説明

電子書籍リーダ

【課題】ユーザの学習効率を向上させることが可能な電子書籍リーダを提供する。
【解決手段】この電子書籍リーダ1は、書籍データ21を記憶している記憶部2と、書籍データ21に対応する文章31を表示可能な液晶表示部3と、記憶部2に記憶されている書籍データ21を読み出すとともに、読み出した書籍データ21に対応する文章31を液晶表示部3に表示させる制御部6とを備えている。制御部6は、ユーザによる操作に基づいて、書籍データ21に対応する文章31のうち選択された文字列321を液晶表示部3に表示させない虫食い文32aおよび32bを複数作成するとともに、複数の虫食い文32aおよび32bを液晶表示部3に列挙表示させる制御を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子書籍リーダに関し、特に、文字列を表示部に表示させない虫食い文を作成可能な電子書籍リーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文字列を表示部に表示させない虫食い文を作成可能な構成が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、原稿を表示可能なCRT(表示部)と、ユーザの操作に基づいて、CRTに表示されている原稿内の文字列を選択してマスク設定(虫食い文を作成)可能なマスク設定手段(制御部)とを備える暗記学習システムが開示されている。上記特許文献1による暗記学習システムは、ユーザの操作に基づいて選択した文字列のマスク処理を行うことにより、CRTに表示させた元原稿をユーザが所望するような問題集に編集して、マスク処理を行った文字列とそれ以外の部分とが混在した編集原稿をそのままCRTに表示させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−62792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1による暗記学習システムでは、ユーザが暗記を行う必要がないと判断してマスク処理を行っていない部分が編集原稿内にある場合に、マスク処理を行った文字列とマスク処理が行われなかった部分とが混在してCRT(表示部)に表示されるため、マスク処理を行っている部分がCRTにほとんど表示されない場合があると考えられる。このような場合には、暗記学習内容であるマスク処理をしている文字列を効率的にCRTに表示できないため、暗記学習効率が低下するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ユーザの学習効率を向上させることが可能な電子書籍リーダを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の一の局面による電子書籍リーダは、書籍データを記憶している記憶部と、書籍データに対応する文章を表示可能な表示部と、記憶部に記憶されている書籍データを読み出すとともに、読み出した書籍データに対応する文章を表示部に表示させる制御部とを備え、制御部は、ユーザによる操作に基づいて、書籍データに対応する文章のうち選択された第1の文字列を表示部に表示させない虫食い文を複数作成するとともに、複数の虫食い文を表示部に列挙表示させる制御を行うように構成されている。
【0008】
この一の局面による電子書籍リーダでは、上記のように、ユーザによる操作に基づいて、書籍データに対応する文章のうち選択された第1の文字列を表示部に表示させない虫食い文を複数作成するとともに、複数の虫食い文を表示部に列挙表示させることによって、作成された虫食い文と関係のない暗記学習を行う必要のない部分が表示部に表示されるのを抑制することができるので、暗記学習内容である虫食い文を表示部に効率的に表示させることができる。これにより、ユーザの学習効率を向上させることができる。
【0009】
上記一の局面による電子書籍リーダにおいて、好ましくは、制御部は、虫食い文に対応する虫食いデータを書籍データとは別に記憶部に保存し、記憶部に保存されている複数の虫食いデータを読み出して複数の虫食い文を表示部に列挙表示させるように構成されている。このように構成すれば、虫食いデータを記憶部に保存することにより、一度作成した虫食い文を再度作成しなくてもすぐに表示部に表示させることができる。
【0010】
上記一の局面による電子書籍リーダにおいて、好ましくは、第1の文字列および第1の文字列とは異なる第2の文字列をユーザにより連続して選択可能に構成されており、制御部は、ユーザによる操作に基づいて、第1の文字列を表示部に表示させない第1虫食い文と、第1の文字列と連続して選択された第2の文字列を表示部に表示させない第2虫食い文とを同時に作成する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第1の文字列および第2の文字列などの複数種類の文字列を選択した後に、複数種類の文字列を一括して虫食い状態に変更して第1虫食い文および第2虫食い文を作成することができるので、複数の虫食い文を作成する際のユーザの作業を簡素化することができる。
【0011】
上記一の局面による電子書籍リーダにおいて、好ましくは、制御部は、ユーザによる操作に基づいて、選択された第1の文字列を強調して表示部に表示させるマーカ表示文を作成するとともに、第1の文字列が強調されたマーカ表示文を、第1の文字列を表示部に表示させない虫食い文に変更する処理を行うように構成されている。このように構成すれば、表示部に表示されたマーカ表示文を暗記した後にマーカ表示文を虫食い文に変更することにより、ユーザはマーカ表示文の箇所を暗記できたか否かを容易に確認することができる。これにより、ユーザの学習効率をより向上させることができる。
【0012】
上記一の局面による電子書籍リーダにおいて、好ましくは、虫食い文、選択された第1の文字列を強調して表示部に表示させるマーカ表示文、および、選択された第1の文字列と同じ文字列を書籍データに対応する文章中から検索して表示させる検索結果文のいずれかを表示部に表示させるようにユーザにより選択可能に構成されている。このように構成すれば、虫食い文を表示部に表示させることにより、第1の文字列の暗記学習を行うことができるのみならず、マーカ表示文を表示部に表示させることにより、第1の文字列が強調されるので、効率的に暗記学習することができる。また、検索結果文を表示部に表示させることにより、選択された第1の文字列と同じ文字列を含む検索結果文を読んで学習することができるので、ユーザは第1の文字列に関するより広い知識を得ることができる。
【0013】
上記一の局面による電子書籍リーダにおいて、好ましくは、制御部は、第1の文字列を表示部に表示させない虫食い文に対応する虫食いデータを虫食い文の前後の文に対応するデータと共に記憶部に保存する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、データを読み出した場合に、第1の文字列を含む文のみならず、虫食い文の前後の文を表示部に表示させることができるので、虫食い文の前後の文を読んで学習することにより、虫食い文の前後の文章と関連付けて虫食い文の第1の文字列を暗記することができる。その結果、ユーザは第1の文字列の暗記効率をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による電子書籍リーダの構成を説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示した電子書籍リーダの液晶表示部に書籍データと対応する文章を表示させた際の図である。
【図3】図1に示した電子書籍リーダの液晶表示部に1種類の文字列に対して虫食い処理が行われた場合の虫食い文を表示させた際の図である。
【図4】図1に示した電子書籍リーダの液晶表示部にマーカ表示文を表示させた際の図である。
【図5】図1に示した電子書籍リーダの液晶表示部にモード選択ウィンドウを表示させた際の図である。
【図6】図1に示した電子書籍リーダの液晶表示部に虫食い文を列挙表示させた際の図である。
【図7】図1に示した電子書籍リーダの液晶表示部に検索結果文を列挙表示させた際の図である。
【図8】図1に示した電子書籍リーダの液晶表示部に複数種類の文字列に対して虫食い処理が行われた場合の虫食い文を表示させた際の図である。
【図9】図1に示した電子書籍リーダの液晶表示部にメニュー選択ウィンドウを表示させた際の図である。
【図10】図1に示した電子書籍リーダの書籍データに対応する文章がユーザにより操作される際の処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
まず、図1〜図9を参照して、本発明の一実施形態による電子書籍リーダ1の構成について説明する。
【0017】
図1および図2に示すように、本発明の一実施形態による電子書籍リーダ1は、書籍データ21(図1参照)などを記憶している記憶部2(図1参照)と、書籍データ21に対応する文章31(図2参照)を表示可能な液晶表示部3およびタッチパネル操作可能な操作部4(図1参照)からなるタッチパネル部5と、電子書籍リーダ1の制御を司る制御部6とにより構成されている。また、電子書籍リーダ1は、通信部7と、メモリカード100を挿入するためのメモリカード挿入部8とを含んでいる。なお、液晶表示部3は、本発明の「表示部」の一例である。
【0018】
記憶部2には、図1に示すように、上述した書籍データ21と、組み込み虫食いデータ22と、ユーザ虫食いデータ23と、ユーザマーカデータ24とが記憶されている。なお、ユーザ虫食いデータ23は、本発明の「虫食いデータ」の一例である。書籍データ21は、通信部7を介して図示しない外部からダウンロードされた電子書籍データまたはメモリカード挿入部8に挿入されたメモリカード100から取得された電子書籍データである。また、組み込み虫食いデータ22は、書籍データ21と共に通信部7を介して外部からダウンロードされるか、または、メモリカード挿入部8を介してメモリカード100から取得された書籍データ21に対応する虫食い問題集のデータである。なお、「虫食いデータ」とは、書籍データ21に対応する文章31中の所定の文字列を液晶表示部3に表示させないように処理(虫食い処理)したデータであり、組み込み虫食いデータ22とは、書籍データ21に対応する文章31(図2参照)中の所定の文字列を液晶表示部3に表示させないように予め処理した、書籍データ21とは別個のデータである。本実施形態では、文章31(図2参照)中の所定の文字列を覆うマスク(たとえば、マスク80(図3参照))を作成することにより、虫食い処理が行われている。
【0019】
また、ユーザ虫食いデータ23は、書籍データ21に対応する文章31(図2参照)中のうちユーザにより選択された文字列321を液晶表示部3に表示させないように処理(虫食い処理(図3参照))した、書籍データ21とは別個のデータである。つまり、ユーザ虫食いデータ23とは、文章31のうちユーザが暗記したい文字列(たとえば文字列321(図2参照))をユーザの操作に基づいてマスク80(図3参照)によりマスクすることにより編集された、ユーザ自身のための暗記学習用のデータである。なお、文字列321は、本発明の「第1の文字列」の一例である。
【0020】
また、ユーザマーカデータ24は、ユーザにより選択された文字列321を文字列321とは異なる色の半透明マスク81(図4参照)で覆うことにより、文字列321を強調して液晶表示部3に表示させる処理(マーカ処理(図4参照))が行われた書籍データ21とは別個のデータである。
【0021】
また、図2に示すように、タッチパネル部5の操作部4は、たとえば、液晶表示部3に表示された文章31の文字列321と対応する部分をなぞるようにユーザの指が接触された場合に、文字列321を選択する操作を行うことが可能なように構成されている。また、操作部4は、図5に示すように、液晶表示部3に表示されたメニューキー33、検索キー34、虫食いキー35およびマーカキー36などと対応する部分に指が接触された場合に、メニューキー33、検索キー34、虫食いキー35およびマーカキー36などの操作を行うことが可能なように構成されている。
【0022】
ここで、本実施形態では、図2に示すように、制御部6(図1参照)は、ユーザが操作部4に対して所定の操作を行うことにより、書籍データ21(図1参照)を読み出すとともに、読み出した書籍データ21に対応する文章31を液晶表示部3に表示するように構成されている。また、図5に示すように、液晶表示部3に表示されている文章31中の所定の文字列321が指でなぞられることにより文字列321が選択された場合に、制御部6は、液晶表示部3に上述した検索キー34、虫食いキー35およびマーカキー36からなるモード選択ウィンドウを表示させるように構成されている。
【0023】
制御部6は、たとえば、文字列321が選択されている場合において虫食いキー35がタッチされた場合に、書籍データ21(図1参照)に対応する文章31のうち選択された文字列321と同じ文言の文字列を液晶表示部3に表示させない虫食い文を複数(たとえば虫食い文32aおよび32b(図3参照))作成するように構成されている。つまり、制御部6は、選択された文字列321のみならず、選択された文字列321とは異なる部分の選択された文字列321と同じ文言の文字列322の虫食い処理も行って、複数の虫食い文32aおよび32bを作成するように構成されている。また、制御部6は、図6に示すように、虫食い表示された文章31の表示状態において虫食い移行キー37(図3参照)がタッチされた場合に、作成した複数の虫食い文32aおよび32bを液晶表示部3に列挙表示するように構成されている。なお、制御部6は、虫食い処理が行われた虫食い文32aおよび32bのみならず、虫食い文32aの前後の文32cおよび32d、および、虫食い文32bの前後の文32eおよび32fも液晶表示部3に表示させるように構成されている。また、制御部6は、作成した虫食い文32aおよび32bに対応する虫食いデータをユーザ虫食いデータ23として、記憶部2に保存する制御を行うように構成されている。
【0024】
また、制御部6は、図5に示すように、たとえば、文字列321が選択されている場合においてマーカキー36がタッチされた場合に、選択された文字列321および文字列321と同じ文言の文字列322を強調して液晶表示部3に表示させるマーカ表示文32g(図4参照)を作成して液晶表示部3に表示させるように構成されている。また、制御部6は、作成したマーカ表示文32gに対応するマーカデータをユーザマーカデータ24として、記憶部2(図1参照)に保存する制御を行うように構成されている。また、制御部6は、図4に示すように、マーカ表示文32gを液晶表示部3に表示している場合に、虫食い変更キー38を表示させるように構成されている。この虫食い変更キー38がユーザによりタッチされた場合には、制御部6は、マーカ表示文32gのマーカされている文字列321と同じ文言の文字列を表示させない虫食い文(図3参照)に変更する処理を行うように構成されている。
【0025】
また、制御部6は、図5に示すように、検索キー34がタッチされた場合に、選択された文字列321とは異なる部分の選択された文字列321と同じ文言の文字列322などを文章31中から検索して表示させる検索結果文32h(図7参照)を作成して液晶表示部3に表示させるように構成されている。なお、制御部6は、図7に示すように、作成した検索結果文32hを液晶表示部3に列挙表示する制御を行うように構成されている。
【0026】
また、本実施形態では、図2に示すように、文字列の選択時に、複数種類の文字列(たとえば文字列321および文字列39)をユーザにより連続して選択することが可能である。なお、文字列39は、本発明の「第2の文字列」の一例である。また、制御部6は、選択された複数種類の文字列(たとえば文字列321および文字列39)が選択された状態で虫食いキー35(図5参照)がタッチされた場合に、選択された複数種類の文字列および選択された文字列と同じ文言の文字列(たとえば文字列321、322および文字列39)を同時に虫食い処理する制御を行うように構成されている。具体的には、図8に示すように、制御部6(図1参照)は、選択された文字列321および322を液晶表示部3に表示させない虫食い文32aおよび32bと、選択された文字列39を液晶表示部3に表示させない虫食い文39aとを同時に作成する制御を行うように構成されている。なお、虫食い文32aおよび32bは、本発明の「第1虫食い文」の一例であり、虫食い文39aは、本発明の「第2虫食い文」の一例である。
【0027】
また、制御部6は、図9に示すように、書籍データ21(図1参照)に対応する文章31を液晶表示部3に表示している状態で、ユーザがメニューキー33をタッチした場合には、組み込み虫食いキー40、ユーザ虫食いキー41およびユーザマーカキー42からなるメニュー選択ウィンドウを表示するように構成されている。制御部6は、組み込み虫食いキー40がタッチされた場合には、記憶部2から組み込み虫食いデータ22を読み出すとともに、組み込み虫食いデータ22に対応する文章(図示せず)を液晶表示部3に表示するように構成されている。また、制御部6は、ユーザ虫食いキー41がタッチされた場合には、記憶部2からユーザ虫食いデータ23を読み出すとともに、ユーザ虫食いデータ23に対応する文章(図3および図8参照)を液晶表示部3に表示するように構成されている。また、制御部6は、ユーザマーカキー42がタッチされた場合には、記憶部2からユーザマーカデータ24を読み出すとともに、ユーザマーカデータ24に対応する文章(図4参照)を液晶表示部3に表示するように構成されている。
【0028】
次に、図1〜図10を参照して、本実施形態による電子書籍リーダ1の書籍データ21に対応する文章31がユーザにより操作される際の処理フローについて説明する。
【0029】
まず、図10に示すように、ステップS1において、制御部6(図1参照)により、記憶部2から書籍データ21が読み出され、書籍データ21に対応する文章31(図2参照)が液晶表示部3に表示される。その後、ステップS2において、制御部6により、液晶表示部3に表示されているメニューキー33(図2参照)がタッチされたか否かが判断される。そして、ステップS2において、メニューキー33がユーザによりタッチされていないと判断された場合には、後述するステップS6に進む。また、ステップS2において、メニューキー33がユーザによりタッチされたと判断された場合には、ステップS3に進む。
【0030】
その後、ステップS3において、制御部6により、組み込み虫食いキー40、ユーザ虫食いキー41およびユーザマーカキー42からなるメニュー選択ウィンドウ(図9参照)が液晶表示部3に表示され、ステップS4に進む。その後、ステップS4において、制御部6により、組み込み虫食いキー40、ユーザ虫食いキー41およびユーザマーカキー42のいずれかのメニューがユーザにより選択されたか否かが判断される。そして、ステップS4において、組み込み虫食いキー40、ユーザ虫食いキー41およびユーザマーカキー42のいずれかのメニューが選択されたと判断された場合には、ステップS5に進む。そして、ステップS5において、選択されたメニューに対応する表示内容が液晶表示部3に表示される。また、ステップS4において、組み込み虫食いキー40、ユーザ虫食いキー41およびユーザマーカキー42のいずれかのメニューが選択されなかったと判断された場合には、ステップS6に進む。
【0031】
その後、ステップS6において、制御部6により、文章31中の所定の文字列(たとえば、文字列321)が指でなぞられることにより選択されたか否かが判断される。そして、ステップS6において、文章31中の所定の文字列(たとえば、文字列321)が指でなぞられることにより選択されたと判断された場合には、ステップS7に進む。なお、文章31中の所定の文字列(たとえば、文字列321)が指でなぞられることにより選択されたと判断されるまで、ステップS6の動作は繰り返される。
【0032】
その後、ステップS7において、検索キー34、虫食いキー35およびマーカキー36からなるモード選択ウィンドウ(図5参照)が表示される。そして、ステップS8において、制御部6により、検索キー34、虫食いキー35およびマーカキー36のいずれかのモードが選択されたか否かが判断される。
【0033】
そして、ステップS8において、検索キー34、虫食いキー35およびマーカキー36のいずれかのモードが選択されなかったと判断された場合には、ステップS9に進む。そして、ステップS9において、制御部6により、上述したステップS6において選択された文字列(たとえば、文字列321)の他の文字列(たとえば、文字列39)が続けて選択されているか否かが判断される。そして、ステップS9において、他の文字列が続けて選択されていないと判断された場合には、文章31がユーザにより操作される際の処理フローが終了する。また、ステップS9において、他の文字列が続けて選択されていると判断された場合には、ステップS8に戻る。
【0034】
また、ステップS8において、制御部6により、検索キー34、虫食いキー35およびマーカキー36のうち、検索キー34がタッチされたと判断された場合には、ステップS10に進む。そして、ステップS10において、制御部6により、検索処理が行われる。具体的には、制御部6により、選択された文字列(たとえば、文字列321)以外に、選択された文字列と同一の文言の文字列が検索される。そして、ステップS11において、制御部6により、検索結果(図7参照)が液晶表示部3に表示され、文章31がユーザにより操作される際の処理フローが終了する。
【0035】
また、ステップS8において、制御部6により、検索キー34、虫食いキー35およびマーカキー36のうち、虫食いキー35がタッチされたと判断された場合には、ステップS12に進む。そして、ステップS12において、制御部6により、虫食い処理が行われる。具体的には、制御部6により、選択された文字列(たとえば、文字列321)および選択された文字列と同一の文言の文字列(たとえば、文字列322)にマスク処理が施され、選択された文字列(たとえば、文字列321)および選択された文字列と同一の文言の文字列(たとえば、文字列322)が液晶表示部3に表示されない虫食い文が作成される。また、上記ステップS9において、複数種類の文言の文字列が選択されている場合(たとえば、文字列321および39の両方が選択されている場合)には、各々の文字列と同一の文言の文字列に対してマスク処理が施される。
【0036】
その後、ステップS13において、液晶表示部3に虫食い文(たとえば、虫食い文32a、32b(図3参照)および39a(図8参照))が表示される。そして、ステップS14において、作成された虫食い文に対応するユーザ虫食いデータ23が記憶部2に保存される。
【0037】
その後、ステップS15において、制御部6により、ユーザにより虫食い問題へ移行することが選択されたか否かが判断される。具体的には、制御部6により、液晶表示部3に虫食い変更キー38が表示され、ユーザにより表示された虫食い変更キー38がタッチされたか否かが判断される。そして、ステップS15において、ユーザにより虫食い変更キー38がタッチされていないと判断された場合には、液晶表示部3に文章31と対応する虫食い文(たとえば、虫食い文32a、32b(図3参照)および39a(図8参照))が表示されたまま、文章31がユーザにより操作される際の処理フローが終了する。また、ステップS15において、ユーザにより虫食い変更キー38がタッチされたと判断された場合には、ステップS16に進む。そして、ステップS16において、液晶表示部3に虫食い文(たとえば、虫食い文32aおよび32b(図6参照))が列挙表示される。この場合、上述したように、虫食い文と共に、虫食い文の前後の文(たとえば、前後の文32c、32d、32eおよび32f(図6参照))も液晶表示部3に表示される。このように、虫食い文が列挙された虫食い問題集が液晶表示部3に表示され、文章31がユーザにより操作される際の処理フローが終了する。
【0038】
また、ステップS8において、制御部6により、検索キー34、虫食いキー35およびマーカキー36のうち、マーカキー36がタッチされたと判断された場合には、ステップS17に進む。そして、ステップS17において、制御部6により、マーカ処理が行われる。具体的には、制御部6により、選択された文字列(たとえば、文字列321)および選択された文字列と同一の文言の文字列(たとえば、文字列322)にマーカ処理が施され、選択された文字列(たとえば、文字列321)および選択された文字列と同一の文言の文字列(たとえば、文字列322)が液晶表示部3に強調されて表示されるマーカ表示文(たとえば、マーカ表示文32g(図4参照))が作成される。また、上記ステップS9において、複数の文字列が選択されている場合には、上記虫食い処理の時と同様に、各々の文字列と同一の文言の文字列に対してマーカ処理が施される。
【0039】
その後、ステップS18において、液晶表示部3にマーカ表示文(たとえば、マーカ表示文32g(図4参照))が表示される。そして、ステップS19において、作成されたマーカ表示文に対応するユーザマーカデータ24が記憶部2に保存される。
【0040】
その後、ステップS20において、制御部6により、マーカ表示文を虫食い文に変更することがユーザにより選択されたか否かが判断される。具体的には、制御部6により、液晶表示部3に虫食い移行キー37が表示され、表示された虫食い移行キー37がユーザによりタッチされたか否かが判断される。そして、ステップS20において、ユーザにより虫食い移行キー37がタッチされたと判断された場合には、ステップS13に進み、マーカ表示文が虫食い文に変更される。また、ステップS20において、ユーザにより虫食い移行キー37がタッチされていないと判断された場合には、液晶表示部3に文章31と対応するマーカ表示文(たとえば、虫食い文32g(図4参照))が表示されたまま、文章31がユーザにより操作される際の処理フローが終了する。
【0041】
本実施形態では、上記のように、ユーザによる操作に基づいて、書籍データ21に対応する文章31のうち選択された所定の文字列321を液晶表示部3に表示させない複数の虫食い文32aおよび32bを作成するとともに、複数の虫食い文32aおよび32bを液晶表示部3に列挙表示させることによって、作成された虫食い文(32aおよび32b)と関係のない暗記学習を行う必要のない部分が液晶表示部3に表示されるのを抑制することができるので、暗記学習内容である虫食い文(32aおよび32b)を液晶表示部3に効率的に表示させることができる。これにより、ユーザの学習効率を向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のように、虫食い文(32aおよび32b)に対応するユーザ虫食いデータ23を書籍データ21とは別に記憶部2に保存し、記憶部2に保存されている複数のユーザ虫食いデータ23を読み出して複数の虫食い文(32aおよび32b)を液晶表示部3に列挙表示させることによって、ユーザ虫食いデータ23を記憶部2に保存することにより、一度作成した虫食い文(32aおよび32b)を再度作成しなくてもすぐに液晶表示部3に表示させることができる。
【0043】
また、本実施形態では、上記のように、文字列321および文字列321とは異なる文字列39をユーザにより連続して選択可能に構成し、ユーザによる操作に基づいて、文字列321および322を液晶表示部3に表示させない虫食い文32aおよび32bと、文字列321と連続して選択された文字列39を液晶表示部3に表示させない虫食い文39aとを同時に作成することによって、文字列321および文字列39などの複数種類の文字列を選択した後に、複数種類の文字列を一括して虫食い状態に変更して虫食い文(32aおよび32b)および虫食い文(39a)を作成することができるので、複数の虫食い文を作成する際のユーザの作業を簡素化することができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、ユーザによる操作に基づいて、選択された文字列321および322を強調して液晶表示部3に表示させるマーカ表示文32gを作成するとともに、文字列321および322が強調されたマーカ表示文32gを、文字列321および322を液晶表示部3に表示させない虫食い文(32aおよび32b)に変更する処理を行うことによって、液晶表示部3に表示されたマーカ表示文32gを暗記した後にマーカ表示文32gを虫食い文(32aおよび32b)に変更することにより、ユーザはマーカ表示文32gの箇所を暗記できたか否かを容易に確認することができる。これにより、ユーザの学習効率をより向上させることができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、虫食い文(32aおよび32b)、選択された文字列321を強調して液晶表示部3に表示させるマーカ表示文(32g)、および、選択された文字列321と同じ文言の文字列322などを書籍データ21に対応する文章31中から検索して表示させる検索結果文(32h)のいずれかを液晶表示部3に表示させるようにユーザにより選択可能に構成することによって、虫食い文(32aおよび32b)を液晶表示部3に表示させることにより、文字列321の暗記学習を行うことができるのみならず、マーカ表示文(32g)を液晶表示部3に表示させることにより、文字列321が強調されるので、効率的に暗記学習することができる。また、検索結果文(32h)を液晶表示部3に表示させることにより、選択された文字列321と同じ文言の文字列322を含む検索結果文(32h)を読んで学習することができるので、ユーザは文字列321に関するより広い知識を得ることができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、文字列321および322を液晶表示部3に表示させない虫食い文32aおよび32bに対応するユーザ虫食いデータ23を、虫食い文32aおよび32bの前後の文(32c、32d、32eおよび32f)に対応するデータと共に記憶部2に保存することによって、データを読み出した場合に、文字列321および322を含む文のみならず、虫食い文32aおよび32bの前後の文(32c、32d、32eおよび32f)を液晶表示部3に表示させることができるので、虫食い文32aおよび32bの前後の文(32c、32d、32eおよび32f)を読んで学習することにより、虫食い文32aおよび32bの前後の文(32c、32d、32eおよび32f)と関連付けて文字列321を暗記することができる。その結果、ユーザは文字列321の暗記効率をさらに向上させることができる。
【0047】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0048】
たとえば、上記実施形態では、所定の文字列を覆うマスクを作成することにより、所定の文字列を表示させないようにして、虫食い文を作成した例について示したが、本発明はこれに限られない。所定の文字列と同一の色の背景色の部分を設けることにより、所定の文字列を表示させないようにして、虫食い文を作成するようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、虫食い文を列挙表示させる際に、虫食い文の前後の文も液晶表示部に表示させる例について示したが、本発明はこれに限られない。虫食い文を列挙表示させる際に、虫食い文のみを列挙表示するようにしてもよいし、虫食い文と虫食い文の前の文とを表示させて、虫食い文の後の文を表示しないようにしてもよい。また、虫食い文と虫食い文の後の文とを表示させて、虫食い文の前の文を表示しないようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、ユーザによる操作に基づいてマーカ表示文を虫食い文に変換するのみの例について示したが、本発明はこれに限られない。マーカ表示文を虫食い文に変換するのみならず、虫食い文からマーカ表示文に変換することができるようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、虫食い文を作成した場合に、作成した虫食い文に対応するユーザ虫食いデータを自動的に記憶部に保存するようにした例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ユーザ虫食いデータを自動的に記憶部に保存せずに、ユーザの操作に基づいてユーザ虫食いデータを記憶部に保存するようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、ユーザ虫食いデータを書籍データとは別に作成する例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、書籍データを更新して(上書き保存して)ユーザ虫食いデータを作成するようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、虫食い文および検索結果文のみを列挙表示する例について示したが、本発明はこれに限られない。虫食い文および検索結果文のみならず、マーカ表示文を列挙表示するようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、電子書籍リーダの液晶表示部をタッチパネルにより構成することにより、電子書籍リーダを操作する例について示したが、本発明はこれに限られない。電子書籍リーダの液晶表示部をタッチパネルにせずに、別途、押しボタンなどを設けるとともに、設けた押しボタンにより電子書籍リーダを操作してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 電子書籍リーダ
2 記憶部
3 液晶表示部(表示部)
6 制御部
21 書籍データ
23 ユーザ虫食いデータ(虫食いデータ)
31 文章
321 文字列(第1の文字列)
32a、32b 虫食い文(第1虫食い文)
32g マーカ表示文
32h 検索結果文
39 文字列(第2の文字列)
39a 虫食い文(第2虫食い文)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書籍データを記憶している記憶部と、
前記書籍データに対応する文章を表示可能な表示部と、
前記記憶部に記憶されている書籍データを読み出すとともに、読み出した前記書籍データに対応する文章を前記表示部に表示させる制御部とを備え、
前記制御部は、ユーザによる操作に基づいて、前記書籍データに対応する文章のうち選択された第1の文字列を前記表示部に表示させない虫食い文を複数作成するとともに、複数の前記虫食い文を前記表示部に列挙表示させる制御を行うように構成されている、電子書籍リーダ。
【請求項2】
前記制御部は、前記虫食い文に対応する虫食いデータを前記書籍データとは別に前記記憶部に保存し、前記記憶部に保存されている複数の前記虫食いデータを読み出して複数の前記虫食い文を前記表示部に列挙表示させるように構成されている、請求項1に記載の電子書籍リーダ。
【請求項3】
前記第1の文字列および前記第1の文字列とは異なる第2の文字列をユーザにより連続して選択可能に構成されており、
前記制御部は、ユーザによる操作に基づいて、前記第1の文字列を前記表示部に表示させない第1虫食い文と、前記第1の文字列と連続して選択された前記第2の文字列を前記表示部に表示させない第2虫食い文とを同時に作成する制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載の電子書籍リーダ。
【請求項4】
前記制御部は、ユーザによる操作に基づいて、選択された前記第1の文字列を強調して前記表示部に表示させるマーカ表示文を作成するとともに、前記第1の文字列が強調された前記マーカ表示文を、前記第1の文字列を前記表示部に表示させない虫食い文に変更する処理を行うように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子書籍リーダ。
【請求項5】
前記虫食い文、選択された前記第1の文字列を強調して前記表示部に表示させるマーカ表示文、および、選択された前記第1の文字列と同じ文字列を前記書籍データに対応する文章中から検索して表示させる検索結果文のいずれかを前記表示部に表示させるようにユーザにより選択可能に構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子書籍リーダ。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の文字列を前記表示部に表示させない前記虫食い文に対応する前記虫食いデータを前記虫食い文の前後の文に対応するデータと共に前記記憶部に保存する制御を行うように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子書籍リーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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