説明

電子機器、情報処理装置およびネットワークシステム

【課題】 WWW用のプロトコルHTTPをプリンタ以外のアプリケーションに応用したシステムを提供して、ユーザーの操作性をさらに向上する。
【解決手段】 少なくともネットワーク機能とFAX機能とを備えた電子機器と、ネットワークコンピュータとからなるシステムであって、前記電子機器は、送信ログと受信画像へのリンクを貼った受信ログをHTMLファイルとして生成する機能を有し、ネットワークコンピュータからのFAX状況の問い合わせへの応答と受信ログに貼ったリンクにより受信画像とを、前記コンピュータから確認可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機能と、スキャナ機能と、FAX機能と、プリンタ機能とを有する新規なネットワーク対応可能なHTMLを用いた電子機器、情報処理装置およびネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器をパソコンに接続し、パソコンのCRT画面に、色々な設定メニューを表示させ、各種ボタン設定後に必要なデータを電子機器に送信するシステムが使用されている。
【0003】
このようなシステムを使用した場合、FAX等の手段を有する電子機器は、パソコン(PC)側の設定用ツールに適合したツールを作成しなければならなかったり、またPCの機種が異なった場合に、その機種の仕様にあったツールを用意指定しなければならず、さらに電子機器の機種が異なると、それに合わせた上記ツールの作成等を行うことがさらに必要であった。
【0004】
また、ネットワークプリンタの広まりと共に、プリンタ側でHTTP(HyperText Transfer Protocol)をサポートし、ネットワーク上のコンピュータからのアクセスに応答してプリンタの状態やプリンタの各種モードの設定が可能な製品が出現している。
【0005】
またネットワーク接続機器の管理用プロトコルSNMP(Simple Network Management Protocol)を用いて、ネットワーク上につながる各種デバイスの情報を管理出来るような、MIB(Management Information Base )と称されるオブジェクトの標準化が進められている。
【0006】
さらにインターネットプリンティングと称して、インターネット経由で指定したプリンタに対しプリント出力をおこなうことができるようなシステムも出現しつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来、電子機器をパソコン(パーソナルコンピュータ、以下パソコンという)等に接続し、パソコンの画面(CRT画面あるいは液晶画面等)に、色々な設定メニューを表示させ、各種ボタン設定後に必要なデータを電子機器に送信して電子機器を操作するシステムが使用されていた。
【0008】
前記システムを使用した場合、パソコン側に設定用ツールを作成しなければならなかったり、またパソコンの機種が異なると、その機種の仕様に適合したツールを各パソコン毎に用意指定しなければならず、さらに電子機器が異なるとその電子機器毎に適合させて上記したツールを作成する必要があった。このように、使用するコンピュータ毎、使用される電子機器毎に面倒なツールを作成等しなければならないなど、問題がある。
【0009】
このような状況にあって、たとえば電子メールの普及と共にFAXの利用頻度は激減すると予想されているが、電子メールを持たない相手との情報交換をする場合、依然としてFAXは重要な役割を果たすため多用されており、今後ともFAX手段の重要性は高く見込まれており、FAXそのものは無くなる事は無いように思われる。
【0010】
しかしながら、このような電子機器においては前記した着信頻度の低下等により、FAXの着信の有無を定期的に確認にいくのでは非効率であり、できれば席に居ながらにして着信を確認できるようなシステムが望まれる。
【0011】
また従来機のFAXにおいては、電子電話帳を利用したものが当たり前のことのようになってきている。ところが、このような電子電話帳を利用したFAXにおいては、パソコンのように学習能力に優れたかな漢字変換手段がついていないため、電子電話帳の登録・修正に関しては、操作性の悪い操作部から時間をかけて入力する必要がある。
【0012】
また大量に登録するデータがあるユーザーにおいては、メーカーのサービスステーションに対し登録名簿を出して専用のシステムで入力またはダウンロードする以外に、前記したようなFAXの電子電話帳の登録・修正を行う方法が無いのが現状である。後者の場合すなわち大量に登録するデータを有するユーザーにおいて入力する場合であっても、一旦登録した後に修正が入ったり、新規追加があったりすると、修正等を加える必要があるが、この修正は操作部を介して行わなければならないため、かなり面倒な操作が必要であった。
【0013】
また、FAX手段、プリンタ手段、コピー手段、またはそれらの手段を2以上有するような複合機に於いて、操作部の使い勝手(操作性)は、その製品の評価を左右する重要なファクターとなる。しかしながら、このようなマシン(複合機)の大きさに適合した操作部は、コスト等により、おのずと限界がある。このように多くの制約の中で如何に操作性を向上させるかが、どのメーカーにとっても、思慮すべきところである。
【0014】
たとえばこのような操作部を、液晶画面で作成する場合には、4行表示のLCDより400×256ドットのLCD画面の方が、操作性は向上し、さらに白黒LCDよりカラーLCDの方が、操作性が向上するといった具合である。またネットワークに連結されると、リモートで使用できるが、ある者が電子機器を使用中に他の者のジョブが実行されることとなると、せっかく使用していた電子機器の設定そのものを再度設定する必要があったり、ジョブを実行中に他のジョブの排他をどうするか考えなくてはならないなど問題がある。
【0015】
本発明は、前述したような問題に鑑み、インターネットで使用されているWWW(World Wide Web)用のプロトコルHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)をプリンタ以外のアプリケーションにも応用したシステムを提供することによって、ユーザーの操作性をさらに向上することを目的としている。本発明は、さらにWWWブラウザで表示するためのHTML(Hyper Text Markup Language)を用いて、ネットワーク上のパソコンから、ユーザーが容易にFAXの電話帳を登録・編集可能にすることを目的としている。
【0016】
また本発明は、WWWブラウザで表示するためのHTMLを用いて、ネットワーク上のパソコンから、ユーザーが容易にFAXの電話帳を登録・編集可能にすることを目的としている。
【0017】
また本発明は、HTMLを用いて機種毎の操作部に適合可能に書くことができ、電子機器の操作部とパソコン上の擬似操作部とを、同様な表示および動作に設定して、パソコンの種類に左右されることの無いシステムを提供することを目的とする。
【0018】
さらに本発明は、マシン毎にユニークな操作部画面やハードキーを、擬似的にネットワークのパソコン上に表示させ、複雑な動作モードであっても登録可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明は、ネットワークを介して接続される情報処理装置と通信可能な電子機器であって、電子機器への設定を受け付ける設定受付手段と、設定受付手段が設定を受け付けた場合、設定作業が行われていることを表示する表示手段と、情報処理装置からの、表示手段の表示情報の要求を受信する受信手段と、受信手段で受信した要求に基づき表示情報のHTMLデータを生成する表示情報生成手段と、表示情報生成手段で生成されたHTMLデータを情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、表示情報生成手段は、設定受付手段が設定を受け付けた場合、設定作業が行われていることを表示する表示情報のHTMLデータを生成し、送信手段は該HTMLデータを情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、設定作業が行われていることを表示する表示情報のHTMLデータには、エラーメッセージを含むことを特徴とする。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発目において、受信手段及び送信手段は、httpにより情報処理装置との通信を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器と通信可能なことを特徴とする。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器と、請求項4記載の情報処理装置と、を有することを特徴とする。
【0024】
本発明では、他人が電子機器11(マシン)を使用していても、リモートで擬似操作部402を表示させて、複雑な動作モードの登録を可能にする。例えば、コピーの両面、2in1(集約印刷:たとえばA3サイズの大きさの用紙に、この用紙の半分の大きさであるA4サイズ用紙2枚を印刷すること)、ステープル、排紙トレイの設定などをマシンの操作部401から行おうとすると、一般のマシンでは上記操作部は白黒2色の画面となっており、この画面の大きさも制限されている事が多く、しかも広範囲に設定項目が存在することなどのため、面倒である。
【0025】
これらをローカルなパーソナルコンピュータ(パソコン)上の画面で行い、実際にコピーする場合にマシンに出向いて、登録したジョブを呼び出し、原稿をセットしてスタートスイッチを操作するだけで、上記したような面倒な設定をあらためて行うことなく、ファックス等が簡単にできる。
【0026】
またこのようなスタートスイッチを操作後、たとえばローカルなパソコンで設定した情報がマシン使用中に入力され、その結果、入力された情報によって、不意に他人のジョブがマシンに反映されてしまうような事が有ってはならない。
【0027】
従って本発明においては、好ましくは入力されたジョブをマシンが呼び出す形式にすれば、回避可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ネットワーク上のコンピュータ12からFAXの着信状況が確認でき、着信ファイルもコンピュータ側のWWWブラウザ402で確認可能になる。送信結果に対しても実機(電子機器11)におもむく必要なく、リモートで送信結果を確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1に、FAXの通信ログのHTMLファイルを、ネットワーク上のパソコンの表示部に表示させた例を示す。たとえば送信ログのリンクを押下した場合を図1(c)に、また受信ログのリンクを押下した場合を図1(b)に、それぞれ示すように、表示部に画面表示される。
【0030】
図2に、本発明の実施形態であるネットワークシステムの構成を示す。図2(a)に示すように、電子機器11と、情報処理装置であるネットワークコンピュータ(パソコン12)とが、ネットワーク回線13を介して連結されている。ネットワーク手段とFAX手段を搭載した電子機器11(たとえばデジタル複合機)の簡単なブロック図とイベントの流れを示す。
【0031】
以下、本発明の第1の実施形態の動作を、図2に基いて説明する。本実施形態のネットワークシステムは、少なくともネットワーク手段202とFAX手段201とを備えた電子機器11と、ネットワークコンピュータ12とから構成されている。
【0032】
これら電子機器11と、ネットワークコンピュータ12とは、ネットワーク回線13を介してインターネットに接続され、外部データベースとしてのWWWサーバから情報を取得するように設定されている。
【0033】
そしてネットワークアプリ202(以下、同様にアプリケーションを単に「アプリ」ということがある。)中に書かれているhttpd2100(Hyper TextTransfer Protocol Daemon )は、WWWを実現するためのサーバとなっている。なお図2(B)において、電子機器内11に設けられた各種アプリの構成を示す。この図において、電子機器11は、プロッタ手段204とスキャナ手段205も有している。
【0034】
次にネットワークコンピュータ12から、電子機器11に要求があった後の動作を、図面を参照しつつ、説明する。ネットワーク上のパソコン12を介してネットワークコンピュータ12から、電子機器11にアクセスがあると、電子機器11内に設けられたFAXアプリ201に対し、受信ログ101と送信ログ102が要求される(ステップS101)。FAXアプリ201は、各ログ(101、102)に対する詳細情報と受信ファイルとを関連付けて管理している。ネットワークアプリ202では、電子機器11内のFAXアプリ201からのこれらの情報を受け、HTMLファイルを作成し(ステップS102)、要求の有った(即ちアクセスのあった)パソコン12に返信する。
【0035】
パソコン12側ではWWWブラウザがこのHTMLファイルを表示する(ステップS103)。受信ログ101には、図1(a)に示すように、たとえば日付1011a、時刻1011b、送信側の登録名称1011c、電話番号1012d(RTIまたはCSI)等の情報が一覧になって表示され、これによって電子機器11の着信の有無や、事前にFAXを送った旨の情報を受けていなくとも、FAX手段を有する電子機器11の設置場所へ出向くことなく、FAXの着信をコンピュータ12の画面上により確認出来る。
【0036】
FAX情報の詳細(発信人、FAXの枚数の情報等)をさらに確認したい場合は、コンピュータ12を介してインターネット上で確認したい該当ログ(101、102)をクリックすればよい。これにより、マシン(電子機器11)側のhttpd2100に対して、たとえばリンクを貼ったファイル(図示せず)を要求することができる(ステップS104)。
【0037】
この要求は、電子機器11内のFAXアプリ201に通知され(ステップS105)、電子機器11内のFAX手段側ではFAXアプリ201を介して、圧縮(MR、MMR等)されたファイルを伸張し、電子機器11内のネットワークアプリ202に渡す。ネットワークアプリでは、WWWブラウザが表示可能なイメージの圧縮モード(JPEG、GIF)に変換し、たとえばネットワークパソコン12にこの情報を、ネットワーク回線13を介して渡す。
【0038】
たとえば送信ログ102に関する詳細情報をパソコン側から、例えば送信先が「神奈川中央」に送付したことを確認する要求がされると、図1(a)の送信ログにアクセスしてリンクを押下したときの、要求・応答の流れは前述したのと同様であり、要求を受けた電子機器11内のFAXアプリ201は、図1(a)および(c)に示すように、相手先を「神奈川中央」に指定したときの送信結果1031、送信日時1032、送信枚数1033、通信時間1034、通信速度1035等々の情報をTEXT情報として、アプリ制御部210を介してネットワークアプリ202に渡す(ステップS105)。その後、このTEXT情報はネットワークアプリ202内でHTMLフォーマットに変換され(ステップS106)、ネットワークアプリ202中のhttpd2100を介して(ステップS107)ネットワークパソコン12等に返信される。以上のようにして、本発明は実現される。
【0039】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。なおシステムの構成は前記と同様である。本発明を実現するためのWWWブラウザによる表示画面を図6に示す。ネットワーク上のパソコン12から電子機器11内のFAXアプリ202手段に設けられた電子電話帳に対してアクセスがあると、上記第1の実施形態で示した場合と同様に、ネットワークアプリ202から、アプリ制御部210を介して、電子機器11内のFAXアプリ201に対し電話帳の要求が出される(ステップS201)。
【0040】
電子機器11内のFAXアプリ201ではこの要求を受けて、たとえばバックアップ付きのメモリ206を参照して電子機器11内に設けられた電話帳データから必要なデータをピックアップし、アプリ制御部210を介してネットワークアプリ202に、好ましくは前記データを自動的に渡す。その後、前記データは、電子機器11内のネットワークアプリ202でHTMLファイルに変換され(ステップS202)、たとえばネットワークパソコン12等に送信される(ステップS203)。
【0041】
次いで変更および/または追加および/または削除編集を以下のようにして行う。たとえば図7に示すように、7頭上の「No.03」の、[未使用]ボタンを選択してクリックすると、図7の(b)に示したような画面が表示される。この画面上のたとえば「宛先名」と「TEL番号」と表示された部分をインターネットに接続したコンピュータ12画面上で入力し、次いで図8(b)に示すように、コンピュータ画面上で、「登録」と表示されたボタンを押下すると(ステップS205)、これらの登録データが電子機器11(デジタル複合機)側のネットワークアプリ202内にあるhttpd2100に渡され(ステップS206)、最初にネットワークアプリ202内のHTTPD2100によりHTMLファイルは、アプリ制御部210を介してメモリ206に登録されていたHTMLファイルをネットワークアプリ202上に呼び出しこれを更新して(ステップS207)、更新した前記HTMLファイルを再びパソコン12に送付する(ステップS208)。なお更新したネットワークアプリ上の前記更新ファイルは、後述するように、FAXアプリ201により、アプリ制御部210を介して、メモリ206に記憶される。
【0042】
これにより、図7(a)に示すように、たとえば登録後の「宛先名」と、「TEL番号」がインターネットを介してコンピュータ12等の擬似操作部に表示される。なお、この表示は、電子機器11内の操作部401に表示させる事も可能である。また上記例においては入力のみを記載したが、前記宛先等のデータの入力に限らず、各種データの変更、追加、削除も同様にして行うことができる。
【0043】
また前記排他処理に関し、ネットワーク上の複数のパソコン12からネットワークアプリ202を介して呼び出されたFAXの電話帳がアクセスされている場合ならびに複合機11の操作部からネットワークアプリ202を介して直接電子電話帳にアクセスされている場合などでは、図5に示すようにして行なわれる。
【0044】
電子機器11(マシン)操作部401からの更新作業(ステップS301)においても、インターネット上のブラウザでの更新作業(ステップS301)においても、更新作業が行われていることを明示的な形で示すため、先に修正作業に入った場合は、これがブラウザ402に表示されて直ちにイベント(修正あるいは設定作業)が行われていることを通知するように設計されている。
【0045】
これにより2番目以降の、修正作業に入ろうとする各ブラウザ402や複合機11の操作部401に、Warning等の表示が出され、修正作業を後から行うように表示される(ステップS303)。こうすることにより修正作業を行おうとしているオペレータは、更新作業を実行せずに回避可能とする事ができる。
【0046】
また同時に複数のブラウザ402上で更新作業に入った場合であっても、最初のオペレータが「登録」ボタンを押下するまではWarning等の表示が他のオペレータが操作しているコンピュータ12にされるので、書き込みを行う際のバッティング(現在更新ジョブ実行中に、他人の更新ジョブが侵入等して妨害されることなど)を回避することができる。また、最先のジョブが実行されている間は、以後の他のオペレータが新たな「登録」ボタンを押下しても、実行禁止となるように設定されている。アクセスされたネットワークアプリ202では、インターネットを介して「登録」ボタンを押下した他のオペレータのコンピュータ12に、「Warning」等の表示をするとともにジョブの実行禁止を自動的に行うこともできる。
【0047】
このような排他処理がなされている間に、最初の更新ボタンを図4に示したように、ブラウザ上の擬似操作部画面402で「登録」ボタンを押下されると、ネットワーク回線13を介して更新された電話帳ファイルを電子機器11内のFAXアプリ201に渡し、FAXアプリ201の方でバックアップ付きメモリ206に実際の書き込みが行われて登録される事となる。以上のようにして、本発明の実現が可能である。
【0048】
本発明の第3の実施形態は、電子機器11(デジタル複合機)の操作部401をネットワークパソコン12上のWWWブラウザ402によって擬似的に表示して操作可能とするものである。以下、擬似操作画面を使用して、電子機器11の操作設定を変更する過程を 図6に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0049】
まず、パソコン12上で電子機器11に発呼し、発呼に応じて、FAXアプリ201に電子機器の操作部画面情報の要求がなされる(ステップS401)。この要求に応じて操作部画面情報がピックアップされ、ネットワークアプリは、HTMLファイルを作成する(ステップS402)。このファイルが要求したパソコンにネットワーク回線を介して渡され、擬似操作部としてWWWブラウザ上に表示される(ステップS403)この擬似操作部上で、動作モードの変更、設定を行う(ステップS404、ステップS405)。設定をコンピュータ上のキー操作(前記同様にマウス、タッチパネル等も含む)により行った後に、図8(b)に示すような、登録ボタン4023を押下して登録および変更を指示する(ステップS405)。前記指示が、ネットワーク回線を介して電子機器11内のネットワークアプリに渡される(ステップS406)。渡された情報を受けてファイルが登録・更新され(ステップS407)、httpdを介してパソコン12に返信し、モード設定の確認がWWWブラウザ上で確認される(ステップS408)。
【0050】
図8に、実際の操作部401をブラウザ402に表示した1例を示す。操作部をリモートで表示させる目的には2通りある。1つは、離れた場所からデジタル複合機の操作部401と同等の画面をブラウザ402上で再現し、またこの画面の遷移をブラウザ402上で実現することによって、実機11(マシン)のある場所へ実際に行かなくても、リモートでこれを操作できるということである。
【0051】
このような方式によれば、各種初期設定を、実機11の現実に置かれている場所へ行って操作を行う必要がなく、リモートで同様な操作環境を実現でき、電子機器11の実行可能となる。
【0052】
また第2の目的としては、電子機器11(マシン等)の操作部401が小さく、操作がしづらい場合、ブラウザ402上に、前記操作部401よりさらに操作性を向上した表示内容(操作部の大画面化、カラー化)に、擬似操作部402を設けて、操作可能とすることである。どちらの場合にもデジタル複合機11側で、操作部401表示用のHTMLファイルをネットワークアプリ202内で準備または自動作成する方法により、コンピュータ12画面上でのボタン押下によって、電子機器11上の操作部画面の遷移を実現し、エラーメッセージ等の表示を含めた広範囲の設定をブラウザ402側での表示によって可能とする。
【0053】
本発明の第4の実施形態は、上記第3の実施形態とほぼ同様に操作して行われるが、ボタンを押下して動作モード設定または動作モード変更しても、デジタル複合機11の設定そのものには反映されない。
【0054】
第4の実施形態では、ブラウザ402上の画面の遷移はデジタル複合機11内の仮想画面上(ネットワークアプリ、メモリ上のファイル)で反映され、その仮想画面がHTMLファイルに変換され、ネットワーク上のブラウザ402に送付される。
【0055】
これによって、ネットワーク上のパソコン12からアクセスしている間に、実機11が動作していても、ネットワーク上のブラウザ402画面に表示した操作部の設定をマシンの操作部401に直接反映させないで済み、したがって、マシン上でジョブを実行中であっても、これとは独立してジョブを実行でき、他のジョブを中断させる虞もない。
【0056】
このように、ネットワーク上の複数のパソコン12から同時に操作部401にアクセスする場合であっても、それぞれのモード変更は互いに独立しているので、安心して実行中のジョブを遂行可能となる。なお擬似操作部402での設定作業は、上記第3の実施形態の方法によって実施できる。
【0057】
本発明では、図8(b)に示すように、ネットワーク上のパソコンのブラウザ上に、図8(a)に示す実機上の操作部例401に類似した操作部(擬似操作部402)を実現させ、この擬似操作部402上で、401aに対応する4022aを、401bに対応する4022b(以下、同様)等々を、wwwブラウザ上でそれぞれ設定を入力する。上記設定入力の確認後、好ましくは図4(b)に示すような、「登録4023」ボタンが用意される。
【0058】
この「登録4023(ジョブID付き手段)」ボタンを押下すると、ネットワーク回線13を介して前述したのと同様にして、デジタル複合機(電子機器11)のネットワークアプリ202からFAXアプリ201を介して仮想画面に通知され、これによってそれまでの一連の操作が1つのジョブとみなされる。このようにして、前記した一連の操作が1つとなり、その結果が、デジタル複合機内のネットワークアプリ202からネットワーク回線13を介して、図4(b)に示したように、パソコン12に「JOB番号」が登録されたことが、「登録JOB番号4021」の表示により確認され、ジョブ番号が1つ割り当てられることとなる。
【0059】
このようにして、図8(b)に示すように、割り当てられたJOBが、ネットワーク上のブラウザ402に「登録JOB番号4021(ジョブIDを返信する手段)」として通知・表示される。この通知・表示を受けて、ユーザーは実機11のところへ赴き、マシン11上の操作部401の、たとえば「JOBコール」と表示されたボタンを押下すると、JOB設定内容がマシン(電子機器11)に反映され、電子機器11を登録されたJOB設定の内容に従って動作可能となる。なお、パソコン上で登録JOBを呼び出して、上記したのと同様にマシン11の設定を登録JOBの内容を反映させる事もできる。
【0060】
以上、説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、ネットワーク上のコンピュータ12からFAXの着信状況が確認でき、着信ファイルもコンピュータ側のWWWブラウザ402で確認可能になる。送信結果に対しても実機(電子機器11)におもむく必要なく、リモートで送信結果を確認できる。
【0061】
インターネット上の標準言語のHTMLフォーマットで実現するため、表示するパソコン、OSなどに影響されない。なおこの効果は、他の全ての請求項に関しても同様である。
【0062】
本発明の第2の実施形態によれば、宛先入力にパソコンの高機能な「かな漢」が使用でき、新規登録、編集を効率よくおこなえる。実機(電子機器11)上でそれらの操作を行う必要もなく、ネットワーク上のパソコン12から行うことができる。
【0063】
本発明の第3の実施形態によれば、実機操作部401をネットワーク上のパソコン上のブラウザ402で擬似的に表示させる事が可能になり、同一操作性を提供でき、遠隔操作部を実現可能になる。数行程度のLCDを用いた操作画面で操作性が落ちる場合も、本発明によりブラウザ上で大画面、カラー化して遠隔操作部として提供出来る。
【0064】
さらに本発明の第4の実施形態によれば、実機(電子機器11)が使用中であっても、ネットワーク上で仮想の操作部に設定操作を行い、設定操作に対して与えられた登録JOB番号4021をもって、後で実機におもむき、その登録JOB番号を入力すると操作内容が反映可能になる。特に複雑な設定、登録等を1度行うと、その後再度設定する場合に有効である。
【0065】
以上、本発明の実施形態1〜4について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】WWWブラウザにおけるFAXログを表示した例を示す図である。
【図2】本発明に係るネットワークシステムのブロック図とイベントの流れを示したものであり、(a)は、ネットワークシステムの構成例を示すブロック図であり、(b)は、電子機器内の構成例とイベントの流れを示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図5】排他処理を示すフローチャートである。
【図6】第3の実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図7】WWWブラウザにおける表示画面を示した図であり、(a)は、その一例を示す図であり、(b)は、(a)のNo.3のボタンを押下して「未使用」の欄を表示させたことを示す図である。
【図8】電子機器11の操作部401およびブラウザ上の疑似操作部402を示した図であり、(a)は、電子機器上の操作部401を示す図であり、(b)は、WWWブラウザ上の疑似操作部画面402の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
11 デジタル複合機(画像処理装置、電子機器の一例)
12 パソコン(ネットワークコンピュータ、情報処理装置の一例)
13 ネットワーク回線
202 ネットワークアプリ(表示情報生成手段の一例)
401 操作部(設定受付手段、表示手段の一例)
2100 httpd(受信手段、送信手段の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続される情報処理装置と通信可能な電子機器であって、
前記電子機器への設定を受け付ける設定受付手段と、
前記設定受付手段が設定を受け付けた場合、設定作業が行われていることを表示する表示手段と、
前記情報処理装置からの、前記表示手段の表示情報の要求を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した要求に基づき前記表示情報のHTMLデータを生成する表示情報生成手段と、
前記表示情報生成手段で生成されたHTMLデータを前記情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記表示情報生成手段は、前記設定受付手段が設定を受け付けた場合、設定作業が行われていることを表示する表示情報のHTMLデータを生成し、前記送信手段は該HTMLデータを前記情報処理装置に送信することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記設定作業が行われていることを表示する表示情報のHTMLデータには、エラーメッセージを含むことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記受信手段及び前記送信手段は、httpにより前記情報処理装置との通信を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器と通信可能なことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器と、
請求項4記載の情報処理装置と、
を有することを特徴とするネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−59375(P2006−59375A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−272163(P2005−272163)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【分割の表示】特願平10−376566の分割
【原出願日】平成10年12月24日(1998.12.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】