を実施する(S102)。具体的には、ROM19bに記憶された初期設定用のプログラムを実行して通常モードに切り替わる。このCPU初期設定には、例えば、BIOS設定等がある。
【0042】
次に、通信制御部18の初期設定を実行する(S104)。この通信制御部18の初期設定には、通信制御部18の各種レジスタの設定、送信タイマのリセット等がある。この通信制御部18の初期設定が完了すると、車内ネットワークを介して接続されたECU2との間のデータの送受信が開始され、通常動作が実施されるようになる(S106)。
【0043】
本実施形態における通信制御部18は、CPU16が低消費電力モード状態中にECU2に対する機能実現要求信号が入力された場合、CPU16が通常モード状態に切り替わる前に、ECU2を低消費電力モードから通常モードに起動するように指示する特定のパルスパターンの起動信号を、ネットワーク5を介してECU2へ送信するようになっている。
【0044】
次に、図4に従って、CPU16が低消費電力モード状態中にECU2に対する機能実現要求信号が入力された場合における、通信制御部18の作動について説明する。また、図5に、ECU1の各部のタイミングチャートを示す。
【0045】
図5に示すように、負荷4の動作の開始を指示するスイッチ3の操作(スイッチ操作)が行われ、I/Oポート17のスイッチ信号入力ポートP2よりスイッチ操作に応じた信号が入力され、この信号入力に応じて割込みコントローラ14よりI/Oポートを介して入力された外部信号による割込信号であることを示す割込み要因信号が入力されると、通信制御部18は、送信タイマの値Nを0にする(S200)。具体的には、図5に示すように、送信タイマを構成しているカウンタをリセットする。
【0046】
そして、送信タイマの値Nが予め定められた基準値よりも小さい場合、I/Oポート17の信号入出力ポートP1を介してECU2に対する起動信号の送出を開始する(S202)。本実施形態では、予め定められた特定のパルスパターンの起動信号を繰り返し送出するようになっている。また、ECU2のCPUは、この起動信号を低消費電力モードの状態で受信すると、通常モードに切り替わり、負荷4の駆動を開始する。
【0047】
送信タイマを構成しているカウンタがカウントアップし(S204)、送信タイマの値Nが予め定められた基準値と一致せず、かつ、CPU16から停止要求がない場合には、送信タイマのカウント値をCPU16へ通知するとともに、ECU2に対する起動信号の送出を継続する。
【0048】
そして、送信タイマの値Nが予め定められた基準値と一致した場合、あるいは、CPU16から停止要求が入力された場合、ECU2に対する起動信号の送出を停止する(S206)。
【0049】
このようにして、CPU16が低消費電力モード状態から通常モード状態に切り替わる前であっても、通信制御部18からネットワークを介して接続されたECU2へ特定のパルスパターンの起動信号が送出される。なお、ECU2は、この起動信号を受信すると低消費電力モードから通常モードに切り替わり、負荷4の制御を開始する。
【0050】
上記した構成によれば、通信制御部は、CPUが低消費電力モードとなっている状態で、ネットワークを介して接続された他の電子装置に対する機能実現要求が発生した場合、当該機能実現要求に応じた信号を生成し、CPUによる初期設定が行われる前に、ネットワークを介して機能実現要求に応じた信号を送出するので、CPUが低消費電力モードとなっている状態で、ネットワークを介して接続された他の電子装置に対する機能実現要求が発生した場合における、機能実現要求に応じた信号の送出遅れを短縮することができる。
【0051】
また、通信制御部は、ネットワークを介して他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号を送出している場合、当該他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号を出力中であることをCPUに通知するので、CPUは通信制御部から他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号が出力されていることを認識することができる。
【0052】
また、通信制御部は、CPUから他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号の出力を停止する出力停止指令が入力された場合、他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号の送出を停止することができる。
【0053】
また、CPUは、通常モードで動作する場合には高周波クロック生成回路により生成されたクロックに同期して動作し、低消費電力モードで動作する場合には、高周波クロック生成回路が停止して、低周波クロック生成回路により生成されたクロックに同期して動作するようになっており、通信制御部は、低周波クロック生成回路により生成されたクロックに同期して動作することができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0055】
例えば、上記第1実施形態では、図1に示したようにECU1にECU2が接続されたシステムの構成例を示したが、例えば、図6に示すように、ECU1に多数のECUが接続されるように構成されたシステムに適用することもできる。
【0056】
また、上記実施形態では、車内ネットワークを介して接続された他の電子装置との間で予め定められたフレームフォーマットに従ったデータの送受信を行う構成を例に示したが、車内ネットワークを介して接続されるのもの限定されるものではない。
【0057】
上記実施形態ではCAN通信に規定されたフレームフォーマットに従ってデータの送受信を行う構成を示したが、例えば、LIN、Frex―Ray等、CAN以外のフレームフォーマットに従ってデータの送受信を行う場合にも適用することができる。
【0058】
また、上記実施形態では、CPUが低消費電力モードとなっている状態で、ネットワークを介して接続された他の電子装置に対する機能実現要求が発生した場合、特定のパルスパターンの起動信号を生成し、CPUによる初期設定が行われる前に、ネットワークを介して機能実現要求に応じた信号を送出するように構成したが、例えば、機能実現要求に応じた信号を、予め規定されたフレームフォーマットに従ったデータとして送信するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1、2 ECU
11a 第1発振回路
11a 第2発振回路
12 タイマ
13 低消費動作制御部
14 割込みコントローラ
15 発振制御部
16 CPU
17 I/Oポート
18 通信制御部
19a RAM
19b ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常モードと低消費電力モードとを切り替えて動作するCPUと、前記CPUが低消費電力モード状態から通常モード状態に切り替わった後、前記CPUによる初期設定に応じてネットワークを介して接続された他の電子装置との間で予め定められたフレームフォーマットに従ったデータの送受信を開始する通信制御部と、を備えた電子装置であって、
前記通信制御部は、前記CPUが低消費電力モードとなっている状態で、前記ネットワークを介して接続された他の電子装置に対する機能実現要求が発生した場合、当該機能実現要求に応じた信号を生成し、前記CPUによる前記初期設定が行われる前に、前記ネットワークを介して前記機能実現要求に応じた信号を送出することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記通信制御部は、前記ネットワークを介して前記他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号を送出している場合、当該他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号を出力中であることを前記CPUに通知することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記通信制御部は、前記CPUから前記他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号の出力を停止する出力停止指令が入力された場合、前記他の電子装置に対する機能実現要求に応じた信号の送出を停止することを特徴とする請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記CPUは、通常モードで動作する場合には高周波クロック生成回路により生成されたクロックに同期して動作し、低消費電力モードで動作する場合には、高周波クロック生成回路が停止して、低周波クロック生成回路により生成されたクロックに同期して動作するようになっており、
前記通信制御部は、低周波クロック生成回路により生成されたクロックに同期して動作することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−222452(P2012−222452A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83759(P2011−83759)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】