電子時計
【課題】エネルギー密度の高いボタン型電池の取り扱い時の安全性を確保しつつ、電池の個別の管理を可能とし、かつ、衝撃力等の外力に対しても強固な構造の電池パッケージを備えた電子時計を提供すること。
【解決手段】本発明に係る電子時計1は、上面に製造に関する情報が記載されたボタン型の電池10と、前記電池を収容する凹部である電池収容部と、前記電池収容部の底面に下面側導通用開口を有する絶縁性のホルダー11と、電池10の上面の周縁部において、電池10をホルダー11との間に挟み込み固定し、電池10の前記製造に関する情報を視認可能に露出させ、電池10の平面視外側に延び、前記ホルダーに固定される固定部を有する導電性の押え12と、を備えた電池パッケージ8と、ホルダー11および押え12を貫通するネジ14により、前記電池パッケージが固定されるムーブメント本体7と、を備えた。
【解決手段】本発明に係る電子時計1は、上面に製造に関する情報が記載されたボタン型の電池10と、前記電池を収容する凹部である電池収容部と、前記電池収容部の底面に下面側導通用開口を有する絶縁性のホルダー11と、電池10の上面の周縁部において、電池10をホルダー11との間に挟み込み固定し、電池10の前記製造に関する情報を視認可能に露出させ、電池10の平面視外側に延び、前記ホルダーに固定される固定部を有する導電性の押え12と、を備えた電池パッケージ8と、ホルダー11および押え12を貫通するネジ14により、前記電池パッケージが固定されるムーブメント本体7と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子時計に関し、特にリチウム二次電池等の高エネルギー密度を有する電池を備えた電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
腕時計、懐中時計等の小型携帯式の電子時計に用いられる電源としての電池は、小型であることが要請されるため、一次電池二次電池を問わずボタン型のものが主流である。特許文献1には、電子時計に用いられる二次電池の保持構造であって、ボタン型二次電池をプラスチック製時計構成部品と押え部材とで挟み込み、ボタン型二次電池を当該押え部材で覆うとともに、時計構成部品と押え部材とをカシメ固定したものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3667890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、腕時計等の小型携帯式の電子時計において高機能化が進んでいる。そして、このような高機能化により追加される機能の中には、電子時計の消費電力を著しく増大させるものがある。そのようなものの例として、GPS(Global Positioning System)等に代表される全地球測位システムにおいて用いられる極超短波を受信する機能や、いわゆる無線LANやbluetooth(商標)などの通信機能等の高周波送受信機能が挙げられる。これらは、極超短波の送受信を行うための高周波回路及びデコーダ回路を動作させなければならないため、電子時計の一時的な消費電力が大きい。
【0005】
このような機能に対し十分な電力を供給するためには、小型でかつ大電力を供給可能な電池を用いなければならない。このような電池の代表的なものとして、リチウム二次電池がある。
【0006】
ここで、リチウム二次電池等の、エネルギー密度の高い電池は、正極と負極を短絡させると大きな発熱を生じるため、その取扱いには十分な注意を払わなければならない。この点について、一般的なボタン型電池は、外装自体が電極となっており、また、正極と負極とがわずかな隙間を開けて隣接しているため、不用意にピンセット等の金属が触れるだけで両極が短絡する恐れがある。このような取り扱い時の危険性は、前述の特許文献1に記載された電池保持構造を用いることにより、ボタン型のリチウム二次電池の場合においても相当程度低減されると考えられる。
【0007】
しかしながら、リチウム二次電池は、その特性として充電禁止電圧をもっており、電圧がかかる充電禁止電圧を下回ったリチウム二次電池に対しては充電が禁止される。そのため、リチウム二次電池は、個々の電池に対してその在庫保有期間や、充電禁止電圧を下回ったかどうかの履歴を管理する必要がある。ボタン型リチウム二次電池では、通常、製造番号、製造ロット、製造日等の製造に関する情報は、正極の上面に記載又は刻印されるが、特許文献1の電池保持構造では、押え部材が電池を覆うため、電池の製造に関する情報が視認できず、電池個別の管理が難しい。
【0008】
また、リチウム二次電池は、一般に小型携帯式の電子時計に使用される電池より大型で重量も大きく、特許文献1の電池保持構造のように、カシメにより押え部材を支持する構造だと、リチウム二次電池に衝撃力等の外力が作用した場合に、カシメによる保持固定部が破損し、リチウム二次電池が時計構成部品から脱離する恐れがある。
【0009】
なお、上述の議論は必ずしも二次電池のみを対象とするものではなく、個別の製造日等の管理を必要とするエネルギー密度の高い、あるいはエネルギー保持量の大きい大型の一次電池にも同様にあてはまる。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、エネルギー密度の高いボタン型電池の取り扱い時の安全性を確保しつつ、電池の個別の管理を可能とし、かつ、衝撃力等の外力に対しても強固な構造の電池パッケージを備えた電子時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子時計は、上面に製造に関する情報が記載されたボタン型の電池と、前記電池を収容する凹部である電池収容部と、前記電池収容部の底面に下面側導通用開口を有する絶縁性のホルダーと、前記電池の上面の周縁部において、前記電池を前記ホルダーとの間に挟み込み固定し、前記電池の前記製造に関する情報を露出させ、前記電池の平面視外側に延び、前記ホルダーに固定される固定部を有する導電性の押えと、を備えた電池パッケージと、前記ホルダーおよび前記押えを貫通するネジにより、前記電池パッケージが固定されるムーブメント本体と、前記電池パッケージ及び前記ムーブメント本体を収容する外装ケースと、を備える。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明によれば、エネルギー密度の高いボタン型電池の取り扱い時の安全性を確保しつつ、電池の個別の管理を可能とし、かつ、衝撃力等の外力に対しても強固な構造の電池パッケージを備えた電子時計が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る電子時計の平面図である。
【図2】本実施形態の電子時計のムーブメントの斜視図である。
【図3】電池パッケージの上面斜視図である。
【図4】ホルダーの上面斜視図である。
【図5】図4のV−V線による断面図である。
【図6】図4のVI−VI線による断面図に、ムーブメント本体と外装ケースの断面を付け加えたものである。
【図7A】電池の上面斜視図である。
【図7B】電池の下面斜視図である。
【図8】押えの上面斜視図である。
【図9】電池パッケージ押えの上面斜視図である。
【図10】図2のVIII−VIII線による断面図である。
【図11】図2のIX−IX線による断面図である。
【図12】図2のX−X線による断面図である。
【図13】本発明の実施形態の変形例を示す図8に対応する断面図である。
【図14】本発明の実施形態のさらなる変形例を示す図8に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る電子時計1を示す平面図である。この実施形態では、電子時計1を腕時計として示したが、小型携帯式のものであれば他の形式、例えば懐中時計であっても差し支えない。
【0015】
図中符号2は外装ケースであり、その12時位置と6時位置にはバンド取付部3が設けられている。また、電子時計1の3時側側面には、竜頭4が設けられている。なお、同図中において、電子時計1の12時方向は図中上方向であり、6時方向は図中下方向となっている。
【0016】
電子時計1は図示のとおり指針式であり、時針、分針、秒針が電子時計1の中央位置を回転中心として、同軸に設けられている。なお、本実施形態では秒針が時針と同軸となっているが、クロノグラフ型の時計のように、秒針をいわゆるクロノ針に置き換え、秒針を副針として任意の位置に配置してもよい。また、文字板の6時位置には、日窓が設けられ、日車上に表示された日付表示が視認されるようになっている。なお、本実施形態の電子時計1はいわゆる電波時計であり、外装ケース2の文字板の外側の位置には、ユーザに受信状態を知らせるための表示5が刻印又は印刷されている。時刻情報を含んだ電波、本実施形態では、全地球測位システムにおける人工衛星からの電波の受信中及びその前後には、秒針がこれらの表示5のいずれかを指し示す。
【0017】
図2は、本実施形態の電子時計1のムーブメント6の斜視図である。ムーブメント6は、ムーブメント本体7と、電池パッケージ8とからなっている。ここで、ムーブメント本体7とは、電子時計1のムーブメント6から、電源関連部品、すなわち、後述する電池パッケージ8を取り除いたものであり、時計回路を含む電子回路基板、モータ、輪列やそれらを保持する地板と呼ばれる枠を含む。図中右側に見えているのは竜頭4(図1参照)を取り付ける巻芯9である。なお、本発明を説明する上で、ムーブメント6の構造は重要でないため、図2ではムーブメント6の詳細な部分については省略して簡明に表現している。電池パッケージ8とは、電池10及び、電池10をムーブメント本体7に取り付けるための構造部品及び電極を一体に構成した部材であり、図2には、電池10のほかに、ホルダー11及び押え12が見えている。電池パッケージ8は、電池パッケージ押え13を介し、ネジ14によりムーブメント本体7に固定される。なお、ホルダー11の外周の構造は続く図3及び4に示されるように複雑な構造を有しているが、図2では、ムーブメント本体7と電池パッケージ8との区別を明瞭とするため、簡略化して図示している。また、本明細書では、ムーブメント6において電池パッケージ8を取り付ける側の面を上面、その反対側の面を下面と呼ぶこととする。したがって、同図は、ムーブメント6の上面を斜め上から見下ろした斜視図である。この向きを図1に示した電子時計1で言うならば、上面は電子時計1の裏蓋側に向く面であり、下面は電子時計1の風防側に向く面であることになる。
【0018】
図3は、電池パッケージ8の上面斜視図である。電池10は図示の通りボタン型の電池であり、本実施形態ではリチウム二次電池である。図に見えている電池10の上面及び側面は電極となっており、この例では正極である。図に表れない電池10の下面は負極である。しかしながら、極性には特に限定はなく、これを逆にしてもよい。便宜上、以降では上面側の極性を持つ電極を上面電極、下面側の電極をもつ電極を下面電極と呼ぶ。また、電池10の上面中央部の破線枠で示した位置には、電池10の製造に関する情報15が印刷、刻印又はレーザマーキング等の方法により表示されている。ここで、製造に関する情報15には種々のものがあるが、少なくとも製造番号、製造ロット番号、製造日の少なくとも一つは、押え12に覆い隠されることなく露出している。これらは、電池10の在庫管理や履歴管理をする上で重要であるため、視認できる必要があるからである。なお、製造に関する情報15としては、製造番号等の電池10の個体を識別できる情報であることが好ましい。なお、製造に関する情報15は、数字によるものに限定されず、いかなる方式で符号化されていても差しつかえない。数字による番号以外にも、アルファベットを用いた番号であっても、一次元あるいは二次元バーコードであってもよい。
【0019】
押え12は、導電性、好ましくは金属性の部材であり、電池10をホルダー11に保持固定する。押え12からは、電池10の平面視外側に延びる固定部16が設けられており、固定部16を接合部17によりホルダー11に接合することにより、押え12はホルダー11に固定される。接合部17による接合方法は、カシメ又はリベットのような、分解不能接合であることが好ましい。ここで、分解不能接合とは、塑性変形あるいは破壊を伴わない限り分解することができないような接合方法を指している。本実施形態では、カシメにより接合部17の接合が行われている。具体的には、ホルダー11に形成された円柱状その他の形状の突起を、押え12に形成された穴に差し込み、突起の先端を加熱した工具を押し当てるなどして変形させ、押え12に形成された穴から突起を抜き取ることができないようにするとよい。このようにホルダー11に固定された押え12は、図示のように電池10の上面の周縁部において電池10をホルダー11との間に挟み込み、電池10を保持固定している。そのため、電池10の上面中央部は露出しており、製造に関する情報15が視認可能に露出する。また、電池10は使用や気温の変化に伴い、膨張や収縮することがあるが、その寸法変化は上面中央部における電池10の厚さ方向に関して最も大きい。この部分を避けて保持することにより、電池10の寸法変化を許容しつつ、その脱離が防止される。
【0020】
ホルダー11は、絶縁性の部材であり、好ましくは熱可塑性の合成樹脂の成型品である。ホルダー11が熱可塑性であることは、前述の接合部17においてカシメを行うために必要であるが、接合部17の接合方法によっては必ずしも熱可塑性でなくともよい。ホルダー11の外形は、ムーブメント6(図2参照)の外形と略等しく、概ね円形である。ホルダー11にはいくつかの貫通穴が設けられるが、図3では、上面側導通用開口18及び検査用開口19が見えている。
【0021】
図4は、ホルダー11の上面斜視図である。図中向かって右側には、外形がほぼ円形の凹部が見えているが、これは、電池10を収容する電池収容部20である。電池収容部20の底面には、貫通穴である下面側導通用開口21が設けられている。また、突起22は、前述したとおり、カシメにより接合部17(図3参照)を形成するためのものである。また、検査用開口19の周囲には、検査用開口19を取り囲むようにホルダー11の上面に突き出す凸部23が設けられている。これらの貫通穴については後述する。
【0022】
また、ホルダー11の外周には図示のように段が全周に設けられており、その上面の外径より若干大きい外形のフランジ46が形成されている。フランジ46の上面外縁部の適宜の位置には、複数の弾性変形部47が設けられている。また、フランジ46の外周面上の適宜の位置には、径方向に突き出す複数の凸部48が設けられている。
【0023】
図5は、図4のV−V線による断面図である。弾性変形部47は、フランジ46の厚みが部分的に薄くなった薄肉部49と、薄肉部49の上面側に設けられた突起50より構成されている。この弾性変形部47は、フランジ46の上面に別の部材(後述するように、裏蓋の下面)が配置された際に、かかる別の部材に突起50が突き当たり、薄肉部49が下側に向かい弾性変形することにより、ホルダー11を下方向に押し付ける働きをするものである。この構造により、電池パッケージ8を備えたムーブメント6(図2参照)は、外装ケース2内部において風防側に向かって弾性的に押し付けられ、その厚み方向(スラスト方向)に関してガタを生じることなく固定される。なお、ここで示した弾性変形部47の形状及び構造は一例であり、フランジ46の上面側から作用する力に対し弾性変形する構造であれば、他の形状及び構造を採用してもよい。
【0024】
図6は、図4のVI−VI線による断面図に、ムーブメント本体7と外装ケース2の断面を付け加えたものである。外装ケース2は、胴51と裏蓋52より形成されており、裏蓋52の下側に円筒形状に突き出すネジ突起53の外周面に形成された周面ネジにより、胴51と裏蓋52は互いに固定される。また、ネジ突起53の下面とフランジ46の上面は、先の図5に示した弾性変形部47において互いに突き当たる。さらに、フランジ46の外周面に部分的に突出するよう形成された凸部48において、ホルダー11と胴51の内周面が突き当たる。ここで、凸部48はその幅が狭いため、ホルダー11と胴51の内面との間に若干の寸法誤差が存在したとしても、凸部48が弾性又は塑性変形することによりかかる誤差は吸収される。その結果、電池パッケージ8を備えたムーブメント6(図2参照)は、外装ケース2の内部において、その径方向(ラジアル方向)に関してガタを生じることなく固定される。
【0025】
上述のように、本実施形態では、ムーブメント6を外装ケース2の内部に固定するにあたり、電池パッケージ8のホルダー11に形成された弾性変形部47及び凸部48がそれぞれ厚み方向、径方向に外装ケース2に接触してムーブメント6を支持する構造となっている。これは、電子時計1に衝撃等の外力が作用した場合に、重量のある電池10を含む電池パッケージ8に大きな慣性力が作用することから、電池パッケージ8自体を直接外装ケース2に対し固定することでムーブメント6の破損、例えば、ムーブメント本体7から電池パッケージ8が脱離する等の事故を防止しているのである。
【0026】
なお、ここで示したムーブメント6を外装ケース2の内部に固定する構造は一例であり、必要に応じて適宜変更を施してもよい。例えば、ムーブメント6の径方向の固定を行う凸部48をフランジ46の外周面ではなく、ホルダー11の上面の外周面に設け、裏蓋52のネジ突起53の内周面と突き当たるようにしてもよい。あるいは、弾性変形部47をフランジ46ではなく、ホルダー11の上面に設け、裏蓋52の下面に直接突き当たるようにする等してもよい。
【0027】
図7Aは、電池10の上面斜視図である。電池10の上面中央部には、前述の通り製造に関する情報15が表示されている。また、電池10の上面及び側面は、上面電極24となっている。
【0028】
図7Bは、電池10の下面斜視図である。電池10の下面には、上面電極24と隔てて下面電極25が設けられているが、本実施形態では、下面電極25に金属性のリード板26が取り付けられている。リード板26は、下面側端子27を有しており、下面側端子27は図示のように電池10の下面側に突出している。下面側端子27は、図4に示すホルダー11の下面側導通用開口21に応じた形状となっており、電池10がホルダー11に固定された際に、下面側端子27が下面側導通用開口21を貫通してホルダー11の下面側に突出するようになっている。舌部28は、電池10をホルダー11の電池収容部20に収容する際に、電池10の向きをそろえるための構造であり、電池収容部20には、舌部28と対応する形状のくぼみが設けられている。リード板26は、溶接部29により下面電極25に溶接により固定されている。なお、他の固定方法、例えばロウ付けなどでもよい。
【0029】
図8は、押え12の上面斜視図である。押え12は本実施形態では、金属板をプレス加工により打ち抜き、曲げたものである。押え12が電池10の上面と接する部分の外周にあたる位置には、段差30が形成されており、電池10と押え12との位置合わせが容易になっている。また、固定部16には、それぞれ突起貫通穴31が設けられているが、これは、ホルダー11の突起22(図4参照)を貫通させ、その後突起22を変形させることによりかしめ、接合部17(図3参照)を形成するためのものである。固定部16には、さらに、孔32がそれぞれ設けられている。また、押え12には、本実施形態では3か所に、電池10の側面に弾性的に押し付けられることにより電気的な導通をとる側面導通部33が設けられている。これは、前述のとおり、電池10は使用や気温の変化により膨張あるいは収縮するところ、電池10の外周部、すなわち、側面の寸法はほとんど変化しないことから、側面において導通をとることにより、接触不良の発生を低減するためである。なお、側面導通部33の数は特に限定はないが、複数とした方がより接触不良の発生を低減させることができるため好ましい。
【0030】
図9は、電池パッケージ押え13の上面斜視図である。電池パッケージ押え13は、ネジ止めにより電池パッケージ8をムーブメント本体7に固定するとともに(図2参照)、電池10の上面電極24をムーブメント本体7の基板に導通させる。電池パッケージ押え13もまた、金属板をプレス加工等により打ち抜き曲げることにより作成してよい。
【0031】
電池パッケージ押え13には、複数のネジ穴34及び35が設けられており(図示の例では5か所)、ネジ14により電池パッケージ押え13をムーブメント本体7にネジ止めし、電池パッケージ押え13とムーブメント本体7とで電池パッケージ8を挟み込むようにして電池パッケージ8を保持固定する(図2参照)。このうち、ネジ穴35は、押え12の孔32と対応する位置に設けられているため、この部分においては、ネジ14はホルダー11および押え11を貫通して、電池パッケージ8を固定することになる。このため、電池パッケージ押え13が押え12に強く押し付けられ、両者の導通が確実に取られる。また、図6において説明したように、押え12の孔32は、固定部16に設けられている。そのため、電池10は、突起貫通穴31に設けられる接合部17による固定だけでなく、孔32におけるネジ止めによってもホルダー11に保持固定されることとなり、衝撃や振動などの外力が作用した場合にも電池10の脱離を効果的に防止する。
【0032】
舌部36は、電池10の上面に接触して導通をとるための部分である。ネジ穴35周辺における導通と併せ、二重の導通を確保している。上面側端子37は、下面側に大きく曲げられており、ホルダー11の上面側導通用開口18(図4参照)を貫通してホルダー11の下面側に突出する。また、接地端子38は上面側に曲げられており、ムーブメント6が電子時計1に組み込まれた際に、外装ケース2の例えば裏蓋に接触し、接地電位をとる。開口39は、ホルダー11の凸部23よりやや大きい開口となっており、凸部23が挿入される。
【0033】
図10は、図2のX−X線による断面図である。同図には、ムーブメント本体7を構成する地板40、第1回路基板41、回路支持台42、第2回路基板43及びネジパイプ44が示されている。回路支持台42は、第1回路基板41及び第2回路基板43とを絶縁しつつ隔て指示するための部材であり、合成樹脂等の絶縁材料を成型することにより製造されている。同図には、ネジパイプ44にネジ止めされたネジ14により、電池パッケージ押え13、押え12、ホルダー11及びムーブメント本体7が共締めされ固定されている様子が示されている。また、接合部17により、ホルダー11と押え12とが分解不能接合されている様子も示されている。また、リード板26の下面側端子27が、ホルダー11の電池収容部20の底面に設けられた下面側導通用開口21を貫通して、第1回路基板41に接触し導通している様子が見て取れる。さらに、電池パッケージ押え13の舌部36が電池10の上面に接触している。
【0034】
なお、同図に示すように、ホルダー11の電池収容部20により、回路支持台42は左右2つの部材に分割されている。これは、できる限りムーブメント6を薄型にするためであるが、左右の回路支持台42を接続して1つの部材としてもよい。その場合、回路支持台42には、下面側端子27が貫通する貫通穴を設けておくことになる。
【0035】
図11は、図2のXI−XI線による断面図である。同図には、電池パッケージ押え13の上面側端子37がホルダー11の上面側導通用開口18を貫通し、ムーブメント本体7の第2回路基板43に接触し導通している様子が示されている。
【0036】
図12は、図2のXII−XII線による断面図である。同図には、ホルダー11の検査用開口19の断面が示されている。検査用開口19により露出しているムーブメント本体7の第2回路基板43上面には、検査用電極45が設けられている。この検査用電極45は、下面電極と導通するようになっているため、電池パッケージ8がムーブメント6に組み付けられている状態でも(図2参照)テスターなどを用いて電池10の電圧を検査できる。このとき、電池パッケージ押え13は電池10の上面電極と導通しているが、凸部23により、テスターが検査用電極45と電池パッケージ押え13に同時に接触して短絡することを妨げる。また、検査用開口19内にネジなど導電性の部材を落とした場合にも、凸部23により、かかる部材が検査用電極45と電池パッケージ押え13に同時に接触するのを妨げるため、短絡の危険が低減される。なお、凸部23の高さ、すなわち、ホルダー11の上面からの突出長さは、電池パッケージ押え13の厚さより大きいことが好ましい。
【0037】
図13は、本実施形態の変形例を示す図10に対応する断面図である。同図に示す変形例は、下面側端子27が、電池10の下面に取り付けられるのではなく、ムーブメント本体7の第1回路基板41に取り付けられている点が、先の実施形態と異なっている。この場合、下面側端子27は、第1回路基板41から上面側に突出し、電池10の下面に接触して導通する。下面側端子27は、半田付け、ロウ付け、ネジ止め等のいかなる方法で第1回路基板41に取り付けられていてもよい。あるいは、弾性変形する金属部材、例えばばね、を単に第1回路基板41と電池10の下面との間に配置するようにしてもよい。
【0038】
このような構成では、下面電極25と導通する部材が電池パッケージ8の下面、すなわち、ホルダー11の下面に突出することがないため、電池パッケージ8の取り扱い時に短絡する危険がさらに低減される。また、電池10の下面にリード板26を取り付けないため、ムーブメント全体をリード板26の厚み分薄くすることができる。あるいは、ムーブメント全体の厚さを変更しない場合には、リード板26の厚み分の隙間を利用して、電池収容部20と第1回路基板41との間で左右の回路支持台42を接続し、1つの部材とすることができる。
【0039】
図14は、本実施形態のさらなる変形例を示す図10に対応する断面図である。なお、本図においては、部材間の関係を示すため便宜的に図11に対応する断面図を併せて図示している。
【0040】
本変形例では、押え12が電池パッケージ押え13を兼ねている。かかる構造により押え12と電池パッケージ押え13を別々の部材として製造し組み立てる必要がなく、構造が簡略化される。同時に、押え12には図11に示す上面側端子37は設けられず、替わりに、上面側端子37はムーブメント本体7の第2回路基板43に取り付けられる。かかる上面側端子37は、第2回路基板43から上面側に突出し、上面側導通用開口18を貫通し、押え12の下面に弾性的に接触して導通する。上面側端子37は、半田付け、ロウ付け、ネジ止め等のいかなる方法で第2回路基板43に取り付けられていてもよい。あるいは、弾性変形する金属部材、例えばばね、を単に第2回路基板43と押え12の下面との間に配置するようにしてもよい。押え12は、図14より明らかなように、上面側導通用開口18を上面より平面的に覆っている。
【0041】
このような構成では、上面電極24と導通する部材が電池パッケージ8の下面、すなわち、ホルダー11の下面に突出することがないため、電池パッケージ8の取り扱い時に短絡する危険がさらに低減される。
【0042】
以上説明した実施形態及び変形例に示した具体的な構成は例示であり、当業者は種々の変形を行ってもよい。例えば、ムーブメント本体7の断面構成を変更してもよいし、図示した各種部材の具体的な形状はさまざまに変形して差し支えない。
【0043】
なお、以上説明した本発明の実施形態の一つの観点においては、押えは、電池の側面に接触して導通する側面導通部を有する。
【0044】
電池は使用状況によって膨張・収縮などの寸法変化を起こすが、このようにすれば、ボタン型電池において寸法変化の少ない側面を用いて導通をとるため、接触不良を生じにくい。
【0045】
また、本発明の実施形態の別の観点においては、押えは、電池の上面中央部を露出させる。
【0046】
このようにすれば、ボタン型電池の寸法変化が最も大きい上面中央部を拘束しないため、ボタン型電池を確実に保持できる。
【0047】
また、本発明の実施形態の別の観点においては、電池の下面に取り付けられた、下面側導通用開口を貫通する端子を有する。
【0048】
このようにすると、ボタン型電池の下面電極に導通する端子のみが露出するから、取り扱い時に短絡する危険性を低減できる。
【0049】
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ムーブメント本体は、下面側導通用開口を貫通する端子を有する。
【0050】
このようにすると、ムーブメント本体に適正に配置された端子を介さなければボタン型電池の下面側電極にアクセスできないため、取り扱い時に短絡する危険性を低減できる。
【0051】
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ホルダーは、ムーブメント本体に設けられた検査電極を露出させる検査用開口を有し、検査用開口の周囲には凸部が設けられている。
【0052】
このようにすると、電池パッケージをムーブメント本体から取り外すことなく検査用開口を通して電池の検査が行え、また、検査時に検査電極と電池の上面電極とが短絡する危険性を低減できる。
【0053】
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ホルダーは、外装ケースと厚み方向に弾性的に突き当たる弾性変形部を有する。或いは、ホルダーは、外周面から部分的に突出する凸部により外装ケースと径方向に接触する。
【0054】
このようにすると、重量のある電池を含む電池パッケージ自体を直接外装ケースに対し固定することでムーブメントの破損を防止できる。
【0055】
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ホルダーは、上面側導通用開口を有し、ムーブメント本体は、上面側導通用開口を貫通し押えに弾性的に接触する端子を有する。
【0056】
このようにすると、端子が電池パッケージから下面側に突出しないため、取り扱い時に短絡する危険性を低減できる。
【符号の説明】
【0057】
1 電子時計、2 外装ケース、3 バンド取付部、4 竜頭、5 表示、6 ムーブメント、7 ムーブメント本体、8 電池パッケージ、9 巻芯、10 電池、11 ホルダー、12 押え、13 電池パッケージ押え、14 ネジ、15 製造に関する情報、16 固定部、17 接合部、18 上面側導通用開口、19 検査用開口、20 電池収容部、21 下面側導通用開口、22 突起、23 凸部、24 上面電極、25 下面電極、26 リード板、27 下面側端子、28 舌部、29 溶接部、30 段差、31 突起貫通穴、32 孔、33 側面導通部、34,35 ネジ穴、36 舌部、37 上面側端子、38 接地端子、39 開口、40 地板、41 第1回路基板、42 回路支持台、43 第2回路基板、44 ネジパイプ、45 検査用電極、46 フランジ、47 弾性変形部、48 凸部、49 薄肉部、50 突起、51 胴、52 裏蓋、53 ネジ突起。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子時計に関し、特にリチウム二次電池等の高エネルギー密度を有する電池を備えた電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
腕時計、懐中時計等の小型携帯式の電子時計に用いられる電源としての電池は、小型であることが要請されるため、一次電池二次電池を問わずボタン型のものが主流である。特許文献1には、電子時計に用いられる二次電池の保持構造であって、ボタン型二次電池をプラスチック製時計構成部品と押え部材とで挟み込み、ボタン型二次電池を当該押え部材で覆うとともに、時計構成部品と押え部材とをカシメ固定したものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3667890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、腕時計等の小型携帯式の電子時計において高機能化が進んでいる。そして、このような高機能化により追加される機能の中には、電子時計の消費電力を著しく増大させるものがある。そのようなものの例として、GPS(Global Positioning System)等に代表される全地球測位システムにおいて用いられる極超短波を受信する機能や、いわゆる無線LANやbluetooth(商標)などの通信機能等の高周波送受信機能が挙げられる。これらは、極超短波の送受信を行うための高周波回路及びデコーダ回路を動作させなければならないため、電子時計の一時的な消費電力が大きい。
【0005】
このような機能に対し十分な電力を供給するためには、小型でかつ大電力を供給可能な電池を用いなければならない。このような電池の代表的なものとして、リチウム二次電池がある。
【0006】
ここで、リチウム二次電池等の、エネルギー密度の高い電池は、正極と負極を短絡させると大きな発熱を生じるため、その取扱いには十分な注意を払わなければならない。この点について、一般的なボタン型電池は、外装自体が電極となっており、また、正極と負極とがわずかな隙間を開けて隣接しているため、不用意にピンセット等の金属が触れるだけで両極が短絡する恐れがある。このような取り扱い時の危険性は、前述の特許文献1に記載された電池保持構造を用いることにより、ボタン型のリチウム二次電池の場合においても相当程度低減されると考えられる。
【0007】
しかしながら、リチウム二次電池は、その特性として充電禁止電圧をもっており、電圧がかかる充電禁止電圧を下回ったリチウム二次電池に対しては充電が禁止される。そのため、リチウム二次電池は、個々の電池に対してその在庫保有期間や、充電禁止電圧を下回ったかどうかの履歴を管理する必要がある。ボタン型リチウム二次電池では、通常、製造番号、製造ロット、製造日等の製造に関する情報は、正極の上面に記載又は刻印されるが、特許文献1の電池保持構造では、押え部材が電池を覆うため、電池の製造に関する情報が視認できず、電池個別の管理が難しい。
【0008】
また、リチウム二次電池は、一般に小型携帯式の電子時計に使用される電池より大型で重量も大きく、特許文献1の電池保持構造のように、カシメにより押え部材を支持する構造だと、リチウム二次電池に衝撃力等の外力が作用した場合に、カシメによる保持固定部が破損し、リチウム二次電池が時計構成部品から脱離する恐れがある。
【0009】
なお、上述の議論は必ずしも二次電池のみを対象とするものではなく、個別の製造日等の管理を必要とするエネルギー密度の高い、あるいはエネルギー保持量の大きい大型の一次電池にも同様にあてはまる。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、エネルギー密度の高いボタン型電池の取り扱い時の安全性を確保しつつ、電池の個別の管理を可能とし、かつ、衝撃力等の外力に対しても強固な構造の電池パッケージを備えた電子時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子時計は、上面に製造に関する情報が記載されたボタン型の電池と、前記電池を収容する凹部である電池収容部と、前記電池収容部の底面に下面側導通用開口を有する絶縁性のホルダーと、前記電池の上面の周縁部において、前記電池を前記ホルダーとの間に挟み込み固定し、前記電池の前記製造に関する情報を露出させ、前記電池の平面視外側に延び、前記ホルダーに固定される固定部を有する導電性の押えと、を備えた電池パッケージと、前記ホルダーおよび前記押えを貫通するネジにより、前記電池パッケージが固定されるムーブメント本体と、前記電池パッケージ及び前記ムーブメント本体を収容する外装ケースと、を備える。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明によれば、エネルギー密度の高いボタン型電池の取り扱い時の安全性を確保しつつ、電池の個別の管理を可能とし、かつ、衝撃力等の外力に対しても強固な構造の電池パッケージを備えた電子時計が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る電子時計の平面図である。
【図2】本実施形態の電子時計のムーブメントの斜視図である。
【図3】電池パッケージの上面斜視図である。
【図4】ホルダーの上面斜視図である。
【図5】図4のV−V線による断面図である。
【図6】図4のVI−VI線による断面図に、ムーブメント本体と外装ケースの断面を付け加えたものである。
【図7A】電池の上面斜視図である。
【図7B】電池の下面斜視図である。
【図8】押えの上面斜視図である。
【図9】電池パッケージ押えの上面斜視図である。
【図10】図2のVIII−VIII線による断面図である。
【図11】図2のIX−IX線による断面図である。
【図12】図2のX−X線による断面図である。
【図13】本発明の実施形態の変形例を示す図8に対応する断面図である。
【図14】本発明の実施形態のさらなる変形例を示す図8に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る電子時計1を示す平面図である。この実施形態では、電子時計1を腕時計として示したが、小型携帯式のものであれば他の形式、例えば懐中時計であっても差し支えない。
【0015】
図中符号2は外装ケースであり、その12時位置と6時位置にはバンド取付部3が設けられている。また、電子時計1の3時側側面には、竜頭4が設けられている。なお、同図中において、電子時計1の12時方向は図中上方向であり、6時方向は図中下方向となっている。
【0016】
電子時計1は図示のとおり指針式であり、時針、分針、秒針が電子時計1の中央位置を回転中心として、同軸に設けられている。なお、本実施形態では秒針が時針と同軸となっているが、クロノグラフ型の時計のように、秒針をいわゆるクロノ針に置き換え、秒針を副針として任意の位置に配置してもよい。また、文字板の6時位置には、日窓が設けられ、日車上に表示された日付表示が視認されるようになっている。なお、本実施形態の電子時計1はいわゆる電波時計であり、外装ケース2の文字板の外側の位置には、ユーザに受信状態を知らせるための表示5が刻印又は印刷されている。時刻情報を含んだ電波、本実施形態では、全地球測位システムにおける人工衛星からの電波の受信中及びその前後には、秒針がこれらの表示5のいずれかを指し示す。
【0017】
図2は、本実施形態の電子時計1のムーブメント6の斜視図である。ムーブメント6は、ムーブメント本体7と、電池パッケージ8とからなっている。ここで、ムーブメント本体7とは、電子時計1のムーブメント6から、電源関連部品、すなわち、後述する電池パッケージ8を取り除いたものであり、時計回路を含む電子回路基板、モータ、輪列やそれらを保持する地板と呼ばれる枠を含む。図中右側に見えているのは竜頭4(図1参照)を取り付ける巻芯9である。なお、本発明を説明する上で、ムーブメント6の構造は重要でないため、図2ではムーブメント6の詳細な部分については省略して簡明に表現している。電池パッケージ8とは、電池10及び、電池10をムーブメント本体7に取り付けるための構造部品及び電極を一体に構成した部材であり、図2には、電池10のほかに、ホルダー11及び押え12が見えている。電池パッケージ8は、電池パッケージ押え13を介し、ネジ14によりムーブメント本体7に固定される。なお、ホルダー11の外周の構造は続く図3及び4に示されるように複雑な構造を有しているが、図2では、ムーブメント本体7と電池パッケージ8との区別を明瞭とするため、簡略化して図示している。また、本明細書では、ムーブメント6において電池パッケージ8を取り付ける側の面を上面、その反対側の面を下面と呼ぶこととする。したがって、同図は、ムーブメント6の上面を斜め上から見下ろした斜視図である。この向きを図1に示した電子時計1で言うならば、上面は電子時計1の裏蓋側に向く面であり、下面は電子時計1の風防側に向く面であることになる。
【0018】
図3は、電池パッケージ8の上面斜視図である。電池10は図示の通りボタン型の電池であり、本実施形態ではリチウム二次電池である。図に見えている電池10の上面及び側面は電極となっており、この例では正極である。図に表れない電池10の下面は負極である。しかしながら、極性には特に限定はなく、これを逆にしてもよい。便宜上、以降では上面側の極性を持つ電極を上面電極、下面側の電極をもつ電極を下面電極と呼ぶ。また、電池10の上面中央部の破線枠で示した位置には、電池10の製造に関する情報15が印刷、刻印又はレーザマーキング等の方法により表示されている。ここで、製造に関する情報15には種々のものがあるが、少なくとも製造番号、製造ロット番号、製造日の少なくとも一つは、押え12に覆い隠されることなく露出している。これらは、電池10の在庫管理や履歴管理をする上で重要であるため、視認できる必要があるからである。なお、製造に関する情報15としては、製造番号等の電池10の個体を識別できる情報であることが好ましい。なお、製造に関する情報15は、数字によるものに限定されず、いかなる方式で符号化されていても差しつかえない。数字による番号以外にも、アルファベットを用いた番号であっても、一次元あるいは二次元バーコードであってもよい。
【0019】
押え12は、導電性、好ましくは金属性の部材であり、電池10をホルダー11に保持固定する。押え12からは、電池10の平面視外側に延びる固定部16が設けられており、固定部16を接合部17によりホルダー11に接合することにより、押え12はホルダー11に固定される。接合部17による接合方法は、カシメ又はリベットのような、分解不能接合であることが好ましい。ここで、分解不能接合とは、塑性変形あるいは破壊を伴わない限り分解することができないような接合方法を指している。本実施形態では、カシメにより接合部17の接合が行われている。具体的には、ホルダー11に形成された円柱状その他の形状の突起を、押え12に形成された穴に差し込み、突起の先端を加熱した工具を押し当てるなどして変形させ、押え12に形成された穴から突起を抜き取ることができないようにするとよい。このようにホルダー11に固定された押え12は、図示のように電池10の上面の周縁部において電池10をホルダー11との間に挟み込み、電池10を保持固定している。そのため、電池10の上面中央部は露出しており、製造に関する情報15が視認可能に露出する。また、電池10は使用や気温の変化に伴い、膨張や収縮することがあるが、その寸法変化は上面中央部における電池10の厚さ方向に関して最も大きい。この部分を避けて保持することにより、電池10の寸法変化を許容しつつ、その脱離が防止される。
【0020】
ホルダー11は、絶縁性の部材であり、好ましくは熱可塑性の合成樹脂の成型品である。ホルダー11が熱可塑性であることは、前述の接合部17においてカシメを行うために必要であるが、接合部17の接合方法によっては必ずしも熱可塑性でなくともよい。ホルダー11の外形は、ムーブメント6(図2参照)の外形と略等しく、概ね円形である。ホルダー11にはいくつかの貫通穴が設けられるが、図3では、上面側導通用開口18及び検査用開口19が見えている。
【0021】
図4は、ホルダー11の上面斜視図である。図中向かって右側には、外形がほぼ円形の凹部が見えているが、これは、電池10を収容する電池収容部20である。電池収容部20の底面には、貫通穴である下面側導通用開口21が設けられている。また、突起22は、前述したとおり、カシメにより接合部17(図3参照)を形成するためのものである。また、検査用開口19の周囲には、検査用開口19を取り囲むようにホルダー11の上面に突き出す凸部23が設けられている。これらの貫通穴については後述する。
【0022】
また、ホルダー11の外周には図示のように段が全周に設けられており、その上面の外径より若干大きい外形のフランジ46が形成されている。フランジ46の上面外縁部の適宜の位置には、複数の弾性変形部47が設けられている。また、フランジ46の外周面上の適宜の位置には、径方向に突き出す複数の凸部48が設けられている。
【0023】
図5は、図4のV−V線による断面図である。弾性変形部47は、フランジ46の厚みが部分的に薄くなった薄肉部49と、薄肉部49の上面側に設けられた突起50より構成されている。この弾性変形部47は、フランジ46の上面に別の部材(後述するように、裏蓋の下面)が配置された際に、かかる別の部材に突起50が突き当たり、薄肉部49が下側に向かい弾性変形することにより、ホルダー11を下方向に押し付ける働きをするものである。この構造により、電池パッケージ8を備えたムーブメント6(図2参照)は、外装ケース2内部において風防側に向かって弾性的に押し付けられ、その厚み方向(スラスト方向)に関してガタを生じることなく固定される。なお、ここで示した弾性変形部47の形状及び構造は一例であり、フランジ46の上面側から作用する力に対し弾性変形する構造であれば、他の形状及び構造を採用してもよい。
【0024】
図6は、図4のVI−VI線による断面図に、ムーブメント本体7と外装ケース2の断面を付け加えたものである。外装ケース2は、胴51と裏蓋52より形成されており、裏蓋52の下側に円筒形状に突き出すネジ突起53の外周面に形成された周面ネジにより、胴51と裏蓋52は互いに固定される。また、ネジ突起53の下面とフランジ46の上面は、先の図5に示した弾性変形部47において互いに突き当たる。さらに、フランジ46の外周面に部分的に突出するよう形成された凸部48において、ホルダー11と胴51の内周面が突き当たる。ここで、凸部48はその幅が狭いため、ホルダー11と胴51の内面との間に若干の寸法誤差が存在したとしても、凸部48が弾性又は塑性変形することによりかかる誤差は吸収される。その結果、電池パッケージ8を備えたムーブメント6(図2参照)は、外装ケース2の内部において、その径方向(ラジアル方向)に関してガタを生じることなく固定される。
【0025】
上述のように、本実施形態では、ムーブメント6を外装ケース2の内部に固定するにあたり、電池パッケージ8のホルダー11に形成された弾性変形部47及び凸部48がそれぞれ厚み方向、径方向に外装ケース2に接触してムーブメント6を支持する構造となっている。これは、電子時計1に衝撃等の外力が作用した場合に、重量のある電池10を含む電池パッケージ8に大きな慣性力が作用することから、電池パッケージ8自体を直接外装ケース2に対し固定することでムーブメント6の破損、例えば、ムーブメント本体7から電池パッケージ8が脱離する等の事故を防止しているのである。
【0026】
なお、ここで示したムーブメント6を外装ケース2の内部に固定する構造は一例であり、必要に応じて適宜変更を施してもよい。例えば、ムーブメント6の径方向の固定を行う凸部48をフランジ46の外周面ではなく、ホルダー11の上面の外周面に設け、裏蓋52のネジ突起53の内周面と突き当たるようにしてもよい。あるいは、弾性変形部47をフランジ46ではなく、ホルダー11の上面に設け、裏蓋52の下面に直接突き当たるようにする等してもよい。
【0027】
図7Aは、電池10の上面斜視図である。電池10の上面中央部には、前述の通り製造に関する情報15が表示されている。また、電池10の上面及び側面は、上面電極24となっている。
【0028】
図7Bは、電池10の下面斜視図である。電池10の下面には、上面電極24と隔てて下面電極25が設けられているが、本実施形態では、下面電極25に金属性のリード板26が取り付けられている。リード板26は、下面側端子27を有しており、下面側端子27は図示のように電池10の下面側に突出している。下面側端子27は、図4に示すホルダー11の下面側導通用開口21に応じた形状となっており、電池10がホルダー11に固定された際に、下面側端子27が下面側導通用開口21を貫通してホルダー11の下面側に突出するようになっている。舌部28は、電池10をホルダー11の電池収容部20に収容する際に、電池10の向きをそろえるための構造であり、電池収容部20には、舌部28と対応する形状のくぼみが設けられている。リード板26は、溶接部29により下面電極25に溶接により固定されている。なお、他の固定方法、例えばロウ付けなどでもよい。
【0029】
図8は、押え12の上面斜視図である。押え12は本実施形態では、金属板をプレス加工により打ち抜き、曲げたものである。押え12が電池10の上面と接する部分の外周にあたる位置には、段差30が形成されており、電池10と押え12との位置合わせが容易になっている。また、固定部16には、それぞれ突起貫通穴31が設けられているが、これは、ホルダー11の突起22(図4参照)を貫通させ、その後突起22を変形させることによりかしめ、接合部17(図3参照)を形成するためのものである。固定部16には、さらに、孔32がそれぞれ設けられている。また、押え12には、本実施形態では3か所に、電池10の側面に弾性的に押し付けられることにより電気的な導通をとる側面導通部33が設けられている。これは、前述のとおり、電池10は使用や気温の変化により膨張あるいは収縮するところ、電池10の外周部、すなわち、側面の寸法はほとんど変化しないことから、側面において導通をとることにより、接触不良の発生を低減するためである。なお、側面導通部33の数は特に限定はないが、複数とした方がより接触不良の発生を低減させることができるため好ましい。
【0030】
図9は、電池パッケージ押え13の上面斜視図である。電池パッケージ押え13は、ネジ止めにより電池パッケージ8をムーブメント本体7に固定するとともに(図2参照)、電池10の上面電極24をムーブメント本体7の基板に導通させる。電池パッケージ押え13もまた、金属板をプレス加工等により打ち抜き曲げることにより作成してよい。
【0031】
電池パッケージ押え13には、複数のネジ穴34及び35が設けられており(図示の例では5か所)、ネジ14により電池パッケージ押え13をムーブメント本体7にネジ止めし、電池パッケージ押え13とムーブメント本体7とで電池パッケージ8を挟み込むようにして電池パッケージ8を保持固定する(図2参照)。このうち、ネジ穴35は、押え12の孔32と対応する位置に設けられているため、この部分においては、ネジ14はホルダー11および押え11を貫通して、電池パッケージ8を固定することになる。このため、電池パッケージ押え13が押え12に強く押し付けられ、両者の導通が確実に取られる。また、図6において説明したように、押え12の孔32は、固定部16に設けられている。そのため、電池10は、突起貫通穴31に設けられる接合部17による固定だけでなく、孔32におけるネジ止めによってもホルダー11に保持固定されることとなり、衝撃や振動などの外力が作用した場合にも電池10の脱離を効果的に防止する。
【0032】
舌部36は、電池10の上面に接触して導通をとるための部分である。ネジ穴35周辺における導通と併せ、二重の導通を確保している。上面側端子37は、下面側に大きく曲げられており、ホルダー11の上面側導通用開口18(図4参照)を貫通してホルダー11の下面側に突出する。また、接地端子38は上面側に曲げられており、ムーブメント6が電子時計1に組み込まれた際に、外装ケース2の例えば裏蓋に接触し、接地電位をとる。開口39は、ホルダー11の凸部23よりやや大きい開口となっており、凸部23が挿入される。
【0033】
図10は、図2のX−X線による断面図である。同図には、ムーブメント本体7を構成する地板40、第1回路基板41、回路支持台42、第2回路基板43及びネジパイプ44が示されている。回路支持台42は、第1回路基板41及び第2回路基板43とを絶縁しつつ隔て指示するための部材であり、合成樹脂等の絶縁材料を成型することにより製造されている。同図には、ネジパイプ44にネジ止めされたネジ14により、電池パッケージ押え13、押え12、ホルダー11及びムーブメント本体7が共締めされ固定されている様子が示されている。また、接合部17により、ホルダー11と押え12とが分解不能接合されている様子も示されている。また、リード板26の下面側端子27が、ホルダー11の電池収容部20の底面に設けられた下面側導通用開口21を貫通して、第1回路基板41に接触し導通している様子が見て取れる。さらに、電池パッケージ押え13の舌部36が電池10の上面に接触している。
【0034】
なお、同図に示すように、ホルダー11の電池収容部20により、回路支持台42は左右2つの部材に分割されている。これは、できる限りムーブメント6を薄型にするためであるが、左右の回路支持台42を接続して1つの部材としてもよい。その場合、回路支持台42には、下面側端子27が貫通する貫通穴を設けておくことになる。
【0035】
図11は、図2のXI−XI線による断面図である。同図には、電池パッケージ押え13の上面側端子37がホルダー11の上面側導通用開口18を貫通し、ムーブメント本体7の第2回路基板43に接触し導通している様子が示されている。
【0036】
図12は、図2のXII−XII線による断面図である。同図には、ホルダー11の検査用開口19の断面が示されている。検査用開口19により露出しているムーブメント本体7の第2回路基板43上面には、検査用電極45が設けられている。この検査用電極45は、下面電極と導通するようになっているため、電池パッケージ8がムーブメント6に組み付けられている状態でも(図2参照)テスターなどを用いて電池10の電圧を検査できる。このとき、電池パッケージ押え13は電池10の上面電極と導通しているが、凸部23により、テスターが検査用電極45と電池パッケージ押え13に同時に接触して短絡することを妨げる。また、検査用開口19内にネジなど導電性の部材を落とした場合にも、凸部23により、かかる部材が検査用電極45と電池パッケージ押え13に同時に接触するのを妨げるため、短絡の危険が低減される。なお、凸部23の高さ、すなわち、ホルダー11の上面からの突出長さは、電池パッケージ押え13の厚さより大きいことが好ましい。
【0037】
図13は、本実施形態の変形例を示す図10に対応する断面図である。同図に示す変形例は、下面側端子27が、電池10の下面に取り付けられるのではなく、ムーブメント本体7の第1回路基板41に取り付けられている点が、先の実施形態と異なっている。この場合、下面側端子27は、第1回路基板41から上面側に突出し、電池10の下面に接触して導通する。下面側端子27は、半田付け、ロウ付け、ネジ止め等のいかなる方法で第1回路基板41に取り付けられていてもよい。あるいは、弾性変形する金属部材、例えばばね、を単に第1回路基板41と電池10の下面との間に配置するようにしてもよい。
【0038】
このような構成では、下面電極25と導通する部材が電池パッケージ8の下面、すなわち、ホルダー11の下面に突出することがないため、電池パッケージ8の取り扱い時に短絡する危険がさらに低減される。また、電池10の下面にリード板26を取り付けないため、ムーブメント全体をリード板26の厚み分薄くすることができる。あるいは、ムーブメント全体の厚さを変更しない場合には、リード板26の厚み分の隙間を利用して、電池収容部20と第1回路基板41との間で左右の回路支持台42を接続し、1つの部材とすることができる。
【0039】
図14は、本実施形態のさらなる変形例を示す図10に対応する断面図である。なお、本図においては、部材間の関係を示すため便宜的に図11に対応する断面図を併せて図示している。
【0040】
本変形例では、押え12が電池パッケージ押え13を兼ねている。かかる構造により押え12と電池パッケージ押え13を別々の部材として製造し組み立てる必要がなく、構造が簡略化される。同時に、押え12には図11に示す上面側端子37は設けられず、替わりに、上面側端子37はムーブメント本体7の第2回路基板43に取り付けられる。かかる上面側端子37は、第2回路基板43から上面側に突出し、上面側導通用開口18を貫通し、押え12の下面に弾性的に接触して導通する。上面側端子37は、半田付け、ロウ付け、ネジ止め等のいかなる方法で第2回路基板43に取り付けられていてもよい。あるいは、弾性変形する金属部材、例えばばね、を単に第2回路基板43と押え12の下面との間に配置するようにしてもよい。押え12は、図14より明らかなように、上面側導通用開口18を上面より平面的に覆っている。
【0041】
このような構成では、上面電極24と導通する部材が電池パッケージ8の下面、すなわち、ホルダー11の下面に突出することがないため、電池パッケージ8の取り扱い時に短絡する危険がさらに低減される。
【0042】
以上説明した実施形態及び変形例に示した具体的な構成は例示であり、当業者は種々の変形を行ってもよい。例えば、ムーブメント本体7の断面構成を変更してもよいし、図示した各種部材の具体的な形状はさまざまに変形して差し支えない。
【0043】
なお、以上説明した本発明の実施形態の一つの観点においては、押えは、電池の側面に接触して導通する側面導通部を有する。
【0044】
電池は使用状況によって膨張・収縮などの寸法変化を起こすが、このようにすれば、ボタン型電池において寸法変化の少ない側面を用いて導通をとるため、接触不良を生じにくい。
【0045】
また、本発明の実施形態の別の観点においては、押えは、電池の上面中央部を露出させる。
【0046】
このようにすれば、ボタン型電池の寸法変化が最も大きい上面中央部を拘束しないため、ボタン型電池を確実に保持できる。
【0047】
また、本発明の実施形態の別の観点においては、電池の下面に取り付けられた、下面側導通用開口を貫通する端子を有する。
【0048】
このようにすると、ボタン型電池の下面電極に導通する端子のみが露出するから、取り扱い時に短絡する危険性を低減できる。
【0049】
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ムーブメント本体は、下面側導通用開口を貫通する端子を有する。
【0050】
このようにすると、ムーブメント本体に適正に配置された端子を介さなければボタン型電池の下面側電極にアクセスできないため、取り扱い時に短絡する危険性を低減できる。
【0051】
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ホルダーは、ムーブメント本体に設けられた検査電極を露出させる検査用開口を有し、検査用開口の周囲には凸部が設けられている。
【0052】
このようにすると、電池パッケージをムーブメント本体から取り外すことなく検査用開口を通して電池の検査が行え、また、検査時に検査電極と電池の上面電極とが短絡する危険性を低減できる。
【0053】
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ホルダーは、外装ケースと厚み方向に弾性的に突き当たる弾性変形部を有する。或いは、ホルダーは、外周面から部分的に突出する凸部により外装ケースと径方向に接触する。
【0054】
このようにすると、重量のある電池を含む電池パッケージ自体を直接外装ケースに対し固定することでムーブメントの破損を防止できる。
【0055】
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ホルダーは、上面側導通用開口を有し、ムーブメント本体は、上面側導通用開口を貫通し押えに弾性的に接触する端子を有する。
【0056】
このようにすると、端子が電池パッケージから下面側に突出しないため、取り扱い時に短絡する危険性を低減できる。
【符号の説明】
【0057】
1 電子時計、2 外装ケース、3 バンド取付部、4 竜頭、5 表示、6 ムーブメント、7 ムーブメント本体、8 電池パッケージ、9 巻芯、10 電池、11 ホルダー、12 押え、13 電池パッケージ押え、14 ネジ、15 製造に関する情報、16 固定部、17 接合部、18 上面側導通用開口、19 検査用開口、20 電池収容部、21 下面側導通用開口、22 突起、23 凸部、24 上面電極、25 下面電極、26 リード板、27 下面側端子、28 舌部、29 溶接部、30 段差、31 突起貫通穴、32 孔、33 側面導通部、34,35 ネジ穴、36 舌部、37 上面側端子、38 接地端子、39 開口、40 地板、41 第1回路基板、42 回路支持台、43 第2回路基板、44 ネジパイプ、45 検査用電極、46 フランジ、47 弾性変形部、48 凸部、49 薄肉部、50 突起、51 胴、52 裏蓋、53 ネジ突起。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に製造に関する情報が記載されたボタン型の電池と、
前記電池を収容する凹部である電池収容部と、前記電池収容部の底面に下面側導通用開口を有する絶縁性のホルダーと、
前記電池の上面の周縁部において、前記電池を前記ホルダーとの間に挟み込み固定し、前記電池の前記製造に関する情報を視認可能に露出させ、前記電池の平面視外側に延び、前記ホルダーに固定される固定部を有する導電性の押えと、
を備えた電池パッケージと、
前記ホルダーおよび前記押えを貫通するネジにより、前記電池パッケージが固定されるムーブメント本体と、
前記電池パッケージ及び前記ムーブメント本体を収容する外装ケースと、
を備えた電子時計。
【請求項2】
前記押えは、前記電池の側面に接触して導通する側面導通部を有する請求項1記載の電子時計。
【請求項3】
前記押えは、前記電池の上面中央部を露出させる請求項1又は2記載の電子時計。
【請求項4】
前記電池の下面に取り付けられた、前記下面側導通用開口を貫通する端子を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の電子時計。
【請求項5】
前記ムーブメント本体は、前記下面側導通用開口を貫通する端子を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の電子時計。
【請求項6】
前記ホルダーは、前記ムーブメント本体に設けられた検査電極を露出させる検査用開口を有し、前記検査用開口の周囲には凸部が設けられている請求項1乃至5のいずれかに記載の電子時計。
【請求項7】
前記ホルダーは、前記外装ケースと厚み方向に弾性的に突き当たる弾性変形部を有する請求項1乃至6のいずれかに記載の電子時計。
【請求項8】
前記ホルダーは、外周面から部分的に突出する凸部により前記外装ケースと径方向に接触する請求項1乃至7のいずれかに記載の電子時計。
【請求項9】
前記ホルダーは、上面側導通用開口を有し、
前記ムーブメント本体は、前記上面側導通用開口を貫通し前記押えに弾性的に接触する端子を有する請求項1乃至8のいずれかに記載の電子時計。
【請求項1】
上面に製造に関する情報が記載されたボタン型の電池と、
前記電池を収容する凹部である電池収容部と、前記電池収容部の底面に下面側導通用開口を有する絶縁性のホルダーと、
前記電池の上面の周縁部において、前記電池を前記ホルダーとの間に挟み込み固定し、前記電池の前記製造に関する情報を視認可能に露出させ、前記電池の平面視外側に延び、前記ホルダーに固定される固定部を有する導電性の押えと、
を備えた電池パッケージと、
前記ホルダーおよび前記押えを貫通するネジにより、前記電池パッケージが固定されるムーブメント本体と、
前記電池パッケージ及び前記ムーブメント本体を収容する外装ケースと、
を備えた電子時計。
【請求項2】
前記押えは、前記電池の側面に接触して導通する側面導通部を有する請求項1記載の電子時計。
【請求項3】
前記押えは、前記電池の上面中央部を露出させる請求項1又は2記載の電子時計。
【請求項4】
前記電池の下面に取り付けられた、前記下面側導通用開口を貫通する端子を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の電子時計。
【請求項5】
前記ムーブメント本体は、前記下面側導通用開口を貫通する端子を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の電子時計。
【請求項6】
前記ホルダーは、前記ムーブメント本体に設けられた検査電極を露出させる検査用開口を有し、前記検査用開口の周囲には凸部が設けられている請求項1乃至5のいずれかに記載の電子時計。
【請求項7】
前記ホルダーは、前記外装ケースと厚み方向に弾性的に突き当たる弾性変形部を有する請求項1乃至6のいずれかに記載の電子時計。
【請求項8】
前記ホルダーは、外周面から部分的に突出する凸部により前記外装ケースと径方向に接触する請求項1乃至7のいずれかに記載の電子時計。
【請求項9】
前記ホルダーは、上面側導通用開口を有し、
前記ムーブメント本体は、前記上面側導通用開口を貫通し前記押えに弾性的に接触する端子を有する請求項1乃至8のいずれかに記載の電子時計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−211893(P2012−211893A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−43017(P2012−43017)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(307023373)シチズン時計株式会社 (227)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(307023373)シチズン時計株式会社 (227)
【Fターム(参考)】
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