説明

電子機器、情報更新システム、情報更新方法および情報更新プログラム

【課題】 複数の電子機器で同一バージョンの情報やデータを共有する。
【解決手段】 複合機1Aでは、データ編集部31が管理データを編集し、バージョン管理部32は、データ編集部31により管理データが更新されるたびに管理データのバージョンを変更していき、他の複合機における管理データのバージョンを取得し、複合機1Aおよび他の複合機における管理データのうちの最新バージョンを確認し、複合機1Aにおける管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の複合機へ送信し、他の複合機における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の複合機から取得しその管理データで記憶装置12に記憶されている管理データを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、情報更新システム、情報更新方法および情報更新プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
所定の情報を管理し、その情報が更新されると、更新された時間を記録しておき、その情報から得られるパラメータについて更新前後の差分を評価する装置がある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、端末装置のソフトウェアのバージョン管理を行い、ソフトウェアの更新に失敗した場合には、異常応答を送信するシステムがある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−207749号公報
【特許文献2】特開2001−075785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、電子機器で使用する情報やデータのバージョンを管理するシステムが存在するが、上述のシステムでは、電子機器で使用する情報やデータが更新されたことや更新の成否を確認することはできるものの、複数の電子機器で同一バージョンの情報やデータを共有することは困難である。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、複数の電子機器で同一バージョンの情報やデータを共有することが可能な情報更新システムおよび情報更新方法、ならびにそのシステムや方法で使用可能な電子機器および情報更新プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0008】
本発明に係る電子機器は、所定の機能で使用し当該電子機器で管理される管理データを記憶する記憶装置と、管理データを編集するデータ編集部と、他の電子機器と通信する通信装置と、データ編集部により管理データが更新されるたびに管理データのバージョンを変更していき、他の電子機器における管理データのバージョンを取得し、当該電子機器および他の電子機器における管理データのうちの最新バージョンを確認し、当該電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の電子機器へ送信し、他の電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の電子機器から取得しその管理データで記憶装置に記憶されている管理データを更新するバージョン管理部とを備える。
【0009】
これにより、当該電子機器および他の電子機器で同一バージョンの管理データを共有することが可能である。
【0010】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、管理データは、複数種別のデータを含み、バージョン管理部は、管理データにおける各種別のデータについて別々に、データ編集部によりある種別のデータが更新されるたびにその種別のデータのバージョンを変更していき、他の電子機器におけるその種別のデータのバージョンを取得し、当該電子機器および他の電子機器におけるその種別のデータのうちの最新バージョンを確認し、当該電子機器におけるその種別のデータが最新バージョンである場合にはその種別のデータを他の電子機器へ送信し、他の電子機器におけるその種別のデータが最新バージョンである場合にはその種別のデータを他の電子機器から取得しその種別のデータで記憶装置に記憶されている管理データを更新する。
【0011】
これにより、複数種別の管理データがある場合、各種別について、当該電子機器および他の電子機器で同一バージョンの管理データを共有することが可能である。したがって、必要最小限の管理データのみが更新されるため、管理データを記憶する記憶装置への書き込みが必要最小限で済み、記憶装置の寿命が長くなる。
【0012】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、管理データは、アドレス帳データ、設定データ、ユーザ管理データおよび部門管理データを含む。
【0013】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、バージョン管理部は、他の電子機器から取得した管理データで、記憶装置に記憶されている管理データを更新できるか否かを判定し、他の電子機器から取得した管理データで、記憶装置に記憶されている管理データを更新できる場合のみ、他の電子機器から取得した管理データで、記憶装置に記憶されている管理データを更新し、他の電子機器から取得した管理データで、記憶装置に記憶されている管理データを更新できない場合、他の電子機器から取得した管理データで、記憶装置に記憶されている管理データを更新せず、更新しなかった管理データのバージョンを未更新ログを記録する。
【0014】
これにより、管理者などが未更新ログを参照することによって、更新されなかった管理データを容易に特定することができる。
【0015】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、バージョン管理部は、所定のタイミングで定期的に、他の電子機器における管理データのバージョンを取得し、当該電子機器および他の電子機器における管理データのうちの最新バージョンを確認し、当該電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の電子機器へ送信し、他の電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の電子機器から取得しその管理データで記憶装置に記憶されている管理データを更新する。
【0016】
本発明に係る情報更新システムは、同一のネットワークに接続された複数の電子機器を備え、それらの複数の電子機器は、それぞれ、上記の電子機器のいずれかと同一である。
【0017】
これにより、複数の電子機器で同一バージョンの管理データを共有することが可能である。
【0018】
本発明に係る情報更新方法は、各電子機器において管理データを編集するステップと、各電子機器において管理データが更新されるたびに管理データのバージョンを変更していくステップと、各電子機器において、他の電子機器における管理データのバージョンを取得し、当該電子機器および他の電子機器における管理データのうちの最新バージョンを確認し、当該電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の電子機器へ送信し、他の電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の電子機器から取得しその管理データで当該電子機器の管理データを更新するステップとを備える。
【0019】
これにより、複数の電子機器で同一バージョンの管理データを共有することが可能である。
【0020】
本発明に係る情報更新プログラムは、管理データを編集するデータ編集部と、他の電子機器と通信する通信装置と、データ編集部により管理データが更新されるたびに管理データのバージョンを変更していき、他の電子機器における管理データのバージョンを取得し、当該電子機器および他の電子機器における管理データのうちの最新バージョンを確認し、当該電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の電子機器へ送信し、他の電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の電子機器から取得しその管理データで当該電子機器の管理データを更新するバージョン管理部としてコンピュータを機能させる。
【0021】
これにより、当該電子機器および他の電子機器で同一バージョンのデータを共有することが可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の電子機器を有するシステムにおいて、それらの電子機器で同一バージョンの情報やデータを共有することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る情報更新システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示すシステムにおける複合機の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図1に示すシステムにおけるいずれかの複合機において各種データが編集(更新)されたときの動作について説明する。
【図4】図4は、図1に示すシステムにおいて各種データを共有させるときの複合機の動作について説明する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報更新システムの構成を示すブロック図である。
【0026】
図1に示す情報更新システムは、複数の電子機器として、複数の複合機1A〜1Eを有する。この情報更新システムでは、複数の複合機1A〜1Eが、同一のネットワーク2に接続されており、互いに通信可能である。各複合機は、その複合機における所定の機能で使用しその複合機で管理される管理データをそれぞれ記憶しており、その管理データのバージョン管理を行っている。そして、すべての複合機1A〜1Eは、ネットワーク2を介して管理データのバージョンを互いに通知して、同一種別の管理データのうちの最新バージョンを共有する。
【0027】
図1において、複合機1A〜1Eは、それぞれ、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ通信機能などを有する電子機器であって、ネットワーク通信機能も有する。ネットワーク2は、インターネット、LAN(Local Area Network)などのコンピュータネットワークである。
【0028】
図2は、図1に示すシステムにおける複合機1Aの構成を示すブロック図である。図2に示す複合機1Aは、通信装置11、記憶装置12、内部装置13、操作パネル14および演算処理装置15を備える。
【0029】
通信装置11は、ネットワーク2に接続され、ネットワーク2に接続されている他の機器(ここでは、複合機1B〜1E)との間でデータ通信を行う装置である。通信装置11としては、ネットワークインタフェース、モデムなどが使用される。
【0030】
記憶装置12は、各種データおよびプログラムを記憶する装置である。記憶装置12としては、ハードディスクドライブ、不揮発性半導体メモリ(例えばEEPROM、フラッシュメモリ)などが使用される。この実施の形態では、記憶装置12には、管理データとして、アドレス帳データ21、設定データ22、ユーザ管理データ23および部門管理データ24が記憶されており、その他、変更ログデータ25およびプログラム26が記憶される。
【0031】
アドレス帳データ21は、ユーザごとに、そのユーザによって指定された宛先リスト(電子メールアドレス、ファクシミリ番号など)を含むデータであって、ユーザによって編集可能である。
【0032】
設定データ22は、内部装置13により実現されるこの複合機1Aの設定を含むデータであって、ユーザまたは管理者によって編集可能である。
【0033】
ユーザ管理データ23は、この複合機1Aにログイン可能な登録ユーザの情報(ID、パスワードなど)を含むデータであって、管理者によって編集可能である。
【0034】
部門管理データ24は、ユーザグループとしての登録部門の情報(部門ID、所属ユーザなど)を含むデータであって、管理者によって編集可能である。
【0035】
変更ログデータ25は、上記管理データが更新された際のその更新のログを含むデータである。1つの更新ログは、ログID、更新されたデータ種別、更新されたデータのデータID、変更種別(追加、変更または削除)、およびログ保存日時を含む。
【0036】
プログラム26は、後述の各処理部を実現するための情報更新プログラムである。
【0037】
また、内部装置13は、複合機1Aの有する機能を実現する装置であり、例えば、プリンタ、スキャナなどの装置である。
【0038】
操作パネル14は、筐体表面に設置され、ユーザに各種情報を表示する表示装置(液晶ディスプレイ等)、およびユーザ操作を受け付ける入力装置(タッチパネル等)を有する。
【0039】
演算処理装置15は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含むコンピュータを有し、ROM、記憶装置12などに記憶されているプログラム(例えばプログラム26)をRAMにロードしてCPUで実行して各種処理部を実現する。これらの処理部は、処理すべきデータや一時的なデータをRAMに格納しつつ処理を実行する。
【0040】
この演算処理装置15では、プログラム26が実行されることにより、データ編集部31、バージョン管理部32、および制御部33が実現される。
【0041】
データ編集部31は、操作パネル14に対するユーザ操作に基づいて、上述の管理データを操作パネル14に表示させたり編集したりする処理部である。
【0042】
バージョン管理部32は、(a)データ編集部31により管理データが更新されるたびに管理データのバージョンを変更していくバージョン管理機能、および(b)他の複合機1B〜1Eにおける管理データのバージョンを取得し、複合機1Aおよび他の複合機1B〜1Eにおける管理データのうちの最新バージョンを確認し、複合機1Aにおける管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の複合機1B〜1Eへ送信し、他の複合機1B〜1Eのいずれかにおける管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを、その管理データを所有する他の複合機から取得しその管理データで記憶装置12に記憶されている管理データを更新するデータ共有機能を有する処理部である。バージョン管理部32は、通信装置11を使用して、他の複合機1B〜1Eとのデータ通信を行い、バージョン情報の送受および管理データの送受を行う。
【0043】
制御部33は、操作パネル14に対するユーザ操作に基づいて、内部装置13を制御する処理部である。
【0044】
なお、ここでは、複合機1Aの構成を説明したが、複合機1B〜1Eも同様の構成を有する。また、複合機1B〜1Eの一部は、複合機ではなく、プリンタといった他の画像形成装置(つまり、内部装置が複合機1Aとは異なる画像形成装置)であってもよい。
【0045】
次に、上記システムにおける装置の動作について説明する。ここでは、(A)各種管理データが編集(更新)されたときの動作、および(B)各種管理データを共有させるときの動作について説明する。
【0046】
(A)各種管理データが編集(更新)されたときの動作
【0047】
図3は、図1に示すシステムにおけるいずれかの複合機において各種管理データが編集(更新)されたときの動作について説明する。
【0048】
ログイン操作後、操作パネル14に所定のユーザ操作があると、データ編集部31は、ログインユーザについての管理データを変更する(ステップS1)。ログインユーザが一般ユーザである場合には、そのユーザのアドレス帳データ21および設定データ22が変更可能である。一方、ログインユーザが管理者である場合には、アドレス帳データ21、設定データ22、ユーザ管理データ23および部門管理データ24が変更可能である。
【0049】
いずれかの管理データが変更されると、バージョン管理部32は、変更のあった管理データの種別(ここでは、アドレス帳データ21、設定データ22、ユーザ管理データ23および部門管理データ24)を特定する(ステップS2)。
【0050】
そして、バージョン管理部32は、1つの種別の管理データの更新1回につき1つの変更ログを生成し、変更ログデータ25に追加し(ステップS3)、変更のあった管理データのデータベースバージョンを更新する(ステップS4)。管理データのバージョンは、整数で表現し更新ごとに増加させていくようにしてもよいし、管理データの更新日時またはそれに対応する数値としてもよい。なお、更新後のデータベースバージョンとその更新についての変更ログとは互いに関連付けられている。
【0051】
このようにして、いずれかの管理データが更新されるたびに、変更ログが変更ログデータ25に追加されるとともに、その管理データのバージョンが更新される。
【0052】
(B)各種管理データを共有させるときの動作について説明する。
【0053】
このシステムでは、所定のタイミングで定期的に(例えば1日1回所定の時刻に)、最新バージョンの管理データの共有化(つまり、データ同期)が行われる。図4は、図1に示すシステムにおいて各種管理データを共有させるときの複合機の動作について説明する。
【0054】
所定のスケジュールで管理データの共有化実行タイミングになると、複合機1A〜1Eにおいて、データ更新要求が発生し、バージョン管理部32は、そのデータ更新要求を検出し(ステップS11)、以下の処理を実行する。
【0055】
まず、各複合機のバージョン管理部32は、その時点での自己の各管理データのバージョンを特定し、通信装置11を使用してネットワーク2を介して、他の複合機のバージョン管理部32へ送信する。このとき、バージョン管理部32は、そのバージョンに関連付けられている変更ログを併せて送信するようにしてもよい。これにより、各複合機のバージョン管理部32は、各管理データについて、すべての複合機1A〜1Eにおけるバージョン情報を取得する(ステップS12)。
【0056】
複数種別のうちの1種別の管理データについて、各バージョン管理部32は、すべての複合機1A〜1Eにおけるバージョン情報に基づいて、その時点での管理データの最新バージョンを特定する(ステップS13)。
【0057】
各バージョン管理部32は、その種別の管理データの前回の共通化時の最新バージョンと今回の最新バージョンとを比較し、最新バージョンが変化したか否かを判定する(ステップS14)。
【0058】
各バージョン管理部32は、その種別の管理データの最新バージョンが変化している場合、最新バージョンの管理データで、そのバージョン管理部32を有する複合機(つまり、自機)の管理データを更新可能か否かを判定する(ステップS15)。このとき、バージョン管理部32は、例えば、その最新バージョンに関連付けられている変更ログを取得し、その変更ログに基づいて、最新バージョンの管理データでの更新が可能か否かを判定する。また、例えば、バージョン管理部32は、最新バージョンの管理データを有する複合機にその複合機の機種を問い合わせ、その機種に基づいて、最新バージョンの管理データでの更新が可能か否かを判定するようにしてもよい。また、例えば、バージョン管理部32は、最新バージョンの管理データに含まれるレコードの数(例えばアドレス帳におけるアドレス件数、ユーザ管理データにおけるユーザ数など)がその管理データについて許容される上限レコード数を超えているか否かを判定し、その判定結果に基づいて、最新バージョンの管理データでの更新が可能か否かを判定するようにしてもよい。
【0059】
各バージョン管理部32は、最新バージョンの管理データで自機の管理データを更新可能であると判定した場合、自機の管理データが最新バージョンであれば、その管理データを他の複合機のバージョン管理部32へ送信し、そうでなければ、最新バージョンの管理データを有する複合機からその最新バージョンの管理データを取得し、その管理データで、記憶装置12に記憶されている同種の管理データを更新する(ステップS16)。
【0060】
一方、バージョン管理部32は、最新バージョンの管理データで自機の管理データを更新可能ではないと判定した場合、未更新ログを生成し、記憶装置12に記憶する(ステップS17)。未更新ログには、管理データの種別、バージョン情報、未更新の原因(あるいは原因を示すコード)などが含められる。例えば、管理者がログインし所定のユーザ操作を操作パネル14に対して行うと、この未更新ログおよびそのリストが操作パネル14に表示される。
【0061】
また、ステップS14においてこの種別の管理データの最新バージョンが変化していないと判定された場合には、この種別の管理データは、複合機1A〜1Eにおいて同期がとれている状態にあるため、ステップS15〜S17の処理がスキップされる。
【0062】
そして、バージョン管理部32は、すべての種別の管理データについて、上述の処理(ステップS13〜S17)を行ったか否かを判定する(ステップS18)。
【0063】
バージョン管理部32は、上述の処理(ステップS13〜S17)を行っていない1または複数の種別がある場合には、そのうちの1種別の管理データについて、上述の処理(ステップS13〜S17)を行う。一方、バージョン管理部32は、すべての種別の管理データについて、上述の処理(ステップS13〜S17)を行ったと判定した場合には、この処理を終了する。
【0064】
以上のように、上記実施の形態によれば、複合機1A〜1Eのそれぞれは、所定の機能で使用し当該複合機で管理される管理データを記憶する記憶装置12と、管理データを編集するデータ編集部31と、他の複合機と通信する通信装置11と、バージョン管理部32とを備える。そして、バージョン管理部32は、データ編集部31により管理データが更新されるたびに管理データのバージョンを変更していき、他の複合機における管理データのバージョンを取得し、当該複合機および他の複合機における管理データのうちの最新バージョンを確認し、当該複合機における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の複合機へ送信し、他の複合機における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを他の複合機から取得しその管理データで記憶装置12に記憶されている管理データを更新する。
【0065】
これにより、サーバなどのバージョンを管理する外部装置を使用することなく、複数の複合機1A〜1Eで同一バージョンのデータを共有することが可能である。
【0066】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0067】
例えば、上記実施の形態におけるシステムでは、複合機1A〜1Eの数が5であるが、複合機の数は2以上の他の数でもよい。
【0068】
また、上記実施の形態におけるシステムは、複合機1A〜1Eといった画像形成装置でデータを共有しているが、別の種類の電子機器でデータを共有するようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施の形態において、複合機1A〜1Eについて優先順位を予め設定しておき、複合機1A〜1Eの管理データにおいて、競合する更新があった場合、その優先順位に従って、最新バージョンを決定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、例えば、複数の画像形成装置がネットワークに接続されているシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1A〜1E 複合機(電子機器の例)
2 ネットワーク
11 通信装置
12 記憶装置
15 演算処理装置(コンピュータの一例)
21 アドレス帳データ(管理データの一例)
22 設定データ(管理データの一例)
23 ユーザ管理データ(管理データの一例)
24 部門管理データ(管理データの一例)
26 プログラム(情報更新プログラムの一例)
31 データ編集部
32 バージョン管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能を有する電子機器において、
前記所定の機能で使用し当該電子機器で管理される管理データを記憶する記憶装置と、
前記管理データを編集するデータ編集部と、
他の電子機器と通信する通信装置と、
前記データ編集部により前記管理データが更新されるたびに前記管理データのバージョンを変更していき、前記他の電子機器における管理データのバージョンを取得し、当該電子機器および前記他の電子機器における管理データのうちの最新バージョンを確認し、当該電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを前記他の電子機器へ送信し、前記他の電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを前記他の電子機器から取得しその管理データで前記記憶装置に記憶されている管理データを更新するバージョン管理部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記管理データは、複数種別のデータを含み、
前記バージョン管理部は、前記管理データにおける各種別のデータについて別々に、前記データ編集部によりある種別のデータが更新されるたびにその種別のデータのバージョンを変更していき、前記他の電子機器におけるその種別のデータのバージョンを取得し、当該電子機器および前記他の電子機器におけるその種別のデータのうちの最新バージョンを確認し、当該電子機器におけるその種別のデータが最新バージョンである場合にはその種別のデータを前記他の電子機器へ送信し、前記他の電子機器におけるその種別のデータが最新バージョンである場合にはその種別のデータを前記他の電子機器から取得しその種別のデータで前記記憶装置に記憶されている管理データを更新すること、
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記管理データは、アドレス帳データ、設定データ、ユーザ管理データおよび部門管理データを含むことを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記バージョン管理部は、前記他の電子機器から取得した管理データで、前記記憶装置に記憶されている管理データを更新できるか否かを判定し、前記他の電子機器から取得した管理データで、前記記憶装置に記憶されている管理データを更新できる場合のみ、前記他の電子機器から取得した管理データで、前記記憶装置に記憶されている管理データを更新し、前記他の電子機器から取得した管理データで、前記記憶装置に記憶されている管理データを更新できない場合、前記他の電子機器から取得した管理データで、前記記憶装置に記憶されている管理データを更新せず、更新しなかった前記管理データのバージョンを未更新ログを記録することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記バージョン管理部は、所定のタイミングで定期的に、前記他の電子機器における管理データのバージョンを取得し、当該電子機器および前記他の電子機器における管理データのうちの最新バージョンを確認し、当該電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを前記他の電子機器へ送信し、前記他の電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを前記他の電子機器から取得しその管理データで前記記憶装置に記憶されている管理データを更新することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
同一のネットワークに接続された複数の電子機器を備え、
前記複数の電子機器は、それぞれ、請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の電子機器と同一であること、
を特徴とする情報更新システム。
【請求項7】
所定の機能で使用し各電子機器で管理される管理データをそれぞれ記憶する複数の電子機器がネットワークに接続されているシステムにおける情報更新方法において、
各電子機器において前記管理データを編集するステップと、
各電子機器において前記管理データが更新されるたびに前記管理データのバージョンを変更していくステップと、
各電子機器において、前記他の電子機器における管理データのバージョンを取得し、当該電子機器および前記他の電子機器における管理データのうちの最新バージョンを確認し、当該電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを前記他の電子機器へ送信し、前記他の電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを前記他の電子機器から取得しその管理データで当該電子機器の管理データを更新するステップと、
を備えることを特徴とする情報更新方法。
【請求項8】
所定の機能で使用し当該電子機器で管理される管理データを記憶する電子機器で実行される情報更新プログラムにおいて、
前記管理データを編集するデータ編集部、
他の電子機器と通信する通信装置、並びに、
前記データ編集部により前記管理データが更新されるたびに前記管理データのバージョンを変更していき、前記他の電子機器における管理データのバージョンを取得し、当該電子機器および前記他の電子機器における管理データのうちの最新バージョンを確認し、当該電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを前記他の電子機器へ送信し、前記他の電子機器における管理データが最新バージョンである場合にはその管理データを前記他の電子機器から取得しその管理データで当該電子機器の管理データを更新するバージョン管理部、
としてコンピュータを機能させる情報更新プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−113230(P2011−113230A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268195(P2009−268195)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】