説明

電子機器、制御プログラムおよび制御方法

【課題】表示部の表示方向の変更を適切に調整する。
【解決手段】制御部1aは、検出傾き情報に基づいて、傾き検出部1bで検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、傾きの角度の変化の状態に応じて、制御情報記憶部1dに記憶されている制御情報と傾き検出部1bで検出された傾きの方向および傾きの角度との少なくともいずれか一方を変更し、変更に応じて、表示部1cの表示方向を変更する。傾き検出部1bは、情報を表示する表示部1cの鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出する。制御情報記憶部1dは、表示部1cの表示方向と傾き検出部1bで検出された自装置の傾きとの対応関係を示す制御情報を記憶する。検出傾き情報記憶部1eは、傾き検出部1bで検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報を記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は電子機器、制御プログラムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、タブレットタイプ(tablet type)、コンバーチブルタイプ(convertible type)等の携帯可能なノートPC(laptop computer)、携帯情報端末装置等の情報処理装置を始めとする電子機器において、電子機器の向きに合わせて表示画面の表示方向を変更可能なものが知られている。このような電子機器では、ユーザの操作に応じて表示画面の表示方向を変更する機能を有するものが知られている。
【0003】
また、電子機器の方向を検出するために加速度センサやジャイロ等の重力の方向や動作の方向を検出するセンサを設けて、ユーザが電子機器の方向を変更させると、方向の変更に応じて表示画面の表示方向を自動的に変更するものが知られている。これにより、ユーザが常に正しい方向で表示画面を閲覧したり、電子機器を操作したりすることができる。
【0004】
これに関して、電子機器が、検出した方向に応じて表示画面の表示方向を変化させる場合に、表示方向を変化させるか否かの閾値を複数用意し、ユーザが閾値を選択することにより、表示方向の変化を設定可能にするものがある。また、傾斜センサの検出結果の履歴から電子機器の傾きを判断することにより、多少の揺れや短時間での変動への反応を防止するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−49512号公報
【特許文献2】特開2004−219791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、状況に応じてユーザが手動で閾値を選択して設定変更を行うのは、ユーザにとって煩わしいという問題点がある。
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、表示画面の表示方向の変更を適切に調整する電子機器、制御プログラムおよび制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、以下のような電子機器が提供される。開示の電子機器では、傾き検出部は、情報を表示する表示部の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出する。検出傾き情報記憶部は、傾き検出部で検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報を記憶する。制御情報記憶部は、表示部の表示方向と傾き検出部で検出された自装置の傾きとの対応関係を示す制御情報を記憶する。制御部は、検出傾き情報に基づいて、傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、傾きの角度の変化の状態に応じて、制御情報記憶部に記憶されている制御情報と傾き検出部で検出された傾きの方向および傾きの角度との少なくともいずれか一方を変更し、変更に応じて、表示部の表示方向を変更する。
【0008】
また、上記課題を解決するために、以下のような制御プログラムが提供される。開示の制御プログラムでは、コンピュータを、情報を表示する表示部の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出する傾き検出部、検出傾き情報記憶部に記憶されている傾き検出部で検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報に基づいて、傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、傾きの角度の変化の状態に応じて、制御情報記憶部に記憶されている表示部の表示方向と傾き検出部で検出された自装置の傾きとの対応関係を示す制御情報と傾き検出部で検出された傾きの方向および傾きの角度との少なくともいずれか一方を変更し、変更に応じて、表示部の表示方向を変更する制御部として機能させる。
【0009】
また、上記課題を解決するために、以下のような制御方法が提供される。開示の制御方法では、コンピュータが、情報を表示する表示部の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出し、検出傾き情報記憶部に記憶されている傾き検出部で検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報に基づいて、傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、傾きの角度の変化の状態に応じて、制御情報記憶部に記憶されている表示部の表示方向と傾き検出部で検出された自装置の傾きとの対応関係を示す制御情報と傾き検出部で検出された傾きの方向および傾きの角度との少なくともいずれか一方を変更し、変更に応じて、表示部の表示方向を変更する。
【発明の効果】
【0010】
開示の電子機器、制御プログラムおよび制御方法によれば、表示画面の表示方向の変更を適切に調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態の電子機器を示す図である。
【図2】第2の実施の形態の情報処理装置の外観を示す図である。
【図3】第2の実施の形態の情報処理装置の外観を示す図である。
【図4】第2の実施の形態の情報処理装置のハードウェア構成図である。
【図5】第2の実施の形態の情報処理装置のブロック図である。
【図6】第2の実施の形態の制御テーブルを示す図である。
【図7】第2の実施の形態の検出傾きテーブルを示す図である。
【図8】第2の実施の形態の情報処理装置の方向と表示画面の表示方向との関係を示す図である。
【図9】第2の実施の形態の情報処理装置の方向と表示画面の表示方向との関係を示す図である。
【図10】第2の実施の形態の情報処理装置の方向と表示画面の表示方向との関係を示す図である。
【図11】第2の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第1の例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第1の例における制御情報の閾値の変更を示す図である。
【図13】第2の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第1の例における制御情報の閾値の変更を示す図である。
【図14】第2の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第2の例を示す図である。
【図15】第2の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第2の例における制御情報の閾値の変更を示す図である。
【図16】第2の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第2の例における制御情報の閾値の変更を示す図である。
【図17】第2の実施の形態の画面表示方向制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施の形態の画面表示方向制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】第3の実施の形態の情報処理装置のブロック図である。
【図20】第3の実施の形態の制御テーブルを示す図である。
【図21】第3の実施の形態の情報処理装置の制御情報の設定の第1の例を示す図である。
【図22】第3の実施の形態の情報処理装置の制御情報の設定の第2の例を示す図である。
【図23】第3の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第1の例を示す図である。
【図24】第3の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第2の例を示す図である。
【図25】第3の実施の形態の画面表示方向制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図26】第3の実施の形態の画面表示方向制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図27】第4の実施の形態の情報処理装置のブロック図である。
【図28】第4の実施の形態の補正テーブルを示す図である。
【図29】第4の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の例を示す図である。
【図30】第4の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の例において、角度を補正した場合を示す図である。
【図31】第4の実施の形態の画面表示方向制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図32】第4の実施の形態の画面表示方向制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図33】第4の実施の形態の角度取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図34】第4の実施の形態の角度取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図35】第4の実施の形態の変形例の画面表示方向制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図36】第4の実施の形態の変形例の画面表示方向制御処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の電子機器を示す図である。図1に示す電子機器1は、電子機器1の表示部1cの方向に応じて、表示部1cの表示方向を変更する。電子機器1は、制御部1a、傾き検出部1b、表示部1c、制御情報記憶部1d、検出傾き情報記憶部1eを有する。また、表示部1cには表示画面1c1が表示される。
【0013】
制御部1aは、検出傾き情報に基づいて、傾き検出部1bで検出された傾きの角度の変化の状態を判定する。次に、制御部1aは、傾きの角度の変化の状態に応じて、制御情報記憶部1dに記憶されている制御情報と傾き検出部1bで検出された傾きの方向および傾きの角度との少なくともいずれか一方を変更する。次に、制御部1aは、上記変更に応じて、表示部1cの表示方向を変更する。これにより、電子機器1の傾きの変化の大小に応じて表示画面1c1の表示方向の変更を調整することができる。
【0014】
傾き検出部1bは、情報を表示する表示部1cの鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出する。傾き検出部1bは、例えば、表示部1cに設けられた加速度センサやジャイロ等の重力の方向や動作の方向を検出することにより、表示部1cの傾きおよび傾きの角度を、電子機器1の傾きの方向および傾きの角度として検出する。
【0015】
表示部1cは、情報を表示する表示画面1c1を有する。表示部1cは、表示画面1c1の表示方向を複数の方向に変更可能である。表示部1cは、一例として文字“A”のような情報を複数の方向(例えば、“上”、“下”、“左”、“右”の4方向)で表示する表示画面1c1に表示可能である。なお、表示部1cは、情報を表示画面1c1に対して任意の角度で表示可能であってもよい。なお、表示部1cに表示される情報は、文字情報に限らず、例えば、動画像または静止画像の画像情報であってもよい。
【0016】
制御情報記憶部1dは、表示部1cの表示方向と傾き検出部1bで検出された電子機器1の傾きとの対応関係を示す制御情報を記憶する。制御情報が示す電子機器1の傾き(表示部1cの傾き)と表示部1cの表示方向との対応関係により、電子機器1の表示画面1c1の表示方向が変更される。
【0017】
検出傾き情報記憶部1eは、傾き検出部1bで検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報を記憶する。検出傾き情報によって示された電子機器1における過去の傾きの方向および傾きの角度により、電子機器1の傾きの角度の変化の大小が判定される。
【0018】
以上により、表示画面の表示方向の変更を適切に調整することが可能になる。
[第2の実施の形態]
図2および図3は、第2の実施の形態の情報処理装置の外観を示す図である。図2に、ディスプレイ部120を開いた状態(通常使用状態)の情報処理装置100の図を示す。図3に、LCD(Liquid Crystal Display)121を上方に向けてディスプレイ部120を閉じた状態(タブレット状態)の情報処理装置100の図を示す。
【0019】
図2および図3に示す情報処理装置100は、後述する通常使用状態、タブレット状態および収納状態に変換可能なコンバーチブルタイプのノートPCである。情報処理装置100は、LCD121を有するディスプレイ部120、キーボード131およびCPU等の電子部品を有する本体部130ならびにディスプレイ部120と本体部130とを接続する連結部140を有する。
【0020】
LCD121は、文字または画像を表示する表示画面を有する表示装置である。なお、表示装置としては、LCD以外にも、例えば有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の他の薄型表示デバイスを用いてもよい。
【0021】
キーボード131は、文字の入力およびその他の操作を行うための入力装置である。
連結部140は、ディスプレイ部120および本体部130を開閉可能に連結する開閉軸(図示省略)、開閉軸と交差し、ディスプレイ部120および本体部130を相対的に回動可能に連結する回動軸(図示省略)を有する。情報処理装置100は、連結部140が有する開閉軸および回動軸により、本体部130に対してディスプレイ部120を開閉および回動させることによって、図2に示す通常使用状態、図3に示すタブレット状態およびLCD121を内側にしてディスプレイ部120を閉じる図示しない収納状態の3つの状態に変換することができる。
【0022】
なお、本実施の形態の情報処理装置100では、コンバーチブルタイプのノートPCについて説明したが、これに限らず、ディスプレイ部と本体部が一体または固定され、常にタブレット状態で使用されるタブレットタイプのノートPCとしてもよい。また、その他のタイプのノートPCであってもよく、さらにノートPC以外の携帯型情報端末装置等の、表示機能を有する電子機器であってもよい。
【0023】
図4は、第2の実施の形態の情報処理装置のハードウェア構成図である。情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)111によって装置全体が制御されている。CPU111には、バス118を介してRAM(Random Access Memory)112と複数の周辺機器とが接続されている。
【0024】
RAM112は、情報処理装置100の主記憶装置として使用される。RAM112には、CPU111に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM112には、CPU111による処理に必要な各種データが格納される。
【0025】
バス118に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)113、グラフィック処理装置114、入力インタフェース115、通信インタフェース116および加速度センサ117がある。
【0026】
HDD113には、情報処理装置100上のOSやアプリケーションが扱うデータが格納される。
グラフィック処理装置114には、LCD121等の表示装置が接続されている。グラフィック処理装置114は、CPU111からの命令に従って、画像をLCD121等の表示装置の表示画面に表示させる。また、グラフィック処理装置114とLCD121とは、例えば、シリアル通信ケーブルで接続され、制御信号と画像信号とが交互に送受信される。
【0027】
入力インタフェース115には、内蔵するキーボード131、LCD121、外付けされるマウス151等の入力装置が接続可能である。入力インタフェース115は、キーボード131等の入力装置から送られてくる信号を、バス118を介してCPU111に出力する。
【0028】
通信インタフェース116は、図示しないネットワークに接続されている。通信インタフェース116は、ネットワークを介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行うことができる。
【0029】
加速度センサ117は、LCD121の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向を検出するためにディスプレイ部120に設けられており、情報処理装置100に加わる重力加速度に基づいてLCD121の傾きの方向を検出する。そして、加速度センサ117は、検出した傾きの方向を示すデータをCPU111に出力する。加速度センサ117としては、例えば、ディスプレイ部120のLCD121の表示画面121aに対する平行な平面上のX軸(例えば、LCD121における上下方向の方向軸)およびY軸(例えば、LCD121における左右方向の方向軸)の2軸成分の傾きを検出可能な2軸センサを用いることができる。加速度センサ117は、X軸方向およびY軸方向を組み合わせて、LCD121の平面上の“上”、“下”、“左”、“右”の4方向のLCD121の鉛直方向に対する傾きの方向を検出する。
【0030】
なお、加速度センサ117が出力する傾きの方向を示すデータは、絶対量(例えば、鉛直下向きの表示画面121aの平面上に対する射影と表示画面121aの平面上における下方向との間の角)を示すデータでもよいし、瞬間的な傾きの変化量を示すデータであってもよい。
【0031】
LCD121は、情報処理装置100の動作に従って表示画面121aを、“上”、“下”、“左”、“右”の4方向で表示することができる。また、LCD121は、表面に設けられた表示面の圧力または静電気の変化の検出によって、表示面に対するタッチペンの接触を検出することにより、例えば、文字の入力および表示面に表示されたアイコンの選択等の、ユーザによる入力を受け付けることができる。なお、本実施の形態のLCD121は、表示画面121aを4方向に表示することができるが、これに限らず、表示画面121aを3以下の方向で表示してもよく、5以上の方向(例えば、“上”、“下”、“左”、“右”、“左上”、“右上“、“左下”、“右下”の8方向または連続的に設定可能な無数の方向)に表示してもよい。
【0032】
なお、情報処理装置100は、表示画面121aを回転させることにより表示画面121aの表示方向を変更する表示方向操作を受け付ける画面回転ボタンを有してもよい。また、情報処理装置100は、表示画面121aの表示方向の変更について、例えば、十字キーで直接的に希望する表示方向の入力を受け付けたり、マウス151による希望する表示方向の入力を受け付ける図示しない表示方向入力ウインドウを用意したりする等、画面回転ボタン以外の任意の操作方法で受け付けてもよい。
【0033】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
図5は、第2の実施の形態の情報処理装置のブロック図である。図5に示す情報処理装置100は、画像を表示する機能を有する。情報処理装置100は、制御部101、表示方向検出部102、制御情報記憶部103、検出傾き情報記憶部104、加速度センサ117、LCD121を有する。
【0034】
制御部101は、検出傾き情報記憶部104に記憶されている検出傾き情報に基づいて、加速度センサ117で検出された傾きの角度の変化の状態を判定する。このとき、制御部101は、検出傾き情報記憶部104に記憶されている検出傾き情報に基づいて、傾きの角度の変化が閾値を挟んで推移する場合には、傾きの方向および傾きの角度の変化が大きい状態であると判定する。また、制御部101は、検出傾き情報記憶部104に記憶されている検出傾き情報に基づいて、傾きの角度の変化が、閾値を超えずに閾値付近を維持した後、閾値を超えて推移する場合には、傾きの方向および傾きの角度の変化が小さい状態であると判定する。
【0035】
次に、制御部101は、傾きの角度の変化の状態に応じて、制御情報記憶部103に記憶されている制御情報の閾値を変更する。このとき、制御部101は、傾きの角度の変化が小さい状態である場合には、制御情報記憶部103に記憶されている制御情報の閾値を、小さい傾きの角度の変化で表示画面の表示方向を変更するように変更し、傾きの角度の変化が大きい状態である場合には、制御情報記憶部103に記憶されている制御情報の閾値を、大きい傾きの角度の変化で表示画面の表示方向を変更するように変更する。
【0036】
次に、制御部101は、変更された制御情報と、検出された傾きの方向および傾きの角度とに応じて、表示画面の表示方向を変更する。これにより、情報処理装置100の傾きの変化の大小に応じて表示画面の表示方向の自動回転を調整することができる。
【0037】
表示方向検出部102は、LCD121に表示されている表示画面の表示方向を検出する。表示方向検出部102は、例えば制御部101が制御部101による表示方向の自動的な変更およびユーザやアプリケーションによる変更の都度、表示画面の表示方向の制御に応じて表示方向検出部102にLCD121の表示方向を通知し、表示方向検出部102は、制御部101からの通知に基づいて表示画面の表示方向を検出してもよい。
【0038】
制御情報記憶部103は、LCD121が有する表示画面の表示方向と加速度センサ117で検出されたLCD121の傾きとの対応関係を示す制御情報を記憶する。制御情報が示すLCD121の表示方向とLCD121の傾きとの対応関係により、情報処理装置100の表示画面の表示方向が変更される。また、制御情報には、加速度センサ117で検出された傾きの方向および傾きの角度について、表示画面の表示方向を変更するか否かの閾値が設定されている。
【0039】
検出傾き情報記憶部104は、加速度センサ117で検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報を記憶する。検出傾き情報は、過去の所定の個数の時点の傾きの方向および傾きの角度の変化を示す。検出傾き情報によって示された情報処理装置100における過去の傾きの方向および傾きの角度により、情報処理装置100の傾きの角度の変化の大小が判定される。
【0040】
加速度センサ117は、情報処理装置100が有するLCD121の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出する。ここでは、加速度センサ117は、表示画面の表示方向を制御するために、LCD121の傾きを情報処理装置100の傾きとして検出する。加速度センサ117は、加速度センサ117に加えられる加速度に基づいて重力の方向を検出することにより、LCD121の傾きの方向を検出する。なお、情報処理装置100は、加速度に限らず、例えばジャイロ等により動作の方向を検出して、LCD121の傾きの方向を検出してもよい。
【0041】
LCD121は、情報を表示する表示画面を有しており、表示画面の表示方向を“上”、“下”、“左”、“右”の4方向に変更可能である。なお、これに限らず、LCD121は、表示画面の表示方向を3以下または5以上の方向に変更可能であってもよい。また、LCD121は、これに限らず、表示画面の表示方向を任意の角度で変更可能であってもよい。また、LCD121は、表示画面に文字情報や、動画像または静止画像の画像情報等の情報を表示することができる。
【0042】
図6は、第2の実施の形態の制御テーブルを示す図である。図6に示す制御テーブル103aは、制御部101によって作成および管理されると共に、制御情報記憶部103として機能するHDD113に格納されている。制御テーブル103aは、表示画面121aの表示方向と情報処理装置100の傾きとの対応関係を示し、表示画面121aの表示方向の制御に使用する制御情報を格納するテーブルである。
【0043】
制御テーブル103aには、項目として“回転角度”、“X軸方向の角度の範囲”および“Y軸方向の角度の範囲”が設けられている。各項目の情報同士が互いに関連付けられて、制御情報を構成する。ここで、詳しくは図8において後述するが、情報処理装置100のLCD121をユーザが水平かつ正面から見た場合における、ユーザの視点からLCD121に向かう方向をX軸方向とする。また、X軸を軸とする回転をX軸方向の回転とする。また、また、X軸に垂直であって、かつ、情報処理装置100のLCD121における横方向をY軸方向とする。また、Y軸を軸とする回転を、Y軸方向の回転とする。
【0044】
回転角度は、表示画面121aの表示方向を示す角度である。回転角度は、“0度”、“+90度”“+180度”、“−90度”(270度)のいずれかの値をとる。回転角度が“0度”の場合、ユーザがLCD121を水平かつ正面から見た場合における鉛直下向き方向が表示画面121aにおける下方向と一致する表示方向で、表示画面121aが表示される。また、回転角度が“+90度”の場合、ユーザがLCD121を水平かつ正面から見た場合における鉛直下向き方向が表示画面121aにおける下方向から時計回りに90度回転させた方向、すなわち、表示画面121aをLCD121に対して時計回りに90度回転させた表示方向で、表示画面121aが表示される。同様に、回転角度が“+180度”の場合、ユーザがLCD121を水平かつ正面から見た場合における鉛直下向き方向が表示画面121aにおける下方向から時計回りに180度回転させた方向、すなわち、表示画面121aの上向き方向をLCD121の下向き方向と一致させた表示方向で、表示画面121aが表示される。
また、回転角度が“−90度”の場合、ユーザがLCD121を正面から見た場合における鉛直下向き方向が表示画面121aにおける下方向から時計回りに270度回転させた方向、すなわち、表示画面121aをLCD121に対して反時計回りに90度回転させた表示方向で、表示画面121aが表示される。
【0045】
X軸方向の角度の範囲およびY軸方向の角度の範囲は、回転角度に対応する閾値の範囲を示す。X軸方向の角度が−10度から+10度の範囲内であって、Y軸方向の角度が−40度から+90度の範囲内であれば、回転角度は0度となる。X軸方向の角度が−90度から−11度の範囲内であって、Y軸方向の角度が−40度から+90度の範囲内であれば、回転角度は+90度となる。X軸方向の角度が−91度以下または+91度以上もしくはY軸方向の角度が−41度以下または+91度以上のいずれかであれば、回転角度は+180度となる。X軸方向の角度が+11度から+90度の範囲内であって、Y軸方向の角度が−40度から+90度の範囲内であれば、回転角度は−90度となる。
【0046】
情報処理装置100は、検出した情報処理装置100の傾きならびにX軸方向の角度の範囲およびY軸方向の角度の範囲に基づいて、LCD121の表示画面121aをユーザがLCD121を正面から見た場合における鉛直下向き方向が表示画面121aにおける下方向と一致する表示方向で表示する。
【0047】
本実施の形態では、回転角度は、“0度”、“+90度”“+180度”、“−90度”のいずれかの値をとるが、これに限らず、任意の角度(例えば、45度等)ごとに区分された値であってもよい。
【0048】
図7は、第2の実施の形態の検出傾きテーブルを示す図である。図7に示す検出傾きテーブル104aは、制御部101によって作成および管理されると共に、検出傾き情報記憶部104として機能するHDD113に格納されている。検出傾きテーブル104aは、加速度センサ117によって検出された情報処理装置100の傾きの履歴を示す検出傾き情報を格納するテーブルである。
【0049】
検出傾きテーブル104aは、加速度センサ117で検出された情報処理装置100の傾きを時系列に沿って最新のものから昇順で示す。加速度センサ117は、情報処理装置100の傾きを所定の時間間隔(例えば、0.1秒)で取得する。制御部101は、加速度センサ117によって取得された傾きを示す検出傾き情報を、検出傾きテーブル104aに格納する。
【0050】
検出傾きテーブル104aには、検出された情報処理装置100の傾きの時系列を示す項目である“番号”、検出された情報処理装置100の傾きのX軸方向の角度を示す“X軸方向の角度”および検出された情報処理装置100の傾きのY軸方向の角度を示す“Y軸方向の角度”が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、検出傾き情報を構成する。
【0051】
番号は、加速度センサ117で検出された情報処理装置100の傾きを最新のものから昇順で割り当てることにより、検出傾き情報の時系列における順序を示す。
X軸方向の角度は、加速度センサ117によって検出された情報処理装置100の傾きにおけるX軸方向の角度を示す。Y軸方向の角度は、加速度センサ117によって検出された情報処理装置100の傾きにおけるY軸方向の角度を示す。
【0052】
検出傾きテーブル104aには、最新の30個の検出傾き情報が格納されている。加速度センサ117により、情報処理装置100の新たな傾きが検出され、新たな検出傾き情報が検出傾きテーブル104aに格納されると、最も大きな番号が割り当てられている、最も古い検出傾き情報が廃棄され、検出傾き情報の番号が新しいものから昇順に割り当てられるように更新される。
【0053】
図8から図10は、第2の実施の形態の情報処理装置の方向と表示画面の表示方向との関係を示す図である。以下に示す図8(A)、図8(B)、図9(A)、図9(B)、図10に、情報処理装置100の方向および表示画面121aの表示方向が変更された場合について、図8(A)から図10に従って説明する。
【0054】
ここで、図8(A)から図10のそれぞれの図において、矢印Aが指す向きを右とし、矢印Bが指す向きを鉛直方向とする。
情報処理装置100は、通常使用状態やタブレット状態で使用する場合に、加速度センサ117による情報処理装置100の方向の検出に応じて、表示画面121aの方向である表示方向を切り替える。これにより、ユーザは、LCD121を縦方向に使用することができると共に、LCD121を横方向に使用することもできる。図8から図10では、タブレット状態の情報処理装置100を例示して説明するが、通常使用状態でも同様である。また、本実施の形態では、LCD121がある面を正面100aとし、ユーザが情報処理装置100のLCD121を正面かつ水平から見た場合に鉛直下向き方向の側面をタブレット状態の情報処理装置100の底面100bとする。また、ユーザが情報処理装置100のLCD121を正面かつ水平から見た場合に鉛直上向き方向の側面をタブレット状態の情報処理装置100の上面100cとする。また、情報処理装置100のLCD121における正面の方向をX軸方向とする。また、X軸を軸とする回転を、X軸方向の回転とする。また、X軸に垂直であって、かつ、情報処理装置100のLCD121における横方向をY軸方向とする。また、Y軸を軸とする回転を、Y軸方向の回転とする。
【0055】
図8(A)は、LCD121の下方向が、矢印Bが示す鉛直方向のLCD121に対する射影の方向と一致するように情報処理装置100が配置された場合において、一例として示す「A」の文字が表示された表示画面121aの表示方向の下方向がLCD121の下方向と一致して表示されている状態を示す。また、このとき情報処理装置100は、一時停止状態を解除しているものとする。
【0056】
図8(B)は、図8(A)の状態から、情報処理装置100の方向をX軸方向に−90度回転させることにより、LCD121の下方向が、矢印Bが示す鉛直方向のLCD121に対する射影の方向から時計回りに90度回転した状態で情報処理装置100が配置された場合を示す。また、このとき、情報処理装置100の自動的な表示方向の変更により、図8(A)の状態から、表示画面121aの表示方向がLCD121の下方向から反時計回りに90度回転して表示されている。これにより、情報処理装置100がX軸方向において時計回りに回転した場合にも、ユーザは情報処理装置100の回転を意識せずに表示画面121aを見ることができる。
【0057】
図9(A)は、図8(A)の状態から、情報処理装置100の方向をX軸方向に+90度回転させることにより、LCD121の下方向が、矢印Bが示す鉛直方向のLCD121に対する射影の方向から反時計回りに90度回転した状態で情報処理装置100が配置された場合を示す。また、このとき、情報処理装置100の自動的な表示方向の変更により、図8(A)の状態から、表示画面121aの表示方向がLCD121の下方向から時計回りに90度回転して表示されている。これにより、情報処理装置100がX軸方向において反時計回りに回転した場合にも、ユーザは情報処理装置100の回転を意識せずに表示画面121aを見ることができる。
【0058】
図9(B)は、図8(A)の状態から、情報処理装置100の方向をY軸方向に−45度回転させることにより、LCD121がユーザから見て後方に傾斜した状態で情報処理装置100が配置された場合を示す。また、このとき、情報処理装置100の自動的な表示方向の変更により、図8(A)の状態から、表示画面121aの表示方向がLCD121の下方向から時計回りに180度回転して表示されている。これにより、例えば、ユーザがユーザの正面方向に居る他の人物等に表示画面121aを見せようとして、情報処理装置100を後方に傾斜させた場合等、情報処理装置100がY軸方向においてLCD121がユーザから見て後方に傾斜するように回転した場合には、表示画面121aの表示方向を180度回転させて表示させることができる。
【0059】
図10は、図8(A)の状態から、情報処理装置100の方向をY軸方向に+45度回転させることにより、LCD121がユーザから見て前方に傾斜した状態で情報処理装置100が配置された場合を示す。また、このとき、情報処理装置100の自動的な表示方向の変更により、図8(A)の状態と同様、表示画面121aの表示方向の下方向がLCD121の下方向と一致して表示されている。これにより、情報処理装置100がY軸方向においてLCD121がユーザから見て前方に傾斜するように回転した場合には、ユーザは通常通りの表示方向で表示画面121aを見ることができる。
【0060】
なお、図8から図10では、X軸方向の回転のみの場合およびY軸方向の回転のみの場合の傾きについて説明しているが、X軸方向の回転およびY軸方向の回転の両方を含む傾きの場合についても同様である。
【0061】
図11は、第2の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第1の例を示す図である。図11の縦軸は、情報処理装置100のX軸方向の傾きを示す。図11の横軸は、傾きが加えられた時間である。
【0062】
ここで、例えば、ユーザが、図8(B)のように、表示画面121aの表示方向を反時計回りに90度回転した状態(回転角度−90度)で表示させようと情報処理装置100をX軸方向において時計回りに傾けているが、ユーザが傾けた回転角度が閾値を下回っており、なかなか表示画面121aの表示方向の自動回転が発生しない場合について考える。このような場合、ユーザは、望んでいる自動回転を発生させようとして、情報処理装置100の傾きを大きくすることが考えられる。図11は、このときの情報処理装置100の傾きを示す。ここでは説明の便宜上、ユーザによる情報処理装置100の傾きによってはX軸方向の回転のみが発生し、Y軸方向の回転は常に0度であって変化しないものとする。
【0063】
図11では、制御情報における表示画面121aの表示方向の反時計回りの90度の自動回転が発生する閾値は40度であるものとする。このため、ユーザが希望する自動回転が発生するには、X軸方向の回転角度が閾値である40度を超過する必要がある。
【0064】
ここで、図11の0.2秒から1.0秒において、ユーザが「希望する自動回転の閾値を超えたであろう」と考える程度の傾きを情報処理装置100に与えると共に、ユーザが与えた傾きを維持したものとする。これに対して、実際は、ユーザの与えた傾きによる情報処理装置100のX軸方向の回転は、35度であったものとする。この場合、上記閾値である40度以下であるため、ユーザが希望する自動回転は発生しない。
【0065】
次に、ユーザは、「情報処理装置100に与えた傾きが不足している」と考え、図11の1.0秒において、情報処理装置100に与える傾きを増加させた。これにより、情報処理装置100のX軸方向の回転角度が50度となり、上記閾値である40度を超過したので、ユーザの希望する、表示画面121aの表示方向が回転角度−90度となる自動回転が発生する。
【0066】
本実施の形態では、図11において前述したような、自動回転が発生する閾値に対するユーザの認識と、表示画面121aの自動回転の実際の閾値とに差異が生じており、ユーザが自動回転の発生を期待する角度で自動回転が発生しない場合には、以下に示すように、制御情報の閾値を変更することにより差異を減少させ、ユーザが自動回転の発生を期待する角度で自動回転を発生させることが可能である。
【0067】
図12および図13は、第2の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第1の例における制御情報の閾値の変更を示す図である。図12および図13の縦軸は、情報処理装置100のY軸方向の回転を示す。図12および図13の横軸は、情報処理装置100のX軸方向の回転を示す。
【0068】
図12では、表示画面121aの表示方向の回転角度が0度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が−40度から+40度の範囲であり、かつ、Y軸方向の回転角度が−40度から+90度の範囲であるものとする。また、表示画面121aの表示方向の回転角度が+90度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が−90度から−41度の範囲であり、かつ、Y軸方向の回転角度が−40度から+90度の範囲であるものとする。また、表示画面121aの表示方向の回転角度が+180度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が−91度以下または+91度以上もしくはY軸方向の回転角度が−41度以下または+91度以上であるものとする。また、表示画面121aの表示方向の回転角度が−90度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が+41度から+90度の範囲であり、かつ、Y軸方向の回転角度が−40度から+90度の範囲であるものとする。
【0069】
ここで、本実施の形態では、図17および図18において後述するように、ユーザが自動回転の発生を期待する角度で自動回転が発生しない場合には、図13に示すように、表示画面121aの表示方向の回転角度が0度の場合の閾値について、X軸方向の回転角度の正および負の閾値についてそれぞれ10度原点に近づけることにより、±30度になるように変更する。これにより、表示画面121aの表示方向の自動回転が発生し易くなり、自動回転が発生する閾値に対するユーザの認識と、情報処理装置100の自動回転の実際の閾値との差異を減少させ、ユーザが自動回転の発生を期待する角度で自動回転を発生させることが可能である。
【0070】
図14は、第2の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第2の例を示す図である。図14の縦軸は、情報処理装置100のX軸方向の傾きを示す。図14の横軸は、傾きが加えられた時間である。
【0071】
ここで、例えば、ユーザが、表示画面121aの表示方向の変化を望まないにもかかわらず、意図しない表示方向の自動回転が発生した場合について考える。このような場合、ユーザは、表示方向が自動回転の発生前に戻るように、意図しない自動回転による表示方向の回転と逆の自動回転を発生させようとして、情報処理装置100に傾きを与えることが考えられる。図14は、このときの情報処理装置100の傾きを示す。ここでは説明の便宜上、ユーザによる情報処理装置100の傾きによってはX軸方向の回転のみが発生し、Y軸方向の回転は常に0度であって変化しないものとする。
【0072】
図14では、制御情報における表示画面121aの表示方向で反時計回りの90度の自動回転が発生する閾値は20度であるものとする。このため、ユーザが意図しない自動回転が、X軸方向の回転角度が閾値である20度を超過した0.5秒で発生している。また、ユーザが希望する、意図しない自動回転と逆の自動回転が発生するには、X軸方向の回転角度が閾値である20度以下となる必要がある。
【0073】
ここで、図14の0.5秒から1.1秒において、ユーザの手ぶれにより情報処理装置100のX軸方向の回転角度が30度となり、上記閾値である20度を超過したため、ユーザの意図しない、表示画面121aの表示方向が回転角度−90度となる自動回転が発生している。また、1.1秒において、ユーザが「意図しない自動回転と逆の自動回転の閾値を超えたであろう」と考える程度の傾きを情報処理装置100に与えると共に、ユーザが与えた傾きを維持したものとする。この場合、上記閾値である20度以下であるため、ユーザが希望する、表示画面121aの表示方向が回転角度0度となる自動回転が発生する。
【0074】
本実施の形態では、図14において前述したような、表示画面121aの表示方向の自動回転が発生する閾値前後で情報処理装置100の傾きの角度が頻繁に検出され、自動回転が発生し過ぎる場合には、以下に示すように、制御情報の閾値を変更することにより自動回転の発生の条件を厳しくさせ、ユーザが自動回転の発生を期待する頻度で自動回転を発生させることが可能である。
【0075】
図15および図16は、第2の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第2の例における制御情報の閾値の変更を示す図である。図15の縦軸は、情報処理装置100のY軸方向の回転を示す。図15および図16の横軸は、情報処理装置100のX軸方向の回転を示す。また、図15および図16では、表示画面121aの表示方向の回転角度が0度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が−20度から+20度の範囲であり、かつ、Y軸方向の回転角度が−40度から+90度の範囲であるものとする。また、表示画面121aの表示方向の回転角度が+90度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が−90度から−21度の範囲であり、かつ、Y軸方向の回転角度が−40度から+90度の範囲であるものとする。また、表示画面121aの表示方向の回転角度が+180度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が−91度以下または+91度以上もしくはY軸方向の回転角度が−41度以下または+91度以上であるものとする。また、表示画面121aの表示方向の回転角度が−90度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が+21度から+90度の範囲であり、かつ、Y軸方向の回転角度が−40度から+90度の範囲であるものとする。
【0076】
ここで、本実施の形態では、図17および図18において後述するように、自動回転の閾値前後で情報処理装置100の傾きの角度が頻繁に検出され、不要な自動回転が発生している場合には、図16に示すように、表示画面121aの表示方向の回転角度が0度の場合の閾値について、X軸方向の回転角度の正および負の閾値についてそれぞれ10度原点から遠ざけることにより、±30度になるように変更する。これにより、表示画面121aの表示方向の自動回転が発生し過ぎる場合には、以下に示すように、制御情報の閾値を変更することにより自動回転の発生の条件を厳しくさせ、ユーザが自動回転の発生を期待する頻度で自動回転を発生させることが可能である。
【0077】
図17および図18は、第2の実施の形態の画面表示方向制御処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態の情報処理装置100は、画面表示方向制御処理により、情報処理装置100の傾きに基づいて表示画面121aの表示方向を制御する。本実施の形態では、情報処理装置100によってLCD121に表示画面121aが表示されている間、画面表示方向制御処理が実行される。以下、画面表示方向制御処理について説明する。
【0078】
[ステップS11]制御部101は、所定時間(例えば、0.1秒間)待機する。これにより、情報処理装置100の傾きの取得および表示画面121aの表示方向の変更の間隔の周期が一定に制御される。
【0079】
[ステップS12]制御部101は、加速度センサ117によって情報処理装置100の傾きを検出させると共に検出された情報処理装置100の傾きを示すX軸方向の角度およびY軸方向の角度を取得する。
【0080】
[ステップS13]制御部101は、ステップS12で取得したX軸方向の角度およびY軸方向の角度を検出傾きテーブル104aに格納する。
[ステップS14]制御部101は、制御テーブル103aに格納されている制御情報の閾値およびステップS12で取得したX方向の角度およびY方向の角度に基づいて情報処理装置100の方向を示すG1を決定する。
【0081】
[ステップS15]制御部101は、表示方向検出部102によって表示画面121aの最新の表示方向を検出させると共に検出された表示画面121aの表示方向を取得し、取得した表示画面121aの方向に応じて制御情報記憶部103に記憶されている最新の表示画面121aの表示方向を示すD1を決定する。
【0082】
[ステップS16]制御部101は、ステップS14で決定されたG1とステップS15で決定されたD1とが等しいか否かを判定する。D1とG1とが等しければ(ステップS16 YES)、処理はステップS11に進められる。一方、D1とG1とが等しくなければ(ステップS16 NO)、処理はステップS21(図18)に進められる。
【0083】
[ステップS21]制御部101は、表示画面121aの表示方向を情報処理装置100の方向を示すG1に応じて回転させる。
このとき、制御部101は、情報処理装置100の方向を示すG1が“0度”(情報処理装置100の下方向が鉛直下向きの方向と一致)の場合には、D1=“0度”となるように、すなわち表示画面121aの下方向が、情報処理装置100の下方向と一致するように表示画面121aを表示させる。また、制御部101は、G1が“−90度”(情報処理装置100の下方向が、向かって左方向)の場合には、D1=“−90度”となるように、すなわち表示画面121aの下方向が、情報処理装置100の右方向と一致するように表示画面121aを表示させる。また、制御部101は、G1が“+180度”(情報処理装置100の下方向が、鉛直上向きの方向)の場合には、D1=“+180”となるように、すなわち表示画面121aの下方向が、情報処理装置100の上方向と一致するように表示画面121aを表示させる。また、制御部101は、G1が“+90度”(LCD121の下方向が、向かって右方向)の場合には、D1=“+90度”となるように、すなわち表示画面121aの下方向が、LCD121の右方向と一致するように表示画面121aを表示させる。
【0084】
[ステップS22]制御部101は、検出傾きテーブル104aに格納されている情報処理装置100の傾きから、表示方向を変更する閾値には達していないが閾値との差が所定範囲(例えば、10度)以内である状態が所定時間(例えば、0.6秒)以上継続しているか否かを判定する。閾値との差が所定範囲以内である状態が所定時間以上継続していれば(ステップS22 YES)、処理はステップS26に進められる。一方、閾値との差が所定範囲以内である状態が所定時間以上継続していなければ(ステップS22 NO)、処理はステップS23に進められる。
【0085】
[ステップS23]制御部101は、検出傾きテーブル104aに格納されている情報処理装置100の傾きから、所定時間(例えば、直近1秒)以内に所定回数(例えば、2回)以上の表示方向の変更が発生しているか否かを判定する。所定時間以内に所定回数以上の表示方向の変更が発生していれば(ステップS23 YES)、処理はステップS24に進められる。一方、所定時間以内に所定回数以上の表示方向の変更が発生していなければ(ステップS23 NO)、処理はステップS11(図17)に進められる。
【0086】
[ステップS24]制御部101は、検出傾きテーブル104aに格納されている情報処理装置100の傾きから、表示方向を元に戻す画面回転が発生しているか否かを判定する。表示方向を元に戻す画面回転が発生していれば(ステップS24 YES)、処理はステップS25に進められる。一方、表示方向を元に戻す画面回転が発生していなければ(ステップS24 NO)、処理はステップS11に進められる。
【0087】
ここで、表示方向を元に戻す画面回転が発生とは、所定時間(例えば、1秒)以内に情報処理装置のX軸方向の角度またはY軸方向の角度の少なくともいずれか一方について、同一の閾値を2回往復で超えることにより、表示方向が変更された後に元の表示方向に戻ったことをいう。
【0088】
[ステップS25]制御部101は、制御テーブル103aに格納されている制御情報の閾値において、ステップS24で表示方向を元に戻す画面回転において2回往復で超えた閾値を、所定範囲(例えば、10度)原点(X軸方向の角度=0度、Y軸方向の角度=0度)から遠ざかるように更新する。その後、処理はステップS11に進められる。
【0089】
[ステップS26]制御部101は、制御テーブル103aに格納されている制御情報の閾値において、ステップS22で情報処理装置100の傾きとの差が所定範囲以内である状態が所定時間以上継続した閾値を、所定範囲(例えば、10度)原点に近づくように更新する。その後、処理はステップS11に進められる。
【0090】
ここで、ステップS25およびステップS26において、制御テーブル103aの“回転角度”が“0度”における“X軸方向の角度の範囲”の閾値を更新する場合については、情報処理装置100の左右方向の傾きに対する表示方向の回転を左右対称にするために、正の閾値を更新するときには同時に負の閾値も同様に更新するものとする。また、負の閾値を更新するときには同時に正の閾値も同様に更新するものとする。
【0091】
例えば、制御テーブル103aの回転角度が0度におけるX軸方向の角度の範囲の閾値が、図6に示すように、“−10度〜+10度”であるものとする。ここで、回転角度“−90度”(“+11度〜+90度”)との間の閾値を、10度原点から遠ざかるように更新すると、回転角度0度のX軸方向の角度の範囲の閾値は、正の閾値が増加して“−10度〜+20度”となる。これについて、情報処理装置100の左右方向の傾きに対する表示方向の回転を左右対称にするために、負の閾値である“−10”も原点から遠ざかるように更新すると、回転角度0度のX軸方向の角度の範囲の閾値は、正の閾値が増加して“−20度〜+20度”となる。回転角度“+90度”との間の閾値を更新する場合も同様である。
【0092】
なお、本実施の形態では、加速度センサ117をディスプレイ部120に設け、情報処理装置100の傾きを検出する際に、LCD121の傾きを検出し、検出したLCD121の傾きの方向に基づいて表示画面121aの表示方向を変更するが、これに限らず、本体部130等、情報処理装置100の他の場所に設けて検出した情報処理装置100の傾きの方向に基づいて表示画面121aの表示方向を変更してもよい。
【0093】
以上に示すように、第2の実施の形態によれば、情報処理装置100の傾きの変化に応じて制御情報の閾値を変更することで、LCD121の表示画面121aの表示方向の変更を適切に調整することができる。
【0094】
また、情報処理装置100の傾きの角度の変化の状態を判定し、判定結果に応じて、傾きの変化の角度が大きい状態であれば、制御情報の閾値を大きな変化で表示方向の自動回転が発生するように変更し、傾きの変化の角度が小さい状態であれば、制御情報の閾値を小さな変化で表示方向の自動回転が発生するように変更することで、LCD121の表示画面121aの表示方向の変更を適切に調整することができる。
【0095】
また、傾きの角度の変化が閾値を挟んで推移する場合には、傾きの方向および傾きの角度の変化が大きい状態であると判定することで、閾値付近で閾値を超える変化が繰り返され、表示方向の自動回転が過剰に繰り返されることを防止できる。
【0096】
また、傾きの角度の変化が、閾値を超えずに閾値付近を維持した後、閾値を超えて推移する場合には、傾きの方向および傾きの角度の変化が小さい状態であると判定することで、ユーザが自動回転を用いて表示方向を変更させようとした場合にユーザが情報処理装置100に加えた傾きが不足している場合に、閾値を変更して自動変更を発生し易くすることができる。
【0097】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明する。上記の第2の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については同一の符号を用いると共に説明を省略する。
【0098】
第3の実施の形態では、閾値が異なる2種類の制御情報を用意し、情報処理装置の傾きの変化に応じて2種類の制御情報を使い分ける点で、第2の実施の形態と異なる。
図19は、第3の実施の形態の情報処理装置のブロック図である。図19に示す情報処理装置200は、画像を表示する機能を有する。情報処理装置200は、制御部201、表示方向検出部102、制御情報記憶部203、検出傾き情報記憶部104、加速度センサ117、LCD121を有する。
【0099】
制御部201は、検出傾き情報記憶部104に記憶されている検出傾き情報に基づいて、傾きの角度の変化の状態を判定する。
次に、制御部201は、傾きの角度の変化の状態に応じて、制御情報記憶部203に記憶されている制御情報を変更する。このとき、制御部201は、傾きのX軸方向の角度の変化が小さい状態である場合には、表示画面121aの表示方向の変更に使用する制御情報を横感度強の制御情報に変更し、傾きの角度の変化が大きい状態である場合には、横感度弱の制御情報に変更する。
【0100】
次に、制御部201は、変更した横感度強の制御情報または横感度弱の制御情報と、検出された傾きの方向および傾きの角度とに応じて、表示画面121aの表示方向を変更する。これにより、情報処理装置200の傾きの変化の大小に応じて表示画面121aの表示方向の自動回転を調整することができる。
【0101】
表示方向検出部102は、LCD121に表示されている表示画面121aの表示方向を検出する。表示方向検出部102は、例えば制御部201が制御部201による表示方向の自動的な変更およびユーザやアプリケーションによる変更の都度、表示画面121aの表示方向の制御に応じて表示方向検出部102にLCD121の表示方向を通知する。なお、表示方向検出部102は、制御部201からの通知に基づいて表示画面121aの表示方向を検出してもよい。
【0102】
制御情報記憶部203は、加速度センサ117で検出された情報処理装置200の傾きと表示画面121aの表示方向との対応関係を示す制御情報を記憶する。制御情報が示す情報処理装置200の傾きと表示画面121aとの対応関係により、情報処理装置200の表示画面121aの表示方向が変更される。また、制御情報には、加速度センサ117で検出された傾きの方向および傾きの角度について、表示画面121aの表示方向を変更するか否かの閾値が設定されている。
【0103】
ここで、制御情報記憶部203は、比較的小さい角度の変化で表示画面121aの表示方向を変更するように設定された、情報処理装置200の傾きと表示画面121aの表示方向との対応関係を示す横感度強の制御情報と、横感度強の制御情報よりも大きい傾きの角度の変化で表示画面121aの表示方向を変更するように設定された、傾きと表示画面121aの表示方向との対応関係を示す横感度弱の制御情報との2種類の制御情報を記憶している。本実施の形態では、検出された情報処理装置200の傾きの変化に応じて、2種類の制御情報を使い分けることにより、表示方向の自動回転の発生を調整する。
【0104】
検出傾き情報記憶部104は、加速度センサ117で検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報を記憶する。検出傾き情報は、過去の所定の個数の時点の傾きの方向および傾きの角度の変化を示す。検出傾き情報によって示された情報処理装置200における過去の傾きの方向および傾きの角度により、情報処理装置200の傾きの角度の変化の大小が判定される。
【0105】
加速度センサ117は、情報処理装置200の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出する。ここでは、加速度センサ117は、表示画面121aの表示方向を制御するために、LCD121の傾きを情報処理装置200の傾きとして検出する。加速度センサ117は、加速度センサ117に加えられる加速度に基づいて重力の方向を検出することにより、LCD121の傾きの方向を検出する。なお、情報処理装置200は、加速度に限らず、例えばジャイロ等により動作の方向を検出して、LCD121の傾きの方向を検出してもよい。
【0106】
LCD121は、情報を表示する表示画面121aの表示方向を“上”、“下”、“左”、“右”の4方向に変更可能である。なお、これに限らず、LCD121は、表示画面121aの表示方向を3以下または5以上の方向に変更可能であってもよい。また、LCD121は、これに限らず、表示画面121aの表示方向を任意の角度で変更可能であってもよい。また、LCD121は、表示画面121aに文字情報や、動画像または静止画像の画像情報等の情報を表示することができる。
【0107】
なお、本実施の形態では、X軸方向の角度の変化の状態に応じた複数の制御情報の閾値を有するが、これに限らず、Y軸方向の角度の変化に応じた複数の制御情報の閾値を有してもよい。また、X軸方向の角度の変化に応じた制御情報は1種類のみで、Y軸方向の角度の変化のみ、これに応じた複数の制御情報の閾値を有してもよい。
【0108】
図20は、第3の実施の形態の制御テーブルを示す図である。図20に示す制御テーブル203aは、制御部101によって作成および管理されると共に、制御情報記憶部203として機能するHDD113に格納されている。制御テーブル203aは、表示画面121aの表示方向と情報処理装置200の傾きとの対応関係を示し、表示画面121aの表示方向の制御に使用する制御情報を格納するテーブルである。
【0109】
制御テーブル203aには、第2の実施の形態の制御テーブル103aと同様、項目として“回転角度”、“X軸方向の角度の範囲”および“Y軸方向の角度の範囲”が設けられている。また、制御テーブル203aは、制御テーブル103aに加えて“設定”が設けられている。各項目の情報同士が互いに関連付けられて、制御情報を構成する。
【0110】
設定は、各制御情報の閾値の設定を示す情報である。例えば、設定が“横感度強”の制御情報は、高感度であり、情報処理装置100の傾きの変化が比較的小さい場合に適する。設定が“横感度弱”の制御情報は、低感度であり、情報処理装置100の傾きの変化が比較的大きく、特に表示方向の変化を抑制したい場合に適する。横感度弱の制御情報は、横感度強の制御情報に比較して、回転角度0度となるX軸方向の角度の範囲が広い。これにより、回転角度が+90度または−90度と判定されるまでの、大きな傾きを必要とするので、比較的表示方向の変化が発生し難い。
【0111】
なお、本実施の形態では、2種類の設定の制御情報を有するが、これに限らず、3種類以上の設定の制御情報を有してもよい。
図21は、第3の実施の形態の情報処理装置の制御情報の設定の第1の例を示す図である。図22は、第3の実施の形態の情報処理装置の制御情報の設定の第2の例を示す図である。図21は、図20において前述した制御テーブル203aの制御情報における設定“横感度強”を示す。図22は、図20において前述した制御テーブル203aの制御情報における設定“横感度弱”を示す。図21および図22の縦軸は、情報処理装置200のY軸方向の回転を示す。図21および図22の横軸は、情報処理装置200のX軸方向の回転を示す。
【0112】
図21の横感度強の設定の制御情報では、表示画面121aの表示方向の回転角度が0度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が−10度から+10度の範囲であり、かつ、Y軸方向の回転角度が−40度から+90度の範囲であるものとする。また、表示画面121aの表示方向の回転角度が+90度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が−90度から−11度の範囲であり、かつ、Y軸方向の回転角度が−40度から+90度の範囲であるものとする。また、表示画面121aの表示方向の回転角度が+180度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が−91度以下または+91度以上もしくはY軸方向の回転角度が−41度以下または+91度以上であるものとする。また、表示画面121aの表示方向の回転角度が−90度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が+11度から+90度の範囲であり、かつ、Y軸方向の回転角度が−40度から+90度の範囲であるものとする。
【0113】
図22の横感度弱の設定の制御情報では、表示画面121aの表示方向の回転角度が0度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が−40度から+40度の範囲であり、かつ、Y軸方向の回転角度が−40度から+90度の範囲であるものとする。また、表示画面121aの表示方向の回転角度が+90度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が−90度から−41度の範囲であり、かつ、Y軸方向の回転角度が−40度から+90度の範囲であるものとする。また、表示画面121aの表示方向の回転角度が+180度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が−91度以下または+91度以上もしくはY軸方向の回転角度が−41度以下または+91度以上であるものとする。また、表示画面121aの表示方向の回転角度が−90度の場合の閾値は、X軸方向の回転角度が+41度から+90度の範囲であり、かつ、Y軸方向の回転角度が−40度から+90度の範囲であるものとする。
【0114】
図23は、第3の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第1の例を示す図である。図24は、第3の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の第2の例を示す図である。図23は、例えば電車内等、情報処理装置200が振動している環境であり、情報処理装置200の傾きの変化が比較的大きい状態である場合のX軸方向の角度の変化の例である。図24は、例えば机上等、情報処理装置200が安定している環境であり、情報処理装置200の傾きの変化が比較的小さい状態である場合のX軸方向の角度の変化の例である。図23および図24の縦軸は、情報処理装置200のX軸方向の傾きを示す。図23および図24の横軸は、傾きが加えられた時間である。ここでは説明の便宜上、ユーザによる情報処理装置100の傾きによってはX軸方向の回転のみが発生し、Y軸方向の回転は常に0度であって変化しないものとする。
【0115】
本実施の形態では、図23に示すように、情報処理装置200の傾きの変化が比較的大きい状態である場合、図22に示す横感度弱の設定の制御情報を使用する。また、図24に示すように、情報処理装置200の傾きの変化が比較的小さい状態である場合、図21に示す横感度強の設定の制御情報を使用する。このように、環境に応じて閾値が異なる制御情報を使い分けることで、表示方向の自動回転の発生の頻度を調整して、ユーザが見易いように表示方向を変化させることが可能になる。
【0116】
図25および図26は、第3の実施の形態の画面表示方向制御処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態の情報処理装置200は、画面表示方向制御処理により、情報処理装置200の傾きに基づいて表示画面121aの表示方向を制御する。本実施の形態では、情報処理装置200によってLCD121に表示画面121aが表示されている間、画面表示方向制御処理が実行される。以下、画面表示方向制御処理について説明する。
【0117】
[ステップS31]制御部201は、所定時間(例えば、0.1秒間)待機する。これにより、情報処理装置200の傾きの取得および表示画面121aの表示方向の変更の間隔の周期が一定に制御される。
【0118】
[ステップS32]制御部201は、加速度センサ117によって情報処理装置200の傾きを検出させると共に検出された情報処理装置200の傾きを示すX軸方向の角度およびY軸方向の角度を取得する。
【0119】
[ステップS33]制御部201は、ステップS32で取得したX軸方向の角度およびY軸方向の角度を検出傾きテーブル104aに格納する。
[ステップS34]制御部201は、検出傾きテーブル104aに格納されている情報処理装置200の傾きから、情報処理装置200の微細な傾きの変化が継続しているか否かを判定する。微細な傾きの変化が継続していれば(ステップS34 YES)、処理はステップS36に進められる。一方、微細な傾きの変化が継続していなければ(ステップS34 NO)、処理はステップS35に進められる。
【0120】
ここで、微細な傾きの変化の有無は、検出傾きテーブル104aに格納されている情報処理装置200のX軸方向の角度の変化およびY軸方向の角度の変化を観測し、微細な振動や揺れが定期的に観測されるか否かで判定する。微細な傾きの変化の有無は、例えば、連続する検出傾き情報の間における所定角度(例えば5度)以上の変化が、所定時間(例えば、3秒間)に所定回数(例えば、10回)以上観測された場合には、微細な傾きの変化が継続していると判定してもよい。
【0121】
[ステップS35]制御部201は、制御テーブル203aに格納されている横感度強の設定の制御情報の閾値を、使用する閾値に決定する。その後、処理はステップS41に進められる。
【0122】
[ステップS36]制御部201は、制御テーブル203aに格納されている横感度弱の設定の制御情報の閾値を、使用する閾値に決定する。その後、処理はステップS41に進められる。
【0123】
[ステップS41]制御部201は、ステップS34の判定に基づいてステップS35またはステップS36で決定された制御情報の閾値およびステップS32で取得したX方向の角度およびY方向の角度に基づいて情報処理装置200の方向を示すG1を決定する。
【0124】
[ステップS42]制御部201は、表示方向検出部102によって表示画面121aの最新の表示方向を検出させると共に検出された表示画面121aの表示方向を取得し、取得した表示画面121aの方向に応じて制御情報記憶部203に記憶されている最新の表示画面121aの表示方向を示すD1を決定する。
【0125】
[ステップS43]制御部201は、ステップS41で決定されたG1とステップS42で決定されたD1とが等しいか否かを判定する。D1とG1とが等しければ(ステップS43 YES)、処理はステップS31(図25)に進められる。一方、D1とG1とが等しくなければ(ステップS43 NO)、処理はステップS44に進められる。
【0126】
[ステップS44]制御部201は、表示画面121aの表示方向を情報処理装置200の方向を示すG1に応じて回転させる。その後、処理はステップS31に進められる。
以上に示すように、第3の実施の形態によれば、情報処理装置200の傾きの変化に応じて制御情報の閾値を変更することで、LCD121の表示画面121aの表示方向の変更を適切に調整することができる。
【0127】
また、情報処理装置200の傾きの角度の変化の状態を判定し、判定結果に応じて、傾きのX軸方向の角度の変化が小さい状態である場合には、表示画面121aの表示方向の変更に使用する制御情報を横感度強の制御情報に変更し、傾きの角度の変化が大きい状態である場合には、横感度弱の制御情報に変更することで、LCD121の表示画面121aの表示方向の変更を適切に調整することができる。
【0128】
また、傾きの角度の変化が閾値を挟んで推移する場合には、傾きの方向および傾きの角度の変化が大きい状態であると判定することで、閾値付近で閾値を超える変化が繰り返され、表示方向の自動回転が過剰に繰り返されることを防止できる。
【0129】
また、傾きの角度の変化が、閾値を超えずに閾値付近を維持した後、閾値を超えて推移する場合には、傾きの方向および傾きの角度の変化が小さい状態であると判定することで、ユーザが自動回転を用いて表示方向を変更させようとした場合にユーザが情報処理装置200に加えた傾きが不足している場合に、閾値を変更して自動変更を発生し易くすることができる。
【0130】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態について説明する。上記の第2の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については同一の符号を用いると共に説明を省略する。
【0131】
第4の実施の形態では、制御情報の閾値を変更せず、加速度センサで検出された情報処理装置の傾きの角度を補正して表示方向の自動回転の発生を調整する点で、第2の実施の形態と異なる。
【0132】
図27は、第4の実施の形態の情報処理装置のブロック図である。図27に示す情報処理装置300は、画像を表示する機能を有する。情報処理装置300は、制御部301、表示方向検出部102、制御情報記憶部103、検出傾き情報記憶部104、補正情報記憶部305、加速度センサ117、LCD121を有する。
【0133】
制御部301は、検出傾き情報記憶部104に記憶されている検出傾き情報に基づいて、傾きの角度の変化の状態を判定する。このとき、制御部301は、検出傾き情報記憶部104に記憶されている検出傾き情報に基づいて、傾きの角度の変化が閾値を挟んで推移する場合には、傾きの方向および傾きの角度の変化が大きい状態であると判定する。また、制御部301は、検出傾き情報記憶部104に記憶されている検出傾き情報に基づいて、傾きの角度の変化が、閾値を超えずに閾値付近を維持した後、閾値を超えて推移する場合には、傾きの方向および傾きの角度の変化が小さい状態であると判定する。
【0134】
次に、制御部301は、傾きの角度の変化の状態に応じて、補正情報により傾きの角度を変更して、制御情報記憶部103に記憶されている制御情報と、傾きの方向および変更した傾きの角度とに応じて、表示画面121aの表示方向を変更する。このとき、制御部301は、傾きの角度の変化が小さい状態である場合には、制御情報記憶部103に記憶されている制御情報の閾値を、小さい傾きの角度の変化で表示画面121aの表示方向を変更するように変更し、傾きの角度の変化が大きい状態である場合には、制御情報記憶部103に記憶されている制御情報の閾値を、大きい傾きの角度の変化で表示画面121aの表示方向を変更するように変更する。
【0135】
次に、制御部301は、制御情報記憶部103に記憶されている制御情報と、補正情報により変更された傾きの方向および傾きの角度とに応じて、表示画面121aの表示方向を変更する。これにより、情報処理装置300の傾きの変化の大小に応じて表示画面121aの表示方向の自動回転を調整することができる。
【0136】
表示方向検出部102は、LCD121に表示されている表示画面121aの表示方向を検出する。表示方向検出部102は、例えば制御部301が制御部301による表示方向の自動的な変更およびユーザやアプリケーションによる変更の都度、表示画面121aの表示方向の制御に応じて表示方向検出部102にLCD121の表示方向を通知する。なお、表示方向検出部102は、制御部301からの通知に基づいて表示画面121aの表示方向を検出してもよい。
【0137】
制御情報記憶部103は、加速度センサ117で検出された情報処理装置300の傾きと表示画面121aの表示方向との対応関係を示す制御情報を記憶する。制御情報が示す情報処理装置300の傾きと表示画面121aとの対応関係により、情報処理装置300の表示画面121aの表示方向が変更される。また、制御情報には、加速度センサ117で検出された傾きの方向および傾きの角度について、表示画面121aの表示方向を変更するか否かの閾値が設定されている。
【0138】
検出傾き情報記憶部104は、加速度センサ117で検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報を記憶する。検出傾き情報は、過去の所定の個数の時点の傾きの方向および傾きの角度の変化を示す。検出傾き情報によって示された情報処理装置300における過去の傾きの方向および傾きの角度により、情報処理装置300の傾きの角度の変化の大小が判定される。
【0139】
加速度センサ117は、情報処理装置300の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出する。ここでは、加速度センサ117は、表示画面121aの表示方向を制御するために、LCD121の傾きを情報処理装置300の傾きとして検出する。加速度センサ117は、加速度センサ117に加えられる加速度に基づいて重力の方向を検出することにより、LCD121の傾きの方向を検出する。なお、情報処理装置300は、加速度に限らず、例えばジャイロ等により動作の方向を検出して、LCD121の傾きの方向を検出してもよい。
【0140】
LCD121は、情報を表示する表示画面121aの表示方向を“上”、“下”、“左”、“右”の4方向に変更可能である。なお、これに限らず、LCD121は、表示画面121aの表示方向を3以下または5以上の方向に変更可能であってもよい。また、LCD121は、これに限らず、表示画面121aの表示方向を任意の角度で変更可能であってもよい。また、LCD121は、表示画面121aに文字情報や、動画像または静止画像の画像情報等の情報を表示することができる。
【0141】
補正情報記憶部305は、検出傾き情報の変化が小さい状態である場合には、加速度センサ117で検出された傾きの角度の絶対値を増加させるように変更し、検出傾き情報の変化が大きい状態である場合には、加速度センサ117で検出された傾きの角度の絶対値を減少させるように変更する補正情報を記憶している。
【0142】
図28は、第4の実施の形態の補正テーブルを示す図である。図28に示す補正テーブル305aは、制御部301によって作成および管理されると共に、補正情報記憶部305として機能するHDD113に格納されている。補正テーブル305aは、加速度センサ117によって検出された情報処理装置300の傾きを補正する補正情報を格納するテーブルである。
【0143】
補正テーブル305aには、“名称”、“補正角度”が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、補正情報を構成する。
名称は、補正情報を適用する条件のX軸方向またはY軸方向の区別および各軸における角度の正負を示す情報である。
【0144】
補正角度は、名称が示す条件に該当する場合において角度を補正する値を示す情報である。
“XPlus”は、加速度センサ117で検出された情報処理装置300のX軸方向の角度が正である場合に、検出されたX軸方向の角度を補正するためにX軸方向の角度に加算される値である。“XMinus”は、加速度センサ117で検出された情報処理装置300のX軸方向の角度が負である場合に、検出されたX軸方向の角度を補正するためにX軸方向の角度に加算される値である。“YPlus”は、加速度センサ117で検出された情報処理装置300のY軸方向の角度が正である場合に、検出されたY軸方向の角度を補正するためにY軸方向の角度に加算される値である。“YMinus”は、加速度センサ117で検出された情報処理装置300のY軸方向の角度が負である場合に、検出されたY軸方向の角度を補正するためにY軸方向の角度に加算される値である。
【0145】
図29は、第4の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の例を示す図である。図30は、第4の実施の形態の情報処理装置の角度の変化の例において、角度を補正した場合を示す図である。図29および図30の縦軸は、情報処理装置100のX軸方向の傾きを示す。図29および図30の横軸は、傾きが加えられた時間である。ここでは説明の便宜上、ユーザによる情報処理装置100の傾きによってはX軸方向の回転のみが発生し、Y軸方向の回転は常に0度であって変化しないものとする。
【0146】
ここで、例えば、図11と同様、ユーザが、図8(B)のように、表示画面121aの表示方向を反時計回りに90度回転した状態(回転角度−90度)で表示させようと、情報処理装置300をX軸方向において時計回りに傾けた状態を維持しているが、ユーザが傾けた回転角度が閾値を下回っており、なかなか表示画面121aの表示方向の自動回転が発生しない場合について考える。このような場合、ユーザは、情報処理装置300の傾きを大きくすることで、望んでいる自動回転を発生させると考えられる。ここでは、制御情報における表示画面121aの表示方向の反時計回りの90度の自動回転が発生する閾値は40度であるものとする。このため、ユーザが希望する自動回転が発生するには、X軸方向の回転角度が閾値である40度を超過する必要がある。
【0147】
図29では、0.2秒から1.0秒において、ユーザが「希望する自動回転の閾値を超えたであろう」と考える程度の傾きを情報処理装置300に与えると共に、ユーザが与えた傾きを維持したものとする。これに対して、実際は、ユーザの与えた傾きによる情報処理装置100のX軸方向の回転は、35度であったものとする。この場合、上記閾値である40度以下であるため、ユーザが希望する自動回転は発生しない。
【0148】
次に、ユーザは、「情報処理装置300に与えた傾きが不足している」と考え、図29の1.0秒において、情報処理装置300に与える傾きを増加させた。これにより、情報処理装置300のX軸方向の回転角度が50度となり、上記閾値である40度を超過したので、ユーザの希望する、表示画面121aの表示方向が回転角度−90度となる自動回転がようやく発生する。
【0149】
これに対して、図30では、加速度センサ117で検出された情報処理装置300の傾きにおけるX軸方向の角度を、補正情報により補正している。これにより、図30の0.2秒においてユーザが「希望する自動回転の閾値を超えたであろう」と考える程度の傾きを情報処理装置300に与えることにより、情報処理装置300のX軸方向の回転角度が50度となり、上記閾値である40度を超過したので、ユーザの希望する、表示画面121aの表示方向が回転角度−90度となる自動回転が発生する。
【0150】
本実施の形態では、図30において前述したような、自動回転が発生する閾値に対するユーザの認識と、表示画面121aの自動回転の実際の閾値とに差異が生じており、ユーザが自動回転の発生を期待する角度で自動回転が発生しない場合には、以下に示すように、検出された情報処理装置300の傾きを補正することにより差異を減少させ、ユーザが自動回転の発生を期待する角度で自動回転を発生させることが可能である。
【0151】
図31および図32は、第4の実施の形態の画面表示方向制御処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態の情報処理装置300は、画面表示方向制御処理により、情報処理装置300の傾きに基づいて表示画面121aの表示方向を制御する。本実施の形態では、情報処理装置300によってLCD121に表示画面121aが表示されている間、画面表示方向制御処理が実行される。以下、画面表示方向制御処理について説明する。
【0152】
[ステップS51]制御部301は、所定時間(例えば、0.1秒間)待機する。これにより、情報処理装置300の傾きの取得および表示画面121aの表示方向の変更の間隔の周期が一定に制御される。
【0153】
[ステップS52]制御部301は、図33および図34において後述する角度取得処理を実行し、加速度センサ117によって情報処理装置300の傾きを検出させると共に検出された情報処理装置300の傾きを示すX軸方向の角度およびY軸方向の角度を取得する。
【0154】
[ステップS53]制御部301は、ステップS52で取得したX軸方向の角度およびY軸方向の角度を検出傾きテーブル104aに格納する。
[ステップS54]制御部301は、制御テーブル103aに格納されている制御情報の閾値およびステップS52で取得したX方向の角度およびY方向の角度に基づいて情報処理装置300の方向を示すG1を決定する。
【0155】
[ステップS55]制御部301は、表示方向検出部102によって表示画面121aの最新の表示方向を検出させると共に検出された表示画面121aの表示方向を取得し、取得した表示画面121aの方向に応じて制御情報記憶部103に記憶されている最新の表示画面121aの表示方向を示すD1を決定する。
【0156】
[ステップS56]制御部301は、ステップS54で決定されたG1とステップS55で決定されたD1とが等しいか否かを判定する。D1とG1とが等しければ(ステップS56 YES)、処理はステップS51に進められる。一方、D1とG1とが等しくなければ(ステップS56 NO)、処理はステップS61(図32)に進められる。
【0157】
[ステップS61]制御部301は、表示画面121aの表示方向を情報処理装置300の方向を示すG1に応じて回転させる。
[ステップS62]制御部301は、検出傾きテーブル104aに格納されている情報処理装置300の傾きから、表示方向を変更する閾値には達していないが閾値との差が所定範囲(例えば、10度)以内である状態が所定時間(例えば、0.6秒)以上継続しているか否かを判定する。閾値との差が所定範囲以内である状態が所定時間以上継続していれば(ステップS62 YES)、処理はステップS66に進められる。一方、閾値との差が所定範囲以内である状態が所定時間以上継続していなければ(ステップS62 NO)、処理はステップS63に進められる。
【0158】
[ステップS63]制御部301は、検出傾きテーブル104aに格納されている情報処理装置300の傾きから、所定時間(例えば、直近1秒)以内に所定回数(例えば、2回)以上の表示方向の変更が発生しているか否かを判定する。所定時間以内に所定回数以上の表示方向の変更が発生していれば(ステップS63 YES)、処理はステップS64に進められる。一方、所定時間以内に所定回数以上の表示方向の変更が発生していなければ(ステップS63 NO)、処理はステップS51(図31)に進められる。
【0159】
[ステップS64]制御部301は、検出傾きテーブル104aに格納されている情報処理装置300の傾きから、表示方向を元に戻す画面回転が発生しているか否かを判定する。表示方向を元に戻す画面回転が発生していれば(ステップS64 YES)、処理はステップS65に進められる。一方、表示方向を元に戻す画面回転が発生していなければ(ステップS64 NO)、処理はステップS51に進められる。
【0160】
ここで、表示方向を元に戻す画面回転が発生とは、所定時間(例えば、1秒)以内に情報処理装置のX軸方向の角度またはY軸方向の角度の少なくともいずれか一方について、同一の閾値を2回往復で超えることにより、表示方向が変更された後に元の表示方向に戻ったことをいう。
【0161】
[ステップS65]制御部301は、制御テーブル103aに格納されている制御情報の閾値において、ステップS64で表示方向を元に戻す画面回転において2回往復で超えた閾値を、所定範囲(例えば、10度)原点(X軸方向の角度=0度、Y軸方向の角度=0度)から遠ざかるように更新する。その後、処理はステップS51に進められる。
【0162】
[ステップS66]制御部301は、制御テーブル103aに格納されている制御情報の閾値において、ステップS62で情報処理装置300の傾きとの差が所定範囲以内である状態が所定時間以上継続した閾値を、所定範囲(例えば、10度)原点に近づくように更新する。その後、処理はステップS51に進められる。
【0163】
図33および図34は、第4の実施の形態の角度取得処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態の情報処理装置300は、角度取得処理により、情報処理装置300の傾きを検出し、検出した傾きのX軸方向の角度およびY軸方向の角度を補正する。本実施の形態では、角度取得処理は、画面表示方向制御処理のステップS52から呼び出されることにより実行される。以下、角度取得処理について説明する。
【0164】
[ステップS71]制御部301は、加速度センサ117によって情報処理装置300の傾きを検出させると共に検出された情報処理装置300の傾きを示すX軸方向の角度およびY軸方向の角度を取得する。
【0165】
[ステップS72]制御部301は、ステップS71において加速度センサ117によって検出されたX軸方向の角度が0度を超過するか否かを判定する。X軸方向の角度が0度を超過する場合には(ステップS72 YES)、処理はステップS74に進められる。一方、X軸方向の角度が0度を超過しない場合には(ステップS72 NO)、処理はステップS73に進められる。
【0166】
[ステップS73]制御部301は、ステップS71において加速度センサ117によって検出されたX軸方向の角度が0未満であるか否かを判定する。X軸方向の角度が0未満である場合には(ステップS73 YES)、処理はステップS75に進められる。一方、X軸方向の角度が0未満でない場合には(ステップS73 NO)、処理はステップS81(図34)に進められる。
【0167】
[ステップS74]制御部301は、X軸方向の角度に補正テーブル305aに格納されているXPlusを加算する。その後、処理はステップS81に進められる。
[ステップS75]制御部301は、X軸方向の角度に補正テーブル305aに格納されているXMinusを加算する。その後、処理はステップS81に進められる。
【0168】
[ステップS81]制御部301は、ステップS71(図33)において加速度センサ117によって検出されたY軸方向の角度が0度を超過するか否かを判定する。Y軸方向の角度が0度を超過する場合には(ステップS81 YES)、処理はステップS83に進められる。一方、Y軸方向の角度が0度を超過しない場合には(ステップS81 NO)、処理はステップS82に進められる。
【0169】
[ステップS82]制御部301は、ステップS71において加速度センサ117によって検出されたY軸方向の角度が0未満であるか否かを判定する。Y軸方向の角度が0未満である場合には(ステップS82 YES)、処理はステップS84に進められる。一方、Y軸方向の角度が0未満でない場合には(ステップS82 NO)、処理は復帰する。
【0170】
[ステップS83]制御部301は、Y軸方向の角度に補正テーブル305aに格納されているYPlusを加算する。その後、処理は復帰する。
[ステップS84]制御部301は、Y軸方向の角度に補正テーブル305aに格納されているYMinusを加算する。その後、処理は復帰する。
【0171】
ここで、角度取得処理では、X軸方向の角度が0度である場合、X軸方向の角度を補正しない。同様に、Y軸方向の角度が0度である場合、Y軸方向の角度を補正しない。なお、これに限らず、それぞれの角度が0度である場合にも、0度を超過する場合に含めて補正してもよく、または0度未満である場合に含めて補正してもよい。
【0172】
以上に示すように、第4の実施の形態によれば、情報処理装置300の傾きの変化に応じて、加速度センサ117によって検出された情報処理装置300の傾きの角度を補正することで、LCD121の表示画面121aの表示方向の変更を適切に調整することができる。
【0173】
また、情報処理装置300の傾きの角度の変化の状態を判定し、判定結果に応じて、傾きの変化の角度が小さい状態であれば、加速度センサ117によって検出された情報処理装置300の傾きの角度の絶対値を増加させるように補正して変更し、傾きの変化の角度が大きい状態であれば、加速度センサ117によって検出された情報処理装置300の傾きの角度の絶対値を減少させるように補正して変更することで、LCD121の表示画面121aの表示方向の変更を適切に調整することができる。
【0174】
また、傾きの角度の変化が閾値を挟んで推移する場合には、傾きの方向および傾きの角度の変化が大きい状態であると判定することで、閾値付近で閾値を超える変化が繰り返され、表示方向の自動回転が過剰に繰り返されることを防止できる。
【0175】
また、傾きの角度の変化が、閾値を超えずに閾値付近を維持した後、閾値を超えて推移する場合には、傾きの方向および傾きの角度の変化が小さい状態であると判定することで、ユーザが自動回転を用いて表示方向を変更させようとした場合にユーザが情報処理装置300に加えた傾きが不足している場合に、閾値を変更して自動変更を発生し易くすることができる。
【0176】
(第4の実施の形態の変形例)
次に、第4の実施の形態の変形例について説明する。上記の第4の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については同一の符号を用いると共に説明を省略する。
【0177】
第4の実施の形態の変形例では、図35および図36において後述するように、画面表示方向制御処理において、情報処理装置の傾きの角度の変化の大小に応じて、加速度センサで検出された傾きを補正する点で、第4の実施の形態と異なる。
【0178】
図35および図36は、第4の実施の形態の変形例の画面表示方向制御処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態の情報処理装置300は、画面表示方向制御処理により、情報処理装置300の傾きに基づいて表示画面121aの表示方向を制御する。本実施の形態では、情報処理装置300によってLCD121に表示画面121aが表示されている間、画面表示方向制御処理が実行される。以下、画面表示方向制御処理について説明する。
【0179】
[ステップS91]制御部301は、所定時間(例えば、0.1秒間)待機する。これにより、情報処理装置300の傾きの取得および表示画面121aの表示方向の変更の間隔の周期が一定に制御される。
【0180】
[ステップS92]制御部301は、加速度センサ117によって情報処理装置300の傾きを検出させると共に検出された情報処理装置300の傾きを示すX軸方向の角度およびY軸方向の角度を取得する。
【0181】
[ステップS93]制御部301は、ステップS92で取得したX軸方向の角度およびY軸方向の角度を検出傾きテーブル104aに格納する。
[ステップS94]制御部301は、制御テーブル103aに格納されている制御情報の閾値およびステップS92で取得したX方向の角度およびY方向の角度に基づいて情報処理装置300の方向を示すG1を決定する。
【0182】
[ステップS95]制御部301は、表示方向検出部102によって表示画面121aの最新の表示方向を検出させると共に検出された表示画面121aの表示方向を取得し、取得した表示画面121aの方向に応じて制御情報記憶部103に記憶されている最新の表示画面121aの表示方向を示すD1を決定する。
【0183】
[ステップS96]制御部301は、ステップS94で決定されたG1とステップS95で決定されたD1とが等しいか否かを判定する。D1とG1とが等しければ(ステップS96 YES)、処理はステップS91に進められる。一方、D1とG1とが等しくなければ(ステップS96 NO)、処理はステップS101(図36)に進められる。
【0184】
[ステップS101]制御部301は、表示画面121aの表示方向を情報処理装置300の方向を示すG1に応じて回転させる。
このとき、制御部301は、情報処理装置300の方向を示すG1が“0度”(情報処理装置300の下方向が鉛直下向きの方向と一致)の場合には、D1=“0度”となるように、すなわち表示画面121aの下方向が、情報処理装置300の下方向と一致するように表示画面121aを表示させる。また、制御部301は、G1が“−90度”(情報処理装置300の下方向が、向かって左方向)の場合には、D1=“−90度”となるように、すなわち表示画面121aの下方向が、情報処理装置300の右方向と一致するように表示画面121aを表示させる。また、制御部301は、G1が“+180度”(情報処理装置300の下方向が、鉛直上向きの方向)の場合には、D1=“+180”となるように、すなわち表示画面121aの下方向が、情報処理装置300の上方向と一致するように表示画面121aを表示させる。また、制御部301は、G1が“+90度”(LCD121の下方向が、向かって右方向)の場合には、D1=“+90度”となるように、すなわち表示画面121aの下方向が、LCD121の右方向と一致するように表示画面121aを表示させる。
【0185】
[ステップS102]制御部301は、検出傾きテーブル104aに格納されている情報処理装置300の傾きから、表示方向を変更する閾値には達していないが閾値との差が所定範囲(例えば、10度)以内である状態が所定時間(例えば、0.6秒)以上継続しているか否かを判定する。閾値との差が所定範囲以内である状態が所定時間以上継続していれば(ステップS102 YES)、処理はステップS106に進められる。一方、閾値との差が所定範囲以内である状態が所定時間以上継続していなければ(ステップS102 NO)、処理はステップS103に進められる。
【0186】
[ステップS103]制御部301は、検出傾きテーブル104aに格納されている情報処理装置300の傾きから、所定時間(例えば、直近1秒)以内に所定回数(例えば、2回)以上の表示方向の変更が発生しているか否かを判定する。所定時間以内に所定回数以上の表示方向の変更が発生していれば(ステップS103 YES)、処理はステップS104に進められる。一方、所定時間以内に所定回数以上の表示方向の変更が発生していなければ(ステップS103 NO)、処理はステップS91(図35)に進められる。
【0187】
[ステップS104]制御部301は、検出傾きテーブル104aに格納されている情報処理装置300の傾きから、表示方向を元に戻す画面回転が発生しているか否かを判定する。表示方向を元に戻す画面回転が発生していれば(ステップS104 YES)、処理はステップS105に進められる。一方、表示方向を元に戻す画面回転が発生していなければ(ステップS104 NO)、処理はステップS91に進められる。
【0188】
ここで、表示方向を元に戻す画面回転が発生とは、所定時間(例えば、1秒)以内に情報処理装置のX軸方向の角度またはY軸方向の角度の少なくともいずれか一方について、同一の閾値を2回往復で超えることにより、表示方向が変更された後に元の表示方向に戻ったことをいう。
【0189】
[ステップS105]制御部301は、検出された傾きの角度を、補正情報記憶部305に記憶されている補正情報に基づいて、絶対値が小さくなるように補正する。このとき、ステップS102でX軸方向の角度について閾値との差が所定範囲内の状態が継続していると判定された場合、制御部301は、X軸方向の角度が正の値であれば、X軸方向の角度に対して補正情報に示されたXPlusを加算し、X軸方向の角度が負の値であれば、X軸方向の角度に対して補正情報に示されたXMinusを加算する。また、ステップS102でY軸方向の角度について閾値との差が所定範囲内の状態が継続していると判定された場合、制御部301は、Y軸方向の角度が正の値であれば、Y軸方向の角度に対して補正情報に示されたYPlusを加算し、Y軸方向の角度が負の値であれば、Y軸方向の角度に対して補正情報に示されたYMinusを加算する。その後、処理はステップS91に進められる。
【0190】
[ステップS106]制御部301は、検出された傾きの角度を、補正情報記憶部305に記憶されている補正情報に基づいて、絶対値が大きくなるように補正する。このとき、ステップS104でX軸方向の角度および閾値に基づいて表示方向を元に戻す画面回転が発生したと判定された場合、制御部301は、X軸方向の角度が正の値であれば、X軸方向の角度に対して補正情報に示されたXMinusを加算し、X軸方向の角度が負の値であれば、X軸方向の角度に対して補正情報に示されたXPlusを加算する。また、ステップS104でY軸方向の角度および閾値に基づいて表示方向を元に戻す画面発生が発生したと判定された場合、制御部301は、Y軸方向の角度が正の値であれば、Y軸方向の角度に対して補正情報に示されたYMinusを加算し、Y軸方向の角度が負の値であれば、Y軸方向の角度に対して補正情報に示されたYPlusを加算する。その後、処理はステップS91に進められる。
【0191】
以上に示すように、第4の実施の形態の変形例によれば、情報処理装置300の傾きの変化に応じて、加速度センサ117によって検出された情報処理装置300の傾きの角度を補正することで、LCD121の表示画面121aの表示方向の変更を適切に調整することができる。
【0192】
また、情報処理装置300の傾きの角度の変化の状態を判定し、判定結果に応じて、傾きの変化の角度が小さい状態であれば、加速度センサ117によって検出された情報処理装置300の傾きの角度の絶対値を増加させるように補正して変更し、傾きの変化の角度が大きい状態であれば、加速度センサ117によって検出された情報処理装置300の傾きの角度の絶対値を減少させるように補正して変更することで、LCD121の表示画面121aの表示方向の変更を適切に調整することができる。
【0193】
また、傾きの角度の変化が閾値を挟んで推移する場合には、傾きの方向および傾きの角度の変化が大きい状態であると判定することで、閾値付近で閾値を超える変化が繰り返され、表示方向の自動回転が過剰に繰り返されることを防止できる。
【0194】
また、傾きの角度の変化が、閾値を超えずに閾値付近を維持した後、閾値を超えて推移する場合には、傾きの方向および傾きの角度の変化が小さい状態であると判定することで、ユーザが自動回転を用いて表示方向を変更させようとした場合にユーザが情報処理装置100に加えた傾きが不足している場合に、閾値を変更して自動変更を発生し易くすることができる。
【0195】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、情報処理装置100が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0196】
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体には、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記録装置には、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ(MT)等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto - Optical disk)等がある。
【0197】
上記プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータに格納しておき、ネットワークを通じて、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0198】
上記プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0199】
以上、開示の電子機器、制御プログラムおよび制御方法を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、開示の技術に他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。また、開示の技術は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成を組み合わせたものであってもよい。
【0200】
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、開示の技術は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【0201】
以上説明した第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態および第4の実施の形態の変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) 情報を表示する表示部の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出する傾き検出部と、
前記傾き検出部で検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報を記憶する検出傾き情報記憶部と、
前記表示部の表示方向と前記傾き検出部で検出された自装置の傾きとの対応関係を示す制御情報を記憶する制御情報記憶部と、
前記検出傾き情報に基づいて、前記傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、前記傾きの角度の変化の状態に応じて、前記制御情報記憶部に記憶されている前記制御情報と前記傾き検出部で検出された前記傾きの方向および前記傾きの角度との少なくともいずれか一方を変更し、前記変更に応じて、前記表示部の表示方向を変更する制御部と、
を有することを特徴とする電子機器。
【0202】
(付記2) 前記検出傾き情報記憶部は、過去の所定の個数の時点の傾きの方向および傾きの角度の変化を示す検出傾き情報を記憶しており、
前記制御部は、前記検出傾き情報に基づいて、前記傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、前記傾きの角度の変化が第1の状態である場合には、前記制御情報を、所定値より小さい傾きの角度の変化で前記表示部の表示方向を変更するように変更して、前記変更した制御情報と、前記傾きの方向および前記傾きの角度とに応じて、前記表示部の表示方向を変更し、前記傾きの角度の変化が前記第1の状態よりも大きい第2の状態である場合には、前記制御情報を、所定値より大きい傾きの角度の変化で前記表示部の表示方向を変更するように変更して、前記変更した制御情報と、前記傾きの方向および前記傾きの角度とに応じて、前記表示部の表示方向を変更する、
ことを特徴とする付記1記載の電子機器。
【0203】
(付記3) 前記制御情報記憶部は、自装置の傾きと前記表示部の表示方向との対応関係を示す第1の制御情報と、前記第1の制御情報よりも大きい自装置の傾きの角度の変化で前記表示部の表示方向を変更するように設定された自装置の傾きと前記表示部の表示方向との対応関係を示す第2の制御情報とを記憶しており、
前記検出傾き情報は、過去の所定の個数の時点の傾きの方向および傾きの角度の変化を示しており、
前記制御部は、前記検出傾き情報に基づいて、前記傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、前記傾きの角度の変化が第1の状態である場合には、前記表示部の表示方向の変更に使用する制御情報を、前記第1の制御情報に変更して、前記第1の制御情報と、前記傾きの方向および前記傾きの角度とに応じて、前記表示部の表示方向を変更し、前記傾きの角度の変化が前記第1の状態よりも大きい前記第2の状態である場合には、前記表示部の表示方向の変更に使用する制御情報を、前記第2の制御情報に変更して、前記第2の制御情報と、前記傾きの方向および前記傾きの角度とに応じて、前記表示部の表示方向を変更する、
ことを特徴とする付記1記載の電子機器。
【0204】
(付記4) 前記検出傾き情報の変化が小さい状態である場合には、前記傾き検出部で検出された前記傾きの角度の絶対値を増加させるように変更し、前記検出傾き情報の変化が大きい状態である場合には、前記傾き検出部で検出された前記傾きの角度の絶対値を減少させるように変更する補正情報を記憶する補正情報記憶部を有し、
前記検出傾き情報は、過去の所定の個数の時点の傾きの方向および傾きの角度の変化を示しており、
前記制御部は、前記検出傾き情報記憶部に記憶されている前記検出傾き情報に基づいて、前記傾きの角度の変化の状態を判定し、前記傾きの角度の変化の判定結果に基づいて、前記補正情報により前記傾きの角度を変更して、前記制御情報記憶部に記憶されている制御情報と、前記傾きの方向および前記変更した傾きの角度とに応じて、前記表示部の表示方向を変更する、
ことを特徴とする付記1記載の電子機器。
【0205】
(付記5) 前記制御情報には、前記傾き検出部で検出された前記傾きの方向および前記傾きの角度について、前記表示部の表示方向を変更するか否かの閾値が設定されており、
前記検出傾き情報記憶部は、過去の所定の個数の時点の傾きの方向および傾きの角度の変化を示す検出傾き情報を記憶しており、
前記制御部は、前記検出傾き情報記憶部に記憶されている前記検出傾き情報に基づいて、前記傾きの角度の変化が前記閾値を挟んで推移する場合には、前記傾きの角度の変化が第2の状態であると判定する、
ことを特徴とする付記1記載の電子機器。
【0206】
(付記6) 前記制御情報には、前記傾き検出部で検出された前記傾きの方向および前記傾きの角度について、前記表示部の表示方向を変更するか否かの閾値が設定されており、
前記検出傾き情報記憶部は、過去の所定の個数の時点の傾きの方向および傾きの角度の変化を示す検出傾き情報を記憶しており、
前記制御部は、前記検出傾き情報記憶部に記憶されている前記検出傾き情報に基づいて、前記傾きの角度の変化が、前記閾値を超えずに前記閾値付近を維持した後、前記閾値を超えて推移している場合には、前記傾きの角度の変化が第1の状態であると判定する、
ことを特徴とする付記1記載の電子機器。
【0207】
(付記7) コンピュータを、
情報を表示する表示部の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出する傾き検出部、
検出傾き情報記憶部に記憶されている前記傾き検出部で検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報に基づいて、前記傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、前記傾きの角度の変化の状態に応じて、制御情報記憶部に記憶されている前記表示部の表示方向と前記傾き検出部で検出された自装置の傾きとの対応関係を示す制御情報と前記傾き検出部で検出された前記傾きの方向および前記傾きの角度との少なくともいずれか一方を変更し、前記変更に応じて、前記表示部の表示方向を変更する制御部、
として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【0208】
(付記8) コンピュータが、
情報を表示する表示部の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出し、
検出傾き情報記憶部に記憶されている前記傾き検出部で検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報に基づいて、前記傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、
前記傾きの角度の変化の状態に応じて、制御情報記憶部に記憶されている前記表示部の表示方向と前記傾き検出部で検出された自装置の傾きとの対応関係を示す制御情報と前記傾き検出部で検出された前記傾きの方向および前記傾きの角度との少なくともいずれか一方を変更し、
前記変更に応じて、前記表示部の表示方向を変更する、
ことを特徴とする制御方法。
【符号の説明】
【0209】
1 電子機器
1a 制御部
1b 傾き検出部
1c 表示部
1c1 表示画面
1d 制御情報記憶部
1e 検出傾き情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示部の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出する傾き検出部と、
前記傾き検出部で検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報を記憶する検出傾き情報記憶部と、
前記表示部の表示方向と前記傾き検出部で検出された自装置の傾きとの対応関係を示す制御情報を記憶する制御情報記憶部と、
前記検出傾き情報に基づいて、前記傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、前記傾きの角度の変化の状態に応じて、前記制御情報記憶部に記憶されている前記制御情報と前記傾き検出部で検出された前記傾きの方向および前記傾きの角度との少なくともいずれか一方を変更し、前記変更に応じて、前記表示部の表示方向を変更する制御部と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記検出傾き情報記憶部は、過去の所定の個数の時点の傾きの方向および傾きの角度の変化を示す検出傾き情報を記憶しており、
前記制御部は、前記検出傾き情報に基づいて、前記傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、前記傾きの角度の変化が第1の状態である場合には、前記制御情報を、所定値より小さい傾きの角度の変化で前記表示部の表示方向を変更するように変更して、前記変更した制御情報と、前記傾きの方向および前記傾きの角度とに応じて、前記表示部の表示方向を変更し、前記傾きの角度の変化が前記第1の状態よりも大きい第2の状態である場合には、前記制御情報を、所定値より大きい傾きの角度の変化で前記表示部の表示方向を変更するように変更して、前記変更した制御情報と、前記傾きの方向および前記傾きの角度とに応じて、前記表示部の表示方向を変更する、
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御情報記憶部は、自装置の傾きと前記表示部の表示方向との対応関係を示す第1の制御情報と、前記第1の制御情報よりも大きい自装置の傾きの角度の変化で前記表示部の表示方向を変更するように設定された自装置の傾きと前記表示部の表示方向との対応関係を示す第2の制御情報とを記憶しており、
前記検出傾き情報は、過去の所定の個数の時点の傾きの方向および傾きの角度の変化を示しており、
前記制御部は、前記検出傾き情報に基づいて、前記傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、前記傾きの角度の変化が第1の状態である場合には、前記表示部の表示方向の変更に使用する制御情報を、前記第1の制御情報に変更して、前記第1の制御情報と、前記傾きの方向および前記傾きの角度とに応じて、前記表示部の表示方向を変更し、前記傾きの角度の変化が前記第1の状態よりも大きい前記第2の状態である場合には、前記表示部の表示方向の変更に使用する制御情報を、前記第2の制御情報に変更して、前記第2の制御情報と、前記傾きの方向および前記傾きの角度とに応じて、前記表示部の表示方向を変更する、
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記検出傾き情報の変化が小さい状態である場合には、前記傾き検出部で検出された前記傾きの角度の絶対値を増加させるように変更し、前記検出傾き情報の変化が大きい状態である場合には、前記傾き検出部で検出された前記傾きの角度の絶対値を減少させるように変更する補正情報を記憶する補正情報記憶部を有し、
前記検出傾き情報は、過去の所定の個数の時点の傾きの方向および傾きの角度の変化を示しており、
前記制御部は、前記検出傾き情報記憶部に記憶されている前記検出傾き情報に基づいて、前記傾きの角度の変化の状態を判定し、前記傾きの角度の変化の判定結果に基づいて、前記補正情報により前記傾きの角度を変更して、前記制御情報記憶部に記憶されている制御情報と、前記傾きの方向および前記変更した傾きの角度とに応じて、前記表示部の表示方向を変更する、
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御情報には、前記傾き検出部で検出された前記傾きの方向および前記傾きの角度について、前記表示部の表示方向を変更するか否かの閾値が設定されており、
前記検出傾き情報記憶部は、過去の所定の個数の時点の傾きの方向および傾きの角度の変化を示す検出傾き情報を記憶しており、
前記制御部は、前記検出傾き情報記憶部に記憶されている前記検出傾き情報に基づいて、前記傾きの角度の変化が前記閾値を挟んで推移する場合には、前記傾きの角度の変化が第2の状態であると判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
コンピュータを、
情報を表示する表示部の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出する傾き検出部、
検出傾き情報記憶部に記憶されている前記傾き検出部で検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報に基づいて、前記傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、前記傾きの角度の変化の状態に応じて、制御情報記憶部に記憶されている前記表示部の表示方向と前記傾き検出部で検出された自装置の傾きとの対応関係を示す制御情報と前記傾き検出部で検出された前記傾きの方向および前記傾きの角度との少なくともいずれか一方を変更し、前記変更に応じて、前記表示部の表示方向を変更する制御部、
として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項7】
コンピュータが、
情報を表示する表示部の鉛直下向きの方向に対する傾きの方向および傾きの角度を検出し、
検出傾き情報記憶部に記憶されている前記傾き検出部で検出された傾きの方向および傾きの角度の履歴を示す検出傾き情報に基づいて、前記傾き検出部で検出された傾きの角度の変化の状態を判定し、
前記傾きの角度の変化の状態に応じて、制御情報記憶部に記憶されている前記表示部の表示方向と前記傾き検出部で検出された自装置の傾きとの対応関係を示す制御情報と前記傾き検出部で検出された前記傾きの方向および前記傾きの角度との少なくともいずれか一方を変更し、
前記変更に応じて、前記表示部の表示方向を変更する、
ことを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2012−14022(P2012−14022A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151559(P2010−151559)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】