説明

電子情報埋め込み方法及びその抽出方法、電子情報埋め込み装置及びその抽出装置、並びにそのプログラム

【課題】オリジナルランダム点群データの不正使用を防止することのできる電子情報埋め込み方法、電子情報の埋め込みに用いられる装置、プログラムを提供する。
【解決手段】3次元計測に応じて得られた点群データに電子透かしデータとして埋め込む際、点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して、小領域毎に含まれる点群を生成して、点群毎にそのx,y座標値を点群の重心が原点となるようにオフセット点群に変換し、点群毎に離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求め、電子透かしデータに応じて係数列を変更して透かし入りフーリエ係数列とする。透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して透かし入り複素数列を生成し、透かし入り複素数列について埋め込みに起因する座標値誤差のトレランスを満たす最適透かし埋め込み強度を求める。そして、透かし入りフーリエ係数列を逆オフセットして透かし入り点群データとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元計測に基づいて得られたオリジナルランダム点データ群(3次元点群データ)を情報管理するための方法及びその装置に関し、特に、レーザ3次元計測によって地球表面を計測して得られた3次元点群データの不正使用を防止するために、電子情報を電子透かしデータとして埋め込む際に用いられる方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、偽造又は不正使用を防止するため、印刷物上に多数の微細要素からなるパターンを埋め込んで、そのパターンで形成される情報を利用して、不正使用の検出を行うことが行われている。さらに、ベクトル形式(ベクター型)で記述された地図データに対する不正使用を防止するため、地図データに不正利用防止用の情報(埋め込み情報)を埋め込むことが行われており、ベクター型で記述された2次元又は3次元の地図データにおいては、面を構成するポリゴンに対して埋め込み情報を埋め込んでいる。例えば、地図データを三角形ポリゴンの集合で構成して、これら三角形ポリゴンをさらに4つの三角形に分割し、その間に構成される三角形(どの三角形ポリゴンの頂点も含まない三角形)に電子透かしデータを埋め込みデータとして埋め込む方法が知られている。そして、この方法を用いると、ベクター型で記述された地図データに影響を与えることなく、電子透かしデータを取り除くことが困難となる。
【0003】
一方、特開2001−160897公報には、ベクター型で記述された地図データに不正利用防止用の埋め込み情報を埋め込むことが記載されている。ここでは、オブジェクトの構成点の座標列を示す地図図形情報及びオブジェクトの種別を管理するレイヤ情報に、埋め込み基準レイヤと埋め込み参照レイヤを設定したものを入力して、同一の意味のある領域に存在するオブジェクトペアであって、それらが構成する領域内に他のオブジェクトが無いものを埋め込み基準オブジェクトペアとして選別する。そして、埋め込み基準オブジェクトペアに対して、埋め込み箇所を発見されにくいものを選択して、その存在位置及び/又は形状特徴に基づいて新たに埋め込むオブジェクト情報を算出し、このオブジェクト情報に合わせて埋め込み密度に応じて新たなオブジェクトを埋め込んでいる。
ところで、近年、所謂レーザ3次元計測によって地球表面(地表面)を計測して、地表面のデータをオリジナルランダム点データ群として得て、これらオリジナルランダム点群データから地図データを得ることが行われている。例えば、航空機から地上に向けてパルスレーザビームを照射して、地表面の空間座標を得る。この際、航空機の空間位置は、地上に設けられたGPS基準局と航空機に搭載されたGPS受信機によって求め、航空機の姿勢は三軸ジャイロスコープによって求める。
なお、1パルス毎の地表座標は、前述のようにして求めた航空機の空間位置及び姿勢に応じて、レーザミラー射角度及びその斜距離によってレーザビーム反射点のx,y,及びz座標として求められることになる。
【0004】
上述のようにして得られた地表座標は単に地表面のランダム点群データであるので、このランダム点群データを処理して地図データを生成するようにしている。
上述のようなオリジナル点群データは、単に空間的に離散している点群データであるので、相互に関係を持っておらず、しかも属性も備えていない。つまり、オリジナル点群データは単にx,y,及びzの座標値を示しているだけである。従って、上述のようなベクター型地図データに対して電子透かしデータを埋め込む手法を用いることができず、不正にオリジナルランダム点群データを用いて地図データを生成されてしまうことになる。
しかも、精度誤差の範囲で、オリジナルランダム点群データに対して乱数に応じて電子透かしデータを埋め込んだ場合には、オリジナルランダム点群データを再現することが困難となってしまう。また、オリジナルランダム点群データを部分的に間引いて、電子透かしデータを埋め込んだ場合には、不正使用を防止することが難しいという課題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、オリジナルランダム点群データの不正使用を防止することのできる電情報埋め込み方法、電子情報の埋め込みに用いられる装置、及びプログラムを提供することにある。
本発明の他の目的は、電子情報が埋め込まれたオリジナルランダム点群データから電子情報を抽出するための電子情報抽出方法、電子情報の抽出に用いられる装置、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、レーザ3次元計測に応じて得られたオリジナルランダム点群データに電子情報を電子透かしデータとして埋め込む際に用いられる電子情報埋め込み方法であって、前記オリジナルランダム点群データについて離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求める第1のステップと、前記電子透かしデータに応じて前記フーリエ係数列を変更して透かし入りフーリエ係数列とする第2のステップと、前記透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して該逆離散フーリエ変換に応じて透かし入り点群データを得る第3のステップとを有することを特徴とする電子情報埋め込み方法が得られる。
【0007】
ここでは、前記第1のステップは、前記オリジナルランダム点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して該小領域毎に含まれる点群を生成する第4のステップと、前記点群毎にそのx,y座標値を前記点群の重心が原点となるようにオフセットしてオフセット点群に変換する第5のステップと、前記オフセット点群毎に前記離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求める第6のステップとを有している。
また、前記第3のステップは、前記透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して透かし入り複素数列を生成する第7のステップと、該透かし入り複素数列について埋め込みに起因する座標値誤差のトレランスを満たす最適透かし埋め込み強度を求める第8のステップと、前記最適埋め込み強度に基づいて前記フーリエ係数列を再度変更して透かし入りフーリエ係数列とする第9のステップと、該透かし入りフーリエ係数列を逆オフセットして前記透かし入り点群データとする第10のステップとを有している。
さらに、本発明では、前述のようにして得られた透かし入り点群データから前記電子透かしデータを抽出する際、前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとを対応付けてそれぞれ離散型フーリエ変換を行って第1及び第2のフーリエ係数列を求める第11のステップと、前記第1及び前記第2のフーリエ係数列を比較して前記電子透かしデータを抽出する第12のステップとを有することを特徴とする電子情報抽出方法が得られる。
【0008】
ここでは、前記第11のステップは、前記オリジナルランダム点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して該小領域毎に含まれる小領域点群を生成する第13のステップと、前記小領域点群毎に該小領域点群の頂点と最短距離にある頂点を最短距離頂点として前記透かし入り点群データから探索して前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとの対応付けを行う第14のステップとを有している。
例えば、前記第14のステップは、前記透かし入り点群データに対する2−d木を生成する第15のステップと、前記小領域点群の頂点位置と埋め込みトレランスとによって規定される問い合わせ領域を設定して前記2−d木内から前記問い合わせ領域に含まれる前記透かし入り点群データを探索して前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとの対応付けを行う第16のステップとを有している。
【0009】
また、本発明によれば、レーザ3次元計測に応じて得られたオリジナルランダム点群データに電子情報を電子透かしデータとして埋め込む際に用いられる電子情報埋め込み装置であって、前記オリジナルランダム点群データについて離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求める離散フーリエ変換手段と、前記電子透かしデータに応じて前記フーリエ係数列を変更して透かし入りフーリエ係数列とする変更手段と、前記透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して該逆離散フーリエ変換に応じて透かし入り点群データを得る透かし入り点群データ生成手段とを有することを特徴とする電子情報埋め込み装置が得られる。
ここでは、前記離散フーリエ変換手段は、前記オリジナルランダム点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して該小領域毎に含まれる点群を生成する分割手段と、前記点群毎にそのx,y座標値を前記点群の重心が原点となるようにオフセットしてオフセット点群に変換するオフセット手段と、前記オフセット点群毎に前記離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求めるフーリエ係数生成手段とを有している。
さらに、前記透かし入り点群データ生成手段は、前記透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して透かし入り複素数列を生成する複素数列生成手段と、該透かし入り複素数列について埋め込みに起因する座標値誤差のトレランスを満たす最適透かし埋め込み強度を求める透かし埋め込み強度算出手段と、前記最適埋め込み強度に基づいて前記フーリエ係数列を再度変更して透かし入りフーリエ係数列とする再変更手段と、該透かし入りフーリエ係数列を逆オフセットして前記透かし入り点群データとする逆オフセット手段とを有している。
さらに、本発明によれば、上述のようにして得られた透かし入り点群データから前記電子透かしデータを抽出する際、前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとを対応付けてそれぞれ離散型フーリエ変換を行って第1及び第2のフーリエ係数列を求めるフーリエ係数生成手段と、前記第1及び前記第2のフーリエ係数列を比較して前記電子透かしデータを抽出する抽出手段とを有することを特徴とする電子情報抽出装置が得られる。
ここでは、前記フーリエ係数生成手段は、前記オリジナルランダム点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して該小領域毎に含まれる小領域点群を生成する分割手段と、前記小領域点群毎に該小領域点群の頂点と最短距離にある頂点を最短距離頂点として前記透かし入り点群データから探索して前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとの対応付けを行う対応付け手段とを有している。
例えば、前記対応付け手段は、前記透かし入り点群データに対する2−d木を生成する2−d木生成手段と、前記小領域点群の頂点位置と埋め込みトレランスとによって規定される問い合わせ領域を設定して前記2−d木内から前記問い合わせ領域に含まれる前記透かし入り点群データを探索して前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとの対応付けを行う頂点間対応付け手段とを有している。
【0010】
加えて、本発明によれば、レーザ3次元計測に応じて得られたオリジナルランダム点群データに電子情報を電子透かしデータとして埋め込む際に電子計算機で用いられる電子情報埋め込みプログラムであって、前記オリジナルランダム点群データについて離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求める第1の手続きと、前記電子透かしデータに応じて前記フーリエ係数列を変更して透かし入りフーリエ係数列とする第2の手続きと、前記透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して該逆離散フーリエ変換に応じて透かし入り点群データを得る第3の手続きとを有することを特徴とする電子情報埋め込みプログラムが得られる。
ここでは、前記第1の手続きは、前記オリジナルランダム点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して該小領域毎に含まれる点群を生成する第4の手続きと、前記点群毎にそのx,y座標値を前記点群の重心が原点となるようにオフセットしてオフセット点群に変換する第5の手続きと、前記オフセット点群毎に前記離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求める第6の手続きとを有している。
また、前記第3の手続きは、前記透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して透かし入り複素数列を生成する第7の手続きと、該透かし入り複素数列について埋め込みに起因する座標値誤差のトレランスを満たす最適透かし埋め込み強度を求める第8の手続きと、前記最適埋め込み強度に基づいて前記フーリエ係数列を再度変更して透かし入りフーリエ係数列とする第9の手続きと、該透かし入りフーリエ係数列を逆オフセットして前記透かし入り点群データとする第10の手続きとを有している。
さらに、本発明によれば、前述のようにして得られた透かし入り点群データから前記電子透かしデータを抽出する際、前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとを対応付けてそれぞれ離散型フーリエ変換を行って第1及び第2のフーリエ係数列を求める第11の手続きと、前記第1及び前記第2のフーリエ係数列を比較して前記電子透かしデータを抽出する第12の手続きとを有することを特徴とする電子情報抽出プログラムが得られる。
ここでは、前記第11の手続きは、前記オリジナルランダム点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して該小領域毎に含まれる小領域点群を生成する第13の手続きと、前記小領域点群毎に該小領域点群の頂点と最短距離にある頂点を最短距離頂点として前記透かし入り点群データから探索して前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとの対応付けを行う第14の手続きとを有している。
例えば、前記第14の手続きは、前記透かし入り点群データに対する2−d木を生成する第15の手続きと、前記小領域点群の頂点位置と埋め込みトレランスとによって規定される問い合わせ領域を設定して前記2−d木内から前記問い合わせ領域に含まれる前記透かし入り点群データを探索して前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとの対応付けを行う第16の手続きとを有している。
【発明の効果】
【0011】
このようにして、本発明では、オリジナルランダム点群データに電子透かしデータを埋め込んで、オリジナルランダム点群データの不正使用を防止することができる。さらに、上述のようにして、電子透かしデータを、透かし入り点群データから抽出して、別に管理しているオリジナルの電子透かしデータと比較するようにしたから、その結果に応じて透かし入り点群データがオリジナル点群データから生成されたものであるかを判定することができる。つまり、オリジナルランダム点群データの同一性を判定することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明について図面を参照して説明する。
図1を参照して、地球表面(例えば、地表面)に関するオリジナルランダム点群データを得る際には、まず、地球表面の3次元計測が行われる。地球表面の3次元計測に当たっては、例えば、レーザ3次元計測が用いられる。3次元レーザ計測を行う際には、航空機11をオリジナルランダム点群データを収集すべき地域(地区)上を飛行させる。航空機11にはレーザスキャナ(航空機搭載型レーザスキャナ:図示せず)、GPS受信機(図示せず)、及びジャイロスコープ(IMU:図示せず)が搭載されている。
図2も参照して、レーザ3次元計測(ステップS1)では、航空機搭載型レーザスキャナから地上(地表面)12に向けてパルスレーザビームを照射して、地表面12からの反射パルスをパルスリターンとして受け、パルスレーザビームの照射時刻とパルスリターンを受けた時刻との時間差に応じて地表面12までの距離(z)を計測して距離データを得る。このパルスレーザビームの照射は予め規定された時間間隔で行われる結果、地表面は離散的な点として規定されることになる。この際、レーザスキャナのスキャンミラーの回転は1軸(航空機11の飛行方向に直交する)であり、飛行方向がもう一つの走査軸となって、面的にデータが取得されることになる。そして、IMUは1パルス毎にレーザ照射角度をミラー回転角及びその傾き角度に基づいて求める。
さらに、別に地上において、レーザスキャナ(地上据え置き型レーザスキャナ)を用いて地表面のデータを取得する。このレーザスキャナではスキャンミラーの回転軸は2軸で放射状にしかも面的にデータが得られることになる。
一方、GPS電波に応じて基準点測量が行われる(ステップS2)。つまり、航空機11の空間位置は、地上に設けられたGPS基準局13、GPS受信機、及びIMUによって計測される。その後、レーザ3次元計測によって得られたデータ(スキャンポイントデータ)と基準点測量とによって得られたデータとに基づいてスキャンポイントデータを測地座標データへ変換してオリジナルランダム点群データを得る(ステップS3)。つまり、1パルス毎に地表面12におけるレーザビーム反射点のx,y,z(高さ:H)座標を求めて、オリジナルランダム点群データとする。
そして、上述のオリジナルランダム点群データに電子透かしデータを埋め込み(ステップS4)、透かし情報(データ)埋め込み済み3次元空間座標点群として出力する(ステップS5)。なお、ステップS3〜S5はコンピュータ(図示せず)によって行われる。つまり、コンピュータはステップS3を行う測地座標変換部、ステップS4を行う電子透かし埋め込み部、及びステップS5を行う透かし入り点群出力部を少なくとも有しており、測地座標変換部では、スキャンポイントデータと基準点測量データとを読み込んでオリジナルランダム点群データを生成する。
【0013】
ここで、図3を参照して、電子透かし埋め込み部の動作について説明する。
図示の例では、電子透かし埋め込み部は、小領域分割部、座標値オフセット部、離散フーリエ変換部、フーリエ係数列変更部、逆離散フーリエ変換部、埋め込み強度自動調整部、及び逆オフセット部を有している。
電子透かしデータ埋め込み処理の際には、前述の測地座標変換部からオリジナルランダム点群データ(以下単にオリジナル点群と呼ぶ)Vが小領域分割部に与えられるとともに別に入力装置(図示せず)等から小領域x,y方向サイズDx,Dyが小領域分割部に与えられる。
ここでは、オリジナル点群Vは

で表されるものとする。
:頂点3次元座標,N:全頂点数.
●D,D:分割小領域のx, y方向サイズ (標準値Dx=100[m],Dy=100[m])
小領域分割部では、まず、オリジナル点群の小領域への分割を行う(ステップA1)。図4に示すように、オリジナル点群Vが定義されているx−y面内の矩形領域を、Dx,Dyのサイズ(寸法)を有する小領域Aaに均等に分割して(等分割)、小領域Aa毎に含まれる点群Vaを生成する。そして、この点群Vaは座標オフセット部に与えられる。

:全小領域数
なお、図4において、その下辺及び右辺のように、x方向及びy方向へ分割した際、その最終端では、D,Dよりも小さいサイズの小領域(この領域に含まれる点群をVLaとする)が形成されることもある。
座標オフセット部では、小領域内の点群のx,y座標値のオフセットを行う(ステップA2)。ここでは、各小領域の点群Vaのx,y座標値を、Vaの重心が原点となるようにオフセットした点群

へ変換する。つまり、オフセット点群

は、

μax,μay:点群Vの重心点x, y座標値

上述のオフセット処理によって、オリジナル点群Vのx,y座標値の絶対値が大きい場合
に、埋め込み処理で用いられる浮動小数点演算における丸め誤差の影響を減少させること
ができる。
このオフセット点群

は離散フーリエ変換部及び埋め込み強度自動調整部に与えられ、一方、小領域重心点μax,μayは逆オフセット部に与えられる。
離散フーリエ変換部は、オフセット点群

に対して離散フーリエ変換(DFT)を行う(ステップA3)。ここでは、まず、オフセット点群

に含まれる点のx,y座標値から、式(4)で示す複素数列{c}を生成する。

i:虚数単位
次に、複素数列{c}を式(5)に基づいて、離散フーリエ変換部は、離散フーリエ変換して,フーリエ係数列{C}を求める。

そして、このフーリエ係数列{C}はフーリエ係数列変更部に与えられる。フーリエ係数列変更部には電子透かしデータビット列B及び埋め込み強度初期値Pinitが与えられており、フーリエ係数列変更部では、電子透かしデータビット列B及び埋め込み強度初期値Pinitに応じてフーリエ係数列{C}を変更する(ステップA4)。
ここで、電子透かしデータビット列Bは
●B={b∈{0,1}|1<m<N}で表される。
●N:透かしデータビット長
●pinit:透かし埋め込み強度初期値(標準値pinit=5000)
つまり、電子透かしデータビット列B={b∈{0,1}|1≦m≦N}及び埋め込み強度初期値pinitを用いて、フーリエ係数列変更部は、式(6)に従ってフーリエ係数列{C}を変更して、変更後フーリエ係数列{C’}を生成する。

なお、直流成分を表す係数Cは透かしデータによって変更しない。従って、この小領域Aa内に埋め込み可能な透かしビット長さは、|V|−1(ビット)となる。また、埋め込み強度pの値は、1回目の埋め込みの際には、p←pinitと定め、2回目の埋め込みの際には、p←poptと定める。
この際、透かしビット長Nと小領域への埋め込み可能ビット長|V|−1との関係に基づいて次の規則を適用される。
【0014】
i)N<|V|−1の場合
透かしビットを反復して埋め込み,C,C,....,C|V|−1のフーリエ係数全ての値を前述の式(6)で変更する。
i)N>|V|−1の場合
透かしビットの先頭から|V|−1ビット分のみを埋め込み,それ以降のビットについては埋め込みを行わない。
上述の変更後フーリエ係数列{C’}、つまり、透かし入りフーリエ係数列{C’}は逆離散フーリエ変換部に与えられ、逆離散フーリエ変換部では、変更後フーリエ係数列{C’}に対して逆離散フーリエ変換(IDFT)を行う(ステップA5)。つまり、逆離散フーリエ変換部では、透かし入りフーリエ係数列{C’}に対して、式(7)の逆フーリエ変換を行って、電子透かしによって変更された複素数列{c’}を生成する。

この複素数列{c’}は、埋め込み強度自動調整部に与えられる。埋め込み強度自動調整部には、前述のオフセット点群

及び埋め込みトレランスτが与えられており、埋め込み強度自動調整部では、埋め込みトレランスτを考慮して、埋め込み強度を自動調整する(ステップA6)。
●τ:x,y方向の埋め込みトレランス (標準値τ=0.3[m])
【0015】
つまり、埋め込み強度自動調整部では、変更後複素数列{c’}に基づいて透かし入り点群データ

の座標値を知り、透かし埋め込み前の点群

の頂点

と埋め込み後の点群

の頂点

との間において、x方向とy方向のうちの最大誤差を

とし,その最大誤差を与える頂点番号

を求める。即ち、

となる。
ここで,埋め込みによって生ずるx,y方向の頂点座標値誤差のトレランス(許容値)をτ,このトレランスを満たす最適な埋め込み強度をpoptとすると、式(9)に示す比例関係が成り立つ.

従って,式(9)から、埋め込み誤差のトレランスτを満たす最適な透かし埋め込み強度poptは、

となる。そして、この最適な透かし埋め込み強度poptは、フーリエ係数列変更部にフィードバックされる。
フーリエ係数列変更部では、最適埋め込み強度poptを用いてフーリエ係数を変更し、逆フーリエ変換部ではその変更結果に応じて逆フーリエ変換を再度実行する。つまり、前述のようにして求めた最適埋め込み強度poptを用いて、前述のステップA4及びA5を再度実行して、電子透かし入りオフセット点群

を生成する。
電子透かし入りオフセット点群

は逆オフセット部に与えられる。前述のように、逆オフセット部には、小領域重心点μ
,μayが与えられており、逆オフセット部は、x,y座標値の逆オフセットを行って
透かし入り点群データV’を生成する(ステップA7)。ここでは、前述の式(2)の逆操作を行って、つまり、逆オフセットを式(11)に基づいて行って、透かし入り点群

から透かし入り点群V’を求める。

上述のようにして、電子透かし埋め込み部では、各小領域毎に処理を行い、最終的に透かし入り点群V’を生成する。この透かし入り点群は、透かし入り点群出力部によって透かし情報埋め込み済み空間3次元座標点群としてファイルに出力される。
図5を参照して、透かし入り点群データV’から透かしデータを抽出する場合について説明する。ここでは、コンピュータは透かしデータ抽出部を有しており、透かしデータ抽出部には点群小領域分割部、頂点間対応付け部、離散フーリエ変換部、及び透かしビット列抽出部が備えられている。
いま、オリジナル点群Vを、

とし、透かし入り点群V’を、

とする。
この際、前述のD,D(分割小領域のx,y方向サイズ)及びτ(x,y方向の埋め込みトレランス)は電子透かしデータ埋め込みの際と同一の値を用いる。
【0016】
まず、オリジナル点群V及び小領域x,y方向サイズD,Dが点群小領域分割部に与えられ、点群小領域分割部はオリジナル点群Vを小領域に分割する(ステップA8)。
前述の透かし埋め込み時に指定した分割小領域のx,y方向サイズD,Dの値を用いて、埋め込み時と同様にしてオリジナル点群Vを小領域に分割して、領域毎に点群Vを求める。
なお、透かし入り点群V’は分割を行うことなく、そのまま保存される。
小領域内点群Vは頂点間対応付け部に与えられる。この頂点間対応付け部には、前述の埋め込みトレランスτ及び透かし入り点群V’が与えられており、頂点間対応付け部では、小領域内点群Vと透かし入り点群V’との頂点間の対応づけを行って小領域内透かし入り点群V’を出力する(ステップA9)。
例えば、頂点間対応付け部では、各小領域群V毎に点群V内の頂点v(∈Va)と最短距離にある頂点を透かし入り点群V’から探索して、この探索の結果得られた頂点を、頂点vに対応付けられた透かし入り頂点v’(∈V’)として採用する。
上述の対応付けにおいて、点群V’は極めて多数の頂点を含む関係上、総当たりで最短頂点を探索すると、点数の二乗のオーダーで探索時間が必要となる。このため、図示のように、2−d木生成部を備えて、前処理として透かし入り点群V’に対する2−d木を生成するようにしてもよい(ステップA10)。そして、透かし入り点群V’の代わりに、透かし入り点群の2−d木を頂点間対応付け部に与えるようにしてもよい。
そして、オリジナル点群内の頂点v(∈V)の位置と埋め込みトレランスτとによって定まる微小な問い合わせ領域を設定して、2−d木内から問い合わせ領域に含まれる透かし入り頂点群を高速に探索して、これらの中だけで総当たりによって最短頂点を探索する。これによって、オリジナル点群V(∈V)と透かし入り頂点v’(∈V’)との対応付け処理を効率化することができる。
このようにして、小領域に含まれるオリジナル点群Vに透かし入り点群V’を対応付けた後、離散フーリエ変換部では、オリジナル点群V及び透かし入り点群V’aに対してDFTを実行する(ステップA11)。オリジナル点群及びこれに対応づけられた透かし入り点群に、埋め込み時と同様にして、式(4)及び(5)で示すDFTを行って、それぞれフーリエ係数列{C}及び{C’}を求める。
そして、透かしビット列抽出部では、フーリエ係数列{C}及び透かし入りフーリエ係数列{C’}に応じて電子透かしデータの抽出を行う(ステップA12)。つまり、上述のようにして得られたフーリエ係数列{C}及び{C’}を比較して、埋め込まれた透かしデータのビット列

を式(12)に基づいて抽出する。

このようにして、埋め込まれた透かしビット列

を式(12)に基づいて抽出して、別に管理していたオリジナルの透かしビット列と比較する。この比較結果に基づいて透かし入り点群データがオリジナル点群データから生成されたものであるかを判定する。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明によれば、オリジナルランダム点群データの不正使用を防止することのできる電子情報埋め込み方法、電子情報の埋め込みに用いられる装置、及びプログラムを提供することが出来る。
又本発明によれば、電子情報が埋め込まれたオリジナルランダム点群データから電子情報を抽出するための電子情報抽出方法、電子情報の抽出に用いられる装置、及びプログラムを提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】3次元レーザ計測による地表面の計測を説明するための図である。
【図2】3次元レーザ計測によって得られたデータから透かし入り点群を得る際の手法を説明するためのフローチャートである。
【図3】電子透かし埋め込みについて説明するためのフローチャートである。
【図4】オリジナルランダム点群データの一例を示す図である。
【図5】透かしデータの抽出を説明するためのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元計測に応じて得られたオリジナルランダム点群データに電子情報を電子透かしデータとして埋め込む際に用いられる電子情報埋め込み方法であって、前記オリジナルランダム点群データについて離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求める第1のステップと、前記電子透かしデータに応じて前記フーリエ係数列を変更して透かし入りフーリエ係数列とする第2のステップと、前記透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して該逆離散フーリエ変換に応じて透かし入り点群データを得る第3のステップとを有することを特徴とする電子情報埋め込み方法。
【請求項2】
前記第1のステップは、前記オリジナルランダム点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して該小領域毎に含まれる点群を生成する第4のステップと、前記点群毎にそのx,y座標値を前記点群の重心が原点となるようにオフセットしてオフセット点群に変換する第5のステップと、前記オフセット点群毎に前記離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求める第6のステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の電子情報埋め込み方法。
【請求項3】
前記第3のステップは、前記透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して透かし入り複素数列を生成する第7のステップと、該透かし入り複素数列について埋め込みに起因する座標値誤差のトレランスを満たす最適透かし埋め込み強度を求める第8のステップと、前記最適埋め込み強度に基づいて前記フーリエ係数列を再度変更して透かし入りフーリエ係数列とする第9のステップと、該透かし入りフーリエ係数列を逆オフセットして前記透かし入り点群データとする第10のステップとを有することを特徴とする請求項2に記載の電子情報埋め込み方法。
【請求項4】
請求項1に記載された電子埋め込み方法で得られた透かし入り点群データから前記電子透かしデータを抽出する抽出方法であって、前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとを対応付けてそれぞれ離散型フーリエ変換を行って第1及び第2のフーリエ係数列を求める第11のステップと、前記第1及び前記第2のフーリエ係数列を比較して前記電子透かしデータを抽出する第12のステップとを有することを特徴とする電子情報抽出方法。
【請求項5】
前記第11のステップは、前記オリジナルランダム点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して該小領域毎に含まれる小領域点群を生成する第13のステップと、前記小領域点群毎に該小領域点群の頂点と最短距離にある頂点を最短距離頂点として前記透かし入り点群データから探索して前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとの対応付けを行う第14のステップとを有することを特徴とする請求項4に記載の電子情報抽出方法。
【請求項6】
前記第14のステップは、前記透かし入り点群データに対する2−d木を生成する第15のステップと、前記小領域点群の頂点位置と埋め込みトレランスとによって規定される問い合わせ領域を設定して前記2−d木内から前記問い合わせ領域に含まれる前記透かし入り点群データを探索して前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとの対応付けを行う第16のステップとを有することを特徴とする請求項5に記載の電子情報抽出方法。
【請求項7】
3次元計測に応じて得られたオリジナルランダム点群データに電子情報を電子透かしデータとして埋め込む際に用いられる電子情報埋め込み装置であって、前記オリジナルランダム点群データについて離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求める離散フーリエ変換手段と、前記電子透かしデータに応じて前記フーリエ係数列を変更して透かし入りフーリエ係数列とする変更手段と、前記透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して該逆離散フーリエ変換に応じて透かし入り点群データを得る透かし入り点群データ生成手段とを有することを特徴とする電子情報埋め込み装置。
【請求項8】
前記離散フーリエ変換手段は、前記オリジナルランダム点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して該小領域毎に含まれる点群を生成する分割手段と、前記点群毎にそのx,y座標値を前記点群の重心が原点となるようにオフセットしてオフセット点群に変換するオフセット手段と、前記オフセット点群毎に前記離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求めるフーリエ係数生成手段とを有することを特徴とする請求項7に記載の電子情報埋め込み装置。
【請求項9】
前記透かし入り点群データ生成手段は、前記透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して透かし入り複素数列を生成する複素数列生成手段と、該透かし入り複素数列について埋め込みに起因する座標値誤差のトレランスを満たす最適透かし埋め込み強度を求める透かし埋め込み強度算出手段と、前記最適埋め込み強度に基づいて前記フーリエ係数列を再度変更して透かし入りフーリエ係数列とする再変更手段と、該透かし入りフーリエ係数列を逆オフセットして前記透かし入り点群データとする逆オフセット手段とを有することを特徴とする請求項8に記載の電子情報埋め込み装置。
【請求項10】
請求項7に記載された電子埋め込み装置で得られた透かし入り点群データから前記電子透かしデータを抽出する抽出装置であって、前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとを対応付けてそれぞれ離散型フーリエ変換を行って第1及び第2のフーリエ係数列を求めるフーリエ係数生成手段と、前記第1及び前記第2のフーリエ係数列を比較して前記電子透かしデータを抽出する抽出手段とを有することを特徴とする電子情報抽出装置。
【請求項11】
前記フーリエ係数生成手段は、前記オリジナルランダム点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して該小領域毎に含まれる小領域点群を生成する分割手段と、前記小領域点群毎に該小領域点群の頂点と最短距離にある頂点を最短距離頂点として前記透かし入り点群データから探索して前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとの対応付けを行う対応付け手段とを有することを特徴とする請求項10に記載の電子情報抽出装置。
【請求項12】
前記対応付け手段は、前記透かし入り点群データに対する2−d木を生成する2−d木生成手段と、前記小領域点群の頂点位置と埋め込みトレランスとによって規定される問い合わせ領域を設定して前記2−d木内から前記問い合わせ領域に含まれる前記透かし入り点群データを探索して前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとの対応付けを行う頂点間対応付け手段とを有することを特徴とする請求項11に記載の電子情報抽出装置。
【請求項13】
3次元計測に応じて得られたオリジナルランダム点群データに電子情報を電子透かしデータとして埋め込む際に電子計算機で用いられる電子情報埋め込みプログラムであって、前記オリジナルランダム点群データについて離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求める第1の手続きと、前記電子透かしデータに応じて前記フーリエ係数列を変更して透かし入りフーリエ係数列とする第2の手続きと、前記透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して該逆離散フーリエ変換に応じて透かし入り点群データを得る第3の手続きとを有することを特徴とする電子情報埋め込みプログラム。
【請求項14】
前記第1の手続きは、前記オリジナルランダム点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して該小領域毎に含まれる点群を生成する第4の手続きと、前記点群毎にそのx,y座標値を前記点群の重心が原点となるようにオフセットしてオフセット点群に変換する第5の手続きと、前記オフセット点群毎に前記離散フーリエ変換を行ってフーリエ係数列を求める第6の手続きとを有することを特徴とする請求項13に記載の電子情報埋め込みプログラム。
【請求項15】
前記第3の手続きは、前記透かし入りフーリエ係数列を逆離散フーリエ変換して透かし入り複素数列を生成する第7の手続きと、該透かし入り複素数列について埋め込みに起因する座標値誤差のトレランスを満たす最適透かし埋め込み強度を求める第8の手続きと、前記最適埋め込み強度に基づいて前記フーリエ係数列を再度変更して透かし入りフーリエ係数列とする第9の手続きと、該透かし入りフーリエ係数列を逆オフセットして前記透かし入り点群データとする第10の手続きとを有することを特徴とする請求項14に記載の電子情報埋め込みプログラム。
【請求項16】
電子計算機上で動作し、請求項1,7,又は13において得られた透かし入り点群データから前記電子透かしデータを抽出するためのプログラムであって、前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとを対応付けてそれぞれ離散型フーリエ変換を行って第1及び第2のフーリエ係数列を求める第11の手続きと、前記第1及び前記第2のフーリエ係数列を比較して前記電子透かしデータを抽出する第12の手続きとを有することを特徴とする電子情報抽出プログラム。
【請求項17】
前記第11の手続きは、前記オリジナルランダム点群データが規定されたx−y面領域を予め規定された小領域に分割して該小領域毎に含まれる小領域点群を生成する第13の手続きと、前記小領域点群毎に該小領域点群の頂点と最短距離にある頂点を最短距離頂点として前記透かし入り点群データから探索して前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとの対応付けを行う第14の手続きとを有することを特徴とする請求項16に記載の電子情報抽出プログラム。
【請求項18】
前記第14の手続きは、前記透かし入り点群データに対する2−d木を生成する第15の手続きと、前記小領域点群の頂点位置と埋め込みトレランスとによって規定される問い合わせ領域を設定して前記2−d木内から前記問い合わせ領域に含まれる前記透かし入り点群データを探索して前記オリジナルランダム点群データと前記透かし入り点群データとの対応付けを行う第16の手続きとを有することを特徴とする請求項17に記載の電子情報抽出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−189724(P2007−189724A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40094(P2007−40094)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【分割の表示】特願2002−586705(P2002−586705)の分割
【原出願日】平成13年12月12日(2001.12.12)
【出願人】(390023249)国際航業株式会社 (55)
【Fターム(参考)】