説明

電子機器、およびカメラ

【課題】複数の画像を含む画像ファイルの個々の画像を印刷すること。
【解決手段】CPU106は、メモリカード110aに記録されている、1つの画像ファイル内に複数の画像を含んでいるMPファイル内から、使用者によって指定されたいずれか1つの画像を含んだSPファイルを生成し、生成したSPファイルをメモリカード110aに記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、およびカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような画像データ記録装置が知られている。この画像データ記録装置は、1回の撮影で得た複数の画像データを1つの画像ファイルにまとめて記録する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−266420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像データ記録装置によって記録された画像ファイルの画像を印刷する際に、プリンタが複数の画像を含んだ画像ファイルの印刷に対応していない場合には、個々の画像の印刷を行うことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による電子機器は、複数の画像データを含んでいる第1の画像ファイル内の当該複数の画像データの中から、少なくとも一つの画像データを印刷対象画像データとして設定する設定手段と、設定手段で設定した印刷対象画像データの各印刷対象画像データに対応する第2の画像ファイルを生成する画像ファイル生成手段と、画像ファイル生成手段で生成した第2の画像ファイルを記憶媒体に記録する画像記録手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、電子機器は、設定手段で設定した印刷対象画像の印刷情報を生成して記憶媒体に記録する印刷情報記録手段をさらに備えるようにしてもよい。
設定手段によって印刷対象と設定された画像データが、第1の画像ファイルに含まれる画像データか否かを判定する判定手段を更に備え、画像ファイル生成手段は、判定手段よって第1の画像ファイルに含まれる画像データであると判定された場合に、第2の画像ファイルを生成し、第1の画像ファイルに含まれる画像データでないと判定された場合には、第2の画像ファイルを生成しないようにしてもよい。
電子機器は、画像ファイル生成手段によって生成された第2の画像ファイルに含まれる画像データと、印刷対象画像データが含まれていた第1の画像ファイルとの関連付けを行う関連付け手段をさらに備えるようにしてもよい。
関連付け手段は、第2の画像ファイルのファイル名の一部と、印刷対象画像データが含まれていた1の画像ファイルのファイル名の一部とを一致させることにより、両者の関連付けを行うようにしてもよい。
関連付け手段は、第2の画像ファイルのファイル名に含まれる番号と、印刷対象画像データが含まれていた第1の画像ファイルのファイル名に含まれる番号とを一致させることにより、両者の関連付けを行うようにしてもよい。
画像記録手段は、記憶媒体に既に第2の画像ファイルが記録されており、記録されている第2の画像ファイルが、新たに記録する第2の画像ファイルと同じ第1の画像ファイルに基づいて生成されたものである場合には、既に記録されている第2の画像ファイルを新たな第2の画像ファイルで上書きして記録するようにしてもよい。
画像記録手段は、既に記録されている第2の画像ファイルを新たな第2の画像ファイルで上書きして記録するに当たって、上書きの可否をユーザに問い合わせ、ユーザによって上書きが許可された場合には上書きを行い、ユーザによって上書きが拒否された場合には、既に記録されている第2の画像ファイルとは異なるファイル名を付して新たな第2の画像ファイルを記録するようにしてもよい。
画像ファイル生成手段は、第1の画像ファイル内の画像データに基づいて第2の画像ファイルを生成した場合に、第1の画像ファイルの付属情報に第2の画像ファイルを生成した画像データを特定するための情報が記録されていない場合には、第1の画像ファイルの付属情報と第2の画像ファイルの付属情報とに、第2の画像ファイルを生成した画像データを特定するための情報を記録するようにしてもよい。
電子機器は、記憶媒体に第2の画像ファイルを記録するための空き容量がない場合には、その旨を示すメッセージを表示装置に表示するメッセージ表示手段をさらに備えるようにしてもよい。
メッセージ表示手段は、記憶媒体の空き容量を増加させるために、他の記憶媒体へ移動可能な画像ファイルの情報を含んだメッセージを表示するようにしてもよい。
電子機器は、データを記録するための内蔵メモリと、記憶媒体に第2の画像ファイルを記録するための空き容量がない場合には、記憶媒体に記録されている画像ファイルのいずれかを内蔵メモリに移動させる画像移動手段とをさらに備えるようにしてもよい。
画像移動手段は、記憶媒体の空き容量と、記録する第2の画像ファイルのデータサイズと、記憶媒体に記録されている各画像ファイルのデータサイズとに基づいて、記憶媒体に記録されている画像ファイルの中から、第2の画像ファイルを記録するための空き容量を確保するために移動すべき画像ファイルを特定し、特定した画像ファイルを内蔵メモリに移動させるようにしてもよい。
設定手段は、記憶媒体に記録されている画像ファイルを一覧表示し、一覧表示した画像ファイルの中から第1の画像ファイルがユーザによって選択された場合には、第1の画像ファイル内に含まれる複数の画像データを画面上に一覧表示して、ユーザからの印刷対象画像データの指定を受け付けるようにしてもよい。
設定手段は、第1の画像ファイル内に含まれる複数の画像データを画面上に一覧表示するに当たって、その中に印刷対象画像データに設定済みの画像データが含まれている場合には、その画像データが既に印刷対象画像データに設定されていることを示す情報を付加して表示するようにしてもよい。
設定手段は、(1)既に印刷対象画像データに設定されている画像の色を変えて表示する、(2)既に印刷対象画像データに設定されていることを示す文字列を表示する、および(3)既に印刷対象画像データに設定されていることを示すアイコンを表示する、の少なくとも1つの方法により、その画像データが既に印刷対象画像データに設定されていることを示す情報を付加するようにしてもよい。
本発明によるカメラは、複数の画像データを含んでいる第1の画像ファイル内の当該複数の画像データの中から、ユーザの操作に基づいて、少なくとも1つの画像データを印刷対象画像データとして設定する設定手段と、設定手段で設定した印刷対象画像データの各印刷対象画像データに対応する第2の画像ファイルを生成する画像ファイル生成手段と、画像ファイル生成手段で生成した第2の画像ファイルを記憶媒体に記録する画像ファイル記録手段と、画像ファイル生成手段で生成した第2の画像ファイルを印刷装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、カメラは、設定手段によって印刷対象と設定された画像データが、第1の画像ファイルに含まれる画像データか否かを判定する判定手段を更に備え、画像ファイル生成手段は、判定手段よって第1の画像ファイルに含まれる画像データであると判定された場合に、第2の画像ファイルを生成し、第1の画像ファイルに含まれる画像データでないと判定された場合には、第2の画像ファイルを生成しないようにしてもよい。
カメラは、画像ファイル生成手段によって生成された第2の画像ファイルに含まれる画像データと、印刷対象画像データが含まれていた第1の画像ファイルとの関連付けを行う関連付け手段をさらに備えるようにしてもよい。
関連付け手段は、第2の画像ファイルのファイル名の一部と、印刷対象画像データが含まれていた第1の画像ファイルのファイル名の一部とを一致させることにより、両者の関連付けを行うようにしてもよい。
関連付け手段は、第2の画像ファイルのファイル名に含まれる番号と、印刷対象画像データが含まれていた第1の画像ファイルのファイル名に含まれる番号とを一致させることにより、両者の関連付けを行うようにしてもよい。
画像記録手段は、記憶媒体に既に第2の画像ファイルが記録されており、記録されている第2の画像ファイルが、新たに記録する第2の画像ファイルと同じ第1の画像ファイルに基づいて生成されたものである場合には、既に記録されている第2の画像ファイルを新たな第2の画像ファイルで上書きして記録するようにしてもよい。
画像記録手段は、既に記録されている第2の画像ファイルを新たな第2の画像ファイルで上書きして記録するに当たって、上書きの可否をユーザに問い合わせ、ユーザによって上書きが許可された場合には上書きを行い、ユーザによって上書きが拒否された場合には、既に記録されている第2の画像ファイルとは異なるファイル名を付して新たな第2の画像ファイルを記録するようにしてもよい。
設定手段は、記憶媒体に記録されている画像ファイルを一覧表示し、一覧表示した画像ファイルの中から第1の画像ファイルがユーザによって選択された場合には、第1の画像ファイル内に含まれる複数の画像データを画面上に一覧表示して、ユーザからの印刷対象画像データの指定を受け付けるようにしてもよい。
設定手段は、第1の画像ファイル内に含まれる複数の画像データを画面上に一覧表示するに当たって、その中に印刷対象画像データに設定済みの画像データが含まれている場合には、その画像データが既に印刷対象画像データに設定されていることを示す情報を付加して表示するようにしてもよい。
設定手段は、(1)既に印刷対象画像データに設定されている画像の色を変えて表示する、(2)既に印刷対象画像データに設定されていることを示す文字列を表示する、および(3)既に印刷対象画像データに設定されていることを示すアイコンを表示する、の少なくとも1つの方法により、その画像データが既に印刷対象画像データに設定されていることを示す情報を付加するようにしてもよい。
本発明によるカメラは、画像データを一時的に記録する画像メモリと、複数の画像データを含んでいる第1の画像ファイル内の当該複数の画像データの中から、ユーザの操作に基づいて、少なくとも1つの画像データを印刷対象画像データとして設定する設定手段と、設定手段で設定した印刷対象画像データの各印刷対象画像データに対応する第2の画像ファイルを生成して、画像メモリに一時記録する画像ファイル生成手段と、画像ファイル生成手段で生成した第2の画像ファイルを印刷装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数の画像を含んだ画像ファイルに含まれる個々の画像を印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】デジタルスチルカメラ(DSC)の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】MPファイルのデータ構造を模式的に示した図である。
【図3】メモリカード110aにおける画像ファイルの記録例を示す第1の図である。
【図4】画像一覧画面の具体例を示す図である。
【図5】DPOF(登録商標)情報の具体例を示す図である。
【図6】メモリカード110aにおける画像ファイルの記録例を示す第2の図である。
【図7】DPOF(登録商標)を利用したプリント指定処理の流れを示すフローチャート図である。
【図8】デジタルカメラとプリンタとの接続例を示す図である。
【図9】PictBridge(登録商標)を利用したプリント指定処理の流れを示すフローチャート図である。
【図10】ファイル番号を用いた画像ファイルの関連付け方法を模式的に示した図である。
【図11】画像を別ウィンドウで表示する場合の具体例を示す図である。
【図12】プリント設定済みの画像を区別して表示する場合の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
―第1の実施の形態―
図1は、第1の実施の形態におけるデジタルスチルカメラ(DSC)の一実施の形態の構成を示すブロック図である。デジタルスチルカメラ(以下「デジタルカメラ」と呼ぶ)100は、レンズ101と、CCD102と、画像処理回路103と、Displayコントローラ104と、LCDパネル105と、CPU106と、SDRAM107と、JPEGコーデック108と、USBコントローラ109と、メモリカードコントローラ110と、フラッシュメモリ111とを備えている。
【0009】
CPU106は、デジタルカメラ100の全体を制御するメインコントローラであり、撮影処理、画像の再生処理、画像データの転送処理等を実行することによってデジタルカメラ100を制御する。
【0010】
まず、デジタルカメラ100における撮影処理について説明する。レンズ101を通して入力された被写体の光学像は、撮像素子であるCCD102で光電変換されて読み出された後、不図示のAFE(Analog Front End)によってデジタル画像データに変換されて、画像処理回路103へ入力される。画像処理回路103は、入力されたデジタル画像データに対して種々の画像処理を施し、画像処理後の画像データをSDRAM107へ記録する。また、画像処理回路103は、撮影時には3A(AE、AF、AWB)の演算および制御を行う。
【0011】
なお、SDRAM107は、揮発性の内蔵メモリであって、画像データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用されたり、CPU106がプログラム実行時にプログラムを展開したり、プログラムで使用する変数を格納するためのワークメモリとして使用されたりする。また、デジタルカメラ100は、その他に、不揮発性の内蔵メモリとしてのフラッシュメモリ111も備えている。
【0012】
JPEGコーデック108は、SDRAM107に記録されている画像データを読み出し、該画像データをJPEG圧縮した後、再びSDRAM107に記録する。CPU106は、JPEG圧縮された画像データ(JPEGデータ)をSDRAM107から読み出して、このJPEGデータに種々の付加情報(メタデータ)を付加した画像ファイル(JPEGファイル)を生成する。そして、CPU106は、生成したJPEGファイルをメモリカードコントローラ110へ送ると、メモリカードコントローラ110は、メモリカードスロット内に挿入されているメモリカード110aにJPEGファイルを記録する。これによって撮影処理が完了する。
【0013】
なお、撮影時にはカメラ背面に搭載されたLCDパネル105がLCDファインダーとして機能し、画像処理回路103によって画像処理された後の画像データが所定のフレーム間隔でLCDパネル105に表示される。撮影者は、LCDパネル105の表示を確認しながら構図決めを行う。
【0014】
次に、デジタルカメラ100における画像データの再生処理について説明する。CPU106は、メモリカードコントローラ110を制御して、メモリカード110aからJPEGファイルを読み出す。そして、CPU106は、読み出したJPEGファイル内からJPEGデータを読み出して伸張を行った後、画像処理回路103へ出力する。画像処理回路103は、入力された伸張後のデータに対して解像度変換を行って、画像の解像度をLCDパネル105の表示解像度に合わせて変更することによって表示用画像データを生成し、SDRAM107へ記録する。
【0015】
Displayコントローラ104は、SDRAM107から表示用画像データを読み出して、それをLCDパネル105に表示する。
【0016】
本実施の形態におけるデジタルカメラ100では、上述した通常の撮影処理によって生成されたJPEGファイル、すなわち1つの画像ファイル内に1つのJPEGデータが記録される画像ファイル以外に、1つの画像ファイル内に複数のJPEGデータが記録される画像ファイルも生成することができる。例えば、CPU106は、連写撮影が行われた場合、パノラマ撮影が行われた場合、またはインターバル撮影が行われた場合等、1回の撮影によって複数のJPEGデータが1組として生成される場合には、生成した複数のJPEGデータを1つの画像ファイルにまとめて格納する。すなわち、CPU106は、複数のJPEGデータを記録した画像ファイルを生成する。
【0017】
本実施の形態では、1つの画像ファイル内に1つの本画像データを記録した画像ファイルをSPファイル(SinglePictureファイル/単数画像ファイル)と呼び、1つの画像ファイル内に複数の本画像データを記録した画像ファイルをMPファイル(MultiPictureファイル/複数画像ファイル)と呼ぶこととする。なお、SPファイルは、本画像データの他に、当該本画像データに対応するサムネイルデータ、表示用画像データを含むこととしてもよい。以下の第1〜第4の実施の形態では、本画像データとして、JPEGデータを用いて説明する。また、SPファイルのフォーマットとしては、公知のExif規格(Exchangeable image file format for digital still cameras)が用いられる。また、MPファイルのフォーマットとしては、図2に示すようなフォーマットが用いられる。
【0018】
図2は、MPファイルのデータ構造を模式的に示した図である。MPファイルのデータ構造としては、例えば、図2(a)に示すように、1つの画像ファイル2a内に複数のJPEGデータ1〜nが記録される。このとき、それぞれのJPEGデータは、図2(b)に示す一般的なデータ構造となっており、各JPEGデータの付属情報、例えば画像を特定するための画像ID等の情報は、APPn2bに記録される。
【0019】
あるいは、MPファイルのデータ構造を図2(c)に示すようにしてもよい。この図2(c)に示す例では、1つの画像ファイル2c内に複数のJPEGデータ1〜nが記録される。また、各JPEGデータ内には、それぞれのJPEGデータの付属情報2dが記録されており、さらに画像ファイル2cの先頭に記録されるJPEGデータ1には、画像ファイル2c全体の付属情報2eが記録される。
【0020】
図3は、メモリカード110aにおける画像ファイルの記録例を示す図である。なお、メモリカード110aは、通常FATファイルシステムでフォーマットされるので、画像ファイルは、FATシステムのファイルとして記録される。この図3に示す例では、画像ファイルは、DCF規格(Design rule for Camera File system)に則って記録される。すなわち、画像ファイルは、「DCIM」ディレクトリ内の「100ABCDE」ディレクトリ内に、それぞれファイル名が付加されて記録されている。図3では、拡張子が「.JPG」のファイルは、SPファイルであり、拡張子が「.JPM」のファイルは、MPファイルである。
【0021】
すなわち、図3の例では、「100ABCDE」ディレクトリ内には、「DSC_0001.JPG」、「DSC_0002.JPG」、および「DSC_0003.JPG」の3つのSPファイルと、「DSC_0004.JPM」、「DSC_0005.JPM」、および「DSC_0006.JPM」の3つのMPファイルとが記録されている。
【0022】
本実施の形態では、使用者は、メモリカード110aに記録されているMPファイルとSPファイルのそれぞれに格納されている各JPEGデータを対象とした印刷を指示することができる。なお、デジタルカメラ100上で印刷対象の画像を選択して印刷を指示する方法(プリント指定の方法)としては、例えば、公知のDPOF(Digital Print Order Format)(登録商標)を利用した方法がある。DPOF(登録商標)はプリンタ等でのプリントを自動化するための印刷情報(DPOF(登録商標)情報)のフォーマットを定めたものである。
【0023】
DPOF(登録商標)を利用して印刷指示を行う場合には、使用者は、デジタルカメラ100上で印刷対象の画像、印刷枚数等を指定し、これらを記録したDPOF(登録商標)情報を画像ファイルとともにメモリカード110aに記録しておく。そして、使用者は、そのメモリカード110aを印刷を行うプリンタのメモリカードスロットに挿入する。プリンタでは、メモリカードスロットに挿入されたメモリカード110aからDPOF(登録商標)情報を読み出して、当該DPOF(登録商標)情報に基づいて印刷を行う。なお、プリンタでのDPOF(登録商標)情報を用いた印刷処理については、公知のため説明を省略する。
【0024】
DPOF(登録商標)を利用した印刷指示を行うためには、まず、使用者は、LCDパネル105上で印刷したい画像の選択開始を指示する。CPU106は、使用者によって画像の選択開始が指示されると、上述した再生処理を実行して、メモリカード110a内に記録されているSPファイルの画像とMPファイルの画像を一覧表示したプリント指定画面を表示する。例えば、SPファイル(拡張子:JPG)に格納されている画像と、MPファイル(拡張子:JPM)に格納されているJPEGデータの画像を表示した図4に示すようなプリント指定画面をLCDパネル105上に表示する。
【0025】
図4に示すプリント指定画面の表示例では、SPファイルには1つのJPEGデータしか格納されていないため、その格納されているJPEGデータの画像のみを表示する。図4では、「DSC_0001.JPG」、「DSC_0002.JPG」、「DSC_0003.JPG」、「DSC_0007.JPG」、「DSC_0008.JPG」、および「DSC_0009.JPG」がその例である。使用者は、不図示の操作部材に含まれる十字キーを操作して、一覧表示されているSPファイルの画像のいずれかにカーソルを合わせて選択状態にし、不図示の決定ボタンを押下することによって、選択した画像を印刷対象として指定することができる。
【0026】
これに対して、MPファイルには複数のJPEGデータが格納されているため、1つのMPファイルに対して複数の画像を表示する必要がある。本実施の形態では、図4の「DSC_0004.JPM」、「DSC_0005.JPM」、および「DSC_0006.JPM」のように、それぞれのMPファイルに格納されている複数のJPEGデータの画像を重ね合わせて表示することにより、1つのMPファイル内に複数のJPEGデータが格納されていることを表している。
【0027】
使用者は、不図示の操作部材に含まれる十字キーを操作して、複数枚重なって表示されているMPファイルの画像群のいずれかにカーソルを合わせて選択することができる。この場合、選択された画像群のうち、一番上に表示されている画像が選択状態となる。また、操作部材を操作して、複数枚重なって表示されている画像の中で一番上に表示させる画像を切り換えることもできる。すなわち、使用者は、操作部材を操作して複数枚重なって表示されている画像の中のいずれかを一番上に表示させることにより、選択状態とする画像を切り換えることができる。この場合も、使用者は不図示の決定ボタンを押下することによって、選択状態にある画像を印刷対象として指定することができる。
【0028】
また、図4には図示していないが、プリント指定画面上には、一覧表示した各画像に対応付けて印刷枚数欄が設けられており、使用者は、操作部材を操作して、印刷対象として指定した各画像の印刷枚数をこの印刷枚数欄を用いて指定することができる。
【0029】
CPU106は、使用者によっていずれかの画像が印刷対象として指定され、印刷枚数が指定されると、DPOF(登録商標)を利用して、その画像の印刷を行うための処理を実行する。具体的には、DPOF(登録商標)を利用した印刷指示の場合には、規格化されたDPOF(登録商標)情報を作成する必要がある。このDPOF(登録商標)情報に基づく印刷は、SPファイルのみをサポートし、MPファイルはサポートしていない。
【0030】
このため、使用者によって指定された画像がSPファイル内に記録されているJPEGデータの画像である場合には、CPU106は、指定された画像に対応するSPファイルを印刷対象として、図5に示すようなDPOF(登録商標)情報を生成する。図5に示す例では、図4に示したファイル名がDSC_0002.JPGのSPファイルが印刷対象として選択され、その印刷枚数として1枚が指定されたことにより、DPOF(登録商標)情報に、このSPファイルを印刷するためのJOB情報5aが追加されている。
【0031】
なお、DPOF(登録商標)情報は、AUTPRINT.MRKというファイル名のデータファイルとして、メモリカード110aに記録される。例えば、AUTPRINT.MRKは、図6に示すように、メモリカード110a内の「MISC」という名前のフォルダ内に記録される。
【0032】
一方、使用者によって指定された画像がMPファイル内に記録されているJPEGデータの画像である場合には、CPU106は、MPファイル内から指定された画像のJPEGデータを1つ抽出し、抽出したJPEGデータを記録したSPファイルを生成する。例えば、図4に示したファイル名がDSC_0005.JPMの中に記録されている1つのJPEGデータの画像が指定された場合には、CPU106は、図6に示すように、MPファイル(DSC_0005.JPM)6aの中から指定された1つのJPEGデータを抽出してSPファイル(MLT_0010.JPG)6bを生成する。そして、CPU106は、図5に示すように、生成したSPファイル(MLT_0010.JPG)を印刷するためのJOB情報5bをDPOF(登録商標)情報に追加する。
【0033】
これによって、使用者が印刷対象としてSPファイル内の画像を指定した場合、およびMPファイル内の画像を指定した場合のいずれの場合でも、指定された画像のJOB情報をDPOF(登録商標)情報に追加することができる。このため、使用者は、従来のカメラと同様に、SPファイルの画像をプリント指定するような感覚でMPファイルの画像をプリント指定することができ、余分な操作は発生しない。
【0034】
また、MPファイルから生成したSPファイルのファイル名の先頭3文字を「MLT」として、撮影によって記録された通常のSPファイルのファイル名の先頭3文字「DSC」と区別することにより、ファイル名を見ただけで通常のSPファイルとMPファイルから生成したSPファイルとの区別が可能になる。さらに、新たに生成されたSPファイルが、どのMPファイルに基づいて生成されたのか、またMPファイルの中のどのJPEGデータを抽出して作成されたのかを判別可能とするために、新たに生成したSPファイルの付属情報として、生成元となったJPEGデータの画像IDを記録するようにしてもよい。
【0035】
このように、元となったMPファイルにおけるJPEGデータの画像IDを新たに生成したSPファイルにおけるJPEGデータに引き継ぐことによって、そのSPファイルが、どのMPファイルの、どのJPEGデータから作成されたものであるかを把握することができる。但し、画像IDは、全てのJPEGデータに対して付加されているとは限らない。よって、CPU106は、画像IDが付加されていないJPEGデータに基づいてSPファイルを生成する場合には、そのJPEGデータに対して新たに画像IDを付加して新たに生成するSPファイルの付属情報として記録し、さらに同じ画像IDをJPEGデータを抽出したMPファイルにおける当該JPEGデータの付属情報として記録すればよい。画像IDは、例えば、Exifの画像ユニークIDやメーカノート内に記録する独自形式の画像ID情報等を用いることができる。
【0036】
以下、図7に示すフローチャートを用いて、第1の実施の形態における、DPOF(登録商標)を利用したプリント指定処理について説明する。この図7に示す処理は、使用者によって印刷指示の開始が指示されると起動するプログラムとして、CPU106によって実行される。なお、図7に示すフローチャートのプログラムは、例えば、フラッシュメモリ111に記録されている。
【0037】
ステップS801において、CPU106は、LCDパネル105に図4に示したようなプリント指定画面を表示する。その後、ステップS802へ進み、CPU106は、使用者によるプリント指定画面上での画像選択操作に基づいて、印刷対象の画像を指定して、ステップS803へ進む。ステップS803では、CPU106は、ステップS802で指定した画像の画像ファイルを特定し、特定した画像ファイルがMPファイルであるか否かを判断する。
【0038】
ステップS803で否定判断した場合、すなわち特定した画像ファイルがSPファイルである場合には、ステップS807へ進み、CPU106は、図5に示したように、印刷対象のSPファイルを印刷するためのJOB情報をDPOF(登録商標)情報に追加する。すなわち、特定したSPファイルを印刷するためのJOB情報(プリント指定情報)をメモリカード110a内のAUTPRINT.MRKに書き込む。なお、このとき、メモリカード110aの「MISC」フォルダ内にAUTPRINT.MRKが存在しない場合には、CPU106は、「MISC」フォルダ内にAUTPRINT.MRKを新たに生成してから書き込みを行う。その後、後述するステップS808へ進む。
【0039】
一方、ステップS803で肯定判断した場合、すなわち特定した画像ファイルがMPファイルである場合には、ステップS804へ進む。ステップS804では、CPU106は、MPファイルから使用者によって指定された画像を抽出して生成するSPファイルのデータサイズを推定し、推定したデータサイズとメモリカード110aの空き容量とに基づいて、メモリカード110a内に、指定された画像を含むSPファイルを記録するための空き容量があるか否かを判断する。
【0040】
なお、MPファイルに記録されている各JPEGデータのデータサイズは、図2(c)におけるMPファイル全体の付属情報2eの中にそれぞれ記録されているため、CPU106は、付属情報から取得したJPEGデータのデータサイズ、それに付加する付属情報のデータサイズ等に基づいてSPファイルのデータサイズを推定することができる。
【0041】
ステップS804で肯定判断した場合、すなわちメモリカード110aに十分な空き容量がある場合には、ステップS805へ進み、CPU106は、ステップS802で特定したMPファイルの中から、使用者によって指定された画像のJPEGデータを抽出し、抽出したJPEGデータを記録したSPファイルを生成して、メモリカード110aに記録する。その後、後述するステップS807へ進む。
【0042】
これに対して、ステップS804で否定判断した場合、すなわちメモリカード110aに十分な空き容量がない場合には、メモリカード110a内に新たに生成するSPファイルを記録することができないため、次の処理を行う。まず、ステップS8041において、CPU106は、デジタルカメラ100が内蔵メモリであるフラッシュメモリを備えているか否かを判断する。なお、本実施の形態におけるデジタルカメラ100は、フラッシュメモリ111を備えているため、ステップS8041では肯定判断されるが、仮に内蔵メモリとしてのフラッシュメモリ111を備えていないデジタルカメラで本処理を実行した場合には、ステップS8041では否定判断される。
【0043】
ステップS8041で否定判断した場合には、メモリカード110aに十分な空き容量がなく、さらに内蔵メモリとしてのフラッシュメモリ111も備えていないため、使用者によって指定された画像のJPEGデータを含んだSPファイルを新たに生成してもそれを記録することができないため、ステップS806へ進んでCPU106はメッセージ表示を行って、後述するステップS808へ進む。
【0044】
なお、ステップS806では、CPU106は、メモリカード110aに空き容量がないことを示すメッセージとともに、メモリカード110aに既に記録されている画像ファイルのうち、いずれの画像ファイルを削除、または現在メモリカードスロット内に挿入されているメモリカード110a以外の他のメモリカードに移動させれば、新たに生成するSPファイルを記録するための空き容量をメモリカード110a内に確保することができるかを示すメッセージを含めるようにする。これによって、使用者は、どの画像ファイルを削除、または他のメモリカードへ移動させれば、メモリカード110a内に空き容量を確保して画像の印刷が可能になるかを把握することができる。
【0045】
このためにCPU106は、MPファイルから使用者によって指定された画像を抽出して生成するSPファイルのデータサイズを推定し、当該推定したSPファイルのデータサイズと、メモリカード110aの空き容量と、メモリカード110aに既に記録されている画像ファイルのデータサイズとに基づいて、メモリカード110aの中からどの画像ファイルを削除または移動すれば、新たに生成するSPファイルが記録可能になるかを判定し、判定結果をメッセージに含める。
【0046】
一方、ステップS8041で肯定判断した場合には、メモリカード110aに十分な空き容量がなくても、フラッシュメモリ111の空き容量に余裕がある場合には、メモリカード110aから1つまたは複数の画像ファイルをフラッシュメモリ111に移動させれば、メモリカード110aに新たに生成するSPファイルを記録するための空き容量を確保することが可能になる。このため、CPU106は以下の処理を行う。
【0047】
ステップS8042において、CPU106は、フラッシュメモリ111内に、メモリカード110aに記録されている画像ファイルのうち、いずれの画像ファイルをフラッシュメモリ111に移動させれば、新たに生成するSPファイルを記録するための空き容量をメモリカード110a内に確保することができるかを特定し、特定した画像ファイルを移動させて記録するための空き容量がフラッシュメモリ111にあるか否かを判断する。
【0048】
この場合、CPU106は、MPファイルから使用者によって指定された画像を抽出して生成するSPファイルのデータサイズを推定し、推定したデータサイズと、メモリカード110aの空き容量と、メモリカード110aに記録されている各画像ファイルのデータサイズとに基づいて、新たに生成するSPファイルを記録するための空き容量をメモリカード110a内に確保するために移動すべき少なくとも1つの画像ファイルを特定する。そして、特定した画像ファイルを記録するための空き容量がフラッシュメモリ111にあるか否かを判断する。
【0049】
ステップS8042で否定判断した場合には、メモリカード110aに記録されている画像ファイルをフラッシュメモリ111に移動させることによって、メモリカード110aの空き容量を確保することはできないため、上述したステップS806へ進んで上記メッセージの表示を行う。これに対して、ステップS8042で肯定判断した場合には、ステップS8043へ進む。
【0050】
ステップS8043では、CPU106は、ステップS8042における判断処理において、フラッシュメモリ111へ移動すべきと判断した画像ファイルを移動対象として指定する。その後、ステップS8044へ進み、CPU106は、移動対象として指定した画像ファイルをメモリカード110aからフラッシュメモリ111へ移動させる。その後、ステップS805へ進み、CPU106は、ステップS802で特定したMPファイルの中から、使用者によって指定された画像のJPEGデータを抽出し、抽出したJPEGデータを記録したSPファイルを生成して、メモリカード110aに記録する。その後、ステップS807へ進む。
【0051】
ステップS807では、CPU106は、ステップS805で生成したSPファイルを印刷するためのJOB情報をDPOF(登録商標)情報に追加する。すなわち、生成したSPファイルを印刷するためのJOB情報(プリント指定情報)をメモリカード110a内のAUTPRINT.MRKに書き込む。なお、この場合も、メモリカード110aの「MISC」フォルダ内にAUTPRINT.MRKが存在しない場合には、CPU106は、「MISC」フォルダ内にAUTPRINT.MRKを新たに生成してから書き込みを行う。その後、ステップS808へ進む。
【0052】
ステップS808では、CPU106は、使用者によるプリント指定画面上でのプリント指定、すなわち印刷を行う画像の選択が完了したか否かを判断する。例えば、プリント指定画面上に不図示の「終了」ボタンを設けておき、CPU106は、使用者によって操作部材が操作されて、当該「終了」ボタンが押下されたことを検出した場合に、プリント指定が完了したと判断する。ステップS808で否定判断した場合には、ステップS802へ戻って処理を繰り返す。これに対して、ステップS808で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0053】
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)CPU106は、メモリカード110aに記録されている、1つの画像ファイル内に複数の画像を含んでいるMPファイル内から、使用者によって指定されたいずれか1つの画像を含んだSPファイルを生成し、生成したSPファイルをメモリカード110aに記録するようにした。これによって、DPOF(登録商標)を用いたプリント指定がMPファイルに対応していない場合でも、MPファイル内に含まれる画像の印刷を行うことができる。
【0054】
(2)CPU106は、印刷対象として新たに生成したSPファイルのJOB情報をAUTPRINT.MRKに記録するようにした。これによって、新たに生成したSPファイルを印刷するためのDPOF(登録商標)情報を生成することができる。
【0055】
(3)メモリカード110aには、撮影によって生成された通常のSPファイルも記録されており、CPU106は、上記通常のSPファイルの画像が使用者によって指定された場合には、そのSPファイルをそのまま印刷対象とするようにした。これによって、通常のSPファイルの画像の印刷が指定された場合には、従来のプリント指定処理をそのまま実行すればよく、処理を簡略化することができる。
【0056】
(4)CPU106は、MPファイルから生成したSPファイルのファイル名の先頭3文字を「MLT」として、撮影によって記録された通常のSPファイルのファイル名の先頭3文字「DSC」と区別するようにした。これによって、ファイル名を見ただけで通常のSPファイルとMPファイルから生成したSPファイルとを区別することができる。
【0057】
(5)CPU106は、新たに生成したSPファイルの付属情報として、生成元となったJPEGデータの画像IDを記録するようにした。また、画像IDが付加されていないJPEGデータに基づいてSPファイルを生成した場合には、そのJPEGデータに対して新たに画像IDを付加して、生成するSPファイルの付属情報として記録するとともに、同じ画像IDをJPEGデータを抽出したMPファイルにおける当該JPEGデータの付属情報としても記録するようにした。これによって、SPファイルが、どのMPファイルの、どのJPEGデータから作成されたものであるかを把握することができる。
【0058】
(6)CPU106は、メモリカード110a内に、新たに生成するSPファイルを記録するための空き容量がない場合には、その旨を示すメッセージを表示するようにした。これによって、メモリカード110aに空き容量がないために、指定された画像のプリント指定を行うことができない旨を使用者に通知することができる。
【0059】
(7)CPU106は、メモリカード110aに空き容量がないことを示すメッセージとともに、メモリカード110aに既に記録されている画像ファイルのうち、いずれの画像ファイルを削除、または現在メモリカードスロット内に挿入されているメモリカード110a以外の他のメモリカードに移動させれば、新たに生成するSPファイルを記録するための空き容量をメモリカード110a内に確保することができるかを示すメッセージを含めるようにした。これによって、使用者は、どの画像ファイルを削除、または他のメモリカードへ移動させれば、メモリカード110a内に空き容量を確保して画像の印刷が可能になるかを把握することができる。
【0060】
(8)CPU106は、メモリカード110aに空き容量がない場合には、メモリカード110aに記録されているいずれかの画像ファイルをフラッシュメモリ111に移動させるようにした。これによって、メモリカード110a内に空き容量を確保して、プリント指定を行うことができる。
【0061】
(9)CPU106は、MPファイルから使用者によって指定された画像を抽出して生成するSPファイルのデータサイズを推定し、推定したデータサイズと、メモリカード110aの空き容量と、メモリカード110aに記録されている各画像ファイルのデータサイズとに基づいて、新たに生成するSPファイルを記録するための空き容量をメモリカード110a内に確保するために移動すべき少なくとも1つの画像ファイルを特定し、特定した画像ファイルをフラッシュメモリ111に移動させるようにした。これによって、新たに生成するSPファイルを記録するための空き容量をメモリカード110a内に確保するために移動すべき画像ファイルを自動的に特定して移動させることができる。
【0062】
―第2の実施の形態―
上述した第1の実施の形態では、DPOF(登録商標)を利用してプリント指定を行う場合の処理について説明した。しかしながら、プリント指定の方法としては、これ以外に、公知のPictBridge(登録商標)を利用した方法がある。PictBridge(登録商標)を利用してプリント指定を行う場合には、例えば、図8に示すように、デジタルカメラ100とプリンタ200とをUSBケーブルを介して接続し、使用者がデジタルカメラ100上で印刷対象の画像を選択すると、プリントJOBが実行されてプリンタ200に対してプリントコマンドと印刷対象の画像の送信が行われる。なお、デジタルカメラ100は、USBポート109aを介してプリンタ200とUSB接続され、この接続は、USBコントローラ109によって制御される。
【0063】
第2の実施の形態では、PictBridge(登録商標)をプリント指定方法として利用した場合の処理について説明する。なお、図1〜図4の各図については、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。
【0064】
以下、図9に示すフローチャートを用いて、第2の実施の形態における、PictBridge(登録商標)を利用したプリント指定処理について説明する。この図9に示す処理は、使用者によって印刷指示の開始が指示されると起動するプログラムとして、CPU106によって実行される。なお、図9においては、図7に示したフローチャートの処理と同様の処理を行うステップには、図7と同じステップ番号を付与して説明を省略し、図7との相違点を中心に説明する。なお、図9に示すフローチャートのプログラムは、例えば、フラッシュメモリ111に記録されている。
【0065】
ステップS804で肯定判断した場合、すなわちメモリカード110aに十分な空き容量がある場合には、ステップS805へ進み、CPU106は、ステップS802で特定したMPファイルの中から、使用者によって指定された画像のJPEGデータを抽出し、抽出したJPEGデータを記録したSPファイルを生成して、メモリカード110aに記録する。その後、後述するステップS907へ進む。
【0066】
これに対して、ステップS804で否定判断した場合には、すなわちメモリカード110aに空き容量がない場合には、ステップS906へ進む。ステップS906では、CPU106は、ステップS802で特定したMPファイルの中から、使用者によって指定された画像のJPEGデータを抽出し、抽出したJPEGデータを記録したSPファイルを生成して、SDRAM107へ記録する。
【0067】
すなわち、PictBridge(登録商標)を利用したプリント指定では、メモリカード110aを介さずに、USB接続されたプリンタ200に対して直接プリント指示を行えるため、新たに生成するSPファイルを必ずしもメモリカード110aに記録する必要はなく、プリントジョブの実行が完了するまでの間、SDRAM107に一時的に記録されていればよい。よって、第2の実施の形態では、メモリカード110aに新たに生成するSPファイルを記録するための空き容量がない場合には、生成したSPファイルをSDRAM107に記録するようにする。
【0068】
その後、ステップS907へ進み、CPU106は、上述したように、プリントJOBを実行して、プリンタ200に対してプリントコマンドと、印刷対象の画像ファイル、すなわちステップS805でメモリカード110aに記録したSPファイル、またはステップS906でSDRAM107に記録したSPファイルを送信する。このとき、CPU106は、ステップS906でSDRAM107に記録したSPファイルを送信したときは、送信が完了した後に、SDRAM107内のSPファイルを削除する。その後、ステップS808へ進む。
【0069】
以上の処理により、メモリカード110aに十分な空き容量がない場合であってもプリントJOBを実行して、使用者によって指定された画像の印刷を行うことができる。なお、本実施の形態では、メモリカード110aの空き容量の有無に関係なく、常にステップS906に進んで新たに生成したSPファイルをSDRAM107に記録するようにすることもできる。しかしながら、そのようにした場合には、SDRAM107は揮発性のメモリであるため、プリント指定の途中でデジタルカメラ100の電池が足りなくなった場合等、プリントを完了できなかった場合には、印刷対象として新たに生成したSPファイルは消失してしまう。このため、使用者は、再度デジタルカメラ100の電源を投入した後に、改めて画像の指定からやり直さなければならない。
【0070】
これに対して、本実施の形態のように、メモリカード110aに空き容量がある場合には、新たに生成したSPファイルをメモリカード110aに記録しておけば、途中でカメラの電池が足りなくなってプリントができなかったような場合でも、メモリカード110aに印刷対象のSPファイルが残っているため、使用者は、画像の指定からやり直さなくても印刷を行うことができる。
【0071】
以上説明した第2の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態における作用効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(1)CPU106は、メモリカード110aに記録されている、1つの画像ファイル内に複数の画像を含んでいるMPファイル内から、使用者によって指定されたいずれか1つの画像を含んだSPファイルを生成し、生成したSPファイルをメモリカード110aに記録し、生成したSPファイルをプリンタに送信するようにした。これによって、PictBridge(登録商標)を用いたプリント指定がMPファイルに対応していない場合でも、MPファイル内に含まれる画像の印刷を行うことができる。
【0072】
(2)CPU106は、メモリカード110aに空き容量がない場合には、新たに生成したSPファイルをSDRAM107へ記録し、生成したSPファイルをプリンタに送信するようにした。これによって、PictBridge(登録商標)を利用したプリント指定では、メモリカード110aを介さずに、USB接続されたプリンタ200に対して直接プリント指示を行えることを加味して、メモリカード110aに空き容量がない場合には、SDRAM107にSPファイルを記録することでプリント指定を行うことができる。
【0073】
―第3の実施の形態―
上述した第1の実施の形態では、MPファイルからJPEGデータを抽出してSPファイルを生成した場合には、新たに生成されたSPファイルが、どのMPファイルに基づいて生成されたのか、またMPファイルの中のどのJPEGデータを抽出して作成されたのかを判別可能とするために、新たに生成したSPファイルの付属情報として、生成元となったJPEGデータの画像IDを記録するようにした。第3の実施の形態では、さらに、新たに生成されたSPファイルのファイル名と、元となったMPファイルのファイル名とを関連付けることによって、使用者は、ファイル名を見るだけで新たに生成されたSPファイルがどのMPファイルから生成されたものであるかを判断できるようにする方法について説明する。
【0074】
本実施の形態では、画像ファイルは、原則としてDCF(Design rule for file system)の規格に従ってメモリカード110aに画像ファイルを記録するものとし、各画像ファイルに付されるファイル名もDCF規格に沿ったものとなる。なお、DCF規格に沿った画像ファイルの記録方法は、公知のため、詳細な説明は省略するが、ここでは、本実施の形態における新たに生成されたSPファイルと元となったMPファイルとを関連付けるためのファイル名の命名規則について説明する。
【0075】
まず、図3に示したように、DCF規格では、画像ファイルは、「DCIM」ディレクトリ内の「100ABCDE」ディレクトリ内に、それぞれファイル名が付加されて記録される。ここで、「DCIM」ディレクトリを「DCFイメージディレクトリ」と呼び、「100ABCDE」ディレクトリを「DCFディレクトリ」と呼ぶ。また、DCFディレクトリ内に記録される画像ファイルには、ASCII8文字からなるDCFファイル名が付加され、DCFファイル名の後半4文字は「0000」〜「9999」までの10進数を表すASCII文字でなければならない。
【0076】
この「0000」〜「9999」までの後半4文字を「ファイル番号」と呼び、通常各画像ファイルに一意のファイル番号が付加されるが、複数の画像ファイルをグループとして関連付けたい場合には、意図的にファイル番号を重複させることができる。このように、同じファイル番号を持った複数の画像ファイルからなるグループを「DCFオブジェクト」と呼ぶ。本実施の形態においては、新たに生成されたSPファイルのファイル名と元となったMPファイルのファイル名のファイル番号部分を同じ番号にしてDCFオブジェクトとすることにより、両画像ファイルを関連付けるようにする。
【0077】
具体的には、図10に示すように、「DSC_0003.JPM」内の画像10aを抽出して新たなSPファイルを生成した場合には、CPU106は、新たに生成した画像ファイルに「DSC_0003.JPG」というファイル名を付加する。すなわち、新たなSPファイルのファイル名のファイル番号(0003)と元のMPファイルのファイル名のファイル番号(0003)とを一致させたDCFオブジェクトとする。これによって、新たに生成したSPファイルと元となったMPファイルとを関連付けることができる。
【0078】
同様に、図10においては、「DSC_0009.JPM」内から画像が抽出されて新たなSPファイル「DSC_0009.JPG」が生成されている。これらも、新たなSPファイルのファイル名のファイル番号(0009)と元のMPファイルのファイル名のファイル番号(0009)とを一致させたDCFオブジェクトとすることによって、両画像ファイルを関連付けている。
【0079】
このように、新たなSPファイルと元のMPファイルとをファイル番号を一致させることによって関連付けることにより、使用者は、ファイル名を見るだけでSPファイルがどのMPファイルに基づいて生成されたものであるかを容易に把握できるようになり、画像ファイルの管理がしやすくなる。
【0080】
なお、新たにSPファイルを生成する際に、すでにDCFディレクトリ内にDCFオブジェクトが存在する場合、すなわち元のMPファイルと同じファイル番号のSPファイルが記録されている場合には、CPU106は、新たに生成したSPファイルに元のMPファイルと同じファイル番号を含むファイル名を付加した後、新たに生成したSPファイルで既に記録されているSPファイルを上書きする。
【0081】
あるいは、CPU106は、新たにSPファイルを生成する際に、すでにDCFディレクトリ内にDCFオブジェクトが存在する場合には、使用者に対して、新たに生成したSPファイルで既に記録されているSPファイルを上書きするか否かを問い合わせるようにしてもよい。この場合、CPU106は、使用者によって上書きが指示された場合には、新たに生成したSPファイルで既に記録されているSPファイルを上書きする。一方、使用者によって上書きをしないように指示された場合には、新たに生成したSPファイルに、元のMPファイルとは異なるファイル番号を含んだファイル名を付加して記録する。
【0082】
例えば、図10に示すように、「DSC_0003.JPM」内の画像10aを抽出して「DSC_0003.JPG」を生成した後に、さらに画像10bを抽出して新たなSPファイルを生成した場合には、CPU106は、使用者に対して、新たなSPファイルに「DSC_0003.JPG」というファイル名を付して上書きするか否かを問い合わせる。その結果、使用者が上書きをするように指示した場合には、新たなSPファイルに「DSC_0003.JPG」というファイル名を付して、既に記録されている「DSC_0003.JPG」を上書きする。これに対して、使用者が上書きをしないように指示した場合には、新たなSPファイルに対して、他の画像ファイルと重複しないファイル番号を含んだファイル名、例えば「DSC_0010.JPG」を付して、DCFディレクトリ内に記録する。
【0083】
これにより、使用者が上書きを望む場合には、新たに生成したSPファイルをDCFオブジェクトとすることにより、元のMPファイルとを関連付けることができる。一方、使用者が上書きを望まない場合には、新たに生成したSPファイルをDCFオブジェクトとせずに別途記録することにより、既に記録されているSPファイルを元のMPファイルとの関連付けを維持した状態で残したまま、新たなSPファイルの印刷も可能とすることができる。
【0084】
なお、新たに生成したSPファイルを既に記録されているSPファイルに上書きする場合であって、すでに記録されているSPファイルの印刷指定情報が作成されているときは、作成されている印刷指定情報も書き換える。このとき、すでに作成されている印刷指定情報のテキストの該当部分を書き換えてもよく、新たに印刷指定情報を生成して上書きすることとしてもよい。上書きする場合には、新たに生成したSPファイルのファイル名に基づいて、印刷指定情報中の該当箇所を検索して、元のSPファイルに関する印刷指定情報の部分を特定し、特定した部分を上書きすればよい。なお、新たなSPファイルを作成した際の処理については、例えば、強制上書き、別の番号で生成、聞いてくるモードを予め設定しておいてもよい。
【0085】
以上説明した第3の実施の形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)CPU106は、新たに生成したSPファイルに付加するファイル名のファイル番号と、元のMPファイルのファイル名のファイル番号とを一致させることにより、両画像ファイルの関連付けを行うようにした。これによって、使用者は、ファイル名を見るだけでSPファイルがどのMPファイルに基づいて生成されたものであるかを容易に把握できるようになり、画像ファイルの管理がしやすくなる。
【0086】
(2)CPU106は、新たにSPファイルを生成する際に、すでにDCFディレクトリ内にDCFオブジェクトが存在する場合には、新たに生成したSPファイルに元のMPファイルと同じファイル番号を含むファイル名を付加した後、新たに生成したSPファイルで既に記録されているSPファイルを上書きするようにした。これによって、既にSPファイルとMPファイルの関連付けが行なわれている場合でも、その後に新たに生成したSPファイルと元のMPファイルとの関連付けを行なうことができる。
【0087】
(3)CPU106は、既に記録されているSPファイルを新たなSPファイルで上書きして記録するに当たって、上書きの可否を使用者に問い合わせるようにし、使用者によって上書きが許可された場合には上書きを行い、使用者によって上書きが拒否された場合には、既に記録されているSPファイルとは異なるファイル番号のファイル名を付して、新たなSPファイルを記録するようにした。これによって、使用者が上書きを望む場合には、新たに生成したSPファイルをDCFオブジェクトとすることにより、元のMPファイルとを関連付けることができる。一方、使用者が上書きを望まない場合には、新たに生成したSPファイルをDCFオブジェクトとせずに別途記録することにより、既に記録されているSPファイルを元のMPファイルとの関連付けを維持した状態で残したまま、新たなSPファイルの印刷も可能とすることができる。
【0088】
―第4の実施の形態―
上述した第1の実施の形態では、CPU106は、プリント指定画面上でMPファイルを表示する場合には、図4に示したように、それぞれのMPファイルに格納されている複数のJPEGデータの画像を重ね合わせて表示することにより、1つのMPファイル内に複数のJPEGデータが格納されていることを表すようにした。第4の実施の形態では、さらに使用者の利便性を向上するために、使用者が図4に示すプリント指定画面上でMPファイル上にカーソルを合わせた場合には、LCDパネル105上に別のウィンドウを表示し、当該ウィンドウ内にMPファイル内に含まれる各画像データを一覧表示する。
【0089】
例えば、図11に示すように、CPU106は、使用者によってプリント指定画面上で「DSC_0003JPM」上にカーソルが合わせられた場合には、画面上にウィンドウ11aを表示して、当該ウィンドウ11aの中に「DSC_0003JPM」内に含まれる各画像データ11b〜11eを一覧表示する。また、CPU106は、使用者によってプリント指定画面上で「DSC_0009JPM」上にカーソルが合わせられた場合には、画面上にウィンドウ11fを表示して、当該ウィンドウ11fの中に「DSC_0009JPM」内に含まれる各画像データ11g〜11jを一覧表示する。
【0090】
CPU106は、使用者によってウィンドウ11a内で選択された画像データを印刷対象として特定する。これによって、使用者は、簡易な操作でMPファイル内の各画像データを確認して、印刷対象の画像データを選択することが可能となる。
【0091】
また、本実施の形態では、CPU106は、別ウィンドウ内に表示した各画像データが既に印刷対象として指定されているか否かを示すために、印刷対象に指定済みの画像データには、その旨を表示する情報を付加する。例えば、CPU106は、図12(a)に示すように、既に印刷対象に指定されている画像データ12aのみ画像の色を変えて表示したり、図12(b)に示すように、既に印刷対象に指定されている画像データに対応付けて、プリント指定済みであることを示す文字列12bを表示したりする。
【0092】
また、図12(c)に示すように、既に印刷対象に指定されている画像データに対応付けて、ファイル名を示す文字列12cを表示したり、図12(d)に示すように、既に印刷対象に指定されている画像データに対応付けて、プリント指定済みであることを示すアイコン12dを表示したりする。これによって、使用者は、どの画像データが印刷対象に指定済みであるかを容易に把握することができる。
【0093】
以上説明した第4の実施の形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)CPU106は、プリント指定画面上でMPファイルにカーソルが合わせられて選択された場合には、MPファイル内に含まれる複数の画像データを別ウィンドウ内に一覧表示し、使用者からの印刷対象画像データの指定を受け付けるようにした。これによって、使用者は、MPファイル内に含まれる画像データを容易に印刷対象として指定することができる。
【0094】
(2)CPU106は、MPファイル内に含まれる複数の画像データを別ウィンドウ内に一覧表示するに当たって、その中に印刷対象画像データに設定済みの画像データが含まれている場合には、その画像データが既に印刷対象画像データに設定されていることを示す情報を付加して表示するようにした。これによって、使用者は、どの画像データが印刷対象に指定済みであるかを容易に把握することができる。
【0095】
(3)CPU106は、図12に示したように、既に印刷対象画像データに設定されている画像の色を変えて表示する、既に印刷対象画像データに設定されていることを示す文字列を表示する、既に印刷対象画像データに設定されていることを示すアイコンを表示する、の少なくとも1つの方法により、その画像データが既に印刷対象画像データに設定されていることを示すようにした。これによって、使用者は、どの画像データが印刷対象に指定済みであるかを視覚的に把握することができる。
【0096】
―変形例―
なお、上述した実施の形態のデジタルカメラは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した第1および第2の実施の形態では、CPU106は、MPファイルから生成したSPファイルのファイル名の先頭3文字を「MLT」として、撮影によって記録された通常のSPファイルのファイル名の先頭3文字「DSC」と区別する例について説明した。また、第3の実施の形態では、ファイル名の数字部分、すなわちファイル番号を一致させることによって、両画像ファイルの関連付けを行なう例について説明した。しかしながら、CPU106は、これらの方法を組み合わせて両画像ファイルを関連付けるようにしてもよい。例えば、図6に示す例では、CPU106は、MPファイル(DSC_0005.JPM)6aの中から指定された1つのJPEGデータを抽出して生成したSPファイルには、「MLT_0005.JPGというファイル名を付ければよい。
【0097】
(2)上述した第1の実施の形態では、デジタルカメラ100上でDPOF(登録商標)を利用したプリント指定を行う例について説明した。しかしながら、DPOF(登録商標)を利用したプリント指定は、印刷対象の画像ファイル(SPファイル)とDPOF(登録商標)とをメモリカード110aに記録すればよいため、デジタルカメラ100以外の機器、例えばメモリカードスロットを搭載、または外付けしたパソコンや携帯電話等の電子機器でプリント指定を行う場合にも本発明は適用可能である。
【0098】
(3)上述した第2の実施の形態では、CPU106は、印刷終了後に、MPファイルに基づいて生成されたSPファイルをメモリカード110aから削除するようにしてもよい。
【0099】
(4)上述した第1〜第4の実施の形態では、CPU106が生成するSPファイルは、JPEGデータと、当該JPEGデータに対応したサムネイルデータ、表示画像データとを含むファイルであってもよく、JPEGデータのみを含み、サムネイルデータ等を含まないファイルであってもよい。
【0100】
(5)上述した第1〜第4の実施の形態において、MPファイルからSPファイルが作成された場合には、新たに作成されたSPファイル(例えば、図6のSPファイル6b(MLT_0010.JPG))の画像を表示画面に表示するようにしてもよい。また、表示画面に表示する際には、SPファイルが生成された時点で既に開いている画面中に表示させてもよく、一度表示画面を閉じた後、新たに画像を表示する際に表示することとしてもよい。この場合、表示されるSPファイルの画像の一部に、MPファイルから作成されたことを示す識別情報を付するようにしてもよい。
【0101】
あるいは、上記のように生成されたSPファイルを表示する場合には、MPファイル中の同じ画像(SPファイルの作成元となった画像)は表示させないようにしてもよい。また、SPファイルを作成した場合に、MPファイル中の同じ画像を見せる代わりに、それがプリント指定(DPOF)されたことが使用者にわかるようにして、生成されたSPファイルは表示しないこととしてもよい。このような構成とすることにより、使用者が同じ画像を二重でプリント指定することを防ぐことができる。
【0102】
(6)上述した第1〜第4の実施の形態では、本画像データの例として、JPEGデータを用いて説明したが、本画像データとしてその他の画像データを採用することができる。
【0103】
(7)上述した第4の実施の形態では、図12に示したいずれかの方法により、MPファイル内の画像データが既に印刷対象として指定済みであることを示す例について説明した。しかしながら、図12に示した方法以外の方法によって、印刷対象として設定済みであることを示すようにしてもよい。例えば、MPファイル内に既にDPOF(登録商標)によりプリント指定した画像データが含まれている場合には、その画像に対応付けてDPOF(登録商標)のロゴマークを表示するようにしてもよい。あるいは、MPファイル内に既にDPOF(登録商標)によりプリント指定した画像データが含まれている場合には、その画像に対応付けてDPOF(登録商標)のロゴマークを表示するようにしてもよい。あるいは、MPファイル内に既にPictBridge(登録商標)によりプリント指定した画像データが含まれている場合には、その画像に対応付けてPictBridge(登録商標)のロゴマークを表示するようにしてもよい。
【0104】
(8)上述の第1実施の形態では、印刷指定情報として印刷枚数を例として用いたが、例えば、日付や時刻などを画像とともに印刷する指定なども可能である。また、画像とともに日付や時刻を印刷する位置を、画像の上下左右端のいずれかに指定することもできる。なお、どのような印刷指定情報を作成するかの設定については、印刷対象画像を選択する前に設定していてもよく、プリント指定情報を書き込む(図7のステップS807)直前に設定することとしてもよい。
【0105】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0106】
100 デジタルカメラ、101 レンズ、102 CCD、103 画像処理回路、104 Displayコントローラ、105 LCDパネル、106 CPU、107 SDRAM、108 JPEGコーデック、109 USBコントローラ、109a USBポート、110 メモリカードコントローラ、110a メモリカード、111 フラッシュメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データを含んでいる第1の画像ファイル内の当該複数の画像データの中から、少なくとも一つの画像データを印刷対象画像データとして設定する設定手段と、
前記設定手段で設定した前記印刷対象画像データの各印刷対象画像データに対応する第2の画像ファイルを生成する画像ファイル生成手段と、
前記画像ファイル生成手段で生成した前記第2の画像ファイルを記憶媒体に記録する画像記録手段とを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記設定手段で設定した前記印刷対象画像データの印刷情報を生成して前記記憶媒体に記録する印刷情報記録手段をさらに備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子機器において、
前記設定手段によって印刷対象と設定された画像データが、前記第1の画像ファイルに含まれる画像データか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記画像ファイル生成手段は、
前記判定手段よって前記第1の画像ファイルに含まれる画像データであると判定された場合に、前記第2の画像ファイルを生成し、前記第1の画像ファイルに含まれる画像データでないと判定された場合には、前記第2の画像ファイルを生成しないことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記画像ファイル生成手段によって生成された前記第2の画像ファイルに含まれる画像データと、前記印刷対象画像データが含まれていた前記第1の画像ファイルとの関連付けを行う関連付け手段をさらに備えることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器において、
関連付け手段は、前記第2の画像ファイルのファイル名の一部と、前記印刷対象画像データが含まれていた前第1の画像ファイルのファイル名の一部とを一致させることにより、両者の関連付けを行うことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器において、
関連付け手段は、前記第2の画像ファイルのファイル名に含まれる番号と、前記印刷対象画像データが含まれていた前記第1の画像ファイルのファイル名に含まれる番号とを一致させることにより、両者の関連付けを行うことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記画像記録手段は、前記記憶媒体に既に前記第2の画像ファイルが記録されており、記録されている前記第2の画像ファイルが、新たに記録する前記第2の画像ファイルと同じ前記第1の画像ファイルに基づいて生成されたものである場合には、既に記録されている前記第2の画像ファイルを新たな前記第2の画像ファイルで上書きして記録することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器において、
前記画像記録手段は、既に記録されている前記第2の画像ファイルを新たな前記第2の画像ファイルで上書きして記録するに当たって、上書きの可否をユーザに問い合わせ、ユーザによって上書きが許可された場合には上書きを行い、ユーザによって上書きが拒否された場合には、既に記録されている前記第2の画像ファイルとは異なるファイル名を付して新たな前記第2の画像ファイルを記録することを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記画像ファイル生成手段は、前記第1の画像ファイル内の画像データに基づいて前記第2の画像ファイルを生成した場合に、前記第1の画像ファイルの付属情報に前記第2の画像ファイルを生成した画像データを特定するための情報が記録されていない場合には、前記第1の画像ファイルの付属情報と前記第2の画像ファイルの付属情報とに、前記第2の画像ファイルを生成した画像データを特定するための情報を記録することを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記記憶媒体に前記第2の画像ファイルを記録するための空き容量がない場合には、その旨を示すメッセージを表示装置に表示するメッセージ表示手段をさらに備えることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項10に記載の電子機器において、
前記メッセージ表示手段は、前記記憶媒体の空き容量を増加させるために、他の記憶媒体へ移動可能な画像ファイルの情報を含んだメッセージを表示することを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子機器において、
データを記録するための内蔵メモリと、
前記記憶媒体に前記第2の画像ファイルを記録するための空き容量がない場合には、前記記憶媒体に記録されている画像ファイルのいずれかを前記内蔵メモリに移動させる画像移動手段とをさらに備えることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求項12に記載の電子機器において、
前記画像移動手段は、前記記憶媒体の空き容量と、記録する前記第2の画像ファイルのデータサイズと、前記記憶媒体に記録されている各画像ファイルのデータサイズとに基づいて、前記記憶媒体に記録されている画像ファイルの中から、前記第2の画像ファイルを記録するための空き容量を確保するために移動すべき画像ファイルを特定し、特定した画像ファイルを前記内蔵メモリに移動させることを特徴とする電子機器。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記設定手段は、前記記憶媒体に記録されている画像ファイルを一覧表示し、一覧表示した画像ファイルの中から前記第1の画像ファイルがユーザによって選択された場合には、前記第1の画像ファイル内に含まれる複数の画像データを画面上に一覧表示して、ユーザからの前記印刷対象画像データの指定を受け付けることを特徴とする電子機器。
【請求項15】
請求項14に記載の電子機器において、
前記設定手段は、前記第1の画像ファイル内に含まれる複数の画像データを画面上に一覧表示するに当たって、その中に印刷対象画像データに設定済みの画像データが含まれている場合には、その画像データが既に印刷対象画像データに設定されていることを示す情報を付加して表示することを特徴とする電子機器。
【請求項16】
請求項15に記載の電子機器において、
前記設定手段は、(1)既に印刷対象画像データに設定されている画像の色を変えて表示する、(2)既に印刷対象画像データに設定されていることを示す文字列を表示する、および(3)既に印刷対象画像データに設定されていることを示すアイコンを表示する、の少なくとも1つの方法により、その画像データが既に印刷対象画像データに設定されていることを示す情報を付加することを特徴とする電子機器。
【請求項17】
複数の画像データを含んでいる第1の画像ファイル内の当該複数の画像データの中から、少なくとも1つの画像データを印刷対象画像データとして設定する設定手段と、
前記設定手段で設定した前記印刷対象画像データの各印刷対象画像データに対応する第2の画像ファイルを生成する画像ファイル生成手段と、
前記画像ファイル生成手段で生成した前記第2の画像ファイルを記憶媒体に記録する画像ファイル記録手段と、
前記画像ファイル生成手段で生成した前記第2の画像ファイルを印刷装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とするカメラ。
【請求項18】
請求項17に記載のカメラにおいて、
前記設定手段によって印刷対象と設定された画像データが、前記第1の画像ファイルに含まれる画像データか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記画像ファイル生成手段は、
前記判定手段よって前記第1の画像ファイルに含まれる画像データであると判定された場合に、前記第2の画像ファイルを生成し、前記第1の画像ファイルに含まれる画像データでないと判定された場合には、前記第2の画像ファイルを生成しないことを特徴とするカメラ。
【請求項19】
請求項17または18に記載のカメラにおいて、
前記画像ファイル生成手段によって生成された前記第2の画像ファイルに含まれる画像データと、前記印刷対象画像データが含まれていた前記第1の画像ファイルとの関連付けを行う関連付け手段をさらに備えることを特徴とするカメラ。
【請求項20】
請求項19に記載のカメラにおいて、
前記関連付け手段は、前記第2の画像ファイルのファイル名の一部と、前記印刷対象画像データが含まれていた前記第1の画像ファイルのファイル名の一部とを一致させることにより、両者の関連付けを行うことを特徴とするカメラ。
【請求項21】
請求項20に記載のカメラにおいて、
前記関連付け手段は、前記第2の画像ファイルのファイル名に含まれる番号と、前記印刷対象画像データが含まれていた前記第1の画像ファイルのファイル名に含まれる番号とを一致させることにより、両者の関連付けを行うことを特徴とするカメラ。
【請求項22】
請求項17〜21のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記画像記録手段は、前記記憶媒体に既に前記第2の画像ファイルが記録されており、記録されている前記第2の画像ファイルが、新たに記録する前記第2の画像ファイルと同じ前記第1の画像ファイルに基づいて生成されたものである場合には、既に記録されている前記第2の画像ファイルを新たな前記第2の画像ファイルで上書きして記録することを特徴とするカメラ。
【請求項23】
請求項22に記載のカメラにおいて、
前記画像記録手段は、既に記録されている前記第2の画像ファイルを新たな前記第2の画像ファイルで上書きして記録するに当たって、上書きの可否をユーザに問い合わせ、ユーザによって上書きが許可された場合には上書きを行い、ユーザによって上書きが拒否された場合には、既に記録されている前記第2の画像ファイルとは異なるファイル名を付して新たな前記第2の画像ファイルを記録することを特徴とするカメラ。
【請求項24】
請求項17〜23のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記設定手段は、前記記憶媒体に記録されている画像ファイルを一覧表示し、一覧表示した画像ファイルの中から前記第1の画像ファイルがユーザによって選択された場合には、前記第1の画像ファイル内に含まれる複数の画像データを画面上に一覧表示して、ユーザからの前記印刷対象画像データの指定を受け付けることを特徴とするカメラ。
【請求項25】
請求項24に記載のカメラにおいて、
前記設定手段は、前記第1の画像ファイル内に含まれる複数の画像データを画面上に一覧表示するに当たって、その中に印刷対象画像データに設定済みの画像データが含まれている場合には、その画像データが既に印刷対象画像データに設定されていることを示す情報を付加して表示することを特徴とするカメラ。
【請求項26】
請求項25に記載のカメラにおいて、
前記設定手段は、(1)既に印刷対象画像データに設定されている画像の色を変えて表示する、(2)既に印刷対象画像データに設定されていることを示す文字列を表示する、および(3)既に印刷対象画像データに設定されていることを示すアイコンを表示する、の少なくとも1つの方法により、その画像データが既に印刷対象画像データに設定されていることを示す情報を付加することを特徴とするカメラ。
【請求項27】
画像データを一時的に記録する画像メモリと、
複数の画像データを含んでいる第1の画像ファイル内の当該複数の画像データの中から、少なくとも1つの画像データを印刷対象画像データとして設定する設定手段と、
前記設定手段で設定した前記印刷対象画像データの各印刷対象画像データに対応する第2の画像ファイルを生成して、前記画像メモリに一時記録する画像ファイル生成手段と、
前記画像ファイル生成手段で生成した前記第2の画像ファイルを印刷装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−24188(P2011−24188A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40381(P2010−40381)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】