説明

電子書籍の提供方法

【課題】印刷された書籍を一つの画像情報をもとに、閲覧機器に応じた最適化処理を行うことにより、一つの受付窓口から他種類の形式の電子書籍を生成するようにして、閲覧者の利便性を高めることを課題とする。
【解決手段】画像変換された電子書籍情報を、閲覧者からの要求に基づいて閲覧者の閲覧機器に送信する電子書籍の提供方法であって、前記電子書籍情報を所定の形式で保存しておき、閲覧者からの閲覧要求に基づいて、要求された電子書籍情報を、前記閲覧機器の閲覧システムに最適な画像形式とする最適化処理を行った後に前記閲覧機器への送信可能状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物等の書籍を画像変換して生成された電子書籍を、電子情報として閲覧者に提供するための電子書籍の提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯の便利さや保管スペースが少なくてすむ等の理由から、印刷された書籍をスキャナー等の画像取り込み機器を用いて画像情報に変換し電子書籍化することが行われている。
【0003】
ところで、このような電子書籍化においては、電子化した際の1ページあたりのデータ量が大きく、限られた記憶容量の記録媒体に保存できる書籍の数が限られてしまうといった問題点や、ページの切り替え時間が長いといった問題点が指摘されている。
【0004】
このような問題点を解消するには、電子化した際のデータ量を極力小さくする必要があり、そのために、画像を取り込む際に、たとえば、閲覧に供される情報を取り囲んで存在する余白部分を省いて画像を取り込むことが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−8862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年では、電子書籍を閲覧するための閲覧機器として、パーソナルコンピュータのみならず、携帯電話や書籍リーダーといった携帯して使用する電子機器が多く出現し、これらの閲覧機器で電子書籍を閲覧する機会が増えている。
【0007】
そして、これらの閲覧機器では、電子書籍の表示やページめくり等の操作をするためのアプリケーションが、閲覧機器毎若しくは製造メーカー毎に異なるため、提供する電子書籍の形式もその閲覧機器毎若しくは製造メーカー毎に特化したものとなっている。
このために、一つの閲覧機器で閲覧可能な電子書籍が他の閲覧機器では閲覧できないという不具合が生じている。
【0008】
したがって、閲覧希望者は、自身の使用している閲覧機器に対応した形式の電子書籍を選んで入手する必要があり、かつ、その入手先を探す手間が必要となっている。
【0009】
そこで本発明は、印刷された書籍を一つの画像情報をもとに、閲覧機器に応じた最適化処理を行うことにより、一つの受付窓口から他種類の形式の電子書籍を生成するようにして、閲覧者の利便性を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画像変換された電子書籍情報を、閲覧者からの要求に基づいて閲覧者の閲覧機器に送信する電子書籍の提供方法であって、前記電子書籍情報を所定の形式で保存しておき、閲覧者からの閲覧要求に基づいて、要求された電子書籍情報を、前記閲覧機器の閲覧システムに最適な画像形式とする最適化処理を行った後に、前記閲覧機器への送信可能状態にすることを特徴としている。
【0011】
このような構成とすることによって、一つの画像情報から、使用する閲覧機器に応じた電子書籍情報が生成されるので、利用者は、使用している閲覧機器を気にせずに閲覧要求することができ、利便性が大幅に向上する。
また、提供者側においては、元の画像情報が一つで、これを元に各種の閲覧機器に対応することができることから、多数の閲覧機器に特化した処理に比して、大幅な作業の短縮を図ることができ、かつ、納期の短縮も図ることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記最適化処理が、画像の傾き補正、コントラスト調整、明るさ調整、文字の輪郭調整、背景色の調整、裏写りの除去処理、モアレ調整、余白の削除処理のうち、少なくとも裏写りの除去処理、余白の削除処理を含むことを特徴としている。
【0013】
このような最適化処理を行うことにより、閲覧機器に応じた適切な表示がなされ、閲覧者においては見やすい読みやすい環境を享受できる。また、少なくとも裏写りの除去処理、余白の除去処理を行うことで、裏写りのないきれいな画像表示、データ量の軽減、表示速度の向上等を図ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記画像変換された電子書籍情報が、本文情報と、本文情報を表示する領域よりも外側の余白領域を示す余白情報と、余白領域内に表示されるタイトルやページ番号等の付加情報と、を含み、
前記余白の削除処理では、前記付加情報も余白情報として削除処理することを特徴としている。このように処理することで、データ量の軽減、表示速度の向上等をさらに効率的に図ることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、前記電子書籍情報を用いて表示される表示領域を、前記本文情報の表示領域と、前記付加情報の表示領域とに分類した後に、前記余白の削除処理を行うことを特徴としている。このようにすることで、余白の削除処理を確実に行うことができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の前記余白の削除処理が、前記本文情報を用いて表示される領域を取り囲むように最小ピクセルの矩形線を付加することにより本文情報領域を確定させる情報領域確定処理を含むことを特徴とするものである。
【0017】
このような矩形線による情報領域の確定により、閲覧機器において、矩形線を基準とした表示領域の設定が可能となって、不必要な拡大縮小を避けることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、前記余白の削除処理が、前記付加情報の表示領域をページの隅からの距離で算出する処理と、その表示領域のページに対する横幅及び縦幅の関係を算出する処理と、それらの算出結果に基づいて付加情報か否かを判断する処理と、を含むことを特徴としている。この処理により、付加情報か否かの判断をさらに確実に行うことができる。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、前記閲覧者からの要求が、前記閲覧機器からの通信によって行われることを特徴とするものである。
【0020】
このような構成とすることにより、閲覧者は電子書籍を容易に発注し入手することができる。
【0021】
さらに、請求項8に記載の発明は、前記閲覧者からの要求が、前記閲覧機器からの通信によって行われるとともに、この閲覧機器の閲覧システムの情報が、前記通信の信号とともに送信されることを特徴とするものである。
【0022】
このような構成とすることにより、閲覧の要求を通信で行った時点で、使用する閲覧機器の閲覧システムが通知されることになり、閲覧者は希望する電子書籍を要求するのみで済み、作業がさらに簡便なものとなる。
また、提供者側においては、提供する電子書籍の形式を取り違えることがなくなる。
前記通信は、有線・無線を問わない。
【0023】
請求項9に記載の発明は、前記最適化処理について、裏写りの除去処理を行ったあと、余白の削除処理を行うことを特徴とするものである。
【0024】
このような最適化処理とすることにより、処理するデータ量を減らすことができ、処理速度の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、印刷された書籍を一つの画像情報をもとに、閲覧機器に応じた最適化処理を行うことにより、一つの受付窓口から他種類の形式の電子書籍を生成するようにして、作業性を大幅に高めることができ、かつ、閲覧者は、使用している閲覧機器を気にせずに閲覧要求することができ、利便性が大幅に向上する。
また、提供者側においては、元の画像情報が一つで、これを元に各種の閲覧機器に対応することができることから、多数の閲覧機器に特化した処理に比して、大幅な作業の短縮を図ることができ、かつ、納期の短縮も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態を実施するための装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態を実施するための装置の画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態を説明するための処理フローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る余白の削除処理を説明する図である。
【図5】本発明の他の実施形態を実施するための装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図4を参照して説明する。
図1は、本発明を実施するための装置(電子書籍提供システム)の概略構成図であり、図中符号1は閲覧者、2ないし4は電子書籍の元データを構成する画像情報が保存された記憶装置(画像蓄積部)、5ないし7は前記画像情報を最適化処理するチューニングサーバー、8は閲覧者との応答を行う受付サーバー、9は、前記受付サーバー8からの情報に基づき、前記複数の記憶装置2・3・4から目的の電子書籍情報を取り出し、この電子書籍情報を、前記複数のチューニングサーバー5・6・7の内の負荷の軽いチューニングサーバーを選択して送り込むセントラルサーバーをそれぞれ示している。
【0028】
図2は、本発明を実施するための電子書籍提供システムの画像処理部20の一例を示すブロック図である。この例では、受付サーバー8、セントラルサーバー9、チューニングサーバー5(6、7)、画像蓄積部2(3、4)に加えて、画像読み取り部11を備えている。この画像読み取り部11は、例えばスキャナーを備え、このスキャナーで書籍をページごとに読み込んで、電子書籍の元データを生成し、画像蓄積部2(3、4)にその元データを送り込んで保存する。
【0029】
チューニングサーバー5(6、7)は、図2に示すように、それぞれが、画像の各種調整、編集、補正、拡大、縮小等の画像の処理全般を行う画像処理部20を備えている。この実施形態での画像処理部20は、画像データ取得部21、傾き補正部22、コントラスト調整部23、明るさ調整部24、文字輪郭調整部25、背景色調整部26、裏写り除去処理部27、モアレ調整部28、余白検出部29、余白削除処理部30、表示サイズ調整部31、矩形線加入処理部32等を備えている。
【0030】
チューニングサーバー5(6、7)は、それぞれがチューニングサーバーとしての画像処理を実行するに際して、予め定められたプログラムに従ってデジタル演算処理を実行するCPU、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAM、処理プログラムや各種設定値等が格納されるROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリNVM、セントラルサーバー9とのI/F部、等を備えている。
【0031】
そしてCPUが、処理プログラムをROMから主記憶装置に読み込み、画像データ取得部21、傾き補正部22、コントラスト調整部23、明るさ調整部24、文字輪郭調整部25、背景色調整部26、裏写り除去処理部27、モアレ調整部28、余白検出部29、余白削除処理部30、表示サイズ調整部31、矩形線加入処理部32の各機能部の機能を実現させる。
【0032】
ついで、図3を参照して本発明方法を説明する。
まず、閲覧者1から受付サーバー8へのアクセスに基づき本発明方法がスタートし、受付サーバー8において、閲覧者からの諸情報(氏名、閲覧する電子書籍情報、使用する閲覧機器情報等)が記録された後に、閲覧する電子書籍情報、使用する閲覧機器情報がセントラルサーバー9へ送られる。
【0033】
セントラルサーバー9においては、閲覧者1からの閲覧要求の有無が判断され(S1)、有ることを条件として次のステップ(S2)へ移行する。
【0034】
ステップS2では、閲覧要求に電子書籍の指定が有るか無いかが判断され、有ることを条件として、複数の記憶装置2ないし4から該当する電子書籍情報を取り込む(S3)。
【0035】
ついで、前記閲覧要求に閲覧機器の閲覧システムの情報が有るか否かが判断され(S4)、有る場合には次のステップS5へ移行し閲覧システムの選定および取り込みがセントラルサーバー9において行われ、無い場合には閲覧機器の閲覧システムの情報が得られるまで待機する。
【0036】
前記セントラルサーバー9で閲覧システムが取り込まれると、このセントラルサーバー9において負荷の少ないチューニングサーバー5(6・7)が選定されるとともに、選定されたチューニングサーバー5(6・7)へ、既に取り込まれている電子書籍の画像情報と閲覧機器の閲覧システムの情報が送り込まれ、次のステップS6へ移行する。
【0037】
ステップS6においては、前記電子書籍の画像情報が、前記閲覧システムの情報に基づき最適化処理が行われる。
この最適化処理の内容は、図3の破線内に示すように、画像情報の傾き補正、コントラスト調整、明るさ調整、文字輪郭調整、背景色の調整、裏写りの除去処理、モアレの軽減ないしは除去処理、余白の除去処理、また、表示サイズの調整、さらには、必要に応じて、閲覧に供される画像情報を取り囲むように最小ピクセルの矩形線を付加することにより情報領域を確定させる情報領域確定処理等である。
【0038】
このような処理により、情報量が少なく、見やすい読みやすい画像情報が生成される。
また、前述した矩形線による情報領域の確定により、矩形線を基準とした表示領域の設定が可能となって、不必要な拡大縮小が防止される。
【0039】
このような最適化処理が終了すると、ステップS7へ移行し、次ページの有無が判断され、有る場合にはステップS8へ移行して次ページが読み込まれた後に、前記ステップS4以降の処理へ戻る。
ここで、閲覧システムの情報が固定されている場合には、ステップS8からステップS6へ移行する。
【0040】
ステップS7において次ページが無いと判断された場合には、前ページの最適化処理が完了したこととなるから、最適化処理の完了した全ページを一つの電子書籍情報として保存し(S9)、完了通知を閲覧者1へ送信する(S10)とともに、閲覧者による取り込み可能な状態にする。
【0041】
次に、画像処理部20の余白の削除処理について、図2及び図4を参照して具体的に説明する。
本のような書籍のページの構成は、図4に例示するように、ページ50の中央部に本文情報51、右上に文書タイトル52、左上にサブタイトル53、下にページ番号54などがあるのが一般的である。また、スキャナーでスキャンした画像の境目、例えばページ50の幅方向に対応する走査方向のエンド側の縁部50aに対応する画像の境目には、影線などが入る場合があることが知られている。
【0042】
本発明の余白の削除処理では、これらも余白として削除し、本文情報51のみの画像を切り出す処理を行う。
この処理では、まず、画像の二階調化を行い、黒い連続した点の集まりと、白い連続した領域のサイズで、図4において矩形状の枠線5a、5b、5c、5dで示すようにそれぞれの集合体に分類する。ここで、枠線5aは本文情報領域を囲み、枠線5b文書タイトル領域を囲み、枠線5cはサブタイトル領域を囲み、枠線5dはページ番号領域を囲んでいる。
【0043】
次に、枠線5aで囲まれる本文情報領域を切り出す際に、即ち、余白削除処理を行う際に、文書タイトル52、サブタイトル53、ページ番号54、影線(図示せず)等の付加情報を余白情報と判断するか否かの処理について説明する。
【0044】
付加情報のうち、文書タイトル52、サブタイトル53については、その付加情報の表示領域をページ50の隅からの距離で算出する処理と、その表示領域のページ50に対する横幅Y及び縦幅Xの関係を算出する処理と、それらの算出結果に基づいて付加情報か否かを判断する処理とを行う。
【0045】
具体的な数値例としては、文書タイトル52の場合、その表示領域が、本の横幅の1/5以上外側(右端側)で、本の縦幅の1/10以上外側(上端側)にあり、かつ、その表示領域の黒い点の集まりの縦サイズに対して横サイズが5倍以上あるものを文書タイトルとして判断する。
【0046】
サブタイトル53の場合、その表示領域が、本の横幅の1/5以上外側(左端側)で、本の縦幅の1/10以上外側(上端側)にあり、かつ、その表示領域の黒い点の集まりの縦サイズに対して横サイズが5倍以上あるものをサブタイトルとして判断する処理を行う。
【0047】
また、ページ番号54については、ページ下部(下から1/5の領域)の黒い点の集まりで、ページ50全体の面積に対して1/100以下の領域をページ番号として判断する処理を行う。
【0048】
したがって、これらの判断基準に適合する場合には、画像処理部20の余白削除処理部30では、文書タイトル52、サブタイトル53、ページ番号54よりも内側の座標で、例えば枠線5aの座標で画像を切り取り、実質的に本文抽出を行い、それ以外の部分を画像から削除する処理を行う。この判断基準に適合しない場合には余白情報以外として処理される。なお、上記の具体的な数値については、スキャンする本の種類や大きさ等に応じて適宜設定される。
【0049】
なお、上記実施形態では、各最適化処理について、画像情報の傾き補正、コントラスト調整、明るさ調整、文字輪郭調整、背景色の調整、裏写りの除去処理、モアレの軽減ないしは除去処理、余白の削除処理、表示サイズの調整、情報領域確定処理、等を例示したが、これらの処理は、必ずしも全てを実施する必要はなく、画像変換する書籍の状態や種類等に応じて一部の処理を省略してもよい。しかし、紙面の両面に印刷している書籍の特殊性に配慮した場合、少なくとも裏写りの除去処理、余白の除去処理を行うことが望ましい。これにより、裏写りのないきれいな画像表示、データ量の軽減、表示速度の向上等を図ることができる。
【0050】
また、各最適化処理のうち、裏写りの除去処理及び余白の除去処理の順序については、実施例のように、裏写りの除去処理をおこなったあと、余白の削除処理を行うことが望ましい。これにより、処理するデータ量を減らすことができ、処理速度の向上を図ることができるからである。
【0051】
また、実施形態においては、閲覧者1が受付サーバー8を介して電子書籍の閲覧要求を行い、最適化処理が完了した後に取り込みを行う例について説明したが、これに限られるものではなく、受付サーバー8を介さずに、セントラルサーバー9へアクセスするようにしてもよい。また、全ページの最適化処理が完了した後に一括して電子書籍を提供する例について示したが、閲覧機器と常時接続状態として、閲覧機器からの改ページの信号を受けて最適化処理を行うとともに、その処理が完了次第閲覧機器へ送信する形態とすることも可能である。
【0052】
さらに、図3に示すように、無線の通信機能を有する閲覧端末10を、セントラルサーバー9へ直接接続する形態も可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 閲覧者
2 記憶装置
3 記憶装置
4 記憶装置
5 チューニングサーバー
6 チューニングサーバー
7 チューニングサーバー
8 受付サーバー
9 セントラルサーバー
10 閲覧端末
11 画像読み取り部
20 画像処理部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像変換された電子書籍情報を、閲覧者からの要求に基づいて閲覧者の閲覧機器に送信する電子書籍の提供方法であって、前記電子書籍情報を所定の形式で保存しておき、閲覧者からの閲覧要求に基づいて、要求された電子書籍情報を、前記閲覧機器の閲覧システムに最適な画像形式とする最適化処理を行った後に、前記閲覧機器への送信可能状態にすることを特徴とする電子書籍の提供方法。
【請求項2】
前記最適化処理が、画像の傾き補正、コントラスト調整、明るさ調整、文字の輪郭調整、背景色の調整、裏写りの除去処理、モアレ調整、余白の削除処理のうち、少なくとも裏写りの除去処理、余白の削除処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子書籍の提供方法。
【請求項3】
前記画像変換された電子書籍情報が、本文情報と、本文情報を表示する領域よりも外側の余白領域を示す余白情報と、余白領域内に表示されるタイトルやページ番号等の付加情報と、を含み、
前記余白の削除処理では、前記付加情報も余白情報として削除処理することを特徴とする請求項2に記載の電子書籍の提供方法。
【請求項4】
前記電子書籍情報を用いて表示される表示領域を、前記本文情報の表示領域と、前記付加情報の表示領域とに分類した後に、前記余白の削除処理を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の電子書籍の提供方法。
【請求項5】
前記余白の削除処理が、前記本文情報を用いて表示される領域を取り囲むように最小ピクセルの矩形線を付加することにより本文情報領域を確定させる情報領域確定処理を含むことを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の電子書籍の提供方法。
【請求項6】
前記余白の削除処理が、前記付加情報の表示領域をページの隅からの距離で算出する処理と、その表示領域のページに対する横幅及び縦幅の関係を算出する処理と、それらの算出結果に基づいて付加情報か否かを判断する処理と、を含むことを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の電子書籍の提供方法。
【請求項7】
前記閲覧者からの要求が、前記閲覧機器からの通信によって行われることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の電子書籍の提供方法。
【請求項8】
前記閲覧者からの要求が、前記閲覧機器からの通信によって行われるとともに、この閲覧機器の閲覧システムの情報が、前記通信の信号とともに送信されることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の電子書籍の提供方法。
【請求項9】
前記最適化処理は、裏写りの除去処理を行ったあと、余白の削除処理を行うことを特徴とする請求項2〜8の何れかに記載の電子書籍の提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−257189(P2012−257189A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191231(P2011−191231)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【特許番号】特許第4916587号(P4916587)
【特許公報発行日】平成24年4月11日(2012.4.11)
【出願人】(510126966)合同会社大和印刷 (1)
【Fターム(参考)】