説明

電子機器、プログラム及び制御方法

【課題】データアイコンのドラッグ時に、そのアイコンに関するデータに設定されたアクセス権限の状態を、ユーザが容易に確認することができる技術を提供すること。
【解決手段】本技術の一形態に係る電子機器は、入力部と、制御部とを具備する。前記入力部は、ユーザ操作を検出し、前記ユーザ操作に応じた信号を出力する。前記制御部は、データアイコンを表示部の画面上に表示させ、前記入力部からの信号に基づいて、前記データアイコンに対するドラッグ操作を判定し、前記ドラッグ操作に応じて、前記データアイコンに関するデータのアクセス権限の状態を示すアイコンを前記画面上に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、データのアクセス権限に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが、ファイル等のデータを公開する際に、データに対してアクセス権限を設定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば、PC(Personal Computer)を使用してユーザがファイルを公開する場合、一般的に、ユーザは、ACL(Access Control List)を設定することで、アクセス権限を設定する。
【0004】
その後、ユーザは、アクセス権限が設定されたファイルを示すアイコンをドラッグして、共有フォルダ等の公開用のフォルダが表示されている位置にそのアイコンをドロップする。すると、そのフォルダに、アクセス権限が設定されたファイルがコピー(又は移動)される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−251977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アクセス権限の設定は、セキュリティ上重要であるので、一般的に、ユーザは、ファイルにアクセス権限が正しく設定されているかどうかを確認する作業を行なう。しかしながら、アクセス権限が正しく設定されているかどうかを確認するのが面倒であるといった問題がある。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、データアイコンのドラッグ時に、そのアイコンに関するデータに設定されたアクセス権限の状態を、ユーザが容易に確認することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の一形態に係る電子機器は、入力部と、制御部とを具備する。
前記入力部は、ユーザ操作を検出し、前記ユーザ操作に応じた信号を出力する。
前記制御部は、データアイコンを表示部の画面上に表示させ、前記入力部からの信号に基づいて、前記データアイコンに対するドラッグ操作を判定し、前記ドラッグ操作に応じて、前記データアイコンに関するデータのアクセス権限の状態を示すアイコンを前記画面上に表示させる。
【0009】
これにより、ユーザは、データアイコンのドラッグ時に、そのアイコンに関するデータに設定されたアクセス権限の状態を容易に確認することができる。
【0010】
上記電子機器において、前記制御部は、前記データアイコンに対するドラッグ操作に応じて、ドラッグ元の位置に前記データアイコンを表示させたまま、ドラッグ位置にデータアイコンの複製を表示させ、前記ドラッグ操作に基づく前記データアイコンの複製の移動による前記データアイコンの複製の軌跡上に、前記アイコンを表示させてもよい。
【0011】
これにより、適切な位置にアイコンを表示させることができる。
【0012】
上記電子機器において、前記制御部は、前記データアイコンに対するドラッグ操作に応じて、ドラッグ元の位置に前記データアイコンを表示させたまま、ドラッグ位置にデータアイコンの複製を表示させ、前記ドラッグ位置が、前記画面上の所定の領域内に位置するかを判定し、前記ドラッグ位置が前記領域内である場合に、前記アイコンを表示させてもよい。
【0013】
上記電子機器において、前記画面上の所定の領域は、前記データをコピー又は移動することが可能な領域であって、かつ、前記データが公開される領域を少なくとも含む領域であってもよい。
【0014】
これにより、適切なタイミングで、アイコンを表示させることができる。
【0015】
上記電子機器において、前記画面上の所定の領域は、前記データをコピー又は移動することが可能な領域であって、かつ、前記データが公開される領域よりも広く設定されていてもよい。
【0016】
上記電子機器において、
前記制御部は、前記アイコンとして、コピー又は移動を予定しているデータに対するアクセス権限の状態を編集するためのアクセス権限編集用アイコンを前記画面上に表示させ、前記入力部からの信号に基づいて、前記アクセス権限編集用アイコンに対するユーザ操作を判定し、前記ユーザ操作に応じて、コピー又は移動を予定しているデータに対するアクセス権限の状態を変更してもよい。
【0017】
これにより、ユーザは、データアイコンのドラッグ操作に応じて画面上に表示されるアクセス権限編集用アイコンに対してユーザ操作を行なうことで、コピー又は移動を予定しているデータに対するアクセス権限の状態を編集することができる。
【0018】
本技術の一形態に係るプログラムは、電子機器に、ユーザ操作を検出するステップを実行させる。
前記ユーザ操作に応じた信号を出力するステップを実行させる。
データアイコンを表示部の画面上に表示させるステップを実行させる。
前記信号に基づいて、前記データアイコンに対するドラッグ操作を判定するステップを実行させる。
前記ドラッグ操作に応じて、前記データアイコンに関するデータのアクセス権限の状態を示すアイコンを前記画面上に表示させるステップを実行させる。
【0019】
本技術の一形態に係る制御方法は、ユーザ操作が検出される。
前記ユーザ操作に応じた信号が出力される。
データアイコンが表示部の画面上に表示される。
前記信号に基づいて、前記データアイコンに対するドラッグ操作が判定される。
前記ドラッグ操作に応じて、前記データアイコンに関するデータのアクセス権限の状態を示すアイコンが前記画面上に表示される。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本技術によれば、データアイコンのドラッグ時に、そのアイコンに関するデータに設定されたアクセス権限の状態を、ユーザが容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本技術の一実施形態に係る電子機器(タブレットPC)を示す平面図である。
【図2】タブレットPCの電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】タブレットPCの処理を示すフローチャートである。
【図4】タブレットPCの処理を示すフローチャートである。
【図5】タブレットPCの処理を示すフローチャートである。
【図6】タブレットPCの処理を示すフローチャートである。
【図7】ファイルアイコンに対応するファイルに設定されているアクセス権限の一例を示す図である。
【図8】タブレットPCの処理を示すフローチャートである。
【図9】タブレットPCの処理を示すフローチャートである。
【図10】タブレットPCの処理を示すフローチャートである。
【図11】タブレットPCの処理を示すフローチャートである。
【図12】タブレットPCの処理を示すフローチャートである。
【図13】タブレットPCの処理を示すフローチャートである。
【図14】タブレットPCの処理を示すフローチャートである。
【図15】タブレットPCの処理を示すフローチャートである。
【図16】ユーザが、デスクトップ上に表示されたファイルアイコンを指でタッチした後に、その指を画面上から離さないままスライドさせたとき(ドラッグ操作したとき)の画面上の様子を示す図である。
【図17】ユーザが、デスクトップ上に表示されたファイルアイコンを指でタッチした後に、その指を画面上から離さないままスライドさせたとき(ドラッグ操作したとき)の画面上の様子を示す図である。
【図18】ユーザが一方の手の指でデスクトップ上のファイルアイコンをドラッグして、ドラッグした指を画面上から離さない状態で、他方の手の指でアクセス権限編集用アイコンをタップ操作したときの様子を示す図である。
【図19】ユーザが一方の手の指でデスクトップ上のファイルアイコンをドラッグして、ドラッグした指を画面上から離さない状態で、他方の手の指でアクセス権限編集用アイコンをタップ操作したときの様子を示す図である。
【図20】ユーザが一方の手の指でデスクトップ上のファイルアイコンをドラッグして、ドラッグした指を画面上から離さない状態で、他方の手の指でアクセス権限編集用アイコンをタップ操作したときの様子を示す図である。
【図21】ユーザが一方の手の指でデスクトップ上のファイルアイコンをドラッグして、他方の手の指でアクセス権限編集用アイコンを操作した後、ドラッグした指をフォルダ(共有フォルダ)内で離したときの画面上の様子を示す図である。
【図22】ユーザが一方の手の指でデスクトップ上のファイルアイコンをドラッグして、他方の手の指でアクセス権限編集用アイコンを操作した後、ドラッグした指をフォルダ(共有フォルダ)内で離したときの画面上の様子を示す図である。
【図23】アクセス権限編集用アイコンの表示タイミングのさらに他の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
<第1実施形態>
[電子機器の全体構成及び各部の構成]
図1は、本技術の第1実施形態に係る電子機器100を示す平面図である。本実施形態の説明では、電子機器100の一例として、タブレットPC100を例に挙げて説明する。
【0024】
図1に示すように、タブレットPC100は、z軸方向での厚さが薄い平板状の筐体10を備えている。筐体10には、画面を有する表示部12が配置される。表示部12には、ユーザの指やスタイラスペン等の接触を検出するタッチセンサ13(図2参照)(入力部)が設けられる。
【0025】
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイや、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。タッチセンサ13としては、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式等が挙げられるが、どのような方式であっても構わない。なお、第1実施形態では、タッチセンサ13は、マルチタッチによる入力が可能な形態とされる。
【0026】
図1には、画面上に表示されるGUI(Graphical User Interface)の一例が示されている。この一例では、画面上には、デスクトップと、フォルダ2(共有フォルダ)とが表示され、デスクトップ上及びフォルダ2内には、それぞれ、ファイルアイコン1(データアイコン)が表示されている。ファイルアイコン1のファイル(データ)の種類としては、文書ファイル、画像ファイル、音楽ファイル、動画ファイル、プログラムファイル等が挙げられる。
【0027】
図2は、タブレットPC100の電気的な構成を示すブロック図である。
【0028】
図2に示すように、タブレットPC100は、上記した表示部12、タッチセンサ13の他に、制御部11、通信部14、記憶部15を備えている。
【0029】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等により構成される。制御部11は、各種のプログラムに基づき種々の演算を実行し、タブレットPC100の各部を統括的に制御する。
【0030】
記憶部15は、制御部11の処理に必要な各種のプログラムが記憶される不揮発性のメモリ(例えば、ROM(Read Only memory))と、制御部11の作業領域として用いられる揮発性のメモリ(例えば、RAM(Random Access Memory))とを含む。上記プログラムは、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体から読み取られてもよい。
【0031】
通信部14は、他の装置に情報を送信したり、他の装置からの情報を受信したりする。通信部14による通信方式は、無線による通信方式であってもよいし、有線による通信方式であってもよい。
【0032】
[動作説明]
次に、第1実施形態に係るタブレットPC100の処理について説明する。図3〜図6、図8〜図15は、第1実施形態のタブレットPC100の処理を示すフローチャートである。図7は、ファイルアイコン1に対応するファイルに設定されているアクセス権限の一例を示す図である。
【0033】
図16〜図22は、画面に対するユーザ操作に応じて、タブレットPC100により各処理が実行されたときの画面上の様子を示す図である
【0034】
なお、第1実施形態では、タブレットPC100がマルチタッチ方式に対応していることとして、各処理を説明する。
【0035】
図3を参照して、まず、タブレットPC100の制御部11は、変数の初期化を実行する(ステップ101)。
【0036】
図4を参照して、制御部11は、変数の初期化として、ファイルアイコンドラッグ中のフラグをOFFとする(ステップ201)。次に、制御部11は、ドロップ可能フラグをOFFとする(ステップ202)。次に、制御部11は、タッチ移動イベントのタッチ座標を記憶する履歴リングバッファをクリアする(ステップ203)。
【0037】
履歴リングバッファは、タッチ移動イベントの座標を、イベントが発生した順に追加して記憶するバッファである。履歴リングバッファとしては、例えば、最初に追加したイベント(最も古いイベント)がバッファの先頭に配置され、最後に追加したイベント(最も新しいイベント)がバッファの最後に配置されるFIFOバッファ(FIFO:First In First Out)が用いられる。例えば、履歴リングバッファが、1000個の座標を記憶できるバッファであるとする。この場合、制御部11は、履歴リングバッファに新しい座標を追加して記憶するとき、そのリングバッファがいっぱいになっている(1000個の座標がたまっている)場合、まず、リングバッファの先頭(1個目)の座標を消去する。そして、制御部11は、その新しい座標をリングバッファの最後(1000個目)に追加して記憶する。
【0038】
再び、図3を参照して、次に、制御部11は、タッチセンサ13からイベントを取得し(ステップ102)、タッチセンサ13から取得されたイベントが、タッチの開始の検出であるかを判定する(ステップ103)。イベントがタッチの開始の検出である場合(ステップ103YES)、タッチの開始の検出に応じた処理を実行する(ステップ104)。制御部11は、タッチの開始の検出に応じた処理を実行すると、再びステップ102へ戻り、タッチセンサ13からイベントを取得する。
【0039】
一方、タッチセンサ13から取得されたイベントがタッチの開始の検出でない場合(ステップ103のNO)、制御部11は、イベントがタッチの移動の検出であるかを判定する(ステップ105)。イベントがタッチの移動の検出である場合(ステップ105のYES)、制御部11は、タッチの移動の検出に応じた処理を実行する(ステップ106)。制御部11は、タッチの移動の検出に応じた処理を実行すると、再びステップ102へ戻り、タッチセンサ13からイベントを取得する。
【0040】
一方、タッチセンサ13から取得されたイベントがタッチの移動の検出でない場合(ステップ105のNO)、制御部11は、イベントがタッチの終了の検出であるかを判定する(ステップ107)。イベントがタッチの終了の検出である場合(ステップ107のYES)、制御部11は、タッチの終了の検出に応じた処理を実行する(ステップ108)。制御部11は、タッチの終了の検出に応じた処理を実行すると、再びステップ102へ戻り、タッチセンサ13からイベントを取得する。
【0041】
図5を参照して、図3に示すステップ104の処理(タッチの開始が検出されたときの処理)を説明する。制御部11は、タッチセンサ13から取得されたイベントがタッチの開始の検出である場合(ステップ103のYES)、そのタッチの開始が、1本目の指(あるいは、スタイラスペン等、以下同様)のタッチの開始であるかを判定する(ステップ301)。1本目の指のタッチの開始であると判定された場合(ステップ301のYES)、制御部11は、ファイルアイコン1の選択時において、タッチの開始が検出されたときの処理を実行する(ステップ302)。
【0042】
一方、1本目の指のタッチの開始ではない場合(ステップ301のNO)、制御部11は、2本目の指によるタッチの開始であるかを判定する(ステップ303)。2本目の指によるタッチの開始である場合(ステップ303のYES)、制御部11は、処理の選択時において、タッチの開始が検出されたときの処理を実行する(ステップ304)。
【0043】
図6を参照して、図5に示すステップ302の処理(ファイルアイコン1の選択時において、タッチの開始が検出されたときの処理)を説明する。制御部11は、タッチの開始が、1本目の指によるタッチの開始である場合(ステップ301のYES)、画面上でファイルアイコン1が表示されている位置がタッチされたかを判定する(ステップ401)。ファイルアイコン1が表示されている位置がタッチされたと判定された場合(ステップ401のYES)、制御部11は、ファイルアイコンドラッグ中のフラグをONとする(ステップ402)。次に、制御部11は、ドロップ可能フラグをOFFとする(ステップ403)。
【0044】
次に、制御部11は、タッチが開始されたときの座標Pを履歴リングバッファに追加して記憶する(ステップ404)。次に、制御部11は、選択されたファイルアイコン1と、タッチが開始されたときの座標Pとを記憶部15に記憶する(ステップ405)。次に、制御部11は、選択されたファイルアイコン1に対応するファイルに設定されているアクセス権限の内容を記憶部15にコピーして記憶しておく(ステップ406)。
【0045】
図7には、選択されたファイルアイコン1に対応するファイルに設定されているアクセス権限の一例が示されている。図7に示す例では、アクセス権限について、ファイルの編集(変更)が「許可」とされ、ファイルのコピーが「許可」とされ、ファイルの印刷が「許可」とされている場合の一例が示されている。
【0046】
図8を参照して、図3に示すステップ106の処理(タッチの移動が検出されたときの処理)について説明する。タッチセンサ13から取得されたイベントがタッチの移動の検出である場合(ステップ105のYES)、制御部11は、そのタッチの移動が、1本目の指によるタッチの移動であるかを判定する(ステップ501)。タッチの移動が、1本目の指によるタッチの移動であると判定された場合(ステップ501のYES)、制御部11は、ファイルアイコン1の選択時において、タッチの移動が検出されたときの処理を実行する(ステップ502)。
【0047】
図9を参照して、図8に示すステップ502に示す処理(ファイルアイコン1の選択時において、タッチの移動が検出されたときの処理)について説明する。制御部11は、タッチの移動が1本目の指によるタッチの移動であると判定された場合(ステップ501のYES)、ファイルアイコンドラッグ中のフラグがONであるかを判定する(ステップ601)。
【0048】
ファイルアイコンドラッグ中のフラグがONである場合(ステップ601のYES)、制御部11は、現在、ユーザによりタッチされている座標Qを記憶部15に記憶する(ステップ602)。次に、制御部11は、ファイルアイコン1に対してタッチが開始されたときの座標P(図6、ステップ405参照)と、現在、ユーザによりタッチされている座標Qとが異なるかを判定する(ステップ603)。
【0049】
座標Pと、座標Qとが異なる場合(ファイルアイコン1のドラッグ操作がされた場合)(ステップ603のYES)、制御部11は、ゴーストアイコン4(データアイコンの複製)を画面上に表示させる(ステップ604)。また、この場合、制御部11は、ドラッグによるゴーストアイコン4の軌跡上に、記憶部15に記憶されたアクセス権限の内容に基づいて(図7参照)、アクセス権限編集用アイコン6を表示させる(ステップ605)。
【0050】
ドラッグによるゴーストアイコン4の軌跡は、履歴リングバッファに記憶された座標に基づいて、算出することができる。例えば、履歴リングバッファが1000個の座標を記憶できるバッファである場合、制御部11は、バッファの最後から数えて例えば、v個おきの座標に、アクセス権限編集用アイコン6を描画していく。具体的な一例を説明すると、vが50で、画面上に表示するアクセス権限編集用アイコン6の数が3個の場合、制御部11は、バッファの最後から数えて50番目、100番目、150番目の座標に、それぞれアクセス権限編集用アイコン6を描画する。
【0051】
例えば、3個のアクセス権限編集用アイコン6を表示すべき場合に、座標が120個しかたまっていない場合には、制御部11は、バッファの最後から数えて50番目、100番目の座標に、2つのアクセス権限編集用アイコン6を表示する。なお、画面上に表示可能なアクセス権限編集用アイコン6の数は、バッファサイズ/vにより、制限される。
【0052】
図16、図17には、ユーザが、デスクトップ上に表示されたファイルアイコン1を指でタッチした後に、その指を画面上から離さないままスライドさせたとき(ドラッグ操作したとき)の画面上の様子が示されている。
【0053】
図16及び図17に示すように、ユーザがファイルアイコン1をドラッグ操作した場合、ドラッグ元の位置にファイルアイコン1が表示させたまま、ドラッグ位置にゴーストアイコン4が表示される(ステップ604)。この場合、制御部11は、ゴーストアイコン4として、ファイルアイコン1と同じ形状の画像であって、例えば、50%の透明度の画像を画面上に表示させる。ゴーストアイコン4は、ドラッグ元のファイルアイコン1の座標位置に(Q−P)を加えた位置に表示される。
【0054】
また、図16及び図17に示すように、ユーザがファイルアイコン1をドラッグ操作した場合、ドラッグによるゴーストアイコン4の軌跡上に、アクセス権限編集用アイコン6が表示される。アクセス権限編集用アイコン6は、ゴーストアイコン4を先頭にして、ドラッグの軌跡上に順番に並べられるようにして表示される。このアクセス権限編集用アイコン6は、コピー又は移動を予定しているファイルのアクセス権限をユーザが編集するためのアイコンである。
【0055】
ここでの一例では、アクセス権限編集用アイコン6として、ゴーストアイコン4から近い側から順番に、編集権限編集用アイコン6a、コピー権限編集用アイコン6b、印刷権限編集用アイコン6cが表示された場合の一例が示されている。
【0056】
編集権限編集用アイコン6aは、錠前の画像とされおり、コピー権限編集用アイコン6bは、2枚の紙が重なっている状態の画像とされており、印刷権限編集用アイコン6cは、プリンタの画像とされている。アクセス権限編集用アイコン6に対して、どのような画像が割り当てられるかは、特に限定されず、適宜変更することができる。典型的には、アクセス権限をユーザが想起することができるような画像であれば、画像は、どのような画像であっても構わない。
【0057】
図16及び図17に示す時点では、ユーザによってアクセス権限編集用アイコン6は、まだ操作されておらず、アクセス権限編集用アイコン6は、ドラッグ元のファイルアイコン1に対応するファイルのアクセス権限の状態を示している。
【0058】
このように、本実施形態では、ユーザのファイルアイコン1のドラッグ操作に応じて、ドラッグ元のファイルアイコン1に対応するファイルのアクセス権限の状態を示すアイコン6が表示される。これにより、ユーザは、ドラッグ元のファイルアイコン1に対応するファイルに設定されているアクセス権限の状態を容易に視認することができる。
【0059】
再び図9を参照して、制御部11は、ゴーストアイコン4と、アクセス権限編集用アイコン6とを画面上に表示させると、現在、ユーザによりタッチされている画面上の座標Qが共有フォルダ上であるかを判定する(ステップ606)。ステップ606では、制御部11は、座標Q(ドラッグ位置)が、ファイルをコピー又は移動することが可能な画面上の領域内に位置するかを判定している。また、制御部11は、座標Qが、ファイルが公開される画面上の領域内に位置するかを判定している。
【0060】
現在、ユーザによりタッチされている座標Qが、共有フォルダ上である場合(ステップ606のYES)、制御部11は、ドロップ可能フラグをONとする(ステップ607)。一方、現在、ユーザによりタッチされている座標Qが共有フォルダ上ではない場合(ステップ606のNO)、制御部11は、ドロップ可能フラグをOFFとし(ステップ608)、ステップ610に進む。
【0061】
制御部11は、ドロップ可能フラグをONとすると、座標Qが指す共有フォルダを記憶部15に記憶し(ステップ609)、次のステップ610へ進む。ステップ610では、制御部11は、履歴リングバッファに座標Qを追加して記憶する。
【0062】
図10を参照して、図3に示すステップ108の処理(タッチの終了が検出されたときの処理)について説明する。タッチセンサ13から取得されたイベントが、タッチの終了の検出である場合(ステップ107のYES)、制御部11は、1本目の指によるタッチが離れたことによりタッチの終了が検出されたのかを判定する(ステップ701)。一本目の指によるタッチが離れたことによりタッチの終了が検出されたと判定された場合(ステップ701のYES)、制御部11は、ファイルアイコン1の選択時において、タッチの終了が検出されたときの処理を実行する(ステップ702)。
【0063】
一方、1本目の指によるタッチが離れたことによりタッチの終了が検出されたのではない場合(ステップ701のNO)、制御部11は、2本目の指によるタッチが離れたことによりタッチの終了が検出されたのかを判定する(ステップ703)。2本目の指によるタッチが離れたことによりタッチの終了が検出されたと判定された場合(ステップ703のYES)、制御部11は、処理の選択時において、タッチの終了が検出されたときの処理を実行する(ステップ704)。
【0064】
図11を参照して、図5に示すステップ304の処理(処理の選択時において、タッチの開始が検出されたときの処理)について説明する。タッチの開始が、2本目の指によるタッチの開始である場合(ステップ303のYES)、制御部11は、ファイルアイコンドラッグ中のフラグがONであるかを判定する(ステップ801)。ファイルアイコンドラッグ中のフラグがONである場合(ステップ801のYES)、制御部11は、2本目の指によるタッチの開始が検出された座標Sを保存する(ステップ802)。
【0065】
図12を参照して、図10に示すステップ704の処理(処理の選択時において、タッチの終了が検出されたときの処理)について説明する。タッチの終了が、2本目の指によるタッチの終了である場合(ステップ703のYES)、制御部11は、ファイルアイコンドラッグ中のフラグがONであるかを判定する(ステップ901)。ファイルアイコンドラッグ中のフラグがONである場合(ステップ901のYES)、制御部11は、2本目の指によるタッチが終了したときの座標Tを記憶部15に記憶する(ステップ902)。
【0066】
次に、制御部11は、2本目の指によるタッチが開始されたときの座標Sと、2本目の指によるタッチが終了したときの座標Tとから、画面に対するユーザ操作がどのような操作であるかを推定する(ステップ903)。
【0067】
次に、制御部11は、推定されたユーザ操作が、アクセス権限を編集するための操作であるかを判定する(ステップ904)。制御部11は、例えば、座標Sと、座標Tとが一致しており、かつ、座標S(座標T)がアクセス権限編集用アイコン6表示されている位置と一致している場合に、ユーザ操作がアクセス権限を編集するための操作であると推定する。すなわち、制御部11は、2本目の指によるアクセス権限編集用アイコン6に対するタップ操作(あるいは、タッチ操作)が検出された場合、ユーザ操作がアクセス権限を編集するための操作であると推定する。
【0068】
制御部11は、推定されたユーザ操作がアクセス権限を編集するための操作であると判定された場合(ステップ904のYES)、コピー又は移動を予定しているファイルに対するアクセス権限の編集に関する処理を実行する(ステップ905)。
【0069】
図13を参照して、図12のステップ905の処理(アクセス権限の編集に関する処理)について説明する。2本目の指によるアクセス権限編集用アイコン6に対するタップ操作が検出された場合(ステップ904のYES)、制御部11は、タップ操作の対象となったアクセス権限編集用アイコン6が示すアクセス権限が許可であるかを判定する(ステップ1001)。
【0070】
アクセス権限が許可である場合(ステップ1001のYES)、コピー又は移動を予定しているファイルに対するアクセス権限を不許可に変更する(ステップ1002)。一方、アクセス権限が不許可である場合(ステップ1001のNO)、制御部11は、コピー又は移動を予定しているファイルに対するアクセス権限を許可に変更する(ステップ1003)。
【0071】
次に、制御部11は、アクセス権限の変更に応じて、記憶部15に記憶されているアクセス権限の内容(図7参照)を更新する(ステップ1004)。そして、アクセス権限の変更に応じて、アクセス権限編集用アイコン6を再表示する(ステップ1005)。
【0072】
なお、アクセス権限編集の処理によって変更されるのは、あくまで、コピー又は移動を予定しているファイルに対するアクセス権限であり、ドラッグ元のファイルアイコン1のファイルは、アクセス権限編集の処理によっては、影響を受けない。
【0073】
図18〜20には、ユーザが一方の手の指でデスクトップ上のファイルアイコン1をドラッグして、ドラッグした指を画面上から離さない状態で、他方の手の指でアクセス権限編集用アイコン6をタップ操作したときの様子が示されている。
【0074】
図18に示すように、ユーザが他方の手の指で編集権限編集用アイコン6a(錠前の画像)をタップ操作した場合、タップ操作に応じて、編集権限の許可/不許可が反転する(トグル操作)(ステップ1001〜ステップ1005)。図18では、錠前に鍵がかかっていない状態の画像が表示されている位置をユーザがタップ操作することで、編集権限が許可から不許可に変更され、鍵がかかっている状態の画像が画面上に表示されたときの様子が示されている。
【0075】
図19に示すように、ユーザが他方の手の指でコピー権限編集用アイコン6b(2枚の紙が重ねられた画像)をタップ操作した場合、タップ操作に応じて、コピー権限の許可/不許可が反転する。図19では、2枚の紙が重ねられた画像が表示されている位置を、ユーザがタップ操作することで、コピー権限が許可から不許可に変更され、2枚の紙に×印が付加された画像が表示されたときの様子が示されている。
【0076】
図20に示すように、ユーザが他方の手の指で印刷権限編集用アイコン6c(プリンタの画像)をタップ操作した場合、タップ操作に応じて、印刷権限の許可/不許可が反転する。図20では、プリンタの画像が表示されている画面上の位置をユーザがタップ操作することで、印刷権限が許可から不許可に変更され、プリンタに×印が付加された画像が表示されたときの様子が示されている。
【0077】
このように、ユーザは、アクセス権限編集用アイコン6をタップ操作することで、コピー又は移動を予定しているファイルに対するアクセス権限の状態を、直感的かつ簡単に変更することができる。
【0078】
図14を参照して、図10に示すステップ702の処理(ファイルアイコン1の選択時において、タッチの終了が検出されたときの処理)を説明する。制御部11は、一本目の指によるタッチが離れたことによりタッチの終了が検出されたと判定された場合(ステップ701のYES)、ファイルアイコンドラッグ中のフラグがONであるかを判定する(ステップ1101)。ファイルアイコンドラッグ中のフラグがONである場合(ステップ1101のYES)、制御部11は、ドロップ可能フラグがOFFであるかを判定する(ステップ1102)。
【0079】
ドロップ可能フラグがOFFである場合(ステップ1102のYES)、制御部11は、
ゴーストアイコン4がドラッグ元のファイルアイコン1の位置に移動して戻るように、画面上の表示を制御する(ステップ1103)。この場合、ゴーストアイコン4は、ファイルアイコン1の位置まで移動すると、ファイルアイコン1と重なって画面上から消える。このとき、制御部11は、ゴーストアイコン4がドラッグ元のファイルアイコン1の位置に戻るのに応じて、アクセス権限編集用アイコン6が画面上から消えるように、画面上の表示を制御する。
【0080】
このような処理により、ドラッグ位置が、ファイルを移動又はコピー可能な領域でない状態(かつ、ファイルが公開される領域でない状態)で、ユーザがドラッグした指を画面上から離した場合(ドロップ)、ドラッグがキャンセルされる。ユーザは、ゴーストアイコン4がファイルアイコン1の位置に移動する画面上の様子を視認することで、ドラッグ操作がキャンセルされたことを直感的に認識することができる。
【0081】
一方、ドロップ可能フラグがONである場合(ステップ1102のNO)、制御部11は、ファイルのコピーに関する処理を実行する(ステップ1104)。このような処理により、ドラッグ位置が、ファイルをコピー又は移動可能な領域(かつ、ファイルが公開される領域)内に位置する状態で、ユーザがドラッグした指を画面上から離した場合(ドロップ)、ファイルのコピーに関する処理が実行される。
【0082】
制御部11は、ゴーストアイコン4がドラッグ元のファイルアイコン1の位置に戻るように画面上の表示を制御した(ドラッグをキャンセルした)後、あるいは、コピーに関する処理を実行した後、次のステップ1105へ進む。ステップ1105では、制御部11は、変数の初期化の処理を実行する(図4参照)。
【0083】
次に、図15を参照して、図14のステップ1104の処理(ファイルのコピーに関する処理)について説明する。ユーザが共有フォルダ内にドラッグした指を位置させて、その指を画面上から離した場合(ステップ1102のNO)、制御部11は、ドラッグ元のファイルアイコン1のファイルに設定されているアクセス権限の内容と、記憶部15に記憶されているアクセス権限の内容とが同じ内容であるかを判定する(ステップ1201)。
【0084】
ステップ1201では、制御部11は、ドラッグ元のファイルアイコン1のファイルに設定されているアクセス権限の内容と、アクセス権限編集用アイコン6に対するユーザ操作によって更新されたアクセス権限の内容とが一致するかを判定している。
【0085】
2つのアクセス権限の内容が同じである場合(ステップ1201のYES)、制御部11は、共有フォルダ(ドラッグ位置が指し示すコンピュータ上の場所)にドラッグ元のファイルアイコン1が示すファイルのコピーを作成する(ステップ1202)。
【0086】
一方、2つのアクセス権限の内容が異なる場合(ステップ1201のNO)、制御部11は、共有フォルダ(ドラッグ位置が指し示すコンピュータ上の場所)に新たにファイルを作成する(ステップ1203)。次に、制御部11は、記憶部15に記憶されたアクセス権限の内容(ステップ1004参照)が反映されるように、ファイルを更新する(ステップ1204)。
【0087】
なお、ステップ1204で更新されるファイルは、ドラッグ元のアイコンが示すファイルと、アクセス権限の内容が異なっているが、ファイルの内容自体は、ドラッグ元のアイコンが示すファイルと同じである。
【0088】
図21〜図22には、ユーザが一方の手の指でデスクトップ上のファイルアイコン1をドラッグして、他方の手の指でアクセス権限編集用アイコン6を操作した後、ドラッグした指をフォルダ2(共有フォルダ)内で離したときの画面上の様子が示されている。
【0089】
図21に示す状態から、ユーザがファイルアイコン1をドラッグした指を画面から離した場合、図22に示すように、ドロップ位置に、ファイルアイコン1を示す画像が表示される。このとき、アクセス権限編集用アイコン6も画面上から消える。このとき、タブレットPC100の内部では、フォルダ2(共有フォルダ)に新たにファイルが作成される(ステップ1203)。そして、記憶部15に記憶されたアクセス権限の内容が反映されるように(アクセス権限の状態の変更が反映されるように)、ファイルが更新される(ステップ1204)。
【0090】
図21に示す一例では、編集権限編集用アイコン6a(錠前の画像)、コピー権限編集用アイコン6b(2枚の紙が重なっている画像)及び印刷権限編集用アイコン6c(プリンタの画像)のアクセス権限は、全て「不許可」となっている。従って、この場合、フォルダ2(共有フォルダ)には、編集権限、コピー権限及び印刷権限が不許可とされた、ドラッグ元のファイルアイコン1のファイルと同じ内容のファイルが作成される。
【0091】
このように、ユーザは、アクセス権限編集用アイコン6をタップ操作した後、ドラッグした指を画面から離すことで、アクセス権限の状態が反映されたファイルを任意のフォルダ2にコピーすることができる。
【0092】
ステップ1104の説明では、ドラッグの対象となったファイルアイコン1に関するファイルがコピーされる場合に説明したが、ファイルのコピーの代わりに、ファイルの移動の処理が実行されてもよい。
【0093】
<各種変形例>
上述の説明では、アクセス権限編集用アイコン6の表示タイミングについて、ファイルアイコン1のドラッグ開始時にアクセス権限編集用アイコン6が表示される場合について説明した。しかしながら、アクセス権限編集用アイコン6の表示タイミングは、これに限れない。
【0094】
例えば、ユーザが一方の手の指でファイルアイコンをドラッグして、その指をフォルダ2の表示領域(ファイルのコピー又は移動が可能な画面上の領域(かつ、ファイルが公開される領域))上に位置させたときに、アクセス権限編集用アイコン6が表示されてもよい。この場合、ユーザがファイルアイコン1をドラッグした指をフォルダ2の表示領域から外すと、画面上からアクセス権限編集用アイコン6が消える。
【0095】
図9を参照して、この場合、制御部11は、ステップ605の前に、座標Q(ドラッグ位置)が、共有フォルダ上であるかを判定し、判定が肯定的である場合に、画面上に、アクセス権限編集用アイコン6を表示させればよい。これにより、適切なタイミングで、アクセス権限編集用アイコン6を画面上に表示することができる。
【0096】
あるいは、さらに他の表示タイミングで、アクセス権限編集用アイコン6を画面上に表示させることもできる。
【0097】
図23には、アクセス権限編集用アイコン6の表示タイミングのさらに他の例が示されている。図23に示す例では、ユーザがデスクトップ上に表示されたファイルアイコン1をドラッグした指を領域3内に位置させた場合に、アクセス権限編集用アイコン6が画面上に表示される場合が示されている。この場合、ユーザがファイルアイコン1をドラッグした指を領域3から外すと、画面上からアクセス権限編集用アイコン6が消える。この領域3は、画面上のフォルダ2の表示領域よりも広く設定されている。
【0098】
図9を参照して、この場合、制御部11は、ステップ605の前に、座標Q(ドラッグ位置)が、領域3内であるかを判定し、判定が肯定的である場合に、画面上に、アクセス権限編集用アイコン6を表示させればよい。
【0099】
この場合、ユーザは、領域3の内側の位置であって、フォルダ2の表示領域の外側の位置にファイルアイコン1をドラッグした一方の手の指を位置させる。そして、この状態で、他方の手の指でアクセス権限編集用アイコン6をタップ操作して、アクセス権限の許可/不許可を選択することで、ファイルの公開の準備を行なう。
【0100】
その後、ファイルアイコン1をドラッグした一方の手の指をフォルダ2の表示領域の内側に位置させて、その指を画面から離せばよい。これにより、アクセス権限の状態の変更が反映されたファイルがフォルダ2内にコピーされる。
【0101】
ここで、ユーザが、領域3の内側の位置であって、フォルダ2の表示領域の外側の位置に一方の手の指を位置させた状態で、他方の手の指でアクセス権限編集用アイコン6をタップ操作する理由を説明する。
【0102】
比較として、ユーザがファイルアイコン1をドラッグした一方の手の指をフォルダ2の表示領域の内側に位置させた状態で、他方の手の指でアクセス権限編集用アイコン6をタップ操作する場合を想定する。この場合、ユーザが他方の手の指でアクセス権限編集用アイコン6をタップ操作しているときに、ファイルアイコン1をドラッグしている一方の手が誤って画面上から離れしまうような場合が想定される。この場合、ユーザのアクセス権限の意図が反映されていないファイルが公開されてしまう。これを防止するために、ユーザは、領域3の内側の位置であって、フォルダ2の表示領域の外側の位置に一方の手の指を位置させた状態で、他方の手の指でアクセス権限編集用アイコン6をタップ操作している。
【0103】
すなわち、画面上のフォルダ2(共有フォルダ)の表示領域よりも広く領域3を設定することで、ユーザによる誤操作を防止することができる。
【0104】
なお、図18〜図20でユーザがファイルアイコン1をドラッグした一方の手の指をフォルダ2の表示領域の外側に位置させた状態で、他方の手の指でアクセス権限編集用アイコン6をタップ操作しているのも、上記理由による。
【0105】
以上の説明では、アクセス権限編集用アイコン6がドラッグによるゴーストアイコン4の軌跡上に表示される場合について説明した。しかしながら、アクセス権限編集用アイコン6の表示位置は、これに限られない。例えば、アクセス権限編集用アイコン6は、ゴーストアイコン4の近傍に、ゴーストアイコン4を囲むように表示されても構わない。あるいは、画面の上下左右の端の位置に表示されてもよい。アクセス権限編集用アイコン6がどの位置に表示されるかは、適宜変更可能である。
【0106】
以上の説明では、アクセス権限編集用アイコン6のタップ操作(あるいは、タッチ操作)により、アクセス権限の許可/不許可が変更される場合について説明した。しかし、アクセス権限編集用アイコン6に対するフリック操作やドラッグ操作により、アクセス権限の許可/不許可が変更されてもよい。例えば、ゴーストアイコン4の近傍に表示されたアクセス権限編集用アイコン6が、ゴーストアイコン4から遠ざかる方向にフリック操作された場合に、アクセス権限の許可/不許可が変更されてもよい。あるいは、例えば、ゴーストアイコン4から離れた位置に表示されたアクセス権限編集用アイコン6がドラッグされてゴーストの近傍にドロップされた場合に、アクセス権限の許可/不許可が変更されてもよい。
【0107】
以上の説明では、ドラッグの対象となるファイルアイコン1が1つの場合について説明した。しかし、複数のファイルアイコン1が一括してドラッグ操作の対象となってもよい。この場合、ユーザがアクセス権限編集用アイコン6をユーザ操作することで、複数のファイルアイコン1に対して、一括してアクセス権限の許可/不許可が変更される。
【0108】
以上の説明では、アクセス権限の状態を示すアイコンとして、アクセス権限編集用アイコン6が画面上に表示される場合について説明した。すなわち、アクセス権限の状態を操作可能なアイコンが、ドラッグ操作に応じて画面上に表示されるとして説明した。しかしながら、アクセス権限の状態を示すアイコンは、必ずしもユーザが操作可能な形態でなくてもよい。この場合、単に、ドラッグの対象となったファイルアイコン1のアクセス権限の状態を示すアイコンが、ドラッグ操作に応じて画面上に表示される。
【0109】
このように、アイコンが操作不能な形態である場合にも、ユーザは、ドラッグ元のファイルアイコン1に対応するファイルに設定されているアクセス権限の状態を容易に視認することができる。なお、アイコンが操作不能な形態の場合、シングルタッチ方式に適用することが可能である。あるいは、この場合、タッチセンサ13による入力方式ではなく、マウス(入力部)によるドラッグ操作に応じて、アクセス権限の状態を示すアイコンが画面上に表示されてもよい。
【0110】
上記各実施形態では、電子機器100の一例として、タブレットPC100を例に挙げて説明したが、電子機器100は、タブレットPC100に限られない。電子機器100の他の例としては、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、携帯音楽プレイヤー、デジタルカメラ等が挙げられる。
【0111】
本技術は、以下の構成もとることができる。
(1)ユーザ操作を検出し、前記ユーザ操作に応じた信号を出力する入力部と、
データアイコンを表示部の画面上に表示させ、前記入力部からの信号に基づいて、前記データアイコンに対するドラッグ操作を判定し、前記ドラッグ操作に応じて、前記データアイコンに関するデータのアクセス権限の状態を示すアイコンを前記画面上に表示させる制御部と
を具備する電子機器。
(2)上記(1)に記載の電子機器であって、
前記制御部は、前記データアイコンに対するドラッグ操作に応じて、ドラッグ元の位置に前記データアイコンを表示させたまま、ドラッグ位置にデータアイコンの複製を表示させ、前記ドラッグ操作に基づく前記データアイコンの複製の移動による前記データアイコンの複製の軌跡上に、前記アイコンを表示させる
電子機器。
(3)上記(1)又は(2)に記載の電子機器であって、
前記制御部は、前記データアイコンに対するドラッグ操作に応じて、ドラッグ元の位置に前記データアイコンを表示させたまま、ドラッグ位置にデータアイコンの複製を表示させ、前記ドラッグ位置が、前記画面上の所定の領域内に位置するかを判定し、前記ドラッグ位置が前記領域内である場合に、前記アイコンを表示させる
電子機器。
(4)上記(3)に記載の電子機器であって、
前記画面上の所定の領域は、前記データをコピー又は移動することが可能な領域であって、かつ、前記データが公開される領域を少なくとも含む領域である
電子機器。
(5)上記(4)に記載の電子機器であって、
前記画面上の所定の領域は、前記データをコピー又は移動することが可能な領域であって、かつ、前記データが公開される領域よりも広く設定されている
電子機器。
(6)上記(1)乃至(5)のうちいずれか1つに記載の電子機器であって、
前記制御部は、前記アイコンとして、コピー又は移動を予定しているデータに対するアクセス権限の状態を編集するためのアクセス権限編集用アイコンを前記画面上に表示させ、前記入力部からの信号に基づいて、前記アクセス権限編集用アイコンに対するユーザ操作を判定し、前記ユーザ操作に応じて、コピー又は移動を予定しているデータに対するアクセス権限の状態を変更する
(7)電子機器に、
ユーザ操作を検出するステップと、
前記ユーザ操作に応じた信号を出力するステップと、
データアイコンを表示部の画面上に表示させるステップと、
前記信号に基づいて、前記データアイコンに対するドラッグ操作を判定するステップと、
前記ドラッグ操作に応じて、前記データアイコンに関するデータのアクセス権限の状態を示すアイコンを前記画面上に表示させるステップと
を実行させるプログラム。
(8)ユーザ操作を検出し、
前記ユーザ操作に応じた信号を出力し、
データアイコンを表示部の画面上に表示させ、
前記信号に基づいて、前記データアイコンに対するドラッグ操作を判定し、
前記ドラッグ操作に応じて、前記データアイコンに関するデータのアクセス権限の状態を示すアイコンを前記画面上に表示させる
制御方法。
【符号の説明】
【0112】
1…ファイルアイコン
2…フォルダ
4…ゴーストアイコン
6…アクセス権限編集用アイコン
11…制御部
12…表示部
13…タッチセンサ
14…通信部
15…記憶部
100…電子機器(タブレットPC)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作を検出し、前記ユーザ操作に応じた信号を出力する入力部と、
データアイコンを表示部の画面上に表示させ、前記入力部からの信号に基づいて、前記データアイコンに対するドラッグ操作を判定し、前記ドラッグ操作に応じて、前記データアイコンに関するデータのアクセス権限の状態を示すアイコンを前記画面上に表示させる制御部と
を具備する電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記制御部は、前記データアイコンに対するドラッグ操作に応じて、ドラッグ元の位置に前記データアイコンを表示させたまま、ドラッグ位置にデータアイコンの複製を表示させ、前記ドラッグ操作に基づく前記データアイコンの複製の移動による前記データアイコンの複製の軌跡上に、前記アイコンを表示させる
電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記制御部は、前記データアイコンに対するドラッグ操作に応じて、ドラッグ元の位置に前記データアイコンを表示させたまま、ドラッグ位置にデータアイコンの複製を表示させ、前記ドラッグ位置が、前記画面上の所定の領域内に位置するかを判定し、前記ドラッグ位置が前記領域内である場合に、前記アイコンを表示させる
電子機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器であって、
前記画面上の所定の領域は、前記データをコピー又は移動することが可能な領域であって、かつ、前記データが公開される領域を少なくとも含む領域である
電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器であって、
前記画面上の所定の領域は、前記データをコピー又は移動することが可能な領域であって、かつ、前記データが公開される領域よりも広く設定されている
電子機器。
【請求項6】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記制御部は、前記アイコンとして、コピー又は移動を予定しているデータに対するアクセス権限の状態を編集するためのアクセス権限編集用アイコンを前記画面上に表示させ、前記入力部からの信号に基づいて、前記アクセス権限編集用アイコンに対するユーザ操作を判定し、前記ユーザ操作に応じて、コピー又は移動を予定しているデータに対するアクセス権限の状態を変更する
【請求項7】
電子機器に、
ユーザ操作を検出するステップと、
前記ユーザ操作に応じた信号を出力するステップと、
データアイコンを表示部の画面上に表示させるステップと、
前記信号に基づいて、前記データアイコンに対するドラッグ操作を判定するステップと、
前記ドラッグ操作に応じて、前記データアイコンに関するデータのアクセス権限の状態を示すアイコンを前記画面上に表示させるステップと
を実行させるプログラム。
【請求項8】
ユーザ操作を検出し、
前記ユーザ操作に応じた信号を出力し、
データアイコンを表示部の画面上に表示させ、
前記信号に基づいて、前記データアイコンに対するドラッグ操作を判定し、
前記ドラッグ操作に応じて、前記データアイコンに関するデータのアクセス権限の状態を示すアイコンを前記画面上に表示させる
制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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