説明

電子棚札制御装置及びそのプログラム

【課題】特定のグループに属する商品をそのグループに属さない商品と識別可能に商品情報を表示できる電子棚札のシステムを提供する。
【解決手段】各電子棚札を制御する電子棚札制御装置は、各棚札識別情報に対応してその棚札識別情報で特定される電子棚札に表示される商品情報を記憶する第1の記憶部と、各棚札識別情報に対応してその棚札識別情報で特定される電子棚札に表示される商品情報を有する商品が所定の群に属するか否かを識別するための群識別情報を記憶する第2の記憶部とを備える。装置は、第2の記憶部で記憶する群識別情報に基づいて、群に属する商品の商品情報表示形態を群に属さない商品の商品情報表示形態と異ならせるための表示属性情報を群に属する商品に対して設定し、各電子棚札に配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子棚札の表示を制御する電子棚札制御装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子棚札システムは、多数の電子棚札に表示する商品名や価格等の商品情報をサーバで一元的に管理できるため、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店で広く導入されている。
【0003】
このシステムにおいて、電子棚札に表示されている価格が通常価格であるのか特売価格であるのかを買物客が識別できるようにしたものは、既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−353199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えばスーパーマーケットでは、ミックス・アンド・マッチと呼ばれる販売方式(以下、M&M方式と称する)がある。この方式は、予め設定された複数品目の商品のなかから、いかなる組み合わせでもよいので指定された数だけまとめて商品を購入すると、その合計価格を特売価格で販売するというものである。
【0006】
従来、M&M方式を採用する小売店の多くは、対象となる複数品目の商品を1箇所にまとめて陳列し、POP(Point Of Purchase)広告によってM&M方式の対象商品であることを買物客に告知している。しかしながら、対象商品の品名や価格等を表示する電子棚札は、対象外の商品に対する電子棚札と表示形態が同一であるため、電子棚札を見ただけでは、その札に品名が表示されている商品がM&M方式対象の商品であるのか否かを客に知らしめることはできない。
【0007】
M&M方式対象の商品のように特定のグループに属する商品を、そのグループに属さない商品と識別可能に商品情報を表示できる電子棚札のシステムが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態によれば、電子棚札制御装置は、第1の記憶部と、第2の記憶部と、表示属性設定手段と、商品情報配信手段とを備える。第1の記憶部は、複数の電子棚札を個々に特定するための各棚札識別情報に対応して、その棚札識別情報で特定される電子棚札に表示される商品情報を記憶する。第2の記憶部は、各棚札識別情報に対応して、その棚札識別情報で特定される電子棚札に表示される商品情報を有する商品が所定の群に属するか否かを識別するための群識別情報を記憶する。表示属性設定手段は、第2の記憶部で記憶する群識別情報に基づいて、群に属する商品の商品情報表示形態を群に属さない商品の商品情報表示形態と異ならせるための表示属性情報を、群に属する商品に対して設定する。商品情報配信手段は、第1の記憶部で記憶する各商品情報を、表示属性設定手段により表示属性情報が設定された商品の商品情報についてはその表示属性情報を付して、それぞれ当該商品情報に対応する棚札識別情報で特定される電子棚札に配信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電子棚札システムの一実施形態を示す全体構成図。
【図2】同システムの商品情報ファイルに蓄積される商品設定情報のデータ構造を示す模式図。
【図3】同システムの棚札情報ファイルに蓄積される棚札設定情報のデータ構造を示す模式図。
【図4】同システムにおける電子棚札の平面図。
【図5】同システムにおける電子棚札のブロック構成図。
【図6】同システムにおける棚札サーバのブロック構成図。
【図7】同システムにおいて、棚札サーバが記憶する変換テーブルの一例を示す図。
【図8】同システムにおいて、棚札サーバから電子棚札に送信される棚札表示データの構造を示す図。
【図9】同システムにおいて、棚札サーバのCPUが電子棚札制御プログラムに従い実行する処理手順の要部を示す流れ図。
【図10】同システムの第1の実施形態において、電子棚札に表示される第1画面の一例を示す平面図。
【図11】同システムの第1の実施形態において、電子棚札に表示される第2画面の一例を示す平面図。
【図12】同システムの第3の実施形態において、電子棚札に表示される第1画面の一例を示す平面図。
【図13】同システムの第4の実施形態において、電子棚札に表示される第1画面の一例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、電子棚札制御装置の一実施形態を、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、M&M方式と称される販売方式を採用するスーパーマーケットに構築される電子棚札システムの棚札サーバ1に電子棚札制御装置を適用した場合である。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における電子棚札システムの全体構成図である。このシステムは、前記棚札サーバ1と、この棚札サーバ1から受信した情報を表示可能な表示部を備えた複数の電子棚札2とを含んでいる。棚札サーバ1は、LAN(Local Area Network)3を介して複数(図では3つ)の無線基地局4を接続している。また、棚札サーバ1は、POSサーバ5と、サーバ間ネットワーク6を介して接続している。
【0012】
各電子棚札2は、商品陳列棚に陳列されている各商品にそれぞれ対応させて、その棚の前面部に設けている。そして、対応する商品の品名,価格等の商品情報を表示部で表示する。
【0013】
各電子棚札2は、複数のグループ(図では3つのグループA,B,C)に区分されている。そして、同一グループに属する各電子棚札2は、共通の無線基地局4を介して棚札サーバ1とデータ通信を行う。
【0014】
POSサーバ5は、商品毎に作成される商品設定情報を蓄積するためのデータファイル、いわゆる商品情報ファイル7を具備している。商品設定情報は、図2に示すように、商品コード、商品名、単価、棚札番号、M&M区分、M&M価格等のデータ項目を含む。
【0015】
棚札サーバ1は、電子棚札2毎に作成される棚札設定情報を蓄積するためのデータファイル、いわゆる棚札情報ファイル8を具備している。棚札設定情報は、図3に示すように、棚札番号、通信アドレス、商品コード、商品名、単価、M&M区分、M&M価格等のデータ項目を含む。
【0016】
商品コードは、各商品を個々に特定するための商品識別情報である。棚札番号は、各電子棚札2を個々に特定するための棚札識別情報である。商品名及び単価は、対応する商品コードで特定される商品の品目名及び通常価格である。通信アドレスは、対応する棚札番号で特定される電子棚札2を接続可能な無線基地局4の識別アドレスである。M&M区分は、対応する商品コードで特定される商品がM&M方式対象の商品であるか否かを識別するための群識別情報である。M&M区分は、まとめ売りのグループが異なる毎に異なる値(“0”を除く)をとる。M&M価格は、対応するM&M区分で分類されるグループのまとめ売りが成立したときの販売価格である。なお、M&M方式対象外の商品については、M&M区分とM&M価格のいずれもが“0”である。
【0017】
ここに、棚札情報ファイル8の商品名、単価、M&M価格を記憶する領域は、第1の記憶部を構成する。同ファイル8のM&M区分を記憶する領域は、第2の記憶部を構成する。
【0018】
電子棚札2の正面図を図4に、ブロック図を図5にそれぞれ示す。電子棚札2は、薄板状をなす筐体21の正面に、表示部22と操作ボタン23とを設けている。また電子棚札2は、駆動源としてのバッテリ24、無線基地局4との間でデータ通信を行う無線部25、タイマ26、不揮発性の記憶部27及び各部を制御するコントローラ28を、筐体21に内蔵している。
【0019】
記憶部27は、棚札番号エリア27A、第1画面エリア27B、第2画面エリア27C及び表示属性エリア27Dを形成している。棚札番号エリア27Aは、当該電子棚札2に対して予め設定される棚札番号を記憶する。第1画面エリア27Bは、第1画面の情報を記憶する。第2画面エリア27Cは、第2画面の情報を記憶する。第1画面及び第2画面は、いずれも表示部22に表示される。表示属性エリア27Dは、表示部22の表示形態を特定するための表示属性情報を記憶する。
【0020】
表示部22は、商品名、価格等の文字情報を含む画面を表示するものであり、その画面の背景色が、表示属性エリア27Dに格納される表示属性情報にしたがって、赤、青、黄、緑等の種々の色に変化する。なお、背景色のデフォルトは白色とする。
【0021】
また、表示部22は、通常は、第1画面エリア27Bに格納される第1画面の情報を表示する。そして、操作ボタン23が押下されると、その押下されている間、第2画面エリア27Bに格納される第2画面の情報を表示する。第1画面の情報は、商品名と通常価格とを含む。第2画面の情報は、M&M方式対象商品の場合は、M&M価格を含む。なお、第1画面及び第2画面の情報は、上記記載のものに限定されるものではない。
【0022】
図6は、棚札サーバ1のブロック構成図である。棚札サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12及びRAM(Random Access Memory)13を備えたコンピュータ機器であり、さらに、HDD(Hard Disk Drive)装置14、サーバ通信インターフェース15、LANインターフェース16を含んでいる。CPU11は、ROM12、RAM13、HDD装置14、サーバ通信インターフェース15及びLANインターフェース16を、アドレスバス,データバスなどのバスライン17で接続している。
【0023】
補助記憶部としてのHDD装置46は、前記棚札情報ファイル8を保存する。サーバ通信インターフェース15は、前記サーバ間ネットワーク6を介して接続されたPOSサーバ5とのデータ通信を制御する。LANインターフェース16は、前記LAN3及び無線基地局4を介して接続される各電子棚札2との間のデータ通信を制御する。
【0024】
RAM13は、図7に示すデータ構造の変換テーブル9を記憶する。変換テーブル9は、電子棚札2に対して設定可能な表示属性情報毎に、異なるM&M区分の値を設定したものである。本実施形態では、背景色が赤色を示す表示属性情報[RED]に対してはM&M区分の値“01”を設定し、背景色が青色を示す表示属性情報[BLUE]に対してはM&M区分の値“02”を設定し、背景色が黄色を示す表示属性情報[YELLOW]に対してはM&M区分の値“03”を設定した変換テーブル9を、RAM13が記憶する。このような変換テーブル9は、例えばPOSサーバ5で作成され、サーバ間ネットワーク6を介して棚札サーバ1にダウンロードされる。
【0025】
ROM12は、各電子棚札2に表示される画面情報を制御するためのプログラム、いわゆる電子棚札制御プログラム20を記憶する。そして、このプログラム20にしたがって、CPU11は、図9の流れ図に示す手順の処理を実行する。すなわちCPU11は、POSサーバ5から棚札変更情報が送られてきたか否かを判断する(ST1)。送られてきていない場合には(ST1のNO)、送られてくるまで待機する。
【0026】
本実施形態の電子棚札システムが構築されている店舗において、商品の価格に変更があった場合には、ユーザはPOSサーバ5の商品情報ファイル7に設定されている商品設定情報の単価を変更する。また、商品の陳列場所に変更があった場合には、同商品設定情報の棚札番号を変更する。また、商品がM&M方式対象になった場合、あるいは対象外となった場合には、同商品設定情報のM&M区分及びM&M価格の情報を変更する。POSサーバ5は、商品設定情報の単価、棚札番号、M&M区分及びM&M価格のうち少なくとも1項目が変更されると、当該商品設定情報を棚札変更情報として棚札サーバ1に送信する。
【0027】
サーバ通信インターフェース15を介して棚札変更情報を受信すると(ST1のYES)、CPU11は、その受信した棚札変更情報に該当する棚札設定情報を更新する。すなわち、棚札変更情報から棚札番号を検出し、この棚札番号が設定された棚札設定情報の商品コード、商品名、単価、M&M区分及びM&M価格を、棚札変更情報における同一項目の情報に書き換える(ST2)。
【0028】
次に、CPU11は、更新された棚札設定情報からM&M区分を検出する(ST3)。そして、このM&M区分が、M&M方式対象外を示す“0”であるか否かを判断する(ST4)。
【0029】
M&M区分が“0”でない場合(ST4のNO)、更新された棚札設定情報に該当する電子棚札2に商品情報が表示される商品は、M&M方式対象の商品である。この場合、CPU11は、変換テーブル9を検索して、当該M&M区分に対応して設定されている表示属性情報を取得する(ST5)。そして、この表示属性情報を含む棚札表示データを編集する(ST6:表示属性設定手段)。
【0030】
一方、M&M区分が“0”の場合は(ST4のYES)、更新された棚札設定情報に該当する電子棚札2に商品情報が表示される商品は、M&M方式対象外の商品である。この場合は、CPU11は、変換テーブル9を検索することなく棚札表示データを編集する(ST6)。
【0031】
棚札表示データの構造を図8に示す。CPU11は、更新された棚札設定情報から通信アドレスと棚札番号を検出して、棚札表示データのヘッダデータとする。また、同棚札設定情報から商品名と単価を検出して第1画面情報とする。さらに、同棚札設定情報からM&M価格を検出して第2画面情報とする。そして、これらの検出情報に、表示属性情報が選択されていた場合にはその表示属性情報を付して、棚札表示データとする。
【0032】
CPU11は、棚札表示データを、LANインターフェース16を介して送信する(ST7:商品情報配信手段)。
送信された棚札表示データは、ヘッダデータ中の通信アドレスで指定された無線基地局4から無線送信され、同ヘッダデータ中の棚札番号が設定された電子棚札2によって受信される。
【0033】
棚札表示データを受信した電子棚札2のコントローラ28は、その棚札表示データの第1画面情報、第2画面情報及び表示属性情報を、記憶部27の第1画面エリア27B、第2画面エリア27C及び表示属性エリア27Dに上書き保存する。以後、通常は、第1画面エリア27Bで記憶した第1画面情報を、表示属性エリア27Dで記憶する表示属性情報の表示形態で表示部22に表示する。そして、操作ボタン23が入力されると、その入力期間中は、第2画面エリア27Bで記憶した第2画面情報を、表示属性エリア27Dで記憶する表示属性情報の表示形態で表示部22に表示する。なお、操作ボタン23が入力されたときには、第2画面情報をデフォルトの表示形態で表示してもよい。
【0034】
かかる構成の電子棚札システムにおいては、M&M方式対象外の商品に対応した電子棚札2は、背景色が白色の表示部22に、当該商品の品名と価格とが表示される。これに対し、M&M方式対象の商品に対応した電子棚札2は、背景色がその商品が属するM&M区分に対して変換テーブル9で設定されている表示属性情報により指定される色の表示部22に、当該商品の品名と価格とが表示される。
【0035】
例えば、M&M区分“01”として「商品『AAAAA』と商品『BBBBB』は、それぞれ単品では300円であるが、2点まとめて購入すると500円になる」というM&M方式が設定されたと仮定する。この場合、M&M区分“01”に対して設定されている表示属性情報が[RED]であったとすると、商品『AAAAA』に対応した電子棚札2Aと、商品『BBBBB』に対応した電子棚札2Bには、通常は、第1画面として、図10(a),(b)に示すように、背景色が赤色の表示部22にそれぞれの品名と価格とが表示される。このとき、例えば「背景色が同一カラーの電子棚札に表示されている商品はM&M方式対象の商品である」旨のPOP広告を店内に貼って、買物客に周知させる。
【0036】
そうすることにより、買物客は、背景色が赤色の電子棚札2A,2Bに表示されている商品『AAAAA』と商品『BBBBB』は、M&M対象の商品であることを容易に知ることができる。
【0037】
M&M対象の商品であることを認識した買物客は、電子棚札2Aまたは電子棚札2Bの操作ボタン23を入力する。そうすると、その間、電子棚札2Aまたは電子棚札2Bの表示部22は、図11に示すように、M&M価格が2点で500円である旨を示す第2画面に切り替わる。
【0038】
このように本実施形態によれば、M&M対象商品に関する情報を表示する電子棚札2は、対象外商品に関する情報を表示する電子棚札2と背景色が異なるので、買物客は、電子棚札2を見るだけで、M&M対象の商品であるか否かを容易に判別することができる。
【0039】
また、M&M方式対象の商品であってもまとめうりのグループが異なる場合には、それぞれ背景色が異なる電子棚札2に商品情報が表示される。したがって買物客は、電子棚札2を見るだけで、同一のM&M方式に属する商品と別のM&M方式に属する商品とを容易に区別することができる。
【0040】
なお、上記実施形態では、表示属性情報を表示部22の背景色を指定する情報とし、M&M方式対象の商品と対象外の商品とを表示部22の背景色を異ならせることで識別可能としたが、表示属性情報はこれに限定されるものではない。以下、表示属性情報の他の実施形態について説明する。
【0041】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、表示属性情報を、表示部22に表示される文字の色を指定する情報とした場合である。すなわち電子棚札2は、表示部22に表示される文字の色を、表示属性エリア27Dに格納される表示属性情報にしたがって、赤、青、黄、緑等の種々の色に変化させる。それ以外の構成は第1の実施形態と同様である。
【0042】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、表示属性情報を、表示部22に表示される商品情報を囲うフレームの形状を指定する情報とした場合である。すなわち電子棚札2は、表示属性エリア27Dに格納される表示属性情報にしたがって、図12(a)及び(b)に示すように、品名、価格等の商品情報を菱形、楕円等のフレームで囲う。
【0043】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、表示属性情報を、表示部22に表示させマークを指定する情報とした場合である。すなわち電子棚札2は、表示属性エリア27Dに格納される表示属性情報にしたがって、図13(a)及び(b)に示すように、星マーク24A、太陽マーク24B等を品名,価格等とともに表示部22に表示させる。
【0044】
これら第2〜第4の実施形態であっても、第1の実施形態と同様な効果を奏することは言うまでもない。
【0045】
なお、第3の実施形態において、フレーム枠とともに背景色を表示属性情報にしたがって変更させてもよい。同様に、フレーム枠とともに文字色を表示属性情報にしたがって変更させてもよい。また、第4の実施形態において、マークとともに背景色を表示属性情報にしたがって変更させてもよい。同様に、マークとともに文字色を表示属性情報にしたがって変更させてもよい。
【0046】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではない。
例えばポイントサービス制度を導入しているスーパーマーケットでは、いくつかの商品についてポイント倍率を通常のn(nは2以上)倍に設定するサービスを実施する場合がある。そこで、ポイント倍率が通常のn倍となる商品群をグループとし、このグループに属する商品の情報を表示する電子棚札2の表示部22の表示形態を、そのグループに属さない商品の情報を表示する電子棚札2の表示部22と異ならせる態様も、前記実施形態を基に容易に実現できるものである。
【0047】
また、前記各実施形態では、第1画面と第2画面の切換を操作ボタン23で行うようにしたが、切換方法はこれに限定されるものではない。例えば、タイマ26により一定時間が計時される毎に第1画面と第2画面を自動的に切換えてもよい。この場合において、第1画面の表示時間と第2画面の表示時間とを異ならせてもよい。また、従前どおりPOP広告によってまとめうり価格を知らしめることによって、必ずしも第2画面を具備していなくてもよい。
【0048】
また、各実施形態では、棚札サーバ1のROM12に発明を実施するためのプログラム20が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様のプログラム20をネットワークからサーバ1にダウンロードしても良いし、同様のプログラム20を記録媒体に記憶させたものをサーバ1にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつサーバ1が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能はサーバ1内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0049】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…棚札サーバ、2…電子棚札、4…無線基地局、5…POSサーバ、7…商品情報ファイル、8…棚札情報ファイル、9…変換テーブル、10…電子棚札制御プログラム、21…筐体、22…表示部、23…操作ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子棚札を個々に特定するための各棚札識別情報に対応して、その棚札識別情報で特定される前記電子棚札に表示される商品情報を記憶する第1の記憶部と、
前記各棚札識別情報に対応して、その棚札識別情報で特定される前記電子棚札に表示される商品情報を有する商品が所定の群に属するか否かを識別するための群識別情報を記憶する第2の記憶部と、
前記第2の記憶部で記憶する前記群識別情報に基づいて、前記群に属する商品の商品情報表示形態を前記群に属さない商品の商品情報表示形態と異ならせるための表示属性情報を、前記群に属する商品に対して設定する表示属性設定手段と、
前記第1の記憶部で記憶する各商品情報を、前記表示属性設定手段により前記表示属性情報が設定された商品の商品情報についてはその表示属性情報を付して、それぞれ当該商品情報に対応する前記棚札識別情報で特定される前記電子棚札に配信する商品情報配信手段と、
を具備したことを特徴とする電子棚札制御装置。
【請求項2】
前記第2の記憶部で記憶する群識別情報は、複数の群を識別可能であり、
前記表示属性設定手段は、前記群に属する商品の商品情報表示形態を群が異なる毎に異なる形態で表示させるための表示属性情報を、前記群に属する商品に対して設定することを特徴とする請求項1記載の電子棚札制御装置。
【請求項3】
前記表示属性設定手段により設定される表示属性情報は、前記電子棚札の商品情報表示部の背景色または文字色を指定する情報であることを特徴とする請求項1または2記載の電子棚札制御装置。
【請求項4】
前記表示属性設定手段により設定される表示属性情報は、前記電子棚札の商品情報表示部に表示される情報を囲うフレームの形状を指定する情報であることを特徴とする請求項1または2記載の電子棚札制御装置。
【請求項5】
前記表示属性設定手段により設定される表示属性情報は、前記電子棚札の商品情報表示部に表示させるマークを指定する情報であることを特徴とする請求項1または2記載の電子棚札制御装置。
【請求項6】
複数の電子棚札と通信可能であり、各電子棚札の表示を制御するコンピュータに、
第1の記憶部で、複数の電子棚札を個々に特定するための各棚札識別情報に対応してその棚札識別情報で特定される前記電子棚札に表示される商品情報を記憶させる機能と、
第2の記憶部で、前記各棚札識別情報に対応してその棚札識別情報で特定される前記電子棚札に表示される商品情報を有する商品が所定の群に属するか否かを識別するための群識別情報を記憶させる機能と、
前記第2の記憶部で記憶する前記群識別情報に基づいて、前記群に属する商品の商品情報表示形態を前記群に属さない商品の商品情報表示形態と異ならせるための表示属性情報を、前記群に属する商品に対して設定する機能と、
前記第1の記憶部で記憶する各商品情報を、前記表示属性設定手段により前記表示属性情報が設定された商品の商品情報についてはその表示属性情報を付して、それぞれ当該商品情報に対応する前記棚札識別情報で特定される前記電子棚札に配信する機能と、
を実現させるための電子棚札制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−243006(P2011−243006A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114687(P2010−114687)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】