説明

電子棚札

【課題】必要な発電量を確保することができる。
【解決手段】電子棚札は、シート状の表示デバイスと、シート状の太陽電池とを備える。シート状の表示デバイスは、隔壁によって内部が多数の空間に仕切られている。シート状の太陽電池は、表示デバイスの背面側に配置される。また、隔壁の面積は、表示デバイスの全面積の2%以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚札に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗では、いわゆるPOSシステム(Point Of Sales System)とESLシステム(Electric Shelf Label System;電子棚札システム)とを用いた商品管理システムが採用されている。例えば、特許文献1(特開2009−022767号公報)に示すように、POSシステムは、複数のキャッシュレジスタとバックヤードに置かれるストアコントローラとから構成される。POSシステムでは、ストアコントローラに設定された商品の価格(設定価格)に基づいてレジスタでの精算が行われ、レジスタに入力された内容に基づいてストアコントローラが販売商品のデータ集計等を行う。また、ESLシステムは、商品の陳列棚に設置する電子棚札(ESL)と、電子棚札に表示させる情報を送るESLサーバとから構成される。ESLシステムでは、ストアコントローラに設定された商品の価格等がESLサーバを介して電子棚札に送られる。これにより、精算時に用いられる商品の価格(設定価格)と、電子棚札に表示される価格(表示価格)とを一致させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、電子棚札は、主として、商品の価格を表示するための表示デバイスと、各表示デバイスの表示を切り替えるための電力供給減とから構成されている。電力供給源としては、コイン電池が採用されている。近年では、環境保護(廃棄電池の削減、長期間使用)および省コスト化(取替え作業不要)の需要により、電力供給源を、コイン電池から太陽電池へと変更することも提案されている。しかし、電子棚札に限られた面積とデザイン性とを考慮すると、コイン電池を太陽電池へと変更するだけでは、十分な発電量を得ることができない場合がある。
【0004】
本発明の課題は、電力供給源を太陽電池とする電子棚札について、太陽電池の発電量を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る電子棚札は、シート状の表示デバイスと、シート状の太陽電池とを備える。シート状の表示デバイスは、隔壁によって内部が多数の空間に仕切られている。シート状の太陽電池は、表示デバイスの背面側に配置される。また、隔壁の面積は、表示デバイスの全面積の2%以上である。
【0006】
これにより、必要な発電量を確保することができる。
【0007】
また、表示デバイスは電子ペーパーであることが好ましい。
【0008】
さらに、隔壁は、太陽電池が反応可能なスペクトル幅の光を透過させる素材であることが好ましい。
【0009】
また、電子ペーパーは、少なくとも一種類以上の表示媒体と、表示媒体が移動可能な空間と、空間形成部材とを備えることが好ましい。ここで、空間形成部材は、複数の隔壁と表示媒体の吸着面とを含み、複数の隔壁と吸着面とで空間を形成する。また、吸着面は、硝子または透明樹脂であり、複数の隔壁は、硝子または透明樹脂であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る電子棚札は、太陽電池の発電量を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子棚札の例を示す図である。
【図2】電子棚札の概略構成を示すブロック図である。
【図3】表示部および太陽電池の部分概略構成図である。
【図4】表示部の部分概略平面図である。
【図5】変形例Cの表示部の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一の実施形態に係る電子棚札について説明する。
【0013】
(1)電子棚札の概略
本実施形態に係る電子棚札(Electric Shelf Label;ESL)1とは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において、商品の価格を表示するために用いられる無線の表示端末である。電子棚札は、売場(生鮮食品売場、一般商品売場等)に陳列された各商品の近傍(例えば、陳列棚)に配置される。電子棚札は、近年、商品管理システムで採用されている。商品管理システムは、多数の商品を管理するためのシステムである。具体的に、商品管理システムは、POSシステム(Point Of Sales System)とESLシステム(Electric Shelf Label System;電子棚札システム)とを組み合わせたシステムである。POSシステムは、電子キャッシュレジスタで得られた商品情報を汎用のコンピュータで収集し、収集した情報に基づいて商品の在庫管理や発注作業を行うためのシステムである。ESLシステムは、バックヤードに設置されたESLサーバと、電子棚札1とを接続し、ESLサーバで管理する商品の売価情報等(商品関連情報)を、電子棚札1に表示させるシステムである。ESLサーバと電子棚札1とは、中継器(トランシーバ等)を介して通信可能な構成になっている。ESLシステムは、POSシステムで設定した商品の価格(精算時に用いられる商品の価格)等の情報を、ESLサーバを介して電子棚札1に送信する。これにより、精算時に用いられる商品の価格(設定価格)と、電子棚札1に表示される価格(表示価格)とを一致させる。電子棚札1は、中継器を介してESLサーバから送られるコマンドに基づいて、表示部12に表示させる情報を更新する。
【0014】
(2)電子棚札の詳細構成
次に、図1および図2を参照しながら、電子棚札1の構成を説明する。電子棚札1は、上述したように、無線の表示端末であり、可搬性がある。電子棚札1の外枠10には、各電子棚札1に固有の棚札コード(アドレスデータ)を表すバーコード15が貼付されている。
【0015】
電子棚札1は、主として、通信部11と、表示部12と、電力供給部13と、制御装置14とから構成されている。
【0016】
(2−1)通信部
通信部11は、トランシーバや外部端末(例えば、携帯端末)との通信を可能にするための通信インターフェースである。すなわち、通信部11は、無線受信部および無線送信部として機能する。通信部11は、図1に示すように、電子棚札1の外枠10に設けられている。
【0017】
(2−2)表示部
表示部12は、商品関連情報を表示させる画面を構成する表示デバイスである。表示部12は、ESLサーバから送信されるコマンドに基づいて商品関連情報を表示し、あるいは、更新する。
【0018】
表示部12は、具体的には、電子ペーパーである。電子ペーパーは、マトリクス状に配列された複数の画素で構成された、ドットマトリクス方式の不揮発性表示装置である。電子ペーパーは、駆動電力を与えることなく表示内容を保持することができる。言い換えると、電子ペーパーは、書き換え時を除き、エネルギーを必要としない。
【0019】
表示部12は、図3に示すように、主として、二枚のシート状の基板21a,21bと、電極22a,22bと、隔壁23と、表示媒体24a,24bとを含む。二枚の基板21a,21b、電極22a,22b、および隔壁23は、表示媒体24a,24bが移動可能な空間(移動可能空間)SPを形成する(空間形成部材に相当)。
【0020】
(2−2−1)基板
二枚のシート状の基板21a,21bのうち、一方は、表示部12の表面となる正面基板21aであり、他方は、背面基板21bである。背面基板21bは、図3に示すように、正面基板21aに対して所定の距離間隔を空けて対向するように配置される。ここで、所定の距離間隔は、50〜100μmである。
【0021】
基板21a,21bの大きさは、35mm×28mm〜90mm×54mmである。基板21a,21bは、可視光の透過率が高く、かつ、耐熱性の良い材料により構成されている。ここでは、基板21a,21bに用いる材料として、薄厚の硝子シートを採用する。基板21a,21bの厚みは、500μm〜900μmであり、好ましくは、700μmである。
【0022】
(2−2−2)電極
電極22a,22bは、後述する表示媒体24a,24bに電界を付与する機能を有する。電極22a,22bは、正面基板21aの内側に配置される第1電極22aと、背面基板21bの内側に配置される第2電極22bとからなる。電極22a,22bを介して表示媒体24a,24bに電界が付与されることにより、表示媒体24a,24bが正面基板21aまたは背面基板21bに向かって移動する。正面基板21aの内側および第1電極22aと、背面基板21bの内側および第2電極22bとは、表示媒体24a,24bの吸着面を構成する。
【0023】
電極22a,22bは、可視光の透過率が高い材料により構成されている。例えば、電極22a,22bは、アルミニウム、銀、およびニッケル等の金属類や、ポリアニリン、ポリピロール、およびポリチオフェン等の導電性高分子類等のいずれかから選択することができる。
【0024】
電極22a,22bの厚みは、導電性が確保でき、かつ、光透過性を有する範囲で適宜変更可能であるが、5〜400μmであることが好ましい。
【0025】
(2−2−3)隔壁
隔壁23は、基板21a,21bの間に封入された表示媒体24a,24bの移動を制限する機能を有する。隔壁23は、表示部12における情報の表示自体に関係のない部分である。
【0026】
隔壁23は、二枚の基板21a,21bの間で、基板表面に直行するように複数配置される(図3参照)。また、隔壁23は、二枚の基板21a,21bの内部に形成される一の空間を多数の小さい空間に仕切るように配置される(図4参照)。多数の小さい空間は、表示媒体24a,24bが移動可能な空間(移動可能空間)SPとなる。移動可能空間SPは、画素空間である。
【0027】
隔壁23もまた、可視光の透過率が高い材料により構成されている。言い換えると、隔壁23には、後述する太陽電池13aが反応可能なスペクトル幅の光を透過させる材料が用いられる。本実施形態では、隔壁23の材料として透明樹脂を採用する。
【0028】
さらに、隔壁23の表面積は、移動可能空間SPの表面積または表示部12全体の表面積に対して所定の割合を占めることが好ましい。具体的には、一の移動可能空間SPと当該一の移動可能空間SPを取り囲む隔壁23とからなる領域ARに占める(図4参照)、隔壁23の表面積(図4の斜線部分)は、2%以上10%未満であり、好ましくは、5%以上10%未満である。また、表示部12全体の表面積に対して、隔壁23全体の表面積は、2%以上10%未満であり、好ましくは、5%以上10%未満である。ここで、隔壁23の表面積とは、図4で示す表示部12の平面図において、隔壁23が占める部分である。言い換えると、隔壁23の表面積は、図3の隔壁23を垂直方向に切断した場合の、隔壁23の断面の面積である。隔壁23の表面積は、隔壁23の厚み(幅)、隔壁23の長さ、隔壁23の数等によって変動する。なお、図4の鎖線BDは、一の領域ARと他の領域ARとの境界を示すための境界線である。
【0029】
(2−2−4)表示媒体
表示媒体24a,24bは、二枚の基板21a,21bの間に封入される帯電性粒子である。粒子の主成分は、樹脂である。表示媒体24a,24bは、少なくとも一種類以上の帯電性粒子を含む。具体的に、表示媒体24a,24bは、複数色の帯電性粒子を含む。本実施形態では、複数色の帯電性粒子として、黒色粒子と、白色粒子とを用いる。帯電性粒子は、上述したように、電極を介して電界が付与されることにより、正面基板21aまたは背面基板21bに向かって移動し、吸着面に吸着される。これにより、表示部12に情報が表示される。すなわち、移動可能空間SP内の表示媒体は、表示部12における情報の表示に関係する部分である。
【0030】
なお、各移動可能空間に含まれる表示媒体24a,24bの量は、吸着面に対して複数の層を形成しないような量である事が好ましい。具体的には、表示媒体24a,24bの量は、表示媒体24a,24bが吸着面に吸着された際、移動可能空間を透過する光の透過率が所定の値以上となるように調整される。ここで、所定の値とは、2%である。
【0031】
(2−2−5)表示部の透過率
表示部12は、正面基板21aから背面基板21bまで光を透過させることにより、表示部12の背面に配置された太陽電池13aによる発電を可能にする。表示部12において光が透過する主たる部分は、隔壁23である。次に、表示部12において光が透過する部分は、表示媒体が存在する移動可能空間SPである。
【0032】
表示部12全体の透過率は、1%以上10%未満であり、好ましくは、2%以上10%未満である。表示部12全体の最も好ましい透過率は、2%である。
【0033】
表示部12の透過率は、好適なコントラストが得られる範囲で最良の値が選択される。
【0034】
(2−3)電力供給部
電力供給部13は、太陽電池13aと、二次電池(バッテリー)13bとから構成される。
【0035】
太陽電池13aは、図3に示すように、表示部12の背面に配置される。太陽電池13aは、薄厚のシート状である。太陽電池13aは、表示部12を通過した光によって発電する。具体的に、太陽電池13aは、隔壁23および移動可能空間SPを透過した店舗内の照明光によって発電する。太陽電池13aによって発電された電力は、表示部12に表示される情報(内容)の切り替えやESLサーバとの通信等に用いられる。
【0036】
バッテリー13bは、太陽電池13aによって発電された電力のうち、放電されなかった電力を蓄える。
【0037】
(2−4)制御装置
制御装置14は、電子棚札1の駆動部として機能する。具体的に、制御装置14は、CPU,RAM,ROM,およびハードディスクによって構成されている。制御装置14には、表示部12の表示画面を管理するためのプログラムの他、各電子棚札1に固有の棚札コード、画面情報、ESLサーバから受信した直近のコマンド等を記憶している。画面情報とは、端末画面のどの部分にどのような情報を表示させるか等の表示領域に関する情報である。
【0038】
また、制御装置14は、ESLサーバから受信したコマンドを実行して、表示部12に各種情報を表示させる。なお、制御装置14は、トランシーバから送られるコマンドを受け付け、当該コマンドに含まれる棚札コード(送信棚札コード)と、制御装置14に記憶された棚札コード(記憶棚札コード)とを比較して、送信棚札コードと、記憶棚札コードとが一致した場合に、コマンドを実行する。また、制御装置14は、トランシーバから送られる商品関連情報を受け付けた後、通信部11からトランシーバに向けてフィードバック信号を送信する。ESLサーバでは、当該フィードバック信号を受信することにより、電子棚札1で正常にコマンドが実行されたことを把握する。
【0039】
(3)特徴
(3−1)
上記実施形態に係る電子棚札1は、太陽電池13aを電力供給源とする。太陽電池13aを電力供給源とする電子棚札(太陽電池型の電子棚札)1は、店舗内の照明光を用いて発電を行う。店舗内の照明の光量は、電子棚札1の設置場所に依存する。すなわち、電子棚札1の設置場所によっては、十分な光量を確保できない場合がある。そのため、太陽電池13aを用いて従来のコイン電池と同程度の電力量を供給しようとすると、太陽電池13aのサイズを大きくする必要がある。
【0040】
一方、従来、太陽電池を用いた電子棚札では、表示部を避けて太陽電池を取り付けていた。すなわち、太陽電池は枠体に設けられていた。したがって、大きな太陽電池13aを設けるために電子棚札の枠体を大きくすると、電子棚札の全体のサイズが極端に大きくなる。また、電子棚札の枠体には、図1に示すように、通信部11やバーコードを添付するスペースが必要である。表示部(商品情報が表示される画面)12以外の部分が大きくなると、電子棚札全体のサイズが大きくなり、陳列棚への取り付けが不便となる。また、陳列棚に取り付けた後も、大きいサイズの電子棚札は、商品の取出障害を招く。
【0041】
上記実施形態に係る電子棚札1は、太陽電池13aを表示部12の背面に配置している。したがって、表示部12以外の部分を必要以上に大きくする必要がない。また、表示部12の背面に透過する光量を十分に確保できるように隔壁23の表面積の割合を決定している。したがって、太陽電池13aで動作する電子棚札1について、太陽電池13aの発電量を向上させ、電子棚札1を動作させる上で必要な発電量を確保することができる。
【0042】
さらに、上記実施形態に係る電子棚札1は、隔壁23の表面積を決定する際、透光性に加え、コントラストも十分に確保できるよう考慮している。したがって、コントラストの良い電子棚札1を得ることができる。
【0043】
(3−2)
また、上記実施形態に係る電子棚札1では、表示部(表示デバイス)12として、電子ペーパーを用いている。電子ペーパーは、画面に表示させた内容を変更する場合に限り電力を消費する。すなわち、電子ペーパーは、画面上に情報を保持するための電力を必要としない。したがって、電子棚札1の省エネルギー化を図ることができる。
【0044】
(3−3)
また、上記実施形態に係る電子棚札1は、複数の隔壁23と、基板21a,21bおよび電極22a,22bからなる表示媒体24a,24bの吸着面とによって表示媒体24a,24bが移動可能な複数の空間(移動可能空間)SPが形成されている。また、吸着面を構成する基板21a,21bおよび電極22a,22bは、それぞれ透過性がある素材である。また、隔壁23は、透明樹脂を素材とする。これにより、照明の光量を十分に透過させ、太陽電池13aの発電率を向上させることができる。
【0045】
(4)変形例
(4−1)変形例A
上記実施形態において、基板21a,21bに用いる材料として硝子を用いたが、硝子の代わりに、透明樹脂を用いてもよい。基板21a,21bの材料を透明樹脂にした場合、表示部12に柔軟性がでて、表示部12を変形させることが可能になる。
【0046】
なお、上記実施形態(基板21a,21bの材料を硝子にした場合)では、表示部12全体の透過率は、1%以上10%未満であり、好ましくは、2%以上10%未満となるように、隔壁23の表面積を決定したが、基板21a,21bの材料を透明樹脂にした場合には、7%以上となるように隔壁23の表面積を変更することが好ましい。
【0047】
これにより、上記実施形態と同様、太陽電池13aの発電効率およびコントラストが十分に確保可能な電子棚札1を得ることができる。
【0048】
(4−2)変形例B
また、上記実施形態では、隔壁23の素材が、透明樹脂であったが、透明樹脂に代えて、硝子を採用してもよい。
【0049】
(4−3)変形例C
さらに、上記実施形態では、基板21a,21bと隔壁23とが別体であったが、図5に示すように、基板21a,21bと隔壁23とが一体であってもよい。具体的には、上記実施形態の正面基板21aおよび隔壁23に対応する部分が、透明樹脂であり、エンボス加工により一体成形されている。
【0050】
また、上記実施形態では、複数色の帯電性粒子を表示媒体24a,24bとして用い、正面基板21aに近づける帯電性粒子の種類(色)を変更することにより、表示部12に表示させる情報を変更させていた。しかし、表示媒体は、図5に示すように、一種類の帯電性粒子24cと、帯電性粒子を浮遊させる液体24dとであってもよい。例えば、白色の帯電性粒子24cを黒色の液体24dに浮遊させていた場合、帯電性粒子24cを上方に移動させることにより、表示部12には白い文字等が表示されることになる。また、表示媒体は、透明の液体と、白色の帯電粒子および黒色の帯電粒子とを用いてもよい。
【0051】
さらに、隔壁23の断面形状は、表示媒体24a,24bの種類や、配置する電極の形状および配置により変更可能である。図4では、移動可能空間の表面形状が四角形であったが、円形やその他の多角形であってもよい。
【0052】
すなわち、隔壁23の表面積が、表示部12の表面積に対して一定の割合を有する限り、または、表示部12のうち情報の表示に関係する部分の面積(移動可能空間SPに相当する部分の面積)と、当該移動可能空間を形成する部分であって、情報の表示に関係のない部分の表面積(隔壁23に相当する部分の表面積)との割合が、上記実施形態で示すような割合である限り、移動可能空間に相当する部分の形状や移動可能空間に相当する部分を形成する部分の形状はどのようなものであってもよい。
【0053】
(4−4)変形例D
上記実施形態では、表示媒体24a,24bの主成分として樹脂を用いたが、樹脂の代わりに、荷電制御剤、着色剤、添加剤等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 電子棚札
10 枠体
11 通信部
12 表示部
13 電力供給部
13a 太陽電池
13b 二次電池(バッテリー)
14 制御装置
21a 正面基板
21b 背面基板
22a,22b 電極
23 隔壁
24a,24b,24c,24d 表示媒体
SP 移動可能空間
AR 領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開2009−022767号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁によって内部が多数の空間に仕切られているシート状の表示デバイスと、
前記表示デバイスの背面側に配置されたシート状の太陽電池と、
を備え、
前記隔壁の面積は、前記表示デバイスの全面積の2%以上である、
電子棚札。
【請求項2】
前記表示デバイスは電子ペーパーである、
請求項1に記載の電子棚札。
【請求項3】
前記隔壁は、前記太陽電池が反応可能なスペクトル幅の光を透過させる素材である、
請求項1または2に記載の電子棚札。
【請求項4】
前記電子ペーパーは、
少なくとも一種類以上の表示媒体と、
前記表示媒体が移動可能な前記空間と、
複数の前記隔壁と前記表示媒体の吸着面とを含み、前記複数の隔壁と前記吸着面とで前記空間を形成する空間形成部材と、
を備え、
前記吸着面は、硝子または透明樹脂であり、
前記複数の隔壁は、硝子または透明樹脂である、
請求項2に記載の電子棚札。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−242526(P2012−242526A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110898(P2011−110898)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】